説明

ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療剤

一般式(I)


(式中、環Aは置換基を有していてもよい含窒素環を表わし、Eは結合手または主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表わし、Qは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい環状基を表わす。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物またはそれらのプロドラッグに関する。
一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物、またはそれらのプロドラッグはMBRに親和性を有するため、ストレスに起因する疾患の予防および/または治療薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、含窒素環化合物を有効成分として含有するミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療剤に関する。
【背景技術】
ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体(Mitochondrial benzodiazepine receptor;以下、MBRと略する。)は、1977年にベンゾジアゼピン類が結合するGABA受容体に存在するベンゾジアゼピン結合部位とは異なる受容体として同定され(サイエンス(Science),198,849−851頁,1977年、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.),89,3805−3809頁,1977年)、生理的機能は必ずしも明らかになっていないが、ステロイド合成、細胞の分化および増殖、免疫機能調節等に関与していることが報告されている。MBRは末梢組織においては副腎皮質、心臓、平滑筋、腎臓、肺、精巣のほか、赤血球、血小板、単球、マクロファージ等の免疫系細胞に存在し、中枢神経系においては脈絡叢、松果体、嗅球、大脳皮質、海馬等に存在している。中枢神経系における発現細胞は主にグリア細胞であることが知られており、アルツハイマー病、脳虚血、多発性硬化症、ハンチントン病等の神経変性疾患に伴いその発現量が増大するため、グリオーシスのマーカーとして用いられている。
MBRはミトコンドリア外膜に存在し、コレステロールを細胞内からP−450sccの活性部位であるミトコンドリア内膜に輸送している。脳内で合成されるステロイドはニューロステロイドと呼ばれ、ステロイド前駆体であるコレステロールが、側鎖切断酵素P−450sccによって代謝され、プレグネノロンに変換される段階がステロイド生成系の第一段階である。しかし、P−450sccによる代謝よりもむしろこの輸送過程がステロイド生成系の律速段階であることが示されており、MBRの機能を調節することができれば脳内ニューロステロイド含量を調節することが可能であると考えられる。実際にGABA受容体ベンゾジアゼピン結合部位およびMBRの内因性リガンドとして同定されているジアゼパム結合阻害たんぱく質(Diazepam binding inhibitor;以下、DBIと略すことがある。)は、ラット脳や、グリオーマ細胞由来のミトコンドリア画分においてプレグネノロン合成を促進することが報告されている。
ラットに音ストレッサーを負荷すると、海馬においてDBI含量が増加すること、抑うつ患者の脳脊髄液中DBI濃度が上昇していることが示されており、ストレス状態時にニューロステロイド産生量は増大していると予想される。これを裏付ける実験結果として、強制水泳、フットショック(Foot Shock)、二酸化炭素暴露、拘束等のストレッサーをラットに負荷すると、脳内で各種ニューロステロイド含量が増大することが報告されている。
ニューロステロイドはその種類により、様々な受容体、イオンチャネルの機能を正あるいは負に調節する。例えばプレグネノロン硫酸およびデヒドロエピアンドロステロン硫酸はGABA受容体機能を抑制するが、プロゲステロン、アロプレグナノロンおよびテトラヒドロキシコルチコステロンは活性化する。また、プレグネノロン硫酸はAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体、グリシン受容体、電位依存性カルシウムチャネル機能も抑制するが、NMDA型グルタミン酸受容体機能を活性化する。また、プロゲステロンはグリシン受容体とともに、アセチルコリン受容体機能を抑制する。さらにデヒドロエピアンドロステロン硫酸はシグマ(σ)受容体機能を活性化するが、プロゲステロンは逆に抑制する。このように、ストレス状態時には脳内ニューロステロイド量が変化することにより、興奮性および抑制性情報伝達系のバランスが崩れることで、これらの神経系に様々に調節されている神経系、免疫系、内分泌系の活動も変化し、各種ストレス関連疾患が引き起こされると考えられる。さらにプレグネノロン硫酸は培養海馬神経細胞のNMDA誘発細胞死を増強することや、網膜神経細胞においてDNA断片化を伴う遅発性細胞死を引き起こすことが報告されていることを考慮すると、ストレス状態時の海馬CA3野の変性にも、少なくとも一部、プレグネノロン硫酸が関与している可能性が示唆される。
以上のように、ストレッサー負荷により乱れた興奮性・抑制性情報伝達のバランスを、ニューロステロイド産生を増大または抑制することにより望ましいバランス状態に改善することがストレス関連疾患の予防や治療には有効である。従って、MBRに親和性を有する化合物が提供されればこれらの疾患の予防および/または治療に極めて有用であることが期待される。
ストレス関連疾患の治療剤としては、一般式(X)

(式中、環AC5〜8単環式炭素環あるいは5〜8員の1〜2個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を有する単環式複素環;Xは−CH−、−O−、−S−等;L1YおよびL2Yはそれぞれ独立して、単結合、C1〜4アルキレン基またはC2〜4アルケニレン基;R1YおよびR2Yはそれぞれ独立して、C1〜8アルキル基等;mYおよびnYは0または1〜4の整数;R3Yは、水素原子、環B等;環BはC3〜10単環式もしくは二環式炭素環あるいは5〜10員の1〜2個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を有する単環式もしくは二環式複素環;R4Yは水素原子、C1〜8アルキル基等を表わす。)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩がMBRに作用することが知られている(WO03/068753号パンフレット参照)。
また、N−フェニル−N’−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)ウレア(CAS登録番号439931−08−5)が試薬として知られている。
【発明の開示】
本発明の課題は、ストレスに起因する疾患の予防および/または治療剤としてMBRに親和性を有する化合物を開発することにある。
本発明者らは、MBRに親和性を有する化合物を見出すべく鋭意研究を行なった結果、一般式(I)で示される本発明化合物が課題を達成することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1] 一般式(I)

(式中、環Aは置換基を有していてもよい含窒素環を表わし、Eは結合手または主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表わし、Qは置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい環状基を表わす。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それら溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、

(各基中、W、YおよびZはそれぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、酸素原子または酸化されてもよい硫黄原子を表わし、YおよびZはそれぞれ

される記号は一重結合または二重結合を表わし、環DはC3〜8の炭素環または3〜8員の複素環を表わし、kおよびmはそれぞれ独立して、0または1〜5の整数を表わし、矢印はEと結合することを表わす。ただし、環Aはアレーン構造を表わさない。)である前項[1]記載の化合物、
[3] 一般式(I−1)

(式中、すべての記号は前項[1]および[2]記載と同じ意味を表わす。)で示される前項[2]記載の化合物、

(各基中、Lは結合手、窒素原子、酸素原子、酸化されてもよい硫黄原子またはC1〜4アルキレンを表わし、Tは水素原子、または置換基を表わし、K1は0または1〜4の整数を表わし、その他の記号は前項[2]記載と同じ意味を表わす。)である前項[3]記載の化合物、
[5] 一般式(I−1−1)

(式中、Uは結合手、C1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレンまたはC2〜4アルキニレンを表わし、環Gは置換基を有していてもよい炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表わし、E

(各基中、左向きの矢印はa位と結合することを表わし、右向きの矢印は環Qと結合することを表わし、JおよびJはそれぞれ独立して、水素原子または置換基を表わし、Mは結合手またはC1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレンまたはC2〜4アルキニレンを表わす。)を表わし、環Qは置換基を有していてもよい環状基を表わし、その他の記号は前項[2]および[4]記載と同じ意味を表わす。)で示される前項[3]記載の化合物、
[6] 一般式(I−1−2)

(式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい環状基を表わし、Lは結合手、窒素原子、またはC1〜4アルキレンを表わし、その他の記号は前項[2]、[4]および[5]記載と同じ意味を表わす。ただし、N−フェニル−N’−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)ウレアは除く。)で示される前項[3]記載の化合物、

(各基中、すべての記号は前項[5]記載と同じ意味を表わす。)である前項[5]または[6]記載の化合物、
[8] Lが窒素原子、酸化されてもよい硫黄原子、またはC1〜4アルキレンである前項[5]または[6]記載の化合物、
[9] (1)N−[2−(4−クロロフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド、(2)N−[2−(4−クロロフェニル)−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド、(3)N−(2−tert−ブチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イル)−2−フェニルアセトアミド、(4)2−フェニル−N−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)アセトアミド、(5)2−(4−フルオロフェニル)−N−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)アセトアミド、(6)N−[2−(4−クロロフェニル)−5−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド、または(7)tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−3−{[(4−フルオロフェニル)アセチル]アミノ}−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボキシレートである前項[3]記載の化合物、
[10] 前項[1]記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを含有してなる医薬組成物、
[11] ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療剤である前項[10]記載の医薬組成物、
[12] ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患が、ストレスに起因する疾患である前項[11]記載の医薬組成物、
[13] ストレスに起因する疾患が、ストレスに起因する中枢性疾患、ストレスに起因する呼吸器系疾患および/またはストレスに起因する消化器系疾患である前項[12]記載の医薬組成物、
[14] ストレスに起因する中枢性疾患が不安関連疾患、睡眠障害、うつ病および/またはてんかんであり、ストレスに起因する呼吸器系疾患が喘息であり、ストレスに起因する消化器系疾患が過敏性腸症候群である前項[13]記載の医薬組成物、
[15] 前項[1]記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、抗不安薬、抗うつ薬、抗パーキンソン薬、統合失調症治療薬、抗てんかん薬、喘息治療薬、消化性潰瘍治療薬、消化管機能調整薬、止瀉薬、瀉下薬、血圧降下薬、抗不整脈薬、強心薬および排尿障害治療薬から選択される1種または2種以上とを組み合わせてなる医薬、
[16] 前項[1]記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物におけるミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療方法、
[17] ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療剤を製造するための前項[1]記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用に関する。
本明細書中、ストレスに起因する疾患としては、例えば、ストレスに起因する中枢性疾患、ストレスに起因する呼吸器系疾患、ストレスに起因する消化器系疾患、ストレスに起因する循環器系疾患、ストレスに起因する泌尿器系・生殖器系疾患、ストレスに起因する婦人科系疾患、ストレスに起因する内分泌・代謝系疾患、ストレスに起因する眼科系疾患、ストレスに起因する耳鼻咽喉科系疾患、ストレスに起因する口腔外科・歯科系疾患、ストレスに起因する外科・整形外科系疾患、ストレスに起因する皮膚系疾患、ストレスに起因するその他の疾患が挙げられる。好ましくは、ストレスに起因する中枢性疾患、ストレスに起因する呼吸器系疾患および/またはストレスに起因する消化器系疾患である。
本明細書中、ストレスに起因する中枢性疾患としては、例えば、不安関連疾患、神経症、パニック障害、睡眠障害、うつ病、反応性うつ病、てんかん、パーキンソン病、パーキンソン症候群、統合失調症、自律神経失調症、ハンチントン病、アルツハイマー病、情動障害、認知障害、偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、外傷後ストレス障害(PTSD)、解離性障害、不眠症、神経性嘔吐、神経性咳嗽、心因性痙攣発作、心因性失神発作、職場不適応、燃え尽き症候群、慢性疲労症候群、書痙、痙性斜頸等が挙げられる。好ましくは、不安関連疾患、睡眠障害、うつ病および/またはてんかんである。
本明細書中、ストレスに起因する呼吸器系疾患としては、例えば、喘息、気管支喘息、過換気症候群、喉頭痙攣、慢性閉塞性肺疾患等が挙げられる。好ましくは喘息である。
本明細書中、ストレスに起因する消化器系疾患としては、例えば、過敏性腸症候群、消化性潰瘍、機能性消化不良症、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、胆道ジスキネジー、食道痙攣、胃アトニー、空気嚥下症、慢性肝炎、慢性膵炎等が挙げられる。好ましくは過敏性腸症候群である。
本明細書中、ストレスに起因する循環器系疾患としては、例えば、本態性高血圧、不整脈、(神経性)狭心症、本態性低血圧、起立性調節障害、心筋梗塞、動脈硬化、めまい等が挙げられる。好ましくは、本態性高血圧、不整脈および/または狭心症である。
本明細書中、ストレスに起因する泌尿器系・生殖器系疾患としては、例えば、排尿障害、神経性頻尿(過活動膀胱)、夜尿症、遺尿症、心因性尿閉、インポテンツ、勃起不全、前立腺症、尿道症候群等が挙げられる。好ましくは排尿障害である。
本明細書中、ストレスに起因する婦人科系疾患としては、例えば、更年期障害、月経痛、月経異常、月経前症候群、不妊症、不感症、悪阻、流早産等が挙げられる。
本明細書中、ストレスに起因する内分泌・代謝系疾患としては、例えば、神経性食思不振症、摂食障害、拒食症、過食症、バーター症候群、甲状腺機能亢進症、糖代謝障害(例えば、糖尿病、(反射性)低血糖症等)、脂質代謝障害(例えば、高脂血症等)、痛風、骨粗鬆症、視床下部疾患、下垂体疾患、副甲状腺疾患、副腎皮質・副腎髄質疾患、性腺疾患、心因性多飲症、肥満症等が挙げられる。
本明細書中、ストレスに起因する眼科系疾患としては、例えば、眼精疲労、中心性網膜炎、飛蚊症、眼瞼痙攣、原発性緑内障、めまい等が挙げられる。
本明細書中、ストレスに起因する耳鼻咽喉科系疾患としては、例えば、耳鳴り、めまい、心因性難聴、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、嗅覚障害、吃音、失声症等が挙げられる。
本明細書中、ストレスに起因する口腔外科・歯科系疾患としては、例えば、顎関節症、舌咽神経痛、突発性舌痛症、口内炎、歯痛、口臭症、唾液分泌異常、歯ぎしり等が挙げられる。
本明細書中、ストレスに起因する外科・整形外科系疾患としては、例えば、術後腹部神経症、ダンピング症候群、頻回施術症、形成後神経症、関節リウマチ、腰痛症、頸肩腕症候群、肩こり、結合織炎、多発関節痛、全身性筋痛症、痛風等が挙げられる。
本明細書中、ストレスに起因する皮膚系疾患としては、例えば、慢性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、多汗症、湿疹、皮膚掻痒症、円形脱毛症等が挙げられる。
本明細書中、ストレスに起因するその他の疾患としては、例えば、がん、全身性エリスマトーデス等が挙げられる。
本明細書中、不安関連疾患としては、例えば、神経症、心身症、全般性不安障害(GAD)、社会不安障害(SAD)、パニック障害、多動性障害、注意欠陥、人格障害、双極性障害、自閉症等が挙げられる。
本明細書中、環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」としては、置換基を有していてもよい、少なくとも1個の窒素原子を含有する複素環であればよく、例えば、

