説明

ユーザ誘導3次元ボリューム・スキャン・シーケンス用の超音波撮像システム及び方法

時間が重要な方法で操作者が関心体積の画像を取得することを許す超音波撮像システム及び方法であって、ボリュームレンダリングを標準2次元撮像モードに参照させることが可能であり、操作者に、関心体積の操作者によって指示されたビューを生じさせる多数の表示モードパラメータを選択的に選ばせることを可能とする超音波撮像システム及び方法である。超音波撮像システムは、複数の撮像パラメータを受信するよう構成された入力装置と、入力装置と通信する制御器とを有する。超音波撮像システムは、撮像パラメータに応じて操作者により指定された送波ビーム走査シーケンスを発生し、超音波撮像システムのボリュームスキャン範囲の一部に亘って空間的に変更された送波ビーム走査シーケンスを送波する。更に、超音波撮像システムは、操作者が複数の操作者設定可能な多次元ビューを指定するという自由度を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、医療診断のための3次元超音波撮像システムに関連し、より特定的には、より高いフレームレート又は最適化された画像取得時間を与える改善された3次元超音波撮像システム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
超音波撮像は、幅広い用途で重要且つ人気のある診断器具となっている。特に、超音波撮像は、非侵襲的であり、一般的には非破壊的な性質であるため、医療界において広く使用されている。近年の高性能の超音波撮像システム及び技術は、対象の内部的な特徴(例えば、人間である患者の解剖学的な構造の部分)の2次元画像及び3次元画像の両方を生成するために一般的に使用されている。診断用超音波撮像システムは、一般的には、超音波信号を送信及び受信するために広い帯域幅のトランスデューサを用いる。超音波撮像システムは、体の中へ進行する超音波パルスを発生するよう音響トランスデューサ素子又は音響トランスデューサ素子のアレイを電気的に励起することにより人間の体の内部組織の画像を形成する。超音波パルスは、体の組織から反射するときにエコーを生じさせ、これは伝搬する超音波パルスに対する不連続性として現れる。様々なエコーは、トランスデューサへ戻り、電気信号へ変換され、電気信号は組織の画像を生成するよう増幅され処理される。これらの超音波撮像システムは、外科手術のようなより侵襲的な診査技術を求めることなく人間の解剖学的構造の内部的な特徴のリアルタイムの高解像度画像を医師に与えるため、医療分野において非常に重要となっている。
【0003】
上述のように、超音波撮像システムは、複数の超音波パルスを放射し受信する音響トランスデューサを使用する。超音波パルスを放射する音響トランスデューサは、一般的には、1つの圧電素子又は圧電素子のアレイを有する。従来技術で周知であるように、圧電素子は、電気信号が印加されると、送信超音波パルスを発生するよう変形する。同様に、受信エコーは、圧電素子を変形させ、対応する受信電気信号を発生する。音響トランスデューサは、操作者にトランスデューサを所望の関心領域の上で操作するかなりの自由度を許容するハンドヘルド装置内に組み入れられることが多い。トランスデューサは、ケーブルを介して、電気信号を発生し処理する制御装置に接続されることが多い。次に、制御装置は、リアルタイム観察装置、例えばモニタへ画像情報を送信しうる。他の構成では、画像情報は、遠隔場所にいる医師へ送信されてもよく、後の時点で診断画像の観察を可能とするよう記憶されてもよい。
【0004】
3次元画像を生成するために、位置情報に関連する例えば平面又は線情報等の体積測定法的に離間した情報は、様々なトランスデューサのうちのいかなるものを用いても取得される。1つのアプローチは、3次元画像情報を直接取得するために2次元トランスデューサを用いることである。2次元アレイは、所望の情報を取得するために任意の所望の向きで電子的に走査するのに使用されうる。他のアプローチは、1次元又は1.5次元トランスデューサアレイを画像データフレームに関連する相対位置情報と共に使用して多数の2次元画像データフレームを用いるものであり、従ってこれらのフレームは、所望の3次元再構成を形成するよう3次元ボリューム内で順次に組み立てられ得る。
【0005】
上述のように、トランスデューサから受信されるエコー信号に基づいて、多数の平面情報の組から組み立てられる体積測定法情報が発生される。画像情報は、様々な撮像モードの関数として導出される。例えば、Bモード即ち輝度モード、又は、カラードップラ撮像モードがある。
【0006】
平面情報等の体積測定法的に離間した情報及び関連する位置情報が与えられると、画像情報を被写体の3次元ボリュームへ組み立て、断面、サーフェス・レンダリング等の所望の表示を与えるために標準的な方法が使用される。
【0007】
いくつかの従来技術の超音波撮像システムは、技術者が患者内の関心となる器官の「完全なボリューム」を取得する作業を行い、医師又は他の臨床医がオフラインで複数の画像を提供する診断セッションの結果を調べるという考えに基づいて設計された。この診断方法では、技術者が診断に必要な全てのスライス及び投影を取得することが必須である。結果として、技術者が被観察ボリューム(VUO)の寸法を減少させることを可能とする対策は与えられていない。
【0008】
しかしながら、大量のスキャンを取得するのにはかなりの時間がかかり、これはリアルタイム撮像システムにおけるフレームレートに負の影響がある。非リアルタイムシステムでは、負の影響を受けるのは総取得時間である。例えば、単一の心臓周期に亘って人間の心臓の完全な4次元(空間及び時間)ボリュームを取得するには5分以上の時間がかかる。
【0009】
いくつかの従来技術の撮像システムは、ハードウエア内のマルチチャネル並列ビーム形成構造を組み込むことによりフレームレートの問題を扱う。しかしながら、このアプローチは、結果として生ずる超音波撮像システムの費用及びサイズをかなり増加させる。マルチチャネル並列ビーム形成ハードウエアによる解決策を図1に示す。図示のように、従来技術の3次元撮像システム10は、送信制御器12、トランスデューサ14、並列構成とされた受信ビームフォーマ16a,16b,16c,...,16x、無線周波(RF)フィルタ18、並びに、ドップラ画像プロセッサ20及びBモード画像プロセッサ22の両方を含みうる。従来技術の3次元撮像システム10は、更に、スキャンコンバータ24、3次元画像プロセッサ26、画像−データ記憶装置28、及びディスプレイ30を更に有する。
【0010】
図1に示すように、従来技術の3次元撮像システム10は、トランスデューサ14へ転送されうる多数の励起信号の動作及びタイミングを制御するために送信制御器12を使用しうる。トランスデューサ14は、超音波信号を被試験対象(図示せず)へ送波し、被試験対象から受波するよう構成されうる。超音波送波信号に応じて、1以上のエコーが被試験対象によって放出され、トランスデューサ14によって受波され、トランスデューサ14は更なる処理のためにエコーを電気信号へ変換する。受波モード中、多数のビーム位置においてトランスデューサ14においてアナログ波形が受波される。複数の受波されたアナログ波形は夫々、専用の受信ビームフォーマ16a乃至16xへ転送されうる。一組の並列ビームフォーマ16は、時間に亘って連続して、各別個の音響ラインに対して一組ずつ一連のアナログ波形の組を受信し、波形をパイプライン処理方式で処理しうる。一組の並列ビームフォーマ16a乃至16xの夫々は、夫々のアナログエコー波形を多数の離散位置点を有するディジタルエコー波形へ変換するよう構成されうる。一組の並列ビームフォーマ16a乃至16xの夫々は、別々のエコー波形を異なった時間量だけ遅延させてもよく、合成ディジタルRF音響線を形るよう遅延された波形を一緒に加えてもよい。
【0011】
RFフィルタ18は、並列ビームフォーマ16の出力に結合されてもよく、ディジタル音響線を順次に受信及び処理するよう構成されてもよい。RFフィルタ18は、帯域通過フィルタの形であってもよい。図1に更に示すように、フィルタリングされた画像データは、2次元画像モード処理のためにドップラ画像プロセッサ20及びBモード画像プロセッサ22へ転送されうる。図1に更に示すように、ドップラ画像プロセッサ20及びBモード画像プロセッサ22は、画像データを表示に適したフォーマットへ変換させるようスキャンコンバータ24に結合されうる。スキャンコンバータ24は、いったんデータフレーム全体(即ち、単一ビュー内の一組の全ての音響ライン、又は、表示されるべき画像/ピクチャ)が蓄積された後にデータを処理しうる。
