説明

マトリックス・メタロプロティナーゼ・インヒビターとして使用するアリールまたはヘテロアリール含有スルホニルピペリジン誘導体

式(1)で示される化合物;ただし、式中、Bはオルト位に置換基を有する単環式アリールもしくはヘテロアリール基、または二環式アリールもしくはヘテロアリール基である;1種以上のメタロプロティナーゼ、とりわけTACEの阻害に有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はメタロプロティナーゼの阻害に有用な化合物、とりわけそれらを含有してなる医薬組成物、ならびにその使用に関する。
【0002】
本発明化合物は1種以上のメタロプロティナーゼ酵素のインヒビターであり、特に、TACE(TNFα変換酵素)のインヒビターとして有効である。メタロプロティナーゼはプロティナーゼ(酵素)のスーパーファミリーであり、その数は近年劇的に増大している。構造的および機能的考察に基づき、これらの酵素は文献(N.M. Hooper (1994) FEBS Letters 354: 1-6)記載のようにファミリーとサブファミリーに分類されている。メタロプロティナーゼの例は、コラゲナーゼ(MMP1、MMP8、MMP13)、ゼラチナーゼ(MMP2、MMP9)、ストロメリシン(MMP3、MMP10、MMP11)、マトリリシン(MMP7)、メタロエラスターゼ(MMP12)、エナメリシン(MMP19)、MT−MMP(MMP14、MMP15、MMP16、MMP17)などのマトリックス・メタロプロティナーゼ(MMP);TNF変換酵素(ADAM10およびTACE)などのセクレターゼおよびシェダーゼを含むレプロリシンまたはアダマリシンまたはMDCファミリー;プロコラーゲンプロセシングプロティナーゼ(PCP)などの酵素を含むアスタシンファミリー;およびアグリカナーゼ、エンドセリン変換酵素ファミリーおよびアンギオテンシン変換酵素ファミリーなどその他のメタロプロティナーゼ類である。
【0003】
メタロプロティナーゼは胚発生、骨形成および月経時の子宮再造形作用などの組織再造形作用に関与する生理学的疾患過程の多血症に重要であると信じられる。これはコラーゲン、プロテオグリカンおよびフィブロネクチンなどの広範囲のマトリックス基質を切断するメタロプロティナーゼの能力に基づくものである。メタロプロティナーゼはまた腫瘍壊死因子(TNF)などの生物学的に重要な細胞メディエーターのプロセシングまたは分泌に、また低親和性IgEレセプターCD23などの生物学的に重要な膜タンパク質の翻訳後タンパク分解プロセシングまたは に重要であると信じられる(より完全なリストについての参照例:N.M. Hooper et al., (1997) Biochem J. 321: 265-279)。
【0004】
メタロプロティナーゼは多くの病状と関連がある。1種以上のメタロプロティナーゼ活性を阻害するとは、これらの病状のためによい;例えば、種々の炎症性およびアレルギー性疾患、例えば、関節の炎症(特に、リウマチ様関節炎、骨関節症および通風)、胃腸管の炎症(特に、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎および胃炎)、皮膚炎症(特に、乾癬、湿疹および皮膚炎);腫瘍転移または侵入;骨関節症などの細胞外マトリックスの非制御崩壊と関連する疾患;骨吸収疾患(骨粗しょう症およびページェット病など);異常脈管形成と関連する疾患;糖尿病、歯周病(歯肉炎など)、角膜潰瘍化、皮膚潰瘍化、術後症状(結腸吻合術など)および皮膚損傷治癒などと関連するコラーゲン再造形作用増強;中枢および末梢神経系の脱髄性疾患(多発性硬化症など);アルツハイマー病;および再狭窄およびアテローム性動脈硬化症などの心血管系疾患に見られる細胞外マトリックスの再造形作用などである。
【0005】
数多くのメタロプロティナーゼ・インヒビターが知られている;異なる分類の化合物は種々のメタロプロティナーゼの阻害に異なる度合いの効力と選択性をもち得る。我々はある一群の化合物がメタロプロティナーゼのインヒビターとなり、それらがTACEの阻害に特に興味深いものであることを発見した。本発明化合物は有益な効力および/または薬物動態性を有する。
【0006】
単離・クローン化されたTACE(ADAM17としても知られる)[R.A. Black et al. (1997) Nature 385: 729-733; M.L. Moss et al. (1997) Nature 385: 733-736]はアダマリシン族のメタロプロティナーゼのメンバーである。TACEは26kDaの膜結合タンパク質であるプロ−TNFαを開裂させて、17kDaの生物活性のある可溶性TNFαを遊離することが示されている[Schlondorff et al. (2000) Biochem. J. 347: 131-138]。TACEmRNAは殆どの組織に見出されているが、TNFαは主として活性化された単球、マクロファージおよびTリンパ球により産生される。TNFαは広範囲の前炎症性生物プロセス、例えば、接着分子とケモカインを誘導して細胞移送を促進すること、マトリックス破壊酵素の誘導、線維芽細胞を活性化してプロスタグランジンを産生させること、および免疫系の活性化などに関わっている[Aggarwal et al. (1996) Eur. Cytokine Netw. 7:93-124]。抗−TNF生物薬の臨床用途は、TNFαがある領域の炎症性疾患、例えば、リウマチ様関節炎、クローン病および乾癬などにおいて重要な役割をもつことを示している[Onrust et al. (1998) Biodrus 10: 397-422, Jarvis et al. (1999) Drugs 57: 945-964]。TACE活性は他の膜結合タンパク質、例えば、TGFα、p75&p55TNFレセプター、L−セレクチンおよびアミロイド前駆体タンパク質などの放出にも関係している[Black (2002) Int. J. Biochem. Cell Biol. 34: 1-5]。TACE阻害の生物学は最近再評価を受け、TACEがTNFαの産生に中心的な役割を有し、選択的TACEインヒビターがコラーゲン誘発RA関節炎モデルにおいて、TNFαを直接中和する戦略と同等の、また多分それより大きな有効性を示すことを示している[Newton et al (2001) Ann. Rheum. Dis. 60:iii25-iii32]。
【0007】
従って、TACEインヒビターはTNFαが関与する疾患、例えば、これらに限定されるものではないが、リウマチ様関節炎および乾癬などの炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー/アトピー性疾患、移植拒絶反応、移植片対宿主疾患、心血管系疾患、再灌流傷害および悪性腫瘍などすべての疾患に有効性を示すと期待される。
【0008】
マトリックス・メタロプロティナーゼを阻害する化合物は技術上既知である。WO00/12477はマトリックス・メタロプロティナーゼのインヒビターであるヒドロキサム酸およびカルボン酸誘導体を開示している;WO00/12478はマトリックス・メタロプロティナーゼの阻害に有用であり、MMP13とMMP9の阻害に関して特に興味のあるアリールピペラジンを開示している;またWO01/87870はADAMまたはADAM−TS酵素などのマトリックス・メタロプロティナーゼのインヒビターであるヒドロキサム酸誘導体を開示している。
【0009】
驚くべきことに、我々は、選択した化合物がTACE(ADAM17)の強力なインヒビターであり、マトリックス・メタロプロティナーゼの中のTACEに対する予期せざる選択性が特に顕著であることを発見した。
加えて、さらに有効な化合物を開示する。
【0010】
本発明の一側面によると、式(1):
【化1】

