レーザー溶接可能な可撓性医用チューブ、フィルムおよびそれらのアセンブリ
【課題】腹膜透析溶液のような治療用溶液の送達における使用に特によく適したレーザー溶接可能な可撓性チューブを提供すること。
【解決手段】本発明は、第一の層を有する側壁を有する、チュービングアセンブリを提供する。この第一の層は、第一のポリマーブレンドから作製され、このポリマーブレンドは、レーザービームに熱的に応答性ではない材料の、第一の成分を含有する。このブレンドの第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有する、レーザー応答性の材料である;そしてこのブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である。
【解決手段】本発明は、第一の層を有する側壁を有する、チュービングアセンブリを提供する。この第一の層は、第一のポリマーブレンドから作製され、このポリマーブレンドは、レーザービームに熱的に応答性ではない材料の、第一の成分を含有する。このブレンドの第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有する、レーザー応答性の材料である;そしてこのブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、腹膜透析溶液のような治療用溶液の送達における使用に特によく適したレーザー溶接可能な可撓性チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の医用手順(例えば、腎臓透析、治療用流体の静脈内送達、栄養流体の送達、血液の送達、血液成分の送達および代用血液の送達)のためのチューブを備える医用容器を使用することは公知である。流体容器およびチューブはまた、他の業界(例えば、食品業界および化学業界)において広範に使用されている。
【0003】
例えば、可撓性医用チューブは、腎臓疾患を処置するためのシステムにおいて使用される。任意の原因の腎不全において、いくつかの生理学的混乱が存在する。水、鉱物および毎日の代謝負荷の排泄物のバランスはもはや、腎不全において可能ではなくなる。腎不全の間、窒素代謝物の毒性最終生成物(尿、クレアチン、尿酸など)が、血液および組織に蓄積し得る。
【0004】
腎不全および低下した腎機能は、透析を用いて処置されてきた。透析は、老廃物、毒素および過剰な水(これらは、他の場合には正常の機能する腎臓によって除去されている)を身体から除去する。腎機能の交換のための透析処置は、この処置が救命処置であるために、多くの人々にとって重要である。腎臓を失った人は、少なくとも腎臓の濾過機能を交換せずには生き続けることができない。血液透析および腹膜透析は、腎機能の低下を処置するために一般的に使用される2つのタイプの透析治療である。
【0005】
一般に、血液透析処置は、老廃物、毒素および過剰な水を、患者の血液から除去する。この患者は、血液透析機器に連結され、そして患者の血液は、この機器を通してポンピングされる。この血液透析機器への血流およびこの血液透析機器からの血流を連結するために、カテーテルが、この患者の静脈および動脈に挿入される。血液が、この血液透析機器中の透析器を通過すると、老廃物、毒素および過剰の水が、患者の血液から除去され、そしてこの血液は、この患者に注入し戻される。このプロセスにおいて、連結または取り外しされなければならない多くのチューブが使用される。血液透析処置は、数時間続き、そして一般に、1週間に約3〜4回、処置センターにおいて行われる。
【0006】
腹膜透析は、代表的に、患者の腹腔中に注入される透析溶液、または透析液を使用する。この透析液は、腹腔中の患者の腹膜と接触する。老廃物、毒素および過剰の水は、患者の血流から、腹膜を通って、この透析液まで通過する。老廃物、毒素および水の血流から透析液への移動は、拡散および浸透圧、すなわち、膜を横切る浸透圧勾配が存在することに起因して、生じる。使用済みの透析液は、患者の腹腔から排出されて、老廃物、毒素および水を患者から除去する。使用済みの透析物が排出された後、これは新しい透析液と交換される。
【0007】
本発明は、医用手順のためのチューブの連結または取り外しにおける用途を有するが、以下の考察は、例として、腹膜透析の間に実施される特定のチューブの連結および取り外しプロセスに重点をおく。連結または取り外しされるべき多数のチューブが、このプロセスにおいて使用される。腹膜透析において、患者は、その腹腔中に移植された、端部がこの患者から突出しているカテーテルを有する。このカテーテルの突出端部は、チューブの移動セットとして公知の部分で終わる。この移動セットは、代表的に、シリコーン材料から作製され、そして定期的(例えば、数ヶ月毎)に交換しなければならない。この移動セットは、患者を透析流体バッグまたは廃棄物液ッグに連結するために設けられる。この移動セットは、代表的に、排出バッグまたは透析液バッグ(透析液セット)と連結したチューブ中に配置されるアクセスポートに連結するスパイクを有する。一般に、患者は、このスパイクでこのポートを手で突き刺し、移動セットを透析液セットに連結する。患者は、この移動セット中のチューブを排出管に連結して、使用済みの透析流体を腹腔から排出する。次いで、この患者が、新しい透析液のバッグに連結され、そしてこの新しい透析液を、カテーテルを通して、この患者の腹腔に手で注入する。患者が処置を完了した場合、このポートは、スパイクから外され、そしてこの患者が次の処置の準備をするまで、キャップがこのスパイク上に配置される。この患者が、新しい透析バッグからカテーテルを外した場合、この透析液は腹腔内に存在(dwell)し、老廃物、毒素および過剰の水を患者の血流から透析溶液に引き込む。このドウェル期間の後、患者は、手動透析手順を繰返し、そして使用済みの透析液を腹腔から排出する。
【0008】
従って、上記のような透析処置の間、患者は、何回も、カテーテルおよび移動セットを充填ラインまたは排出ライン(またはチューブ)に連結しそしてこれから取り外す必要がある。専門の滅菌機器を使用する場合、このプロセスの間に患者を補助するためのいくつかのデバイスが、今日利用可能である。しかし、一般的に、これらの連結および取り外しは、手動で行われる。
【0009】
このようなデバイスの1つは、加熱ウェハまたはホットナイフを組込み、これらは、このチューブを溶融しそして2つのチューブを連結するか、またはチューブの端部を溶融密閉することにより、このチューブを切断するように、このチューブと物理的に接触する。代表的には、加熱ウェハの適用は、「溶融および拭き取り(wipe)」プロセスを含む。腹膜透析において、例えば、患者は、使用済みの透析液を排出するか、またはその患者の腹膜に新しい透析液を補充しなければならない。このために、患者は、移動セットチューブを排出バッグまたは新しい透析液を含むバッグのいずれかから延びるチューブに連結しなければならない。ある「溶融および拭き取り」プロセスにおいて、この移動のチューブは、U型チューブホルダまたはV型チューブホルダに嵌合するために、宇型またはV型に曲げられる。同様に、バッグの横側のチューブは、第1のチューブホルダに隣接する別のU型チューブホルダまたはV型チューブホルダに嵌合するために、U型またはV型に曲げられる。加熱ウェハは、この2つのチューブホルダの間の空間を横切って移動し、そしてU型またはV型の湾曲接合部で、このチューブと物理的に接触する。加熱ウェハがこのチューブと接触する場合、このウェハは、U型またはV型の湾曲接合部でこのチューブを溶融する。次いで、このウェハは、この溶融しているチューブ材料を拭き取り、そしてチューブホルダ間の領域からこの材料を除去する。この2つのホルダは一緒にされて、そして2つの連結部が作製される。第1の連結部において、移動セットチューブがバッグの横側のチューブに連結され、そして透析プロセスは開始準備ができる。第2の接合部において、この移動セットチューブおよびバッグの横側のチューブからの不要なチューブ材料が、一緒にされ、そして廃棄される。
【0010】
患者をバッグから外すために、ホットナイフを使用して、このチューブを切断する。ホットナイフを使用する公知の取り外しプロセスの一例は、1つのチューブホルダを横切って並行して配置される2つのチューブを含む。これらのチューブの1つは、2つの密閉端を有する短いチューブである。一般に、チューブホルダは、チューブホルダの一端に、チューブの一部を平らにして流体の流れを止めるための隆起部を備える。このホットナイフは、各々のチューブを2つの小片に切る。このホットナイフがチューブを切断した後、チューブホルダの1つが、他のチューブホルダに対して移動する。このチューブは、「交換され」(短いチューブの切断部分の1つで再整列される)、そしてこの短いチューブに連結され、従って、取り外しは、患者とこのバッグとの間で行われる。
【0011】
これらのデバイスは、溶融プロセスおよび切断プロセスにおける不一致に起因して、比較的低いレベルの信頼性を有する。この不一致は、不完全な密閉を生じ得、漏出、細菌の侵入を生じ、そして最終的に、患者は、とりわけ、感染または腹膜炎を被る可能性が高くなる。また、公知の方法のいずれもが、連結プロセスの間に2つのチューブの端部の間に形成される溶接の完全性を検査しない。従って、使用者は、独自の溶接目視検査に頼らなければならない。
【0012】
さらに、これらのデバイスは、利用者に使いやすくない。しばしば、透析処置を必要とする患者は、視力障害があるかまたは他の障害がある。例えば、ある透析患者は、手の器用さの問題を被る。公知のプロセスの多くは、チューブをチューブホルダにロードすることを伴う相当量の人の干渉を含む。また、機器は、清潔にされなければならず、加熱ウェハは、汚染を回避するために、各使用の後に取り換えられなければならない。従って、これは、視覚障害のある患者および手先が器用でない患者にとって困難なプロセスである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、以下を提供する。
(項目1)
チュービングアセンブリであって、以下:
第一のポリマーブレンドから作製された第一の層を有する、側壁であって、該第一のポリマーブレンドは、第一の成分および第二の成分を含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有するレーザー応答性材料の成分であり;そして該ブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、側壁;ならびに
流体出口を覆う、エンドキャップフィルム、
を備える、アセンブリ。
(項目2)
前記エンドキャップフィルムが、ポリマー材料である、項目1に記載のアセンブリ。
(項目3)
前記ポリマー材料が、単層構造である、項目2に記載のアセンブリ。
(項目4)
前記ポリマー材料が、多層構造である、項目2に記載のアセンブリ。
(項目5)
前記ポリマー材料が、以下:
第三の成分であって、(1)約0.915g/cc未満の密度を有する、エチレンとα−オレフィンとのコポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、および(4)イオン性ポリマーからなる群より選択される、第三の成分;ならびに
第四の成分であって、(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー、からなる群より選択される、第四の成分、
を含有する第二のブレンドである、項目2に記載のアセンブリ。
(項目6)
前記第二のブレンドが、レーザー応答性材料の第五の成分をさらに含有する、項目5に記載のアセンブリ。
(項目7)
前記レーザー応答性材料が、ポリメチン、ポルフィン、インダントレン、キノン、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン、ならびに金属錯化ジチオール色素の群から選択される官能基を有する、項目5に記載のアセンブリ。
(項目8)
医療流体送達アセンブリであって、以下:
治療流体を貯蔵するための、コンテナ;および
非PVC含有ポリマーブレンドの層を有する側壁を有する、レーザー溶接可能なチュービングであって、該ポリマーブレンドは、第一の成分および第二の成分のポリマーブレンドであり、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有するレーザー応答性材料の成分であり;そして該層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に該側壁の一部を融解するに十分に熱応答性である、チュービング、
を備え、そして
該レーザー溶接可能なチュービングが、該コンテナに接続されている、アセンブリ。
(項目9)
前記治療流体が、腹膜透析溶液、使用済みの腹膜透析溶液、栄養溶液、血液、血液成分、代用血液、およびIV溶液からなる群より選択される、項目8に記載のアセンブリ。
(項目10)
前記チュービングの端部に流体密シールを形成する、エンドキャップフィルムをさらに備える、項目8に記載のアセンブリ。
(項目11)
前記ポリオレフィンが、2〜20個の炭素を有するα−オレフィンのモノマーから得られる、項目8に記載のアセンブリ。
(項目12)
前記ポリオレフィンが、プロピレン含有ポリマーおよびエチレン含有ポリマーからなる群より選択される、項目11に記載のアセンブリ。
(項目13)
前記ポリオレフィンが、ポリプロピレンのホモポリマーおよびポリプロピレンのコポリマーからなる群より選択される、項目11に記載のアセンブリ。
(項目14)
前記ポリプロピレンのコポリマーが、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーからなる群より選択される、項目13に記載のアセンブリ。
(項目15)
前記ポリプロピレンのコポリマーが、プロピレンモノマーを、2〜20個の炭素を有するα−オレフィンと重合させることによって得られる、項目14に記載のアセンブリ。
(項目16)
前記ポリプロピレンのコポリマーが、エチレンとのランダムコポリマーおよびエチレンとのブロックコポリマーからなる群より選択される、項目14に記載のアセンブリ。
(項目17)
前記第一の成分が、第一のポリプロピレン、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーの第二のブレンドである、項目8に記載のアセンブリ。
(項目18)
前記スチレンと炭化水素とのコポリマーが、スチレンと炭化水素とのランダムコポリマー、およびスチレンと炭化水素とのブロックコポリマーからなる群より選択される、項目17に記載のアセンブリ。
(項目19)
前記スチレンと炭化水素とのブロックコポリマーが、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、マルチブロックコポリマーおよびスターブロックコポリマーからなる群より選択される、項目18に記載のアセンブリ。
(項目20)
チュービングアセンブリであって、以下:
ポリ塩化ビニルを含有する第一の材料の、第一のチュービング;
該第一のチュービングとは十分に直接結合しない、第二の材料の第二のチュービングであって、該第二の材料は、第一の成分および第二の成分のポリマーブレンドを含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有するレーザー応答性材料の成分であり;そして該層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、第二のチュービング;ならびに
該第一のチュービングを該第二のチュービングと流体連絡させて接合する、結合器、
を備える、アセンブリ。
(項目21)
医療流体送達チュービングセットアセンブリであって、以下:
治療流体の供給源と流体連絡している、第一のチュービング;
ブレンドの層を有する非PVC材料の第二のチュービングであって、該層は、第一の成分および第二の成分を含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、該第二の成分は、レーザー応答性材料の成分である、第二のチュービング;
該治療流体によって処置される患者と流体連絡している、第三のチュービングであって、該第二のチュービングの第一の端部に接続されている、第三のチュービング;ならびに
該第一のチュービングの第二の端部を該第二のチュービングに接続するための、結合器、
を備える、アセンブリ。
(項目22)
前記第一のチュービングが、ポリ塩化ビニルを含有する、項目21に記載のアセンブリ。
(項目23)
前記第一の成分が、ポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択される、項目21に記載のアセンブリ。
(項目24)
可撓性材料の2つのチューブ端部を接続する方法であって、該方法は、以下の工程:
2つのチューブ端部の各々において、レーザービームを指向し、そして各チューブ端部を加熱する工程、
該加熱されたチューブ端部を一緒に押し付ける工程、
該チューブ端部間に溶接を形成する工程であって、該溶接は、溶接特性を有する、工程;ならびに
該溶接特性を、溶接プロフィールと比較する工程、
を包含する、方法。
(項目25)
前記2つのチューブ端部の各々においてレーザービームを指向する工程の前に、前記方法が、該2つのチューブ端部が一緒に接続するために好ましいか否かを決定する工程をさらに包含する、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記2つのチューブ端部が一緒に接続するために好ましいか否かを決定する工程が、1つのチューブ端部が患者側のチューブであり、そして他方のチューブ端部がバッグ側のチューブであることを確認する工程をさらに包含する、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記2つのチューブ端部の各々において、レーザービームを指向し、そして各チューブ端部を加熱する工程が、該レーザービームを指向するための光学部品アセンブリを使用する工程を包含する、項目24に記載の方法。
(項目28)
可撓性材料の2つのチューブ端部を接続する方法であって、該方法は、以下の工程:
2つのチューブホルダを提供する工程であって、各チューブホルダが、該2つのチューブ端部のうちの一方を受容する、工程;
レーザービームを該2つのチューブ端部に指向して、該2つのチューブ端部を滅菌する工程;
該2つのチューブホルダを一緒に押し付ける工程であって、その結果、該2つのチューブ端部が互いに接触する、工程;および
該2つのチューブ端部の間に溶接を形成する工程、
を包含する、方法。
(項目29)
前記溶接が、溶接特性を有し、そして前記方法が、該溶接特性を溶接プロフィールと比較する工程、および該溶接特性が該溶接プロフィールと少なくとも等しいか否かを決定する工程をさらに包含する、項目28に記載の方法。
(項目30)
2つの可撓性チューブ端部の間の接続を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
レーザービームを有する、レーザーユニット;
該レーザービームが該チューブ端部に衝突するように、該レーザービームの方向を変化させ得る、レーザー光学アセンブリ;および
一対のチューブホルダであって、各々が、可撓性チューブ端部を受容するよう適合されており、そして該2つのチューブ端部が該レーザービームによって無菌的に加熱された後に、該2つのチューブ端部を一緒に押し付けて該加熱されたチューブ端部を一緒に接合させ、溶接を形成するよう適合されている、一対のチューブホルダ、
を備える、デバイス。
(項目31)
前記レーザー光学アセンブリが、前記2つのチューブ端部の間に移動可能に取り付けられたプリズムを備える、項目30に記載のデバイス。
(項目32)
前記レーザー光学アセンブリが、プリズムおよびコリメータを備え、該コリメータが、前記レーザーユニットと該プリズムの間にある、項目30に記載のデバイス。
(項目33)
前記レーザー光学アセンブリが、前記レーザーユニットに隣接した「Y」字型光学構成要素を備え、該「Y」字型光学構成要素が、前記レーザービームを分裂させ、そして該レーザービームを各チューブ端部の方へと指向するよう適合されている、項目30に記載のデバイス。
(項目34)
前記レーザー光学アセンブリが、ライトパイプ構成要素をさらに備える、項目33に記載のデバイス。
(項目35)
2つの熱可塑性チューブ端部を一緒に接続するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
2つのチューブホルダであって、各チューブホルダは、該2つのチューブ端部のうちの1つを受容するよう適合された開口部を有する、チューブホルダ;
該チューブホルダと間隔を空けた関係にある、レーザーユニットであって、該レーザーユニットは、レーザービームを該2つのチューブ端部に投影して、各端部を滅菌し得、そして該2つのチューブ端部を一緒に接続し得る、レーザーユニット;および
該2つのチューブ端部間の接続を分析するための、該チューブホルダの近くのセンサ、を備える、デバイス。
(項目36)
項目35に記載のデバイスであって、さらに、トラッキングシステムを備え、前記2つのチューブホルダに接続した該トラッキングシステムは、前記2つのチューブホルダを一緒に移動させて、該2つのチューブ端部の間に溶接を形成し得る、デバイス。
(項目37)
前記2つのチューブホルダにおいて、前記2つのチューブ端部の各々の位置を感知するための、縁部検出器をさらに備える、項目35に記載のデバイス。
(項目38)
接続プロセスの間に、前記2つのチューブ端部の少なくとも1つの近くの温度をモニタリングするための、少なくとも1つの熱センサをさらに備える、項目35に記載のデバイス。
(項目39)
前記レーザーユニットから前記チューブ端部へとレーザービームを指向するための光学アセンブリをさらに備える、項目35に記載のデバイス。
(項目40)
2つの可撓性チューブ端部の間に滅菌接続を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
背面および2つのスロットを有する、ハウジングであって、各スロットは、該可撓性チューブ端部の1つを受容するよう適合されている、ハウジング;
該ハウジング内で各スロットの近くに位置する、一対のガイドであって、該ガイドの各々は、該可撓性チューブ端部の1つを該ハウジングに指向する、ガイド;
該ハウジング内に位置する、レーザーユニット;
該ハウジング内に位置する、一対のチューブホルダであって、該一対のチューブホルダの各々は、該一対のガイドの1つから該チューブ端部を受容するよう適合されており、該チューブホルダは、加熱のために各チューブ端部が該レーザーユニットに面するように、該可撓性チューブ端部を操作し、該加熱されたチューブ端部を一緒にして溶接を形成し、そして得られた溶接チューブを連続的に解放する、チューブホルダ、
を備える、デバイス。
(項目41)
前記ガイドと連絡したセンサをさらに備え、認容可能なチューブ端部が前記スロットの各々に存在する場合に、該センサが、該ガイドを「オン」状態に誘発する、項目40に記載のデバイス。
(項目42)
2つの熱可塑性チューブの間の接続を提供するための方法であって、各チューブが、シールされた端部を有し、該方法は、以下の工程:
該2つの熱可塑性チューブを受容するよう適合された、ハウジングを提供する工程;
該ハウジング内に、レーザーユニットを提供する工程;
各熱可塑性チューブの該シールされた端部を、該ハウジング内に装填する工程;
各シールされた端部が該レーザーユニットに面するように、該ハウジング内で、該熱可塑性チューブを操作する工程;
該レーザーユニットにエネルギー付与することによって、該シールされた端部を滅菌し、そして開く工程:
該新たに開いた端部が互いに整列するように、該熱可塑性チューブを再度操作する工程;ならびに
該レーザーユニットによって、該2つのチューブ端部を一緒に溶接する工程、
を包含する、方法。
(項目43)
前記熱可塑性チューブの前記シールされた端部を前記ハウジングに装填する工程が、該熱可塑性チューブをクランプして該チューブの端部の近くでの流体の流れを防止する工程をさらに包含する、項目42に記載の方法。
(項目44)
各熱可塑性チューブの前記シールされた端部が前記レーザーユニットに面するように、前記熱可塑性チューブを前記ハウジング内で操作する工程が、以下:
前記熱可塑性チューブの各々をチューブホルダにおいて受容する工程;および
各チューブホルダを約90°回転させて、該レーザーユニットに対面させる工程、
をさらに包含する、項目42に記載の方法。
(項目45)
可撓性チューブを切断する方法であって、該方法は、以下の工程:
該可撓性チューブを、該チューブに沿った領域で圧縮する工程;
該圧縮された領域において、レーザービームを衝突させる工程;
該圧縮された領域をシールする工程;および
該可撓性チューブを2つのチューブに分離する工程であって、各チューブが、シールされた端部を有する、工程、
を包含する、方法。
(項目46)
前記チューブに沿った領域において前記可撓性チューブを圧縮する工程の前に、前記方法が、以下:
該可撓性チューブにおける溶接を同定する工程;および
該可撓性チューブに沿って、該溶接から予め決定された距離の領域を選択する工程、
をさらに包含する、項目45に記載の方法。
(項目47)
可撓性チューブの無菌切断を提供するための方法であって、該方法は、以下の工程:
該可撓性チューブを受容するために適合された内側セクションを有する、ハウジングを提供する工程;
該ハウジングの該内側セクションに、レーザーユニットを提供する工程;
該可撓性チューブに沿って、ある領域を選択する工程;
該可撓性チューブの該領域をクリンプする工程;
該レーザーユニットによって、該領域をシールする工程;および
該領域において、該チューブを2つのチューブセグメントに分離する工程であって、該チューブセグメントの各々が、シールされた端部を有する、工程、
を包含する、方法。
(項目48)
可撓性チューブの切断を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
オンおよびオフ状態を有する、レーザーユニット;
一対のガイドであって、各ガイドは、該可撓性チューブを受容し、そして該可撓性チューブを移動させるよう適合されている、ガイド;
該一対のガイドの間のクリンプデバイスであって、該クリンプデバイスは、該レーザーユニットがオフ状態である間に、最初は該可撓性チューブを圧縮し、該クリンプデバイスは、該レーザーがオン状態である場合に、該可撓性チューブをさらに挟み、そしてシールする、クリンプデバイス、
を備え、該ガイドは、互いから逆の方向に移動して、可撓性チューブの2つのシールされたセグメントを生じる、デバイス。
(項目49)
センサをさらに備える、項目48に記載のデバイスであって、該センサは、前記可撓性チューブに沿って既存の溶接を位置決めし、そして該既存の溶接に関して、該チューブに沿った領域を選択し、該領域が、切断の領域である、デバイス。
(項目50)
前記既存の溶接が、患者に液体を投与するための患者カテーテルを備え、そして前記センサが、前記患者側のチューブに沿って、前記溶接から予め決定された距離の領域を選択する、項目49に記載のデバイス。
(項目51)
可撓性チューブの切断を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
蓋を備えるハウジング;
ハンマー;
該ハウジング内で該ハンマーと整列した金床であって、該ハンマーおよび該金床が、該可撓性チューブを圧縮する、金床;
該ハウジング内に取り付けられたレーザーユニットであって、該レーザーユニットは、該可撓性チューブが圧縮された後にエネルギー付与され、そして該圧縮されたチューブにシールが形成された後に脱エネルギーされる、レーザーユニット;ならびに
分離器であって、該分離器は、該シールにおいて張力を生じさせ、そして該可撓性チューブを2つのチューブセグメントに分離し、各チューブセグメントが、シールされた端部を有する、分離器、
を備える、デバイス。
(項目52)
2つの可撓性チューブの端部を接続するため、および単一の可撓性チューブを切断するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
オンおよびオフ状態を有するレーザーユニットであって、該レーザーユニットは、該オン状態において、レーザービームを発生させる、レーザーユニット;
該レーザービームの方向を変化させ得る、レーザー光学アセンブリ;
一対のチューブホルダであって、各チューブホルダは、可撓性チューブ端部を受容するよう適合されており、該チューブ端部は、該レーザービームによって無菌加熱され、そして該チューブホルダは、引き続いて、該加熱されたチューブ端部を一緒に接合して、溶接を形成する、チューブホルダ;
一対のガイドであって、各ガイドは、単一の可撓性チューブを受容し、そして該可撓性チューブを移動させるよう適合されている、ガイド;
該一対のガイドの間のクリンプデバイスであって、該クリンプデバイスは、該レーザーユニットが該オフ状態である場合に、可撓性チューブを最初に圧縮し、該クリンプデバイスは、該レーザーがオン状態である場合に、該可撓性チューブをさらに挟み、そしてシールする、クリンプデバイス;ならびに
該ガイドは、互いから逆の方向に移動して、可撓性チューブの2つのシールされたセグメントを生じる、ガイド、
を備える、デバイス。
(項目53)
方法であって、以下の工程:
2つの可撓性チューブ端部を接続する工程であって、該2つのチューブ端部の各々においてレーザービームを衝突させて各チューブ端部を滅菌する工程、該滅菌されたチューブ端部を一緒にする工程、溶接を形成する工程であって、該溶接が、溶接特徴を有する、工程、および該溶接特性を溶接プロフィールと比較する工程をさらに包含する、工程;ならびに
可撓性チューブを切断する工程であって、該チューブに沿った領域において、該可撓性チューブを圧縮する工程、該圧縮された領域においてレーザービームを衝突させる工程、該圧縮された領域をシールする工程、および該可撓性チューブを2つのチューブセグメントに分離する工程であって、各チューブセグメントが、シールされた端部を有する、工程をさらに包含する、工程、
を包含する、方法。
(項目54)
患者の透析処置を提供する方法であって、該方法は、レーザーユニットによって、医療チュービングの第一のチューブ端部および第二のチューブ端部を一緒にシールする工程を包含する、方法。
(項目55)
患者から透析処置を切断する方法であって、該方法は、医療チュービングをクリンプし、そしてレーザーユニットによって、該医療チュービングを2つのチューブセグメントに分離する工程を包含する、方法。
(項目56)
2つの可撓性チューブ端部間の接続を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
レーザービームを有するレーザーユニット;
一対のチューブホルダであって、各々が、可撓性チューブを受容するように適合されており、そして該2つのチューブ端部が該レーザービームによって加熱された後に、該2つのチューブ端部を一緒に押し付けて、該加熱されたチューブ端部を一緒に接合して溶接を形成するように適合されている、チューブホルダ;ならびに
該一対のチューブホルダの間に位置していないプリズムであって、該プリズムは、該レーザービームが該チューブ端部に衝突するように、該レーザービームの方向を変化させ得る、プリズム、
を備える、デバイス。
(項目57)
2つの可撓性チューブ端部を接続するため、および単一の可撓性チューブを切断するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
オンおよびオフ状態を有するレーザーユニットであって、該レーザーユニットは、該オン状態において、レーザービームを発生させる、レーザーユニット;
該レーザービームの方向を変化させ得る、レーザー光学アセンブリ;
該レーザー光学アセンブリの表面を覆うフィルムであって、該フィルムは、各接続および切断の後に前進し得る、フィルム;
一対のチューブホルダであって、各チューブホルダは、可撓性チューブ端部を受容するよう適合されており、該チューブ端部は、該レーザービームによって無菌加熱され、そして該チューブホルダは、引き続いて、該加熱されたチューブ端部を一緒に接合して溶接を形成する、チューブホルダ;
一対のガイドであって、各ガイドは、該単一の可撓性チューブを受容するように、そして該可撓性チューブを移動させるように適合されている、ガイド;
該一対のガイドの間のクリンプデバイスであって、該クリンプデバイスは、該レーザーユニットが該オフ状態にある場合に、可撓性チューブを最初に圧縮し、該クリンプデバイスは、該レーザーが該オン状態にある場合に、該可撓性チューブをさらに挟み、そしてシールする、クリンプデバイス;ならびに
ガイドであって、互いから逆の方向に移動して、2つのシールされた可撓性チューブのセグメントを生じる、ガイド、
を備える、デバイス。
(項目58)
レーザー溶接可能な物品を製造するためのポリマーブレンドであって、以下:
レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の、第一の成分であって、ポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択される、第一の成分;
レーザー応答性材料の第二の成分であって、水性媒体中での低い溶解度を有し、そして重量基準で約20ppm〜約2000ppmの量で存在する、第二の成分;ならびに
該ブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、ブレンド、
を含有する、ポリマーブレンド。
(項目59)
レーザー溶接可能なチュービングであって、以下:
ポリマーブレンドから作製された層を有する、側壁であって、該ポリマーブレンドは、第一の成分および第二の成分を含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有する、重量基準で約20ppm〜約500ppmの量のレーザー応答性材料の成分であり;そして該層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に該側壁の一部を融解するに十分に熱応答性である、側壁、
を備える、チュービング。
(項目60)
フィルムであって、以下:
ポリマー成分およびレーザー応答性成分の第一のブレンドを含む、層であって、ここで、該ポリマー成分が、約99重量%〜約50重量%の第一の成分、および約50%〜約1%の第二の成分の第二のブレンドであり、該第一の成分が、(1)約0.915g/cc未満の密度を有する、エチレンとα−オレフィンとのコポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、および(4)イオン性ポリマーからなる群より選択され;そして該第二の成分が、(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー、からなる群より選択される、層;
を備え、ここで、該フィルムが、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、フィルム。
(項目61)
フィルムであって、以下:
ポリマー成分とレーザー応答性成分との第一のブレンドの層であって、ここで、該ポリマー成分が、約35重量%〜約45重量%の、約0.900g/cc未満の密度を有する第一のエチレンとα−オレフィンとのコポリマー、約20%〜約30%の、約0.900g/ccより高いが約0.910g/cc未満の密度を有する第二のエチレンとα−オレフィンとのコポリマー、および約30%〜約40%のポリプロピレンを含有する第二のブレンドである、層、
