説明

リピータ及び移動局

【課題】基地局及び複数のリピータを最適な結線方法で自動的に接続するためのリピータを提案する。
【解決手段】リピータ20は、基地局と移動局との間で送受信される電波を増幅中継する。このリピータ20は、基地局及び一つ以上の他のリピータを通信相手として、通信相手とリピータ20との間の通信状態を評価する評価関数をそれぞれの通信相手について演算する評価関数演算器(21,22,23)と、通信相手のうち何れに対してリンクするかを評価関数に基づいて自動的に決定する処理装置(27)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基地局及び複数のリピータを自動的に最適な結線方法で接続するためのリピータ及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコードレス電話では、その多重方式として、時分割多元接続(TDMA)が使用されることが多く、TDMAフレーム内のスロットを用いたリピータ機能が提供されている。リピータは、基地局から遠く電波の弱い場所で、移動局が無線通信できるように基地局及び移動局からの電波を受信してこれを増幅し、再送信する。これにより、無線通信可能なネットワークの範囲を拡大できる。基地局及び複数のリピータを接続する方法としては、スター結線、デイジー結線、及びスター・デイジー混合結線の三種類の接続方法がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来では、ユーザは専用ソフトウェアを用いて、スター結線、デイジー結線、及びスター・デイジー混合結線の中から最適な結線方法を設定しなければならず、誰でも何処でもリピータを設置するという操作環境を提供するには、不十分であった。
【0004】
そこで、本発明は、基地局及び複数のリピータを最適な結線方法で自動的に接続するためのリピータを提案することを課題とする。また、本発明は、リピータの設置場所を変更する上で、リピータの設置場所に好適な場所であるか否かを示す情報を提供する移動局を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明に係わるリピータは、基地局と移動局との間で送受信される電波を増幅中継するリピータであって、基地局及び一つ以上の他のリピータを通信相手として、通信相手とリピータとの間の通信状態を評価する評価関数をそれぞれの通信相手について演算する評価関数演算器と、通信相手のうち何れに対してリンクするかを評価関数に基づいて自動的に決定する処理装置とを備える。
【0006】
本発明に係わるリピータによれば、どの通信相手に対してスター結線又はデイジー結線のうち何れの結線方法によりリンクするかを評価関数に基づいて自動的に決定することができるので、ユーザは専用ソフトウェアを用いずに、基地局及び複数のリピータを適切に接続することができる。
【0007】
ここで、処理装置は、評価関数の値が所定の閾値以上となる通信相手が1台のみである場合、この1台の通信相手にリンクすることを決定する。また、処理装置は、評価関数の値が所定の閾値以上となる通信相手が複数台存在する場合、これら複数台の通信相手のうち基地局を起点とするリピータ間のリンク上に存在するリピータの数(コネクト数)の最も少ないものにリンクすることを決定する。リピータは、コネクト数の最も少ない通信相手にリンクすることで、近端エコーの発生による通話品質低下を回避できる。
【0008】
評価関数としては、通話品質を評価できる関数であれば、特に限定されることなく、あらゆる関数を用いることができる。例えば、通信相手とリピータとの間の通信におけるビット誤り率が所定の値になるときの受信信号強度値を出力する関数が好ましい。受信信号強度値は、通話品質を評価する目安となる。
【0009】
リピータの自動結線機能は、移動局を充電するための充電器に搭載してもよい。通常、一つの移動局に対して一つの充電器が備えられているので、充電器にリピータの自動結線機能を搭載しておくことで、利便性を高めることができる。
【0010】
本発明に係わる移動局は、基地局との間でリピータを介して無線通信する移動局であって、基地局及び一つ以上のリピータを通信相手として、通信相手と移動局との間の通信状態を評価する評価関数をそれぞれの通信相手について演算する評価関数演算器と、それぞれの通信相手について評価関数が所定の閾値を超えているか否かを表示する表示装置とを備える。
【0011】
