説明

不安、抑うつ及びてんかんの処置のためのGABAレセプターリガンドとしての4−(スルファニル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン誘導体及び関連する化合物

本発明は、式(I)〔式中、Xは、−S−又は−NH−であり;R1は、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル又はアリール−O−アルキルであり、ここでアリール基は、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又は低級ハロゲン−アルキルからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;R2は、水素、低級アルキル又はシクロアルキルであり;R3/R4は、それらが結合しているN原子と一緒になって、非芳香族の5、6又は7員環を形成してもよく、これは、N原子に加えて、O、S又はNからなる群より選択される1個の追加のヘテロ原子を含有してもよく、ここでこの環は、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、−NR2、−CONR2、−CO−低級アルキル又はベンジルで場合により置換されているか;或いはそれらが結合しているN原子と一緒になって、少なくとも2つの環を含有する複素環系を形成してもよく、これは、N又はOからなる群より選択される1又は2個の追加のヘテロ原子を含有してもよく;Rは、水素又は低級アルキルであり;R5は、水素又は低級アルキルである〕で示される化合物、並びに薬学的に適切なその酸付加塩に関する。この化合物は、GABABレセプターに対して活性であり、したがって不安、抑うつ、てんかん、統合失調症、認知障害、痙縮及び骨格筋硬直、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺、神経因性疼痛及びコカインとニコチンに関連する依存症、精神病、パニック障害、心的外傷後ストレス障害又は胃腸障害の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【0002】
【化14】

