説明

レジスト除去用組成物

【課題】本発明はレジスト膜の除去力が優れており、薬液疲労度が少ないレジスト除去用組成物を提供する。
【解決手段】本発明はレジスト除去用組成物に関し、より詳しくは酸素二重結合を有する環状化合物、グリコール系化合物、及びカーボネート系化合物で構成される群より選択される化合物を利用するレジスト除去用組成物に関する。本発明のレジスト除去用組成物はラクトン系化合物、アミン又は有機酸、酸化剤、又はこれらの混合物をさらに含むことができる。本発明のレジスト除去用組成物は電子回路又は表示素子の金属配線をパターンするレジスト除去に使用されて、パターン化された金属膜の上部に残留するレジストを除去する除去力が優れており、高温で揮発に応じた組成変化及び薬液疲労度が微細で、パターン化された金属膜の腐食を最少化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォトリソグラフィ(photo-lithography)工程に使用されるレジストを除去するための組成物に関し、より詳しくは金属膜をパターンするレジストを除去する場合、金属膜の腐食を最少化でき、レジストの除去力が優れたレジスト除去用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
レジスト(フォトレジスト)はフォトリソグラフィ工程に必須に使用される物質であり、このようなフォトリソグラフィ工程は集積回路(IC)、高集積回路(LSI)、超高集積回路(VLSI)等のような半導体装置と液晶表示装置(LCD)及び平板表示装置(PDP)等のような画像実現装置などを製作するために一般に使用される工程のうちの一つである。
【0003】
以下、フォトリソグラフィ工程について簡略に説明する。
【0004】
まず、所定の基板、例えば半導体基板又はガラス基板上にレジスト膜を形成する。前記基板はレジスト膜を形成する前に何の工程も経ない場合もあるが、通常はレジスト膜を形成する前にすでに色々な段階の前工程が進行されて、金属配線などの下部構造物が形成されているのが一般的である。従って、前記レジスト膜は基板内部又は基板上には所定の下部構造物がすでに備えられている上部に形成されるのが一般的である。前記レジスト膜は基板上部の前面又は選択的な領域に形成されるが、基板前面に塗布するのがより一般的である。後続のパターン形成工程を進行することによって、所定領域のレジスト膜を除去して、基板上部を露出させ、他の領域のレジスト膜を継続して残存させることによって基板上部を残存するレジスト膜で保護するようになる。基板上部の前面にレジスト膜を塗布する方法は多様にあるが、最も一般的なのはスピンコーティング方法である。
【0005】
次に、目的する所定のパターンが形成された露光マスクを前記基板前面に形成されたレジスト上部に密着させて、配置したり、レジスト上部から所定間隔がなるように配置する。以降、前記マスク前面に対して、例えば紫外線、電子線又はX線のような高エネルギー活性線を照射する露光工程を進行する。前記マスクのパターンは前記照射された高エネルギー活性線を透過させる領域と遮光させる領域に区分されるようにパターンが形成されている。従って、前記マスクパターンの透過領域を通過した前記高エネルギー活性線はその下部のレジスト膜に到達する。前記レジスト膜に到達した高エネルギー活性線はレジスト膜の物性を変形させる。前記高エネルギー活性線の照射が終了されると、前記レジスト膜は前記高エネルギー照射以前と同一物性で維持される領域と、前記照射によって、その内部物性が変形された領域に区分されるように形成される。前記のようにレジスト膜の物性変形の要否に区分形成されたパターンは前記マスクパターンによって、暫定的に決定されるため、通常マスクパターンの“潜在相(latent)”という。
【0006】
前記レジスト膜に形成された潜在相に対して現象工程を進行して、マスクパターンが転写されたレジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをエッチングマスクとして利用して、下部基板をエッチングすることによって最終的に基板内部に所定のパターンを形成することになる。以降、所定のパターンが形成された基板上部に残留するレジストパターンを除去することによって一連のフォトリソグラフィ工程が完了する。
【0007】
この時、既に使用されるレジスト除去用組成物として韓国公開特許2003-0033988号はエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はこれらの混合物を含む処理液を利用した基板表面上の有機皮膜の製造方法を開示している。また、米国特許第6,403,544号はエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの再生方法が開示されている。
【0008】
前記方法ではカーボネート化合物を使っているが、エチレンカーボネートの場合、融点が常温以上に高く、剥離溶剤として扱うのが難しく、プロピレンカーボネートの場合、他の剥離溶剤に比べて剥離性能が落ちる。また、前記方法はラクトンを分別蒸溜して、不純物と分離して再生する方法であって、本発明のようにリアルタイムで分解するのと異なり、使用後一定量のレジストが含まれている溶剤を回収して別途の分別蒸留工程を設けるため、追加費用がかかる短所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、レジスト膜の除去力が優れており、薬液疲労度が少ないレジスト除去用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明は下記の化学式1の化合物、化学式2、化学式3又は化学式4の環状化合物、及び化学式5のグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物を少なくとも1種以上含むレジスト除去用組成物を提供する。
【0011】
[化学式1]


【0012】
[化学式2]


【0013】
[化学式3]


【0014】
[化学式4]


【0015】
[化学式5]


