説明

レーザ装置、レーザ加工装置及び測定装置

【課題】コンパクトであり、簡単な構成で出射するレーザ光のパルス幅を変更することができるレーザ装置を提供すること。
【解決手段】レーザ光源11は、レーザ共振器21内に波長選択素子35(複屈折フィルタ)を備えている。波長選択素子35の回転位置を操作することにより、レーザ媒質31におけるゲイン(損失)を制御する。これにより、ゲインを低くすることで、レーザ媒質31から出射される光がレーザ共振器21のミラー32,33間を往復する回数、即ち実質的な共振器長が長くなるとともにその共振器長が変更される。この結果、レーザ共振器21から出射されるレーザ光L1のパルス幅が長くなり、そのパルス幅は波長選択素子35により選択される波長に対応しているため、選択する波長を変更することによりパルス幅が変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ装置、レーザ加工装置及び測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ光は、対象物の加工や対象物までの距離測定等に用いられている。対象物を加工するレーザ加工装置や対象物までの距離を測定する測定装置は、レーザ媒質を用いた固体レーザ発振器を備えている。レーザ発振器は、両端に全反射ミラーと部分透過ミラーとを配してなるレーザ共振器内に、所定材料(例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット)に所定の元素(例えばネオジウムイオン)を添加したレーザ媒質が配置され、例えばレーザ媒質と部分透過ミラーとの間にQスイッチが配置されている。そして、レーザ発振器は、Qスイッチのオンオフ動作を繰り返すことで、パルス状のレーザ光を出射する。
【0003】
レーザ加工装置は、レーザ発振器から出射されたレーザ光を加工対象物に照射し、該加工対象物を加工する(例えば、特許文献1参照)。測定装置は、レーザ発振器から出射されたレーザ光を測定対象物に照射し、該測定対象物からの反射光とレーザ光との干渉により測定対象物までの距離を測定する(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−152255号公報
【特許文献2】特開平5−60511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年のレーザ光源に対して、該レーザ光源から出力されるレーザ光のパルス幅を長くすることが求められている。例えば、パルス幅を長くすることは、レーザ加工装置にあっては加工対象物に照射されるレーザ光の平均パワーを高くし、測定装置にあっては検出精度を高くすることができる。
【0005】
一般に、レーザ光のパルス幅は、電子が励起されてから基底状態に戻るまでの時間(寿命時間)に対応し、この時間はレーザ媒質の媒質により決定される。従って、同じ共振器長を持つレーザ発振器では、そのレーザ発振器を構成するレーザ媒質によりパルス幅が定まるため、パルス幅を調整することができない。
【0006】
また、レーザ光のパルス幅を長くする方法として、例えばレーザ発振器の共振器長を長くする方法がある。しかしながら、共振器を長くすると共振器が不安定になる(筐体の剛性等)ため、この方法には限界がある。また、共振器を長くしても所望のパルス幅(例えば数μS(マイクロ秒))のレーザ光は得られない。
【0007】
本発明は、以上の点を鑑みて、コンパクトであり、簡単な構成で出射するレーザ光のパルス幅を変更することができるレーザ装置、レーザ加工装置及び測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、励起光により励起されるレーザ媒質と、前記レーザ媒質の両側に配置され前記レーザ媒質の出射光を反射する一対の反射ミラーと、前記一対の反射ミラー間に配置され前記反射ミラーに対して前記一対の反射ミラー間で増幅されるレーザ光の通過・反射を制御するQスイッチと、前記一対の反射ミラー間に前記レーザ光の光軸に対して傾けて配置され、前記レーザ媒質の出射光の基本波長を含む波長帯域中における所望の波長を選択する波長選択素子と、を有するレーザ共振器を備え、前記レーザ共振器から出射されるレーザ光のパルス幅を前記波長選択素子により前記基本波長を発振可能な異なる波長に変更することで、前記レーザ共振器から出射される光のパルス幅を変更するレーザ装置である。
【0009】
