説明

レジストカバー膜形成材料、レジストパターンの形成方法、電子デバイス及びその製造方法

【課題】液浸露光用のArFレーザ光等に対する透過率が高いレジストカバー膜形成材料。
【解決手段】レジスト膜に対して液浸露光を行う際に該レジスト膜をカバーするレジストカバー膜を形成するのに用いられ、アルカリ可溶性基を有し一般式(1)〜(3)で表されるケイ素含有ポリマーから選択される少なくとも1つとを含むレジストカバー膜形成材料。






一般式(1)〜(3)中、R、R、R及びR〜Rの少なくともいずれかはアルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、R、R及びRは一価の有機基、トリオルガノシリル基及び水酸基の少なくともいずれかを表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置の投影レンズとウエハとの間に屈折率nが1(空気の屈折率)よりも大きい媒質(液体)を満たすことにより解像度の向上を実現する液浸露光技術において、前記液体からレジスト膜を保護する液浸露光用のレジストカバー膜に好適に使用可能であり、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光に対する透過率が高いレジストカバー膜形成材料、それを用いたレジストパターンの形成方法、並びに、電子デバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路の高集積化が進み、それに伴って最小パターンのサイズは100nm以下の領域にまで及んでいる。従来より、微細パターンの形成には、薄膜を形成した被加工基板上をレジスト膜で被覆し、選択露光を行った後、現像することによりレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行い、その後前記レジストパターンを除去することにより所望のパターンを得る方法などが用いられている。
パターンの微細化を図るためには、露光光源の短波長化と、該光源の特性に応じた高解像度を有するレジスト材料の開発とが要求される。しかし、前記露光光源の短波長化の実現を目的とした露光装置の改良には莫大なコストがかかるという問題があり、近年、従来より使用されてきたKrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザ光(波長248nm)に代わる次世代の露光光としてArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザ光(波長193nm)の実用化が進み、ArFエキシマレーザ露光装置が市販され始めているものの、未だ非常に高価である。また、前記短波長露光に対応したレジスト材料の開発も容易ではなく、未だ短波長露光に効果的なレジスト材料は提案されていない。このため、これまでのレジストパターンの形成方法では、パターンの微細化を実現することは困難であった。
【0003】
そこで、最新の露光技術として、液浸露光法が注目されている。該液浸露光法によれば、ステッパーの投影レンズとウエハとの間に屈折率nが1(空気の屈折率)よりも大きい媒質(液体)で満たすことにより、解像度の向上を実現することができる。通常、前記ステッパーの解像度は、次式、解像度=k(係数)×λ(光源波長)/NA(開口数)、により表され、光源波長λが短く、投影レンズの開口数NAが大きいほど、高い解像度が得られる。ここで、NAは、次式、NA=n×sinα、で表され、nは露光光が通過する媒質の屈折率であり、αは露光光が形成する角度である。従来のパターン形成方法における露光は大気中で行われるため、屈折率nは1であるが、前記液浸露光法では、前記投影レンズと前記ウエハとの間に屈折率nが1より大きい液体を使用する。したがって、前記開口数NAの式において、nを拡大することとなり、同一の露光光の入射角αでは、最小解像寸法を1/nに縮小させることができる。また、同一の開口数NAでは、αを小さくさせることができ、焦点深度をn倍に拡大させることができるという利点がある。
【0004】
このような、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する液体を使用した液浸技術は、顕微鏡の分野では既存の技術であったが、微細加工技術への応用としては、レンズとウエハとの間に該レンズの屈折率と略等しいか、あるいは前記レンズの屈折率よりやや小さい屈折率の液体を介在させて露光する露光装置(特許文献1参照)が提案されている程度であり、実用化の検討が始められたのは、ここ数年である。このため、液浸露光装置及びこれに用いるレジスト材料に関する不具合も徐々に明らかになってきている段階である。
【0005】
前記不具合としては、前記投影レンズと前記ウエハとの間に満たす液体(例えば、水)にレジスト膜が曝されることにより、露光の際に該レジスト膜中に発生する酸成分が水中に染み出してレジストの感度を低下させることが挙げられる。また、前記レジスト膜中に水が浸透した状態にて、エキシマレーザ光を照射した場合、何らかの化学反応が起こり、レジスト本来の性能が損なわれたり、脱ガスにより露光装置の前記投影レンズ等を汚すことが挙げられる。該レンズの汚れは、露光不良を生じ解像度を低下させるという問題がある。
これらの不具合を防止するために、前記レジスト膜の上面にレジストカバー膜を形成する方法が検討されているものの、前記レジスト膜を溶解させることなく、かつ前記レジスト膜とミキシングさせることなくレジストカバー膜を塗布形成することは困難である。また、波長が193nmの前記ArFエキシマレーザ光や、該ArFエキシマレーザ光よりも更に短波長(157nm)のFエキシマレーザ光では、通常の有機物を透過しないため、レジストカバー膜に使用可能な材料の選択の幅は極めて狭く、レジストカバー膜に使用可能な材料を選択することができても、現像に通常使用されるアルカリ現像液に溶解しないため、現像前にレジストカバー膜専用の剥離剤を用いてレジストカバー膜を除去しなければならない。
【0006】
したがって、レジスト膜を溶解させることなく形成することができ、かつ前記レジスト膜を高屈折率の前記液体から有効に保護して元来のレジストパフォーマンスを損わず、前記ArFエキシマレーザ光や前記Fエキシマレーザ光に対する透過率が高く、更には容易に除去することができる液浸露光用のレジストカバー膜に使用可能な材料、及びこれを用いた関連技術は開発されていないのが現状であり、かかる技術の開発が望まれている。
【0007】
【特許文献1】特開昭62−065326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、露光装置の投影レンズとウエハとの間に屈折率nが1(空気の屈折率)よりも大きい媒質(液体)を満たすことにより解像度の向上を実現する液浸露光技術において、前記液体からレジスト膜を保護する液浸露光用のレジストカバー膜に好適に使用可能であり、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光に対する透過率が高いレジストカバー膜形成材料を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記レジスト膜を前記液体から有効に保護して、前記レジスト膜の機能を損なわず、液浸露光により高精細に露光を行うことができ、微細かつ高精細なレジストパターンを簡便かつ効率的に形成することができるレジストパターンの形成方法を提供することを目的とする。
また、本発明によると、前記レジスト膜の機能を損なわず、液浸露光により微細かつ高精細なレジストパターンを形成可能であり、該レジストパターンを用いて形成した微細な配線パターンを有する高性能な電子デバイスを効率的に量産可能な電子デバイスの製造方法、及び該電子デバイスの製造方法により製造され、微細な配線パターンを有し、高性能な半導体装置等の電子デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、以下の知見を得た。即ち、液浸露光技術において、レジストカバー膜形成材料として、アルカリ可溶性基を有するケイ素含有ポリマーと、該ケイ素含有ポリマーを溶解可能な有機溶剤とを少なくとも含む組成物を用いると、レジスト膜を溶解させることなくレジスト膜上に形成することができ、かつ前記レジスト膜を投影レンズとウエハとの間に満たされる高屈折率液体から有効に保護して、元来のレジストパフォーマンスを損なわず、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光に対する透過率が高く、更には容易に除去することができるレジストカバー膜が得られるという知見である。
【0010】
本発明は、本発明者の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、後述の(付記1)から(付記17)に記載の通りである。即ち、
本発明のレジストカバー膜形成材料は、レジスト膜に対して液浸露光を行う際に該レジスト膜をカバーするレジストカバー膜を形成するのに用いられ、アルカリ可溶性基を少なくとも有し下記一般式(1)から(3)で表されるケイ素含有ポリマーから選択される少なくとも1つと、該ケイ素含有ポリマーを溶解可能な有機溶剤とを少なくとも含む。このため、該レジストカバー膜形成材料を用いて形成したレジストカバー膜においては、レジスト膜を、投影レンズとウエハとの間に満たされる高屈折率液体から有効に保護して、元来のレジストパフォーマンスを損なわず、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光に対する透過率が高く、更には容易に除去することができる。
【0011】
【化4】

ただし、前記一般式(1)中、Rはアルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。a、b及びcは比を表し、それぞれa>0、b>0、c≧0である。
【0012】
【化5】

ただし、前記一般式(2)中、R及びRの少なくともいずれかは、アルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。d、e及びfは比を表し、それぞれd>0、e≧0、f≧0である。
【0013】
【化6】

