説明

ポリカルボン酸エステル化合物、フォトレジスト基材及びフォトレジスト組成物

【課題】優れた耐熱性、高感度、高解像度、高微細加工性等の特徴を具備するフォトレジスト基材に好適な化合物及び組成物を提供する。
【解決手段】下記式PCE−10で代表されるポリカルボン酸エステル化合物。


以下、上記式に倣って、t-ブチロキシ基、アダマンチルオキシオキシ基、トリメチルシリル基などを、酸解離性溶解抑止基として導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカルボン酸エステル化合物、フォトレジスト基材及びフォトレジスト組成物に関する。詳しくは、半導体等の電気・電子分野や光学分野等で用いられるフォトレジスト基材、特に超微細加工用フォトレジスト基材に関する。
【背景技術】
【0002】
極端紫外光(Extreme Ultra Violet Light:以下、EUVLと表記する場合がある)又は電子線によるリソグラフィーは、半導体等の製造において、高生産性、高解像度の微細加工方法として有用であり、それに用いる高感度、高解像度のフォトレジストを開発することが求められている。フォトレジストは、所望する微細パターンの生産性、解像度等の観点から、その感度を向上させることが欠かせない。
【0003】
EUVLによる超微細加工の際に用いられるフォトレジストとしては、例えば、公知のKrFレーザーによる超微細加工の際に用いられていた化学増幅型ポリヒドロキシスチレン系フォトレジストが挙げられる。このレジストでは、50nm程度までの微細加工が可能であることが知られている。しかしながら、このレジストで極端紫外光による超微細加工をし、極端紫外光による加工の最大の利点である50nm以細のパターンを作製すると、感度及びレジストアウトガスについては実用性を有するものの、最も重要なラインエッジラフネスを低減させることができなかった。極端紫外光本来の性能を十分に引き出しているとは言えず、より高性能のフォトレジストを開発することが求められていた。
【0004】
上記課題に対し、例えば、他のレジスト化合物と比較して光酸発生剤の濃度が高い化学増幅ポジ型フォトレジストを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、実施例である、ヒドロキシスチレン/スチレン/t−ブチルアクリレートからなるターポリマーからなる基材、全固形分中の少なくとも約5重量%のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムオルト−トリフルオロメチルスルフォネートからなる光酸発生剤、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド乳酸塩及び乳酸エチルからなるフォトレジストに関して、ラインエッジラフネスの観点から、電子線を用いた場合で例示された100nmまでの加工が限界であると考えられる。これは基材として用いる高分子化合物の集合体又は各々の高分子化合物分子が示す立体的形状が大きく、該作製ライン幅及びその表面粗さに影響を及ぼすことがその主原因と推定される。
【0005】
特許文献2には、複数のビスフェノール基を有する化合物を含有するレジスト材料が開示されている。しかし、上記化合物は、塗布溶媒への溶解性、及び露光後の現像液への溶解性に問題があり、微細加工に応えるだけの十分な性能を有していなかった。
【0006】
特許文献3には、カリックスレゾルシナレン化合物が開示されているが、これらの化合物は一部溶解性が不十分と考えられる上、フォトレジスト基材としての用途が記載されていない。
【0007】
また、室温にてアモルファス状態である新規な低分子有機化合物が求められている。この際、半導体製造工程で問題となるエッチング耐性の向上等、諸性能の向上が同時に求められている。また、フォトレジスト基材は現行の半導体製造工程では、溶媒に溶解させて製膜工程に進めるため、塗布溶媒に対する高い溶解性が求められている。
【特許文献1】特開2002−055457号公報
【特許文献2】特開2006−285075号公報
【特許文献3】米国特許6,093,517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、優れた耐熱性、高感度、高解像度、高微細加工性等の特徴を具備するフォトレジスト基材に好適な化合物及び組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題が高分子化合物からなるフォトレジスト基材の立体的分子形状や分子構造、又はその分子構造中における保護基の構造に基づく反応性に起因することを突き止めた。そして、本発明者らは所定の構造を有するポリカルボン酸エステルがフォトレジスト基材として有用であることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明によれば、以下のポリカルボン酸エステル化合物等が提供される。
1.下記式(1−A)〜(1−J)で表されるポリカルボン酸エステル化合物。
【化5】

[式中、Aは、2〜20個の芳香族環を含む分子量が250以上5000以下である2〜20価の炭化水素基であり、Aに含まれる前記芳香族環は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4のハロアルコキシル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又はこれら2以上の置換基によって置換されていてもよく、
Aと結合している酸素原子は、Aに含まれる前記芳香族環と結合し、
は、それぞれ独立に水素原子又は酸解離性溶解抑止基であり(但し、Rが全て水素原子の場合は無い。)、
11は、それぞれ独立にヒドロキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基又は炭素数1〜4の低級ハロアルコキシル基であり、
Xは2〜20の整数であり、
nは0〜3の整数であり、及び
複数のR及びR11は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
2.前記酸解離性溶解抑止基が、下記式(2)〜(5)で表される置換基のいずれかである1に記載のポリカルボン酸エステル化合物。
【化6】

[式中、R〜R10は、それぞれ独立に炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐を有するアルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、又は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜10の芳香族基若しくはハロゲン原子で置換されてもよい炭素数6〜14の芳香族基であり(但し、R及びRは、水素原子であってもよく、Rは、酸素原子又は硫黄原子を含有する炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐を有するアルキル基、炭素数3〜20の単環若しくは複素環状の脂環式アルキル基、又は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されてもよいベンジル基であってもよい。)、
〜R10は、互いに結合して炭素数3〜20の単環又は複素環状の脂環式アルキル基を形成してもよい。]
3.前記酸解離性溶解抑止基が、tert−ブチル基、tert−アミル基、ベンジルオキシメチレン基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、又は下記式(6)で表される置換基のいずれかである1又は2に記載のポリカルボン酸エステル化合物。
【化7】

4.前記式(1−A)〜(1−J)中のAが、下記式(7−A)〜(7−P)で表される炭化水素基のいずれかである1〜3のいずれかに記載のポリカルボン酸エステル化合物。
【化8】



[式中R12は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4のハロアルコキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子であり、
複数のR12は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
5.1〜4のいずれかに記載のポリカルボン酸エステル化合物を含有するフォトレジスト基材。
6.5に記載のフォトレジスト基材、及び溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
7.さらに光酸発生剤を含有する6に記載のフォトレジスト組成物。
8.さらに塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する6又は7に記載のフォトレジスト組成物。
9.6〜8のいずれかに記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
10.9に記載の微細加工方法により作製した半導体装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、優れた耐熱性、高感度、高解像度、高微細加工性等の特徴を具備するフォトレジスト基材に好適な化合物及び組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物は下記式(1−A)〜(1−J)で表される構造を有する。
【化9】

【0013】
式(1−A)〜(1−J)中、R11は、それぞれ独立にヒドロキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基又は炭素数1〜4の低級ハロアルコキシル基である。
【0014】
Xは2〜20の整数であり、好ましくは2〜8の整数である。
nは0〜3の整数であり、好ましくは0又は1の整数である。
【0015】
は、それぞれ独立に水素原子又は酸解離性溶解抑止基である。但し、Rが全て水素原子の場合は無い。
上記酸解離性溶解抑止基とは、EUVL及び電子線に対し高い反応性を有する置換基であり、好ましくは下記式(2)〜(5)で表される置換基である。
【化10】