このような構成によれば、レーザ媒質は、波長に応じたゲイン(損失)特性を持ち、レーザ共振器内に配置された波長選択素子により波長を選択することで、レーザ媒質のゲイン(損失)を制御する。これにより、レーザ媒質から出射される光がレーザ共振器を構成する一対のミラー間を往復する回数、即ち実質的な共振器長が長くなるとともにその共振器長が変更される。この結果、コンパクトであり、レーザ共振器から出射されるレーザ光のパルス幅が長くなり、そのパルス幅は波長選択素子により選択される波長に対応しているため、選択する波長を変更することによりパルス幅を変更することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のレーザ装置において、前記波長選択素子は、前記レーザ共振器の光軸に対してブリュースター角に配置されると共に法線方向を軸に回転可能に支持された複屈折フィルタであり、前記パルス幅に対応して、前記複屈折フィルタの回転角度が設定される。
【0011】
このような構成によれば、複屈折フィルタの回転角度を設定することにより、レーザ共振器内で往復する光の波長を選択するとともに、レーザ媒質のゲインを調整することで、簡単な構成で容易に所望のパルス幅を持つレーザ光を得ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレーザ装置と、前記レーザ装置から出射されたレーザ光のビーム径を拡大するビームエキスパンダと、前記ビームエキスパンダから出射された平行光の方向を変更する光走査機構と、前記光走査機構により方向を変更された光を収束する収束レンズとを備え、前記収束レンズにより収束された光を前記光走査機構により加工対象物上で走査し当該加工対象物を加工するレーザ加工装置である。
【0013】
このような構成によれば、ロングパルスのレーザ光は、平均的なパワーが、パルス幅が短いレーザ光に比べて高いため、そのレーザ光が照射された加工対象物を容易に加工することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレーザ装置を備え測定対象物にレーザ光を出射する投光手段と、前記測定対象物の透過光及び測定対象物からの戻り光の何れか一方を受光する受光手段と、前記受光手段の出力信号に基づき、前記対象物を測定する測定手段と、を備えた測定装置である。
【0015】
このような構成によれば、測定対象物に照射するレーザ光はロングパルスであるため、高い測定精度により測定対象物を測定することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の測定装置において、前記受光手段は前記測定対象物からの戻り光を受光し、前記測定手段は、前記投光手段から出射されたレーザ光と前記戻り光の干渉を利用して前記測定対象物の速度を測定する、測定装置である。
【0016】
このような構成によれば、測定対象物に照射するレーザ光はロングパルスであるため、高い測定精度により測定対象物の速度を測定することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上記述したように、本発明によれば、コンパクトであり、簡単な構成で出射するレーザ光のパルス幅を変更することが可能なレーザ装置、レーザ加工装置及び測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図面に従って説明する。
図3は、本実施の形態のレーザ加工装置10の構成ブロック図である。
レーザ加工装置10は、加工対象物W1の表面に文字・記号・図形などをマーキング加工するものである。
【0019】
レーザ加工装置10は、加工用のレーザ光を出射するレーザ装置としてのレーザ光源11を備えている。制御回路12は、レーザ光源11の発振を制御する。
レーザ光源11の後段には、ビームエキスパンダ(BE)13が配設されている。ビームエキスパンダ13は、レーザ光源11から出射されたレーザ光のビーム径を拡大する。
【0020】
ビームエキスパンダ13の後段には、光走査機構14が配設されている。光走査機構14は例えば例えば対をなすX軸ミラーとY軸ミラーとからなるガルバノミラーにより構成され、ビーム径が拡大されたレーザ光を反射してその照射方向を変更する。駆動回路15は、制御回路12の制御に基づき各ミラーの回動角度を制御し、各ミラーの回動によりレーザ光がマーキングする文字や記号、図形などに基づいて2次元走査される。
【0021】
光走査機構14の後段には、収束レンズ(fθレンズ)16が配設されている。収束レンズ16は、ビームエキスパンダ13にて一旦ビーム径が拡大されたレーザ光を加工対象物W1の表面において所定のスポット径となるまで収束させ、マーキング加工に適したエネルギー密度まで高める。
【0022】
図1は、レーザ光源の概略構成を示すブロック図である。
