説明

マグネットローラと現像剤担持体と現像装置とプロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】現像主極で高磁力を維持しつつ、成形時の反り及び経時による歪みを防止し、さらに支持部破損や倒れを抑制することができるマグネットローラを提供する。
【解決手段】円柱状の本体部31と、本体部31の両端に接して同一の軸に設けられた本体部31よりも径の細い円柱状の支持部33,34と、本体部31の表面部分に設けられる現像主極部に配置された希土類マグネットブロック141と、を有するマグネットローラ133において、本体部31には、支持部33,34の外径より外側、かつ、本体部31の軸P方向に延在したフラット面32aが少なくとも1以上設けられ、かつ、フラット面32aのうち1つには、現像主極部として希土類マグネットブロック141が配置されているものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において用いられる非磁性中空体上の現像剤を潜像担持体に搬送するために、非磁性中空体内にあって該非磁性中空体と相対回転するマグネットローラと、該マグネットローラを有する現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、該現像装置を有するプロセスカートリッジ、及び、該プロセスカートリッジを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトからなる潜像担持体上に、画像情報に対応した静電潜像が形成され、現像装置によって現像動作が実行されて、可視像が得られる。このような電子写真方式における現像処理では、磁気ブラシ現像方式が広く利用されている。例えば、トナーと磁性粒子からなる二成分現像剤を用いる場合には、現像剤担持体外周面に当該現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、現像領域(現像剤担持体と潜像担持体の間で現像可能電界が確保されている領域)において、静電潜像が形成された潜像担持体と電気的バイアスが印加されたスリーブとの間の電界によって、上記磁気ブラシから対向する潜像担持体の潜像面へトナーを選択的に供給付着することにより、現像が行われる。
【0003】
このような磁気ブラシ現像方式で用いられる現像剤担持体(以下、現像ローラともいう)は、円筒状に成形された非磁性材料で構成された現像スリーブと、この現像スリーブ内に収容され且つ当該現像スリーブの表面に現像剤を穂立ちさせるように磁気力を生じるマグネットローラを備えている。現像ローラでは、現像剤に含まれる磁性キャリアがマグネットローラで生じる磁気力(磁力線)に沿うように現像スリーブ上に穂立ちすると共に、この穂立ちした磁性キャリアにトナーが付着して、即ち、現像剤の穂立ちとなる。
【0004】
近年、電子複写機及びプリンタのカラー化が進んでおり、これらカラーの画像形成装置には、通常4色(イエロー、マゼンダ、シアン、黒)に対応した現像装置が必要となるので、これら画像形成装置の小型化のために、現像装置にも小型化が望まれており、この現像装置に用いられる現像ローラにおいても、当然小型化が望まれている。
【0005】
現像ローラの小型化は、マグネットローラの小径化により実現されるものである。しかしながら、従来一般的に用いられているフェライト樹脂からなるマグネットローラでは、その小径化によりマグネット体積が減少してしまうので、必要な磁力を得ることができず、小径化が困難であったが、これを解決するマグネットローラが、例えば、特許文献1に提案されている。
【0006】
特許文献1に記載のマグネットローラは、円柱状に成形されたフェライト樹脂からなる磁界発生部材の外周面においてその軸方向に沿って設けられた凹溝に、高磁力の希土類マグネットブロックを固着してなるものである。このマグネットローラによれば、その磁界発生部材をフェライト樹脂で成形するとともに該磁界発生部材の凹溝に希土類マグネットブロックを固着して備えることにより、小径且つ高磁力のマグネットローラを得ることができた。
【0007】
しかしながら、このようなマグネットローラの磁界発生部材は、その軸方向に沿って1つの凹溝が設けられており、つまり、該磁界発生部材の横断面(軸方向に直交する断面)が軸について点対称ではないので、この磁界発生部材を射出磁場成形したとき、凹溝の箇所と、本体部の軸を挟んで該凹溝と相対する箇所と、のそれぞれにおける硬化に伴う収縮に差異が生じ、そのため、磁界発生部材の凹溝側が凸状に張り出すようにして、磁界発生部材に反りが生じてしまうという問題があった。このような反りが生じた磁界発生部材を用いて上述した現像動作を行うと、軸方向に沿って均一な磁界が得られず、現像剤の搬送量にムラが生じて画質の低下が生じるという問題があった。この問題を解決する提案は、特許文献2においてなされている。
【0008】
特許文献2に記載の反り矯正装置は、不完全硬化状態にあるうちに成形金型から取り出されたマグネットロールを回転させて、該マグネットロールの所定部位を局部的に冷却する装置である。この反り矯正装置によれば、マグネットロールの反り方向、即ち凸状に張り出す当該凸方向に対して概ね180°反対側の外周部位を局部的に冷却することで、当該部位に硬化層が形成されて、全体を冷却するに際しては前記凸方向の半硬化部位が主に収縮して全体の反りが相殺され、これにより、マグネットロールの反りを防いでいる。
【0009】
また、特許文献1に記載の凹溝を設けたマグネットローラの他の問題点として、マグネットローラの径によっては、希土類マグネットブロックを配置するための凹溝部の深さをマグネットローラの両端などに設ける支持部の位置より深く設定する必要がある。この場合、マグネットローラの成形時において、マグネットローラの溝が収縮するので、マグネットローラの支持部がより軟弱なものとなり、そのために、成形直後や、マグネットローラ組み付け時或いは、使用時に、マグネットローラの支持部の破損や、倒れを招く原因となる。このようなマグネットローラの支持部の破損を防止するために、マグネットローラの支持部近傍の凹溝深さを支持部径より高くし、支持部の破損や、倒れを抑制したマグネットローラが特許文献3で提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献2に記載された反り矯正装置では、局所的にマグネットロールを冷却するので、冷却速度の違いから生じる密度差などによってマグネットロールの内部に応力が生じ、そのため、経時による歪みが生じてしまうという問題があった。このような歪みが生じたマグネットロールを用いて上述した現像動作を行うと、反りが生じた場合と同様に、軸方向に沿って均一な磁界が得られず、現像剤の搬送量にムラが生じて画質の低下が生じるという問題があった。また、反り矯正装置を用いた場合、マグネットロールをこの装置にかける工数が増加して、製造コストが増えてしまうという問題があった。
【0011】
また、特許文献3に記載されたマグネットローラの支持部の破損や、倒れを抑制する構成では、支持部の破損や、倒れを抑制することはできるものの、やはりマグネットローラに凹溝を有するため、マグネットローラのソリに大きく影響してしまう。小径でも現像主極で高磁力を得るための手段としては、やはりマグネットローラに支持部径より深い凹溝を設け、高磁力マグネットブロックを配置させる必要があった。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、即ち、現像主極で高磁力を維持しつつ、成形時の反り及び経時による歪みを防止し、さらに支持部破損や倒れを抑制することができるマグネットローラ、該マグネットローラを有する現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、該現像装置を有するプロセスカートリッジ、及び、該プロセスカートリッジを有する画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載された発明は、円柱状の磁界発生手段と、前記磁界発生手段の両端に接して同一の軸に設けられた該磁界発生手段よりも径の細い円柱状の支持部と、該磁界発生手段の表面部分に設けられる現像主極部に配置された高磁力長尺磁界発生部材と、を有するマグネットローラにおいて、前記磁界発生手段には、前記支持部の外径より外側、かつ、該磁界発生手段の軸方向に延在した平坦部が少なくとも1以上設けられ、かつ、前記平坦部のうち1つには、前記現像主極部として前記高磁力長尺磁界発生部材が配置されていることを特徴とするマグネットローラである。
