説明

メタルマスクおよびその製造方法、ならびに、ガラス成形型およびその製造方法

【課題】従来に比べ、微細で深い溝パターンを形成可能なメタルマスクを提供すること。また、微細で深い溝パターンを有するガラス成形型を提供すること。
【解決手段】開口パターン部10aと非開口パターン部10bとを有するメタルマスク10の非開口パターン部10bを、触媒金属18が付与された下地層12の表面に積層された無電解Niめっきまたは無電解Ni合金めっきよりなるめっき層14と、めっき層14の表面を被覆するNiF層16とから構成する。このメタルマスク10を介して型基材部20表面をエッチングする工程を経て、溝部を有するガラス成形型とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタルマスクおよびその製造方法、ならびに、ガラス成形型およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス成形型としては、SiCやW合金、WC等よりなる型基材部表面に、必要に応じて、拡散防止機能や離型機能等を有する各種機能層を積層したものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、WCよりなる型基材部表面に、スパッタリング法により形成されたNb、Hf、Taなどよりなる拡散防止層と、スパッタリング法により形成されたIr−Pt合金、Ir−Re合金などよりなる離型層とがこの順に積層されたガラス成形型が開示されている。
【0004】
この種のガラス成形型では、ガラス成形物に付与する外形に合わせて、型基材部表面に溝等の各種パターンが形成されることがある。
【0005】
これまで溝等のパターンを形成する方法としては、SiCやW合金、WC等の難削材料を加工するため、加工刃にダイヤモンドバイトを用いて型基材部表面を切削加工する方法が広く行われてきた。
【0006】
また近年では、パターンの微細化に伴い、フォトリソグラフィ法とエッチング法とを用いた半導体製造プロセスを利用することも行われるようになっている。
【0007】
すなわち、図3に示すように、先ず、SiC等よりなる型基材部102表面に下地層104を形成し、型基材部102表面を導電化する(図3(a))。次いで、下地層104表面のうち、形成するメタルマスク100の開口パターン部100aに対応する部分に所定厚みのフォトレジスト層106を形成する(図3(b))。次いで、真空蒸着法やスパッタリング法等を用いて、フォトレジスト層106表面と、メタルマスク100の非開口パターン部100bに対応する部分とに金属層108を形成する(図3(c))。次いで、フォトレジスト層106を除去することで、開口パターン部100aと非開口パターン部100bとを有するメタルマスク100が形成される(図3(d))。
【0008】
その後、メタルマスク100を介してリアクティブイオンエッチング(RIE)等を行えば、型基材部102表面に溝パターンを形成することができる。
【0009】
【特許文献1】特開2002−60239号公報(実施例など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来技術は以下の点で問題があった。
【0011】
すなわち、前者の切削加工による場合、型基材部表面に微細な加工を施すためには、加工刃の刃先を極めて薄くする必要がある。そのため、ダイヤモンドバイトの耐久性が著しく低下し、高精度のパターンを形成することができないといった問題があった。
【0012】
一方、後者の半導体製造プロセスによる場合には、切削加工に比べ、型基材部表面に微細加工を施しやすいと言える。
【0013】
しかしながら、フォトレジスト層の厚みが十分でないと、図4に示すように、フォトレジスト層106表面の金属層108と非開口パターン部100bの金属層108とが繋がってしまう。
【0014】
このような状態になると、フォトレジスト層を除去するのが困難になるばかりか、無理にフォトレジスト層を除去しようとすると、非開口パターン部の金属層が一緒に剥離してしまう。そのため、メタルマスクの製造が困難であった。
【0015】
本発明者らのこれまでの研究によれば、図3(c)に示したように、フォトレジスト層表面と非開口パターン部とにきれいに分離した状態で金属層を形成するには、金属層の厚みの約5倍以上となるようにフォトレジスト層の厚みを設定しなくてはならないことが分かっている。
【0016】
メタルマスクは、その後のエッチング処理により少しずつ消失していく。そのため、耐久性等を考慮すると、メタルマスクの厚みはできるだけ厚いほうが有利である。
【0017】
ところが、メタルマスクの厚みを厚くするには、上述したように相当程度の厚みのフォトレジスト層を形成しなければならず、このような対処方法はもはや現実的なものではない。
【0018】
このように従来技術では、メタルマスクの厚みを厚くすることが困難で、比較的薄いメタルマスクを用いて型基材部表面を微細加工せねばならなかった。そのため、エッチング可能な深さが限定され、微細で深い溝パターンを有するガラス成形型を得ることは困難であった。