【0016】
式(2)〜(5)中、R〜R10は、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐を有するアルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、又は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜10の芳香族基若しくはハロゲン原子で置換されてもよい炭素数6〜14の芳香族基である。
また、R〜R10は、互いに結合して炭素数3〜20の単環又は複素環状の脂環式アルキル基を形成してもよい。
【0017】
炭素数1〜12の直鎖アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等である。
炭素数3〜12の分岐を有するアルキル基としては、好ましくはt−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、2−エチルヘキシル基等である。
炭素数3〜12の環状アルキル基としては、好ましくはシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等である。
炭素数6〜10の芳香族基としては、好ましくはフェニル基、ナフチル基等である。
【0018】
但し、上記R〜R10のうち、R及びRは、水素原子であってもよく、Rは、酸素原子又は硫黄原子を含有する炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐を有するアルキル基、炭素数3〜20の単環若しくは複素環状の脂環式アルキル基、又は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されてもよいベンジル基であってもよい。
【0019】
酸素原子又は硫黄原子を含有する炭素数1〜12の直鎖アルキル基としては、好ましくはメトキシエチル基、エトキシエチル基、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基等である。
酸素原子又は硫黄原子を含有する炭素数3〜12の分岐を有するアルキル基としては、好ましくはイソポロポキシエチル基、イソプロピルチオエチル基等である。
酸素原子又は硫黄原子を含有する炭素数3〜20の単環若しくは複素環状の脂環式アルキル基としては、好ましくはテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、及び下記式で表される置換基のいずれかである。
【化11】

炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されてもよいベンジル基としては、好ましくはベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−メチルベンジル基、3,5−ジメトキシベンジル基等である。
【0020】
酸解離性溶解抑止基は、より好ましくはtert−ブチル基、tert−アミル基、ベンジルオキシメチレン基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、又は下記式(6)で表される置換基のいずれかである。
【化12】

【0021】
上記酸解離性溶解抑止基のうち、特に好ましくはtert−ブチル基、tert−アミル基、ベンジルオキシメチレン基、ジメチル−tert-ブチルシリル基、及び下記式で表される置換基のいずれかである。
【化13】

【0022】
Aは、2〜20個の芳香族環を含む分子量が250以上5000以下である2〜20価の炭化水素基である。
Aに含まれる上記芳香族環は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4のハロアルコキシル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又はこれら2以上の置換基によって置換されていてもよい。
Aと結合している酸素原子は、Aに含まれる上記芳香族環と結合している。
【0023】
上記Aとしては、好ましくは下記式(7−A)〜(7−P)で表される炭化水素基のいずれかである。
【化14】



【0024】
式(7−A)〜(7−P)において、R12は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4のハロアルコキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子である。
【0025】
尚、式(1−A)〜(1−J)のR及びR11、並びに式(7−A)〜(7−P)のR12は複数存在するが、それぞれ同じであっても異なってもよい。
【0026】
以上、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の構造について説明したが、本発明のポリカルボン酸エステル化合物は、好ましくは(1−A)、(1−B)又は(1−G)で表される構造を有し、Aが(7−A)〜(7−G)で表される置換基のいずれかである。
【0027】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物の製造方法としては、公知の製造方法を用いることができ、具体的には後述する実施例において説明する。
【0028】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物は、フォトレジスト基材、特に極端紫外光用及び/又は電子線用フォトレジスト基材として好適に用いることができる。
本発明のポリカルボン酸エステル化合物からなるフォトレジスト基材(以下、本発明のフォトレジスト基材という場合がある)は、フォトレジスト基材として使用する条件(通常は、室温下)において、アモルファス状態となる。このため、本発明のポリカルボン酸エステル化合物をフォトレジスト基材として用いると、フォトレジスト組成物としての塗布性やフォトレジスト膜としての強度の点で好ましい。
【0029】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物は、(1−A)〜(1−J)で表される構造のように芳香族化合物を基本骨格として有するので、耐熱性に優れる。本発明のポリカルボン酸エステル化合物をフォトレジスト基材として用いると、当該フォトレジスト基材を含むフォトレジスト組成物は高感度であり、現像時のベーク工程において、例えば100℃〜200℃の温度範囲を採用できる。
【0030】
本発明のフォトレジスト基材は、このような高温でベークできるので、光酸発生剤から発生する酸をより拡散させることができる。従って、光酸発生剤の含有量をより少量とすることができ、フォトレジスト基材の感度を向上させることができる。また、本発明のフォトレジスト基材は、このような高温でベークできるので、パターン倒れ等が生じず、厳密な温度制御を必要としない。従って、本発明のフォトレジスト基材を用いることにより、プロセスウィンドウを広く設定することが可能である。
【0031】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物は、主構造が環状構造であるので、本発明のポリカルボン酸エステル化合物からなるフォトレジスト基材は、レンジアウトガスの構成分子である低分子量化合物が放出されにくく、レンジアウトガスを低減することができる。
【0032】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物構造中の酸解離性溶解抑止基は、EUV及び電子線に対する直接的又は間接的に高い反応性を有するため、本発明のポリカルボン酸エステル化合物からなるフォトレジスト基材は高感度、及び優れたエッチング耐性を有し、解像度において低ラインエッジラフネスに寄与することができる。
【0033】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物の分子の平均直径は、所望のパターンのサイズ、具体的には100nm以下、特に50nm以下のサイズにおいて求められているラインエッジラフネスの値(5nm以下)よりも小さいため、本発明のポリカルボン酸エステル化合物からなるフォトレジスト基材は、極端紫外光又は電子線による超微細加工(20〜50nmの加工)に用いたとき、ラインエッジラフネスを2nm以下、好ましくは1nm以下(3σ)に抑制することができる。
【0034】
尚、フォトレジスト基材として用いる本発明のポリカルボン酸エステル化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、本発明のポリカルボン酸エステル化合物からなるフォトレジスト基材は、本発明のポリカルボン酸エステル化合物のみからなってもよい。その場合、下記の不純物を含み得る。
【0035】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物をフォトレジスト基材として用いる場合、精製して塩基性不純物(例えば、アンモニア、Li、Na、K等のアルカリ金属イオン、Ca、Ba等のアルカリ土類金属イオン等)等を除くことが好ましい。このとき、基材を精製する前に含まれていた不純物の量の1/10以下に減少することが好ましい。具体的には、塩基性不純物の含有量は、好ましくは10ppm以下、より好ましくは2ppm以下である。塩基性不純物の含有量を10ppm以下にすることにより、この化合物からなるフォトレジスト基材の極端紫外光や電子線に対する感度が劇的に向上し、その結果、フォトレジスト組成物のリソグラフィーによる微細加工パターンが好適に作製可能となる。
【0036】
精製方法としては、例えば酸性水溶液洗浄、イオン交換樹脂、超純水又はこれら精製方法を組み合わせた再沈殿処理が挙げられる。具体的には、酸性水溶液として酢酸水溶液を用いてフォトレジスト基材を洗浄処理した後に、イオン交換樹脂処理、又は超純水を用いる再沈殿処理をする。
精製に用いる酸性水溶液及びイオン交換樹脂は、除去する塩基性不純物の量及び種類、処理する基材の種類等に応じて、適宜選択することができる。
【0037】
本発明のフォトレジスト組成物は、上述した本発明のフォトレジスト基材とこれを溶解させ液体状組成物とするための溶媒を含む。フォトレジスト組成物は、超微細加工を施すべき基板等にスピンコーティング、ディップコーティング、ペインティング等の手法で均一に塗布するために液体状組成物にすることが必要である。
【0038】
用いる溶媒としては、フォトレジスト基材の溶解度、成膜特性等に合わせて適宜選択すればよく、好ましくは2−メトキシエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール類、乳酸エチル、乳酸メチル等の乳酸エステル類、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート等のプロピオネート類、メチルセルソルブアセテート等のセルソルブエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類、酢酸ブチル等の単独溶媒、及び2種以上のこれら溶媒からなる混合溶媒が挙げられる。
【0039】
溶媒の配合量は、フォトレジスト層の所望の膜厚に応じて適宜設定することができる。例えば、フォトレジスト組成物の溶媒以外の成分(固形分)の重量が、フォトレジスト組成物の全重量の0.1〜50重量%となるように、溶媒を配合する。
【0040】
フォトレジスト基材を構成する化合物がEUVL及び/又は電子線に対して活性なクロモフォアを含み、フォトレジスト基材が単独でフォトレジストとしての能力を十分示す場合、本発明のフォトレジスト組成物は、添加剤を必要としない。しかし、フォトレジスト基材がフォトレジストとしての性能(感度)を増強する必要がある場合、本発明のフォトレジスト組成物は、好ましくはさらにクロモフォアとして光酸発生剤(PAG)を含有する。
【0041】
用いる光酸発生剤としては、特に限定されず、例えば以下の構造を有する公知の光酸発生剤を用いることができる。尚、用いる光酸発生剤は、本発明のフォトレジスト組成物が含有するフォトレジスト基材、所望の微細パターンの形状、サイズ等に応じて、適宜選択することができる。
【化15】