【0016】
(上記の式で、R、R'、R"、R’”はそれぞれ水素、ヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数1乃至10のアルカノール基、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基であり、Rはヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基であり、nは1乃至12の整数である。)
前記組成物はアミン、有機酸、酸化剤、下記の化学式6又は化学式7に表示されるラクトン系溶媒、又はこれらの混合物をさらに含むことができる。
【0017】
[化学式6]


【0018】
[化学式7]


【0019】
(上記の式で、Rはそれぞれ水素、ヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数1乃至10のアルカノール基、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基である。)
また、本発明は下記の化学式8に表示されるカーボネート化合物、及びアミン又は有機酸、酸化剤、前記化学式6又は化学式7に表示されるラクトン系溶媒、又はこれらの混合物を含むレジスト除去用組成物を提供する。
【0020】
[化学式8]


【0021】
(上記の式で、Rは炭素数1乃至10のアルキル、ベンジル、フェニル、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテートであり、Rは炭素数1乃至10のアルキル、ベンジル、フェニル、炭素数1乃至10のアルキルアセテート又は炭素数1乃至10のアルキルカーボネートである。)
【発明の効果】
【0022】
本発明によるレジスト除去用組成物は工程中レジストの除去能力及びレジスト分解能力及び基板の洗浄能力が優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0024】
本発明はフォトリソグラフィ工程でレジストパターンを形成した後に基板上部に残留するレジストを除去するための組成物を提供する。
【0025】
本発明では薬液疲労度を減らすために色々な成分で構成されたレジスト除去用組成物を沸点の高い単一溶剤として使用する。本発明で沸点の高い単一溶剤としては極性及び非極性溶媒が最も望ましい。そのうち、極性溶媒はその特有の特性によりレジストを分解する工程中、添加できるオゾンや過酸化水素水などの酸化剤をあまりにも速く分解させたり安定化させることができないため、分解効率を落とすがレジスト除去性能が優れている。また、非極性溶媒の場合、レジスト除去能力は極性溶媒に比べて落ちる短所があるが、オゾンや過酸化水素水などの酸化剤を安定化させられる。このような溶媒の短所を補うために、本発明は触媒剤や添加剤を添加して、オゾンや過酸化水素水などの酸化剤を安定化させながら、分解に必要なラジカル発生を促したり、アミン、有機酸又はその他添加剤などを添加して、除去能力を補助するようにする。
【0026】
詳しくは、本発明によるレジスト除去用組成物の単一溶剤に使用される成分は下記の化学式1の化合物、化学式2、化学式3又は化学式4の環状化合物、及び化学式5のグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物であり、これらはオゾン又は過酸化水素水のような酸化剤で分解されなくて、沸点も120度以上の高温で薬液の減少が少なければならない。このような本発明の化合物はレジスト除去用組成物で100重量部に含まれながら、これらは組成物内で溶媒としての役割を果たす。
【0027】
[化学式1]


【0028】
[化学式2]


【0029】
[化学式3]


【0030】
[化学式4]


【0031】
[化学式5]


