マルチモダリティ動画像診断装置
【課題】複数の診断装置で撮影される動画像を心電図波形などの同期信号に同期させて同時に表示画面上で参照しながら読影することが可能なシステムを提供する。
【解決手段】異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、画像診断装置にデータを入力する入力手段と、繰り返し画像および連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、繰り返し画像および連続画像を含む画像を表示する表示手段と、連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、繰り返し画像のフレームレートを同期信号に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段と、を有し、表示装置に前記繰り返し画像と連続画像と同期させながら同時に表示することを特徴とする。
【解決手段】異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、画像診断装置にデータを入力する入力手段と、繰り返し画像および連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、繰り返し画像および連続画像を含む画像を表示する表示手段と、連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、繰り返し画像のフレームレートを同期信号に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段と、を有し、表示装置に前記繰り返し画像と連続画像と同期させながら同時に表示することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断装置に係り、例えば、異なる画像診断装置により取得された複数の互いに同期させた画像データ情報を同時に表示させ、該表示画面を参照しながら診断を可能とするマルチモダリティ動画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種画像診断装置(モダリティ)、例えば、CT(Computed Tomography)装置やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、さらにはUS(超音波診断)装置による生体内の形態画像の取得技術が進歩し、リアルタイムに2次元画像は言うに及ばず、3次元(3D)画像の撮影、収集が可能となっている。さらに、ネットワークの高速化やストレージの大容量化に伴い、長時間の動画を記録し、またそれらを読影に利用できるようになって来ている。
【0003】
一方、一つの画像診断装置から得られる情報には限界があり、複数の画像診断装置から得られた情報を同時に参照しながら診断を行うニーズも強くなってきている。
【0004】
超音波診断装置によれば、生体内の形態観察の他に、例えば、血流量あるいは血流速度などの時間変化等の、他の画像診断装置では取得困難な生体機能の情報を、簡単な操作でリアルタイムに得られる。
【0005】
反面、現状の超音波診断装置では、広範囲で空間分解能と時間分解能が十分高い画質の画像を得ることは困難である。そこで、視野角度を小さくして観察領域を絞り、空間分解能と時間分解能の高い小領域の画像を収集する撮影条件の設定が必要となる。
【0006】
他方、他の画像診断装置、例えば、CT装置によれば被検者の生体内の広範囲にわたる画像データを得ることができる。しかし、CT装置の画像データからは臓器の形態や位置に関する情報しか得られない。
【0007】
したがって、医師は、複数の診断装置で得られた画像データを並べて、それぞれの形態を見比べて観察しなければならない。しかも、時系列で変化する動画像データを観察しなければならない。
【0008】
そこで、一つの診断装置で撮影された画像を参照画像として、他の診断装置で撮影された画像と同期を取ることが求められている。
【0009】
動画像間の同期を取る手法として、一つの画像診断装置、たとえば超音波診断装置で以前に撮影された画像と、現在撮影している画像との同期を取り、両画像の比較を容易にする工夫が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−61961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、種々の画像診断装置で得られた画像データを確認しながら診断を行うニーズも強くなってきている。しかも、それらの画像データは、動画である。これらの動画は、画像診断装置によって形態が様々である。例えば、US装置により撮影された画像は、連続画像であり、フレームレートが種々存在する。あるいは、心電図同期心筋SPECT装置やCT装置で撮影された画像は、繰り返し画像であって、心拍や呼吸などに同期した1周期分の動画であり、これもフレームレートはまちまちである。
【0012】
ところで、診断に用いる画像データは、同時期に種々の画像診断装置で撮影された画像の場合や、手術の前後などに撮影され、その撮影間隔が非常に開いている画像の場合などがある。
【0013】
これらの画像データは、画像診断装置ごとにフレームレートが異なり、また同じ画像診断装置でも撮影方法や撮影時期が異なるのでフレームレートがまちまちとなってしまう。
【0014】
医師などは、フレームレートがまちまちな画像を比較して読影する必要があるが、得られる情報が増加しても、読影にかけられる時間は増えることはないのが現状である。
【0015】
現状では、フレームレートが異なる種々の画像診断装置で得られた画像と同期を取って比較することが困難である。
【0016】
そこで、本発明の目的は、複数の画像診断装置で撮影される動画像を心電図波形などの同期信号に同期させて同時に表示画面上で参照しながら読影することが可能なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本願発明になる画像診断装置の主たるものは、異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、画像診断装置にデータを入力する入力手段と、繰り返し画像および連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、繰り返し画像および連続画像を含む画像を表示する表示手段と、連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、繰り返し画像のフレームレートを同期信号に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段と、を有し、表示装置に前記繰り返し画像と連続画像と同期させながら同時に表示することを特徴とする。
【0018】
または、異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、画像診断装置にデータを入力する入力手段と、繰り返し画像および連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、繰り返し画像および連続画像を含む画像を表示する表示手段と、繰り返し画像から同期に必要な情報を抽出する情報抽出手段と、繰り返し画像のフレームレートを該抽出した情報に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段とを有し、表示装置に繰り返し画像と連続画像とを同期させながら同時に表示することを特徴とする。
【0019】
または、連続画像を含む画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、画像診断装置にデータを入力する入力手段と、連続画像を含む画像を表示する表示手段と、連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、同期信号に同期した連続画像の特定時相において撮影された静止画を含むデータを記憶する記憶手段と、を有し、特定時相に同期させながら静止画を表示手段に表示することを特徴とする。
【0020】
すなわち、
1)心電図のような同期信号を用いる場合であって、連続画像の心電図に同期させて、繰り返し画像を何度も繰り返しながら同時に表示させる。
【0021】
また、最もフレームレートの高い、すなわち1心拍当りのフレーム数が多い画像に合わせて他の画像を補間して表示する。このような構成により、一般的な画像と異なり、情報の欠落防止を図ることができる。
【0022】
また、心拍数の変化に応じて、補間して生成する画像数を自動的に変更して、変化に追随させることができる。
2)心電図のような同期信号がない場合であって、画像上から同期に必要な情報を自動的に抽出する。例えば、注目領域の面積や体積の周期的変化、あるいは、画像全体の周期的な濃度変化、あるいはドップラ信号の周期的変化を用いる。これらを同期信号の代わりに利用することができる。
3)同期信号上に予め設定されたタイミングで静止画像を自動的に作成する。このような構成により、撮影間隔が開いているために心拍数などが大きく異なる画像間での比較を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、フレームレートの異なる種々の画像データを同期させて、画像同士を比較することが可能となる。これにより、読影時間の短縮が可能となり、さらに見落としの防止に繋げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した画面表示の一例を示す図。
【図2A】心電図波形に対応したSPECT繰り返し画像の撮影間隔を示す図。
【図2B】心電図波形に対応したCT繰り返し画像の撮影間隔を示す図。
【図2C】心電図波形に対応したUS連続画像の撮影間隔を示す図。
【図3】1心拍間における各種撮影画像の撮影間隔をUS画像の撮影間隔に同期させる処理手順を示すフローチャート。
【図4】実施例1で示す繰り返し画像とUS画像のそれぞれの撮影間隔を示す図。
【図5】図4で示す連続画像(US撮影間隔)の心電図を基準として繰り返し画像を同期させた場合のタイミングを示す図。
【図6】実施例1で示す繰り返し画像とUS画像のそれぞれの撮影間隔を示す図。
【図7】図6で示す連続画像(US撮影間隔)の心電図を基準として繰り返し画像を同期させた場合のタイミングを示す図。
【図8】実施例1で示すハイレートを有する繰り返し画像とUS画像のそれぞれの撮影間隔を示す図。
【図9】図8で示す連続画像(US撮影間隔)の心電図を基準として繰り返し画像を同期させた場合のタイミングを示す図。