[式中、Ar、Ar、Arは、置換又は非置換の炭素数6〜20の芳香族基であり、
R、R、R、R、Rは、置換又は非置換の炭素数6〜20の芳香族基、置換又は非置換の炭素数1〜20の脂肪族基であり、
X、X、Y、Zは、脂肪族スルホニウム基、フッ素を有する脂肪族スルホニウム基、テトラフルオロボレート基、ヘキサフルオロホスホニウム基である。Meはメチル基、Phはフェニル基である。]
【0042】
尚、光酸発生剤の配合量は、通常、フォトレジスト基材に対して0.1〜20重量%の範囲で用いる。
【0043】
本発明のフォトレジスト組成物は、好ましくはさらに塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する。クエンチャーは、例えば光酸発生剤の過剰な反応を抑制することができ、本発明のフォトレジスト組成物の対極端紫外光感度及び対電子線感度を向上することができる。
【0044】
クエンチャーとして用いる塩基性有機化合物としては、フォトレジスト組成物への溶解度、並びにフォトレジスト層における分散性及び安定性の観点から、好ましくはキノリン、インドール、ピリジン、ビピリジン等のピリジン類、ピリミジン類、ピラジン類、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族アミン類、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
尚、本発明のフォトレジスト組成物に用いるクエンチャーは上記塩基性有機化合物に限定されず、クエンチャーとして公知の化合物を使用こともできる。
【0045】
クエンチャーの配合量は、通常、フォトレジスト基材に対して10〜1×10−3重量%、又は、光酸発生剤に対して0.01〜50重量%の範囲で用いる。
【0046】
本発明のフォトレジスト組成物は、上記光酸発生剤及びクエンチャーのほか、本発明の効果を損なわない範囲で、感光助剤、可塑剤、スピード促進剤、感光剤、増感剤、酸増殖機能材料、エッチング耐性増強剤等を添加することができる。これらは同一の機能を持つ成分の複数の混合物であっても、異なった機能を持つ成分の複数の混合物であっても、これらの前駆体の混合物であってもよい。
【0047】
本発明のフォトレジスト組成物を用いて微細加工する方法の例を以下に説明する。
本発明のフォトレジスト組成物は、スピンコーティング、ディップコーティング、ペインティング等の方法により液体コーティング組成物として基板に塗布し、溶媒を除くため、フォトレジストコーティング層が不粘着性になるまで、例えば80℃〜160℃に加熱して乾燥するのが一般的である。また、基板との密着性向上等の目的で、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)等を中間層として用いることができる。これらの条件は、用いる基材や溶媒の種類、あるいは、所望のフォトレジスト層の膜厚等に合わせて規定できる。
【0048】
加熱乾燥後、上記フォトレジストコーティング層が不粘着性になった基板をEUVLによりフォトマスクを用いて露光、あるいは電子線を任意の方法で照射することにより、基材に含まれる保護基を脱離させ、フォトレジストコーティング層の露光及び非露光領域間における溶解度の相違を生じさせる。さらに溶解度の相違を大きくするために露光後ベークする。この後レリーフイメージを形成するため、アルカリ現像液等で現像する。このような操作により、基板上に超微細加工されたパターンが形成される。上記の条件は用いる基材や溶媒の種類、あるいは、所望のフォトレジスト層の膜厚等に合わせて規定できる。
【0049】
本発明のフォトレジスト組成物を用いて極端紫外光や電子線のリソグラフィーによる超微細加工を行えば、100nm以細、特に50nm以細の孤立ライン、ライン/スペース(L/S)=1/1、ホール等のパターンを、高感度、高コントラスト、低ラインエッジラフネスで形成することが可能となる。
【0050】
本発明の微細加工方法により、例えば、ULSI、大容量メモリデバイス、超高速ロジックデバイス等の半導体装置を製造することができる。
【実施例】
【0051】
製造例1
[工程1]
マグネティックスターラー、ジム・ロート冷却管及び温度計を設置した容量200mlの三口フラスコに、1,1’−ビ−2−ナフトール(構造式(8):R,S異性体混合物:東京化成工業(株)製)2.86g(10mmol)、無水炭酸カリウム2.76g(20mmol)、及び4−ニトロフタロニトリル(構造式(9):和光純薬工業(株)製)3.46g(20mmol)を仕込み、窒素を導入して窒素雰囲気下とし、ジメチルスルフォキシド(DMSO)30mlを加えて撹拌した。フラスコをオイルバスに浸漬し、オイル温度を60℃まで上昇させて、反応を開始し、そのまま3時間反応させた。反応終了後、放冷することにより、室温程度にまで反応混合物を冷却し、フラスコ内の反応混合物を約200mlの脱イオン水の中に注ぎ込んで希釈し、さらに1時間撹拌した。生成した固体をろ過して取り出し、脱イオン水で洗浄後、減圧乾燥することにより、式(10)で表される中間体(10)5.33g(収率99%)を得た。
【化16】

【0052】
中間体(10)の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):7.003(2H,dd),7.040(2H,d),7.204(2H,d),7.282(2H,d),7.366(2H,dt),7.452(2H,d),7.516(2H,dt),7.932(2H,d),8.026(2H,d)
【0053】
[工程2]
マグネティックスターラー、ジム・ロート冷却管及び温度計を設置した容量200mlのナスフラスコに、水酸化カリウム9.24g(85%、0.14M)を仕込み、脱イオン水43ml、及びエチレングリコール(EG)43mlを加えて撹拌し、溶解させた。さらに、工程1で製造した中間体(10)を5.3g(9.9mmol)加え、フラスコをオイルバスに浸漬し、オイル温度を140℃まで上昇させて加熱し、6時間反応させた。反応終了後、反応混合物を放冷して室温程度に冷した後に、反応混合物を約200mlの脱イオン水に注ぎ込んで希釈した。さらに30分撹拌した後、溶液に10%塩酸を加えてpHを1とし、生成した固体をろ過して集め、脱イオン水で洗浄した。減圧乾燥することにより、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−1を5.53g(収率90%:2工程)得た。
【化17】

