説明

リソグラフィ装置

【課題】リソグラフィ装置のエンコーダ型センサシステムの位置精度を増大させる。
【解決手段】基準構造に対するリソグラフィ装置の基板テーブルの位置を測定するエンコーダ型センサシステムを含むリソグラフィ装置が開示される。エンコーダ型センサシステムは、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを含み、リソグラフィ装置は、エンコーダセンサターゲットを収容するための凹所を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、リソグラフィ装置およびエンコーダ型位置センサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常は基板のターゲット部分上に与える機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造で使用することができる。そのような場合には、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上の(例えば、1つまたは複数のダイの一部を含む)ターゲット部分上に転写することができる。パターンの転写は一般に、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層上に結像することによってなされる。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる、隣接するターゲット部分のネットワークを含む。従来型のリソグラフィ装置には、全体のパターンをターゲット部分上に一度に露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、パターンを放射ビームによって所与の方向(「スキャン」方向)にスキャンしながら、それと同期して基板をその方向と平行に、または反平行にスキャンすることによって、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとがある。パターンを基板上にインプリントすることによって、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0003】
[0003] リソグラフィ装置では、投影光学系を接続することができるメトロロジーフレームなどの基準構造に対する基板テーブルの位置を測定するために、エンコーダ型センサシステムを使用することができる。そのようなエンコーダ型センサシステムは、エンコーダセンサヘッドと、格子プレート、回折格子などのエンコーダセンサターゲットとを備えることができる。
【0004】
[0004] エンコーダ型測定システムによる位置測定の精度および安定性には、エンコーダセンサターゲットの位置安定性、幾何学的精度、および安定性が関与し得る。例えば局所的加熱、ガス流などによって引き起こされる熱の影響によるエンコーダセンサターゲットの膨張は、材料の膨張、機械的張力、または他の影響を招く恐れがある。したがって、エンコーダ型センサシステムによる位置測定の精度が劣化する恐れがある。
【0005】
[0005] 集積回路の密度、ますます減少する線幅などに対する要求が増大しつつあるため、基板ステージの位置決めの精度に対する要件が増大している。位置決め精度が増大される必要があるだけでなく、それと同時にリソグラフィ装置が、より大きな直径を有するウェーハなどの大型基板を取り扱う能力を提供しなければならない可能性もあるため、状況はさらに重大である。したがって、基板テーブルの移動範囲、ならびに基板テーブル自体のサイズが増大される可能性があり、その結果、より大きなサイズのエンコーダセンサターゲットになる可能性がある。また、基板の取扱いにおける自由度を増大させる、すなわち基板のスワッピング、交換などの能力を提供するために、基板ステージの移動範囲がさらに増大される可能性がある。これらの要件の結果、より大きなサイズのエンコーダセンサターゲットになる可能性がある。エンコーダセンサターゲットのサイズが大きい方が、上述の熱および他の影響を悪化させる恐れがある。
【0006】
[0006] 熱の影響の概念について説明すると、エンコーダセンサターゲットに1ナノメートルの安定性が求められるとすれば、それは、当分野で使用される一般的なエンコーダセンサターゲット材料を使用した状態で、エンコーダセンサターゲットの温度をミリケルビン以下の温度範囲内に安定させる必要があると換言することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007] したがって、リソグラフィ装置のエンコーダ型センサシステムの位置精度を増大させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008] 本発明の一実施形態によれば、
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
パターニングされた放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する基板テーブルの位置を測定する、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備えるエンコーダ型センサシステムと
を備え、
リソグラフィ装置は、エンコーダセンサターゲットを収容するための凹所を備える、リソグラフィ装置が提供される。
【0009】
[0009] 本発明の一実施形態によれば、
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
パターニングされた放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する基板テーブルの位置を測定する、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備えるエンコーダ型センサシステムと、