ただし、前記一般式(3)中、R、R及びRの少なくともいずれかは、アルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。g、h及びiは比を表し、それぞれg>0、h≧0、i≧0である。
【0014】
本発明のレジストパターンの形成方法は、被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に本発明の前記レジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射し、現像することを特徴とする。
該レジストパターンの形成方法においては、前記被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に本発明の前記レジストカバー膜形成材料を用いた前記レジストカバー膜が形成される。該レジストカバー膜は、本発明の前記レジストカバー膜形成材料により形成されるので、前記レジスト膜を溶解することなく該レジスト膜上に形成される。該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して前記液浸露光により露光光が照射されて露光される。前記レジストカバー膜は、前記レジストカバー膜形成材料で形成されているので、前記レジスト膜が投影レンズとウエハとの間に満たされる高屈折率液体から有効に保護され、元来のレジストパフォーマンスが損なわれない。また、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光に対する透過率が高いので、高精細に前記露光が行われる。その後現像される。前記レジストカバー膜形成材料による前記レジストカバー膜は、前記現像で用いられる通常の現像液で容易に除去可能であるため、前記現像の際に前記レジスト膜と同時に除去される。その結果、簡便かつ効率よくレジストパターンが形成される。このようにして得られたレジストパターンは、前記レジスト膜の機能を損なわず、高精細に露光が行われるため、微細かつ高精細である。
【0015】
本発明の電子デバイスの製造方法は、被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に本発明の前記レジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射し、現像することによりレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、該レジストパターンをマスクとしてエッチングにより前記被加工基板をパターニングするパターニング工程とを含むことを特徴とする。
該電子デバイスの製造方法では、まず、前記レジストパターン形成工程において、配線パターン等のパターンを形成する対象である前記被加工表面上に前記レジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に本発明の前記レジストカバー膜形成材料を用いたレジストカバー膜が形成される。該レジストカバー膜は、本発明の前記レジストカバー膜形成材料により形成されるので、前記レジスト膜を溶解することなく該レジスト膜上に形成される。該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して前記液浸露光により露光光が照射されて露光される。前記レジストカバー膜は、前記レジストカバー膜形成材料で形成されているので、前記レジスト膜を投影レンズとウエハとの間に満たされる高屈折率液体から有効に保護して元来のレジストパフォーマンスをが損なわれることを抑制する。また、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光に対する透過率が高いので、高精細に前記露光が行われる。その後現像される。前記レジストカバー膜形成材料による前記レジストカバー膜は、前記現像で用いられる通常の現像液で容易に除去可能であるため、前記現像の際に前記レジスト膜と同時に除去される。その結果、簡便かつ効率よくレジストパターンが高精細に形成される。
次に、前記パターニング工程においては、前記レジストパターン形成工程において形成したレジストパターンを用いてエッチングを行うことにより、前記被加工表面が微細かつ高精細にしかも寸法精度よくパターニングされ、極めて微細かつ高精細で、しかも寸法精度に優れた配線パターン等のパターンを有する高品質かつ高性能な半導体装置等の電子デバイスが効率よく製造される。
本発明の電子デバイスは、本発明の前記電子デバイスの製造方法により製造されることを特徴とする。該電子デバイスは、極めて微細かつ高精細で、しかも寸法精度に優れた配線パターン等のパターンを有し、高品質かつ高性能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、従来における問題を解決することができ、前記目的を達成することができる。
また、本発明によると、露光装置の投影レンズとウエハとの間に屈折率nが1(空気の屈折率)よりも大きい媒質(液体)を満たすことにより解像度の向上を実現する液浸露光技術において、前記液体からレジスト膜を保護する液浸露光用のレジストカバー膜に好適に使用可能であり、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光に対する透過率が高いレジストカバー膜形成材料を提供することができる。
また、本発明によると、前記レジスト膜を前記液体から有効に保護して、前記レジスト膜の機能を損なわず、液浸露光により高精細に露光を行うことができ、微細かつ高精細なレジストパターンを簡便かつ効率的に形成することができるレジストパターンの形成方法を提供することができる。
また、本発明によると、前記レジスト膜の機能を損なわず、液浸露光により微細かつ高精細なレジストパターンを形成可能であり、該レジストパターンを用いて形成した微細な配線パターンを有する高性能な電子デバイスを効率的に量産可能な電子デバイスの製造方法、及び該電子デバイスの製造方法により製造され、微細な配線パターンを有し、高性能な半導体装置等の電子デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(レジストカバー膜形成材料)
本発明のレジストカバー膜形成材料は、アルカリ可溶性基を少なくとも有するケイ素含有ポリマーと、有機溶剤とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択した、その他の成分などを含有してなる。
【0018】
前記レジストカバー膜形成材料としては、アルカリ可溶性であり、アルカリ現像液に対する溶解性が高い限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、25℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液に対する溶解速度が、10〜1,000nm/secであるのが好ましく、50〜500nm/secであるのがより好ましい。前記レジストカバー膜形成材料がアルカリ可溶性であると、現像時に、レジスト膜と共にアルカリ現像液に溶解させて容易に除去することができる。
前記溶解速度の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザ光の干渉を利用したDRM(Dissoution Rate Monitor)法、水晶振動子により質量変化を周波数変化で測定する方法を利用したQCM(Quartz Crystal Microbalance)法、などが挙げられる。これらの中でも、前記レジストカバー膜形成材料が非常に高い溶解性を示すことから、より高精度測定が可能なQCM法が好ましい。
【0019】
−ケイ素含有ポリマー−
前記ケイ素含有ポリマーとしては、アルカリ可溶性基を少なくとも有し、かつケイ素を含有し、下記一般式(1)から(3)で表されるポリマーから選択される少なくとも1つであることが必要である。ケイ素を主骨格構造とすることにより、193nmの波長を有するArFエキシマレーザ光や、157nmの波長を有するFエキシマレーザ光に対する吸収性が、一般的な有機物と比較して小さくなるため、レジスト膜上に形成して露光した場合でも、これらのレーザ光を透過してレジストパターンの形成を行うことができる。また、ケイ素含有ポリマーは本来疎水性の高いポリマーであり、一般的な有機物と比較して水の浸透性は極めて小さいが、これに親水性を付与した本発明のレジストカバー膜形成材料における前記ケイ素含有ポリマーは、強アルカリ性であるレジスト現像液には溶解するが、水に対する浸透性は低く、したがってレジスト膜からの酸等の溶出や、液体のレジスト膜への浸透による副反応を防ぐレジストカバー膜に好適に使用可能である。
【0020】
【化7】

ただし、前記一般式(1)中、Rはアルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。a、b及びcは比を表し、それぞれa>0、b>0、c≧0である。
【0021】
【化8】

ただし、前記一般式(2)中、R及びRの少なくともいずれかは、アルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。d、e及びfは比を表し、それぞれd>0、e≧0、f≧0である。
【0022】
【化9】

ただし、前記一般式(3)中、R、R及びRの少なくともいずれかは、アルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。g、h及びiは比を表し、それぞれg>0、h≧0、i≧0である。
【0023】
前記アルカリ可溶性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボン酸含有基、スルホン酸含有基、フェノール含有基、ヘキサフルオロカルビノール含有基等を含有する基が挙げられる。これらの中でも、ArFレーザ光に対応可能なレジスト材料に用いられるアクリル系ポリマーが有するアルカリ可溶性基と同一であり、アルカリ現像液を用いた現像時に、剥離や現像残等を生ずることなく均一に溶解し、前記レジスト膜と共に除去可能な点で、カルボン酸含有基が好ましい。
前記カルボン酸含有基としては、構造の一部にカルボキシル基を含むものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ケイ素含有ポリマーの合成が容易で、アルカリ溶解特性に優れる点で、下記一般式(4)で表される基であるのが好ましい。
【0024】
【化10】

ただし、前記一般式(4)中、mは、次式、0≦m≦5、を充たし、1<m≦3であるのが好ましい。
【0025】
前記一般式(1)から(3)中、R、R、及びRで表される一価の有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、3級ブチル、シクロブチル、ペンチル、イソペンチル、シクロペンチル等の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、あるいは環状であって、置換又は非置換のアルキル基などが挙げられる。
また、前記トリオルガノシリル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル、エチル等の炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、あるいは環状のアルキル基を有するシリル基が挙げられる。
これらの中でも、前記一価の有機基及び前記トリオルガノシリル基としては、炭素数1〜3の分岐していない直鎖状のアルキル基を有するのが好ましい。
前記一般式(1)から(3)中、R、R、R、及びR〜Rで表されるアルカリ可溶性基を有する一価の有機基、又はアルカリ可溶性基を有するトリオルガノシリル基としては、前記一価の有機基又は前記トリオルガノシリル基であって、置換基として前記アルカリ可溶性基から選択される少なくとも1種を有するものが挙げられる。
前記ケイ素含有ポリマーの好ましい態様としては、下記一般式(5)から(9)で表される、カルボン酸を有するケイ素含有ポリマーが挙げられる。
【0026】
【化11】