【図10】実施例1で示すハイレートを有する繰り返し画像とUS画像のそれぞれの撮影間隔を示す図。
【図11】図10で示す繰り返し画像(CT撮影間隔)を基準として繰り返し画像を同期させた場合のタイミングを示す図。
【図12】本発明の画像診断装置の概略構成を示す図。
【図13】繰り返し画像のデータ構造を示す図。
【図14】繰り返し画像のフレームごとのデータ構造を示す図。
【図15】連続画像のデータ構造を示す図。
【図16】連続画像のフレームごとのデータ構造を示す図。
【図17】実施例2で示す同期に必要な情報を抽出する一例を示す図。
【図18】実施例2で示す同期に必要な情報を抽出する別の一例を示す図。
【図19】実施例2で示す同期に必要な情報を抽出する別の一例を示す図。
【図20】心電図波形の特定時相の説明図。
【図21】実施例2で示す同期に必要な情報を抽出する別の一例を示す図。
【図22】事前設定された心拍タイミングでの静止画像の自動抽出の例を示す図(心拍が進むごとに表示が更新される場合)。
【図23】事前設定された心拍タイミングでの静止画像の自動抽出の例を示す図(異なる時期に撮影された画像の比較)。
【図24】実施例3で示す繰り返し画像の同期手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を用いて実施例を詳述する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明を適用した場合の画像表示画面の例を示す図である。表示画面1には、各種画像診断装置にて撮影した画像が表示されている。すなわち、上段にはSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置を用いて撮影した画像(各種SPECT画像2a〜2c)が表示され、中段にはCT(Computed Tomography)により撮影した画像(3D像13aやスライス像14a)が表示され、さらに下段にはUS(超音波)診断装置にて撮影した画像(Bモードやドプラ)13および現在検査中の検査技師または医師、被検者およびプローブの位置などの検査中動画12が表示されている。
【0027】
なお、各画像の左側には、上記のそれぞれの画像に対応して同期がとれた心電図の波形3、5、6が表示されている。それぞれの波形は、表示タイミングを微徴する調節手段4で調整が可能である。又、下段には連続した心電図波形7の表示がされる。
【0028】
さらに、表示画面1の右下には、検査技師または医師がデータ入力できる入力部が設けられていて、例えば、「画像選択」11、「同期方法選択」10、「静止画像自動生成」9を適宜選択することが可能である。
【0029】
「画像選択」11では、患者の指定や検査日に対応する患者の画像データの選択と、どのモダリティ(CT装置やSPECT装置など)画像と同期を採るかを選択することができ、また「同期方法選択」10ではどのような方法(心電図や画像上からなど)で同期を採るかを選択することができ、「静止画自動生成」9を選択すると、一定のタイミング(例えば、心臓が拡張した時)の静止画像を生成させることもできる。
【0030】
なお、表示される画像診断装置は、SPECT装置とCT装置とUS装置の場合を示したが、その他のモダリティ、例えば、MRI装置などを用いたシステムにも適用でき、画面表示にも当然、MRI装置で撮影した画像を表示することができる。
【0031】
以下に、複数のモダリティ画像を同期させて表示画面1に表示する処理手順を説明する。
≪心電図波形を利用できる場合≫
図2Aから図2Cまでの図は、本発明で対象とする画像診断装置の取得画像の一例を示している。
先ず、図2Aで示す上側の波形は、心電図波形を示している。下側には、心電図波形のR波ピークに同期してSPECT画像を順次撮影する撮影間隔(フレームレート)が示されている。SPECT画像は心電図に同期して取得される。すなわち、心電図に同期した1心拍内におけるSPECT撮影間隔を示しており、この場合は撮影間隔が等間隔で、1心拍内に16画像を撮影する場合を示している。この画像は、心臓の周期ごとに特定時相の1又は複数のフレームを繰り返して表示する繰り返し画像である。
【0032】
次に、図2Bの上側の波形は、心電図波形を示している。下側には、心電図波形のR波ピークに同期してCT画像を順次撮影する撮影間隔(フレームレート)が示されている。CT画像は心電図に同期して取得される。すなわち、心電図に同期した1心拍内におけるCT撮影間隔を示しており、この場合は撮影間隔が等間隔で、1心拍内に12画像を撮影する場合を示している。この画像も、SPECT画像と同様に、同じ撮影間隔で繰り返される繰り返し画像である。
【0033】
さらに、図2Cの上側の波形は、心電図波形を示していて、この例では2心拍までが示されている。下側には、US撮影間隔(フレームレート)を示している。
【0034】
図に示すように、心拍数は一定ではなく、最初の1心拍と次の1心拍とでは変化している。本図では、初めの心拍数が約75回の場合で、それに続く心拍数は、90回の場合を示している。
【0035】
US画像は、動画像として収集した一連の画像データであり、連続画像である。この連続画像は、1秒当たり30フレームで撮影される。各心拍数に対応して、US画像のフレームレートは、心拍数が約75回の場合が24フレームで、心拍数が約90回の場合は20フレームとなっている。従って、最初の1心拍目では、US画像は、約0.8秒間で24フレームが撮影され、次の1心拍では、約0.66秒間に20フレームが撮影される。
【0036】
図3は、図2Cで示す連続画像に同期した心電図波形と図2A、図2Bで示す繰り返し画像の撮影タイミングを同期させて、それぞれのモダリティで撮影された画像を同時に同一画面に表示する手順を示すフローチャートである。
【0037】
図3のフローチャートを、図4および図5を併用して説明する。
【0038】
図4は、図2Cで示すUS画像の連続画像の最初の1心拍に対応するSPECT画像およびCT画像のそれぞれの撮影間隔(フレームレート)を一つの図に配置したものである。上段に示す心電図波形BCは、図2C中の心拍数約75回の場合に対応する。
【0039】
図4中の点線で示す枠X1の範囲内のSPECT画像、CT画像、US画像のそれぞれの撮影間隔を拡大して示したものが、図5である。
【0040】
先ず、図3に示すSTEP2において、まずiの初期設定を行う。次に、Step3では、連続画像Bと連動して同期している心電図BCから心電図波形のR波ピーク(R時)位置を検出する(図4を参照)。次に、Step4では、R時点から次のR時点までの1心拍分の連続画像であって、フレームのi番目の画像B(i)を読み込む(図5を参照)。ここで、図5では、B(i)は、フレーム番号が“2”の時を例に示している。さらに、Step5では、繰り返し画像の画像を補完して、i番目の連続画像B(i)と同じタイミングの1心拍分の連続画像AA(i)を作成する(図5を参照)。次に、Step6では、連続画像B(i)と連続画像AA(i)とをフレームを同期させながら1心拍分表示する(図5を参照)。これを所定の回数だけ繰り返して行う。
【0041】
上記Step3−6を図5で実際に当て嵌めてみると、US撮影間隔のフレーム番号、例えば、フレーム番号2に対応する時間に、新たにCT撮影間隔のフレーム番号22を設定し、同様に、SPECT撮影間隔のフレーム番号21を設定する。同様にして、各フレーム番号に対応して、31と32、41と42、・・・と新しくCT撮影間隔とSPECT撮影間隔のフレーム番号を設定していく。なお、本手順は、US撮影間隔(フレームレート)を基準(Ref1)としている。
【0042】
新しく設定されたフレーム番号に対応した画像データを既に撮影された画像データを補間して作成する。この補間方法は、種々あるが、例えば、フレーム番号22場合、フレーム番号1における画像データと、フレーム番号2における画像データを用いて算出される。
【0043】
ここで、各モダリティで既に撮影した画像は、図19で示すフレームバッファ26あるいは記憶装置27に予め記録、保管されるデータでも、またはリアルタイムに入力されるデータを用いてもよい。通常は、リアルタイムに入力されるデータは、フレームバッファに保管されている。予め記録、保管されるデータとは、手術前に既に撮影された画像データを意味する。また、リアルタイムに入力されるデータとは、例えば、術後の検査中の画像データを意味する。なお、連続画像AA(i)の画像の補間方法は、後述する。
【0044】
図6は、図2Cで示すUS画像の連続画像の次の1心拍に対応するSPECT画像およびCT画像のそれぞれの撮影間隔(フレームレート)を一つの図に配置したものである。上段に示す心電図波形BCは、図2C中の心拍数約90回の場合に対応する。
【0045】
図6中の点線で示す枠X2の範囲内のSPECT画像、CT画像、US画像のそれぞれの撮影間隔を拡大して示したものが、図7である。
【0046】
連続画像AA(i)を求める方法は、US撮影間隔(フレームレート)を基準(Ref2)としていて、図5の場合と同様である。
≪ハイレートな繰り返し画像≫
図8は、図2Cで示すUS画像の連続画像の最初の1心拍に対応するSPECT画像およびCT画像のそれぞれの撮影間隔(フレームレート)を一つの図に配置したものである。上段に示す心電図波形BCは、図2C中の心拍数約75回の場合に対応する。
【0047】
図8中の点線で示す枠X3の範囲内のSPECT画像、CT画像、US画像のそれぞれの撮影間隔を拡大して示したものが、図9である。図4と同様に心拍数が75回の時であるが、CT撮影間隔がハイレートになっている。具体的には、1心拍内のCT撮影が22フレームとなっており、図4で示す場合の12フレームに比べて、2倍近いフレームレートになっている。なお、SPECT撮影間隔やUS撮影間隔は、図4の場合と同様である。
【0048】
連続画像AA(i)を求める方法は、US撮影間隔(フレームレート)を基準(Ref3)としていて、図3のフローチャートを用いて求めることができる。なお、連続画像AA(i)の画像の補間方法は、後述する。
【0049】
図10は、図2Cで示すUS画像の連続画像の次の1心拍に対応するSPECT画像およびCT画像のそれぞれの撮影間隔(フレームレート)を一つの図に配置したものである。上段に示す心電図波形BCは、図2C中の心拍数約90回の場合に対応する。
【0050】
図10中の点線で示す枠X4の範囲内のSPECT画像、CT画像、US画像のそれぞれの撮影間隔を拡大して示したものが、図11である。
【0051】