を備え、ここで、該フィルムが、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、フィルム。
(項目62)
フィルムであって、以下:
エチレンとα−オレフィンとのコポリマー、および官能基を有する色素のブレンドの層を備え、該官能基が、ポリメチン、ポルフィン、インダントレン、キノン、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン、ならびに金属錯化ジチオール色素からなる群より選択される、フィルム。
(項目63)
レーザー溶接可能な多管腔チュービングであって、以下:
第一の管腔および第二の管腔であって、各々が、ポリマーブレンドから作製された層を有し、該ポリマーブレンドが、第一の成分および第二の成分を含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、重量基準で約20ppm〜約2000ppmの量で存在する、水性媒体中での低い溶解度を有するレーザー応答性材料の成分であり;そして該層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に側壁の一部を融解するに十分に熱応答性である、管腔、
を備える、チュービング。
【0014】
本発明は、医用手順を実施する改良された医用デバイスおよび方法を提供する。一般に、本発明の方法およびデバイスは、連結プロセスおよび取り外しプロセスを含み、これらの各々はレーザー技術を使用する。連結プロセスにおいて、レーザーは、2つの可撓性チューブの間に溶接を形成する。取り外しプロセスにおいて、このレーザーは、チューブを密閉して、1つのチューブから2つの密閉末端チューブセグメントを形成する。
【0015】
このために、本発明の一実施形態において、可撓性材料の2つのチューブ端部の間の接続を提供するための方法が、提供される。この方法は、レーザービームを、2つのチューブ端部に方向付け、そして各チューブ端部を加熱する工程;この加熱されたチューブ端部を一緒にする工程;溶接特性を有する溶接を形成する工程;およびこの溶接特性を溶接プロフィールと比較する工程、を包含する。別の実施形態において、この方法は、この2つのチューブ端部が連結に許容可能であるか否かを決定する工程をさらに包含する。この末端が連結に許容可能であるか否かを決定する工程は、この1つのチューブ端部が患者の横側のチューブであり、そして他のチューブの末端がバッグの横側のチューブであることを確認する工程を包含する。別の実施形態において、各チューブ端部を加熱するために使用されるレーザーを方向付けるために、光学アセンブリが使用される。
【0016】
本発明はまた、可撓性材料の2つのチューブ端部を連結する方法を提供する。この方法は、2つのチューブホルダを提供する工程であって、各チューブホルダは、2つのチューブ端部の1つを収容する、工程;レーザービームをこれらの2つのチューブ端部に方向付けて、これら2つのチューブ端部を滅菌する工程;これらの2つのチューブ端部が互いに接触するように、この2つのチューブホルダを押し進める工程;およびこの2つのチューブ端部の間に溶接を形成する工程、を包含する。別の実施形態において、この方法は、溶接特性を溶接プロフィールと比較し、この溶接特性がこの溶接プロフィールと少なくとも等しいか否かを決定する工程をさらに包含する。
【0017】
本発明はさらに、2つのチューブ端部の間の連結を作製するためのデバイスを提供する。このデバイスは、レーザービームを備える。このデバイスは、レーザービームがチューブ端部にあたるようにレーザービームの方向を変え得るレーザー光学アセンブリをさらに備える。一対のチューブホルダがさらに設けられ、この各々は、可撓チューブ端部を収容するように適合され、そしてこの2つのチューブ端部がレーザービームによって無菌的に加熱された後に、この2つのチューブ端部を一緒に押し進めて、加熱チューブ端部を一緒に連結して溶接を形成するように適合される。別の実施形態において、レーザー光学アセンブリは、2つのチューブ端部の間に移動可能に取り付けられるプリズム、およびレーザーユニットとこのプリズムとの間に位置するコリメーターをさらに備える。「Y」型の光学要素が、レーザービームを分割してこのビームを各チューブ端部に方向付けるように適合されたレーザーユニットに隣接して取り付けられ得る。さらなる実施形態において、光パイプが、このレーザー光学アセンブリ中に設けられる。
【0018】
本発明のさらなる局面によると、2つの熱可塑性末端を一緒に連結するためのデバイスが、提供される。このデバイスは、2つのチューブホルダを備え、各チューブホルダは、2つのチューブ端部の1つを収容するように適合された開口部を有する。このデバイスは、チューブホルダに関して間隔のあいたレーザーユニットをさらに提供し、これは、各末端を滅菌し、そして2つのチューブ端部を一緒に連結するために、この2つのチューブ端部に向かってレーザービームを投射し得る。2つのチューブ端部の間の連結を分析するためのセンサが、チューブホルダの付近に設けられる。さらなる実施形態において、追跡システムが、この2つのチューブホルダに連結され、そして2つのチューブホルダを一緒に動かして、2つのチューブ端部の間に溶接を形成し得る。この追跡システムは、2つのチューブホルダ中の2つのチューブ端部の各々の部分を検出するためのエッジ検出器を備える。さらに別の実施形態において、連結プロセスの間に2つのチューブ端部の少なくとも1つの付近の温度をモニタリングするために、熱センサが設けられる。
【0019】
本発明のなおさらなる局面において、2つの可撓性チューブ端部の間の滅菌連結を形成するためのデバイスが、設けられる。このデバイスは、後部および2つのスロットを有するハウジングを備え、このスロットの各々は、可撓性チューブ端部の1つを収容するように適合されている。一対のガイドワイヤが、各スロットの付近のハウジング内の位置に設けられ、このガイドの各々は、可撓性チューブ端部の1つをこのハウジングに方向付ける。このデバイスはまた、このハウジング内に配置されたレーザーユニット、およびこのハウジング内に配置された一つのチューブホルダを備え、この一対のチューブホルダの各々は、一対のガイドの1つからのチューブ端部を収容するように適合されている。これらのチューブホルダは、可撓性チューブ端部を操作し得、その結果、各チューブ端部は、加熱のためのレーザーユニットに面する。チューブホルダは、加熱チューブ端部を一緒にして、溶接を形成し、次いで、得られた溶接チューブを解放する。別の実施形態において、このデバイスはまた、チューブ端部がスロットの各々の中に存在する場合、ガイドを「オン」状態になるようにするためのガイドと連絡したセンサを備える。
【0020】
本発明はまた、2つの熱可塑性チューブの間の連結を提供するための方法を提供し、各チューブは、密閉末端を有する。この方法は、2つの熱可塑性チューブを収容するように適合されたハウジングを提供する工程;このハウジング内にレーザーユニットを提供する工程;各熱可塑性チューブの密閉末端をこのハウジングにロードする工程;各密閉末端がレーザーユニットに面するように、このハウジング内でこの熱可塑性チューブを操作する工程;レーザーユニットを起動することによって、この密閉末端を滅菌しそして開く工程;この開いた末端が互いに整列するように、熱可塑性チューブを再び操作する工程;およびこのレーザーユニットによって、2つのチューブ端部を一緒に溶接する工程、を包含する。
【0021】
本発明は、可撓性チューブを取り外すための方法をさらに提供する。この方法は、可撓性チューブをチューブに沿った領域で圧縮する行程;この圧縮領域にレーザービームをあてる工程;この圧縮領域を密閉する工程;および可撓性チューブを2つのチューブに分ける工程であって、各チューブが密閉末端を有する、工程、を包含する。
【0022】
本発明のさらに別の局面によると、可撓性チューブの無菌的取り外しを提供するための方法が、提供される。この方法は、可撓性チューブを収容するように適合された内側部分を有するハウジングを提供する工程;このハウジングの内側部分にレーザーユニットを提供する工程;この可撓性チューブに沿った領域を選択する工程;この可撓性チューブの領域をクリンピングする工程;この領域をレーザーユニットによって密閉する工程;およびこの領域で、このチューブを2つのチューブセグメントに分ける工程であって、このチューブセグメントの各々は密閉末端を有する、工程、を包含する。
【0023】
本発明の別の局面において、可撓性チューブを取り外すためのデバイスが提供される。このデバイスは、オン状態およびオフ状態を有するレーザーユニット;一対のガイドであって、このガイドの各々は、可撓性チューブを収容し、そしてこの可撓性チューブを移動させるように適合されている、ガイド;この一対のガイドの間にあるクリンプデバイスであって、このクリンプデバイスは、最初に、レーザーユニットがオフ状態にある間に、可撓性チューブを圧縮し、このクリンプデバイスは、レーザーがオン状態にある場合に、この可撓性チューブをさらに突き刺しそして密閉する、クリンプデバイス;および互いに反対方向に移動して、この可撓性チューブの2つの密閉セグメントを生じる、ガイド、を備える。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態において、可撓性チューブを取り外すためのデバイスが、提供される。このデバイスは、蓋を有するハウジングを備える。ハンマーおよびこのハンマーと整列した金床は、このハウジング中にある。このハンマーおよび金床は、可撓性チューブを圧縮する。レーザーユニットは、このハウジング中に取り付けられ、このレーザーユニットは、可撓性チューブが圧縮された後に起動され、そして密閉が圧縮チューブ中に形成された後に、電力を絶たれる。この密閉において張力を生成するセパレータは、この可撓性チューブを2つのチューブセグメントに分割し、各々のチューブセグメントは、密閉末端を有する。
【0025】
なおさらなる実施形態において、2つの可撓性チューブ端部を一緒に連結し、1つの可撓性チューブを取り外すためのデバイスが、提供される。このデバイスは、オン状態およびオフ状態を有するレーザーユニットであって、オン状態でレーザービームを放射するレーザーユニット;このレーザービームの方向を変更し得るレーザー光学アセンブリ;一対のチューブホルダであって、各チューブホルダは、可撓性チューブ端部を収容するように適合され、このチューブ端部は、レーザービームによって無菌的に加熱され、そしてこのチューブホルダは、続いて、加熱されたチューブ端部を一緒にして、溶接を形成する、チューブホルダ;一対のガイドであって、各ガイドは、1つの可撓性チューブを収容し、そしてこの可撓性チューブを移動させるように適合されている、ガイド;この一対のガイドの間にあるクリンプデバイスであって、このクリンプデバイスは、最初に、このレーザーユニットがオフ状態にある間に、可撓性チューブを圧縮し、このクリンプデバイスは、このレーザーユニットがオン状態にある場合に、この可撓性チューブを突き刺しそして密閉する、クリンプデバイス;および互いに反対方向に移動して、この可撓性チューブの2つの密閉セグメントを生じる、ガイド、を備える。
【0026】
なおさらなる実施形態において、患者の透析処置を提供する方法が、提供される。この方法は、医用チューブの第1のチューブ端部および第2のチューブ端部を一緒に、レーザーユニットにより密閉する工程を包含する。
【0027】
本発明は、材料の第1成分およびレーザー反応性材料の第2の成分を有するレーザー溶接可能な物品を製造するためのポリマーブレンドをさらに提供し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択され、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有し、そして約20重量ppm〜約2000重量ppmの量で存在し;そしてこのブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間レーザービームに曝露された際に溶融するのに十分に熱的に反応性である。
【0028】
本発明は、材料の第1の成分を有するポリマーブレンド由来の層を有する側壁を有するレーザー溶接可能なチューブをさらに提供し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択される。このブレンドは、第2の成分を有し、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有するレーザー反応性材料の約20重量ppm〜約500重量ppmの量で存在し、そしてこの層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に側壁の一部を溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0029】
本発明は、第1のブレンドの層を有するフィルムをさらに提供する。このブレンドは、ポリマー成分およびレーザー反応性成分を有する。このポリマー成分は、約99重量%〜約50重量%の以下からなる群から選択される第1の成分の第2のブレンドである:(1)約0.915g/cc未満の密度を有するエチレンとαオレフィンとのコポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートコポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、および(4)イオン性ポリマー。このブレンドは、約50%〜約1%の第2の成分を有する。この第2の成分は、以下からなる群から選択される:(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー。このフィルムは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0030】
本発明はまた、ポリマー成分とレーザー反応性成分との第1のブレンドの層を有するフィルムをさらに提供する。このポリマー成分は、以下を含む第2のブレンドである:約35重量%〜約45重量%の第1のエチレンとαオレフィンとのコポリマー(約0.900g/cc未満の密度を有する);約20重量%〜約30重量%の第2のエチレンとαオレフィンとのコポリマー(約0.900g/ccより高いが約0.910g/cc未満の密度を有する);および約30重量%〜約40重量%のポリプロピレン。このフィルムは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0031】
本発明は、各々がポリマーブレンド由来の層を有する第1の管腔および第2の管腔を有するレーザー溶接可能な多重管腔チューブをさらに提供する。この層は、材料の第1の成分および第2の成分を有し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択され、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有するレーザー反応性材料の約20重量ppm〜約2,000重量ppmの量で存在し、そしてこの層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に側壁の一部を溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0032】
本発明はまた、材料の第1の成分およびレーザー反応性材料の第2の成分を有するレーザー溶接可能な物品を製造するためのポリマーブレンドを提供し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択され、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有し、そして約20重量ppm〜約2000重量ppmの量で存在し;そしてこのブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0033】
本発明は、材料の第1の成分を有するポリマーブレンド由来の層を有する側壁を有するレーザー溶接可能なチューブをさらに提供し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択される。このブレンドは、第2の成分を有し、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有するレーザー反応性材料の約20重量ppm〜約500重量ppmの量で存在し、そしてこの層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に側壁の一部を溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0034】
本発明は、第1のブレンドの層を有するフィルムをさらに提供する。このブレンドは、ポリマー成分およびレーザー反応性成分を有する。このポリマー成分は、約99重量%〜約50重量%の、以下からなる群から選択される第1の成分の第2のブレンドである:(1)約0.915g/cc未満の密度を有するエチレンとαオレフィンとのコポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、および(4)イオン性ポリマー。このブレンドは、約50%〜約1%の第2の成分を有する。この第2の成分は、以下からなる群から選択される:(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー。このフィルムは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0035】
本発明は、ポリマー成分とレーザー反応性成分との第1のブレンドの層を有するフィルムをさらに提供する。このポリマー成分は、以下を含む第2のブレンドである:約35重量%〜約45重量%の第1のエチレンとαオレフィンとのコポリマー(約0.900g/cc未満の密度を有する);約20重量%〜約30重量%の第2のエチレンとαオレフィンとのコポリマー(約0.900g/ccより高いが約0.910g/cc未満の密度を有する);および約30重量%〜約40重量%のポリプロピレン。このフィルムは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0036】
本発明は、各々がポリマーブレンド由来の層を有する第1の管腔および第2の管腔を有するレーザー溶接可能な多重管腔チューブをさらに提供する。この層は、材料の第1の成分および第2の成分を有し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択され、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有するレーザー反応性材料の約20重量ppm〜約2,000重量ppmの量で存在し、そしてこの層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に側壁の一部を溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の実施形態のハウジングの斜視図である。
【図2A】図2A〜2Dは、本発明の原理に従う、接続および脱接続デバイスの斜視図である。
【図2B】図2A〜2Dは、本発明の原理に従う、接続および脱接続デバイスの斜視図である。
【図2C】図2A〜2Dは、本発明の原理に従う、接続および脱接続デバイスの斜視図である。
【図2D】図2A〜2Dは、本発明の原理に従う、接続および脱接続デバイスの斜視図である。
【図3】図3Aおよび3Bは、本発明の実施形態の別のチューブホルダの斜視図である。
【図4A】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4B】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4C】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4D】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4E】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4F】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4G】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4H】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図5】図5A〜5Cは、本発明のシールされた端部チューブの実施形態の概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の原理に従う保護フィルムの概略平面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態の概略平面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態の光学アセンブリの斜視図である。
【図9】図9Aおよび9Bは、本発明の別の実施形態の概略平面図である。
【図10A】図10Aおよび10Bは、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10B】図10Aおよび10Bは、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図11】図11aおよび11bは、それぞれ、非PVCのレーザー溶接可能単層チュービング、ならびに内部の層として単層チュービングおよび多管腔チュービングを有する多層チュービングの断面図である。
【図12】図12は、キャップされたチュービングアセンブリの断面図である。
【図13】図13は、カプラーの断面図である。
【図14】図14は、チュービングおよびカプラーアセンブリの断面図である。
【図15】図15は、非PVCのレーザー溶接可能チュービングに接続される医療用流体容器の平面図である。
【図16】図16は、輸送セットからチュービングにカプラーデバイスを介して接続された、レーザー溶接可能チュービングの断面図である。
【図17】図17は、二重管腔チュービングの断面図である。
【図18】図18は、互いに対して同軸に配置された個々の管腔を有する二重管腔チュービングの断面図である。
【図19】図19は、多管腔チュービングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(発明の詳細な説明)
本発明は、多くの異なる形態でなされ得るが、現在の好ましい実施形態は、本発明の開示に記載され、そして添付の図面に示される。本発明の開示は、本発明の原理を例示し、そして例示される実施形態にのみに本発明の広範な範囲を限定しない。
【0039】
一般に、本発明は、チュービングの無菌接続および脱接続に関する。このようなチュービングは、人体におよび人体から流体または血液を輸送するために有利に使用され得る。好ましい実施形態において、本発明は、シールされたチューブ端部を開口し、そして開口されたチューブ端部を一緒に接続する、デバイスに関する。さらに、このデバイスは、チューブを脱接続し、そしてこのチュービングを脱シールする。これらのプロセスの全ては、レーザーにより発生される熱を使用し、そして無菌または滅菌である、接続または脱接続を提供する。
【0040】
(デバイス)
図1は、本発明の実施形態に従うデバイス10を示す。このデバイス10は、前部14、背部16、およびそれらの間の2箇所の側部18、20を有するハウジング12を備える。このハウジング12はまた、底部22および蓋部またはドア部24を備える。4箇所の側部14、16、18、20および底部22は、内部領域Aを規定する。2箇所のスロットまたはオープニング30、32は、ハウジング12の2箇所の側部18、20の上端34、36に配置される。このドア部24は、このハウジング12の背部16に取り付けられる。ドア部24は、容易に開閉が可能となるような任意の数の方法で取り付けられ得る。このドア部は、このデバイスを操作する場合に、閉鎖されたドア部をロックするためのロック機構(示さず)を備える。ある実施形態において、このドア部24はまた、スロット30、32と整列する2つのスロット38、40を有し、以下に詳細に記載されるチュービング50を充填および脱充填するための領域(示さず)を作製する。
【0041】
図2A〜2Dは、本発明の実施形態に従って、デバイス10の内部を示す。ハウジング12の内部は、2箇所の通路52、54がある。ある実施形態において、この通路52、54は、じょうご状に広がっている。各通路は、ガイド56、58に導く。このガイド56、58は、チュービング50を受容し、そしてハウジング12内でチュービング50を前進させる。このガイドは、好ましくは、ピンチローラーであるが、種々の型のガイドまたはネジ切りデバイスが使用され得る。好ましい実施形態において、ガイド56、58は、ガイドがデバイス10に送り込まれるようにチュービング50を圧着する(図2A(参照番号58)を参照のこと)。この圧着は、ガイド56、58を過ぎて前進させるチューブ50の位置60からデバイスに向けて流体をパージする。
【0042】
図2A〜2Dはまた、ハウジング12内のガイド56、58と整列する一組のチューブホルダー70、72を示す。図3Aおよび3Bは、本発明の別のチューブホルダー70の拡大図である。図2A〜2Dならびに図3Aおよび3Bに示されるように、各チューブホルダー70、72は、それぞれ、第1の部分74、76および第2の部分78、80を有する。各第1の部分74、76および第2の部分78、80は、チュービング50の外側直径Bと対応する凹部または溝部82、84を有する。第1部分74、78は、ヒンジ85または類似の機構を介して、第2部分76、80に移動可能に装着される。チューブホルダー70、72が閉鎖位置にある場合、開口部90は、このホルダー70、72を通って延びるように形成される。この開口部90の直径Cは、チュービング50の外部直径Bよりもわずかに小さい。この方法において、チュービング50は、ガイド56、58を通って送り込まれ、そしてチューブホルダー70、72に受容される。ある実施例において、チューブホルダー70、72の内部表面は、テーパー付けされる(示さず)。この開口部90は、このデバイス10の中心部に向けてわずかにテーパー付けされ得る。この実施形態において、このデバイスの内部に面する開口部90の直径Cは、ガイド70、72に面する開口部の直径より小さい。閉鎖位置にある場合、チューブホルダー70、72は、チュービングを平らにするのではなく把持するための十分な力で閉鎖される。さらに、必要な場合、開口部90は、チュービング50を均一に圧縮し、そして円筒形状を維持するためにチュービングに力を加える。例えば、チュービング50が、チュービングの保存条件あるいは先立つ滅菌方法(例えば、蒸気滅菌またはETO滅菌)あに起因して、円筒形でない場合に、これは必要であり、チュービング50をコイル状、および完全に円形にし得る。
【0043】
ある実施形態において、チューブホルダー70、72は、バー100上に装着される。各チューブホルダーは、これに結合したガイドアーム102、104を有する。このガイドアーム102、104は、プレート106内のトラック105に向けてバー100の下方に延びる。図4A〜4Gと組み合わせて、以下に詳細に記載されるように、プレート106は、ハウジング12内の背部および前部を移動する。プレート106が背部16に移動する場合、このチューブホルダー70、72は、デバイス10の中心部に向けて互いに直線方向に移動する(図4Dおよび4Eを参照のこと)。このガイドアーム102、104が、例えば、リードスクリューもしくはレバー/カム/スロットメカニズムまたはこれらの任意の組み合わせであり得る。このガイドアーム102、104の補助により、チューブホルダー70、72は、ハウジング12内のチューブ50を引くかまたは押して、これにより、チュービング50を所望の位置に操作する(例えば、チュービングの2箇所のシールされた端部を滅菌および開口すること、および2箇所の端部を共に接続すること、または一本のチューブ端部を脱接続、滅菌およびシールすること)。
【0044】
以下に詳細に記載されるように、デバイス10はまた、ハンマー110およびアンビル112を備える。ハンマー110およびアンビル112は、チュービング50の脱接続プロセスの間に使用される。ハンマー110は、シャフト116を介してミラー114に移動可能に装着される。ある実施形態において、ハンマー110は、ハウジング内のシャフト116に沿って前方および後方に移動する。ハンマーが前方に移動する場合、ハンマーの前部111は、アンビル112の表面113と接触する。このハンマー110は、金属、セラミック、またはさらに硬質プラスチック材料から製造され得る。
【0045】
(レーザー光)
このデバイスはまた、レーザーユニット200を備える。好ましい実施形態において、レーザーユニット200は、単一のレーザーダイオードまたはダイオードのレーザーアレイであり得る、半導体ダイオードレーザーである。しかし、他の型のレーザーが、本発明において使用され得る。例えば、アルゴン、CO2、またはYAGレーザーが使用され得る。このレーザー特性(例えば、レーザーの波長)は、本出願において使用され得るチュービング50の対応する特徴を決定するために評価されるべきである。ある実施形態において、レーザーユニット200は、プロセスを接続または脱接続するために、制御されたレーザービームを所望の位置に向けるための光学アセンブリを有し得る。
【0046】
図2A〜2Dおよび図4A〜4Hは、本発明の実施形態に従う光学アセンブリ202を示す。この例において、光学アセンブリ202は、コリメーター204、および反射プリズム(reflective prism)206を備える。このレーザーユニット200の特徴に依存して、レーザービームは、ユニット200を離れるのと同程度速く発散し始め得る。このシナリオにおいて、コリメーター204は、レーザービームの発散を制限する。具体的に、コリメーター204は、レーザー200に面するほぼ平坦な背部表面207を有する。このコリメーター204はまた、わずかに凸状の前部表面208を有する。レーザーエネルギーがコリメーター204を通過する場合、このコリメーターは、レーザービームをプリズム206に再び焦点を合わせる。他の適用(例えば、CO2)は、ビーム拡張器を使用することによって拡大され得る小さなレーザービームを有し得る。このコリメーター204は、好ましくは、アクリル材料から作製され得るが、他の透明な材料または半透明な材料が使用され得る。
【0047】
プリズム206は、レーザービームを分割し、そして接続プロセスために所望の位置(例えば、チューブ端部51)にこの分割したビームを方向付ける。接続プロセスの間に最適なレーザー集中を得るために、このプリズム206の設計は、デバイス10内のプリズムの位置に直接関連する。好ましい実施形態において、プリズム206は、2つのチューブホルダー70と72との間にある。この例において、プリズム206は、互いに並列した2つの平凸レンズ210、212から構築される。
【0048】
以下にさらに記載されるが、プリズム206はまた、プリズム206の中心部222を交差するライトパイプ220を含み得る。このライトパイプ220は、接続プロセスおよび脱接続プロセスの両方の間に、レーザービームを方向付ける。さらに、このアンビル112は、プリズムレンズ206の背部224に沿って、特に、ライトパイプ220の端部230の付近である。
【0049】
(チュービング)
一般に、チュービング50の材料は、可撓性プラスチックである。このチュービングおよびそのアセンブリは、以下に詳細に議論される。好ましい実施形態において、この材料は、熱可塑性、クラトン(kraton)ポリプロピレンブレンドなどである。本発明の一つの好ましい実施形態において、熱を発生させるためのレーザーに応答する化学添加物が添加される。一つの特に適切な添加物は、色素から選択され得る。この色素は、レーザーのエネルギーの吸収を促進するためにレーザーダイオードの波長またはその付近のエネルギーを吸収し、これによりチュービングを加熱するために選択される。従って、選択されたレーザーの周波数(例えば、半導体ダイオードまたはYAGレーザー)は、このチュービングに添加される色素の特異的な特徴と一致するべきである。いくつかの適用(例えば、CO2レーザー適用)において、色素は必要とされ得ない。なぜならば、このチュービングの吸収波長は、レーザーによって発生される波長と同一の波長であるからである。
【0050】
さらに、第2の色素が、このチュービングの各々をカラーコーディングするために添加され得る。このようなカラーコーディングは、患者に接続されたチュービングと接続される新しいチュービングとの間に、機械により検出可能な識別および患者により検出可能な識別を作製する。例えば、患者に移植されるカテーテルチュービング、またはカテーテルに接続される移動セットは、一つのカラーで着色され得、そして流体のバッグに装着されるチュービングは、異なるカラーで着色され得る。このカラー識別は、視覚的に障害のある患者にとって特に有用である。他の識別方法が、本発明の精神から逸脱することなく利用され得る。
【0051】
(センサ)
多数のセンサ300、302、304、...は、ハウジング12内に配置される。この図面において同定されたセンサの位置は、単に一つの例であることが理解されるべきである。このセンサに関して他の許容可能な位置は、デバイス10内の構成要素のレイアウトに依存して達成され得る。このセンサは、接続プロセスにあろうと脱接続プロセスにあろうと、異なる段階のプロセスを検出および確認する。例えば、接続プロセスの間、センサ300は、じょうご状の経路52、54で物体を同定するために使用され得る。この物体(例えば、チュービング50)が受容可能である場合、センサ300は、ガイド56、58を起動する。この物体が受容可能でない場合、ガイドは起動されない。従って、これらのセンサが外部の物体(および、さらなるフィンガー)を締め出すのを助ける。このセンサ300は、例えば、吸収センサであり得る。吸収センサは、色素を有するチュービング50を同定する。このようにして、センサが外部の物体を締め出すだけでなく、不適切なチュービングが充填されようとした場合、その外部の物質が同定される。上記のように、患者のカテーテル(またはこのカテーテルに接続された移動セット)は、患者に投与されるように、流体または血液に接続されたチューブとは異なるカラーであり得る。このようにして、吸収センサは、患者側および使い捨て可能(バッグ側)のシールされた端部チューブが経路52、54に充填されることを確実にするためにチェックする。使用者が2本のバッグ側のチューブを不適切に充填しようとした場合、センサ300は使用者に警告し、そしてこの使用者は充填手順を再試行しなければならない。この適用に依存して、センサは、チュービングの特定の組み合わせが、装置に入るのを可能にするように設定し得る。従って、センサ300は、不適切な充填に対して保護するために安全対策を提供する。
【0052】
このデバイス10に使用され得る別のセンサは、エッジセンサ302である。このエッジセンサ302は、チューブ端部51が、チューブ端部51の充填の間にデバイスに向けてチューブホルダー70、72の下に延びる場合を同定する。具体的には、チューブ端部51が光ビーム経路を横切る場合、光検出器302からのシグナルが、比較器に送り込まれる。このセンサ302は、例えば、十分な長さのチューブがチューブホルダー70、72を越えて延びる場合、出力状態を所望の閾値レベルで実質的に交換する。このセンサ302は、例えば、Cartesian Ovoid LEDのような正確なエッジセンサおよび開口光検出器に装着されたダイであり得る。しかし、チューブ50のエッジを同定し得る他の検知デバイスが使用され得る。
