説明

リング発振器及びこれを用いるマルチ位相クロック補正回路

【課題】クロスカップル構造を有する複数のバッファを備えて発振し、CMLレベルのクロック信号を生成することのできるリング発振器を提供し、また、基準位相クロック信号を補正して希望の周波数、及び互いに予め定められた位相差を有するマルチ位相クロック信号を生成することのできるマルチ位相クロック補正回路を提供する。
【解決手段】 本発明のリング発振器は、各々クロスカップル構造を有し、予め定められた電圧レベルのバイアス電圧が印加されて複数のクロック信号を生成するための複数のバッファ手段を備え、前記複数のクロック信号が、前記バイアス電圧に対応するスイング幅を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の設計技術に関し、特に発振するクロック信号を生成するリング発振器及びこれを用いてマルチ位相クロック信号の位相を補正するマルチ位相クロック補正回路に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous DRAM)をはじめとする半導体素子内には多様な回路動作を行うための種々の回路を備えている。この中にはリング発振器(ring oscillator)がある。一般的にリング発振器は、奇数個のインバータを備えて発振するクロック信号を生成するが、最近は、図1のように偶数個のインバータを備えるリング発振器を採択している。
【0003】
図1は、既存のリング発振器を説明するための回路図である。
【0004】
同図を参照すると、リング発振器110は、複数のインバータを備え、各々発振する第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270を生成する。リング発振器110の回路構成及び動作説明は、本発明に属する技術分野で従事する者であれば自明であるため、具体的な説明は省略する。ここで、第1クロック信号CLK0は、第3クロック信号CLK180と互いに位相が反対の信号であり、第2クロック信号CLK90は、第4クロック信号CLK270と互いに位相が反対の信号である。そのため、第1クロック信号CLK0を基準に第2クロック信号CLK90は90゜だけの位相差を有し、第3クロック信号CLK180は180゜だけの位相差を有し、第4クロック信号CLK270は270゜だけの位相差を有する。参考に、第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270は、各インバータが動作において非線形性を有するため各々発振する。
【0005】
各インバータは、外部の電源電圧が印加されて反転動作を行い、発振する第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270を生成する。それにより、第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270は、外部の電源電圧から接地電源電圧間の電圧レベルでフルスイング(full swing)しつつ発振するクロック信号となる。すなわち、CMOSレベルで発振するクロック信号となる。
【0006】
一方、半導体素子は、高速動作の遂行及び低いジッタ(jitter)特性を有するよう設計されている。したがって、最近は、CMOSレベルのクロック信号よりスイング幅の小さいCML(Current Mode Logic)レベルのクロック信号がより選好されている。一般的にCMLレベルのクロック信号は、CMOSレベルのクロック信号よりも高速動作時に電力消費が少なく、かつ低いジッタ特性を有する。
【0007】
結局、既存と同じ構成のリング発振器は、CMLレベルのクロック信号ではないCMOSレベルのクロック信号を生成せざるを得ないため、最近の設計しようとする半導体素子には適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前述した問題点を解決するために提案されたもので、クロスカップル(cross couple)構造を有する複数のバッファを備えて発振し、CMLレベルのクロック信号を生成することのできるリング発振器を提供することにその目的がある。
【0009】
また、本発明は、基準位相クロック信号を補正して希望の周波数、及び互いに予め定められた位相差を有するマルチ位相クロック信号を生成することのできるマルチ位相クロック補正回路を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るリング発振器は、CMLレベルのクロック信号を生成することのできるクロスカップル構造を有する複数のバッファを備えることによって、高速動作時の電力消費を少なくし、低いジッタ特性を有するクロック信号を生成することができる。また、本発明に係るリング発振器に基準位相クロック信号を注入(injection)して基準位相クロック信号の位相が補正されたマルチ位相クロック信号を生成し得る。このように生成されたマルチ位相クロック信号は、互いに予め定められた位相差を有し、基準位相クロック信号に対応する周波数を有し得る。
【発明の効果】
【0011】
本発明のリング発振器は、CMLレベルのクロック信号を生成することができることによって、高速動作時の電力消費を減少させ得、低いジッタ特性を確保することのできる効果がある。
【0012】
また、本発明は、リング発振器に基準位相クロック信号を注入して互いに予め定められた位相差を有し、基準位相クロック信号に対応する周波数を有する安定したマルチ位相クロック信号を生成することによって、このマルチ位相クロック信号に応答して動作する回路の信頼性を向上することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】既存のリング発振器を説明するための回路図である。
