説明

レンズアレイの製造方法

【課題】レンズ部となる部分に気泡を残さずにレンズアレイを製造すること
【解決手段】複数のレンズ部6と、複数のレンズ部6と一体に形成される基板部11とを有するレンズアレイ10の製造方法であって、成形下型30と、レンズ部6のレンズ面6aに対応するレンズ成形面22と該レンズ成形面22の全周を囲う環状凹面23を有する成形上型20の間に熱硬化性の樹脂を挟み込み、成形上型20と成形下型30の間に樹脂を挟み込んだ状態で、レンズ成形面22に向けて選択的に熱を供給することで、樹脂のうちレンズ部6となる部分のみを樹脂の硬化開始温度まで加熱し、レンズ部6となる部分を硬化開始温度まで加熱した後に、樹脂を加圧し、樹脂を加圧した状態で、成形上型20全体に熱を供給して、樹脂全体を硬化させるレンズアレイ10の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。
【0003】
撮像ユニットのコストの低下を図るため、撮像ユニットに実装されるレンズを大量にかつ安価に製造できるように、レンズの製造方法を効率化することが望まれている。このようなレンズは、基板部に複数のレンズ部を一体に形成した構成であるレンズアレイを製造し、該基板部を切断して複数のレンズ部をそれぞれ分離させることで、得られ、撮像ユニットに実装される。
【0004】
そして、熱硬化性の樹脂を材料したレンズアレイ等の光学部材を製造するには、一対の成形型と、加熱部が用いられる。
【0005】
熱硬化性の樹脂を材料として、一対の成形型と加熱部を用いたレンズの製造方法としては、特許文献1に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−183762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、熱硬化性の樹脂を用いてレンズアレイを製造するときは、ヒータ等の加熱機構を用いて樹脂を加熱する過程で気泡が発生することがある。レンズ部となる部分に気泡が残ったまま樹脂が硬化されてしまうと、気泡入りのレンズ部が製造されてしまう。これにより、レンズアレイのいくつかのレンズ部は不良品として扱われてしまう。
【0008】
そこで、特許文献1では、樹脂内に発生した気泡をレンズ部となる部分から逃がすために、上型に環状の凹部を設けている。
【0009】
しかし、樹脂には一定の粘性があるため、上型に環状の凹部を設けただけでは、十分にレンズ部となる部分から気泡を逃すことができなかった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、レンズアレイのレンズ部となる部分に気泡を残さずにレンズアレイを製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部と一体に形成される基板部とを有するレンズアレイの製造方法であって、成形下型と、前記レンズ部の第1のレンズ面に対応する第1のレンズ成形面と該第1のレンズ成形面の全周を囲う環状凹面を有する成形上型の間に熱硬化性の樹脂を挟み込み、前記成形上型と前記成形下型の間に前記樹脂を挟み込んだ状態で、前記第1のレンズ成形面に向けて選択的に熱を供給することで、前記樹脂のうち前記レンズ部となる部分のみを前記樹脂の硬化開始温度まで加熱し、前記レンズ部となる部分を硬化開始温度まで加熱した後に、前記樹脂を加圧し、前記樹脂を加圧した状態で、前記成形上型全体に熱を供給して、前記樹脂全体を硬化させるレンズアレイの製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、成形上型に環状凹面を形成することで、樹脂内に発生する気泡をトラップする環状凹部が形成されている。その上で、レンズ部となる部分を優先的に加熱するとともに、この部分の硬化が始まる段階で樹脂を加圧するようにしたため、レンズ部となる部分から気泡を有効に逃すことができる。これにより、不良品の発生を著しく減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を説明するための撮像ユニットの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態を説明するためのレンズアレイの一例を示す図である。
【図3】図2のレンズアレイのIII−III線断面図である。
【図4】一対の成形型を説明するための模式的な拡大断面図である。