【0053】
さらに、脱接続プロセスの間、単一のチューブがシールまたは分離のためにデバイス中に充填される。カラーセンサ300または304は、デバイス中の全てのチュービングが同一のカラーであるわけではないことを確実にするためにチェックする。全部のチューブ50が同一のカラーである場合、このデバイスは、溶接前に配置し得ない。センサ304は使用者に警告し、そして患者はチューブ30を再充填し、そして再試行しなければならない。このことは、センサ304がまた、チューブ中に存在する溶接部Wの位置に基づいてチューブ50を脱接続する場所を決定するので生じる。従って、異なるカラーの2種類のチューブがセンサ304に存在する場合、存在する溶接部Wはその間のどこかに存在する。
【0054】
センサが、チュービング50が適切に充填されたことを確認した後、同一または異なるセンサ304は、チューブ中に存在する溶接部Wの位置を決定する。これは、例えば、デジタルカメラを使用して達成され得る(例えば、溶接部中のフランジをサーチするメカニズム)。好ましい実施形態において、センサ304は、CMOS Image Detectorである。一旦、存在する溶接部Wが配置されると、センサは、チューブを圧着、シール、および分離するための位置を同定する。次いで、このセンサはこのガイドを起動し、そしてこのチューブを、カテーテル側で患者に向けて予め決められた距離で移動させる。例えば、この存在する溶接部は、位置Xに配置され得る。このセンサは、溶接部に配置され、そしてこのチューブを、カットの位置に関して患者側に向けてX+1/8インチ移動させる。このようにして、センサは、存在する溶接部Wを含むチューブの切片が処分されることを確実にする。これは、患者に移植されたカテーテルチューブに導く、移動セット中の残るチューブの統合性を維持する。さらに、このセンサは、十分な耐久性がないかもしれない存在する溶接部の頂部に、新しい溶接部を作製することから、安全対策を提供する。
【0055】
あるいは、このセンサ304は、上記のようなカラーコードスキームに基づくチュービング間のカラーの識別を検出し得る。従って、このセンサは、溶接部の周りの領域でカラーの変化を同定する。
【0056】
以下にさらに詳細に記載されるように、このデバイス10はまた、多数の温度センサまたは熱センサ(320)を備え、このデバイスの操作全体にわたる一貫性を維持する。これらのセンサ320は、赤外線センサ(例えば、サーモパイル赤外線センサ)であり得る。しかし、他のセンサ(例えば、熱カプラーまたはサーミスター)が利用され得る。このセンサ320が、例えば、接続プロセスおよび脱接続プロセスの間に使用される。このセンサは、チュービングが適切に加熱することを確実にし、そして「良好な溶接」または「不良の溶接」に達する熱のレベルを示すために較正され得る。例えば、チュービングが色素を含む適用において、熱が色素によって吸収され、次いでチュービングが溶解およびフローし始める。このようにして、センサは、チュービングがレーザーからエネルギーを吸収する場合、チュービングの赤外出力に対応する非接触温度センサである。
【0057】
従って、センサは、チュービング、パワーバリエーション、またはレーザー光学バリエーションの色素の濃度の効率に基づいた、システムの効率を保証するために使用され得る。
【0058】
(方法)
図2A〜2Dは、以下のような接続プロセスおよび脱接続プロセスを例示する。特に、図2Aおよび2Bは、2つのチューブ端部を共に接続する本発明のプロセスを示す。図2C〜2Dは、チュービングを脱接続する本発明のプロセスを示す。さらに、図4A〜4Hは、接続プロセスの例示的なスキームを示す。
【0059】
(2本のチューブ端部を接続する方法)
2本のチューブ端部を接続する方法は、ここに記載される。この接続プロセスの間、蓋部24が閉鎖される。図2Aおよび4Aに示されるように、使用者は、2本のチューブ50(各々は、シールされた端部51を有する)を充填領域開口部30、32、38、40を介してデバイス10に挿入する。しかし、シールされず、開口した少なくとも1本のチューブ端部51を使用することは、本発明の範囲内である。開口チューブ端部に関する適用において、端部キャップの数種のタイプを使用して、チューブの内部で必要な衛生レベルを維持し得る。端部キャップの一方の型は、チューブの端部を覆うシールされた「ドラムヘッド」であり得る。シールされた「ドラムヘッド」は、チューブの開口端部にわたって配置され、そしてチューブの全面の回りでシールされた一片のフィルムであり得る。別の例は、チューブの面にわたって通気シールを有する開口端部を備え得る。通気シールは、例えば、多孔性膜であり得る。この例において、端部キャップは、衛生目的のために通気された端部を覆うために加えられる。このチュービングおよびキャップアセンブリは、以下でより詳細に議論される。
【0060】
各チューブ端部51が、それぞれの通路52、54に入る場合、このセンサ300は、チュービングを同定し、そして一方のチューブ端部51が患者のチューブであり、そして他方のチューブ端部51がバッグチューブであることを確実にするためにチェックする。チューブがどの充填領域に充填されるかは問題ではないことに注意すべきである。有利に、このセンサ300は、各チュービングタイプの一方に充填されることを決定するために、互いに通路52、54にて連絡する。このチュービングが適切に充填される場合、ガイド56、58が起動される(図4B)。ガイド56、58は、チュービングを圧着または圧縮し、そして各チューブ端部51をデバイス10の方にチューブホルダー70、72に向けて進める。この圧着または圧縮は、チュービング内の減圧効果を生じ、そしてデバイス10に入るチュービングの位置60から流体をパージする。この正確な端部センサ302は、チューブ51がホルダー70、72の予め決められた長さを越えて延び、そしてガイド56、58で止まる場合を認識する。
【0061】
図4Cにおいて、反射プリズム206は、チューブホルダー70と72との間に存在する。各チューブ端部51は、それぞれのチューブホルダー70、72に充填され、レーザーユニット200が起動され、そしてレーザー供給源からエネルギーを分散する。コリメーター204は、プリズムレンズ206に向かう分散しているエネルギーを再び焦点を合わせる。エネルギー/光が反射プリズム206に当たると、2束のエネルギーへと反射する。この実施形態において、プリズムレンズ210、212は、チューブ端部51の周りのエネルギーに焦点を当てるために、約90°で各エネルギーの束を再配向する。さらに具体的に、エネルギーの「スポット」は、チューブ端部51に衝突し、そして好ましくは、このチューブが適切な放射エネルギーで覆われるのを確実にするためにチューブ50の直径Bをわずかに越える。
【0062】
ハウジング12内に配置される熱センサ320は、シールされた端部51付近の温度を検出する。このような熱センサ320は、例えば、熱電対赤外線センサであり得る。レーザービームが、シールされたチューブ端部51に衝突し、加熱プロセス、溶融プロセス、および無菌プロセス(および/または滅菌プロセス)が開始する。この適用に依存して、センサを使用して、溶融および溶接のための所望の温度レベルを検出し得る。例えば、いくつかの適用が、発生される無菌状態を必要とする。代表的に、無菌条件、高レベルの消毒条件、または殺菌条件は、熱耐性胞子の6未満の対数減少(log reduction)を含む。他の適用は、発生される滅菌状態を必要とし得る。滅菌状態は、一般に、熱耐性胞子の6以上の対数減少の操作モードを含む。
【0063】
チューブ端部51のチュービングの温度が上昇する場合、このチューブ端部51は、溶融、フロー、および再開口し始める。このチュービングの物質は、特定のレベルの「記憶」を有し、チューブのシールされた端部が再開口する場合、このチューブは、対称的な円形に戻るために予め処理される。図5Aおよび5Bは、シールされたチューブ端部51に衝突するレーザービームの例を例示する。このレーザービームがチューブ端部に衝突する場合、チューブ端部における温度の上昇は、シールされた端部を、剥がして開口させ、そして炎上させる。一旦、熱センサ320が、必要とされる無菌温度レベルまたは滅菌温度レベルが得られことを確認すると、チューブ端部51の十分な溶融がこのレーザー200の遮断を生じる。
【0064】
図4D〜4Fは、接続プロセスの次の工程を示す。このレーザー200の遮断後、プレート106は、ハウジング12の背部16に移動する。プレート106が移動すると、コリメーター204が、トラック107に沿って側部18に移動する。同時に、プリズム206は、レーザーユニット200に向けて移動し、そしてチューブホルダー70、72は、トラック105を介して一緒になる。この時点において、ここで溶融され、そして無菌的に加熱または滅菌されたチューブ端部51が互いに接触する。溶接シール部Wが、形成される。代表的に、この溶接シール部は、図5Cに示されるように管状の形態である。このチューブホルダー70、72は、溶接部Wが十分に冷却されるまで、この位置のままである。別の実施形態において、レーザーユニット200は、さらにエネルギーが与えられる(図4F)。図4Fに示されるように、レーザービームは、チューブ端部に向けてライトパイプ220の下に方向付けられる。この実施例において、溶接シール部Wが形成され、そしてレーザーユニット200が遮断される。ある実施形態において、溶接シール部Wは、密閉シールである。
【0065】
少なくとも一つの「ドラムヘッド」を使用する適用において、この型の端部は、シールされた端部チューブの開口部に関する上記のものと類似する様式でレーザーに応答する。「ドラムヘッド」端部の一つの実施例は、以下の通りである。「ドラムヘッド」のフィルムは、チュービングの材料よりも高濃度の色素を有し得る。従って、このフィルムは、チュービングの材料よりも迅速に加熱する。このフィルムは、チューブの周辺に向かって外側に溶融およびフローし、そしてチューブと合わさる。このフィルム材料は、種々のポリマー材料から作製される(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、スチレンと炭化水素とのコポリマー(特に、スチレンとジエンとのブロックコポリマー)およびそれらの水素付加した誘導体、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、エチレンとメタクリル酸とのコポリマー、およびそれらのエステル誘導体)。このフィルムは、これらの材料のブレンドから作製され、そして単層または多層構造であり得る。例えば、ポリプロピレン、ポリプロピレン−Kratonブレンド、ポリプロピレン−ポリエチレンブレンド、または他の適合性材料。
【0066】
他の実施形態としては、定常状態にある1つのチューブホルダーおよび装置内で移動する1つのチューブホルダーが挙げられる。
【0067】
(溶接検査プロセス)
図4Gおよび4Hは、溶接検査プロセスを示す。冷却の際に、チューブホルダー70、72の第1の部分74、78が開口し、そしてガイド56、58は、プロセス後の検査のために、溶接検査センサ304に溶接部Wを移動する。この検査プロセスにより、例えば、溶接部の厚さおよび溶接部の高さを分析する。このデータを、受容可能または「良好な」溶接に関するプロフィールデータと比較する。好ましい実施形態において、センサ304は、CMOS画像センサである。しかし、他の類似の画像センサが使用され得る。プロセス後の検査が、この溶接部が「良好な」溶接であることを示す場合、蓋部24がロック解除され、そしてガイド56、58が開口する。使用者は、蓋部24を自由に開口し、そして接続されたチュービングを除去する。
【0068】
一方、検査後のプロセスが「不良の」溶接を示す場合、このデバイスは、自動的に、チュービングの患者側を挟んでシールする。この自動狭窄シールプロセスは、チュービングに汚染物が入る可能性を減少させる。この状況の間に、使用者は、「不良の」溶接に気付く。次いで、使用者は、別のバッグ側のチューブを得、そして再び接続プロセスを開始する。この独特な検査プロセスは、患者が「良好な」溶接のみを使用するのを確実にするための安全な特徴を提供する。これは、特に、接続プロセス後に溶接部を視覚的に検査するのに困難性を有し得る、視覚に障害のある患者にとって有用である。
【0069】
(チューブを切断する方法)
図2Cおよび2Dは、一般的に、チューブ50を切断しそしてシールするための本発明方法を図示する。使用者が透析溶液バッグ、排出バッグ、血液バッグなどから切断することを望む場合、その使用者は、デバイス10の蓋24を開く。蓋24が開く場合、ガイド56、58は、開位置に自動的に移動する(図2C、参照番号56)。使用者は、チューブホルダ70、72の第2部分78、80の溝にチューブ50を配置する。この方法において、チューブ50は、漏斗状経路52、54に沿って延在する。この適用において、チューブホルダ70、72の第1部分74、78が閉じる必要はない。使用者は、蓋24を閉じ、従って、ガイド56、58を閉じ、これは、次いで、チュービング50を圧着させる。
【0070】
前から存在する溶接Wをチューブホルダ70、72の間でほぼ中心にするように、チューブ50を配置することが好ましい。接続プロセスと同様に、センサー300は、チュービング50を同定し、そして患者側の側面チューブが通路52、54のうちの1つにあり、そしてバッグ側のチューブが他の通路52、54にあることを確認する。従って、センサー300は、前から存在する溶接がそれらの間のどこか(例えば、デバイス内)に存在することを確認する。
【0071】
センサー300がチュービングを受け入れた後、同じまたは異なるセンサー300または304がチューブ内に前から存在する溶接Wの位置を決定する。これは、例えば、デジタルカメラまたは類似のデバイスを用いて達成され得る。センサーは、溶接W内のフランジを探す。あるいは、センサー304は、上記のような色コード化スキームに基づいてチュービング間の色の違いを検出し得る。従って、センサー304は、溶接の周りの領域での色の変化を同定し得、これは、溶接Wが、2つの異なる色の間に存在することを示す。
【0072】
一旦、前から存在する溶接Wが位置決めされると、センサー304は、チューブ50の切断のための位置を同定する。ガイド56、58が起動され、そしてチューブ50が、所定の距離、カテーテル側面上で患者に向かって移動する。例えば、既存の溶接が位置Xに位置決めされ得る。センサー304は、溶接を位置決めし、そしてチューブの圧着および分離の位置へと患者側からチューブX+1/8インチ離れて移動する。このように、切断のための位置は、既存の溶接から最小の距離である。従って、患者カテーテル(または移動セット)のチューブ材料の無駄は、最小化される。あるいは、患者寸法補助線(extension line)が、移動セットとディスポーザブルとの間(またはバッグ側)で使用され得る。寸法補助線の使用は、移動セットの寿命を延ばす。なぜなら、移動セットは、頻繁に置き換える必要がないからである。代わりに、患者寸法補助線は、移動セットから古い寸法補助線を切断し、そして本明細書中に記載される方法によって移動セットに新しい拡張部を接続することによって容易に置き換えられる。さらに、センサー304は、既存の溶接を含むチューブの部分が捨てられることを保証する。これは、残りのカテーテルチューブの完全性を改善する。さらに、センサー304は、安全手段を提供する。なぜなら、既存の溶接の頂部の溶接の作製は、十分に耐久性ではないかもしれないからである。
【0073】
切断プロセスの開始時に、レーザーユニット200が切られる。図2Dに示されるように、ハンマー110は、(シャフト116によって)チューブ50と接触するように移動する。ハンマー110がチューブ50と接触する前に加熱されないことに注意するべきである。ハンマー110がチューブ50と接触する場合、チューブの内面が接触するように、このチューブを圧縮する。この点で、ハンマー110は、切断される領域からチューブ50に存在する液体を押す。
【0074】
レーザーユニット200は、引き続いて起動される。ライトパイプ220は、レーザーエネルギーの大部分をチュービング50へと下向きに方向付ける。チュービング50は、金床112とハンマー110との間に挟まれ続ける。この例において、ライトパイプ220は、金床112の一部である。加熱チュービングが挟まれると、シールし始める。熱センサー320は、挟まれたチュービング近くの温度をモニターする。レーザーユニット200は、止まる。1つの実施形態において、センサー320は、フロント111の近くでハンマー110の上に載せられる。一般的に、センサーは、レーザーが適切に作動していることを証明する。ピンチハンマー110は、チューブが冷却する間、チュービングと接したままである。チューブの冷却後、ハンマー110は、その元の位置に戻るように動く。次いで、ガイド56、58が起動され、そして所定の距離逆に移動する。この所定の距離は、可撓性チューブ50のサイズおよび材料に依存する。ガイド56、58が戻ると、チュービング50は、引き離され、2つのシールされた端部を生じる。従って、ガイド56、58およびハンマー110の組み合わせは、チュービングを2つのシールされた端部チューブに分離するためのセパレーターとして作用する。デバイス10は、使用者に、蓋24がロック解除され、そして開く準備ができていることを知らせる。2つの新たにシールされたチュービングの端部は、引き続いて、デバイス10から取り外される。他の適用は、持続期間の間、オンのままであるか、またはハンマーがチュービングを挟むために移動する間、オンおよびオフをパルスするレーザーを含み得る。
【0075】
(保護フィルム)
図6は、本発明の実施形態に従う保護フィルム400を示す。保護フィルム400は、平凸レンズ210、212、金床112、およびライトパイプ220をカバーする。保護フィルム400は、薄い透明な材料(好ましくは、Mylar(登録商標)またはポリエチレン材料)である。フィルム400は、例えば、各切断適用の後に進むロール402上に提供される。フィルム400が進む場合、これは別のロール404に保存される。ロール402が使用された後、ロール402および404の両方が容易に捨てられ得る。レーザーエネルギーは、フィルム上に任意の加熱効果を有さない。フィルム400は、レーザービームの性質を変更しない。このように、フィルム400は、光学アセンブリ202を保護し、そしてこの光学アセンブリの洗浄を除く。使い捨て可能なレンズを進めるシステムを提供することによって、この目的を達成し得ることが理解される。例えば、光学アセンブリが金床112としてライトパイプ220を含む場合、光学アセンブリは、それぞれの使用後に回転するカートリッジ上の多くの使い捨て可能レンズであり得る。従って、使用される光学アセンブリは、捨てられ、そして新たな光学アセンブリがそれぞれの適用において使用される。
【0076】
(さらなる実施形態)
図7は、本発明の別の実施形態を図示し、プリズム206およびライトパイプ220はチューブホルダ70、72の間にないが、ハウジング12のフロント14の近くに位置する。単純化のために、図6は、コリメーター204とプリズム206との間に金床112を示す。しかし、接続プロセスの間、金床112は、一般的に、使用されない。その代わり、金床112は、ハウジング12内の一つの側18または20に対してオフである。切断プロセスの間、金床112は、レーザー200の前で移動する。従って、金床112は、コリメーター204に関して上記されるシステムと類似の追跡システムに載せられ得る。
【0077】
接続プロセスの間、プリズムレンズ206は、レーザービームを拡散し、そして図4A〜4Hにおいて上記される領域よりもわずかに大きな領域にわたってエネルギーを広げる。この例において、レンズ210、212は、平坦反射表面210a、212aとともに示される。しかし、レンズ210、212は、レーザの型およびビームの向きを変えそして集中させる必要性に依存して、凹面または他のある構成であり得る。また、プリズム206は、シールされたチューブ端部51の表面でエネルギーを広げるように、粗い端部のレンズ210、212であり得る。さらに、別のレンズ(ここで示す)は、表面とチュービングの間で、表面210a、212aに位置づけられて、レーザービームをさらに集中させ得る。図2Aおよび2Bの実施形態に関して上記のように、チューブ端部は、チューブ端部が十分に加熱され、そして溶接が形成された後、一緒にされる。しかし、図6の実施形態は、あまり複雑ではない。なぜなら、チューブ端部を一緒にする前に、チューブ端部間からプリズム206を移動する必要がないからである。
【0078】
切断プロセスの間、金床112は、レーザー200の前面で移動する。ハンマー110は、金床112の方向で、2つのレンズ210、212間の通路250を通って移動する。ハンマー110は、金床112に対してチュービング50を圧縮する。これに関して、切断プロセスの残りの工程は、上記と実質的に同じである。
【0079】
図8は、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態において、レーザー光学アセンブリは、光ファイバーアセンブリ410を組み込む。光ファイバーアセンブリは、電磁エネルギーをチューブに伝達するための大きな円筒形ロッドまたは複数の光ファイバーを備え、そして必要な加熱およびエネルギーの分布を提供する。この実施形態において、光ファイバーアセンブリ410は、第1および第2の側面414、416ならびに前端部および後端部420、422を備える固定レンズ412を備える。レセスまたはアクセススロット430は、前端部420からアセンブリ410に延びる。レセス430は、アセンブリ410内の壁431で終わる。壁431は、切断プロセスの間、金床として作用する。光ファイバーアセンブリ410は、分割線411を有し、ここで、このチューブが切断プロセスのために装填される間、このアセンブリが、開き得る。チューブ50が装填された後、レセス430は、ハンマー110を受け取り、そしてハンマーは、チューブ50を壁431で圧縮する。レーザーユニット200は、エネルギー供給され、そしてレーザービームは、上記ライトパイプ220と類似の様式で固定レンズ412を下に向ける。このように、圧着および分離プロセスが開始する。
【0080】
さらに、光ファイバー部材432、434は、レンズ412の各側面414、416から垂直に延びる。切断プロセスの間、レーザーユニット200は、エネルギー供給され、そしてレーザービームは、光ファイバー部材432、434へと、固定レンズ412の下に向けられる。光ファイバー部材432、434は、チューブ端部50においてレーザーエネルギーを発する。上記の図2Aおよび2Bに記載される実施形態と同様に、アセンブリ410は、チューブホルダ70、72の間から出て、チューブホルダが、溶接を形成するようにチューブ端部を一緒にする。必要な場合、レーザーユニット200は、再びエネルギー供給され得、そしてレーザービームが、固定レンズ412を、チューブ端部が接合されて溶接を形成する領域へと下に向ける。
【0081】
図9Aおよび9Bは、本発明の別の実施形態を示す。図9Aにおいて、光学アセンブリ450は、レーザーユニット200とともに使用される。光学アセンブリ450は、レーザーユニットと平面X(チュービング50を横切る)との間で、レーザーユニット200に隣接する。光学アセンブリ450は、ほぼ「Y」形状の光学スプリッター452を備え、ここで、「Y」のベース454は、レーザーユニット200の出力近くにある。「Y」形状光学スプリッターは、レーザーユニット200から平面Xに向かって延在する。「Y」形状オプティクスは、固体光ファイバーまたは個々のファイバーであり得る。
【0082】
光学アセンブリ450は、装置の接続および切断操作の間、固定されたままである。2つのチューブ端部51の接続の間、レーザービームは、各チューブ端部へと「Y」を下に分かれる。チューブ端部は、溶接のために実質的に一緒にされる。切断プロセスの間、レーザービームは、このアセンブリの中心光学成分またはライトパイプ456で下に向けられる。上に記載される適用と同様に、金床110は、ライトパイプ456に向かって動き、チュービングを圧縮しそして挟む。2つの別々の成分として、光学アセンブリ450を有することもまた本発明の範囲内である。この例において、「Y」形状光学スプリッター452およびライトパイプ456は、別の成分(図示せず)である。各成分452、456は、この装置によって実行されるプロセスに依存して、レーザーユニットの前面で必要とされる成分を移動する移動プレートに載せられる。
【0083】
図10Aおよび10Bは、本発明の別の実施形態を示す。この例において、レーザーユニット200は、光学アセンブリなしで使用される。チューブホルダ70、72は、追跡システム500に載せられる。接続プロセスの間、追跡システム500は、チューブホルダ70、72を、レーザーユニット200に向かって所定の経路に沿って移動させる(図8B)。このように、チューブホルダ70、72は、チューブ50操作し、その結果、チューブ端部51は、好ましくは、互いに平行であり、そしてレーザーユニット200と面する。従って、チューブホルダ70、72は、これらがチューブ端部を受け入れるときから、チューブ端部51がレーザーユニット200に面する地点まで、約90°回転する。しかし、チューブホルダは、70〜110°の範囲で回転し得、そして同じ結果を達成し得る。
【0084】
レーザーユニット200は、オンになり、チューブ端部を融解し、そして滅菌する。上で考察されるように、チューブ端部51は、シールされるチューブ端部としてデバイス10に入る。このように、チューブ端部51は、レーザーエネルギーがこの領域を融解するとき、再び開き始める。一旦、センサーがチューブ端部の十分な加熱が生じたことを決定すると、レーザーユニット200がオフされる。このとき、チューブホルダ70、72は、それらの最初の位置(ガイド56、58の近く)を再追跡し、次いで、互いに向かって前に移動する。2つのチューブ端部51は、互いに接触し、そして溶接シールが形成される。
【0085】
(非PVC、レーザー溶接可能チュービング)
図11aおよび11bは、単層チュービング600および複数層チュービング600をそれぞれ示し、これらは、本発明での使用に適切である。図11cは、2つ以上の流体通路を有し得る複数の管腔チュービングを示す。図11aおよび11bの単一管腔チュービングと同様に、図17〜19の複数管腔チュービングは、単層構造または複数層構造であり得、従って、以下の記載が単一管腔チュービングまたは複数管腔チュービングに適用されることが理解されるべきである。
【0086】
単層チュービング600は、ポリマー材料から、より好ましくは、非PVC含有ポリマーから、最も好ましくは、レーザービームへの暴露時に加熱し得る(「レーザー応答性))非PVC含有ポリマーから作製される側壁602を有する。複数層チュービング600は、第1層または溶液接触層604および第2層606を有する。層604または606のうちの少なくとも1つは、レーザー応答性である非PVC含有ポリマーから構成される。本発明の好ましい形態において、他の層604または606はまた、非PVC含有ポリマーであり、より好ましくは、レーザービームへの暴露時に加熱する非PVC含有ポリマーである。しかし、レーザー応答性でないかまたは溶液中に浸出し得るかもしくは溶液と反応し得る任意の成分を含まない溶液接触層604を有することがまた望ましくあり得る。もちろん、2つより多くの層を有するチュービングが本発明の範囲から逸脱することなく使用され得ることが企図される。チュービング側壁は、それを通る流体経路608を規定する。
【0087】
適切な非PVC含有ポリマーとしては、ポリオレフィン、エチレン、および低級アルキルアクリレートコポリマー、エチレンおよび低級アルキル置換アルキルアクリレートコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、ならびにスチレンおよび炭化水素コポリマーが挙げられる。
【0088】
適切なポリオレフィンとしては、2〜20個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素を含むα−オレフィンを重合することによって得られるホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。従って、適切なポリオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、およびデセン−1のポリマーおよびコポリマーが挙げられる。最も好ましくは、このポリオレフィンは、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、あるいはポリエチレンのホモポリマーまたはコポリマーである。
【0089】
ポリプロピレンの適切なホモポリマーは、アモルファス、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック、ヘミアイソタクチックまたはステレオブロックの立体化学を有し得る。本発明のより好ましい形態では、ポリプロピレンは、約20ジュール/グラム〜約220ジュール/グラム、より好ましくは約60ジュール/グラム〜約160ジュール/グラム、最も好ましくは約80ジュール/グラム〜約130ジュール/グラムの低い融解熱を有する。本発明の好ましい形態において、ポリプロピレンホモポリマーが、約165℃未満、より好ましくは約130℃〜約160℃、より好ましくは約140℃〜約150℃の融点を有することがまた望ましい。本発明の1つの好ましい形態において、ポリプロピレンのホモポリマーは、単一部位触媒を使用して得られる。
【0090】
プロピレンの適切なコポリマーは、2〜20個の炭素を有するα−オレフィンを用いてプロピレンモノマーを重合することによって得られる。本発明のより好ましい形態において、プロピレンは、約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは2重量%〜約5重量%のコポリマーの量で、エチレンと共重合される。プロピレンおよびエチレンコポリマーは、ランダムまたはブロックコポリマーであり得る。プロピレンコポリマーは、約40ジュール/グラム〜約140ジュール/グラム、より好ましくは約60ジュール/グラム〜約90ジュール/グラムの低い融解熱を有するべきである。本発明の好ましい形態において、プロピレンコポリマーは、単一部位触媒を使用して得られる。
【0091】
ポリプロピレンおよびα−オレフィンコポリマーのブレンドを使用することがまた可能であり、ここで、このプロピレンコポリマーは、α−オレフィン中の炭素の数だけ変化し得る。例えば、本発明は、プロピレンおよびα−オレフィンコポリマーのブレンドを企図し、ここで、1つのコポリマーは、2炭素α−オレフィンを有し、そして別のコポリマーは、4炭素α−オレフィンを有する。2〜20個の炭素、より好ましくは2〜8個の炭素のα−オレフィンの任意の組み合わせを使用することがまた可能である。従って、本発明は、ポリプロピレンおよびα−オレフィンコポリマーのブレンドを企図し、ここで、第1および第2のα−オレフィンは、以下の炭素数の組み合わせを有する:2および6、2および8、4および6、4および8。ブレンド内に2つより多いポリプロピレンおよびα−オレフィンコポリマーを使用することもまた企図される。適切なポリマーは、カタロイ(Catalloy)手順を使用して得られ得る。
【0092】
高い融解強度のポリプロピレンを使用することがまた望ましくあり得る。高融解強度のポリプロピレンは、10g/10分〜800g/10分、より好ましくは30g/10分〜200g/10分の範囲内、またはこれらの範囲の任意の範囲もしくは組み合わせのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーであり得る。高融解強度のポリプロピレンは、自由末端長鎖分岐のポリプロピレン単位を有することが公知である。高融解強度特徴を示すポリプロピレンを調製する方法は、米国特許第4,916,198号;同第5,047,485号;および同第5,605,936号(これらは、本明細書中において参考として援用され、その一部をなす)に記載されている。1つのこのような方法は、直鎖プロピレンポリマーを、活性酸素濃度が約15体積%である環境中で、1〜104メガラド/分の線量の高エネルギーイオン化エネルギー照射を用いて、直鎖プロピレンポリマーの実質的な量の鎖の切断が生じるには十分であるが、材料がゲル化するには不十分な時間、照射する工程を包含する。この照射は、鎖切断を生じる。鎖フラグメントの引き続く組み換えは、新しい鎖の形成を生じ、鎖フラグメントを鎖に結合して分岐を形成する。これは、さらに、所望の自由末端長鎖分岐、高分子量、非線形、プロピレンポリマー材料を生じる。有意な量の長鎖分岐が形成されるまで、照射は維持される。次いで、この材料は、照射された材料に存在する実質的に全ての全ての遊離ラジカルを不活性化するために処理される。
【0093】
高融解強度ポリプロピレンはまた、特定の有機ペルオキシド(ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボネート)が特定の条件下でポリプロピレンと反応され、続いて、溶融混合(melt−kneading)される場合、米国特許第5,416,169号(これは、その全体が本明細書中において参考として援用され、その1部をなす)に記載されるように得られ得る。このようなポリプロピレンは、直鎖、結晶ポリプロピレン(実質的に1の分岐係数(branching coefficient)を有する)であり、従って、自由末端長鎖分岐を有さず、そして約2.5dl/g〜10dl/gの固有粘度を有する。
【0094】
エチレンの適切なホモポリマーとしては、0.915g/ccより高い密度を有するホモポリマーが挙げられ、そして低密度ポリエチレン(LDPE)、中程度密度ポリエチレン(MDPE)および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。
【0095】
エチレンの適切なコポリマーは、エチレンモノマーを3〜20個の炭素、より好ましくは3〜10個の炭素、最も好ましくは、4〜8個の炭素を有するα−オレフィンと重合することによって得られる。エチレンのコポリマーが、ASTM D−792で測定して、約0.915g/cc未満、より好ましくは約0.910g/cc、さらにより好ましくは約0.900g/cc未満の密度を有することがまた望ましい。このようなポリマーは、しばしば、VLDPE(超低密度ポリエチレン)またはULDPE(極超低密度(ultra low density)ポリエチレン)と呼ばれる。好ましくは、エチレンα−オレフィンコポリマーは、単一部位触媒、さらにより好ましくは、メタロセン触媒系を使用して作製される。単一部位触媒は、触媒部位の混合物を有することが公知のZiegler−Natta型触媒とは反対に、単一の、立体的および電気的に等価な触媒位置を有すると考えられる。このような単一部位触媒化エチレンα−オレフィンは、商品名AFFINITYでDowによって、商品名ENGAGE(登録商標)でDuPont Dowによって、そして商品名EXACTでExxonによって販売される。これらのコポリマーは、時々、m−ULDPEとして本明細書中で呼ばれる。
【0096】