図11では、図4と同様に心拍数が90回の時であるが、CT撮影間隔がハイレートになっている。具体的には、1心拍内のCT撮影が22フレームとなっており、図4で示す場合の12フレームに比べて、2倍近いフレームレートになっている。なお、SPECT撮影間隔やUS撮影間隔は、図4の場合と同様である。ここで、図9と異なる点は、図9では、US撮影間隔を基準としていたが、CT撮影間隔を基準(Ref4)としている点である。なお、本説明では、CT撮影間隔がハイレートな場合について行ったが、一つの繰返し画像のフレームレートを基準として、他の異なるフレームレートを有する繰返し画像と同期することもできる。
【0052】
連続画像AA(i)を求める方法は、図3のフローチャートを適宜読み替えて求めることができる。すなわち、連続画像BはCT画像、繰返し画像AはSPECT画像またはUS画像の1心拍分として処理を行い、連続画像AAはSPECT画像またはUS画像の1心拍分の画像を補完して作成する。なお、連続画像AA(i)の画像の補間方法は、後述する。
【0053】
図10、11で示すハイレートな繰り返し画像を基準にして他の画像を補間して表示する方法は、情報の欠落を防止できる効果がある。
≪画像の補間方法および表示方法≫
(1)上述した連続画像AA(i)の補間方法の一つを以下に述べる。ここで、簡単のために、i=2の場合、すなわち、AA(2)を求める場合について説明する。例えば、図5においてフレーム番号22におけるCT画像データの求め方は、フレーム番号1におけるCT画像データと、フレーム番号2におけるCT画像データを用いて算出される。
【0054】
フレーム番号1におけるCT画像に対応するボリュームデータV1は、ボクセル位置1とボクセル値1を含むデータで構成される。同様に、フレーム番号2におけるCT画像に対応するボリュームデータV2には、ボクセル位置2とボクセル値2が与えられている。
【0055】
フレーム番号1およびフレーム番号2において、既に撮影が完了している場合は、撮影された画像データは、図19に示すフレームバッファ26や記憶装置27などの記憶手段に保管されている。
【0056】
補間して求めようとする連続画像AA(2)は、この保管された2つの画像データのボクセル位置1とボクセル位置2の間に存在すると推測できるので、ボクセル位置1におけるボクセル値1とボクセル位置2におけるボクセル値2とを補間して、フレーム番号22におけるボクセル位置22とボクセル値22を求めることができる。この際、補間に用いる関数は、線形または非線形のいずれも用いることができる。
【0057】
以上の説明は、フレーム番号1とフレーム番号2との間における補間方法を述べたが、
フレーム番号2とフレーム番号3などフレーム番号nとフレーム番号n+1との間の補間にも適用できることは言うまでもない。また、CT画像の場合を例にして、説明したがSPECT画像に関しても同様の手法が適用可能である。また、フレーム番号nとフレーム番号n+1だけでなく、フレーム番号n−1の画像も利用してより高次の補間を用いることも可能である。
【0058】
次に、上記の補間方法により求めた各フレーム番号における画像の表示の方法を述べる。
ここでは、連続して時系列的に表示する場合を想定する。画像データが過去に撮影完了している既存データを用いての表示か、あるいは現在、被検体の撮影と同時に画像を表示するかにより、表示する際に処理装置におけるデータ処理が異なる。
【0059】
具体的に言えば、前回の検査画像(例えば、術前に撮影した検査画像)を用いて、CTの連続画像AA(2)を表示する場合を述べる。各フレーム番号における画像データは、既に記憶装置27などに保管されている。フレーム番号1におけるCT画像に対応するボリュームデータV1をUS画像のフレーム番号1に対応するタイミングで表示し、次に、ボリュームデータV1とボリュームデータV2とを用いて、フレーム番号22のボリュームデータV22を上記補間方法により求め、その結果をUS画像のフレーム番号2に対応するタイミングで表示する。ボリュームデータV2の画像は表示することなく、フレーム番号32のボリュームデータV32をUS画像のフレーム番号3に対応するタイミングで表示する。引き続き、同様な方法で、US画像のフレーム番号4以降を表示していく。
【0060】
一方、現在検査中の検査画像を用いて、CTの連続画像AA(2)を表示する場合を述べる。先ず、フレーム番号1におけるCT画像を撮影し、フレームバッファ26などの記憶手段に保管する。そのフレーム番号1に対応するボリュームデータV1をUS画像のフレーム番号1に対応するタイミングで表示し、次に、フレーム番号2に対応するCT画像データ(ボリュームデータV2)を取得し、そのデータをフレームバッファ26などの記憶手段に保管する。このボリュームデータV2とすでに保管されているボリュームデータV1とを用いて、上記の補間方法でボリュームデータV22を求め、その結果をUS画像のフレーム番号2に対応するタイミングで表示する。ボリュームデータV2の画像は表示することなく、同様な補間方法で求めたフレーム番号32のボリュームデータV32をUS画像のフレーム番号3に対応するタイミングで表示する。引き続き、同様な方法で、US画像のフレーム番号4以降を表示していく。
【0061】
(2)上述した連続画像AA(i)の補間方法の別な補間方法として、フレーム番号22のボリュームデータV22としてフレーム番号1のボリュームデータV1あるいはフレーム番号2のボリュームデータV2を流用することもできる。
【0062】
例えば、図9に示すように、CT撮影間隔とUS撮影間隔との差が少ない場合には、フレーム番号22におけるCT画像データの求め方は、フレーム番号2におけるCT画像データを用いて算出することもできる。この方法は、補間に要する処理時間やフレームバッファ26などの記憶容量を節約できるという効果が期待できる。
【0063】
以上の説明は、フレーム番号22の補間方法を述べたが、フレーム番号32、およびそれ以降のフレーム番号n2の補間方法に適用できることは言うまでもない。
また、CT画像の場合を例にして、説明したがSPECT画像に関しても同様の手法が適用可能である。また、ハイレートな繰返し画像の例で述べたUS画像にも適用可能である。
≪画像診断装置の構成≫
図12は、本実施例で示す画像診断装置の構成の一例を示す。本図では、診断装置としては、診断装置(1)20と、診断装置(2)21と、診断装置(3)22の3種類の診断装置から構成されている。本例では、診断装置(1)はSPECT装置を、診断装置(2)はCT装置を、診断装置(1)はUS装置を示す。
【0064】
各診断装置1−3は、処理装置24と信号の授受が出来るように電気的に接続され、処理装置24にはそれぞれ、入力装置25、表示装置23および記憶装置27が接続されている。表示装置23には、フレームバッファ26が接続され、動画を表示するときなどには、このフレームバッファ26に画像データを一時的に保管しておく。
【0065】
表示装置23には、図1で示す本願発明になる同期を取ったモダリティごとの動画像が表示される。
≪データ構造≫
図13には、撮影した画像のデータ構造の一例を示す。データベースには、撮影装置を識別するモダリティID、患者ID、撮影時刻、撮影部位、撮影方法、画像データ、心電図データ、撮影時間が記憶される。
【0066】
また、機器毎に撮影時刻の表現方法が異なる。例えば、取得開始時点を撮影時点とする機器Xや、取得開始から取得終了までの期間の中央値を撮影時点とする機器Yなどがある。そこで、機器毎にどの表現方法を用いているかを表現するために、データベースには、モダリティID毎に撮影時刻定義のデータが記憶される。
【0067】
撮影時刻定義において、取得開始時点を撮影時点とする機器と、中央値を撮影時点とする機器が混在する場合、撮影時刻の表現を補正する処理を行う。具体的には、中央値を撮影時点とする機器における撮影時刻は、撮影時刻から撮影時間Tの1/2を引いた値を用いて、中央値を撮影時点とする機器の撮影時刻を表現をあわせた上で,画像の補間や表示の処理を行う。
【0068】
図14は、繰り返し画像および連続画像のデータ構造を示す。各フレームのデータ構造を示す。
すなわち、データ構造には画像サイズ、画像データ数、および画像データが入力される。この例では、画像データのデータ数は16個である。つまり、1心拍の間に16フレームの撮影がなされる。
【0069】
図15は、心電図データのデータ構造を示す。図が示すように、サンプリングレート、総データ数および各データが入力される。総入力データ数(n)に対応させて、データ(1)からデータ(n)まで、撮影された画像データを入力していく。
【0070】
図16は、US装置の場合のデータ構造を示す。各フレームのデータ構造を示す。すなわち、データ構造には画像サイズ、画像データ数、および画像データが入力される。この例では、画像データのデータ数はN個である。
【実施例2】
【0071】
≪心電図波形を利用できない場合≫
以下に、図17−図21を用いて、図2A−2Cに示すようなUS画像に同期した心電図波形がない場合の同期方法を示す。
【0072】
図17の上段には、US装置で撮影したUS画像を示す。図の中段には、心電図波形が示されているが、これは説明のために図示したもので、本実施例の場合には、US画像に同期した心電図波形はないものとする。
図中の下段には、縦軸に心臓の左心室の大きさ(例えば、面積または体積)を取り、横軸に時間軸を取っている。左心室の大きさを時系列に撮影して取得していき、それをプロットすることで図に示すカーブが得られる。画像の取得は、必ずしも連続的に得られないので、離散的なデータの場合は、適宜線形補間のような補間方法で、図のカーブを得るものとする。
図中の下段のカーブを幾つかの特定な時相を有しているので、その時相から図の中段に示すような心電図波形の各特定時相と対応図けることが可能である。例えば、R波ピークなどである。図の下段に示すカーブから、周期性および拡張末期タイミングを求めることができる。これにより、1心拍の時間や画像撮影のトリガとできるR波ピーク(拡張末期タイミング)を特定することができる。すなわち、実施例1で述べたような心電図波形を同期信号として用いる代替手法とすることができる。
具体的には、図中○印が実際に取得された左心室の大きさを示している。例えば、1心拍あたり20フレーム撮影された場合は、1心拍あたり最大20個の測定点が得られる。実際には、画像上のノイズや撮影中の探触子の移動などの影響により、測定結果は誤差を含んでいる。このため、時間軸に沿った測定点の移動平均や1次、2次の補間処理を行う。あるいは、左心室の大きさが最大の測定点とその前後の測定点から、左心室の大きさが最大になった時点をより正確に推定し、この時点を拡張末期と設定する。これらの処理により、この誤差の影響をできるだけ防止することができる効果がある。
【0073】