【図2】本発明に係るリング発振器を説明するための回路図である。
【図3】図2のリング発振器を用いたマルチ位相クロック補正回路を説明するための回路図である。
【図4】図3のマルチ位相クロック補正回路の動作波形を説明するためのシミュレーションである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的な思想を容易に実施できる程度に詳説するため、本発明の最も好ましい実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係るリング発振器を説明するための回路図である。
【0016】
同図を参照すると、本発明の実施形態に係るリング発振器は、互いに予め定められた位相差を有するCMLレベルの第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270を生成するためのものであり、第1バッファ部及び第2バッファ部210、230を備え得る。第1バッファ部及び第2バッファ部210、230は、各々クロスカップル構造を有し、予め定められた電圧レベルを有するバイアス電圧V_CMLが印加されて第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270を生成する。ここで、第1バッファ部210は、第2バッファ部230の出力信号の第2クロック信号及び第4クロック信号CLK90、CLK270をバッファして対応する第1クロック信号及び第3クロック信号CLK0、CLK180を生成するためのもので、第1CMLバッファ部212及び第1フィードバック部214を備える。
【0017】
第1CMLバッファ部212は、第2クロック信号及び第4クロック信号CLK90、CLK270が差動入力され、これに対応する第1クロック信号及び第3クロック信号CLK0、CLK180を差動出力する。
【0018】
このため、第1CMLバッファ部212は、外部の電源電圧VDD端及び第1クロック信号CLK0が出力される第1出力端OUT1間に接続された第1抵抗R1と、第1出力端OUT1と共通ノードCNとの間にソースドレイン経路が形成されて第4クロック信号CLK270がゲート入力される第1NMOSトランジスタNM1と、外部の電源電圧VDD端及び第3クロック信号CLK180が出力される第2出力端OUT2間に接続された第2抵抗R2と、第2出力端OUT2と共通ノードCNとの間にソースドレイン経路が形成され、第2クロック信号CLK90がゲートに入力される第2NMOSトランジスタNM2と、共通ノードCNと接地電源電圧VSS端との間にソースドレイン経路が形成され、バイアス電圧V_CMLがゲートに入力される第3NMOSトランジスタNM3と、を備える。
【0019】
ここで、第1NMOSトランジスタ及び第2NMOSトランジスタNM1、NM2は、第2クロック信号及び第4クロック信号CLK90、CLK270が差動入力されるための差動入力部である。第1抵抗及び第2抵抗R1、R2は、CMLレベルに対応するロード値を有するロード部である。第3NMOSトランジスタNM3は、バイアス電圧V_CMLに対応する電流をシンク(sinking)するためのシンク部である。
【0020】
次に、第1フィードバック部214は、第1CMLバッファ部212の第1出力端及び第2出力端OUT1、OUT2にフィードバック動作を行うためのものであって、第1出力端OUT1と共通ノードCNとの間にソースドレイン経路が形成され、第2出力端OUT2にゲートが接続された第4NMOSトランジスタNM4と、第2出力端OUTと共通ノードCNとの間にソースドレイン経路が形成され、第1出力端OUT1にゲートが接続された第5NMOSトランジスタNM5とを備え得る。このように、第1フィードバック部214は、差動入力部である第1NMOSトランジスタ及び第2NMOSトランジスタNM1、NM2に対応して接続され、第1クロック信号及び第3クロック信号CLK0、CLK180に制御されて動作する。
【0021】
一方、第2バッファ部230の回路構成は、第1バッファ部210の回路構成と類似しているため、その詳説は省略する。ただし、第1バッファ部210は、第2バッファ部230から出力される第2クロック信号CLK90及び第4クロック信号CLK270が差動入力されてバッファして、第1クロック信号CLK0及び第3クロック信号CLK180を差動出力し、第2バッファ部230は、第1バッファ部210から出力される第1クロック信号CLK0及び第3クロック信号CLK180が差動入力されてバッファし、第2クロック信号CLK90及び第4クロック信号CLK270を差動出力するという点が異なる。ここで、第2バッファ部230の差動出力端及び第1バッファ部210の差動入力端は、クロスカップル構造で接続されることが好ましい。すなわち、第2クロック信号CLK90の出力される出力端は、第1バッファ部210の第1NMOSトランジスタNM1のゲートと接続され得、第4クロック信号CLK270の出力される出力端は、第1バッファ部210の第2NMOSトランジスタNM2のゲートと接続される。
【0022】
以下、第1バッファ部及び第2バッファ部210、230の動作を説明する。同様に、第1バッファ部210の動作は第2バッファ部230の動作と類似しているため、第1バッファ部210を中心に説明する。
【0023】
まず、第2クロック信号CLK90が次第に論理「ハイ」になると仮定する。第4クロック信号CLK270は、回路構造上、第2クロック信号CLK90と反対の位相を有するため次第に論理「ロー」となる。
【0024】