【0014】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、前記磁界発生手段には、前記高磁力長尺磁界発生部材が設けられている平坦部と対向するように他の平坦部が設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記高磁力長尺磁界発生部材の外周面形状が、前記磁界発生手段の円柱外周面と同一円周上となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のマグネットローラと、前記マグネットローラを収容するとともに前記磁界発生手段の軸を中心に回転する円筒状の中空体と、を有する現像剤担持体において、前記高磁力長尺磁界発生部材の断面中心線が前記磁界発生手段の断面中心線に対して前記中空体回転方向の下流側寄りに位置付けられるように、高磁力長尺磁界発生部材が配置されていることを特徴とする現像剤担持体である。
【0017】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のマグネットローラと、前記マグネットローラを収容するとともに前記マグネットローラの軸を中心に回転する円筒状の中空体と、を有する現像剤担持体において、前記高磁力長尺磁界発生部材の断面中心線が前記磁界発生手段の断面中心線と一致するとともに、前記高磁力長尺磁界発生部材が設けられている平坦部の前記中空体回転方向の下流側の端部には、凸形状が設けられていることを特徴とする現像剤担持体である。
【0018】
請求項6に記載に記載された発明は、請求項4または5に記載の現像剤担持体を有したことを特徴とする現像装置である。
【0019】
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載の現像装置を有していることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0020】
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、磁界発生手段には、支持部の外径より外側、かつ、該磁界発生手段の軸方向に延在した平坦部が少なくとも1以上設けられて、その平坦部のうち1つは、現像主極部として高磁力長尺磁界発生部材が設けられているので、従来の凹溝形状、即ち本体部非対称形状から、対称形状、或いはそれに近い形状となり、成形時、環境試験時等の成形品内部の温度分布も偏りの小さいものとなるため、磁界発生手段軸方向のそり、形状変化を大幅に抑えることができる。また平坦部は、支持部の外径より外側に設けられているため、磁界発生手段製造時の型からの脱型時やユニット組付け時の支持部の倒れや破損を防止できる。
【0022】
また、磁界発生手段が対称形状、或いはそれに近い形状であることから、成形時のそり量を抑えることができるため、成形後、局所的に冷却する等の矯正工程が必要がないので、矯正によって生じる歪による経時での形状変化を防止できるとともに、該矯正工程を削減して製造コストを低減できる。さらに、当該マグネットローラの磁力波形は、現像主極となる平坦部に磁極を予め形成することができるため、高磁力長尺磁界発生部材の体積を従来の凹溝に取り付けるものよりも小さくしても同等の磁力波形が得られ、特に現像主極で高磁力が維持されるため、現像ローラとしての機能を十分に果たすことができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、磁界発生手段には、前記高磁力長尺磁界発生部材が設けられている平坦部と対向するよう他の平坦部が設けられているので、磁界発生手段が対称形状となり、さらに本体部軸方向のそり、形状変化を抑えることができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、高磁力長尺磁界発生部材の外周面形状が、磁界発生手段の円柱外周面と同一円周上となるように形成されているので、円筒状の中空体に収容された際に中空体と磁界発生部材とのクリアランスを任意で一定量に保ち、且つ現像主極に最大限の磁力を得ることができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、高磁力長尺磁界発生部材の断面中心線が磁界発生手段の断面中心線に対して中空体回転方向の下流側寄りに位置付けられるように、高磁力長尺磁界発生部材が配置されているので、現像主極から中空体回転方向搬送極にかけて、磁気力低下が抑制され、現像剤の感光体へのキャリア付着がより防止できる。そして、現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生手段軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減した現像剤坦持体を提供できる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、高磁力長尺磁界発生部材の断面中心線が磁界発生手段の断面中心線と一致するように高磁力長尺磁界発生部材が配置されているとともに、高磁力長尺磁界発生部材が設けられている平坦部の中空体回転方向の下流側の端部には、凸形状が設けられているので、現像主極から中空体回転方向搬送極にかけて、磁気力の落ち込みが抑制され、現像剤の感光体へのキャリア付着がより防止できる。そして、現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生手段軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減した現像剤坦持体を提供できる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の現像剤担持体を有しているため、現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生手段軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減した現像装置を提供できる。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の現像装置を有しているため、現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生手段軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減したプロセスカートリッジを提供できる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載のプロセスカートリッジを備えているため、現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生手段軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減した画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る現像装置及び該現像装置を備えたプロセスカートリッジの一実施形態を示す断面図である。
【図3】図2に示された現像装置で用いられる現像剤に含まれる磁性キャリアの断面図である。