エチレンの適切なコポリマーとしてはまた、エチレンおよび低級アルキルアクリレートコポリマー、エチレンおよび低級アルキル置換アルキルアクリレートコポリマーならびにエチレンビニルアセテートコポリマー(コポリマーの約8重量%〜約40重量%の酢酸ビニル含有量を有する)が挙げられる。用語「低級アルキルアクリレート」とは、図式1:
【0097】
【化1】
に記載される式を有するコモノマーをいう。
【0098】
R基は、1〜17個の炭素を有するアルキルを示す。従って、用語「低級アルキルアクリレート」としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0099】
用語「アルキル置換アルキルアクリレート」とは、図式2:
【0100】
【化2】
に記載される式を有するコモノマーをいう。
【0101】
R1およびR2は、1〜17個の炭素を有するアルキルであり、そして同じ炭素数を有し得るかまたは異なる炭素数を有し得る。従って、用語「アルキル置換アルキルアクリレート」としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルエタクリレート、エチルエタクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルエタクリレートなどが挙げられるが、これらの限定されない。
【0102】
適切なポリブタジエンとしては、1,3−ブタジエンの1,2−および1,4−付加生成物(これらは、集合的に、ポリブタジエンと呼ばれる)が挙げられる。本発明のより好ましい形態において、ポリマーは、1,3−ブタジエンの1,2−付加生成物(これらは、1,2−ポリブタジエンと呼ばれる)である。本発明のなおさらに好ましい形態において、目的のポリマーは、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンであり、そしてさらにより好ましくは、低結晶性シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンである。本発明の好ましい形態において、低結晶性シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、50%未満、より好ましくは、約45%未満、さらにより好ましくは、約40%未満の結晶化度を有し、さらにより好ましくはこの結晶化度は、約13%〜約40%、最も好ましくは約15%〜約30%である。本発明の好ましい形態において、低結晶性シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、ASTM D 3418に従って測定して、約70℃〜約120℃の融点を有する。適切な樹脂としては、JSR(Japan Synthetic Rubber)によって、等級を指定して(JSR RB810、JSR RB820、およびJSR RB 830)販売されるものが挙げられる。
【0103】
適切なポリエステルとしては、ジ−またはポリカルボン酸とジ−またはポリヒドロキシアルコールもしくはアルキレンオキシドとの重縮合生成物が挙げられる。本発明の好ましい形態において、ポリエステルは、ポリエステルエーテルである。適切なポリエステルエーテルは、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびポリテトラメチレングリコールエーテルを反応させることから得られ、一般的に、PCCEと呼ばれる。適切なPCCEは、Eastmanによって、商品名ECDELで販売される。適切なポリエステルとしては、さらに、ポリブチレンテレフタレートの堅い結晶性セグメントおよび柔らかい(アモルファス)ポリエーテルグリコールの第2セグメントのブロックコポリマーであるポリエステルエラストマーが挙げられる。このようなポリエステルエラストマーは、Du Pont Chemical Companyによって、商品名HYTREL(登録商標)で販売される。
【0104】
適切なポリアミドとしては、4〜12個の炭素を有するラクタムの開環反応から生じるポリアミドが挙げられる。従って、ポリアミドのこの群としては、ナイロン6、ナイロン10およびナイロン12が挙げられる。受容可能なポリアミドとしてはまた、2〜13の範囲内の炭素数を有するジアミンの縮合反応から生じる脂肪族ポリアミド、2〜13の範囲内の炭素数を有するジ−酸の縮合反応から生じる脂肪族ポリアミド、ダイマー脂肪酸の縮合反応から生じる脂肪族ポリアミド、およびアミド含有コポリマーが挙げられる。従って、適切な脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ナイロン66、ナイロン6,10およびダイマー脂肪酸ポリアミドが挙げられる。
【0105】
スチレンおよび炭化水素コポリマーのスチレンとしては、スチレンおよび種々の置換スチレン(アルキル置換スチレンおよびハロゲン置換スチレンが挙げられる)が挙げられる。アルキル基は、1〜約6個の炭素原子を含み得る。置換スチレンの具体的例としては、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、2−クロロ−4−メチルスチレンなどが挙げられる。スチレンは、最も好ましい。
【0106】
スチレンおよび炭化水素コポリマーの炭化水素部分は、共役ジエンを含む。使用され得る共役ジエンは、4〜約10個の炭素原子、より一般的には、4〜6個の炭素原子を含む共役ジエンであり得る。例としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエンの混合物(例えば、ブタジエンおよびイソプレンの混合物)もまた使用され得る。好ましい共役ジエンは、イソプレンおよび1,3−ブタジエンである。
【0107】
スチレンおよび炭化水素コポリマーは、ブロックコポリマーであり得、これには、ジ−ブロック、トリ−ブロック、マルチ−ブロック、およびスターブロックが挙げられる。時ブロックコポリマーの具体例としては、スチレンブタジエン、スチレンイソプレン、およびそれらの水素化誘導体が挙げられる。トリブロックポリマーの例としては、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレン、およびα−メチルスチレン−イソプレン−α−メチルスチレンならびにそれらの水素化誘導体が挙げられる。
【0108】
上記ブロックコポリマーの選択的水素化は、Raneyニッケル、プラチナ、パラジウムなどのような新規の金属、および可溶性遷移金属触媒のような触媒の存在下での水素化を含む種々の周知のプロセスにより実行され得る。用いられ得る適切な水素化プロセスは、ジエン含有ポリマーまたはジエン含有コポリマーを、シクロヘキサンのような不活性炭化水素希釈剤中に溶解し、そして可溶性水素化触媒の存在下での水素との反応により水素化するプロセスである。このような手順は、米国特許第3,113,986号および同第4,226,952号(これらの開示は本明細書中で参考として援用され、本明細書の一部をなす)に開示される。
【0109】
特に有用な水素化ブロックコポリマーは、スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロックポリマーのような、スチレン−イソプレン−スチレンの水素化ブロックコポリマーである。ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマーが水素化される場合、得られた生成物は、エチレンおよび1−ブテン(EB)の規則的なコポリマーブロックに似ている。上記のように、用いられる共役ジエンが、イソプレンである場合、得られる水素化生成物は、エチレンおよびプロピレン(EP)の規則的なコポリマーブロックに似ている。市販の選択的水素化の1つの例は、KRATON G−1652である。このKRATON G−1652は、30%スチレン末端ブロックを含む水素化SBSトリブロックであり、中間ブロック等価物は、エチレンおよび1−ブテン(EB)のコポリマーである。この水素化ブロックコポリマーは、頻繁に、SEBSといわれる。他の適切なSEBSまたはSISコポリマーは、商品名SEPTON(登録商標)およびHYBRAR(登録商標)のもと、Kurrarryにより販売されている。
【0110】
α,β−不飽和モノカルボン酸試薬またはα,β−不飽和ジカルボン酸試薬を、上記の選択的に水素化したブロックコポリマーにグラフトさせることによる、グラフト修飾スチレンおよび炭化水素ブロックコポリマーを使用することもまた望ましくあり得る。
【0111】
共役ジエンおよびビニル芳香族化合物のブロックコポリマーは、α,β−不飽和モノカルボン酸試薬またはα,β−不飽和ジカルボン酸試薬とグラフトされる。カルボン酸試薬は、それ自体カルボン酸、および選択的に水素化されたブロックコポリマーにグラフトされ得る、無水物、イミド、金属塩、エステルなどのような、これらの機能的誘導体を含む。グラフトされたポリマーは、通常、ブロックコポリマーおよびカルボン酸試薬の総重量に基づいて、約0.1〜約20重量%、および、好ましくは、約0.1〜約10重量%のグラフトされたカルボン酸を含む。有用なモノカルボン酸の特定の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、無水アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウム、およびアクリル酸マグネシウムなどが挙げられる。ジカルボン酸およびその有用な誘導体の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、モノメチルマレイン酸、マレイン酸一ナトリウムなどが挙げられる。
【0112】
スチレンおよび炭化水素ブロックコポリマーは、製品名KRATON G2705の商品名の下、Shell Chemical Companyにより販売されている、油修飾SEBSのような油で修飾され得る。
【0113】
本発明の1つの好ましい形態では、チュービングは、複数の成分のポリマーブレンドからなる。本発明は、上記で示すポリマーのいずれか2つ以上をブレンドすることを意図する。本発明の好ましい形態では、ポリマーブレンドとしては、スチレンおよび炭化水素コポリマーをブレンドしたポリオレフィンが挙げられる。本発明の好ましい形態では、このポリオレフィンは、ポリマーを含むプロピレンであり、そして高融解強度ポリプロピレンを含む上記のプロピレンのホモポリマーおよびコポリマーから選択され得る。種々の型のポリプロピレンのブレンドを有するスチレンおよび炭化水素コポリマーを含む3つ以上の成分を有することもまた望ましくあり得る。このポリプロピレンは、単独または合計のいずれかで、スチレンおよび炭化水素ブロックコポリマーであるブレンドの平衡を保って、ブレンドの約10重量%〜約50重量%、より好ましくは、約15重量%〜約45重量%、および最も好ましくは、約20重量%〜約40重量%の量で存在し得る。
【0114】
油修飾SEBSを用いる場合、決定的ではないが、ブレンド成分として高融解強度ポリプロピレンを用いることが望ましくあり得る。ブレンドを含む適切なポリプロピレンおよびSEBSとしては、以下が挙げられる:(1)商品名CAWITON(特に、グレードPR3670EおよびPR4977)の下、Wittenburgにより販売されているPPおよびSEBSの事前配合(precompounded)ブレンド;(2)90〜98重量%のKRATON G2705、および2〜10%のBasell PROFAX 611高融解強度ポリプロピレン;(3)75%のKRATON G2705、ならびに23%の、プロピレンおよびエチレンのBasell PROFAX SA 861ランダムコポリマー、ならびに高強融解強度PPである2%Basell PROFAX
PF−611を有するプロピレン;ならびに(4)グレード70585 Eの下J−Vonにより販売されているPP/SEBSの事前配合ブレンド。
【0115】
本発明の別の好ましい形態では、チュービングは、単一のm−ULDPE樹脂またはm−ULDPE樹脂のブレンドから作製される。1つの特に適切なm−ULDPE樹脂は、商品名ENGAGE(登録商標)(さらに、詳細には、ENGAGE(登録商標)8003(密度0.885g/cc))の下、DuPont−Dowにより販売されている。1つよりも多いm−ULDPE樹脂をブレンドすることもまた意図される。このような樹脂ならびにこの樹脂から作製されるチュービングおよびフィルムは、米国特許第6,372,848号(これはその全体が本明細書中で参考として援用され、そして本明細書の一部をなす)により完全に示される。
【0116】
上記のポリブタジエンまたはポリブタジエン樹脂のブレンドからチュービングを作製することもまた意図される。
【0117】
適切な非PVC含有ポリマーおよびポリマーブレンドは、代表的に、レーザー応答性ではないので、ポリマーまたはポリマーブレンドに、レーザー応答性成分を組み込まなければならない。適切なレーザー応答性成分としては、色素、着色料、および/または顔料が挙げられる。本発明のさらに好ましい形態では、レーザー応答性材料は、色素、より好ましくは、近赤外スペクトル、より好ましくは、約700nm〜約1500nmの波長の範囲内の、ある波長または狭い範囲の波長のレーザービームに応答性である官能基を有する有機色素である。例示的な官能基としては、ポリメチン、ポルフィリン、インダンスレン、キノン、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン、ならびに金属錯体化ジチオ色素が挙げられる。本発明の好ましい形態では、この色素は、色素が応答する周波数帯域の光を提供するレーザービームに曝露される場合、約50(吸光度/g)よりも高い吸光性を有する。本発明の好ましい形態では、この色素は、約780nm〜約810nmのピーク波長のレーザービームに応答性であり、そして非PVCポリマーおよびポリマーブレンドの融解を可能にする短い時間にわたり十分な熱を生成する。短い時間の意味は、15秒未満である。
【0118】
色素は、溶液接触層の一部を形成する場合に、有意な量または有害な量の溶液に容易に浸出しないように、好ましくは、水、生理食塩水溶液、ブドウ糖溶液、脂質含有溶液、およびタンパク質含有溶液を含む水性媒質にわずかに可溶性かまたは不溶性である。この色素はまた、好ましくは、ポリマーまたはポリマーブレンドの押出しプロセスの間に達する温度で、熱的に安定である。適切な色素は、商品名EPOLIGHT 4121および4149の下、Epolin Inc.により販売されている。約50よりも高い吸収を有するレーザー応答性材料を使用する場合、このような色素材料の少量のみが必要とされ、そして、代表的に、約20ppm〜約500ppm、より好ましくは、約100ppm〜約400ppm、および最も好ましくは、約200ppm〜約300ppmの量で、チューブブレンドに添加される。50未満の吸光性を有するレーザー応答性材料を用いることが意図されるが、より高い濃度のレーザー応答性材料を使用しなければならない。レーザーに応答性ではないが、上記のカラーコード目的のために用いられる他の色素を使用することもまた意図される。
【0119】
本発明の別の好ましい形態では、レーザー応答性材料は、レーザー応答性材料をブレンドに組込む代わりに結合される材料の表面に塗布される。この目的のために、レーザー応答性材料は、適切なキャリアまたは溶媒中に溶解または懸濁され、そして、この形態で、結合される表面の選択された部分に特異的に塗布され得る。レーザー応答性材料は、結合される表面をレーザー応答性材料に浸漬することにより塗布され得るか、またはレーザー応答性材料は、ブラシがけ、スプレー、または塗装などをされ得る。
【0120】
本発明のチュービングは、任意の公知のポリマー処理技術により製造され得るが、本発明の好ましい形態では、押出し成形、共有押出し成形、または射出成形により形成され得る。このようなチュービングは、柔らかく、可撓性であり、ねじれ耐性があり、良好な触感(触覚)を有し、そして蒸気滅菌、照射によってか、またはエチレンオキシド(EtO)曝露により滅菌され得る。
【0121】
(非PVC、レーザー溶接可能末端キャップフィルム)
図12は、チュービング600およびこのチュービングに密閉された末端キャップ610を示す。末端キャップフィルム610は、チュービング600と接着的に適合可能であるチュービング接触表面611を有する、単層または多層ポリマーフィルムである。この末端キャップフィルムは、押出し成形、共有押出し成形、押出しラミネーション、ラミネーション、射出成形などを含む任意の適切なポリマー処理技術により形成され得る。末端キャップフィルム610は、本発明の好ましい形態では、チュービングの末端表面に対して、30psiの破裂強度に耐える十分な強度で取付けられる。破裂強度は、チュービングフローパス613を介して圧縮空気を適用して、チュービングまたは末端キャップが破裂または漏出するまでチュービングを圧縮することにより測定される。末端キャップ610は、チュービングの末端の寸法を超える寸法であり得、そして過剰な材料は、チュービングの末端の周りに巻きつけられ、ここで、この材料は、チュービングの側壁602に取り付けられて、上で言及したドラム実施形態を形成する。チュービングの末端の寸法に適合するように、キャップ610を図12に示されるような寸法にし、そして有意な量の過剰な材料なしに、チュービングの末端部分にのみ取り付けることもまた可能である。
【0122】
末端キャップ610は、上記のm−ULDPE樹脂のような単一のポリマーから作製され得る。このように、m−ULDPEから作製された末端キャップは、特に、ブレンドを含有するm−ULDPEチュービングを用いる使用に十分に適している。末端キャップ610はまた、少なくとも第1の成分および第2の成分を有するポリマーブレンドから作製される得る。この第1の成分は、以下から選択される:(1)約0.915g/cc未満の密度を有するエチレンおよびα−オレフィンコポリマー、(2)エチレンおよび低級アルキルアクリル酸コポリマー、(3)エチレンおよび低級アルキル置換アルキルアクリル酸コポリマー、および(4)イオン性コポリマー(一般に、イオノマーといわれる)。本明細書中で用いられる用語「イオノマー」は、亜鉛またはナトリウムのような一価または二価のカチオンと会合した、ペンダントカルボキシレート基を有するアクリル酸コポリマーの金属塩をいう。第1の成分は、ブレンドの約99重量%〜約50重量%、より好ましくは、約85重量%〜50重量%、および最も好ましくは、約70%〜50%の量で存在する。
【0123】
第2の成分は、以下からなる群より選択される:(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環式オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー。この第2の成分は、ブレンドの約50重量%〜約重量1%、より好ましくは、約50重量%〜15重量%、および、最も好ましくは、約30重量%〜50重量%の量で存在する。末端キャップについてのこれらのポリマーブレンドは、特に、ポリオレフィンおよびスチレンのブレンドおよび炭化水素コポリマーから作製したチュービングを用いる使用に十分に適している。
【0124】
環式オレフィンの適切なホモポリマーおよびコポリマー、ならびに架橋多環式炭化水素およびこれらのブレンドは、米国特許第4,874,808号;同第5,003,019号;同第5,008,356号;同第5,288,560号;同第5,218,049号;同第5,854,349号;同第5,863,986号;同第5,795,945号;および同第5,792,824号(これらは、本明細書中でその全体が参考として援用され、そして本明細書の一部をなす)において見出され得る。
【0125】
本発明の好ましい形態では、適切な環式オレフィンモノマーは、環の中に5〜約10の炭素を有する単環式化合物である。この環式オレフィンは、置換もしくは非置換のシクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロオクテン、およびシクロオクタジエンからなる群より選択され得る。
【0126】
本発明の好ましい形態では、適切な架橋された多環式炭化水素モノマーは、2つ以上の環を有し、そして、より好ましくは、少なくとも7つの炭素を含む。この環は、置換されても、置換されなくてもよい。適切な置換基としては、低級アルキル、アリール、アラルキル、ビニル、アリルオキシ、(meth)アリルオキシなどが挙げられる。この架橋された多環式炭化水素は、上記で援用される特許に開示されるものからなる群より選択される。適切な架橋された多環式炭化水素含有ポリマーは、商品名TOPASの下、Ticonaにより、商品名ZEONEXおよびZEONORの下、Nippon Zeonにより、商品名CZ樹脂の下、Daikyo Gomu Seikoにより、そして商品名APELの下、Mitsui Petrochemical Companyにより販売されている。
【0127】
本発明の好ましい形態では、末端キャップは、約35重量%〜約45重量%のエチレンおよびα−オレフィンコポリマー(約0.900g/cc未満の密度を有する)、約20重量%〜約30重量%のエチレンおよびα−オレフィンコポリマー(約0.900g/ccより高いが約0.910g/cc未満の密度を有する)、および約30重量%〜約40重量%のポリプロピレンのブレンド、ならびに、好ましくは、約3重量%のエチレンコモノマーを有するプロピレンのランダムコポリマーに由来する単層である。この末端キャップは、約3mil〜約10milの厚さを有するべきである。
【0128】
これらの末端キャップ材料は、レーザー応答性ではないので、レーザー応答性色素の1つは、末端キャップについての単一のポリマーまたはポリマーブレンドへと取り込まれなければならない。末端キャップ材料について、色素は、約200ppm〜約2000ppm、より好ましくは、約400ppm〜約1800ppm、および、最も好ましくは、約500ppm〜約1000ppmの量で取り込まれなければならない。
【0129】
(カプラー)
図13は、向かい合ったチュービング取り付け部分622、チュービング止め624、およびこれらを通る流体経路626を有するカプラー620を示す。図14に示されるように、このカプラーは、たとえ、第1のチュービングおよび第2のチュービングが、互いに不適合性である場合でも、第1のチュービングを第2のチュービングに接続するために用いられ得る。図14に示されるアセンブリは、以下でより詳細に議論される。チュービング取り付け部分622は、遠位端へのチュービングの取り付けを容易にするために、この遠位端にテーパ状部分を有する。カプラー620の表面は、チュービングの取り付けを容易にするために、テクスチャード加工され得るか、またはマット仕上げを有し得る。チュービング取り付け部分622は、相対的に同じ長さを有することが示されるが、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる長さを有し得る。チュービング取り付け部分622は、チュービングとチュービング取り付け部分622との間の締りばめを熱集中または増強するために、リッジまたは他の隆起を有し得ることもまた意図される。
【0130】
チュービング取り付け部分622は、互いに対して、および流体経路626に対して同軸上に取付けられることが示される。カプラーは、チュービング部分622が互いについて同軸上に配置されない、多数の形態を有し得ることが意図される。1つのチュービング取り付け部分は、第1の軸を有し得、そして他のチュービング取り付け部分は、この第1の軸を横切る第2の軸を有することが意図される。横切るの意味は、1つの軸が、たとえ第1の軸が第2の軸と交差しなくとも、第2の軸を横切る方向に伸びていることである。このカプラーは、2つよりも多いチュービング取り付け部分、1つよりも多いチュービング止め、および1つよりも多い流体経路を有し得ることもまた意図される。チュービングが、カプラーに取り付けられる場合、引張り試験により試験された時に15 lbfを超える結合強度を有することが望ましい。アセンブリーは、15 lbf未満の引張り力で破損するかまたはカプラーから外れる場合、引張り試験に失敗する。
【0131】
カプラーは、チュービングについて上に示した材料から選択される非PVCポリマー材料からなり、そして、好ましくは、ポリマーブレンドからなる。本発明の1つの好ましい形態では、チュービングは、約40%〜約60%のEVA、および約60%〜約40%のポリエステル、ポリエステルエストラマー、またはポリウレタンの第二の成分の2つの成分を有する。EVAは、好ましくは、これらに結合した修飾子基を有し、そして以下からなる群より選択される:芳香族炭化水素、カーボンジオキシド、モノエチレン不飽和炭化水素、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルアミド、ビニルケトン、ビニルハライド、エポキシド、カルボン酸、およびこれらの無水物誘導体(縮合環カルボン酸無水物を含む)。最も好ましくは、修飾子基は、マレイン酸または無水マレイン酸である。
【0132】
本発明の別の好ましい形態では、ポリマーブレンドは、3つの成分を有する。第1の成分は、約25重量%〜約35重量%の量の、ポリオレフィン、より好ましくは、プロピレンを含むポリマー(例えば、商品名FORTILENE、詳細には、FORTILENEグレードKS 490の下Solvayにより販売されているもの)である。第2の成分は、ブレンドの約35重量%〜約45重量%の量の、ポリエステル、より好ましくは、ポリエステルエラストマー(例えば、商品名HYTREL(登録商標)の下DuPontにより販売されているもの)である。この第2の成分はまた、ポリウレタンであり得る。第3の成分は、約8%VA〜約40%ビニルアセテートの含有量のビニルアセテートを有する、エチレンビニルアセテートコポリマー、より好ましくは、カルボン酸修飾EVAまたは無水カルボン酸修飾EVAである。このEVAは、ブレンドの約25重量%〜約35重量%の量で存在する。本発明は、さらに、目的のプロピレン第1成分を酸で修飾、または無水カルボン酸で修飾することを、EVAに対するこのような修飾の代わりに、またはこのような修飾に加えて、意図する。カプラー620は、射出成形のようなポリマー処理技術により作製され得る。
【0133】
適切なポリウレタンとしては、芳香族型ポリウレタンおよび脂肪族型ポリウレタンの両方が挙げられる。適切なポリウレタンは、ジイソシアネートを鎖エキステンダーと反応させることにより形成される。ジイソシアネートとしては、以下が挙げられる:ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキシレンジイソシアネート(HDI)、およびイソホロンジイソシアネート(IPDI)。鎖エキステンダーとしては、ジオール型、ジアミン型、ポリエステルを含むポリオールおよびポリエチレンを含むポリオールが挙げられる。ジオール型としては、以下が挙げられる:1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、および1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシベンゼン。ジアミン型としては、脂肪族型および芳香族型が挙げられる。脂肪族型としては、エチレンジアミンが挙げられる。芳香族型としては、以下が挙げられる:トルイレンジアミンおよびジアミノジフェニルメタン。
【0134】
(レーザー溶接可能なチュービングアセンブリおよび治療用流体送達セット)
図14は、互いに接続され、そしてカプラー620により流体連絡して配置される、第1のレーザー溶接可能なチュービング600、および第2のチュービング630を有するチュービングアセンブリ628を示す。この第2のチュービング630は、チュービング600の材料と不適合性の材料から作製される。不適合性の意味は、材料が、導電性または誘導性の熱シーリング技術を利用する固定様式で、互いに直接連結され得ないことである。このアセンブリ628は、特に、レーザー溶接溶接可能な上記の非PVCチュービング600と、流体送達セットまたは腹膜透析セットからのPVCチュービング630を接合するのに十分に適している。レーザー溶接チュービング600は、上で議論したレーザー溶接デバイス10を用いる患者の運搬セットに接続され得る。
【0135】
第1のチュービングおよび第2のチュービング(600、630)は、チュービングの末端部分が、チュービング止め624と接触するまで、チュービング取り付け部分622の上のチュービングの流体経路608をスライドさせることにより、カプラーに接続され得る。次いで、チュービング600および630は、環型のダイを用いるのような熱シーリング、高周波熱シーリング、溶媒結合、接着剤結合によってか、または蒸気滅菌プロセス(すなわち、121℃で1時間)の間にオートクレーブ中でチュービングおよびカプラーを加熱すること、または他の適切な技術によりカプラーに固定して取り付けられる。熱シーリングの場合、マンドレルが、カプラーおよびチュービングアセンブリの形態を維持するために用いられ得る。
【0136】
図15は、レーザー溶接可能なチュービング600と流体連絡した、透析液溶液を保存するための治療用流体容器、腹膜透析セットのドレインバック、I.V.容器、血液容器、血液成分容器、血液交換容器などのような流体容器640を示す。
【0137】
図16は、腹膜透析輸送セットからチュービング650に接続されたレーザー溶接可能なチュービング600を示す。このチュービングの接続部は、上で詳細に記載されているデバイス10を用いて作製される。
【0138】
図17は、第1の流体通路および第2の流体通路(662および664)、ならびに互いに結合された第1の管腔および第2の管腔(666および668)を有する、レーザー溶接可能なデュアル管腔チュービング660を示す。2つよりも多い(例えば、3、4、または5以上)管腔が、本発明の範囲を逸脱することなしに互いに結合され得ることが意図される。第1の管腔および第2の管腔は、周辺の縁に沿って接続され、そしてチュービングの長さに沿って互いに対して平行に伸長し得るか、または第1の管腔および第2の管腔は、互いに対してらせん状、さもなければ網目状に配置される。
【0139】
図18は、それぞれ、第1の流体通路および第2の流体通路(676および678)を有する、第1の管腔および第2の管腔(672および674)を有する、レーザー溶接可能なデュアル管腔チュービング670の別の実施形態を示す。この第1の管腔および第2の管腔(672および674)は、互いに対して、同軸上に配置される。2つよりも多い管腔が、本発明を逸脱することなく、同軸上に取り付けられ得ることが意図される。
【0140】
図19は、各々が流体通路686を有する、第1の管腔682および4つの第2の管腔684を有する、レーザー溶接可能な複数の管腔チュービング680のさらに別の実施形態を示す。用語「複数」は、デュアル管腔チュービングが複数の管腔チュービングであるような2つ以上を含むことを意味する。第2の管腔684の間の領域688は、流体通路であり得るか、または第2の管腔を所定の位置に保持するためのパッキング材料ような材料であり得る。4つの第2の管腔が示されるが、2つ以上の第2の管腔が本発明から逸脱することなく提供され得ることが意図される。また、第2の管腔684は互いに間隔を離して示されるが、これらの第2の管腔の1つ以上は、互いに結合され得る。第2の管腔684は、互いに平行な方向に伸長し得るか、互いに対してらせん状、さもなければ互いに網目状に配置され得る。
【実施例1】
【0141】
膜フィルムを、40重量%の第1のm−ULDPE樹脂(密度0.885g/cc、Dow VP 8770)、25重量%の第2のm−ULDPE樹脂(密度0.902g/cc、Dow PL 1880)、35%のポリプロピレン(Basell SR−549M)、および600ppmの色素(Epolin 4121)のポリマーブレンドから押出した。これらの成分を、ダイを通して、David Standardツインスクリューエクストルーダーにおいてブレンドし、そして0.005インチの厚さに押出した。フィルムをダイオードレーザー(810nm)に、30ampにて10秒間曝露して、フィルムを溶かした。
【実施例2】
【0142】
チュービングを、Cawiton PR 3670の200ppm色素(Epolin4121)とのポリマーブレンドから押出した。これらの成分を、David Standardツインスクリューエクストルーダーにおいてブレンドし、そしてダイを通して、0.039インチの厚さ、0.157インチのID、0.235インチのODに押出した。チュービングを、ダイオードレーザー(810nm)に、30ampにて10秒間曝露して、チュービングを溶かした。
【実施例3】
【0143】
チュービングを、ブレンドが250ppmの色素を含むこと以外、実施例2と同じ様式で押出した。チュービングを、ダイオードレーザー(810nm)に、30ampにて10秒間曝露して、チュービングを溶かした。
【実施例4】
【0144】
カプラーを50%HYTREL(登録商標)5556の50%BYNEL 1123との2成分ポリマーブレンドから射出成形した。このブレンド成分を、1と1/2インチのDavid Standardツインスクリューエクストルーダーを用いてペレタイズ(pellitize)し、そして25トンArburg射出成形機を用いて射出成形した。PVCの第1のチュービングを、第1のチュービング取り付け部分の上でスライドさせ、そして高周波シーリングによりカプラーに取付けた。第2のチュービングを、実施例2に示すように作製した。この第2のチュービングを、カプラーの第2のチュービング取り付け部分の上でスライドさせ、次いで、121℃にて1時間オートクレーブした。アセンブリを冷却し、そして第1のチュービングおよび第2のチュービングを、このチュービングが破損するまでか、またはカプラーから外れるまで引っ張り、そして必要とされた力を、それぞれ、29.3 lbfおよび29.4 lbfで測定した。
【実施例5】
【0145】
カプラーを、30%のポリプロピレン(Solvay KS490)、40%ポリエステルエラストマー(HYTREL(登録商標)5556)、および30%無水物修飾EVA(BYNEL3810)の三成分ポリマーブレンドから、実施例4に示されるように射出形成した。実施例4に示されるように、PVCの第1のチュービングを、第1のチュービング取り付け部分の上でスライドさせ、そして高周波シーリングを用いて第1のチュービング取り付け部分にシールした。第2のチュービングを、実施例2に示されるように作製し、そして第2のチュービング部分の上をスライドさせた。アセンブリを、121℃にて1時間オートクレーブした。アセンブリを冷却し、そして第1のチュービングおよび第2のチュービングを、このチュービングが破損するまでか、またはカプラーから外れるまで引っ張り、そして必要とされた力を、それぞれ、48.2 lbfおよび34.3 lbfで測定した。
【0146】
本明細書中に記載される本発明の好ましい実施形態に対する種々の変更および改変は、当業者に明らかであることを理解すべきである。このような変更および改変は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、そしてその位置された利点を減らすことなくなされ得る。従って、このような変更および改変は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、腹膜透析溶液のような治療用溶液の送達における使用に特によく適したレーザー溶接可能な可撓性チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の医用手順(例えば、腎臓透析、治療用流体の静脈内送達、栄養流体の送達、血液の送達、血液成分の送達および代用血液の送達)のためのチューブを備える医用容器を使用することは公知である。流体容器およびチューブはまた、他の業界(例えば、食品業界および化学業界)において広範に使用されている。