【0012】
次に、従来技術の3次元撮像システム10は、一連の平面(即ち2次元)超音波画像から体積測定法情報を発生するよう、変換された画像データを必要な数学的な演算を実行する3次元画像プロセッサ26へ転送しうる。図1に更に示すように、3次元画像プロセッサ26は、画像データ記憶装置28及びディスプレイ30に結合されうる。画像データ記憶装置28は、オフライン画像操作及び観察のために静止フレーム及びビデオ画像の両方記憶を可能とする。ディスプレイ30は、操作者によるリアルタイムの画像観察を可能としうる専用陰極線管(CRT)又は他の適切な画像作成装置の形をとりうる。
【0013】
上述のように、多数の平面から構成される体積測定法情報は、図2に示すように従来技術の3次元撮像システム(図1)によって収集される。例えば、平面情報40は、図示のように複数の超音波送波平面13a,13b,13c,...,13fを送波するようトランスデューサ14を用いることによって収集されうる。複数の送波平面13は、トランスデューサ14によって受波されうる複数の応答平面(図示せず)を発生しうる。複数の応答平面は、位置情報とともに、3次元画像を生成するよう図1の従来技術の3次元撮像システム10によって処理されうる。図2に更に示すように、体積測定法情報は、16cmの深さで60°×60°のフットプリントに亘ってスキャンされうる。図2にも示すように、複数の応答平面13は、16cmの長さ及び幅に亘って広がりうるものであり、従って体積測定法情報ピラミッドを形成する。図2から明らかであるように、VUO(例えば、人間の解剖学的構造の器官又は器官の一部)は、複数の超音波送波平面13によって形成される3次元「スキャン」ピラミッド内に存在せねばならない。図2に示すような従来技術の3次元撮像システム10(図1)によって収集される平面情報は、固定トランスデューサ14によって収集されうる平面情報40を表わす。
【0014】
リアルタイム(即ち15Hzよりも良い)で大きいボリューム(60°×60°)を達成するために、従来技術の3次元撮像システム10(図1)は、16x並列ビームフォーマを使用することを強いられていた。この16x並列ビームフォーマのアーキテクチャは、特に従来技術の3次元撮像システムと比較した場合は、実現可能な3次元分解能にかなりの費用がかかるため、望ましくない。第1に、各ビームフォーマに対する費用は、従来技術の3次元撮像システムを比較的費用のかかるものとする。第2に、16x並列(16の同時受信取得に対して1回の送信放射)動作を達成するために、従来技術の3次元撮像システム10は、約4°×4°の広くされた送波ビームを使用する。送波ビーム幅内では、4°×4°受波ビーム幅を用いて16の受波ビーム(夫々が1°ずつ離れている)が調べられる。「ラウンド・トリップ」解決策は、実際上は送波ビーム幅と受波ビーム幅を乗算したものである。比較的広い送波ビーム幅と受波ビーム幅の結果として、従来技術の3次元撮像システム10は、従来技術の2次元のみの撮像システムと比較されると、かなりの解像度を失う。
【0015】
VUOに対するトランスデューサ14の相対位置を制御するのに様々な装置を用いる他の従来技術のシステムが考案されている。平面情報40は、トランスデューサ14の位置を変化させるよう構成された3次元撮像システムによって収集されうることが認められる。位置可変トランスデューサで取得される複数の2次元ビューから生ずる平面情報40は、スライスの形をとりうる。複雑性が増す代わりに、トランスデューサ14の相対位置を変化させることが可能な超音波撮像システムは、固定位置トランスデューサ14を用いるシステムよりも大きいボリュームを取得しうる。選択される2次元撮像方法とは無関係に、VUOの3次元描出を生じさせるために、画像情報を各画像スライスに関連する位置情報と組み合わせる適切なアルゴリズムが知られている。
【0016】
複数の2次元画像を用いて3次元ボリュームを取得する2つの従来技術の方法を一般的に説明したが、ここで図3を参照し、図3は、比較的大きいビーム帯域幅及び多チャンネル並列ビーム形成システムを用いて予想されうる従来技術の性能特性を示した図である。
【0017】
これに関して、図3は、図1の従来技術の3次元撮像システム10の動作を更に示す。より特定的には、図3は、従来技術の3次元撮像システム10で予想されうる、送波ビーム幅に対する送波平面52、受波平面54、及びラウンドトリップ56感度といった予測性能特性を示すプロットである。図3について、本発明による3次元撮像システムに対する予想性能特性との比較がされる図6のプロットに関連して更に説明する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
更に、様々な従来技術の超音波撮像システムの高まった費用及びサイズに対して、完全なボリュームを取得することに関連する他の問題は、ターゲットボリュームの位置がプローブを参照とすることである。結果として、解剖学的構造に対する参照は、観察されている組織ボリュームを正確に識別し診断するために正確に平行移動されねばならない。解剖学的構造への参照は、一般的には最小であり、技術者が「ラベリング」を行うこと、又は、診断している臨床医が解剖学的構造を識別することに頼ることを必要とする。従って、調べている臨床医が、自分が何を見ているのかを理解することが困難であることが多い。臨床医が特定の撮像システム及び生成される典型的な画像について非常に熟練しており経験が豊富でないかぎり、医師は、しばしばボリュームの中で自分が何を見ているのか分からなくなる。
【0019】
結果として、操作者が時間が重要とされる方法でボリュームを取得し、ボリューム・レンダリングを標準的な2次元撮像モードへ参照することが可能であり、VUO内のユーザに向けられたビューを生じさせる多数のディスプレイモードパラメータを操作者が選択的に選ぶことを可能とする、改善された4次元(空間及び時間)超音波撮像システムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、時間効率的な方法でユーザによって識別されたターゲット・ボリュームを取得する超音波撮像システム及び方法を提供する。超音波撮像システムと対話する操作者は、ターゲット・ボリュームの体積的な寸法、ビュー角度の位置等を識別する。操作者の入力に応じて、超音波撮像システムは、3次元画像を時間的に効率的に取得するよう、スキャンシーケンス、音響線方向、及び音響線間隔を変更しうる。操作者は、選択されたボリュームの寸法、フレームレート、及び所望の解像度のトレードオフによりターゲット・ボリューム取得のレートにかなり影響を与えうる。操作者に、VOIよりも大きい任意の体積を有しうる被観察体積(VUO)内の可変寸法のターゲット関心体積(VOI)を配置させることを可能とすることにより、フレームレートは最適化されうる。この最適化は、大きいターゲット・ボリューム(例えば被観察ボリューム即ちVUO)に対する所望のVOIの音響線の放射から生ずる。
【0021】
超音波撮像システムは、標準2次元撮像モード(例えばBモード又はドップラカラーフロー撮像モード)を参照して位置及びサイズの両方でターゲット・ボリューム(即ちVOI)を参照しうる。直接的な結果として、ターゲット・ボリュームは、標準2次元撮像モードを1次的な参照として使用することにより操作者によって指定されうる。更に、2次元参照画像情報は、リアルタイムで取得され、臨床医(例えば医師)に対して認識可能な参照を与えるよう所望のVOIに沿って後に表示されうる。
【0022】
