説明

ポリアミドの製造のための連続プロセス

ポリアミドを製造する2工程予備縮合プロセスにおいて、重合度の低い縮合生成物が形成されるような条件下で極性、非塩基性不活性有機液体媒体においてジアミンをジカルボン酸ジハロゲン化物と反応させる。成分を、合計滞留時間が約2秒〜約2分で、ペクレ数が約3.5を超える反応器システムに連続供給することにより、得られた縮合物を水溶性酸受容体の水溶液と接触させて、重合度の高いポリアミド生成物を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアミンおよびジカルボン酸から重合度の高いポリアミドを製造する方法、特に、芳香族ジアミンおよび芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物から全または部分芳香族ポリアミドを製造する新規な連続重合方法に関する。ジアミンとジカルボン酸ジハロゲン化物、特に、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物から製造された重合度の高い線状ポリアミドは、ファイバー、フィルム、コーティングおよびその他成形物品へと処理することができる。
【背景技術】
【0002】
これまで、(a)界面重縮合方法(例えば、特許文献1)および(b)低温溶液重縮合方法(例えば、特許文献2)が芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物から芳香族ポリアミドを製造する方法として知られてきた。これらの方法は、(i)芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸間の熱による脱水縮合や(ii)芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステル間のフェノール除去に伴う熱による縮合などの芳香族ポリアミドを得る他の方法よりも優れていると考えられている。脱水縮合方法において、縮合は、200℃より高い温度でも平滑に進行せず、多くの場合、熱分解が生じて不溶性ゲルを含有する着色生成物を形成する。フェニルエステル法による縮合において、フェニルエステルは、対応する酸塩化物から誘導されなければならない。これは、ポリアミドを与える良好な反応物質であるが、この方法の有効性が減じるものである。これらの縮合方法はまた、高温で長い時間にわたって行われなければならない。これに対し、最初に述べた2つの方法(a)および(b)は室温以下で実施され、反応が完了するのに必要なのは僅か数分である。
【0003】
しかしながら、最初に述べた2つの方法、(a)界面重縮合と(b)低温溶液重縮合方法には、様々な欠点がある。界面重縮合方法(a)において、生成物の分子量を制御するのが非常に難しいことが知られている。得られるポリマーの重合度は、反応物質の濃度、その添加速度、反応容器のサイズ、攪拌速度、および用いる溶剤の種類などの非化学量論的な条件における僅かの変化により異なり、これに非常に影響されやすい。ひとたび反応物質を充填すると、更なる供給物により最終ポリマーの重合度を調整するのは不可能である。というのは、重合度は、上述したような反応条件の注意を要する組み合わせにより予め決まるからである。更に、この方法に従ってポリマーを調整するとき、コポリマーの主鎖構造を制御することはできない。サイズの大きな反応容器を実際に用いる場合、重合度の高いポリマーはこの方法では得られないということも分かっている。
【0004】
一方、低温溶液重縮合方法(b)においては、最終ポリマーの分子量制御はいくぶん容易である。しかしながら、高分子量生成物が求められるとき、用いる溶剤の選択は限定されており、例えば、溶液や副反応の発生からの生成物の分離等、様々な困難が生じる。更に、生成物は反応副生成物としてハロゲン化水素塩と必ず共存している。副生成物の除去には、沈殿と濯ぎや、生成物を物品に成形した後の複雑な処理といった長く冗長なプロセスが必要である。従って、これらの塩を含まず、十分な熱安定性のある生成物を得ることは難しい。
【0005】
2つの特許、特許文献3および特許文献4には、(1)極性、非塩基性不活性有機液体媒体中で実質的に等モル量のジアミンをジカルボン酸ジハロゲン化物と反応させてプレポリマーを形成し、(2)プレポリマーを水溶性酸受容体の水溶液と接触させて重合反応を完了することにより芳香族ポリアミドを製造する2工程プロセスが開示されている。これらの特許は次の通りである。
【0006】
特許文献3には、芳香族ポリアミドを製造する、オリゴマー重合プロセスと呼ばれることもある2工程予備縮合プロセスが開示されている。このプロセスの第1の工程において、重合度の低い縮合生成物が形成されるような条件下で、極性、非塩基性不活性有機液体媒体中で、芳香族ジアミンを芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物と反応させる。第2の工程において、縮合生成物を含有する有機液体媒体を、水溶性酸受容体の水溶液と接触させてポリアミド生成物を形成する。
【0007】
エーテル、ケトン、スルホンおよびハロゲン化炭化水素が好適な溶剤として示唆されている。副生成物ハロゲン化水素酸を中和するのに好適な水溶性酸受容体としては、無機および有機アルカリ金属水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩、ならびに、例えば、トリエチルアミンやトリエチレンジアミンのような有機アミンが挙げられる。硫酸中、生成物ポリアミドの固有粘度は0.6〜3が可能であったと考えられる。
【0008】
特許文献4には、水溶性酸受容体を、水と炭酸ナトリウム水和物の分散液からなる水性スラリーに限定した以外は、特許文献3に開示されているのと略同じ2工程予備縮合プロセスが開示されている。特許文献4においては、効率を改善するために高濃度の芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物を含有する有機液体媒体で特許文献3のプロセスを実施しようとすると、重合度の低い芳香族ポリアミドしか得られないことが分かった。
【0009】
特許文献3および特許文献4のプロセスは、大規模連続運転に適していない。反応を非常に遅くして、重合度の低いポリアミドを得るか、あるいはこれらのプロセスでは、非常に大きなポンプ、非常に激しい攪拌、および非常に大きなプロセス逃がし弁を必要とするかのいずれかである。このやり方の運転は、効率的ではなく、安全上の問題を伴う。
【0010】
従って、業界では、(1)重合度の高いポリアミドを効率的に製造でき、(2)酸受容体の導入の性質の制限を受けない連続プロセスが必要とされている。
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,006,899号明細書
【特許文献2】米国特許第3,063,966号明細書
【特許文献3】米国特許第3,640,970号明細書
【特許文献4】米国特許第4,009,154号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
オリゴマー重合プロセスの第1の工程において、重合度の低い縮合生成物が形成されるような条件下で、極性、非塩基性不活性有機液体媒体中で、芳香族および/または非芳香族ジアミンを芳香族および/または非芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物と反応させる。以降、重合度の低い縮合生成物は「プレポリマー」と称す。第2の工程において、以降、「プレポリマー溶液」と称すプレポリマーを含有する有機液体媒体を、水溶性酸受容体の水性溶液と接触させて、プレポリマーおよび酸受容体溶液を反応器システムに連続供給することにより、重合度の高いポリアミド生成物を形成する。反応器システムの合計滞留時間は約2秒〜約2分であり、ペクレ数は約3.5を超える。このプロセスは、重合度の高いポリアミドを効率的に生成する。従来技術のプロセスに比べて、非常に早い添加時間を用いる。従来技術において、そのような早い添加時間だと非常に大きなポンプやプロセス逃がし弁が必要であり、効率や安全上の問題を伴っていた。本発明のプロセスには、これらの欠点がない。
