ムスカリン性受容体調節による神経発生
本開示は、神経発生を刺激又は増強することにより、中枢及び末梢神経系の疾患及び状態を治療する方法を説明する。本開示には、新たな神経細胞の形成を刺激又は活性化するために、(例えばアセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性の阻害を介して)ムスカリン性受容体を調節する薬剤を、単独で、或いは他の神経原性剤との併用で用いた組成物及び方法が含まれる。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象又は患者の、細胞変性、精神状態、細胞の外傷及び/又は傷害に関連する神経系障害、或いは他の神経学的に関連する状態を治療するための方法であって、
ムスカリン様作用剤を、任意により他のムスカリン様作用剤、及び/又は、他の神経原性剤との併用で、上記の対象又は患者に投与し、上記障害の改善を生じさせる工程を含んでなる方法。
【請求項2】
前記の細胞変性に関連する神経系障害が、神経変性障害、神経幹細胞障害、神経始原細胞障害、網膜の変性疾患、虚血性障害、及び、それらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記の精神状態に関連する神経系障害が、神経精神疾患、情動障害、鬱病、軽躁病、不安発作、不安症、過度の高揚感、双極性鬱病、双極性障害(躁鬱病)、季節的な気分(又は情動)障害、統合失調症及び他の精神病、脳回欠損症候群、不安症候群、不安障害、恐怖症、ストレス及び関連症候群、認識機能障害、攻撃性、薬物及びアルコール乱用、強迫的行動症候群、境界性人格障害、非老年性認知症、疼痛後鬱病、産後鬱病、脳性麻痺、及びそれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記の細胞の外傷及び/又は傷害に関連する神経系障害が、神経学的な外傷及び傷害、外科手術に関連する外傷及び/又は傷害、網膜の傷害及び外傷、癲癇に関連する傷害、脊髄傷害、脳傷害、脳の外科手術、外傷に関連する脳傷害、外傷に関連する脊髄傷害、癌治療に関連する脳傷害、癌治療に関連する脊髄傷害、感染に関連する脳傷害、炎症に関連する脳傷害、感染に関連する脊髄傷害、炎症に関連する脊髄傷害、環境有害物質に関連する脳傷害、環境有害物質に関連する脊髄傷害、並びにそれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記の神経学的に関連する状態が、学習障害、記憶障害、自閉症、注意欠陥障害、ナルコレプシー、睡眠障害、認知障害、癲癇、側頭葉癲癇、及びそれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記精神状態が鬱病を含んでなる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ムスカリン様作用剤がサブコメリンである、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記鬱病が、対象又は患者によるモルヒネ、アルコール、又は薬物の使用に起因する、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記ムスカリン様作用剤がサブコメリンである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ムスカリン様作用剤が、AChE阻害剤、例えば有機リン酸、アミノアクリジン、カルバマート、フェナントリン誘導体、ピペリジン誘導体、イトプリド、(−)−ヒューペルジンA、又はフェンセリン等である、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記AChE阻害剤が、メトリホナート、エコチオファート、タクリン、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル、イトプリド、リバスチグミン、臭化水素酸ガランタミン、(−)−ヒューペルジンA、又はフェンセリンである、請求項9記載の方法。
【請求項12】
対象又は患者への移植用の細胞又は組織を調製する方法であって、
上記の細胞又は組織を、任意により他のムスカリン様作用剤、及び/又は、他の神経原性剤との併用で、ムスカリン様作用剤と接触させ、上記の細胞又は組織の神経発生を刺激又は増強する工程を含んでなる方法。
【請求項13】
細胞又は組織における神経発生の刺激又は増強するための方法であって、
上記の細胞又は組織を、任意により他のムスカリン様作用剤、及び/又は、他の神経原性剤との併用で、ムスカリン様作用剤と接触させる工程を含んでなり、
上記ムスカリン様作用剤又は併用が、上記の細胞又は組織において神経発生を引き起こすのに有効である、方法。
【請求項14】
前記の細胞又は組織が、動物対象又はヒト患者由来である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記患者が、神経発生を必要とする患者、又は、中枢又は末梢神経系の疾患、状態又は傷害と診断された患者である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記神経原性剤が、オピオイド又は非オピオイド神経原性剤である、請求項13〜15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記非オピオイド神経原性剤がドーパミンである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記神経発生が、ニューロンの系統に沿った神経幹細胞(NSCs)の分化を含んでなる、請求項13記載の方法。
【請求項19】
前記神経発生が、グリア細胞系統に沿った神経幹細胞(NSCs)の分化を含んでなる、請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記のオピオイドが、κオピオイド受容体拮抗薬である、請求項16記載の方法。
【請求項21】
前記オピオイドが、κオピオイド受容体選択的拮抗薬である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記オピオイドが、JDTic、ノル−ビナルトルフィミン及びブプレノルフィンから選択される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記の細胞又は組織が、神経発生の減弱を示す細胞又は組織、或いは、神経発生を減弱又は阻害する薬剤に晒されている細胞又は組織である、請求項14又は請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記の神経発生を減弱又は阻害する薬剤が、オピオイド受容体作動薬である、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記オピオイド受容体作動薬が、モルヒネ又は他のアヘン剤である、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記の対象又は患者が、1又は2以上の薬物中毒又は依存状態を患っている、請求項14又は請求項15に記載の方法。
【請求項1】
対象又は患者の、細胞変性、精神状態、細胞の外傷及び/又は傷害に関連する神経系障害、或いは他の神経学的に関連する状態を治療するための方法であって、
ムスカリン様作用剤を、任意により他のムスカリン様作用剤、及び/又は、他の神経原性剤との併用で、上記の対象又は患者に投与し、上記障害の改善を生じさせる工程を含んでなる方法。