ただし、前記一般式(5)中、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。a、b及びcは比を表し、それぞれa>0、b>0、c≧0である。mは、次式、1<m≦3、を充たす。
【0027】
【化12】

ただし、前記一般式(6)中、R及びRは、一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。d、e及びfは比を表し、それぞれd>0、e≧0、f≧0である。mは、次式、1<m≦3、を充たす。
【0028】
【化13】

ただし、前記一般式(7)中、R及びRは、一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。d、e及びfは比を表し、それぞれd>0、e≧0、f≧0である。mは、次式、1<m≦3、を充たす。
【0029】
【化14】

ただし、前記一般式(8)中、R、R及びRは、一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。g、h及びiは比を表し、それぞれg>0、h≧0、i≧0である。mは、次式、1<m≦3、を充たす。
【0030】
【化15】

ただし、前記一般式(9)中、R、R及びRは、一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。g、h及びiは比を表し、それぞれg>0、h≧0、i≧0である。mは、次式、1<m≦3、を充たす。
【0031】
前記一般式(5)から(9)中、R〜Rで表される一価の有機基としては、炭素数1〜5のアルキル基であるのが好ましく、トリオルガノシリル基としては、炭素数1〜5のアルキル基を有するトリアルキルシリル基であるのが好ましい。前記アルキル基の炭素数が6以上であると、前記ケイ素含有ポリマーのガラス転移温度(Tg)が低くなり、レジストカバー膜を形成することができなくなることがある。
【0032】
前記アルカリ可溶性基を少なくとも有するケイ素含有ポリマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリスチレン換算で、1,000〜1,000,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましい。
前記重量平均分子量が1,000未満であると、耐熱性が低下することがあり、1,000,000を超えると、塗布性が低下することがある。
前記重量平均分子量は、例えば、分子サイズの差に基づいて分離を行う、液体クロマトグラフィー技術の一種であるGPC(Gel Permeation Chromatography)法により測定することができる。
【0033】
前記アルカリ可溶性基を少なくとも有するケイ素含有ポリマーの前記レジストカバー膜形成材料における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜20質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、ピンホール等が生じるなど、成膜性に劣ることがあり、20質量%を超えると、光源光の透過率の損失が大きくなり、レジストの解像性が低下することがある。
【0034】
−有機溶剤−
前記有機溶剤としては、前記ケイ素含有ポリマーを溶解可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、レジスト膜を溶解させないものが好ましく、例えば、炭素数3以上の脂肪族アルカノールが好ましく、炭素数4以上の脂肪族アルカノールがより好ましい。前記炭素数が2以下であると、前記ケイ素含有ポリマーの溶解性が低下することがある。
前記炭素数3以上の脂肪族アルカノールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどが好適に挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の前記レジストカバー膜形成材料における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0035】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の各種添加剤が挙げられ、例えば、塗布性の向上を目的とした場合には、界面活性剤を添加することができる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、金属イオンを含有しない点で非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0036】
前記非イオン性界面活性剤としては、アルコキシレート系界面活性剤、脂肪酸エステル系界面活性剤、アミド系界面活性剤、アルコール系界面活性剤、及びエチレンジアミン系界面活性剤から選択されるものが好適に挙げられる。なお、これらの具体例としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物化合物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレン誘導体化合物、ソルビタン脂肪酸エステル化合物、グリセリン脂肪酸エステル化合物、第1級アルコールエトキシレート化合物、フェノールエトキシレート化合物、ノニルフェノールエトキシレート系、オクチルフェノールエトキシレート系、ラウリルアルコールエトキシレート系、オレイルアルコールエトキシレート系、脂肪酸エステル系、アミド系、天然アルコール系、エチレンジアミン系、第2級アルコールエトキシレート系、などが挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルカチオン系界面活性剤、アミド型4級カチオン系界面活性剤、エステル型4級カチオン系界面活性剤などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミンオキサイド系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤などが挙げられる。
前記界面活性剤の前記レジストカバー膜形成材料における含有量としては、前記アルカリ可溶性基を少なくとも有するケイ素含有ポリマー、前記有機溶剤等の種類や含有量などに応じて適宜決定することができる。
【0037】
−使用など−
本発明のレジストカバー膜形成材料は、レジスト膜上に塗布して使用するのが好ましく、該塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法が挙げられる。
前記レジストカバー膜形成材料がレジスト膜上に塗布されると、該レジスト膜上にカバー膜が形成される。このとき、前記レジストカバー膜形成材料が、前記ケイ素含有ポリマーと共に、該ケイ素含有ポリマーを溶解可能な有機溶剤を含むので、前記レジスト膜を溶解させることなく、前記カバー膜の形成を行うことができる。また、前記ケイ素含有ポリマーは、193nmの波長を有するArFエキシマレーザ光や、157nmの波長を有するFエキシマレーザ光に対する吸収性が、一般的な有機物に比べて小さいケイ素を主骨格構造としたポリマーであるため、前記レジスト膜上に塗布して露光した場合にも、レジストパターンを形成することができる。更に前記ケイ素含有ポリマーは、前記アルカリ可溶性基を少なくとも有するので、アルカリ現像液に溶解可能であり、現像時に前記レジスト膜と共に溶解させて容易に除去することができる。
【0038】
また、レジストカバー膜の露光光透過率としては、例えば、厚みが100nmのときに、例えば、30%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。前記露光光透過率が30%未満であると、露光光透過率が小さいため、レジスト膜に対して高精細に露光を行うことができず、微細かつ高精細なレジストパターンが得られないことがある。
前記露光光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、Fエキシマレーザ光、などが挙げられる。これらの中でも、短波長を有し、高精細なレジストパターンの形成が可能な点で、ArFエキシマレーザ光(193nm)、Fエキシマレーザ光(157nm)などが好ましい。
【0039】
−レジスト膜形成材料−
前記レジスト膜(本発明のレジストカバー膜形成材料が塗布されるレジスト膜)の材料としては、特に制限はなく、公知のレジスト材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、ネガ型、ポジ型のいずれであってもよく、例えば、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザーなどでパターニング可能なKrFレジスト、ArFレジスト、Fレジストなどが好適に挙げられる。これらは、化学増幅型であってもよいし、非化学増幅型であってもよい。これらの中でも、KrFレジスト、ArFレジスト、アクリル系樹脂を含んでなるレジスト、などが好ましく、より微細なパターニング、スループットの向上等の観点からは、解像限界の延伸が急務とされているArFレジスト、及びアクリル系樹脂を含んでなるレジストの少なくともいずれかがより好ましい。
前記レジスト膜形成材料の具体例としては、ノボラック系レジスト、PHS系レジスト、アクリル系レジスト、シクロオレフィン−マレイン酸無水物系(COMA系)レジスト、シクロオレフィン系レジスト、ハイブリッド系(脂環族アクリル系−COMA系共重合体)レジストなどが挙げられる。これらは、フッ素修飾等されていてもよい。
前記レジスト膜の形成方法、大きさ、厚みなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、特に厚みについては、加工対象である被加工表面、エッチング条件等により適宜決定することができるが、一般に0.2〜200μm程度である。
【0040】
本発明のレジストカバー膜形成材料は、液浸露光技術において、露光装置の投影レンズとウエハとの間に満たされた高屈折率液体からレジスト膜を保護するレジストカバー膜を形成するのに好適に使用することができる。本発明のレジストカバー膜形成材料は、本発明のレジストパターンの形成方法、本発明の電子デバイスの製造方法などに特に好適に使用することができる。
【0041】
(レジストパターンの形成方法)
本発明のレジストパターンの形成方法においては、被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に本発明の前記レジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射し、現像することを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理を含む。
【0042】
<レジスト膜形成工程>
前記レジスト膜形成工程は、前記被加工基板上にレジスト膜を形成する工程である。
前記レジスト膜の材料としては、本発明の前記レジストカバー膜形成材料において上述したものが好適に挙げられる。