図18は、拡張末期タイミングを利用した他の適用例を示す。すなわち、心臓のスライス間の濃度変化の平均(動き量)を用いることもできる。心臓の動きに応じた各ステージにおいて、スライス画像を求め、各画像の濃度の平均を求め、その平均値の変化に対応させて心電図波形に対応する位置を求める。これにより、US画像に同期した心電図波形の代わりに同期信号として用いることができる。
【0074】
図19は、拡張末期タイミングを利用したさらに他の適用例を示す。心臓を流れる血流、あるいは血流速度をドップラ信号の強度で捕らえ、そのドップラ信号の変化により、心電図波形に対応する位置を求めることが可能である。これにより、US画像に同期した心電図波形の代わりに同期信号として用いることができる。
【0075】
図20は、人の心臓から取得した心電図(ECG:Electrocardiography)波形を示す。ECGは、心房及び心室の活動から生じる振れを、時間につれて電圧の大きさ及び極性の変化として示すスカラー表現である。これらの振れは「波」と呼ばれる。ECGの1サイクルは、P波、Q波、R波、S波、T波、U波より構成される。P波からQ波までが心房の興奮を、Q波からT波までが心室の興奮を表し、T波の終末からU波までが心室の弛緩期を表す。
ECGのうち、特定の関心のある一つは、QRS間隔またはQRS波群であり、特にR波ピークである。R波ピークは、QRSトリガとも呼ばれる。
【0076】
また、心臓サイクルは、一心拍動の開始点から次の心拍動の開始点までの周期として定義される。各々の心臓サイクル中には2つの重要な時間間隔、すなわち、収縮期と拡張期がある。図20では、R波の直前に示されているのが拡張末期であり、またS波−T波間、またはT波−U波間に収縮末期が示されている。収縮末期の前者を収縮末期(1)、後者を収縮末期(2)と称することにする。拡張期の間、左心室が血流で満たされる。収縮期の間、左心室は収縮して、心臓から血液を送り出す。収縮期の間は、解剖学的に運動量が大きく、これに対して拡張期の間は運動量は少ない。診断の面からは、収縮期の解剖学的な構造に関心がもたれている。QRSトリガ(R波ピーク)は収縮期の開始を検出するのに便利な手段である。超音波スキャナー制御、画像データの取得に使用される。
【0077】
図21は、図20で示す収縮末期を利用した例を示す。上述した拡張末期タイミングと合わせて、収縮末期タイミングも用いることができる。図中では、拡張末期のタイミングは(b)で示され、収縮末期タイミングは、(c)で示されている。
【実施例3】
【0078】
図22は、表示画面1の左下には、連続する心電図波形31が図示され、その波形図の上には、さらに、1心拍分を拡大した図が示されている。この1心拍分の心電図波形32には、タイミングに応じて(1)−(3)の番号が付されており、それぞれの番号に対応したUS静止画像30が図中の右側に表示されている。図中の左は、現在より一つ前の時点(図中33の1心拍分)で撮影されたUS静止画像34が表示され、右には現在のUS静止画像30が表示されている。
【0079】
このUS静止画像30は、同期信号上で予め設定されたタイミング(本例では、上記の心電図波形(1)−(3)に対応)で撮影された画像が自動的に表示される。自動作成するプログラムは、適宜、図19で示す記憶装置27などの保存して置けばよい。また、自動表示されたUS静止画像30は、フレームバッファ26、あるいは記憶装置27に保存される。
【0080】
図23が図22と異なる点は、US静止画像30を撮影する時期が異なることである。すなわち、図中の左には、前回の検査画像が示され、右には今回の検査画像が示されている。それぞれの画像は、図中の左側に示す前回と今回の心電図波形31に対応して予め設定されたタイミング(図中では、心電図波形(1)−(3))に対応したタイミングで撮影されたUS静止画像である。前回と今回の心電図波形とは異なるのが通常である(図23の心電図波形を参照)。本例の場合、(1)のタイミングは、拡張末期に、(2)は収縮末期(1)に、(3)は収縮末期(2)にそれぞれ対応する。
【0081】
本実施例は、撮影間隔が開いているために心拍数などが大きく異なる画像間での比較を行う時に、その開いている間隔を補完することができ、比較を容易にできる効果がある。
【実施例4】
【0082】
図24は、図3と異なる連続画像に同期させた繰り返し画像の生成手順を示すフローチャートである。すなわち、繰り返し画像の再生速度を、心電図の周期性から求めて、その速度により、繰返し速度を再生していくものである。ここで、繰り返し画像が自由な速度で表示可能な機能を備える診断装置を前提としている。
【0083】
先ず、図24に示すSTEP2において、まずiの初期設定を行う。次に、連続画像Bと連動して同期している心電図BCから心電図波形のR波ピーク(R時)位置を検出する(STEP3)。次に、R時点から次のR時点までの1心拍分の連続画像であって、フレームのi番目の画像B(i)と心電図BC(i)を読み込む(STEP4)。心電図BC(i)から1心拍のR−R間の時間tを算出する(STEP5)。繰り返し画像の1心拍の経過時間をtで割り、その値を再生速度Vとする(STEP6)。繰り返し画像Aの再生速度をVに設定し、連続画像B(i)と繰り返し画像Aを同時に1心拍分表示する(STEP7)。これを所定の回数、繰り返して行う。
【0084】
本実施例の効果は、図4、5などで示した画像の補間処理を用いる必要がないことである。また、撮影間隔が空いているために心拍数などが大きく異なる画像間での比較をする場合、補間による画像のぼけや偽像の発生を防止できる効果がある。
【符号の説明】
【0085】
1…表示画面、
2a,2b,2c…SPECT画像、
3…心電図波形、
4…表示タイミング調節手段、
5…心電図波形、
6…心電図波形、
7…連続心電図波形、
8…全動画タイミング微調整部、
9…静止画自動生成指示部、
10…同期方法選択部、
11…画像選択部、
12…検査中動画、
13…US画像、
14a,14b…CT画像、
20…診断装置1(SPECT装置)、
21…診断装置2(CT装置)、
22…診断装置3(US装置)、
23…表示装置、
24…処理装置、
25…入力装置、
26…フレームバッファ、
27…記憶装置、
30…US静止画像、
31…心電図波形、
32…心電図波形(1心拍分)、
33…一つ前の時点で撮影されたUS静止画像、
A…繰り返し画像、
B…連続画像、
BC…心電図波形、
T…画像取得に要する時間、
X…取得開始時点を撮影時刻とする機器、
Y…取得中の中央の時点を撮影時刻とする機器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断装置に係り、例えば、異なる画像診断装置により取得された複数の互いに同期させた画像データ情報を同時に表示させ、該表示画面を参照しながら診断を可能とするマルチモダリティ動画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種画像診断装置(モダリティ)、例えば、CT(Computed Tomography)装置やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、さらにはUS(超音波診断)装置による生体内の形態画像の取得技術が進歩し、リアルタイムに2次元画像は言うに及ばず、3次元(3D)画像の撮影、収集が可能となっている。さらに、ネットワークの高速化やストレージの大容量化に伴い、長時間の動画を記録し、またそれらを読影に利用できるようになって来ている。
【0003】
一方、一つの画像診断装置から得られる情報には限界があり、複数の画像診断装置から得られた情報を同時に参照しながら診断を行うニーズも強くなってきている。
【0004】
超音波診断装置によれば、生体内の形態観察の他に、例えば、血流量あるいは血流速度などの時間変化等の、他の画像診断装置では取得困難な生体機能の情報を、簡単な操作でリアルタイムに得られる。
【0005】
反面、現状の超音波診断装置では、広範囲で空間分解能と時間分解能が十分高い画質の画像を得ることは困難である。そこで、視野角度を小さくして観察領域を絞り、空間分解能と時間分解能の高い小領域の画像を収集する撮影条件の設定が必要となる。
【0006】
他方、他の画像診断装置、例えば、CT装置によれば被検者の生体内の広範囲にわたる画像データを得ることができる。しかし、CT装置の画像データからは臓器の形態や位置に関する情報しか得られない。
【0007】
したがって、医師は、複数の診断装置で得られた画像データを並べて、それぞれの形態を見比べて観察しなければならない。しかも、時系列で変化する動画像データを観察しなければならない。
【0008】
そこで、一つの診断装置で撮影された画像を参照画像として、他の診断装置で撮影された画像と同期を取ることが求められている。
【0009】
動画像間の同期を取る手法として、一つの画像診断装置、たとえば超音波診断装置で以前に撮影された画像と、現在撮影している画像との同期を取り、両画像の比較を容易にする工夫が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−61961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、種々の画像診断装置で得られた画像データを確認しながら診断を行うニーズも強くなってきている。しかも、それらの画像データは、動画である。これらの動画は、画像診断装置によって形態が様々である。例えば、US装置により撮影された画像は、連続画像であり、フレームレートが種々存在する。あるいは、心電図同期心筋SPECT装置やCT装置で撮影された画像は、繰り返し画像であって、心拍や呼吸などに同期した1周期分の動画であり、これもフレームレートはまちまちである。
【0012】
ところで、診断に用いる画像データは、同時期に種々の画像診断装置で撮影された画像の場合や、手術の前後などに撮影され、その撮影間隔が非常に開いている画像の場合などがある。
【0013】
これらの画像データは、画像診断装置ごとにフレームレートが異なり、また同じ画像診断装置でも撮影方法や撮影時期が異なるのでフレームレートがまちまちとなってしまう。
【0014】
医師などは、フレームレートがまちまちな画像を比較して読影する必要があるが、得られる情報が増加しても、読影にかけられる時間は増えることはないのが現状である。
【0015】
現状では、フレームレートが異なる種々の画像診断装置で得られた画像と同期を取って比較することが困難である。
【0016】