レーザ光源11は、レーザ共振器21と、励起光源22と、光アンプ23とを有している。
【0023】
レーザ共振器21は、レーザ媒質31を有している。レーザ媒質31は、互いに対向する一対の第1面及び第2面を有している。レーザ媒質31は、所定の元素(例えば希土類(例えばYb))が添加されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)結晶であり、第1面(又は第2面)から入射される励起光により所定帯域(例えば中心波長1064nm)の波長を持つ光(発振波)を誘導放出する。第1面及び第2面と直交する光軸に沿って、該レーザ媒質31の両側には一対の反射ミラー(入射ミラー32及び出射ミラー33)が配置されている。入射ミラー32には励起光を透過しレーザ媒質31の出射光を反射する膜が形成されている。出射ミラー33にはレーザ媒質31の出射光を所定の割合(例えば97%)にて反射する膜が形成されている。レーザ媒質31の出射光は、入射ミラー32と出射ミラー33により反射され、これによりレーザ媒質31の出射光が増幅される。
【0024】
レーザ共振器21の入射ミラー32側には励起光源22が配置されている。励起光源22はレーザ媒質31に添加された元素に対して適切な波長の励起光PLを出射するように構成されている。励起光源22とレーザ共振器21との間には、励起光源22から出射される励起光PLを平行光にするためのコリメータレンズ24と、励起光PLをレーザ媒質31に集光する集光レンズ25とが配置されている。
【0025】
レーザ媒質31の第2面と出射ミラー33との間にはQスイッチ34が配置されている。Qスイッチ34は、例えば音響光学効果を奏する素子(音響光学変調素子:AOM)であり、外部からオン−オフ変調する高周波電力が供給されている。Qスイッチ34がオンオフすることにより所定強度を持つレーザ光が出射ミラー33から出射される。つまり、Qスイッチ34は、出射ミラー33に対してレーザ共振器内で増幅されるレーザ光の通過・反射を制御する。尚、Qスイッチ34として電気光学効果を奏する素子(電気光学変調素子:EOM)等を用いても良い。
【0026】
Qスイッチ34と出射ミラー33との間には、波長選択素子35が配置されている。波長選択素子35は所定厚さを持つ水晶板からなる複屈折フィルタであり、光軸に対してブリュースター角に配置されると共に法線方向を軸に回転可能に支持されている。波長選択素子35は、回転に従って共振器内の所定帯域の波長の中から回転角度に応じた波長のレーザ光を選択する。従って、所望の波長のレーザ光が得られるように波長選択素子35の回転角度を制御することで、レーザ共振器21は、波長選択素子35により選択された波長を持つレーザ光L1を出射する。以下、この選択された波長を基本波長という。この基本波長は、波長選択素子35の回転に従って変化する。つまり、波長選択素子35を回転させることで、レーザ共振器21内で往復する、即ち入射ミラー32と出射ミラー33の間で反射する光の波長を変更することが可能である。また、波長選択素子35は、レーザ媒質31のゲイン(レーザ媒質31に対する損失)を制御する。レーザ媒質31は、波長に対するゲイン(損失)が波長毎に異なるため、波長選択素子35により波長を選択することは、レーザ媒質31におけるゲイン(損失)を制御することである。
【0027】
レーザ媒質31におけるゲインが低い(損失が大きい)と、出射ミラー33からレーザ光として出射可能なエネルギーとなるまでに入射ミラー32と出射ミラー33との間を往復する回数が多くなる。ミラー32,33間の往復回数が多くなることは、ミラー32,33間の距離、即ち共振器を長くすることと等価である。これにより、図2に示すように、レーザ共振器21から出射されるレーザ光L1のパルス幅が長くなる。また、上記したように、レーザ媒質31に対するゲイン(損失)は、波長毎に異なる。従って、波長選択素子35により選択された波長に対し、ミラー32,33間の往復回数が異なる、即ち波長毎に実質的な共振器長が異なるため、レーザ共振器21から出射されるレーザ光L1は、その波長に対応するパルス幅を持つ。即ち、このレーザ光源11は、波長選択素子35により選択された波長とパルス幅を持つレーザ光L1を出射する。本出願人は、実験により、長さが14cmのレーザ共振器21とYb:YAGのレーザ媒質31を用い、3.6μSのパルス幅を持つレーザ光L1を得ている。
【0028】
レーザ共振器21の出射ミラー33側には光アンプ23がレーザ共振器21の光軸上に配置されている。光アンプ23は、レーザ共振器21から出射されるレーザ光L1を増幅し、該光アンプ23からレーザ光L2が出射される。