【0013】
特定の理論に拘束されることは望むところではないが、合計の滞留時間が約2秒〜約2
分で、ペクレ数が約3.5を超える反応器システムだと、ポリアミド製造に以前用いられいたプロセスに比べてプレポリマーと水溶性酸受容体のバックミキシングおよび/または分散を減じると考えられる。従って、このプロセスによれば、プレポリマーの酸塩化物の加水分解を最小にするのが補助される。加水分解は、重合度の低いポリアミドとさせる可能性がある。
【0014】
本発明のプロセスにより得られるポリアミドは、例えば、工業材料、絶縁材料、樹脂強化材料、接着剤、コーティング等といった様々な目的に用いることのできる、例えば、ファイバー、フィルム、シート、液体生成物および成形物品へと、通常のやり方で、適宜、変形可能である。
【0015】
本発明によれば、本明細書において実施され広く記載されているように、本発明は、
(a)少なくとも1種類の水溶性無機酸受容体の少なくとも1種類の水溶液と、
(b)少なくとも1種類のプレポリマーと少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体とを含んでなり、少なくとも1種類のプレポリマーが実質的に等モル量の少なくとも1種類のジアミンと少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物を少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体中で反応させることにより形成された少なくとも1種類のプレポリマー溶液との溶液を、
約2秒〜約2分の滞留時間を有し、ペクレ数が約3.5を超える反応器システムに供給することを含んでなるポリアミドの製造方法を含んでなる。
【0016】
更に、本発明によれば、本明細書において実施され広く記載されているように、本発明は、
(a)少なくとも1種類の水溶性無機酸受容体の少なくとも1種類の水溶液と、
(b)少なくとも1種類のプレポリマーと少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体とを含んでなり、少なくとも1種類のプレポリマーが実質的に等モル量の少なくとも1種類のジアミンと少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物を少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体中で反応させることにより形成された少なくとも1種類のプレポリマー溶液との溶液を、
ペクレ数が約3.5を超える反応器システムに供給することを含んでなり、反応器システムにおいて約2秒〜約2分の滞留時間で少なくとも1種類のプレポリマーの総量の約95%以上の変換がなされるポリアミドの製造方法を含んでなる。
【0017】
更に、本発明によれば、本明細書において実施され広く記載されているように、本発明はこれらのプロセスに従って製造された少なくとも1種類のポリアミドから形成された成形物品および/またはファイバーを含んでなる。
【0018】
本発明の更なる適用範囲は、後述する詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、本発明の実施形態を示す詳細な説明および特定の実施例は、本発明の技術思想および範囲内で様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者には明白となるため、例証のためのみに与えられていると考えるものとする。前述の概略の説明と以下の詳細な説明の両方とも例示および例証のみであり、請求された本発明を限定するものではないものと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のプロセスは、少なくとも1種類の極性、非塩基性不活性有機液体媒体と、少なくとも1種類の極性、非塩基性不活性有機液体媒体中で等量の少なくとも1種類のジアミンと少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物を反応させることにより形成された少なくとも1種類のプレポリマーとを含んでなるプレポリマー溶液を用いる。
【0020】
実質的に等量のジカルボン酸ジハロゲン化物とジアミンを少なくとも1種類の極性、非塩基性不活性有機液体媒体中で反応させると、重合度の低いジアミンとジカルボン酸ジハロゲン化物の縮合生成物が形成される。重合度の低い縮合生成物はまた、本明細書においては「プレポリマー」とも呼ばれる。
【0021】
この反応により得られたプレポリマーは、有機液体媒体中で溶液または分散液の形態を取る。プレポリマーは、固体微粒子または膨潤粒子として分散相中に部分的に存在していてもよい。ジカルボン酸ジハロゲン化物およびジアミンは、未反応ジカルボン酸ジハロゲン化物またはジアミンのハロゲン化水素塩として部分的に存在していてもよい。重要な特徴は、分散液および溶液の状態にあるプレポリマーは更なる重縮合の可能性を保持していることである。
【0022】
本発明によれば、プレポリマー、少なくとも1種類の極性、非塩基性不活性有機液体媒体、未反応のジカルボン酸ジハロゲン化物およびジアミン、およびその他構成成分はまとめて「プレポリマー溶液」と呼ばれる。
【0023】
1分子のジカルボン酸ジハロゲン化物と1分子のジアミンのプレポリマーが縮合度1を有するものと定義すると、プレポリマーは、主に縮合度が約1〜20以上である同種の分子の集合であると信じられている。
【0024】
ジカルボン酸ジハロゲン化物とジアミンの反応の間、ハロゲン化水素酸が遊離する。プレポリマーの末端アミン端部はハロゲン化水素塩の形態にあるものと考えられる。従って、得られたプレポリマー溶液は、保管条件によっては長い時間にわたって安定して保管することができる。一実施形態において、プレポリマー溶液は少なくとも6時間保管することができる。
【0025】
脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンの両方を、本発明においてはジアミンとして用いることができる。優れた熱安定性および耐有機溶剤性を有するポリアミドを得るためには、式HN−A−NH2(1)またはHN−A−Y−A’−NH2(2)で表されるジアミンを用いるのが好適である。
【0026】
上式において、2つのアミノ基が互いに近接していない炭素原子に結合している。ナフタレン核のペリ位にある場合は除く。−A−および−A’−は同一でも異なっていてもよく、二価の炭素環式芳香族核を表し、芳香族核の1つもしくはそれ以上の炭素原子が、酸ハロゲン化物基またはアミノ基を含んでなる反応条件下で反応性でない置換基により置換されている場合が含まれる。炭素環式芳香族核としては、例えば、ベンゼン、ナフタレンおよびビフェニルが挙げられる。非反応性置換基としては、例えば、酸ハロゲン化物およびアミンと反応しないハロゲン、低級アルキル、フェニル、アシル、アクリルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、ジスアルキルアミノ、アシルアミノおよびアルキルチオ基が挙げられる。非反応性置換基としてはまた、例えば、アミノ基よりも酸ハロゲン化物と遥かにゆっくりと反応するカルボキシル、スルホン酸および一置換アミノ基が挙げられる。置換基の位置または数は、酸ハロゲン化物とのジアミンの2つのアミノ基の反応性が妨害されず、2つのアミノ基の反応性が大きく異ならないようなものを選択する。上式2中の−Y−は、近接する芳香族核を結合する員であり、例えば、酸ハロゲン化物と非反応性のエーテル、チオエーテル、カルボニル、スルホン、N−置換イミノ、アミド、N−置換アミド、メチレンおよびアルキリデン結合を表す。