調整されたガス流を、基板テーブルの移動の主平面と実質的に平行なエンコーダセンサターゲットの表面に供給するガス供給部と
を備える、リソグラフィ装置が提供される。
【0010】
[0010] 本発明の一実施形態によれば、
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
パターニングされた放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する基板テーブルの位置を測定する、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備えるエンコーダ型センサシステムと
を備え、
リソグラフィ装置が、基板テーブルをアイドル期間中に基板テーブルの移動の主平面に沿って移動させるように構成され、基板テーブルの移動が、基板テーブルからの熱によるエンコーダセンサターゲットの局所的加熱を防止するためのものである、リソグラフィ装置が提供される。
【0011】
[0011] 本発明の一実施形態によれば、
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
パターニングされた放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する基板テーブルの位置を測定する、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備えるエンコーダ型センサシステムと、
基板テーブルモータの固定コイル構造とエンコーダセンサターゲットとの間の熱遮蔽層と
を備える、リソグラフィ装置が提供される。
【0012】
[0012] 本発明の一実施形態によれば、
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
パターニングされた放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する基板テーブルの位置を測定するためのエンコーダ型センサシステムであって、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備え、エンコーダセンサターゲットが実質的にゼロの熱膨張係数および/または高い熱伝導率係数を有する材料を含む、エンコーダ型センサシステムと
を備える、リソグラフィ装置が提供される。実質的にゼロの熱膨張係数を有する材料の効果により、温度差が、測定精度に無視できるほどの影響しか及ぼさない。高い熱係数により、高精度部分からあまり重要でない環境への迅速な熱交換が生じ、これは蓄熱がより少なく、結果として最小の温度変化であることを意味し、その結果、高い測定精度がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】[0014]本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】[0015]本発明の一態様によるリソグラフィ装置の一部分の非常に概略的な図である。
【図3】[0016]本発明の一態様によるリソグラフィ装置のエンコーダセンサターゲットの非常に概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0013] 次に、本発明の諸実施形態を、ほんの一例として、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して説明する。
[0017] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射または他の任意の適切な放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを保持する構造になっており、かついくつかのパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続された、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MTとを含む。この装置はまた、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持する構造になっており、かついくつかのパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された、基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTも含む。この装置はさらに、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを、基板Wのターゲット部分C(例えば、1つまたは複数のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを含む。
【0015】
[0018] 照明システムは、放射を誘導、整形、または制御するために、屈折タイプ、反射タイプ、磁気タイプ、電磁タイプ、静電タイプ、または他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなど、さまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0016】