【0003】
〔式中、
Xは、−S−又は−NH−であり;
1は、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル又はアリール−O−アルキルであり、ここでアリール基は、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又は低級ハロゲン−アルキルからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;
2は、水素、低級アルキル又はシクロアルキルであり;
3/R4は、それらが結合しているN原子と一緒になって、非芳香族の5、6又は7員環を形成してもよく、これは、N原子に加えて、O、S又はNからなる群より選択される1個の追加のヘテロ原子を含有してもよく、ここでこの環は、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、−NR2、−CONR2、−CO−低級アルキル又はベンジルで場合により置換されているか;或いは
それらが結合しているN原子と一緒になって、少なくとも2つの環を含有する複素環系を形成してもよく、これは、N又はOからなる群より選択される1又は2個の追加のヘテロ原子を含有してもよく;
5は、水素又は低級アルキルであり;
Rは、水素又は低級アルキルである〕で示される化合物、並びに
薬学的に適切なその酸付加塩に関する。
【0004】
式Iの化合物及びそれら塩は、貴重な治療特性により区別される。この化合物は、GABABレセプターに対して活性であることが見出されている。
【0005】
γ−アミノ酪酸(GABA)は、最も豊富な阻害性神経伝達物質であり、イオンチャンネル型GABAA/Cと代謝調節型GABABレセプターの両方を活性化する(Hill and Bowery, Nature, 290, 149-152, 1981)。哺乳類の脳のシナプス前終末及びシナプス後ニューロンのほとんどの領域に存在するGABABレセプターは、阻害性シナプス伝達の微調整に係わる。シナプス前GABABレセプターは、高電位活性化型Ca2+チャンネル(P/Q−及びN−型)の調節を通して、多くの神経伝達物質の放出を阻害する。後シナプス型GABABレセプターは、内向きに整流するK+(GIRK)チャンネルに共役するGタンパク質を活性化し、アデニリルシクラーゼを調節する(Billinton et al., Trends Neurosci., 24, 277-282, 2001; Bowery et al., Pharmacol. Rev.. 54, 247-264, 2002)。GABABレセプターが種々の神経伝達物質系の活性を調節するために戦略的に配置されるので、GABABレセプターリガンドは、したがって、不安、抑うつ、てんかん、統合失調症及び認知障害の治療における治療薬としての潜在的な用途を有することができる(Vacher and Bettler, Curr. Drug Target, CNS Neurol. Disord. 2, 248-259, 2003; Bettler et al., Physiol Rev. 84, 835-867, 2004)。
【0006】
天然のGABABレセプターは、2種類のサブユニット、GABABR1及びGABABR2サブユニットから構成されるヘテロメリック構造である(Kaupmann et al., Nature, 386, 239-246, 1997 及び Nature, 396, 683-687,1998)。GABABR1及びR2の構造は、これらが、ファミリー3と呼ばれるGタンパク質共役レセプター(GPCR)のファミリーに属していることを示す。ファミリー3GPCRの他のメンバーには、代謝調節型グルタミン酸(mGlu1−8)レセプター、カルシウム感知レセプター、鋤鼻レセプター、フェロモンレセプター及び推定味覚レセプターが含まれる(Pin etal., Pharmaco..Ther.98, 325-354, 2003)。ファミリー3レセプター(GABABレセプターを含む)は、明確に分けられる2つのトポロジードメイン:アゴニスト結合(オルトステリックサイト)のためのハエジゴクモジュール(venus flytrap module)を含有する著しく長い細胞外アミノ末端ドメイン(ATD、500−600アミノ酸)(Galvez et al., J. Biol. Chem., 275, 41166-41174, 2000)と、7TMヘリカルセグメント+レセプター活性化及びGタンパク質共役に係わる細胞内カルボキシル末端ドメインとにより特徴付けられる。GABABR1R2ヘテロ二量体におけるアゴニストによるレセプター活性化の機構は、GPCRのなかで独特である。へテロマーでは、GABABR1サブユニットのみがGABAに結合するが、GABABR2は、Gタンパク質の共役及び活性化に関与する(Havlickova et al., Mol. Pharmacol. 62, 343-350, 2002; Kniazeff et al., J. Neurosci., 22, 7352-7361, 2002)。
【0007】
Schuler et al, Neuron, 31, 47-58, 2001 は、GABABR1ノックアウト(KO)マウスが自発的発作及び痛覚過敏を示すことを実証した。これらのKOマウスは、生化学的及び電気生理学的GABAB反応を全て失っている。興味深いことに、GABABR1KOマウスは、2つの不安パラダイム、すなわち明暗ボックス(明の時間の減少)及び階段試験(上る後方及び階段の減少)においてより不安であった。これらは、受動的回避動作モデルの明かな機能障害を示し、記憶プロセスが障害を受けていることを示唆した。GABABR1KOは、また、新たな環境で増加した移動運動亢進及び活動亢進を示した。GABABR1遺伝子は染色体6p21.3に位置し、これはHLAクラスIの範囲内であり、統合失調症、てんかん及び失読症につながる領域である(Peters et al., Neurogenetics, 2, 47-54, 1998)。Mondabon et al., Am. J. Med. Genet 122B/1, 134, 2003 は、GABABR1遺伝子のAla20Val多型と、統合失調症との弱い関連性について報告している。更に、Gassmann et al., J Neurosci. 24, 6086-6097, 2004 は、GABABR2KOマウスが、GABABR1KOマウスと比較して、自発的発作、痛覚過敏、移動運動活性亢進及び重篤な記憶障害を患っていることを示している。したがって、異なったGABABR1R2レセプターがこれらの表現型に関与している。
【0008】
バクロフェン(リオレサールθ、β−クロロフェニルGABA)は、天然レセプターでEC50=210nMの選択的GABABレセプターアゴニストであり、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺の後の患者における痙縮及び骨格筋硬直の治療のための臨床研究に1972年から使用されている唯一のリガンドである。バクロフェン及びGABABレセプターアゴニストで実施されるほとんどの前臨床及び臨床研究は、神経因性疼痛及びコカインとニコチンに関連する依存症の治療のためであった(Misgeld et al., Prog. Neurobiol. 46,423-462, 1995; Enna et al., Life Sci, 62, 1525-1530, 1998; McCarson and Enna, Neuropharmacology, 38, 1767-1773, 1999; Brebner et al., Neuropharmacology, 38, 1797-1804, 1999; Paterson et al., Psychopharmacology, 172, 179-186, 2004)。パニック障害の患者では、バクロフェンは、パニック発作の数、並びにハミルトン不安スケール、ツンク(Zung)不安スケール及びカッツ−R(Katz-R)神経質サブスケールで評価した不安症状の数を低減するのに著しく有効であることが示された(Breslow et al, Am. J. Psychiatry, 146, 353-356, 1989)。戦闘関連の慢性的な心的外傷後ストレス障害(PTSD)を持つ退役軍人の小集団による研究では、バクロフェンは、有効であり耐性の良好な治療であることが見出された。これは、全体的なPTSDの症状において、最も顕著には、回避、感情の麻痺及び過覚醒の症状において、また併発する不安及び抑うつの低減において、著しい改善をもたらした(Drake et al., Ann. Pharmacother. 37, 1177-1181, 2003)。前臨床試験において、バクロフェンは、精神病のラットPPIモデルにおいてアポモルヒネでは誘発されないがジゾシルピンにより誘発される聴覚性驚愕反応(acoustic startle response)の前パルス阻害(PPI)の低減を逆転することができた(Bortolato et al, Psychopharmacology, 171, 322-330, 2004)。したがって、GABABレセプターアゴニストは、精神障害の薬理学的治療において可能性を有する。残念なことに、バクロフェンは、その有用性を制限する、乏しい血液脳関門透過性、非常に短い作用時間及び狭い治療濃度域(筋肉弛緩、鎮静及び耐性)を含む多数の不利な副作用を有する。