そこで、本発明の目的は、複数の画像診断装置で撮影される動画像を心電図波形などの同期信号に同期させて同時に表示画面上で参照しながら読影することが可能なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本願発明になる画像診断装置の主たるものは、異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、画像診断装置にデータを入力する入力手段と、繰り返し画像および連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、繰り返し画像および連続画像を含む画像を表示する表示手段と、連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、繰り返し画像のフレームレートを同期信号に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段と、を有し、表示装置に前記繰り返し画像と連続画像と同期させながら同時に表示することを特徴とする。
【0018】
または、異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、画像診断装置にデータを入力する入力手段と、繰り返し画像および連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、繰り返し画像および連続画像を含む画像を表示する表示手段と、繰り返し画像から同期に必要な情報を抽出する情報抽出手段と、繰り返し画像のフレームレートを該抽出した情報に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段とを有し、表示装置に繰り返し画像と連続画像とを同期させながら同時に表示することを特徴とする。
【0019】
または、連続画像を含む画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、画像診断装置にデータを入力する入力手段と、連続画像を含む画像を表示する表示手段と、連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、同期信号に同期した連続画像の特定時相において撮影された静止画を含むデータを記憶する記憶手段と、を有し、特定時相に同期させながら静止画を表示手段に表示することを特徴とする。
【0020】
すなわち、
1)心電図のような同期信号を用いる場合であって、連続画像の心電図に同期させて、繰り返し画像を何度も繰り返しながら同時に表示させる。
【0021】
また、最もフレームレートの高い、すなわち1心拍当りのフレーム数が多い画像に合わせて他の画像を補間して表示する。このような構成により、一般的な画像と異なり、情報の欠落防止を図ることができる。
【0022】
また、心拍数の変化に応じて、補間して生成する画像数を自動的に変更して、変化に追随させることができる。
2)心電図のような同期信号がない場合であって、画像上から同期に必要な情報を自動的に抽出する。例えば、注目領域の面積や体積の周期的変化、あるいは、画像全体の周期的な濃度変化、あるいはドップラ信号の周期的変化を用いる。これらを同期信号の代わりに利用することができる。
3)同期信号上に予め設定されたタイミングで静止画像を自動的に作成する。このような構成により、撮影間隔が開いているために心拍数などが大きく異なる画像間での比較を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、フレームレートの異なる種々の画像データを同期させて、画像同士を比較することが可能となる。これにより、読影時間の短縮が可能となり、さらに見落としの防止に繋げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した画面表示の一例を示す図。
【図2A】心電図波形に対応したSPECT繰り返し画像の撮影間隔を示す図。
【図2B】心電図波形に対応したCT繰り返し画像の撮影間隔を示す図。
【図2C】心電図波形に対応したUS連続画像の撮影間隔を示す図。
【図3】1心拍間における各種撮影画像の撮影間隔をUS画像の撮影間隔に同期させる処理手順を示すフローチャート。
【図4】実施例1で示す繰り返し画像とUS画像のそれぞれの撮影間隔を示す図。
【図5】図4で示す連続画像(US撮影間隔)の心電図を基準として繰り返し画像を同期させた場合のタイミングを示す図。
【図6】実施例1で示す繰り返し画像とUS画像のそれぞれの撮影間隔を示す図。
【図7】図6で示す連続画像(US撮影間隔)の心電図を基準として繰り返し画像を同期させた場合のタイミングを示す図。
【図8】実施例1で示すハイレートを有する繰り返し画像とUS画像のそれぞれの撮影間隔を示す図。
【図9】図8で示す連続画像(US撮影間隔)の心電図を基準として繰り返し画像を同期させた場合のタイミングを示す図。
【図10】実施例1で示すハイレートを有する繰り返し画像とUS画像のそれぞれの撮影間隔を示す図。
【図11】図10で示す繰り返し画像(CT撮影間隔)を基準として繰り返し画像を同期させた場合のタイミングを示す図。
【図12】本発明の画像診断装置の概略構成を示す図。
【図13】繰り返し画像のデータ構造を示す図。
【図14】繰り返し画像のフレームごとのデータ構造を示す図。
【図15】連続画像のデータ構造を示す図。
【図16】連続画像のフレームごとのデータ構造を示す図。
【図17】実施例2で示す同期に必要な情報を抽出する一例を示す図。
【図18】実施例2で示す同期に必要な情報を抽出する別の一例を示す図。
【図19】実施例2で示す同期に必要な情報を抽出する別の一例を示す図。
【図20】心電図波形の特定時相の説明図。
【図21】実施例2で示す同期に必要な情報を抽出する別の一例を示す図。
【図22】事前設定された心拍タイミングでの静止画像の自動抽出の例を示す図(心拍が進むごとに表示が更新される場合)。
【図23】事前設定された心拍タイミングでの静止画像の自動抽出の例を示す図(異なる時期に撮影された画像の比較)。
【図24】実施例3で示す繰り返し画像の同期手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を用いて実施例を詳述する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明を適用した場合の画像表示画面の例を示す図である。表示画面1には、各種画像診断装置にて撮影した画像が表示されている。すなわち、上段にはSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置を用いて撮影した画像(各種SPECT画像2a〜2c)が表示され、中段にはCT(Computed Tomography)により撮影した画像(3D像13aやスライス像14a)が表示され、さらに下段にはUS(超音波)診断装置にて撮影した画像(Bモードやドプラ)13および現在検査中の検査技師または医師、被検者およびプローブの位置などの検査中動画12が表示されている。
【0027】
なお、各画像の左側には、上記のそれぞれの画像に対応して同期がとれた心電図の波形3、5、6が表示されている。それぞれの波形は、表示タイミングを微徴する調節手段4で調整が可能である。又、下段には連続した心電図波形7の表示がされる。
【0028】
さらに、表示画面1の右下には、検査技師または医師がデータ入力できる入力部が設けられていて、例えば、「画像選択」11、「同期方法選択」10、「静止画像自動生成」9を適宜選択することが可能である。
【0029】
「画像選択」11では、患者の指定や検査日に対応する患者の画像データの選択と、どのモダリティ(CT装置やSPECT装置など)画像と同期を採るかを選択することができ、また「同期方法選択」10ではどのような方法(心電図や画像上からなど)で同期を採るかを選択することができ、「静止画自動生成」9を選択すると、一定のタイミング(例えば、心臓が拡張した時)の静止画像を生成させることもできる。
【0030】
なお、表示される画像診断装置は、SPECT装置とCT装置とUS装置の場合を示したが、その他のモダリティ、例えば、MRI装置などを用いたシステムにも適用でき、画面表示にも当然、MRI装置で撮影した画像を表示することができる。
【0031】
以下に、複数のモダリティ画像を同期させて表示画面1に表示する処理手順を説明する。
≪心電図波形を利用できる場合≫
図2Aから図2Cまでの図は、本発明で対象とする画像診断装置の取得画像の一例を示している。
先ず、図2Aで示す上側の波形は、心電図波形を示している。下側には、心電図波形のR波ピークに同期してSPECT画像を順次撮影する撮影間隔(フレームレート)が示されている。SPECT画像は心電図に同期して取得される。すなわち、心電図に同期した1心拍内におけるSPECT撮影間隔を示しており、この場合は撮影間隔が等間隔で、1心拍内に16画像を撮影する場合を示している。この画像は、心臓の周期ごとに特定時相の1又は複数のフレームを繰り返して表示する繰り返し画像である。
【0032】
次に、図2Bの上側の波形は、心電図波形を示している。下側には、心電図波形のR波ピークに同期してCT画像を順次撮影する撮影間隔(フレームレート)が示されている。CT画像は心電図に同期して取得される。すなわち、心電図に同期した1心拍内におけるCT撮影間隔を示しており、この場合は撮影間隔が等間隔で、1心拍内に12画像を撮影する場合を示している。この画像も、SPECT画像と同様に、同じ撮影間隔で繰り返される繰り返し画像である。
【0033】
さらに、図2Cの上側の波形は、心電図波形を示していて、この例では2心拍までが示されている。下側には、US撮影間隔(フレームレート)を示している。
【0034】
図に示すように、心拍数は一定ではなく、最初の1心拍と次の1心拍とでは変化している。本図では、初めの心拍数が約75回の場合で、それに続く心拍数は、90回の場合を示している。
【0035】
US画像は、動画像として収集した一連の画像データであり、連続画像である。この連続画像は、1秒当たり30フレームで撮影される。各心拍数に対応して、US画像のフレームレートは、心拍数が約75回の場合が24フレームで、心拍数が約90回の場合は20フレームとなっている。従って、最初の1心拍目では、US画像は、約0.8秒間で24フレームが撮影され、次の1心拍では、約0.66秒間に20フレームが撮影される。
【0036】
図3は、図2Cで示す連続画像に同期した心電図波形と図2A、図2Bで示す繰り返し画像の撮影タイミングを同期させて、それぞれのモダリティで撮影された画像を同時に同一画面に表示する手順を示すフローチャートである。
【0037】
図3のフローチャートを、図4および図5を併用して説明する。
【0038】
図4は、図2Cで示すUS画像の連続画像の最初の1心拍に対応するSPECT画像およびCT画像のそれぞれの撮影間隔(フレームレート)を一つの図に配置したものである。上段に示す心電図波形BCは、図2C中の心拍数約75回の場合に対応する。