[0019] パターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および例えばパターニングデバイスが真空環境内で保持されるか否かのような他の条件に応じる方式で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスを保持するために、機械的クランプ技法、真空クランプ技法、静電クランプ技法、または他のクランプ技法を使用することができる。パターニングデバイス支持体は、例えばフレームでも、テーブルでもよく、それは必要に応じて固定されても、可動でもよい。パターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して所望の位置にあるようにすることができる。本明細書において「レチクル」または「マスク」という用語を使用している場合、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義語と見なすことができる。
【0017】
[0020] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを形成するために、放射ビームの断面内にパターンを付与するのに使用することができる任意のデバイスを指すものとして、広義に解釈すべきである。放射ビームに付与されたパターンは、例えば、パターンが位相シフト特徴またはいわゆるアシスト特徴を含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに厳密に対応しないことがあることに留意されたい。一般には、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路など、ターゲット部分内に形成されているデバイス内の、特定の機能層に対応する。
【0018】
[0021] パターニングデバイスは、透過型でも、反射型でもよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルがある。マスクは、リソグラフィにおいて公知であり、マスクには、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、および減衰型(attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、ならびにさまざまなハイブリッドマスクタイプがある。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型のミラーのマトリックス配列を使用しており、ミラーをそれぞれ、入射する放射ビームをさまざまな方向に反射するように個々に傾動することができる。傾動されたミラーにより、ミラーマトリックスによって反射された放射ビーム内にパターンが付与される。
【0019】
[0022] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、使用される露光放射に適した、あるいは液浸液の使用または真空の使用など、他の要因に適した、屈折光学システム、反射光学システム、カタディオプトリック光学システム、磁気光学システム、電磁光学システム、および静電光学システム、またはそれらの任意の組合せを含む、任意のタイプの投影システムを包含するものとして、広義に解釈すべきである。本明細書において、「投影レンズ」という用語を使用している場合、より一般的な用語である「投影システム」と同義語として見なすことができる。
【0020】
[0023] ここで示したように、この装置は、(例えば、透過マスクを使用する)透過型である。あるいは、装置は、(例えば、上記で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、または反射マスクを使用する)反射型でもよい。
【0021】
[0024] このリソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のパターニングデバイス支持体)を有するタイプのものでもよい。そのような「マルチステージ」の機械では、追加のテーブルおよび/または支持体を同時に使用することができ、あるいは、1つまたは複数のテーブルおよび/または支持体上で予備段階を実施している間に、1つまたは複数の他のテーブルおよび/または支持体を露光に使用することもできる。
【0022】
[0025] このリソグラフィ装置は、投影システムと基板の間の空間を埋めるように、基板の少なくとも一部分を、屈折率の比較的高い液体、例えば水で覆うことができるタイプのものでもよい。液浸液を、リソグラフィ装置内の他の空間、例えば、マスクと投影システムの間に与えることもできる。液浸技法は、投影システムの開口数を増大させるために使用することができる。「液浸」という用語は、本明細書では、基板などの構造が液体中に浸されなければならないことを意味するのではなく、露光中に、液体が投影システムと基板の間にあることを意味するにほかならない。
【0023】
[0026] 図1を参照すると、イルミネータILが、放射源SOから放射ビームを受け取る。放射源およびリソグラフィ装置は、例えば、放射源がエキシマレーザであるとき、別々のものとすることができる。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部分を形成しているとは見なされず、放射ビームが、例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを用いて、放射源SOからイルミネータILに渡される。別の場合には、例えば放射源が水銀ランプであるとき、放射源をリソグラフィ装置の一部分とすることができる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならビームデリバリシステムBDと共に、放射システムと呼ぶことができる。
【0024】
[0027] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の、少なくとも外側および/または内側半径範囲(一般に、それぞれσ−outerおよびσ−innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINやコンデンサCOなど、他のさまざまなコンポーネントを含むことができる。イルミネータは、放射ビームがその断面内に、所望の均一性および強度分布を有するように調整するために使用することができる。