超音波撮像システムは、送信された音響線の周期性を変化させうる(例えば、連続する音響線の間の角度的な距離は空間的に変化しうる)。空間的な密度のこれらの差は、操作者入力によって影響を受けうるものであり、空間的な線密度の変化は、音響エコー取得時間を最小化するために、又は、ターゲット・ボリュームの特定の領域内の解像度を最適化するために操作者入力によって影響を受けうる。1つのモードでは、望ましい観察角度を識別した後、ビューソース(又はカメラ位置)に最も近い音響線は、より高い密度を有する。ビューソースから離れる距離が増すにつれて、超音波撮像システムはますます互いに離れた送信音響線を生成しうる。音響送信線間隔を変化させることの1つの利点は、連続するアルゴリズム処理が容易とされうることである。特定の場合は、送信音響線の間隔を変化させることにより3次元画像に視点を組み込むことが可能である。これが達成されうる1つの方法は、ユーザにより識別されたビューウィンドウからの距離が増すにつれて、送信線の間隔(及び線に沿った解像度)を減少させることによって成されうる。超音波エコー情報が取得された後、ユーザによって選択可能なビューウィンドウからの距離とより均一な間隔を用いて画像データを表示することにより画像透視図が導入される。本発明の超音波撮像システムに関連する更なる他の利点は、VUO内のユーザにより識別された錘台を参照フレームとして用いて音響線を放射することにより、続くスキャン変換が容易とされうることである。
【0023】
構造的には、本発明の超音波撮像システムは、一連の超音波エネルギーパルスを発生しトランスデューサへ転送するよう構成された超音波システム制御器と電気的に通信するトランスデューサを含みうる。超音波システム制御器は更に、超音波ターゲット・エコーを受信し情報を復元し、復元された超音波ターゲット・エコー情報を観察可能な3次元画像へ変えることが可能な任意の数の装置による更なる処理を行うよう更に構成される。例えば、本発明による超音波撮像システムは、トランスデューサ、超音波電子機器、ディスプレイ電子機器システムを含みうる。超音波電子機器システムは、送信制御器、受信ビームフォーマ、システム制御器、複数のフィルタ、複数の2次元撮像モードプロセッサ、及びスキャンコンバータを有しうる。ディスプレイ電子機器は、2次元及び3次元の両方の撮像プロセッサと、画像メモリ装置と、ディスプレイとを含みうる。
【0024】
本発明は、広義には、超音波撮像の方法を提供するものと理解されうる。簡単に述べると、方法は以下の各段階、即ち、より大きい被観察ボリューム内で関心領域を識別するよう複数のユーザ選択可能な入力をユーザに対してプロンプトする段階;複数のユーザ選択可能な入力に応じて複数の超音波撮像パラメータを調整する段階;複数の走査線を超音波撮像パラメータに従って送信する段階;複数の走査線によって発生された応答を復元する段階;標準2次元表示モード画像に重なりあうためのユーザ選択可能なオプションを有する被テスト領域の3次元の画像を導出する段階を含む。
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の図面及び詳細な説明を調べることにより当業者によって明らかとなろう。これらの追加的な特徴及び利点は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の3次元超音波撮像システム及び方法について、周知の輝度モード(Bモード)画像即ちグレースケール画像、並びに、カラーフロー即ちドップラモード画像を作成し表示する超音波撮像システムの文脈で詳述する。しかしながら、本発明の改善された3次元超音波撮像システム及び方法についての教示は、当業者により明らかとなるように、方法に適した他の超音波撮像システムを用いて実施されうる。
【0027】
[システムアーキテクチャ及び動作]
本発明の方法を実施することが可能な超音波撮像システムの実施例の典型的なアーキテクチャは、図4の機能ブロック図によって図示され、一般的に参照番号200で示されている。図4に図示する機能ブロックの多くは、ハードウエア、ソフトウエア、又はそれらの組合せとして実施されうる論理機能を定義する。高い速度を達成するために、現在では、以下特に示さない限りは、殆どのブロックがハードウエア内に実現されることが望ましい。
【0028】
図4を参照するに、超音波撮像システム200は、トランスデューサ212及びディスプレイ電子機器系205と通信する超音波電子機器系202を含みうる。図4に示すように、超音波電子機器系202は、適切なソフトウエアに従って超音波撮像システム200内の様々な要素及び信号の流れの動作及びタイミングを制御するよう設計されたシステム制御器220を含みうる。超音波電子機器系202は、送信制御器210、受信ビームフォーマ214、無線周波数(RF)(帯域通過)フィルタ216、I,Q復調器218、Bモードプロセッサ222、ドップラプロセッサ224、及び、2次元/3次元スキャンコンバータ226を更に含みうる。図1に更に示すように、ディスプレイ電子機器系205は、2次元/3次元画像プロセッサ228、画像メモリ230、及び、ディスプレイ232を有しうる。
【0029】
トランスデューサ212は、超音波即ち音響エネルギーを被検査対象(例えば超音波撮像システム200が医療用途で使用されるときは患者の解剖学的構造)へ送波し及び被検査対象から受波するよう構成されうる。トランスデューサ212は、望ましくは、アジマス方向及び仰角方向の両方に複数の素子を有するフェーズド・アレイ・トランスデューサである。
【0030】
1つの実施例では、トランスデューサ212は、一般的には、例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)であるがこれに限られない圧電材料から形成される素子のアレイを有する。各素子には、電気パルス又は他の適当な電気的な波形が供給され、素子に、超音波圧力波を被検査対象へ集合的に伝搬させる。更に、それに応じて、被検査対象によって1つ以上のエコーが発せられ、トランスデューサ212によって受波され、トランスデューサ212は、エコーを更なる処理のために電気信号へ変換する。
【0031】
トランスデューサ212に関連する素子のアレイは、トランスデューサアレイから発せられるビームを、別々のトランスデューサ素子へ供給される電気パルス/バイアス信号の位相をずらすことにより(時間遅延を導入することにより)対象を通って(送波及び受波モード中)移動(ステア)されるのを可能とする。送波モード中、各トランスデューサ素子へアナログ波形が通信され、それにより、パルスが、対象を通ってビームのように特定の方向へ選択的に伝搬することを生じさせる。
【0032】
受波モード中、各ビーム位置において各トランスデューサ素子においてアナログ波形が受波される。各アナログ波形は、本質的には、エコーが対象を通って単一のビームに沿って受波されるにつれて、一定の期間にわたってトランスデューサ素子によって受波される一連のエコーを表わす。一組のアナログ波形全体は音響線を表わし、一組の音響線全体は、対象の単一のビュー又は画像を表わし、フレームと称される。
【0033】
送信制御器210は、トランスデューサ212へ電気的に接続されうる。送信制御器210は、システム制御器220と更に通信しうる。システム制御器220は、送信制御器210の動作を命令するための1つ以上の制御信号を送信するよう構成されうる。それに応じて、送信制御器210は、トランスデューサ212の素子のアレイの一部へ周期的に通信されうる一連の電気パルスを発生し、トランスデューサ素子に、上述の性質の被検査対象へ超音波信号を発するようにさせうる。送信制御器210は、一般的には、トランスデューサ212に、パルス化された送波の間の期間中に対象からのエコーを受波させることを可能とするよう、パルス化された送波の間に(時間的な)分離を与え、受波したエコーを、受信ビームフォーマ214内の一組の並列なチャネルへ転送する。
【0034】
受信ビームフォーマ214は、被検査対象から発せられるエコーによって発生される一連のアナログ電気エコー波形をトランスデューサ212から受信しうる。より特定的には、受信ビームフォーマ214は、各音響線についての対応するトランスデューサ素子からアナログ電気エコーを受信しうる。更に、受信ビームフォーマ214は、時間的に連続した一連の波形の組、即ち各別々の音響線に対して一組の波形を受信することができ、波形をパイプライン処理方式で処理することができる。トランスデューサ212によって受波される超音波信号は、低パワーであるため、受信ビームフォーマ214内に配置されうる一組の前置増幅器は、増幅処理中に過剰な雑音が発生しない十分な質であるべきである。
【0035】
