説明

ラバースプリング装置を架設したオフロードトラック

【課題】ラバースプリング装置がアコーディオン状の変形を生じたとしても、ラバー層の径方向内部において、局部的な亀裂の発生を防止し、耐久性の向上を図ることのできるラバースプリング装置を架設したオフロードトラックを提供する。
【解決手段】平面形状でイコライザバーの長手方向と平行な方向に配される長さ寸法Wを、車軸方向と平行な方向に配される長さ寸法Hよりも短く構成した硬質板32と、ラバー層33とを交互に貼り合せて複数層に積層し、ラバースプリング装置30を構成する。このラバースプリング装置30を、アーティキュレートダンプトラックにおけるイコライザバーの端部とセンタ車軸との間に配設して、サスペンションとして機能させる。これにより、ラバースプリング装置30がアコーディオン状に変形したとしても、ラバー層33内での内部応力のピーク位置を分散させて小さくさせることができ、ラバー層内での亀裂の発生を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、圧縮荷重、引張り荷重、曲げ荷重、せん断荷重等を受けるサスペンションとしてのラバースプリング装置を架設したオフロードトラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からオフロードトラック用のサスペンションとして、ラバースプリング装置が用いられている。ラバースプリング装置としては、本願出願人に係わる特許文献1に記載のラバースプリング装置などが提案されている。特許文献1に記載されたラバースプリング装置を本願発明の従来例1として、図9には特許文献1に係わるラバースプリング装置の縦断面図を示している。
【0003】
図9で示すラバースプリング装置50では、一対の剛性端部材55,56間に硬質板52とラバー層53(53a〜53m)とを交互に貼り合せて複数層に積層した、円柱状の積層構造体51を構成している。積層構造体51の中心部には、積層方向に貫通する円柱状の空洞部54を形成している。空洞部54内には、一対の剛性端部材55,56間を連結する連結手段59が設けられている。
【0004】
そして、剛性端部材56側におけるラバー層53mの厚さを、剛性端部材55側におけるラバー層53aの厚さよりも厚く構成している。
【0005】
即ち、積層構造体51の中間部におけるラバー層53a〜53mは、剛性端部材56側から剛性端部材55側に向かって、剛性端部材56側におけるラバー層53mの厚さから剛性端部材55側におけるラバー層53aの厚さまで、段階的に漸次薄くなるように形成されている。このように構成することによって、ラバースプリング装置50がアコーディオン状に変形したとしても、各ラバー層53a〜53mでは低い応力状態での略均一な応力を発生させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−333052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されたラバースプリング装置50では、ラバースプリング装置50がアコーディオン状に変形したとしても、各ラバー層53a〜53mでは低い応力状態での略均一な応力を発生させることができるといった優れた効果を奏することができる。即ち、ラバースプリング装置50がアコーディオン状に変形したときに生じる、積層構造体51の上下方向における応力分布のバラツキを小さくしておくことができる。
【0008】
ところで、ラバースプリング装置がアコーディオン状に変形したときには、ラバースプリング装置を構成する積層構造体に対して、扇子を広げるような単純な変形、即ち、曲げ変形や圧縮変形や引張り変形が生じるだけではなく、上下の部材が左右にずれるせん断方向への変形も発生する。言い換えると、積層構造体の上下方向における応力分布以外にも、積層構造体の径方向においてもせん断方向等の応力分布が生じることになる。そして、ラバースプリング装置がアコーディオン状に変形するときには、積層構造体の径方向における中間部においても、引張り力、圧縮力以外にも、せん断力、曲げ力等による内部応力が発生することになる。
【0009】
積層構造体の径方向における内部応力について、図10を用いて説明する。積層構造体81の径方向における内部応力としては、せん断応力以外にも引張り応力、圧縮応力、曲げ応力等が作用している。
【0010】
図10では、平面視における形状が円形形状である硬質板82を用いた積層構造体81をアコーディオン状に変形させた場合において、積層構造体81の径方向におけるラバー層83の中間部での応力の状態を示している。即ち、図10(b)に示す状態となるように積層構造体81をアコーディオン状に変形させると、図10(a)に示すように、内部応力のピークがA部位の領域において発生する。また、この内部応力が過度な大きさになると、ラバー層83の径方向における中間部には、亀裂Dが発生する。
尚、図10(b)では、一方の剛性端部材84側における積層構造体81の要部構成を示している。
【0011】
このように、A部位の領域においては、ラバー層83内部で発生した亀裂の起点が集中していることが分かる。図10に示した内部応力の状態は、有限要素法を用いて、ラバー層83内部における応力状態の演算結果を図示したものである。
【0012】