ユーザは、表示装置に表示されている情報を参照することにより、移動局の現在地点と通信相手との間の通信状態を評価する評価関数の値が閾値以上であるか否かを判別できるので、リピータの設置位置の決定に役立てることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基地局及び複数のリピータを最適な結線方法で自動的に接続するためのリピータを提案することができる。また、本発明によれば、リピータの設置場所を変更する上で、リピータの設置場所に好適な場所であるか否かを示す情報を提供する移動局を提案することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1はスター結線の一例を示す説明図、図2はデイジー結線の一例を示す説明図、図3はスター・デイジー混合結線の一例を示す説明図である。図1では、基地局10を中心に4台のリピータ20A,20B,20C,20Dがスター結線されている。図2では、基地局10を起点として、4台のリピータ20A,20B,20C,20Dがデイジー結線されている。図3では、基地局10を中心に2台のリピータ20A,20Bがスター結線されるとともに、リピータ20Bを中心に2台のリピータ20C,20Eがスター結線され、更にリピータ20Cにリピータ20Dがデイジー結線されている。スター・デイジー混合結線では、スター結線とデイジー結線とが混載している。これらの図1乃至図3において、リピータ20A,20B,20C,20D,20E(以下、これらのリピータ20A,20B,20C,20D,20Eを区別する必要がないときは、リピータ20と総称する。)は、基地局10と移動局30との間で送受信される電波を増幅中継する。移動局30は、リピータ20によって拡大された通信範囲を利用して基地局10と通信する。
【0014】
本実施形態に係わる自動結線処理では、各リピータ20は、通信相手(基地局10及び一つ以上の他のリピータ20)との間の通信状態を評価するための評価関数を演算する。評価関数としては、リピータ20と通信相手との間の通信状態が良好である程、高い値を出力する関数であれば、特に限定されることなく、任意の関数を用いることができる。リピータ20は、評価関数の値が所定の閾値以上であると判定すると、通信相手の通信エリア内に自己が位置するものと判定する。一方、評価関数の値が所定の閾値未満のときは、通信相手の通信エリア外に自己が位置するものと判定する。評価関数の値が閾値以上となる通信相手が一台のみである場合は、リピータ20はその通信相手にデイジー結線によりリンクする。一方、評価関数の値が閾値以上となる通信相手が複数台存在する場合は、その中でコネクト数の最も少ないものを選択し、選択した通信相手にスター結線によりリンクする。リピータ20は、コネクト数の最も少ない通信相手にリンクすることにより、近端エコーの発生による通話品質低下を回避できる。全ての通信相手のコネクト数が等しい場合は、リピータ20は、その中で評価関数の値の最も高い通信相手を選択し、その選択した通信相手にスター結線によりリンクする。リピータ20の位置は、固定的ではなく、ユーザの使用環境によって変更し得るので、リピータ20は、通信相手との間の評価関数を一定周期間隔で演算し、最適な通信相手に最適な結線方法によりリンクする。なお、移動局30は、通信エリア内に存在する複数のリピータ20の中からコネクト数の最も少ないリピータ20に接続し、その接続したリピータ20を介して基地局10と通信する。
【0015】
なお、コネクト数とは、基地局10を起点として何台目のリピータ20に接続しているのかを示す数字である。例えば、図1に示すリピータ20A,20B,20C,20Dのコネクト数は、何れも「1」である。図2に示すリピータ20A,20B,20C,20Dのコネクト数は、それぞれ「1」,「2」,「3」,「4」である。図3に示すリピータ20A,20B,20C,20D,20Eのコネクト数は、それぞれ「1」,「1」,「2」,「3」,「2」である。なお、基地局10のコネクト数は「0」である。各リピータ20は、相互にコネクト数を送受信することにより、通信相手のコネクト数を得る。
【0016】
本実施形態では、評価関数として、CRC(Cyclic Redundancy Check)誤り率が1%未満のときに、RSSI(Received Signal Strength Indicator)値を出力し、CRC誤り率が1%以上のときに、0を出力する関数を定義する。また、閾値EVthとして、ビット誤り率が3×10-5のときのRSSI値を定義する。ビット誤り率が3×10-5以上であることは、安定した通信を行う上での最低条件である。但し、上記の評価関数及びその閾値はあくまでも例示であって、他の評価関数及び閾値を用いることができる。例えば、局間の同期を確立するためのユニークワード又は予め定められた所定のビットパターンを正常に受信できているか否かを評価関数とし、その受信成功率を閾値としてもよい。
【0017】