【0054】
化合物PRE−1の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):6.977(2H,dd),7.035(2H,d),7.177(2H,d),7.351(2H,t),7.362(2H,d),7.490(2H,t),7.632(2H,d),8.036(2H,d),8.127(2H,d)
【0055】
製造例2
4−ニトロフタロニトリルの代わりに3−ニトロフタロニトリル(構造式(11):和光純薬工業(株)製)を用いた他は製造例1と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−2を5.88g(収率96%:2工程)得た。
【化18】

【0056】
化合物PRE−2の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):7.144(2H,d),7.152(2H,d),7.190(2H,d),7.354−7.406(4H,m),7.450(2H,t),7.597(2H,d),7.976(2H,d),8.039(2H,d)
【0057】
製造例3
出発原料として1,1’−ビ−2−ナフトールの代わりに9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業(株)製)を用いた他は製造例1と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−3(収率87%:2工程)を得た。
【化19】

【0058】
化合物PRE−3の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):7.014(4H,d),7.076(2H,dd),7.191(4H,d),7.230(2H,d),7.345(2H,t),7.417(2H,t),7.492(2H,d),7.837(2H,bs),7.940(2H,d)
【0059】
製造例4
出発原料として1,1’−ビ−2−ナフトールの代わりに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン(東京化成工業(株)製)を用いた他は製造例1と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−4(収率91%:2工程)を得た。
【化20】

【0060】
化合物PRE−4の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):1.673(2H,bs),1.696(2H,bs),1.726(2H,bs),1.787(2H,bs),1.898(2H,bs),1.931(2H,bs),2.07(2H,bs),6.968(4H,d),7.053(2H,dd),7.354(2H,bs),7.523(4H,d),7.939(2H,d)
【0061】
製造例5
出発原料として1,1’−ビ−2−ナフトールの代わりに1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン(Tetrahedron Lett(1972) p3191に従って合成)を用いた他は製造例1と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−5(収率89%:2工程)を得た。
【化21】

【0062】
化合物PRE−5の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):1.716−1.993(12H,m),2.259(2H,bs),7.040−7.090(6H,m),7.175(2H,bs),7.502(4H,d),7.892(2H,d)
【0063】
製造例6
出発原料として1,1’−ビ−2−ナフトールの代わりに1,1,1−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン(東京化成工業(株)製)を用いた他は製造例1と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−6(収率88%:2工程)を得た。
【化22】

【0064】
化合物PRE−6の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):2.184(3H,bs),7.055(6H,d),7.124(3H,dd),7.141(6H,d),7.405(3H,bs),7.966(3H,d)
【0065】
製造例7
出発原料として1,1’−ビ−2−ナフトールの代わりにα、α、α’−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン(東京化成工業(株)製)を用いた他は製造例1と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−7(収率81%:2工程)を得た。
【化23】

【0066】
化合物PRE−7の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):1.643(6H,bs),2.131(3H,bs),6.955−7.207(16H,m),7.275−7.410(6H,m),7.948(3H,d)
【0067】
製造例8
[工程1]
メカニカルスターラー、ディーンスターク冷却管、ジム・ロート氏冷却管及び温度計を設置した、容量1リットルの三口フラスコに、窒素気流下で水酸化ナトリウム、6.25g(96%、150mmol)を仕込み、脱イオン水6mlとジメチルスルフォキシド(DMSO)100mlを加えて溶かした。続いて、出発原料の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン15.3g(50mmol)及びトルエン200mlを仕込んだ。メカニカルスターラーで攪拌しつつ、フラスコをオイルバスに浸漬し、オイル温度を130℃まで上昇させて加熱還流を開始し、生成する水をディーンスターク冷却管で除きながら2時間反応を行った。反応終了後、放冷することにより、室温程度にまで反応混合物を冷却し、減圧下、ロータリーエバポレーターを用いて、反応混合物からトルエンを除去した。残滓の反応混合物に、o−ニトロベンゾニトリル22.2g(150mmol)を加え、再びフラスコをオイルバスに浸漬し、オイル温度を85℃に上昇させて6時間反応させた。反応終了後、放冷して、室温程度にまで反応混合物を冷却し、反応混合物を1リットルの脱イオン水に注入して希釈した。生成した固体をろ過して取り出し、脱イオン水で洗浄後、減圧乾燥することにより、式(13)で表される中間体(13)を26.5g(収率87%)得た。
【化24】

【0068】
中間体(13)の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):2.217(3H,s),6.956(3H,d),7.013(6H,d),7.127〜7.167(9H,m),7.476〜7.521(3H,m),7.662(3H,dd)
【0069】
[工程2]
マグネティックスターラー、ジム・ロート冷却管及び温度計を設置した容量200mlのナスフラスコに、水酸化カリウムを9.24g(85%、0.14M)仕込み、脱イオン水43ml、及びエチレングリコール(EG)43mlを加えて撹拌し、溶解させた。さらに、工程1で調製した中間体(13)を6.10g(10mmol)加えて、フラスコをオイルバスに浸漬し、オイル温度を140℃まで上昇させて加熱し、6時間反応させた。反応終了後、反応混合物を放冷して室温程度に冷した後に、反応混合物を約200mlの脱イオン水に注ぎ込んで希釈した。さらに30分撹拌した後、溶液に10%塩酸を加えてpHを1とし、生成した固体をろ過して集め、脱イオン水で洗浄した。減圧乾燥することにより、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−8を5.68g得た。(収率85%)
【化25】

【0070】
化合物PRE−8の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):2.147(3H,s),6.960(3H,dt),6.973(3H,d),7.095(6H,d),7.435(3H,dt),7.645(6H,d),7.965(3H,dd),11.845(3H,bs)
【0071】
製造例9
出発原料として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの代わりにα、α、α’−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン(東京化成工業(株)製)を用いた他は製造例8と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−9(収率95%:2工程)を得た。
【化26】

【0072】
化合物PRE−9の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):1.65(6H,s),2.10(3H,s),6.93(2H,d),6.96(4H,d),7.01(2H,d),7.07(4H,d),7.18(2H,d),7.25(2H,d),7.42(3H,dt),7.61(3H,t),7.62(3H,d),7.95(3H,d),11.832(2H,bs),11.867(1H,bs)
【0073】
製造例10
出発原料として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの代わりに4,4’,4’’,4’’’−(4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−4,1,1−トリイル))テトラフェノール(東京化成工業(株)製)を用いた他は製造例8と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−10(収率92%:2工程)を得た。
【化27】

【0074】
化合物PRE−10の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):0.493(6H,s),1.135(4H,dd),1.429(2H,t),1.627(4H,d),1.805(4H,t),2.826(4H,d),6.924〜6.982(8H,m),7.215(4H,d),7.395〜7.453(8H,m),7.530(4H,d),7.656(4H,d),7.947(4H,dt),11.837(2H,bs),11.863(2H,bs)
【0075】
製造例11
出発原料として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの代わりに9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(東京化成工業(株)製)を用いた他は製造例8と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−11(収率72%:2工程)を得た。
【化28】

【0076】
化合物(PRE−11)の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):6.948(2H,t),6.958(2H,d),7.131(4H,d),7.344(2H,dt),7.411(2H,d),7.422(2H,t),7.485(2H,d),7.593(4H,d),7.898〜7.953(4H,m),11.790(2H,bs)
【0077】
製造例12
出発原料として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの代わりに1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン(Tetrahedron Lett(1972) p3191に従って合成)を用いた他は製造例8と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体である化合物PRE−12(収率91%:2工程)を得た。
【化29】