また、例えば、中輪及び後輪を備えたオフロードトラックの後部車体において、車両の左右方向における一方側の中輪と他方側の後輪とが、路上に配したブロック上をそれぞれ乗り上げた状態の時には、ラバー層83におけるB部位で示される領域において最大伸び又は最大圧縮が発生する。そして、左右の中輪又は左右の後輪が、ともにブロック上を乗り上げた状態の時には、ラバー層83におけるC部位で示される領域において、最大伸び又は最大圧縮が発生する。
【0013】
ラバー層83内部におけるA部位の領域において、内部応力のピークが生じ、亀裂の起点が集中ことについての理由は、未だ解明されていない。しかし、次のように考えられているラバーの構造を勘案して、亀裂の起点が集中することの理由を推測することはできる。
【0014】
ラバーは、多数の高分子鎖の集合体として考えられており、高分子鎖1本で作られたランダムコイルは、力が加えられていないときには曲がりくねった形状になっている。曲がりくねったランダムコイルが他の曲がりくねったランダムコイルと互いに絡み合うことによって、全体的に複雑に絡み合った複数の高分子鎖の集合体としてラバーが構成されているものと考えられている。そして、曲がりくねったランダムコイル同士は、架橋点で結合した構成であるとも考えられている。
【0015】
高分子鎖は、もともと曲がりくねったランダムコイルの形でいる状態が、安定した状態であると考えられている。そして、ラバーに応力が加わると、例えば、曲がりくねっている高分子鎖に引張り力を加えると、曲がりくねっていた高分子鎖は真っ直ぐな形態になり、力を加えた方向に伸びた状態となる。
【0016】
このとき、ラバーに対して引張り力を加えても、加えた引張り力は全てランダムコイルの両端に働く訳ではなく、沢山ある高分子鎖のうちで幾つかの高分子鎖に対して、場所を特定することなく作用するものと考えられている。これによって、一部が伸び、更にその動きが絡み合っている他の高分子鎖にも伝わってそこでも変形が生じる。このようにしてラバーに作用した力が伝わっていくものと考えられている。
【0017】
また、高分子鎖が強制的に、しかも急激に伸ばされると、温度上昇を生じる。そのため、引き伸ばされた高分子鎖に対して熱を加えると、安定した状態である曲がりくねったランダムコイルの状態に戻ることができる。即ち、引き伸ばされた高分子鎖が安定した状態である曲がりくねったランダムコイルの状態に戻るためには、周囲から熱を吸収すること
が必要になる。
【0018】
このラバーの構成を基にして、図10における説明を行ってみる。図10(a)における積層構造体81の中心から左側の部位について注目すると、ラバー層83の外周部側は、硬質板82によって強い力で伸びる方向に引張られることになる。これに対して、ラバー層83の内周部側も硬質板82によって引張られることになるが、外周部側における引張り力よりも小さな引張り力が作用することになる。また、ラバー層83の径方向における中間部でも、硬質板82によって引張り力が作用している。
【0019】
このとき、ラバー層83の外周部側では、多数の高分子鎖は真っ直ぐに伸ばされたような形態になっていき、この真っ直ぐに伸ばされたような形態への変形を助けるように周囲の高分子鎖はそれぞれ変形を生じているものと考えられる。そして、周囲の高分子鎖に対する変形は、高分子鎖同士の絡み合い点を解きほぐすのにも使われることになり、一部で高分子鎖同士の位置がずれるものと考えられる。
【0020】
ラバー層83の径方向の中間部においても、硬質板82による引張り力によって、そこにある一部の高分子鎖は真っ直ぐな形態に変形していき、真っ直ぐな形態への変形を助けるように周囲の高分子鎖は変形を生じることになる。しかし、周囲の高分子鎖に対して変形を生じさせる力は、ラバー層83の外周部側における力よりも大きくはならない。
【0021】
そのため、ラバー層83の径方向における中間部では、周囲の高分子鎖を変形させる応力の大きさが、ラバー層83の外周部側から中間部に向かって漸減するような分布が発生し、ラバーに作用した力の伝わり方は、ラバー層83の径方向において一様ではなくなる。また、高分子鎖が強制的に、しかも急激に伸ばされたときには温度上昇を生じるが、ラバー層83の外周部側や内周部側で発熱した温度上昇は、周囲の空気によって冷やされることになる。
【0022】
しかし、ラバー層83の中間部で発生した温度上昇は、ラバー層83の中間部に閉じ込められてしまい、周囲にある高分子鎖に伝達されることになる。熱が加えられたラバー層83の中間部では、伸びずに逆に曲がりくねった安定状態に戻ろうとする高分子鎖が多数存在することになる。
【0023】
このようにして、ラバー層83内部におけるA部位では、高分子鎖同士の絡み合い点が解きほぐされたり、架橋点で結合の結合が外れたり、また、発熱した熱によって伸びていた高分子鎖を曲がりくねった状態に戻そうとする力が働いて、内部応力が上昇して亀裂が発生し易くなっているのではないかと考えられる。このように、ラバー層83内部におけるA部位の領域において、亀裂の起点が集中するものと推測することができる。
【0024】
しかしながら、特許文献1に記載されたラバースプリング装置50では、積層構造体51の径方向において生じる応力分布や、亀裂の起点が集中することについての対策は講じられていなかった。
【0025】