エコー波形は、典型的には、被検査対象中の段々と深くなる深さから受波されるにつれて減衰するため、受信ビームフォーマ214は、更に、各音響線の長さに沿って利得を段々に増加させるよう設計された並列の複数の時間利得補償器(TGC、図示せず)を有し、それにより続く処理段階におけるダイナミックレンジ要件を減少させる。更に、一組のTGC22は、時間的に連続して、各別個の音響線に対して一組の一連の波形の組を受信し、波形をパイプライン処理方式で処理しうる。
【0036】
受信ビームフォーマ214はまた、複数のチャネル専用TGCと通信しうる複数の並列なアナログ・ディジタル変換器(ADC、図示せず)を有しうる。受信ビームフォーマ214内の各ADCは、従来技術で周知であるように、それぞれの量子化された瞬間的な信号レベルで、その夫々のアナログ・エコー波形を多数の離散位置点(数百個乃至数千個;深さに対応し、超音波送波周波数の関数でありうる)を有するディジタルエコー波形へと変換するよう構成されうる。従来技術の超音波撮像システムでは、この変換は、しばしば、信号処理段階のうちの遅い段階で行われていたが、現在では超音波信号上で行われる多くの論理機能がディジタルでありうるため、変換は信号処理方法のうちの早期の段階であることが望まれる。このようにして、受信ビームフォーマ214は、時間的に連続して別個の音響線に対する一連の波形を受波し、データをパイプライン処理方法で処理することができる。受信ビームフォーマ214は、単一の音響線を形成するよう一連の受波された波形を組み合わせ得る。このタスクを達成するために、受信ビームフォーマ214は、別個のエコー波形を異なった時間量だけ遅延し、遅延された波形を足し合わせ、合成ディジタルRF音響線を生成することができる。上述の遅延及び総和ビーム形成処理は、従来技術で周知である。更に、受信ビームフォーマ214は、別々の音響線に対する一連のデータ集合を受信し、データをパイプライン方式で処理することができる。
【0037】
受信ビームフォーマ214の出力は、RFフィルタ216に結合されうる。RFフィルタ216は、複数の波形から望ましくない高周波帯域外雑音を除去するよう構成された帯域通過フィルタの形をとりうる。RFフィルタ216の出力は、ディジタル音響線を連続して受信するよう構成されたI,Q復調器218に結合されうる。I,Q復調器218は、受信したディジタル音響線を、互いに90°位相がずれた同相(実)信号及び直交(虚)信号を有する複素信号と混合するよう構成されうる。混合演算は、和及び差周波数信号を生成しうる。和周波数信号は、フィルタリングされ(除去され)、ゼロ周波数の近くを中心とする複素信号である差周波数信号が残る。複素信号は、被検査対象中の撮像される解剖学的構造の動きの方向を追跡し、正確な、広帯域幅振幅検出を可能とすることが望まれる。
【0038】
ここまでの超音波エコー受波処理では、全ての演算が略線形に考えられうるため、略同等の機能を維持しつつ演算の順序が再整理されうる。例えば、いくつかのシステムでは、ビーム形成又はフィルタリングの後により低い中間周波数又はベースバンドへ混合することが所望でありうる。かかる略線形の処理機能の配置の変更は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0039】
図4に示すように、複数の信号プロセッサは、I,Q復調器218の出力に結合されうる。例えば、Bモードプロセッサ222及びドップラプロセッサ224は、I,Q復調器218の出力に導入されうる。Bモードプロセッサ及びドップラプロセッサ224は、適当な種類のランダム・アクセス・メモリ(RAM)を有してもよく、フィルタリングされたディジタル音響線を受信するよう構成されてもよい。音響線は、2次元座標空間内に定義されうる。Bモードプロセッサ222及びドップラプロセッサ224は、信号操作のために一定時間に亘ってデータの音響線を蓄積するよう構成されうる。やはり図4に示すように、超音波電子機器系202は、更に、両方の撮像モードプロセッサに格納されたデータを変換し表示用の画素を生成するよう2次元/3次元スキャンコンバータ226を更に有しうる。2次元/3次元スキャンコンバータ226は、いったんデータフレーム全体(即ち、単一のビュー内の一組の全ての音響線、又は表示されるべき画像/ピクチャ)がRAMによって累積されると、RAM内のデータを処理しうる。例えば、受信されたデータが、エコー情報の相対位置を定義するために極座標を用いてRAMに格納される場合、2次元/3次元スキャンコンバータ226は、極座標データを、ラスタスキャン可能な画像プロセッサを介してラスタスキャン可能な矩形(直交)データへ変換する。
【0040】
送信、受信、エコー復元、及び2次元画像信号処理機能を完了すると、超音波電子機器系202は、図4に示すようにエコー画像データ情報をビデオ電子機器系205へ転送しうる。ビデオ電子機器系205は、超音波電子機器系1からエコー画像データを受信することができ、エコー画像データは、デュアル2次元/3次元画像プロセッサ228へ転送されうる。2次元/3次元画像プロセッサ228は、エコー画像データ情報を受信するよう設計されえ、また、画像情報をラスタスキャンするよう構成されうる。2次元/3次元画像プロセッサ228は、画像メモリ装置230への記憶のために及び/又は適当な表示モニタ232を介した表示のために画像素子(例えば画素)を出力するよう構成されうる。画像メモリ装置230は、ディジタル・ビデオ・ディスク(DVD)プレーヤ/レコーダ、コンパクト・ディスク(CD)プレーヤ/レコーダ、ビデオ・カセット・レコーダ(VCR)、又は他の様々なビデオ情報記憶装置の形をとりうる。従来技術で知られているように、画像メモリ装置230は、リアルタイム以外でユーザ/操作者による観察及び/又はデータ収集後の画像処理を可能とする。
【0041】
ディスプレイモニタ232の形の表示装置は、図4に示すように画像メモリ230と通信しうる。他の実施例では(図示せず)、2次元/3次元画像プロセッサ228は、画像メモリ230及びディスプレイモニタ232の両方へ画素データを供給しうる。ディスプレイモニタ232は、画像メモリ230及び/又は2次元/3次元画像プロセッサ228のいずれかから画素データを受信し、ユーザ/操作者による超音波画像の観察のために適切な画面を駆動するよう構成されうる。
【0042】
[ユーザにより識別されたスポットの3次元撮像]
図4の超音波撮像システム200のアーキテクチャ及び動作を説明したが、ここで、図4の超音波撮像システム200によって生成されうる表示画像250を示す図5を参照する。これに関して、対象252の3次元斜視図が表示画像250内に示されている。より狭いビーム幅を生じさせるトランスデューサアレイにより、限られた数の送信スキャンラインを方向付けることにより、表示画像250内で観察される3次元対象252の最大の面の面積は、従来技術の3次元撮像システム10(図1)で観察されうる体積と比較して減少される。例えば、約14cmの最大奥行きを有する対象252を再現するのに、30°×30°の2次元スキャンパターンが使用されうる。アジマス方向及び仰角方向の両方での2次元スキャンパターンの幅の減少は、画像取得時間を減少させる。結果として、最大フレームレートは、VOIのリアルタイム撮像に適したレートへ高められる。
【0043】
以下詳述するように、本発明による超音波撮像システム200は、VUO内の位置を識別するためにユーザにより指定された情報に結合されるより狭い送波ビーム幅とし、取得レートを改善し及び/又は対象の描出された画像中の視野をシミュレートするよう、フォーカスされた関心領域に亘って送波平面の相対的な間隔を変化させる適切なアルゴリズムとを使用しうる。超音波撮像システム200は、2°×2°のおおよその広がりを有する送波ビームで4x並列動作(即ち4つの受波ビームに対して1の送波)を用いる。4つの受波ビームの夫々は、送波ビーム内で約1°だけ離されて印加されるよう構成される。
【0044】
これに関して、図4の超音波撮像システム200の予想されるパフォーマンス特性150は、図6に示すように、従来技術の3次元超音波撮像システム10(図3参照)に関連して以前に導入されたパフォーマンス特性と比較されうる。図6に示すように、送波ビーム幅に対する送波平面152、受波平面154、及びラウンドトリップ感度156は、図示のように振る舞う。図4の超音波撮像システム200は、同様の受波平面154関数を生じさせるよう、より狭いビーム幅を使用しうる。更に、より狭いビーム幅は、かなり幅広いトランスデューサビーム幅を用いて従来技術の3次元超音波撮像システム10で観察されうるラウンドトリップ感度56と比較されたとき、かなり狭いラウンドトリップ感度156(即ち、よりしっかりとフォーカスされている)を生じさせうる。