【0011】
[ただし、式中、Zは−CONR15OHおよび−N(OH)CHOから選択される;
15は水素またはC1−3アルキルである;
ただし、Rは水素またはC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキル(1個以上のR17が任意に置換)、アリール(1個以上のR17が任意に置換)、ヘテロアリール(1個以上のR17が任意に置換)、ヘテロシクリル、C1−4アルコキシカルボニル、−OR、−SR、−SOR、−SO、−COR、−CO、−CONR、−NR16COR、−SONRおよび−NR16SOから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
16は水素またはC1−3アルキルである;
17はハロ、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルおよびC1−6アルコキシから選択される;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−4アルキルおよびヘテロアリールC1−4アルキルから選択される基である;ただし、該基には1個以上のハロが任意に置換している;
は水素またはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−4アルキルおよびヘテロアリールC1−4アルキルから選択される基である;ただし、該基には1個以上のハロが任意に置換している;
は水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルである;
またはRおよびRはそれらが結合する窒素と一緒になってヘテロ環状4員ないし7員環を形成する;
【0012】
ただし、Rは水素またはC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニルおよびヘテロシクリルから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC1−4アルキルから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
およびRは共に水素である;
またはRとRが一緒になって炭素環状もしくはヘテロ環状3員ないし6員環を形成する;
ただし、RおよびRは独立して水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである;
ただし、nは0または1である;
ただし、mは0または1である;
ただし、Dは水素、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキルまたはフルオロである;
ただし、XはO、S、SOまたはSOである;
ただし、Bは単環式アリールまたはヘテロアリールであり、その場合それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロ、C1−4アルキル(R13が任意に置換)、C2−4アルケニル(R13が任意に置換)、C2−4アルキニル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルキル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルケニル(R13が任意に置換)、フェニル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ヘテロアリール(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ヘテロシクリル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキルチオ、−SOR13、−SO13、−SONHR13、−SONR1314、−NHSO13、−NR13SO14、−NHCONHR13、−NHCONHR1314、−OR13、シアノ、−NR1314、−CONR1314、および−NHCOR13から独立して選択される1個以上の基が置換している;
またはBは二環式アリールまたはヘテロアリールであり、その場合それぞれには、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロ、C1−4アルキル(R13が任意に置換)、C2−4アルケニル(R13が任意に置換)、C2−4アルキニル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルキル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルケニル(R13が任意に置換)、フェニル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ヘテロアリール(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ヘテロシクリル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキルチオ、−SOR13、−SO13、−SONHR13、−SONR1314、−NHSO13、−NR13SO14、−NHCONHR13、−NHCONHR1314、−OR13、シアノ、−NR1314、−CONR1314および−NHCOR13から独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
13およびR14は独立して水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルである;
またはR13およびR14はそれらが結合する窒素と一緒になってヘテロ環状4員ないし7員環を形成する]
で示される化合物が提供される。
【0013】
本発明の好適な態様において、
Zは−CONR15OHおよび−N(OH)CHOから選択される;
15は水素またはC1−3アルキルである;
は水素またはC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキル(1個以上のR17が任意に置換)、アリール(1個以上のR17が任意に置換)、ヘテロアリール(1個以上のR17が任意に置換)、ヘテロシクリル、C1−4アルコキシカルボニル、−OR、−SR、−SOR、−SO、−COR、−CO、−CONR、−NR16COR、−SONRおよび−NR16SOから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
16は水素またはC1−3アルキルである;
17はハロ、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルおよびC1−6アルコキシから選択される;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−4アルキルおよびヘテロアリールC1−4アルキルから選択される基である;ただし、該基には1個以上のハロが任意に置換している;
は水素またはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−4アルキルおよびヘテロアリールC1−4アルキルから選択される基である;ただし、該基には1個以上のハロが任意に置換している;
は水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルである;
またはRおよびRはそれらが結合する窒素と一緒になってヘテロ環状4員ないし7員環を形成する;
【0014】
は水素またはC1−6アルキル、C3−7シクロアルキルおよびC5−7シクロアルケニルから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC1−4アルキルから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
およびRは共に水素である;
nは0または1である;
mは0または1である;
Dは水素、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキルまたはフルオロである;
XはO、S、SOまたはSOである;
Bは単環式アリールまたはヘテロアリールであり、その場合それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロ、C1−4アルキル(R13が任意に置換)、C2−4アルケニル(R13が任意に置換)、C2−4アルキニル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルキル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルケニル(R13が任意に置換)、フェニル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ヘテロアリール(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ヘテロシクリル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキルチオ、−SOR13、−SO13、−SONHR13、−SONR1314、−NHSO13、−NR13SO14、−NHCONHR13、−NHCONHR1314、−OR13、シアノ、−CONR1314、−NHCOR13、−CO13および−CHCO13から独立して選択される1個以上の基が置換している;
またはBは二環式アリールまたはヘテロアリールであり、その場合それぞれには、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロ、C1−4アルキル(R13が任意に置換)、C2−4アルケニル(R13が任意に置換)、C2−4アルキニル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルキル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルケニル(R13が任意に置換)、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキルチオ、−SOR13、−SO13、−SONHR13、−SONR1314、−NHSO13、−NR13SO14、−NHCONHR13、−NHCONHR1314、−OR13、シアノ、−CONR1314および−NHCOR13から独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
13およびR14は独立して水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルである;
またはR13およびR14はそれらが結合する窒素と一緒になってヘテロ環状4員ないし7員環を形成する。
【0015】
本発明のもう一つの側面は、上記定義の式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩に関する。
理解すべきことは、上記定義の式(1)で示される化合物の一部のものは1個以上の不斉炭素もしくはイオウ原子による光学活性体またはラセミ体として存在し得るので、かかる光学活性体またはラセミ体は、メタロプロティナーゼ阻害活性、特にTACE阻害活性を有する限り、本発明の定義に包含されることである。光学活性体の合成は、技術上周知の標準的有機化学技法により、例えば、光学活性出発原料からの合成により、またはラセミ体の分割により実施し得る。同様に、上記の活性は以下に示す標準的実験室技法により評価し得る。
式(1)で示される化合物は、従って、エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体およびアトロプ異性体として提供される。
【0016】
本発明の範囲内で理解すべきことは、式(1)で示される化合物またはその塩が互変異性体の現象を示し得ること、また本明細書の式描出は可能な互変異性体体の一つのみを表し得るものであることである。理解すべきことは、本発明がメタロプロティナーゼ阻害活性、特にTACE阻害活性を有する互変異性体をも包含し、式描出の範囲内で用いられる一つの互変異性形態にのみ限定されるものではないということである。本明細書の式描出は可能な互変異性体の一つのみを表し得るものであり、理解すべきことは、本明細書はここに構造式として示すことが可能であった形状とは異なる描出化合物の可能な互変異性体すべてを包含することである。
【0017】
さらに理解すべきことは、式(1)で示される一部の化合物およびその塩が、溶媒和物ならびに非溶媒和物、例えば、水和物の形状で存在し得ることである。理解すべきことは、本発明がメタロプロティナーゼ阻害活性、特にTACE阻害活性を有するかかる溶媒和物形状のすべてを包含することである。
【0018】
さらに理解すべきことは、式(1)で示される一部化合物が多形性を示し得ること、また本発明がメタロプロティナーゼ阻害活性、特にTACE阻害活性を有するかかる形状のすべてを包含することである。
【0019】
本発明は本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物ならびにその塩に関する。医薬組成物に使用する塩は医薬的に許容し得る塩であるが、その他の塩も式(1)で示される一部化合物およびそれらの医薬的に許容し得る塩の製造に有用であり得る。本発明の医薬的に許容し得る塩は、例えば、本発明の明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物の酸付加塩であり、該化合物はかかる塩を形成するために十分に塩基性の化合物である。かかる酸付加塩は、これらに限定されるものではないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩およびマレイン酸塩、ならびにリン酸および硫酸で形成する塩である。さらに、式(1)で示される化合物が十分に酸性である場合、塩は塩基塩であり、その例はこれらに限定されるものではないが、ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウムもしくはマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、または例えばトリエチルアミンもしくはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンなどとの有機アミン塩である。
【0020】
式(1)で示される化合物はまたインビボで加水分解可能なエステルとしても提供し得る。カルボキシまたはヒドロキシ基を含む式(1)で示される化合物のインビボで加水分解可能なエステルは、例えば、ヒトまたは動物の身体内で開裂して元の酸またはアルコールを生成する医薬的に許容し得るエステルである。かかるエステルは、例えば、試験動物に該試験化合物を静脈内投与し、次いで、試験動物の体液を試験することにより同定し得る。
【0021】
カルボキシにとって適切な医薬的に許容し得るエステルは、C1−6アルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチル、C1−6アルカノイルオキシメチルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシC1−6アルキルエステル、例えば、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル、例えば、5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニルメチル;およびC1−6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば、1−メトキシカルボニルオキシエチルなどであり、本発明化合物のいずれのカルボキシ基にて形成してもよい。
【0022】
ヒドロキシにとって適切な医薬的に許容し得るエステルは、リン酸エステル( 環状エステルを含む)などの無機エステル類、およびα−アシルオキシアルキルエーテルとその関連化合物であり、該エステルのインビボ加水分解の結果として分解し、元のヒドロキシ基を生じる化合物である。α−アシルオキシアルキルエーテルの例は、アセトキシメトキシおよび2,2−ジメチルプロピオニルオキシメトキシである。ヒドロキシに対しインビボで加水分解可能なエステルを形成する基を選択すれば、C1−10アルカノイル、例えば、ホルミル、アセチル;ベンゾイル;フェニルアセチル;置換基を有するベンゾイルおよびフェニルアセチル、C1−10アルコキシカルボニル(炭酸アルキルエステルを生じる)、例えば、エトキシカルボニル;ジ−(C1−4)アルキルカルバモイルおよびN−(ジ−(C1−4)アルキルアミノエチル)−N−(C1−4)アルキルカルバモイル(カルバミン酸エステルを生じる);ジ−(C1−4)アルキルアミノアセチルおよびカルボキシアセチルである。フェニルアセチルおよびベンゾイル環上の置換基の例は、アミノメチル、(C1−4)アルキルアミノメチルおよびジ−((C1−4)アルキル)アミノメチル、ならびにベンゾイル環の3−もしくは4−位にメチレン連結基を介して環内窒素原子で結合するモルホリノまたはピペラジノである。その他の興味あるインビボで加水分解可能なエステルは、例えば、RC(O)O(C1−6)アルキル−CO−(ただし、Rは、例えば、ベンジルオキシ−(C1−4)アルキルまたはフェニルである)である。かかるエステルにおけるフェニル基上の適切な置換基は、例えば、4−(C1−4)ピペラジノ−(C1−4)アルキル、ピペラジノ−(C1−4)アルキルおよびモルホリノ−(C1−4)アルキルである。
【0023】
本明細書において、一般用語“アルキル”とは、直鎖および分枝鎖両方のアルキル基を含む。しかし、個々のアルキル基について、例えば、“プロピル”というときは、直鎖のもののみを特定し、tert−ブチルなどの個々の分枝鎖アルキル基についていうときは、分枝鎖のもののみを特定する。例えば、“C1−3アルキル”はメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルであり、“C1−4アルキル”の例は、“C1−3アルキル”の例と、ブチルおよびtert−ブチルを含み、“C1−6アルキル”の例は、“C1−4アルキル”の例と、加えて、ペンチル、2,3−ジメチルプロピル、3−メチルブチルおよびヘキシルである。“C1−20アルキル”の例は、“C1−6アルキル”の例と他の直鎖および分枝鎖アルキル基を含む。同様の規定は他の一般的命名にも当てはまり、例えば、“C2−4アルケニル”はビニル、アリルおよび1−プロペニルを含み、“C2−6アルケニル”の例は、“C2−4アルケニル”の例に加えて、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−ペンテニル、3−ペンテニルおよび4−ヘキセニルを含む。“C2−4アルキニル”の例は、エチニル、1−プロピニルおよび2−プロピニルであり、“C2−6アルキニル”の例は、“C2−4アルキニル”の例に加えて、3−ブチニル、2−ペンチニルおよび1−メチル−2−ペンチニルである。
【0024】
用語“C3−6シクロアルキル”はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。用語“C3−7シクロアルキル”は“C3−6シクロアルキル”に加えて、シクロペンチルである。用語“C3−10シクロアルキル”は“C3−7シクロアルキル”に加えて、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシルである。
【0025】
“ヘテロシクロアルキル”は、窒素、イオウおよび酸素から選択される1個または2個のヘテロ原子を含む単環式飽和の3員ないし10員環であり、環内の窒素またはイオウはN−オキシドまたはS−オキシドに酸化されていてもよい。
“C5−7シクロアルケニル”は1個、2個または3個の二重結合を含む単環式5員ないし7員環である。その例はシクロペンテニルおよびシクロヘキセニルである。
用語“ハロ”とはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをいう。
【0026】
“C1−4アルコキシ”の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびイソプロポキシである。“C1−6アルコキシ”の例は、“C1−4アルコキシ”の例に加えて、ペンチルオキシ、1−エチルプロポキシおよびヘキシルオキシである。“C1−4アルコキシカルボニル”の例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルおよびイソプロポキシカルボニルである。“C1−4アルキルチオ”の例はメチルチオ、エチルチオおよびプロピルチオである。“C3−6シクロアルキルチオ”の例はシクロプロピルチオ、シクロブチルチオおよびシクロペンチルチオである。“N−C1−4アルキルカルバモイル”の例は、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイルおよびブチルカルバモイルである。“N,N−(C1−4アルキル)カルバモイル”の例は、ジメチルカルバモイル、メチル(エチル)カルバモイルおよびジエチルカルバモイルである。
【0027】
“アリール”の例はフェニルおよびナフチルである。“単環式アリール”の例はフェニルであり、“二環式アリール”の例はナフチルである。
“アリールC1−4アルキル”の例は、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルおよびナフチルエチルである。
【0028】
“ヘテロアリール”は5個ないし10個の環原子を含む単環式または二環式アリール環であって、その原子の1、2、3もしくは4個が窒素、イオウおよび酸素から選択され、その環内窒素は酸化されていてもよい。ヘテロアリールの例は、ピリジル、イミダゾリル、キノリニル、シンノリル、ピリミジニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリルおよびピラジニルである。好ましいヘテロアリールはピリジル、イミダゾリル、キノリニル、ピリミジニル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリルおよびイソキサゾリルである。より好ましいヘテロアリールはピリジル、ピリミジニル、チエニル、キノリニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルおよびチエノ[3,2−d]ピリミジニルである。“単環式へテロアリール”の例は、ピリジル、イミダゾリル、ピリミジニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリルおよびピラジニルである。“二環式へテロアリール”の例は、キノリニル、シンノリニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニルおよびチエノ[3,2−b]ピリジルである。
“ヘテロアリールC1−4アルキル”の例は、ピリジルメチル、ピリジルエチル、ピリミジニルエチル、ピリミジニルプロピル、キノリニルプロピルおよびオキサゾリルメチルである。
【0029】
“ヘテロシクリル”は4個ないし12個の原子を含む飽和、部分飽和もしくは不飽和の単環式または二環式環であって、その環原子の1、2、3もしくは4個が窒素、イオウおよび酸素から選択され、特に断りのない限り、環原子は連結した炭素または窒素でもよく、その場合の−CH−基は−C(O)−に任意に置換わり得るものであり、環内窒素またはイオウ原子は任意に酸化されてN−オキシドまたはS−オキシドを形成してもよく、また−NH基にはアセチル、ホルミル、メチルまたはメシルが置換していてもよい。用語“ヘテロシクリル”の例および適切な意味は、ピペリジニル、N−アセチルピペリジニル、N−メチルピペリジニル、ピペラジニル、N−メシルピペラジニル、N−ホルミルピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、モルホリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、インドリニル、ピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロフラニル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニルおよび3,4−ジメチレンジオキシベンジルである。好適な意味は、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−イルおよび3,4−ジメチレンジオキシベンジルである。
【0030】
ヘテロ環は窒素、酸素およびイオウから選択される1、2または3個の還原子を含む環である。“ヘテロ環状5員ないし7員”環は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、チオモルホリニル、チオピラニルおよびモルホリニルである。“ヘテロ環状4員ないし7員”環は、“ヘテロ環状5員ないし7員”環の例に加えて、アゼチジニルを包含する。
【0031】
“飽和へテロ環状3員ないし6員”環は、オキシラニル、アジリジニル、チイラン、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニルおよびピペリジニルであり、環内窒素にはホルミル、アセチルおよびメシルから選択される基が置換していてもよい。
【0032】
“炭素環状3員ないし6員”環は、3〜6個の環内炭素原子を含む飽和、部分的飽和または不飽和の環である。その例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ−3−ペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロ−2−ペンテニルである。
【0033】
任意の置換基を“1個以上”の基または置換基から選択する場合、理解すべきことは、この定義が2個以上の特定の基から選択される特定の基または置換基の1個から選択されるすべての置換基を包含することである。好ましくは、“1個以上”とは“1、2または3個”を意味し、この事例は特に該基または置換基がハロの場合である。“1個以上”はまた“1個または2個”をも意味する。
【0034】
単環式アリールまたはヘテロアリールが“オルト位”に置換基を有する場合、理解すべきことは、該置換基がラジカル環原子に隣接する環原子に結合しているということである(ただし、ラジカル環原子はXに結合した環原子である)。例えば、ピロール−2−イルのオルト置換基は(環窒素上の)1位または(環炭素上の)3位に位置する。同様に、3−ピリジルについては、オルト置換基が(環炭素上の)2位または4位に位置し、2−ピリジルについては、オルト置換基が(環炭素上の)3位に位置する。フェニルについては、オルト置換基が2位または6位に位置する。
本発明の化合物は場合によりコンピュータソフトウエア(ACD/名称バージョン5.09)の助けを借りて命名した。
【0035】
Z、R、R、R、R、n、m、D、XおよびBの好適な意味は以下の通りである。かかる意味は、適切な場合には、本明細書における上記または下記の定義、請求項または態様のいずれにおいても使用し得る。
【0036】
本発明の一側面においては、上記の式(1)で示される化合物を提供する;ただし、Zは−CONR15OHである。本発明のもう一つの側面において、Zは−N(OH)CHOである。
本発明の一側面において、R15は水素、メチル、エチルまたはイソプロピルである。もう一つの側面において、R15は水素である。さらなる側面において、R15はメチル、エチルまたはイソプロピルである。
【0037】
本発明の一側面において、Rは水素またはC1−6アルキル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール(R17が任意に置換)、ヘテロアリール(R17が任意に置換)、C1−4アルコキシカルボニル、−OR、−SR、−SOR、−SO、−COR、−COおよび−NR16CORから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している。もう一つの側面において、RはC1−6アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基であり、それぞれにはC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル(R17が任意に置換)、アリール(R17が任意に置換)およびヘテロアリール(R17が任意に置換)から独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している。もう一つの側面において、RはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアリールもしくはヘテロアリールが置換したC1−6アルキルであり、この場合のR基にはハロ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルおよびC3−6シクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している。本発明のもう一つの側面において、Rは水素またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、エチニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ピリジル、チエニル、ピリミジニル、キノリニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリルおよびイミダゾリルから選択される基であり、該基にはフルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、C3−6シクロアルキル、フェニル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ピリミジニル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、C1−4アルコキシカルボニル、−OR、−SR、−SOR、−SO、−COR、−COおよび−NR16CORから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している。本発明のさらなる側面において、Rは水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルオキシメチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル、(5−フルオロピリミジン−2−イル)プロピル、ピリミジン−2−イルエチル、ピリミジン−2−イルプロピル、2−ナフチル、1−ナフチル、3,4−ジクロロフェニル、4−クロロフェニル、ビフェニリル、3−ニトロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−ブロモフェニル、4−(メトキシカルボニル)フェニル、4−ベンジルオキシフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3−(4−クロロフェノキシ)フェニル、2−シアノフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、2−ブロモ−5−チエニル、2−メチル−5−チエニル、ピリミジン−2−イル、2−メチルピリミジン−5−イル、2−メチルピリミジン−4−イル、キノリン−4−イル、エチニル、メトキシメチル、チアゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、イソキサゾール−5−イル、4,4−ジフルオロシクロヘキシル、ピリミジン−2−イルメチル、2−ピリミジン−2−イルエチル、3−ピリミジン−2−イルプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル、4−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−4−イル、ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾール−3−イルおよび(N−アセチルアミノ)フェニルから選択される。もう一つの側面において、Rはメチル、エチル、フェニル、ピリジルまたはピリミジニルが任意に置換したプロピル、シクロペンチル、フェニルまたはピリジルである。さらなる側面において、Rはイソブチル、シクロペンチル、3−(ピリミジン−2−イル)プロピル、フェニルまたは3−ピリジルである。
【0038】
本発明の一側面において、R16は水素、メチルまたはエチルである。もう一つの側面において、R16はメチルまたはエチルである。本発明のもう一つの側面において、R16は水素である。
本発明のもう一つの側面において、R17はハロまたはC1−4アルキルである。もう一つの側面において、R17はフルオロまたはメチルである。
【0039】
本発明の一側面において、RはC1−6アルキル、アリールおよびアリールC1−4アルキルから選択される基であり、該基にはハロが任意に置換している。もう一つの側面において、Rはメチル、フェニルおよびベンジルから選択される基であり、該基にはクロロが任意に置換している。本発明の一側面において、Rはメチルである。
【0040】
本発明の一側面において、Rは水素またはC1−6アルキル、アリールおよびアリールC1−4アルキルから選択される基であり、該基にはハロが任意に置換している。もう一つの側面において、Rは水素またはメチル、フェニルおよびベンジルから選択される基であり、該基にはクロロが任意に置換している。
【0041】
本発明の一側面において、Rは水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである。
本発明の一側面において、Rは水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである。もう一つの側面において、Rは水素である。
本発明の一側面において、Rは水素、メチル、エチルまたはフェニルである。もう一つの側面において、Rは水素である。
本発明の一側面において、Rは水素、メチル、エチル、またはフェニルである。もう一つの側面において、Rは水素である。
【0042】
本発明の一側面において、nは0である。もう一つの側面において、nは1である。
本発明の一側面において、mは0である。本発明のもう一つの側面において、mは1である。
本発明の一側面において、Dは水素、メチルまたはフルオロである。もう一つの側面において、Dは水素である。
本発明の一側面において、Xは0である。
【0043】
本発明の一側面において、Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、アセトアミド、プロピルオキシ、メトキシ、メチル、ニトロ、ピロリジニルカルボニル、N−プロピルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニルおよびピリジルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、キノリニル、1,6−ナフチリジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−b]ピリジルであり、それぞれにはクロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、アセトアミド、プロピルオキシ、メトキシ, メチル, ニトロ, ピロリジニルカルボニル、N−プロピルカルバモイル, ピロリジニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニルおよびピリジルから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0044】
本発明の一側面において、Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、アセトアミド、プロピルオキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ニトロ、ピロリジニルカルボニル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−エチルカルバモイルおよびN−メチルカルバモイルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、キノリニル、1,6−ナフチリジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−b]ピリジルであり、それぞれにはクロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、アセトアミド、プロピルオキシ、メトキシ、メチル、ニトロ、ピロリジニルカルボニルおよびN−プロピルカルバモイルから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0045】
もう一つの側面において、Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ニトロ、アリール、へテロアリール、へテロシクリル、N−(C1−4アルキル)カルバモイルおよびN,N−(C1−4アルキル)カルバモイルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、キノリニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それぞれにはハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、アリール、へテロアリール、へテロシクリルおよびニトロから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。もう一つの側面において、Bはフェニルまたはピリジンであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ニトロ、N−(C1−4アルキル)カルバモイルおよびN,N−(C1−4アルキル)カルバモイルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、キノリニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、これらすべてにはハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルおよびニトロから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0046】
本発明の一側面において、Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、イソプロピルオキシ、メトキシ、メチル、ニトロ、N−イソプロピルカルバモイル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、イソキサゾリルおよびピペリジニルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それぞれにはクロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ、メチル、ニトロ、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、イソキサゾリルおよびピペリジニルから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。本発明の一側面において、Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、イソプロピルオキシ、メトキシ、メチル、ニトロおよびN−イソプロピルカルバモイルから独立して選択される1個以上の置換基が置換している;または、Bはナフチル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それぞれにはクロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ、メチルおよびニトロから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0047】
もう一つの側面において、Bはナフチル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2−シアノフェニル、2−ブロモフェニル、2−クロロフェニル、2−アセトアミドフェニル、2−(イソプロピルオキシ)フェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−4−クロロフェニル、2−メトキシ−4−メチルフェニル、4−クロロ−2−ニトロフェニル、4−メチル−2−ニトロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−ニトロフェニル、4−ブロモ−2−フルオロフェニル、2−メトキシ−4−ニトロフェニル、2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル、2−クロロ−4−ニトロフェニル、2−(N−イソプロピル)カルバモイルフェニル、2−(ピロリジン−1−イル)フェニル、2−(ピペリジン−1−イル)フェニル、4−ブロモ−2−メトキシフェニル、2−フルオロ−4−ニトロフェニル、2−クロロ−4−ブロモフェニル、2−クロロ−4−メチルフェニル、2−クロロ−4−メトキシフェニル、4−フルオロ−2−メトキシフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、4−フルオロ−2−メチルフェニル、2−(イソキサゾール−5−イル)フェニル、3−クロロピリジン−2−イル、キノリン−4−イル、7−クロロキノリン−4−イル、3−シアノピリジン−2−イル、8−クロロキノリン−4−イル、3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3,5−ジクロロピリジン−2−イル、6−クロロキノリン−4−イル、5−メチルチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル、7−メチルチエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル、8−フルオロキノリン−4−イル、2−ピラゾール−5−イルフェニル、4−クロロ−2−(イソキサゾール−5−イル)フェニル、2−(イソキサゾール−5−イル)−4−トリフルオロメチルフェニル、2−イミダゾール−5−イルフェニル、2−(オキサゾール−5−イル)フェニル、2−(チアゾール−5−イル)フェニル、2−(ピリミジン−2−イル)フェニル、2−(ピリジン−2−イル)フェニル、6−フルオロキノリン−4−イル、2−メチルキノリン−4−イル、6−クロロ−2−メチルキノリン−4−イル、1,6−ナフチリジン−4−イル、チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イル、5−フルオロ−2−(イソキサゾール−5−イル)フェニル、4−フルオロ−2−(イソキサゾール−5−イル)フェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニルおよび2−クロロ−5−フルオロフェニルから選択される。もう一つの側面において、Bは4−フルオロ−(2−チオフェニル)フェニル、4−フルオロ−2−(ピリジン−2−イル)フェニルである。
【0048】
さらなる側面において、Bは2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル、2−ブロモフェニル、2−クロロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2−(イソプロピルオキシ)フェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−2−ニトロフェニル、4−メチル−2−ニトロフェニル、2−メトキシ−4−ニトロフェニル、2−(N−イソプロピル)カルバモイルフェニル、2−フルオロ−4−ニトロフェニル、2−クロロ−4−メチルフェニル、2−クロロ−4−メトキシフェニル、4−フルオロ−2−メトキシフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、4−フルオロ−2−メチルフェニル、3−クロロピリジン−2−イル、3−シアノピリジン−2−イル、8−クロロキノリン−4−イル、3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3,5−ジクロロピリジン−2−イル、5−メチルチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル、7−メチルチエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル、ナフチル、2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル、2−シアノフェニル、2−イソキサゾール−5−イルフェニル、2−ピペリジン−1−イルフェニル、4−フルオロ−2−チエノ−3−イルフェニルおよび4−フルオロ−2−ピリジン−3−イルフェニルから選択される。
【0049】
さらなる側面において、Bは2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル、2−ブロモフェニル、2−クロロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2−(イソプロピルオキシ)フェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−2−ニトロフェニル、4−メチル−2−ニトロフェニル、2−メトキシ−4−ニトロフェニル、2−(N−イソプロピル)カルバモイルフェニル、2−フルオロ−4−ニトロフェニル、2−クロロ−4−メチルフェニル、2−クロロ−4−メトキシフェニル、4−フルオロ−2−メトキシフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、4−フルオロ−2−メチルフェニル、3−クロロピリジン−2−イル、3−シアノピリジン−2−イル、8−クロロキノリン−4−イル、3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3,5−ジクロロピリジン−2−イル、5−メチルチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル、7−メチルチエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル、ナフチル、2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニルおよび2−シアノフェニルから選択される。
【0050】
本発明の一側面において、R13はC1−6アルキルである。もう一つの側面において、R13はメチルまたはイソプロピルである。
本発明の一側面において、R14は水素である。
本発明の一側面において、R13およびR14はそれらが結合する窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニルを形成する。
【0051】
好適な一群の化合物は式(1)で示される化合物である;ただし、
Zは−N(OH)CHOである;
は水素またはC1−6アルキル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール(R17が任意に置換)、ヘテロアリール(R17が任意に置換)、C1−4アルコキシカルボニル、−OR、−SR、−SOR、−SO、−CORおよび−NR16CORから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
16は水素、メチルまたはエチルである;
17はハロまたはC1−4アルキルである;
はC1−6アルキル、アリールおよびアリールC1−4アルキルから選択される基であり、該基にはハロが任意に置換している;
は水素またはC1−6アルキル、アリールおよびアリールC1−4アルキルから選択される基であり、該基にはハロが任意に置換している;
は水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである;
は水素、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである;
は水素である;
は水素である;
nは0である;
mは1である;
Dは水素、メチルまたはフルオロである;
XはOである;
【0052】
Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ニトロ、アリール、へテロアリール、へテロシクリル、N−(C1−4アルキル)カルバモイルおよびN,N−(C1−4アルキル)カルバモイルから独立して選択される1個以上の置換基が置換している;または、Bはナフチル、キノリニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それらのすべてにハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、アリール、へテロアリール、へテロシクリルおよびニトロから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0053】
好適なもう一群の化合物は式(1)で示される以下の化合物である;ただし、
Zは−CONR15(OH)である;
15は水素、メチル、エチルまたはイソプロピルである;
は水素またはC1−6アルキル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール(R17が任意に置換)、ヘテロアリール(R17が任意に置換)、C1−4アルコキシカルボニル、−OR、−SR、−SOR、−SO、−COR、−COおよび−NR16CORから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
16は水素、メチルまたはエチルである;
17はハロまたはC1−4アルキルである;
はC1−6アルキル、アリールおよびアリールC1−4アルキルから選択される基であり、該基にはハロが任意に置換している;
は水素またはC1−6アルキル、アリールおよびアリールC1−4アルキルから選択される基であり、該基にはハロが任意に置換している;
は水素である;
は水素である;
は水素である;
nは0である;
mは1である;
Dは水素、メチルまたはフルオロである;
XはOである;
【0054】
Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ニトロ、アリール、へテロアリール、へテロシクリル、N−(C1−4アルキル)カルバモイルおよびN,N−(C1−4アルキル)カルバモイルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、キノリニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それらのすべてにハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、アリール、へテロアリール、へテロシクリルおよびニトロから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0055】
好適なもう一群の化合物は式(1)で示される以下の化合物である;ただし、
Zは−CONHOHまたは−N(OH)CHOである;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびアルールまたはヘテロアリールが置換したC1−6アルキルから選択される基である;ただし、基Rにはハロ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルおよびC3−6シクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
は水素である;
は水素である;
は水素である;
nは0である;
mは1である;
Dは水素である;
XはOである;
【0056】
Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ニトロ、N−(C1−4アルキル)カルバモイルおよびN,N−(C1−4アルキル)カルバモイルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、キノリニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それらのすべてにハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルおよびニトロから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0057】
好適なもう一群の化合物は式(1)で示される以下の化合物である;ただし、
Zは−CONHOHまたは−N(OH)CHOである;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびアリールまたはヘテロアリールが置換したC1−6アルキルから選択される基である;ただし、基Rにはハロ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルおよびC3−6シクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
は水素である;
は水素である;
は水素である;
nは0である;
mは1である;
Dは水素である;
Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、イソプロピルオキシ、メトキシ、メチル、ニトロ、N−イソプロピルカルバモイル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、イソキサゾリルおよびピペリジニルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それぞれにクロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ、メチル、ニトロ、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、イソキサゾリルおよびピペリジニルから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0058】
好適なもう一群の化合物は式(1)で示される以下の化合物である;ただし、
Zは−CONHOHまたは−N(OH)CHOである;
はメチル、エチル、フェニル、ピリジルまたはピリミジニルが任意に置換するプロピル、シクロペンチル、フェニルまたはピリジルである;
は水素である;
は水素である;
は水素である;
nは0である;
mは1である;
Dは水素である;
XはOである;
Bはフェニルまたはピリジルであり、それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、イソプロピルオキシ、メトキシ、メチル、ニトロおよびN−イソプロピルカルバモイルから独立して選択される1個以上の基が置換している;または、Bはナフチル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それぞれにクロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ、メチルおよびニトロから独立して選択される1個以上の基が任意に置換している。
【0059】
本発明のもう一つの側面において、本発明の好適な化合物は以下の化合物である:
1−({[4−(1−ナフチルオキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
1−({[4−(2−クロロ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
1−[({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
1−({[4−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
1−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
1−({[4−(2,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
1−({[4−(2−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−クロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
【0060】
2−{[4−(2−クロロ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−アセトアミドフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−イソプロポキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−({4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−ブロモ−4−クロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−メトキシ−4−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(4−クロロ−2−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(4−メチル−2−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
【0061】
2−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−({4−[2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−クロロ−4−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−(N−イソプロピルカルバモイル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−ピペリジン−1−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(4−ブロモ−2−メトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
【0062】
2−{[4−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−クロロ−4−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−クロロ−4−メトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(4−フルオロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(2−イソキサゾール−5−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−({4−[(3−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−{[4−(キノリン−4−イルオキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−ピリジン−3−イル−エチル(ヒドロキシ))ホルムアミド;
2−({4−[(7−クロロキノリン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
【0063】
2−({4−[(3−シアノピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−({4−[(8−クロロキノリン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−[(4−{[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)スルホニル]−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−[(4−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)スルホニル]−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−({4−[(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−({4−[(6−クロロキノリン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−({4−[(5−メチルチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
2−({4−[(7−メチルチエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;および
2−({4−[(8−フルオロキノリン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド。
【0064】
本発明のさらなる側面において、本発明の好適な化合物は以下の化合物である:
(R/S)−1−[({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−1−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(2−クロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(2−クロロ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(2,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ(2−{[4−(2−イソプロポキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル)ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ(2−{[4−(2−トリフルオロメチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(4−クロロ−2−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ(2−{[4−(4−メチル−2−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル)ホルムアミド;
【0065】
(R/S)−2−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ(2−{[4−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル)ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ[2−({4−[2−(イソプロピルアミノカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−フェニルエチル]ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(2−クロロ−4−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(2−クロロ−4−メトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−{[4−(4−フルオロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−({4−[(3−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
【0066】
(R/S)−2−({4−[(3−シアノピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−({4−[(8−クロロキノリン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ{1−ピリジン−3−イル−2−[(4−{[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)スルホニル]エチル}ホルムアミド;
(R/S)−2−[(4−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)スルホニル]−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−2−[(4−{[3−クロロ−5−クロロピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)スルホニル]−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ[2−({4−[(5−メチルチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル]ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ[2−({4−[(7−メチルチエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル]ホルムアミド;
(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミド;
(R/S)−3−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−2−シクロペンチル−N−ヒドロキシプロパンアミド;
(R/S)−1−[({4−[1−ナフチルオキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
【0067】
(R/S)−1−[({4−[2−クロロ−4−フルオロフェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−1−[({4−[2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−1−[({4−[2,4−ジクロロフェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;および
(R/S)−1−[({4−[2−シアノフェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド。
【0068】
上記名称の化合物とともに掲載し得る本発明のさらなる化合物は以下のとおりである:
(R/S)−2−{[4−(2−イソキサゾール−5−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド;
(R/S)−ヒドロキシ(1−フェニル−2−{[4−(2−ピペリジン−1−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}エチル)ホルムアミド;
(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−チエン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミド;および
(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミド。
【0069】
もう一つの側面において、本発明は式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステル(ただし、式中のZは−N(OH)CHOである)の製造法であって、下記工程からなる方法を提供する:
a)式(2)で示されるヒドロキシルアミンを式(1)で示される化合物に変換する工程:
スキーム1
【化2】