前記レジスト膜は、公知の方法、例えば塗布等により形成することができる。
前記被加工表面(基材)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記レジスト膜が半導体装置等の電子デバイスに形成される場合には、該被加工表面(基材)としては、半導体基材表面が挙げられ、具体的には、シリコンウエハ等の基板、各種酸化膜などが好適に挙げられる。
【0043】
<レジストカバー膜形成工程>
前記レジストカバー膜形成工程は、前記レジスト膜上に本発明の前記レジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成する工程である。
前記レジストカバー膜の形成は、塗布により行うのが好ましく、該塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の塗布方法の中から適宜選択することができ、例えば、スピンコート法などが好適に挙げられる。該スピンコート法の場合、その条件としては例えば、回転数が100〜10000rpm程度であり、800〜5000rpmが好ましく、時間が1秒〜10分程度であり、1秒〜90秒が好ましい。
前記塗布の際の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、10〜300nmが好ましく、50〜150nmがより好ましい。
前記厚みが10nm未満であると、ピンホールなどの欠陥が生じることがあり、300nmを超えると、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光の透過率が低下し、解像性や露光感度が低下することがある。
【0044】
前記塗布の際乃至その後で、塗布した前記レジストカバー膜形成材料をベーク(加温及び乾燥)する条件、方法などとしては、前記レジスト膜を軟化させない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、その温度としては、40〜150℃程度が好ましく、80〜120℃がより好ましく、また、その時間としては、10秒〜5分程度が好ましく、30秒〜90秒がより好ましい。
【0045】
<液浸露光工程>
前記液浸露光工程は、前記レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射する工程である。
前記液浸露光は、公知の液浸露光装置により好適に行うことができ、前記レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対し前記露光光が照射されることにより行われる。該露光光の照射は、前記レジスト膜の一部の領域に対して行われることにより、該一部の領域が硬化され、後述の現像工程において、該硬化させた一部の領域以外の未硬化領域が除去されてレジストパターンが形成される。
【0046】
前記液浸露光に用いられ、ステッパーの投影レンズとウエハとの間に満たされる液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高解像度を得るためには、空気の屈折率(屈折率=1)よりも高い屈折率を有する液体であるのが好ましい。
前記屈折率が1よりも大きい液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記屈折率は、高いほど好ましく、例えば、オイル、グリセリン、アルコール等が好適に挙げられる。これらの中でも、純水(屈折率=1.44)が好ましい。
前記露光光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短波長の光であるのが好ましく、例えば、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、Fエキシマレーザー光(157nm)などが挙げられる。これらの中でも、高精細なレジストパターンが得られる点で、ArFエキシマレーザ光、Fエキシマレーザ光が好ましい。
【0047】
<現像工程>
前記現像工程は、前記液浸露光工程により前記レジストカバー膜を介して前記レジスト膜を露光し、該レジスト膜の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、レジストパターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記アルカリ可溶性基を有する本発明の前記レジストカバー膜形成材料により形成されたレジストカバー膜を、前記レジスト膜の未硬化領域と同時に溶解除去することができる点で、アルカリ現像液であるのが好ましい。該アルカリ現像液による現像を行うことにより、前記レジスト膜の前記露光光が照射されていない部分と共に前記レジストカバー膜が溶解除去され、レジストパターンが形成(現像)される。
【0048】
ここで、本発明のレジストパターンの形成方法の一例を、以下に図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、被加工表面(基板)1上にレジスト形成材料を塗布してレジスト膜2を形成した後、該レジスト膜2の表面にレジストカバー膜形成材料を塗布し、ベーク(加温及び乾燥)をしてレジストカバー膜3を形成する。そして、レジスト膜2及びレジストカバー膜3が形成された被加工基板1と、図2に示す液浸露光装置5とを用いて露光する。
図2は、液浸露光装置の一例を示す概略説明図である。該液浸露光装置5は、投影レンズ6を有するステッパー(逐次移動露光装置)と、ウエハステージ7とを備えている。ウエハステージ7は、被加工基板1が搭載可能に設けられており、また、投影レンズ6とウエハステージ7上の被加工基板1との間には、媒質(液体)8が満たされるようになっている。ステッパーの解像度は、下記式(1)で表され、光源の波長が短かければ短いほど、また、投影レンズ6のNA(投影レンズ6の明るさN.A.(開口数))が大きければ大きいほど高い解像度が得られる。
解像度=k(プロセス係数)×λ(光源からの光の波長)/NA(開口数)・・・式(1)
前記式(1)中、NAは、次式、NA=n×sinθ、により求めることができる。
図2中、X部分の拡大図を図3に示す。図3に示すように、nは露光光が通過する媒質(液体)8の屈折率を表し、θは露光光が形成する角度を表す。通常の露光方法では、露光光が通過する媒質は空気であるため、屈折率n=1であり、投影レンズ(縮小投影レンズ)6の開口数NAは理論的には最高でも1.0未満であり、実際には0.9程度(θ=65°)にとどまる。一方、液浸露光装置5では、媒質8として、屈折率nが1より大きい液体を使用することにより、nを拡大することとなり、同一の露光光の入射角θでは、最小解像寸法を1/nに縮小させることができ、同一の開口数NAでは、θを小さくさせることができ、焦点深度をn倍に拡大させることができる。例えば、媒質8として純水を利用すると、光源がArFである場合には、n=1.44であり、NAを1.44倍にまで増加させることができ、より微細なパターンを形成することができる。
【0049】
このような液浸露光装置5のウエハステージ7上に被加工基板1を載せ、レジストカバー膜3を介してレジスト膜2に対し、露光光(例えば、ArFエキシマレーザ光)をパターン状に照射して露光する。次いで、アルカリ現像処理を行うと、図4に示すように、レジストカバー膜3と、レジスト膜2の内、ArFエキシマレーザ光が照射されなかった領域とが溶解除去され、被加工基板1上にレジストパターン4が形成(現像)される。
なお、以上はArFエキシマレーザ光に対応したポジ型レジスト材料を用いた本発明のレジストパターンの形成方法の一例であり、露光光とレジスト材料との組合せは、これに限られるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0050】
本発明のレジストパターンの形成方法によると、前記レジスト膜を前記液体から有効に保護して、前記レジスト膜の機能を損なわず、液浸露光により高精細に露光を行うことができ、微細かつ高精細なレジストパターンを簡便かつ効率的に形成することができるので、例えば、マスクパターン、レチクルパターン、磁気ヘッド、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、SAWフィルタ(弾性表面波フィルタ)等の機能部品、光配線の接続に利用される光部品、マイクロアクチュエータ等の微細部品、半導体装置などの電子デバイスの製造に好適に適用することができ、本発明の電子デバイスの製造方法に好適に用いることができる。
【0051】
(電子デバイスの製造方法)
本発明の電子デバイスの製造方法は、レジストパターン形成工程と、パターニング工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
【0052】
<レジストパターン形成工程>
前記レジストパターン形成工程は、被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に本発明の前記レジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射し、現像することによりレジストパターンを形成する工程である。該レジストパターン形成工程により、前記被加工基板上にレジストパターンが形成される。
該レジストパターン形成工程における詳細は、本発明の前記レジストパターンの形成方法と同様である。
なお、前記被加工表面としては、半導体装置等の電子デバイスにおける各種部材の表面層が挙げられるが、シリコンウエハ等の基板乃至その表面、各種酸化膜などが好適に挙げられる。前記液浸露光の方法は上述した通りである。前記レジストパターンは上述した通りである。
【0053】
<パターニング工程>
前記パターニング工程は、前記レジストパターンをマスクとして用いて(マスクパターンなどとして用いて)、エッチングにより前記被加工基板をパターニングする工程である。
前記エッチングの方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ドライエッチングが好適に挙げられる。該エッチングの条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0054】
本発明の電子デバイスの製造方法によると、前記レジスト膜の機能を損なわず、液浸露光により高精細に露光を行うことができ、微細かつ高精細なレジストパターンを簡便かつ効率的に形成可能であり、該レジストパターンを用いて形成した微細な配線パターンを有する高性能な電子デバイス、例えば、フラッシュメモリ、DRAM、FRAM、等を初めとする各種半導体装置などの電子デバイスを効率的に量産することができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0056】
(製造例1)
−レジストカバー膜形成材料(1)の調製−
下記構造式(1)で表されるケイ素含有ポリマーを、n−ブチルアルコールに溶解させて、液浸露光用のレジストカバー膜形成材料(1)を調製した。
【0057】
【化16】