【0078】
化合物PRE−12の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):1.764(2H,bs),1.880−1.977(10H,m),2.272(2H,bs),6.945〜6.983(4H,m),7.420−7.460(6H,m),7.643(4H,d),7.982(2H,dd),11.911(2H,bs)
【0079】
製造例13
出発原料として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの代わりに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン(東京化成工業(株)製)を用いた他は製造例8と同様に反応を行い、本発明のポリカルボン酸エステル化合物の前駆体化合物PRE−13(収率86%:2工程)を得た。
【化30】

【0080】
化合物PRE−13の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):1.687(2H,bs),1.714(2H,bs),1.745(2H,bs),1.784(2H,bs),1.928(2H,bs),1.957(2H,bs),3.221(2H,bs),6.917−6.957(4H,m),7.415(2H,dt),7.466(4H,d),7.549(4H,d),7.917(2H,dd),11.837(2H,bs)
【0081】
実施例1
ジム・ロート氏冷却管、温度計及び滴下ロートを設置した四口フラスコ(容量500ml)に、窒素気流下で、製造例1で調製した化合物PRE−1を6.146g(10mmol)及びトルエン200mlを仕込み、スターラーで攪拌しつつ、フラスコをオイルバスで加熱して85℃まで上昇させた。続いて、N,N−ジメチルフォルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタール、32.6g(0.16M:アルドリッチ製)を滴下ロートからフラスコ内に加えた。滴下終了後、オイルバス温度を125℃とし、そのまま8時間反応させ、反応終了後、放冷した。ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、反応混合物からトルエンを除去した。残滓の油状物とシリカゲルカラムで精製し(展開溶媒:N−ヘキサン:酢酸エチル=3:1の混合溶媒)、化合物PCE−1を2.77g(3.3mmol、収率33%)得た。
【化31】

【0082】
化合物PCE−1の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.504(18H,s),1.536(18H,s),6.805(2H,dd),7.012(2H,d),7.201(2H,d),7.276〜7.321(4H,m),7.426(2H,dt),7.472(2H,d),7.903(4H,t)
【0083】
実施例2
ジム・ロート氏冷却管、温度計及び滴下ロートを設置した四口フラスコ(容量200ミリリットル)に、窒素気流下で、製造例1で調製した化合物PRE−1を0.50g(0.81mmol)、及び無水炭酸セシウムを4.24g(13mmol)仕込み、N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)10mlを加えて撹拌した。フラスコを氷・水浴で冷却して、内部温度を5℃とし、続いて、ブロモ酢酸2−メチル−アダマンタノールエステル(構造式(21):欧州特許公開第1516867号公報記載の方法に従って合成)1.03g(3.6mmol)をDMF5mlに溶かして温度が10℃を超えない程度にゆっくりと加えた。滴下終了後、冷却を止め、撹拌を続けて内部温度を室温程度まで上昇させ、そのまま室温で16時間、続いてオイルバスで65℃に加熱して4時間反応させた。反応終了後、室温程度に冷却した後に、フラスコ内の反応溶液を、約100mlの脱イオン水に注ぎ込んで希釈し、続いて約200mlの酢酸エチルを加えて抽出操作を行い、酢酸エチル層を分離し、脱イオン水、飽和食塩水で洗浄した。さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後に、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、反応混合物から酢酸エチルを除去した。残滓の油状物をシリカゲルカラムで精製し(展開溶媒:N−ヘキサン:酢酸エチル=3:1の混合溶媒)、化合物PCE−2を1.06g(0.74mmol、収率90%)得た。
【化32】

【0084】
化合物PCE−2の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):1.481−1.518(16H,m),1.563(6H,s),1.573(6H,s),1.666−1.829(32H,m),1.951(4H,d),2.203(4H,d),4.698(4H,s),4.755(4H,s),6.998(2H,d),7.096(2H,dd),7.154(2H,d),7.354(2H,t),7.422(2H,d),7.511(2H,t),7.716(2H,d),8.061(2H,d),8.161(2H,d)
【0085】
実施例3
ジム・ロート氏冷却管、温度計及び滴下ロートを設置した四口フラスコ(容量200ミリリットル)に、窒素気流下で、製造例1で調製した化合物PRE−1を1.0g(1.63mmol)仕込み、N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)10ml、トリエチルアミンを0.82g(8.14mmol)加えて撹拌した。フラスコを氷・水浴で冷却して内部温度を5℃とし、2−クロロメトキシアダマンタン(構造式(23):SYNTHESIS,11(1982),p942−944記載の方法に準じて合成)1.65g(8.22mmol)をDMF5mlに溶かして温度が10℃を超えない程度にゆっくりと加えた。滴下終了後、冷却を止め、撹拌を続けて内部温度を室温程度まで上昇させ、そのまま室温で16時間反応させた。反応終了後、フラスコ内の反応溶液を、約100mlの脱イオン水に注ぎ込んで希釈し、続いて約200mlの酢酸エチルを加えて抽出操作を行い、酢酸エチル層を分離し、脱イオン水、飽和食塩水で洗浄した。さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後に、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、反応混合物から酢酸エチルを除去した。残滓の油状物をシリカゲルカラムで精製し(展開溶媒:N−ヘキサン:酢酸エチル=3:1の混合溶媒)、化合物PCE−3を1.10g(0.865mmol、収率53%)得た。
【化33】

【0086】
化合物PCE−3の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.297(2H,bs),1.328(2H,bs),1.463(2H,bs),1.490(4H,bs),1.520(2H,bs),1.595(4H,bs),1.647−1.703(16H,m),1.777−2.052(24H,m),3.696(2H,s),3.781(2H,s),5.485−5.544(8H,m),6.887(2H,dd),7.019(2H,d),7.239(2H,d),7.266(2H,d),7.309(2H,t),7.439(2H,t),7.600(2H,d),7.899(2H,d),7.943(2H,d)
【0087】
実施例4
化合物PRE−1の代わりに製造例2で調製した化合物PRE−2を用いた他は実施例3と同様に反応を行い、化合物PCE−4(収率58%)を得た。
【化34】

【0088】
化合物PCE−4の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.345(2H,bs),1.375(2H,bs),1.428−1.507(8H,m),1.631−1.706(20H,m),1.773−1.980(16H,m),2.027−2.058(8H,m),3.585(2H,s),3.786(2H,s),4.777(2H,d),5.319(2H,d),5.507(2H,d),5.618(2H,d),6.906(2H,d),7.056(2H,t),7.218(2H,d),7.256(2H,d),7.310(2H,t),7.433(2H,t),7.542(2H,d),7.889(2H,d),7.908(2H,d)
【0089】
実施例5
化合物PRE−1の代わりに製造例3で調製した化合物PRE−3を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−5(収率23%)を得た。
【化35】

【0090】
化合物PCE−5の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.551(18H,s),1.563(18H,s),6.885(4H,d),6.957(2H,dd),7.154(2H,d),7.203(4H,d),7.303(2H,dt),7.386(2H,dt),7.411(2H,d),7.627(2H,d),7.785(2H,d)
【0091】
実施例6
化合物PRE−1の代わりに製造例3で調製した化合物PRE−3を用いた他は実施例3と同様に反応を行い、化合物PCE−6(収率50%)を得た。
【化36】