【0039】
図4中の点線で示す枠X1の範囲内のSPECT画像、CT画像、US画像のそれぞれの撮影間隔を拡大して示したものが、図5である。
【0040】
先ず、図3に示すSTEP2において、まずiの初期設定を行う。次に、Step3では、連続画像Bと連動して同期している心電図BCから心電図波形のR波ピーク(R時)位置を検出する(図4を参照)。次に、Step4では、R時点から次のR時点までの1心拍分の連続画像であって、フレームのi番目の画像B(i)を読み込む(図5を参照)。ここで、図5では、B(i)は、フレーム番号が“2”の時を例に示している。さらに、Step5では、繰り返し画像の画像を補完して、i番目の連続画像B(i)と同じタイミングの1心拍分の連続画像AA(i)を作成する(図5を参照)。次に、Step6では、連続画像B(i)と連続画像AA(i)とをフレームを同期させながら1心拍分表示する(図5を参照)。これを所定の回数だけ繰り返して行う。
【0041】
上記Step3−6を図5で実際に当て嵌めてみると、US撮影間隔のフレーム番号、例えば、フレーム番号2に対応する時間に、新たにCT撮影間隔のフレーム番号22を設定し、同様に、SPECT撮影間隔のフレーム番号21を設定する。同様にして、各フレーム番号に対応して、31と32、41と42、・・・と新しくCT撮影間隔とSPECT撮影間隔のフレーム番号を設定していく。なお、本手順は、US撮影間隔(フレームレート)を基準(Ref1)としている。
【0042】
新しく設定されたフレーム番号に対応した画像データを既に撮影された画像データを補間して作成する。この補間方法は、種々あるが、例えば、フレーム番号22場合、フレーム番号1における画像データと、フレーム番号2における画像データを用いて算出される。
【0043】
ここで、各モダリティで既に撮影した画像は、図19で示すフレームバッファ26あるいは記憶装置27に予め記録、保管されるデータでも、またはリアルタイムに入力されるデータを用いてもよい。通常は、リアルタイムに入力されるデータは、フレームバッファに保管されている。予め記録、保管されるデータとは、手術前に既に撮影された画像データを意味する。また、リアルタイムに入力されるデータとは、例えば、術後の検査中の画像データを意味する。なお、連続画像AA(i)の画像の補間方法は、後述する。
【0044】
図6は、図2Cで示すUS画像の連続画像の次の1心拍に対応するSPECT画像およびCT画像のそれぞれの撮影間隔(フレームレート)を一つの図に配置したものである。上段に示す心電図波形BCは、図2C中の心拍数約90回の場合に対応する。
【0045】
図6中の点線で示す枠X2の範囲内のSPECT画像、CT画像、US画像のそれぞれの撮影間隔を拡大して示したものが、図7である。
【0046】
連続画像AA(i)を求める方法は、US撮影間隔(フレームレート)を基準(Ref2)としていて、図5の場合と同様である。
≪ハイレートな繰り返し画像≫
図8は、図2Cで示すUS画像の連続画像の最初の1心拍に対応するSPECT画像およびCT画像のそれぞれの撮影間隔(フレームレート)を一つの図に配置したものである。上段に示す心電図波形BCは、図2C中の心拍数約75回の場合に対応する。
【0047】
図8中の点線で示す枠X3の範囲内のSPECT画像、CT画像、US画像のそれぞれの撮影間隔を拡大して示したものが、図9である。図4と同様に心拍数が75回の時であるが、CT撮影間隔がハイレートになっている。具体的には、1心拍内のCT撮影が22フレームとなっており、図4で示す場合の12フレームに比べて、2倍近いフレームレートになっている。なお、SPECT撮影間隔やUS撮影間隔は、図4の場合と同様である。
【0048】
連続画像AA(i)を求める方法は、US撮影間隔(フレームレート)を基準(Ref3)としていて、図3のフローチャートを用いて求めることができる。なお、連続画像AA(i)の画像の補間方法は、後述する。
【0049】
図10は、図2Cで示すUS画像の連続画像の次の1心拍に対応するSPECT画像およびCT画像のそれぞれの撮影間隔(フレームレート)を一つの図に配置したものである。上段に示す心電図波形BCは、図2C中の心拍数約90回の場合に対応する。
【0050】
図10中の点線で示す枠X4の範囲内のSPECT画像、CT画像、US画像のそれぞれの撮影間隔を拡大して示したものが、図11である。
【0051】
図11では、図4と同様に心拍数が90回の時であるが、CT撮影間隔がハイレートになっている。具体的には、1心拍内のCT撮影が22フレームとなっており、図4で示す場合の12フレームに比べて、2倍近いフレームレートになっている。なお、SPECT撮影間隔やUS撮影間隔は、図4の場合と同様である。ここで、図9と異なる点は、図9では、US撮影間隔を基準としていたが、CT撮影間隔を基準(Ref4)としている点である。なお、本説明では、CT撮影間隔がハイレートな場合について行ったが、一つの繰返し画像のフレームレートを基準として、他の異なるフレームレートを有する繰返し画像と同期することもできる。
【0052】
連続画像AA(i)を求める方法は、図3のフローチャートを適宜読み替えて求めることができる。すなわち、連続画像BはCT画像、繰返し画像AはSPECT画像またはUS画像の1心拍分として処理を行い、連続画像AAはSPECT画像またはUS画像の1心拍分の画像を補完して作成する。なお、連続画像AA(i)の画像の補間方法は、後述する。
【0053】
図10、11で示すハイレートな繰り返し画像を基準にして他の画像を補間して表示する方法は、情報の欠落を防止できる効果がある。
≪画像の補間方法および表示方法≫
(1)上述した連続画像AA(i)の補間方法の一つを以下に述べる。ここで、簡単のために、i=2の場合、すなわち、AA(2)を求める場合について説明する。例えば、図5においてフレーム番号22におけるCT画像データの求め方は、フレーム番号1におけるCT画像データと、フレーム番号2におけるCT画像データを用いて算出される。
【0054】
フレーム番号1におけるCT画像に対応するボリュームデータV1は、ボクセル位置1とボクセル値1を含むデータで構成される。同様に、フレーム番号2におけるCT画像に対応するボリュームデータV2には、ボクセル位置2とボクセル値2が与えられている。
【0055】
フレーム番号1およびフレーム番号2において、既に撮影が完了している場合は、撮影された画像データは、図19に示すフレームバッファ26や記憶装置27などの記憶手段に保管されている。
【0056】
補間して求めようとする連続画像AA(2)は、この保管された2つの画像データのボクセル位置1とボクセル位置2の間に存在すると推測できるので、ボクセル位置1におけるボクセル値1とボクセル位置2におけるボクセル値2とを補間して、フレーム番号22におけるボクセル位置22とボクセル値22を求めることができる。この際、補間に用いる関数は、線形または非線形のいずれも用いることができる。
【0057】
以上の説明は、フレーム番号1とフレーム番号2との間における補間方法を述べたが、
フレーム番号2とフレーム番号3などフレーム番号nとフレーム番号n+1との間の補間にも適用できることは言うまでもない。また、CT画像の場合を例にして、説明したがSPECT画像に関しても同様の手法が適用可能である。また、フレーム番号nとフレーム番号n+1だけでなく、フレーム番号n−1の画像も利用してより高次の補間を用いることも可能である。
【0058】
次に、上記の補間方法により求めた各フレーム番号における画像の表示の方法を述べる。
ここでは、連続して時系列的に表示する場合を想定する。画像データが過去に撮影完了している既存データを用いての表示か、あるいは現在、被検体の撮影と同時に画像を表示するかにより、表示する際に処理装置におけるデータ処理が異なる。
【0059】
具体的に言えば、前回の検査画像(例えば、術前に撮影した検査画像)を用いて、CTの連続画像AA(2)を表示する場合を述べる。各フレーム番号における画像データは、既に記憶装置27などに保管されている。フレーム番号1におけるCT画像に対応するボリュームデータV1をUS画像のフレーム番号1に対応するタイミングで表示し、次に、ボリュームデータV1とボリュームデータV2とを用いて、フレーム番号22のボリュームデータV22を上記補間方法により求め、その結果をUS画像のフレーム番号2に対応するタイミングで表示する。ボリュームデータV2の画像は表示することなく、フレーム番号32のボリュームデータV32をUS画像のフレーム番号3に対応するタイミングで表示する。引き続き、同様な方法で、US画像のフレーム番号4以降を表示していく。
【0060】
一方、現在検査中の検査画像を用いて、CTの連続画像AA(2)を表示する場合を述べる。先ず、フレーム番号1におけるCT画像を撮影し、フレームバッファ26などの記憶手段に保管する。そのフレーム番号1に対応するボリュームデータV1をUS画像のフレーム番号1に対応するタイミングで表示し、次に、フレーム番号2に対応するCT画像データ(ボリュームデータV2)を取得し、そのデータをフレームバッファ26などの記憶手段に保管する。このボリュームデータV2とすでに保管されているボリュームデータV1とを用いて、上記の補間方法でボリュームデータV22を求め、その結果をUS画像のフレーム番号2に対応するタイミングで表示する。ボリュームデータV2の画像は表示することなく、同様な補間方法で求めたフレーム番号32のボリュームデータV32をUS画像のフレーム番号3に対応するタイミングで表示する。引き続き、同様な方法で、US画像のフレーム番号4以降を表示していく。
【0061】
(2)上述した連続画像AA(i)の補間方法の別な補間方法として、フレーム番号22のボリュームデータV22としてフレーム番号1のボリュームデータV1あるいはフレーム番号2のボリュームデータV2を流用することもできる。
【0062】
例えば、図9に示すように、CT撮影間隔とUS撮影間隔との差が少ない場合には、フレーム番号22におけるCT画像データの求め方は、フレーム番号2におけるCT画像データを用いて算出することもできる。この方法は、補間に要する処理時間やフレームバッファ26などの記憶容量を節約できるという効果が期待できる。
【0063】
以上の説明は、フレーム番号22の補間方法を述べたが、フレーム番号32、およびそれ以降のフレーム番号n2の補間方法に適用できることは言うまでもない。
また、CT画像の場合を例にして、説明したがSPECT画像に関しても同様の手法が適用可能である。また、ハイレートな繰返し画像の例で述べたUS画像にも適用可能である。
≪画像診断装置の構成≫
