説明

メロディ生成器を有するモバイル通信装置

当該装置は、シンセサイザとして知られるメロディ生成器(19)を有する。当該シンセサイザは、多数のチャネルC1、C2、・・・、C9を処理することを可能とし、これらのチャネルのうちの少なくとも1つが、とりわけマイクロフォン(17)から来るボーカル信号を処理するために割り当てられる。合成されたメロディが、例えばSMSや電子メール等のような、前記装置のための送信方法の機能を利用して、種々の通信者に送信されても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の音楽チャネルを処理することができる、シンセサイザとして知られるタイプのメロディ生成器を有する通信装置に関する。
【0002】
当該シンセサイザの存在は、ユーザが、とりわけ該ユーザの装置の呼び出し音を変更するために、これら種々のチャネルを組み合わせ及び/又はミキシングしメロディを生成することを可能とする。
【背景技術】
【0003】
かような装置は、米国特許6,426,456において言及されており、該文献においては特に打楽器を模倣する音声を提供するように構成されたシンセサイザとして記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザに魅力的な機能を提供するための手段が備えられた、最初のパラグラフにおいて言及されたタイプの通信装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
数あるなかでも、消費者向けのラジオ受信器の、前記装置の一部を形成するマイクロフォンのような種々の音源からの音声を、又は予め記録されたファイルからのボーカルをも、ミキシングすることが可能である。前記ラジオ受信器は、このタイプの装置を有していても良い。
【0006】
他の魅力的な機能のなかでも、前記装置によって合成された音楽を、電子メールやSMSを用いて及び赤外線インタフェース又はBluetooth(登録商標)として知られるシステムを介して、他の通信者に送信することが可能である。
【0007】
本発明のこれらの及び他の特徴は、以下に説明される実施例を参照しながら、限定的でない例によって説明され明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、例えばセルラー式電話ネットワークにおいて利用される無線電話のような通信装置1を示す。本装置は、該装置が接続しているネットワークと情報を交換するためのアンテナ2を有する。当該アンテナ2は、前記装置の無線電気部5に接続される。当該装置はまたマン−マシンインタフェース部8を有し、該マン−マシンインタフェース部8は、画面10及びキーボード12並びに動作のための関連する全ての回路を有する。最後に、とりわけラウドスピーカ16、マイクロフォン17及び音声生成器19を有するオーディオ部14が備えられる。音声生成器19は、例えば登録商標である回路ML2802である。これらの部分の全ては、マイクロプロセッサシステム20に依存して動作する。当該装置はまた、付属品として、FM周波数変調帯域における局を捕捉するための無線電話受信器25を有する。該装置はまた、参照番号27によって示される、赤外線により操作される通信回路IRDAを有する。同様にBluetooth(登録商標)タイプの回路を備えることも可能である。
【0009】
当該システム20の動作は、メモリセット30に含まれる命令のセットによって決定される。メモリセット30はとりわけ、プログラムメモリと呼ばれるメモリ32を有する。本発明の装置はメロディ生成器を有し、該メロディ生成器に対してはオーディオ部14が根本的な役を果たす。当該生成器は、幾つかのチャネルから構成され得る、メロディのポリフォニック(polyphonic)な合成を可能とする。記載される本発明の範囲内には9つのチャネルがあり、参照記号C1、C2、C3、・・・、C9によって示される。図2に示されるように、これらのチャネルは前記画面上で可視化される。種々のバーb1、b2、・・・は、これらのチャネルから来る音声の強度を示す。これらの音声は、ユーザによって望まれるレベルでミキシングされることができる。これらのチャネルの内容は、それぞれ位置Mc1、Mc2、・・・、Mcnにおいて、メモリセット30に記憶される。「n」は9より大きくても良い。しかしながら、9つのチャネルだけが、前記生成器によって処理される。図3に示すように、これらのチャネルは、前記画面における可視化により、またキーボード12の種々のキーにおける操作によって制御される。前記生成器の利用の範囲内で、キー1乃至9が処理されるべきチャネルに関連する。それぞれ上方及び下方への移動、並びに左及び右への移動に対応する、種々の位置決め「u」、「d」、「l」、「r」を行うことができるナビゲーションボタン50があることに留意されたい。「ok」キーは、原則的に、コマンドを有効にする。前記装置の側面の「+」及び「−」ボタンは、とりわけラウドスピーカ16からの音量の制御を可能とする。