【0029】
レーザ光源11は、制御部27を備えている。制御部27は、励起光源22に駆動電源を供給し、励起光源22を連続発振させる。また、制御部27は、Qスイッチ34に高周波電力を供給し、該Qスイッチ34をオンオフする。
【0030】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)レーザ光源11は、レーザ共振器21内に波長選択素子35(複屈折フィルタ)を備えている。波長選択素子35の回転位置を操作することにより、レーザ媒質31におけるゲイン(損失)を制御する。これにより、ゲインを低くすることで、レーザ媒質31から出射される光がレーザ共振器21のミラー32,33間を往復する回数、即ち実質的な共振器長が長くなるとともにその共振器長が変更される。この結果、レーザ共振器21から出射されるレーザ光L1のパルス幅が長くなり、そのパルス幅は波長選択素子35により選択される波長に対応しているため、選択する波長を変更することによりパルス幅を変更することができる。
【0031】
(2)波長選択素子35は、レーザ共振器21の光軸に対してブリュースター角に配置されると共に法線方向を軸に回転可能に支持された複屈折フィルタである。従って、この複屈折フィルタの回転角度を設定することにより、レーザ共振器21内で往復する光の波長を選択するとともに、レーザ媒質31のゲインを調整することで、所望のパルス幅を持つレーザ光L1を得ることができる。
【0032】
(3)レーザ光源11は、レーザ共振器21から出射されるレーザ光L1を増幅する光アンプ23を備えている。光アンプ23において増幅時にパルス幅は変化しないため、高いパワーでロングパルスのレーザ光L2を得ることができる。
【0033】
尚、上記実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態では、レーザ光源11を備え加工対象物W1を加工するレーザ加工装置10に具体化したが、測定装置に具体化しても良い。例えば、図4は、レーザ光源11を備え測定対象物W2の移動速度を測定する測定装置40である。
【0034】
この測定装置40は、レーザ光源11から出射されるレーザ光を測定対象物W2に照射し、ドップラ現象により変化した周波数を利用して測定対象物W2の速度を測定する。レーザ光源11から出射されたレーザ光は、分割手段としての偏向ビームスプリッタ41により第1のレーザ光と第2のレーザ光に分割され、第1のレーザ光は測定光として偏向ビームスプリッタ42を介して測定対象物W2に照射される。測定対象物W2にて反射した戻り光は、ドップラ効果により、測定対象物W2の速度に比例した周波数偏移を受けている。その戻り光は、偏向ビームスプリッタ42により反射される。これは、例えば図示しない1/4波長板により偏向方向が回転されているためである。偏向ビームスプリッタ41により分割された第2のレーザ光は、変調部43により周波数偏移を受けて参照光として偏向ビームスプリッタ44に入射する。参照光とミラー45により反射された戻り光は合波手段としての偏向ビームスプリッタ44により合波され、フォトディテクタなどの受光手段としての光検出器46に入射する。この光検出器46に入射する光は、参照光と戻り光とが合波によってヘテロダイン干渉によりビート周波数を持つ。光検出器46は入射光を電気信号に変換する。測定手段としての測定部47は、光検出器46の出力信号に基づき、測定対象物W2の速度を測定する。制御部48は、レーザ光源11、変調部43、光検出器46、及び測定部47を制御する。上記のように構成された測定装置40において、レーザ光源11からロングパルスのレーザ光が出射される。従って、測定装置40において、精度の高い測定を行うことができる。
【0035】
尚、上記構成において、測定対象物W2の変位量を測定するようにしてもよい。また、合波手段を測定対象物の透過光と第2のレーザ光とを合波するように配置しても良い。この場合、測定装置は測定対象物の透過率を高い測定精度にて測定することができる。
【0036】
・上記実施形態において、添加物としてYbに限らず、Nd等を添加するようにしてもよい。また、レーザ媒質の材質として、YAGに限らず、YLF等のレーザ媒質を用いても良い。
【0037】
・上記実施形態において、レーザ光源11を制御する制御部27を、レーザ加工装置10を制御する制御回路12に含める構成としてもよい。
・上記実施形態では、1枚の複屈折フィルタにより波長選択素子35を構成したが、複数の複屈折フィルタにより波長選択素子35を構成するようにしてもよい。
【0038】