第2クロック信号CLK90が次第に論理「ハイ」になることに応じて第2NMOSトランジスタNM2は次第にターンオンされ、第4クロック信号CLK270が次第に論理「ロー」になることに応じて第1NMOSトランジスタが次第にターンオフされる。したがって、第1出力端OUT1は、第2出力端OUT2より相対的に高い電圧レベルを有することとなる。第2出力端OUT2の電圧レベルより相対的に高まった第1出力端OUT1は、第5NMOSトランジスタNM5を次第にターンオンさせて第2出力端OUT2の電圧レベルを次第に低くし、このように電圧レベルが低くなった第2出力端OUT2は、第4NMOSトランジスタNM4を次第にターンオフさせて第1出力端OUT1の電圧レベルを更に高める。すなわち、第1出力端OUT1の少し高い電圧レベルはフィードバックされて自体の電圧レベルを更に高める。言い換えれば、第1フィードバック部214のフィードバック動作を介して第1出力端OUT1の電圧レベルは次第に高まり、第2出力端OUT2の電圧レベルは次第に低くなる。
【0025】
次に、第1バッファ部210の動作を介して生成された論理「ハイ」の第1クロック信号CLK0及び論理「ロー」の第3クロック信号CLK180は第2バッファ部230に入力されて、第2バッファ部230は、第1バッファ部210と同じ動作を介して論理「ロー」の第2クロック信号CLK90及び論理「ハイ」の第4クロック信号CLK270を生成する。
【0026】
次に、第2クロック信号CLK90が次第に論理「ロー」になると仮定する。第4クロック信号CLK270は、回路構造上、第2クロック信号CLK90と反対の位相を有するため次第に論理「ハイ」となる。
【0027】
第2クロック信号CLK90が次第に論理「ロー」になることに応じて第2NMOSトランジスタNM2は次第にターンオフされ、第4クロック信号CLK270が次第に論理「ハイ」になることに応じて第1NMOSトランジスタNM1が次第にターンオンされる。したがって、第1出力端OUT1は、第2出力端OUT2より相対的に低い電圧レベルを有することとなる。第2出力端OUT2の電圧レベルより相対的に低くなった第1出力端OUT1は、第5NMOSトランジスタNM5を次第にターンオフさせて第2出力端OUT2の電圧レベルを次第に高め、このように電圧レベルが高まった第2出力端OUT2は、第4NMOSトランジスタNM4を次第にターンオンさせて第1出力端OUT1の電圧レベルを更に低くする。すなわち、第1出力端OUT1の少し低い電圧レベルは、フィードバックされて自体の電圧レベルを更に低くする。言い換えれば、第1フィードバック部214のフィードバック動作を介して第1出力端OUT1の電圧レベルは次第に低くなり、第2出力端OUT2の電圧レベルは次第に高まる。
【0028】
次に、第1バッファ部210の動作を介して生成された論理「ロー」の第1クロック信号CLK0及び論理「ハイ」の第3クロック信号CLK180は第2バッファ部230に入力され、第2バッファ部230は、第1バッファ部210と同じ動作を介して論理「ハイ」の第2クロック信号CLK90及び論理「ロー」の第4クロック信号CLK270を生成する。
【0029】
結局、第1バッファ部及び第2バッファ部210、230から出力される第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270は、各々予め定められた位相差を有して発振するクロック信号となる。すなわち、第2クロック信号CLK90は第1クロック信号CLK0と90゜の位相差を有し、第3クロック信号CLK180は第2クロック信号CLK90と90゜の位相差を有し、第4クロック信号CLK270は第3クロック信号CLK180と90の゜位相差を有し、第1クロック信号CLK0は第4クロック信号CLK270と90゜の位相差を有して発振するクロック信号になり得る。
【0030】
ここで、第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270は、バイアス電圧V_CMLに対応するスイング幅を有する、すなわちCMLレベルのクロック信号になり得る。既存のリング発振器は、外部の電源電圧VDDから接地電源電圧VSSまでの間のスイング幅を有するCMOSレベルのクロック信号を生成した。しかし、本発明に係るリング発振器は、バイアス電圧V_CMLに対応して、第3NMOSトランジスタNM3に流れる電流に第1抵抗または第2抵抗R1、R2のロード値を乗算した電圧値に対応するスイング幅を有するCMLレベルのクロック信号を生成することができる。すなわち、第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270は、第1バッファ部及び第2バッファ部210、230に印加される外部の電源電圧VDDと接地電源電圧VSSとの電位差より小さいスイング幅を有し得る。結局、本発明に係るリング発振器は、クロスカップル構造を有する第1バッファ部及び第2バッファ部210、230を備えることによって、高速動作時の電力の消費を少なくし、低いジッタ特性を有するCMLレベルの第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270を生成することができる。
【0031】
参考に、第1CMLバッファ部及び第2CMLバッファ部212、232のようなCMLバッファ部を、例えば4個以上備えたリング発振器の場合に発振動作を行うことができるが、2つのCMLバッファ部のみを備える場合は利得(gain)があまりにも小さいことから発振動作ができない。しかし、本発明に係るリング発振器は、第1CMLバッファ部及び第2CMLバッファ部212、232にクロスカップル構造を有する第1フィードバック部及び第2フィードバック部214、234を備えることによって、CMLレベルの予め定められた位相差を有する第1クロック信号ないし第4クロック信号CLK0、CLK90、CLK180、CLK270を生成することができる。
【0032】