【図5】一対の成形型を用いた供給工程を示す模式的な断面図である。
【図6】図5の成形型を用いた成形工程を示す模式的な断面図である。
【図7】図5の成形型を用いた第1の加熱工程を示す模式的な断面図である。
【図8】図5の成形型を用いた加圧工程を示す模式的な断面図である。
【図9】図5の成形型を用いた第2の加熱工程を示す模式的な断面図である。
【図10】図5の成形型から成形体を離型する離型工程を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態を説明するための撮像ユニットの一例を示す断面図である。
【0015】
図1に示す撮像ユニット1は、センサモジュール2と、レンズモジュール3と、を備えている。
【0016】
センサモジュール2は、固体撮像素子4と、センサ基板部5とを備えている。センサ基板部5は、例えばシリコンなどの半導体材料で形成されている。固体撮像素子4は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどであり、センサ基板部5に対して周知の成膜工程、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程、不純物添加工程、等を繰り返し、センサ基板部5上に受光領域、絶縁膜、電極、配線、等を形成して構成されている。
【0017】
レンズモジュール3は、レンズ部6と、フランジ部7とを備えている。レンズ部6は、その表裏に所定のレンズ面6a、6bを有している。両レンズ面6a、6bは、図示の例ではいずれも凸形状の球面とされているが、用途に応じて、凸形状の球面、凹形状の球面、非球面、又は平面の種々の組み合わせを採り得る。フランジ部7は、レンズ部6の外周から鍔状に張り出して、レンズ部6の外周を取り囲んでいる。また、フランジ部7は、レンズ部6のレンズ面6a側に突出部8を有しており、突出部8はレンズ面6bを囲むように設けられた環状凸面8aを有している。なお、環状凸面8aはレンズ面6aの有効径領域から外れているため、レンズアレイ10の製造後に、突出部8を削り取ってもよい。これにより、複数のレンズモジュール3を積層した撮像ユニット1を製造するときに、突出部8が邪魔にならなくて済む。また、レンズ部6及びフランジ部7は、透光性の材料で一体に形成されている。
【0018】
レンズモジュール3は、そのフランジ部7とセンサ基板部5との間にスペーサ9を介してセンサモジュール2に積層され、センサモジュール2に組み付けられている。スペーサ9は、レンズモジュール3のレンズ部6がセンサモジュール2の固体撮像素子4の受光面に結像するように、センサモジュール2のセンサ基板部5とレンズモジュール3のフランジ部7との間に所定の距離を置く厚みとなっている。スペーサ9と両モジュール2、3とは、例えば接着剤などを用いて接合される。
【0019】
スペーサ9は、センサモジュール2のセンサ基板部5とレンズモジュール3のフランジ部7との間に所定の距離を置くことができる限り、その形状は特に限定されないが、固体撮像素子4の周囲を取り囲んで両モジュール2、3の間を外より隔絶する枠状の部材であることが好ましい。これによれば、両モジュール2、3の間から塵等の異物が入り、それが固体撮像素子4の受光面に付着することを防止することができる。更に、スペーサ9を遮光性の材料で形成すれば、両モジュール2、3の間から固体撮像素子4に入射する不要な光を遮ることができる。
【0020】
なお、図示の例では、センサモジュール2に組み付けられるレンズモジュール3が1つとなっているが、複数のレンズモジュール3が組み付けられる場合もある。その場合に、複数のレンズモジュール3は、スペーサ9と同等のスペーサを介して順次積層され、センサモジュール2に組み付けられる。また、それらのレンズ部6のレンズ面6a、6bは、レンズモジュール3毎に異なっていてもよい。
【0021】
以上のように構成された撮像ユニット1は、例えば携帯端末等の回路基板にリフロー実装される。回路基板には撮像ユニット1が実装される位置に予めペースト状の半田が印刷されており、そこに撮像ユニット1が載置される。そして、撮像ユニット1を含む回路基板に赤外線の照射や熱風の吹付けといった加熱処理が施される。それにより半田が溶け、撮像ユニット1は回路基板に実装される。
【0022】