【0009】
Urwyler et al., Mol. Pharmacol., 60, 963-971, 2001 は、正のアロステリックモジュレーターと呼ばれる新規のGABABレセプターリガンドである、CGP7930〔2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル)−フェノール〕及びそのアルデヒド類似体CGP13501を報告している。これらのリガンドは、それ自体ではGABABレセプターに対して効果がないが、内在性GABAと協力して、GABABR1R2においてGABAの効力と最大有効性の両方を増大する(Pin et al., Mol. Pharmacol., 60, 881-884, 2001)。興味深いことに、CGP7930の最近の研究(Binet et al., J Biol Chem., 279, 29085-29091, 2004)は、この正のモジュレーターがGABABR2サブユニットの7回膜貫通ドメイン(7TMD)を直接活性化することを示している。Mombereau et al., Neuropsychopharmacology, 1-13, 2004 は、近年、不安の明暗ボックス及び高架式ゼロ迷路試験(elevated zero maze test)モデルにおける、GABABレセプターの正のモジュレーターGS39783(N,N−ジシクロペンチル−2−メチルスルファニル−5−ニトロ−ピリミジン−4,6−ジアミン)(Urwyler et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 307, 322-330, 2003) による急性及び慢性治療の抗不安効果を報告している。GABABエンハンサーは、GABAの不在下でレセプター活性に対して効果はないが、内在性GABAへのGABABレセプターの親和性をアロステリックに向上するので、これらのリガンドは、バクロフェンと比較して改善された副作用プロフィールを有するはずであることが期待される。事実、0.1〜200mg/kg、経口でのGS39783は、バクロフェン(2.5〜15mg/kg、経口で副作用を示した)と比較して、自発的運動活性、ロータロッド、体温及び牽引試験において効果がなかった。GS39783は、マウス及びラットでの受動的回避挙動試験により評価すると、認知機能に対して効果が全くなかった。更に、GS39783は、高架式プラス迷路(ラット)、高架式ゼロ迷路(マウス及びラット)及びストレス誘発性過温症(マウス)試験パラダイムにおいて抗不安様効果を示した。したがって、GS39783は、バクロフェン又はベンゾジアゼピンと関連する副作用のない、新規の抗不安剤を表わす(Cryan et al., J Phannacol. Exp Ther., 310, 952-963, 2004)。CGP7930及びGS39783の前臨床調査は、両方の化合物がラットにおけるコカインの自己投与を減少するのに効果的であったことを示している(Smith et al., Psychopharmacology, 173, 105-111, 2004)。正のモジュレーターであるCGP7930も胃食道逆流性疾患(GERD)の治療のために前臨床研究され、有効であることが見出された(WO03/090731、胃腸障害におけるGABABレセプターの正のモジュレーターの使用(Use of GABAB receptor positive modulators in gastro-intestinal disorders))。
【0010】
正のアロステリックモジュレーターは、mGlu1レセプター(Knoflach et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 98, 13402-13407, 2001; Wichmann et al., Farmaco, 57, 989-992, 2002)、カルシウム感知レセプター(NPS R−467及びNPS R−568)(Hammerland et al., Mol. Pharmacol., 53, 1083-1088, 1998)(US 6,313,146)、mGlu2レセプター〔LY487379、N−(4−(2−メトキシフェノキシ)−フェニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル)−ピリド−3−イルメチルアミン及びその類似体〕(WO01/56990、グルタミン酸レセプターの増強剤(Potentiators of glutamate receptors))及びmGlu5レセプター(CPPHA、N−{4−クロロ−2−〔(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル〕フェニル}−2−ヒドロキシベンズアミド)(O'Brien et al., J. Pharmaco. Exp. Ther., 27, Jan. 27, 2004)を含む、他のファミリー3GPCRについても報告されている。興味深いことに、これらの正のモジュレーターは、7回膜貫通ドメイン(7TMD)内に位置している新規アロステリック部位に結合しており、それによって7TMD領域の活性状態を安定化してアゴニストの親和性を向上させることが実証されている(Knoflach et al, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 98, 13402-13407, 2001; Schaffhauser et al., Mol. Pharmacol., 64, 798-810, 2003)。更に、NPS R−467、NPS R−568(テカルセット(Tecalcet))及び関連する化合物は、そのアロステリック様式の作用のために臨床試験に取り込まれた最初の正のアロステリックモジュレータを表わす。
【0011】
本発明の目的は、式Iの化合物及び薬学的に許容しうるその酸付加塩、式Iの化合物及びその塩の調製、式Iの化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩を含有する薬剤、そのような薬剤の製造、並びに病気の抑制又は予防における、特に不安、抑うつ、てんかん、統合失調症、認知障害、痙縮及び骨格筋硬直、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺、神経因性疼痛及びコカインとニコチンに関連する依存症、精神病、パニック障害、心的外傷後ストレス障害又は胃腸障害のような前記で言及された種類の病気及び障害の抑制又は予防における、式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩の使用、及びそれぞれ対応する薬剤の製造である。
【0012】
本記載で使用される一般用語の下記の定義は、該当の用語が単独で現れるか、又は組み合わされて現れるかにかかわらず、適用される。
【0013】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭素鎖基を意味し、例えば、メチル、エチル、ペンチル、へキシル、オクチル、ノニルなどである。
【0014】
用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。好ましい低級アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含む。
【0015】
本明細書で使用されるとき、用語「アルケニル」は、2〜12個の炭素原子及び少なくとも1個の二重結合む直鎖状又は分岐鎖状の炭素鎖基を意味し、例えば、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニルなどである。
【0016】
本明細書で使用されるとき、用語「アリールアルキル」又は「アリールアルケニル」は、上記で定義されたアルキル又はアルケニル炭素鎖に結合する、不飽和芳香族環(例えば、フェニル又はナフチル)を意味する。
【0017】
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を意味する。
【0018】
用語「ハロゲン−アルキル」は、1個以上のハロゲン原子で置換されている、上記で定義されたアルキル基を意味する。
【0019】
用語「低級アルコキシ」は、アルキル残基が上記と同義であり、アルキル基が酸素原子を介して結合している基を意味する。
【0020】
用語「シクロアルキル」は、炭素原子3〜6個の炭素環を意味し、好ましくはシクロプロピルである。
【0021】
用語「5,6又は7員環であり、これは、N原子に加えて、O、S又はNからなる群より選択される1個の追加のヘテロ原子を含有してもよい」は、非芳香族環を意味し、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、1−オキソ−チオモルホリン、1,1−ジオキソ−チオモルホリン、ピペラジン、1,4−ジアゼパン、1,4−オキサゼパンなどである。
【0022】
用語「R3及びR4は、N原子と一緒になって、少なくとも2つの環を含有する複素環系を形成し、それは、N又はOからなる群より選択される1又は2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい」は、例えば下記の基:
【0023】
【化15】