一方、DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous DRAM)をはじめとする半導体素子は、外部から印加される外部クロック信号が入力されて内部クロック信号を生成し、この内部クロック信号を使用して内部に備えられた様々な回路を駆動している。最近、半導体素子の高速化及び大容量化をなす方向へと発展することにより、外部クロック信号の周波数はギガヘルツ(GHz)以上の帯域まで高まり、これに対応する内部クロック信号の周波数も高まっている。
【0033】
しかし、外部クロック信号の周波数を高めるには限界があり、これを克服するために最近は、マルチ位相クロック(multi phase clock)を使用している。マルチ位相クロックとは、基準となる基準クロック信号に対応して互いに予め定められた位相差を有する複数の位相クロック信号を指す。半導体素子は、このような複数の位相クロック信号を使用して更に多くのデータを処理することができる。一般に、マルチ位相クロックは、基準クロック信号を基準に0゜、90゜、180゜、270゜の位相差を有する4個の位相クロック信号を意味する。
【0034】
例えば、基準クロック信号の立ち上りエッジ(rising edge)に対応してデータを処理する場合、データ処理率を1と仮定すれば、前述で説明した4個の位相クロック信号を使用してデータを処理する場合、データ処理率は4となる。すなわち、基準クロック信号を使用してデータを処理することに比べて同じ周波数の4個の位相クロック信号を使用してデータを処理することは4倍のデータ処理効率をもたらす。
【0035】
一方、マルチ位相クロックを生成して使用した場合、各々の位相クロック信号は互いに正確な位相差を維持しなければならない。しかし、各々の位相クロック信号は種々の理由により位相差が異なり、したがって、半導体素子内にはこれを補正するためのマルチ位相クロック補正回路を備えることが好ましい。本明細書では、図2のリング発振器を用いたマルチ位相クロック補正回路を提示する。
【0036】
図3は、図2のリング発振器を用いたマルチ位相クロック補正回路を説明するための回路図である。
【0037】
同図を参照すると、マルチ位相クロック補正回路は、リング発振部310と、第1インジェクション入力部ないし第4インジェクション入力部312A、312B、314A、314Bとを備え得る。
【0038】
リング発振部310は、予め定められた電圧レベルを有するバイアス電圧V_CMLが印加され、第1インジェクション入力部ないし第4インジェクション入力部312A、312B、314A、314Bを介して入力される第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270の位相を補正してマルチ位相クロック信号の第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270を生成するためのもので、第1バッファ部及び第2バッファ部312、314を備え得る。リング発振部310の回路構成及び動作説明は、図2で説明した内容と実質的に同じであるため詳説は省略する。
【0039】
第1インジェクション入力部ないし第4インジェクション入力部312A、312B、314A、314Bは、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270が入力されてリング発振部310に注入し得る。ここで、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270は、前述した通り互いに予め定められた位相差を有するクロック信号であり、種々な理由により相互間の位相差が異なり得るクロック信号である。参考に、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270は、外部クロック信号に対応する基準クロック信号を用いて生成することのできるクロック信号であり、これを生成する回路は、本発明に属する技術分野で従事する者にとって自明であるため、具体的な説明は省略する。
【0040】
一方、第1インジェクション入力部及び第2インジェクション入力部312A、312Bは、第1基準位相クロック信号及び第3基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF180が入力されて第1バッファ部312に注入させるためのものである。第1インジェクション入力部312Aは、第1出力端OUT1と第1共通ノードCM1との間にソースドレイン経路が形成され、第1基準位相クロック信号CLK_REF0をゲートで受信する第1NMOSトランジスタNM1を備え得る。第2インジェクション入力部312Bは、第2出力端OUT2と第1共通ノードCM1との間にソースドレイン経路が形成され、第3基準位相クロック信号CLK_REF180をゲートで受信する第2NMOSトランジスタNM2を備え得る。すなわち、第1インジェクション入力部312Aは、第4位相クロック信号CLK_MUL270が入力される入力端に対応して接続され、第1基準位相クロック信号CLK_REF0に応答して注入動作を行う。そして、第2インジェクション入力部312Bは、第2位相クロック信号CLK_MUL90が入力される入力端に対応して接続され、第3基準位相クロック信号CLK_REF180に応答して注入動作を行う。
【0041】