【0027】
上式1および2により表される芳香族ジアミンとしては、例えば、メタフェニレンジアミン、2,4ジアミノメシチレン、パラ−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、トルイレンジアミン、ジアミノアセトフェノン、アミノアニシジン、ベンジジン、1
,5−ナフチレンジアミン、ビス(アミノフェニル)エーテル、N,N−ビス(4−アミノフェニル)アニリンおよびビス(アミノ−フェニル)メタンのようなベンゼン誘導体がある。一実施形態において、メタフェニレンジアミンおよび/または2,4ジアミノメシチレンが好ましい。
【0028】
本発明のプロセスに用いる脂肪族ジアミンは、酸ハロゲン化物基またはアミノ基が含まれる反応条件下で反応性でない1つもしくはそれ以上の置換基を有していてもよい。非反応性置換基としては、例えば、酸ハロゲン化物およびアミンと反応しないハロゲン、低級アルキル、フェニル、アシル、アクリルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、ジスアルキルアミノ、アシルアミノおよびアルキルチオ基が挙げられる。非反応性置換基としてはまた、例えば、アミノ基よりも酸ハロゲン化物と遥かにゆっくりと反応するカルボキシル、スルホン酸および一置換アミノ基が挙げられる。置換基の位置または数は、酸ハロゲン化物とのジアミンの2つのアミノ基の反応性が妨害されず、2つのアミノ基の反応性が大きく異ならないようなものを選択する。脂肪族ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミンのようなn−メチレンジアミンが挙げられるがこれに限られるものではない。
【0029】
一実施形態において、2種類もしくはそれ以上のジアミンを組み合わせて用いてもよい。他の実施形態において、全ジアミンの総重量に基づいて約15重量パーセントまでの1種類もしくはそれ以上の非芳香族ジアミンを1種類もしくはそれ以上の芳香族ジアミンと組み合わせて用いる。
【0030】
脂肪族ジカルボン酸ジハロゲン化物と芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物の両方を本発明において用いてよい。優れた熱安定性および耐溶剤性を有するポリアミドを得るためには、式XOC−B−COX’(3)またはXOC−B−Y−B’−COX’(4)で表される1種類もしくはそれ以上の芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物を用いるのが好適である。
【0031】
上式において、XおよびX’はハロゲン原子、通常は塩素原子を表す。2つの酸ハロゲン化物基は互いに近接していない炭素原子に結合している。ナフタレン核のペリ位にある場合は、良好な結果が得られないため除外する。−B−および−B’−は式1および2について上述した−A−および−A’−と同様に、炭素環式芳香族核を表し、芳香族核の1つもしくはそれ以上の炭素原子が、アミノ基または酸ハロゲン化物基と反応しない置換基により置換されている場合が含まれる。炭素環式芳香族核としては、例えば、ベンゼン、ナフタレンおよびビフェニルが挙げられる。非反応性置換基としては、例えば、酸ハロゲン化物およびアミンと反応しないハロゲン、低級アルキル、フェニル、アシル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、ジアルキルアミノおよびアルキルチオ基が挙げられる。酸ハロゲン化物よりも遥かにゆっくりとアミンと反応する、例えば、カルボキシルおよびスルホン酸基のようなその他の置換基を用いてもよい。置換基の位置または数は、アミンとの2つの酸ハロゲン化物基の反応性が妨害されず、2つのアミノ基の反応性が大きく異ならないようなものを選択する。上式4中の−Y−は、近接する芳香族核を結合する員であり、例えば、酸ハロゲン化物またはアミンと非反応性のエーテル、チオエーテル、カルボニル、スルホン、N−置換イミノ、アミド、N−置換アミド、メチレンおよびアルキリデン結合を表す。
【0032】
一般的に、限定するものではないが、芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物としては、塩化テレフタロイル、塩化イソフタロイル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ハロゲン化物、2,6−ナフタレンジカルボン酸ハロゲン化物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ハロゲン化物、塩化5−クロロイソフタロイル、塩化5−メトキシイソフタロイルおよびビス(パラ−クロロホルミルフェニル)エーテルが例示される。一実施形態において、テレフタル酸およびイソフタル酸の二塩化物が好ましい。
【0033】
本発明に用いる脂肪族ジカルボン酸のジハロゲン化物は、例えば、式XOC−R−COX’(5)で表される。
【0034】
式中、Rは4〜10個の炭素原子を有するアルキレン基であり、XおよびX’はハロゲン原子、好ましくは塩素原子である。脂肪族カルボン酸ジハロゲン化物としては、アジピン酸およびセバシン酸のジハロゲン化物が挙げられるがこれに限られるものではない。アジピン酸およびセバシン酸の二塩化物が好ましい。本発明に用いる脂肪族ジカルボン酸の二酸化物は、アミノ基または酸ハロゲン化物基と反応しない1つもしくはそれ以上の置換基を有していてもよい。非反応性置換基としては、例えば、酸ハロゲン化物およびアミンと反応しないハロゲン、低級アルキル、フェニル、アシル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、ジアルキルアミノおよびアルキルチオ基が挙げられる。酸ハロゲン化物よりも遥かにゆっくりとアミンと反応する、例えば、カルボキシルおよびスルホン酸基のようなその他の置換基を用いてもよい。置換基の位置または数は、アミンとの2つの酸ハロゲン化物基の反応性が妨害されず、2つのアミノ基の反応性が大きく異ならないようなものを選択する。
【0035】
一実施形態において、2種類もしくはそれ以上のジカルボン酸ジハロゲン化物を組み合わせて用いてもよい。他の実施形態において、全ジカルボン酸ジハロゲン化物の総重量に基づいて約15重量パーセントまでの1種類もしくはそれ以上の非芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物を1種類もしくはそれ以上の芳香族ジアミンと組み合わせて用いる。
【0036】
本発明の有機液体媒体は、通常、極性、非塩基性および不活性でなければならない。有機液体媒体が非塩基性でなければならない理由は、通常、塩基性有機媒体だと、本発明のプロセスにより製造されたポリアミドを溶解して、重合反応を制御したり、得られたポリアミドを有機液体媒体から分離するのが難しくなるためである。有機液体媒体に関して用いる「極性」という用語は、本発明に用いる有機液体媒体が少なくともある程度水に相互溶解性であることを意味する。有機液体媒体に関して用いる「不活性」という用語は、有機液体媒体がジアミンか、ジカルボン酸ジハロゲン化物のいずれかと実質的に反応しないことを意味する。
【0037】
得られたポリマーを多少膨潤する有機液体媒体が本発明の有機液体媒体として好ましい。通常、得られたポリマーを溶解する化合物は十分な結果を与えない。
【0038】