本願発明では、特許文献1に記載された発明を更に改良するものであって、ラバースプリング装置がアコーディオン状の変形を生じたとしても、ラバー層の径方向における中間部での局部的な亀裂の発生を防止し、耐久性の向上を図ることのできるラバースプリング装置を架設したオフロードトラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本願発明の課題は請求項1〜5に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では、ラバー層と剛性を有する硬質板とを互いに平行状態となるように
交互に貼り合せた複数層からなる積層構造体と、前記積層構造体の両端に配した前記ラバー層にそれぞれ貼り合わせた一対の剛性端部材と、前記剛性端部材間における間隔の広がりを規制する連結手段と、を備えたサスペンション用のラバースプリング装置を、イコライザバーと車軸との間に架設したオフロードトラックにおいて、
平面視において、前記イコライザバーの長手方向と平行な方向における前記硬質板の長さ寸法が、前記オフロードトラックの車軸方向と平行な方向における前記硬質板の長さ寸法よりも短く構成され、平面視において、前記車軸方向と平行に配された前記積層構造体を二分する中心線が、前記硬質板内を通ることを最も主要な特徴としている。
【0027】
また、本願発明では、平面視における前記ラバー層の外周形状が、前記硬質板の外周形状と相似形の形状に形成されてなることを主要な特徴としている。
更に、本願発明では、前記積層構造体の一端側におけるラバー層の厚さが、他端側におけるラバー層の厚さよりも厚く形成され、前記積層構造体の中間部における各ラバー層の厚さが、前記一端側における厚さから前記他端側における厚さまで段階的に漸次薄く形成されてなることを主要な特徴としている。
【0028】
更にまた、前記積層構造体における各ラバー層の厚さが、同じ厚さに形成されてなることを主要な特徴としている。
また、本願発明では、前記オフロードトラックがアーティキュレートダンプトラックであることを主要な特徴としている。
更に、本願発明では、前記ラバースプリング装置が、前記アーティキュレートダンプトラックにおけるイコライザバーの端部と車軸との間に配されてなることを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0029】
本願発明では、ラバー層の径方向における中間部において、亀裂の起点が集中する領域を分散させ、しかも、小さくさせることができる。即ち、平面視における硬質板の形状を、イコライザバーの長手方向と平行な方向における硬質板の長さ寸法が、オフロードトラックの車軸方向と平行な方向における硬質板の長さ寸法よりも短くなるように構成している。しかも、平面視において、車軸方向と平行に配された積層構造体を二分する中心線が、硬質板内を通るように構成している。
このように構成することにより、図11(b)に示すように、本願発明の硬質板92を用いた積層構造体91をアコーディオン状に変形させたとき、図11(a)に示すように、内部応力のピーク位置Eの領域は、図10(a)のA部位で示した伸び又は圧縮の大きな領域から伸び又は圧縮の小さな周方向の領域に分散して移動する。しかも、ピーク位置Eにおいて生じる内部応力のピーク値としては、図10(a)のA部位における内部応力のピーク値よりも小さな値となっている。
【0030】
このように、内部応力のピーク値が下がることにより、ピーク位置Eにおける内部応力のレベルも低くなり、亀裂の発生を防止することができる。そして、亀裂の発生を防止することによって、ラバー層93の破断等を防止できる。
【0031】
尚、図11に示した結果は、図10で示した結果と同様に有限要素法を用いて演算した結果を図示したものである。また、図11(b)では、一方の剛性端部材94側における積層構造体91の要部構成を示している。
【0032】
平面視におけるラバー層の形状は、硬質板92における形状と相似形の形状に構成しておくことができる。このように構成しておくことにより、図11に示したように、円形形状としたラバー層93と略同じ機能を奏させながら、ラバースプリング装置で使用するラバー量を低減させることができる。
【0033】
ラバースプリング装置を構成する複数のラバー層の厚さは、それぞれ均一の厚さとして構成しておくことも、それぞれ不等間隔の厚さとして構成しておくこともできる。不等間隔の厚さとして構成するときには、ラバースプリング装置における一端側における厚さから他端側における厚さまで、段階的に漸次薄くなるように構成しておくことで、ラバースプリング装置の上下方向における応力分布のバラツキを小さく構成しておくことができる。
【0034】
また、オフロードトラックとしてアーティキュレートダンプトラックに対して本願発明のラバースプリング装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】ダンプトラックの側面図である。(実施例)
【図2】リアフレームを拡大した平面図である。(実施例)
【図3】ラバースプリング装置の縦断面図である。(実施例)
【図4】他のラバースプリング装置の縦断面図である。(実施例)
【図5】ラバースプリング装置の上面図、正面図、下面図、及び側面図である。(実施例)
【図6】別のラバースプリング装置の上面図、正面図、下面図、及び側面図である。(実施例)