図4は本実施形態に係わるリピータ20の機能ブロック図である。
リピータ20は、受信機21、CRC判定器22、乗算器23、閾値判定器24、メモリ25,26、及びCPU27を備える。受信機21は、通信相手からの無線電波を受信すると、RSSI及びCRCを算出するとともに、通信相手から送信されてくるコネクト数を得る。CRC判定器22は、受信機21から出力されるCRC誤り率を受信し、CRC誤り率が1%未満であれば、「1」を出力し、CRC誤り率が1%以上であれば、「0」を出力する。乗算器23は、受信機21から出力されるRSSIの値と、CRC判定機22から出力される値とを乗算し、評価関数の値を算出する。受信機21、CRC判定器22、及び乗算器23が協働することにより評価関数演算器の機能が実現される。閾値判定器24は、乗算器23から出力される評価関数の値と閾値とを比較し、その比較結果をメモリ25に格納する。メモリ26は、受信機21から出力されるコネクト数を格納する。CPU27は、メモリ25に格納されている比較結果と、メモリ26に格納されているコネクト数とを用いて、最適な通信相手を選択するとともに、その選択した通信相手に対してスター結線又はデイジー結線のうち最適な結線方法によりリンクすることを決定する処理装置である。なお、図4では、説明の便宜上、処理の流れを各ブロックに対応付けているが、単一のCPUが全ての処理を実施してもよい。また、移動局30に内蔵されているバッテリを充電するための充電器に自動結線機能(上述の受信機21、CRC判定器22、乗算器23、閾値判定器24、メモリ25,26、及びCPU27の各機能)を搭載してもよい。
【0018】
次に、図5乃至図6を参照しながら、本実施形態に係わる自動結線処理について説明する。図6では、リピータ20A,20Bは、通信相手(基地局又は他の一つ以上のリピータ)とスター結線又はデイジー結線により既に接続されており、リピータ20Cが新規にネットワークに接続する場合を想定している。
【0019】
リピータ20Cは、リピータ20Aとリピータ20Cとの間の通信状態を評価する評価関数の値EV_ACを演算し(ステップ101)、続いて、リピータ20Bとリピータ20Cとの間の通信状態を評価する評価関数の値EV_BCを演算する(ステップ102)。次に、リピータ20Cは、リピータ20Aの通信エリア内に自己が位置しているか否かを判定するため、EV_ACが閾値EVth以上であるか否かを判定する(ステップ103)。EV_ACが閾値EVth以上である場合(ステップ103;YES)、リピータ20Aの通信エリア内にリピータ20Cが存在していることが解る。そこで今度は、リピータ20Cは、リピータ20Bの通信エリア内に自己が位置しているか否かを判定するため、EV_BCが閾値EVth以上であるか否かを判定する(ステップ104)。EV_BCが閾値EVth以上である場合(ステップ104;YES)、リピータ20Bの通信エリア内にリピータ20Cが存在していることが解る。
【0020】
さて、リピータ20Cが両方のリピータ20A,20Bの通信エリア内に位置する場合には、リピータ20Cは、コネクト数の少ない方を選択するため、リピータ20Aのコネクト数CNAと、リピータ20Bのコネクト数CNBとが同数であるか否かを判定する(ステップ105)。コネクト数CNAとコネクト数CNBとが同数である場合には(ステップ105;YES)、コネクト数だけでは優劣をつけることができないので、リピータ20Cは、通信状態の良好な通信相手を選択するため、評価関数の値EV_ACと評価関数の値EV_BCとを比較する(ステップ106)。評価関数の値EV_ACが評価関数の値EV_BC以上である場合には(ステップ106;YES)、リピータ20A,20C間の通信状態は、リピータ20B,20C間の通信状態よりも良好であるので、リピータ20Cはリピータ20Aにスター結線によりリンクし(ステップ107)、リピータ20Cのコネクト数CNCをCNA+1とする(ステップ108)。評価関数の値EV_ACが評価関数の値EV_BC未満である場合には(ステップ106;NO)、リピータ20B,20C間の通信状態は、リピータ20A,20C間の通信状態よりも良好であるので、リピータ20Cはリピータ20Bにスター結線によりリンクし(ステップ111)、リピータ20Cのコネクト数CNCをCNB+1とする(ステップ112)。
【0021】
一方、評価関数の値EV_ACが閾値EVth未満である場合には(ステップ103;NO)、リピータ20Cは、自己がリピータ20Aの通信エリア外に位置しているものと判断する。続いて、リピータ20Cは、リピータ20Bの通信エリア内に自己が位置しているか否かを判定するため、評価関数の値EV_BCが閾値EVth以上であるか否かを判定する(ステップ109)。EV_BCが閾値EVth以上である場合(ステップ109;YES)、リピータ20Cは、リピータ20Bの通信エリア内に自己が存在しているものと判定し、リピータ20Bにデイジー結線によりリンクし(ステップ111)、リピータ20Cのコネクト数CNCをCNB+1とする(ステップ112)。