【0010】
前記装置の動作を説明する以下の図は、プログラムメモリ32に適切な命令を実装することにより、当業者が本発明を実現することを可能とする。
【0011】
図4は、前記メロディ生成器を制御するソフトウェアのアーキテクチャを説明する図を示す。本図は種々のボックスを有する。ボックスJ0、J1及びJ2はそれぞれ、前記画面、前記キーボード及び生成回路19に関連する構成要素を表す。これら種々の構成要素は、それぞれJ5、J6及びJ7により示されるソフトウェアパイロットを必要とする。本図における参照番号J10は、とりわけ構成要素J0、J1及びJ2の全ての相互作用を制御する、MMI(man-machine interface)マネージャを示す。本発明のメロディ生成器の特別な特徴は、ソフトウェアセットJ12に含まれる。APIプログラミングインタフェースJ15及びJ17が備えられ、アプリケーションJ20に基づいてそれぞれソフトウェアセットJ10及びJ12にアクセスする。
【0012】
図5は、音楽生成器が含まれた場合の、前記装置の動作を示す。ボックスK0は、前記アプリケーションの情報画面を示す。当該ボックスK0から、すぐにボックスK1へ自発的に進む。当該ボックスK1から、異なる機能を表す種々のボックスへ進み得る。キー#を押下することにより、ボックスK5へ進む。ボックスK5は、リズムを変更することが可能なステップに対応する。リズムを調整した後、同じキーを操作することによりボックスK1に戻ることができる。当該ボックスK1において、メロディのスタイルを選択し、この目的のために「ok」キーを操作しても良く、ボックスK7において当該スタイルを選択することが可能である。スタイルの例は、「テクノ」、「グルーブ」、「ディスコ」等であっても良い。同じボックスK1から、キー1乃至9のうちの1つの短い押下SPによりチャネル1乃至9のうちの1つに取り組むことが可能であり、押下されたキーに対応するチャネルのロードを可能とする。次いでボックスK10へ進む。キー1乃至9のうちの1つを押下することにより、ボックスK20においてチャネルが常に再生される。同じボックスK10において、「+」キー及び「−」キーを操作することにより、ボックスK22において音量を変更することができる。キー「0」の押下は、ボックス24において現在の音楽が記録されることを可能とする。記録の後、幾つかの選択肢が利用可能である。当該記録物は、種々の方法で送信され得る。ボックスK30、K32及びK34は、これら方法の幾つかを表している。破線60で示された他の方法は、明確には言及されない。ボックスK30は、前記記録物を電子メールによって送信することに関連し、ボックスK32は、前記記録物をSMSプロトコルによって送信することに関連し、ボックスK34はIRDAインタフェースの起動を可能とする。
【0013】
ボックスK1から、キー1乃至9のうちの1つの長い押下LPによって、他の機能へアクセスすることもできる。当該機能はボックスK40において示される。当該ボックスにおいて、キー5を除くキー0乃至9のうちの1つが押下された場合、ボックスK42におけるスタイルの選択へ進み、当該ボックスから、ボックスK44における、位置Mc1乃至Mcn(図1)におけるメロディへと進む。これらのメロディは、ボックスK46においてリストが示される機器のうちの1つにおいて再生されても良い。
【0014】
当該ボックスK40において、キー5が押下された場合、ボックスK48において提案されるように、当該チャネル5がMIDIファイルで、又はADPCMタイプのアナログタイプの音源からロードされることができる。MIDIファイルが選択された場合、当該ファイルがロードされる。ADPCMの選択肢が採られた場合、ボックスK50において示される、更なる選択が提示される。チャネル5は、マイクロフォン17から直接に来る音声をロードされるか、受信器25から若しくは又はメモリ30に既に保存されたADPCMタイプのファイルから来る音声をロードされるかのいずれかである。
【0015】
かくして本発明は、種々のチャネルから来る音声を処理するために適切な、シンセサイザとして知られるタイプのメロディ生成器を有する、以下のような特徴を持つ通信装置に関する。
−前記チャネルの少なくとも1つがボーカル信号に割り当てられる。
−マイクロフォンが備えられ、前記生成器が前記ボーカル信号のチャネルの少なくとも1つを前記マイクロフォンに割り当てる。
−無線電話受信器が備えられ、前記生成器が前記ボーカル信号のチャネルの少なくとも1つを前記無線電話受信器に割り当てる。