【図4】本発明に係る現像剤担持体の一実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係るマグネットローラを示す正面図である。
【図6】図5に示されたマグネットローラの磁界発生部材を示す斜視図である。
【図7】図6に示された磁界発生部材の側面図である。
【図8】図6に示された磁界発生部材の正面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図11】図6に示された磁界発生部材の射出成形に用いられる金型の概略構成を示す図である。
【図12】図11に示された金型の断面図である。
【図13】実施例1の磁力波形を示す図である。
【図14】実施例2の磁力波形を示す図である。
【図15】実施例3の磁力波形を示す図である。
【図16】実施例4に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図17】実施例4の磁力波形を示す図である。
【図18】実施例5に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図19】実施例5の磁力波形を示す図である。
【図20】実施例6に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図21】実施例6の磁力波形を示す図である。
【図22】実施例7に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図23】実施例7の磁力波形を示す図である。
【図24】実施例8に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図25】実施例8の磁力波形を示す図である。
【図26】比較例1に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図27】比較例1の磁力波形を示す図である。
【図28】比較例2に係るマグネットローラを示す断面図である。
【図29】比較例2の磁力波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態を、図1ないし図12に基づいて説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。図2は、本発明に係る現像装置及び該現像装置を備えたプロセスカートリッジの一実施形態を示す断面図である。図3は、図2に示された現像装置で用いられる現像剤に含まれる磁性キャリアの断面図である。図4は、本発明に係る現像剤担持体の一実施形態を示す断面図である。図5は、本発明に係るマグネットローラを示す正面図である。図6は、図5に示されたマグネットローラの磁界発生部材を示す斜視図である。図7は、図6に示された磁界発生部材の側面図である。図8は、図6に示された磁界発生部材の正面図である。図9は、本発明の他の実施形態に係るマグネットローラを示す断面図である。図10は、本発明の他の実施形態に係るマグネットローラを示す断面図である。図11は、図6に示された磁界発生部材の射出成形に用いられる金型の概略構成を示す図である。図12は、図11に示された金型の断面図である。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の断面図である。画像形成装置101は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像則ちカラー画像を、一枚の転写材としての記録紙107に形成する。なお、イエロー、マゼンダ、シアン、黒の各色に対応するユニットなどを、以下、符号の末尾に各々Y、M、C、Kを付けて示す。
【0033】
画像形成装置101は、図1に示すように、装置本体102と、給紙ユニット103と、レジストローラ対110と、転写ユニット104と、定着ユニット105と、複数のレーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kと、複数のプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kとを少なくとも備えている。
【0034】
装置本体102は、例えば、箱状に形成され、フロア上などに設置される。装置本体102は、給紙ユニット103と、レジストローラ対110と、転写ユニット104と、定着ユニット105と、複数のレーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kと、複数のプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kを収容している。
【0035】
給紙ユニット103は、装置本体102の下部に複数設けられている。給紙ユニット103は、前述した記録紙107を重ねて収容するとともに装置本体102に出し入れ自在な給紙カセット123と、給紙ローラ124とを備えている。給紙ローラ124は、給紙カセット123内の一番上の記録紙107に押し当てられている。給紙ローラ124は、前述した一番上の記録紙107を、転写ユニット104の後述する搬送ベルト129と、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの現像装置113の感光体ドラム108との間に送り出す。
【0036】
レジストローラ対110は、給紙ユニット103から転写ユニット104に搬送される記録紙107の搬送経路に設けられており、一対のローラ110a、110bを備えている。レジストローラ対110は、一対のローラ110a、110b間に記録紙107を挟み込み、該挟み込んだ記録紙107を、トナー像を重ね合わせ得るタイミングで、転写ユニット104とプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kとの間に送り出す。
【0037】
転写ユニット104は、給紙ユニット103の上方に設けられている。転写ユニット104は、駆動ローラ127と、従動ローラ128と、搬送ベルト129と、転写ローラ130Y、130M、130C、130Kとを備えている。駆動ローラ127は、記録紙107の搬送方向の下流側に配置されており、駆動源としてのモータなどによって回転駆動される。従動ローラ128は、装置本体102に回転自在に支持されており、記録紙107の搬送方向の上流側に配置されている。搬送ベルト129は、無端環状に形成されており、前述した駆動ローラ127と従動ローラ128との双方に掛け渡されている。搬送ベルト129は、駆動ローラ127が回転駆動されることで、前述した駆動ローラ127と従動ローラ128との回りを図中反時計回りに循環(無端走行)する。
【0038】
転写ローラ130Y、130M、130C、130Kは、それぞれ、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの感光体ドラム108との間に搬送ベルト129と該搬送ベルト129上の記録紙107とを挟む。転写ユニット104は、転写ローラ130Y、130M、130C、130Kが、給紙ユニット103から送り出された記録紙107を各プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの感光体ドラム108の外表面に押し付けて、感光体ドラム108上のトナー像を記録紙107に転写する。転写ユニット104は、トナー像を転写した記録紙107を定着ユニット105に向けて送り出す。
【0039】
定着ユニット105は、転写ユニット104の記録紙107の搬送方向下流に設けられ、互いの間に記録紙107を挟む一対のローラ105a、105bを備えている。定着ユニット105は、一対のローラ105a、105b間に転写ユニット104から送り出されてきた記録紙107を押圧加熱することで、感光体ドラム108から記録紙107上に転写されたトナー像を、該記録紙107に定着させる。