上述のレンズモジュール3は、複数のレンズ部6が1次元又は2次元に配列されたレンズアレイを、個々にレンズ部6を含むように分断して得られる。また、上述のセンサモジュール2も同様に、複数の固体撮像素子が1次元又は2次元に配列されたセンサアレイを、個々に固体撮像素子を含むように分断して得られる。以下に、レンズモジュール3を得るレンズアレイについて説明する。
【0023】
図2は、レンズアレイを示す平面図である。図3は、図2のレンズアレイのIII−III線断面図である。
【0024】
図2及び図3に示すレンズアレイ10は、複数のレンズ部6と、これらのレンズ部6を一体に繋ぐ基板部11とを備えている。このレンズアレイ10は、全体として所定のサイズのウエハ状をなし、そこに複数のレンズ部6が配列された、ウエハレベルレンズアレイとも称され、図示の例では、複数のレンズ部6は2次元に配列されている。これらのレンズ部6、及び基板部11は、透光性の材料で一体に形成されている。
【0025】
上述のレンズモジュール3(図1参照)は、レンズアレイ10において、隣り合うレンズ部6の間で基板部11を切断して得られる。切断されて個々のレンズ部6に付属する基板部11が、レンズモジュール3のフランジ部7となる。
【0026】
図4は、一対の成形型を説明するための模式的な拡大断面図である。
【0027】
後述するように、レンズアレイ10は、一対の成形型である成形上型20及び成形下型30を用いて成形される(図5参照)。図4では、この一対の成形型の成形上型20を拡大した断面を示している。
【0028】
成形型は、上下一対の成形上型20と成形下型30を備える。成形上型20は、転写面21がレンズアレイ10の一方の面を成形するものであり、成形下型30は、転写面31がレンズアレイ10のもう一方の面を成形するものである。
【0029】
成形上型20は、転写面21を有し、レンズアレイ10の一方の面の形状を反転させた形状を有する。また、成形下型は、転写面31を有し、レンズアレイ10のもう一方の面の形状を反転させた形状を有する。
【0030】
成形上型20の転写面21には、レンズアレイ10のレンズ部6の配列に対応してレンズ成形面22と環状凹面23が2次元に配列されている。レンズ成形面22は、凹形状の球面であるレンズ面6aに対応して凸形状の球面に成形されている。環状凹面23は、環状凸面8aに対応して凹形状の環状面に成形されており、この環状凹面23によって環状凹部123が形成されている。また、環状凹面23は、レンズアレイ10のレンズ面6aの光学設計上の有効径領域に隣接する領域に対応するように設けられている。
【0031】
また、レンズ成形面22と環状凹面23は滑らかに連結されており、レンズ成形面22と環状凹面の連結部分にエッジが生じないように成形されている。つまり、レンズ成形面22の頂点と環状凹面23の頂点を結ぶ転写面21に沿った線は曲線である。
【0032】
成形下型30の転写面31には、レンズアレイ10のレンズ部6の配列に対応してレンズ成形面32が2次元に配列されている。レンズ成形面32は、凸形状の球面である6bに対応して凹形状の球面に成形されている。
【0033】
次に、上述の成形型を用いた製造方法の手順を図6から図10を用いて説明する。
【0034】
図6は、図5の成形型を用いた成形工程を示す模式的な断面図である。図7は、図5の成形型を用いた第1の加熱工程を示す模式的な断面図である。図8は、図5の成形型を用いた加圧工程を示す模式的な断面図である。図9は、図5の成形型を用いた第2の加熱工程を示す模式的な断面図である。そして、図10は、図5の成形型から成形体を離型する離型工程を示す模式的な断面図である。
【0035】
図5に示すように、成形下型30の転写面31上にレンズアレイの材料である樹脂Mを供給する。このとき、樹脂Mは、レンズアレイ10を成形するために必要な量以上の量が供給される。また、樹脂Mは、図示しないディスペンサなどの供給装置を用いて制御可能に供給される。
【0036】
樹脂Mの材料は、エネルギー硬化性の樹脂組成物が用いられる。特に、熱による硬化する樹脂組成物が用いられる。
【0037】
また、モールド形状の転写適性等、成形性の観点から硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には常温で液体であり、粘度が1〜100Pa・s程度のものが好ましい。
【0038】
次に、図6に示すように、成形上型20と成形下型30で樹脂Mを挟み込む。これにより、転写面21,31の形状に倣って樹脂Mが変形される。
【0039】