【0032】
(上記の式で、R、R'、R"、R’”はそれぞれ水素、ヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数1乃至10のアルカノール基、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基であり、Rはヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基であり、nは1乃至12の整数である。)
この時、本発明によれば、前記化学式8のカーボネート化合物で構成される群より選択される化合物も前記性質を満足して、単独溶媒としても用いることができる。
【0033】
また、本発明はレジストが薬液中に含まれることによって除去性能が低下するのを防止するために、レジスト除去工程中にレジスト成分のレジンと感光剤成分を分解できる触媒剤、及び添加剤などを適用しながら、単一溶剤によって低下される除去性能を補うために特定添加剤などを添加する。
【0034】
望ましくは、本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート系化合物にアミン又は有機酸、酸化剤、前記化学式6又は7に表示されるラクトン系化合物、又はこれらの混合物をさらに含むことができる。
【0035】
本発明の主な目的は、溶媒の役割を果たす前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート系化合物に酸化剤を添加することによって、溶媒に含まれているレジストを分解することである。また、本発明の他の目的は、アミン又は有機酸をさらに添加することによって、溶媒自体に足りないレジスト剥離能力を向上させながら、酸化剤の効率を上げることである。この時、アミン、有機酸、又は酸化剤が使用されても工程中において、より効率を上げるためには溶媒中のアミン、有機酸により、又は熱によって酸化剤を通して、発生されるラジカルをさらに活性化させる必要がある。もちろん、アミン又は有機酸がラジカル発生の効率を上げる一種の触媒剤の役割を果たすが、ラジカルを条件に合うように発生させる溶媒の環境及びレジスト剥離性能向上にその機能を合わせており、実際にオゾンと過酸化水素水及び酸化剤と共に使って、ラジカル発生の効率を上げる触媒剤、添加剤とそれに適合した装置が必要である。
【0036】
また、本発明によると、前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート系化合物、及び酸化剤の組成にアミン又は有機酸又はラクトン系化合物を添加するとき、レジスト剥離性能及びレジスト分解性能をさらに改善することができる。
【0037】
このような本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物を70乃至99.9重量部、及びアミン又は有機酸を0.1乃至30重量部含む2成分系組成であってよい。また、本発明のレジスト組成物は、前記化学式3のカーボネート化合物を70乃至99.9重量部、及びアミン又は有機酸を0.1乃至30重量部含む2成分系組成であってよい。
【0038】
また、本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート化合物を90乃至99.99重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含む2成分系組成であってよい。この時、本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物、及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物、又はカーボネート化合物を70乃至99.499重量部、オゾンを0.001乃至1重量部、及びオゾンを除いた酸化剤を0.5乃至10重量部含むのが好ましい。
【0039】
また、本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート化合物を70乃至89.9重量部、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、及びアミン又は有機酸を0.1乃至30重量部含む3成分系組成であってよい。
【0040】
また、本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート化合物を90乃至89.99重量部、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含む3成分系組成であってよい。この時、本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート化合物を70乃至89.899重量部、ラクトン系化合物を10〜50重量部、オゾンを0.001乃至1重量部、及び酸化剤を0.1乃至10重量部含むのが好ましい。
【0041】
また、本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート化合物を70乃至98.99重量部、アミン又は有機酸を1乃至30重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含む3成分系組成であってよい。
【0042】
また、本発明のレジスト除去用組成物は前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート化合物を70乃至88.99重量部、ラクトン系化合物を10〜50重量部、アミン又は有機酸を1乃至30重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含む4成分系組成であってよい。
【0043】
本発明で単一成分系組成物に用いることができる前記環状化合物は、シクロペンタノン、メチルシクロペンタンノン、テトラヒドロフルフリルアセテート、テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン、及びテトラヒドロピラン-2-メタノールで構成される群より選択される1種以上を使用するのが好ましい。また、前記グリコール化合物は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、及びジエチレングリコールジメチルエーテルで構成される群より1種以上選択することができる。
【0044】
前記カーボネート化合物は、ジベンジルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジエチルジカーボネートで構成される群より選択される1種以上を使用するのが好ましい。
【0045】
本発明で2乃至4成分系の場合、前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート化合物の含有量は共に添加される化合物により変更されることができる。好ましくは、アミン又は有機酸を含む2成分系組成の場合前記環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物、又はカーボネート化合物は全体組成物に対して70乃至99.9重量部で使用することができる。また、酸化剤を含む2成分系組成の場合環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物、又はカーボネート化合物は全体組成物に対して90乃至99.99重量部で使用する。また、オゾン及びオゾンを除いた酸化剤を含む場合には環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物、又はカーボネート化合物を全体組成物に対して70乃至99.499重量部で使用する。また、ラクトン系化合物及びアミン又は有機酸を含む3成分系組成の場合環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物、又はカーボネート化合物は全体組成物に対して70乃至89.9重量部で使用する。また、ラクトン系及び酸化剤を含む3成分系組成の場合、環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物、又はカーボネート化合物は全体組成物に対して90乃至89.99重量部で使用する。また、オゾン及びオゾンを除いた酸化剤及びラクトン系化合物を含む場合環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物、又はカーボネート化合物は全体組成物に対して70乃至89.899重量部で使用する。この時、前記環状アミン化合物及びグリコール化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート系化合物の含有量が各場合において下限値未満であれば相対的に酸化剤及びアミン又は有機酸の重量部が増えながら、金属配線の腐蝕及びレジスト除去能力が落ちる問題があって、それぞれの場合で上限値を超えるようになると相対的に酸化剤及びアミン又は有機酸の重量部が離れてラジカル発生が不足して、溶媒内のレジスト分解が難しい問題がある。
【0046】
本発明で使用するアミン又は有機酸はそれ自体でレジスト剥離を助けることもでき、レジスト組成内の感光性化合物(PAC、photo active compound)と反応して、感光性化合物を酸化させる役割を果たす。前記感光性化合物は高分子の間に存在するため、酸化された感光性化合物が本発明の環状化合物及びグリコール系化合物で構成される群より選択される化合物又はカーボネート系化合物に溶けながら高分子鎖が緩くなって溶解しやすい状態となる。アミン又は有機酸は単一溶媒でたりないレジストの除去性能を補助する役割を果たすだけでなく、溶媒のpHも調節することによってアルカリ度を調節して酸化剤が溶媒内で簡単にラジカルを発生させられる条件を作って、酸化剤の活性を調節する役割を果たす。例えば、pHが7.5以上の場合には、ヒドロキシラジカルが発生しやすい条件となり、pHが7.5以下の場合には酸化剤が安定的に溶媒に存在できる条件となる。