【0045】
図7に示すように、図4の超音波電子機器系202と通信するトランスデューサ212は、複数の移動(ステア)された又は集束された送波ビーム215が制御可能にトランスデューサ面213から発せられるよう、トランスデューサ面213上の様々なトランスデューサ要素へ向けられ得る、時間とともに変化する複数の電気信号が与えられうる。
【0046】
本発明による超音波撮像システム200は、超音波画像を形成するために収集されるサンプル点の数を、サンプリング格子240上のサンプル点の間の距離を送波ビーム215(図7)偏向に従って変化させることによって減少させうる。送波及び受波ビーム幅は、ビームがトランスデューサの「ボア」サイトから遠ざかってステアされるにつれて公称に広がるため、スキャンラインがボアサイトから遠ざかってステアされるにつれてスキャンライン間の距離が粗くなることは、本発明の超音波撮像システム200が、最適な画質を維持している間にフレームレートを最大化させることを可能とする。
【0047】
図7に関して送波ビームのステア動作について簡単に説明したが、ここで、図4の超音波撮像システム200によって発生されうる一連の可能な画像表示を示す図8乃至図13を参照する。これに関して、標準2次元撮像モードディスプレイ260は、図8に示すように超音波撮像システム200(図4)によって示されうる。図8に示すように、2次元撮像モードディスプレイ260は、いくらか円錐形のフォーマットをとる。図8に示す2次元撮像モードディスプレイ260の一般的な境界は、被検査体積内でより大きい奥行きを有する対象から発せられる超音波反射波に関連付けられる時間差から直接得られる。当業者は、この2次元表示モードが、市販の超音波撮像システムについて共通であることを認識するであろう。2次元撮像モードディスプレイ260の一般的な境界は、対象を囲み、操作者が画像情報を解読するのを支援する視点フレームを与える。やはり図8に示すように、図4の超音波撮像システム200に関連するディスプレイ電子機器は、ユーザ選択可能なモードスイッチ又は押しボタン262を与えてもよく、ここでは、標準2次元観察モードであるときに関心対象をみるときに「3次元」撮像モードが利用可能である
「3次元」と表示されたスイッチ又は押しボタン262を選択すると、ビデオ電子機器系205(図4)は、図9に示すように標準2次元撮像モードディスプレイ270を表わすよう超音波電子機器系202(図4)と共に動作しうる。図9に示すように、2次元撮像モードディスプレイ270は、VUO内のユーザにより所望の撮像焦点を同定するよう(サイズ及び相対位置に関して)ユーザ選択可能な位置決め窓272を有しうる。図9に示すように、図4の超音波撮像システム200に関連する表示電子機器は、ここでは「位置」、「サイズ」、及び「3次元」と夫々表示されうる複数のユーザ選択可能なモードスイッチ又は押しボタン274、276、及び278を与えうる。複数のユーザ選択可能なモードスイッチ又は押しボタン274、276、及び278は、ユーザ選択可能な入力モード(即ち、位置又はサイズ)のうちの1つのみが任意の所与の時間においてアクティブでありうるよう動作されうる。例えば、操作者が「位置」スイッチ又は押しボタン274を選択すると、超音波電子機器系202(図4)は、ユーザがディスプレイ270内のユーザ選択可能な位置決め窓272の中心によって定義されうる相対位置を入力するまで画像処理が保留に維持されるユーザ入力モードに入りうる。この動作は、タスクを達成するよう適切なソフトウエアと共に、キーボード、マウス、又は他のユーザ操作可能な入力装置によって達成されうる。
【0048】
更なる例として、操作者が続いて「サイズ」スイッチ又は押しボタン276を選択すると、超音波電子機器系202(図4)は、ユーザ選択可能な位置決め窓272のサイズが適切な構成とされたユーザ入力装置(図示せず)を介して調整されうる第2のユーザ入力モードに入りうる。ユーザによって命令された様々な入力に応じて、ユーザ選択可能な位置決め窓272は、ユーザによって定義された撮像焦点又は焦点面の現在の位置及び寸法を操作者に対して示すよう、ディスプレイ270上で更新されうる。ユーザによって定義された撮像参照は、VUO内の観察者の視点から奥行き又は相対距離について後に調整されうる錘台の形をとりうることに留意すべきである。
【0049】
これに関して、超音波撮像システム200(図4)によって提示されうる3次元撮像モードディスプレイ280を示す図10を参照する。図10に示すように、3次元撮像モードディスプレイ280は、図9を参照して上述したように2次元画像のユーザ同定部分に集束しうる。図10に示すように、3次元撮像モードディスプレイ280の一般的な境界は、VUOのターゲット部分を同定するのに用いられる2次元画像の小さい部分を反映するのみである。図10に更に示すように、より大きいVUO(図9)内のVOI282は、VOI282が角錘台に似ているようビデオ電子機器系205(図4)によって描出される。3次元撮像モードディスプレイ280内に表示されたターゲットVOI282は、ターゲット領域のユーザ定義奥行きに亘ってユーザ調整又はスキャンされうる錘台参照フレーム284を含みうる。望ましい実施例では、いったんボタン278が選択されると(図9)、超音波撮像システム200は、描出された画像としてVOI282を表示する。超音波撮像システム200は「ボリュームレンダリング」を行うため、VOI282は、3次元サーフェスのような描出としてユーザに対して現れ、データがリアルタイムで取得されているときに回転されうる。「取得後モード」(即ち、もはや生データを取得していない)では、VUOのこのサブボリュームから単一の断層撮影スライスを生じさせるよう、小さいスポット体積(即ちVOI)をスライスするために、以前に取得された撮像データを操作することが可能であり得る。
【0050】
図8乃至図10を参照して様々な表示モード、並びに、それに関連するユーザ選択可能なターゲット位置及び表示モードオプションについて概説したが、ここで、心臓等の人間の器官の3次元撮像において錘台参照フレーム284の使用及び動作を示す図11乃至図13を参照する。これに関して、図11乃至図13は、図4の超音波撮像システムによって生成されうる可能な超音波撮像ディスプレイの概略的な図を示す。第1の撮像モードは、図11に示す概略図に示されている。図11に示すように、図8を参照して上述したような2次元撮像モードディスプレイ290は、操作者が、人間の心臓の断面スライスを観察するようシステムを適切に構成したときは、図4の超音波撮像システム200によって発生されうる。図11に示すように、操作者は、様々な撮像パラメータを調整し、より大きいVUO内の関心器官(例えば人間の心臓又はVOI282)の一部がディスプレイモニタ232(図4)上で描出されうるよう、図4の超音波撮像システム200に命令することができる。
【0051】
図8を参照して上述したように、図4の超音波システム200に関連するディスプレイ電子機器は、ここでは「3次元」と表示されるユーザ選択可能なモードスイッチ又は押しボタン262を与え、例えば図11に示す断面観察モード等の標準2次元観察モードで対象を観察しているときは、「3次元」撮像モードが利用可能であることを操作者に対して示す。「3次元」と表示されたスイッチ又は押しボタン262を選択すると、ビデオ電子機器系205は、図12に示すように標準3次元撮像モードディスプレイ300を提示するよう超音波電子機器系202(図4)と共に動作しうる。図12に示すように、錘台参照フレーム284、又は、図11に示す断面2次元画像290に基づく3次元撮像モードは、3次元サブボリュームディスプレイ300を参照するのに使用されうる。例えば、3次元サブボリュームディスプレイ300は、図11に示すように人間の心臓の断面に基づく3次元レンダリングを含みうる。また、図12に示すように、図4の超音波撮像システム200に関連する表示電子機器は、ここでは、「フリップ」及び「2次元」と夫々表示される複数のユーザ選択可能なモードスイッチ又は押しボタン302、288を与えうる。
【0052】