【0025】
[0028] 放射ビームBが、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。放射ビームBは、パターニングデバイスMAを経由して投影システムPSを通過し、投影システムPSが、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または容量センサ)を用いて、例えばさまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路中に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1の位置決めデバイスPMおよび(図1には明示的に図示されていない)もう1つの位置センサを使用して、パターニングデバイスMAを、例えばマスクライブラリから機械的に取り出した後、またはスキャン中に、放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることができる。一般に、パターニングデバイス支持体MTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの一部分を形成する、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部分を形成する、ロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現することができる。(スキャナとは対照的に)ステッパの場合には、パターニングデバイス支持体MTをショートストロークアクチュエータだけに接続してもよく、固定してもよい。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2、および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合せすることができる。図示の基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有しているが、ターゲット部分とターゲット部分の間の間隔内に配置することもできる(これは、スクライブラインアライメントマークとして知られる)。同様に、パターニングデバイスMA上に2つ以上のダイが設けられている状況では、パターニングデバイスアライメントマークを、ダイとダイの間に配置することができる。
【0026】
[0029] 図示の装置は、以下のモードのうち少なくとも1つのモードで使用することができる。
【0027】
[0030] 1.ステップモードでは、パターニングデバイス支持体MTおよび基板テーブルWTが本質的に固定されたまま、放射ビームに付与されたパターン全体が、ターゲット部分C上に一度に投影される(すなわち、単一静止露光)。次いで、さまざまなターゲット部分Cを露光することができるように、基板テーブルWTが、Xおよび/またはY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静止露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0028】
[0031] 2.スキャンモードでは、パターニングデバイス支持体MTおよび基板テーブルWTが同期スキャンされると共に、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一動的露光)。パターニングデバイス支持体MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの倍率(縮小率)および像の反転特性によって決まり得る。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向の)幅が制限され、スキャン運動の長さによって、ターゲット部分の(スキャン方向の)高さが決まる。
【0029】
[0032] 3.別のモードでは、パターニングデバイス支持体MTが、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で本質的に固定されたままであり、基板テーブルWTが移動またはスキャンされると共に、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分C上に投影される。このモードでは、一般にパルス放射源が使用され、基板テーブルWTが移動する毎にその後で、またはスキャン中に連続する放射パルスと放射パルスの間に、プログラマブルパターニングデバイスが必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに、容易に適用することができる。
【0030】
[0033] 上述の使用モードの組合せおよび/または変形、あるいは、全く異なる使用モードを使用することもできる。
【0031】
[0034] 図2は、リソグラフィ装置の一部分の非常に概略的な部分断面図であり、基準構造、この例ではメトロロジーフレームMF、に対して位置決めされた投影システムPSを示す。投影システムは、メトロロジーフレームに剛接続しても、メトロロジーフレームに他の任意の適切な方式で、例えば弾性軸受け、能動的位置決めシステムなどによって接続してもよい。干渉計IFが基板テーブルの位置を測定するためのセンサシステムとして示されている図1の実施形態に対して、この実施形態では、エンコーダ型センサシステムが適用される。エンコーダ型センサシステムは、基板テーブルWTに接続されたエンコーダセンサヘッドSHと、例えば格子または回折格子を備えるエンコーダセンサターゲットESTとを備える。エンコーダ型センサシステムは、基板テーブルの移動の主平面内、すなわち、投影システムPSの投影システム光軸PAXに実質的に垂直な平面内の基板テーブルWTの位置を測定するように構成される。エンコーダセンサターゲットESTが中に収容される凹所が設けられる。この実施形態では、凹所は、基準構造上(したがって、この例ではメトロロジーフレームMF上)に設けられるが、他の実施形態では、基準構造内、または部分的に基準構造内に設けることができる。以下により詳細に説明する凹所を使用することによって、エンコーダセンサターゲットを部分的に取り囲む、かつ/または遮蔽することができる構造を凹所がもたらすので、エンコーダセンサターゲットの熱安定化を実現することができる。凹所を使用してエンコーダセンサターゲットを収容することによって、エンコーダセンサターゲットまたはその一部分に沿ったガス流を、ある程度まで防止することができる。さらに、エンコーダセンサターゲットの温度を、その周りの、凹所が中に形成される構造などによって安定させることができる。