【0070】
次いで、要すれば:
i)式(1)で示される化合物を別の式(1)で示される化合物に変換する工程;
ii)保護基を除去する工程;
iii)医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルを形成させる工程。
ホルミル化は、適切には、予め調製した酢酸(8当量)およびギ酸(過剰)の混合物をテトラヒドロフランもしくはジクロロメタン中の式(2)で示される化合物に加え、その溶液を0℃ないし室温の範囲の温度で15時間撹拌し、次いでメタノール中で撹拌することにより実施し得る。別法として、M. Med. Chem., 2002, 45, 219 に記載されたギ酸トリフルオロエチルを使用するホルミル化法が使用し得る。
【0071】
本方法はさらに以下の式(2)で示されるヒドロキシルアミンの製造法を含んでなる:
・nが0で、Rが水素である場合(式(2’)で示される化合物として表示)、以下の工程からなる:
b)式(3)で示されるアルケンを式(2’)で示されるヒドロキシルアミンに変換する工程;
スキーム2
【化3】

【0072】
かかる変換に適する試薬はアルゴン気流下のテトラヒドロフラン中水性ヒドロキシルアミンである。
式(3)で示されるアルケン(Rは水素である)は、ワッズウォース−エモンス(Wadsworth-Emmons)反応またはピーターソン(Peterson)反応の条件下に、式(4’)で示される化合物と式(5)で示される化合物とを反応させることにより調製し得る:
スキーム3
【化4】