【0047】
この時、アミンの場合、溶媒のpHを増加させることによって高いpHでオゾンや過酸化水素水のような酸化剤が継続的に供給される状態では酸化剤の分解効率を上げながら、反応性の高いヒドロキシルラジカルを簡単に発生させられる条件を作る。このようなヒドロキシルラジカルは溶媒内に含まれているレジストの構成成分と反応して、分解させながら、同時に基板に塗布されたレジストの剥離も助けることができる。前記アミンは1級、2級、3級鎖状アミン又は環状アミンが好ましく、具体的には、モノエタノールアミン、モノイソプロピルアミン、アミノエトキシエタノール、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルメタノールアミン、メチルジエタノールアミン、1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルピペラジン、N-メチル-N-(N,N-ジメチルアミノエチル)-アミノエタノール、N-メチル-N-(N,N-ジメチルアミノエチル)-アミノブタノール、1-(N,N-ジメチル)2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアミン、ヒドロキシエチルピペラジン、アミノエチルピペラジン、及びアミノプロピルモルヒネの中より1種以上選択することができる。
【0048】
前記有機酸は溶媒のpHを減少させることによってオゾンや過酸化水素水のような酸化剤が一定量に制限された状態で安定的に溶媒に含まれるようにしながら、ヒドロキシルラジカル又は酸素ラジカルに一定に分解されるようにする。前記有機酸の種類としてはカルボン酸、ジカルボン酸、及びこれらの無水物で構成される群より選択して、使用するのが好ましい。具体的には、安息香酸、メチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アミノベンズ酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、サリチル酸、蓚酸、フタル酸、イタコン酸、コハク酸無水物、フタル酸無水物、及びイタコン酸無水物の中より1種以上選択することができる。
【0049】
本発明で2成分系組成物及び3成分系組成物の場合、アミン又は有機酸は全体組成物に対して0.1乃至30重量部で使用するのが好ましい。アミン又は有機酸の含有量が0.1重量部未満であれば乾式エッチングなどによって、変成されたレジスト除去性能が低下し、溶媒のpHを調節して、ラジカル発生環境を作り難い問題があって、30重量部を超えるようになるとゲル化された高分子を溶解する能力が落ち、全体的にレジスト除去性能が低下される問題がある。
【0050】
本発明の組成物に使用される酸化剤は、オゾン、過酸化水素水、tert-ブチルヒドロゼンペルオキシド、ベンゾイルヒドロゼンペルオキシド、尿素-過酸化水素付加体、硝酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、二フッ化水素アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫化アンモニウム、蓚酸アンモニウム、及びチオ硫酸アンモニウムで構成される群より選択される1種以上であることが好ましく、特にオゾンが望ましい。
【0051】
オゾンを含む場合、オゾンを除いた1種以上の酸化剤と共に含んだ方が良い。このような場合、酸化剤は過酸化水素水及びアンモニウム塩の中より選択されるのが最も好ましく、過酸化水素水とアンモニウム塩などのような酸化剤が溶媒に添加される場合には必ず水に溶けている状態で添加してこそその効果を期待できる。オゾンと過酸化水素と共に用いる場合、レジスト分解能力を倍増させられ、オゾンとアンモニウム塩を共に用いる場合、レジスト分解能力が増加して、アッシング工程後に現れる変成されたレジストを簡単に除去できる機能も遂行できる。オゾンを含まないで過酸化水素水又はアンモニウム塩を前記環状化合物、グリコール系化合物、カーボネート化合物の中で選択した化合物と共に用いられる場合にもレジスト分解能力を確認できるが、オゾンよりレジスト構成成分の中でレジン(resin)を分解する能力は落ちて、感光剤(PAC)を分解する能力は同一であることを観察することができる。従って、本発明において、酸化剤は一つ以上を混合して使って、オゾンを単独で使うのがより好ましく、要求される工程により酸化剤の種類が異なってもよい。
【0052】
酸化剤として使用する過酸化水素水、オゾン、アンモニウム塩などは特定の条件でヒドロキシラジカル、酸素ラジカル、アンモニウムラジカルを発生させて、レジスト成分中感光性化合物(PAC:Photo active compound)を分解して、溶媒に含まれているレジストの含有量を直接減らせる役割を果たすだけでなく溶媒自体に足りないレジスト除去性能を高める役割も共に果たす。
【0053】
この時、酸化剤として用いることができるオゾンは、オゾン発生装置を使って、リアルタイムで供給されるべきで、溶媒に含まれているレジスト及び基板に塗布されたレジストを分解又は剥離するために50乃至100ppm程度のオゾンが溶媒に溶解していなければならなく、少なくとも30ppm以上のレジスト除去用組成物に存在してこそレジスト除去能力を助けることができる。オゾンが溶媒に効率的に溶解するためには発生器と溶媒が入っているタンクの間の接触器が必要である。このようなオゾンは溶媒中で分解効率が高いほどレジスト剥離の効率が高くなり、温度が高いほど、またヒドロキシオキシドが多く存在するほどその分解速度が速くなる。
【0054】
本発明の2乃至4成分系組成物で、酸化剤の含有量はそれぞれの全体組成物に対して0.01乃至10重量部で使用することができる。酸化剤の含有量が0.01重量部未満であればラジカル発生量が不足して、レジスト分解が難しい問題があって、10重量部を超えると金属配線に腐食を招く問題がある。本発明の組成物でオゾンを含む場合、オゾンの含有量は0.001乃至1重量部で使って、オゾンを除いた酸化剤の場合0.1乃至10重量部で使用することができる。
【0055】
前記化学式6又は化学式7に表示されるラクトン系化合物としてはガンマブチロラクトン、ガンマメチレンガンマブチロラクトン、アルファメチルガンマブチロラクトン、アルファメチレンガンマブチロラクトン、2-アセチルブチロラクトン、ガンマヘキサノラクトン、ガンマノナンオールラクトン、テルタオクタロラクトン、ガンマバレロラクトン、デルタバレロラクトン、及びデルタヘキサノンラクトンで構成される群より1種以上選択して使用することができる。
【0056】
本発明で3成分系又は4成分系組成物の場合、ラクトン系化合物は全体組成物に対して10乃至50重量部で使用するのが好ましく、その含有量が10重量部未満であれば相対的に酸化剤及びアミン又は有機酸の重量部が増えて、金属配線の腐蝕及びレジスト除去能力が落ちる問題があって、50重量部を超えるようになると相対的に酸化剤及びアミン又は有機酸の重量部が離れてラジカル発生が不足して、溶媒内のレジスト分解が難しい問題がある。
【0057】
以上のような本発明のレジスト除去用組成物の製造方法は特に限定されなく、通常の方法と併せて、電子回路又は表示素子の金属配線をパターンするレジスト除去に用いることができる。
【0058】
以下、実施例と比較例を通して、本発明をさらに詳細に説明する。但し、実施例は本発明を例示するものであって、これらを限定するものではない。一方、下記の実施例において別途の言及がなければ百分率及び混合比は重量を基準にしたものである。
【実施例】
【0059】
実施例1乃至7は、それぞれの組成物のレジスト除去性能及びレジスト分解性能を調べるための実験である。
【0060】
レジスト除去性能を調べるための試片はガラスの上にDTFR-3650B(東進セミケム、ポジティブレジスト)を塗布した後、140℃で10分間(試片1)、及び150℃で10分間(試片2)、ベーキングしたレジスト除去時間を測定し、試片の寸法は2cm×4cmにした。
【0061】
レジスト分解性能を調べるために、各組成物にDTFR-3650B(東進セミケム、ポジティブレジスト)3重量部を強制投入し、オゾンを用いる場合オゾン発生装置を使用して溶媒内にオゾンが60ppm以上が維持されるように調節し、それぞれ6時間以上オゾンとの反応を通して、レジスト分解の有無を観察した。オゾン発生装置は大きく放電法、光化学反応法、電解法などが知られており、本実験では2ケ以上の電極間に誘電体を挿入して放電空間で酸素をオゾンで変換させる放電法を使って、オゾンを微細気泡形式で溶媒内に表面積が大きくて密閉された容器内で接触させて溶解した。
【0062】
レジスト分解の要否はUV吸光度測定を通して観察し、それぞれ280nm、350nm、550nmでの吸光度を観察して、基準対比分解の有無を(%)に示した。
【0063】
工程適用時、配線金属に対する腐蝕の有無を調べるための試片として、ガラス基板上にモリブデンとアルミニウムが200Å、2000Åと順次に薄膜蒸着されたのをDTFR-3650Bに配線を形状化した後、湿式エッチング法でエッチングした(試片3)。
【0064】
試片の大きさは2cm×4cmにして、各組成物を70℃で誘起した後、30分間浸漬させたものを純水で洗浄した後、SEMを通して、下部膜質の腐蝕の要否を観察した。
【0065】
<実施例1>
グリコール化合物又はカーボネート化合物自体のレジスト除去性能を評価した。
【0066】
下記表1のそれぞれの溶媒を使って、前記第1試片の膜質に対する除去力を評価した。
【0067】
特に揮発に応じたレジスト除去性能の変化を見るために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、各試片の除去性能を評価して、完全にレジストを除去する時間を結果として表1に示した。
【0068】
【表1】