図12は、本実施例で示す画像診断装置の構成の一例を示す。本図では、診断装置としては、診断装置(1)20と、診断装置(2)21と、診断装置(3)22の3種類の診断装置から構成されている。本例では、診断装置(1)はSPECT装置を、診断装置(2)はCT装置を、診断装置(1)はUS装置を示す。
【0064】
各診断装置1−3は、処理装置24と信号の授受が出来るように電気的に接続され、処理装置24にはそれぞれ、入力装置25、表示装置23および記憶装置27が接続されている。表示装置23には、フレームバッファ26が接続され、動画を表示するときなどには、このフレームバッファ26に画像データを一時的に保管しておく。
【0065】
表示装置23には、図1で示す本願発明になる同期を取ったモダリティごとの動画像が表示される。
≪データ構造≫
図13には、撮影した画像のデータ構造の一例を示す。データベースには、撮影装置を識別するモダリティID、患者ID、撮影時刻、撮影部位、撮影方法、画像データ、心電図データ、撮影時間が記憶される。
【0066】
また、機器毎に撮影時刻の表現方法が異なる。例えば、取得開始時点を撮影時点とする機器Xや、取得開始から取得終了までの期間の中央値を撮影時点とする機器Yなどがある。そこで、機器毎にどの表現方法を用いているかを表現するために、データベースには、モダリティID毎に撮影時刻定義のデータが記憶される。
【0067】
撮影時刻定義において、取得開始時点を撮影時点とする機器と、中央値を撮影時点とする機器が混在する場合、撮影時刻の表現を補正する処理を行う。具体的には、中央値を撮影時点とする機器における撮影時刻は、撮影時刻から撮影時間Tの1/2を引いた値を用いて、中央値を撮影時点とする機器の撮影時刻を表現をあわせた上で,画像の補間や表示の処理を行う。
【0068】
図14は、繰り返し画像および連続画像のデータ構造を示す。各フレームのデータ構造を示す。
すなわち、データ構造には画像サイズ、画像データ数、および画像データが入力される。この例では、画像データのデータ数は16個である。つまり、1心拍の間に16フレームの撮影がなされる。
【0069】
図15は、心電図データのデータ構造を示す。図が示すように、サンプリングレート、総データ数および各データが入力される。総入力データ数(n)に対応させて、データ(1)からデータ(n)まで、撮影された画像データを入力していく。
【0070】
図16は、US装置の場合のデータ構造を示す。各フレームのデータ構造を示す。すなわち、データ構造には画像サイズ、画像データ数、および画像データが入力される。この例では、画像データのデータ数はN個である。
【実施例2】
【0071】
≪心電図波形を利用できない場合≫
以下に、図17−図21を用いて、図2A−2Cに示すようなUS画像に同期した心電図波形がない場合の同期方法を示す。
【0072】
図17の上段には、US装置で撮影したUS画像を示す。図の中段には、心電図波形が示されているが、これは説明のために図示したもので、本実施例の場合には、US画像に同期した心電図波形はないものとする。
図中の下段には、縦軸に心臓の左心室の大きさ(例えば、面積または体積)を取り、横軸に時間軸を取っている。左心室の大きさを時系列に撮影して取得していき、それをプロットすることで図に示すカーブが得られる。画像の取得は、必ずしも連続的に得られないので、離散的なデータの場合は、適宜線形補間のような補間方法で、図のカーブを得るものとする。
図中の下段のカーブを幾つかの特定な時相を有しているので、その時相から図の中段に示すような心電図波形の各特定時相と対応図けることが可能である。例えば、R波ピークなどである。図の下段に示すカーブから、周期性および拡張末期タイミングを求めることができる。これにより、1心拍の時間や画像撮影のトリガとできるR波ピーク(拡張末期タイミング)を特定することができる。すなわち、実施例1で述べたような心電図波形を同期信号として用いる代替手法とすることができる。
具体的には、図中○印が実際に取得された左心室の大きさを示している。例えば、1心拍あたり20フレーム撮影された場合は、1心拍あたり最大20個の測定点が得られる。実際には、画像上のノイズや撮影中の探触子の移動などの影響により、測定結果は誤差を含んでいる。このため、時間軸に沿った測定点の移動平均や1次、2次の補間処理を行う。あるいは、左心室の大きさが最大の測定点とその前後の測定点から、左心室の大きさが最大になった時点をより正確に推定し、この時点を拡張末期と設定する。これらの処理により、この誤差の影響をできるだけ防止することができる効果がある。
【0073】
図18は、拡張末期タイミングを利用した他の適用例を示す。すなわち、心臓のスライス間の濃度変化の平均(動き量)を用いることもできる。心臓の動きに応じた各ステージにおいて、スライス画像を求め、各画像の濃度の平均を求め、その平均値の変化に対応させて心電図波形に対応する位置を求める。これにより、US画像に同期した心電図波形の代わりに同期信号として用いることができる。
【0074】
図19は、拡張末期タイミングを利用したさらに他の適用例を示す。心臓を流れる血流、あるいは血流速度をドップラ信号の強度で捕らえ、そのドップラ信号の変化により、心電図波形に対応する位置を求めることが可能である。これにより、US画像に同期した心電図波形の代わりに同期信号として用いることができる。
【0075】
図20は、人の心臓から取得した心電図(ECG:Electrocardiography)波形を示す。ECGは、心房及び心室の活動から生じる振れを、時間につれて電圧の大きさ及び極性の変化として示すスカラー表現である。これらの振れは「波」と呼ばれる。ECGの1サイクルは、P波、Q波、R波、S波、T波、U波より構成される。P波からQ波までが心房の興奮を、Q波からT波までが心室の興奮を表し、T波の終末からU波までが心室の弛緩期を表す。
ECGのうち、特定の関心のある一つは、QRS間隔またはQRS波群であり、特にR波ピークである。R波ピークは、QRSトリガとも呼ばれる。
【0076】
また、心臓サイクルは、一心拍動の開始点から次の心拍動の開始点までの周期として定義される。各々の心臓サイクル中には2つの重要な時間間隔、すなわち、収縮期と拡張期がある。図20では、R波の直前に示されているのが拡張末期であり、またS波−T波間、またはT波−U波間に収縮末期が示されている。収縮末期の前者を収縮末期(1)、後者を収縮末期(2)と称することにする。拡張期の間、左心室が血流で満たされる。収縮期の間、左心室は収縮して、心臓から血液を送り出す。収縮期の間は、解剖学的に運動量が大きく、これに対して拡張期の間は運動量は少ない。診断の面からは、収縮期の解剖学的な構造に関心がもたれている。QRSトリガ(R波ピーク)は収縮期の開始を検出するのに便利な手段である。超音波スキャナー制御、画像データの取得に使用される。
【0077】
図21は、図20で示す収縮末期を利用した例を示す。上述した拡張末期タイミングと合わせて、収縮末期タイミングも用いることができる。図中では、拡張末期のタイミングは(b)で示され、収縮末期タイミングは、(c)で示されている。
【実施例3】
【0078】
図22は、表示画面1の左下には、連続する心電図波形31が図示され、その波形図の上には、さらに、1心拍分を拡大した図が示されている。この1心拍分の心電図波形32には、タイミングに応じて(1)−(3)の番号が付されており、それぞれの番号に対応したUS静止画像30が図中の右側に表示されている。図中の左は、現在より一つ前の時点(図中33の1心拍分)で撮影されたUS静止画像34が表示され、右には現在のUS静止画像30が表示されている。
【0079】
このUS静止画像30は、同期信号上で予め設定されたタイミング(本例では、上記の心電図波形(1)−(3)に対応)で撮影された画像が自動的に表示される。自動作成するプログラムは、適宜、図19で示す記憶装置27などの保存して置けばよい。また、自動表示されたUS静止画像30は、フレームバッファ26、あるいは記憶装置27に保存される。
【0080】
図23が図22と異なる点は、US静止画像30を撮影する時期が異なることである。すなわち、図中の左には、前回の検査画像が示され、右には今回の検査画像が示されている。それぞれの画像は、図中の左側に示す前回と今回の心電図波形31に対応して予め設定されたタイミング(図中では、心電図波形(1)−(3))に対応したタイミングで撮影されたUS静止画像である。前回と今回の心電図波形とは異なるのが通常である(図23の心電図波形を参照)。本例の場合、(1)のタイミングは、拡張末期に、(2)は収縮末期(1)に、(3)は収縮末期(2)にそれぞれ対応する。
【0081】
本実施例は、撮影間隔が開いているために心拍数などが大きく異なる画像間での比較を行う時に、その開いている間隔を補完することができ、比較を容易にできる効果がある。
【実施例4】
【0082】
図24は、図3と異なる連続画像に同期させた繰り返し画像の生成手順を示すフローチャートである。すなわち、繰り返し画像の再生速度を、心電図の周期性から求めて、その速度により、繰返し速度を再生していくものである。ここで、繰り返し画像が自由な速度で表示可能な機能を備える診断装置を前提としている。
【0083】
先ず、図24に示すSTEP2において、まずiの初期設定を行う。次に、連続画像Bと連動して同期している心電図BCから心電図波形のR波ピーク(R時)位置を検出する(STEP3)。次に、R時点から次のR時点までの1心拍分の連続画像であって、フレームのi番目の画像B(i)と心電図BC(i)を読み込む(STEP4)。心電図BC(i)から1心拍のR−R間の時間tを算出する(STEP5)。繰り返し画像の1心拍の経過時間をtで割り、その値を再生速度Vとする(STEP6)。繰り返し画像Aの再生速度をVに設定し、連続画像B(i)と繰り返し画像Aを同時に1心拍分表示する(STEP7)。これを所定の回数、繰り返して行う。
【0084】
本実施例の効果は、図4、5などで示した画像の補間処理を用いる必要がないことである。また、撮影間隔が空いているために心拍数などが大きく異なる画像間での比較をする場合、補間による画像のぼけや偽像の発生を防止できる効果がある。
【符号の説明】
【0085】
1…表示画面、
2a,2b,2c…SPECT画像、
3…心電図波形、
4…表示タイミング調節手段、
5…心電図波形、
6…心電図波形、
7…連続心電図波形、
8…全動画タイミング微調整部、
9…静止画自動生成指示部、
10…同期方法選択部、
11…画像選択部、
12…検査中動画、
13…US画像、
14a,14b…CT画像、
20…診断装置1(SPECT装置)、
21…診断装置2(CT装置)、
22…診断装置3(US装置)、
23…表示装置、
24…処理装置、
25…入力装置、