【請求項2】
前記の細胞変性に関連する神経系障害が、神経変性障害、神経幹細胞障害、神経始原細胞障害、網膜の変性疾患、虚血性障害、及び、それらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記の精神状態に関連する神経系障害が、神経精神疾患、情動障害、鬱病、軽躁病、不安発作、不安症、過度の高揚感、双極性鬱病、双極性障害(躁鬱病)、季節的な気分(又は情動)障害、統合失調症及び他の精神病、脳回欠損症候群、不安症候群、不安障害、恐怖症、ストレス及び関連症候群、認識機能障害、攻撃性、薬物及びアルコール乱用、強迫的行動症候群、境界性人格障害、非老年性認知症、疼痛後鬱病、産後鬱病、脳性麻痺、及びそれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記の細胞の外傷及び/又は傷害に関連する神経系障害が、神経学的な外傷及び傷害、外科手術に関連する外傷及び/又は傷害、網膜の傷害及び外傷、癲癇に関連する傷害、脊髄傷害、脳傷害、脳の外科手術、外傷に関連する脳傷害、外傷に関連する脊髄傷害、癌治療に関連する脳傷害、癌治療に関連する脊髄傷害、感染に関連する脳傷害、炎症に関連する脳傷害、感染に関連する脊髄傷害、炎症に関連する脊髄傷害、環境有害物質に関連する脳傷害、環境有害物質に関連する脊髄傷害、並びにそれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記の神経学的に関連する状態が、学習障害、記憶障害、自閉症、注意欠陥障害、ナルコレプシー、睡眠障害、認知障害、癲癇、側頭葉癲癇、及びそれらの組合せから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記精神状態が鬱病を含んでなる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ムスカリン様作用剤がサブコメリンである、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記鬱病が、対象又は患者によるモルヒネ、アルコール、又は薬物の使用に起因する、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記ムスカリン様作用剤がサブコメリンである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ムスカリン様作用剤が、AChE阻害剤、例えば有機リン酸、アミノアクリジン、カルバマート、フェナントリン誘導体、ピペリジン誘導体、イトプリド、(−)−ヒューペルジンA、又はフェンセリン等である、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記AChE阻害剤が、メトリホナート、エコチオファート、タクリン、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル、イトプリド、リバスチグミン、臭化水素酸ガランタミン、(−)−ヒューペルジンA、又はフェンセリンである、請求項9記載の方法。
【請求項12】
対象又は患者への移植用の細胞又は組織を調製する方法であって、
上記の細胞又は組織を、任意により他のムスカリン様作用剤、及び/又は、他の神経原性剤との併用で、ムスカリン様作用剤と接触させ、上記の細胞又は組織の神経発生を刺激又は増強する工程を含んでなる方法。
【請求項13】
細胞又は組織における神経発生の刺激又は増強するための方法であって、
上記の細胞又は組織を、任意により他のムスカリン様作用剤、及び/又は、他の神経原性剤との併用で、ムスカリン様作用剤と接触させる工程を含んでなり、
上記ムスカリン様作用剤又は併用が、上記の細胞又は組織において神経発生を引き起こすのに有効である、方法。
【請求項14】
前記の細胞又は組織が、動物対象又はヒト患者由来である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記患者が、神経発生を必要とする患者、又は、中枢又は末梢神経系の疾患、状態又は傷害と診断された患者である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記神経原性剤が、オピオイド又は非オピオイド神経原性剤である、請求項13〜15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記非オピオイド神経原性剤がドーパミンである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記神経発生が、ニューロンの系統に沿った神経幹細胞(NSCs)の分化を含んでなる、請求項13記載の方法。
【請求項19】
前記神経発生が、グリア細胞系統に沿った神経幹細胞(NSCs)の分化を含んでなる、請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記のオピオイドが、κオピオイド受容体拮抗薬である、請求項16記載の方法。
【請求項21】
前記オピオイドが、κオピオイド受容体選択的拮抗薬である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記オピオイドが、JDTic、ノル−ビナルトルフィミン及びブプレノルフィンから選択される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記の細胞又は組織が、神経発生の減弱を示す細胞又は組織、或いは、神経発生を減弱又は阻害する薬剤に晒されている細胞又は組織である、請求項14又は請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記の神経発生を減弱又は阻害する薬剤が、オピオイド受容体作動薬である、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記オピオイド受容体作動薬が、モルヒネ又は他のアヘン剤である、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記の対象又は患者が、1又は2以上の薬物中毒又は依存状態を患っている、請求項14又は請求項15に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2009−506069(P2009−506069A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528217(P2008−528217)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033299
【国際公開番号】WO2007/025177
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508004661)ブレインセルス,インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033299
【国際公開番号】WO2007/025177
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508004661)ブレインセルス,インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】
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