【0040】
レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、それぞれ、装置本体102の上部に取り付けられている。レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、それぞれ一つのプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kに対応している。レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kは、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの帯電ローラ109により一様に帯電された感光体ドラム108の外表面にレーザ光を照射して、静電潜像を形成する。
【0041】
プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kは、それぞれ、転写ユニット104と、レーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kとの間に設けられている。プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kは、装置本体102に着脱自在である。プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kは、記録紙107の搬送方向に沿って、互いに並設されている。画像形成装置101は、各プロセスカートリッジ106を備えているので、帯電ローラ109と、感光体ドラム108と、クリーニングブレード112と、現像装置113と、を少なくとも備えている。
【0042】
プロセスカートリッジ106は、図2に示すように、カートリッジケース111と、帯電装置としての帯電ローラ109と、静電潜像担持体としての感光体ドラム108と、クリーニング装置としてのクリーニングブレード112と、現像装置113と、を備えている。
【0043】
カートリッジケース111は、装置本体102に着脱自在で、かつ帯電ローラ109と、感光体ドラム108と、クリーニングブレード112と、現像装置113と、を収容している。帯電ローラ109は、感光体ドラム108の外表面を一様に帯電する。感光体ドラム108は、現像装置113の現像ローラ115と間隔をあけて配されている。感光体ドラム108は、軸芯を中心として回転自在な円柱状又は円筒状に形成されている。感光体ドラム108は、対応するレーザ書き込みユニット122Y、122M、122C、122Kにより、外表面上に静電潜像が形成される。感光体ドラム108は、外表面上に形成されかつ担持する静電潜像にトナーが吸着して現像し、こうして得られたトナー像を搬送ベルト129との間に位置付けられた記録紙107に転写する。クリーニングブレード112は、記録紙107にトナー像を転写した後に、感光体ドラム108の外表面に残留した転写残トナーを除去する。
【0044】
現像装置113は、図2に示すように、現像剤供給部114と、ケース125と、現像ローラ115と、現像剤規制ブレード116とを少なくとも備えている。
【0045】
現像剤供給部114は、収容槽117と、攪拌部材としての一対の攪拌スクリュー118と、を備えている。収容槽117は、感光体ドラム108と長さが略等しい箱状に形成されている。また、収容槽117内には、該収容槽117の長手方向に沿って延びた仕切壁119が設けられている。仕切壁119は、収容槽117内を第1空間120と、第2空間121とに区画している。また、第1空間120と第2空間121とは、両端部が互いに連通している。
【0046】
収容槽117は、第1空間120と第2空間121との双方に現像剤を収容する。現像剤は、トナーと、磁性キャリア135とを含んでいる。トナーは、第1空間120と、第2空間121とのうち現像ローラ115から離れた側の第1空間120の一端部に、適宜供給される。トナーは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。なお、トナーは、種々の染料又は顔料を混入・分散した合成樹脂で構成される塊を粉砕して得られても良い。トナーの平均粒径は、3μm以上でかつ7μm以下である。また、トナーは、粉砕加工などにより形成されても良い。
【0047】
磁性キャリア135は、第1空間120と第2空間121との双方に収容されている。磁性キャリア135の平均粒径は、20μm以上でかつ50μm以下である。磁性キャリア135は、図3に示すように、芯材136と、該芯材136の外表面を被覆した樹脂コート膜137と、樹脂コート膜137に分散されたアルミナ粒子138と、を備えている。
【0048】
芯材136は、磁性材料としてのフェライトで構成されているとともに、球形に形成されている。樹脂コート膜137は、芯材136の外表面全体を被覆している。樹脂コート膜137は、アクリルなどの熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分と、帯電調整剤とを含有している。この樹脂コート膜137は、弾力性と強い接着力を有している。アルミナ粒子138は、外径が樹脂コート膜137の厚みより大きな球形に形成されている。アルミナ粒子138は、樹脂コート膜137の強い接着力で保持されている。アルミナ粒子138は、樹脂コート膜137より磁性キャリア135の外周側に突出している。
【0049】
攪拌スクリュー118は、第1空間120と第2空間121それぞれに収容されている。攪拌スクリュー118の長手方向は、収容槽117、現像ローラ115及び感光体ドラム108の長手方向と平行である。攪拌スクリュー118は、軸芯周りに回転自在に設けられており、軸芯周りに回転することで、トナーと磁性キャリア135とを攪拌するとともに、該軸芯に沿って現像剤を搬送する。
【0050】
図示例では、第1空間120内の攪拌スクリュー118は、現像剤を前述した一端部から他端部に向けて搬送する。第2空間121内の攪拌スクリュー118は、現像剤を他端部から一端部に向けて搬送する。
【0051】
前述した構成によれば、現像剤供給部114は、第1空間120の一端部に供給されたトナーを、磁性キャリア135と攪拌しながら、他端部に搬送し、この他端部から第2空間121の他端部に搬送する。そして、現像剤供給部114は、第2空間121内でトナーと磁性キャリア135とを攪拌し、軸芯方向に搬送しながら、現像ローラ115の外表面に供給する。
【0052】
ケース125は、箱状に形成され、前述した現像剤供給部114の収容槽117に取り付けられて、該収容槽117とともに、現像ローラ115などを覆う。また、ケース125の感光体ドラム108と相対する部分には、開口部125aが設けられている。
【0053】
現像ローラ115は、第2空間121と、感光体ドラム108との間でかつ前述した開口部125aの近傍に設けられている。現像ローラ115は、感光体ドラム108と収容槽117との双方と平行である。現像ローラ115は、感光体ドラム108と間隔をあけて配されている。
【0054】
現像ローラ115は、図4に示すように、現像スリーブ132と、マグネットローラ133と、を備えている。マグネットローラ133は、現像スリーブ132内に収容されている(内包されている)。
【0055】
現像スリーブ132は非磁性体からなり、マグネットローラ133を内包し(収容し)て、軸芯回りに回転自在に設けられている。現像スリーブ132は、その内周面が現像主極及び固定磁極に順に相対するように回転される。現像スリーブ132は、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)などからなる。アルミニウムは、加工性、軽さの面で優れている。アルミニウムを用いる場合には、A6063、A5056及びA3003を用いるのが好ましい。SUSを用いる場合には、SUS303、SUS304及びSUS316を用いるのが好ましい。