次に、第3インジェクション入力部及び第4インジェクション入力部314A、314Bは、第2基準位相クロック信号及び第4基準位相クロック信号CLK_REF90、CLK_REF270が入力されて第2バッファ部314に注入させるためのもので、第3インジェクション入力部314Aは、第3出力端OUT3と第2共通ノードCM2との間にソースドレイン経路が形成され、第2基準位相クロック信号CLK_REF90をゲートで受信する第3NMOSトランジスタNM3を備え得、第4インジェクション入力部314Bは、第4出力端OUT4と第2共通ノードCM2との間にソースドレイン経路が形成され、第4基準位相クロック信号CLK_REF270をゲートで受信する第4NMOSトランジスタNM4を備え得る。すなわち、第3インジェクション入力部314Aは、第1位相クロック信号CLK_MUL180が入力される入力端に対応して接続され、第2基準位相クロック信号CLK_REF90に応答して注入動作を行う。そして、第4インジェクション入力部314Bは、第3位相クロック信号CLK_MUL180が入力される入力端に対応して接続され、第4基準位相クロック信号CLK_REF270に応答して注入動作を行う。
【0042】
したがって、第1NMOSトランジスタないし第4NMOSトランジスタNM1、NM2、NM3、NM4は、各々入力される第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270に応答してターンオン及びターンオフ動作を繰り返し行い得る。次に、第1NMOSトランジスタないし第4NMOSトランジスタNM1、NM2、NM3、NM4のターンオン及びターンオフ動作を介して第1バッファ部及び第2バッファ部312、314は、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270が注入され得る。
【0043】
一方、本発明に係るマルチ位相クロック補正回路は、相互間の位相差が異なり得る第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270が入力され、希望の位相差を有する第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270を生成し得る。ここで、第1位相クロック信号CLK_MUL0は、第1基準位相クロック信号CLK_REF0に対応する信号であり、第2位相クロック信号CLK_MUL90は、第2基準位相クロック信号CLK_REF90に対応する信号であり、第3位相クロック信号CLK_MUL180は、第3基準位相クロック信号CLK_REF180に対応する信号であり、第4位相クロック信号CLK_MUL270は、第4基準位相クロック信号CLK_REF270に対応する信号である。
【0044】
言い換えれば、第1基準位相クロック信号CLK_REF0を基準に第2基準位相クロック信号CLK_REF90は90゜だけの位相差を有し、第3基準位相クロック信号CLK_REF180は180゜だけの位相差を有し、第4基準位相クロック信号CLK_REF270は270゜だけの位相差を有するべきであるが、その位相差が異なり得る。本発明に係るマルチ位相クロック補正回路は、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270が入力され、第1位相クロック信号CLK_MUL0を基準に正確に90゜だけの位相差を有する第2位相クロック信号CLK_MUL90と、正確に180゜だけの位相差を有する第3位相クロック信号CLK_MUL180と、正確に270゜だけの位相差を有する第4位相クロック信号CLK_MUL270とを生成し得る。
【0045】
一方、このように生成される第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270は、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270と同じ周波数を有することが好ましい。これと関連して、リング発振器310の動作特性について詳説する。
【0046】
リング発振器310は、電源が印加されると自由発振周波数(free running frequency)で発振される。すなわち、リング発振器310から出力される第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270は、互いに予め定められた位相差を有し得る。しかし、予め定められた周波数でない自由発振周波数を有することとなる。したがって、本発明では、リング発振器310が第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270と同じ周波数を有する第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270を出力できるようインジェクションロック(injection locking)方式を使用した。インジェクションロック方式は、例えば、マスタ発振器から出力される発振信号をスレーブ(slave)発振器に注入する方法であって、スレーブ発振器から出力される発振信号は、マスタ発振器から出力される発振信号に同期化される。以下、かかる現象を「インジェクションロック」と称する。
【0047】
これを図3と比べて詳説すると、マスタ発振器から出力される発振信号は、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270となり、スレーブ発振器から出力される発振信号は、第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270となる。したがって、本発明に係るマルチ位相クロック補正回路は、リング発振器310が自由発振周波数を有する第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270を生成しても、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270をリング発振器310に注入することによって、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270に同期化された第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270を生成することができる。すなわち、リング発振器310に第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270を注入すると、リング発振器310は、インジェクションロックされて自由発振周波数でない第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270に対応する周波数で発振し、結局、希望の周波数及び予め定められた位相差を有する第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270を生成することができる。