【0032】
[0035] 凹所は、任意の適切な方式で、例えばヒートシンク、温度安定化部など、別の部材内の凹所によって設けることができるが、図示の実施形態では、凹所は、基準構造上に設けられる。凹所を基準構造上または基準構造内(この例では、基準構造は、メトロロジーフレームMFによって形成されている)に設けることによって、基準構造に対してエンコーダセンサターゲットの位置が不正確になるのをある程度まで防止するように、エンコーダセンサターゲットと基準構造との間の安定した機械的接続を行うことができる。この実施形態では、凹所はさらに、エンコーダセンサターゲットESTに面する基準構造の表面に接続された周囲構造SSTによって形成される。(図2の部分的断面図には図示されていないが)周囲構造は、基板テーブルWTの移動の主平面内に見られるエンコーダセンサターゲットESTの一側面を、少なくとも部分的に取り囲むことができる。
【0033】
[0036] 図示の実施形態では、エンコーダセンサターゲットESTと凹所との間に間隙が設けられ、すなわち厳密に言えば、エンコーダセンサターゲットと凹所が中に形成される構造との間に間隙が設けられる。この間隙によって、一方では、凹所が中に形成される構造とエンコーダセンサターゲットとの間の機械的接触を防止することができ、それにより、例えば振動またはエンコーダセンサターゲットに向かう他の外乱の伝達を抑制することができると共に、他方では、凹所が中に設けられる周囲構造が、上述の安定化効果をもたらす。間隙の寸法は、十分な熱交換を可能にするために、実質的に1ミリメートルよりも狭く、より望ましくは50マイクロメートルよりも狭くなるように設計することができる。図2に示す実施形態では、周囲構造SSTとエンコーダセンサターゲットESTの側面との間の間隙の適切な(公称)寸法は、1〜2ミリメートル程度の大きさとすることができる。そのような程度の大きさにより、十分に大きな公差余裕をもたらすことができる。というのも、大きな部分は、それぞれ数10ミリメートル程度の大きさの公差を有することがあり、それにより、約1ミリメートル程度の合計所要公差余裕が増すことがあるためである。上述した程度の大きさの公称間隙は、それによって間隙の両側相互間の機械的接触を防止することができる。この例では、エンコーダセンサターゲットESTは、メトロロジーフレームMFに板ばね接続部によって機械的に接続されており、板ばね接続部は、この例ではエンコーダセンサターゲット取付部ETMによりもたらされる。
【0034】
[0037] 基準構造、この例ではメトロロジーフレームMFに、温度安定化液体を循環させるための1つまたは複数の流体流路または液体流路を設ける場合、更なる温度安定化効果を実現することができる。更なる温度安定化を得るためには、基準構造、周囲構造SST、またはその両方に、温度安定化流体を循環させるための1つまたは複数の流路を設けることができる。この例では、流体は液体である。十分な熱伝導性をもたらすために、周囲構造SSTはアルミニウムを含んでよい。
【0035】
[0038] 基準構造、この例ではメトロロジーフレームMFには、アルミニウムエレメントなど、エンコーダセンサターゲットESTの背面の少なくとも一部分に面した、1つまたは複数のエレメントDPを備えることができる。このエレメントは、ここで示す実施形態では、メトロロジーフレームMFの表面上に取り付けられる。1つまたは複数のエレメントDPと、エンコーダセンサターゲットESTの背面との間の間隙は、十分な熱交換を可能にするために、50マイクロメートル未満とすることができる。減衰エレメントとも呼ばれる1つまたは複数のエレメントDPは、エンコーダセンサターゲットESTの機械的共振または振動を減衰させることができる。というのも、エンコーダセンサターゲットの移動(特に垂直方向の移動)には、1つまたは複数の減衰エレメントDPとエンコーダセンサターゲットESTとの間の狭い間隙内を流れるガス流が関与し、それによって間隙内のガスによる減衰を実現することができるためである。一方、狭い間隙は、1つまたは複数の減衰エレメントDPとエンコーダセンサターゲットESTの間で良好な熱交換を可能にすることができ、そのため、エンコーダセンサターゲットESTの熱安定化を、1つまたは複数の減衰エレメントDPに良好な熱伝導率を備えることによって(例えばそれらを、金属などの高熱伝導率を有する材料から製造することによって)、また1つまたは複数の減衰エレメントDPと基準構造、したがってこの例ではメトロロジーフレームMFとの間の良好な熱的結合によって高めることができる。
【0036】
[0039] 投影システムの下流のレンズを、例えば下流の投影レンズの表面に沿って流れるガス流をもたらすことによって、かつ/またはコンディショナの材料の液体調整を使用することによって調整するために、図2ではLCで概略的に示されるレンズコンディショナを設けることができる。レンズコンディショナLCは、図2に概略的に示すように、凹所の一側面を形成することができる。したがって、レンズコンディショナは、投影システムPSの下流レンズの表面に、そのレンズの表面に沿ってガス流をもたらすことによって安定化効果をもたらすことができるだけでなく、エンコーダセンサターゲットESTの一部分と熱接触して、その温度を安定させる構造としての役割を果たすこともできる。エンコーダセンサターゲットとレンズコンディショナとの間の適切な距離は、数ミリメートル以下程度の大きさとすることができる。