(各基中、W、YおよびZはそれぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、酸素原子または酸化されてもよい硫黄原子を表わし、YおよびZはそれぞれ

示される記号は一重結合または二重結合を表わし、環DはC3〜8の炭素環または3〜8員の複素環を表わし、kおよびmはそれぞれ独立して、0または1〜5の整数を表わし、矢印はEと結合することを表わす。ただし、環Aはアレーン構造を表わさない。)で示される環等が挙げられる。
環Dで示される「C3〜8の炭素環」としては、例えばC3〜8の単環式芳香族性炭素環、その一部または全部が飽和されている炭素環等が挙げられ、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン環等が挙げられる。
環Dで示される「3〜8員の複素環」としては、例えば酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜8員の単環式芳香族性複素環等が挙げられ、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン環等が挙げられる。

味を表わす。)の具体例としては、

等が挙げられる。
環(A−1)として好ましくは

(各基中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)であり、より好ましくは環(A−1−1)、環(A−1−2)である。

意味を表わす。)として特に好ましくは、

である。

意味を表わす。)としては、例えばピラゾール、イミダゾール、ピロール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール等が挙げられる。より具体的には、例えば

等が挙げられる。
環(A−2)として好ましくは、

(各基中、環Gは置換基を有していてもよい炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表わし、pは0または1〜5の整数を表わし、Vは置換基を表わし、T1Aは直鎖状または分岐状のC1〜8アルキル基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。
環(A−2−1)として好ましくは、

(各基中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)である。
環(A−2−2)として好ましくは、

(各基中、T2AおよびT3Aはそれぞれ独立して水素原子または置換基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)である。
本明細書中、環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素環」における「置換基」としては、例えば(1)置換基を有していてもよいアルキル基、(2)置換基を有していてもよいアルケニル基、(3)置換基を有していてもよいアルキニル基、(4)置換基を有していてもよい炭素環、(5)置換基を有していてもよい複素環、(6)置換基を有していてもよい水酸基、(7)置換基を有していてもよいメルカプト基、(8)置換基を有していてもよいアミノ基、(9)置換基を有していてもよいカルバモイル基、(10)置換基を有していてもよいスルファモイル基、(11)カルボキシル基、(12)(置換基を有していてもよいアルキル)オキシカルボニル基、(13)スルホ基、(14)スルフィノ基、(15)ホスホノ基、(16)ニトロ基、(17)シアノ基、(18)アミジノ基、(19)イミノ基、(20)ジヒドロキシボリル基、(21)ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(22)アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1〜4アルキルスルフィニル基等)、(23)芳香環スルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル等のC6〜10芳香環スルフィニル基等)、(24)アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1〜4アルキルスルホニル基等)、(25)芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6〜10芳香環スルホニル基等)、(26)アシル基、(27)オキソ基、(28)チオキソ基、(29)(C1〜6アルコキシイミノ)メチル基(例えば(メトキシイミノ)メチル基等)等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜5個置換していてもよい。
また、置換基が複数存在する場合、2個の置換基とそれらが結合する1または2個の炭素原子が一緒になって、C3〜10の単環式芳香族性炭素環、その一部または全部が飽和されている炭素環、または酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜10員の単環式芳香族性複素環等を表わしてもよい。C3〜10の単環式芳香族性炭素環、その一部または全部が飽和されている炭素環としては、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜10員の単環式芳香族性複素環としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン環等が挙げられる。
置換基としての「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」におけるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル基等の直鎖状または分岐状のC1〜20アルキル基等が挙げられる。ここでアルキル基の置換基としては、例えば水酸基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、モノ−またはジ−C1〜6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、N−芳香環アミノ基(例えばN−フェニルアミノ等)、N−芳香環−N−アルキルアミノ基(例えば、N−フェニル−N−メチルアミノ、N−フェニル−N−エチルアミノ、N−フェニル−N−プロピルアミノ、N−フェニル−N−ブチルアミノ、N−フェニル−N−ペンチルアミノ、N−フェニル−N−ヘキシルアミノ等)、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、C1〜6アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ヘキシルオキシ等)、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルコキシ基(例えば、シクロヘキシルメチルオキシ、シクロペンチルエチルオキシ等)、C3〜7シクロアルキルオキシ基(例えばシクロヘキシルオキシ等)、C7〜15アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシ、ナフチルメチルオキシ、ナフチルエチルオキシ等)、フェノキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)、C1〜6アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1〜4アルキルスルホニル基等)、芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6〜10芳香環スルホニル基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル基、N−モノ−C1〜6アルキルカルバモイル(例えば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル等)、N,N−ジC1〜6アルキルカルバモイル(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル等)、ピペリジン−1−イルカルボニル基等)、アシル基、置換基を有していてもよい炭素環、および置換基を有していてもよい複素環等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜5個置換していてもよい。ここで、N−アシル−N−アルキルアミノ基におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の直鎖状または分岐鎖状のC1〜6アルキル基等が挙げられる。また、アシル基、アシルアミノ基およびN−アシル−N−アルキルアミノ基におけるアシル基は、後述する「(26)アシル基」と同じ意味を表わす。また、置換基を有していてもよい炭素環、および置換基を有していてもよい複素環は、後述する「(4)置換基を有していてもよい炭素環」、および「(5)置換基を有していてもよい複素環」と同じ意味を表わす。
置換基としての「(2)置換基を有していてもよいアルケニル基」におけるアルケニル基としては、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル等の直鎖状または分岐状のC2〜8アルケニル基等が挙げられる。ここでアルケニル基の置換基は、前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表わす。
置換基としての「(3)置換基を有していてもよいアルキニル基」におけるアルキニル基としては、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル等の直鎖状または分岐状のC2〜8アルキニル基等が挙げられる。ここでアルキニル基の置換基は、前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表わす。
置換基としての「(4)置換基を有していてもよい炭素環」における炭素環としては、例えばC3〜20の単環、二環、三環または四環式炭素環等であり、具体的にはC3〜20の単環、二環、三環または四環式芳香族性炭素環、その一部または全部が飽和されている炭素環、スピロ結合した二環、三環または四環式炭素環、および架橋した二環、三環または四環式炭素環等が挙げられる。C3〜20の単環、二環、三環または四環式芳香族性炭素環、その一部または全部が飽和されている炭素環としては、例えば、ベンゼン、アズレン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、クリセン、ナフタセン、プレイアデン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナラタレン、パーヒドロナフタレン、ヘプタレン、パーヒドロヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フルオランセン、アセフェナンスリレン、アセアンスリレン、ピレン環等が挙げられる。スピロ結合した二環、三環または四環式炭素環、および架橋した二環、三環または四環式炭素環としては、例えばスピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン、アダマンタン、ノルアダマンタン環等が挙げられる。
「(4)置換基を有していてもよい炭素環」における置換基としては、例えば水酸基で置換されていてもよい直鎖状または分岐鎖状のC1〜8アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等)、直鎖状または分岐鎖状のC2〜6アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等)、直鎖状または分岐鎖状のC2〜6アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等)、水酸基、直鎖状または分岐鎖状のC1〜6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、メルカプト基、直鎖状または分岐鎖状のC1〜6アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等)、アミノ基、モノ−またはジ−C1〜6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ等)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、直鎖状または分岐鎖状のC1〜6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、直鎖状または分岐鎖状のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)、トリハロメチル基(例えば、トリフルオロメチル等)、トリハロメトキシ基(例えば、トリフルオロメトキシ等)、トリハロメチルチオ基(例えば、トリフルオロメチルチオ等)、ジハロメチルチオ基(例えば、ジフルオロメチルチオ等)、オキソ基、炭素環(前記「(4)置換基を有していてもよい炭素環」における炭素環と同じ意味を表わす。)、複素環(後記「(5)置換基を有していてもよい複素環」における複素環と同じ意味を表わす。)等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜4個置換していてもよい。
置換基としての「(5)置換基を有していてもよい複素環」における複素環としては、例えば酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、3〜20員の単環、二環、三環または四環式複素環等であり、具体的には酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜20員の単環、二環、三環または四環式芳香族性複素環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜20員の単環、二環、三環または四環式芳香族性複素環としては、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ピロロピリジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン、ピリドナフチリジン、ピラゾロイソキノリン、ピラゾロナフチリジン、ピリミドインドール、インドリジノインドール、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、テトラヒドロピロロピリジン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベシゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、テトラピリドナフチリジン、テトラヒドロ−β−カルボリン、ジヒドロアゼピノインドール、ヘキサヒドロアゼピノインドール、テトラヒドロピラゾロイソキノリン、テトラヒドロピラゾロナフチリジン、ジヒドロアゼピノインダゾール、ヘキサヒドロアゼピノインダゾール、ジヒドロピラゾロピリドアゼピン、ヘキサヒドロピラゾロピリドアゼピン、テトラヒドロピリミドインドール、ジヒドロチアジノインドール、テトラヒドロチアジノインドール、ジヒドロオキサジノインドール、テトラヒドロオキサジノインドール、ヘキサヒドロインドリジノインドール、ジヒドロインドロベンゾジアゼピン、オクタヒドロインドロキノリジン、ヘキサヒドロイミダゾピリドインドール、ヘキサヒドロピロロチアゼピノインドール、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、アザスピロ[4.4]ノナン、オキサザスピロ[4.4]ノナン、オキサアザスピロ[2.5]オクタン、ジオキサスピロ[4.4]ノナン、アザスピロ[4.5]デカン、チアスピロ[4.5]デカン、ジチアスピロ[4.5]デカン、ジオキサスピロ[4.5]デカン、オキサザスピロ[4.5]デカン、アザスピロ[5.5]ウンデカン、オキサスピロ[5.5]ウンデカン、ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,3,4,9−テトラヒドロスピロ[β−カルボリン−1,1’−シクロペンタン]、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、オキサビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン環等が挙げられる。
「(5)置換基を有していてもよい複素環」における置換基としては、前記「(4)置換基を有していてもよい炭素環」における置換基と同じ意味を表わし、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜4個置換していてもよい。
置換基としての「(6)置換基を有していてもよい水酸基」、「(7)置換基を有していてもよいメルカプト基」および「(8)置換基を有していてもよいアミノ基」における置換基としては、例えば置換基を有していてもよいアルキル基(前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルケニル基(前記「(2)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルキニル基(前記「(3)置換基を有していてもよいアルキニル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい炭素環(前記「(4)置換基を有していてもよい炭素環」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい複素環(前記「(5)置換基を有していてもよい複素環」と同じ意味を表わす。)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1〜4アルキルスルホニル基等)、芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6〜10芳香環スルホニル基等)、アシル基(後述する「(26)アシル基」と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。また、「(8)置換基を有していてもよいアミノ基」の場合、これらの任意の置換基は1〜2個置換していてもよい。
置換基としての「(9)置換基を有していてもよいカルバモイル基」および「(10)置換基を有していてもよいスルファモイル基」における置換基としては、例えば置換基を有していてもよいアルキル基(前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルケニル基(前記「(2)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルキニル基(前記「(3)置換基を有していてもよいアルキニル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい炭素環(前記「(4)置換基を有していてもよい炭素環」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい複素環(前記「(5)置換基を有していてもよい複素環」と同じ意味を表わす。)等が挙げられ、これらの任意の置換基は1〜2個置換していてもよい。
置換基としての「(12)(置換基を有していてもよいアルキル)オキシカルボニル基」における置換基を有していてもよいアルキルは、前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。
置換基としての「(26)アシル基」としては、例えばホルミル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基(基中、置換基を有していてもよいアルキルは前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルケニルカルボニル基(基中、置換基を有していてもよいアルケニルは前記「(2)置換基を有していてもよいアルケニル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルキニルカルボニル基(基中、置換基を有していてもよいアルキニルは前記「(3)置換基を有していてもよいアルキニル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい炭素環カルボニル基(基中、置換基を有していてもよい炭素環は前記「(4)置換基を有していてもよい炭素環」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい複素環カルボニル基(基中、置換基を有していてもよい複素環は前記「(5)置換基を有していてもよい複素環」と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。
T、T、T、T、T2A、T3A、またはVで示される「置換基」は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における置換基と同じ意味を表わす。
本明細書中、Eで示される「結合手」とは、環Aと置換基Qが間に他の原子を介さずに直接結合することをいう。
本明細書中、Eで示される「主鎖の原子数1〜8のスペーサー」とは、主鎖の原子が1〜8個連なっていることを意味する。ここで、「主鎖の原子数」は、主鎖の原子が最小となるように数えるものとする。「主鎖の原子数1〜8のスペーサー」としては、例えば1または2個の置換基を有していてもよいメチレン基(−CH−)、1または2個の置換基を有していてもよいエテニレン基(−CH=CH−)、エチニレン基(−C≡C−)、置換基を有していてもよい窒素原子(−NH−)、−CO−、−O−、−S−、−SO−、および−SO−から選ばれる1〜8個を任意に組み合わせてなる2価基等が挙げられる。ここで、メチレン基、エテニレン基および窒素原子の置換基とは、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における置換基と同じ意味を表わす。具体的には、例えば−CR101102−、−CR101=CR102−、−C≡C−、−NR103−、−CO−、−O−、−S−、−NJCO−、−CONJ−、−NJCONJ−、−NJSO−、−SONJ−、−NR103COCR101102−、および−CONR103CR101102−(式中、R101、R102、R103、JおよびJはそれぞれ独立して水素原子を表わすか、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における置換基と同じ意味を表わす。)から選ばれる1〜8個を任意に組み合わせてなる2価基等が挙げられる。
本明細書中、QまたはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の「置換基」である「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」、「(2)置換基を有していてもよいアルケニル基」、または「(3)置換基を有していてもよいアルキニル基」と同じ意味を表わす。
本明細書中、Qまたは環Qで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」としては、例えば炭素環(前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の置換基である「(4)置換基を有していてもよい炭素環」における「炭素環」と同じ意味を表わす。)、複素環(前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の置換基である「(5)置換基を有していてもよい複素環」における「複素環」と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。
Q,Rまたは環Qで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「置換基」は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における「置換基」と同じ意味を表わし、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜5個置換していてもよい。
本明細書中、環Gで示される「置換基を有していてもよい炭素環」は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の置換基である「(4)置換基を有していてもよい炭素環」と同じ意味を表わす。
本明細書中、環Gで示される「置換基を有していてもよい複素環」は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の置換基である「(5)置換基を有していてもよい複素環」と同じ意味を表わす。
本明細書中、LまたはLで示される「C1〜4アルキレン」としては、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基等が挙げられる。
本明細書中、W、Y、Z、またはLで示される「酸化されてもよい硫黄原子」とは、−S−、−S(O)−または−SO−を意味する。
本明細書中、MまたはUで示される「C1〜4アルキレン」としては、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基等の直鎖状または分岐状のC1〜4アルキレン等が挙げられる。
本明細書中、MまたはUで示される「C2〜4アルケニレン」としては、例えばエテニレン、プロペニレン、ブテニレン基等の直鎖状または分岐状のC2〜4アルケニレン等が挙げられる。
本明細書中、MまたはUで示される「C2〜4アルキニレン」としては、例えばエチニレン、プロピニレン、ブチニレン基等の直鎖状または分岐状のC2〜4アルキニレン等が挙げられる。
環Aで示される「置換基を有していてもよい含窒素環」における「置換基」、またはQで示される「置換基を有していてもよい環状基」もしくは「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」として好ましくは、1〜5個のRで置換されていてもよいC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基、C1〜8アルコキシ基、もしくはC1〜8アルキルチオ基(基中、C1〜8アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ基等が挙げられ、C1〜8アルキルチオ基としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ基等が挙げられ、Rとしては、例えば水酸基、またはハロゲン原子、フェニル基等が挙げられる。)、1〜3個のR(基中、RはC1〜4アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4アルコキシカルボニル基等が挙げられる。)で置換されていてもよい炭素環(例えば、ベンゼン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ナフタレン、インダン等)もしくは1〜3個のRで置換されていてもよい複素環(例えば、ピリジン、ピラジン、ピロール、ピリミジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、チオフェン、フラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピラン、ジオキサン等)、−O−(1〜3個のRで置換されていてもよい炭素環)基、−O−(1〜3個のRで置換されていてもよい複素環)基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、NR基(基中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子またはC1〜8アルキル基を表わす。)、カルボキシル基、C1〜8アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、C1〜6アシル基(例えば、ホルミル、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル基等)、オキソ基、およびオキソ基から任意に選択される1〜5個の置換基であり、より好ましくはC1〜4アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基等)、C1〜4アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、メトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ピリジニル基、オキソ基、フェノキシ基、1〜3個のRで置換されていてもよいフェニル基、およびシクロヘキシル基から任意に選択される1〜3個の置換基であり、さらに好ましくは、メチル、tert−ブチル、1〜3個のRで置換されていてもよいフェニル、tert−ブトキシカルボニルおよびベンジルである。
T、T、T、TまたはVで示される「置換基」として好ましくは、1〜5個のRで置換されていてもよいC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基、C1〜8アルコキシ基、もしくはC1〜8アルキルチオ基(基中、C1〜8アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ基等が挙げられ、C1〜8アルキルチオ基としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ基等が挙げられ、Rとしては、例えば水酸基、またはハロゲン原子、フェニル基等が挙げられる。)、1〜3個のR(基中、RはC1〜4アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4アルコキシカルボニル基等が挙げられる。)で置換されていてもよい炭素環(例えば、ベンゼン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ナフタレン、インダン等)もしくは1〜3個のRで置換されていてもよい複素環(例えば、ピリジン、ピラジン、ピロール、ピリミジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、チオフェン、フラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピラン、ジオキサン等)、−O−(1〜3個のRで置換されていてもよい炭素環)基、−O−(1〜3個のRで置換されていてもよい複素環)基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、NR基(基中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子またはC1〜8アルキル基を表わす。)、カルボキシル基、C1〜8アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、C1〜6アシル基(例えば、ホルミル、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル基等)、オキソ基、またはオキソ基であり、より好ましくはC1〜4アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基等)、C1〜4アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、メトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ピリジニル基、オキソ基、フェノキシ基、1〜3個のRで置換されていてもよいフェニル基、またはシクロヘキシル基であり、さらに好ましくは、メチル基、tert−ブチル基、1〜3個のRで置換されていてもよいフェニル基、tert−ブトキシカルボニル基およびベンジル基である。
Qで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」として好ましくは、C3〜10の単環または二環式炭素環、または酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、3−10員の単環または二環式複素環であり、より好ましくはベンゼン、シクロヘキサン、ピリジン、1,3−チアゾール、フラン、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロピラン、1,3−ベンゾジオキソール、イソオキサゾール、または1−ベンゾチオフェン環であり、特段好ましくはベンゼン環である。
Qで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として好ましくは、C1〜8アルキル基である。
Qで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」として、好ましくはメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ベンジル基、フェノキシメチル基およびベンジルオキシメチル基である。より好ましくは、メチル基、エチル基、ベンジル基およびフェノキシメチル基である。
Qで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「置換基」として特段好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロエチル基およびハロゲン原子である。より好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基および塩素原子である。
Eとして好ましくは、水素結合受容基を含む主鎖の原子数1〜4のスペーサーであり、より好ましくは、