【0048】
ここで、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270が予め定められた位相差と異なるよう入力されても、リング発振器310のインジェクションロックによって第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270は自由発振周波数でない、入力される第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270の周波数に対応して発振し得る。一方、図3に示すマルチ位相クロック補正回路は、下記のように異なるよう区分され得る。言い換えれば、マルチ位相クロック補正回路は、第1マルチ位相クロック信号生成部312、312A、312B及び第2マルチ位相クロック信号生成部314、314A、314Bを備え得る。
【0049】
第1マルチ位相クロック信号生成部312、312A、312Bはクロスカップル構造を有し、第1基準位相クロック信号及び第2基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF180が差動によって印加され、これに対応する第1位相クロック信号及び第3位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL180を生成するためのものであって、バイアス電圧V_CMLが印加され、これに対応するスイング幅を有する第1位相クロック信号及び第3位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL180を出力することができる。ここで、第1マルチ位相クロック信号生成部312、312A、312Bは、前述で説明した第1バッファ部312と、第1インジェクション入力部及び第2インジェクション入力部312A、312Bとを備える。
【0050】
第2マルチ位相クロック信号生成部314、314A、314Bはクロスカップル構造を有し、第2基準位相クロック信号及び第4基準位相クロック信号CLK_REF90、CLK_REF270が差動によって印加され、これに対応する第2位相クロック信号及び第4位相クロック信号CLK_MUL90、CLK_MUL270を生成するためのものであって、バイアス電圧V_CMLが印加され、これに対応するスイング幅を有する第2位相クロック信号及び第4位相クロック信号CLK_MUL90、CLK_MUL270を出力することができる。ここで、第2マルチ位相クロック信号生成部314、314A、314Bは、前述で説明した第2バッファ部314と、第3インジェクション入力部及び第4インジェクション入力部314A、314Bとを備え得る。
【0051】
図4は、図3のマルチ位相クロックにおける補正回路の動作波形を説明するためのシミュレーションである。
【0052】
同図には、1GHzの周波数を有する第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270と、本発明に係るマルチ位相クロック補正回路で生成される第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270が図示されている。仮に、第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270が理想的である場合、各々は500psec(ピコ秒)だけの位相差を有するべきである。しかし、図面にて分かるように、第1基準位相クロック信号CLK_REF0及び第2基準位相クロック信号CLK_REF90は217PSECだけの位相差を有し、第2基準位相クロック信号CLK_REF90及び第3基準位相クロック信号CLK_REF180は283PSECだけの位相差を有する。すなわち、±33PSECだけの位相誤差が発生する。
【0053】
しかし、本発明に係るマルチ位相クロック補正回路は、このような第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号CLK_REF0、CLK_REF90、CLK_REF180、CLK_REF270が入力されて補正し、互いにほぼ完壁な位相差を有する第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号CLK_MUL0、CLK_MUL90、CLK_MUL180、CLK_MUL270を生成することができる。図面から分かるように、第1位相クロック信号CLK_MUL0及び第2位相クロック信号CLK_MUL90は248PSECだけの位相差を有し、第2位相クロック信号CLK_MUL90及び第3位相クロック信号CLK_MUL180は252PSECだけの位相差を有する。すなわち、±2PSECだけの位相誤差が発生する。
【0054】
前述したように、本発明に係るマルチ位相クロック補正回路は、基準位相クロック信号をリング発振器に注入して基準位相クロック信号の位相を補正したマルチ位相クロック信号を生成することができる。このように生成されたマルチ位相クロック信号は互いに予め定められた位相差を有し、基準位相クロック信号に対応する周波数を有し得ることから、これを使用する回路の信頼性が高められる。