なお、成形上型20と成形下型30で樹脂Mを挟み込む際、レンズ成形面22が凸面になっていることから、樹脂Mがレンズ成形面22の頂部に接触した後は、樹脂Mを挟み込むに連れて、樹脂Mはレンズ成形面22の頂部から徐々にレンズ成形面22の周辺部に向かう方向に広がっていくため、環状凹部123に樹脂Mにも充分な量の樹脂Mが満たさされる。
【0040】
次に、図7に示すように、局所ヒーター120,130を用いて、それぞれ成形上型20と成形下型30の加熱を開始する(第1の加熱工程)。このとき、樹脂Mのレンズ部6となる部分が選択的に加熱されるように、局所ヒーター120,130から、成形上型20と成形下型30のレンズ成形面22,32のみに向けて熱H1が供給される。局所ヒーター120,130としては、同図に示すように、レンズ部6の2次元配列に対応する位置にのみ成形型と接触するようなホットプレートが用いられる。
【0041】
そして、局所ヒーター120,130によって、樹脂Mのレンズ部6となる部分を、樹脂Mの熱硬化が開始する温度まで加熱していくと、樹脂Mのレンズ部6となる部分には、気泡Aが発生している。
【0042】
なお、また、成形上型20のうち、レンズ成形面22に対応する部分以外は熱伝導率を低くしておいてもよい。
【0043】
そこで、図8に示すように、成形上型20側から成形型を加圧する。すると、樹脂Mのうち、レンズ部6となる部分は熱硬化が開始しているため、樹脂Mのうち、レンズ部6となる部分の方が、基板部11となる部分よりも粘度が高くなっている。従って、成形型の加圧により、レンズ部6となる部分に発生した気泡Aが環状凹部123に移動する。これにより、レンズ部6となる部分に発生した気泡Aは、環状凹部123にトラップされる。
【0044】
次に、図9に示すように、成形型を加圧した状態で、局所ヒーター120,130から全体ヒーター220,230に変えて、それぞれ成形上型20と成形下型30の加熱を開始する(第2の加熱工程)。このとき、レンズ部6となる部分と基板部11となる部分を含む樹脂M全体が加熱されるように、全体ヒーター220,230から、成形上型20と成形下型30の転写面21,31全面に向けて熱H2が供給される。全体ヒーター220,230としては、同図に示すように、全体にわたり成形型と接触するようなホットプレートが用いられる。また、成形型の側面から輻射熱で加熱する赤外線ヒーターや、誘導加熱ヒーターを用いることができる。
【0045】
そして、全体ヒーター220,230によって、樹脂Mを硬化させる。このとき、レンズ成形面22と環状凹面23は滑らかに接続され、この面同士の連結部分にエッジがないため、樹脂Mの収縮に伴って最終的にレンズ割れが発生しないようになっている。
【0046】
なお、第1の加熱工程及び第2の加熱工程において、図7及び図9に示すように成形上型20と成形下型30の両方の成形型を加熱することが好ましい。これにより、レンズ成形面22側の樹脂とレンズ成形面23側の樹脂に硬化ムラが生じないようにすることができる。
【0047】
そして、図10に示すように、硬化された樹脂Mからなるレンズアレイ10を、成形上型20,成形下型30から離型する。
【0048】
以上、このレンズアレイ10の製造方法に用いる成形上型20には、成形上型20に環状凹面23を形成することで、樹脂M内に発生する気泡をトラップする環状凹部123が設けられている。そして、このレンズアレイ10の製造方法によれば、レンズ部となる部分を優先的に加熱するとともに、この部分の樹脂Mの硬化が始まる段階で樹脂Mを加圧するようにしたため、レンズ部となる部分から気泡を有効に逃すことができる。これにより、不良品の発生を著しく減らすことができる。
【0049】
以上、本発明のレンズ制御装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【0050】
以上、説明したように、本明細書には、以下の事項が開示されている。
(1)複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部と一体に形成される基板部とを有するレンズアレイの製造方法であって、成形下型と、前記レンズ部の第1のレンズ面に対応する第1のレンズ成形面と該第1のレンズ成形面の全周を囲う環状凹面を有する成形上型の間に熱硬化性の樹脂を挟み込み、前記成形上型と前記成形下型の間に前記樹脂を挟み込んだ状態で、前記第1のレンズ成形面に向けて選択的に熱を供給することで、前記樹脂のうち前記レンズ部となる部分のみを前記樹脂の硬化開始温度まで加熱し、前記レンズ部となる部分を硬化開始温度まで加熱した後に、前記樹脂を加圧し、前記樹脂を加圧した状態で、前記成形上型全体に熱を供給して、前記樹脂全体を硬化させるレンズアレイの製造方法。