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)であり、より好ましく

1Aとして好ましくは、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、イソプロピル、イソペンチルまたはネオペンチルである。
環Gとして好ましくは、単環式の炭素環および複素環であり、具体的にはベンゼン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ピラン、テトラヒドロピラン、フラン、ピリジン、ピロール、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、イミダゾール、ピラゾール、1,3−チアゾール、1,3−ベンゾジオキソール、1−ベンゾチオフェン、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾールおよびテトラゾールであり、特段好ましくはベンゼン環である。
として好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基またはチオフェンカルボニル基である。
として好ましくは、水素原子である。
Mとして好ましくは、結合手、メチレンまたはエチレンである。
として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、メチレン、またはエチレンである。
一般式(I)で示される化合物のうち、好ましい化合物としては、一般式(I−A1)

(式中、qは0または1〜4の整数を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A2)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A3)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A4)

(式中、Tは水素原子または置換基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A5)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A6)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A7)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A8)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A9)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A10)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−A11)

(式中、rは0または1〜3の整数を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B1)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B2)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B3)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B4)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B5)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B6)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B7)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B8)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B9)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B10)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−B11)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−C1−1)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−C2−1)

(式中、Tは水素原子または置換基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−C1−2)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−C2−2)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−C1−3)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−C2−3)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−C1−4)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、一般式(I−C2−4)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグが挙げられる。より好ましい化合物としては、実施例に示した化合物および以下に示す化合物等が挙げられる。
(1)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)プロパンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0004)、(2)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−2−メチルプロパンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0009)、(3)3−ブロモ−N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0085)、(4)4−ブロモ−N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0090)、(5)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3,5−ジクロロベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0119)、(6)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0305)、(7)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−メチルブタンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0344)、(8)N−{[(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)アミノ]カルボニル}−4−メチルベンゼンスルホンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0462)、(9)N−[2−(3−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0453−0476)、(10)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0453−0506)、(11)N−[2−(2−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0778−0139)、(12)N−[2−(4−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0778−0140)、(13)N−[2−(2−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0778−0145)、(14)N−[2−(4−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0778−0146)、(15)(2E)−N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−3−フェニルアクリルアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0019)、(16)(2E)−N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−フェニルアクリルアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0021)、(17)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−1,1’−ビフェニル−4−カルボキサミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0161)、(18)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−1−ナフトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0201)、(19)N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(1−ナフチル)アセトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0204)、(20)4−ベンジル−N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)ベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0257)、(21)N−[2−(3−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−1,1’−ビフェニル−4−カルボキサミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0396−0389)、(22)N−[2−(3−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−ナフトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0453−0472)、(23)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−2−ナフトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0453−0502)、(24)N−[2−(2−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−3−フェニルプロパンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0529−0055)、(25)2−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(2−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]アセトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0529−0059)、(26)N−[2−(4−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−3−フェニルプロパンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0529−0085)、(27)2−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(4−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]アセトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0529−0089)、(28)N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0529−0119)、(29)N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−フェニルプロパンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0529−0130)、(30)N−[2−(4−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルブタンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1232)、(31)4−ブチル−N−[2−(3−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1247)、(32)N−[2−(3−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルブタンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1314)、(33)N−[2−(3−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−3−フェニルプロパンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1315)、(34)N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルブタンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1344)、(35)N−[2−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]ペンタンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1365)、(36)4−ブチル−N−[2−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1373)、(37)N−[2−(2,3−ジメチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1546)、(38)N−[2−(2,3−ジメチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1548)、(39)N−[2−(2,3−ジメチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルブタンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1552)、(40)N−[2−(2,3−ジメチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−3−フェニルプロパンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1553)、(41)N−[2−(2,4−ジメチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルブタンアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0541−1680)、(42)N−[2−(3,5−ジメチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−メチルベンズアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0778−0011)、(43)N−[2−(2,4−ジメチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−1−ナフトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0778−0250)、(44)4−ブチル−N−[2−(4−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0778−0392)、(45)N−[2−(2,4−ジメチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド(IF社(IF Ltd.)製;カタログ番号F0778−0412)。
ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療剤である組成物を製造するための、好ましい化合物としては、実施例に示したすべての本発明化合物が挙げられる。
[異性体]
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
本発明における光学活性な化合物は、100%純粋なものだけでなく、その他の光学異性体が50%未満含まれていてもよい。
[塩、N−オキシド体および溶媒和物]
一般式(I)で示される化合物の塩には薬理学的に許容されるものすべてが含まれる。薬理学的に許容される塩は毒性の低い、水溶性のものが好ましい。適当な塩として、例えばアルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩(無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等)が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物のN−オキシド体とは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、酸化されたものを表わす。また、本発明化合物のN−オキシド体は、さらに上記のアルカリ(土類)金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、酸付加物塩となっていてもよい。
一般式(I)で示される化合物の適当な溶媒和物としては、例えば、水、アルコール系溶媒(エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。溶媒和物は毒性が低い、水溶性のものが好ましい。また、本発明化合物の溶媒和物には、上記本発明化合物のアルカリ(土類)金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、酸付加物塩、N−オキシド体等の溶媒和物も含まれる。
本発明化合物は、公知の方法で上記の塩、上記のN−オキシド体、または上記の溶媒和物に変換することができる。
[プロドラッグ]
一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により一般式(I)で示される化合物に変換される化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、例えば、一般式(I)で示される化合物がアミノ基を有する場合、アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等);一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合物はそれ自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店,1990年刊,「医薬品の開発」,第7巻「分子設計」,163−198頁に記載されているような、生理的条件で一般式(I)で示される化合物に変化するものであってもよい。さらに、一般式(I)で示される化合物は同位元素(例えば、H、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよい。
[薬理活性]
実施例記載以外の薬理試験として、例えば、以下に示す方法が挙げられる。ラット副腎皮質由来ミトコンドリアにおけるプレグネノロン測定:
ラット副腎皮質由来ミトコンドリアを用いて本発明化合物のステロイド産生能を評価できる。
SD系雄性ラットにシクロヘキシミド20mg/ml溶液(1ml)を腹腔内投与し、その5分後に10IU/mlのアドレノコルチコトロピックホルモン(ACTH)溶液(0.3ml)を腹腔内投与する。ACTH投与20分後に頚椎脱臼を行ない、直ちに両側副腎皮質を摘出する。採取した副腎皮質をバッファーA(組成:トリス塩酸50mmol/l;ショ糖250mmol/l)中でホモジナイズした後、2,000g、4℃で3分間遠心する。得られた上清を12,500g、4℃で10分間遠心し、沈渣をバッファーAで2回洗いこんだ後、バッファーB(組成:ショ糖250mmol/l;リン酸カリウムバッファー10mmol/l;トリエタノールアミン15mmol/l;塩化カリウム20mmol/l;塩化マグネシウム5mmol/l;トリロスタン:10μmol/l;SU 10603:10μmol/l)に懸濁し、実験に用いる。リンゴ酸(150mmol/l)、β−NADP(5mmol/l)および本発明化合物を含むアッセイバッファーを37℃で5分間インキュベーションする。その後、ラット副腎皮質由来粗ミトコンドリア画分を添加し、さらに37℃で10分間インキュベーションしてプレグネノロンを産生させる(化合物の最終濃度:1μmol/l)。インキュベーション後、エタノールを加えて反応を停止し、n−ヘキサンを加えて抽出後、蒸発乾固する。残渣をバッファーC(組成:0.1%ゼラチン;リン酸緩衝塩類溶液)に溶解し、遠心後回収した上清を測定用サンプルとして定量する。[H]プレグネノロン(10000cpm;100μl)、抗プレグネノロン抗体(ICN Biomedicals Inc.;100μl)、サンプル(100μl)を混和し、4℃で一晩反応させる。反応後、デキストラン/チャコール(200μl)を加えてよく混和し、氷上で10分間放置した後遠心し、上清の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定する。サンプル中のプレグネノロンは検量線から算出する。
ストレッサー負荷による脳内プレグネノロン含量増大に対する本発明化合物の影響:
以下に示す方法によって、MBR拮抗薬の脳内ステロイド産生抑制能を確認することができる。
ウィスター(Wistar)系雄性ラットを用い、心理的ストレッサーを負荷する(Brain Res.,641,21−28,1994)。中央にプラットホームを設けた容器に約10cmの深さまで水を貯める。無処置群のラットは、投与およびストレッサーを負荷されずに、一方、ストレッサー負荷群のラットは、媒体あるいは化合物を経口投与した30分後にラットをプラットホームにのせてストレッサー負荷し、開始1時間後に、マイクロウェイブ・アプリケーター(室町機械株式会社)でマイクロウェーブを照射(出力:約6.5kW,照射時間:0.96s)した後、両側海馬を摘出し質量を測定する。海馬をつぶし、これに内部標準物質(D−プレグネノロン20ng)、水(1ml)、ジエチルエーテル/n−ヘキサン(9:1)(3ml)を加えて撹拌する。超音波破砕後、再度撹拌、3,000rpmで5分間遠心し、有機層をパスツールピペットで新しいチューブへ移す。水相を再度ジエチルエーテル/n−ヘキサン(9:1、3ml)で抽出操作を行ない、有機層を先の抽出溶液とあわせる。減圧乾固後、残渣を150μlの水/アセトニトリル(1:9)で再溶解し、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC−MS)により測定する。測定条件を以下に示す。
LC(液体クロマトグラフィー):ヒューレットパッカードシリーズ1100、
カラム:Inertsil ODS−3,3μm,2.1φ×100mm、
温度:室温、
移動相:5mmol/l CHCONH/MeCN(10:90)、
流速:0.2ml/min、
注入量:40μl。
MS(質量分析):Quattoro II(Micromass)、
イオン化法:常圧化学イオン化(APCI)、
positive;Corona:3.4kV、
Sheath gas:N(50l/hr)、
Source temperature:180℃、
Probe temperature:550℃、
Detection:プレグネノロン(Pregnenolone):m/z317.2(cone:10V)、
−プレグネノロン(D−pregnenolone):m/z321.2(cone:10V)。
抗ストレス作用の測定:
ウィスター(Wistar)系雄性ラットを用い、心理的ストレッサーを負荷する(ブレイン・リサーチ(Brain Res.),641,21〜28頁,1994年)。中央にプラットホームを設けた容器に約10cmの深さまで水を貯める。媒体あるいは本発明化合物を経口投与した30分後にストレッサー負荷を開始し、1時間後に脱糞数を数える(例えば、各群10匹)。本発明化合物の投与群および非処置群との脱糞数を比較することにより、本発明化合物の抗ストレス作用を評価することができる。
高架式十字迷路による抗不安活性の測定:
床面より50cmの高さに、同じ長さ(50×10cm)の2本のオープンアームと、同じ長さ(50×10cm)の2本のクローズアー厶(40cmの壁を設置)を互いに直角に交差するように設置し、高架式十字迷路装置とする。照明は両方のオープンアームにおける照度を一定にするように設置する。
評価の30分前に種々濃度の本発明化合物(5ml/kg)を経口投与したSD系雄性ラットを装置の中心部に静置し、オープンアームにおける滞在時間(秒)を5分間計測する。実験者は評価時間中、定位置にて計測する。
本発明化合物の投与群および非処置群において、オープンアームにおける滞在時間(秒)を比較することにより、本発明化合物の抗不安作用を評価することができる。
ボーゲル型コンフリクト試験による抗不安活性の測定:
金属グリッドの床、飲水ノズル、ハウスライトのついたオペラントチャンバー(29×29×23cm、Med Associates Inc。)を用いる。試験にはSD系雄性ラットを用い、評価前48時間絶水する。
評価の30分前に種々の濃度の本発明化合物(5ml/kg)を経口投与したラットをオペラントチャンバーの金属グリッドの床の上に置き、2秒間飲水するごとに0.65ミリアンペアの電気ショックを500ミリ秒間受けるという条件下で、被ショック回数を5分間計測する。なお、電気ショックおよびラットの飲水行動はMED−PC software version 4.0(Med Associates Inc.)により制御し記録する。
本発明化合物の投与群および非処置群において被ショック回数を比較することにより、本発明品化合物の抗不安作用を評価することができる。
社会相互作用試験による抗不安活性の測定:
試験には別々に飼育されたSD系雄性ラットを用いる。評価の30分前に種々の濃度の本発明化合物(5ml/kg)を経口投与した2匹のラットをアクリル製観察箱(50×50×30cm)に入れて10分間観察し、臭い嗅ぎ、追尾、身繕い、相手の上に乗る、下にもぐる等の社会相互作用行動をとる時間を測定する。
本発明化合物の投与群および非処置群において社会相互作用時間を比較することにより、本発明品化合物の抗不安作用を評価することができる。
[本発明化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明化合物は、公知の方法、例えばコンプレヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations、第2版)(Richard C.Larock著,John Wiley & Sons Inc,1999)に記載された方法等を適宜改良した、例えば以下に示す方法、または実施例に示す方法を組み合わせることによって製造することができる。なお、以下各製造方法において、原料化合物は塩として用いてもよい。このような塩としては、前記した一般式(I)の薬学的に許容される塩として記載されたものが用いることができる。
[A] 一般式(I)で示される化合物のうち、Eが−NJ−C(=X)−である化合物、すなわち一般式(I−1)