【0003】
例えば、可撓性医用チューブは、腎臓疾患を処置するためのシステムにおいて使用される。任意の原因の腎不全において、いくつかの生理学的混乱が存在する。水、鉱物および毎日の代謝負荷の排泄物のバランスはもはや、腎不全において可能ではなくなる。腎不全の間、窒素代謝物の毒性最終生成物(尿、クレアチン、尿酸など)が、血液および組織に蓄積し得る。
【0004】
腎不全および低下した腎機能は、透析を用いて処置されてきた。透析は、老廃物、毒素および過剰な水(これらは、他の場合には正常の機能する腎臓によって除去されている)を身体から除去する。腎機能の交換のための透析処置は、この処置が救命処置であるために、多くの人々にとって重要である。腎臓を失った人は、少なくとも腎臓の濾過機能を交換せずには生き続けることができない。血液透析および腹膜透析は、腎機能の低下を処置するために一般的に使用される2つのタイプの透析治療である。
【0005】
一般に、血液透析処置は、老廃物、毒素および過剰な水を、患者の血液から除去する。この患者は、血液透析機器に連結され、そして患者の血液は、この機器を通してポンピングされる。この血液透析機器への血流およびこの血液透析機器からの血流を連結するために、カテーテルが、この患者の静脈および動脈に挿入される。血液が、この血液透析機器中の透析器を通過すると、老廃物、毒素および過剰の水が、患者の血液から除去され、そしてこの血液は、この患者に注入し戻される。このプロセスにおいて、連結または取り外しされなければならない多くのチューブが使用される。血液透析処置は、数時間続き、そして一般に、1週間に約3〜4回、処置センターにおいて行われる。
【0006】
腹膜透析は、代表的に、患者の腹腔中に注入される透析溶液、または透析液を使用する。この透析液は、腹腔中の患者の腹膜と接触する。老廃物、毒素および過剰の水は、患者の血流から、腹膜を通って、この透析液まで通過する。老廃物、毒素および水の血流から透析液への移動は、拡散および浸透圧、すなわち、膜を横切る浸透圧勾配が存在することに起因して、生じる。使用済みの透析液は、患者の腹腔から排出されて、老廃物、毒素および水を患者から除去する。使用済みの透析物が排出された後、これは新しい透析液と交換される。
【0007】
本発明は、医用手順のためのチューブの連結または取り外しにおける用途を有するが、以下の考察は、例として、腹膜透析の間に実施される特定のチューブの連結および取り外しプロセスに重点をおく。連結または取り外しされるべき多数のチューブが、このプロセスにおいて使用される。腹膜透析において、患者は、その腹腔中に移植された、端部がこの患者から突出しているカテーテルを有する。このカテーテルの突出端部は、チューブの移動セットとして公知の部分で終わる。この移動セットは、代表的に、シリコーン材料から作製され、そして定期的(例えば、数ヶ月毎)に交換しなければならない。この移動セットは、患者を透析流体バッグまたは廃棄物液ッグに連結するために設けられる。この移動セットは、代表的に、排出バッグまたは透析液バッグ(透析液セット)と連結したチューブ中に配置されるアクセスポートに連結するスパイクを有する。一般に、患者は、このスパイクでこのポートを手で突き刺し、移動セットを透析液セットに連結する。患者は、この移動セット中のチューブを排出管に連結して、使用済みの透析流体を腹腔から排出する。次いで、この患者が、新しい透析液のバッグに連結され、そしてこの新しい透析液を、カテーテルを通して、この患者の腹腔に手で注入する。患者が処置を完了した場合、このポートは、スパイクから外され、そしてこの患者が次の処置の準備をするまで、キャップがこのスパイク上に配置される。この患者が、新しい透析バッグからカテーテルを外した場合、この透析液は腹腔内に存在(dwell)し、老廃物、毒素および過剰の水を患者の血流から透析溶液に引き込む。このドウェル期間の後、患者は、手動透析手順を繰返し、そして使用済みの透析液を腹腔から排出する。
【0008】
従って、上記のような透析処置の間、患者は、何回も、カテーテルおよび移動セットを充填ラインまたは排出ライン(またはチューブ)に連結しそしてこれから取り外す必要がある。専門の滅菌機器を使用する場合、このプロセスの間に患者を補助するためのいくつかのデバイスが、今日利用可能である。しかし、一般的に、これらの連結および取り外しは、手動で行われる。
【0009】
このようなデバイスの1つは、加熱ウェハまたはホットナイフを組込み、これらは、このチューブを溶融しそして2つのチューブを連結するか、またはチューブの端部を溶融密閉することにより、このチューブを切断するように、このチューブと物理的に接触する。代表的には、加熱ウェハの適用は、「溶融および拭き取り(wipe)」プロセスを含む。腹膜透析において、例えば、患者は、使用済みの透析液を排出するか、またはその患者の腹膜に新しい透析液を補充しなければならない。このために、患者は、移動セットチューブを排出バッグまたは新しい透析液を含むバッグのいずれかから延びるチューブに連結しなければならない。ある「溶融および拭き取り」プロセスにおいて、この移動のチューブは、U型チューブホルダまたはV型チューブホルダに嵌合するために、宇型またはV型に曲げられる。同様に、バッグの横側のチューブは、第1のチューブホルダに隣接する別のU型チューブホルダまたはV型チューブホルダに嵌合するために、U型またはV型に曲げられる。加熱ウェハは、この2つのチューブホルダの間の空間を横切って移動し、そしてU型またはV型の湾曲接合部で、このチューブと物理的に接触する。加熱ウェハがこのチューブと接触する場合、このウェハは、U型またはV型の湾曲接合部でこのチューブを溶融する。次いで、このウェハは、この溶融しているチューブ材料を拭き取り、そしてチューブホルダ間の領域からこの材料を除去する。この2つのホルダは一緒にされて、そして2つの連結部が作製される。第1の連結部において、移動セットチューブがバッグの横側のチューブに連結され、そして透析プロセスは開始準備ができる。第2の接合部において、この移動セットチューブおよびバッグの横側のチューブからの不要なチューブ材料が、一緒にされ、そして廃棄される。
【0010】
患者をバッグから外すために、ホットナイフを使用して、このチューブを切断する。ホットナイフを使用する公知の取り外しプロセスの一例は、1つのチューブホルダを横切って並行して配置される2つのチューブを含む。これらのチューブの1つは、2つの密閉端を有する短いチューブである。一般に、チューブホルダは、チューブホルダの一端に、チューブの一部を平らにして流体の流れを止めるための隆起部を備える。このホットナイフは、各々のチューブを2つの小片に切る。このホットナイフがチューブを切断した後、チューブホルダの1つが、他のチューブホルダに対して移動する。このチューブは、「交換され」(短いチューブの切断部分の1つで再整列される)、そしてこの短いチューブに連結され、従って、取り外しは、患者とこのバッグとの間で行われる。
【0011】
これらのデバイスは、溶融プロセスおよび切断プロセスにおける不一致に起因して、比較的低いレベルの信頼性を有する。この不一致は、不完全な密閉を生じ得、漏出、細菌の侵入を生じ、そして最終的に、患者は、とりわけ、感染または腹膜炎を被る可能性が高くなる。また、公知の方法のいずれもが、連結プロセスの間に2つのチューブの端部の間に形成される溶接の完全性を検査しない。従って、使用者は、独自の溶接目視検査に頼らなければならない。
【0012】
さらに、これらのデバイスは、利用者に使いやすくない。しばしば、透析処置を必要とする患者は、視力障害があるかまたは他の障害がある。例えば、ある透析患者は、手の器用さの問題を被る。公知のプロセスの多くは、チューブをチューブホルダにロードすることを伴う相当量の人の干渉を含む。また、機器は、清潔にされなければならず、加熱ウェハは、汚染を回避するために、各使用の後に取り換えられなければならない。従って、これは、視覚障害のある患者および手先が器用でない患者にとって困難なプロセスである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、以下を提供する。
(項目1)
チュービングアセンブリであって、以下:
第一のポリマーブレンドから作製された第一の層を有する、側壁であって、該第一のポリマーブレンドは、第一の成分および第二の成分を含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有するレーザー応答性材料の成分であり;そして該ブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、側壁;ならびに
流体出口を覆う、エンドキャップフィルム、
を備える、アセンブリ。
(項目2)
前記エンドキャップフィルムが、ポリマー材料である、項目1に記載のアセンブリ。
(項目3)
前記ポリマー材料が、単層構造である、項目2に記載のアセンブリ。
(項目4)
前記ポリマー材料が、多層構造である、項目2に記載のアセンブリ。
(項目5)
前記ポリマー材料が、以下:
第三の成分であって、(1)約0.915g/cc未満の密度を有する、エチレンとα−オレフィンとのコポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、および(4)イオン性ポリマーからなる群より選択される、第三の成分;ならびに
第四の成分であって、(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー、からなる群より選択される、第四の成分、
を含有する第二のブレンドである、項目2に記載のアセンブリ。
(項目6)
前記第二のブレンドが、レーザー応答性材料の第五の成分をさらに含有する、項目5に記載のアセンブリ。
(項目7)
前記レーザー応答性材料が、ポリメチン、ポルフィン、インダントレン、キノン、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン、ならびに金属錯化ジチオール色素の群から選択される官能基を有する、項目5に記載のアセンブリ。
(項目8)
医療流体送達アセンブリであって、以下:
治療流体を貯蔵するための、コンテナ;および
非PVC含有ポリマーブレンドの層を有する側壁を有する、レーザー溶接可能なチュービングであって、該ポリマーブレンドは、第一の成分および第二の成分のポリマーブレンドであり、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有するレーザー応答性材料の成分であり;そして該層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に該側壁の一部を融解するに十分に熱応答性である、チュービング、
を備え、そして
該レーザー溶接可能なチュービングが、該コンテナに接続されている、アセンブリ。
(項目9)
前記治療流体が、腹膜透析溶液、使用済みの腹膜透析溶液、栄養溶液、血液、血液成分、代用血液、およびIV溶液からなる群より選択される、項目8に記載のアセンブリ。
(項目10)
前記チュービングの端部に流体密シールを形成する、エンドキャップフィルムをさらに備える、項目8に記載のアセンブリ。
(項目11)
前記ポリオレフィンが、2〜20個の炭素を有するα−オレフィンのモノマーから得られる、項目8に記載のアセンブリ。
(項目12)
前記ポリオレフィンが、プロピレン含有ポリマーおよびエチレン含有ポリマーからなる群より選択される、項目11に記載のアセンブリ。
(項目13)
前記ポリオレフィンが、ポリプロピレンのホモポリマーおよびポリプロピレンのコポリマーからなる群より選択される、項目11に記載のアセンブリ。
(項目14)
前記ポリプロピレンのコポリマーが、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーからなる群より選択される、項目13に記載のアセンブリ。
(項目15)
前記ポリプロピレンのコポリマーが、プロピレンモノマーを、2〜20個の炭素を有するα−オレフィンと重合させることによって得られる、項目14に記載のアセンブリ。
(項目16)
前記ポリプロピレンのコポリマーが、エチレンとのランダムコポリマーおよびエチレンとのブロックコポリマーからなる群より選択される、項目14に記載のアセンブリ。
(項目17)
前記第一の成分が、第一のポリプロピレン、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーの第二のブレンドである、項目8に記載のアセンブリ。
(項目18)
前記スチレンと炭化水素とのコポリマーが、スチレンと炭化水素とのランダムコポリマー、およびスチレンと炭化水素とのブロックコポリマーからなる群より選択される、項目17に記載のアセンブリ。
(項目19)
前記スチレンと炭化水素とのブロックコポリマーが、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、マルチブロックコポリマーおよびスターブロックコポリマーからなる群より選択される、項目18に記載のアセンブリ。
(項目20)
チュービングアセンブリであって、以下:
ポリ塩化ビニルを含有する第一の材料の、第一のチュービング;
該第一のチュービングとは十分に直接結合しない、第二の材料の第二のチュービングであって、該第二の材料は、第一の成分および第二の成分のポリマーブレンドを含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有するレーザー応答性材料の成分であり;そして該層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、第二のチュービング;ならびに
該第一のチュービングを該第二のチュービングと流体連絡させて接合する、結合器、
を備える、アセンブリ。
(項目21)
医療流体送達チュービングセットアセンブリであって、以下:
治療流体の供給源と流体連絡している、第一のチュービング;
ブレンドの層を有する非PVC材料の第二のチュービングであって、該層は、第一の成分および第二の成分を含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、該第二の成分は、レーザー応答性材料の成分である、第二のチュービング;
該治療流体によって処置される患者と流体連絡している、第三のチュービングであって、該第二のチュービングの第一の端部に接続されている、第三のチュービング;ならびに
該第一のチュービングの第二の端部を該第二のチュービングに接続するための、結合器、
を備える、アセンブリ。
(項目22)
前記第一のチュービングが、ポリ塩化ビニルを含有する、項目21に記載のアセンブリ。
(項目23)
前記第一の成分が、ポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択される、項目21に記載のアセンブリ。
(項目24)
可撓性材料の2つのチューブ端部を接続する方法であって、該方法は、以下の工程:
2つのチューブ端部の各々において、レーザービームを指向し、そして各チューブ端部を加熱する工程、
該加熱されたチューブ端部を一緒に押し付ける工程、
該チューブ端部間に溶接を形成する工程であって、該溶接は、溶接特性を有する、工程;ならびに
該溶接特性を、溶接プロフィールと比較する工程、
を包含する、方法。
(項目25)
前記2つのチューブ端部の各々においてレーザービームを指向する工程の前に、前記方法が、該2つのチューブ端部が一緒に接続するために好ましいか否かを決定する工程をさらに包含する、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記2つのチューブ端部が一緒に接続するために好ましいか否かを決定する工程が、1つのチューブ端部が患者側のチューブであり、そして他方のチューブ端部がバッグ側のチューブであることを確認する工程をさらに包含する、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記2つのチューブ端部の各々において、レーザービームを指向し、そして各チューブ端部を加熱する工程が、該レーザービームを指向するための光学部品アセンブリを使用する工程を包含する、項目24に記載の方法。
(項目28)
可撓性材料の2つのチューブ端部を接続する方法であって、該方法は、以下の工程:
2つのチューブホルダを提供する工程であって、各チューブホルダが、該2つのチューブ端部のうちの一方を受容する、工程;
レーザービームを該2つのチューブ端部に指向して、該2つのチューブ端部を滅菌する工程;
該2つのチューブホルダを一緒に押し付ける工程であって、その結果、該2つのチューブ端部が互いに接触する、工程;および
該2つのチューブ端部の間に溶接を形成する工程、
を包含する、方法。
(項目29)
前記溶接が、溶接特性を有し、そして前記方法が、該溶接特性を溶接プロフィールと比較する工程、および該溶接特性が該溶接プロフィールと少なくとも等しいか否かを決定する工程をさらに包含する、項目28に記載の方法。
(項目30)
2つの可撓性チューブ端部の間の接続を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
レーザービームを有する、レーザーユニット;
該レーザービームが該チューブ端部に衝突するように、該レーザービームの方向を変化させ得る、レーザー光学アセンブリ;および
一対のチューブホルダであって、各々が、可撓性チューブ端部を受容するよう適合されており、そして該2つのチューブ端部が該レーザービームによって無菌的に加熱された後に、該2つのチューブ端部を一緒に押し付けて該加熱されたチューブ端部を一緒に接合させ、溶接を形成するよう適合されている、一対のチューブホルダ、
を備える、デバイス。
(項目31)
前記レーザー光学アセンブリが、前記2つのチューブ端部の間に移動可能に取り付けられたプリズムを備える、項目30に記載のデバイス。
(項目32)
前記レーザー光学アセンブリが、プリズムおよびコリメータを備え、該コリメータが、前記レーザーユニットと該プリズムの間にある、項目30に記載のデバイス。
(項目33)
前記レーザー光学アセンブリが、前記レーザーユニットに隣接した「Y」字型光学構成要素を備え、該「Y」字型光学構成要素が、前記レーザービームを分裂させ、そして該レーザービームを各チューブ端部の方へと指向するよう適合されている、項目30に記載のデバイス。
(項目34)
前記レーザー光学アセンブリが、ライトパイプ構成要素をさらに備える、項目33に記載のデバイス。
(項目35)
2つの熱可塑性チューブ端部を一緒に接続するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
2つのチューブホルダであって、各チューブホルダは、該2つのチューブ端部のうちの1つを受容するよう適合された開口部を有する、チューブホルダ;
該チューブホルダと間隔を空けた関係にある、レーザーユニットであって、該レーザーユニットは、レーザービームを該2つのチューブ端部に投影して、各端部を滅菌し得、そして該2つのチューブ端部を一緒に接続し得る、レーザーユニット;および
該2つのチューブ端部間の接続を分析するための、該チューブホルダの近くのセンサ、を備える、デバイス。
(項目36)
項目35に記載のデバイスであって、さらに、トラッキングシステムを備え、前記2つのチューブホルダに接続した該トラッキングシステムは、前記2つのチューブホルダを一緒に移動させて、該2つのチューブ端部の間に溶接を形成し得る、デバイス。
(項目37)
前記2つのチューブホルダにおいて、前記2つのチューブ端部の各々の位置を感知するための、縁部検出器をさらに備える、項目35に記載のデバイス。
(項目38)
接続プロセスの間に、前記2つのチューブ端部の少なくとも1つの近くの温度をモニタリングするための、少なくとも1つの熱センサをさらに備える、項目35に記載のデバイス。
(項目39)
前記レーザーユニットから前記チューブ端部へとレーザービームを指向するための光学アセンブリをさらに備える、項目35に記載のデバイス。
(項目40)
2つの可撓性チューブ端部の間に滅菌接続を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
背面および2つのスロットを有する、ハウジングであって、各スロットは、該可撓性チューブ端部の1つを受容するよう適合されている、ハウジング;
該ハウジング内で各スロットの近くに位置する、一対のガイドであって、該ガイドの各々は、該可撓性チューブ端部の1つを該ハウジングに指向する、ガイド;
該ハウジング内に位置する、レーザーユニット;
該ハウジング内に位置する、一対のチューブホルダであって、該一対のチューブホルダの各々は、該一対のガイドの1つから該チューブ端部を受容するよう適合されており、該チューブホルダは、加熱のために各チューブ端部が該レーザーユニットに面するように、該可撓性チューブ端部を操作し、該加熱されたチューブ端部を一緒にして溶接を形成し、そして得られた溶接チューブを連続的に解放する、チューブホルダ、
を備える、デバイス。
(項目41)
前記ガイドと連絡したセンサをさらに備え、認容可能なチューブ端部が前記スロットの各々に存在する場合に、該センサが、該ガイドを「オン」状態に誘発する、項目40に記載のデバイス。
(項目42)
2つの熱可塑性チューブの間の接続を提供するための方法であって、各チューブが、シールされた端部を有し、該方法は、以下の工程:
該2つの熱可塑性チューブを受容するよう適合された、ハウジングを提供する工程;
該ハウジング内に、レーザーユニットを提供する工程;
各熱可塑性チューブの該シールされた端部を、該ハウジング内に装填する工程;
各シールされた端部が該レーザーユニットに面するように、該ハウジング内で、該熱可塑性チューブを操作する工程;
該レーザーユニットにエネルギー付与することによって、該シールされた端部を滅菌し、そして開く工程:
該新たに開いた端部が互いに整列するように、該熱可塑性チューブを再度操作する工程;ならびに
該レーザーユニットによって、該2つのチューブ端部を一緒に溶接する工程、
を包含する、方法。
(項目43)
前記熱可塑性チューブの前記シールされた端部を前記ハウジングに装填する工程が、該熱可塑性チューブをクランプして該チューブの端部の近くでの流体の流れを防止する工程をさらに包含する、項目42に記載の方法。
(項目44)
各熱可塑性チューブの前記シールされた端部が前記レーザーユニットに面するように、前記熱可塑性チューブを前記ハウジング内で操作する工程が、以下:
前記熱可塑性チューブの各々をチューブホルダにおいて受容する工程;および
各チューブホルダを約90°回転させて、該レーザーユニットに対面させる工程、
をさらに包含する、項目42に記載の方法。
(項目45)
可撓性チューブを切断する方法であって、該方法は、以下の工程:
該可撓性チューブを、該チューブに沿った領域で圧縮する工程;
該圧縮された領域において、レーザービームを衝突させる工程;
該圧縮された領域をシールする工程;および
該可撓性チューブを2つのチューブに分離する工程であって、各チューブが、シールされた端部を有する、工程、
を包含する、方法。
(項目46)
前記チューブに沿った領域において前記可撓性チューブを圧縮する工程の前に、前記方法が、以下:
該可撓性チューブにおける溶接を同定する工程;および
該可撓性チューブに沿って、該溶接から予め決定された距離の領域を選択する工程、
をさらに包含する、項目45に記載の方法。
(項目47)
可撓性チューブの無菌切断を提供するための方法であって、該方法は、以下の工程:
該可撓性チューブを受容するために適合された内側セクションを有する、ハウジングを提供する工程;
該ハウジングの該内側セクションに、レーザーユニットを提供する工程;
該可撓性チューブに沿って、ある領域を選択する工程;
該可撓性チューブの該領域をクリンプする工程;
該レーザーユニットによって、該領域をシールする工程;および
該領域において、該チューブを2つのチューブセグメントに分離する工程であって、該チューブセグメントの各々が、シールされた端部を有する、工程、
を包含する、方法。
(項目48)
可撓性チューブの切断を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
オンおよびオフ状態を有する、レーザーユニット;
一対のガイドであって、各ガイドは、該可撓性チューブを受容し、そして該可撓性チューブを移動させるよう適合されている、ガイド;
該一対のガイドの間のクリンプデバイスであって、該クリンプデバイスは、該レーザーユニットがオフ状態である間に、最初は該可撓性チューブを圧縮し、該クリンプデバイスは、該レーザーがオン状態である場合に、該可撓性チューブをさらに挟み、そしてシールする、クリンプデバイス、
を備え、該ガイドは、互いから逆の方向に移動して、可撓性チューブの2つのシールされたセグメントを生じる、デバイス。
(項目49)
センサをさらに備える、項目48に記載のデバイスであって、該センサは、前記可撓性チューブに沿って既存の溶接を位置決めし、そして該既存の溶接に関して、該チューブに沿った領域を選択し、該領域が、切断の領域である、デバイス。
(項目50)
前記既存の溶接が、患者に液体を投与するための患者カテーテルを備え、そして前記センサが、前記患者側のチューブに沿って、前記溶接から予め決定された距離の領域を選択する、項目49に記載のデバイス。
(項目51)
可撓性チューブの切断を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
蓋を備えるハウジング;
ハンマー;
該ハウジング内で該ハンマーと整列した金床であって、該ハンマーおよび該金床が、該可撓性チューブを圧縮する、金床;
該ハウジング内に取り付けられたレーザーユニットであって、該レーザーユニットは、該可撓性チューブが圧縮された後にエネルギー付与され、そして該圧縮されたチューブにシールが形成された後に脱エネルギーされる、レーザーユニット;ならびに
分離器であって、該分離器は、該シールにおいて張力を生じさせ、そして該可撓性チューブを2つのチューブセグメントに分離し、各チューブセグメントが、シールされた端部を有する、分離器、
を備える、デバイス。
(項目52)
2つの可撓性チューブの端部を接続するため、および単一の可撓性チューブを切断するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
オンおよびオフ状態を有するレーザーユニットであって、該レーザーユニットは、該オン状態において、レーザービームを発生させる、レーザーユニット;
該レーザービームの方向を変化させ得る、レーザー光学アセンブリ;
一対のチューブホルダであって、各チューブホルダは、可撓性チューブ端部を受容するよう適合されており、該チューブ端部は、該レーザービームによって無菌加熱され、そして該チューブホルダは、引き続いて、該加熱されたチューブ端部を一緒に接合して、溶接を形成する、チューブホルダ;
一対のガイドであって、各ガイドは、単一の可撓性チューブを受容し、そして該可撓性チューブを移動させるよう適合されている、ガイド;
該一対のガイドの間のクリンプデバイスであって、該クリンプデバイスは、該レーザーユニットが該オフ状態である場合に、可撓性チューブを最初に圧縮し、該クリンプデバイスは、該レーザーがオン状態である場合に、該可撓性チューブをさらに挟み、そしてシールする、クリンプデバイス;ならびに
該ガイドは、互いから逆の方向に移動して、可撓性チューブの2つのシールされたセグメントを生じる、ガイド、
を備える、デバイス。
(項目53)
方法であって、以下の工程:
2つの可撓性チューブ端部を接続する工程であって、該2つのチューブ端部の各々においてレーザービームを衝突させて各チューブ端部を滅菌する工程、該滅菌されたチューブ端部を一緒にする工程、溶接を形成する工程であって、該溶接が、溶接特徴を有する、工程、および該溶接特性を溶接プロフィールと比較する工程をさらに包含する、工程;ならびに
可撓性チューブを切断する工程であって、該チューブに沿った領域において、該可撓性チューブを圧縮する工程、該圧縮された領域においてレーザービームを衝突させる工程、該圧縮された領域をシールする工程、および該可撓性チューブを2つのチューブセグメントに分離する工程であって、各チューブセグメントが、シールされた端部を有する、工程をさらに包含する、工程、
を包含する、方法。
(項目54)
患者の透析処置を提供する方法であって、該方法は、レーザーユニットによって、医療チュービングの第一のチューブ端部および第二のチューブ端部を一緒にシールする工程を包含する、方法。
(項目55)
患者から透析処置を切断する方法であって、該方法は、医療チュービングをクリンプし、そしてレーザーユニットによって、該医療チュービングを2つのチューブセグメントに分離する工程を包含する、方法。
(項目56)
2つの可撓性チューブ端部間の接続を提供するデバイスであって、該デバイスは、以下:
レーザービームを有するレーザーユニット;
一対のチューブホルダであって、各々が、可撓性チューブを受容するように適合されており、そして該2つのチューブ端部が該レーザービームによって加熱された後に、該2つのチューブ端部を一緒に押し付けて、該加熱されたチューブ端部を一緒に接合して溶接を形成するように適合されている、チューブホルダ;ならびに
該一対のチューブホルダの間に位置していないプリズムであって、該プリズムは、該レーザービームが該チューブ端部に衝突するように、該レーザービームの方向を変化させ得る、プリズム、
を備える、デバイス。
(項目57)
2つの可撓性チューブ端部を接続するため、および単一の可撓性チューブを切断するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
オンおよびオフ状態を有するレーザーユニットであって、該レーザーユニットは、該オン状態において、レーザービームを発生させる、レーザーユニット;
該レーザービームの方向を変化させ得る、レーザー光学アセンブリ;
該レーザー光学アセンブリの表面を覆うフィルムであって、該フィルムは、各接続および切断の後に前進し得る、フィルム;
一対のチューブホルダであって、各チューブホルダは、可撓性チューブ端部を受容するよう適合されており、該チューブ端部は、該レーザービームによって無菌加熱され、そして該チューブホルダは、引き続いて、該加熱されたチューブ端部を一緒に接合して溶接を形成する、チューブホルダ;
一対のガイドであって、各ガイドは、該単一の可撓性チューブを受容するように、そして該可撓性チューブを移動させるように適合されている、ガイド;
該一対のガイドの間のクリンプデバイスであって、該クリンプデバイスは、該レーザーユニットが該オフ状態にある場合に、可撓性チューブを最初に圧縮し、該クリンプデバイスは、該レーザーが該オン状態にある場合に、該可撓性チューブをさらに挟み、そしてシールする、クリンプデバイス;ならびに
ガイドであって、互いから逆の方向に移動して、2つのシールされた可撓性チューブのセグメントを生じる、ガイド、
を備える、デバイス。
(項目58)
レーザー溶接可能な物品を製造するためのポリマーブレンドであって、以下:
レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の、第一の成分であって、ポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択される、第一の成分;
レーザー応答性材料の第二の成分であって、水性媒体中での低い溶解度を有し、そして重量基準で約20ppm〜約2000ppmの量で存在する、第二の成分;ならびに
該ブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、ブレンド、
を含有する、ポリマーブレンド。
(項目59)
レーザー溶接可能なチュービングであって、以下:
ポリマーブレンドから作製された層を有する、側壁であって、該ポリマーブレンドは、第一の成分および第二の成分を含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、水性媒体中での低い溶解度を有する、重量基準で約20ppm〜約500ppmの量のレーザー応答性材料の成分であり;そして該層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に該側壁の一部を融解するに十分に熱応答性である、側壁、
を備える、チュービング。
(項目60)
フィルムであって、以下:
ポリマー成分およびレーザー応答性成分の第一のブレンドを含む、層であって、ここで、該ポリマー成分が、約99重量%〜約50重量%の第一の成分、および約50%〜約1%の第二の成分の第二のブレンドであり、該第一の成分が、(1)約0.915g/cc未満の密度を有する、エチレンとα−オレフィンとのコポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、および(4)イオン性ポリマーからなる群より選択され;そして該第二の成分が、(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー、からなる群より選択される、層;
を備え、ここで、該フィルムが、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、フィルム。
(項目61)
フィルムであって、以下:
ポリマー成分とレーザー応答性成分との第一のブレンドの層であって、ここで、該ポリマー成分が、約35重量%〜約45重量%の、約0.900g/cc未満の密度を有する第一のエチレンとα−オレフィンとのコポリマー、約20%〜約30%の、約0.900g/ccより高いが約0.910g/cc未満の密度を有する第二のエチレンとα−オレフィンとのコポリマー、および約30%〜約40%のポリプロピレンを含有する第二のブレンドである、層、
を備え、ここで、該フィルムが、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に融解するに十分に熱応答性である、フィルム。
(項目62)
フィルムであって、以下:
エチレンとα−オレフィンとのコポリマー、および官能基を有する色素のブレンドの層を備え、該官能基が、ポリメチン、ポルフィン、インダントレン、キノン、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン、ならびに金属錯化ジチオール色素からなる群より選択される、フィルム。
(項目63)
レーザー溶接可能な多管腔チュービングであって、以下:
第一の管腔および第二の管腔であって、各々が、ポリマーブレンドから作製された層を有し、該ポリマーブレンドが、第一の成分および第二の成分を含有し、該第一の成分は、レーザービームに対して熱的に応答性ではない材料の成分であり、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換されたアルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群より選択され;該第二の成分は、重量基準で約20ppm〜約2000ppmの量で存在する、水性媒体中での低い溶解度を有するレーザー応答性材料の成分であり;そして該層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームへの曝露に対して、短時間のレーザービームへの曝露の際に側壁の一部を融解するに十分に熱応答性である、管腔、
を備える、チュービング。