【0069】
前記表1で、DEC:ジエチルカーボネート、THFA:テトラヒドロポピュリラセテイトゥ、TEG:トリエチレングリコール、BDG:ジエチレングリコールブチルエーテル、DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテルである。
【0070】
前記表1の結果から、本発明によるグリコール化合物又はカーボネート化合物(実験1乃至5)の場合、レジスト除去力において全て類似する能力を示した。この時、熱硬化が150℃以上である場合、又は乾式エッチングによって、レジストが変成された場合には上の溶媒を単純に適用できないが、140℃以下の熱硬化ではレジスト剥離能力が良いため、工程中に有効に用いることができる。
【0071】
<実施例2>
本発明の環状化合物、グリコール系、又はカーボネート化合物とアミン又は有機酸を混合した2成分系でのレジストの除去性能及び腐蝕の有無を評価した。
【0072】
下記表2の実験1乃至7の組成物を使って、前記第1試片、2試片、3試片の膜質に対する除去力及びプシギョブウル評価した。特に揮発に応じたレジスト除去性能の変化を見るために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、各試片の除去性能を評価して、完全にレジストを除去する時間と共に、その結果を表2に示した。
【0073】
【表2】

【0074】
前記表2で、DEC:ジエチルカーボネート、THFA:テトラヒドロポピュリラセテイトゥ、TEG:トリエチレングリコール、BDG:ジエチレングリコールブチルエーテル、DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテル、PhAA:フタル酸無水物、SAA:コハク酸無水物、MEA:モノエタノールアミン、MDAEAE:N-メチル-N-(N,N-ジメチルアミノエチル)アミノエタノールである。
【0075】
各溶媒にアミン又は有機酸が添加される場合、単一溶媒よりレジスト除去性能は増加し、溶媒の種類によって若干の差が生じることが分かる。またアミン又は有機酸が添加されても下部膜質の腐蝕には影響を与えないことが分かる。
【0076】
<実施例3>
環状化合物、又はグリコール系、ラクトン系化合物、及びアミン又は有機酸を混合した3成分系でのレジストの除去性能は及び腐蝕の有無を比較した。
【0077】
下記表3の実験1〜6の組成物を使って、前記第1試片、2試片、3試片の膜質に対する除去力及び腐食可否を評価した。特に揮発に応じたレジスト除去性能の変化を調べるため、各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、各試片の除去性能を評価して、完全にレジストを除去する時間と共に、その結果を表3に示した。
【0078】
【表3】