(基中、Xは酸素原子または硫黄原子を表わし、J1−1、AおよびQは、それぞれ前記したJ、AおよびQと同じ意味を表わすが、J1−1、AおよびQによって示される基に含まれるカルボキシル基、水酸基、アミノ基およびメルカプト基は保護が必要な場合には保護されているものとする。その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、以下の1)、2)または3)の方法に従って製造することができる。
1) 一般式(I−1)で示される化合物は、一般式(II)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示されるアミン化合物と一般式(III)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される(チオ)カルボン酸化合物を(チオ)アミド化反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによって製造することができる。
(チオ)アミド化反応としては、例えば、(1)酸ハライドを用いる方法、(2)混合酸無水物を用いる方法、(3)縮合剤を用いる方法等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)酸ハライドを用いる方法は、例えば一般式(III)で示される化合物を有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等)中または無溶媒で、酸ハライド化剤(例えば、オキザリルクロリド、チオニルクロリド等)と−20℃〜還流温度で反応させ、得られた酸ハライドを塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル等)中または無溶媒で、一般式(II)で示される化合物と−20℃〜還流温度で反応させることにより行なわれる。また、得られた酸ハライドを有機溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等)中、相間移動触媒(例えば、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリn−オクチルメチルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩等)の存在下または非存在下、アルカリ水溶液(例えば、重曹水、水酸化ナトリウム水溶液等)を用いて、一般式(II)で示される化合物と−20℃〜還流温度で反応させることにより行なうこともできる。
(2)混合酸無水物を用いる方法は、例えば一般式(III)で示される化合物を有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、酸ハライド(例えば、ピバロイルクロリド、トシルクロリド、メシルクロリド等)、または酸誘導体(例えば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル等)と、−20℃〜還流温度で反応させ、得られた混合酸無水物を塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、一般式(II)で示される化合物と−20℃〜還流温度で反応させることにより行なわれる。
(3)縮合剤を用いる方法は、例えば一般式(III)で示される化合物と一般式(II)で示される化合物を、有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、または無溶媒で、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の存在下または非存在下、縮合剤(例えば、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素、1−プロピルホスホン酸環状無水物(1−propanephosphonic acid cyclic anhydride、PPA)等)を用い、1−ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)の存在下または非存在下で、−20℃〜還流温度で反応させることにより行なわれる。
これら(1)、(2)および(3)の反応は、いずれも不活性ガス(アルゴン、窒素等)雰囲気下、無水条件で行なうことが望ましい。
カルボキシル基、水酸基、アミノ基またはメルカプト基の保護基の脱保護反応は、よく知られており、例えば、(1)アルカリ加水分解による脱保護反応、(2)酸性条件下における脱保護反応、
(3)加水素分解による脱保護反応、(4)シリル基の脱保護反応、(5)金属を用いた脱保護反応、(6)金属錯体を用いた脱保護反応等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)もしくは炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)またはその水溶液あるいはこれらの混合物を用いて、−20℃〜還流温度で行なわれる。
(2)酸性条件下での脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、アニソール等)中、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トシル酸等)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸等)中、2,2,2−トリフルオロエタノールの存在下または非存在下、−20〜100℃で行なわれる。
(3)加水素分解による脱保護反応は、例えば溶媒(例えば、エーテル系(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(例えば、ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(例えば、アセトニトリル等)、アミド系(例えば、ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(例えば、パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、−20〜200℃で行なわれる。
(4)シリル基の脱保護反応は、例えば水と混和しうる有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等)中、テトラブチルアンモニウムフルオライドを用いて、−20℃〜還流温度で行なわれる。
(5)金属を用いた脱保護反応は、例えば酸性溶媒(例えば、酢酸、pH4.2〜7.2の緩衝液またはそれらの溶液とテトラヒドロフラン等の有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、必要であれば超音波をかけながら、−20℃〜還流温度で行なうことができる。
(6)金属錯体を用いた脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(例えば、水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジン等)、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、2−エチルヘキサン酸等)および/または有機酸塩(例えば、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等)の存在下、ホスフィン系試薬(例えば、トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(例えば、トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)を用いて、−20℃〜還流温度で行なうことができる。
また、上記以外にも、例えばプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)(T.W.Greene著,John Wiley & Sons Inc,1999)に記載された方法によって、脱保護反応を行なうことができる。
カルボキシル基の保護基としては、例えばメチル基、エチル基、アリル基、t−ブチル基、トリクロロエチル基、ベンジル(Bn)基、フェナシル基、p−メトキシベンジル基、トリチル基、2−クロロトリチル基またはそれらの構造が結合した固相担体等が挙げられる。
水酸基の保護基としては、例えばメチル基、トリチル基、メトキシメチル(MOM)基、1−エトキシエチル(EE)基、メトキシエトキシメチル(MEM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、トリメチルシリル(TMS)基、トリエチルシリル(TES)基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)基、アセチル(Ac)基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)基等が挙げられる。
アミノ基の保護基としては、例えばベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpoc)基、トリフルオロアセチル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基等が挙げられる。
メルカプト基の保護基としては、例えばベンジル基、メトキシベンジル基、メトキシメチル(MOM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、ジフェニルメチル基、アセチル(Ac)基等が挙げられる。
カルボキシル基、水酸基、アミノ基またはメルカプト基の保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に脱離できる基であれば特に限定されない。例えば、前記したプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシスに記載されたものが用いられる。
当業者には容易に理解できることではあるが、これらの脱保護反応を使い分けることにより、目的とする本発明化合物を容易に製造することができる。
2)一般式(I−1)で示される化合物は、一般式(II)で示される化合物と、一般式(IV)

(式中、Lは、ハロゲン原子、イミダゾリル基等の脱離基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
一般式(II)で示される化合物と、一般式(IV)で示される化合物の反応は、例えば一般式(IV)で示される化合物を塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル等)中、一般式(II)で示される化合物と−20℃〜還流温度で反応させることにより行なわれる。また、一般式(IV)で示される化合物を有機溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等)中、相間移動触媒(例えば、テトラブチルアンモニウ厶クロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリn−オクチルメチルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩等)の存在下または非存在下、アルカリ水溶液(例えば、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等)を用いて、一般式(II)で示される化合物と−20℃〜還流温度で反応させることにより行なうこともできる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
3)一般式(I−1)で示される化合物は、一般式(V)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(VI)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによって製造することができる。
一般式(V)で示される化合物と、一般式(VI)で示される化合物の反応は、前記した一般式(II)で示される化合物と、一般式(IV)で示される化合物の反応に準じた方法で行なうことができる。
[B] 一般式(I)で示される化合物のうち、Eが−NJ−SO−を表わす化合物、すなわち一般式(I−2)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、以下に示す1)、2)または3)の方法によって製造することができる。
1)一般式(I−2)で示される化合物は、一般式(II)で示されるアミン化合物と、一般式(VII)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示されるスルホン酸化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
一般式(II)で示される化合物と、一般式(VII)で示される化合物の反応は、例えば(1)酸ハライドを用いる方法、(2)混合酸無水物を用いる方法、(3)縮合剤を用いる方法等が挙げられる。これらの方法は前記した方法に準じて行なうことができる。
保護基の脱保護反応は前記の方法により行なうことができる。
2)一般式(I−2)で示される化合物は、一般式(II)で示される化合物と、一般式(VIII)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
一般式(II)で示される化合物と、一般式(VIII)で示される化合物の反応は、前記した一般式(II)で示される化合物と、一般式(IV)で示される化合物の反応に準じた方法で行なうことができる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
3)一般式(I−2)で示される化合物は、一般式(V)で示される化合物と、一般式(IX)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによって製造することができる。
一般式(V)で示される化合物と、一般式(IX)で示される化合物の反応は、前記した一般式(II)で示される化合物と、一般式(IV)で示される化合物の反応に準じた方法により行なうことができる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
[C] 一般式(I)で示される化合物のうち、Yが−NJ−C(=X)−NJ−を表わす化合物、すなわち一般式(I−3)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、以下の1)または2)の方法に従って製造することができる。
1) 一般式(I−3)で示される化合物は、一般式(II)で示されるアミン化合物と、一般式(X)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物をウレア化反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
ウレア化反応は、以下の1)または2)の方法に従って行なうことができる。
1)例えば有機溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド等)中、0℃〜還流温度で行なうことができる。
この反応は不活性気体存在下、無水条件下で行なうことが好ましい。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
2)一般式(XI)