【0056】
マグネットローラ133は、図5に示すように、磁界発生手段としての円筒状の本体部31と、支持部33、34と、から構成された磁界発生部材30と、高磁力長尺磁界発生部材としての希土類マグネットブロック141と、を備えている。
【0057】
本体部31は、図6ないし図8に示すように円柱状に形成され、本体部31の外周面に本体部31(磁界発生部材30)の軸P方向に沿い全長に亘って平坦部としてのフラット面32aが設けられている。また、本体部31には、N極又はS極に形成された複数の固定磁極が設けられている。
【0058】
複数の固定磁極のうちの一つの固定磁極は、現像装置113が備える攪拌スクリュー118と相対するように配置される。この一つの固定磁極は、汲み上げ磁極をなしており、現像スリーブ132即ち現像ローラ115の外表面上に磁気力を生じて、現像剤を現像スリーブ132の外表面に吸着する。前述した汲み上げ磁極とその現像剤搬送方向下流に位置するフラット面32a(即ち、現像主極)との間には、他の少なくとも一つの固定磁極が設けられている。この他の少なくとも一つの固定磁極は、搬送磁極をなしており、現像スリーブ132即ち現像ローラ115の外表面上に磁気力を生じて、現像前の現像剤を感光体ドラム108に向けて搬送する。
【0059】
また、本体部31には、現像ローラ115の外表面に生じる磁気力を弱めて、現像剤を現像ローラ115外表面から落下させるための剤切れ極が、上述のフラット面32aと略対向する位置(フラット面32aと約180°反対の位置)に設けられている。この剤切れ極は、本体部31の軸P方向に沿って延在しているとともに、本体部31の全長に亘って設けられている。
【0060】
本体部31の材料としては、磁性粉に高分子化合物を混合したいわゆるプラスチックマグネットもしくはゴムマグネットを用いることが多い。磁性粉としてはSrフェライトないしBaフェライトを用い、高分子化合物としては6PAもしくは12PA等のPA(ポリアミド)系材料、EEA(エチレン・エチル共重合体)又はEVA(エチレン・ビニル共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩素化ポリエチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料を使用することができる。
【0061】
フラット面32aには、図5に示すように、希土類マグネットブロック141が固着される。これによりフラット面32aには、現像主極が形成される。フラット面32aは、支持部33の外径より外側に設けられている。
【0062】
また、図9に示すように、フラット面32a以外に他の平坦部としてのフラット面32bを、本体部31の外周面に本体部31の軸P方向に沿い全長に亘って設けてもよい。このとき、フラット面32bはフラット面32aが設けられた本体部31の外周面の箇所に対して約180°反対の箇所(対向する箇所)にフラット面32aと同じ高さで設けられているとともに、後述する剤切れ極が形成された箇所に設けられているとよい。これにより、本体部31が対称形状となり、成形時、環境試験時等の成形品内部の温度分布も偏りのより小さいものとなるため、形状変化を上述のフラット面32aのみを有する本体部形状よりも、本体部軸方向のそり、変形を大幅に抑えることができる。
【0063】
支持部33は、本体部31と軸を同一にして本体部31の一端31aの端面31cから突出して設けられている。支持部33の先端は、外周面の一部が弦に沿って切り取られて形成された位置決め面が設けられている。支持部34は、本体部31と軸を同一にして本体部31の他端31bの端面31dから突出して設けられている。支持部33及び支持部34の外径は、本体部31の外径より小さく(細く)されている。
【0064】
図5ないし図8に示した磁界発生部材30の構成の一例としては、外径φ10mm、全長223mm、フラット面32aが、幅6mm、本体部31の中心からの高さ5mm、長さ223mmで、支持部33が、外径φ6mm、長さ35mmで、支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成されている。図9のようにフラット面32bを形成した場合は、フラット面32bは、フラット面32aに対向する本体部31の外周面に幅6mm、本体部31中心からの高さ5mm、長さ223mmで設けられている。この磁界発生部材30は、射出磁場成形によって、本体部31、フラット面32a(および32b)、支持部33、支持部34がそれぞれ一体に成形される。ただし、磁界発生部材30は、外径や、全長等については上記の径、長さに限ったものではない。
【0065】
希土類マグネットブロック141は本体部31の断面中心線に対して、現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向の下流側よりに配置されていることが好ましい。このようにすることで、現像主極と、現像主極に隣接する現像剤搬送方向下流に設けられた搬送磁極の間の磁気力低下を防ぎ、現像剤の感光体へのキャリア付着を防止することができる。この際、希土類マグネットブロック141の外表面形状は本体部31の外表面円周と同一円周上となるようにすることで、現像スリーブ132と本体部31とのクリアランスを任意で一定量に保ち、且つ現像主極に最大限の磁力を得ることができる。
【0066】
また、希土類マグネットブロック141の断面中心線を本体部31の断面中心線に対して、同一に配置してもよい。この場合、図10に示すように、現像主極部であるフラット面32aの現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向の下流側の端部に凸形状32a1を本体部31に設けることで、現像主極と、現像主極に隣接する現像剤搬送方向下流に有する搬送磁極の間の磁気力低下をより防ぎ、現像剤の感光体へのキャリア付着をより防止することができる。
【0067】
希土類マグネットブロック141は、本体部31のフラット面32aに配置されることにより、マグネットローラ133の現像主極を形成する部材である。希土類マグネットブロック141は、圧縮磁場成形により製造され、現像ローラ115の軸方向に延びる、例えば、幅3.5mm、ピーク高さ1.0mm、長さ223mm、外表面R5のマグネットブロックであり、幅が狭く且つ高い磁気特性を得るために、多くはNe系(Ne・Fe・B等)又はSm系(Sm・Co、Sm・Fe・N等)の希土類マグネットもしくはこれらのマグネット粉を上記と同様の高分子化合物と混合したプラスチックマグネットもしくはゴムマグネットを用いることができる。
【0068】
現像剤規制ブレード116は、現像装置113の感光体ドラム108寄りの端部に設けられている。現像剤規制ブレード116は、現像スリーブ132の外表面と間隔をあけた状態で、前述したケース125に取り付けられている。現像剤規制ブレード116は、所望の厚さを越える現像スリーブ132の外表面上の現像剤を収容槽117内にそぎ落として、現像領域131に搬送される現像スリーブ132の外表面上の現像剤を所望の厚さにする。
【0069】
現像装置113は、現像剤供給部114でトナーと磁性キャリア135とを十分に攪拌し、この攪拌した現像剤を固定磁極により現像スリーブ132の外表面に吸着する。そして、現像装置113は、現像スリーブ132が回転して、複数の固定磁極により吸着した現像剤を現像領域131に向かって搬送する。現像装置113は、現像剤規制ブレード116で所望の厚さになった現像剤を感光体ドラム108に吸着させる。こうして、現像装置113は、現像剤を現像ローラ115に担持し、現像領域131に搬送して、感光体ドラム108上の静電潜像を現像して、トナー像を形成する。
【0070】
そして、現像装置113は、現像済みの現像剤を、剤切れ極において収容槽117に向かって離脱させる。さらに、そして、収容槽117内に収容された現像済みの現像剤は、再度、第2空間121内で他の現像剤と十分に攪拌されて、感光体ドラム108の静電潜像の現像に用いられる。