【図7】ラバースプリング装置を変形させたときのラバースプリング装置近傍を拡大した側面図である。(実施例)
【図8】ラバースプリング装置を別の変形をさせたときのラバースプリング装置近傍を拡大した側面図である。(実施例)
【図9】ラバースプリング装置の縦断面図である。(従来例1)
【図10】ラバースプリング装置をアコーディオン状に変形させたときの応力状態を示す説明図である。(従来例1)
【図11】ラバースプリング装置をアコーディオン状に変形させたときの応力状態を示す説明図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0036】
本願発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明のラバースプリング装置の構成及びダンプトラックへの配置構成としては、以下で説明する形状、配置構成以外にも本願発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を採用することができるものである。このため、本願発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
【0037】
また、ラバースプリング装置をアーティキュレートダンプトラックのサスペンションとして用いた例について、以下で説明を行う。しかし、本願発明のラバースプリング装置はアーティキュレートダンプトラックのサスペンションとして用いる以外にも、オフロードトラック用のサスペンション等として用いることができるものである。
【実施例】
【0038】
図1には、アーティキュレートダンプトラック(以下、ダンプトラックと称する。)の側面図を示している。また、図2には、ベッセル17等を取り除いた状態におけるリアフレーム22の平面図を示している。図1で示すように、ダンプトラック1は、前側に位置する前部車体7と、後側に位置する後部車体8とを備えている。また、ダンプトラック1は、前輪10、中輪12及び後輪14を備えている。
【0039】
前輪10を備えた前部車体7は、フロントフレーム21に支持されており、フロントフレーム21には、運転室9が搭載されている。中輪12及び後輪14を備えた後部車体8は、フロントフレーム21に対して屈折及び揺動自在に連結されたリアフレーム22に支持されている。
【0040】
フロントフレーム21とリアフレーム22との間には、左右一対のステアリングシリンダ26,26が架け渡されている。各ステアリングシリンダ26,26をそれぞれ伸縮させることにより、リアフレーム22をフロントフレーム21に対して屈折させることができる。これにより、ダンプトラック1のステアリング操作を行うことができる。
【0041】
リアフレーム22の上方には、例えば、土砂等の積載物を積載するベッセル17が設けられている。ベッセル17の前部側の左右両側とリアフレーム22との間には、一対のリフトシリンダ20,20が設けられている。また、ベッセル17の後部側の下方に配したベッセルピン18を介して、ベッセル17はリアフレーム22に対して回動可能に取り付けられている。
【0042】
一対のリフトシリンダ20,20を伸縮させることにより、ベッセルピン18を中心としてベッセル17を上下方向に回動させることができる。ベッセル17を上昇させていくとダンプアップと呼ばれる動作を行い、ベッセル17を下げていくとダンプダウンと呼ばれる動作を行うことができる。図1では、ベッセル17が下がりきって、リアフレーム22上に着座している状態を示している。
【0043】
フロントフレーム21には、平面視でV字型のフロントアーム2が回動可能に支持されている。フロントフレーム21の下方部位において、フロントアーム2の前端部2A(平面視でV字の頂点側)は、上下方向への回動が自在となるように支持されている。
【0044】
フロントアーム2の後端部2B側における両端面には、左右一対の前輪10,10を支持するフロント車軸11が取り付けられている。フロント車軸11には、フロントサスペンションシリンダ4の一端部側が支持されており、フロントサスペンションシリンダ4の他端部側はフロントフレーム21に支持されている。
【0045】
図1、図2で示すように、リアフレーム22の両側面には、左右一対のイコライザバー23,23が回動可能に設けられている。各イコライザバー23,23の略中央部は、ピン24,24を介してリアフレーム22に対して回動自在に取り付けられている。リアフレーム22の下方には、センタアーム3及びリアアーム5がそれぞれリアフレーム22に対して回動可能に支持されている。センタアーム3及びリアアーム5は、フロントアーム2と同様に、それぞれ平面視でV字型に形成されている。
【0046】
センタアーム3の前端部3Aは、リアフレーム22の前方側の下方部位において、上下方向への回動が自在となるように支持されている。センタアーム3の後端部3Bにおける両端面には、左右一対の中輪12,12を支持するセンタ車軸13が取り付けられている。センタ車軸13には、ラバースプリング装置30の一端部が支持されており、ラバースプリング装置30,30’の他端部はイコライザバー23,23の前端部側に支持されている。
【0047】