ユーザ選択可能なモードスイッチ又は押しボタン302、288は、以下のように動作可能である。操作者が「フリップ」スイッチ又は押しボタン302を選択すると、超音波電子機器系202(図4)は、ビューの観察方向が180°だけ調整される表示モードに入る。この動作は、操作者が「フリップ」スイッチ又は押しボタン302を選択することに応じて達成されうる。操作者が「2次元」スイッチ又はボタン288を選択することにより進める場合、超音波電子機器系202(図4)は、図11に示す2次元断面ビューに戻るか、或いは、別の2次元参照ビューに戻りうる。
【0053】
図12の3次元サブボリュームビューモードが現在表示されており、上述のように操作者が「フリップ」スイッチ又は押しボタン302を選択すると、超音波撮像電子機器202(図4)は、図13に示すように3次元撮像モードディスプレイ310を描出することにより応じる。図13に示すように、3次元撮像モードディスプレイ310は、VOIの前面部を表示するよう180°だけ観察参照点を「フリップ」すること又は調整することができる。VOIを示すよう指定された3次元表示モードは、標準2次元撮像モードに基づくものでありうる。図4に示すドップラモード及びBモードプロセッサ222、224は、例として、本発明による超音波撮像システム200の動作を示すためだけに参照されている。全ての2次元撮像モードは、本発明の範囲内である。
【0054】
図8乃至図13に示す代表的な超音波撮像システム200の各サンプルディスプレイは、更に、画像の主題、画像の視点、参照撮像モード、3次元撮像モード等を容易に識別するのに所望であるような様々な画像源情報を更に含みうる。これに関して、図8乃至図13に示す様々な超音波ディスプレイは、上述の撮像識別子に加え、患者識別子、日時識別子、スキャンパラメータ等の形の英数字情報を含みうる。更に、図9乃至図13に示す様々な超音波撮像システム200ディスプレイは、様々なディスプレイ内で描出された対象を更に同定するようVOI282に重ね合わされる錘台参照284といった他の標識を含みうる。
【0055】
図11乃至図13に関して、様々な表示モード及びそれに関連付けられるユーザ選択可能な表示モードオプションについて一般的に説明し記述したが、ここで、3次元撮像における変化する走査線に沿ったユーザ同定ビューソースの使用及び動作について示す図14A及び図14Bを参照する。これに関して、図14Aは、「ビュー」と表示された方向矢印によって示されるビューソース又は向きから観察されるようなVOI282の斜視図320を表わす。図4の超音波撮像システム200は、ビューの方向を定義するユーザ定義ビューソースを操作者がインタラクティブに選択することを許しうる。図14Aに更に示すように、VOI282の3次元レンダリングは、点A,B,C,Dによって識別される底面領域を有しうる。参照番号330によって一般的に識別される2次元送信走査線プロットに表わされるように、3次元サブボリュームの底面領域は、2次元送信走査線プロット330の4つの隅に関連しうるものであり、VOI282(図14A)内で画像情報をより効率的に取得するようアジマス方向及び仰角方向の両方で走査線を変化させる方法を示す。
【0056】
本発明の原理によれば、トランスデューサ212素子アレイの面によって、或いは、VOI282の境界を画成する錘台参照フレーム284によって識別される操作面から発せられる複数の送波ビームは、僅かに異なる時間で一組のグループ化されたトランスデューサ要素内のトランスデューサ要素を作動させることにより、アジマス方向に集束又は方向付けることができる。かかるタイミングがとられた超音波パルス送信により、複数の送波ビームは、所望の点に集束されるか所望の方向にステアされうる。同様に、送波されたビームは、僅かに異なる時間で一組のグループ化されたトランスデューサ素子のうちのトランスデューサ素子を作動させることにより、集束されるか、仰角方向にステアされうる。トランスデューサ素子アレイの面によって定義されるような仰角方向に変化する複数のステアされた送波された超音波ビームは、複数の超音波画像エコーを発生するのに使用されうる。
【0057】
例えば、複数の送波走査線は、複数の送波走査線がトランスデューサアレイを構成する様々なトランスデューサ素子215(図7)の面に対して略垂直な方向に放射方向にずれるよう、トランスデューサ212(図4)を用いて発生及び送波されうる。図14Bに示すように、90°からの角度的なずれの程度又は大きさ(即ち、垂直送波走査線方向)は、送波走査線源がトランスデューサ素子アレイ上の所定の送波走査線源からずれた距離に関して変化しうる。更に、変化された送波走査線及び複数の水平線の交点における黒点によって表わされる様々な超音波エコーサンプル点は、ユーザによって選択された撮像パラメータに関して調整可能である。より狭い送波ビーム幅に応じて3次元VOI282を取得し描出するのに使用される超音波送波線の数を減らすことにより、図4の超音波撮像システム200は、かなり多くのビーム形成チャネルを用いた従来技術の3次元並列ビーム形成アーキテクチャでより広い送波ビーム幅を用いて取得されうるものよりもかなり改善されたフレーム取得レートでより詳細な多次元画像を与えうる。
【0058】
図14Bに示す典型的な送波走査線パターンは、2つの別々の自由度を与えることに留意すべきである。第1の自由度は、斜視図のようなビューを達成するようアジマス方向で可変の間隔によって例示される。送波走査線がアジマス方向で可変の間隔であるかぎり、仰角ピッチ(即ち平面から平面への距離)は一定でありうる(即ち、周期的である)。或いは、斜視図を達成するようアジマス方向に可変の送波走査線間隔がなくとも、仰角方向の間隔を変化させることが望まれることがある。ボリュームレンダリングは、より遠くの構造を不明瞭とする傾向があるため、「前部」の構造によって支配されることが多い。従って、画質に対してより大きい影響があるVOIの部分を通りより高い解像度の線を発することが望ましい。
【0059】
更に、図15A乃至図15Cの様々な図に示すように、図4の超音波撮像システム200の2次元/3次元画像プロセッサ288といった多次元画像プロセッサは、超音波が当てられた対象から撮像情報を取得するときに送波走査線を変化させるよう構成されうる。図14Bの送波走査線パターンに関して上述したように、送波走査線間隔は、描出された対象の斜視図を作成するよう、また、観察されている対象の特定の部分に対してより高い解像度を与えるよう、アジマス方向及び仰角方向の両方で変化されうる。
【0060】
これに関して、図15Aは、「ビュー」と表示された方向矢印によって一般的に示されるビューソースから観察されるようなVOI282の変更された斜視図340を表わす。図4の超音波撮像システム200は、ビューの方向を定義するユーザ定義のビューソースをユーザが対話式に選択することを可能とする。図15Aに示すように、VOI282の3次元レンダリングは、点A,B,C及びDによって識別される底面領域を含みうる。図15Aに示すように、逆の斜視図は、ビューソースからの奥行きが増えるにつれてアジマス次元で操作される点の間の相対距離を直接増加させることによって作成されうる。
【0061】
図15Bは、隅A,B,C,及びDによって識別されるように図15Aの3次元VOI282の底面領域によって形成されうる参照番号350によって一般的に識別される送波走査線プロットを示す。3次元送波走査線プロットは、「ビュー」と表示される方向矢印によって一般的に示すようにビューソースから観察されるような図15AのVOI282の底面領域を表わす。図15Bに示すように、2次元送波走査線プロットは、アジマス次元及び奥行き次元の両方で略平行な一組の平面によって画成される対象を含みうる。本発明の原理によれば、トランスデューサ素子の面によって識別される操作平面から発せられる複数の操作ビームは、対象355からの続いて取得されるエコーが後に図4の超音波撮像システム200のディスプレイ電子機器系205によって描出されるとき、斜視図をシミュレートするようアジマス次元で集束又は方向付けられ得る。
【0062】
例えば、対象355の3次元レンダリングは、図15Cに示すようにVOI282の底面領域によって示されるように図4の超音波撮像システム200によって発生されうる。これに関して、イメージレンダリング処理中、アジマス方向及び奥行き方向の両方で、略平行な平面によって識別された超音波が当てられた対象355から発せられる超音波反射波に関連する画像情報が準備され図4の超音波電子機器系202と通信するディスプレイモニタ232上に表示されるとき、斜視図であるように出現しうるよう、複数の送波エコー又は超音波受波線が調整されうる。