【0071】
上述したように構成された画像形成装置101は、以下に示すように、記録紙107に画像を形成する。まず、画像形成装置101は、感光体ドラム108を回転して、この感光体ドラム108の外表面を一様に帯電ローラ109により帯電する。感光体ドラム108の外表面にレーザ光を照射して、該感光体ドラム108の外表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像が現像領域131に位置付けられると、現像装置113の現像スリーブ132の外表面に吸着した現像剤が感光体ドラム108の外表面に吸着して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム108の外表面に形成する。
【0072】
そして、画像形成装置101は、給紙ユニット103の給紙ローラ124などにより搬送されてきた記録紙107が、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kの感光体ドラム108と転写ユニット104の搬送ベルト129との間に位置して、感光体ドラム108の外表面上に形成されたトナー像を記録紙107に転写する。画像形成装置101は、定着ユニット105で、記録紙107にトナー像を定着する。こうして、画像形成装置101は、記録紙107にカラー画像を形成する。
【0073】
次に、磁界発生部材30の製造方法について説明する。上述したような磁界発生部材30は、例えば、図11に示すような金型200を用いて射出成形される。金型200には、成形する磁界発生部材30の形状に応じて彫りこまれて形成されたキャビティ201と、キャビティ201に充填された磁界発生部材30の材料を冷却するための冷却水が流通される複数の水管202と、が設けられている。また、図12に示すように金型200にはインジェクタピン203を備えている。
【0074】
また、金型200は、図12に示すように、現像ローラ115の外表面上に磁気力を生じて、現像前の現像剤を感光体ドラム108に向けて搬送する機能を満足する磁気を磁界発生部材30に持たせるために、キャビティ201まわりに、永久磁石35a〜35dが配置されている。この際、永久磁石は各磁極の必要磁力により、その形状(幅、高さ、キャビティ201との距離)が異なって配置されている。また、剤切れ性を満足させる等の理由で、各磁極以外の部分にも永久磁石が配置されている。これら永久磁石配置により、現像主極に、ある程度の配向磁力を確保させておくことができ、希土類マグネットブロック141を従来より薄く(体積を小さく)しても同等の高磁力を得ることが可能となる。
【0075】
本実施形態によれば、マグネットローラ133の磁界発生部材30の本体部31に支持部33の外径より外側になるようにフラット面32aが設けられているので、本体部31が対称に近い形状となり、成形時、環境試験時等の成形品内部の温度分布も偏りの小さいものとなるため、本体部31の軸方向のそり、形状変化を大幅に抑えることができる。また、フラット面32aによる支持部33の倒れや破損を抑制することができる。また、成形時のそり量を抑えることができるため、成形後、局所的に冷却する等の矯正工程が必要がないので、矯正によって生じる歪による経時での形状変化を防止できるとともに、該矯正工程を削減して製造コストを低減できる。
【0076】
また、希土類マグネットブロック141はマグネットローラ本体部31断面中心線に対して、現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向の下流側よりに配置されているので、現像主極と、現像主極に隣接する現像剤搬送方向下流に有する搬送磁極の間の磁気力低下を防ぎ、現像剤の感光体へのキャリア付着を防止することができる。この際、希土類マグネットブロック141の外表面形状はマグネットローラ本体部31の外表面円周と同一円周上となるようにすることで、現像スリーブ132と本体部31とのクリアランスを任意で一定量に保ち、且つ現像主極に最大限の磁力を得ることができる。
【0077】
また、現像ローラ115が、上述したマグネットローラ133を有しているので、現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生部材本体部軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減した現像ローラ115を提供できる。
【0078】
また、現像装置113が、上述した現像ローラ115を有しているので、マグネットローラ133の磁界発生部材30の現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生部材30の本体部31の軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減した現像装置113を提供できる。
【0079】
また、プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kが、上述した現像装置113を有しているので、現像ローラ115の磁界発生部材30の現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生部材30の本体部31の軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減したプロセスカートリッジ106を提供できる。
【0080】
また、画像形成装置101が、上述したプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Kを有しているので、現像装置113の磁界発生部材30の現像主極の磁力を高磁力で維持し、且つ磁界発生部材30の本体部の軸方向のそり、形状変化を大幅に抑え、また支持部の倒れや破損を防止し、製造コストも低減した画像形成装置101を提供できる。
【0081】
次に本発明の発明者らは、本体部の外周面にフラット面が設けられた、それぞれ異なる複数のマグネットローラ133において、磁界発生部材30の射出成形時に発生する本体部そり量、支持部倒れ量を測定し、本発明の効果を確認した。
【0082】
以下の各実施例、比較例に示した各磁界発生部材30を上述の金型200にて成形し、それぞれの磁界発生部材30における本体部そり量、支持部倒れ量を測定した。また、材料としては、異方性SrフェライトとPA12のコンパウンド(戸田工業製)を用いた。
【0083】
また、成形条件としては、樹脂温度が300℃、金型温度が80℃、射出時間が0.8秒、保圧が60MPa、保圧時間が4秒、冷却時間が35秒とした。
【0084】
そして、各磁極が満たすべきターゲット磁力としては、ピーク磁力で、現像主極(P1極)が105±5mT、現像スリーブ回転方向下流側磁極(P2極)が74±5mT、剤汲み上げ極(P3極)が30±5mTに設定した。
【0085】
(実施例1)
実施例1として、図5に示すように、本体部31が、外径φ10mm、全長223mm、フラット面32aが、幅6.0mm、磁界発生部材30中心からの高さ4.0mm、長さ223mm、一方の支持部33が、外径φ6mm、長さ35mm、他方の支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成し、フラット面32a上に、現像ローラ115の軸方向に延びる幅3.5mm、ピーク高さ1.0mm、長さ223mm、外表面R5の希土類マグネットブロック141を配置した。この希土類マグネットブロック141の断面中心線は、本体部31の断面中心線に対して、現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向下流側0.5mmよりになるように、希土類マグネットブロック141を配置した。
【0086】