リアアーム5の前端部5Aは、リアフレーム22の後方側の下方部位において、上下方向に回動自在に支持されている。リアアーム5の後端部5Bにおける両端面には、左右一対の後輪14,14を支持するリア車軸15が取り付けられている。後端部5Bまたはリア車軸15には、リアサスペンションシリンダ6の一端側が支持されており、リアサスペンションシリンダ6の他端側はイコライザバー23の後端部側に支持されている。
【0048】
図3、図4には、無負荷状態におけるラバースプリング装置30,30’の縦断面図を示している。ラバースプリング装置30,30’は、複数個の剛性を有する硬質板32とラバーより
なるラバー層33とを交互に貼り合せた積層構造体31を構成している。そして、積層構造体31の中心部には積層方向に貫通する円柱状の空洞部34を形成している。
【0049】
積層構造体31の両端部におけるラバー層33a,33mには、それぞれ剛性端部材35,36が貼り合わされている。無負荷状態において、硬質板32と剛性端部材35,36とは互いに平行に配設されている。また、チェーンリンク40で連結したU字形の掛け金38,39からなる連結手段を一対の剛性端部材35,36間の空洞部34内に配設している。積層構造体31と、積層構造体31の両端部に貼り合わせた一対の剛性端部材35,36と、連結手段とによってラバースプリング装置30,30’が構成されている。
【0050】
尚、積層構造体31の中心部において、積層方向に貫通する円柱状の空洞部34を形成した構成についての説明を行っているが、積層構造体31の中心部に空洞部34を形成していない構成にしておくこともできる。この場合には、連結手段はラバー層33内に埋設された構成となる。
【0051】
剛性端部材36は、積層構造体31の空洞部34にほぼ対応する内径で貫通している段付の孔を有している。そして、U字形の掛け金39のフランジ部39aは、剛性端部材36に形成した段部付きの孔に当接させることができる。また、掛け金38のボルト部38aを、剛性端部材35に形成した孔を貫通させて、剛性端部材35の外面側でナット41を螺合させる。これにより、U字形の掛け金38のフランジ部38bを、剛性端部材35に形成した孔の内面側に当接させることができ、一対の剛性端部材35,36間の間隔が所定の間隔以上とならないように、連結手段で規制することができる。
【0052】
尚、連結手段の構成として、チェーンリンク40とU字形の掛け金38,39とからなる構成を説明しているが、連結手段の構成としては、一対の剛性端部材35,36間の間隔が広がらないように規制しておくことができる構成であれば、他の構成を採用することができる。例えば、一対の剛性端部材35,36間に貫通したロッドを用いて、一対の剛性端部材35,36間の間隔が広がらないようにした構成等を採用することができる。
【0053】
図3に示したラバースプリング装置30では、硬質板32間の間隔を略等間隔に配設した構成を示している。また、図4に示したラバースプリング装置30’では、硬質板32間の間隔を不等間隔に配設した構成を示している。そして、不等間隔の配設構成としては、剛性端部材36側におけるラバー層33mの厚さを厚く構成し、剛性端部材35側におけるラバー層33aの厚さをラバー層33mの厚さよりも薄く構成している。
【0054】
そして、積層構造体31の中間部におけるラバー層33a〜33mは、剛性端部材36側から剛性端部材35側に向かって、剛性端部材36側におけるラバー層33mの厚さから剛性端部材35側におけるラバー層33aの厚さまで、段階的に漸次薄くなるように形成されている。
【0055】
尚、剛性端部材36側におけるラバー層の厚さとしては、ラバー層33mだけを厚くした構成に限定されるものではなく、ラバー層33mの上部に積層したラバー層33l,33k等をラバー層33mと同じく厚く構成しておくこともできる。また、同様に、剛性端部材35側におけるラバー層の厚さとしては、ラバー層33aだけを薄くした構成に限定されるものではなく、ラバー層33aの下部に積層されるラバー層33b,33c等もラバー層33aと同じく薄く構成しておくこともできる。
【0056】
積層構造体31の中間部におけるラバー層は、剛性端部材36側から剛性端部材35側に向かって積層されるに従って、剛性端部材36側における厚さから剛性端部材35側における厚さとなるように、段階的に漸次薄く形成されている。
図3、図4に示したラバースプリング装置30,30’におけるラバー層の層数は例示であ
って、本願発明は、図示したラバー層の層数に限定されるものではない。
【0057】
硬質板32の中心部に形成した孔部の寸法は、空洞部34よりもやや大きな寸法に形成されている。また、硬質板32の材質、形状はそれぞれ上下方向に亘って等しく構成されているが、ラバースプリング装置30,30’の最大応力等を加味し、その材質、厚みを決定することができる。
また、空洞部34に面した積層構造体31の内周面は、ラバーによって被覆されており、埋め込まれた硬質板32が空洞部34側に露呈しないように構成されている。
【0058】
各ラバー層33の外周縁は、硬質板32の外周縁よりも内側又は外側に配設しておくことができる。各ラバー層33の外周縁を、硬質板32の外周縁よりも内側に配設した場合には、ラバースプリング装置30が圧縮されて、各ラバー層33が外周側に膨出する場合であっても、膨出したラバー層は硬質板32の外周縁よりも大きく外周側に飛び出ることが防止できる。
【0059】