【0024】
を意味する。
【0025】
用語「薬学的に許容しうる酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのような無機酸及び有機酸との塩を包含する。
【0026】
本発明の好ましい化合物は、Xが−S−であるものである。この群の特に好ましい化合物は、R1がアルキルであり、そしてR3及びR4が、N原子と一緒になって5又は6員環を形成し、これが、追加のOヘテロ原子を含有してもよく、非置換であるか又は低級アルキルで置換されているものである。
【0027】
この群の好ましい化合物は、R3及びR4がN原子と一緒になってモルホリン環を形成するものであり、例えば下記の化合物:
4−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン、
4−(6−メチル−2−ペンチルスルファニル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン、
4−(2−ヘキシルスルファニル−6−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン、
4−(2−へキシルスルファニル−6−エチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン及び
4−〔1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エチル〕−モルホリン
である。
【0028】
この群の好ましい化合物は、更に、R3及びR4がN原子と一緒になってピロリジン又はピペリジン環を形成し、これが低級アルキルで場合により置換されているものであり、例えば下記の化合物:
2−へキシルスルファニル−4−メチル−6−ピロリジン−1−イルメチル−ピリミジン、
2−へキシルスルファニル−4−メチル−6−(2−メチル−ピペリジン−1−イルメチル)−ピリミジン、
4−(2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン及び
4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン
である。
【0029】
本発明の好ましい化合物は、更に、R1が、低級アルキルで場合により置換されているアリールアルキルであり、そしてR3及びR4が、N原子と一緒になって5又は6員環を形成し、これが、追加のOヘテロ原子を含有してもよいものであり、例えば下記の化合物:
4−〔2−(4−tert−ブチル−ベンジルスルファニル)−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
である。
【0030】
更に好ましいものは、R3及びR4が、N原子と一緒になって、少なくとも2つの環を含有する複素環系を形成し、それが、N又はOからなる群より選択される1又は2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい化合物であり、例えば下記の化合物:
(1S,5S)−3−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1,5−メタノ−ピリド〔1,2−α〕〔1,5〕ジアゾシン−8−オンである。
5が水素である式Iの化合物が最も好ましい。
本発明の更なる目的は、R5がメチルであるか、又はXが−NH−である、更なる化合物である。
【0031】
上記の式Iの化合物は、下記の方法の変形:
a)式V:
【0032】
【化16】

【0033】
で示される化合物を、式VI−a:
【0034】
【化17】

【0035】
で示される化合物と反応させて、式Ia:
【0036】
【化18】

【0037】
(式中、R1〜R4は上記で記載されたとおりである)で示される化合物とすること、又は
b)下記式:
【0038】
【化19】

【0039】
で示される化合物を、下記式:
【0040】
【化20】

【0041】
で示されるアミンと反応させて、式Ib:
【0042】
【化21】

【0043】
(式中、R1〜R4は上記で記載されたとおりである)で示される化合物とすること、又は
c)式XI:
【0044】
【化22】

【0045】
で示される化合物を、式II:
【0046】
【化23】

【0047】
で示されるアミンと反応させて、式Ia:
【0048】
【化24】

【0049】
(式中、R1〜R4は上記で記載されたとおりである)で示される化合物を得ること、又は
d)下記式:
【0050】
【化25】

【0051】
で示される化合物を、式II:
【0052】
【化26】

【0053】
で示されるアミンと反応させて、式Ic:
【0054】
【化27】

【0055】
(式中、R1〜R4は上記で記載されたとおりである)で示される化合物を得ること、そして
所望であれば、得られる式Iの化合物を薬学的に許容しうる塩に変換すること
により本発明に従って製造することができる。
【0056】
下記において式Iの化合物の調製がより詳細に記載されている。
【0057】
スキーム1〜4において、既知の化合物、市販の生成物又は常法により調製できる化合物から出発する、式Iの化合物の調製方法が記載されている。
【0058】
式Iの化合物の調製は、実施例1〜43で更に詳細に記載されている。
【0059】
方法の記載において、下記の略語が使用されている:
TEA=トリエチルアミン
THF=テトラヒドロフラン
OXONE(登録商標)=一過硫酸カリウムトリプル塩
DCM=4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
【0060】
【化28】