【0014】
本発明は、医用手順を実施する改良された医用デバイスおよび方法を提供する。一般に、本発明の方法およびデバイスは、連結プロセスおよび取り外しプロセスを含み、これらの各々はレーザー技術を使用する。連結プロセスにおいて、レーザーは、2つの可撓性チューブの間に溶接を形成する。取り外しプロセスにおいて、このレーザーは、チューブを密閉して、1つのチューブから2つの密閉末端チューブセグメントを形成する。
【0015】
このために、本発明の一実施形態において、可撓性材料の2つのチューブ端部の間の接続を提供するための方法が、提供される。この方法は、レーザービームを、2つのチューブ端部に方向付け、そして各チューブ端部を加熱する工程;この加熱されたチューブ端部を一緒にする工程;溶接特性を有する溶接を形成する工程;およびこの溶接特性を溶接プロフィールと比較する工程、を包含する。別の実施形態において、この方法は、この2つのチューブ端部が連結に許容可能であるか否かを決定する工程をさらに包含する。この末端が連結に許容可能であるか否かを決定する工程は、この1つのチューブ端部が患者の横側のチューブであり、そして他のチューブの末端がバッグの横側のチューブであることを確認する工程を包含する。別の実施形態において、各チューブ端部を加熱するために使用されるレーザーを方向付けるために、光学アセンブリが使用される。
【0016】
本発明はまた、可撓性材料の2つのチューブ端部を連結する方法を提供する。この方法は、2つのチューブホルダを提供する工程であって、各チューブホルダは、2つのチューブ端部の1つを収容する、工程;レーザービームをこれらの2つのチューブ端部に方向付けて、これら2つのチューブ端部を滅菌する工程;これらの2つのチューブ端部が互いに接触するように、この2つのチューブホルダを押し進める工程;およびこの2つのチューブ端部の間に溶接を形成する工程、を包含する。別の実施形態において、この方法は、溶接特性を溶接プロフィールと比較し、この溶接特性がこの溶接プロフィールと少なくとも等しいか否かを決定する工程をさらに包含する。
【0017】
本発明はさらに、2つのチューブ端部の間の連結を作製するためのデバイスを提供する。このデバイスは、レーザービームを備える。このデバイスは、レーザービームがチューブ端部にあたるようにレーザービームの方向を変え得るレーザー光学アセンブリをさらに備える。一対のチューブホルダがさらに設けられ、この各々は、可撓チューブ端部を収容するように適合され、そしてこの2つのチューブ端部がレーザービームによって無菌的に加熱された後に、この2つのチューブ端部を一緒に押し進めて、加熱チューブ端部を一緒に連結して溶接を形成するように適合される。別の実施形態において、レーザー光学アセンブリは、2つのチューブ端部の間に移動可能に取り付けられるプリズム、およびレーザーユニットとこのプリズムとの間に位置するコリメーターをさらに備える。「Y」型の光学要素が、レーザービームを分割してこのビームを各チューブ端部に方向付けるように適合されたレーザーユニットに隣接して取り付けられ得る。さらなる実施形態において、光パイプが、このレーザー光学アセンブリ中に設けられる。
【0018】
本発明のさらなる局面によると、2つの熱可塑性末端を一緒に連結するためのデバイスが、提供される。このデバイスは、2つのチューブホルダを備え、各チューブホルダは、2つのチューブ端部の1つを収容するように適合された開口部を有する。このデバイスは、チューブホルダに関して間隔のあいたレーザーユニットをさらに提供し、これは、各末端を滅菌し、そして2つのチューブ端部を一緒に連結するために、この2つのチューブ端部に向かってレーザービームを投射し得る。2つのチューブ端部の間の連結を分析するためのセンサが、チューブホルダの付近に設けられる。さらなる実施形態において、追跡システムが、この2つのチューブホルダに連結され、そして2つのチューブホルダを一緒に動かして、2つのチューブ端部の間に溶接を形成し得る。この追跡システムは、2つのチューブホルダ中の2つのチューブ端部の各々の部分を検出するためのエッジ検出器を備える。さらに別の実施形態において、連結プロセスの間に2つのチューブ端部の少なくとも1つの付近の温度をモニタリングするために、熱センサが設けられる。
【0019】
本発明のなおさらなる局面において、2つの可撓性チューブ端部の間の滅菌連結を形成するためのデバイスが、設けられる。このデバイスは、後部および2つのスロットを有するハウジングを備え、このスロットの各々は、可撓性チューブ端部の1つを収容するように適合されている。一対のガイドワイヤが、各スロットの付近のハウジング内の位置に設けられ、このガイドの各々は、可撓性チューブ端部の1つをこのハウジングに方向付ける。このデバイスはまた、このハウジング内に配置されたレーザーユニット、およびこのハウジング内に配置された一つのチューブホルダを備え、この一対のチューブホルダの各々は、一対のガイドの1つからのチューブ端部を収容するように適合されている。これらのチューブホルダは、可撓性チューブ端部を操作し得、その結果、各チューブ端部は、加熱のためのレーザーユニットに面する。チューブホルダは、加熱チューブ端部を一緒にして、溶接を形成し、次いで、得られた溶接チューブを解放する。別の実施形態において、このデバイスはまた、チューブ端部がスロットの各々の中に存在する場合、ガイドを「オン」状態になるようにするためのガイドと連絡したセンサを備える。
【0020】
本発明はまた、2つの熱可塑性チューブの間の連結を提供するための方法を提供し、各チューブは、密閉末端を有する。この方法は、2つの熱可塑性チューブを収容するように適合されたハウジングを提供する工程;このハウジング内にレーザーユニットを提供する工程;各熱可塑性チューブの密閉末端をこのハウジングにロードする工程;各密閉末端がレーザーユニットに面するように、このハウジング内でこの熱可塑性チューブを操作する工程;レーザーユニットを起動することによって、この密閉末端を滅菌しそして開く工程;この開いた末端が互いに整列するように、熱可塑性チューブを再び操作する工程;およびこのレーザーユニットによって、2つのチューブ端部を一緒に溶接する工程、を包含する。
【0021】
本発明は、可撓性チューブを取り外すための方法をさらに提供する。この方法は、可撓性チューブをチューブに沿った領域で圧縮する行程;この圧縮領域にレーザービームをあてる工程;この圧縮領域を密閉する工程;および可撓性チューブを2つのチューブに分ける工程であって、各チューブが密閉末端を有する、工程、を包含する。
【0022】
本発明のさらに別の局面によると、可撓性チューブの無菌的取り外しを提供するための方法が、提供される。この方法は、可撓性チューブを収容するように適合された内側部分を有するハウジングを提供する工程;このハウジングの内側部分にレーザーユニットを提供する工程;この可撓性チューブに沿った領域を選択する工程;この可撓性チューブの領域をクリンピングする工程;この領域をレーザーユニットによって密閉する工程;およびこの領域で、このチューブを2つのチューブセグメントに分ける工程であって、このチューブセグメントの各々は密閉末端を有する、工程、を包含する。
【0023】
本発明の別の局面において、可撓性チューブを取り外すためのデバイスが提供される。このデバイスは、オン状態およびオフ状態を有するレーザーユニット;一対のガイドであって、このガイドの各々は、可撓性チューブを収容し、そしてこの可撓性チューブを移動させるように適合されている、ガイド;この一対のガイドの間にあるクリンプデバイスであって、このクリンプデバイスは、最初に、レーザーユニットがオフ状態にある間に、可撓性チューブを圧縮し、このクリンプデバイスは、レーザーがオン状態にある場合に、この可撓性チューブをさらに突き刺しそして密閉する、クリンプデバイス;および互いに反対方向に移動して、この可撓性チューブの2つの密閉セグメントを生じる、ガイド、を備える。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態において、可撓性チューブを取り外すためのデバイスが、提供される。このデバイスは、蓋を有するハウジングを備える。ハンマーおよびこのハンマーと整列した金床は、このハウジング中にある。このハンマーおよび金床は、可撓性チューブを圧縮する。レーザーユニットは、このハウジング中に取り付けられ、このレーザーユニットは、可撓性チューブが圧縮された後に起動され、そして密閉が圧縮チューブ中に形成された後に、電力を絶たれる。この密閉において張力を生成するセパレータは、この可撓性チューブを2つのチューブセグメントに分割し、各々のチューブセグメントは、密閉末端を有する。
【0025】
なおさらなる実施形態において、2つの可撓性チューブ端部を一緒に連結し、1つの可撓性チューブを取り外すためのデバイスが、提供される。このデバイスは、オン状態およびオフ状態を有するレーザーユニットであって、オン状態でレーザービームを放射するレーザーユニット;このレーザービームの方向を変更し得るレーザー光学アセンブリ;一対のチューブホルダであって、各チューブホルダは、可撓性チューブ端部を収容するように適合され、このチューブ端部は、レーザービームによって無菌的に加熱され、そしてこのチューブホルダは、続いて、加熱されたチューブ端部を一緒にして、溶接を形成する、チューブホルダ;一対のガイドであって、各ガイドは、1つの可撓性チューブを収容し、そしてこの可撓性チューブを移動させるように適合されている、ガイド;この一対のガイドの間にあるクリンプデバイスであって、このクリンプデバイスは、最初に、このレーザーユニットがオフ状態にある間に、可撓性チューブを圧縮し、このクリンプデバイスは、このレーザーユニットがオン状態にある場合に、この可撓性チューブを突き刺しそして密閉する、クリンプデバイス;および互いに反対方向に移動して、この可撓性チューブの2つの密閉セグメントを生じる、ガイド、を備える。
【0026】
なおさらなる実施形態において、患者の透析処置を提供する方法が、提供される。この方法は、医用チューブの第1のチューブ端部および第2のチューブ端部を一緒に、レーザーユニットにより密閉する工程を包含する。
【0027】
本発明は、材料の第1成分およびレーザー反応性材料の第2の成分を有するレーザー溶接可能な物品を製造するためのポリマーブレンドをさらに提供し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択され、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有し、そして約20重量ppm〜約2000重量ppmの量で存在し;そしてこのブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間レーザービームに曝露された際に溶融するのに十分に熱的に反応性である。
【0028】
本発明は、材料の第1の成分を有するポリマーブレンド由来の層を有する側壁を有するレーザー溶接可能なチューブをさらに提供し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択される。このブレンドは、第2の成分を有し、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有するレーザー反応性材料の約20重量ppm〜約500重量ppmの量で存在し、そしてこの層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に側壁の一部を溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0029】
本発明は、第1のブレンドの層を有するフィルムをさらに提供する。このブレンドは、ポリマー成分およびレーザー反応性成分を有する。このポリマー成分は、約99重量%〜約50重量%の以下からなる群から選択される第1の成分の第2のブレンドである:(1)約0.915g/cc未満の密度を有するエチレンとαオレフィンとのコポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートコポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、および(4)イオン性ポリマー。このブレンドは、約50%〜約1%の第2の成分を有する。この第2の成分は、以下からなる群から選択される:(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー。このフィルムは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0030】
本発明はまた、ポリマー成分とレーザー反応性成分との第1のブレンドの層を有するフィルムをさらに提供する。このポリマー成分は、以下を含む第2のブレンドである:約35重量%〜約45重量%の第1のエチレンとαオレフィンとのコポリマー(約0.900g/cc未満の密度を有する);約20重量%〜約30重量%の第2のエチレンとαオレフィンとのコポリマー(約0.900g/ccより高いが約0.910g/cc未満の密度を有する);および約30重量%〜約40重量%のポリプロピレン。このフィルムは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0031】
本発明は、各々がポリマーブレンド由来の層を有する第1の管腔および第2の管腔を有するレーザー溶接可能な多重管腔チューブをさらに提供する。この層は、材料の第1の成分および第2の成分を有し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択され、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有するレーザー反応性材料の約20重量ppm〜約2,000重量ppmの量で存在し、そしてこの層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に側壁の一部を溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0032】
本発明はまた、材料の第1の成分およびレーザー反応性材料の第2の成分を有するレーザー溶接可能な物品を製造するためのポリマーブレンドを提供し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択され、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有し、そして約20重量ppm〜約2000重量ppmの量で存在し;そしてこのブレンドは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0033】
本発明は、材料の第1の成分を有するポリマーブレンド由来の層を有する側壁を有するレーザー溶接可能なチューブをさらに提供し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択される。このブレンドは、第2の成分を有し、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有するレーザー反応性材料の約20重量ppm〜約500重量ppmの量で存在し、そしてこの層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に側壁の一部を溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0034】
本発明は、第1のブレンドの層を有するフィルムをさらに提供する。このブレンドは、ポリマー成分およびレーザー反応性成分を有する。このポリマー成分は、約99重量%〜約50重量%の、以下からなる群から選択される第1の成分の第2のブレンドである:(1)約0.915g/cc未満の密度を有するエチレンとαオレフィンとのコポリマー、(2)エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、(3)エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、および(4)イオン性ポリマー。このブレンドは、約50%〜約1%の第2の成分を有する。この第2の成分は、以下からなる群から選択される:(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環状オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー。このフィルムは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0035】
本発明は、ポリマー成分とレーザー反応性成分との第1のブレンドの層を有するフィルムをさらに提供する。このポリマー成分は、以下を含む第2のブレンドである:約35重量%〜約45重量%の第1のエチレンとαオレフィンとのコポリマー(約0.900g/cc未満の密度を有する);約20重量%〜約30重量%の第2のエチレンとαオレフィンとのコポリマー(約0.900g/ccより高いが約0.910g/cc未満の密度を有する);および約30重量%〜約40重量%のポリプロピレン。このフィルムは、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【0036】
本発明は、各々がポリマーブレンド由来の層を有する第1の管腔および第2の管腔を有するレーザー溶接可能な多重管腔チューブをさらに提供する。この層は、材料の第1の成分および第2の成分を有し、この第1の成分は、レーザービームに対して熱的に反応性ではなく、そしてポリオレフィン、エチレンと低級アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレンと低級アルキル置換アルキルアクリレートとのコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミドおよびスチレンと炭化水素とのコポリマーからなる群から選択され、この第2の成分は、水性媒体に対して低い溶解度を有するレーザー反応性材料の約20重量ppm〜約2,000重量ppmの量で存在し、そしてこの層は、約700nm〜約1500nmの波長範囲内の波長を有するレーザービームに対する曝露に対して、短時間のレーザービームに曝露された際に側壁の一部を溶解するのに十分に熱的に反応性である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の実施形態のハウジングの斜視図である。
【図2A】図2A〜2Dは、本発明の原理に従う、接続および脱接続デバイスの斜視図である。
【図2B】図2A〜2Dは、本発明の原理に従う、接続および脱接続デバイスの斜視図である。
【図2C】図2A〜2Dは、本発明の原理に従う、接続および脱接続デバイスの斜視図である。
【図2D】図2A〜2Dは、本発明の原理に従う、接続および脱接続デバイスの斜視図である。
【図3】図3Aおよび3Bは、本発明の実施形態の別のチューブホルダの斜視図である。
【図4A】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4B】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4C】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4D】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4E】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4F】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4G】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図4H】図4A〜4Hは、図2A〜2Dのデバイス実施形態の概略平面図である。
【図5】図5A〜5Cは、本発明のシールされた端部チューブの実施形態の概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の原理に従う保護フィルムの概略平面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態の概略平面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態の光学アセンブリの斜視図である。
【図9】図9Aおよび9Bは、本発明の別の実施形態の概略平面図である。
【図10A】図10Aおよび10Bは、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10B】図10Aおよび10Bは、本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図11】図11aおよび11bは、それぞれ、非PVCのレーザー溶接可能単層チュービング、ならびに内部の層として単層チュービングおよび多管腔チュービングを有する多層チュービングの断面図である。
【図12】図12は、キャップされたチュービングアセンブリの断面図である。
【図13】図13は、カプラーの断面図である。
【図14】図14は、チュービングおよびカプラーアセンブリの断面図である。
【図15】図15は、非PVCのレーザー溶接可能チュービングに接続される医療用流体容器の平面図である。
【図16】図16は、輸送セットからチュービングにカプラーデバイスを介して接続された、レーザー溶接可能チュービングの断面図である。
【図17】図17は、二重管腔チュービングの断面図である。
【図18】図18は、互いに対して同軸に配置された個々の管腔を有する二重管腔チュービングの断面図である。
【図19】図19は、多管腔チュービングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(発明の詳細な説明)
本発明は、多くの異なる形態でなされ得るが、現在の好ましい実施形態は、本発明の開示に記載され、そして添付の図面に示される。本発明の開示は、本発明の原理を例示し、そして例示される実施形態にのみに本発明の広範な範囲を限定しない。
【0039】
一般に、本発明は、チュービングの無菌接続および脱接続に関する。このようなチュービングは、人体におよび人体から流体または血液を輸送するために有利に使用され得る。好ましい実施形態において、本発明は、シールされたチューブ端部を開口し、そして開口されたチューブ端部を一緒に接続する、デバイスに関する。さらに、このデバイスは、チューブを脱接続し、そしてこのチュービングを脱シールする。これらのプロセスの全ては、レーザーにより発生される熱を使用し、そして無菌または滅菌である、接続または脱接続を提供する。
【0040】
(デバイス)
図1は、本発明の実施形態に従うデバイス10を示す。このデバイス10は、前部14、背部16、およびそれらの間の2箇所の側部18、20を有するハウジング12を備える。このハウジング12はまた、底部22および蓋部またはドア部24を備える。4箇所の側部14、16、18、20および底部22は、内部領域Aを規定する。2箇所のスロットまたはオープニング30、32は、ハウジング12の2箇所の側部18、20の上端34、36に配置される。このドア部24は、このハウジング12の背部16に取り付けられる。ドア部24は、容易に開閉が可能となるような任意の数の方法で取り付けられ得る。このドア部は、このデバイスを操作する場合に、閉鎖されたドア部をロックするためのロック機構(示さず)を備える。ある実施形態において、このドア部24はまた、スロット30、32と整列する2つのスロット38、40を有し、以下に詳細に記載されるチュービング50を充填および脱充填するための領域(示さず)を作製する。
【0041】
図2A〜2Dは、本発明の実施形態に従って、デバイス10の内部を示す。ハウジング12の内部は、2箇所の通路52、54がある。ある実施形態において、この通路52、54は、じょうご状に広がっている。各通路は、ガイド56、58に導く。このガイド56、58は、チュービング50を受容し、そしてハウジング12内でチュービング50を前進させる。このガイドは、好ましくは、ピンチローラーであるが、種々の型のガイドまたはネジ切りデバイスが使用され得る。好ましい実施形態において、ガイド56、58は、ガイドがデバイス10に送り込まれるようにチュービング50を圧着する(図2A(参照番号58)を参照のこと)。この圧着は、ガイド56、58を過ぎて前進させるチューブ50の位置60からデバイスに向けて流体をパージする。
【0042】
図2A〜2Dはまた、ハウジング12内のガイド56、58と整列する一組のチューブホルダー70、72を示す。図3Aおよび3Bは、本発明の別のチューブホルダー70の拡大図である。図2A〜2Dならびに図3Aおよび3Bに示されるように、各チューブホルダー70、72は、それぞれ、第1の部分74、76および第2の部分78、80を有する。各第1の部分74、76および第2の部分78、80は、チュービング50の外側直径Bと対応する凹部または溝部82、84を有する。第1部分74、78は、ヒンジ85または類似の機構を介して、第2部分76、80に移動可能に装着される。チューブホルダー70、72が閉鎖位置にある場合、開口部90は、このホルダー70、72を通って延びるように形成される。この開口部90の直径Cは、チュービング50の外部直径Bよりもわずかに小さい。この方法において、チュービング50は、ガイド56、58を通って送り込まれ、そしてチューブホルダー70、72に受容される。ある実施例において、チューブホルダー70、72の内部表面は、テーパー付けされる(示さず)。この開口部90は、このデバイス10の中心部に向けてわずかにテーパー付けされ得る。この実施形態において、このデバイスの内部に面する開口部90の直径Cは、ガイド70、72に面する開口部の直径より小さい。閉鎖位置にある場合、チューブホルダー70、72は、チュービングを平らにするのではなく把持するための十分な力で閉鎖される。さらに、必要な場合、開口部90は、チュービング50を均一に圧縮し、そして円筒形状を維持するためにチュービングに力を加える。例えば、チュービング50が、チュービングの保存条件あるいは先立つ滅菌方法(例えば、蒸気滅菌またはETO滅菌)あに起因して、円筒形でない場合に、これは必要であり、チュービング50をコイル状、および完全に円形にし得る。
【0043】
ある実施形態において、チューブホルダー70、72は、バー100上に装着される。各チューブホルダーは、これに結合したガイドアーム102、104を有する。このガイドアーム102、104は、プレート106内のトラック105に向けてバー100の下方に延びる。図4A〜4Gと組み合わせて、以下に詳細に記載されるように、プレート106は、ハウジング12内の背部および前部を移動する。プレート106が背部16に移動する場合、このチューブホルダー70、72は、デバイス10の中心部に向けて互いに直線方向に移動する(図4Dおよび4Eを参照のこと)。このガイドアーム102、104が、例えば、リードスクリューもしくはレバー/カム/スロットメカニズムまたはこれらの任意の組み合わせであり得る。このガイドアーム102、104の補助により、チューブホルダー70、72は、ハウジング12内のチューブ50を引くかまたは押して、これにより、チュービング50を所望の位置に操作する(例えば、チュービングの2箇所のシールされた端部を滅菌および開口すること、および2箇所の端部を共に接続すること、または一本のチューブ端部を脱接続、滅菌およびシールすること)。
【0044】
以下に詳細に記載されるように、デバイス10はまた、ハンマー110およびアンビル112を備える。ハンマー110およびアンビル112は、チュービング50の脱接続プロセスの間に使用される。ハンマー110は、シャフト116を介してミラー114に移動可能に装着される。ある実施形態において、ハンマー110は、ハウジング内のシャフト116に沿って前方および後方に移動する。ハンマーが前方に移動する場合、ハンマーの前部111は、アンビル112の表面113と接触する。このハンマー110は、金属、セラミック、またはさらに硬質プラスチック材料から製造され得る。
【0045】
(レーザー光)
このデバイスはまた、レーザーユニット200を備える。好ましい実施形態において、レーザーユニット200は、単一のレーザーダイオードまたはダイオードのレーザーアレイであり得る、半導体ダイオードレーザーである。しかし、他の型のレーザーが、本発明において使用され得る。例えば、アルゴン、CO2、またはYAGレーザーが使用され得る。このレーザー特性(例えば、レーザーの波長)は、本出願において使用され得るチュービング50の対応する特徴を決定するために評価されるべきである。ある実施形態において、レーザーユニット200は、プロセスを接続または脱接続するために、制御されたレーザービームを所望の位置に向けるための光学アセンブリを有し得る。
【0046】
図2A〜2Dおよび図4A〜4Hは、本発明の実施形態に従う光学アセンブリ202を示す。この例において、光学アセンブリ202は、コリメーター204、および反射プリズム(reflective prism)206を備える。このレーザーユニット200の特徴に依存して、レーザービームは、ユニット200を離れるのと同程度速く発散し始め得る。このシナリオにおいて、コリメーター204は、レーザービームの発散を制限する。具体的に、コリメーター204は、レーザー200に面するほぼ平坦な背部表面207を有する。このコリメーター204はまた、わずかに凸状の前部表面208を有する。レーザーエネルギーがコリメーター204を通過する場合、このコリメーターは、レーザービームをプリズム206に再び焦点を合わせる。他の適用(例えば、CO2)は、ビーム拡張器を使用することによって拡大され得る小さなレーザービームを有し得る。このコリメーター204は、好ましくは、アクリル材料から作製され得るが、他の透明な材料または半透明な材料が使用され得る。
【0047】
プリズム206は、レーザービームを分割し、そして接続プロセスために所望の位置(例えば、チューブ端部51)にこの分割したビームを方向付ける。接続プロセスの間に最適なレーザー集中を得るために、このプリズム206の設計は、デバイス10内のプリズムの位置に直接関連する。好ましい実施形態において、プリズム206は、2つのチューブホルダー70と72との間にある。この例において、プリズム206は、互いに並列した2つの平凸レンズ210、212から構築される。
【0048】
以下にさらに記載されるが、プリズム206はまた、プリズム206の中心部222を交差するライトパイプ220を含み得る。このライトパイプ220は、接続プロセスおよび脱接続プロセスの両方の間に、レーザービームを方向付ける。さらに、このアンビル112は、プリズムレンズ206の背部224に沿って、特に、ライトパイプ220の端部230の付近である。
【0049】
(チュービング)
一般に、チュービング50の材料は、可撓性プラスチックである。このチュービングおよびそのアセンブリは、以下に詳細に議論される。好ましい実施形態において、この材料は、熱可塑性、クラトン(kraton)ポリプロピレンブレンドなどである。本発明の一つの好ましい実施形態において、熱を発生させるためのレーザーに応答する化学添加物が添加される。一つの特に適切な添加物は、色素から選択され得る。この色素は、レーザーのエネルギーの吸収を促進するためにレーザーダイオードの波長またはその付近のエネルギーを吸収し、これによりチュービングを加熱するために選択される。従って、選択されたレーザーの周波数(例えば、半導体ダイオードまたはYAGレーザー)は、このチュービングに添加される色素の特異的な特徴と一致するべきである。いくつかの適用(例えば、CO2レーザー適用)において、色素は必要とされ得ない。なぜならば、このチュービングの吸収波長は、レーザーによって発生される波長と同一の波長であるからである。
【0050】
さらに、第2の色素が、このチュービングの各々をカラーコーディングするために添加され得る。このようなカラーコーディングは、患者に接続されたチュービングと接続される新しいチュービングとの間に、機械により検出可能な識別および患者により検出可能な識別を作製する。例えば、患者に移植されるカテーテルチュービング、またはカテーテルに接続される移動セットは、一つのカラーで着色され得、そして流体のバッグに装着されるチュービングは、異なるカラーで着色され得る。このカラー識別は、視覚的に障害のある患者にとって特に有用である。他の識別方法が、本発明の精神から逸脱することなく利用され得る。
【0051】
(センサ)
多数のセンサ300、302、304、...は、ハウジング12内に配置される。この図面において同定されたセンサの位置は、単に一つの例であることが理解されるべきである。このセンサに関して他の許容可能な位置は、デバイス10内の構成要素のレイアウトに依存して達成され得る。このセンサは、接続プロセスにあろうと脱接続プロセスにあろうと、異なる段階のプロセスを検出および確認する。例えば、接続プロセスの間、センサ300は、じょうご状の経路52、54で物体を同定するために使用され得る。この物体(例えば、チュービング50)が受容可能である場合、センサ300は、ガイド56、58を起動する。この物体が受容可能でない場合、ガイドは起動されない。従って、これらのセンサが外部の物体(および、さらなるフィンガー)を締め出すのを助ける。このセンサ300は、例えば、吸収センサであり得る。吸収センサは、色素を有するチュービング50を同定する。このようにして、センサが外部の物体を締め出すだけでなく、不適切なチュービングが充填されようとした場合、その外部の物質が同定される。上記のように、患者のカテーテル(またはこのカテーテルに接続された移動セット)は、患者に投与されるように、流体または血液に接続されたチューブとは異なるカラーであり得る。このようにして、吸収センサは、患者側および使い捨て可能(バッグ側)のシールされた端部チューブが経路52、54に充填されることを確実にするためにチェックする。使用者が2本のバッグ側のチューブを不適切に充填しようとした場合、センサ300は使用者に警告し、そしてこの使用者は充填手順を再試行しなければならない。この適用に依存して、センサは、チュービングの特定の組み合わせが、装置に入るのを可能にするように設定し得る。従って、センサ300は、不適切な充填に対して保護するために安全対策を提供する。
【0052】
このデバイス10に使用され得る別のセンサは、エッジセンサ302である。このエッジセンサ302は、チューブ端部51が、チューブ端部51の充填の間にデバイスに向けてチューブホルダー70、72の下に延びる場合を同定する。具体的には、チューブ端部51が光ビーム経路を横切る場合、光検出器302からのシグナルが、比較器に送り込まれる。このセンサ302は、例えば、十分な長さのチューブがチューブホルダー70、72を越えて延びる場合、出力状態を所望の閾値レベルで実質的に交換する。このセンサ302は、例えば、Cartesian Ovoid LEDのような正確なエッジセンサおよび開口光検出器に装着されたダイであり得る。しかし、チューブ50のエッジを同定し得る他の検知デバイスが使用され得る。
【0053】