【0055】
本発明の技術思想は、前記好ましい実施形態によって具体的に記述されたが、以上で説明した実施形態はその説明のためのものであって、その制限のためのものでないことを注意すべきである。また、本発明の技術分野における通常の専門家ならば、本発明の技術思想の範囲内で種々の置換、変形、及び変更により多様な実施形態が可能であることを理解することができるであろう。
【0056】
例えば、前述した実施形態のマルチ位相クロック補正回路は、複数の基準位相クロック信号が入力され、希望の周波数及び予め定められた位相差を有するマルチ位相クロック信号を生成する場合の一例をげて説明したが、本発明は1つの基準位相クロック信号が入力されてマルチ位相クロック信号を生成する場合にも適用され得る。この場合、残りの基準位相クロック信号が入力されるインジェクション入力部は省略してもよいが、回路の対称性を考慮すると省略せずに該当するマルチ位相クロック信号を入力するよう設計することが好ましい。
【0057】
また、前述した実施形態のマルチ位相クロック補正回路は、クロスカップル構造を有する2つのCMLバッファを使用する場合を一例としてあげて説明したが、一般的なCMLバッファを複数個備えて基準位相クロック信号を注入する場合にも適用され得る。
【0058】
前述した実施形態で例示した論理ゲート及びトランジスタは、入力する信号の極性によってその位置及び種類が相違に具現されるべきである。
【符号の説明】
【0059】
210 第1バッファ部
230 第2バッファ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれクロスカップル構造を有し、予め定められた電圧レベルのバイアス電圧が印加されて複数のクロック信号を生成するための複数のバッファ手段を備え、
前記複数のクロック信号は、前記バイアス電圧に対応するスイング幅を有することを特徴とするリング発振器。
【請求項2】
前記複数のクロック信号のスイング幅は、前記複数のバッファ手段に印加される電源電圧の電位差より小さいことを特徴とする請求項1に記載のリング発振器。
【請求項3】
前記複数のクロック信号は、第1クロック信号ないし第4クロック信号を含み、
前記複数のバッファ手段は、
前記第2クロック信号及び第4クロック信号をバッファして前記第1クロック信号及び第3クロック信号を生成する第1バッファ部と、
前記第1クロック信号及び第3クロック信号をバッファして前記第2クロック信号及び第4クロック信号を生成する第2バッファ部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のリング発振器。
【請求項4】
前記第2バッファ部の差動出力端と前記第1バッファ部の差動入力端とが、クロスカップル構造で接続されることを特徴とする請求項3に記載のリング発振器。
【請求項5】
前記第1バッファ部及び第2バッファ部の各々は、
該当するクロック信号を差動入力し、該当する出力信号を差動出力するCMLバッファ部と、
該CMLバッファ部の差動出力端にフィードバック動作を行うフィードバック部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のリング発振器。
【請求項6】
前記CMLバッファ部は、
前記該当のクロック信号を差動入力する差動入力部と、
第1電源電圧端と前記差動入力部との間に接続されたロード部と、
前記差動入力部と第2電源電圧端との間に接続され、前記バイアス電圧に対応する電流をシンクさせるためのシンク部と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載のリング発振器。
【請求項7】
前記フィードバック部は、前記差動入力部に対応してクロスカップル接続され、前記CMLバッファ部の出力信号に制御されて動作することを特徴とする請求項6に記載のリング発振器。
【請求項8】
基準位相クロック信号が入力されるための入力手段と、
予め定められた電圧レベルのバイアス電圧が印加され、前記入力手段を介して入力される信号の位相を補正してマルチ位相クロック信号を生成する発振手段と、
を備え、
前記マルチ位相クロック信号は、前記バイアス電圧に対応するスイング幅を有することを特徴とするマルチ位相クロック補正回路。
【請求項9】
前記発振手段は、各々クロスカップル構造を有する複数のバッファ部を備えることを特徴とする請求項8に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項10】
前記マルチ位相クロック信号のスイング幅は、前記発振手段に印加される電源電圧の電位差より小さいことを特徴とする請求項8に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項11】
前記マルチ位相クロック信号が、第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号を含み、
前記複数のバッファ手段は、
前記第2位相クロック信号及び第4位相クロック信号をバッファして前記第1位相クロック信号及び第3位相クロック信号を生成する第1バッファ部と、
前記第1位相クロック信号及び第3位相クロック信号をバッファして前記第2位相クロック信号及び第4位相クロック信号を生成する第2バッファ部と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項12】
前記第2バッファ部の差動出力端と前記第1バッファ部の差動入力端とが、クロスカップル構造で接続されることを特徴とする請求項11に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項13】