a)チオ尿素、EtOH、還流、24時間
b)NH2OH HCl、TEA、EtOH、還流、24時間
c)MsOH、ラネーニッケル、EtOH、H2、3時間
【0061】
スキーム1に従って、式VI−a及びVI−bの中間体を下記のように調製することができる。
【0062】
工程a:
チオ尿素及び式:R1Brの対応する化合物、例えば1−ブロモヘキサンを窒素下でアルコール中、例えばエタノール中で約20時間加熱還流する。アルコールを蒸発させ、通常の単離及び精製の後、式VI−aの対応するイソチオ尿素臭化水素酸塩を得る。
【0063】
工程b:
式:R1CNのシアニド及びヒドロキシルアミン塩酸塩をアルコール、例えばエタノールに溶解し、トリエチルアミンで処理する。単離及び精製の後、対応するN−ヒドロキシ−アミジンを得る。
【0064】
工程c:
工程bで得られたN−ヒドロキシ−アミジンとアルコール、例えばエタノールの溶液に、新しいラネーニッケル及びメタンスルホン酸(MsOH)を加える。反応混合物を水素雰囲気下、室温で約3時間撹拌する。単離及び精製の後、対応するアミジンメシラートを得る。
【0065】
【化29】


A1)K2CO3、MeOH、0〜20℃
A2)iPrMgCl、THF、−20℃又はBuLi、THF、−70℃
A3)TEA、THF、20℃又はNaOMe、MeOH
A4)OXONE(登録商標)(一過硫酸カリウムトリプル塩)、MeOH
A5)THF、20℃
【0066】
スキーム2に従って、式VI−a及びVI−bの中間体を下記のように調製することができる。
【0067】
式IVの中間体化合物:
N,O−ジメチル−ヒドロキシルアミンHClを窒素下でDCM中に懸濁し、氷中で冷却する。トリエチルアミンをゆっくりと加え、次に塩化アセチルをゆっくりと加えると、氷冷及びゆっくりとした添加にもかかわらず、温度は約20℃に達した。冷却しないで撹拌を約30分間続ける。抽出及び精製の後、N−メトキシ−N−メチル−アセトアミドを得る。
或いは
N,O−ジメチル−ヒドロキシルアミンHClを窒素下でDCM中に懸濁し、氷中で冷却する。トリエチルアミンをゆっくりと加え、次にシクロプロパンカルボニルクロリドをゆっくりと加える。冷却しないで撹拌を1時間続ける。抽出:2×DCM、1×1N HCl、1×NaCl。蒸留:75℃/20mbar。シクロプロパンカルボン酸メトキシ−メチル−アミドを得る。
【0068】
工程A1:
式:HNR34(II)の化合物、例えばモルホリンをアルコール、例えばMeOHに溶解し、窒素下で氷中で冷却し、次に、炭酸カリウム及び臭化プロパルギルを氷中で撹拌しながら加える。冷却しないで撹拌を約4時間続けた。得られた懸濁液を通常の方法で処理する。式IIIの化合物、例えば4−プロパ−2−イニル−モルホリンを得た。
【0069】
工程A2:
工程A1で得られた化合物を窒素下でTHFに溶解し、約−40℃に冷却する。次にTHF中のイソプロピルマグネシウムクロリドの溶液を、温度を−20℃未満に保持しながら加える。−40〜−30℃で撹拌を約30分間続ける。別のフラスコの中で、式IVの化合物、例えばN−メトキシ−N−メチルアセトアミドを窒素下でTHFに溶解し、氷/MeOHで−10℃に冷却する。上記で調製したグリニャール溶液を、容器1中で僅かに正圧の窒素下でテフロン管を介してWeinrebアミド溶液に−10℃で移した。−10〜0℃で撹拌を約2時間続ける。得られた懸濁液を通常の方法で処理する。式Vの化合物、例えば5−モルホリン−4−イル−ペンタ−3−イン−2−オンを得た。
【0070】
工程A3:
工程A2で得られた化合物、例えば5−モルホリン−4−イル−ペンタ−3−イン−2−オン及び式VI−aの化合物、例えば、2−へキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩を窒素下でDMFに溶解し、次にN,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、室温での撹拌を約18時間続ける。得られた懸濁液を通常の方法で処理する。式Iaの化合物、例えば4−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリンを得た。
【0071】
工程A4:
工程A3で得られた式Iaの化合物、例えば4−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリンをMeOHに溶解し、一過硫酸カリウムトリプル塩(OXONE(登録商標))で約2時間処理する。式VIIの化合物、例えば4−(2−ヘキシルスルホニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリンを得た。
【0072】
工程A5:
THF中に溶解した、工程A4で得られた式VIIの化合物及び式:R1NH2のアミンを20℃で一晩撹拌する。式Ibの化合物を得た。
【0073】
【化30】


B1)BuLi、THF、−70℃〜−30℃
B2)TEA、THF、20℃
B3)4N HCl又はTFA/H2
B4)NaBH3CN若しくはpyBH3、EtOH/AcOH 10:1、20℃又はTi(OiPr)4、未希釈、NaBH3CN、iPrOH
【0074】
スキーム3に従って、式Iaの化合物を下記のように調製することができる:
【0075】
工程B1:
プロパルギルアルデヒドジエチルアセタールをアルゴン下でTHFに溶解し、−70℃に冷却する。次にヘキサン中のブチルリチウムの溶液を加え、撹拌を−30℃で約30分間続ける。次にTHF中の式IVの対応する化合物、例えばN−メトキシ−N−メチルアセトアミドを加える。−30℃で30分後、反応を、飽和NH4Cl溶液の添加で停止させた。通常の処理の後、式IXの対応する化合物、例えば5,5−ジエトキシ−ペンタ−3−イン−2−オンを得た。
【0076】
工程B2:
工程B1で得られた化合物、例えば5,5−ジエトキシ−ペンタ−3−イン−2−オン及び式VI−aの対応する化合物、例えば2−へキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩を窒素下でTHFに溶解する。次にトリエチルアミンを、氷浴で冷却して温度を20℃に保持しながら、ゆっくりと加える。懸濁液を冷却しないで約5時間撹拌する。得られた生成物、例えば4−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジンを通常の方法で処理する。
【0077】
工程B3:
工程B2で得られた化合物、例えば4−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジンをTHF及びH2SO4水溶液に溶解し、50℃で約33時間加熱する。次に溶液を冷Na2CO3溶液に注ぎ、常法で処理する。式XIの化合物、例えば2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−カルボアルデヒドを得た。
【0078】
工程B4:
工程B3で得られた式XIの化合物、例えば2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−カルボアルデヒドをエタノール及び酢酸に溶解する。次に式IIの化合物、例えばピロリジン及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムを20℃でゆっくりと加え、撹拌を約24時間続ける。反応混合物を常法で処理する。式Iaの化合物、例えば2−ヘキシルスルファニル−4−メチル−6−ピロリジン−1−イルメチル−ピリミジンを得た。
【0079】
【化31】