【0037】
[0040] 図2は、ガス供給部からもたらすことができ、基板テーブルWTの移動の主平面に実質的に平行なエンコーダセンサターゲットの表面に沿って向けられるガス流GSをさらに概略的に示す。このガス流によって、エンコーダセンサターゲットESTの、基板テーブルWTに面するその表面に沿った温度の安定化を実現することができる。ガス供給部は、上述し、また図2に示した凹所と組み合わせることができるが、凹所およびガス供給部を別々に適用することもできる。
【0038】
[0041] リソグラフィ装置はさらに、基板テーブルからの、例えば基板テーブルモータ、すなわち基板テーブルを駆動するモータからの熱によるエンコーダセンサターゲットの局所的加熱を防止するために、基板テーブルをアイドル期間中(例えば、基板照射サイクル、ステッピングサイクルなどを除く期間中)に、基板テーブルの移動の主平面に沿って移動させるように構成(例えばプログラム)することもできる。特に固定コイル型モータの場合には、大量の熱が発生する可能性があり、それが、エンコーダセンサターゲットESTに向かう熱の流れを招く恐れがある。この影響は、ガス流を発生させるように、またエンコーダセンサターゲットの(局所的な加熱の減少を含めて)局所的加熱を防止するように、基板テーブルを移動させることにより、低減させることができる。
【0039】
[0042] さらに、必ずしもではないが望ましくはアイドル期間中の基板テーブルの移動と組み合わせて、基板テーブルモータの固定コイル構造とエンコーダセンサターゲットとの間に、熱遮蔽層を設けることができる。図2に示す例では、遮蔽層SLが、固定コイル構造SCS上に設けられている。遮蔽層SLおよび/またはアイドル期間中の基板テーブルの移動は、上述の凹所および/またはガス流と組み合わされることがある、または組み合わされることがない。
【0040】
[0043] エンコーダセンサターゲットを安定させる上述の方式に加えてまたはその代わりに、エンコーダセンサターゲットは、温度の影響によるその膨張を防止するために、実質的にゼロの熱膨張係数および/または高い熱伝導率係数を有する材料を含むことができる。そのような材料の一例に、Zerodur(商標)セラミックがあり得る。他の例に、Clearceram(商標)、Cordurite(商標)セラミック、ガラス(セラミック)、金属、ガラス、および同等の材料特性を有する合金があり得る。
【0041】
[0044] 追加のまたは代替の温度安定化機構として、図3を参照すると、温度安定化液体を循環させるために、エンコーダセンサターゲットEST内に液体流路LCHを設けることができる。エンコーダセンサターゲットは、回折格子プレートGPおよび背面プレートBPを備えることができ、それぞれ実質的にゼロの熱膨張係数および/または高い熱伝導率係数を有する材料から形成することができ、1つまたは複数の液体流路LCHを中に設けることができる。それによって、エンコーダセンサターゲットの製造中の変形または他の望ましくない影響を、エンコーダセンサターゲットの背面プレート上に含められた1つまたは複数の液体流路を使用して低減させることができる。回折格子プレートは背面プレートに、一方では安定して接続するために、また他方では回折格子プレートと背面プレートとの間に良好な熱接触をもたらすために、光学接触によって接続することができる。通常は光学的効果をもたらすために使用され、当業者には「ansprengen」という用語の形で知られることがある光学接触により、背面プレートBPの表面と回折格子プレートGPの表面との間に事実上の原子接触が可能になる。
【0042】
[0045] 上述のように、述べられた特徴はそれぞれ、それ自体で適用することができるが、エンコーダセンサターゲットを安定させるために、上記の特徴のうち2つ以上からなる組合せを設け、それによって、エンコーダ型センサシステムによる基板テーブルWTの位置測定の精度を場合によっては向上させることができる。そのような安定性の増大により、エンコーダ型センサシステムの連続する較正相互間の時間間隔を増大させることができ、これは、そのような較正には、リソグラフィ装置がそれを使用する製造プロセスから取り出される必要があるため、有利であると考えることができる。実際的な一実施形態では、(基板テーブルの移動の主平面内での)エンコーダシステムターゲットのサイズが、1メートル×1メートル程度の大きさになることがあるが、上記で開示した特徴は、エンコーダシステムターゲットの安定性、したがってエンコーダ型センサシステムのナノメートルまたはナノメートル未満の範囲の精度を実現することができる。図面、特に図2は、一定の縮尺で描かれないことがあることに留意されよう。エンコーダセンサターゲットは、図では基準構造に接続されており、エンコーダセンサヘッドは、図では基板テーブルに接続されているが、一実施形態では、その反対、すなわち基板テーブルに接続されたエンコーダセンサターゲット、および基準構造に接続されたエンコーダセンサヘッドもあり得る。さらに、一実施形態を基板テーブルに関して説明してきたが、本明細書における教示は、パターニングデバイス支持体、リソグラフィ装置の別の可動部、または別の機械の可動部など、他の構造に適用することもできる。
【0043】