【0092】
化合物PCE−6の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.442−1.507(8H,m),1.624−1.708(16H,m),1.755−1.855(16H,m),1.964−2.062(16H,m),3.796(4H,s),5.567(8H,d),6.921(4H,d),7.040(2H,dd),7.174(2H,d),7.231(4H,d),7.315(2H,t),7.397(2H,t),7.422(2H,d),7.772(2H,d),7.794(2H,d)
【0093】
実施例7
化合物PRE−1の代わりに製造例6で調製した化合物PRE−6を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−7(収率46%)を得た。
【化37】

【0094】
化合物PCE−7の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.561(27H,s),1.574(27H,s),2.200(3H,s),6.950(6H,d),7.010(3H,dd),7.110(6H,d),7.193(3H,d),7.662(3H,d)
【0095】
実施例8
化合物PRE−1の代わりに製造例6で調製した化合物PRE−6を用いた他は実施例3と同様に反応を行い、化合物PCE−8(収率32%)を得た。
【化38】

【0096】
化合物PCE−8の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.454−1.512(12H,m),1.642−1.707(24H,m),1.762−1.862(24H,m),1.980−2.088(24H,m),2.223(3H,s),3.812(6H,s),5.581(12H,d),6.995(6H,d),7.098(3H,dd),7.139(6H,d),7.207(3H,d),7.818(3H,d)
【0097】
実施例9
化合物PRE−1の代わりに製造例7で調製した化合物PRE−7を用いた他は実施例3と同様に反応を行い、化合物PCE−9(収率22%)を得た。
【化39】

【0098】
化合物PCE−9の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.452−1.511(12H,m),1.651−1.706(30H,m),1.755−1.877(24H,m),1.980−2.077(24H,m),2.190(3H,s),3.809(6H,s),5.572(6H,s),5.586(6H,s),6.961(2H,d),6.968(4H,d),7.009(2H,d),7.087−7.196(12H,m),7.266(2H,d),7.809(3H,dd)
【0099】
実施例10
ジム・ロート氏冷却管、温度計及び滴下ロートを設置した四口フラスコ(容量200ミリリットル)に、窒素気流下で、製造例1で調製した化合物PRE−1を0.61g(1mmol)仕込み、N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)10ml、トリエチルアミンを0.48g(4.75mmol)加えて撹拌した。フラスコを氷・水浴で冷却して内部温度を5℃とし、ベンジルクロロメチルエーテル(構造式(28):東京化成工業(株)製)0.76g(4.9mmol)を、温度が10℃を超えない程度にゆっくりと加えた。滴下終了後、冷却を止め、撹拌を続けて内部温度を室温程度まで上昇させ、そのまま室温で16時間反応させた。反応終了後、フラスコ内の反応溶液を、約100mlの脱イオン水に注ぎ込んで希釈し、続いて約200mlの酢酸エチルを加えて抽出操作を行い、酢酸エチル層を分離し、脱イオン水、飽和食塩水で洗浄した。さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後に、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、反応混合物から酢酸エチルを除去した。残滓の油状物をシリカゲルカラムで精製し(展開溶媒:N−ヘキサン:酢酸エチル=3:1の混合溶媒)、化合物PCE−10を0.656g(0.60mmol、収率60%)得た。
【化40】

【0100】
化合物PCE−10の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):4.604(4H,s),4.667(4H,s),5.447(8H,dd),6.969(2H,d),7.011(2H,dd),7.163−7.229(12H,m),7.251−7.331(10H,m),7.371(2H,t),7.440(2H,d),7.505(2H,t),7.602(2H,d),8.062(2H,d),8.172(2H,d)
【0101】
実施例11
化合物PRE−1の代わりに製造例11で調製した化合物PRE−11を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−11(収率71%)を得た。
【化41】

【0102】
化合物PCE−11の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.450(18H,s),7.128(2H,dd),7.163−7.220(8H,m),7.279(2H,t),7.363(2H,t),7.400−7.438(4H,m),7.554(4H,d),8.176(2H,dd)
【0103】
実施例12
化合物PRE−1の代わりに製造例12で調製した化合物PRE−12を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−12(収率63%)を得た。
【化42】

【0104】
化合物PCE−12の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.474(18H,s),1.798(2H,bs),1.963(8H,d),2.044(2H,d),2.327(2H,bs),7.147(2H,dd),7.221(2H,dt),7.397(4H,d),7.416(2H,dt),7.665(4H,d),8.201(2H,dd)
【0105】
実施例13
化合物PRE−1の代わりに製造例5で調製した化合物PRE−5を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−13(収率37%)を得た。
【化43】

【0106】
化合物PCE−13の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.562(36H,s),1.805(2H,bs),1.967(8H,d),2.029(2H,bs),2.346(2H,bs),6.964(2H,dd),6.990(4H,d),7.168(2H,d),7.395(4H,d),7.642(2H,dd)
【0107】
実施例14
化合物PRE−1の代わりに製造例12で調製した化合物PRE−12を用いた他は実施例10と同様に反応を行い、化合物PCE−14(収率96%)を得た。
【化44】

【0108】
化合物PCE−14の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.811(2H,bs),1.976(8H,d),2.049(2H,d),2.340(2H,bs),4.794(4H,s),5.507(4H,s),7.185(2H,dt),7.282(2H,dd),7.304−7.365(10H,m),7.401(4H,d),7.470(2H,dt),7.611(4H,d),8.271(2H,dd)
【0109】
実施例15
化合物PRE−1の代わりに製造例4で調製した化合物PRE−4を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−15(収率48%)を得た。
【化45】

【0110】
化合物PCE−15の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.542(18H,s),1.564(18H,s),1.730(2H,bs),1.747(2H,bs),1.780(2H,bs),1.845(2H,bs),2.027(2H,bs),2.057(2H,bs),3.207(2H,bs),6.902(4H,d),6.944(2H,dd),7.121(2H,d),7.384(4H,d),7.626(2H,d)
【0111】
実施例16
化合物PRE−1の代わりに製造例4で調製した化合物PRE−4を用いた他は実施例3と同様に反応を行い、化合物PCE−16(収率50%)を得た。
【化46】

【0112】
化合物PCE−16の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.426−1.534(10H,m),1.633−1.719(20H,m),1.683−1.858(20H,m),1.983−2.095(20H,m),3.812(4H,bs),5.568(4H,s),5.580(4H,s),6.932(4H,d),7.021(2H,dd),7.179(2H,d),7.405(4H,d),7.788(2H,d)
【0113】
実施例17
化合物PRE−1の代わりに製造例13で調製した化合物PRE−13を用いた他は実施例10と同様に反応を行い、化合物PCE−17(収率97%)を得た。
【化47】

【0114】
化合物PCE−17の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.729(2H,bs),1.755(2H,bs),1.788(2H,bs),1.836(2H,bs),2.074(2H,bs),2.105(2H,bs),3.263(2H,bs),4.738(4H,s),5.456(4H,s),7.154(2H,t),7.233−7.276(12H,m),7.417(4H,d),7.442(2H,dt),7.510(4H,d),8.218(2H,dd)
【0115】
実施例18
化合物PRE−1の代わりに製造例10で調製した化合物PRE−10を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−18(収率33%)を得た。
【化48】

【0116】
化合物PCE−18の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):0.539(6H,s),1.220−1.286(4H,m),1.40−1.47(2H,m),1.443(18H,s),1.485(18H,s),1.602−1.655(4H,m),1.861−1.923(4H,m),2.710(2H,bs),2.740(2H,bs),7.110−7.259(12H,m),7.347−7.428(8H,m),7.534(4H,d),7.653(4H,d),8.174(2H,dd),8.208(2H,dd)
【0117】
実施例19
化合物PRE−1の代わりに製造例10で調製した化合物PRE−10を用いた他は実施例10と同様に反応を行い、化合物PCE−19(収率84%)を得た。
【化49】