(式中、Lはハロゲン原子を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される(チオ)カルバモイルハライドと一般式(XII)

(式中、J2−1はJと同じ意味を表わすが、J2−1によって示される基に含まれるカルボキシル基、水酸基、アミノ基およびメルカプト基は保護が必要な場合には保護されているものとし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示されるアミン化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても行なうことができる。
この反応は公知であり、例えば、一般式(XI)で示される化合物を塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、一般式(XII)で示される化合物と有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、−20℃〜還流温度で反応させることにより行なうことができる。
または、一般式(XI)で示される化合物を有機溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等)中、アルカリ水溶液(例えば、炭酸水素ナトリウム水溶液または水酸化ナトリウム溶液等)を用いて、一般式(XII)で示される化合物と−20℃〜還流温度で反応させることにより行なうこともできる。
一般式(XI)で示される化合物は、一般式(II)で示される化合物を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、ホスゲン化合物(例えば、ホスゲン、チオホスゲン、トリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)等)および塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、−20℃〜還流温度で反応させることによって製造することができる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
[D] 一般式(I)で示される化合物のうち、Yが−N(J)−(CH−(基中、tは1〜8の整数を表わす。)を表わす化合物、すなわち一般式(I−4)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(II)で示されるアミン化合物と、一般式(XIII)

(式中、Lはハロゲン原子、メシルオキシ基(OMs基)、トシルオキシ基(OTs基)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基(OTf基)、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、ヒドロキシスルホニル基等の脱離基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
一般式(II)で示される化合物と一般式(XIII)で示される化合物との反応は、例えば有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトン、エチルメチルケトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、酢酸エチル等)中、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等)存在下、および触媒(例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウ厶、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム等)の存在下または非存在下、−20℃〜還流温度で行なうことができる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
[E] 一般式(I)で示される化合物のうち、Yが−C(=X)−N(J)−を表わす化合物、すなわち一般式(I−5)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(XIV)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(XV)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物をアミド化反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
アミド化反応は、前記の一般式(II)で示される化合物と一般式(III)で示される化合物との反応と同様の方法で行なうことができる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
また、一般式(I−5)で示される化合物は、一般式(XVI)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(XV)で示される化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
一般式(XVI)で示される化合物と、一般式(XV)で示される化合物の反応は、前記した一般式(II)で示される化合物と、一般式(IV)で示される化合物の反応と同様の方法で行なうことができる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
[F] 一般式(I)で示される化合物のうち、Yが−SO−NJ−を表わす化合物、すなわち一般式(I−6)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(XVII)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(XV)で示される化合物をスルホンアミド化反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
スルホンアミド化反応は、前記と同様の方法で行なうことができる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
2)一般式(I−6)で示される化合物は、一般式(XVIII)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(XV)で示される化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことによっても製造することができる。
一般式(XVIII)で示される化合物と、一般式(XV)で示される化合物の反応は、前記した一般式(II)で示される化合物と、一般式(IV)で示される化合物の反応と同様の方法で行なうことができる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行なうことができる。
[G] 一般式(I)で示される化合物のうち、Eが−C(=X)−O−である化合物、すなわち一般式(I−7)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(XII)で示される化合物と一般式(XIX)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を(チオ)エステル化反応に付すことによって製造することができる。
(チオ)エステル化反応は上記の(チオ)アミド化反応と同様にして行なうことができる。
[H] 一般式(I)で示される化合物のうち、Eが−O−C(=X)−である化合物、すなわち一般式(I−8)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(III)で示される化合物と一般式(XX)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を(チオ)エステル化反応に付すことによって製造することができる。
(チオ)エステル化反応は上記の(チオ)アミド化反応と同様にして行なうことができる。
上記の一般式(I−1)〜(I−8)で示される化合物はいずれも環AとQの間にアミド結合、エステル結合またはスルホンアミド結合のみを有するが、これらの化合物のほか、例えば環Aとアミド結合の間にスペーサーとしてアルキレン基を有する化合物、例えば一般式(I−9)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、当業者には容易に理解できることであるが、一般式(XXI)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と一般式(XV)で示される化合物を、前記したアミド化反応と同様の反応に付すことによって製造することができる。
出発原料または試薬として用いる一般式(II)〜(XXI)で示される化合物は、それ自体公知であるか、あるいは公知の方法、例えば前記したコンプレヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズに記載された方法、あるいはジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.),2002,45,14,2995頁等に記載の方法を用いることで容易に製造することができる。
例えば、一般式(II)で示される化合物のうち、例えばピラゾール骨格を有する化合物は、反応工程式1に示される方法に従って製造することができる。反応工程式1において、T、TおよびTはそれぞれ独立して、水素原子、または置換基(環Aの置換基と同じ意味を表わす)を表わす。