[0046] ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に対して、具体的な言及がこの説明において行われることがあるが、本明細書において記載のリソグラフィ装置には、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用の誘導パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造など、他の適用分野があることを理解されたい。そのような代替適用分野の文脈では、本明細書において「ウェーハ」または「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、より一般的な用語である「基板」または「ターゲット部分」と同義語として見なすことができることが、当業者には理解されよう。本明細書において言及される基板は、露光前または後に、例えばトラック(一般に、レジストの層を基板に与え、露光後のレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツール内で処理することができる。適用可能な場合、本明細書における開示は、そのような基板処理ツール、および他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、例えば多層ICを形成するために、基板を2回以上処理することもでき、したがって、本明細書で使用される基板という用語は、複数の処理済みの層をすでに含む基板を指すこともある。
【0044】
[0047] 光リソグラフィの文脈において、本発明の諸実施形態の使用に対して、上記で具体的な言及を行ってきたかもしれないが、本発明を、他の適用分野、例えば、インプリントリソグラフィで使用することができ、文脈が許容する場合は、光リソグラフィに限定されないことが理解されよう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが、基板上に形成されるパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジストの層へと押し込むことができ、その後すぐに、レジストは電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せを印加することによって硬化される。レジストが硬化された後、パターニングデバイスは、レジスト中にパターンを残した状態でそこから移される。
【0045】
[0048] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、(例えば、約365、248、193、157または126nmの波長、あるいはその近くの波長を有する)紫外(UV)放射、および(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)極端紫外(EUV)放射、ならびにイオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含む、あらゆるタイプの電磁放射を包含する。
【0046】
[0049] 「レンズ」という用語は、文脈が許容する場合、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、磁気光学コンポーネント、電磁光学コンポーネント、および静電光学コンポーネントを含む、さまざまなタイプの光学コンポーネントのいずれか1つまたは組合せを指すことがある。
【0047】
[0050] 以上、本発明の具体的な諸実施形態を上記で説明してきたが、本発明を、説明した以外の方式で実施できることが理解されよう。例えば、本発明は、上記で開示した方法を記述した機械読取可能な命令の、1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形、あるいは、そのようなコンピュータプログラムが中に記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気または光ディスク)の形をとることができる。
【0048】
[0051] 上記の説明は、限定するものではなく、例示のためのものである。したがって、添付の記載された特許請求の範囲から逸脱することなく、説明したように本発明に対して修正を行えることが、当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
前記放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターニングされた放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する前記基板テーブルの位置を測定する、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備えるエンコーダ型センサシステムと
を備え、
リソグラフィ装置が、前記エンコーダセンサターゲットを収容するための凹所を備える、リソグラフィ装置。
【請求項2】
前記凹所が、前記基準構造内または前記基準構造上に設けられる、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項3】
前記凹所が、前記基準構造、および前記エンコーダセンサターゲットに面する前記基準構造の表面に接続された周囲構造により形成され、前記周囲構造が、前記基板テーブルの移動の主平面内に見られる前記エンコーダセンサターゲットの一側面を少なくとも部分的に取り囲む、請求項2に記載のリソグラフィ装置。
【請求項4】
前記エンコーダセンサターゲットと前記凹所の間に間隙を備える、請求項3に記載のリソグラフィ装置。
【請求項5】
前記エンコーダセンサターゲットと前記基準構造の間で、前記間隙が1ミリメートルよりも狭い、請求項4に記載のリソグラフィ装置。
【請求項6】
前記エンコーダセンサターゲットの一側面と前記周囲構造の間で、前記間隙が1〜2ミリメートル程度の大きさである、請求項4に記載のリソグラフィ装置。
【請求項7】
前記基準構造、前記周囲構造、または前記基準構造および周囲構造の両方に、温度安定化流体、例えば液体を循環させるための冷却流路が設けられる、請求項3に記載のリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記周囲構造がアルミニウムを含む、請求項3に記載のリソグラフィ装置。