【0019】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、従来に比べ、微細で深い溝パターンを形成可能なメタルマスクを提供することにある。また、微細で深い溝パターンを有するガラス成形型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明に係るメタルマスクは、金属または合金よりなる層が1層または2層以上積層されてなる下地層の表面に形成され、開口パターン部と非開口パターン部とを有するメタルマスクであって、上記非開口パターン部は、触媒金属が付与された前記下地層の表面に積層され、無電解Niめっきまたは無電解Ni合金めっきよりなるめっき層と、上記めっき層の表面を被覆するNiF層とを有することを要旨とする。
【0021】
ここで、上記Ni合金は、PおよびBから選択される1種または2種以上の合金元素を含有していると良い。
【0022】
また、上記下地層は、上記めっき層に接する層として、Cu層またはCu合金層を有していると良い。
【0023】
この場合、上記下地層は、上記Cu層またはCu合金層に接する層として、Cr層またはCr合金層、あるいは、Ti層またはTi合金層を有していることが好ましい。
【0024】
また、上記下地層は、上記めっき層に接する層として、Ni層またはNi合金層を有していても良い。
【0025】
この場合、上記下地層は、上記Ni層またはNi合金層に接する層として、Cr層またはCr合金層、あるいは、Ti層またはTi合金層を有していることが好ましい。
【0026】
また、上記めっき層の厚みは、0.01μm以上であることが好ましい。
【0027】
本発明に係るメタルマスクの製造方法は、金属または合金よりなる層を1層または2層以上積層して下地層を形成する工程と、上記下地層の表面のうち、開口パターン部に対応する部分にフォトレジスト層を形成し、非開口パターン部に対応する部分に触媒金属を付与する工程と、上記触媒金属が付与された下地層の表面に、無電解Niめっきまたは無電解Ni合金めっきよりなるめっき層を積層する工程と、上記フォトレジスト層を除去する工程と、上記めっき層の表面をNiF層により被覆する工程とを有することを要旨とする。
【0028】
ここで、上記製造方法では、上記フォトレジスト層を除去した後、上記めっき層の表層をNiO層に置換し、さらに上記NiO層をNiF層に置換することが好ましい。
【0029】
本発明に係るガラス成形型は、上述したメタルマスクを用いて、型基材部表面に溝部が形成されていることを要旨とする。
【0030】
ここで、上記溝部の深さ/上記溝部の幅の比は1より大きいことが好ましい。
【0031】
本発明に係るガラス成形型の製造方法は、メタルマスクを型基材部表面に有するマスク付き成形型を準備する工程と、上記メタルマスクの開口パターン部に対応して上記型基材部表面に溝部を形成する工程と、上記溝部の形成後、上記型基材部表面から上記メタルマスクを分離する工程とを有することを要旨とする。
【0032】
本発明に係るマスク付き成形型は、上記メタルマスクを型基材部表面に有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係るメタルマスクは、非開口パターン部が上述した層構成を有している。そのため、製造時にフォトレジスト層の厚みに律速されずに、めっき層の厚みを厚く形成することができる。また、めっき層の表面が、NiF層により覆われているので、リアクティブイオンエッチングに対する耐性が高く、耐久性に優れる。
【0034】
そのため、上記メタルマスクを用いれば、従来形成が困難であった、微細で深い溝パターンを型基材部表面に形成することが可能になる。
【0035】
ここで、上記Ni合金が、PおよびBから選択される1種または2種以上の合金元素を含有する場合には、めっき層を構成する結晶粒を小さくできる。そのため、パターンの解像度を向上させることが可能になる。
【0036】
また、下地層が、めっき層に接する層としてCu層またはCu合金層を有している場合には、製造時に、非開口パターン部に選択的にめっき層を成長させやすくなる。
【0037】
この場合、下地層が、Cu層またはCu合金層に接する層として、Cr層またはCr合金層、あるいは、Ti層またはTi合金層を有している場合には、型基材部表面との密着性を向上させることが可能になる。
【0038】
また、下地層が、めっき層に接する層としてNi層またはNi合金層を有している場合には、めっき層との密着性が向上することによりメタルマスクの耐久性が向上する。
【0039】
この場合、下地層が、Ni層またはNi合金層に接する層として、Cr層またはCr合金層、あるいは、Ti層またはTi合金層を有している場合には、型基材部表面との密着性を向上させることが可能になる。
【0040】
本発明に係るメタルマスクの製造方法は、上述した工程を有している。そのため、フォトレジスト層の厚みに律速されずに、微細で深い溝パターンを型基材部表面に形成可能なメタルマスクを製造することができる。
【0041】