ただし、前記構造式(1)中、dは1であり、eは0.2である。
【0058】
(製造例2)
−レジストカバー膜形成材料(2)の調製−
下記構造式(2)で表されるケイ素含有ポリマーを、イソブチルアルコールに溶解させて、液浸露光用のレジストカバー膜形成材料(2)を調製した。
【0059】
【化17】

ただし、前記構造式(2)中、aは1.2であり、bは1であり、Cは0.45である。
【0060】
(製造例3)
−レジストカバー膜形成材料(3)の調製−
下記構造式(1)及び(2)で表されるケイ素含有ポリマーを、1:4の重量比で混合し、n−ブチルアルコールに溶解させて、液浸露光用のレジストカバー膜形成材料(3)を調製した。
【0061】
【化16】

ただし、前記構造式(1)中、dは1であり、eは0.2である。
【化17】

ただし、前記構造式(2)中、aは1.2であり、bは1であり、Cは0.45である。
【0062】
(実施例1)
−レジストパターンの形成−
シリコン基板上に、ArFエキシマレーザ光用レジスト材料(「AX5910」;住友化学製)を塗布して、厚み250nmのレジスト膜を形成した。次いで、該レジスト膜上に、前記レジストカバー膜形成材料(1)、(2)及び(3)を、それぞれスピンコート法により、3500rpm、45sの条件で回転塗布し、110℃のホットプレートで60秒間ベークして、厚み100nmのレジストカバー膜を形成し、3種類の試料(試料(1)〜(3))を作製した。
【0063】
液浸露光装置を用い、前記レジストカバー膜を介して前記レジスト膜をそれぞれ露光した。なお、液浸露光の媒質として水を、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を、それぞれ用いた。ここで、試料(1)〜(3)における、レジストカバー膜のArFエキシマレーザ光透過率は、それぞれ、試料(1)では94%、試料(2)では92%、試料(3)では94%であった。
次いで、前記レジストカバー膜及び前記レジスト膜に対して、2.38質量%TMAH水溶液でアルカリ現像を行い、前記レジスト膜の未露光部分と、前記レジストカバー膜とを溶解除去した。その結果、いずれの試料も、露光量39.0mJ/cmで、120nmのホールパターン(レジストパターン)、及び140nmのラインパターン(レジストパターン)が得られた。
【0064】
(参考実験1)
実施例1において、前記液浸露光の媒質を水から空気へ代えた以外は、実施例1と同様にしてレジストカバー膜を形成した試料(1)〜(3)について、それぞれレジストパターンを作製した。ArFエキシマレーザ露光を行った結果、いずれの試料も、露光量39.0mJ/cmで、130nmのホールパターン(レジストパターン)、及び140nmのラインパターン(レジストパターン)が得られた。
【0065】
(比較例1)
実施例1において、前記レジストカバー膜を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして形成した試料(1)〜(3)について、それぞれレジストパターンを作製した。ArFエキシマレーザ露光を行った結果、いずれの試料も、露光量39.0mJ/cmで、130nmのホールパターンは開口せず、140nmのラインパターンはよれて、高精細なパターンは得られなかった。
【0066】
(比較例2)
実施例1において、前記液浸露光の媒質を水から空気へ代え、更に前記レジストカバー膜を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして形成した試料(1)〜(3)について、それぞれレジストパターンを作製した。ArFエキシマレーザ露光を行った結果、いずれの試料も、露光量39.0mJ/cmで、130nmのホールパターン、140nmのラインパターンが得られた。
【0067】
得られた各レジストパターンについて、ホール解像性及びライン解像性を、下記基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:規定のホールサイズ又はラインサイズのレジストパターンを解像することができた
×:規定のホールサイズ又はラインサイズののレジストパターンを解像することができなかった
【0068】
【表1】