C1)4N H2SO4中のCrO3、アセトン、0〜20℃
C2)TEA、THF、20℃
C3)4N H2SO4中のCrO3、アセトン、0〜20℃
C4)Ti(OiPr)4、NaBH3CN、iPrOH
【0080】
スキーム4に従って、式Icの化合物を下記のように調製することができる:
【0081】
工程C1:
アセトン中の3−ヘキシン−2,5−ジオールの溶液を窒素下で氷中で冷却する。ジョーンズ試薬(45mmol、4M H2SO4中の2M CrO3)を2時間かけて5℃でゆっくりと加える。得られた緑色の溶液をクロム塩からデカントし、AcOEt及び飽和NaCl溶液で抽出した。粗生成物を精製する。式XIIの5−ヒドロキシ−ヘキサ−3−イン−2−オンを得た。
【0082】
工程C2:
5−ヒドロキシ−ヘキサ−3−イン−2−オン及び式VI−aの化合物、例えば2−へキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩をTHFに溶解する。次にトリエチルアミンを加え、撹拌を約3時間続ける。得られた生成物を単離し、精製する。式XIIIの化合物、例えば1−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エタノールを得た。
【0083】
工程C3:
工程C2で得られた化合物、例えば1−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エタノールを窒素下でアセトンに溶解する。次に4M H2SO4 100mL中のCrO3 20gから調製されたジョーンズ試薬を滴加する。20℃で約2時間撹拌した後、得られた溶液を常法により単離し、精製する。式XIVの化合物、例えば1−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エタノンを得た。
【0084】
工程C4:
式XIVの化合物、例えば1−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エタノン及び式IIの化合物、例えばモルホリンをオルトチタン酸テトライソプロピルに溶解し、約80℃で16時間加熱する。溶液を2−プロパノールで希釈し、シアノ水素化ホウ素ナトリウムにより約20℃で6時間処理する。式Icの得られた生成物、例えば4−〔1−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エチル〕−モルホリンを常法により単離し、精製する。
【0085】
前述したように、式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容されうる付加塩は、貴重な薬理学的特性を有する。本発明の化合物は、GABABレセプターに親和性を有することが見出されている。
【0086】
下記に示した試験に従って化合物を調査した。
【0087】
細胞内Ca2+動員アッセイ
ヒトGABABR1aR2a及びGα16を安定して発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、ポリ−D−リジンで処理した96ウエルの黒色/透明底プレート(BD Biosciences, Palo Alto, CA)中に5×104細胞/ウエルで接種した。24時間後、細胞を、ローディングバッファー(1×HBSS、20mM HEPES、2.5mMプロベネシド)中の4μMFlou−4アセトキシメチルエステル(カタログ番号F−14202、Molecular Probes, Eugene, OR)により37℃で90分間ロードした。ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)(10×)(カタログ番号14065−049)及びHEPES(1M)(カタログ番号15630−056)をInvitrogen, Carlsbad, CA から購入した。プロベネシド(250mM)(カタログ番号P8761)は、Sigma, Buchs, Switzerland からであった。細胞をローディングバッファーで5回洗浄して過剰染料を取り除き、細胞内カルシウム動員〔Ca2+iを、前に記載されているように(Porter et al., Br. J. Pharmacol, 128, 13-20, 1999)、蛍光プレートリーダー(FLIPR, Molecular Devices, Menlo Park, CA) を使用して測定した。エンハンサーを、GABAの適用の15分前に適用した。GABAシフトアッセイでは、GABA(0.0003〜30μM)の濃度反応曲線を10μMのエンハンサーの不在下又は存在下で決定した。GABAシフトは、Log〔EC50(GABA+10μMエンハンサー)/EC50(GABA単独)〕として定義される。エンハンサーそれぞれの最大増強作用率(%Emax)及び効力(EC50値)を、10nMのGABA(EC10)の存在下でのエンハンサー(0.001〜30μM)の濃度反応曲線から決定した。反応を、10μM GABA単独(100%と考慮される)及び10nM GABA単独(0%と考慮される)により誘発される最大刺激作用に対して標準化された、蛍光のピーク増加マイナス基底として測定した。データを、式:Y=100+(Max−100)/(1+(EC50/〔薬剤〕)n)〔式中、Maxは最大作用であり、EC50は最大作用の半分を誘発する濃度であり、そしてnはヒル勾配である〕に当てはめた。
【0088】
【表1】

【0089】
式Iの化合物、並びにそれらの薬学的に使用しうる酸付加塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質及び軟質ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与は、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0090】
式Iの化合物及びそれらの薬学的に使用しうる酸付加塩は、錠剤、コーティング剤、糖衣剤及び硬質ゼラチンカプセル剤の製造のために、薬学的に不活性な無機又は有機賦形剤と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、そのような賦形剤として、例えば錠剤、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセル剤のために用いることができる。
【0091】
軟質ゼラチンカプセル剤に適切な賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどである。
【0092】
液剤及びシロップ剤の製造に適切な賦形剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコースなどである。
【0093】
注射液に適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、植物油などである。
【0094】
坐剤に適切な賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである
【0095】
更に、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩類、緩衝液、マスキング剤又は酸化防止剤を含有することができる。それらは、さらにその他の治療上有用な物質も更に含有することができる。
【0096】
投与量は、広い限度内で変更することができ、当然、それぞれの特定の症例ごとに個々の要件に適合されるであろう。一般に経口投与の場合は、一般式Iの化合物の、1人当たり約10〜1000mgの1日投与量が適切であるが、必要であれば上記の上限を超えることもできる。
【0097】
【表2】

【0098】
製造手順
1.項目1、2、3及び4を混合し、精製水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥する。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.項目5を加え、3分間混合し、適切な成形機で圧縮する。
【0099】
【表3】