有機液体媒体として本発明に有用な有機溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メタニトロアニソールおよびパラクロロアニソールのようなエーテル、ケトン、スルホン、ハロゲン化炭化水素、ニトリル、ニトロ化合物および/またはエステルが挙げられるがこれらに限られるものではない。テトラヒドロフランが好ましい有機媒体である。
【0039】
有機液体媒体として本発明に有用なケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、パラクロロアセトフェノンおよびオルトニトロアセトフェノンが例示されるがこれらに限られるものではない。有機液体媒体として本発明に有用なスルホンとしては、スルホラン、2,5−ジメチルスルホランおよび3−メチルスルホランが例示されるがこれらに限られるものではない。有機液体媒体として本発明に有用なハロゲン化炭化水素としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、α−クロロナフタレンおよびクロロベンゼンが例示されるがこれらに限られるものではない。有機液体媒体として本発明に有用なニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリルおよびベンゾニトリルが例示されるがこれらに限られるものではない。有機液体媒体として本発明に有用なニトロ化合物としては、ニトロベンゼン、ニトロトルエンおよびメタニトロアニソールが例示されるがこれらに限られるものではない。有機液体媒体として本発明に有用なエステル化合物としては、酢酸エチルおよび安息香酸メチルが例示されるがこれらに限られるものではない。
【0040】
本発明の有機液体媒体は、単一化合物である必要はなく、1種類もしくはそれ以上の有機溶剤と、場合により、1種類もしくはそれ以上の希釈剤またはその他成分を含んでなる混合物であってもよい。この有機液体媒体は、ジカルボン酸ジハロゲン化物およびジアミンと反応する物質を含有していないのが原則的に好ましい。かかる反応性物質としては、例えば、水、アンモニア、塩基性物質、酸性物質、アルコール、イソシアネートおよび酸ハロゲン化物が挙げられる。しかしながら、規定量の単官能性反応性物質の添加は、得られるポリマーの実際の性能を改善するために、分子量調整または末端基制御に有効なときに行う。通常、量は約1重量%未満に限定する。
【0041】
一実施形態において、1種類もしくはそれ以上の非極性溶剤または非極性炭化水素を希釈剤として有機液体媒体に添加してもよい。添加する非極性希釈剤の総量は、液体媒体の総重量に基づいて約30重量%以下としなければならない。かかる非極性炭化水素としては、ベンゼン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンが例示されるがこれらに限られるものではない。非極性溶剤としては四塩化炭素が挙げられるがこれに限られるものではない。
【0042】
有機液体媒体は、重合条件下で水溶液相の組成物に関して選択しなければならない。例えば、有機液体媒体が、プレポリマー形成時に透明な溶液または安定した滑らかなエマルジョンを与えるようなもののとき、良好な結果が得られる。一方、プレポリマーを形成するときに、即時に沈殿する粒子が形成されたり、粘性沈殿物が形成されるときに、有機液体媒体を選択するのは望ましくない。1種類もしくはそれ以上の有機溶剤または希釈剤の混合物を含んでなる有機液体媒体は、最良の媒体を探すのに有利であり、重合の程度の高いポリマーを与える。
【0043】
ジカルボン酸ジハロゲン化物およびジアミンを添加する混合のやり方および混合順は任意のものを用いてよい。一実施形態において、有機液体媒体中固体ジカルボン酸ハロゲン化物またはかかる酸ハロゲン化物の溶液を有機液体媒体中ジアミン溶液に添加する。他の実施形態において、有機液体媒体中固体ジアミンまたはジアミンの溶液を有機液体媒体中ジカルボン酸ジハロゲン化物の溶液に添加してもよい。このとき、特にすみやかな攪拌は必要なく、添加の特定の速度は必要ない。例えば、これらの材料の総量が数秒内に充填されても、50分もしくはそれ以上の間にわたって充填されても、得られるプレポリマーに実質的な差はない。
【0044】
しかしながら、反応物質の濃度、その添加順、添加速度、または攪拌速度は、プレポリマー溶液としても知られる有機液体媒体中プレポリマーの均一で安定した溶液または分散液が、ジカルボン酸ジハロゲン化物、ジアミンおよび有機液体媒体の接触時に得られるようなものを選択するのが好ましい。一実施形態において、この反応の温度は、通常約−30〜約100℃である。更に他の実施形態において、この反応の温度は、通常約0〜約100℃である。更に他の実施形態において、この反応の温度は、通常約10〜約40℃である。更に他の実施形態において、反応は室温で実施する。反応は0℃未満の温度でも進行することに留意されたい。一実施形態において、この反応の温度は、通常約−30〜約0℃である。
【0045】
一実施形態において、ジアミンは0〜100重量%のメタフェニレンジアミンと0〜100重量%の2,4ジアミノメシチレンとを含み、ジカルボン酸ジハロゲン化物は0〜100重量%の塩化イソフタロイルと、0〜100重量%の塩化テレフタロイルとを含んでなる。
【0046】
他の実施形態において、ジアミンは全ジアミンの総重量に基づいて0〜100重量%のメタフェニレンジアミンおよび/または0〜100重量%の2,4ジアミノメシチレン、15重量パーセントまでの1種類もしくはそれ以上の非芳香族ジアミンを含んでなる。ジカルボン酸ハロゲン化物は全ジカルボン酸ジハロゲン化物の総重量に基づいて0〜100重量%の塩化イソフタロイルおよび/または0〜100重量%の塩化テレフタロイル、約15重量パーセントの1種類もしくはそれ以上の非芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物を含んでなる。
【0047】
他の実施形態において、ジアミンはメタフェニレンジアミンであり、ジカルボン酸ジハロゲン化物は塩化イソフタロイルである。
【0048】
他の実施形態において、ジアミンは2,4ジアミノメシチレンであり、ジカルボン酸ジハロゲン化物は塩化イソフタロイルである。
【0049】
他の実施形態において、ジアミンはメタフェニレンジアミンであり、ジカルボン酸ジハロゲン化物は約40重量%の塩化イソフタロイルと約60重量%の塩化テレフタロイルを含んでなる。
【0050】
他の実施形態において、ジアミンはメタフェニレンジアミンであり、ジカルボン酸ジハロゲン化物は約70重量%の塩化イソフタロイルと約30重量%の塩化テレフタロイルを含んでなる。
【0051】
他の実施形態において、ジアミンは約50重量%のメタフェニレンジアミンと約50重量%の2,4ジアミノメシチレンであり、ジカルボン酸ジハロゲン化物は約70重量%の塩化イソフタロイルと約30重量%の塩化テレフタロイルを含んでなる。
【0052】
他の実施形態において、先行する全実施形態の有機液体媒体はテトラヒドロフランを含んでなる。
【0053】
他の実施形態において、共重合が望ましい場合には、プレポリマー溶液を下記の手順(1)または(2)のいずれかにより調製する。
(1)少なくとも2種類のジアミンおよび/または少なくとも2種類のジカルボン酸ジハロゲン化物を同時に、または任意の順番で有機液体媒体に添加して、重合度の低いプレポリマー生成物を形成する、または