【0063】
ここで、図4の超音波撮像システム200によって実施されうる3次元撮像の方法を示すフローチャートを示す図16を参照する。図16に示すように、本発明による3次元撮像の方法400は、「スタート」と表示されたステップ402から開始しうる。まず、2次元画像は、ステップ404に示すように発生され表示される。上述のように、2次元画像は、標準超音波撮像モードを用いて発生されうる。例えば、Bモード又はドップラモード画像が発生され表示されうる。ステップ404において発生され表示された2次元画像を案内情報として用いて、操作者は、ステップ406に示すように様々な3次元撮像入力パラメータに対してプロンプトが示されうる。
【0064】
ステップ406において必要な参照パラメータを収集した後、3次元撮像の方法400は、ステップ406において入力されたユーザ選択可能な入力パラメータに応じて、ステップ408に示すように、適切な減少されたサンプル点送波ビームの向き及びスキャンシーケンスを計算する段階へ進む。次に、3次元撮像の方法400は、ステップ410に示すような送波ビームの向き及びスキャンシーケンスに従って超音波電子機器系202(図4)を構成しうる。3次元撮像の方法400は、超音波電子機器系202(図4)が、ステップ408において導出されたスキャンシーケンスをVOI282へ送波するようトランスデューサ212とともに動作しうる。
【0065】
次に、ステップ414において、超音波電子機器系202(図4)と通信するトランスデューサ212は、VOI282から画像情報を導出するのに適切なエコー情報を取得しうる。ステップ414において必要なエコー情報を取得すると、3次元撮像方法400は、ステップ416に示すように2次元画像情報を発生する段階へ進む。次に、ステップ418において、ステップ416において発生された2次元画像情報は、複数の2次元画像から3次元撮像情報を発生するのに必要なように数学的に組み合わされうる。当業者によれば、ステップ416は任意であり、3次元画像の発生は、ステップ414の出力から直接形成されうることが明らかであろう。ステップ420に示すように、3次元撮像の方法400は、ユーザによって選択された3次元画像を描出し表示しうる。
【0066】
いくつかの実施例では、3次元撮像の方法400は、この点で、参照2次元モード画像とユーザにより方向付けられた3次元画像を重ね合わせるというユーザ選択可能なオプションが与えられうる。更に、他の実施例は、ユーザに、2次元画像を3次元の隣に(しかし重ね合わせずに)表示するというオプションを与えることができる。更に、3次元撮像の方法のいくつかの実施例は、様々な関心となる解剖学的構造をリアルタイムで適切に見るために適切なフレーム取得レートを維持しつつ、他の視点、撮像モード、ビューサイズ等を操作者が連続的に選択することを可能とする。更に、3次元撮像の方法のいくつかの実施例は、操作者が多数の生の3次元画像を表示することを可能とする。例えば、3次元情報を同時に提示するが2又はそれ以上のビュー角度からであるディスプレイを与えることが可能である。最後に、ここでは「ストップ」と表示されるように、ステップ422において、3次元撮像の方法400は終了しうる。
【0067】
図4に示す機能的な動作、及び/又は、より大きいVOIの部分を表わすサブボリューム内の送波走査線を変化させるのに必要な数学的な組合せ及びデータ操作、並びに、図16に示すようにサブボリューム内の対象の視点をシミュレートするよう受波エコーを変化させるのに必要なデータ演算を実行するのに必要なソフトウエアは、論理的な機能を実施するための実行可能な命令の順序付けられたリストを含みうることに留意すべきである。従って、ソフトウエアは、命令実行システム、機器、又は装置から命令をフェッチすることができ、命令を実行することができるコンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム、又は他のシステム等の命令実行システム、機器、又は装置によって、又は、これらと共に使用されるよう任意のコンピュータ読み取り可能な媒体に具現化されうる。本願では、「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、命令実行システム、機器、又は装置によって、又は、これらと共に、プログラムを含み、格納し、通信し、伝搬し、又は搬送しうる任意の手段でありうる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、電気、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体システム、機器、装置、又は伝搬媒体でありうるが、これらに限られるものではない。
【0068】
コンピュータ読み取り可能な媒体のより特定的な例(網羅的ではないリスト)は、以下のものを含みうる。即ち、1以上のワイヤを有する電気配線(電子)、携帯型コンピュータディスク(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(磁気)、読み出し専用メモリ(ROM)(磁気)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)(磁気)、光ファイバ(光学)、及び携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)(光学)である。プログラムは電子的に捕捉されうるため、例えば紙又は他の媒体を光学的に走査し、コンパイルし、解釈し、必要であれば適切な方法で他の処理をし、次にコンピュータメモリに記憶されうるため、コンピュータ読み取り可能な媒体は、その上にプログラムが印刷される紙又は他の適当な媒体であってもよい。
【0069】
本発明の上述の実施例は、本発明の原理の明確な理解のために与えられる可能な実施例に過ぎないことを強調する。更に、本発明の原理からかなり逸脱することなく本発明の上述の実施例に対して多くの変形及び変更がなされうる。全てのかかる変更及び変形は、本願の開示によって教示され、本発明の範囲内に包含され、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】従来技術の3次元超音波撮像システムを示すブロック図である。
【図2】図1の従来技術の3次元超音波撮像システムによって実施されうる3次元撮像に対する従来技術のアプローチを概略的に示す図である。
【図3】図1の従来技術の3次元超音波撮像システムによって達成される、ビーム幅に対する送波及び受波超音波信号感度を示すプロットである。
【図4】本発明による3次元超音波撮像システムの実施例を示すブロック図である。
【図5】図4の3次元超音波撮像システムによって実施されうる3次元撮像のアプローチを概略的に示す図である。
【図6】図4の3次元超音波撮像システムによってよって達成される、ビーム幅に対する送波及び受波超音波信号感度を示すプロットである。
【図7】複数の移動された送波ビームを発生するよう図4の超音波電子システムに結合されうるトランスデューサを概略的に示す側面図である。
【図8】図4の3次元超音波撮像によって発生されうる可能な超音波撮像ディスプレイ(即ちモード)を概略的に示す図である。
【図9】図4の3次元超音波撮像によって発生されうる可能な超音波撮像ディスプレイ(即ちモード)を概略的に示す図である。
【図10】図4の3次元超音波撮像によって発生されうる可能な超音波撮像ディスプレイ(即ちモード)を概略的に示す図である。
【図11】図4の3次元超音波撮像によって発生されうる可能な超音波撮像ディスプレイ(即ちモード)を概略的に示す図である。
【図12】図4の3次元超音波撮像によって発生されうる可能な超音波撮像ディスプレイ(即ちモード)を概略的に示す図である。
【図13】図4の3次元超音波撮像によって発生されうる可能な超音波撮像ディスプレイ(即ちモード)を概略的に示す図である。
【図14A】図4の3次元超音波撮像システムによって実施されうるようなフレームレートを改善するための操作者選択可能な視点及び送波・走査線を示す斜視図である。
【図14B】図4の3次元超音波撮像システムによって実施されうるようなフレームレートを改善するための操作者選択可能な視点及び送波・走査線を示す2次元プロットである。