【0073】
ワッズウォース−エモンス(Wadsworth-Emmons)反応またはピーターソン(Peterson)反応は、テトラヒドロフラン中、−78℃ないし0℃の温度で、2当量のリチウム・ビス(トリメチルシリル)アミドまたは水素化ナトリウムまたはリチウム・ジイソプロピルアミドにより式(4’)で示されるアニオンを形成させ、1当量のジエチルクロロホスフェート(ワッズウォース−エモンス)または1当量の塩化トリメチルシリル(ピーターソン)を反応させることからなる。1時間後に、上記で得られたアニオンに、テトラヒドロフラン中のアルデヒド(1.1当量)を加え、室温で15時間にわたり反応させる。
【0074】
式(3)で示されるアルケンは、スキーム4に示すように、式(4’)で示される化合物と式(6)で示される化合物との反応により調製し得る:
スキーム4
【化5】

【0075】
適切な塩基は、テトラヒドロフラン中のリチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、水素化ナトリウムまたはリチウム・ジイソプロピルアミドであり、−78℃ないし0℃の温度でアニオンを形成する。還元工程に適する還元剤は、室温で、エタノール中の水素化ホウ素ナトリウムまたはテトラヒドロフラン中のボラン−テトラヒドロフラン複合体である。脱水工程に適する脱水試薬は、室温で、ジクロロメタン中の塩化メタンスルホニルまたは塩化トシルおよびトリエチルアミンである。
【0076】
あるいは、式(2)で示されるヒドロキシルアミンの製造法は、
・nが0である場合(式(2)で示される化合物として示す)以下の工程からなる:
c)i)式(4”)で示される化合物(その調製法についてはスキーム13参照)とRCOOR、RCOClまたは活性化RCOORとを反応させて、式(7”)で示されるケトンを生成させる工程(ただし、RはC1−20アルキル、例えば、メチル、エチル、またはアリールC1−4アルキル、例えば、ベンジル);
ii)式(7”)で示されるケトンを還元して式(8”)で示されるアルコールを生成させる工程;
iii)式(8”)で示されるアルコールの−OH基をハロゲン化物、メシル化体、トシル化体などの脱離基(L)に変換する工程(式(9”)で示される化合物参照);
iv)脱離基を水性ヒドロキシルアミンと置換えて、式(2)で示されるヒドロキシルアミンとする工程;
スキーム5
【化6】

【0077】
式(7”)で示されるケトンはさらにスキーム6に示す方法によっても製造し得る:
スキーム6
【化7】

【0078】
式(30)で示される化合物に存在するシリル基はフッ化テトラブチルアンモニウムにより除去することが可能である。適切な脱離基(L)はハロ、メシルおよびトシルである。適切なクロル化剤はPOClである。式(7”)で示される化合物は、最終段階において、式(33)で示される化合物と適切なピペリジン試薬とを反応させることにより製造する。
【0079】
あるいは、式(2)で示されるヒドロキシルアミンの製造法は、
・nが1で、RとRが共に水素ある場合(式(2**)で示される化合物として示す)さらに以下の工程からなる:
d)i)式(4”)で示される化合物と式(10)で示される化合物(エポキシドまたはその等価物)とを反応させ、式(8**)で示されるアルコールとする工程;
ii)式(8**)で示されるアルコールの−OH基をハロゲン化物、メシル化体、トシル化体などの脱離基に変換する工程(式(9**)で示される化合物参照);
iii)脱離基を水性ヒドロキシルアミンと置換えて、式(2**)で示されるヒドロキシアミンとする工程;
スキーム7
【化8】

【0080】
適切な塩基は−78℃ないし0℃でのリチウム・ビス(トリメチルシリル)アミドおよびリチウム・ジイソプロピルアミドである。適切な脱離基(L)は、クロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルおよびトシルであり、これらは該アルコールから、ジクロロメタン中塩化メタンスルホニルとピリジンでの処理(メシル化体)、ジクロロメタン中塩化トシルとピリジンでの処理(トシル化体)、トリフェニルホスフィンと四臭化炭素での処理(ブロモ)により形成させる;クロロ、ブロモおよびヨード誘導体は、メシル化体またはトシル化体から、アセトンなどの溶媒中、適切なハロゲン化源、例えば、ヨウ化テトラブチルアンモニウムまたはヨウ化ナトリウムまたは塩化リチウムを添加することにより製造し得る。
【0081】
あるいは、式(2)で示されるヒドロキシルアミンの製造法は、
・nが1である場合(式(2^)で示される化合物として示す)さらに以下の工程からなる:
e)i)式(4”)で示される化合物と式(11)で示される化合物とを反応させ、式(12^)で示されるエステルとする工程;
ii)式(12^)で示されるエステルを式(13^)で示されるアルコールに変換する工程;
iii)該−OH基を水性ヒドロキシルアミンと置換えて、式(2^)で示されるヒドロキシアミンとする工程;
スキーム8
【化9】

【0082】
式(12^)の基−COORは、RがC1−20アルキル、例えば、メチル、エチル、またはアリールC1−4アルキル、例えば、ベンジルである場合の代表的なエステルである。ジクロロメタン中、過酸、例えば、m−CPB(3−クロロペルオキシ安息香酸)などのバイヤー−ビリガー(Baeyer-Villiger)反応条件が、エステル基をアルコール基に変換するために適している。水性ヒドロキシルアミンとの置換前に、該アルコール基をブロモ、ヨード、メシルおよびトシルなどの脱離基に変換するのが適当である。
【0083】
もう一つの側面において、本発明は、式(1)においてZが−CONR15OHである場合の化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルの製造法であって、下記工程からなる方法を提供する:
a)式(14)で示される酸を式(1)で示される化合物に変換する工程:
スキーム9
【化10】

【0084】
次いで、要すれば:
i)式(1)で示される化合物を別の式(1)で示される化合物に変換する工程;
ii)保護基を除去する工程;
iii)医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルを形成させる工程。
【0085】
式(14)で示される酸は、酸クロリドなどの酸ハロゲン化物に、またはカルボニルジイミダゾール、カルボジイミドもしくはペンタフルオロフェニルエステルなどで活性エステルに変換することにより、適切に活性化し得る。あるいは、式(14)で示される酸がエステル、例えば、メチルエステルまたはエチルエステルである場合、NHR15OHとの反応により直接式(1)で示される化合物に変換することができる。
【0086】
本発明はまた以下の工程からなる式(14)で示される酸の製造法を提供する:
b)式(4”)で示される化合物と式(11)で示されるアルケンとを反応させて、式(12^)で示されるエステルを生成させ、これを加水分解して式(14’)で示される酸とする工程(ただし、式(14’)で示される酸は、式(14)においてnが1であり、Rが水素である酸である):
スキーム10
【化11】

【0087】
式(4”)で示される化合物を脱プロトン化し得る適切な塩基は、ブチルリチウム、リチウム・ジイソプロピルアミドおよびリチウム・ビス(トリメチルシリル)アミドであり、次いで、ジメチルスルフィド、エーテルまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−78℃ないし室温の温度で、銅塩、例えば、臭化銅−ジメチルスルフィド複合体、ヨウ化銅などを添加する。
【0088】
あるいは、式(14)で示される酸の製造法は以下の工程からなる:
c)式(4”)で示される化合物と式(15)で示される化合物とを反応させて、式(14)で示される酸において、nが0、Rが水素、Rが水素である式(14**)で示される酸を生成させる工程:
スキーム11
【化12】

【0089】
式(4”)で示される化合物を脱プロトン化する適切な塩基は、テトラヒドロフランまたはエーテルなどの溶媒中、−78℃ないし0℃の温度で、リチウム・ジイソプロピルアミド、リチウム・ビス(トリメチルシリル)アミドおよび水素化ナトリウムである。
【0090】
もう一つの側面において、本発明は式(1)においてZが−CONR15OH、Rが水素、およびnが0である場合の化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルの製造法を提供する。該方法の工程をスキーム12に概説する:
スキーム12
【化13】

【0091】
スキーム12の方法は以下の工程からなる:
i)式(22)で示されるチオールと式(23)で示されるアクリレートとを0℃ないし70℃の温度で反応させ、式(24)で示されるチオエーテルを生成させる工程;
ii)式(24)で示されるチオエーテル酢酸溶液に0℃ないし室温の温度で塩素ガスを吹き込むことにより該チオールエーテルを酸化し、式(25)で示される塩化スルホニルとする工程;
iii)式(25)で示される塩化スルホニルと式(26)で示されるピペリジンとを標準的スルホンアミド条件下(例えば、0℃ないし50℃の温度でDCM中のトリエチルアミン)に反応させ、式(27)で示される化合物を生成させる工程;
iv)保護基を除去し、式(1)で示される化合物を生成させる工程。
【0092】
該保護基(PG)はベンジルまたは2,4−ジメトキシベンジルでよい。前者は水素/パラジウムでの処理により除去可能であり、後者は緩和な酸処理により除去し得る(参照:Tetrahedron Letters, 1998, 39(43), 7865)。スキーム12の方法は要すればさらに以下の工程を含み得る:
v)式(1)で示される化合物を別の式(1)で示される化合物に変換する工程;
vi)任意の他の保護基を除去する工程;
vii)医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルを形成させる工程。
【0093】
本発明のもう一つの側面においては、以下の工程からなる式(4)、式(4’)および(4”)で示される化合物の製造法が提供される:
i)式(16)においてBが活性化ハロへテロシクリルである化合物と式(17)で示される化合物(ただし、XはOまたはSである)とを、式(17)で示される化合物を脱プロトン化する塩基の存在下に反応させ、式(18)で示される化合物を生成させる工程;
ii)式(18)で示される化合物から保護基(PG)を除去し、式(19)で示される化合物を生成させる工程;
iii)式(19)で示される化合物を適切な試薬と反応させ、式(4)で示される化合物を生成させる工程;および
iv)必要ならば、XがSの場合のXを酸化する工程。
【0094】
が水素の場合、式(4’)で示される化合物が生成し、RおよびRが共に水素である場合、式(4”)で示される化合物が生成する:
スキーム13
【化14】

【0095】
式(4)、式(4’)および式(4”)で示される化合物は、以下の工程からなる方法によっても製造し得る:
i)式(20)で示される化合物(ただし、XはOまたはSである)と式(21)で示される化合物とを塩基の存在下に反応させ、式(18)で示される化合物を生成させる工程;
ii)式(18)で示される化合物から保護基(PG)を除去し、式(19)で示される化合物を生成させる工程;
iii)式(19)で示される化合物を適切な試薬と反応させ、式(4)で示される化合物を生成させる工程;および
iv)必要ならば、Xを酸化する工程。
【0096】
が水素の場合、式(4’)で示される化合物が生成し、RおよびRが共に水素である場合、式(4”)で示される化合物が生成する:
スキーム14
【化15】

【0097】
スキーム13および14の両図において、Lはハロ(クロロ、ブロモ、ヨード)、ヒドロキシ、メシルおよびトシルなどの適切な脱離基である;式(17)および式(20)で示される化合物を脱プロトン化する適切な塩基は、水素化ナトリウム、リチウム・ジイソプロピルアミド、リチウム・ビス(トリメチルシリル)アミドおよびブチルリチウムである;a)についての適切な反応条件は、温度が−78℃ないし70℃の範囲、非プロトン性溶媒、例えば、アルゴン気流下のテトラヒドロフランである;適切な保護基(PG)は、Boc(t−ブトキシカルボニル)、CBz(カルボニルオキシベンジル)基およびメシルもしくは他のアルキルスルホニルである。PGがアルキルスルホニルである場合、式(16)と(17)の反応および式(20)と(21)の反応は、直接、式(4)で示される化合物を生成する。式(18)で示される化合物は、酸(Boc)または水素/パラジウム(CBz)での処理により、式(19)で示される化合物に変換し得る。式(19)で示される化合物はジクロロメタンなどの溶媒中、ピリジンなどの塩基の存在下に、塩化アルキルスルホニルで処理することにより、式(4)で示される化合物に変換し得る。Bが芳香環、XがO、LがOHである場合は、光延反応条件を使用し、式(18)で示される化合物を形成し得る;すなわち、式(16)または式(20)で示される化合物をアゾジカルボン酸ジエチルもしくはアゾジカルボン酸ジイソプロピルとトリフェニルホスフィンおよび式(17)または式(21)で示される化合物と反応させ、式(4)で示される化合物を得る。さらに、PGは保護されたヒドロキサム酸であるか、または逆ヒドロキサム酸エステルである。従って、式(16)と(17)の反応、および式(20)と(21)の反応は、式(1)の保護体を生じるが、このものは次いで脱保護し得る。
【0098】
式(1)で示される化合物は、亜鉛結合基上の保護基を除去することにより直接製造し得る。保護基(PG)はベンジルまたは2,4−ジメトキシベンジルである。前者は水素/パラジウムでの処理により除去可能であり、後者は緩和な酸処理により除去し得る(参照:Tetrahedron Letters, 1998, 39(43), 7865)。必要な保護ヒドロキサム酸または逆ヒドロキサム酸エステルは、合成の初期に適切に保護したヒドロキシルアミンを使用することにより入手し得る。
スキーム15
【化16】