(2)実質的に等モル量の少なくとも1種類のジアミンと少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物を有機液体媒体中で反応させて、重合度の低いジアミンとジカルボン酸ジハロゲン化物のプレポリマー生成物を形成し、別途、実質的に等モル量の少なくとも1種類のジアミンと少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物であって、少なくとも一方が最初に述べたジアミンおよびジカルボン酸ジハロゲン化物とは異なる種類であるものを、有機液体媒体と同じ、または異なる有機液体媒体中で反応させて、重合度の低いプレポリマー生成物を形成する。一実施形態において、2種類もしくはそれ以上のプレポリマーを組み合わせてプレポリマーを含有する有機液体媒体のプレポリマー溶液を形成する。他の実施形態において、2種類もしくはそれ以上のプレポリマーは反応器システムへ別々に供給する。
【0054】
本発明は、プレポリマー溶液は作製または調製するときに限定されるものではない。従って、本発明のプロセスは、保管量のプレポリマー溶液を用いて実施してもよく、またはプレポリマー溶液を反応器システムへ導入する直前に生成してもよい。
【0055】
2工程予備縮合プロセスまたはオリゴマー重合プロセスの第2の工程において、プレポリマー溶液を、少なくとも1種類の水溶性酸受容体の少なくとも1種類の水溶液と接触させて、意図するポリアミド形成反応を完了する。一実施形態において、合計滞留時間約2秒〜約2分、ペクレ数が約3.5を超える反応器システムへ成分を連続供給することにより、少なくとも1種類のプレポリマー溶液を少なくとも1種類の水溶性酸受容体の少なくとも1種類の水溶液と接触させる。
【0056】
他の実施形態において、ペクレ数が約3.5を超える反応器システムへ成分を連続供給することにより、少なくとも1種類のプレポリマー溶液を少なくとも1種類の水溶性酸受容体の少なくとも1種類の水溶液と接触させるものであり、反応器システムにおいて約2秒〜約2分の滞留時間で全プレポリマーの約95%以上の変換がなされる。プレポリマーの95%以上の変換率とは、少なくとも95%以上の全プレポリマー分子の反応性基を他のプレポリマー分子のその他の反応性基と反応させたことを意味する。
【0057】
一実施形態において、少なくとも1種類のプレポリマー溶液を、約−5℃の温度で反応器システムへ供給し、少なくとも1種類の水溶性酸受容体の少なくとも1種類の水溶液を約5〜10℃の温度で反応器システムへ供給する。
【0058】
使用可能な酸受容体は、水溶性である限りは無機または有機としてよい。無機酸受容体が好ましい。無機酸受容体としては、水溶性の強塩基または弱塩基を用いてもよい。強塩基としては、例えば、水酸化リチウムと水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物が例示されるがこれらに限られるものではない。弱塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび重炭酸ナトリウムのようなアルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩が例示されるがこれらに限られるものではない。重炭酸塩が好ましいが、酢酸ナトリウム、一カリウムシュウ酸塩およびジカリウムフタレートのようなカルボン酸塩も使用可能である。アルカリ土類金属の水酸化物と弱酸の塩を用いてもよい。有機酸受容体としては、ターシャリーアミン、特に好ましくは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、キヌクリジン、N−メチル−モルホリンおよびヘキサメチレンテトラミンが例示されるがこれらに限られるものではない。ターシャリーアミンの溶解度が十分に高くない場合には、上述した液体媒体の一部を水性相に添加してもよい。
【0059】
酸受容体の量は、重縮合から生成される総量のハロゲン化水素酸と共に塩を形成するのに十分なものでなければならない。しかしながら、通常、やや過剰または欠けた量の酸受容体は、ポリマー形成にあまり影響しない。
【0060】
本発明の反応器システムは、例えば、直列の反応器、インラインミキサーまたは低軸分散による管状反応器といった様々なエンジニアリング装置の形態を採り得る。反応器システムは、異なるエンジニアリング装置の組み合わせを含んでなることもできる。一実施形態において、反応器システムの合計滞留時間は約2秒〜約2分であり、ペクレ数は約3.5を超える。他の実施形態において、反応器システムのペクレ数は約3.5を超え、反応器システムにおいて約2秒〜約2分の滞留時間でプレポリマーの約95%の変換率である。
【0061】
ペクレ数(Pe)は、管状反応器について式Pe=uL/D(式中、u=速度、L=長さ、およびD=軸分散係数)で定義される反応器システム内の軸状(axial)バックミキシングの尺度である。ペクレ数は、軸状バックミキシングに逆比例し、プラグ流れへのアプローチの尺度であり、無限のペクレ数は完全なプラグ流れに対応する。高軸分散(バックミキシング)のシステムにおいて、ペクレ数はゼロである。
【0062】
管状反応器でない反応器システムについては、当該のシステムの滞留時間分布が、同じペクレ数の管状反応器について見られるのと同じとなるように、等価のペクレ数を計算する。特定の反応器システムの最良のペクレ数の計算および選択、ならびにその他の設計要件は当業者に明白である。1台もしくはそれ以上の直列の連続攪拌タンク反応器(CSTR)のペクレ数の計算の限定されない例は、C.G.ヒルジュニア(C.G.Hill,Jr)、化学工学運動学&反応器設計概論(An Introduction to Chemical Engineering Kinetics & Reactor Design)(ウィリー(Wiley)1977年)に開示されている。ヒル(Hill)は以下の式を開示している。
【0063】
【数1】

【0064】
uL/Dは=Pe(ペクレ数)であるため、この式は次のように書き直せる。
【0065】
【数2】

【0066】
ヒル(Hill)はまた、直列のCTSRのある数「n」について
【0067】
【数3】

【0068】
の近似値も開示している。この情報から、直列のCTSRの「n」を含んでなる反応器システムの近似ペクレ数を求めることができる。
【0069】
【表1】

【0070】
本発明によれば、ペクレ数が約3.5を超えるときは、軸状バックミキシングは効率的
に最小化される。約3.5を超えるペック数で十分だが、ペクレ数は、その他の反応条件に整合させてできる限り多いのが好ましい。一実施形態において、反応器システムは約5.5を超えるペクレ数を有している。他の実施形態において、反応器システムは約20を超えるペクレ数を有している。更に他の実施形態において、反応器システムは約40を超えるペクレ数を有している。
【0071】
プレポリマー溶液および水溶性酸受容体の水溶液は、両者が反応器システム中で互いに密着できる限りは如何なる方法によっても反応器システムに導入することができる。例えば、酸受容体の水溶液をプレポリマー溶液に添加してもよいし、この逆を行ってもよい。一実施形態において、ノズルからそれらを同時にスプレーまたは注入することにより混合してもよい。他の実施形態において、プレポリマー溶液および酸受容体の水溶液は遠心ポンプで混合する。2種類もしくはそれ以上のプレポリマー溶液および/または2種類もしくはそれ以上の水溶性酸受容体の水溶液を同時に反応器システムに供給してもよい。
【0072】
一実施形態において、反応器システム反応器は、それぞれ独立に約30秒未満の滞留時間を有する少なくとも2台の良攪拌(well−stirred)タンク反応器を直列で含んでなる。他の実施形態において、反応器システム反応器は、それぞれ独立に約30秒未満の滞留時間を有する少なくとも3台の良攪拌タンク反応器を直列で含んでなる。
【0073】
他の実施形態において、反応器システムが管を備えた混合装置を含んでなる。さらに他の実施形態において、反応器システム反応器は管を備えた遠心分離ポンプを含んでなる。他の実施形態において、管の直径は約1インチであり、長さは約120フィートである。他の実施形態において、管内の流れは乱流である。