・上記実施形態において、複屈折フィルタとエタロンにより波長選択素子35を構成するようにしてもよい。このような構成とすることで、単一の縦モードにて発振するレーザ光源を得ることができる。出射光の波長帯域は幅(Δλ)を持っている。つまり、レーザ光源は基本波長を含み互いに異なる発振波長を持つ複数の光を出射光として出射している。例えば、1010nmの波長を選択した場合、λ=1010nmに対してΔλ=0.8〜1.2nmの幅があり、出射光は1010nmを含む複数の発振波長の光が混在している(縦モードを複数持っている)。このため、エタロンを加えることで、より出射光の波長帯域を狭くすることができるようになり、単一の縦モード、つまり、より1つの波長を基本波長として取り出すことができるようになる。
【0039】
・上記実施形態において、励起光PLの強度(パワー)を制御することにより、レーザ共振器21内のレーザ光の波長を変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】一実施形態のレーザ光源の概略構成図。
【図2】一実施形態のレーザ光源の特性図。
【図3】レーザ加工装置の概略構成図。
【図4】測定装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0041】
11…レーザ光源、13…ビームエキスパンダ、14…光走査機構、16…収束レンズ、21…レーザ共振器、22…励起光源、23…非線形光学結晶、31…レーザ媒質、32…入射ミラー、33…出射ミラー、34…Qスイッチ、35…波長選択素子、40…測定装置、41…偏向ビームスプリッタ(分割手段)、44…偏向ビームスプリッタ(合波手段)、46…光検出器(受光手段)、47…測定部(測定手段)L1,L2…レーザ光、PL…励起光、W1…加工対象物、W2…測定対象物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光により励起されるレーザ媒質と、
前記レーザ媒質の両側に配置され前記レーザ媒質の出射光を反射する一対の反射ミラーと、
前記一対の反射ミラー間に配置され前記反射ミラーに対して前記一対の反射ミラー間で増幅されるレーザ光の通過・反射を制御するQスイッチと、
前記一対の反射ミラー間に前記レーザ光の光軸に対して傾けて配置され、前記レーザ媒質の出射光の基本波長を含む波長帯域中における所望の波長を選択する波長選択素子と、
を有するレーザ共振器を備え、
前記レーザ共振器から出射されるレーザ光のパルス幅を前記波長選択素子により前記基本波長を発振可能な異なる波長に変更することで、前記レーザ共振器から出射される光のパルス幅を変更することを特徴とするレーザ装置。
【請求項2】
請求項1記載のレーザ装置において、
前記波長選択素子は、前記レーザ共振器の光軸に対してブリュースター角に配置されると共に法線方向を軸に回転可能に支持された複屈折フィルタであり、
前記パルス幅に対応して、前記複屈折フィルタの回転角度が設定される、
ことを特徴とするレーザ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のレーザ装置と、
前記レーザ装置から出射されたレーザ光のビーム径を拡大するビームエキスパンダと、
前記ビームエキスパンダから出射された平行光の方向を変更する光走査機構と、
前記光走査機構により方向を変更された光を収束する収束レンズとを備え、
前記収束レンズにより収束された光を前記光走査機構により加工対象物上で走査し当該加工対象物を加工するレーザ加工装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のレーザ装置を備え測定対象物にレーザ光を出射する投光手段と、
前記測定対象物の透過光及び測定対象物からの戻り光の何れか一方を受光する受光手段と、
前記受光手段の出力信号に基づき、前記対象物を測定する測定手段と、
を備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の測定装置において、
前記受光手段は前記測定対象物からの戻り光を受光し、
前記測定手段は、前記投光手段から出射されたレーザ光と前記戻り光の干渉を利用して前記測定対象物の速度を測定する、
ことを特徴とする測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−81065(P2007−81065A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266032(P2005−266032)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】