【0099】
本発明化合物における種々の環上置換基の一部のものは、標準的な芳香族置換反応により導入し得るか、または上記方法に先立ち、もしくはその後直ちに、常法による官能基修飾により生成させ得るものであり、本発明方法の見地からそのまま包含されることが認識されよう。かかる反応および修飾は、芳香族置換による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化および置換基の酸化などである。かかる手法の試薬および反応条件は化学技術上周知である。芳香族置換反応の具体例は、濃硝酸を用いるニトロ基の導入、例えば、フリーデル−クラフト(Friedel Crafts)条件下でハロゲン化アシルとルイス酸(塩化アルミニウムなど)を用いるアシル基の導入;フリーデル−クラフト条件下でハロゲン化アルキルとルイス酸(塩化アルミニウムなど)を用いるアルキル基の導入;およびハロゲン基の導入である。修飾の具体例は、例えば、ニッケル触媒での接触還元または加熱下に塩酸存在下で鉄との処理によるニトロ基のアミノ基への還元;アルキルチオのアルキルスルフィニルまたはアルキルスルホニルへの酸化などである。
【0100】
さらに認識すべきことは、本明細書に記載の反応のあるものは、化合物中の感受性基を保護することが必要であるか、または望ましいことである。保護が必要であるか、または望ましい場合について、また適切な保護方法については当業者既知である。常套の保護基は標準的な方法に従って使用し得る(参照解説:T.W. Green, Protective Groups in Organic Synthesis (有機合成の保護基)John Wiley and Sons, 1991)。従って、反応 がアミノ、カルボキシまたはヒドロキシなどの基を含む場合、本明細書に記載の反応のあるものでは、当該基を保護することが望ましい。
【0101】
アミノまたはアルキルアミノ基に対する適切な保護基は、例えば、アシル基、たとえば、アセチルなどのアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルまたはtert−ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、例えば、ベンジルオキシカルボニル、またはアロイル基、例えば、ベンゾイルなどである。上記保護基の脱保護条件は、選択した保護基により必然的に変わる。従って、例えば、アルカノイルもしくはアルコキシカルボニル基またはアロイル基などのアシル基は、例えば、水酸化リチウムもしくはナトリウムなどの水酸化アルカリ金属などの適切な塩基による加水分解により除去し得る。あるいは、tert−ブトキシカルボニル基などのアシル基は、例えば、塩酸、硫酸もしくはリン酸またはトリフルオロ酢酸などの適切な酸により処理することで除去し得る。また、ベンジルオキシカルボニル基などのアリールメトキシカルボニル基は、例えば、パラジウム−炭素などの触媒での水素化により、またはトリス(トリフルオロ酢酸)ホウ素などのルイス酸での処理により除去し得る。一級アミノ基に適当な代替の保護基は、例えば、ジメチルアミノプロピルアミンなどのアルキルアミンでの処理、またはヒドラジンでの処理により除去し得るフタロイル基である。
【0102】
ヒドロキシ基に適する保護基は、例えば、アシル基、たとえば、アセチルなどのアルカノイル基、アロイル基、例えば、ベンゾイル、またはアリールメチル基、例えば、ベンジルなどである。上記保護基の脱保護条件は、選択した保護基により必然的に変わる。従って、例えば、アルカノイルもしくはアロイル基などのアシル基は、例えば、水酸化リチウムもしくはナトリウムなどの水酸化アルカリ金属などの適切な塩基による加水分解により除去し得る。あるいは、ベンジル基などのアリールメチル基は、例えば、パラジウム−炭素などの触媒での水素化により除去し得る。
【0103】
カルボキシ基に適する保護基は、例えば、エステル形成基、例えば、メチルもしくはエチル基(例えば、水酸化ナトリウムなどの塩基による加水分解により除去し得る)、または例えば、tert−ブチル基(例えば、酸との処理、例えば、トリフルオロ酢酸などの有機酸での処理により除去し得る)、または例えば、ベンジル基(例えば、パラジウム−炭素などの触媒での水素化により除去し得る)である。
【0104】
該保護基は化学技術上周知の常套法を用い、合成において都合のよい段階で除去することが可能である。
本明細書にてすでに述べたように、本発明で定義した化合物はメタロプロティナーゼ阻害活性、とりわけ、TACE阻害活性を有する。この性質は、例えば、以下に示す手法により評価することができる。
【0105】
単離酵素のアッセイ
MMP13を例とするマトリックス・メタロプロティナーゼ・ファミリー
組換えヒトproMMP13はクナウパー(Knauper)らの文献に記載されたとおりに発現させ、精製することができる[V. Knauper et al., (1996) The Biochemical Journal 271: 1544-1550 (1996)]。精製した酵素を用い、活性インヒビターを以下のようにモニターすることができる:精製したproMMP13を1mMアミノフェニル第二水銀酸(APMA)にて、21℃で20時間、活性化する;活性化MMP13(11.25ng/アッセイ)をアッセイバッファー(0.1Mトリス−HCl、pH7.5;0.1M−NaCl、20mM−CaCl、0.02mM−ZnClおよび0.05%(w/v)ブリジ35を含有する)中、インヒビターの存在下または不存在下に、合成基質として7−メトキシクマリン−4−イル)アセチル.Pro.Leu.Gly.Leu.N−3−(2,4−ジニトロフェニル)−L−2,3−ジアミノプロピオニル.Ala.Arg.NHを用い、35℃で4〜5時間インキュベートする。活性はλex328nmおよびλem393nmでの蛍光測定により定量する。阻害率(パーセント)は以下のように計算し得る:%阻害率は、
[蛍光プラスインヒビター−蛍光バックグランド]/[蛍光マイナスインヒビター−蛍光バックグランド]
に等しい。
【0106】
同様のプロトコールは、例えば、文献(C. Graham Knight et al., (1992) FEBS Lett. 296(3): 263-266)の記載どおりに、特定のMMPに対し最適の基質とバッファー条件を用いて、他の発現・精製proMMP13についても使用し得る。
【0107】
TNFコンベルターゼを例とするアダマリシン・ファミリー
proTNFαコンベルターゼを阻害する化合物の能力は、部分的に精製した単離酵素アッセイを用いて評価した;該酵素は文献(K.M. Mohler et al., (1994) Nature 370: 218-220)記載に従って、HTP−1の膜から入手する。精製した酵素の活性およびその阻害は、試験化合物の存在下または不存在下に、基質として4’,5’−ジメトキシ−フルオレセイニル−Ser.Pro.Leu.Ala.Gln.Ala.Val.Arg.Ser.Ser.Ser.Arg.Cys(4−(3−スクシンイミド−1−イル)−フルオレセイン)−NHを用いて、アッセイバッファー(50mMトリス−HCl、pH7.4;0.1%(w/v)トリトンX−100および2mM−CaClを含有する)中、部分的に精製した酵素を26℃で4時間インキュベートすることにより定量する。阻害量はMMP13と同様に定量したが、ここではλex485nmおよびλem538nmを用いた。基質は以下のように合成した。基質のペプチド性部分を手動によるか、または自動ペプチド合成機上のFmoc−NH−リンク−MBHA−ポリスチレン樹脂上で標準法により構築した;Fmoc−アミノ酸とカップリング剤としてヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルアンモニウム(HBTU)を使用し、その際のFmoc−アミノ酸とHBTUは少なくとも4倍または5倍過剰に使用した。SerおよびProは二重カップリング結合させた。以下の側鎖保護作戦を採用した:Ser(But)、Gln(トリチル)、Arg8,12(PmcまたはPbf)、Ser9,10,11(トリチル)、Cys13(トリチル)。構築に続き、N−末端Fmoc−保護基をDMF中でFmoc−ペプチジル樹脂を処理することにより除去した。このように入手したアミノ−ペプチジル樹脂は、DMF中ジイソプロピルカルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールで予め活性化した1.5〜2当量の4’,5’−ジメトキシ−フルオレセイニル−4(5)−カルボン酸[Khanna & Ullman, (1980) Anal Biochem. 108: 156-161]と70℃で1.5〜2時間処理することによりアシル化した。次いで、該ジメトキシフルオレセイニル−ペプチドは、それぞれ5%の水とトリメチルシランを含有するトリフルオロ酢酸で処理することにより、脱保護と開裂を同時に行った。このジメトキシフルオレセイニル−ペプチドは、溶媒留去、ジエチルエーテルでの磨砕、および濾過により単離した。単離したペプチドはジイソプロピルエチルアミン含有DMF中4−(N−マレイミド)−フルオレセインと反応させ、生成物をRP−HPLCにより精製し、最終的に水性酢酸から凍結乾燥により単離した。生成物はMALDI−TOF MSおよびアミノ酸分析により特性化した。
【0108】
本発明の化合物はTACEに対して0.1nMないし50μMで活性であることが見出されており、特に、化合物8は10μMで81%の阻害を示し、化合物14は10μMで76%の阻害を示した。
【0109】
天然基質
アグリカン分解インヒビターとしての本発明化合物の活性は、例えば、文献(E.C. Arner et al., (1998) Osteoarthritis and Cartilage(変形性関節症と軟骨)6: 214-228; (1999) Journal of Biological Chemistry, 274 (10), 6594-6601)の開示に基づく方法により、同書に記載された抗体を用いてアッセイすることができる。コラゲナーゼに対してインヒビターとして作用する化合物の効力は、文献(T. Cawston and A. Barrett (1979) Anal. Biochem. 99: 340-345)記載のように定量し得る。
【0110】
細胞/組織による活性においてのメタロプロティナーゼ活性の阻害
TNFコンベルターゼなど膜シェダーゼ阻害作用因子としての試験
TNFα産生の細胞プロセシングを阻害する本発明化合物の能力は、本質的には文献(K.M. Mohler et al., (1994) Nature 370: 218-220)に記載されているように、放出されたTNFを検出するELISAを用いて、THP−1細胞にて評価し得る。同様の様式で、文献(N.M. Hooper et al., (1997) Biochem. J. 321: 265-279)に記載されたような他の膜分子のプロセシングまたは は、適切な細胞株を用い、放出されたタンパク質を検出する適切な抗体により試験し得る。
【0111】
細胞による侵入を阻害する作用因子としての試験
侵入アッセイにおいて細胞の移動を阻害する本発明化合物の能力は、文献(A. Albini et al., (1987) Cancer Research 47: 3239-3245)の記載に従って定量し得る。
【0112】
全血TNFシェダーゼ活性阻害作用因子としての試験
TNFα産生を阻害する本発明化合物の能力は、ヒトの全血アッセイにおいて評価するが、この際、TNFαの放出を刺激するためにLPSを使用する。ボランティアから採取したヘパリン(10単位/ml)加ヒト全血160μlをプレートに加え、RPMI1640+炭酸塩、ペニシリン、ストレプトマイシン、グルタミンおよび1%DMSO中、加湿インキュベーター(5%CO/95%空気)において、試験化合物(20μl)(二回の実験)と共に37℃で30分間インキュベートし、次いで、LPS(大腸菌0111;最終濃度10μg/ml)を加えた。各アッセイには培地のみ、またはLPSとインキュベートした正味の血液をコントロールとして含める(それぞれのプレートあたり6ウエル)。次いで、プレートを37℃で6時間インキュベートし(加湿インキュベーター)、遠心分離し(2000rpm、10分間、4℃)、血漿(50〜100μl)を採取し、TNFα濃度をELISAにより分析するまで、−70℃で96ウエルプレートに保存する。
【0113】
インビトロ軟骨分解阻害作用因子としての試験
軟骨のアグリカンまたはコラーゲン成分の分解を阻害する本発明化合物の能力は、本質的には文献(K.M. Bottomley et al., (1997) Biochem J. 323: 483-488)記載どおりに評価し得る。
【0114】
インビボ評価
抗TNF剤としての試験
インビボTNFαインヒビターとしての本発明化合物の能力は、ラットにて評価する。簡単に説明すると、メスのウイスター・アルダーリー・パーク(Wistar Alderley Park)(AP)ラット(90〜100g)の複数群に、化合物(ラット5匹)または薬物ビークル(ラット5匹)を適切な経路、例えば、経口(p.o.)、腹腔内(i.p.)、皮下(s.c.)により、リポ多糖(LPS)チャレンジの1時間前に(30μg/ラット、i.v.)投与する。LPSチャレンジの60分後にラットを麻酔し、末梢血サンプルを後大静脈から採取する。血液を室温で2時間凝血させ、血清サンプルを得る。これらサンプルはTNFαELISAと化合物濃度分析用に−20℃で保存する。
専用のソフトウエアによるデータ解析では、各化合物/用量について計算する:
TNFαの%阻害=[平均TNFα(ビークル対照)−平均TNFα(処理)]×100/平均TNFα(ビークル対照)
【0115】
抗関節炎剤としての試験
抗関節炎剤としての化合物の活性は、文献(D.E. Trentham et al., (1977) J. Exp. Med. 146: 857)に定義されているように、コラーゲン誘発関節炎にて試験する。このモデルでは、酸可溶性未変性タイプIIコラーゲンをフロイント不完全アジュバントと共にラットに投与したときに多発関節炎を起こす。同様の条件をマウスと霊長類の関節炎誘発に使用することができる。
【0116】
医薬組成物
本発明のさらなる側面によると、式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルを、本明細書に定義の医薬的に許容し得る賦形剤または担体と共に含有してなる医薬組成物が提供される。
【0117】
該組成物は経口投与に適した形状で、例えば、錠剤またはカプセル剤として、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、脈管内または注入を含む)用に無菌溶液、懸濁液またはエマルジョンとして、局所投与用に軟膏またはクリームとして、あるいは直腸投与用に坐剤として使用し得る。該組成物は吸入に適した形状でもよい。
一般に、上記組成物は常套の賦形剤を用いて常套法により調製し得る。
【0118】
本発明の医薬組成物は、通常、ヒトに対して、例えば、日用量が0.5〜75mg/kg体重(好ましくは、0.5〜30mg/kg体重)となるように投与する。この日用量は必要な場合、分割投与してもよいが、化合物の正確な投与量および投与経路は、処置すべき患者の体重、年齢および性別に、また技術上既知の原則に従って処置する特定疾患の症状に左右される。
典型的な単位投与形態では本発明化合物を約1mgないし500mg含有する。
【0119】
従って、本発明のさらなる側面においては、本明細書にすでに定義したように、ヒトなどの温血動物の治療による処置方法に使用する式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルが提供される。
【0120】
また、本明細書にすでに定義したように、1種以上のメタロプロティナーゼ酵素が介在する病的症状、とりわけTNFαが介在する病的症状の処置方法に使用する式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルが提供される。
【0121】
さらに、本明細書にすでに定義したように、ヒトなどの温血動物における炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー/アトピー性疾患、移植拒絶反応、移植片対宿主病、心血管系疾患、再灌流傷害および悪性腫瘍の処置方法に使用する式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルが提供される。とりわけ、本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルは、リウマチ様関節炎、クローン病および乾癬、特にリウマチ様関節炎の処置方法に使用するために提供される。本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルは、喘息またはCOPDなどの呼吸器障害の処置方法での使用のためにも提供される。
【0122】
本発明のさらなる側面によると、本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルは、医薬としての使用のためにも提供される。
また、本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルは、1種以上のメタロプロティナーゼ酵素が介在する病的症状、とりわけTNFαが介在する病的症状の処置における医薬としての使用のためにも提供される。
【0123】
さらに、本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルは、ヒトなどの温血動物における炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー/アトピー性疾患、移植拒絶反応、移植片対宿主病、心血管系疾患、再灌流傷害および悪性腫瘍の処置における医薬としての使用のためにも提供される。特に、本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルは、リウマチ様関節炎、クローン病および乾癬、特にリウマチ様関節炎の処置における医薬としての使用のためにも提供される。本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルは、喘息またはCOPDなどの呼吸器障害の処置における医薬としての使用のためにも提供される。
【0124】
本発明のもう一つの側面によると、本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルの使用であって、ヒトなどの温血動物における1種以上のメタロプロティナーゼ酵素が介在する病的症状、とりわけTNFαが介在する病的症状の処置に使用する医薬の製造における使用が提供される。
【0125】
また、本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルの使用であって、ヒトなどの温血動物における炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー/アトピー性疾患、移植拒絶反応、移植片対宿主病、心血管系疾患、再灌流傷害および悪性腫瘍の処置に使用する医薬の製造における使用が提供される。とりわけ、本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルの使用は、リウマチ様関節炎、クローン病および乾癬、特にリウマチ様関節炎の処置における医薬の製造において提供される。本明細書にすでに定義した式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくはインビボで加水分解可能なエステルの使用は、喘息またはCOPDなどの呼吸器障害の処置における医薬の製造において提供される。
【0126】
本発明におけるこの側面のさらなる特徴によると、ヒトなどの温血動物においてメタロプロティナーゼ阻害作用を生じさせる方法であって、かかる処置を必要とする当該動物に式(1)で示される化合物の有効量を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0127】
本発明におけるこの側面のさらなる特徴によると、ヒトなどの温血動物においてTACE阻害作用を生じさせる方法であって、かかる処置を必要とする当該動物に式(1)で示される化合物の有効量を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0128】
本発明におけるこの側面のさらなる特徴によると、ヒトなどの温血動物において自己免疫疾患、アレルギー/アトピー性疾患、移植拒絶反応、移植片対宿主病、心血管系疾患、再灌流傷害および悪性腫瘍を処置する方法であって、かかる処置を必要とする当該動物に式(1)で示される化合物の有効量を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0129】
また、ヒトなどの温血動物においてリウマチ様関節炎、クローン病および乾癬、特にリウマチ様関節炎を処置する方法であって、かかる処置を必要とする当該動物に式(1)で示される化合物の有効量を投与することを特徴とする方法が提供される。さらに、ヒトなどの温血動物において喘息またはCOPDなどの呼吸器障害を処置する方法であって、かかる処置を必要とする当該動物に式(1)で示される化合物の有効量を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0130】
治療医学におけるそれらの使用に加えて、式(1)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩は、新規治療薬の探索の一部として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラットおよびマウスなどの実験動物において細胞周期活性のインヒビターの作用を評価するインビトロおよびインビボ・テストシステムの開発および標準化に、薬理学的手段としても有用である。
【0131】
本明細書に記載した本発明化合物の他の好適な態様は、上記他の医薬組成物、プロセス、方法、使用および医薬製造の特徴にも当てはまる。
【実施例】
【0132】
本発明をさらに以下の実施例により説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではなく、また特に断りのない限り、以下の定義に従う:
(i)温度は摂氏目盛り(℃)で示す;操作は室温または外気温で、すなわち、18〜25℃の範囲の温度で実施した。
(ii)有機溶液は無水硫酸マグネシウムで乾燥した;溶媒留去はロータリーエバポレーターにより、減圧下(600〜4000パスカル;4.5〜30mmHg)に、60℃までの浴温で実施した。
【0133】
(iii)クロマトグラフィーは特に断りのない限り、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを意味する;薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルプレート上で実施した;“ボンドエリュート”(Bond Elut)カラムという場合、このカラムは粒径40ミクロンの10gまたは20gのシリカを詰めたカラムを意味し、該シリカは60mlの使い捨てシリンジに詰め、多孔性ディスクで支えたものであり、“メガボンドエリュートSI”の名称でバリアン、ハーバーシティ、カリフォルニア(Varian, Harbor City, California, USA)から入手したものである。“イソリュートTMSCXカラム”(IsoluteTMSCM column)という場合、このカラムはインターナショナル・ソーベント・テクノロジー(International Sorbent Technology Ltd.)(第1棟、ダッフリン工業団地、イストラッド・マイナック、ヘンゴード、ミッド・グラモルガン(1st House, Duffryn Industial Estate, Ystrad Mynach, Hengoed, Mid Glamorgan, UK))から入手したベンゼンスルホン酸を詰めたカラム(末端非閉鎖)を意味する。フラッシュマスターIIという場合、このものはジョーンズ(Jones)が供給するUV駆動自動化クロマトグラフィーユニットを意味する。
【0134】
(iv)一般に、反応の経過はTLCにて追跡し、反応時間は説明のためにのみ示す。
(v)収率を示している場合、これは説明のみのためであり、必ずしも工程開発努力の結果として得たものではない;製造はさらに多くの材料を要した場合に繰り返し行った。
【0135】
(vi)H−NMRデータがある場合、それを引用し、主要な解析に有用なプロトンをデルタ値として示し、内部基準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対し100万分の1(ppm)で示し、特に断りのない限り過重水素化DMSO(CDSOCD)を用い、300MHzで測定する;結合定数(J)はHzで示す。
(vii)化学記号は通常の意味を有する;SI単位と記号を使用する。
(viii)溶媒比は容量パーセントで示す。
【0136】
(ix)質量スペクトル(MS)は直接照射プローブを用い、化学イオン化(APCI)モードで70電子ボルトの電子エネルギーにより実施した;指定されている場合のイオン化は電子スプレー(ES)により実施した;m/z値を示す場合、一般に、親質量を示すイオンのみが報告され、特に断りのない限り、引用した質量イオンは正の質量イオン(M+H)である。
【0137】
(x)LCMSの特性化は一対のギルソン(Gilson)306ポンプとギルソン233XLサンプラーおよびウオーターズ(Waters)ZMD4000質量分析計により実施した。LCは粒径5ミクロンのウオーター対称4.6×50カラムC18で構成した。溶離液は以下の通りとした:A:0.05%ギ酸含有水;およびB:0.05%ギ酸含有アセトニトリル。溶離液勾配は6分間で95%Aから95%Bまでとした。指定されている場合のイオン化は電子スプレー(ES)により実施;m/z値を示す場合、一般に、親質量を示すイオンのみが報告され、特に断りのない限り、引用した質量イオンは正の質量イオン(M+H)である。
【0138】
(xi)以下の略号を使用する:
【表1】