【0118】
化合物PCE−19の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒DMSOd6:ppm):0.489(6H,s),1.145(4H,dd),1.428(2H,t),1.613(4H,d),1.795(4H,t),2.820(4H,d),4.696(4H,s),4.717(4H,s),5.409(4H,s),5.428(4H,s),7.113(4H,dd),7.182(4H,d),7.22−7.33(24H,m),7.369(4H,d),7.436−7.489(4H,m),7.558−7.599(8H,m),7.692(4H,d)
【0119】
実施例20
化合物PRE−1の代わりに製造例8で調製した化合物PRE−8を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−20(収率45%)を得た。
【化50】

【0120】
化合物PCE−20の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.484(27H,s),2.182(3H,s),7.138(6H,d),7.147(3H,d),7.212(3H,dt),7.415(3H,dt),7.610(6H,d),8.201(3H,dd)
【0121】
実施例21
化合物PRE−1の代わりに製造例8で調製した化合物PRE−8を用いた他は実施例10と同様に反応を行い、化合物PCE−21(収率82%)を得た。
【化51】

【0122】
化合物PCE−21の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):2.197(3H,s),4.787(6H,s),5.502(6H,s),7.153(6H,d),7.192(3H,d),7.267−7.317(18H,m),7.468(3H,dt),7.564(6H,d),8.263(3H,dd)
【0123】
実施例22
化合物PRE−1の代わりに製造例8で調製した化合物PRE−8を用いた他は実施例2と同様に反応を行い、化合物PCE−22(収率80%)を得た。
【化52】

【0124】
化合物PCE−22の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.581(3H,bs),1.613(3H,bs),1.690(6H,bs),1.703(9H,s),1.744(3H,bs),1.778(6H,bs),1.803(3H,bs),1.879(3H,bs),1.911(3H,bs),1.939(3H,bs),1.969(3H,bs),2.199(3H,s),2.351(6H,bs),4.739(6H,s),6.917(3H,d),7.153(3H,dt),7.167(6H,d),7.453(3H,dt),7.838(6H,d),8.320(3H,dd)
【0125】
実施例23
化合物PRE−1の代わりに製造例8で調製した化合物PRE−8を用いた他は実施例3と同様に反応を行い、化合物PCE−23(収率55%)を得た。
【化53】

【0126】
化合物PCE−23の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.467(3H,bs),1.498(3H,bs),1.628(3H,bs),1.658(3H,bs),1.692(6H,bs),1.773(3H,bs),1.813(6H,bs),1.846(3H,bs),1.989(3H,bs),2.019(6H,bs),2.077(3H,s),2.184(3H,s),3.891(3H,bs),5.532(6H,s),7.144(6H,d),7.166(3H,d),7.334(3H,d),7.473(3H,dt),7.557(6H,d),8.251(3H,dd)
【0127】
実施例24
化合物PRE−1の代わりに製造例9で調製した化合物PRE−9を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、化合物PCE−24(収率32%)を得た。
【化54】

【0128】
化合物PCE−24の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.479(27H,s),1.679(6H,s),2.159(3H,s),7.016(2H,d),7.114(3H,d),7.142(6H,d),7.209(3H,dt),7.250(2H,d),7.410(3H,dt),7.598(4H,d),7.607(2H,d),8.197(3H,dd)
【0129】
実施例25
化合物PRE−1の代わりに製造例9で調製した化合物PRE−9を用いた他は実施例10と同様に反応を行い、化合物PCE−25(収率96%)を得た。
【化55】

【0130】
化合物PCE−25の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.692(6H,s),2.169(3H,s),4.774(6H,s),5.493(6H,s),7.034(2H,d),7.124(6H,d),7.176(3H,t),7.24−7.292(20H,m),7.463(3H,dt),7.548(4H,d),7.553(2H,d),8.258(3H,dd)
【0131】
実施例26
ジム・ロート氏冷却管、温度計及び滴下ロートを設置した三口フラスコ(容量200ミリリットル)に、窒素気流下で、製造例9で調製した化合物PRE−9を4.71g(6mmol)、及びtert−ブチルジメチルクロロシラン(信越化学工業(株)製)を4.50g(30mmol)仕込み、N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)20mlを加えて撹拌した。フラスコを氷・水浴で冷却して内部温度を5℃とし、イミダゾール(東京化成工業(株)製)2.72g(40mmol)を、温度が10℃を超えない程度にゆっくりと加えた。滴下終了後、冷却を止め、撹拌を続けて内部温度を室温程度まで上昇させ、続いて反応混合物をオイルバスで70℃に加熱して8時間反応させた。反応終了後、フラスコ内の反応溶液を、約200mlの脱イオン水に注ぎ込んで希釈し、続いて約200mlの酢酸エチルを加えて抽出操作を行い、酢酸エチル層を分離し、脱イオン水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水をこの順で用いて洗浄した。さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後に、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、反応混合物から酢酸エチルを除去した。残滓の油状物をシリカゲルカラムで精製し(展開溶媒:N−ヘキサン:酢酸エチル=3:1の混合溶媒)、化合物PCE−26を4.00g(3.55mmol、収率59%)得た。
【化56】

【0132】
化合物PCE−26の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):0.340(18H,s),1.008(27H,s),1.679(6H,s),2.155(3H,s),6.923(3H,d),7.005(2H,d),7.095(4H,d),7.096(3H,dt),7.133(2H,d),7.246(2H,d),7.364(3H,dt),7.548(4H,d),7.556(2H,d),8.157(3H,dd)
【0133】
実施例27
化合物PRE−1の代わりに製造例9で調製した化合物PRE−9を用いた他は実施例2と同様に反応を行い、化合物PCE−27(収率87%)を得た。
【化57】

【0134】
化合物PCE−27の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.568(3H,bs),1.606(3H,bs),1.687(6H,bs),1.695(9H,s),1.705(6H,s),1.737(3H,bs),1.772(6H,bs),1.800(3H,bs),1.874(3H,bs),1.907(3H,bs),1.931(3H,bs),1.963(3H,bs),2.162(3H,s),2.340(6H,bs),4.734(6H,s),6.912(3H,d),7.039(2H,d),7.129−7.163(9H,m),7.271(2H,d),7.448(3H,dt),7.803(2H,d),7.808(4H,d),8.302(3H,dd)
【0135】
実施例28
ジム・ロート氏冷却管、温度計及び滴下ロートを設置した三口フラスコ(容量500ミリリットル)に、窒素気流下で、製造例9で調製した化合物PRE−9を1.00g(1.27mmol)、及び無水炭酸セシウムを1.49g(4.59mmol)仕込み、N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)15mlを加えて撹拌した。フラスコを氷・水浴で冷却して、内部温度を5℃とし、続いて、ブロモ酢酸2,2−ジメチルフェネチルアルコールエステル(構造式(25):欧州特許公開1516867号公報記載の方法に従って合成)1.24g(4.59mmol)を、DMF10mlに溶かして温度が10℃を超えない程度にゆっくりと加えた。滴下終了後、冷却を止め、撹拌を続けて内部温度を室温程度まで上昇させ、そのまま室温で16時間撹拌して反応させた。反応終了後、フラスコ内の反応溶液を、約150mlの脱イオン水に注ぎ込んで希釈し、続いて約150mlの酢酸エチルを加えて抽出操作を行い、酢酸エチル層を分離し、脱イオン水、飽和食塩水で洗浄した。さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後に、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、反応混合物から酢酸エチルを除去した。残滓の油状物をシリカゲルカラムで精製し(展開溶媒:N−ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶媒)、化合物PCE−28を0.53g(0.39mmol、収率39%)得た。
【化58】