【0069】
表1より、実施例1では、前記レジスト膜上に本発明の前記レジストカバー膜形成材料によるレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜の液浸露光を行ったので、水を媒質として露光した際にも解像度、感度の変化がなく、元来のレジストパフォーマンスを損なわず、微細かつ高精細なレジストパターンが得られることが判った。一方、比較例1では、前記レジストカバー膜を形成しなかったため、水中へのレジスト中の酸の溶出等による解像度、感度の変化が生じ、微細かつ高精細なレジストパターンが得られなくなることが判った。
また、参考実験1と比較例2とを比較すると、本発明のレジストカバー膜は、露光光の透過率が高く、前記レジスト膜上に形成されても露光感度を低下させることがなく、解像度に優れ、微細かつ高精細なレジストパターンを形成することができることが判った。
【0070】
(実施例2)
図5に示すように、シリコン基板11上に層間絶縁膜12を形成し、図6に示すように、層間絶縁膜12上にスパッタリング法によりチタン膜13を形成した。次に、図7に示すように、液浸露光法を用い、公知のフォトリソグラフィー技術によりレジストパターン14を形成し、これをマスクとして用い、反応性イオンエッチングによりチタン膜13をパターニングして開口部15aを形成した。引き続き、反応性イオンエッチングによりレジストパターン14を除去するととともに、図8に示すように、チタン膜13をマスクにして層間絶縁膜12に開口部15bを形成した。
【0071】
次に、チタン膜13をウェット処理により除去し、図9に示すように層間絶縁膜12上にTiN膜16をスパッタリング法により形成し、続いて、TiN膜16上にCu膜17を電解めっき法で成膜した。次いで、図10に示すように、CMPにて開口部15b(図8)に相当する溝部のみにバリアメタルとCu膜(第一の金属膜)を残して平坦化し、第一層の配線17aを形成した。
【0072】
次いで、図11に示すように、第一層の配線17aの上に層間絶縁膜18を形成した後、図5〜図10と同様にして、図12に示すように、第一層の配線17aを、後に形成する上層配線と接続するCuプラグ(第二の金属膜)19及びTiN膜16aを形成した。
【0073】
上述の各工程を繰り返すことにより、図13に示すように、シリコン基板11上に第一層の配線17a、第二層の配線20、及び第三層の配線21を含む多層配線構造を備えた半導体装置を製造した。なお、図13においては、各層の配線の下層に形成したバリアメタル層は、図示を省略した。
この実施例2では、レジストパターン14が、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光を行い、実施例1〜3における場合と同様にして製造したレジストパターンである。
【0074】
(実施例3)
−フラッシュメモリ及びその製造−
実施例3は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いた本発明の電子デバイスの製造方法の一例である。なお、この実施例5では、以下のレジスト膜26、27、29及び32が、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて実施例1〜2におけるのと同様の方法により形成されたものである。
【0075】
図14及び図15は、FLOTOX型又はETOX型と呼ばれるFLOTOX型又はETOX型と呼ばれるFLASH EPROMの上面図(平面図)であり、図16〜図24は、該FLASH EPROMの製造方法に関する一例を説明するための断面概略図であり、これらにおける、左図はメモリセル部(第1素子領域)であって、フローティングゲート電極を有するMOSトランジスタの形成される部分のゲート幅方向(図14及び図15におけるX方向)の断面(A方向断面)概略図であり、中央図は前記左図と同部分のメモリセル部であって、前記X方向と直交するゲート長方向(図14及び図15におけるY方向)の断面(B方向断面)概略図であり、右図は周辺回路部(第2素子領域)のMOSトランジスタの形成される部分の断面(図14及び図15におけるA方向断面)概略図である。
【0076】
まず、図16に示すように、p型のSi基板22上の素子分離領域に選択的にSiO膜によるフィールド酸化膜23を形成した。その後、メモリセル部(第1素子領域)のMOSトランジスタにおける第1ゲート絶縁膜24aを厚みが100〜300Å(10〜30nm)となるように熱酸化にてSiO膜により形成し、また別の工程で、周辺回路部(第2素子領域)のMOSトランジスタにおける第2ゲート絶縁膜24bを厚みが100〜500Å(10〜50nm)となるように熱酸化にてSiO膜により形成した。なお、第1ゲート絶縁膜24a及び第2ゲート絶縁膜24bを同一厚みにする場合には、同一の工程で同時に酸化膜を形成してもよい。
【0077】
次に、前記メモリセル部(図16の左図及び中央図)にn型ディプレションタイプのチャネルを有するMOSトランジスタを形成するため、閾値電圧を制御する目的で前記周辺回路部(図16の右図)をレジスト膜26によりマスクした。そして、フローティングゲート電極直下のチャネル領域となる領域に、n型不純物としてドーズ量1×1011〜1×1014cm−2のリン(P)又は砒素(As)をイオン注入法により導入し、第1閾値制御層25aを形成した。なお、このときのドーズ量及び不純物の導電型は、ディプレッションタイプにするかアキュミレーションタイプにするかにより適宜選択することができる。
【0078】
次に、前記周辺回路部(図17の右図)にn型ディプレションタイプのチャネルを有するMOSトランジスタを形成するため、閾値電圧を制御する目的でメモリセル部(図17の左図及び中央図)をレジスト膜27によりマスクした。そして、ゲート電極直下のチャネル領域となる領域に、n型不純物としてドーズ量1×1011〜1×1014cm−2のリン(P)又は砒素(As)をイオン注入法により導入し、第2閾値制御層25bを形成した。
【0079】
次に、前記メモリセル部(図18の左図及び中央図)のMOSトランジスタのフローティングゲート電極、及び前記周辺回路部(図18の右図)のMOSトランジスタのゲート電極として、厚みが500〜2,000Å(50〜200nm)である第1ポリシリコン膜(第1導電体膜)28を全面に形成した。
【0080】
その後、図19に示すように、マスクとして形成したレジスト膜29により第1ポリシリコン膜28をパターニングして前記メモリセル部(図19の左図及び中央図)のMOSトランジスタにおけるフローティングゲート電極28aを形成した。このとき、図19に示すように、X方向は最終的な寸法幅になるようにパターニングし、Y方向はパターニングせずS/D領域層となる領域はレジスト膜29により被覆されたままにした。
【0081】
次に、(図20の左図及び中央図)に示すように、レジスト膜29を除去した後、フローティングゲート電極28aを被覆するようにして、SiO膜からなるキャパシタ絶縁膜30aを厚みが約200〜500Å(20〜50nm)となるように熱酸化にて形成した。このとき、前記周辺回路部(図20の右図)の第1ポリシリコン膜28上にもSiO膜からなるキャパシタ絶縁膜30bが形成される。なお、ここでは、キャパシタ絶縁膜30a及び30bはSiO膜のみで形成されているが、SiO膜及びSi膜が2〜3積層された複合膜で形成されていてもよい。
【0082】
次に、図20に示すように、フローティングゲート電極28a及びキャパシタ絶縁膜30aを被覆するようにして、コントロールゲート電極となる第2ポリシリコン膜(第2導電体膜)31を厚みが500〜2,000Å(50〜200nm)となるように形成した。
【0083】
次に、図21に示すように、前記メモリセル部(図21の左図及び中央図)をレジスト膜32によりマスクし、前記周辺回路部(図21の右図)の第2ポリシリコン膜31及びキャパシタ絶縁膜30bを順次、エッチングにより除去し、第1ポリシリコン膜28を表出させた。
【0084】
次に、図22に示すように、前記メモリセル部(図22の左図及び中央図)の第2ポリシリコン膜31、キャパシタ絶縁膜30a及びX方向だけパターニングされている第1ポリシリコン膜28aに対し、レジスト膜32をマスクとして、第1ゲート部33aの最終的な寸法となるようにY方向のパターニングを行い、Y方向に幅約1μmのコントロールゲート電極31a/キャパシタ絶縁膜30c/フローティングゲート電極28cによる積層を形成すると共に、前記周辺回路部(図22の右図)の第1ポリシリコン膜28に対し、レジスト膜32をマスクとして、第2ゲート部33bの最終的な寸法となるようにパターニングを行い、幅約1μmのゲート電極28bを形成した。
【0085】
次に、前記メモリセル部(図23の左図及び中央図)のコントロールゲート電極31a/キャパシタ絶縁膜30c/フローティングゲート電極28cによる積層をマスクとして、素子形成領域のSi基板22にドーズ量1×1014〜1×1016cm−2のリン(P)又は砒素(As)をイオン注入法により導入し、n型のS/D領域層35a及び35bを形成すると共に、前記周辺回路部(図23の右図)のゲート電極28bをマスクとして、素子形成領域のSi基板22にn型不純物としてドーズ量1×1014〜1×1016cm−2のリン(P)又は砒素(As)をイオン注入法により導入し、S/D領域層36a及び36bを形成した。
【0086】
次に、前記メモリセル部(図24の左図及び中央図)の第1ゲート部33a及び前記周辺回路部(図24の右図)の第2ゲート部33bを、PSG膜による層間絶縁膜37を厚みが約5,000Å(500nm)となるようにして被覆形成した。