【図15A】図4の3次元超音波撮像システムによって実施されうるような視野をシミュレートするための操作者選択可能な視点及び送波・走査線を示す斜視図である。
【図15B】図4の3次元超音波撮像システムによって実施されうるような視野をシミュレートするための操作者選択可能な視点及び送波・走査線を示す2次元プロットである。
【図16】図4の超音波撮像システムによって実施されうるような3次元撮像の方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像パラメータを受信するよう構成された操作者用入力装置と、
トランスデューサ素子の2次元アレイを有するトランスデューサと、
前記操作者用入力装置及び前記トランスデューサと通信するシステム制御器とを有する、
医療診断用超音波撮像システムであって、
前記システム制御器は、前記超音波撮像システムのボリュームスキャン範囲の一部に亘って減少された数の送波ビームを前記トランスデューサから送波する前記撮像パラメータに応じて操作者命令の送波ビームスキャンシーケンスを発生する、システム。
【請求項2】
前記操作者によって選択された3次元撮像パラメータに対する参照として断層撮影スライスを生成するよう2次元撮像モードが用いられる、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記ボリュームスキャン範囲は、リアルタイムで取得され表示されうる、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記2次元撮像モードはBモードである、請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記2次元撮像モードはドップラモードである、請求項2記載のシステム。
【請求項6】
関心体積の画像を観察するのにゲーテッド取得法が用いられる、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
ゲーテッド取得は、呼吸サイクルに応じて得られる、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
ゲーテッド取得は、心臓サイクルに応じて得られる、請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記関心体積全体は、一回の息止めの間に取得される、請求項7記載のシステム。
【請求項10】
前記一回の息止めは、所定の回数の心臓周期未満に関連する、請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記関心体積の幅及び深さは2次元平面によって定義され、前記関心体積の厚さは前記2次元平面を参照する、請求項3記載のシステム。
【請求項12】
前記関心体積の幅及び深さは2次元平面によって定義され、前記関心体積の厚さは前記2次元平面の後方で完全に定義される、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記関心体積の幅及び深さは2次元平面によって定義され、前記関心体積の厚さは前記2次元平面の前方で完全に定義される、請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記関心体積は、操作者によって選択された3次元グラフィックによって定義される、請求項3記載のシステム。
【請求項15】
前記操作者によって選択された3次元グラフィックは、前記システムのスキャン範囲内で制御可能にサイズ変更可能である、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記システム制御器は、前記超音波撮像システムのボリュームスキャン範囲の一部に亘って送波ビーム密度を増加させる撮像パラメータに応じて操作者命令の送波ビームスキャンシーケンスを発生する、請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記関心体積は錘台参照フレームに関連して発生される、請求項14記載のシステム。
【請求項18】
前記錘台参照フレームの前方及び後方の両方の関心体積の厚さは略等しい、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記錘台参照フレームの相対的な位置は調整可能である、請求項17記載のシステム。
【請求項20】
前記表示モードは操作者により選択可能である、請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記錘台参照フレームは操作者により調整可能である、請求項19記載のシステム。
【請求項22】
前記システム制御器は、送波ビーム密度が空間的に変化するよう、操作者によって指定された視野方向及び視点位置に応じて前記送波ビームスキャンシーケンスを変化させる、請求項1記載のシステム。
【請求項23】
前記送波ビームスキャン密度は、前記視点位置からの距離の関数として減少する、請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記送波スキャンビームのスキャン密度は、関心体積の3次元描出が斜視図中に表現されるよう調整される、請求項22記載のシステム。
【請求項25】
関心体積をスキャンする手段と、
複数の操作者選択可能な撮像パラメータを受信する手段と、
前記ボリュームスキャン範囲の一部が取得されるよう前記選択可能な撮像パラメータに応じて送波ビームスキャンシーケンスを空間的に変化させる手段と、
操作者選択可能な表示モードを与える手段とを有する、
超音波撮像システム。
【請求項26】
前記複数の操作者選択可能な撮像パラメータを受信する手段は、メニュー、キーボード、スイッチ、及び押しボタンと関連するポインティングデバイスからなる群から選択される入力装置で実施される、請求項25記載のシステム。
【請求項27】
前記操作者選択可能な表示モードを与える手段は、2次元画像参照と、メニュー、キーボード、スイッチ、及び押しボタンに関連するポインティングデバイスからなる群から選択される複数の入力装置とを有する組合せを通じて実現される、請求項25記載のシステム。
【請求項28】
前記操作者選択可能な表示モードを与える手段は、操作者調整可能な3次元グラフィックによって更に実現される、請求項27記載のシステム。
【請求項29】
前記操作者選択可能な表示モードを与える手段は、前記関心体積を二分する操作者調整可能な錘台参照フレームで実現される、請求項27記載のシステム。
【請求項30】
2次元画像ディスプレイを発生する段階と、
少なくとも1つの操作者選択可能な撮像パラメータを受信する段階と、
前記少なくとも1つの操作者選択可能な撮像パラメータに応じて送波ビームスキャンシーケンスを計算する段階と、前記送波ビームスキャンシーケンスを関心体積に適用する段階と、
前記送波ビームスキャンシーケンスから生ずる2次元画像情報を取得する段階と、
多次元画像表示を発生する段階とを有する、方法。
【請求項31】
前記送波ビームスキャンシーケンスを適用する段階は、基礎となる超音波撮像システムのボリュームスキャン範囲の一部に限られる、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記多次元画像表示を発生する段階は、操作者調整可能な多次元画像表示を発生する段階で置き換えられる、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記多次元画像表示を発生する段階は、操作者調整可能な合成多次元画像表示を発生する段階で置き換えられる、請求項30記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−500146(P2006−500146A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539286(P2004−539286)
【出願日】平成15年9月1日(2003.9.1)
【国際出願番号】PCT/IB2003/003906
【国際公開番号】WO2004/029655
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】