【0074】
本発明に使用可能な反応器システム10の他の実施形態を図1および2に示す。この反応器システム10は、インペラシステム14を備え、可変速度モータ16に取り付けられた管12を含んでなる。インペラシステム14は、バッフルケージ18の内側を自由に回転する。反応器システム10は、少なくとも2つのフランジ入口20および22と、少なくとも2つのフランジ出口24および26を備えている。運転すると、プレポリマー溶液は、フランジ入口20を通して反応器システム10へと連続供給され、水溶性酸受容体の水溶液はフランジ入口22を通して反応器システム10へと連続供給される。運転中、インペラシステム14は、バッフルケージ18内側のモータ16により回転し、管12内側でプレポリマー溶液と水溶性酸受容体の水溶液の乱流を作製する。反応器システム10からの生成物はフランジ出口24から連続的に引かれる。プレポリマーの重合中に発生するガスはフランジ出口26から引かれる。
【0075】
本発明のプロセスによる反応器システムからの生成物は、2相システムまたは連続均一相における不溶ポリマーの分散液であるのが好ましい。得られるポリマーは、ろ過、または遠心分離の使用により容易に回収することができる。使用済み有機液体媒体は必要なときに回収される。分離したポリマーは、水または熱水による単純な洗浄により無機不純物のない実際に十分な等級となる。
【0076】
ポリマーの固有粘度ηinhは、相対粘度の自然対数対ポリマーの質量濃度の比である。本発明によれば、25℃で100mlの濃硫酸中ポリマーの0.5g溶液に対して測定したときに、1グラム当たり少なくとも約0.8デシリットル(dl/g)もしくはそれ以上、好ましくは1.1dl/gを超える固有粘度を有するポリアミドを生成することが可能である。特に断りのない限り、実施例で得られたプレポリマーおよび最終ポリアミドの固有粘度はこの方法に従って測定した。一実施形態において、重合度の高いポリアミドの固有粘度は少なくとも約2.2dl/gである。他の実施形態において、重合度の高いポリアミドの固有粘度は少なくとも約3.0dl/gである。
【0077】
本発明のプロセスにより得られるポリアミドポリマーは、例えば、ファイバー、フィルムおよび溶液のような様々な形態で用いることができる。それらは成形物品の形態を採ってもよい。ファイバーの形態において、それらを、カーテン、カーペット、室内装飾物品、またはタイヤ、コンベヤーベルト、ロープ、フィルタ、ガスケットおよび絶縁布のような高温に長い時間晒される工業材料、およびかかる作業環境下で作業する人々用の保護衣または作業衣へ組み込んでもよい。中空ファイバーの形態だと、この材料は気液分離膜に有用である。フィルムの場合は、電気および電気コンポーネント、自動車および飛行機用のライニングおよび表面材料として、高温および高エネルギー照射に晒される物品用梱包材料として、同様に、耐食性弁および高温ガス処理装置用ライニングおよびラミネーティング材料としてポリアミドが有用である。本発明により得られるポリマーの溶液は、優れた耐溶剤性および耐熱性、ならびに優れた難燃剤特性のために、ワニス、接着剤、ワイヤエナメルおよび織布用カバー材料として有用である。
【0078】
本発明のプロセスを実施例を参照して以下にさらに説明する。しかしながら、本発明の概念はこれらの実施例に全く限定されるものではないことを注記しておく。
【実施例】
【0079】
実施例1
0.3599モル(38.92g)のメタフェニレンジアミンを、0.1085モルの塩化テレフタロイルおよび0.2533モルの塩化イソフタロイル(合計質量73.46g)と1200mlのテトラヒドロフラン中で反応させることによりプレポリマー溶液を調製した。
【0080】
水溶性無機酸受容体の水溶液を、44.7gの炭酸ナトリウムを500mlの脱イオン水に添加することにより調製した。
【0081】
3台の良攪拌反応器を直列で含んでなる反応器システムを構築した。3台の良攪拌反応器は、それぞれ、5、4および9mlの推定液体容積を有する3つの容器を含んでいた。スターバーを各容器に加えて、容器の中身を混合する手段を与えた。3つの容器を接続すると、第1の容器に添加した材料は第2の容器に溢れ、第2の容器からの材料は第3の容器に溢れた。第3の容器から溢れたものは、一杯になるまで第1の受フラスコに溢れ、溢れたら、第2の受フラスコに交換した。受フラスコの容積は250mlであり、受フラスコの中身を後に攪拌できるようスターバーを備えていた。
【0082】
水溶性無機酸受容体の水溶液およびプレポリマー溶液をそれぞれ第1の容器に30ml/分で供給した。プレポリマー溶液は冷却グリコールにより3℃まで冷却された攪拌被覆ガラスフラスコから供給し、水溶性無機酸受容体はガラスフラスコから供給した。第1の受フラスコを一杯になるまで充填し、一杯になったら第2の受フラスコを用いて第3の容器から溢れたものを受けた。材料を回収する前少なくとも30分間受フラスコを攪拌させた。ろ過、洗浄、再ろ過および乾燥により、ポリアミドを回収した。水溶性無機酸受容体の水溶液がなくなるまで運転を続けた。
【0083】
25℃で100mlの濃硫酸中ポリマーの0.5g溶液に対して測定した、得られたポリアミドの固有粘度は1.9〜2.2dl/gであった。
【0084】
実施例2a−3台のCSTRの反応器システム
水溶性無機酸受容体の水溶液を、102gの炭酸ナトリウム(アルドリッチケミカル(Aldritch Chemical)製)を2.0リットルの脱イオン水に添加することにより調製した。溶液を冷却し、5〜10℃に保った。
【0085】
(i)800mlのテトラヒドロフラン(アルドリッチ(Aldritch)製)中51.419gの塩化イソフタロイルと22.037gの塩化テレフタロイル(両者ともイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール(E.I. Du Pont de Nemours)より入手したもの)の溶液を(ii)400mlのテトラヒドロフラン中38.934gのメタフェニレンジアミン(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール(E.I. Du Pont de Nemours))の溶液に−5℃の反応温度で40分間にわたって添加することによりポリマー溶液を調製した。
【0086】
3台の良攪拌反応器を直列で含んでなる反応器システムを構築した。3台の良攪拌反応器は、それぞれ、50、70および50mlの測定液体容積を有する3つの容器を含んでいた。第1の容器は、三方向アダプタに装着された真空フラスコヘッドからなっており、第2および第3の容器は角度をなして装着された100mlのビーカーであった。容器を空気駆動攪拌器で、タービン型の攪拌により攪拌した。3つの容器を直列に接続すると、第1の容器に添加した材料は第2の容器に溢れ、第2の容器からの材料は第3の容器に溢れた。第3の容器から溢れたものは受フラスコに溢れた。
【0087】
水溶性無機酸受容体の水溶液およびプレポリマー溶液をそれぞれ第1の容器に75ml/分で供給した。計算された滞留時間は、第1、第2および第3の反応器についてそれぞれ20、28および20秒であった。従って、反応器システムは、全体で約68秒の滞留時間を有していた。反応器システムは、安定化のために2分間与えられ、3分の試料を第3の容器から溢れたものから取った。
【0088】
25℃で100mlの濃硫酸中ポリマーの0.5g溶液に対して測定した、得られたポリアミドの固有粘度は1.63dl/gであった。
【0089】
実施例2b−2台のCSTRの反応器システム
プレポリマーおよび水溶性無機酸受容体溶液の水溶液を実施例2aと同様にして調製した。実施例2aの第3の容器を取り除き、反応器システムが2台の良攪拌反応器を直列で含むようにした。2台の良攪拌反応器は、それぞれ、50および70mlの液体容積を有する2つの容器を含んでいた。容器を空気駆動攪拌器で、タービン型の攪拌により攪拌した。2つの容器を直列に接続すると、第1の容器に添加した材料は第2の容器に溢れ、第2の容器からの材料は受フラスコに溢れた。