ここで、上記フォトレジスト層を除去した後、上記めっき層の表層をNiO層に置換し、さらに上記NiO層をNiF層に置換する場合には、めっき層の表面に比較的簡単にNiF層を形成することができる。
【0042】
本発明に係るガラス成形型は、上述したメタルマスクを用いて、型基材部表面に溝部が形成されている。そのため、従来に比べ、微細で深い溝パターンを有する。
【0043】
本発明に係るガラス成形型の製造方法は、上述した工程を有している。そのため、従来に比べ、微細で深い溝パターンを有するガラス成形型が得られる。
【0044】
本発明に係るマスク付き成形型は、上述したメタルマスクを型基材部表面に有している。そのため、上記ガラス成形型の製造に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本実施形態に係るメタルマスク(以下、「本メタルマスク」ということがある。)およびその製造方法、ならびに、本実施形態に係るガラス成形型およびその製造方法について詳細に説明する。
【0046】
1.メタルマスク
図1は、本メタルマスクの断面を模式的に示した図である。本メタルマスク10は、下地層12の表面に形成されている。
【0047】
下地層は、メタルマスクを形成するための下地となる層である。通常、下地層は、型基材部(図1では不図示)表面に積層される層である。
【0048】
下地層は、1層から構成されていても良いし、2層以上から構成されていても良い。図1では、下地層12は、第1下地層12aと、第2下地層12bとから構成された場合を例示している。好ましくは、メタルマスクの形成性、型基材部との密着性、製造コスト等の観点から、下地層は、1層または2層から構成されていると良い。
【0049】
下地層を構成する層材料としては、例えば、Cu、Cr、Ti、Ni、Au、Taなどの各種の金属またはこれら金属の合金などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
【0050】
下地層は、好ましくは、メタルマスクに接する層がCu層またはCu合金層であると良い。メタルマスクの製造時に、後述する非開口パターン部に選択的にめっき層を成長させやすくなるからである。
【0051】
なお、Cu合金層である場合、Cu以外の他の合金元素としては、例えば、Auなどを例示することができる。
【0052】
また、下地層は、好ましくは、メタルマスクに接する層がNi層またはNi合金層であると良い。密着性の向上によりメタルマスクの耐久性が向上するからである。
【0053】
なお、Ni合金層である場合、Ni以外の他の合金元素としては、例えば、W、Ti、Cu、Zn、Fe、Cr、Au、P、Bなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
【0054】
下地層が2層以上より構成される場合、メタルマスクに接する層よりも下層の層は、特に限定されるものではない。型基材部との密着性などを考慮して選択することができる。
【0055】
下地層のうち、メタルマスクに接する層がCu層またはCu合金層である場合、当該Cu層またはCu合金層に接する層は、好ましくは、Cr層、Cr合金層、Ti層、Ti合金層などであると良い。また、下地層のうち、メタルマスクに接する層がNi層またはNi合金層である場合、当該Ni層またはNi合金層に接する層は、好ましくは、Cr層、Cr合金層、Ti層、Ti合金層などであると良い。ともに型基材部との密着性を向上させやすくなるからである。型基材部の材質がSiCである場合には特にその効果が大きい。
【0056】
下地層の厚みは、密着性、RIE加工時の耐エッチング性などの観点から、好ましくは、1nm〜100nm、より好ましくは、5nm〜50nm、さらに好ましくは、10nm〜30nmの範囲内から好適に選択することができる。
【0057】
より具体的には、図1に示したように、下地層12が、第1下地層12aと第2下地層12bとを有する場合には、第1下地層12aの厚みは、密着性、RIE加工時の耐エッチング性などの観点から、好ましくは、1nm〜100nm、より好ましくは、5nm〜50nm、さらに好ましくは、10nm〜30nmの範囲内にあると良い。一方、第2下地層12bの厚みは、膜質の均一性などの観点から、好ましくは、1nm〜500nm、より好ましくは、5nm〜200nm、さらに好ましくは、10nm〜100nmの範囲内にあると良い。
【0058】
下地層は、スパッタリング法や蒸着法などの気相法、無電解めっき、電解めっきなどを利用して形成することができる。好ましくは、緻密で密着性の良い下地層を形成しやすい等の観点から、スパッタリング法により形成されていると良い。
【0059】
図1に示すように、本メタルマスク10は、開口パターン部10aと、非開口パターン部10bとを有している。
【0060】
開口パターン部は、型基材部表面に形成する溝パターンに対応して形成されるもので、そのパターン形状は、特に限定されるものではない。
【0061】
開口パターン部のパターン形状(型基材部表面に形成する溝パターンのパターン形状)としては、例えば、ライン状、格子ライン状、四角形等の多角形状、略円状、波形状、これらの組み合わせなどを例示することができる。