例えば、一般式(II)で示される化合物のうち、例えばイミダゾール骨格を有する化合物は、反応工程式2に示される方法に従って製造することができる。

反応工程式1および2中、出発原料または試薬として用いる一般式(XXIII)、(XXIV)および(XXVI)で示される化合物は、それ自体公知であるか、あるいは公知の方法により容易に製造することができる。
本明細書中の各反応においては、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール等)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶等の方法により精製することができる。精製は各反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
[毒性]
一般式(I)で示される化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全である。
【発明の効果】
一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ(以下、本発明化合物と略す場合がある。)は、MBRに親和性を有するため、例えばストレッサーによって誘発、増悪および/または再燃される疾患やストレスに起因する疾患等の予防および/または治療に有用である。
ストレッサーによって誘発、増悪および/または再燃される疾患やストレスに起因する疾患としては、例えば、ストレスに起因する中枢性疾患(例えば、不安関連疾患(神経症、心身症、全般性不安障害(GAD)、社会不安障害(SAD)、パニック障害、多動性障害、注意欠陥、人格障害、双極性障害、自閉症等)、睡眠障害、うつ病、反応性うつ病、てんかん、パーキンソン病、パーキンソン症候群、統合失調症、自律神経失調症、ハンチントン病、アルツハイマー病、情動障害、認知障害、偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、外傷後ストレス障害(PTSD)、解離性障害、不眠症、神経性嘔吐、神経性咳嗽、心因性痙攣発作、心因性失神発作、職場不適応、燃え尽き症候群、慢性疲労症候群、書痙、痙性斜頸等)、ストレスに起因する呼吸器系疾患(例えば、喘息、気管支喘息、過換気症候群、喉頭痙攣、慢性閉塞性肺疾患等)、ストレスに起因する消化器系疾患(例えば、過敏性腸症候群、消化性潰瘍、機能性消化不良症、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、胆道ジスキネジー、食道痙攣、胃アトニー、空気嚥下症、慢性肝炎、慢性膵炎等)、ストレスに起因する循環器系疾患(例えば、本態性高血圧、不整脈、(神経性)狭心症、本態性低血圧、起立性調節障害、心筋梗塞、動脈硬化、めまい等)、ストレスに起因する泌尿器系・生殖器系疾患(例えば、排尿障害、神経性頻尿(過活動膀胱)、夜尿症、遺尿症、心因性尿閉、インポテンツ、勃起不全、前立腺症、尿道症候群等)、ストレスに起因する婦人科系疾患(例えば、更年期障害、月経痛、月経異常、月経前症候群、不妊症、不感症、悪阻、流早産等)、ストレスに起因する内分泌・代謝系疾患(例えば、神経性食思不振症、摂食障害、拒食症、過食症、バーター症候群、甲状腺機能亢進症、糖代謝障害(例えば、糖尿病、(反射性)低血糖症等)、脂質代謝障害(例えば、高脂血症等)、痛風、骨粗鬆症、視床下部疾患、下垂体疾患、副甲状腺疾患、副腎皮質・副腎髄質疾患、性腺疾患、心因性多飲症、肥満症等)、ストレスに起因する眼科系疾患(例えば、眼精疲労、中心性網膜炎、飛蚊症、眼瞼痙攣、原発性緑内障、めまい等)、ストレスに起因する耳鼻咽喉科系疾患(例えば、耳鳴り、めまい、心因性難聴、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、嗅覚障害、吃音、失声症等)、ストレスに起因する口腔外科・歯科系疾患(例えば、顎関節症、舌咽神経痛、突発性舌痛症、口内炎、歯痛、口臭症、唾液分泌異常、歯ぎしり等)、ストレスに起因する外科・整形外科系疾患(例えば、術後腹部神経症、ダンピング症候群、頻回施術症、形成後神経症、関節リウマチ、腰痛症、頸肩腕症候群、肩こり、結合織炎、多発関節痛、全身性筋痛症、痛風等)、ストレスに起因する皮膚系疾患(例えば、慢性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、多汗症、湿疹、皮膚掻痒症、円形脱毛症等)およびストレスに起因するその他の疾患(例えば、がん、全身性エリスマトーデス等)が挙げられる。
本発明化合物は、1)その本発明化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、2)その本発明化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または3)その本発明化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
本発明化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明化合物を後に投与してもよく、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
他の薬剤は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA、遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体であるか、またはワクチン等であってもよい。他の薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と他の薬剤の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、本発明化合物1質量部に対し、他の薬剤を0.01〜100質量部用いればよい。他の薬剤は以下に示す同種群および異種群から任意に1種または2種以上を適宜の割合で組み合わせて投与してもよい。また、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、下記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
本発明化合物と併用してもよい他の薬剤としては、例えば、抗不安薬(例えば、ベンゾジアゼピン系抗不安薬、チエノジアゼピン系抗不安薬、非ベンゾジアゼピン系抗不安薬、セロトニン作動薬、CRF拮抗薬、タキキニンNK拮抗薬等)、抗うつ薬(例えば、三環式抗うつ薬、四環式抗うつ薬、モノアミン遊離薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬、モノアミン再取込み阻害薬(SSRI、SNRI)、CRF拮抗薬、タキキニンNK拮抗薬、ニューロテンシン拮抗薬等)、抗パーキンソン薬(例えば、抗コリン薬、ドパミン作動薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬等)、統合失調症治療薬(例えば、ドパミン拮抗薬等)、抗てんかん薬(例えば、バルビツール酸系抗てんかん薬、ヒダントイン系抗てんかん薬等)、抗めまい薬、喘息治療薬(例えば、気管支拡張薬、α受容体作動薬、β受容体作動薬、キサンチン誘導体、吸入ステロイド、抗コリン薬、5−リポキシゲナーゼ阻害薬等)、消化性潰瘍治療薬(例えば、攻撃因子抑制薬、抗ペプシン薬、制酸薬、ヒスタミンH受容体拮抗薬、抗ガストリン薬、プロトンポンプ阻害薬、ムスカリン受容体拮抗薬、抗コリン薬、防御因子増強薬、プロスタグランジン誘導体等)、消化管機能調整薬・消化管運動促進薬(例えば、整腸薬、CCK−A拮抗薬、ニューロテンシン拮抗薬、オピオイド作動薬、ムスカリン作動薬、5−HT作動薬、5−HT拮抗薬等)、止瀉薬(例えば、止痢薬、オピオイドμ受容体刺激薬等)、瀉下薬(例えば、膨張性下剤、塩類下剤、刺激性下剤、親和性ポリアクリル樹脂等)、血圧降下薬(例えば、カルシウム拮抗薬、β受容体遮断薬、α受容体遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体遮断薬等)、抗不整脈薬(例えば、ナトリウム拮抗薬、β受容体遮断薬、カリウム拮抗薬、カルシウム拮抗薬等)、強心薬(例えば、ホスホジエステラーゼ阻害薬、強心配糖体、β受容体作動薬等)、排尿障害治療薬(例えば、頻尿治療薬、抗コリン薬、ムスカリン作動(拮抗)薬、タキキニンNK拮抗薬、NK拮抗薬等)等が挙げられる。
上記併用剤により予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
本発明化合物の過敏性腸症候群に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば抗不安薬(例えば、ベンゾジアゼピン系抗不安薬、チエノジアゼピン系抗不安薬、非ベンゾジアゼピン系抗不安薬、セロトニン作動薬、CRF拮抗薬等)、抗うつ薬(例えば、モノアミン遊離薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬、モノアミン再取込み阻害薬(SNRI、SSRI)、CRF拮抗薬、ニューロテンシン拮抗薬、三環式抗うつ薬、四環式抗うつ薬等)、抗コリン薬、消化管機能調整薬・消化管運動促進薬(例えば、整腸薬、CCK−A拮抗薬、ニューロテンシン拮抗薬、オピオイド作動薬、ムスカリン作動薬、5−HT作動薬等)、止瀉薬(例えば、止痢薬、オピオイドμ受容体刺激薬等)、瀉下薬(例えば、膨張性下剤、塩類下剤、刺激性下剤、親和性ポリアクリル樹脂等)、粘膜麻痺薬、自律神経調節薬、カルシウム拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、セロトニン拮抗薬(例えば、5−HT拮抗薬、5−HT拮抗薬)、ダリフェナジン、ポリカルボフィルカルシウム等が挙げられる。
本発明化合物の胃・十二指腸潰瘍に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば消化性潰瘍治療薬(例えば、攻撃因子抑制薬、抗ペプシン薬、制酸薬、ヒスタミンH受容体拮抗薬、抗ガストリン薬、プロトンポンプ阻害薬、ムスカリン受容体拮抗薬、抗コリン薬、防御因子増強薬、プロスタグランジン誘導体、メサラジン、サラゾスルファピリジン等)、抗コリン薬、胃粘膜麻酔薬、抗不安薬(例えば、ベンゾジアゼピン系抗不安薬、チエノジアゼピン系抗不安薬、非ベンゾジアゼピン系抗不安薬、セロトニン作動薬、CRF拮抗薬等)、ドパミン拮抗薬等が挙げられる。
本発明化合物の潰瘍性大腸炎に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えばメサラジン、サラゾスルファピリジン、消化性潰瘍治療薬(例えば、攻撃因子抑制薬、抗ペプシン薬、制酸薬、ヒスタミンH受容体拮抗薬、抗ガストリン薬、プロトンポンプ阻害薬、ムスカリン受容体拮抗薬、抗コリン薬、防御因子増強薬、プロスタグランジン誘導体等)、抗コリン薬、ステロイド薬、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、抗酸化薬、LTB拮抗薬、局所麻酔薬、免疫抑制薬、防御因子増強薬、メタロプロテアーゼ阻害剤等が挙げられる。
本発明化合物の胆道ジスキネジーに対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えばセルレイン、鎮痙薬、COMT(カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ)阻害薬、コリン作動薬、抗コリン薬、抗不安薬、利胆薬、抗うつ薬、CCK−A拮抗薬等が挙げられる。
本発明化合物の空気嚥下症に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば整腸薬、抗不安薬、自律神経調整薬、線維製剤、消化酵素剤、ガス吸着剤、腸管運動促進薬等が挙げられる。
本発明化合物の慢性肝炎に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば肝水解物製剤、ポリエンホスファチジルコリン、グリチルリチン製剤、プロトポルフィリンナトリウム、ウルソデオキシコール酸、ステロイド薬、抗コリン薬、制酸薬、プロパゲルマニウム、脂質過酸化酵素阻害剤等が挙げられる。
本発明化合物の慢性膵炎に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば蛋白分解酵素阻害剤、胃酸分泌抑制薬、鎮痙薬(例えば、COMT阻害剤、抗セロトニン薬等)、非ステロイド性消炎鎮痛薬、中枢性鎮痛薬、鎮静薬、消化酵素剤、制酸薬、ヒスタミンH受容体拮抗薬、抗うつ薬、胃粘膜局所麻酔薬、消化管機能調整薬(CCK−A拮抗薬)等が挙げられる。
本発明化合物の食道痙攣に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば食道運動機能調整薬、抗不安薬、自律神経調整薬等が挙げられる。
本発明化合物の胃アトニーに対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば消化管運動促進薬、消化酵素剤、精神安定薬等が挙げられる。
本発明化合物の機能性消化不良症に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば制酸薬、ヒスタミンH受容体拮抗薬、消化管機能調節薬、消化管運動促進薬、抗不安薬、精神安定薬、消化酵素薬、プロトンポンプ阻害薬、ムスカリン受容体拮抗薬、抗コリン薬、防御因子増強薬、ドパミン拮抗薬等が挙げられる。
抗不安薬としては、例えば、ジアゼパム、オキサゾラム、フルニトラゼパム、アルプラゾラム、エチゾラム、フルタゾラム、ロラゼパム、ロフラゼプ酸エチル、トフィソパム、クロチアゼパム、γオリザノール等が挙げられる。
三環式抗うつ薬としては、例えば、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、アモキサピン等が挙げられる。
四環式抗うつ薬としては、例えば、ミアンセリン、マプロチリン等が挙げられる。
モノアミン再取り込み阻害薬としては、例えば、トラゾドン、フルボキサミン等が挙げられる。
抗パーキンソン薬としては、例えば、レボドパ、アマンタジン、セレギリン、ブロモクリプチン、プラミペキソール、抗コリン薬等が挙げられる。
抗コリン薬としては、例えばトリヘキシフェニジル、ビペリデン、臭化イプラトロピウム、臭化メペンゾラート等が挙げられる。
抗てんかん薬としては、例えば、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸、クロナゼパム等が挙げられる。
抗めまい薬としては、例えば、ジフェニドール、ベタヒスチン等が挙げられる。
喘息治療薬としては、例えば、エフェドリン、オルシプレナリン、サルブタモール、プロカテロール、テオフィリン、アミノフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、抗コリン薬、吸入ステロイド薬等が挙げられる。
吸入ステロイド薬としては、例えば、ベクロメタゾン、プレドニゾロン等が挙げられる。
抗ペプシン薬としては、例えば、スクラルファート等が挙げられる。
制酸薬としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
ヒスタミンH受容体拮抗薬としては、例えば、ファモチジン、ラニチジン、シメチジン、ロキサチジン等が挙げられる。
抗ガストリン薬としては、例えば、プログルミド等が挙げられる。
プロトンポンプ阻害薬としては、例えば、オメプラゾール、ランソプラゾール等が挙げられる。
ムスカリン受容体拮抗薬としては、例えば、ピレンゼピン等が挙げられる。
防御因子増強薬としては、例えば、ゲファルナート、テプレノン、スクラルファート、アルジオキサ、塩酸セトラキサート、オルノプロスチル等が挙げられる。
プロスタグランジン誘導体としては、例えば、オルノプロスチル、ミソプロストール等が挙げられる。
消化管機能調節薬としては、例えば、シサプリド、ドンペリドン、スルピリド、メトクロプラミド、アロセトロン、マレイン酸トリメブチン等が挙げられる。
消化管運動促進薬としては、例えば、シサプリド、テガセロド、塩酸ベタネコール等が挙げられる。
止瀉薬としては、例えば、ロペラミド等が挙げられる。
膨張性下剤としては、例えば、メチルセルロース、カルメロース、ラクツロース等が挙げられる。
塩類下剤としては、例えば、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
刺激性下剤としては、例えば、ピコスルファート、ラクツロース、ヒマシ油、センナ、大黄等が挙げられる。
血圧降下薬としては、例えば、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、アテノロール、アロチノール、カルテオロール、プロプラノロール、メトプロロール、プラゾシン、カプトプリル、エラナプリル、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム等が挙げられる。
抗不整脈薬としては、例えば、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、リドカイン、メキシレチン、プロプラノロール、アミオダロン、ベラパミル等が挙げられる。
強心薬としては、例えば、ジギトキシン、ジゴキシン、ドパミン、ドブタミン、アミノフィリン、ミルノリン等が挙げられる。
排尿障害治療薬としては、例えば、オキシブチニン、タムスロシン、プロピベリン等が挙げられる。
局所麻酔薬としては、例えば、リドカイン、オキセサゼイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸コカイン、塩酸テトラカイン等が挙げられる。
免疫抑制薬としては、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、FTY720等が挙げられる。
自律神経調整薬としては、例えば、γオリザノール等が挙げられる。
利胆薬としては、例えば、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。
タキキニンNK1拮抗薬としては、例えば、アプレピタント等が挙げられる。
本発明化合物、または本発明化合物と他の薬剤の併用剤を含有してなる医薬組成物を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人当たり、一回につき、100μgから1000mgの範囲で一日一回から数回経口投与されるか、または成人一人当たり、一回につき、50μgから500mgの範囲で一日一回から数回非経口投与されるか、または一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
本発明化合物、または本発明化合物と他の薬剤の併用剤を含有してなる医薬組成物を投与する際には、例えば経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が挙げられる。カプセル剤には、例えばハードカプセルおよびソフトカプセル等が挙げられる。
このような内服用固形剤においては、例えば1種または2種以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
経口投与のための内服用液剤には、例えば薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含まれる。このような液剤においては、1種または2種以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(例えば、精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘昧剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらは1種または2種以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により調製される。
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、1種または2種以上の活性物質を基剤に混和、または溶融させて調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(例えば、ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(例えば、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(例えば、ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(例えば、親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(例えば、ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの1種または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、1種または2種以上の活性物質を基剤に溶融させて調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(例えば、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(例えば、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの1種または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、1種または2種以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(例えば、2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの1種または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、1種または2種以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(例えば、尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(例えば、カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの1種または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、1種または2種以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの1種または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、1種または2種以上の活性物を水、アルコール(例えば、エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの1種または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および同第3,095,355号に詳しく記載されている。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、1種または2種以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための点眼剤には、点眼液、懸濁型点眼液、乳濁型点眼液、用時溶解型点眼液および眼軟膏が含まれる。
これらの点眼剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、1種または2種以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。点眼剤の溶剤としては、例えば滅菌精製水、生理食塩水、その他の水性溶剤または注射用非水性用剤(例えば、植物油等)等およびそれらの組み合わせが用いられる。点眼剤は、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、緩衝化剤(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、界面活性化剤(例えば、ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、安定化剤(例えば、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)等を必要に応じて適宜選択して含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか、無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の滅菌精製水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための吸入剤には、エアロゾル剤、吸入用粉末剤または吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(例えば、カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(例えば、ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(例えば、デンプン、デキストリン等)、賦形剤(例えば、乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には、通常噴霧器(例えば、アトマイザー、ネブライザー等)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には、通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のためその他の組成物としては、1種または2種以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および膣内投与のためのペッサリー等が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。クロマトグラフィーによる分離の箇所、TLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。NMRはH NMRの測定値であり、NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示し、特に断わらない場合は、重クロロホルム(CDCl)を用いた。
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標、Advanced Chemistry Development Inc.社製)またはACD/Nameバッチ(登録商標、Advanced Chemistry Development Inc.社製)を用いるか、または、IUPAC命名法に準じて命名したものである。
【実施例1】
1−(4−メチルフェニル)−3−tert−ブチルピラゾール−5−アミン

4−メチルフェニルヒドラジン(0.90mL)および4,4−ジメチル−3−オキソペンタンニトリル(1.0g)のトルエン(3mL)溶液を終夜還流した。反応混合物を濃縮し、残渣をカラム精製し、標題化合物(1.53g)を得た。
実施例1(1)〜実施例1(9)
4−メチルフェニルヒドラジン、またはその代わりにtert−ブチルヒドラジンまたは4−(クロロフェニル)ヒドラジンを用い、4,4−ジメチル−3−オキソペンタンニトリルの代わりに4−オキソテトラヒドロ−3−チオフェンカルボニトリル、2−アミノ−1−シクロペンタン−1−カルボニトリル、2−アミノ−1−シクロヘプタン−1−カルボニトリル、3−オキソ−2−フェニルプロパンニトリル、2−オキソシクロヘキサンカルボニトリルまたは1−tert−ブトキシカルボニル−4−オキソ−3−ピロリジンカルボニトリルを用いて、実施例1に示される方法(J.Med.Chem.,2002,45,2994−3008に記載される方法)と同様に操作して以下の本発明化合物を得た。
実施例1(1):2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−アミン
TLC:Rf 0.32(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 1.62(s,9H),3.43(s,2H),3.73(m,2H),3.93(m,2H)。
実施例1(2):2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−アミン
TLC:Rf 0.33(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 3.69(s,2H),3.79(t,J=1.19Hz,2H),3.97(t,J=1.28Hz,2H),7.47(m,4H)。
実施例1(3):2−(4−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−アミン
TLC:Rf 0.26(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 2.40(s,3H),3.69(s,2H),3.80(t,J=1.37Hz,2H),3.98(t,J=1.37Hz,2H),7.27(m,2H),7.39(m,2H)。
実施例1(4):2−(4−クロロフェニル)−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−アミン
TLC:Rf 0.53(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 2.40(m,2H),2.56(m,2H),2.70(m,2H),3.63(s,2H),7.41(m,2H),7.53(m,2H)。
実施例1(5):2−tert−ブチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−アミン
TLC:Rf 0.38(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 1.68(s,9H),2.33(m,2H),2.47(m,2H),2.64(t,J=7.23Hz,2H),3.40(s,2H)。
実施例1(6):2−(4−クロロフェニル)−2,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロシクロヘプタ[c]ピラゾール−3−アミン
TLC:Rf 0.45(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 1.70(m,4H),1.84(m,2H),2.37(m,2H),2.71(m,2H),3.48(s,2H),7.40(m,2H),7.53(m,2H)。
実施例1(7):1−tert−ブチル−4−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミン
TLC:Rf 0.42(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 1.70(s,9H),3.79(s,2H),7.21(m,2H),7.39(m,4H)。
実施例1(8):2−(4−クロロフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−アミン
TLC:Rf 0.33(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
NMR:δ 1.80(m,4H),2.37(t,J=5.77Hz,2H),2.65(t,J=5.95Hz,2H),3.56(s,2H),7.41(m,2H),7.53(m,2H)。
実施例1(9):tert−ブチル 3−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボキシレート
TLC:Rf 0.54(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1);
NMR:δ 1.51(s,9H),3.60−4.00(b,2H),4.34−4.43(m,4H),7.42−7.54(m,4H)。
【実施例2】
2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−アミン

2−ピロリジノン(0.76mL)のトルエン(5mL)溶液に氷冷下、オキシ塩化リン(0.47mL)を加え、混合物を3時間撹拌した。混合物にアミノ(フェニル)アセトニトリル塩酸塩(843mg)を加え、混合物を室温下終夜撹拌した。混合物の上層を除き、さらにトルエンで洗浄し、下層に2N水酸化ナトリウム水溶液(約20mL)を加え、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、下記物性値を有する本発明化合物(431mg)を得た。
TLC:Rf 0.45(塩化メチレン:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1);
NMR:δ 2.60(m,2H),2.88(m,2H),3.34(s,2H),3.86(m,2H),7.16(m,1H),7.37(m,2H),7.69(m,2H)。
【実施例3】
エチル(2E)−3−(1−ベンジル−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)アクリレート