【0090】
水溶性無機酸受容体の水溶液およびプレポリマー溶液をそれぞれ第1の容器に50ml/分で供給した。計算された滞留時間は、第1および第2の反応器についてそれぞれ30および42秒であった。従って、反応器システムは、全体で約72秒の滞留時間を有していた。反応器システムは、安定化のために2分間与えられ、3分の試料を第2の容器から溢れたものから取った。
【0091】
25℃で100mlの濃硫酸中ポリマーの0.5g溶液に対して測定した、得られたポリアミドの固有粘度は1.45dl/gであった。
【0092】
例2c−1台のCSTRの反応器システム(比較)
プレポリマーおよび水溶性無機酸受容体溶液の水溶液を実施例2aと同様にして調製した。実施例2aの第2および第3の容器を取り除き、反応器システムが液体容量が50mlの単一の良攪拌反応器を直列で含むようにした。容器を空気駆動攪拌器で、タービン型の攪拌により攪拌した。第1の容器に添加した材料が受フラスコへ溢れるように反応器システムを構築した。
【0093】
水溶性無機酸受容体の水溶液およびプレポリマー溶液をそれぞれ第1の容器に25ml/分で供給した。計算された滞留時間は容器について60秒であった。反応器システムは、安定化のために2分間与えられ、3分の試料を第1の容器から溢れたものから取った。
【0094】
25℃で100mlの濃硫酸中ポリマーの0.5g溶液に対して測定した、得られたポリアミドの固有粘度は0.97dl/gであった。
【0095】
実施例3−パイプライン反応器システム
水溶性無機酸受容体の水溶液を、97lbの炭酸ナトリウムを834lbの脱イオン水に溶解することにより調製した。溶液を10℃まで冷却した。
【0096】
次に、587lbのテトラヒドロフラン(デュポン(DuPont)製)中、72.4lbの塩化イソフタロイル、37.0lbの塩化テレフタロイル(両材料ともツインレークスケミカル(Twin Lakes Chemical)製)、1.16lbの塩化ベンゾイル(アルドリッチ(Aldritch)製)の溶液を調製した。次に、491lbのテトラヒドロフラン中、55.3lbのメタフェニレンジアミン(デュポン(DuPont)製)の溶液を、塩化フタロイルの第1の溶液に添加して、反応温度を5℃未満に保った。組み合わせた溶液はプレポリマー溶液である。
【0097】
プレポリマー溶液をグールズ(Goulds)LF3196 1x1.5−8遠心ポンプへ1分当たり3.95ガロンで計量し、水溶性無機酸受容体の水溶液を同じ遠心ポンプへ1分当たり2.24ガロンで計量した。遠心ポンプからの流出液は、長さ約120フィートの直径1インチのステンレス鋼管に入った。
【0098】
組み合わせたプレポリマーと酸受容体溶液の管内での合計滞留時間は約50秒であった。プレポリマー溶液を全て保持タンクからポンプで汲み上げ、上述したやり方で処理した。集めたポリマースラリーを15分間攪拌させ、1800lbの水の入った強攪拌容器へポンプで汲み上げた。試料をこの容器から取り出し、ろ過および乾燥した。
【0099】
25℃で100mlの濃硫酸中ポリマーの0.5g溶液に対して測定した、得られたポリアミドの固有粘度は1.32dl/gであった。
【0100】
実施例4−ファイバー
実施例3のポリアミド3gの溶液を12gのNメチルピロリドンに溶解した。得られた溶液10mlを20mlのシリンジに充填し、7.5ml/分の速度でシリンジから攪拌水浴へ押出し、連続フィラメントとして巻き上げた。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】ポリアミドを製造する方法を実施する反応器システムの一実施形態の断面立面図である。
【図2】図1の線2−2に沿った断面平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種類の水溶性無機酸受容体の少なくとも1種類の水溶液と、
(b)少なくとも1種類のプレポリマーと少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体とを含んでなり、前記少なくとも1種類のプレポリマーが実質的に等モル量の少なくとも1種類のジアミンと少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物を少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体中で反応させることにより形成された少なくとも1種類のプレポリマー溶液との溶液を、
約2秒〜約2分の滞留時間を有し、ペクレ数が約3.5を超える反応器システムに供給することを含んでなるポリアミドの製造方法。
【請求項2】
前記少なくとも1種類のジアミンが少なくとも1種類の芳香族ジアミンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体がテトラヒドロフランである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
全ジアミンの総重量に基づいて約15重量パーセントまでの1種類もしくはそれ以上の非芳香族ジアミンを、少なくとも1種類の芳香族ジアミンと組み合わせて用い、および/または全ジカルボン酸ジハロゲン化物の総重量に基づいて約15重量パーセントまでの1種類もしくはそれ以上の非芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物を前記少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物と組み合わせて用いる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1種類のジアミンがメタフェニレンジアミン、2,4ジアミノメシチレンまたはこれらの混合物であり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が塩化テレフタロイル、塩化イソフタロイルまたはこれらの混合物である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1種類のジアミンが約100重量パーセントのメタフェニレンジアミンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が約100重量パーセントの塩化テレフタロイル、約100重量パーセントの塩化イソフタロイル、約40重量パーセントの塩化イソフタロイルと約60重量パーセントの塩化テレフタロイルの混合物、または約70重量パーセントの塩化イソフタロイルと約30重量パーセントの塩化テレフタロイルの混合物である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1種類のジアミンが約100重量パーセントの2,4ジアミノメシチレンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が約100重量パーセントの塩化イソフタロイルである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1種類のジアミンが約50重量パーセントのメタフェニレンジアミンと約50重量パーセントの2,4ジアミノメシチレンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が約70重量パーセントの塩化イソフタロイルと約30重量パーセントの塩化テレフタロイルである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記反応器システムが少なくとも2台の良攪拌反応器を直列で含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