【0062】
一方、非開口パターン部は、マスク本体を構成する部分で、主にエッチングストッパーとして機能しうる。
【0063】
ここで、図1に示すように、非開口パターン部10bは、めっき層14と、めっき層14の表面を被覆するNiF層16とを有している。めっき層14は、触媒金属18が付与された下地層12の表面に積層されている。
【0064】
触媒金属としては、例えば、Pd、Pt等の貴金属などを好適なものとして例示することができる。好ましくは、下地層に対する吸着性などの観点から、Pdであると良い。なお、触媒金属は、必ずしも層になっている必要はなく、点状などに分散して付与されていても良い。
【0065】
本メタルマスクにおいて、めっき層を主に構成する材料は、無電解Niめっき、または、無電解Ni合金めっき、あるいは、これらの組み合わせである。パターンの解像度を向上させやすい等の観点から、好ましくは、無電解Ni合金めっきであると良い。
【0066】
上記Ni合金以外の他の合金元素としては、例えば、P、Bなどを例示することができる。これら1種または2種以上含まれていても良い。
【0067】
上記Ni合金以外の他の合金元素としては、めっき層を構成する結晶粒を小さくでき、パターンの解像度を向上させやすい等の観点から、好ましくは、P、B等を含んでいると良い。
【0068】
上記Ni合金以外の他の合金元素の含有量としては、めっき時のハンドリング等の観点から、好ましくは、1〜13質量%、より好ましくは、4〜10質量%、さらに好ましくは、5〜7質量%の範囲内にあると良い。
【0069】
めっき層は、1層から構成されていても良いし、2層以上から構成されていても良い。好ましくは、製造性、製造コスト等の観点から、1層から構成されていると良い。なお、めっき層が2層以上から構成される場合、各層は、同一の組成から構成されていても良いし、異なる組成から構成されていても良い。
【0070】
NiF層を含めためっき層の厚みは、耐エッチング性、耐久性の向上等の観点から、好ましくは、0.01μm〜50μm、より好ましくは、0.05μm〜20μm、さらに好ましくは、0.1μm〜10μmの範囲内にあると良い。
【0071】
NiF層は、めっき層に耐エッチング性を付与するスキン層としての役割を主に有しており、めっき層の表面を被覆している。もっとも、微細で深い溝が支障無く形成可能であれば、NiF層は、めっき層の表面を完全に被覆していなくても良い。また、NiF層とめっき層との境界は、必ずしも明瞭である必要はなく、表面から内部に向かって傾斜組成になっていても良い。
【0072】
NiF層は、めっき層を構成するNiをフッ化させることで形成することが可能である。
【0073】
2.本メタルマスクの製造方法
図2は、本メタルマスクの製造方法の流れを模式的に示した図である。図2(a)に示すように、型基材部20を準備する。型基材部20の材質としては、例えば、SiC、W、W合金、WC、GC(グラッシーカーボン)、SUSなどを好適なものとして例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、型基材部20の表面は、好ましくは、成形品の外観などの観点から、鏡面仕上げされていると良い。
【0074】
そして、準備した型基材部20の表面に、所定の厚みで下地層12を形成する。図2(a)では、型基材部20の表面に第1下地層12a、第2下地層12bをこの順に積層した場合を示している。
【0075】
下地層12の形成手法としては、スパッタリング法や蒸着法などの気相法、無電解めっき、電解めっきなどを例示することができる。好ましくは、緻密で密着性の良い下地層を形成しやすい等の観点から、スパッタリング法を用いると良い。
【0076】
次に、図2(b)に示すように、下地層12の表面のうち、製造しようとするメタルマスク10の開口パターン部10aに対応する部分に、フォトレジスト層22を形成する。
【0077】
フォトレジスト層22の厚みは、後に形成するめっき層14の厚みを考慮して適宜設定することができる。従来方法では、上からマスク材料を積もらせるため、マスク厚みの約5倍以上の厚みのフォトレジスト層が必要であった。しかし、本発明では、下からめっき層を成長させるため、後に形成するめっき層14の厚みと同程度の厚みのフォトレジスト層で十分である。
【0078】
フォトレジスト層22は、ポジ型またはネガ型フォトレジスト材料を下地層12表面にスピンコーター等により塗布し、公知のフォトリソグラフィ法を適用して形成すれば良い。
【0079】
次に、図2(c)に示すように、下地層12の表面のうち、製造しようとするメタルマスク10の非開口パターン部10bに対応する部分、つまり、フォトレジスト層22が形成されていない部分に、触媒金属18を付与する。
【0080】
具体的には、フォトレジスト層22が形成された下地層12表面に、パラジウム触媒等の触媒液を接触させ、置換めっき等を利用して、下地層12表面にPd等の触媒金属18を選択的に生成させるなどすれば良い。
【0081】
なお、触媒液を接触させる前に、予め、フォトレジスト層22が形成された下地層12表面を界面活性剤などにより処理することも可能である。