各ラバー層33の外周縁を、硬質板32の外周縁よりも外側に配設した場合には、各硬質板32を内包する形で、積層構造体31をラバーによって被覆しておくことができる。そして、硬質板32を間に挟んだ上下のラバー層33をラバーによって連結させておくことができ、ラバースプリング装置30,30’がアコーディオン状等に変形するときの、ラバー層での受圧面積を大きくしておくことができる。
【0060】
硬質板32の平面形状は、図5(a)、図6(a)に示すように、特に、図6(c)に示すように、硬質板の長さ寸法としては、次のように構成されている。即ち、ダンプトラック1におけるイコライザバー23の長手方向と平行な方向における硬質板32の長さ寸法Wが、ダンプトラック1の車軸方向と平行な方向における硬質板32の長さ寸法Hよりも短い構成となっている。即ち、H>Wの関係となるように構成されている。
【0061】
そして、積層構造体31を二分している中心線L−Lが、硬質板32の長さ寸法W内を通るように構成されている。これによって、中心線L−Lの左右両側に硬質板32が配される構成にしておくことができる。
【0062】
図5では、硬質板32を被覆したラバー層33の平面形状が、硬質板32の平面形状に相似した形状の構成例を示しており、図6では、硬質板32を被覆したラバー層33の平面形状が、円形形状である構成例を示している。
【0063】
尚、図5(a)及び図6(a)は、ラバースプリング装置30,30’の上面図を示しており、図5(b)及び図6(b)は、ラバースプリング装置30,30’の正面図を示している。また、図5(c)及び図6(c)は、ラバースプリング装置30,30’の底面図を示しており、図5(d)及び図6(d)は、ラバースプリング装置30,30’の側面図を示している。
【0064】
図5(a)、(c)及び図6(a)、(c)において、剛性端部材35,36の四隅に符号43で示した部位は、剛性端部材35,36をそれぞれ、センタ車軸13とイコライザバー23の端部に固定するためのボルト挿通孔である。また、硬質板32は、中心線L−Lを中心とした左右対称の形状に構成されている。
【0065】
図7、図8に示すラバースプリング装置30,30’を中心としたセンタアーム3及びイコライザバー23により構成されるリンク寸法等によって、ラバー層33の前側と後側とにおける応力レベルが異なる場合には、中心線L−Lを中心として硬質板32を左右対称の形状に形成しておかなくてもよい。
【0066】
即ち、ラバー層33の前側と後側とにおける応力レベルが異なる場合について、図6(c)を用いて説明すると、中心線L−Lを中心とした左右方向における硬質板32の幅寸法としては、W1≠W2の関係となるように構成しておくことができる。例えば、車両の前後方向、即ち、硬質板32の幅方向において、ラバー層33の前方側における応力レベルのピーク値が高い状態にあるときには、W1の寸法を短く構成、即ち、W2≧W1の関係となるように構成しておくことができる。W1の寸法を短く構成することによって、ラバー層33の前方側における応力レベルのピーク値を下げることができる。
【0067】
また、ラバー層33の前方側における応力レベルのピーク値が高い状態ではあるが、ラバー層33の後方側における応力レベルのピーク値が低い状態にあるときには、W2の寸法としてはラバー層33の外周縁まで延長した構成にしておくこともできる。
【0068】
尚、図6に示した凹部42は、積層構造体31を製造するときに、硬質板32の位置決めを行うため、ラバー層33の外周縁部に形成した4つの凹部42である。
図5及び図6では、硬質板32をラバー層33で全面的に被覆した構成を示しているが、硬質板32をラバー層33と同じ大きさの外周縁形状を有する構成又はラバー層33よりも大きな外周形状を有する構成しておくこともできる。
【0069】
図7、図8には、ラバースプリング装置30,30’を中心としてセンタアーム3及びイコライザバー23を部分的に拡大した側面図を示している。図7では、センタ車軸13の両中輪12が落下してラバースプリング装置30に引っ張り荷重が加わった状態を示している。図8では、センタ車軸13の両中輪12(図1参照)が小山等に乗り上げて、ラバースプリング装置30に圧縮荷重が加わった状態を示している。
【0070】
ラバースプリング装置30,30’は、センタ車軸13とイコライザバー23の端部との間に配設され、図5(a)、図6(a)に示した硬質板32における中心線L−Lの方向、即ち、硬質板32における長さ寸法Hの方向が、センタ車軸13の軸線方向と平行になるように構成されている。別な表現で記載すれば、図5(a)、図6(a)における硬質板32の長さ寸法Wの方向が、イコライザバー23の長手方向と平行な方向になるように構成されている。
【0071】
図7、図8に示すように、リアフレーム22の両側面には、各イコライザバー23の前端部及び後端部にそれぞれ対応するようにして、ストッパ27がそれぞれ設けられている。ストッパ27によって、イコライザバー23の回動量が規制されている。尚、後端部におけるストッパの図示は、省略している。前端部及び後端部における各ストッパは、リアフレーム22の側面からイコライザバー23に向けて若干突出した形状に構成されている。
【0072】