このときの各極磁力は、図13に示すように、φ12の現像スリーブ132上で、P1極が105.3mT、P2極が74.2mT、P3極が30mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0087】
(実施例2)
実施例2として、図9に示すように、実施例1に対して、フラット面32bが、フラット面32aに対向する本体部31の外周面に幅6.0mm、磁界発生部材30中心からの高さ4.0mm、長さ223mmで設けられており、それ以外は実施例1と同一に形成されている。また、希土類マグネットブロック141の断面中心線は、実施例1と同様に本体部31の断面中心線に対して、現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向下流側0.5mmよりになるように、希土類マグネットブロック141を配置した。
【0088】
このときの各極磁力は、図14に示すように、φ12の現像スリーブ132上で、P1極が105.4mT、P2極が74.3mT、P3極が29.9mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0089】
(実施例3)
実施例3として、図10に示すように、本体部31が、外径φ10mm、全長223mm、フラット面32aが、幅5.0mm、磁界発生部材30中心からの高さ4.0mm、長さ223mm、さらに現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向下流側に本体部31の外周面と同一円周上にある凸形状32a1が設けられ、一方の支持部33が、外径φ6mm、長さ35mm、他方の支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成し、フラット面32a上に、現像ローラ115の軸方向に延びる幅3.5mm、ピーク高さ1.0mm、長さ223mm、外表面R5の希土類マグネットブロック141を配置した。この希土類マグネットブロック141の断面中心線が本体部31の断面中心線と同一位置となるように希土類マグネットブロック141を配置した。
【0090】
このときの各極磁力は、図15に示すように、φ12の現像スリーブ132上で、P1極が105.7mT、P2極が74.7mT、P3極が30.1mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0091】
(実施例4)
実施例4として、図16に示すように、実施例3に対して、フラット面32bが、フラット面32aに対向する本体部31の外周面に幅6.0mm、磁界発生部材30中心からの高さ4.0mm、長さ223mmで設けられており、それ以外は実施例3と同一に形成されている。また、希土類マグネットブロック141の断面中心線が実施例3と同様に本体部31の断面中心線と同一位置となるように希土類マグネットブロック141を配置した。
【0092】
このときの各極磁力は、図17に示すように、φ12の現像スリーブ132上で、P1極が105.8mT、P2極が74.7mT、P3極が29.9mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0093】
(実施例5)
実施例5として、図18に示すように、本体部31が、外径φ9mm、全長223mm、フラット面32aが、幅5.7mm、磁界発生部材30中心からの高さ3.5mm、長さ223mm、フラット面32aに対向する本体部31の外周面にフラット面32bが、幅5.7mm、磁界発生部材30中心からの高さ3.5mm、長さ223mm、一方の支持部33が、外径φ6mm、長さ35mm、他方の支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成し、フラット面32a上に、現像ローラ115の軸方向に延びる幅3.5mm、ピーク高さ1.0mm、長さ223mm、外表面R5の希土類マグネットブロック141を配置した。この希土類マグネットブロック141の断面中心線は、本体部31の断面中心線に対して、現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向下流側0.5mmよりに配置した。
【0094】
このときの各極磁力は、図19に示すように、φ11の現像スリーブ132上で、P1極が104.4mT、P2極が73.6mT、P3極が29.6mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0095】
(実施例6)
実施例6として、図20に示すように、本体部31が、外径φ8mm、全長223mm、フラット面32aが、幅4.7mm、磁界発生部材30中心からの高さ4.0mm、長さ223mm、さらに現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向下流側に本体部31の外周面と同一円周上にある凸形状32a1が設けられ、フラット面32aに対向する本体部31の外周面にフラット面32bが、幅5.7mm、磁界発生部材30中心からの高さ3.5mm、長さ223mm、一方の支持部33が、外径φ6mm、長さ35mm、他方の支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成し、フラット面32a上に、現像ローラ115の軸方向に延びる幅3.5mm、ピーク高さ1.0mm、長さ223mm、外表面R5の希土類マグネットブロック141を配置した。この希土類マグネットブロック141断面中心線が本体部31の断面中心線と同一位置となるように希土類マグネットブロック141を配置した。
【0096】
このときの各極磁力は、図21に示すように、φ10の現像スリーブ132上で、P1極が103.3mT、P2極が72.8mT、P3極が29.3mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0097】
(実施例7)
実施例7として、図22に示すように、本体部31が、外径φ9mm、全長223mm、フラット面32aが、幅5.7mm、磁界発生部材30中心からの高さ3.5mm、長さ223mm、フラット面32aに対向する本体部31の外周面にフラット面32bが、幅5.7mm、磁界発生部材30中心からの高さ3.5mm、長さ223mm、一方の支持部33が、外径φ6mm、長さ35mm、他方の支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成し、フラット面32a上に、現像ローラ115の軸方向に延びる幅3.5mm、ピーク高さ1.0mm、長さ223mm、外表面R5の希土類マグネットブロック141を配置した。この希土類マグネットブロック141の断面中心線を本体部31の断面中心線と同一位置となるように希土類マグネットブロック141を配置した。
【0098】
このときの各極磁力は、図23に示すように、φ11の現像スリーブ132上で、P1極が104.4mT、P2極が73.6mT、P3極が31.0mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0099】
(実施例8)
実施例8として、図24に示すように、本体部31が、外径φ8mm、全長223mm、フラット面32aが、幅4.3mm、磁界発生部材30中心からの高さ3.0mm、長さ223mm、さらに現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向下流側に本体部31の外周面と同一円周上にある凸形状32a1が設けられ、フラット面32aに対向する本体部31の外周面にフラット面32bが、幅5.3mm、磁界発生部材30中心からの高さ3.0mm、長さ223mm、一方の支持部33が、外径φ6mm、長さ35mm、他方の支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成されており、フラット面32a上に、現像ローラ115の軸方向に延びる幅3.5mm、ピーク高さ1.0mm、長さ223mm、外表面R5の希土類マグネットブロック141を配置した。この希土類マグネットブロック141の断面中心線が本体部31の断面中心線と同一位置となるように希土類マグネットブロック141を配置した。