【0082】
次に、図2(d)に示すように、触媒金属18が付与された下地層12の表面に、めっき層14を積層する。
【0083】
具体的には、触媒金属18が付与された下地層12の表面と無電解ニッケルめっき液とを接触させ、無電解Niめっきを行えば良い。この場合、無電解ニッケルめっき液、めっき時間、めっき浴温度などの無電解めっき条件は、めっき層14の厚みや、めっき層4の材質等を考慮して、適宜最適な範囲を選択すれば良い。
【0084】
フォトレジスト層22には触媒金属18が付与されておらず、下地層12表面の所定の位置だけに触媒金属18が付与されているため、下地層12表面にだけ選択的にめっき層14を析出させることができる。
【0085】
次に、図2(e)に示すように、フォトレジスト層22を除去する。フォトレジスト層22の除去方法としては、フォトレジスト材料をアセトン等の除去液により溶解して除去する方法などを例示することができる。
【0086】
次に、図2(f)に示すように、めっき層14の表面をNiF層16により被覆する。NiF層16は、めっき層14を構成するNiをフッ化することで簡易に導入することができる。
【0087】
具体的には、プラズマアッシング装置中にて酸素プラズマを発生させ、フォトレジスト層22を除去しためっき層14の表面に、上記酸素プラズマを照射し、めっき層14の表層を一旦NiO層に置換する。その後、このめっき層14の表面に、フッ素プラズマを照射し、上記NiO層をNiF層16に置換する(NiO+2HF→NiF)などすれば良い。
【0088】
もっとも、めっき層14の表面をNiF層16により被覆する手法は、上記に限定されるものではない。
【0089】
基本的には、以上の工程を経ることにより、本メタルマスク10を製造することができる。また、合わせて、本メタルマスク10を型基材部20表面に有するマスク付き成形型30を製造することができる。
【0090】
他にも、上述した本メタルマスクの製造方法を以下のように変更しても本メタルマスク10を製造することができる。すなわち、図2(a)のように下地層12を形成した後、図2(b)に示すフォトレジスト層22を形成する前に、下地層12の表面一面に触媒金属を付与する。触媒金属の付与方法としては、具体的には、スパッタリング法や蒸着法などの気相法を用いることができる。
【0091】
そして、上記触媒金属が一面に付与された下地層12の表面のうち、製造しようとするメタルマスク10の開口パターン部10aに対応する部分に、図2(b)と同様にしてフォトレジスト層22を形成する。この方法を採用した場合には、図2(c)の工程が省略されるが、下地層12の表面のうち、非開口パターン部10bに対応する部分には触媒金属が付与されている。
【0092】
その後は、図2(d)以降の工程を行えば、本メタルマスク10を製造することができる。また、合わせて、本メタルマスク10を型基材部20表面に有するマスク付き成形型30を製造することができる。
【0093】
3.ガラス成形型およびその製造方法
本ガラス成形型は、型基材部10表面に、本メタルマスク10を用いて形成された溝部を有している。
【0094】
溝部のパターン形状は、成形するガラス成形物の外形によって異なるが、例えば、ライン状、格子ライン状、四角形等の多角形状、略円状、波形状、これらの組み合わせなど、所望する様々なパターンにすることができる。
【0095】
ここで、溝部の開口幅としては、従来製法である機械研削等では形成し難い等の観点から、好ましくは、0.1μm〜100μm以下の範囲内であると良い。
【0096】
また、溝部の深さ/溝部の幅の比(溝部のアスペクト比)は、従来製法である機械研削等では形成し難い等の観点から、好ましくは、1よりも大きい、より好ましくは、2以上、さらに好ましくは、3以上、さらにより好ましくは、4以上であると良い。
【0097】
本ガラス成形型の製造方法は、基本的には、以下の工程(1)〜(3)を有している。
【0098】
先ず、工程(1)は、メタルマスクを型基材部表面に有するマスク付き成形型を準備する工程である。
【0099】
なお、マスク付き成形型の準備は、上述した方法により製造して準備することができる。
【0100】
工程(2)は、メタルマスクの開口パターン部に対応して型基材部表面に溝部を形成する工程である。溝部の形成には、リアクティブイオンエッチング等のドライエッチング、ウェットエッチングなどを好適に用いることができる。
【0101】
この工程(2)を経ると、メタルマスクを型基材部表面に有し、型基材部表面に溝部が形成されたマスク付き成形型が得られる。
【0102】
工程(3)は、溝部の形成後、型基材部表面からメタルマスクを分離する工程である。メタルマスクの分離は、例えば、ウェットエッチング等のエッチング処理、ダイヤモンドラッピング等の物理的処理などにより行うことができる。
【0103】
なお、工程(3)では、必要に応じて、型基材部表面から下地層も分離しても良い。
【0104】
以上の工程を経ることで、型基材部表面に微細で深い溝パターンを有するガラス成形型が得られる。
【0105】