【0100】
製造手順
1.項目1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.項目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0101】
下記の実施例は、本発明を限定することなく説明する。全ての温度は摂氏で示される。
【0102】
中間体IV:
N−メトキシ−N−メチル−アセトアミド
N,O−ジメチル−ヒドロキシルアミンHCl(100g、1025mmol)を窒素下でDCM(1000mL)中に懸濁し、氷中で冷却した。トリエチルアミン(300mL、2152mmol)をゆっくりと加え、次に塩化アセチル(76.5mL、1076mmol)をゆっくりと加えると、氷冷及びゆっくりとした添加にもかかわらず、温度は約20℃に達した。冷却しないで撹拌を30分間続けた。抽出:1×DCM、1×1N HCl、2×飽和NaCl溶液。42℃/20mbarでの蒸留により、無色の油状物69g(65%)を得た。
【0103】
シクロプロパンカルボン酸メトキシ−メチル−アミド
N,O−ジメチル−ヒドロキシルアミンHCl(40g、410mmol)を窒素下でDCM(400mL)中に懸濁し、氷中で冷却した。トリエチルアミン(63mL、451mmol)をゆっくりと加え、次にシクロプロパンカルボニルクロリド(41mL、451mmol)をゆっくりと加えた。冷却しないで撹拌を1時間続けた。抽出:2×DCM、1×1N HCl、1×NaCl。蒸留:75℃/20mbar。無色の油状物32.5g(61%)を得た。
【0104】
中間体VI:
2−へキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩
チオ尿素(50g、657mmol)及び1−ブロモヘキサン(119mL、723mmol)を窒素下でエタノール(500mL)中で20時間加熱還流した。エタノールを蒸発させ、濃油状物をジエチルエーテル(500mL)中で撹拌した。生成物が自発的に沈殿した。濾過した後、白色の結晶144.5g(91%)、融点75℃を得た。
【0105】
2−チオ−2−(3,7,9−トリメチル−2,6−デカジエニル)プソイド-尿素臭化水素酸塩
(2E,6E)−1−ブロモ−3,7,9−トリメチル−デカ−2,6−ジエンを使用した同様の方法による。
【0106】
2−(4−メチル−ベンジル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩
4−メチル−ベンジルブロミドを使用した同様の方法による。
【0107】
2−((E)−3−m−トリル−アリル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩
1−((E)−3−ブロモ−プロペニル)−3−メチル−ベンゼンを使用した同様の方法による。
【0108】
2−(4−tert−ブチル−ベンジル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩
4−tert−ブチル−ベンジルブロミドを使用した同様の方法による。
【0109】
2−(3−フェニル−プロピル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩
1−ブロモ−3−フェニルプロパンを使用した同様の方法による。白色の固体25.9g(72%)、融点96℃を得た。
【0110】
2−(1,3−ジメチル−ブチル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩
2−ブロモ−4−メチル−ペンタンを使用した同様の方法による。
【0111】
2−ブチル−イソチオ尿素ヨウ化水素酸塩
1−ヨードブタンを使用した同様の方法による。
【0112】
2−(4−フェノキシ−ブチル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩
4−フェノキシブチルブロミドを使用した同様の方法による。
【0113】
N−ヒドロキシ−ノナンアミジン
シアン化オクチル(2g、14mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(2.495g、36mmol)をEtOH(10mL)に溶解し、トリエチルアミン(5mL、36mmol)により還流下で一晩処理した。抽出:AcOEt/水。シリカゲルクロマトグラフィー:ヘプタン/AcOEt 1:2により白色の固体(0.65g、26%)を得た。MS:m/z=173(M+H)。
【0114】
ノナンアミジンメシラート
エタノール(5mL)中のN−ヒドロキシ−ノナンアミジン(0.6g、3.48mmol)の溶液に、新しいラネーニッケル(0.05g)及びメタンスルホン酸(0.08ml、1.26mmol)を加えた。反応混合物を水素雰囲気下、20℃で3時間撹拌した。セライトでの濾過及び蒸発により、明緑色の油状物(0.5g、56%)を得た。MS:m/z=157(M+H)。
【0115】
工程A1:
4−プロパ−2−イニル−モルホリン
モルホリン(100ml、1.148mol)をMeOH(1L)に溶解し、窒素下で氷中で冷却し、次に炭酸カリウム(120g、0.63mol)及び臭化プロパルギル(124mL、1.148mol)を氷中で撹拌しながら加えた。冷却しないで撹拌を4時間続けた。白色の懸濁液を紙で濾過し、固体をMeOH(100ml)で洗浄し、MeOHを注意深く蒸発させた。白色の沈殿物をDCM(400ml)に懸濁し、紙により濾過し、注意深く蒸発させた。最後に油状物を60℃/16mbarで蒸留した。無色の油状物100g(70%)を得た。
【0116】
工程A2:
5−モルホリン−4−イル−ペンタ−3−イン−2−オン
4−プロパ−2−イニル−モルホリン(22g、176mmol)を窒素下でTHF(40mL)に溶解し、−40℃に冷却した。次にTHF中のイソプロピルマグネシウムクロリドの2M溶液(97mL、193mmol)を、温度を−20℃未満に保持しながら加えた。−40〜−30℃で撹拌を30分間続けた。別のフラスコの中で、N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(20g、193mmol)を窒素下でTHF(40mL)に溶解し、氷/MeOHで−10℃に冷却した。上記で調製したグリニャール溶液を、容器1中で僅かに正圧の窒素下でテフロン管を介してWeinrebアミド溶液に−10℃で移した。発熱はなかった。−10〜0℃で撹拌を2時間続けた。得られた白色の懸濁液を氷と飽和NH4Cl溶液の1:1混合物(400mL)に注いだ。抽出:2×AcOEt、1×飽和NaCl溶液。黄色の油状物(26.1g、89%)として得た。ヘプタン/酢酸エチル1:2でのシリカゲルのクロマトグラフィーにより、褐色の油状物19.4g(66%)を得て、それを130℃/0.2mbarでKugelrohr中で蒸留した。黄色の油状物15.8g(53%)を得た。
【0117】
工程A3:
実施例1
4−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
5−モルホリン−4−イル−ペンタ−3−イン−2−オン(1g、6mmol)及び2−ヘキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩(1.06g、7mmol)を窒素下でDMF(10mL)に溶解し、次に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.1mL、24mmol)を加え、撹拌を室温で18時間続けた。DMFを蒸発させた。生成物をAcOEt(2×50mL)、NH4Clの飽和溶液(2×50mL)で抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣を、ヘプタン/酢酸エチル勾配を用いるアミノ化したシリカゲルカラムのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。黄色の液体440mg(24%)を得た。MS:m/z=310(M+H)。
【0118】
実施例2
4−(6−メチル−2−ペンチルスルファニル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
N−ペンチルイソチウロニウム塩酸塩を使用した同様の方法による。褐色の油状物260mg(29%)を得た。MS:m/z=296(M+H)。
【0119】
実施例3
4−〔6−メチル−2−((2E,6E)−3,7,9−トリメチル−デカ−2,6−ジエニルスルファニル)−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−チオ−2−(3,7,9−トリメチル−2,6−デカジエニル)プソイド-尿素臭化水素酸塩を使用した同様の方法による。無色の油状物300mg(35%)を得た。MS:m/z=404(M+H)。
【0120】
実施例4
4−〔6−メチル−2−((E)−3−フェニル−アリルスルファニル)−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−((E)−3−フェニル−アリル)−イソチオ尿素を使用した同様の方法による。無色の油状物300mg(34%)を得た。MS:m/z=342(M+H)。
【0121】
実施例5
4−〔2−(4−メトキシ−ベンジルスルファニル)−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−(p−メトキシベンジル)−2−チオプソイド尿素を使用した同様の方法による。無色の油状物414mg(40%)を得た。MS:m/z=346(M+H)。
【0122】
実施例6
4−〔6−メチル−2−(4−メチル−ベンジルスルファニル)−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−(4−メチル−ベンジル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩を使用した同様の方法による。無色の油状物427mg(48%)を得た。MS:m/z=330(M+H)。
【0123】
実施例7
4−〔6−メチル−2−((E)−3−m−トリル−アリルスルファニル)−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−((E)−3−m−トリル−アリル)−イソチオ尿素を使用した同様の方法による。黄色の油状物100mg(20%)を得た。MS:m/z=356(M+H)。
【0124】
実施例8
4−〔6−メチル−2−(4−フェノキシ−ブチルスルファニル)−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−(4−フェノキシ−ブチル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩を使用した同様の方法による。黄色の油状物100mg(18%)を得た。MS:m/z=374(M+H)。
【0125】
実施例9
4−(2−ブチルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
2−ブチル−イソチオ尿素ヨウ化水素酸塩を使用した同様の方法による。黄色の油状物100mg(23%)を得た。MS:m/z=282(M+H)。
【0126】
実施例10
4−〔2−(1,3−ジメチル−ブチルスルファニル)−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−(1,3−ジメチル−ブチル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩を使用した同様の方法による。黄色の油状物100mg(20%)を得た。MS:m/z=310(M+H)。
【0127】
実施例11
4−〔2−(4−tert−ブチル−ベンジルスルファニル)−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−(4−tert−ブチル−ベンジル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩を使用した同様の方法による。黄色の油状物200mg(32%)を得た。MS:m/z=372(M+H)。
【0128】
実施例12
4−〔6−メチル−2−(3−フェニル−プロピルスルファニル)−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリン
2−(3−フェニル−プロピル)−イソチオ尿素臭化水素酸塩を使用した同様の方法による。黄色の油状物300mg(48%)を得た。MS:m/z=344(M+H)。
【0129】
実施例13
4−(2−エチルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
2−エチル−2−チオプソイド尿素臭化水素酸塩を使用した同様の方法による。黄色の油状物1.5g(55%)を得た。MS:m/z=254(M+H)。
【0130】
実施例14
4−(6−メチル−2−オクチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
5−モルホリン−4−イル−ペンタ−3−イン−2−オン(0.2g、1.2mmol)及びノナンアミジンメシラート(0.5g、3mmol)をMeOH(5ml)に溶解し、MeOH中のナトリウムメチラート5.4M溶液(1.33ml、7mmol)により還流下で15時間処理した。MeOHを蒸発させ、混合物をAcOEt及び水で抽出した。粗生成物を、ヘプタン/AcOEt勾配の100:0〜80:20を用いるSi−アミンのクロマトグラフィーにより精製して、明黄色の油状物(0.2g、54%)を得たMS:m/z=306.4(M+H)。
【0131】
工程A4:
4−(2−エタンスルホニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