【0079】
前記表3で、DEC:ジエチルカーボネート、THFA:テトラヒドロポピュリラセテイトゥ、BDG:ジエチレングリコールブチルエーテル、DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテル、PhAA:フタル酸無水物、SAA:コハク酸無水物、GBL:ガンマブチロラクトン、ABL:2-アセチルブチロラクトン、MDAEAE:N-メチル-N-(N,N-ジメチルアミノエチル)アミノエタノールである。
【0080】
各溶媒にラクトン系溶媒及びアミン又は有機酸が添加される場合、単一溶媒よりレジスト除去性能は増加し、溶媒の種類によって若干の差が生じることが分かる。またアミン又は有機酸が添加されても下部膜質の腐蝕には影響を与えないことが分かる。本発明でラクトン系化合物によって、レジスト除去性能が増加する理由はラクトン系化合物の場合、酸素二重結合がある所に極性が集まっている、極性が大きい溶媒であるためである。
【0081】
このような極性溶媒はレジスト除去性能を助けるだけでなく、除去溶剤の粘性を下げる役割も共に果たす。
【0082】
<実施例4>
グリコール系又はカーボネート化合物と酸化剤として過酸化水素水、オゾン、アンモニウム塩などの酸化剤を混合した3成分系でのレジストの除去性能、腐蝕の有無、レジスト分解性能を比較した。
【0083】
下記表4の実験1乃至11の組成物を使って、前記第1試片、2試片、3試片の膜質に対する除去力を評価した。レジスト除去性能の変化を調べるために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、各試片の除去性能を評価して、完全にレジストを除去する時間を示した。また、レジスト分解性能を調べるために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、初期及び6時間が通過後、各除去溶液を採取してUV吸光度を測定して、分解比率と共に、その結果を表4に示した。
【0084】
【表4】

【0085】
前記表4で、DEC:ジエチルカーボネート、THFA:テトラヒドロポピュリラセテイトゥ、TEG:トリエチレングリコール、BDG:ジエチレングリコールブチルエーテル、DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテル、過酸化水素水:35%H水溶液、炭酸アンモニウム:10%炭酸アンモニウム水溶液である。
【0086】
本実験でオゾンは継続してオゾン発生装置によって供給されて、溶媒に60ppmの濃度に維持される状態で実験を進め、過酸化水素水及びアンモニウム塩の場合継続的に供給せず熱によって消耗したり分解される状態で進められた。
【0087】
結果的に、オゾンは継続的に供給される状態であるため、他の酸化剤に比べて分解効率が良く、特定溶媒内では優秀な効果が示される。このようなオゾン及び過酸化水素水、アンモニウム塩は溶媒内でラジカルを発生させると共に、感光剤(PAC)を主に分解させて、レジスト成分中のレジンは感光剤より分解効率が落ちた。従って、時間が経つにつれて組成物の色は感光剤によって、不透明な赤い色が薄くなりながら、透明な黄色に変わるのを観察することができた。
【0088】
アミン又は有機酸と同様にオゾンも、レジスト剥離能力が向上する効果をもたらすが、アミン又は有機酸ほどの効果は見られない。継続的に供給されたオゾンが基板と当たりながら、熱変性されたレジストの成分中、感光剤との反応を通して、レジスト剥離能力が向上するように助けたものと判断される。
【0089】
<実施例5>
酸素二重結合が含まれている環状化合物、グリコール系、又はカーボネート系とラクトン系化合物、酸化剤を混合した3成分系でのレジストの除去性能は及び腐蝕の有無を比較した。
【0090】
下記表5の実験1乃至13の組成物を使って、前記第1試片、2試片、3試片の膜質に対する除去力及びプシギョブウル評価した。特に揮発に応じたレジスト除去性能の変化を見るために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、各試片の除去性能を評価して、完全にレジストを除去する時間と共に、その結果を表5に示した。
【0091】
【表5】

【0092】
前記表5で、THFA:テトラヒドロポピュリラセテイトゥ、BDG:ジエチレングリコールブチルエーテル、DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテル、GBL:ガンマブチロラクトン、ABL:2-アセチルブチロラクトン、過酸化水素水:35%H水溶液、炭酸アンモニウム:10%炭酸アンモニウム水溶液を示す。
【0093】
前記結果から、ラクトン系化合物は溶媒に混ざると共に、レジスト剥離性能及び分解性能の効率を上げていることが明らかになった。
【0094】
<実施例6>
酸素二重結合が含まれている環状化合物、グリコール系、又はカーボネート系と、アミン又は有機酸、及び酸化剤として過酸化水素、オゾン、アンモニウム塩などの酸化剤を混合した3成分系でのレジストの除去性能、腐蝕の有無、レジスト分解性能を比較した。
【0095】
下記表6の実験1乃至12の組成物を使って、前記第1試片、2試片、3試片の膜質に対する除去力を評価した。レジスト除去性能の変化を見るために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、各試片の除去性能を評価して、完全にレジストを除去する時間を示した。レジスト分解性能を調べるために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、初期及び6時間通過後、各除去溶液を採取してUV吸光度を測定して、分解比率を示した。その結果を表6に示した。
【0096】
【表6】