【0087】
その後、S/D領域層35a及び35b並びにS/D領域層36a及び36b上に形成した層間絶縁膜37に、コンタクトホール38a及び38b並びにコンタクトホール39a及び39bを形成した後、S/D電極40a及び40b並びにS/D電極41a及び41bを形成した。
【0088】
以上により、図24に示すように、半導体装置としてFLASH EPROMを製造した。
【0089】
このFLASH EPROMにおいては、前記周辺回路部(図16〜図24における右図)の第2ゲート絶縁膜24bが形成後から終始、第1ポリシリコン膜28又はゲート電極28bにより被覆されている(図16〜図24における右図)ので、第2ゲート絶縁膜24bは最初に形成された時の厚みを保持したままである。このため、第2ゲート絶縁膜24bの厚みの制御を容易に行うことができると共に、閾値電圧の制御のための導電型不純物濃度の調整も容易に行うことができる。
【0090】
なお、上記実施例では、第1ゲート部33aを形成するのに、まずゲート幅方向(図14及び図15におけるX方向)に所定幅でパターニングした後、ゲート長方向(図14及び図15におけるY方向)にパターニングして最終的な所定幅としているが、逆に、ゲート長方向(図14及び図15におけるY方向)に所定幅でパターニングした後、ゲート幅方向(図14及び図15におけるX方向)にパターニングして最終的な所定幅としてもよい。
【0091】
図25〜図27に示すFLASH EPROMの製造例は、上記実施例において図26で示した工程の後が図25〜図27に示すように変更した以外は上記実施例と同様である。即ち、図25に示すように、前記メモリセル部(図25における左図及び中央図)の第2ポリシリコン膜31及び前記周辺回路部(図25の右図)の第1ポリシリコン膜28上に、タングステン(W)膜又はチタン(Ti)膜からなる高融点金属膜(第4導電体膜)42を厚みが約2,000Å(200nm)となるようにして形成しポリサイド膜を設けた点でのみ上記実施例と異なる。図25の後の工程、即ち図26〜図27に示す工程は、図22〜図24と同様に行った。図22〜図24と同様の工程については説明を省略し、図25〜図27においては図22〜図24と同じものは同記号で表示した。
以上により、図27に示すように、半導体装置としてFLASH EPROMを製造した。
【0092】
このFLASH EPROMにおいては、コントロールゲート電極31a及びゲート電極28b上に、高融点金属膜(第4導電体膜)42a及び42bを有するので、電気抵抗値を一層低減することができる。
なお、ここでは、高融点金属膜(第4導電体膜)として高融点金属膜(第4導電体膜)42a及び42bを用いているが、チタンシリサイド(TiSi)膜等の高融点金属シリサイド膜を用いてもよい。
【0093】
図28〜図30に示すFLASH EPROMの製造例は、上記実施例において、前記周辺回路部(第2素子領域)(図30における右図)の第2ゲート部33cも、前記メモリセル部(第1素子領域)(図28における左図及び中央図)の第1ゲート部33aと同様に、第1ポリシリコン膜28b(第1導電体膜)/SiO膜30d(キャパシタ絶縁膜)/第2ポリシリコン膜31b(第2導電体膜)という構成にし、図29又は図30に示すように、第1ポリシリコン膜28b及び第2ポリシリコン膜31bをショートさせてゲート電極を形成している点で異なること以外は上記実施例と同様である。
【0094】
ここでは、図29に示すように、第1ポリシリコン膜28b(第1導電体膜)/SiO膜30d(キャパシタ絶縁膜)/第2ポリシリコン膜31b(第2導電体膜)を貫通する開口部52aを、例えば図28に示す第2ゲート部33cとは別の箇所、例えば絶縁膜54上に形成し、開口部52a内に第3導電体膜、例えばW膜又はTi膜等の高融点金属膜53aを埋め込むことにより、第1ポリシリコン膜28b及び第2ポリシリコン膜31bをショートさせている。また、図30に示すように、第1ポリシリコン膜28b(第1導電体膜)/SiO膜30d(キャパシタ絶縁膜)を貫通する開口部52bを形成して開口部52bの底部に下層の第1ポリシリコン膜28bを表出させた後、開口部52b内に第3導電体膜、例えばW膜又はTi膜等の高融点金属膜53bを埋め込むことにより、第1ポリシリコン膜28b及び第2ポリシリコン膜31bをショートさせている。
【0095】
このFLASH EPROMにおいては、前記周辺回路部の第2ゲート部33cは、前記メモリセル部の第1ゲート部33aと同構造であるので、前記メモリセル部を形成する際に同時に前記周辺回路部を形成することができ、製造工程を簡単にすることができ効率的である。
なお、ここでは、第3導電体膜53a又は53bと、高融点金属膜(第4導電体膜)42とをそれぞれ別々に形成しているが、共通の高融点金属膜として同時に形成してもよい。
【0096】
(実施例4)
−磁気ヘッドの製造−
実施例4は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて形成したレジストパターンの応用例としての磁気ヘッドの製造に関する。なお、この実施例4では、以下のレジストパターン102及び126が、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて実施例1におけるのと同様の方法により形成されたものである。
【0097】
図31〜図34は、磁気ヘッドの製造を説明するための工程図である。
まず、図31に示すように、層間絶縁層100上に、厚みが6μmとなるようにレジスト膜を形成し、露光、現像を行って、渦巻状の薄膜磁気コイル形成用の開口パターンを有するレジストパターン102を形成した。
次に、図32に示すように、層間絶縁層100上における、レジストパターン102上及びレジストパターン102が形成されていない部位、即ち開口部104の露出面上に、厚みが0.01μmであるTi密着膜と厚みが0.05μmであるCu密着膜とが積層されてなるメッキ被加工表面106を蒸着法により形成した。
【0098】
次に、図33に示すように、層間絶縁層100上における、レジストパターン102が形成されていない部位、即ち開口部104の露出面上に形成されたメッキ被加工表面106の表面に、厚みが3μmであるCuメッキ膜からなる薄膜導体108を形成した。
次に、図34に示すように、レジストパターン102を溶解除去し層間絶縁層100上からリフトオフすると、薄膜導体108の渦巻状パターンによる薄膜磁気コイル110が形成される。
以上により磁気ヘッドを製造した。
【0099】
ここで得られた磁気ヘッドは、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成されたレジストパターン102により渦巻状パターンが微細に形成されているので、薄膜磁気コイル110は微細かつ精細であり、しかも量産性に優れる。
【0100】
図35〜図40は、他の磁気ヘッドの製造を説明するための工程図である。
図35示すように、セラミック製の非磁性基板112上にスパッタリング法によりギャップ層114を被覆形成した。なお、非磁性基板112上には、図示していないが予め酸化ケイ素による絶縁体層及びNi−Feパーマロイからなる導電性被加工表面がスパッタリング法により被覆形成され、更にNi−Feパーマロイからなる下部磁性層が形成されている。そして、図示しない前記下部磁性層の磁性先端部となる部分を除くギャップ層114上の所定領域に熱硬化樹脂により樹脂絶縁膜116を形成した。次に、樹脂絶縁膜116上にレジスト材を塗布してレジスト膜118を形成した。
【0101】
次に、図36に示すように、レジスト膜118に露光、現像を行い、渦巻状パターンを形成した。そして、図37に示すように、この渦巻状パターンのレジスト膜118を数百℃で一時間程度熱硬化処理を行い、突起状の第1渦巻状パターン120を形成した。更に、その表面にCuからなる導電性被加工表面122を被覆形成した。
【0102】
次に、図38に示すように、導電性被加工表面122上にレジスト材をスピンコート法により塗布してレジスト膜124を形成した後、レジスト膜124を第1渦巻状パターン120上にパターニングしてレジストパターン126を形成した。
【0103】
次に、図39に示すように、導電性被加工表面122の露出面上に、即ちレジストパターン126が形成されていない部位上に、Cu導体層128をメッキ法により形成した。その後、図40に示すように、レジストパターン126を溶解除去することにより、導電性被加工表面122上からリフトオフし、Cu導体層128による渦巻状の薄膜磁気コイル130を形成した。
以上により、図41の平面図に示すような、樹脂絶縁膜116上に磁性層132を有し、表面に薄膜磁気コイル130が設けられた磁気ヘッドを製造した。
【0104】
ここで得られた磁気ヘッドは、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光法により形成されたレジストパターン126により渦巻状パターンが微細に形成されているので、薄膜磁気コイル130は微細かつ精細であり、しかも量産性に優れる。
【0105】
本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) レジスト膜に対して液浸露光を行う際に該レジスト膜をカバーするレジストカバー膜を形成するのに用いられ、アルカリ可溶性基を少なくとも有し下記一般式(1)から(3)で表されるケイ素含有ポリマーから選択される少なくとも1つと、該ケイ素含有ポリマーを溶解可能な有機溶剤とを少なくとも含むことを特徴とするレジストカバー膜形成材料。
【化20】