なお、上記ガラス成形型の型基材部表面には、必要に応じて、ボンド層、導電層、拡散防止層、離型層等の各種の機能層を1または2以上積層することができる。
【0106】
具体的には、例えば、溝パターンを有する型基材部表面に積層する積層構造の一例としては、型基材部表面側から順に、Au層、Rh層、Ir−Re層を積層した積層構造、Au層、Rh層を積層した積層構造、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)層を積層した積層構造、SiC層を積層した積層構造などを例示することができる。
【0107】
本ガラス成形型により成形されるガラス材料は、特に限定されるものではなく、何れの種類のガラス材料であっても良い。具体的には、例えば、高温成形が必要な硼珪酸ガラスなどを例示することができる。
【0108】
本ガラス成形型により成形されるガラス成形物としては、具体的には、例えば、ガラスレンズ、光学フィルターなどの光学部材、光通信分野などで用いられるガラス基板、素子、コネクタ、医療・分析用途などに用いられるバイオチップなど、各種の用途のものを例示することができる。
【0109】
また、上記ガラス成形物は、本ガラス成形型を用いて、上記ガラス材料を、例えば、プレス成形、射出成形などの各種成形法により成形する工程を経れば、得ることができる。
【実施例】
【0110】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0111】
1.実施例に係るメタルマスク、実施例に係るマスク付き成形型の作製
(1)型基材部の準備
SiC焼結体(厚み4.7mm)の表面に、CVD法を用いて厚み0.5mmのSiCをコーティングした後、ダイヤモンドラップにより0.2mm研磨して表面を鏡面仕上げした。これにより、SiC製の型基材部を準備した。
【0112】
(2)下地層の形成
(2−1)第1下地層
(形成手法1)
上記型基材部表面に、スパッタ装置(芝浦メカトロニクス(株)製コンパクトスパッタ装置「CFS−4EP−LL」)を用いて、スパッタ圧力6.0×10−1Pa、スパッタ電力100W、成膜温度23℃、成膜時間60秒の条件にて、Cr層を形成した。
【0113】
(形成手法2)
上記型基材部表面に、スパッタ装置(芝浦メカトロニクス(株)製コンパクトスパッタ装置「CFS−4EP−LL」)を用いて、スパッタ圧力6.0×10−1Pa、スパッタ電力100W、成膜温度23℃、成膜時間60秒の条件にて、Ti層を形成した。
【0114】
(2−2)第2下地層
(形成手法1)
上記型基材部表面または上記第1下地層表面に、スパッタ装置(芝浦メカトロニクス(株)製コンパクトスパッタ装置「CFS−4EP−LL」)を用いて、スパッタ圧力6.0×10−1Pa、スパッタ電力100W、成膜温度23℃、成膜時間60秒の条件にて、Cu層を形成した。
【0115】
(形成手法2)
上記型基材部表面または上記第1下地層表面に、スパッタ装置(芝浦メカトロニクス(株)製コンパクトスパッタ装置「CFS−4EP−LL」)を用いて、スパッタ圧力6.0×10−1Pa、スパッタ電力200W、成膜温度23℃、成膜時間160秒の条件にて、Ni層を形成した。
【0116】
(3)フォトレジスト層の形成
(形成手法1)
第2下地層の表面に、塗工機にてポジ型フォトレジスト材(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製、「AZ−1500」)を厚み2.0μm塗布した。次いで、開口幅10μm、ピッチ10μmのラインアンドスペースのパターンをレーザー描画を用いて露光した後、現像した。これにより、開口幅10μm、ピッチ10μm、厚み2.0μmのラインアンドスペース形状のフォトレジスト層を形成した。
【0117】
(形成手法2)
第2下地層の表面に、スピンコーターにてポジ型フォトレジスト材(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製、「AZ−1500」)を厚み0.5μm塗布した。次いで、開口幅2.0μm、ピッチ2.0μmのラインアンドスペースのパターンをレーザー描画を用いて露光した後、現像した。これにより、開口幅2.0μm、ピッチ2.0μm、厚み0.5μmのラインアンドスペース形状のフォトレジスト層を形成した。
【0118】
なお、上記ライン部分は、形成するメタルマスクの開口パターン部に対応している。上記スペース部分は、形成するメタルマスクの非開口パターン部に対応している。
【0119】
(4)Pdの付与
(付与手法1)
上記フォトレジスト層を形成した型基材部表面を界面活性剤で処理した後、パラジウム触媒(大和化成(株)製、「ダインアクチ」)を接触させ、40℃×2分の処理条件にて、上記スペース部分に露出している第2下地層の表面に選択的にPdを付与した。
【0120】
(付与手法2)
上記フォトレジスト層の形成前に、第2下地層の表面全体に、スパッタ装置(芝浦メカトロニクス(株)製コンパクトスパッタ装置「CFS−4EP−LL」)を用いて、スパッタ圧力6.0×10−1Pa、スパッタ電力100W、成膜温度23℃、成膜時間40秒の条件にて、Pdを付与した。