【0097】
前記表6で、DEC:ジエチルカーボネート、THFA:テトラヒドロポピュリラセテイトゥ、TEG:トリエチレングリコール、BDG:ジエチレングリコールブチルエーテル、DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテル、過酸化水素水:35%H水溶液、炭酸アンモニウム:10%炭酸アンモニウム水溶液、MDAEAE:N-メチル-N-(N,N-ジメチルアミノエチル)アミノエタノールを示す。
【0098】
それぞれのアミン又は有機酸は溶媒のpHなどラジカルが発生させる条件を向上させて、15〜20%程度レジストの分解効率を高め、特にレジスト剥離性能も非常に向上したのが分かる。
【0099】
アミン又は有機酸を除いて、オゾンと過酸化水素と共に用いる場合、アミン又は有機酸より高い分解効率を示した。また、過酸化水素とオゾンの相互作用による上昇效果が大きいことが分かる。
【0100】
<実施例7>
酸素二重結合が含まれている環状化合物、グリコール系、又はカーボネート系化合物と、ラクトン系化合物、アミン又は有機酸及び酸化剤として過酸化水素、オゾン、アンモニウム塩などの酸化剤を混合した4成分系でのレジストの除去性能、腐蝕の有無、レジスト分解性能を比較した。
【0101】
下記表7の実験1乃至12の組成物を使って、前記第1試片、2試片、3試片の膜質に対する除去力を評価したし、レジスト除去性能の変化を見るために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、各試片の除去性能を評価して、完全にレジストを除去する時間を示した。レジスト分解性能を調べるために各除去溶液を強制排気状態で70℃を維持し続けて、初期及び6時間経過後、各除去溶液を採取してUV吸光度を測定して、分解比率と共にその結果を表8に示した。
【0102】
【表7】

【0103】
前記表7で、THFA:テトラヒドロポピュリラセテイトゥ、BDG:ジエチレングリコールブチルエーテル、DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテル、GBL:ガンマブチロラクトン、ABL:2-アセチルブチロラクトン、過酸化水素水:35%H水溶液、炭酸アンモニウム:10%炭酸アンモニウム水溶液を示す。
【0104】
【表8】

【0105】
本発明によるレジスト除去用組成物は、工程中におけるレジストの除去能力、レジスト分解能力及び基板の洗浄能力が優れている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1の化合物、化学式2、化学式3又は化学式4の環状化合物、及び化学式5のグリコール系化合物で構成される群から選択される化合物を少なくとも1種以上含むことを特徴とするレジスト除去用組成物。
[化学式1]



[化学式2]



[化学式3]



[化学式4]



[化学式5]



(上記の式で、R、R'、R"、R’”はそれぞれ水素、ヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数1乃至10のアルカノール基、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基であり、Rはヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基であり、nは1乃至12の整数である。)
【請求項2】
前記環状化合物がシクロペンタノン、メチルシクロペンタノン、テトラヒドロフルフリルアセテート、テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン、テトラヒドロピラン2-メタノールで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項3】
前記グリコール化合物がエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、及びジエチレングリコールジメチルエーテルで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項4】
前記組成物がアミン、有機酸、酸化剤、下記の化学式6又は化学式7に表示されるラクトン系溶媒、又はこれらの混合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレジスト除去用組成物。
[化学式6]



[化学式7]



(上記の式で、Rはそれぞれ水素、ヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数1乃至10のアルカノール基、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基である。)
【請求項5】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を70乃至99.9重量部、及びアミン又は有機酸を0.1乃至30重量部含むことを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項6】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を90乃至99.99重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含むことを特徴とする請求項1に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項7】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を90乃至99.499重量部、オゾンを0.001乃至1重量部、及びオゾンを除いた酸化剤を0.5乃至10重量部含むことを特徴とする請求項6に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項8】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を70乃至98.99重量部、アミン又は有機酸を1乃至30重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含むことを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項9】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を70乃至89.9重量、ラクトン系化合物を10乃至50重量部及びアミン又は有機酸を0.1乃至30重量部含むことを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項10】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を70乃至89.99重量部、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含むことを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項11】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を70乃至88.99重量部、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、アミン又は有機酸を1乃至30重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含むことを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項12】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を70乃至89.899重量部、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、オゾンを0.01乃至1重量部、及びオゾンを除いた酸化剤を0.5乃至10重量部含むことを特徴とする請求項11に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項13】
前記アミンはモノエタノールアミン、モノイソプロピルアミン、アミノエトキシエタノール、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルメタノールアミン、メチルジエタノールアミン、1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルピペラジン、N-メチル-N-(N,N-ジメチルアミノエチル)-アミノエタノール、N-メチル-N-(N,N-ジメチルアミノエチル)-アミノブタノール、1-(N,N-ジメチル)2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアミン、ヒドロキシエチルピペラジン、アミノエチルピペラジン、及びアミノプロピルモルヒネで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項14】
前記有機酸は安息香酸、メチル安息香酸、ヒドロキシル安息香酸、アミノ安息香酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、サリチル酸、蓚酸、フタル酸、イタコン酸、コハク酸無水物、フタル酸無水物、及びイタコン酸無水物で構成される群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項15】
前記酸化剤はオゾン、過酸化水素、tert-ブチルヒドロゼンペルオキシド、ベンゾイルヒドロゼンペルオキシド、尿素-過酸化水素付加体、硝酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、二フッ化水素アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫化アンモニウム、蓚酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウムで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項16】
前記ラクトン系化合物はガンマブチロラクトン、ガンマメチレンガンマブチロラクトン、アルファメチルガンマブチロラクトン、アルファメチレンガンマブチロラクトン、2-アセチルブチロラクトン、ガンマヘキサノラクトン、ガンマノナンオールラクトン、デルタオクタノラクトン、ガンマバレロラクトン、デルタバレロラクトン、及びデルタヘキサノンラクトンで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項4に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項17】
下記の化学式8に表示されるカーボネート化合物、及び
アミン、有機酸、酸化剤、下記の化学式6又は化学式7に表示されるラクトン系溶媒、又はこれらの混合物
を含むことを特徴とするレジスト除去用組成物。
[化学式8]