−ファイルへアクセスする手段が備えられ、前記生成器が前記ボーカル信号のチャネルの少なくとも1つを前記ファイルへアクセスする手段に割り当てる。
−前記チャネルの内容を変更する手段が備えられ、前記ファイルはMIDIタイプのものである。
−種々のチャネルの音声をミキシングする手段が備えられる。
−ユーザによって生成された前記音声を音楽ファイルの形で記録する手段が備えられる。
−SMS、IRDA、電子メール又はその他のタイプの送信方法のうちの少なくとも1つの送信方法を利用する手段が備えられ、前記音楽ファイルを送信するために当該方法を利用する手段が備えられる。
−呼び出し音回路が備えられ、前記音楽ファイルを前記呼び出し音回路に供給する手段が備えられる。
−多数のチャネルから処理する特定の数のチャネルを選択する手段が備えられる。
−通信者から呼を受信する手段が備えられ、前記音楽ファイルを前記音楽ファイルの再生の間に保存する手段が備えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による通信装置を示す。
【図2】本発明による装置による処理のために音楽チャネルが表示された画面を示す。
【図3】本発明において利用される、装置の種々の鍵を示す。
【図4】本発明において利用されるソフトウェアのアーキテクチャを示す。
【図5】本発明を説明する図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々のチャネルからの音声を処理するために適切な、シンセサイザとして知られるタイプのメロディ生成器を有する通信装置。
【請求項2】
前記チャネルの少なくとも1つがボーカル信号に割り当てられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
マイクロフォンを有し、前記生成器が前記ボーカル信号のチャネルの少なくとも1つを前記マイクロフォンに割り当てる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
無線電話受信器を有し、前記生成器が前記ボーカル信号のチャネルの少なくとも1つを前記無線電話受信器に割り当てる、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
ファイルへアクセスする手段が備えられ、前記生成器が前記ボーカル信号のチャネルの少なくとも1つを前記ファイルへアクセスする手段に割り当てる、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記チャネルの内容を変更する手段を有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ファイルはMIDIタイプのファイルである、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
種々のチャネルの音声をミキシングする手段を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
ユーザによって生成された前記音声を音楽ファイルの形で記録する手段を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
SMS、IRDA、電子メール又はその他のタイプの送信方法のうちの少なくとも1つの通信方法を利用する手段を有し、前記音楽ファイルを送信するために該方法を利用する手段を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
呼び出し音回路を有し、前記音楽ファイルを前記呼び出し音回路に供給する手段を有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
多数のチャネルから処理をする特定の数のチャネルを選択する手段を有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
通信者から呼を受信する手段を有し、前記音楽ファイルを前記音楽ファイルの再生の間に保存する手段を有する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−518867(P2006−518867A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502395(P2006−502395)
【出願日】平成16年1月26日(2004.1.26)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000273
【国際公開番号】WO2004/072944
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】