(2)(1)に記載のレンズアレイの製造方法であって、前記成形上型の第1のレンズ成形面は、前記樹脂に凹面を転写する凸面であるレンズアレイの製造方法。
(3)(1)又は(2)に記載のレンズアレイの製造方法であって、前記成形上型の第1のレンズ成形面は前記レンズ部の光学設計上のレンズ有効径領域に相当し、前記成形上型の環状凹面は該レンズ有効径領域に隣接した領域に相当するレンズアレイの製造方法。
(4)(1)から(3)のいずれかひとつに記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記成形上型の前記第1のレンズ成形面と前記環状凹面の連結部分にエッジがないレンズアレイの製造方法。
(5)(1)から(4)のいずれかひとつに記載のレンズアレイの製造方法であって、前記成形下型は、前記レンズ部の第2のレンズ面に対応する第2のレンズ成形面を有し、前記樹脂の硬化開始温度まで加熱する工程において、前記第1のレンズ成形面に向けて選択的に熱を供給することに加えて、前記第2のレンズ成形面に向けて選択的に熱を供給し、前記樹脂全体を硬化させる工程において、前記成形上型全体に熱を供給することに加えて、前記成形下型全体に熱を供給するレンズアレイの製造方法。
【符号の説明】
【0051】
1 撮像ユニット
2 センサモジュール
3 レンズモジュール
4 固体撮像素子
5 センサ基板部
6 レンズ部
6a,6b レンズ面
7 フランジ部
8 突出部
8a 環状凸面
9 スペーサ
10 レンズアレイ
11 基板部
20 成形上型
21,31 転写面
22,32 レンズ成形面
23 環状凹面
30 成形下型
120,130 局所ヒーター
123 環状凹部
220,230 全体ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部と一体に形成される基板部とを有するレンズアレイの製造方法であって、
成形下型と、前記レンズ部の第1のレンズ面に対応する第1のレンズ成形面と該第1のレンズ成形面の全周を囲う環状凹面を有する成形上型の間に熱硬化性の樹脂を挟み込み、
前記成形上型と前記成形下型の間に前記樹脂を挟み込んだ状態で、前記第1のレンズ成形面に向けて選択的に熱を供給することで、前記樹脂のうち前記レンズ部となる部分のみを前記樹脂の硬化開始温度まで加熱し、
前記レンズ部となる部分を硬化開始温度まで加熱した後に、前記樹脂を加圧し、
前記樹脂を加圧した状態で、前記成形上型全体に熱を供給して、前記樹脂全体を硬化させるレンズアレイの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記成形上型の第1のレンズ成形面は、前記樹脂に凹面を転写する凸面であるレンズアレイの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記成形上型の第1のレンズ成形面は前記レンズ部の光学設計上のレンズ有効径領域に相当し、前記成形上型の環状凹面は該レンズ有効径領域に隣接した領域に相当するレンズアレイの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記成形上型の前記第1のレンズ成形面と前記環状凹面の連結部分にエッジがないレンズアレイの製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記成形下型は、前記レンズ部の第2のレンズ面に対応する第2のレンズ成形面を有し、
前記樹脂の硬化開始温度まで加熱する工程において、前記第1のレンズ成形面に向けて選択的に熱を供給することに加えて、前記第2のレンズ成形面に向けて選択的に熱を供給し、
前記樹脂全体を硬化させる工程において、前記成形上型全体に熱を供給することに加えて、前記成形下型全体に熱を供給するレンズアレイの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−179768(P2012−179768A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43391(P2011−43391)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】