(上記の式で、Rは炭素数1乃至10のアルキル、ベンジル、フェニル、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテートであり、
は炭素数1乃至10のアルキル、ベンジル、フェニル、炭素数1乃至10のアルキルアセテート又は炭素数1乃至10のアルキルカーボネートである。)
[化学式6]



[化学式7]



(上記の式で、Rはそれぞれ水素、ヒドロキシル基、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数1乃至10のアルカノール基、又は炭素数1乃至10のアルキルアセテート基である。)
【請求項18】
前記組成物は全体組成物に対してカーボネート化合物を70乃至99.9重量部、及びアミン又は有機酸を0.1乃至30重量部含むことを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項19】
前記組成物は全体組成物に対してカーボネート化合物を90乃至99.99重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含むことを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項20】
前記組成物は全体組成物に対してカーボネート化合物を90乃至99.499重量部、オゾンを0.001乃至1重量部、及びオゾンを除いた酸化剤を0.5乃至10重量部含むことを特徴とする請求項19に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項21】
前記組成物は全体組成物に対してカーボネート化合物を70乃至98.99重量部、アミン又は有機酸を1乃至30重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含むことを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項22】
前記組成物は全体組成物に対してカーボネート化合物を70乃至89.9重量、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、及びアミン又は有機酸を0.1乃至30重量部含むことを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項23】
前記組成物は全体組成物に対して環状化合物、及びグリコール化合物で構成される群から選択される化合物を70乃至89.99重量部、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含むことを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項24】
前記組成物は全体組成物に対してカーボネートを化合物70乃至88.99重量部、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、アミン又は有機酸を1乃至30重量部、及び酸化剤を0.01乃至10重量部含むことを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項25】
前記組成物は全体組成物に対してカーボネート化合物を70乃至89.899重量部、ラクトン系化合物を10乃至50重量部、オゾンを0.01乃至1重量部、及びオゾンを除いた酸化剤を0.5乃至10重量部含むことを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項26】
前記カーボネート化合物がジベンジルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジエチルジカーボネートで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項27】
前記アミンはモノエタノールアミン、モノイソプロピルアミン、アミノエトキシエタノール、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルメタノールアミン、メチルジエタノールアミン、1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルピペラジン、N-メチル-N(n,n-ジメチルアミノエチル)-アミノエタノール、ヒドロキシエチルピペラジン、アミノエチルピペラジン、及びアミノプロピルモルヒネで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項28】
前記有機酸は安息香酸、メチル安息香酸、ヒドロキシル安息香酸、アミノ安息香酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、サリチル酸、蓚酸、フタル酸、イタコン酸、コハク酸無水物、フタル酸無水物、及びイタコン酸無水物で構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項29】
前記酸化剤はオゾン、過酸化水素、tert-ブチルヒドロゼンペルオキシド、ベンゾイルヒドロゼンペルオキシド、尿素-過酸化水素付加体、硝酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、二フッ化水素アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫化アンモニウム、蓚酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウムで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。
【請求項30】
前記ラクトン系化合物はガンマブチロラクトン、ガンマメチレンガンマブチロラクトン、アルファメチルガンマブチロラクトン、アルファメチレンガンマブチロラクトン、2-アセチルブチロラクトン、デルタヘキサノラクトン(delta-hexanolactone)、ガンマノナンオールラクトン、デルタオクタノラクトン(delta-octanolactone)、ガンマバレロラクトン、デルタバレロラクトン、及びデルタヘキサノンラクトンで構成される群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項17に記載のレジスト除去用組成物。

【公開番号】特開2007−188077(P2007−188077A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1604(P2007−1604)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(500013751)東進セミケム株式会社 (72)
【氏名又は名称原語表記】Dongjin Semichem Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】472−2 Gajwa−dong,Seo−ku,Incheon−city 404−250,Korea
【Fターム(参考)】