【0100】
このときの各極磁力は、図25に示すように、φ10の現像スリーブ132上で、P1極が103.6mT、P2極が73.2mT、P3極が33.8mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0101】
(比較例1)
比較例1として、図26に示すように、本体部31が、外径φ10mm、全長223mm、溝部32が、幅3.8mm、磁界発生部材30中心からの高さ2.55mm、長さ223mmで設け、一方の支持部33が、外径φ6mm、長さ35mm、他方の支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成し、溝部32には、現像ローラ115の軸方向に延びる幅3.4mm、高さ2.25mm、長さ223mmの直方体の希土類マグネットブロック141を配置した。
【0102】
このときの各極磁力は、図27に示すように、φ12の現像スリーブ132上で、P1極が106.7mT、P2極が72.8mT、P3極が29.6mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0103】
(比較例2)
比較例2として、図28に示すように、本体部31が、外径φ10mm、全長223mm、フラット面32aが、幅6.0mm、磁界発生部材30中心からの高さ2.55mm、長さ223mm、さらに現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向下流側に本体部31の外周面と同一円周上にある凸形状が設けられ、一方の支持部33が、外径φ6mm、長さ35mm、他方の支持部34が、外径φ6mm、長さ5mmに形成されており、フラット面32a上に、現像ローラ軸方向に延びる幅3.5mm、ピーク高さ2.45mm、長さ223mm、外表面R5の希土類マグネットブロック141を配置した。この希土類マグネットブロック141は、マグネットローラ本体部31断面中心線に対して、現像スリーブ132の回転方向すなわち現像剤搬送方向下流側0.5mmよりに配置されている。
【0104】
このときの各極磁力は、図29に示すように、φ12の現像スリーブ132上で、P1極が130.5mT、P2極が79.4mT、P3極が29.3mTで、ターゲット磁力を満足した。
【0105】
次に、各実施例および各比較例における射出成形時の本体部そり量、支持部倒れ量の測定結果を表1に示す。なお、表中の判定条件は以下のとおりである。
【0106】
本体部そり判定
◎・・・本体部そり量が40μm未満
○・・・本体部そり量が70μm未満
×・・・本体部そり量が70μm以上
【0107】
支持部倒れ判定
◎・・・本体部そり量が10μm未満
○・・・本体部そり量が20μm未満
×・・・本体部そり量が20μm以上
【0108】
【表1】

【0109】
表1に示したように、実施例1〜8は、本体部そり、支持部倒れとも良好な結果が得られることが明らかとなった。したがって、本体部31の外周面に本体部31の軸P方向に沿い全長に亘って少なくともフラット面32aを設け、フラット面32aに希土類マグネットブロック141が固着することで、成形時の本体部軸方向のそり、支持部倒れを大幅に抑えることができることが明らかとなった。
【0110】
また、フラット面32aに加えて、さらにフラット面32bを、フラット面32aに対向する本体部31の外周面に設けることで、より本体部軸方向のそり、支持部倒れを抑えることができることが明らかとなった。
【0111】
なお、磁力波形は図13、図14、図15、図17、図19、図21、図23、図25に示す通り、どれも同等の波形が得られ、特に現像主極で高磁力が維持されている。そのため、現像ローラとしての機能を十分果たすことができることが明らかとなった。
【0112】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0113】
30 磁界発生部材
31 本体部(磁界発生手段)
32a フラット面(平坦部)
32a1 凸形状
32b フラット面(他の平坦面)
33、34 支持部
101 画像形成装置
106Y、106M、106C、106K プロセスカートリッジ
113 現像装置
115 現像ローラ(現像剤坦持体)
132 現像スリーブ(中空体)
133 マグネットローラ
141 希土類マグネットブロック(高磁力長尺磁界発生部材)
P 磁界発生部材の軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0114】
【特許文献1】特開2010−8471号公報
【特許文献2】特許第3826622号公報
【特許文献3】特開2009−217208号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の磁界発生手段と、前記磁界発生手段の両端に接して同一の軸に設けられた該磁界発生手段よりも径の細い円柱状の支持部と、該磁界発生手段の表面部分に設けられる現像主極部に配置された高磁力長尺磁界発生部材と、を有するマグネットローラにおいて、
前記磁界発生手段には、前記支持部の外径より外側、かつ、該磁界発生手段の軸方向に延在した平坦部が少なくとも1以上設けられ、かつ、
前記平坦部のうち1つには、前記現像主極部として前記高磁力長尺磁界発生部材が配置されている
ことを特徴とするマグネットローラ。
【請求項2】
前記磁界発生手段には、前記高磁力長尺磁界発生部材が設けられている平坦部と対向するように他の平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラ。
【請求項3】
前記高磁力長尺磁界発生部材の外周面形状が、前記磁界発生手段の円柱外周面と同一円周上となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のマグネットローラ。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のマグネットローラと、前記マグネットローラを収容するとともに前記磁界発生手段の軸を中心に回転する円筒状の中空体と、を有する現像剤担持体において、
前記高磁力長尺磁界発生部材の断面中心線が前記磁界発生手段の断面中心線に対して前記中空体回転方向の下流側寄りに位置付けられるように、高磁力長尺磁界発生部材が配置されていることを特徴とする現像剤担持体。
【請求項5】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のマグネットローラと、前記マグネットローラを収容するとともに前記マグネットローラの軸を中心に回転する円筒状の中空体と、を有する現像剤担持体において、
前記高磁力長尺磁界発生部材の断面中心線が前記磁界発生手段の断面中心線と一致するように前記高磁力長尺磁界発生部材が配置されているとともに、前記高磁力長尺磁界発生部材が設けられている平坦部の前記中空体回転方向の下流側の端部には、凸形状が設けられていることを特徴とする現像剤担持体。
【請求項6】
請求項4または5に記載の現像剤担持体を有したことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の現像装置を有していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−232430(P2011−232430A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100723(P2010−100723)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】