4−ホルミル−2−フェニルイミダゾール(8.68g)のジメチルホルムアミド(100mL)溶液に炭酸カリウム(10.5g)、ベンジルブロミド(6.0mL)を加え、混合物を室温で2.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後濃縮し、1−ベンジル−4−ホルミル−2−フェニルイミダゾール(14.7g)を得た。
続いて水素化ナトリウム(62.7%in oil,2.30g)のテトラヒドロフラン(100mL)懸濁液に氷冷下、エチル(ジエトキシホスホリル)アセタート(12mL)を滴下し、10分間撹拌した。この反応溶液に上記の1−ベンジル−4−ホルミル−2−フェニルイミダゾール(14.7g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液を20分間かけて滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣を混合溶媒(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)から再結晶し、下記物性値を有する本発明化合物(5.26g)を得た。
TLC:Rf 0.37(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 1.30(t,J=7.14Hz,3H),4.23(q,J=7.08Hz,2H),5.18(s,2H),6.64(d,J=15.56Hz,1H),7.09(m,2H),7.14(s,1H),7.37(m,6H),7.56(m,3H)。
【実施例4】
エチル 3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパノエート

実施例3で製造した化合物(5.22g)のエタノール(160mL)溶液にアルゴン雰囲気下で10%パラジウム炭素(1.62g)を加え、混合物を水素雰囲気下50℃で9時間撹拌した。反応混合物を放冷後ろ過し、ろ液を濃縮して、下記物性値を有する本発明化合物(3.79g)を得た。
TLC:Rf 0.37(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR(DMSO−d):δ 1.17(t,J=7.05Hz,3H),2.72(m,4H),4.06(q,J=7.14Hz,2H),6.84(m,1H),7.34(m,3H),7.87(m,2H),12.23(s,1H)。
【実施例5】
3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸

実施例4で製造した化合物(3.76g)のエタノール(30mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(16mL)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に氷冷下で2N塩酸(16mL)を滴下し、0℃で撹拌した。析出物をろ取後、水洗し、下記物性値を有する本発明化合物(3.23g)を得た。
TLC:Rf 0.14(酢酸エチル:メタノール=9:1);
NMR(DMSO−d):δ 2.57(t,J=7.41Hz,2H),2.77(t,J=7.51Hz,2H),6.86(s,1H),7.29(m,1H),7.40(m,2H),7.87(m,2H),12.23(s,1H)。
【実施例6】
3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミド

実施例5で製造した化合物(2.16g)のジオキサン(18mL)懸濁液に氷冷下で28%アンモニア水溶液(54mL)を加え、混合物を室温で1日間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣を混合溶媒(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)より再結晶し、下記物性値を有する本発明化合物(1.34g)を得た。
TLC:Rf 0.26(酢酸エチル:メタノール=9:1);
NMR(DMSO−d):δ 2.40(m,2H),2.76(m,2H),6.78(m,2H),7.33(m,4H),7.87(m,2H),12.18(s,1H)。
【実施例7】
3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパンアミン

リチウム水素化ナトリウム(1.42g)のジオキサン(50mL)溶液に還流下、実施例6で製造した化合物(1.09g)を少しずつ加え、混合物を2時間撹拌した。反応混合物を放冷後、氷冷下で2N水酸化ナトリウム水溶液(7.1mL)を滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物に硫酸ナトリウムを適当量加えた後ろ過し、ろ液を濃縮して、下記物性値を有する本発明化合物(1.11g)を得た。
TLC:Rf 0.31(塩化メチレン:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1);
NMR:δ 1.80(m,2H),2.74(m,2H),2.84(t,J=6.41Hz,2H),6.82(t,J=0.82Hz,1H),7.32(m,3H),7.82(m,2H)。
【実施例8】
N−[3−tert−ブチル−1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]ベンズアミド

実施例1で製造した化合物(115mg)のピリジン(1mL)溶液に室温下、ベンゾイルクロリド(84mg)を加え、混合物を終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒より再結晶し、下記物性値を有する本発明化合物(60mg)を得た。
TLC:Rf 0.39(酢酸エチル:ヘキサン=1:3);
NMR:δ 1.38(d,J=2.20Hz,9H),2.42(s,3H),6.78(s,1H),7.33(d,J=8.06Hz,2H),7.43(m,4H),7.54(m,1H),7.72(m,2H),7.98(s,1H)。
実施例8(1)〜実施例8(16)
実施例1で製造した化合物またはその代わりに実施例1(1)〜実施例1(9)または実施例7で製造した化合物を用い、ベンゾイルクロリドまたはその代わりに相当するハライド化合物を用いて、実施例8に示される方法と同様に操作して以下の本発明化合物を得た。
実施例8(1):N−[3−tert−ブチル−1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−(4−フルオロフェニル)アセトアミド
TLC:Rf 0.28(酢酸エチル:ヘキサン=1:3);
NMR:δ 1.32(s,9H),2.38(s,3H),3.65(s,2H),6.60(s,1H),6.98(m,4H),7.12(m,5H)。
実施例8(2):N−[3−tert−ブチル−1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−2−チオフェンカルボキシアミド
TLC:Rf 0.33(酢酸エチル:ヘキサン=1:3);
NMR:δ 1.37(s,9H),2.42(s,3H),6.71(s,1H),7.08(dd,J=4.94,3.84Hz,1H),7.33(m,J=8.60Hz,2H),7.40(m,3H),7.54(dd,J=4.94,1.10Hz,1H),7.81(s,1H)。
実施例8(3):N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)ベンズアミド
TLC:Rf 0.39(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR(DMSO−d):δ 1.54(s,9H),3.66(s,2H),3.90(s,2H),7.59(m,3H),7.94(m,2H),10.02(s,1H)。
実施例8(4):N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド
TLC:Rf 0.53(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);
NMR:δ 3.69(s,2H),3.97(s,2H),4.05(s,2H),6.96(s,1H),7.05(m,2H),7.26(m,7H)。
実施例8(5):N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド
TLC:Rf 0.44(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);
NMR(DMSO−d):δ 1.42(s,9H),3.56(s,2H),3.63(s,2H),3.84(s,2H),7.15(m,2H),7.33(m,2H),9.68(s,1H)。
実施例8(6):N−(1−tert−ブチル−4−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド
TLC:Rf 0.39(酢酸エチル:ヘキサン=2:3);
NMR(DMSO−d):δ 1.48(s,9H),3.63(s,2H),7.19(m,5H),7.33(m,4H),7.69(s,1H),9.91(s,1H)。
実施例8(7):N−(1−tert−ブチル−4−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−フェニルプロパンアミド
TLC:Rf 0.45(酢酸エチル:ヘキサン=2:3);
NMR(DMSO−d):δ 1.47(s,9H),2.64(t,J=7.60Hz,2H),2.88(t,J=7.51Hz,2H),7.29(m,10H),7.68(s,1H),9.70(s,1H)。
実施例8(8):N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−3−フェニルプロパンアミド
TLC:Rf 0.50(酢酸エチル:ヘキサン=2:3);
NMR(DMSO−d):δ 2.57(t,J=7.41Hz,2H),2.85(t,J=7.23Hz,2H),3.71(s,2H),3.94(s,2H),7.22(m,5H),7.35(m,2H),7.47(m,2H),10.00(s,1H)。
実施例8(9):N−[3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]ベンズアミド
TLC:Rf 0.28(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:9);
NMR(DMSO−d):δ 1.86(m,2H),2.60(m,2H),3.33(m,2H),6.91(m,1H),7.40(m,6H),7.85(m,4H),8.50(q,J=5.55Hz,1H),12.19(s,1H)。
実施例8(10):2,5−ジクロロ−N−[3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]ベンズアミド
TLC:Rf 0.42(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
NMR(DMSO−d):δ 1.84(m,2H),2.60(m,2H),3.29(m,2H),6.88(s,1H),7.29(t,J=7.32Hz,1H),7.40(t,J=7.60Hz,2H),7.51(m,3H),7.87(d,J=7.32Hz,2H),8.60(t,J=5.40Hz,1H),12.19(s,1H)。
実施例8(11):N−[2−(4−クロロフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド
TLC:Rf 0.40(酢酸エチル:ヘキサン=2:3);
NMR(DMSO−d):δ 1.70(m,4H),2.27(t,J=5.95Hz,2H),2.57(t,J=6.04Hz,2H),3.56(s,2H),7.14(m,2H),7.26(m,2H),7.38(m,4H),9.94(s,1H)。
実施例8(12):N−[2−(4−メチルフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド
TLC:Rf 0.32(酢酸エチル:ヘキサン=1:2);
NMR:δ 2.39(s,3H),3.66(s,2H),3.98(s,2H),4.09(s,2H),7.04(m,5H),7.17(m,2H),7.30(m,3H)。
実施例8(13):N−[2−(4−クロロフェニル)−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド
TLC:Rf 0.35(酢酸エチル:ヘキサン=2:3);
NMR:δ 2.38(m,2H),2.72(t,J=7.41Hz,2H),2.81(t,J=7.14Hz,2H),3.68(s,2H),6.96(s,1H),7.06(m,J=8.60Hz,2H),7.24(m,4H),7.34(m,3H)。
実施例8(14):N−(2−tert−ブチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イル)−2−フェニルアセトアミド
TLC:Rf 0.26(酢酸エチル:ヘキサン=2:3);
NMR(DMSO−d):δ 1.40(s,9H),2.24(m,2H),2.33(m,J=6.96,6.96Hz,2H),2.50(m,2H),3.61(s,2H),7.28(m,5H),9.50(s,1H)。
実施例8(15):N−[2−(4−クロロフェニル)−2,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロシクロヘプタ[c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド
TLC:Rf 0.26(酢酸エチル:ヘキサン=1:2);
NMR(DMSO−d):δ 1.57(m,4H),1.79(m,2H),2.29(m,2H),2.67(m,2H),3.57(s,2H),7.28(m,9H),9.91(s,1H)。
実施例8(16):tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−3−{[(4−フルオロフェニル)アセチル]アミノ}−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボキシレート
TLC:Rf 0.49(塩化メチレン:酢酸エチル=4:1);
NMR:δ 1.50(d,J=4.03Hz,9H),3.65(d,J=6.77Hz,2H),4.42(d,J=14.65Hz,2H),4.55(d,J=14.83Hz,2H),7.06(m,4H),7.18(m,2H),7.29(m,2H),7.55(s,1H)。
実施例9〜実施例9(1)
実施例1で製造した化合物の代わりにアニリンまたは3,5−ジメチルアニリンを用い、ベンゾイルクロリドの代わりに3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパノイルクロリドを用いて、実施例8に示される方法と同様に操作して以下の本発明化合物を得た。
【実施例9】
N−フェニル−3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミド

TLC:Rf 0.23(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
NMR(DMSO−d):δ 2.67(m,2H),2.88(m,2H),6.97(m,2H),7.29(m,3H),7.41(m,2H),7.59(m,2H),7.88(m,2H),9.96(s,1H),12.24(m,1H)。
実施例9(1):N−(3,5−ジメチルフェニル)−3−(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミド
TLC:Rf 0.24(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
NMR(DMSO−d):δ 2.21(s,6H),2.64(m,2H),2.86(m,2H),6.65(s,1H),6.85(m,1H),7.21(s,2H),7.29(m,1H),7.41(m,2H),7.87(d,J=7.51Hz,2H),9.81(s,1H),12.22(m,1H)。
【実施例10】
N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]ベンゼンスルホンアミド

実施例1(2)で製造した化合物(126mg)のピリジン(1mL)溶液に室温下、ベンゼンスルホニルクロリド(106mg)を加え、終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→4:1)で精製後再結晶し、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶し、以下の物性値を有する本発明化合物(55mg)を得た。
TLC:Rf 0.34(酢酸エチル:ヘキサン=1:2);
NMR(DMSO−d):δ 3.16(s,2H),3.90(s,2H),7.45(m,6H),7.62(m,3H),10.53(s,1H)。
実施例10(1)〜実施例10(4)
実施例1(2)で製造した化合物、または実施例1(1)または実施例1(8)で製造した化合物を用い、ベンゼンスルホニルクロリドまたはその代わりにベンジルスルホニルクロリドを用いて、実施例10に示される方法と同様に操作して以下の本発明化合物を得た。
実施例10(1):N(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)ベンゼンスルホンアミド
TLC:Rf 0.40(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR(DMSO−d):δ 1.55(s,9H),2.69(s,2H),3.75(s,2H),7.68(m,3H),7.82(m,2H),10.09(s,1H)。
実施例10(2):N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−1−フェニルメタンスルホンアミド
TLC:Rf 0.26(酢酸エチル:ヘキサン=1:2);
NMR:δ 3.93(m,2H),4.00(m,2H),4.21(s,2H),6.18(m,1H),7.20(m,2H),7.37(m,7H)。
実施例10(3):N−[2−(4−クロロフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル]−1−フェニルメタンスルホンアミド
TLC:Rf 0.26(酢酸エチル:ヘキサン=1:2);
NMR:δ 1.83(m,4H),2.60(t,J=6.04Hz,2H),2.71(t,J=6.22Hz,2H),4.08(s,2H),6.09(s,1H),7.24(m,2H),7.33(m,3H),7.43(m,4H)。
実施例10(4):N−[2−(4−クロロフェニル)−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−N−(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド
TLC:Rf 0.40(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR:δ 3.02(m,2H),4.01(m,2H),7.21(m,2H),7.47(m,6H),7.69(m,2H),7.82(m,4H)。
実施例11〜実施例11(1)
実施例1で製造した化合物の代わりに実施例2で製造した化合物を用い、ベンゾイルクロリドの代わりにフェニルアセチルクロリドまたは(4−フルオロフェニル)アセチルクロリドを用いて、実施例8に示される方法と同様に操作して以下の本発明化合物を得た。
【実施例11】
2−フェニル−N−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)アセトアミド
TLC:Rf 0.45(メタノール:塩化メチレン=1:19);
NMR(DMSO−d):δ 2.49(m,2H),2.77(m,2H),3.71(m,4H),7.14(m,1H),7.23(d,J=7.51Hz,7H),7.63(s,2H),9.58(m,1H)。
実施例11(1):2−(4−フルオロフェニル)−N−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)アセトアミド
TLC:Rf 0.24(酢酸エチル);
NMR(DMSO−d):δ 2.47(m,2H),2.75(t,J=7.51Hz,2H),3.66(s,2H),3.71(t,J=6.96Hz,2H),7.20(m,5H),7.39(m,2H),7.60(m,2H),10.01(s,1H)。
【実施例12】
N−[2−(4−クロロフェニル)−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド 塩酸塩