【0121】
なお、この付与手法2を採用した場合には、上記Pdが付与された下地層表面に、上記(3)フォトレジスト層の形成を行った。
【0122】
(5)めっき層の積層
(形成手法1)
無電解ニッケルめっき液(上村工業(株)製、「ニムデンLPX」)を使用し、めっき時間160秒、めっき浴温度90℃の条件で、第2下地層の表面のうち、Pdが付与された部分に、無電解Ni−P合金めっき層を積層した。
【0123】
(形成手法2)
無電解ニッケルめっき液(上村工業(株)製、「ニムデンLPX」)を使用し、めっき時間40秒、めっき浴温度90℃の条件で、第2下地層の表面のうち、Pdが付与された部分に、無電解Ni−P合金めっき層を積層した。
【0124】
(形成手法3)
無電解ニッケルめっき液(上村工業(株)製、「BEL801」)を使用し、めっき時間240秒、めっき浴温度82℃の条件で、第2下地層の表面のうち、Pdが付与された部分に、無電解Ni−B合金めっき層を積層した。
【0125】
(6)フォトレジスト層の除去
上記めっき層を積層した後、アセトンを用いてフォトレジスト層を除去した。
【0126】
(7)めっき層表面のフッ化
プラズマアッシング装置中で酸素プラズマを発生させ、上記フォトレジスト層を除去した型基材部表面にこれを照射することで、上記めっき層の表層をNiO層に置換した。次いで、この型基材部表面にフッ素プラズマを照射することで、上記NiO層をNiF層に置換した。これにより実施例に係るメタルマスクを型基材部表面に有する、実施例に係るマスク付き成形型を作製した。
【0127】
2.比較例に係るメタルマスク、比較例に係るマスク付きガラス成形型の作製
上記実施例において、上記形成手法1でフォトレジスト層を形成した型基材部表面に、蒸着法を用いて、厚み0.4μmのNi層を形成した。その後、アセトンを用いてフォトレジスト層を除去した。
【0128】
これにより、比較例に係るメタルマスクを型基材部表面に有する、比較例に係るマスク付き成形型を作製した。
【0129】
3.実施例および比較例に係るガラス成形型の作製
実施例および比較例に係るマスク付き成形型を用い、メタルマスクのパターン部(開口部)に対応した溝部を型基材部表面に形成した。
【0130】
ここで、溝部の形成は、エッチング装置(住友精密工業(株)製、SiCエッチャー「MUC−21」)を用い、各メタルマスクを介して型基材部表面をリアクティブイオンエッチング(RIE)加工することにより行った。
【0131】
なお、上記エッチング加工におけるNiとSiCのエッチングレートの比(SiC:Ni)は50:1とした。
【0132】
上記溝部形成後、塩化第二鉄水溶液と硝酸第二セリウムアンモン水溶液によるエッチングにて、型基材部表面から各メタルマスクを分離した。これにより、実施例および比較例に係るガラス成形型を作製した。
【0133】
4.各層の厚みおよびRIE加工後の溝深さの測定
(1)各層の厚み
型基材部表面に形成した各層の厚みを以下の手順により求めた。すなわち、集束イオンビーム(FIB)装置(FEI社製、「FIB200」)を用いて、RIE加工前の各マスク付き成形型が備えるメタルマスクの平面部をエッチングした後、得られた断面のSIM(走査イオン顕微鏡)観察を行うことにより、各層の厚みを測定した。なお、各層の厚みは、試料中心部で任意の箇所5点について測定した厚みの平均値である。
【0134】
(2)RIE加工後の溝深さ
型基材部表面に形成した溝深さを以下の手順により求めた。すなわち、メタルマスクを分離した各ガラス成形型の溝部について、集束イオンビーム(FIB)装置(FEI社製、「FIB200」)を用いて、SIM(走査イオン顕微鏡)観察を行うことにより、各溝深さを測定した。なお、各溝深さは、試料中心部で任意の箇所5点について測定した深さの平均値である。
【0135】
表1に、各メタルマスクの層構成、形成方法、厚み、型基材部表面の溝深さなどをまとめて示す。
【0136】
【表1】

【0137】
表1によれば、以下のことが分かる。すなわち、比較例では、フォトレジスト層のライン部分表面とスペース部分表面(露出した第1下地層表面)とに蒸着されるNi層が互いに繋がらないよう蒸着を行う必要があったため、フォトレジスト層の厚みに対して薄いメタルマスクしか形成することができなかった。
【0138】
このような薄いメタルマスクを用いてRIE加工により深い溝を形成しようとすると、メタルマスクが無くなってしまう。
【0139】
そのため、RIE加工により型基材部表面に形成できる溝の深さは浅くならざるを得ず、具体的には、溝開口幅10μm、溝深さ10μm、溝深さ/溝開口幅の比(アスペクト比)が1以下の溝加工が限界であった。
【0140】
これに対し、実施例1〜8に係るメタルマスクは、本発明で規定される層構成を有している。そのため、フォトレジスト層の厚みに律速されずに、比較的厚いメタルマスクを形成することができた。
【0141】
また、実施例1〜8に係るメタルマスクは、無電解Ni合金めっき層の表面がNiF層により覆われている。そのため、RIE加工に対する耐性が高く、型基材部表面に深い溝を形成しやすかった。