前記第1バッファ部及び第2バッファ部の各々は、
該当する位相クロック信号を差動入力し、該当する出力信号を差動出力するCMLバッファ部と、
該CMLバッファ部の差動出力端にフィードバック動作を行うフィードバック部と、
を備えることを特徴とする請求項11に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項14】
前記CMLバッファ部は、
前記該当する位相クロック信号を差動入力するための差動入力部と、
第1電源電圧端と前記差動入力部との間に接続されたロード部と、
前記差動入力部と第2電源電圧端との間に接続され、前記バイアス電圧に対応する電流をシンクさせるためのシンク部と、
を備えることを特徴とする請求項13に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項15】
前記フィードバック部は、前記差動入力部に対応してクロスカップル接続され、前記CMLバッファ部の出力信号に制御されて動作することを特徴とする請求項13に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項16】
前記入力手段は、前記差動入力部に対応して接続され、前記基準位相クロック信号を前記発振手段に注入することを特徴とする請求項14に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項17】
クロスカップル構造を有し、第1基準位相クロック信号及び第3基準位相クロック信号が差動入力されて第2位相クロック信号及び第4位相クロック信号が印加され、これに対応する第1位相クロック信号及び第3位相クロック信号を生成する第1マルチ位相クロック信号生成手段と、
クロスカップル構造を有し、第2基準位相クロック信号及び第4基準位相クロック信号が差動入力されて前記第1位相クロック信号及び第3位相クロック信号が印加され、これに対応する前記第2位相クロック信号及び第4位相クロック信号を生成する第2マルチ位相クロック信号生成手段と、
を含み、
前記第1マルチ位相クロック信号生成手段及び第2マルチ位相クロック信号生成手段は、それぞれバイアス電圧が印加され、
前記第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号は、前記バイアス電圧に対応するスイング幅を有することを特徴とするマルチ位相クロック補正回路。
【請求項18】
前記第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号のスイング幅は、前記第1バッファ手段及び第2バッファ手段に印加される電源電圧の電位差より小さいことを特徴とする請求項17に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項19】
前記第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号は、互いに予め定められた位相差を有することを特徴とする請求項17に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項20】
前記第1位相クロック信号ないし第4位相クロック信号は、それぞれ対応する前記第1基準位相クロック信号ないし第4基準位相クロック信号に対応する周波数を有することを特徴とする請求項17に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項21】
前記第1マルチ位相クロック信号生成手段は、
前記第2位相クロック信号及び第4位相クロック信号が入力されてバッファし、前記第1位相クロック信号及び第3位相クロック信号を生成する第1バッファ部と、
前記第1基準位相クロック信号及び第3基準位相クロック信号が入力され、前記第1バッファ部に注入させる第1インジェクション入力部及び第2インジェクション入力部と、
を備えることを特徴とする請求項20に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項22】
前記第1インジェクション入力部及び第2インジェクション入力部の各々は、該当する位相クロック信号が入力される前記第1バッファ部の入力端に対応して接続され、該当する基準位相クロック信号に応答して動作を行うことを特徴とする請求項21に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項23】
前記第2マルチ位相クロック信号生成手段は、
前記第1位相クロック信号及び第2位相クロック信号が入力されてバッファし、前記第2位相クロック信号及び第4位相クロック信号を生成する第2バッファ部と、
前記第2基準位相クロック信号及び第4基準位相クロック信号が入力され、前記第2バッファ部に注入させる第3インジェクション入力部及び第4インジェクション入力部と、
を備えることを特徴とする請求項20に記載のマルチ位相クロック補正回路。
【請求項24】
前記第3インジェクション入力部及び第4インジェクション入力部の各々は、該当する位相クロック信号が入力される前記第2バッファ部の入力端に対応して接続され、該当する基準位相クロック信号に応答して動作を行うことを特徴とする請求項23に記載のマルチ位相クロック補正回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−16810(P2010−16810A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146180(P2009−146180)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】