実施例8(16)で製造した化合物に4N塩化水素−ジオキサン溶液を加え、撹拌した。反応混合物を濃縮して、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.40(メタノール:塩化メチレン=1:9);
NMR(DMSO−d):δ 3.65(s,2H),4.30(m,4H),7.16(m,2H),7.29(m,2H),7.48(m,2H),7.58(m,2H),9.91(m,2H),10.55(s,1H)。
【実施例13】
N−[2−(4−クロロフェニル)−5−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド

実施例12で製造した化合物(31.4mg)のギ酸(0.5mL)溶液に室温下、37%ホルムアルデヒド水溶液(7μL)を加え、混合物を100℃で5時間撹拌した。反応混合物に水、1N塩酸およびt−ブチルメチルエーテルを加えた。水層に1N水酸化ナトリウム水溶液を加えpH8とした後、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=19:1→塩化メチレン:メタノール:28%アンモニア水=10:2:0.1)で精製し、下記物性値を有する本発明化合物(22.6mg)を得た。
TLC:Rf 0.53(メタノール:塩化メチレン=1:9);
NMR:δ 2.62(s,3H),3.64(s,2H),3.76(s,2H),3.94(s,2H),7.07(m,4H),7.18(m,2H),7.30(m,3H)。
【実施例14】
1−フェニル−N−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)メタンスルホンアミド

実施例1(2)で製造した化合物の代わりに実施例2で製造した化合物を用い、ベンゼンスルホニルクロリドの代わりにフェニルメタンスルホニルクロリドを用いて、実施例10に示される方法と同様に操作して下記物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.50(メタノール:酢酸エチル=1:19);
NMR:δ 2.56(m,2H),2.93(t,J=7.51Hz,2H),3.97(s,2H),4.03(t,J=7.32Hz,2H),7.14(dd,J=7.60,1.74Hz,2H),7.31(m,6H),7.76(m,2H)。
生物学的実施例1:受容体結合実験
ラット脳膜標品を用いて、MBRに対する本発明化合物の親和性を測定した。なお、本発明の測定法は以下の如く本発明化合物を評価するために測定精度の向上および測定感度の改良を加えたものである。ウィスター(Wistar)系雄性ラットを断頭して全脳を摘出した後、小脳を取り除いた。氷冷した50mmol/Lトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を加えてホモジナイズした後、遠心し得られた沈渣を洗いこんだ後、再懸濁して約1mg/mlとなるように調製したものを、結合実験に用いるラット脳膜標品とした。結合実験はMBR選択的リガンドとして[H]PK11195を用いて行なった。なお、PK11195はMBR選択的リガンド(1−(2−クロロフェニル)−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−3−イソキノリンカルボキサミド)としてヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Eur.J.Pharmacol.),119,153〜167頁,1985年に記載されている。
飽和実験において全結合量を求める場合は、膜標品、種々の濃度の[H]PK11195、最終濃度0.5vol%のジメチルスルホキシド(DMSO)および50mmol/Lトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を混和し(全量200μl)、室温で1時間インキュベーションした。非特異的結合量を求める場合は、DMSOの代わりに最終濃度20μmol/Lの[H]PK11195を加えて1時間インキュベーションした。ハーベスターを用いて0.3%ポリエチレンイミンで前処置したGF/Bフィルター上に急速ろ過し、50mmol/Lトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)で2回洗浄した。フィルターを乾燥後、放射活性を液体シンチレーションカウンターにて測定した。結合実験により得られたデータについて、解析ソフトKELL(Ver.6,BIOSOFT)を用いてスキャッチャード(Scatchard)解析を行ない、解離定数(K値)を求めた。
競合実験において全結合量を求める場合は、膜標品、最終濃度0.5あるいは1nmol/Lの[H]PK11195、最終濃度0.5vol%のDMSOおよび50mmol/Lトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を混和し(全量200μl)、室温で1時間インキュベーションした。非特異的結合量を求める場合は、DMSOのかわりに最終濃度20μmol/LのPK11195を加え、また本発明化合物の親和性を求める場合はDMSOの代わりに最終濃度10pmol/L〜1μmol/Lの本発明化合物のDMSO溶液を加えてインキュベーションした。1時間後に、上記の方法で吸引ろ過し、フィルター上の放射活性を液体シンチレーションカウンターにて測定した。得られたデータから、[H]PK11195の特異的結合量を50%にまで抑制するために必要な本発明化合物の濃度(IC50値)を求めた。阻害定数(K値)は、K値とIC50値を用いてチェン(Cheng)とプルソフ(Prusoff)の式(バイオケミカル・ファルマコロジー(Biochem.Pharmacol.),22,3099〜3108頁,1973年)に従い算出した。
その結果、本発明化合物はMBRに対して高い親和性を有することが明らかとなった。
例えば、実施例8(8)の化合物のKi値は99nMであった。
製剤例1:
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得た。
・N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(100g)
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤)(20.0g)
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤)(10.0g)
・微結晶セルロース(870g)。
製剤例2:
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得た。
・N−(2−tert−ブチル−2,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(200g)
・マンニトール(2kg)
・蒸留水(50L)。
【産業上の利用可能性】
一般式(I)で示される本発明化合物は、MBRに親和性を有するため、例えばストレッサーによって誘発あるいは増悪および/または再燃される疾患やストレスに起因する疾患等の予防および/または治療薬として有用である。
ストレッサーによって誘発あるいは増悪および/または再燃される疾患やストレスに起因する疾患としては、例えば、ストレスに起因する中枢性疾患(例えば、不安関連疾患(神経症、心身症、全般性不安障害(GAD)、社会不安障害(SAD)、パニック障害、多動性障害、注意欠陥、人格障害、双極性障害、自閉症等)、睡眠障害、うつ病、反応性うつ病、てんかん、パーキンソン病、パーキンソン症候群、統合失調症、自律神経失調症、ハンチントン病、アルツハイマー病、情動障害、認知障害、偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、外傷後ストレス障害、解離性障害、不眠症、神経性嘔吐、神経性咳嗽、心因性痙攣発作、心因性失神発作、職場不適応、燃え尽き症候群、慢性疲労症候群、書痙、痙性斜頸等)、ストレスに起因する呼吸器系疾患(例えば、喘息、気管支喘息、過換気症候群、喉頭痙攣、慢性閉塞性肺疾患等)、ストレスに起因する消化器系疾患(例えば、過敏性腸症候群、消化性潰瘍、機能性消化不良症、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、胆道ジスキネジー、食道痙攣、胃アトニー、空気嚥下症、慢性肝炎、慢性膵炎等)、ストレスに起因する循環器系疾患(例えば、本態性高血圧、不整脈、(神経性)狭心症、本態性低血圧、起立性調節障害、心筋梗塞、動脈硬化、めまい等)、ストレスに起因する泌尿器系・生殖器系疾患(例えば、排尿障害、神経性頻尿(過活動膀胱)、夜尿症、遺尿症、心因性尿閉、インポテンツ、前立腺症、尿道症候群等)、ストレスに起因する婦人科系疾患(例えば、更年期障害、月経痛、月経異常、月経前症候群、不妊症、不感症、悪阻、流早産等)、ストレスに起因する内分泌・代謝系疾患(例えば、神経性食思不振症、摂食障害、拒食症、過食症、バーター症候群、甲状腺機能亢進症、糖代謝障害(例えば、糖尿病、(反射性)低血糖症等)、脂質代謝障害(例えば、高脂血症等)、痛風、骨粗鬆症、視床下部疾患、下垂体疾患、副甲状腺疾患、副腎皮質・副腎髄質疾患、性腺疾患、心因性多飲症、肥満症等)、ストレスに起因する眼科系疾患(例えば、眼精疲労、中心性網膜炎、飛蚊症、眼瞼痙攣、原発性緑内障、めまい等)、ストレスに起因する耳鼻咽喉科系疾患(例えば、耳鳴り、めまい、心因性難聴、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、嗅覚障害、吃音、失声症等)、ストレスに起因する口腔外科・歯科系疾患(例えば、顎関節症、舌咽神経痛、突発性舌痛症、口内炎、歯痛、口臭症、唾液分泌異常、歯ぎしり等)、ストレスに起因する外科・整形外科系疾患(例えば、術後腹部神経症、ダンピング症候群、頻回施術症、形成後神経症、関節リウマチ、腰痛症、頸肩腕症候群、肩こり、結合織炎、多発関節痛、全身性筋痛症、痛風等)、ストレスに起因する皮膚系疾患(例えば、慢性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、多汗症、湿疹、皮膚掻痒症、円形脱毛症等)およびストレスに起因するその他の疾患(例えば、癌、全身性エリスマトーデス等)が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)

(式中、環Aは置換基を有していてもよい含窒素環を表わし、Eは結合手または主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表わし、Qは置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい環状基を表わす。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それら溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項2】

(各基中、W、YおよびZはそれぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、酸素原子または酸化されてもよい硫黄原子を表わし、YおよびZはそれぞれ

される記号は一重結合または二重結合を表わし、環DはC3〜8の炭素環または3〜8員の複素環を表わし、kおよびmはそれぞれ独立して、0または1〜5の整数を表わし、矢印はEと結合することを表わす。ただし、環Aはアレーン構造を表わさない。)である請求の範囲1記載の化合物。
【請求項3】
一般式(I−1)

(式中、すべての記号は請求の範囲1および2記載と同じ意味を表わす。)
で示される請求の範囲2記載の化合物。
【請求項4】

(各基中、Lは結合手、窒素原子、酸素原子、酸化されてもよい硫黄原子またはC1〜4アルキレンを表わし、Tは水素原子、または置換基を表わし、K1は0または1〜4の整数を表わし、その他の記号は請求の範囲2記載と同じ意味を表わす。)である請求の範囲3記載の化合物。
【請求項5】
一般式(I−1−1)

(式中、Uは結合手、C1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレンまたはC2〜4アルキニレンを表わし、環Gは置換基を有していてもよい炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表わし、E

(各基中、左向きの矢印はa位と結合することを表わし、右向きの矢印は環Qと結合することを表わし、JおよびJはそれぞれ独立して、水素原子または置換基を表わし、Mは結合手またはC1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレンまたはC2〜4アルキニレンを表わす。)を表わし、環Qは置換基を有していてもよい環状基を表わし、その他の記号は請求の範囲2および4記載と同じ意味を表わす。)で示される請求の範囲3記載の化合物。
【請求項6】
一般式(I−1−2)

(式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい環状基を表わし、Lは結合手、窒素原子、またはC1〜4アルキレンを表わし、その他の記号は請求の範囲2、4および5記載と同じ意味を表わす。ただし、N−フェニル−N’−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)ウレアは除く。)で示される請求の範囲3記載の化合物。
【請求項7】

(各基中、すべての記号は請求の範囲5記載と同じ意味を表わす。)である請求の範囲5または6記載の化合物。
【請求項8】
が窒素原子、酸化されてもよい硫黄原子、またはC1〜4アルキレンである請求の範囲5または6記載の化合物。
【請求項9】
(1)N−[2−(4−クロロフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド、(2)N−[2−(4−クロロフェニル)−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド、(3)N−(2−tert−ブチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イル)−2−フェニルアセトアミド、(4)2−フェニル−N−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)アセトアミド、(5)2−(4−フルオロフェニル)−N−(2−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−3−イル)アセトアミド、(6)N−[2−(4−クロロフェニル)−5−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド、または(7)tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−3−{[(4−フルオロフェニル)アセチル]アミノ}−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボキシレートである請求の範囲3記載の化合物。
【請求項10】
請求の範囲1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを含有してなる医薬組成物。
【請求項11】
ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療剤である請求の範囲10記載の医薬組成物。
【請求項12】
ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患が、ストレスに起因する疾患である請求の範囲11記載の医薬組成物。
【請求項13】
ストレスに起因する疾患が、ストレスに起因する中枢性疾患、ストレスに起因する呼吸器系疾患および/またはストレスに起因する消化器系疾患である請求の範囲12記載の医薬組成物。
【請求項14】
ストレスに起因する中枢性疾患が不安関連疾患、睡眠障害、うつ病および/またはてんかんであり、ストレスに起因する呼吸器系疾患が喘息であり、ストレスに起因する消化器系疾患が過敏性腸症候群である請求の範囲13記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求の範囲1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、抗不安薬、抗うつ薬、抗パーキンソン薬、統合失調症治療薬、抗てんかん薬、喘息治療薬、消化性潰瘍治療薬、消化管機能調整薬、止瀉薬、瀉下薬、血圧降下薬、抗不整脈薬、強心薬および排尿障害治療薬から選択される1種または2種以上とを組み合わせてなる医薬。
【請求項16】
請求の範囲1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物におけるミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療方法。
【請求項17】
ミトコンドリアベンゾジアゼピン受容体介在性疾患の予防および/または治療剤を製造するための請求の範囲1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用。

【国際公開番号】WO2005/063241
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516725(P2005−516725)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019753
【国際出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】