さらに、脱接続プロセスの間、単一のチューブがシールまたは分離のためにデバイス中に充填される。カラーセンサ300または304は、デバイス中の全てのチュービングが同一のカラーであるわけではないことを確実にするためにチェックする。全部のチューブ50が同一のカラーである場合、このデバイスは、溶接前に配置し得ない。センサ304は使用者に警告し、そして患者はチューブ30を再充填し、そして再試行しなければならない。このことは、センサ304がまた、チューブ中に存在する溶接部Wの位置に基づいてチューブ50を脱接続する場所を決定するので生じる。従って、異なるカラーの2種類のチューブがセンサ304に存在する場合、存在する溶接部Wはその間のどこかに存在する。
【0054】
センサが、チュービング50が適切に充填されたことを確認した後、同一または異なるセンサ304は、チューブ中に存在する溶接部Wの位置を決定する。これは、例えば、デジタルカメラを使用して達成され得る(例えば、溶接部中のフランジをサーチするメカニズム)。好ましい実施形態において、センサ304は、CMOS Image Detectorである。一旦、存在する溶接部Wが配置されると、センサは、チューブを圧着、シール、および分離するための位置を同定する。次いで、このセンサはこのガイドを起動し、そしてこのチューブを、カテーテル側で患者に向けて予め決められた距離で移動させる。例えば、この存在する溶接部は、位置Xに配置され得る。このセンサは、溶接部に配置され、そしてこのチューブを、カットの位置に関して患者側に向けてX+1/8インチ移動させる。このようにして、センサは、存在する溶接部Wを含むチューブの切片が処分されることを確実にする。これは、患者に移植されたカテーテルチューブに導く、移動セット中の残るチューブの統合性を維持する。さらに、このセンサは、十分な耐久性がないかもしれない存在する溶接部の頂部に、新しい溶接部を作製することから、安全対策を提供する。
【0055】
あるいは、このセンサ304は、上記のようなカラーコードスキームに基づくチュービング間のカラーの識別を検出し得る。従って、このセンサは、溶接部の周りの領域でカラーの変化を同定する。
【0056】
以下にさらに詳細に記載されるように、このデバイス10はまた、多数の温度センサまたは熱センサ(320)を備え、このデバイスの操作全体にわたる一貫性を維持する。これらのセンサ320は、赤外線センサ(例えば、サーモパイル赤外線センサ)であり得る。しかし、他のセンサ(例えば、熱カプラーまたはサーミスター)が利用され得る。このセンサ320が、例えば、接続プロセスおよび脱接続プロセスの間に使用される。このセンサは、チュービングが適切に加熱することを確実にし、そして「良好な溶接」または「不良の溶接」に達する熱のレベルを示すために較正され得る。例えば、チュービングが色素を含む適用において、熱が色素によって吸収され、次いでチュービングが溶解およびフローし始める。このようにして、センサは、チュービングがレーザーからエネルギーを吸収する場合、チュービングの赤外出力に対応する非接触温度センサである。
【0057】
従って、センサは、チュービング、パワーバリエーション、またはレーザー光学バリエーションの色素の濃度の効率に基づいた、システムの効率を保証するために使用され得る。
【0058】
(方法)
図2A〜2Dは、以下のような接続プロセスおよび脱接続プロセスを例示する。特に、図2Aおよび2Bは、2つのチューブ端部を共に接続する本発明のプロセスを示す。図2C〜2Dは、チュービングを脱接続する本発明のプロセスを示す。さらに、図4A〜4Hは、接続プロセスの例示的なスキームを示す。
【0059】
(2本のチューブ端部を接続する方法)
2本のチューブ端部を接続する方法は、ここに記載される。この接続プロセスの間、蓋部24が閉鎖される。図2Aおよび4Aに示されるように、使用者は、2本のチューブ50(各々は、シールされた端部51を有する)を充填領域開口部30、32、38、40を介してデバイス10に挿入する。しかし、シールされず、開口した少なくとも1本のチューブ端部51を使用することは、本発明の範囲内である。開口チューブ端部に関する適用において、端部キャップの数種のタイプを使用して、チューブの内部で必要な衛生レベルを維持し得る。端部キャップの一方の型は、チューブの端部を覆うシールされた「ドラムヘッド」であり得る。シールされた「ドラムヘッド」は、チューブの開口端部にわたって配置され、そしてチューブの全面の回りでシールされた一片のフィルムであり得る。別の例は、チューブの面にわたって通気シールを有する開口端部を備え得る。通気シールは、例えば、多孔性膜であり得る。この例において、端部キャップは、衛生目的のために通気された端部を覆うために加えられる。このチュービングおよびキャップアセンブリは、以下でより詳細に議論される。
【0060】
各チューブ端部51が、それぞれの通路52、54に入る場合、このセンサ300は、チュービングを同定し、そして一方のチューブ端部51が患者のチューブであり、そして他方のチューブ端部51がバッグチューブであることを確実にするためにチェックする。チューブがどの充填領域に充填されるかは問題ではないことに注意すべきである。有利に、このセンサ300は、各チュービングタイプの一方に充填されることを決定するために、互いに通路52、54にて連絡する。このチュービングが適切に充填される場合、ガイド56、58が起動される(図4B)。ガイド56、58は、チュービングを圧着または圧縮し、そして各チューブ端部51をデバイス10の方にチューブホルダー70、72に向けて進める。この圧着または圧縮は、チュービング内の減圧効果を生じ、そしてデバイス10に入るチュービングの位置60から流体をパージする。この正確な端部センサ302は、チューブ51がホルダー70、72の予め決められた長さを越えて延び、そしてガイド56、58で止まる場合を認識する。
【0061】
図4Cにおいて、反射プリズム206は、チューブホルダー70と72との間に存在する。各チューブ端部51は、それぞれのチューブホルダー70、72に充填され、レーザーユニット200が起動され、そしてレーザー供給源からエネルギーを分散する。コリメーター204は、プリズムレンズ206に向かう分散しているエネルギーを再び焦点を合わせる。エネルギー/光が反射プリズム206に当たると、2束のエネルギーへと反射する。この実施形態において、プリズムレンズ210、212は、チューブ端部51の周りのエネルギーに焦点を当てるために、約90°で各エネルギーの束を再配向する。さらに具体的に、エネルギーの「スポット」は、チューブ端部51に衝突し、そして好ましくは、このチューブが適切な放射エネルギーで覆われるのを確実にするためにチューブ50の直径Bをわずかに越える。
【0062】
ハウジング12内に配置される熱センサ320は、シールされた端部51付近の温度を検出する。このような熱センサ320は、例えば、熱電対赤外線センサであり得る。レーザービームが、シールされたチューブ端部51に衝突し、加熱プロセス、溶融プロセス、および無菌プロセス(および/または滅菌プロセス)が開始する。この適用に依存して、センサを使用して、溶融および溶接のための所望の温度レベルを検出し得る。例えば、いくつかの適用が、発生される無菌状態を必要とする。代表的に、無菌条件、高レベルの消毒条件、または殺菌条件は、熱耐性胞子の6未満の対数減少(log reduction)を含む。他の適用は、発生される滅菌状態を必要とし得る。滅菌状態は、一般に、熱耐性胞子の6以上の対数減少の操作モードを含む。
【0063】
チューブ端部51のチュービングの温度が上昇する場合、このチューブ端部51は、溶融、フロー、および再開口し始める。このチュービングの物質は、特定のレベルの「記憶」を有し、チューブのシールされた端部が再開口する場合、このチューブは、対称的な円形に戻るために予め処理される。図5Aおよび5Bは、シールされたチューブ端部51に衝突するレーザービームの例を例示する。このレーザービームがチューブ端部に衝突する場合、チューブ端部における温度の上昇は、シールされた端部を、剥がして開口させ、そして炎上させる。一旦、熱センサ320が、必要とされる無菌温度レベルまたは滅菌温度レベルが得られことを確認すると、チューブ端部51の十分な溶融がこのレーザー200の遮断を生じる。
【0064】
図4D〜4Fは、接続プロセスの次の工程を示す。このレーザー200の遮断後、プレート106は、ハウジング12の背部16に移動する。プレート106が移動すると、コリメーター204が、トラック107に沿って側部18に移動する。同時に、プリズム206は、レーザーユニット200に向けて移動し、そしてチューブホルダー70、72は、トラック105を介して一緒になる。この時点において、ここで溶融され、そして無菌的に加熱または滅菌されたチューブ端部51が互いに接触する。溶接シール部Wが、形成される。代表的に、この溶接シール部は、図5Cに示されるように管状の形態である。このチューブホルダー70、72は、溶接部Wが十分に冷却されるまで、この位置のままである。別の実施形態において、レーザーユニット200は、さらにエネルギーが与えられる(図4F)。図4Fに示されるように、レーザービームは、チューブ端部に向けてライトパイプ220の下に方向付けられる。この実施例において、溶接シール部Wが形成され、そしてレーザーユニット200が遮断される。ある実施形態において、溶接シール部Wは、密閉シールである。
【0065】
少なくとも一つの「ドラムヘッド」を使用する適用において、この型の端部は、シールされた端部チューブの開口部に関する上記のものと類似する様式でレーザーに応答する。「ドラムヘッド」端部の一つの実施例は、以下の通りである。「ドラムヘッド」のフィルムは、チュービングの材料よりも高濃度の色素を有し得る。従って、このフィルムは、チュービングの材料よりも迅速に加熱する。このフィルムは、チューブの周辺に向かって外側に溶融およびフローし、そしてチューブと合わさる。このフィルム材料は、種々のポリマー材料から作製される(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、スチレンと炭化水素とのコポリマー(特に、スチレンとジエンとのブロックコポリマー)およびそれらの水素付加した誘導体、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、エチレンとメタクリル酸とのコポリマー、およびそれらのエステル誘導体)。このフィルムは、これらの材料のブレンドから作製され、そして単層または多層構造であり得る。例えば、ポリプロピレン、ポリプロピレン−Kratonブレンド、ポリプロピレン−ポリエチレンブレンド、または他の適合性材料。
【0066】
他の実施形態としては、定常状態にある1つのチューブホルダーおよび装置内で移動する1つのチューブホルダーが挙げられる。
【0067】
(溶接検査プロセス)
図4Gおよび4Hは、溶接検査プロセスを示す。冷却の際に、チューブホルダー70、72の第1の部分74、78が開口し、そしてガイド56、58は、プロセス後の検査のために、溶接検査センサ304に溶接部Wを移動する。この検査プロセスにより、例えば、溶接部の厚さおよび溶接部の高さを分析する。このデータを、受容可能または「良好な」溶接に関するプロフィールデータと比較する。好ましい実施形態において、センサ304は、CMOS画像センサである。しかし、他の類似の画像センサが使用され得る。プロセス後の検査が、この溶接部が「良好な」溶接であることを示す場合、蓋部24がロック解除され、そしてガイド56、58が開口する。使用者は、蓋部24を自由に開口し、そして接続されたチュービングを除去する。
【0068】
一方、検査後のプロセスが「不良の」溶接を示す場合、このデバイスは、自動的に、チュービングの患者側を挟んでシールする。この自動狭窄シールプロセスは、チュービングに汚染物が入る可能性を減少させる。この状況の間に、使用者は、「不良の」溶接に気付く。次いで、使用者は、別のバッグ側のチューブを得、そして再び接続プロセスを開始する。この独特な検査プロセスは、患者が「良好な」溶接のみを使用するのを確実にするための安全な特徴を提供する。これは、特に、接続プロセス後に溶接部を視覚的に検査するのに困難性を有し得る、視覚に障害のある患者にとって有用である。
【0069】
(チューブを切断する方法)
図2Cおよび2Dは、一般的に、チューブ50を切断しそしてシールするための本発明方法を図示する。使用者が透析溶液バッグ、排出バッグ、血液バッグなどから切断することを望む場合、その使用者は、デバイス10の蓋24を開く。蓋24が開く場合、ガイド56、58は、開位置に自動的に移動する(図2C、参照番号56)。使用者は、チューブホルダ70、72の第2部分78、80の溝にチューブ50を配置する。この方法において、チューブ50は、漏斗状経路52、54に沿って延在する。この適用において、チューブホルダ70、72の第1部分74、78が閉じる必要はない。使用者は、蓋24を閉じ、従って、ガイド56、58を閉じ、これは、次いで、チュービング50を圧着させる。
【0070】
前から存在する溶接Wをチューブホルダ70、72の間でほぼ中心にするように、チューブ50を配置することが好ましい。接続プロセスと同様に、センサー300は、チュービング50を同定し、そして患者側の側面チューブが通路52、54のうちの1つにあり、そしてバッグ側のチューブが他の通路52、54にあることを確認する。従って、センサー300は、前から存在する溶接がそれらの間のどこか(例えば、デバイス内)に存在することを確認する。
【0071】
センサー300がチュービングを受け入れた後、同じまたは異なるセンサー300または304がチューブ内に前から存在する溶接Wの位置を決定する。これは、例えば、デジタルカメラまたは類似のデバイスを用いて達成され得る。センサーは、溶接W内のフランジを探す。あるいは、センサー304は、上記のような色コード化スキームに基づいてチュービング間の色の違いを検出し得る。従って、センサー304は、溶接の周りの領域での色の変化を同定し得、これは、溶接Wが、2つの異なる色の間に存在することを示す。
【0072】
一旦、前から存在する溶接Wが位置決めされると、センサー304は、チューブ50の切断のための位置を同定する。ガイド56、58が起動され、そしてチューブ50が、所定の距離、カテーテル側面上で患者に向かって移動する。例えば、既存の溶接が位置Xに位置決めされ得る。センサー304は、溶接を位置決めし、そしてチューブの圧着および分離の位置へと患者側からチューブX+1/8インチ離れて移動する。このように、切断のための位置は、既存の溶接から最小の距離である。従って、患者カテーテル(または移動セット)のチューブ材料の無駄は、最小化される。あるいは、患者寸法補助線(extension line)が、移動セットとディスポーザブルとの間(またはバッグ側)で使用され得る。寸法補助線の使用は、移動セットの寿命を延ばす。なぜなら、移動セットは、頻繁に置き換える必要がないからである。代わりに、患者寸法補助線は、移動セットから古い寸法補助線を切断し、そして本明細書中に記載される方法によって移動セットに新しい拡張部を接続することによって容易に置き換えられる。さらに、センサー304は、既存の溶接を含むチューブの部分が捨てられることを保証する。これは、残りのカテーテルチューブの完全性を改善する。さらに、センサー304は、安全手段を提供する。なぜなら、既存の溶接の頂部の溶接の作製は、十分に耐久性ではないかもしれないからである。
【0073】
切断プロセスの開始時に、レーザーユニット200が切られる。図2Dに示されるように、ハンマー110は、(シャフト116によって)チューブ50と接触するように移動する。ハンマー110がチューブ50と接触する前に加熱されないことに注意するべきである。ハンマー110がチューブ50と接触する場合、チューブの内面が接触するように、このチューブを圧縮する。この点で、ハンマー110は、切断される領域からチューブ50に存在する液体を押す。
【0074】
レーザーユニット200は、引き続いて起動される。ライトパイプ220は、レーザーエネルギーの大部分をチュービング50へと下向きに方向付ける。チュービング50は、金床112とハンマー110との間に挟まれ続ける。この例において、ライトパイプ220は、金床112の一部である。加熱チュービングが挟まれると、シールし始める。熱センサー320は、挟まれたチュービング近くの温度をモニターする。レーザーユニット200は、止まる。1つの実施形態において、センサー320は、フロント111の近くでハンマー110の上に載せられる。一般的に、センサーは、レーザーが適切に作動していることを証明する。ピンチハンマー110は、チューブが冷却する間、チュービングと接したままである。チューブの冷却後、ハンマー110は、その元の位置に戻るように動く。次いで、ガイド56、58が起動され、そして所定の距離逆に移動する。この所定の距離は、可撓性チューブ50のサイズおよび材料に依存する。ガイド56、58が戻ると、チュービング50は、引き離され、2つのシールされた端部を生じる。従って、ガイド56、58およびハンマー110の組み合わせは、チュービングを2つのシールされた端部チューブに分離するためのセパレーターとして作用する。デバイス10は、使用者に、蓋24がロック解除され、そして開く準備ができていることを知らせる。2つの新たにシールされたチュービングの端部は、引き続いて、デバイス10から取り外される。他の適用は、持続期間の間、オンのままであるか、またはハンマーがチュービングを挟むために移動する間、オンおよびオフをパルスするレーザーを含み得る。
【0075】
(保護フィルム)
図6は、本発明の実施形態に従う保護フィルム400を示す。保護フィルム400は、平凸レンズ210、212、金床112、およびライトパイプ220をカバーする。保護フィルム400は、薄い透明な材料(好ましくは、Mylar(登録商標)またはポリエチレン材料)である。フィルム400は、例えば、各切断適用の後に進むロール402上に提供される。フィルム400が進む場合、これは別のロール404に保存される。ロール402が使用された後、ロール402および404の両方が容易に捨てられ得る。レーザーエネルギーは、フィルム上に任意の加熱効果を有さない。フィルム400は、レーザービームの性質を変更しない。このように、フィルム400は、光学アセンブリ202を保護し、そしてこの光学アセンブリの洗浄を除く。使い捨て可能なレンズを進めるシステムを提供することによって、この目的を達成し得ることが理解される。例えば、光学アセンブリが金床112としてライトパイプ220を含む場合、光学アセンブリは、それぞれの使用後に回転するカートリッジ上の多くの使い捨て可能レンズであり得る。従って、使用される光学アセンブリは、捨てられ、そして新たな光学アセンブリがそれぞれの適用において使用される。
【0076】
(さらなる実施形態)
図7は、本発明の別の実施形態を図示し、プリズム206およびライトパイプ220はチューブホルダ70、72の間にないが、ハウジング12のフロント14の近くに位置する。単純化のために、図6は、コリメーター204とプリズム206との間に金床112を示す。しかし、接続プロセスの間、金床112は、一般的に、使用されない。その代わり、金床112は、ハウジング12内の一つの側18または20に対してオフである。切断プロセスの間、金床112は、レーザー200の前で移動する。従って、金床112は、コリメーター204に関して上記されるシステムと類似の追跡システムに載せられ得る。
【0077】
接続プロセスの間、プリズムレンズ206は、レーザービームを拡散し、そして図4A〜4Hにおいて上記される領域よりもわずかに大きな領域にわたってエネルギーを広げる。この例において、レンズ210、212は、平坦反射表面210a、212aとともに示される。しかし、レンズ210、212は、レーザの型およびビームの向きを変えそして集中させる必要性に依存して、凹面または他のある構成であり得る。また、プリズム206は、シールされたチューブ端部51の表面でエネルギーを広げるように、粗い端部のレンズ210、212であり得る。さらに、別のレンズ(ここで示す)は、表面とチュービングの間で、表面210a、212aに位置づけられて、レーザービームをさらに集中させ得る。図2Aおよび2Bの実施形態に関して上記のように、チューブ端部は、チューブ端部が十分に加熱され、そして溶接が形成された後、一緒にされる。しかし、図6の実施形態は、あまり複雑ではない。なぜなら、チューブ端部を一緒にする前に、チューブ端部間からプリズム206を移動する必要がないからである。
【0078】
切断プロセスの間、金床112は、レーザー200の前面で移動する。ハンマー110は、金床112の方向で、2つのレンズ210、212間の通路250を通って移動する。ハンマー110は、金床112に対してチュービング50を圧縮する。これに関して、切断プロセスの残りの工程は、上記と実質的に同じである。
【0079】
図8は、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態において、レーザー光学アセンブリは、光ファイバーアセンブリ410を組み込む。光ファイバーアセンブリは、電磁エネルギーをチューブに伝達するための大きな円筒形ロッドまたは複数の光ファイバーを備え、そして必要な加熱およびエネルギーの分布を提供する。この実施形態において、光ファイバーアセンブリ410は、第1および第2の側面414、416ならびに前端部および後端部420、422を備える固定レンズ412を備える。レセスまたはアクセススロット430は、前端部420からアセンブリ410に延びる。レセス430は、アセンブリ410内の壁431で終わる。壁431は、切断プロセスの間、金床として作用する。光ファイバーアセンブリ410は、分割線411を有し、ここで、このチューブが切断プロセスのために装填される間、このアセンブリが、開き得る。チューブ50が装填された後、レセス430は、ハンマー110を受け取り、そしてハンマーは、チューブ50を壁431で圧縮する。レーザーユニット200は、エネルギー供給され、そしてレーザービームは、上記ライトパイプ220と類似の様式で固定レンズ412を下に向ける。このように、圧着および分離プロセスが開始する。
【0080】
さらに、光ファイバー部材432、434は、レンズ412の各側面414、416から垂直に延びる。切断プロセスの間、レーザーユニット200は、エネルギー供給され、そしてレーザービームは、光ファイバー部材432、434へと、固定レンズ412の下に向けられる。光ファイバー部材432、434は、チューブ端部50においてレーザーエネルギーを発する。上記の図2Aおよび2Bに記載される実施形態と同様に、アセンブリ410は、チューブホルダ70、72の間から出て、チューブホルダが、溶接を形成するようにチューブ端部を一緒にする。必要な場合、レーザーユニット200は、再びエネルギー供給され得、そしてレーザービームが、固定レンズ412を、チューブ端部が接合されて溶接を形成する領域へと下に向ける。
【0081】
図9Aおよび9Bは、本発明の別の実施形態を示す。図9Aにおいて、光学アセンブリ450は、レーザーユニット200とともに使用される。光学アセンブリ450は、レーザーユニットと平面X(チュービング50を横切る)との間で、レーザーユニット200に隣接する。光学アセンブリ450は、ほぼ「Y」形状の光学スプリッター452を備え、ここで、「Y」のベース454は、レーザーユニット200の出力近くにある。「Y」形状光学スプリッターは、レーザーユニット200から平面Xに向かって延在する。「Y」形状オプティクスは、固体光ファイバーまたは個々のファイバーであり得る。
【0082】
光学アセンブリ450は、装置の接続および切断操作の間、固定されたままである。2つのチューブ端部51の接続の間、レーザービームは、各チューブ端部へと「Y」を下に分かれる。チューブ端部は、溶接のために実質的に一緒にされる。切断プロセスの間、レーザービームは、このアセンブリの中心光学成分またはライトパイプ456で下に向けられる。上に記載される適用と同様に、金床110は、ライトパイプ456に向かって動き、チュービングを圧縮しそして挟む。2つの別々の成分として、光学アセンブリ450を有することもまた本発明の範囲内である。この例において、「Y」形状光学スプリッター452およびライトパイプ456は、別の成分(図示せず)である。各成分452、456は、この装置によって実行されるプロセスに依存して、レーザーユニットの前面で必要とされる成分を移動する移動プレートに載せられる。
【0083】
図10Aおよび10Bは、本発明の別の実施形態を示す。この例において、レーザーユニット200は、光学アセンブリなしで使用される。チューブホルダ70、72は、追跡システム500に載せられる。接続プロセスの間、追跡システム500は、チューブホルダ70、72を、レーザーユニット200に向かって所定の経路に沿って移動させる(図8B)。このように、チューブホルダ70、72は、チューブ50操作し、その結果、チューブ端部51は、好ましくは、互いに平行であり、そしてレーザーユニット200と面する。従って、チューブホルダ70、72は、これらがチューブ端部を受け入れるときから、チューブ端部51がレーザーユニット200に面する地点まで、約90°回転する。しかし、チューブホルダは、70〜110°の範囲で回転し得、そして同じ結果を達成し得る。
【0084】
レーザーユニット200は、オンになり、チューブ端部を融解し、そして滅菌する。上で考察されるように、チューブ端部51は、シールされるチューブ端部としてデバイス10に入る。このように、チューブ端部51は、レーザーエネルギーがこの領域を融解するとき、再び開き始める。一旦、センサーがチューブ端部の十分な加熱が生じたことを決定すると、レーザーユニット200がオフされる。このとき、チューブホルダ70、72は、それらの最初の位置(ガイド56、58の近く)を再追跡し、次いで、互いに向かって前に移動する。2つのチューブ端部51は、互いに接触し、そして溶接シールが形成される。
【0085】
(非PVC、レーザー溶接可能チュービング)
図11aおよび11bは、単層チュービング600および複数層チュービング600をそれぞれ示し、これらは、本発明での使用に適切である。図11cは、2つ以上の流体通路を有し得る複数の管腔チュービングを示す。図11aおよび11bの単一管腔チュービングと同様に、図17〜19の複数管腔チュービングは、単層構造または複数層構造であり得、従って、以下の記載が単一管腔チュービングまたは複数管腔チュービングに適用されることが理解されるべきである。
【0086】
単層チュービング600は、ポリマー材料から、より好ましくは、非PVC含有ポリマーから、最も好ましくは、レーザービームへの暴露時に加熱し得る(「レーザー応答性))非PVC含有ポリマーから作製される側壁602を有する。複数層チュービング600は、第1層または溶液接触層604および第2層606を有する。層604または606のうちの少なくとも1つは、レーザー応答性である非PVC含有ポリマーから構成される。本発明の好ましい形態において、他の層604または606はまた、非PVC含有ポリマーであり、より好ましくは、レーザービームへの暴露時に加熱する非PVC含有ポリマーである。しかし、レーザー応答性でないかまたは溶液中に浸出し得るかもしくは溶液と反応し得る任意の成分を含まない溶液接触層604を有することがまた望ましくあり得る。もちろん、2つより多くの層を有するチュービングが本発明の範囲から逸脱することなく使用され得ることが企図される。チュービング側壁は、それを通る流体経路608を規定する。
【0087】
適切な非PVC含有ポリマーとしては、ポリオレフィン、エチレン、および低級アルキルアクリレートコポリマー、エチレンおよび低級アルキル置換アルキルアクリレートコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、ならびにスチレンおよび炭化水素コポリマーが挙げられる。
【0088】
適切なポリオレフィンとしては、2〜20個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素を含むα−オレフィンを重合することによって得られるホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。従って、適切なポリオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、およびデセン−1のポリマーおよびコポリマーが挙げられる。最も好ましくは、このポリオレフィンは、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、あるいはポリエチレンのホモポリマーまたはコポリマーである。
【0089】
ポリプロピレンの適切なホモポリマーは、アモルファス、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック、ヘミアイソタクチックまたはステレオブロックの立体化学を有し得る。本発明のより好ましい形態では、ポリプロピレンは、約20ジュール/グラム〜約220ジュール/グラム、より好ましくは約60ジュール/グラム〜約160ジュール/グラム、最も好ましくは約80ジュール/グラム〜約130ジュール/グラムの低い融解熱を有する。本発明の好ましい形態において、ポリプロピレンホモポリマーが、約165℃未満、より好ましくは約130℃〜約160℃、より好ましくは約140℃〜約150℃の融点を有することがまた望ましい。本発明の1つの好ましい形態において、ポリプロピレンのホモポリマーは、単一部位触媒を使用して得られる。
【0090】
プロピレンの適切なコポリマーは、2〜20個の炭素を有するα−オレフィンを用いてプロピレンモノマーを重合することによって得られる。本発明のより好ましい形態において、プロピレンは、約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは2重量%〜約5重量%のコポリマーの量で、エチレンと共重合される。プロピレンおよびエチレンコポリマーは、ランダムまたはブロックコポリマーであり得る。プロピレンコポリマーは、約40ジュール/グラム〜約140ジュール/グラム、より好ましくは約60ジュール/グラム〜約90ジュール/グラムの低い融解熱を有するべきである。本発明の好ましい形態において、プロピレンコポリマーは、単一部位触媒を使用して得られる。
【0091】
ポリプロピレンおよびα−オレフィンコポリマーのブレンドを使用することがまた可能であり、ここで、このプロピレンコポリマーは、α−オレフィン中の炭素の数だけ変化し得る。例えば、本発明は、プロピレンおよびα−オレフィンコポリマーのブレンドを企図し、ここで、1つのコポリマーは、2炭素α−オレフィンを有し、そして別のコポリマーは、4炭素α−オレフィンを有する。2〜20個の炭素、より好ましくは2〜8個の炭素のα−オレフィンの任意の組み合わせを使用することがまた可能である。従って、本発明は、ポリプロピレンおよびα−オレフィンコポリマーのブレンドを企図し、ここで、第1および第2のα−オレフィンは、以下の炭素数の組み合わせを有する:2および6、2および8、4および6、4および8。ブレンド内に2つより多いポリプロピレンおよびα−オレフィンコポリマーを使用することもまた企図される。適切なポリマーは、カタロイ(Catalloy)手順を使用して得られ得る。
【0092】
高い融解強度のポリプロピレンを使用することがまた望ましくあり得る。高融解強度のポリプロピレンは、10g/10分〜800g/10分、より好ましくは30g/10分〜200g/10分の範囲内、またはこれらの範囲の任意の範囲もしくは組み合わせのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーであり得る。高融解強度のポリプロピレンは、自由末端長鎖分岐のポリプロピレン単位を有することが公知である。高融解強度特徴を示すポリプロピレンを調製する方法は、米国特許第4,916,198号;同第5,047,485号;および同第5,605,936号(これらは、本明細書中において参考として援用され、その一部をなす)に記載されている。1つのこのような方法は、直鎖プロピレンポリマーを、活性酸素濃度が約15体積%である環境中で、1〜104メガラド/分の線量の高エネルギーイオン化エネルギー照射を用いて、直鎖プロピレンポリマーの実質的な量の鎖の切断が生じるには十分であるが、材料がゲル化するには不十分な時間、照射する工程を包含する。この照射は、鎖切断を生じる。鎖フラグメントの引き続く組み換えは、新しい鎖の形成を生じ、鎖フラグメントを鎖に結合して分岐を形成する。これは、さらに、所望の自由末端長鎖分岐、高分子量、非線形、プロピレンポリマー材料を生じる。有意な量の長鎖分岐が形成されるまで、照射は維持される。次いで、この材料は、照射された材料に存在する実質的に全ての全ての遊離ラジカルを不活性化するために処理される。
【0093】
高融解強度ポリプロピレンはまた、特定の有機ペルオキシド(ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボネート)が特定の条件下でポリプロピレンと反応され、続いて、溶融混合(melt−kneading)される場合、米国特許第5,416,169号(これは、その全体が本明細書中において参考として援用され、その1部をなす)に記載されるように得られ得る。このようなポリプロピレンは、直鎖、結晶ポリプロピレン(実質的に1の分岐係数(branching coefficient)を有する)であり、従って、自由末端長鎖分岐を有さず、そして約2.5dl/g〜10dl/gの固有粘度を有する。
【0094】
エチレンの適切なホモポリマーとしては、0.915g/ccより高い密度を有するホモポリマーが挙げられ、そして低密度ポリエチレン(LDPE)、中程度密度ポリエチレン(MDPE)および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。
【0095】
エチレンの適切なコポリマーは、エチレンモノマーを3〜20個の炭素、より好ましくは3〜10個の炭素、最も好ましくは、4〜8個の炭素を有するα−オレフィンと重合することによって得られる。エチレンのコポリマーが、ASTM D−792で測定して、約0.915g/cc未満、より好ましくは約0.910g/cc、さらにより好ましくは約0.900g/cc未満の密度を有することがまた望ましい。このようなポリマーは、しばしば、VLDPE(超低密度ポリエチレン)またはULDPE(極超低密度(ultra low density)ポリエチレン)と呼ばれる。好ましくは、エチレンα−オレフィンコポリマーは、単一部位触媒、さらにより好ましくは、メタロセン触媒系を使用して作製される。単一部位触媒は、触媒部位の混合物を有することが公知のZiegler−Natta型触媒とは反対に、単一の、立体的および電気的に等価な触媒位置を有すると考えられる。このような単一部位触媒化エチレンα−オレフィンは、商品名AFFINITYでDowによって、商品名ENGAGE(登録商標)でDuPont Dowによって、そして商品名EXACTでExxonによって販売される。これらのコポリマーは、時々、m−ULDPEとして本明細書中で呼ばれる。
【0096】
エチレンの適切なコポリマーとしてはまた、エチレンおよび低級アルキルアクリレートコポリマー、エチレンおよび低級アルキル置換アルキルアクリレートコポリマーならびにエチレンビニルアセテートコポリマー(コポリマーの約8重量%〜約40重量%の酢酸ビニル含有量を有する)が挙げられる。用語「低級アルキルアクリレート」とは、図式1:
【0097】
【化1】
に記載される式を有するコモノマーをいう。
【0098】
R基は、1〜17個の炭素を有するアルキルを示す。従って、用語「低級アルキルアクリレート」としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0099】
用語「アルキル置換アルキルアクリレート」とは、図式2:
【0100】
【化2】
に記載される式を有するコモノマーをいう。