本発明を以下の実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0139】
実施例1
(R/S)−2−{[4−(2−イソキサゾール−5−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド
【化17】

【0140】
(R/S)−2−{[4−(2−イソキサゾール−5−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシルアミン)(下記)(330mg、0.75mmol)をDCM(0.5ml)に溶かした溶液に、ギ酸(2ml)と無水酢酸(1ml)の事前混合物を加え、反応物をRTで一夜撹拌した。次いで、MeOH(5ml)を加え、混合物をRTで1時間撹拌した。蒸発後、残渣をMeOHに再溶解し、3時間撹拌して、再度蒸発させた。残渣をボンドエリュート・クロマトグラフィーにより、DCMないし5%メタノール/DCMにて溶出精製して、(R/S)−2−{[4−(2−イソキサゾール−5−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド(88mg;0.19mmol)を得た。
MS : 472。
【0141】
出発原料の(R/S)−2−{[4−(2−イソキサゾール−5−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシルアミン)は以下のように調製した:
i)THF(100ml)中、塩化E−β−スチレンスルホニル(12.0g、0.059mol)および4−ヒドロキシピペリジン(8.0g、0.079mol)の撹拌溶液にRTでトリエチルアミン(8.0g、0.079mol)を加えた。一夜撹拌を続け、次いで反応混合物の容量を減少させ、EtOAcに分配し、さらに1M−HCl水、飽和NaHCOおよび食塩水に分配した。次いで、有機フラクションを乾燥(NaSO)し、蒸発させて固体産物を得た(12.75g;0.046mol)。NMR (CDCl3): 1.51.8 (m, 4H), 1.92.1 (m, 2H), 3.03.2 (m, 2H), 3.43.6 (m, 2H), 3.85 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 7.37.6 (m, 6H);
MS: 268。
【0142】
ii)2−(5−イソキサゾリル)フェノール(121mg、0.75mmol)をDCM(1ml)に溶解し、E−1−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イルスルホニル)−2−フェニルエテン(0.2g、0.75mmol)を加えた。次いで、トリフェニルホスフィン(0.2g、0.75mmol)のDCM(2ml)溶液を加え、さらにDIAD(0.15ml、0.75mmol)のDCM(2ml)溶液を加え、得られる混合物をRTで一夜撹拌した。この混合物を濃縮し、クロマトグラフィー(ボンドエリュートカートリッジ;ヘキサン(5分;20ml/分)、100%へキサン〜100%DCM(15分))により精製し、E−[4−(2−(5−イソキサゾリル)フェニルオキシ)ピペリジン−1−イルスルホニル]−2−フェニルエテンを得て次工程で使用した。
【0143】
iii)E−[4−(2−(5−イソキサゾリル)フェニルオキシ)ピペリジン−1−イルスルホニル]−2−フェニルエテンをTHF(1ml)に溶解し、チューブ内の空気をアルゴンで排除し、次いで、ヒドロキシルアミン/水(50%溶液、1ml)を加え、混合物を一夜激しく撹拌した。EtOAc(1ml)を加え、水層を分離した。有機層を食塩水で洗い、乾燥(NaSO)し、濃縮して(R/S)−2−{[4−(2−イソキサゾール−5−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−1−フェニルエチル(ヒドロキシルアミン)を得た;これを最終工程で使用した。
【0144】
実施例2
(R/S)−1−[({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド
【化18】

【0145】
ギ酸(2.32ml)に0℃で無水酢酸(0.84ml)を加えた。20分後に、これをTHF(6.9ml)に溶かした(R/S)−1−[({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシルアミン)(0.67g、1.28mmol)とギ酸(2.32ml)に加え、得られた溶液を10分間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をDCMに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗い、乾燥して蒸発乾固した。次いで、生成物をMeOHに再溶解し、一夜撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をEtO中で撹拌し、(R/S)−1−[({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド(0.19g、0.35mmol)を白色固体として得た。
NMR: (CDCl3, 300 MHz): 9.99 (s, 0.5H)*; 9.18 (brs, 0.5H)*; 8.70 (dd, 2H); 8.52 (s, 0.5H)*; 8.05 (s, 0.5H)*, 7.67 (s, 1H); 7.48 (d, 1H); 7.21 (t, 1H); 6.99 (d, 1H); 4.91 (m, 0.5H)*, 4.70 (bs,1H); 4.23 (m, 0.5H)*; 3.63-3.27(m, 5H), 3.20-2.85 (m, 2H), 2.10-1.85 (m, 7H), 1.82-1.60(m, 3H);
δC (CDCl3, 75.5 MHz):162.0, 157.6, 157.5, 157.4, 128.3, 125.4, 119.3, 115.0, 72.2, 72.0, 56.1, 51.5, 51.4, 50.5, 42.1, 49.1, 41.7, 37.9, 37.3, 30.5, 30.3, 30.1, 28.6, 24.1, 23.8;
MS: 551.42;
HPLC:5%〜95%MeOH、10分の勾配:9.088分、91.62%。
*回転異性体シグナル。
【0146】
出発原料の(R/S)−1−[({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシルアミン)は以下のように調製した:
i)トルエン(160ml)中、4−ヒドロキシピペリジンカルボン酸tert−ブチル(4.27g、21.2mmol)とトリフェニルホスフィン(7.78g、29.7mmol)の溶液に、0℃、アルゴン気流下にアゾジカルボン酸ジイソプロピル(6.68ml、33mmol)を滴下した。この混合物を1/2時間撹拌し、次いで、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノール(5.00g、25.5mmol)を滴下し、反応物を一夜でRTに戻した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をイソヘキサン中で1時間撹拌した。沈殿を濾去し、濾液を濃縮して橙黄色油としてこれをフラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/イソヘキサン)により精製し、4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレートtert−ブチル(4.59g、12mmol)を得た。
NMR: (CDCl3, 300 MHz): 7.68 (s, 1H); 7.46 (d, 1H); 6.98 (d, 1H); 4.68 (m, 1H); 3.69-3.44 (m, 4H); 1.79-1.92 (m, 4H); 1.46 (s, 9H)。
【0147】
ii)DCM(23.5ml)中の4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレートtert−ブチル(4.59g、12mmol)溶液に0℃でTFA(11.76ml)を加え、該溶液を20時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残渣を2M−水酸化ナトリウム溶液と水に取込み、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥(MgSO)し、濃縮して4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジンTFA塩(4.47g、11.4mmol)を白色固体として得た。
NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.66 (s, 1H); 7.50 (d, 1H); 7.00 (d, 1H); 4.83 (bs, 1H); 3.50-3.19 (m, 4H); 2.40-2.11 (m, 4H)。
【0148】
iii)トリエチルアミン(6.67ml)およびDCM(58ml)中、4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジンTFA塩(4.47g、11.4mmol)の溶液に、アルゴン気流下0℃で、塩化メタンスルホニル(1.36ml)を滴下した。この混合物をRTで週末にわたり放置した。反応混合物にDCMを加え、有機層を水洗し、乾燥(MgSO)、減圧濃縮して4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジン−1−イルスルホニルメタン(1.43g、4mmol)を油として得た。
NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.67 (s, 1H); 7.51 (d, 1H); 7.00 (d, 1H); 4.75 (m, 1H; 3.59-3.49 (m, 2H); 3.39-3.20(m, 2H); 2.83 (s, 3H); 2.15-2.00 (m, 4H)。
【0149】
iv)THF(11ml)中、4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジン−1−イルスルホニルメタン(1.00g、2.8mmol)の溶液に、アルゴン気流下−10℃で、LHMDS(THFの1M溶液6.15ml)を滴下した。この混合物を10分間撹拌し、次いで、塩化トリメチルシリル(0.36ml)を−10℃に滴下した。さらに20分間撹拌を続け、次いで、4−(2−ピリミジニル)ブタン−1−アール§(462mg、3.1mmol)をTHF(5ml)に添加し、再び温度が−10℃を超えないようにした。反応混合物を2時間撹拌し、次いで、−10℃で食塩水にて反応停止した。該溶液をRTに戻し、水で希釈し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を乾燥(MgSO)、濃縮して黄色油を得た;これをフラッシュ・カラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)により精製し、E/Z−1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジン−1−イルスルホニル}−5−(ピリミジン−2−イル)ペンタン−1−エン(0.64g、1.3mmol)を得た。
NMR: (CDCl3, 300 MHz): 8.67 (2x d overlaid, 2H)*; 7.64 (m, 1H); 7.46 (bd, 1H); 7.14 (m, 1H); 7.00 (dd, 1H); 6.80 (dt, 0.5H)*; 6.40 (dt, 0.5H)*; 6.18 (d, 0.5H)*; 6.05 (d, 0.5H)*; 4.70 (bs,1H); 3.50-3.32 (m, 2H); 3.29-3.09 (m, 2H); 3.02 (dd, J = 7.7 Hz, J = 7.7Hz, 2H, CH2CH2Ar); 2.73 (ddd, J = 14.9 Hz, J = 7.34 Hz, 1H, 1H); 2.39 (ddd, H); 2.10-1.95 (m, 6H);
LCMS: 490.36 (M+H)。
*シス/トランス・シグナル
【0150】
v)THF(9.5ml)中、E/Z−1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジン−1−イルスルホニル}−5−(ピリミジン−2−イル)ペンタン−1−エン(0.64g、1.3mmol)の溶液に、RTでヒドロキシルアミン溶液(50%水溶液1.90ml)を加え、この混合物を一夜撹拌した。溶媒を減圧下に濃縮し、残渣をEtOAcおよび水に分配した。水層をEtOAcで抽出し、有機層を乾燥(MgSO)、濃縮し、黄色油として(R/S)−1−[({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシルアミン)(0.67g、1.28mmol)を得た。
NMR: (CDCl3, 300 MHz): 8.64 (d, 2H); 7.65 (d, 1Hl); 7.48 (d, 1H); 7.16 (t, 1H); 7.00 (d, 1H); 4.75 (m,1H); 3.60-3.32 (m, 6H); 3.17 (m, 1H); 3.03 (m, 1H); 2.85 (d, 1H); 2.15-1.50 (m, 7H)。
§4−(2−ピリミジニル)−ブタノールは文献に報告されており、CAS登録番号260441−10−9(CA索引名称:2−ピリミジンブタナール)をもつ。
【0151】
実施例3
(R/S)−1−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド
【化19】

【0152】
実施例2に記載の手法に従い、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノールに代えて2−ブロモ−4−フルオロフェノール(4.78g、25mmol)を使用し、(R/S)−1−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド(195mg、0.36mmol)を得た。
NMR: 9.7 & 9.35 (d, 1H), 8.5 (d, 2H), 8.14 & 7.7 (d, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.1 (t, 1H), 7.0 (m, 2H), 4.4 & 3.9 (br d, 1H), 2.9 (brm, 6H), 2.6 (t, 2H), 1.7 (m, 2H), 1.5 (m, 6H);
MS: 545/ 547。
【0153】
実施例4〜21
出発原料2−(5−イソキサゾール)−フェノールを記載のフェノールに置換えたこと以外、実施例1に記載の手法に従った。
【表2】