26…フレームバッファ、
27…記憶装置、
30…US静止画像、
31…心電図波形、
32…心電図波形(1心拍分)、
33…一つ前の時点で撮影されたUS静止画像、
A…繰り返し画像、
B…連続画像、
BC…心電図波形、
T…画像取得に要する時間、
X…取得開始時点を撮影時刻とする機器、
Y…取得中の中央の時点を撮影時刻とする機器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、
前記画像診断装置にデータを入力する入力手段と、
前記繰り返し画像および前記連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、
前記繰り返し画像および前記連続画像を含む画像を表示する表示手段と、
前記連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、
前記繰り返し画像のフレームレートを前記同期信号に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段と、を有し、
前記繰り返し画像と前記連続画像とを同期させながら同時に前記表示装置に表示することを特徴とする画像診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像診断装置において、
前記処理手段は、前記フレームレートが一番高い繰り返し画像に合わせて、他の繰り返し画像を前記連続画像に同期させることを特徴とする画像診断装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像診断装置において、
前記入力手段は、複数の前記第1の診断装置から異なるフレームレートで撮影された画像を取り込み、
前記処理手段は、前記フレームレートの異なる繰り返し画像の内の一つのフレームレートに合わせて、他のフレームレートを有する繰り返し画像を同期させることを特徴とする画像診断装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像診断装置において、
同期信号発生手段が、心電図であることを特徴とする画像診断装置。
【請求項5】
異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、
前記画像診断装置にデータを入力する入力手段と、
前記繰り返し画像および前記連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、
前記繰り返し画像および前記連続画像を含む画像を表示する表示手段と、
前記繰り返し画像から同期に必要な情報を抽出する情報抽出手段と、
前記繰り返し画像のフレームレートを該抽出した情報に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段とを有し、
前記繰り返し画像と前記連続画像とを同期させながら同時に前記表示装置に表示することを特徴とする画像診断装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像診断装置において、
前記情報抽出手段は、前記連続画像から得られる生体情報の特定時相の変化量に基づいて同期に必要な情報を算出することを特徴とする画像診断装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像診断装置において、
前記処理手段は、前記フレームレートが一番高い繰り返し画像に合わせて、他の繰り返し画像を前記連続画像に同期させることを特徴とする画像診断装置。
【請求項8】
請求項6記載の画像診断装置において、
前記入力手段は、複数の前記第1の診断装置から異なるフレームレートで撮影された画像を取り込み、
前記処理手段は、前記フレームレートの異なる繰り返し画像の内の一つのフレームレートに合わせて、他のフレームレートを有する繰り返し画像を同期させることを特徴とする画像診断装置。
【請求項9】
請求項6記載の画像診断装置において、
前記生体情報が、超音波装置により撮影された心臓の左心室の面積あるいは体積、または、超音波装置により撮影された心臓スライス間の濃度の変化の平均値、または、超音波装置により撮影された心臓のドプラ信号の強度のいずれかであることを特徴とする画像診断装置。
【請求項10】
連続画像を含む画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、
前記画像診断装置にデータを入力する入力手段と、
前記連続画像を含む画像を表示する表示手段と、
前記連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、
前記同期信号に同期した前記連続画像の特定時相において撮影された静止画像を含むデータを記憶する記憶手段と、を有し、
前記特定時相に同期させながら前記静止画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像診断装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像診断装置において、
異なる時期に撮影された複数の静止画像を、それぞれが有する前記特定時相に同期させながら前記表示手段に並列して表示することを特徴とする画像診断装置。
【請求項1】
異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、
前記画像診断装置にデータを入力する入力手段と、
前記繰り返し画像および前記連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、
前記繰り返し画像および前記連続画像を含む画像を表示する表示手段と、
前記連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、
前記繰り返し画像のフレームレートを前記同期信号に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段と、を有し、
前記繰り返し画像と前記連続画像とを同期させながら同時に前記表示装置に表示することを特徴とする画像診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像診断装置において、
前記処理手段は、前記フレームレートが一番高い繰り返し画像に合わせて、他の繰り返し画像を前記連続画像に同期させることを特徴とする画像診断装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像診断装置において、
前記入力手段は、複数の前記第1の診断装置から異なるフレームレートで撮影された画像を取り込み、
前記処理手段は、前記フレームレートの異なる繰り返し画像の内の一つのフレームレートに合わせて、他のフレームレートを有する繰り返し画像を同期させることを特徴とする画像診断装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像診断装置において、
同期信号発生手段が、心電図であることを特徴とする画像診断装置。
【請求項5】
異なるフレームレートを有する繰り返し画像を撮影する第1の診断装置と、連続画像を撮影する第2の診断装置のそれぞれで撮像された画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、
前記画像診断装置にデータを入力する入力手段と、
前記繰り返し画像および前記連続画像を含むデータを記憶する記憶手段と、
前記繰り返し画像および前記連続画像を含む画像を表示する表示手段と、
前記繰り返し画像から同期に必要な情報を抽出する情報抽出手段と、
前記繰り返し画像のフレームレートを該抽出した情報に同期するように該フレームレートを補正処理する処理手段とを有し、
前記繰り返し画像と前記連続画像とを同期させながら同時に前記表示装置に表示することを特徴とする画像診断装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像診断装置において、
前記情報抽出手段は、前記連続画像から得られる生体情報の特定時相の変化量に基づいて同期に必要な情報を算出することを特徴とする画像診断装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像診断装置において、
前記処理手段は、前記フレームレートが一番高い繰り返し画像に合わせて、他の繰り返し画像を前記連続画像に同期させることを特徴とする画像診断装置。
【請求項8】
請求項6記載の画像診断装置において、
前記入力手段は、複数の前記第1の診断装置から異なるフレームレートで撮影された画像を取り込み、
前記処理手段は、前記フレームレートの異なる繰り返し画像の内の一つのフレームレートに合わせて、他のフレームレートを有する繰り返し画像を同期させることを特徴とする画像診断装置。
【請求項9】
請求項6記載の画像診断装置において、
前記生体情報が、超音波装置により撮影された心臓の左心室の面積あるいは体積、または、超音波装置により撮影された心臓スライス間の濃度の変化の平均値、または、超音波装置により撮影された心臓のドプラ信号の強度のいずれかであることを特徴とする画像診断装置。
【請求項10】
連続画像を含む画像データを取り込んで画像処理を行う画像診断装置において、
前記画像診断装置にデータを入力する入力手段と、
前記連続画像を含む画像を表示する表示手段と、
前記連続画像の撮影に連動させて同期信号を発生させる同期信号発生手段と、
前記同期信号に同期した前記連続画像の特定時相において撮影された静止画像を含むデータを記憶する記憶手段と、を有し、
前記特定時相に同期させながら前記静止画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像診断装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像診断装置において、
異なる時期に撮影された複数の静止画像を、それぞれが有する前記特定時相に同期させながら前記表示手段に並列して表示することを特徴とする画像診断装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−135(P2012−135A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135023(P2010−135023)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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