【請求項9】
前記基準構造が、前記エンコーダセンサターゲットの背面の少なくとも一部分に面するアルミニウムエレメントを備え、前記アルミニウムエレメントと前記エンコーダセンサターゲットの前記背面との間の間隙が、50マイクロメートル未満である、請求項2に記載のリソグラフィ装置。
【請求項10】
前記投影システムの下流レンズを調整するレンズコンディショナをさらに備え、前記レンズコンディショナが、前記凹所の一側面を形成する、請求項2に記載のリソグラフィ装置。
【請求項11】
前記レンズコンディショナと、前記レンズコンディショナに面する前記エンコーダセンサターゲットの一側面との間の間隙が、数ミリメートル以下程度の大きさである、請求項10に記載のリソグラフィ装置。
【請求項12】
前記位置が、前記基板テーブルの移動の主平面内にある、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項13】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
前記放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターニングされた放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する前記基板テーブルの位置を測定する、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備えるエンコーダ型センサシステムと、
調整されたガス流を、前記基板テーブルの移動の主平面と実質的に平行な前記エンコーダセンサターゲットの表面に供給するガス供給部と
を備える、リソグラフィ装置。
【請求項14】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
前記放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターニングされた放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する前記基板テーブルの位置を測定する、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備えるエンコーダ型センサシステムと
を備え、
リソグラフィ装置が、前記基板テーブルをアイドル期間中に前記基板テーブルの移動の主平面に沿って移動させるように構成され、前記基板テーブルの前記移動が、前記基板テーブルからの熱による前記エンコーダセンサターゲットの局所的加熱を防止するためのものである、リソグラフィ装置。
【請求項15】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
前記放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターニングされた放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する前記基板テーブルの位置を測定する、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備えるエンコーダ型センサシステムと、
基板テーブルモータの固定コイル構造と、前記エンコーダセンサターゲットとの間の熱遮蔽層と
を備える、リソグラフィ装置。
【請求項16】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
前記放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターニングされた放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを保持する支持体と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターニングされた放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
基準構造に対する前記基板テーブルの位置を測定するためのエンコーダ型センサシステムであって、エンコーダセンサヘッドおよびエンコーダセンサターゲットを備え、前記エンコーダセンサターゲットが実質的にゼロの熱膨張係数および/または高い熱伝導率係数を有する材料を含む、エンコーダ型センサシステムと
を備える、リソグラフィ装置。
【請求項17】
前記エンコーダセンサターゲットが、温度安定化液体を循環させる液体流路を備える、請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項18】
前記エンコーダセンサターゲットが、回折格子プレートおよび背面プレートを備え、前記液体流路が、前記背面プレート内に設けられる、請求項17に記載のリソグラフィ装置。
【請求項19】
前記回折格子プレートおよび背面プレートが、実質的にゼロの熱膨張係数および/または高い熱伝導率係数を有する材料から形成される、請求項18に記載のリソグラフィ装置。
【請求項20】
前記回折格子プレートが前記背面プレートに、光学接触によって接続される、請求項18に記載のリソグラフィ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−69979(P2012−69979A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−249305(P2011−249305)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【分割の表示】特願2011−64408(P2011−64408)の分割
【原出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】