【0154】
【表3】

【0155】
【表4】

【0156】
【表5】

【0157】
【表6】

【0158】
実施例22
(R/S)−2−({4−[(3−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド
【化20】

【0159】
(R/S)−2−({4−[(3−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチルヒドロキシルアミン(0.75mmol)(以下のように調製し、そのまま使用)をDCM(1ml)に溶解し、無水酢酸(1ml)およびギ酸(2ml)の事前形成混合物を加え、RTで一夜撹拌した。次いで、MeOH(5ml)を加え、30分撹拌後、混合物を蒸発させた。残渣をMeOH(2ml)に再溶解し、RTに一夜放置した。蒸発後、混合物をボンドエリュート・クロマトグラフィー(10gシリカ)により、DCMないし5%MeOH/DCMの勾配により溶出して、(R/S)−2−({4−[(3−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチル(ヒドロキシ)ホルムアミド(47mg、0.11mmol)を得た。
MS : 441。
【0160】
出発原料の(R/S)−2−({4−[(3−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチルヒドロキシルアミンは以下のように調製した:
i)4−ヒドロキシピペリジン(8g;0.08mol)のDCM(80ml)溶液を氷浴で冷却し、これにピリジン(7.4ml;0.09mol)およびTBDMSトリフレート(20ml;0.088mol)を加えた。得られた混合物を2.5時間撹拌した。氷水を加え、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、乾燥、蒸発させて4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシピペリジンを淡黄色残渣(24g)として得た。
【0161】
ii)DCM(20ml)中、4−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−ピペリジン(2.7g;0.012mol)およびDIPEA(4.4ml;0.025mol)の溶液に塩化メタンスルホニル(1.0ml;0.012mol)を加え、全体をRTで一夜撹拌した。水(20ml)を加え、有機層を分離し、2M塩酸、飽和重炭酸ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、蒸発させて、1−メタンスルホニル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ピペリジンを黒色油状残渣として得た。
【0162】
iii)1−メタンスルホニル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ピペリジン(2.0g;6.8mmol)のTHF(50ml)溶液をアルゴンで被い、氷/アセトン浴で冷却し、これにLHMDS/THF溶液(15.0ml;1M;15.0mmol)を滴下した。30分間撹拌した後、クロロリン酸ジエチル(1.0ml;6.8mmol)を加え、さらに50分間撹拌を続けた。次いで、ニコチンアルデヒド(0.64ml;6.8mmol)を加え、その溶液を外気温に戻して一夜撹拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム溶液を加え、その混合物を酢酸エチルで抽出した。乾燥した有機層を減圧下濃縮した。シリカ上のクロマトグラフィーにより、ヘキサンないし50%酢酸エチル/ヘキサンの上昇勾配で溶出して精製し、E−[4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ピペリジン−1−イルスルホニル]−2−(3−ピリジル)エテン(1.93g、5.05mmol)を得た。
【0163】
iv)塩化アセチル(2ml)およびメタノール(20ml)の事前混合物に、E−[4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ピペリジン−1−イルスルホニル]−2−(3−ピリジル)エタン(1.93g、5.05mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。減圧濃縮により固形物を得て、これを飽和重炭酸ナトリウムと酢酸エチルに分配した。有機抽出物を乾燥し、蒸発させた。シリカ(20g)上のクロマトグラフィーにより、DCMないし20%メタノール/DCMの勾配で溶出し、精製した。生成物を含むフラクションを蒸発させてE−[4−(ヒドロキシ)ピペリジン−1−イルスルホニル]−2−(3−ピリジル)エテン(0.4g;30%)を白色固体として得た。
NMR (400MHz): 1.4 (2H, m, CH2); 1.8 (2H, m, CH2); 2.9 (2H, m, CH2); 3.2 (2H, m, CH2); 3.6 (1H, m, CH); 4.8 (1H, d, OH); 7.5 (3H, m, CH); 8.2 (1H, m, CH); 8.6 (1H, m, CH); 8.9 (1H, d, CH)。
【0164】
v)E−[4−(ヒドロキシ)ピペリジン−1−イルスルホニル]−2−(3−ピリジル)エテンのDMF溶液(0.2g;0.75mmol/3ml)を2,3−ジクロロピリジン(1.5mmol)に加えた。チューブにアルゴンガスを導入して被い、固形の水素化ナトリウム(0.1g含油)を注意しながら3回に分けて撹拌反応物に加えた。撹拌を一夜続けた。水(5ml)を加え(最初は滴下)、得られた混合物をEtOAc(5ml)で抽出した。有機層を分離し、水層を再度EtOAc(3ml)で洗浄した。有機層を結合して蒸発させ、DCM(5ml)に再溶解し、10gのシリカ・ボンドエリュートカラムに付し、DCMないし2.5%MeOH/DCMの勾配により溶出した。純生成物を含むフラクションを蒸発した。この物質をTHF(1ml)に溶かし、50%水性ヒドロキシルアミン(1ml)を加え、この混合物をRTで一夜激しく撹拌した。水と酢酸エチル間に分配した後、有機層を蒸発乾固し、(R/S)−2−({4−[(3−クロロピリジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)−1−ピリジン−3−イルエチルヒドロキシルアミンを得た。
【0165】
実施例23〜29
出発原料として使用した2,3−ジクロロピリジンを表記載のハロ−ヘテロ環に置換えた以外は、実施例22に記載の手法に従った。
【表7】

【0166】
【表8】

【0167】
実施例30
(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−チエン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミド
【化21】

トルエン中ヒドロキシルアミン(65mg)の懸濁液に、不活性気流下5℃で、トリメチルアルミニウム(0.5ml、2Mトルエン溶液)を加えた。この混合物を90分でRTとし、乾燥トルエン(1ml)中の(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−チエン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸メチル(80mg)溶液を加えた。この混合物を外気温で1時間撹拌し、2N塩酸と酢酸エチル間に分配した。有機層を乾燥(NaSO)し、さらに減圧下乾燥して生成物(48mg)を黄色ガムとして得た。
NMR (CDCl3): 0.84-0.96 (6H, m), 1.1-1.91 (7H, m), 2.62-2.74 (2H, m), 2.93-3.06 (2H, m), 3.14-3.28 (3H, m), 4.4-4.48 (1H, m), 6.9-6.98 (2H, m), 7.13-7.20 (2H, m), 7.23-7.30 (1H, m), 7.35-7.40 (2H, m), 7.51-7.56 (1H, m)。
【0168】
出発原料の(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−チエン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸メチルは以下のようにして調製した。
i)テトラヒドロフラン(200ml)中、トリフェニルホスフィン(21.5g)、2−ブロモ−4−フルオロフェノール(15.6g)および4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル(15g)の溶液に、不活性気流下20℃でDIAD(16ml)を滴下した。外気温で4時間撹拌した後、混合物を水とEtOAc間に分配した。有機相を2N水酸化ナトリウム溶液および水で洗浄し、乾燥(MgSO)、減圧下蒸発させて黄色油を得た。これをエーテルで破砕して、白色沈殿を濾過単離した。濾取物をカラムクロマトグラフィーにより、イソヘキサンないし20%EtOAc/イソヘキサンの勾配を溶出液として精製し、4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(17.2g)を澄明油として得た。NMR (CDCl3): 1.49 (9H, s), 1.75-1.95 (4H, m), 3.39-3.49 (2H, m), 3.62-3.74 (2H, m), 4.21-4.29 (1H, m), 6.85-7.01 (2H, m) and 7.26-7.34 (1H, m)。
【0169】
ii)DCM(200ml)中、4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(19g)の溶液にTFA(20ml)を外気温で添加した。RTで3時間撹拌した後、該混合物を減圧蒸発させ、DCMと2N水酸化ナトリウム溶液間に分配した。有機相を乾燥(MgSO)、減圧下蒸発させて4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン(12.77g)を澄明油として得た。
NMR (CDCl3) 1.72-1.84 (2H, m), 1.94-2.05 (2H, m), 2.33 (1H, bs), 2.71-2.82 (2H,m), 3.15-3.26 (2H, m), 4.3-4.41 (1H, m), 6.84-7 (2H, m), 7.26-7.33 (1H, m)。
【0170】
iii)DCM(150ml)中、4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン(6g)およびトリエチルアミン(3.8ml)の溶液に、RTにて塩化メタンスルホニル(2ml)を加え、発熱を認めた。RTでさらに2時間撹拌した後、混合物を水洗し、乾燥(MgSO)、減圧下蒸発させ、カラムクロマトグラフィーにより、50%EtOAc/イソヘキサンを溶出液として精製し、4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン(6.5g)を白色固体として得た。
NMR (CDCl3): 1.92-2.1 (4H, m), 3.02 (3H, s), 3.27-3.39 (2H, m), 2.02-2.11 (2H, m), 4.51-4.6 (1H, m), 6.84-6.9 (1H, m), 6.95-7.03 (1H, m), 7.29-7.33 (1H, m);
MS: 352.5/354.5。
【0171】
iv)乾燥THF(45ml)中の4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン(4.5g)溶液に、不活性気流下−20℃で10分を要してLHMDS(13.5ml)を添加した(溶液A)。同時に、乾燥THF(35ml)中DL−アルファ−ブロモカプロン酸(2.64g)の溶液に、不活性気流下−20℃でLHMDS(13.5ml)を加えた。−20℃でさらに10分間撹拌した後、これを溶液Aに加え、その混合物を2.5時間でRTに戻した。塩化アンモニウム水溶液を加え、次いで6N塩化水素水溶液を加えて混合物を酸性とした。反応混合物は水とEtOAc間に分配した。有機相を乾燥(NaSO)、減圧下蒸発させ、DCMないし3%MeOH/DCMの勾配により精製して、(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸を澄明油として得た。
NMR (CDCl3): 0.9-1.1 (6H, m), 1.4-1.51 (1H, m), 1.6-1.73 (2H, m), 1.9-2.0 (4H, m), 2.91-3.09 (2H, m), 3.31-3.55 (5H, m), 4.49-4.57 (1H, m), 6.85-6.91 (1H, m), 6.94-7.02 (1H, m), 7.28-7.32 (1H, m);
MS (M-H-): 466/464。
【0172】
v)DCM(10ml)中、(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸(320mg)および塩化オキサリル(10ml)の混合物にDMF(1滴)を加えた。混合物をRTで1時間撹拌し、減圧下に蒸発させ白色固体を得た。これをMeOH(20ml、乾燥)に溶解し、RTで18時間撹拌した。混合物を減圧下に乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより、DCMないし10%MeOH/DCMの勾配を溶出液として精製し、(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸メチル(285mg)を澄明なガムとして得た。
NMR (CDCl3): 1.9-1.98 (6H, m), 1.34-1.44 (1H, m), 1.52-1.66 (2H,m), 1.92-2.01 (4H, m), 2.87-3.07 (2H, m), 3.39-3.53 (5H, m), 3.74 (3H, s), 4.49-4.55 (1H, m), 6.82-6.89 (1H, m), 6.94-7.01 (1H, m), 7.27-7.32 (1H, m)。
【0173】
vi)ジメトキシエタン(10ml)中、(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸メチル(285mg)、3−チエニルホウ酸(230mg)、水(1ml)および炭酸水素ナトリウム(150mg)からなる混合物にアルゴンパージにより脱ガスし、Pd(PPh)(触媒)を加えた。混合物をアルゴン気流下に85℃に18時間加熱し、2N水性HClとEtOAcに分配した。有機相を乾燥(MgSO)、減圧下蒸発させ、カラムクロマトグラフィーにより、イソヘキサンないし30%EtOAc/へキサンの勾配を溶出液として精製し、(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−チエン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸メチル(196mg)を黄色ガムとして得た。
NMR (CDCl3): 0.9-1.01 (6H, m), 1.34-1.45 (1H, m), 1.5-1.66 (2H, m), 1.82-1.95 (4H, m), 2.69-2.79 (1H, m), 2.93-3.15 (3H, m), 2.99-3.13 (3H, m), 3.7 (3H, s), 4.4-4.49 (1H, m), 6.9-7 (2H, m), 7.12-7.30 (1H, m), 7.33-7.42 (2H, m), 7.5-7.57 (1H, m);
MS: 484。
【0174】
実施例31
(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミド
【化22】

【0175】
標題化合物は(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸メチル(311mg)(下記)から実施例30に記載の方法と同じ方法で調製した。(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミド(70mg)をガムとして得た。
NMR (CDCl3): 0.94 (6H, d), 1.43-1.94 (7H, m), 2.55-2.63 (1H,m), 2.82-3.03 (3H, m), 3.22-3.42 (1H, m), 3.51-3.66 (2H, m), 4.54-4.6 (1H, m), 6.89-6.91 (1H, m), 7.02-7.12 (2H, m), 7.43-7.5 (1H, m), 7.79 (1H, d), 8.56 (1H, d), 8.94 (1H,s);
MS: 480。
【0176】
出発原料の(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸エステルは以下のように調製した:
i)(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸メチル(750mg)(実施例30のパートv)に記載)から(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−チエン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸メチルについてと同様の方法で、(R/S)−2−({[4−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸エステルを調製した;ただし、3−チオフェンホウ酸の代わりに3−ピリジンホウ酸を使用し、生成物480mgを得た。
NMR (CDCl3): 0.89-0.96 (6H, m), 1.34-2.02 (1H, m), 1.48-1.63 (2H, m), 1.73-2.33 (4H, m), 2.67-2.75 (1H, m), 2.91-3.03 (3H, m), 3.15-3.28 (3H, m), 3.67 (3H, s), 4.35-4.22 (1H, m), 6.93-7.09 (3H, m), 7.33-7.40 (1H, m), 7.80-7.86 (1H, m), 8.59 (1H, dd), 8.78-8.79 (1H, m)。
MS: 479。
【0177】
実施例33
(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミド
【化23】

【0178】
(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−4−メチルペンタン酸(140mg)(実施例30に記載)のDCM(3ml)溶液に、塩化オキサリル(5ml)およびDMF(1滴)を加えた。この混合物をRTで1.5時間撹拌し、次いで、減圧下に溶媒を蒸発除去し、DCM(5ml)に再溶解し、50%ヒドロキシルアミン/水(0.5ml)およびTHF(3ml)を加えた。混合物をRTで一夜撹拌した後、塩化アンモニウムとEtOAcに分配した。有機相を乾燥し、減圧下に蒸発させ、カラムクロマトグラフィーにより、DCMないし3%MeOH/DCMの勾配を溶出液として精製し、(R/S)−2−({[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}メチル)−N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミド(28mg)を澄明ガムとして得た。
NMR (CDCl3): 0.89-1.01 (6H, m), 1.23-2.07 (7H, m), 2.70-2,96 (2H, m), 3.34-3.51 (5H, m), 4.48-4.57 (1H, m), 6.83-7.03 (2H, m), 7.25-7.36 2H, m);
MS (M-H-) 497/481。
【0179】
実施例34
(R/S)−3−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−2−シクロペンチル−N−ヒドロキシプロパンアミド
【化24】