【0142】
具体的には、溝開口幅10μm、溝深さ100μm、溝深さ/溝開口幅の比(アスペクト比)が10程度、および、溝開口幅2μm、溝深さ10μm、溝深さ/溝開口幅の比(アスペクト比)が5程度の、微細で高アスペクト比の溝加工を行うことができた。
【0143】
さらに、実施例7、8は、実施例4と比較して、より微細で高アスペクト比の溝加工を行うことができた。これは、メタルマスクに接する層として、Ni層を用いることで密着性が向上し、メタルマスクの耐久性が向上したためである。
【0144】
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本実施形態に係るメタルマスクの断面を模式的に示した図である。
【図2】本実施形態に係るメタルマスクの製造方法の流れを模式的に示した図である。
【図3】従来のメタルマスクの製造方法を示した図である。
【図4】図3において、フォトレジスト層の厚みが十分でない場合に生じる現象を説明するための図である。
【符号の説明】
【0146】
10 メタルマスク
10a 開口パターン部
10b 非開口パターン部
12 下地層
12a 第1下地層
12b 第2下地層
14 めっき層
16 NiF
18 触媒金属
20 型基材部
22 フォトレジスト層
30 マスク付き成形型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属または合金よりなる層が1層または2層以上積層されてなる下地層の表面に形成され、開口パターン部と非開口パターン部とを有するメタルマスクであって、
前記非開口パターン部は、
触媒金属が付与された前記下地層の表面に積層され、無電解Niめっきまたは無電解Ni合金めっきよりなるめっき層と、
前記めっき層の表面を被覆するNiF層と、
を有することを特徴とするメタルマスク。
【請求項2】
前記Ni合金は、PおよびBから選択される1種または2種以上の合金元素を含有することを特徴とする請求項1に記載のメタルマスク。
【請求項3】
前記下地層は、前記めっき層に接する層として、Cu層またはCu合金層を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のメタルマスク。
【請求項4】
前記下地層は、前記Cu層またはCu合金層に接する層として、Cr層またはCr合金層、あるいは、Ti層またはTi合金層を有していることを特徴とする請求項3に記載のメタルマスク。
【請求項5】
前記下地層は、前記めっき層に接する層として、Ni層またはNi合金層を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のメタルマスク。
【請求項6】
前記下地層は、前記Ni層またはNi合金層に接する層として、Cr層またはCr合金層、あるいは、Ti層またはTi合金層を有していることを特徴とする請求項5に記載のメタルマスク。
【請求項7】
前記めっき層の厚みは、0.01μm以上であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のメタルマスク。
【請求項8】
金属または合金よりなる層を1層または2層以上積層して下地層を形成する工程と、
前記下地層の表面のうち、開口パターン部に対応する部分にフォトレジスト層を形成し、非開口パターン部に対応する部分に触媒金属を付与する工程と、
前記触媒金属が付与された下地層の表面に、無電解Niめっきまたは無電解Ni合金めっきよりなるめっき層を積層する工程と、
前記フォトレジスト層を除去する工程と、
前記めっき層の表面をNiF層により被覆する工程と、
を有することを特徴とするメタルマスクの製造方法。
【請求項9】
前記フォトレジスト層を除去した後、前記めっき層の表層をNiO層に置換し、さらに前記NiO層をNiF層に置換することを特徴とする請求項8に記載のメタルマスクの製造方法。
【請求項10】
請求項1から7の何れかに記載のメタルマスクを用いて、型基材部表面に溝部が形成されていることを特徴とするガラス成形型。
【請求項11】
前記溝部の深さ/前記溝部の幅の比が1より大きいことを特徴とする請求項10に記載のガラス成形型。
【請求項12】
請求項1から7の何れかに記載のメタルマスクを型基材部表面に有するマスク付き成形型を準備する工程と、
前記メタルマスクの開口パターン部に対応して前記型基材部表面に溝部を形成する工程と、
前記溝部の形成後、前記型基材部表面から前記メタルマスクを分離する工程と、
を有することを特徴とするガラス成形型の製造方法。
【請求項13】
請求項1から7の何れかに記載のメタルマスクを型基材部表面に有することを特徴とするマスク付き成形型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−256164(P2009−256164A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201451(P2008−201451)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】