【0136】
化合物PCE−28の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.515(18H,s),1.678(6H,s),2.156(3H,s),3.097(6H,s),4.646(6H,s),6.869(3H,d),7.028(2H,d),7.118−7.278(26H,m),7.448(3H,dt),7.799(6H,d),8.307(3H,dd)
【0137】
実施例29
化合物PRE−1の代わりに製造例9で調製した化合物PRE−9を用いた他は実施例3と同様に反応を行い、化合物PCE−29(収率61%)を得た。
【化59】

【0138】
化合物PCE−29の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):1.457(3H,bs),1.489(3H,bs),1.618(3H,bs),1.648(3H,bs),1.681(6H,s),1.703(6H,bs),1.769(3H,bs),1.801(6H,bs),1.833(3H,bs),1.984(3H,bs),2.012(6H,bs),2.044(3H,bs),2.155(3H,s),3.885(3H,bs),5.525(6H,s),7.013(2H,d),7.120(4H,d),7.129(2H,d),7.151(3H,t),7.252(2H,d),7.330(3H,d),7.467(3H,dt),7.544(4H,d),7.554(2H,d),8.244(3H,dd)
【0139】
実施例30
化合物PRE−1の代わりに製造例10で調製した化合物PRE−10を用いた他は実施例2と同様に反応を行い、化合物PCE−30(収率75%)を得た。
【化60】

【0140】
化合物PCE−30の構造は、H−NMRにより確認した。H−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(内部標準テトラメチルシラン:溶媒CDCl:ppm):0.539(6H,s),1.262(4H,dd),1.437(2H,t),1.551−1.668(20H,m),1.694(6H,s),1.713(6H,s),1.751−1.784(20H,m),1.886(4H,bs),1.919(4H,bs),1.949(4H,bs),1.975(4H,bs),2.338(4H,bs),2.362(4H,bs),2.737(4H,d),4.709(4H,s),4.743(4H,s),6.905(4H,t),7.143(4H,q),7.190(4H,d),7.376(4H,d),7.441(4H,q),7.738(4H,d),7.891(4H,d),8.287(2H,dd),8.318(2H,dd)
【0141】
実施例31
本発明のポリカルボン酸エステル化合物である、実施例1で調製した化合物PCE−1を基材として100重量部、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムオルト−トリフルオロメチルスルホネートを光酸発生剤として2重量部、及びテトラブチルアンモニウムヒドロキシド乳酸塩0.2重量部からなる固形分を、溶媒である乳酸エチルに溶解して固形分が5重量%のフォトレジスト溶液を作製した。このフォトレジスト溶液をシリコンウェハー上にスピンコートし、加熱減圧乾燥することにより膜厚110nmの被膜を形成した。次いで、この被膜を有する基板に対して電子線リソグラフィー装置を用いて100nmの1/2ピッチ幅のライン/スペースを描画した。その後、130℃でベークし、0.25N水性水酸化テトラブチルアンモニウム溶液で処理し、イメージ付けられたレジスト層を現像した。
【0142】
得られたレジストパターンを電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、ラインエッジラフネスその他を評価した。また、100nmの1/2ピッチ幅のライン/スペースを1:1で解像する露光量をレジストの感度とした。その結果、100nmの1/2ピッチ幅のライン/スペースを作製した際には、パターン倒れ等は観測されず、ラインエッジラフネスが実質的にゼロである良好なパターンが得られた。その際の感度は10mJ/cmであった。
【0143】
比較例1
特開2006−285075号公報の記載に従って、下記構造式(30)で表さられる化合物(30)10gをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、メタンスルホン酸1g、エチルビニルエーテル5gを加え、室温下1時間反応させ、アンモニア水(30%)0.25gを加えて反応を停止させ、この反応溶液を酢酸水200mlを用いて晶出沈殿させ、さらに2回、水洗を行い、得られた固体を濾過後40℃で減圧乾燥し、化合物(30)の4つのヒドロキシ基のうち、2つがエトキシエトキシ基で置換された化合物を13.5g得た。尚、当該化合物の構造は13C及びH−NMRを用いて確認した。
【化61】

【0144】
化合物PCE−1の代わりに化合物(30)の4つのヒドロキシ基のうち、2つがエトキシエトキシ基で置換された化合物を基材として用いたほかは実施例31と同様にしてレジスト層を現像した。しかし、130℃のベーク温度ではレジスト層の過剰反応及び融解により所望のライン/スペースパターンは得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明のポリカルボン酸エステル化合物からなるフォトレジスト基材及びその組成物は、半導体装置等の電気・電子分野や光学分野等において好適に用いられる。特に極端紫外光及び/又は電子用フォトレジストに適している。これにより、ULSI等の半導体装置の性能を飛躍的に向上させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1−A)〜(1−J)で表されるポリカルボン酸エステル化合物。
【化1】

[式中、Aは、2〜20個の芳香族環を含む分子量が250以上5000以下である2〜20価の炭化水素基であり、Aに含まれる前記芳香族環は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4のハロアルコキシル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又はこれら2以上の置換基によって置換されていてもよく、
Aと結合している酸素原子は、Aに含まれる前記芳香族環と結合し、
は、それぞれ独立に水素原子又は酸解離性溶解抑止基であり(但し、Rが全て水素原子の場合は無い。)、
11は、それぞれ独立にヒドロキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシル基又は炭素数1〜4の低級ハロアルコキシル基であり、
Xは2〜20の整数であり、
nは0〜3の整数であり、及び
複数のR及びR11は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
【請求項2】
前記酸解離性溶解抑止基が、下記式(2)〜(5)で表される置換基のいずれかである請求項1に記載のポリカルボン酸エステル化合物。
【化2】

[式中、R〜R10は、それぞれ独立に炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐を有するアルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、又は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜10の芳香族基若しくはハロゲン原子で置換されてもよい炭素数6〜14の芳香族基であり(但し、R及びRは、水素原子であってもよく、Rは、酸素原子又は硫黄原子を含有する炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐を有するアルキル基、炭素数3〜20の単環若しくは複素環状の脂環式アルキル基、又は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されてもよいベンジル基であってもよい。)、
〜R10は、互いに結合して炭素数3〜20の単環又は複素環状の脂環式アルキル基を形成してもよい。]
【請求項3】
前記酸解離性溶解抑止基が、tert−ブチル基、tert−アミル基、ベンジルオキシメチレン基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、又は下記式(6)で表される置換基のいずれかである請求項1又は2に記載のポリカルボン酸エステル化合物。
【化3】

【請求項4】
前記式(1−A)〜(1−J)中のAが、下記式(7−A)〜(7−P)で表される炭化水素基のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載のポリカルボン酸エステル化合物。
【化4】



[式中R12は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4のハロアルコキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子であり、
複数のR12は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のポリカルボン酸エステル化合物を含有するフォトレジスト基材。
【請求項6】
請求項5に記載のフォトレジスト基材、及び溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
【請求項7】
さらに光酸発生剤を含有する請求項6に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項8】
さらに塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する請求項6又は7に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれかに記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
【請求項10】
請求項9に記載の微細加工方法により作製した半導体装置。

【公開番号】特開2009−73738(P2009−73738A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241232(P2007−241232)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】