【0101】
R1およびR2は、1〜17個の炭素を有するアルキルであり、そして同じ炭素数を有し得るかまたは異なる炭素数を有し得る。従って、用語「アルキル置換アルキルアクリレート」としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルエタクリレート、エチルエタクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルエタクリレートなどが挙げられるが、これらの限定されない。
【0102】
適切なポリブタジエンとしては、1,3−ブタジエンの1,2−および1,4−付加生成物(これらは、集合的に、ポリブタジエンと呼ばれる)が挙げられる。本発明のより好ましい形態において、ポリマーは、1,3−ブタジエンの1,2−付加生成物(これらは、1,2−ポリブタジエンと呼ばれる)である。本発明のなおさらに好ましい形態において、目的のポリマーは、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンであり、そしてさらにより好ましくは、低結晶性シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンである。本発明の好ましい形態において、低結晶性シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、50%未満、より好ましくは、約45%未満、さらにより好ましくは、約40%未満の結晶化度を有し、さらにより好ましくはこの結晶化度は、約13%〜約40%、最も好ましくは約15%〜約30%である。本発明の好ましい形態において、低結晶性シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、ASTM D 3418に従って測定して、約70℃〜約120℃の融点を有する。適切な樹脂としては、JSR(Japan Synthetic Rubber)によって、等級を指定して(JSR RB810、JSR RB820、およびJSR RB 830)販売されるものが挙げられる。
【0103】
適切なポリエステルとしては、ジ−またはポリカルボン酸とジ−またはポリヒドロキシアルコールもしくはアルキレンオキシドとの重縮合生成物が挙げられる。本発明の好ましい形態において、ポリエステルは、ポリエステルエーテルである。適切なポリエステルエーテルは、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびポリテトラメチレングリコールエーテルを反応させることから得られ、一般的に、PCCEと呼ばれる。適切なPCCEは、Eastmanによって、商品名ECDELで販売される。適切なポリエステルとしては、さらに、ポリブチレンテレフタレートの堅い結晶性セグメントおよび柔らかい(アモルファス)ポリエーテルグリコールの第2セグメントのブロックコポリマーであるポリエステルエラストマーが挙げられる。このようなポリエステルエラストマーは、Du Pont Chemical Companyによって、商品名HYTREL(登録商標)で販売される。
【0104】
適切なポリアミドとしては、4〜12個の炭素を有するラクタムの開環反応から生じるポリアミドが挙げられる。従って、ポリアミドのこの群としては、ナイロン6、ナイロン10およびナイロン12が挙げられる。受容可能なポリアミドとしてはまた、2〜13の範囲内の炭素数を有するジアミンの縮合反応から生じる脂肪族ポリアミド、2〜13の範囲内の炭素数を有するジ−酸の縮合反応から生じる脂肪族ポリアミド、ダイマー脂肪酸の縮合反応から生じる脂肪族ポリアミド、およびアミド含有コポリマーが挙げられる。従って、適切な脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ナイロン66、ナイロン6,10およびダイマー脂肪酸ポリアミドが挙げられる。
【0105】
スチレンおよび炭化水素コポリマーのスチレンとしては、スチレンおよび種々の置換スチレン(アルキル置換スチレンおよびハロゲン置換スチレンが挙げられる)が挙げられる。アルキル基は、1〜約6個の炭素原子を含み得る。置換スチレンの具体的例としては、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、2−クロロ−4−メチルスチレンなどが挙げられる。スチレンは、最も好ましい。
【0106】
スチレンおよび炭化水素コポリマーの炭化水素部分は、共役ジエンを含む。使用され得る共役ジエンは、4〜約10個の炭素原子、より一般的には、4〜6個の炭素原子を含む共役ジエンであり得る。例としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエンの混合物(例えば、ブタジエンおよびイソプレンの混合物)もまた使用され得る。好ましい共役ジエンは、イソプレンおよび1,3−ブタジエンである。
【0107】
スチレンおよび炭化水素コポリマーは、ブロックコポリマーであり得、これには、ジ−ブロック、トリ−ブロック、マルチ−ブロック、およびスターブロックが挙げられる。時ブロックコポリマーの具体例としては、スチレンブタジエン、スチレンイソプレン、およびそれらの水素化誘導体が挙げられる。トリブロックポリマーの例としては、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレン、およびα−メチルスチレン−イソプレン−α−メチルスチレンならびにそれらの水素化誘導体が挙げられる。
【0108】
上記ブロックコポリマーの選択的水素化は、Raneyニッケル、プラチナ、パラジウムなどのような新規の金属、および可溶性遷移金属触媒のような触媒の存在下での水素化を含む種々の周知のプロセスにより実行され得る。用いられ得る適切な水素化プロセスは、ジエン含有ポリマーまたはジエン含有コポリマーを、シクロヘキサンのような不活性炭化水素希釈剤中に溶解し、そして可溶性水素化触媒の存在下での水素との反応により水素化するプロセスである。このような手順は、米国特許第3,113,986号および同第4,226,952号(これらの開示は本明細書中で参考として援用され、本明細書の一部をなす)に開示される。
【0109】
特に有用な水素化ブロックコポリマーは、スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロックポリマーのような、スチレン−イソプレン−スチレンの水素化ブロックコポリマーである。ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマーが水素化される場合、得られた生成物は、エチレンおよび1−ブテン(EB)の規則的なコポリマーブロックに似ている。上記のように、用いられる共役ジエンが、イソプレンである場合、得られる水素化生成物は、エチレンおよびプロピレン(EP)の規則的なコポリマーブロックに似ている。市販の選択的水素化の1つの例は、KRATON G−1652である。このKRATON G−1652は、30%スチレン末端ブロックを含む水素化SBSトリブロックであり、中間ブロック等価物は、エチレンおよび1−ブテン(EB)のコポリマーである。この水素化ブロックコポリマーは、頻繁に、SEBSといわれる。他の適切なSEBSまたはSISコポリマーは、商品名SEPTON(登録商標)およびHYBRAR(登録商標)のもと、Kurrarryにより販売されている。
【0110】
α,β−不飽和モノカルボン酸試薬またはα,β−不飽和ジカルボン酸試薬を、上記の選択的に水素化したブロックコポリマーにグラフトさせることによる、グラフト修飾スチレンおよび炭化水素ブロックコポリマーを使用することもまた望ましくあり得る。
【0111】
共役ジエンおよびビニル芳香族化合物のブロックコポリマーは、α,β−不飽和モノカルボン酸試薬またはα,β−不飽和ジカルボン酸試薬とグラフトされる。カルボン酸試薬は、それ自体カルボン酸、および選択的に水素化されたブロックコポリマーにグラフトされ得る、無水物、イミド、金属塩、エステルなどのような、これらの機能的誘導体を含む。グラフトされたポリマーは、通常、ブロックコポリマーおよびカルボン酸試薬の総重量に基づいて、約0.1〜約20重量%、および、好ましくは、約0.1〜約10重量%のグラフトされたカルボン酸を含む。有用なモノカルボン酸の特定の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、無水アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウム、およびアクリル酸マグネシウムなどが挙げられる。ジカルボン酸およびその有用な誘導体の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、モノメチルマレイン酸、マレイン酸一ナトリウムなどが挙げられる。
【0112】
スチレンおよび炭化水素ブロックコポリマーは、製品名KRATON G2705の商品名の下、Shell Chemical Companyにより販売されている、油修飾SEBSのような油で修飾され得る。
【0113】
本発明の1つの好ましい形態では、チュービングは、複数の成分のポリマーブレンドからなる。本発明は、上記で示すポリマーのいずれか2つ以上をブレンドすることを意図する。本発明の好ましい形態では、ポリマーブレンドとしては、スチレンおよび炭化水素コポリマーをブレンドしたポリオレフィンが挙げられる。本発明の好ましい形態では、このポリオレフィンは、ポリマーを含むプロピレンであり、そして高融解強度ポリプロピレンを含む上記のプロピレンのホモポリマーおよびコポリマーから選択され得る。種々の型のポリプロピレンのブレンドを有するスチレンおよび炭化水素コポリマーを含む3つ以上の成分を有することもまた望ましくあり得る。このポリプロピレンは、単独または合計のいずれかで、スチレンおよび炭化水素ブロックコポリマーであるブレンドの平衡を保って、ブレンドの約10重量%〜約50重量%、より好ましくは、約15重量%〜約45重量%、および最も好ましくは、約20重量%〜約40重量%の量で存在し得る。
【0114】
油修飾SEBSを用いる場合、決定的ではないが、ブレンド成分として高融解強度ポリプロピレンを用いることが望ましくあり得る。ブレンドを含む適切なポリプロピレンおよびSEBSとしては、以下が挙げられる:(1)商品名CAWITON(特に、グレードPR3670EおよびPR4977)の下、Wittenburgにより販売されているPPおよびSEBSの事前配合(precompounded)ブレンド;(2)90〜98重量%のKRATON G2705、および2〜10%のBasell PROFAX 611高融解強度ポリプロピレン;(3)75%のKRATON G2705、ならびに23%の、プロピレンおよびエチレンのBasell PROFAX SA 861ランダムコポリマー、ならびに高強融解強度PPである2%Basell PROFAX
PF−611を有するプロピレン;ならびに(4)グレード70585 Eの下J−Vonにより販売されているPP/SEBSの事前配合ブレンド。
【0115】
本発明の別の好ましい形態では、チュービングは、単一のm−ULDPE樹脂またはm−ULDPE樹脂のブレンドから作製される。1つの特に適切なm−ULDPE樹脂は、商品名ENGAGE(登録商標)(さらに、詳細には、ENGAGE(登録商標)8003(密度0.885g/cc))の下、DuPont−Dowにより販売されている。1つよりも多いm−ULDPE樹脂をブレンドすることもまた意図される。このような樹脂ならびにこの樹脂から作製されるチュービングおよびフィルムは、米国特許第6,372,848号(これはその全体が本明細書中で参考として援用され、そして本明細書の一部をなす)により完全に示される。
【0116】
上記のポリブタジエンまたはポリブタジエン樹脂のブレンドからチュービングを作製することもまた意図される。
【0117】
適切な非PVC含有ポリマーおよびポリマーブレンドは、代表的に、レーザー応答性ではないので、ポリマーまたはポリマーブレンドに、レーザー応答性成分を組み込まなければならない。適切なレーザー応答性成分としては、色素、着色料、および/または顔料が挙げられる。本発明のさらに好ましい形態では、レーザー応答性材料は、色素、より好ましくは、近赤外スペクトル、より好ましくは、約700nm〜約1500nmの波長の範囲内の、ある波長または狭い範囲の波長のレーザービームに応答性である官能基を有する有機色素である。例示的な官能基としては、ポリメチン、ポルフィリン、インダンスレン、キノン、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン、ならびに金属錯体化ジチオ色素が挙げられる。本発明の好ましい形態では、この色素は、色素が応答する周波数帯域の光を提供するレーザービームに曝露される場合、約50(吸光度/g)よりも高い吸光性を有する。本発明の好ましい形態では、この色素は、約780nm〜約810nmのピーク波長のレーザービームに応答性であり、そして非PVCポリマーおよびポリマーブレンドの融解を可能にする短い時間にわたり十分な熱を生成する。短い時間の意味は、15秒未満である。
【0118】
色素は、溶液接触層の一部を形成する場合に、有意な量または有害な量の溶液に容易に浸出しないように、好ましくは、水、生理食塩水溶液、ブドウ糖溶液、脂質含有溶液、およびタンパク質含有溶液を含む水性媒質にわずかに可溶性かまたは不溶性である。この色素はまた、好ましくは、ポリマーまたはポリマーブレンドの押出しプロセスの間に達する温度で、熱的に安定である。適切な色素は、商品名EPOLIGHT 4121および4149の下、Epolin Inc.により販売されている。約50よりも高い吸収を有するレーザー応答性材料を使用する場合、このような色素材料の少量のみが必要とされ、そして、代表的に、約20ppm〜約500ppm、より好ましくは、約100ppm〜約400ppm、および最も好ましくは、約200ppm〜約300ppmの量で、チューブブレンドに添加される。50未満の吸光性を有するレーザー応答性材料を用いることが意図されるが、より高い濃度のレーザー応答性材料を使用しなければならない。レーザーに応答性ではないが、上記のカラーコード目的のために用いられる他の色素を使用することもまた意図される。
【0119】
本発明の別の好ましい形態では、レーザー応答性材料は、レーザー応答性材料をブレンドに組込む代わりに結合される材料の表面に塗布される。この目的のために、レーザー応答性材料は、適切なキャリアまたは溶媒中に溶解または懸濁され、そして、この形態で、結合される表面の選択された部分に特異的に塗布され得る。レーザー応答性材料は、結合される表面をレーザー応答性材料に浸漬することにより塗布され得るか、またはレーザー応答性材料は、ブラシがけ、スプレー、または塗装などをされ得る。
【0120】
本発明のチュービングは、任意の公知のポリマー処理技術により製造され得るが、本発明の好ましい形態では、押出し成形、共有押出し成形、または射出成形により形成され得る。このようなチュービングは、柔らかく、可撓性であり、ねじれ耐性があり、良好な触感(触覚)を有し、そして蒸気滅菌、照射によってか、またはエチレンオキシド(EtO)曝露により滅菌され得る。
【0121】
(非PVC、レーザー溶接可能末端キャップフィルム)
図12は、チュービング600およびこのチュービングに密閉された末端キャップ610を示す。末端キャップフィルム610は、チュービング600と接着的に適合可能であるチュービング接触表面611を有する、単層または多層ポリマーフィルムである。この末端キャップフィルムは、押出し成形、共有押出し成形、押出しラミネーション、ラミネーション、射出成形などを含む任意の適切なポリマー処理技術により形成され得る。末端キャップフィルム610は、本発明の好ましい形態では、チュービングの末端表面に対して、30psiの破裂強度に耐える十分な強度で取付けられる。破裂強度は、チュービングフローパス613を介して圧縮空気を適用して、チュービングまたは末端キャップが破裂または漏出するまでチュービングを圧縮することにより測定される。末端キャップ610は、チュービングの末端の寸法を超える寸法であり得、そして過剰な材料は、チュービングの末端の周りに巻きつけられ、ここで、この材料は、チュービングの側壁602に取り付けられて、上で言及したドラム実施形態を形成する。チュービングの末端の寸法に適合するように、キャップ610を図12に示されるような寸法にし、そして有意な量の過剰な材料なしに、チュービングの末端部分にのみ取り付けることもまた可能である。
【0122】
末端キャップ610は、上記のm−ULDPE樹脂のような単一のポリマーから作製され得る。このように、m−ULDPEから作製された末端キャップは、特に、ブレンドを含有するm−ULDPEチュービングを用いる使用に十分に適している。末端キャップ610はまた、少なくとも第1の成分および第2の成分を有するポリマーブレンドから作製される得る。この第1の成分は、以下から選択される:(1)約0.915g/cc未満の密度を有するエチレンおよびα−オレフィンコポリマー、(2)エチレンおよび低級アルキルアクリル酸コポリマー、(3)エチレンおよび低級アルキル置換アルキルアクリル酸コポリマー、および(4)イオン性コポリマー(一般に、イオノマーといわれる)。本明細書中で用いられる用語「イオノマー」は、亜鉛またはナトリウムのような一価または二価のカチオンと会合した、ペンダントカルボキシレート基を有するアクリル酸コポリマーの金属塩をいう。第1の成分は、ブレンドの約99重量%〜約50重量%、より好ましくは、約85重量%〜50重量%、および最も好ましくは、約70%〜50%の量で存在する。
【0123】
第2の成分は、以下からなる群より選択される:(1)プロピレン含有ポリマー、(2)ブテン含有ポリマー、(3)ポリメチルペンテン含有ポリマー、(4)環式オレフィン含有ポリマー、および(5)架橋多環式炭化水素含有ポリマー。この第2の成分は、ブレンドの約50重量%〜約重量1%、より好ましくは、約50重量%〜15重量%、および、最も好ましくは、約30重量%〜50重量%の量で存在する。末端キャップについてのこれらのポリマーブレンドは、特に、ポリオレフィンおよびスチレンのブレンドおよび炭化水素コポリマーから作製したチュービングを用いる使用に十分に適している。
【0124】
環式オレフィンの適切なホモポリマーおよびコポリマー、ならびに架橋多環式炭化水素およびこれらのブレンドは、米国特許第4,874,808号;同第5,003,019号;同第5,008,356号;同第5,288,560号;同第5,218,049号;同第5,854,349号;同第5,863,986号;同第5,795,945号;および同第5,792,824号(これらは、本明細書中でその全体が参考として援用され、そして本明細書の一部をなす)において見出され得る。
【0125】
本発明の好ましい形態では、適切な環式オレフィンモノマーは、環の中に5〜約10の炭素を有する単環式化合物である。この環式オレフィンは、置換もしくは非置換のシクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロオクテン、およびシクロオクタジエンからなる群より選択され得る。
【0126】
本発明の好ましい形態では、適切な架橋された多環式炭化水素モノマーは、2つ以上の環を有し、そして、より好ましくは、少なくとも7つの炭素を含む。この環は、置換されても、置換されなくてもよい。適切な置換基としては、低級アルキル、アリール、アラルキル、ビニル、アリルオキシ、(meth)アリルオキシなどが挙げられる。この架橋された多環式炭化水素は、上記で援用される特許に開示されるものからなる群より選択される。適切な架橋された多環式炭化水素含有ポリマーは、商品名TOPASの下、Ticonaにより、商品名ZEONEXおよびZEONORの下、Nippon Zeonにより、商品名CZ樹脂の下、Daikyo Gomu Seikoにより、そして商品名APELの下、Mitsui Petrochemical Companyにより販売されている。
【0127】
本発明の好ましい形態では、末端キャップは、約35重量%〜約45重量%のエチレンおよびα−オレフィンコポリマー(約0.900g/cc未満の密度を有する)、約20重量%〜約30重量%のエチレンおよびα−オレフィンコポリマー(約0.900g/ccより高いが約0.910g/cc未満の密度を有する)、および約30重量%〜約40重量%のポリプロピレンのブレンド、ならびに、好ましくは、約3重量%のエチレンコモノマーを有するプロピレンのランダムコポリマーに由来する単層である。この末端キャップは、約3mil〜約10milの厚さを有するべきである。
【0128】
これらの末端キャップ材料は、レーザー応答性ではないので、レーザー応答性色素の1つは、末端キャップについての単一のポリマーまたはポリマーブレンドへと取り込まれなければならない。末端キャップ材料について、色素は、約200ppm〜約2000ppm、より好ましくは、約400ppm〜約1800ppm、および、最も好ましくは、約500ppm〜約1000ppmの量で取り込まれなければならない。
【0129】
(カプラー)
図13は、向かい合ったチュービング取り付け部分622、チュービング止め624、およびこれらを通る流体経路626を有するカプラー620を示す。図14に示されるように、このカプラーは、たとえ、第1のチュービングおよび第2のチュービングが、互いに不適合性である場合でも、第1のチュービングを第2のチュービングに接続するために用いられ得る。図14に示されるアセンブリは、以下でより詳細に議論される。チュービング取り付け部分622は、遠位端へのチュービングの取り付けを容易にするために、この遠位端にテーパ状部分を有する。カプラー620の表面は、チュービングの取り付けを容易にするために、テクスチャード加工され得るか、またはマット仕上げを有し得る。チュービング取り付け部分622は、相対的に同じ長さを有することが示されるが、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる長さを有し得る。チュービング取り付け部分622は、チュービングとチュービング取り付け部分622との間の締りばめを熱集中または増強するために、リッジまたは他の隆起を有し得ることもまた意図される。
【0130】
チュービング取り付け部分622は、互いに対して、および流体経路626に対して同軸上に取付けられることが示される。カプラーは、チュービング部分622が互いについて同軸上に配置されない、多数の形態を有し得ることが意図される。1つのチュービング取り付け部分は、第1の軸を有し得、そして他のチュービング取り付け部分は、この第1の軸を横切る第2の軸を有することが意図される。横切るの意味は、1つの軸が、たとえ第1の軸が第2の軸と交差しなくとも、第2の軸を横切る方向に伸びていることである。このカプラーは、2つよりも多いチュービング取り付け部分、1つよりも多いチュービング止め、および1つよりも多い流体経路を有し得ることもまた意図される。チュービングが、カプラーに取り付けられる場合、引張り試験により試験された時に15 lbfを超える結合強度を有することが望ましい。アセンブリーは、15 lbf未満の引張り力で破損するかまたはカプラーから外れる場合、引張り試験に失敗する。
【0131】
カプラーは、チュービングについて上に示した材料から選択される非PVCポリマー材料からなり、そして、好ましくは、ポリマーブレンドからなる。本発明の1つの好ましい形態では、チュービングは、約40%〜約60%のEVA、および約60%〜約40%のポリエステル、ポリエステルエストラマー、またはポリウレタンの第二の成分の2つの成分を有する。EVAは、好ましくは、これらに結合した修飾子基を有し、そして以下からなる群より選択される:芳香族炭化水素、カーボンジオキシド、モノエチレン不飽和炭化水素、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルアミド、ビニルケトン、ビニルハライド、エポキシド、カルボン酸、およびこれらの無水物誘導体(縮合環カルボン酸無水物を含む)。最も好ましくは、修飾子基は、マレイン酸または無水マレイン酸である。
【0132】
本発明の別の好ましい形態では、ポリマーブレンドは、3つの成分を有する。第1の成分は、約25重量%〜約35重量%の量の、ポリオレフィン、より好ましくは、プロピレンを含むポリマー(例えば、商品名FORTILENE、詳細には、FORTILENEグレードKS 490の下Solvayにより販売されているもの)である。第2の成分は、ブレンドの約35重量%〜約45重量%の量の、ポリエステル、より好ましくは、ポリエステルエラストマー(例えば、商品名HYTREL(登録商標)の下DuPontにより販売されているもの)である。この第2の成分はまた、ポリウレタンであり得る。第3の成分は、約8%VA〜約40%ビニルアセテートの含有量のビニルアセテートを有する、エチレンビニルアセテートコポリマー、より好ましくは、カルボン酸修飾EVAまたは無水カルボン酸修飾EVAである。このEVAは、ブレンドの約25重量%〜約35重量%の量で存在する。本発明は、さらに、目的のプロピレン第1成分を酸で修飾、または無水カルボン酸で修飾することを、EVAに対するこのような修飾の代わりに、またはこのような修飾に加えて、意図する。カプラー620は、射出成形のようなポリマー処理技術により作製され得る。
【0133】
適切なポリウレタンとしては、芳香族型ポリウレタンおよび脂肪族型ポリウレタンの両方が挙げられる。適切なポリウレタンは、ジイソシアネートを鎖エキステンダーと反応させることにより形成される。ジイソシアネートとしては、以下が挙げられる:ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキシレンジイソシアネート(HDI)、およびイソホロンジイソシアネート(IPDI)。鎖エキステンダーとしては、ジオール型、ジアミン型、ポリエステルを含むポリオールおよびポリエチレンを含むポリオールが挙げられる。ジオール型としては、以下が挙げられる:1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、および1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシベンゼン。ジアミン型としては、脂肪族型および芳香族型が挙げられる。脂肪族型としては、エチレンジアミンが挙げられる。芳香族型としては、以下が挙げられる:トルイレンジアミンおよびジアミノジフェニルメタン。
【0134】
(レーザー溶接可能なチュービングアセンブリおよび治療用流体送達セット)
図14は、互いに接続され、そしてカプラー620により流体連絡して配置される、第1のレーザー溶接可能なチュービング600、および第2のチュービング630を有するチュービングアセンブリ628を示す。この第2のチュービング630は、チュービング600の材料と不適合性の材料から作製される。不適合性の意味は、材料が、導電性または誘導性の熱シーリング技術を利用する固定様式で、互いに直接連結され得ないことである。このアセンブリ628は、特に、レーザー溶接溶接可能な上記の非PVCチュービング600と、流体送達セットまたは腹膜透析セットからのPVCチュービング630を接合するのに十分に適している。レーザー溶接チュービング600は、上で議論したレーザー溶接デバイス10を用いる患者の運搬セットに接続され得る。
【0135】
第1のチュービングおよび第2のチュービング(600、630)は、チュービングの末端部分が、チュービング止め624と接触するまで、チュービング取り付け部分622の上のチュービングの流体経路608をスライドさせることにより、カプラーに接続され得る。次いで、チュービング600および630は、環型のダイを用いるのような熱シーリング、高周波熱シーリング、溶媒結合、接着剤結合によってか、または蒸気滅菌プロセス(すなわち、121℃で1時間)の間にオートクレーブ中でチュービングおよびカプラーを加熱すること、または他の適切な技術によりカプラーに固定して取り付けられる。熱シーリングの場合、マンドレルが、カプラーおよびチュービングアセンブリの形態を維持するために用いられ得る。
【0136】
図15は、レーザー溶接可能なチュービング600と流体連絡した、透析液溶液を保存するための治療用流体容器、腹膜透析セットのドレインバック、I.V.容器、血液容器、血液成分容器、血液交換容器などのような流体容器640を示す。
【0137】
図16は、腹膜透析輸送セットからチュービング650に接続されたレーザー溶接可能なチュービング600を示す。このチュービングの接続部は、上で詳細に記載されているデバイス10を用いて作製される。
【0138】
図17は、第1の流体通路および第2の流体通路(662および664)、ならびに互いに結合された第1の管腔および第2の管腔(666および668)を有する、レーザー溶接可能なデュアル管腔チュービング660を示す。2つよりも多い(例えば、3、4、または5以上)管腔が、本発明の範囲を逸脱することなしに互いに結合され得ることが意図される。第1の管腔および第2の管腔は、周辺の縁に沿って接続され、そしてチュービングの長さに沿って互いに対して平行に伸長し得るか、または第1の管腔および第2の管腔は、互いに対してらせん状、さもなければ網目状に配置される。
【0139】
図18は、それぞれ、第1の流体通路および第2の流体通路(676および678)を有する、第1の管腔および第2の管腔(672および674)を有する、レーザー溶接可能なデュアル管腔チュービング670の別の実施形態を示す。この第1の管腔および第2の管腔(672および674)は、互いに対して、同軸上に配置される。2つよりも多い管腔が、本発明を逸脱することなく、同軸上に取り付けられ得ることが意図される。
【0140】
図19は、各々が流体通路686を有する、第1の管腔682および4つの第2の管腔684を有する、レーザー溶接可能な複数の管腔チュービング680のさらに別の実施形態を示す。用語「複数」は、デュアル管腔チュービングが複数の管腔チュービングであるような2つ以上を含むことを意味する。第2の管腔684の間の領域688は、流体通路であり得るか、または第2の管腔を所定の位置に保持するためのパッキング材料ような材料であり得る。4つの第2の管腔が示されるが、2つ以上の第2の管腔が本発明から逸脱することなく提供され得ることが意図される。また、第2の管腔684は互いに間隔を離して示されるが、これらの第2の管腔の1つ以上は、互いに結合され得る。第2の管腔684は、互いに平行な方向に伸長し得るか、互いに対してらせん状、さもなければ互いに網目状に配置され得る。
【実施例1】
【0141】
膜フィルムを、40重量%の第1のm−ULDPE樹脂(密度0.885g/cc、Dow VP 8770)、25重量%の第2のm−ULDPE樹脂(密度0.902g/cc、Dow PL 1880)、35%のポリプロピレン(Basell SR−549M)、および600ppmの色素(Epolin 4121)のポリマーブレンドから押出した。これらの成分を、ダイを通して、David Standardツインスクリューエクストルーダーにおいてブレンドし、そして0.005インチの厚さに押出した。フィルムをダイオードレーザー(810nm)に、30ampにて10秒間曝露して、フィルムを溶かした。
【実施例2】
【0142】
チュービングを、Cawiton PR 3670の200ppm色素(Epolin4121)とのポリマーブレンドから押出した。これらの成分を、David Standardツインスクリューエクストルーダーにおいてブレンドし、そしてダイを通して、0.039インチの厚さ、0.157インチのID、0.235インチのODに押出した。チュービングを、ダイオードレーザー(810nm)に、30ampにて10秒間曝露して、チュービングを溶かした。
【実施例3】
【0143】
チュービングを、ブレンドが250ppmの色素を含むこと以外、実施例2と同じ様式で押出した。チュービングを、ダイオードレーザー(810nm)に、30ampにて10秒間曝露して、チュービングを溶かした。
【実施例4】
【0144】
カプラーを50%HYTREL(登録商標)5556の50%BYNEL 1123との2成分ポリマーブレンドから射出成形した。このブレンド成分を、1と1/2インチのDavid Standardツインスクリューエクストルーダーを用いてペレタイズ(pellitize)し、そして25トンArburg射出成形機を用いて射出成形した。PVCの第1のチュービングを、第1のチュービング取り付け部分の上でスライドさせ、そして高周波シーリングによりカプラーに取付けた。第2のチュービングを、実施例2に示すように作製した。この第2のチュービングを、カプラーの第2のチュービング取り付け部分の上でスライドさせ、次いで、121℃にて1時間オートクレーブした。アセンブリを冷却し、そして第1のチュービングおよび第2のチュービングを、このチュービングが破損するまでか、またはカプラーから外れるまで引っ張り、そして必要とされた力を、それぞれ、29.3 lbfおよび29.4 lbfで測定した。
【実施例5】
【0145】
カプラーを、30%のポリプロピレン(Solvay KS490)、40%ポリエステルエラストマー(HYTREL(登録商標)5556)、および30%無水物修飾EVA(BYNEL3810)の三成分ポリマーブレンドから、実施例4に示されるように射出形成した。実施例4に示されるように、PVCの第1のチュービングを、第1のチュービング取り付け部分の上でスライドさせ、そして高周波シーリングを用いて第1のチュービング取り付け部分にシールした。第2のチュービングを、実施例2に示されるように作製し、そして第2のチュービング部分の上をスライドさせた。アセンブリを、121℃にて1時間オートクレーブした。アセンブリを冷却し、そして第1のチュービングおよび第2のチュービングを、このチュービングが破損するまでか、またはカプラーから外れるまで引っ張り、そして必要とされた力を、それぞれ、48.2 lbfおよび34.3 lbfで測定した。
【0146】
本明細書中に記載される本発明の好ましい実施形態に対する種々の変更および改変は、当業者に明らかであることを理解すべきである。このような変更および改変は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、そしてその位置された利点を減らすことなくなされ得る。従って、このような変更および改変は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載のチュービングアセンブリ。
【請求項1】
本明細書中に記載のチュービングアセンブリ。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−119878(P2009−119878A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32062(P2009−32062)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【分割の表示】特願2003−563627(P2003−563627)の分割
【原出願日】平成15年1月14日(2003.1.14)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【分割の表示】特願2003−563627(P2003−563627)の分割
【原出願日】平成15年1月14日(2003.1.14)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]