図7は、例えば、図1で示したダンプトラック1が前輪10と後輪14とによって支えられた状態となり、中輪12が窪み等の上空部に浮いている状態を示している。この状態では、センタアーム3は、図示の時計回り方向に回動を行い、イコライザバー23の後端部が図示せぬストッパに当接して、イコライザバー23が図示の反時計回り方向へ一定量以上回動してしまうのが規制されることになる。このとき、連結手段によって一対の剛性端部材35,36の間隔が規制されているため、ラバースプリング装置30,30’に対して矢印で示す方向に引っ張り荷重が作用することになる。
【0073】
剛性端部材35,36が装着された部材(イコライザバー23とセンタ車軸13)の回動中心(イコライザバー23ではピン24となり、センタ車軸13では前端部3Aとなる。)が異なるため、ラバースプリング装置30,30’は、図7で示したアコーディオン状に変形することになる。
【0074】
また、連結手段による剛性端部材35,36の間隔が所定の間隔以下に規制されていること
により、ラバースプリング装置30におけるダンプトラック1の前方側の部位が圧縮変形し、ラバースプリング装置30のダンプトラック1の後方側の部位が引っ張り変形することになる。従って、ラバースプリング装置30の下端側において横方向に引いた線30aを折れ曲り部として、ラバースプリング装置30はアコーディオン状に変形することになる。
【0075】
また、中輪12が小山等に乗り上げたときには、図8に示すように、センタアーム3は、図示の反時計回り方向に回動を行い、イコライザバー23の前端部がストッパ27に当接して、イコライザバー23が図示の時計回り方向へ一定量以上回動してしまうのが規制されることになる。従って、ラバースプリング装置30,30’に対して矢印で示す圧縮荷重が作用することになる。
【0076】
剛性端部材35,36が装着された部材(イコライザバー23とセンタ車軸13)の回動中心(イコライザバー23ではピン24となり、センタ車軸13では前端部3Aとなる。)が異なるため、図7で示した場合とは逆のアコーディオン状に変形する。このため、ラバースプリング装置30,30’の各層は均等に圧縮されるのではなく、前方側よりも後方側の部位の方が大きく圧縮変形する。
【0077】
このように、ダンプトラック1の走行中におけるラバースプリング装置30,30’の変形としては、アコーディオン状の変形が多く発生する。アコーディオン状にラバースプリング装置を変形させたときに、各ラバー層に発生する内部応力の大きさについて、図10、図11を用いて次に説明する。
【0078】
図10には、従来技術に示されている円板状に形成した硬質板82を用いた場合でのラバー層83内部における圧力分布について、有限要素法を用いた解析結果を示している。また、図11には、本願発明に係わる硬質板92を用いた場合でのラバー層93内部における圧力分布について、有限要素法を用いた解析結果を示している。
以下における図10、図11を用いた説明は、上述した発明の課題の欄及び発明の効果の欄において既に行った説明と一部重複する説明を行うことにもなる。
【0079】
従来のオフロードダンプトラックでは、図10(b)に示す状態となる。即ち、ラバースプリング装置をアコーディオン状に変形させると、図10(a)に示すように、内部応力のピークがA部位の領域において発生する。また、ラバー層83の径方向における中間部には、亀裂Dが発生する。
【0080】
このように、A部位の領域においては、ラバー層83内部で発生した亀裂の起点が集中していることが分かる。また、車両の左右方向における一方側の中輪12と他方側の後輪14(図1参照)とが、路上に配したブロック上をそれぞれ乗り上げた状態の時には、ラバー層83におけるB部位の領域で示され場所において最大伸び又は最大圧縮が発生する。そして、左右の中輪又は左右の後輪が、ともにブロック上を乗り上げた状態の時には、ラバー層83におけるC部位の領域で示され場所において最大伸び又は最大圧縮が発生する。
【0081】
これに対して、本願発明に係わるオフロードダンプトラックでは、図11に示すようになる。即ち、ラバースプリング装置30,30’をアコーディオン状に変形させると、図11(a)に示すように、内部応力のピーク位置Eの領域は、図10(a)のA部位で示した伸び又は圧縮の大きな領域から伸び又は圧縮の小さな周方向の領域に分散して移動する。しかも、ピーク位置Eで生じる内部応力のピーク値としては、図10(a)のA部位における内部応力のピーク値よりも小さな値となっている。
【0082】
そして、内部応力のピーク値が下がることにより、ピーク位置Eにおける内部応力のレベルも低くなり、亀裂の発生を防止することができる。そして、亀裂の発生を防止するこ
とによって、ラバー層93の破断等を防止できる。
【0083】
また、積層構造体91がアコーディオン状に変形したとき、隣接する硬質板92の外周縁間で最大に開く間隔は、積層構造体81がアコーディオン状に変形したときに、隣接する硬質板82の外周縁間で最大に開く間隔よりも短くなる。これによって、図11における隣接する硬質板92の外周縁間が最大に開いた状態のときにラバー層93に作用する引張り力は、図10における隣接する硬質板82の外周縁間が最大に開いた状態のときにラバー層83に作用する引張り力よりも小さくなる。そのため、ラバー層93の径方向における中間部で発生する内部応力としては、ラバー層83の径方向における中間部で発生する内部応力よりも小さくなる。
このように、本願発明では、亀裂の発生を防止してラバー層93の破断等を防止することができる。
【0084】