【0022】
上記とは逆に、評価関数の値EV_ACが閾値EVth以上であり(ステップ103;YES)、且つ評価関数の値EV_BCが閾値EVth未満である場合には(ステップ104;NO)、リピータ20Cは、リピータ20Aの通信エリア内に存在し、且つリピータ20Bの通信エリア外に存在するので、上述のステップ107,108を実行する。
【0023】
また、評価関数の値EV_ACが閾値EVth以上であり(ステップ103;YES)、且つ評価関数の値EV_BCが閾値EVth以上である場合であって(ステップ104;YES)、コネクト数CNAとコネクト数CNBとが同数でない場合(ステップ105;NO)、リピータ20Cは、コネクト数CNAがコネクト数CNBより大きいか否かを判定する(ステップ110)。コネクト数CNAがコネクト数CNBより大きい場合(ステップ110:YES)、リピータ20Cは、コネクト数の少ないリピータ20Bにスター結線によりリンクし(ステップ111)、リピータ20Cのコネクト数CNCをCNB+1とする(ステップ112)。コネクト数CNAがコネクト数CNBより小さい場合(ステップ110:NO)、リピータ20Cは、コネクト数の少ないリピータ20Aにスター結線によりリンクし(ステップ107)、リピータ20Cのコネクト数CNCをCNA+1とする(ステップ108)。
【0024】
評価関数の値EV_ACが閾値EVth未満であり(ステップ103;NO)、且つ評価関数の値EV_BCが閾値EVth未満である場合には(ステップ109;NO)、リピータ20Cは、両方のリピータ20A,20Bの通信エリア外に存在するので、自動結線処理を終了する。
【0025】
本実施形態に係わる自動結線処理によれば、どの通信相手に対してスター結線又はデイジー結線のうち何れの結線方法によりリンクするかを評価関数に基づいて自動的に決定することができるので、ユーザは専用ソフトウェアを用いずに、基地局10及び複数のリピータ20を適切に接続することができる。
【0026】
次に、図7乃至図8を参照しながら他の結線例について説明する。
図7は、基地極10を中心とするスター結線の一例を示す。同図に示す例では、基地局10とリピータ20Aとの間の通信状態を示す評価関数の値、及び基地局10とリピータ20Bとの間の通信状態を示す評価関数の値が何れも閾値EVth以上であるので、リピータ20Aは、リピータ20Bに対してデイジー結線によりリンクする必要はないものと判定し、基地局10に対してスター結線によりリンクする。同様に、リピータ20Bは、リピータ20Aに対してデイジー結線によりリンクする必要はないものと判定し、基地局10に対してスター結線によりリンクする。仮に、リピータ20A,20B同士がデイジー結線によりリンクすると、基地局10に対してそれぞれのリピータ20A,20Bがスター結線した場合と比較して、通信エリアが狭くなってしまうので好ましくない。なお、移動局30が基地局10の通信エリアに位置する場合、移動局30はこの通信エリアの中に位置するリピータ20A,20B,及び基地局10の中でコネクト数の最も少ない基地局10に接続する。
【0027】
図8は、スター・デイジー混合結線の一例を示す。同図に示す例では、リピータ20Aとリピータ20Bとの間の評価関数の値、及びリピータ20Aとリピータ20Cとの間の評価関数の値は、何れも閾値EVth以上であるが、リピータ20Bと基地局10との間の評価関数の値、及びリピータ20Cと基地局10との間の評価関数の値が何れも閾値EVth未満であるので、リピータ20B,20Cのそれぞれは、自己がリピータ20Aの通信エリア内に位置するが、基地局10の通信エリアに位置しないものと判定し、リピータ20Aに対してスター結線によりリンクする。
【0028】
また、リピータ20Dとリピータ20Cとの間の評価関数の値が閾値EVth以上であるが、基地局10とリピータ20Dとの間の評価関数の値、リピータ20Aとリピータ20Dとの間の評価関数の値、及びリピータ20Bとリピータ20Dとの間の評価関数の値が何れも閾値EVth未満である場合には、リピータ20Dは、自己がリピータ20Cの通信エリア内に位置するが、基地局10、リピータ20A,20Bの通信エリア内に位置しないものと判定し、リピータ20Cにデイジー結線によりリンクする。なお、移動局30がリピータ20Aの通信エリアに位置する場合、移動局30は、この通信エリアの中に位置するリピータ20A,20B,20Cの中でコネクト数の最も少ないリピータ20Aに接続する。