ただし、前記一般式(1)中、Rはアルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。a、b及びcは比を表し、それぞれa>0、b>0、c≧0である。
【化21】

ただし、前記一般式(2)中、R及びRの少なくともいずれかは、アルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。d、e及びfは比を表し、それぞれd>0、e≧0、f≧0である。
【化22】

ただし、前記一般式(3)中、R、R及びRの少なくともいずれかは、アルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なsくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。g、h及びiは比を表し、それぞれg>0、h≧0、i≧0である。
(付記2) アルカリ可溶性基が、カルボン酸含有基である付記1に記載のレジストカバー膜形成材料。
(付記3) アルカリ可溶性基が、下記一般式(4)で表される付記1から2のいずれかに記載のレジストカバー膜形成材料。
【化23】

ただし、前記一般式(4)中、mは、次式、0≦m≦5、を充たす。
(付記4) 有機溶剤が、炭素数3以上の脂肪族アルカノールである付記1から3のいずれかに記載のレジストカバー膜形成材料。
(付記5) 液浸露光に用いられる露光光が、193nmの波長を有するArFエキシマレーザ光、及び157nmの波長を有するFエキシマレーザ光の少なくともいずれかである付記1から4のいずれかに記載のレジストカバー膜形成材料。
(付記6) レジストカバー膜の厚みが100nmのときの露光光透過率が30%以上である付記5に記載のレジストカバー膜形成材料。
(付記7) レジストカバー膜の厚みが100nmのときの露光光透過率が80%以上である付記5から6のいずれかに記載のレジストカバー膜形成材料。
(付記8) 被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に付記1から7のいずれかに記載のレジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射し、現像することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
(付記9) レジストカバー膜の厚みが、10〜300nmである付記8に記載のレジストパターンの形成方法。
(付記10) レジストカバー膜が、塗布により形成された付記8から9のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
(付記11) 現像が、アルカリ現像液を用いて行われる付記8から10のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
(付記12) 液浸露光に用いられる液体の屈折率が1より大きい付記8から11のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
(付記13) 液体が水である付記12に記載のレジストパターンの形成方法。
(付記14) 露光光が、193nmの波長を有するArFエキシマレーザ光、及び157nmの波長を有するFエキシマレーザ光の少なくともいずれかである付記8から13のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
(付記15) 被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に付記1から7のいずれかに記載のレジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射し、現像することによりレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、該レジストパターンをマスクとしてエッチングにより前記被加工基板をパターニングするパターニング工程とを含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
(付記16) レジストカバー膜が、塗布により形成された付記15に記載の電子デバイスの製造方法。
(付記17) 付記15から16のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法により製造されたことを特徴とする電子デバイス。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明のレジストカバー膜形成材料は、ArFエキシマレーザ光やFエキシマレーザ光に対する透過率が高いので、露光装置の投影レンズとウエハとの間に屈折率nが1(空気の屈折率)よりも大きい媒質(液体)を満たすことにより解像度の向上を実現する液浸露光技術において、前記液体からレジスト膜を保護する液浸露光用のレジストカバー膜に好適に使用可能である。
本発明のレジストパターンの形成方法は、例えば、マスクパターン、レチクルパターン、磁気ヘッド、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、SAWフィルタ(弾性表面波フィルタ)等の機能部品、光配線の接続に利用される光部品、マイクロアクチュエータ等の微細部品、半導体装置などの電子デバイスの製造に好適に適用することができ、本発明の電子デバイスの製造方法に好適に用いることができる。
本発明の電子デバイスの製造方法は、本発明の電子デバイスの製造に好適に用いることができる。本発明の電子デバイスは、フラッシュメモリ、DRAM、FRAM、等を初めとする各種半導体装置などの分野で好適に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1は、本発明のレジストパターンの形成方法の一例を説明するための概略図であり、レジストカバー膜を形成した状態を表す。
【図2】図2は、本発明のレジストパターンの形成方法の一例を説明するための概略図であり、液浸露光装置の一例を表す。
【図3】図3は、図2に示す液浸露光装置の一部拡大図である。
【図4】図4は、本発明のレジストパターンの形成方法の一例を説明するための概略図であり、レジストカバー膜を用いて液浸露光した後、現像した状態を表す。
【図5】図5は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、シリコン基板上に層間絶縁膜を形成した状態を表す。
【図6】図6は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、図5に示す層間絶縁膜上にチタン膜を形成した状態を表す。
【図7】図7は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、チタン膜上にレジスト膜を形成し、チタン層にホールパターンを形成した状態を表す。
【図8】図8は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、ホールパターンを層間絶縁膜にも形成した状態を表す。
【図9】図9は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、ホールパターンを形成した層間絶縁膜上にCu膜を形成した状態を表す。
【図10】図10は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、ホールパターン上以外の層間絶縁膜上に堆積されたCuを除去した状態を表す。
【図11】図11は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、ホールパターン内に形成されたCuプラグ上及び層間絶縁膜上に層間絶縁膜を形成した状態を表す。
【図12】図12は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、表層としての層間絶縁膜にホールパターンを形成し、Cuプラグを形成した状態を表す。
【図13】図13は、本発明の電子デバイスの製造方法の一例を説明するための概略図であり、三層構造の配線を形成した状態を表す。
【図14】図14は、本発明の電子デバイスの製造方法により製造されるFLASH EPROMの第一の例を示す平面図である。
【図15】図15は、本発明の電子デバイスの製造方法により製造されるFLASH EPROMの第一の例を示す平面図である。
【図16】図16は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図である。
【図17】図17は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図であり、図16の次のステップを表す。
【図18】図18は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図であり、図17の次のステップを表す。
【図19】図19は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図であり、図18の次のステップを表す。
【図20】図20は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図であり、図20の次のステップを表す。
【図21】図21は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図であり、図20の次のステップを表す。
【図22】図22は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図であり、図21の次のステップを表す。
【図23】図23は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図であり、図22の次のステップを表す。
【図24】図24は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第一の例の概略説明図であり、図23の次のステップを表す。
【図25】図25は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第二の例の概略説明図である。
【図26】図26は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第二の例の概略説明図であり、図25の次のステップを表す。
【図27】図27は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第二の例の概略説明図であり、図26の次のステップを表す。
【図28】図28は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第三の例の概略説明図である。
【図29】図29は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第三の例の概略説明図であり、図28の次のステップを表す。
【図30】図30は、本発明の電子デバイスの製造方法によるFLASH EPROMの製造の第三の例の概略説明図であり、図29の次のステップを表す。
【図31】図31は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図である。
【図32】図32は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図31の次のステップを表す。
【図33】図33は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図32の次のステップを表す。
【図34】図34は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図33の次のステップを表す。
【図35】図35は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図34の次のステップを表す。
【図36】図36は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図35の次のステップを表す。
【図37】図37は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図36の次のステップを表す。
【図38】図38は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図37の次のステップを表す。
【図39】図39は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図38の次のステップを表す。
【図40】図40は、本発明のレジストカバー膜形成材料を用いて液浸露光により形成したレジストパターンを磁気ヘッドの製造に応用した一例の断面概略説明図であり、図39の次のステップを表す。
【図41】図41は、図31〜図40のステップを経て製造された磁気ヘッドの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0108】
1 被加工表面(基板)
2 レジスト膜
3 レジストカバー膜(本発明のレジストカバー膜形成材料)
4 レジストパターン
5 液浸露光装置
6 投影レンズ
7 ウエハステージ
8 媒質(液体)
11 シリコン基板
12 層間絶縁膜
13 チタン膜
14 レジストパターン
15a 開口部
15b 開口部
16 TiN膜
16a TiN膜
17 Cu膜
17a 配線
18 層間絶縁膜
19 Cuプラグ
20 配線
21 配線
22 Si基板(半導体基板)
23 フィールド酸化膜
24a 第1ゲート絶縁膜
24b 第2ゲート絶縁膜
25a 第1閾値制御層
25b 第2閾値制御層
26 レジスト膜
27 レジスト膜
28 第1ポリシリコン層(第1導電体膜)
28a フローティングゲート電極
28b ゲート電極(第1ポリシリコン膜)
28c フローティングゲート電極
29 レジスト膜
30a キャパシタ絶縁膜
30b キャパシタ絶縁膜
30c キャパシタ絶縁膜
30d SiO
31 第2ポリシリコン層(第2導電体膜)
31a コントロールゲート電極
31b 第2ポリシリコン膜
32 レジスト膜
33a 第1ゲート部
33b 第2ゲート部
33c 第2ゲート部
35a S/D(ソース・ドレイン)領域層
35b S/D(ソース・ドレイン)領域層
36a S/D(ソース・ドレイン)領域層
36b S/D(ソース・ドレイン)領域層
37 層間絶縁膜
38a コンタクトホール
38b コンタクトホール
39a コンタクトホール
39b コンタクトホール
40a S/D(ソース・ドレイン)電極
40b S/D(ソース・ドレイン)電極
41a S/D(ソース・ドレイン)電極
41b S/D(ソース・ドレイン)電極
42 高融点金属膜(第4導電体膜)
42a 高融点金属膜(第4導電体膜)
42b 高融点金属膜(第4導電体膜)
44a 第1ゲート部
44b 第2ゲート部
45a S/D(ソース・ドレイン)領域層
45b S/D(ソース・ドレイン)領域層
46a S/D(ソース・ドレイン)領域層
46b S/D(ソース・ドレイン)領域層
47 層間絶縁膜
48a コンタクトホール
48b コンタクトホール
49a コンタクトホール
49b コンタクトホール
50a S/D(ソース・ドレイン)電極
50b S/D(ソース・ドレイン)電極
51a S/D(ソース・ドレイン)電極
51b S/D(ソース・ドレイン)電極
52a 開口部
52b 開口部
53a 高融点金属膜(第3導電体膜)
53b 高融点金属膜(第3導電体膜)
54 絶縁膜
100 層間絶縁層
102 レジストパターン
104 開口部
106 メッキ被加工表面
108 薄膜導体(Cuメッキ膜)
110 薄膜磁気コイル
112 非磁性基板
114 ギャップ層
116 樹脂絶縁層
118 レジスト膜
118a レジストパターン
120 第1渦巻状パターン
122 導電性被加工表面
124 レジスト膜
126 レジストパターン
128 Cu導体膜
130 薄膜磁気コイル
132 磁性層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスト膜に対して液浸露光を行う際に該レジスト膜をカバーするレジストカバー膜を形成するのに用いられ、アルカリ可溶性基を少なくとも有し下記一般式(1)から(3)で表されるケイ素含有ポリマーから選択される少なくとも1つと、該ケイ素含有ポリマーを溶解可能な有機溶剤とを少なくとも含むことを特徴とするレジストカバー膜形成材料。
【化1】

ただし、前記一般式(1)中、Rはアルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。a、b及びcは比を表し、それぞれa>0、b>0、c≧0である。
【化2】

ただし、前記一般式(2)中、R及びRの少なくともいずれかは、アルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。d、e及びfは比を表し、それぞれd>0、e≧0、f≧0である。
【化3】

ただし、前記一般式(3)中、R、R及びRの少なくともいずれかは、アルカリ可溶性基を有する一価の有機基及びトリオルガノシリル基の少なくともいずれかを表し、Rは一価の有機基、トリオルガノシリル基、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。g、h及びiは比を表し、それぞれg>0、h≧0、i≧0である。
【請求項2】
アルカリ可溶性基が、カルボン酸含有基である請求項1に記載のレジストカバー膜形成材料。
【請求項3】
被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に請求項1から2のいずれかに記載のレジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射し、現像することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
【請求項4】
被加工基板上にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜上に請求項1から2のいずれかに記載のレジストカバー膜形成材料を用いてレジストカバー膜を形成し、該レジストカバー膜を介して前記レジスト膜に対して液浸露光により露光光を照射し、現像することによりレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、該レジストパターンをマスクとしてエッチングにより前記被加工基板をパターニングするパターニング工程とを含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電子デバイスの製造方法により製造されたことを特徴とする電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2006−243395(P2006−243395A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59577(P2005−59577)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】