硬質板92の形状として、図5及び図6においては、平面視において円形形状の両サイドをカットした形状を例示した。しかし、硬質板92の形状としては、図5及び図6に示した形状に限定されるものではなく、長手方向の幅寸法が横手方向の幅寸法よりも長い寸法形状であれば、小判形、繭形、楕円形等の形状を採用することができる。
【0085】
楕円形としては、X−Y座標系において、一般に長軸の長さを「a」、短軸の長さを「b」としたときに、(x/a)2+(y/b)2=1の関係で表すことができるが、指数「2」の代わりに、指数の値として2以上で3よりも小さな実数を用いて表せる超楕円の形状、例えば、(x/a)2.7+(y/b)2.7=1のような関数で表すことができるものも、本願発明における楕円形に包含されているものである。
【0086】
また、ラバー層33の前側と後側とにおける応力レベルが異なる場合には、図6(c)を用いて説明すると、中心線L−Lを中心とした左右方向における硬質板32の幅寸法としては、W1≠W2の関係となるように構成しておくことができる。
【0087】
上述した説明では、ラバースプリング装置30,30’をセンタ車軸13とイコライザバー23,23との間で支持する構成について説明した。しかし、ラバースプリング装置30,30’の配置構成としては、図1で示したリアサスペンションシリンダ6の代わりに使用することもできる。
【0088】
即ち、リア車軸15とイコライザバー23との間で、ラバースプリング装置30,30’を指示する構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本願発明は、本願発明の技術思想を適用することができる装置等に対しては、本願発明の技術思想を適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
1・・・ダンプトラック、2・・・フロントアーム、3・・・センタアーム、5・・・リアアーム、10・・・前輪、11・・・フロント車軸、12・・・中輪、13・・・センタ車軸、14・・・後輪、15・・・リア車軸、21・・・フロントフレーム、22・・・リアフレーム、23・・・イコライザバー、26・・・ステアリングシリンダ、30,30’・・・ラバースプリング装置、31・・・積層構造体、32・・・硬質板、33・・・ラバー層、50・・・ラバースプリング装置、51・・・積層構造体、52・・・硬質板、53・・・ラバー層、81・・・積層構造体、82・・・硬質板、83・・・ラバー層、84・・・剛性端部材、91・・・積層構造体、92・・・硬質板、93・・・ラバー層、94・・・剛性端部材、D・・・亀裂、L・・・中心線、H・・・長さ寸法、
W・・・長さ寸法、W1、W2・・・横手方向における中心線からの寸法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラバー層と剛性を有する硬質板とを互いに平行状態となるように交互に貼り合せた複数層からなる積層構造体と、前記積層構造体の両端に配した前記ラバー層にそれぞれ貼り合わせた一対の剛性端部材と、前記剛性端部材間における間隔の広がりを規制する連結手段と、を備えたサスペンション用のラバースプリング装置を、イコライザバーと車軸との間に架設したオフロードトラックにおいて、
平面視において、前記イコライザバーの長手方向と平行な方向における前記硬質板の長さ寸法が、前記オフロードトラックの車軸方向と平行な方向における前記硬質板の長さ寸法よりも短く構成され、
平面視において、前記車軸方向と平行に配された前記積層構造体を二分する中心線が、前記硬質板内を通ることを特徴とするラバースプリング装置を架設したオフロードトラック。
【請求項2】
平面視における前記ラバー層の外周形状が、前記硬質板の外周形状と相似形の形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のラバースプリング装置を架設したオフロードトラック。
【請求項3】
前記積層構造体の一端側におけるラバー層の厚さが、他端側におけるラバー層の厚さよりも厚く形成され、
前記積層構造体の中間部における各ラバー層の厚さが、前記一端側における厚さから前記他端側における厚さまで段階的に漸次薄く形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のラバースプリング装置を架設したオフロードトラック。
【請求項4】
前記積層構造体における各ラバー層の厚さが、同じ厚さに形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のラバースプリング装置を架設したオフロードトラック。
【請求項5】
前記オフロードトラックがアーティキュレートダンプトラックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラバースプリング装置を架設したオフロードトラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−11869(P2012−11869A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149241(P2010−149241)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】