それぞれ独立に約30秒未満の滞留時間を有する前記反応器システムが少なくとも3台の良攪拌反応器を直列で含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記反応器システムが管を備えた混合装置を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記混合装置が遠心ポンプである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(a)と(b)の前記管への連続供給により、乱流を形成する請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1種類のジアミンが少なくとも1種類の芳香族ジアミンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物である請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体がテトラヒドロフランである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
全ジアミンの総重量に基づいて約15重量パーセントまでの1種類もしくはそれ以上の非芳香族ジアミンを、少なくとも1種類の芳香族ジアミンと組み合わせて用い、および/または全ジカルボン酸ジハロゲン化物の総重量に基づいて約15重量パーセントまでの1種類もしくはそれ以上の非芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物を前記少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物と組み合わせて用いる請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1種類のジアミンがメタフェニレンジアミン、2,4ジアミノメシチレンまたはこれらの混合物であり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が塩化テレフタロイル、塩化イソフタロイルまたはこれらの混合物である請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1種類のジアミンが約100重量パーセントのメタフェニレンジアミンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が約100重量パーセントの塩化テレフタロイル、約100重量パーセントの塩化イソフタロイル、約40重量パーセントの塩化イソフタロイルと約60重量パーセントの塩化テレフタロイルの混合物、または約70重量パーセントの塩化イソフタロイルと約30重量パーセントの塩化テレフタロイルの混合物である請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1種類のジアミンが約100重量パーセントの2,4ジアミノメシチレンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が約100重量パーセントの塩化イソフタロイルである請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1種類のジアミンが約50重量パーセントのメタフェニレンジアミンと約50重量パーセントの2,4ジアミノメシチレンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が約70重量パーセントの塩化イソフタロイルと約30重量パーセントの塩化テレフタロイルである請求項11に記載の方法。
【請求項21】
(a)少なくとも1種類の水溶性無機酸受容体の少なくとも1種類の水溶液と、
(b)少なくとも1種類のプレポリマーと少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体とを含んでなり、前記少なくとも1種類のプレポリマーが実質的に等モル量の少なくとも1種類のジアミンと少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物を少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体中で反応させることにより形成された少なくとも1種類のプレポリマー溶液との溶液を、
ペクレ数が約3.5を超える反応器システムに供給することを含んでなり、前記反応器システムにおいて約2秒〜約2分の滞留時間で前記少なくとも1種類のプレポリマーの総
量の約95%以上の変換がなされるポリアミドの製造方法。
【請求項22】
前記少なくとも1種類のジアミンが少なくとも1種類の芳香族ジアミンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体がテトラヒドロフランである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記反応器システムが少なくとも3台の良攪拌反応器を直列で含んでなる請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記反応器システムが管を備えた混合装置を含んでなる請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記混合装置が遠心ポンプである請求項25に記載の方法。
【請求項27】
(a)と(b)の前記管への連続供給により、乱流を形成する請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1種類のジアミンが少なくとも1種類の芳香族ジアミンであり、前記少なくとも1種類のジカルボン酸ジハロゲン化物が少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸ジハロゲン化物である請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1種類の極性、非塩基性および不活性有機液体媒体がテトラヒドロフランである請求項28に記載の方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法により製造された少なくとも1種類のポリアミドを含んでなる成形物品。
【請求項31】
請求項11に記載の方法により製造された少なくとも1種類のポリアミドを含んでなる成形物品。
【請求項32】
請求項21に記載の方法により製造された少なくとも1種類のポリアミドを含んでなる成形物品。
【請求項33】
請求項1に記載の方法により製造された少なくとも1種類のポリアミドを含んでなるファイバー。
【請求項34】
請求項11に記載の方法により製造された少なくとも1種類のポリアミドを含んでなるファイバー。
【請求項35】
請求項21に記載の方法により製造された少なくとも1種類のポリアミドを含んでなるファイバー。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−528276(P2006−528276A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533049(P2006−533049)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/015069
【国際公開番号】WO2004/104069
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】