【0180】
標題化合物は(R/S)−3−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−2−シクロペンチルプロパン酸(下記)から実施例33に記載の方法で調製した。(R/S)−3−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−2−シクロペンチル−N−ヒドロキシプロパンアミド(107mg)を白色泡状物として得た。
NMR: 1.08-1.99 (13H, m), 2.31 (1H, t), 2.98 (1H, d), 3.09-3.52 (5H, m), 4.55-4.64 (1H, m), 7.14-7.25 (2H, m), 7.50-7.57 (1H, m), 10.525 (1H, bs);
MS (M-H-): 493。
【0181】
出発原料の(R/S)−3−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−2−シクロペンチルプロパン酸は、下記のように調製した:
i)金属ナトリウム(2.88g)を少量ずつ無水エタノール(220ml)にRTでアルゴン気流下撹拌しながら加えた。完全な溶液が得られたところで、マロン酸ジエチル(20g)と臭化シクロペンチル(18.64g)の混合物を加え、その混合物を2時間撹拌還流し、冷却して、過剰の溶媒を減圧除去する。残渣を水(150ml)とEtO(3×200ml)間に分配し、有機層を併合し、乾燥(硫酸ナトリウム)、減圧濃縮し、シリカ100gのボンドエリュート上、5〜35%EtOAc/イソヘキサン勾配(50分間)を溶出液として精製し、シクロペンチルマロン酸ジエチル(18.34g)を無色油として得た。
NMR: δ 1.1 (m, 9H), 1.5 (m, 4H), 1.7 (m, 2H), 2.3 (m, 1H), 4.1 (q, 4H)。
【0182】
ii)シクロペンチルマロン酸ジエチル(18.33g)、THF(300ml)およびMeOH(300ml)からなる撹拌溶液に、3M水酸化ナトリウム水溶液(200ml)を加えた。一夜撹拌を続け、次いで有機溶媒を減圧下除去した。得られる水溶液を塩で飽和し、濃塩酸で酸性とし、酢酸エチルに3回分配した。併合した有機抽出物を乾燥(MgSO)し、減圧下に濃縮し、トルエンと1回共沸させ、シクロペンチルマロン酸(12.7g)を灰白色の固体として得た。
NMR: δ 1.2 (m, 2H), 1.5 (m, 4H), 1.7 (m, 2H), 2.25 (m, 1H), 3.0 (d, 1H), 12.5 (s, 2H);
MS: 171.18 (ES-)。
【0183】
iii)シクロペンチルマロン酸(12.69g)、水(55ml)および酢酸(9ml)からなる撹拌溶液に、RTでモルホリン(7.08ml)を加えた。20分後に、37%水性ホルムアミド(3.33g)を加え、一夜撹拌を続けた。次いで、反応物を80℃に加熱し、2時間維持してからRTに冷却し、固形の炭酸水素ナトリウムにより塩基性とした。この溶液をDCM(100ml)で洗浄し、次いで2M塩酸、さらに濃塩酸で酸性とし、DCM(3×150ml)に分配した。併合した有機抽出物を水(100ml)および食塩水(100ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)、減圧下に濃縮して、2−シクロペンチル−2−プロペン酸(2.8g)を白色固体として得た。
NMR: δ 1.3(m, 2H), 1.6(m, 4H), 1.8(m, 2H), 2.85(m, 1H), 5.5(s, 1H), 6.0(s, 1H), 12.3(s, 1H);
MS 139.11 (ES-)。
【0184】
iv)臭化水素(30重量%酢酸溶液、22ml)を2−シクロペンチルプロペン酸(2.8g)に加えた。この混合物をRTで一夜撹拌し、次いで注意しながら水(130ml)に注ぎ、EtOAc(3×75ml)に分配した。併合した有機抽出物を水(50ml)および食塩水(50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)、減圧下に濃縮し、トルエンで2回共沸処理した。粗生成物を50gのシリカ・ボンドエリュート上、25〜50%EtOAc/イソヘキサン勾配(45分)を溶出液として精製し、(R/S)−3−ブロモ−2−シクロペンチルプロピオン酸(2.51g)を淡黄色固体として得た。
NMR: δ 1.2(m, 2H), 1.6(m, 6H), 1.9(m, 1H), 2.5(m, 1H+DMSOd6), 3.6(m, 2H);
MS: 223.23(ES+), 221.15 (ES-)。
【0185】
v)(R/S)−3−ブロモ−2−シクロペンチルプロピオン酸(2.5g)をDCM(35ml)、イソブチレン(18ml)および濃硫酸(2滴)と混合し、1バールの加圧下(高圧設備)に25℃で48時間反応させた。該溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)で処理し、乾燥、減圧濃縮して(R/S)−3−ブロモ−2−シクロペンチルプロピオン酸tert−ブチル(1.2g)を淡緑色油として得た。
NMR: δ 1.3 (m, 3H), 1.4 (s, 9H), 1.6(m, 5H), 1.9 (m, 1H), 2.5(m, 1H), 3.6(m, 2H);
MS 278 (ES+)。
【0186】
vi)(R/S)−3−ブロモ−2−シクロペンチルプロピオン酸tert−ブチル(1.19g)とDMF(25ml)からなる撹拌溶液に、アルゴン気流下RTでチオ酢酸カリウム(1.23g)を加えた。この溶液を100℃に加熱して3時間維持し、次いで冷却して水(100ml)に注ぎ、EtOAc(3×150ml)に分配した。併合した有機抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、水(50ml)および食塩水(50ml)で処理し、乾燥(硫酸ナトリウム)、減圧濃縮し、20gのシリカ・ボンドエリュート上、0〜10%酢酸エチル/イソヘキサン勾配(45分)を溶出液として精製し、(R/S)−3−アセチルチオ−2−シクロペンチルプロピオン酸tert−ブチル(870mg)を淡褐色油として得た。NMR: δ 1.2(m, 3H), 1.4(s, 9H), 1.5(m, 4H), 1.8(m, 1H), 1.9(m, 1H), 2.2(m, 1H), 2.3(s, 3H), 3.0(m, 2H);
MS: 273(ES+), 271(ES-)。
【0187】
vii)(R/S)−3−アセチルチオ−2−シクロペンチルプロピオン酸tert−ブチル(860mg)を5%酢酸/水(50ml)に懸濁し、室温で撹拌した。塩素ガスを該懸濁液中に30分間吹き込んだ。次いで、塩素源を除き、反応物をさらに30分間撹拌した。この混合物をDCM(3×100ml)に分配し、併合した有機抽出物を水(50ml)と食塩水(50ml)で処理し、乾燥(硫酸マグネシウム)、減圧濃縮してトルエンで1回共沸処理し、(R/S)−3−クロロスルホニル−2−シクロペンチルプロピオン酸tert−ブチル(930mg)を淡黄色油として得た。
NMR (CDCl3): δ 1.4(m, 2H), 1.5(s ,9H), 1.7(m, 6H), 2.1(m, 1H), 2.9(m, 1H), 3.9(m, 2H);
MS 296.61(ES+)。
【0188】
viii)(R/S)−3−クロロスルホニル−2−シクロペンチルプロピオン酸tert−ブチル(486mg)をDCM中の4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン(430mg)(実施例30記載)およびトリエチルアミン(0.22ml)の混合物に外気温で加えた。外気温で18時間撹拌した後、混合物を水洗し、乾燥(相分離カートリッジ)減圧下蒸発させて、カラムクロマトグラフィーにより、イソヘキサンないし20%EtOAc/イソヘキサンを勾配として精製し、(R/S)−3−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−2−シクロペンチルプロパン酸tert−ブチル(420mg)を白色固体として得た。
NMR (CDCl3): 1.17-1.85 (17H, m), 1.94-2.05 (5H, m), 2.6-2.7 (1H, m), 2.92-3.01 (1H, m), 3.4-3.58 (5H, m), 4.49-4.56 (1H, m), 6.83-6.91 (1H, m), 6.95-7.02 (1H, m), 7.25-7.34 (1H, m)。
【0189】
ix)DCM(20ml)中、(R/S)−3−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−2−シクロペンチルプロパン酸tert−ブチル(210mg)の溶液に、TFA(20ml)を加えた。混合物を外気温で3.5時間撹拌し、溶媒を減圧蒸発させて除去し、(R/S)−3−{[4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]スルホニル}−2−シクロペンチルプロパン酸(175mg)をガムとして得た。
NMR (CDCl3): 0.78-2.10 (13H, m), 2.75-2.82 (1H, m), 3.00-3.09 (1H, m), 3.31-3.60 (5H, m), 3.7-3.95 (1H, bs), 4.49-4.56 (1H, m), 6.83-6.90 (1H, m), 6.91-7.01 (1H, m), 7.27-7.33 (1H, m)。
【0190】
実施例35〜38
実施例2に示す方法に従ったが、ただし、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノールの代わりに適切なアリールアルコール誘導体を使用し、下記表記載の生成物を得た。
【表9】

【0191】
実施例39
(R/S)−1−[({4−[2−シアノフェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド
【化25】

【0192】
実施例2に示す方法に従ったが、ただし、4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの代わりに、4−(2−シアノフェニルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを用いて、(R/S)−1−[({4−[2−シアノフェノキシ]ピペリジン−1−イル}スルホニル)メチル]−4−ピリミジン−2−イルブチル(ヒドロキシ)ホルムアミド(0.61g)をクリーム固体として得た。
NMR (CDCl3): 1.4-1.9 (8H, m), 2.7-2.9 (3H, m), 3.0-3.4 (5H, m), 4.0 (1H, m)*, 4.5 (1H, m), 4.7 (1H, m)*, 6.8 (2H, m), 7.0 (1H, m), 7.3 (2H, m), 7.8 (1H, s)*, 8.2 (1H, s)*, 8.4 (2H, m)。
MS: 474。
=回転異性体シグナル。
【0193】
出発原料の4−(2−シアノフェニルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルは以下のように調製した:
i)アルゴン気流下、DMF(100ml)中の水素化ナトリウム(1.32g、33mmol)撹拌溶液に、4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(5.5g、27.5mmol)を加え、次いで2−フルオロベンゼンニトリル(3ml、27.5mmol)を加えた。15時間後、この混合物を濃縮し、酢酸エチルを加えた。混合物を洗浄(水および食塩水)し、乾燥(MgSO)、濃縮して4−(2−シアノフェニルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(8g、26.5mmol)を粗製物として得た。
MS : 203(MH+, Boc)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

ただし、式中、
Zは−CONR15OHおよび−N(OH)CHOから選択される;
15は水素またはC1−3アルキルである;
は水素またはC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリールおよびヘテロアリールから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキル(1個以上のR17が任意に置換)、アリール(1個以上のR17が任意に置換)、ヘテロアリール(1個以上のR17が任意に置換)、ヘテロシクリル、C1−4アルコキシカルボニル、−OR、−SR、−SOR、−SO、−COR、−CO、−CONR、−NR16COR、−SONRおよび−NR16SOから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
16は水素またはC1−3アルキルである;
17はハロ、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルおよびC1−6アルコキシから選択される;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−4アルキルおよびヘテロアリールC1−4アルキルから選択される基である;ただし、該基には1個以上のハロが任意に置換している;
は水素またはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−4アルキルおよびヘテロアリールC1−4アルキルから選択される基である;ただし、該基には1個以上のハロが任意に置換している;
は水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルである;
またはRおよびRはそれらが結合する窒素と一緒になってヘテロ環状4員ないし7員環を形成する;
は水素またはC1−6アルキル、C3−7シクロアルキルおよびC5−7シクロアルケニルから選択される基である;ただし、該基にはハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC1−4アルキルから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
およびRは共に水素である;
nは0または1である;
mは0または1である;
Dは水素、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキルまたはフルオロである;
XはO、S、SOまたはSOである;
Bは単環式アリールまたはヘテロアリールであり、その場合それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロ、C1−4アルキル(R13が任意に置換)、C2−4アルケニル(R13が任意に置換)、C2−4アルキニル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルキル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルケニル(R13が任意に置換)、フェニル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ヘテロアリール(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、ヘテロシクリル(ハロまたはC1−4アルキルが任意に置換)、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキルチオ、−SOR13、−SO13、−SONHR13、−SONR1314、−NHSO13、−NR13SO14、−NHCONHR13、−NHCONHR1314、−OR13、シアノ、−CONR1314、−NHCOR13、−CO13および−CHCO13から独立して選択される1個以上の基が置換している;
またはBは二環式アリールまたはヘテロアリールであり、その場合それぞれには、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロ、C1−4アルキル(R13が任意に置換)、C2−4アルケニル(R13が任意に置換)、C2−4アルキニル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルキル(R13が任意に置換)、C3−6シクロアルケニル(R13が任意に置換)、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキルチオ、−SOR13、−SO13、−SONHR13、−SONR1314、−NHSO13、−NR13SO14、−NHCONHR13、−NHCONHR1314、−OR13、シアノ、−CONR1314および−NHCOR13から独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している;
13およびR14は独立して水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルである;
またはR13およびR14はそれらが結合する窒素と一緒になってヘテロ環状4員ないし7員環を形成する;
で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項2】
Bがフェニルまたはピリジルであり、その場合それぞれにはオルト位に、また任意にさらなる位置に、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ニトロ、アリール、へテロアリール、へテロシクリル、N−(C1−4アルキル)カルバモイルおよびN,N−(C1−4アルキル)カルバモイルから独立して選択される1個以上の基が置換しているか;またはBがナフチル、キノリニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2−d]ピリミジニルであり、それぞれが任意にハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびニトロから独立して選択される1個以上の基が置換している請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、へテロアリール、およびアリールもしくはヘテロアリールが置換したC1−6アルキルであり、その場合のRがハロ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルおよびC3−6シクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基が任意に置換している請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
XがOである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
薬物として使用する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
1種以上のメタロプロティナーゼ酵素が介在する病的症状の処置に使用する薬物の製造における請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項7】
TNFαが介在する病的症状の処置に使用する薬物の製造における請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物および医薬的に許容し得る賦形剤または担体を含有してなる医薬組成物。
【請求項9】
ヒトなどの温血動物における自己免疫疾患、アレルギー/アトピー性疾患、移植拒絶反応、移植片対宿主病、心血管系疾患、再灌流傷害および悪性腫瘍の処置方法であって、かかる処置を必要とする当該動物に請求項1記載の化合物の有効量を投与することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の式(1)で示される化合物の製造法であって、Zが−N(OH)CHOである場合に、
a)式(2)で示されるヒドロキシルアミンを式(1)で示される化合物に変換する工程:
【化2】

または、Zが−CONR15OHである場合に、
b)式(14)で示される酸を式(1)で示される化合物に変換する工程:
【化3】

からなり、さらに要すれば:
i)式(1)で示される化合物を他の式(1)で示される化合物に変換する工程;
ii)保護基を除去する工程;
iii)医薬的に許容し得る塩またはインビボで水解可能なエステルを形成する工程;
を含んでなることを特徴とする製造法。

【公表番号】特表2006−501192(P2006−501192A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−520835(P2004−520835)
【出願日】平成15年7月9日(2003.7.9)
【国際出願番号】PCT/GB2003/002982
【国際公開番号】WO2004/006926
【国際公開日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】