【0029】
図9は本実施形態に係わる移動局30の機能ブロック図である。
移動局30は、受信機31、CRC判定器32、乗算器33、閾値判定器34、メモリ35,CPU37、及び表示装置38を備える。受信機31、CRC判定器32、乗算器33、閾値判定器34、メモリ35、及びCPU37の各機能は、上述した受信機21、CRC判定器22、乗算器23、閾値判定器24、メモリ25,及びCPU27の各機能と同じであるため、その詳細な説明を省略する。受信機31、CRC判定器32、及び乗算器33が協働することにより評価関数演算器の機能が実現される。表示装置38は、移動局30と通信相手との間の通信状態を評価する評価関数の値と閾値との比較結果を表示する。比較結果の表示は、例えば、文字表示でもよく、或いは記号化されたアンテナの本数による表示でもよい。表示装置38は、発光ダイオードを点灯させることにより、評価関数の値が閾値を超えていることを表示してもよい。ユーザは、表示装置38に表示される比較結果を参照することにより、移動局30が位置する現在地点と通信相手との間の通信状態を評価する評価関数の値が閾値以上であるか否かを判定できるので、リピータ20の設置位置の決定に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】スター結線の説明図である。
【図2】デイジー結線の説明図である。
【図3】スター・デイジー混合結線の説明図である。
【図4】本実施形態に係わるリピータの機能ブロック図である。
【図5】本実施形態に係わる自動結線処理を示すフローチャートである。
【図6】複数のリピータの配置例を示す説明図である。
【図7】基地局及び複数のリピータの配置例を示す説明図である。
【図8】基地局及び複数のリピータの配置例を示す説明図である。
【図9】本実施形態に係わる移動局の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0031】
10…基地局 20…リピータ 21…受信機 22…CRC判定器 23…乗算器 24…閾値判定器 25,26…メモリ 27…CPU 30…移動局 31…受信機 32…CRC判定器 33…乗算器 34…閾値判定器 35…メモリ 37…CPU 38…表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と移動局との間で送受信される電波を増幅中継するリピータであって、
前記基地局及び一つ以上の他のリピータを通信相手として、前記通信相手と前記リピータとの間の通信状態を評価する評価関数をそれぞれの通信相手について演算する評価関数演算器と、
前記通信相手のうち何れに対してリンクするかを前記評価関数に基づいて自動的に決定する処理装置と、
を備えるリピータ。
【請求項2】
請求項1に記載のリピータであって、
前記評価関数の値が所定の閾値以上となる通信相手が1台のみである場合、前記処理装置は、前記1台の通信相手にリンクすることを決定し、
前記評価関数の値が所定の閾値以上となる通信相手が複数台存在する場合、前記処理装置は、前記複数台の通信相手のうち前記基地局を起点とするリピータ間のリンク上に存在するリピータの数の最も少ないものにリンクすることを決定する、リピータ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリピータであって、
前記評価関数は、前記通信相手と前記リピータとの間の通信におけるビット誤り率が所定の値になるときの受信信号強度値を出力する関数である、リピータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のリピータであって、
前記リピータは、前記移動局を充電するための充電器である、リピータ。
【請求項5】
基地局との間でリピータを介して無線通信する移動局であって、
前記基地局及び一つ以上のリピータを通信相手として、前記通信相手と前記移動局との間の通信状態を評価する評価関数をそれぞれの通信相手について演算する評価関数演算器と、
それぞれの通信相手について前記評価関数が所定の閾値を超えているか否かを表示する表示装置と、
を備える移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−253352(P2009−253352A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95041(P2008−95041)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000115267)ユニデン株式会社 (14)
【Fターム(参考)】