4−(2−エチルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン(2g、6.4mmol)をMeOH(20mL)に溶解し、一過硫酸カリウムトリプル塩(5.57g、9mmol)で2時間処理した。濾過し、濾液を10%NaHSO3水溶液(10mL)と共に5分間撹拌し、次にAcOEt/H2Oで抽出した。ヘプタン/AcOEt 3:2〜2:3勾配を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより、無色の油状物(0.6g、36%)を得た。MS:m/z=286(M+H)。
【0132】
工程A5:
実施例15
(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(4−メチル−6−モルホリン−4−イルメチル−ピリミジン−2−イル)−アミン
THF(2mL)に溶解した、4−(2−エタンスルホニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン(0.2g、0.55mmol)及び3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミン(0.51g、2.1mmol)を20℃で一晩撹拌した。蒸発させ、AcOEt(40ml)及びNaHCO3(40ml)で抽出した。AcOEt/ヘプタン2:1でのシリカゲルのクロマトグラフィーにより、明黄色の油状物(60mg、20%)を得た。MS:m/z=435(M+H)。
【0133】
工程B1:
5,5−ジエトキシ−ペンタ−3−イン−2−オン
プロパルギルアルデヒドジエチルアセタール(40g、312mmol)をアルゴン下でTHF(200mL)に溶解し、−70℃に冷却した。次に、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.6M溶液(234mL、374mmol)を加え、撹拌を−30℃で30分間続けた。次にTHF(10mL)中のN−メトキシ−N−メチルアセトアミド(38.6g、374mmol)を加えた。−30℃で30分後、反応を、飽和NH4Cl溶液(20mL)の添加で停止させた。生成物をAcOEt(2×200mL)、NH4Clの飽和溶液(2×200mL)で抽出し、乾燥し、濃縮した。ヘプタン/酢酸エチル勾配100:0〜95:5を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより、無色の油状物38.5g(72%)を得た。GC/MS:m/z=232(M)。
【0134】
5,5−ジエトキシ−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3−イン−2−オン
3,3−ジエトキシ−1−プロピン(10mL、70mmol)をアルゴン下でTHF(200mL)に溶解し、−70℃に冷却した。次にヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.6M溶液(48mL、77mmol)を−70℃でゆっくりと加え、次に−30℃に温めさせ、−30℃で30分間撹拌し、次に再び−70℃に冷却した。トリフルオロ酢酸エチル(9.2mL、77mmol)を−70℃で一度に加え(温度は−50℃に上昇した)、次に冷却しないで−30℃に達するまで撹拌し、次に飽和NH4Cl溶液(20mL)で停止させた。抽出:2×AcOEt、1×飽和NH4Cl、1×飽和NaCl。ヘプタン/酢酸エチル5:1でのシリカゲルのクロマトグラフィーにより、橙色の油状物4.94g(31%)を得た。GC/MS:m/z=223(MH)。
【0135】
1−シクロプロピル−4,4−ジエトキシ−ブタ−2−イン−1−オン
3,3−ジエトキシ−1−プロピン(10mL、70mmol)をアルゴン下でTHF(150mL)に溶解し、−70℃に冷却した。次にヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.6M溶液(48mL、77mmol)を−70℃でゆっくりと加え、次に−30℃に温めさせ、−30℃で30分間撹拌し、次に再び−70℃に冷却した。シクロプロパンカルボン酸メトキシ−メチル−アミド(10g、77mmol)を−70℃で一度に加え(温度は−50℃に上昇した)、次に冷却しないで0℃に達するまで撹拌し、次に飽和NH4Cl溶液(20mL)で停止させた。抽出:2×AcOEt、1×飽和NH4Cl、1×飽和NaCl。粗褐色の油状物(15g)を、ヘプタン/酢酸エチル10:1でのシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。黄色を帯びた油状物6g(43%)を得た。MS:m/z=151(M)。
【0136】
4,4−ジエトキシ−ブタ−2−イナール
3,3−ジエトキシ−1−プロピン(10mL、70mmol)をアルゴン下でTHF(50mL)に溶解し、−70℃に冷却した。次にヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.6M溶液(48mL、77mmol)を−70℃でゆっくりと加え、次に−40℃に温めさせ、−40℃で15分間撹拌し、次に再び−70℃に冷却した。DMF(6mL、77mmol)を−70℃で加え、次に冷却しないで−10℃に達するまで撹拌し、次に飽和NH4Cl溶液(10mL)で停止させた。抽出:AcOEt、飽和NH4Cl溶液。クロマトグラフィー:ヘプタン/酢酸エチル95:5。揮発性で無色の油状物300mg(2.7%)を得て、それを次の工程に直接使用した。
【0137】
工程B2:
4−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン
5,5−ジエトキシ−ペンタ−3−イン−2−オン(15g、88mmol)及び2−ヘキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩(23g、97mmol)を窒素下でTHF(150mL)に溶解した。次にトリエチルアミン(27mL、194mmol)を、氷浴で冷却して温度を20℃に保持しながら、ゆっくりと加えた。懸濁液を冷却しないで5時間撹拌した。生成物をAcOEt、飽和NH4Cl溶液で抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣を、ヘプタン/AcOEt 20:1のシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物22.3g(80%)及び黄色の副産物2.8gを得た。
【0138】
4−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−6−トリフルオロメチル−ピリミジン
5,5−ジエトキシ−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3−イン−2−オン(2g、8.9mmol)及び2−ヘキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩(2.4g、9.8mmol)を窒素下でTHF(20mL)に溶解した。次にトリエチルアミン(2.7mL、19.6mmol)をゆっくりと加えた。反応は発熱性(40℃)であった。懸濁液を20℃で4時間撹拌した。生成物をAcOEt、飽和NH4Cl溶液で抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣を、ヘプタン/AcOEt 20:1のシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物2.5g(76%)を得た。MS:m/z=367(M+H)。
【0139】
4−シクロプロピル−6−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン
1−シクロプロピル−4,4−ジエトキシ−ブタ−2−イン1−オン(2g、10mmol)及び2−ヘキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩(2.7g、11.2mmol)を窒素下でTHF(20mL)に溶解した。次にトリエチルアミン(3.1mL、22.4mmol)をゆっくりと加えた。反応は僅かに発熱性(28℃)であった。懸濁液を20℃で5時間撹拌した。生成物をAcOEt、飽和NH4Cl溶液で抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣を、ヘプタン/酢酸エチル95:5のシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物2.86g(83%)を得た。MS:m/z=339(M+H)。
【0140】
4−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン
4,4−ジエトキシ−ブタ−2−イナール及び2−ヘキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩(300mg、1.9mmol)(509g、2.1mmol)を窒素下でTHF(3mL)に溶解した。次にトリエチルアミン(0.6mL、4.2mmol)を加えた。次に懸濁液を20℃で一晩撹拌した。生成物をAcOEt、飽和NH4Cl溶液で抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣を、ヘプタン/酢酸エチル95:5のシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物260mg(45%)を得た。MS:m/z=299(M+H)。
【0141】
工程B3:
2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−カルボアルデヒド
4−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン(19g、60.8mmol)をTHF(100mL)及び4N H2SO4水溶液(100mL)に溶解し、50℃で33時間加熱した。冷10%Na2CO3溶液(400mL)に注ぎ、酢酸エチル及びNaCl飽和溶液で抽出した。粗油状物を、ヘプタン/DCM勾配の100:0〜67:33を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。黄色の油状物10.7g(74%)を得た。
【0142】
2−ヘキシルスルファニル−6−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−カルボアルデヒド
4−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−6−トリフルオロメチル−ピリミジン(1.6g、4.4mmol)を、トリフルオロ酢酸(15mL)及び水(1.5mL)中、20℃で10時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、残渣を酢酸エチル、飽和Na2CO3溶液及び飽和NaCl溶液で抽出した。黄色の油状物1.18g(92%)を得た。MS:m/z=311(M+H+H2O、水和物)。
【0143】
6−シクロプロピル−2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン−4−カルボアルデヒド
4−シクロプロピル−6−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン(2.7g、8mmol)をTHF(13mL)及び4N HCl(13mL)に溶解し、20℃で19時間撹拌した。反応混合物を冷10%Na2CO3(100mL)に注ぎ、AcOEtで2回、飽和NaCl溶液で1回抽出した。粗生成物を、勾配100:0〜67:33のヘプタン/DCMでのシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。黄色の油状物2g(94%)を得て、それを冷蔵庫中に放置して凝固させた。MS:m/z=264(M)。
【0144】
2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン−4−カルボアルデヒド
4−ジエトキシメチル−2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン(250mg、0.8mmol)をTHF(5mL)及び4N HCl(5mL)中、20℃で64時間撹拌した。反応混合物を冷10%Na2CO3に注ぎ、AcOEtで2回、飽和NaCl溶液で1回抽出した。粗生成物を、ヘプタン/AcOEt 10:1でのシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。黄色の油状物138mg(73%)を得た。MS:m/z=224(M)。
【0145】
工程B4:
実施例16
2−へキシルスルファニル−4−メチル−6−ピロリジン−1−イルメチル−ピリミジン
2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−カルボアルデヒド(0.1g、0.42mmol)をエタノール(1mL)及び酢酸(0.1mL)に溶解した。次にピロリジン(0.07mL、1mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(26mg、0.4mmol)を20℃でゆっくりと加え、撹拌を24時間続けた。反応混合物を蒸発乾固し、最小量のDMF(0.8mL)に溶解し、アセトニトリル−水勾配を用いるYMC combiprep ODS-AQ カラム(75×20mm iD、S−5μM、12nm)の分取HPLCクロマトグラフィーにより直接精製した。黄色の液体34.7mg(28%)を得た。MS:m/z=294(M+H)。
【0146】
実施例17
1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−ピロリジン−3−オール
3−ピロリジノールを使用した同様の方法による。MS:m/z=310(M+H)。
【0147】
実施例18
〔1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−ピロリジン−3−イル〕−ジメチル−アミン
3−(ジメチルアミノ)ピロリジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=337(M+H)。
【0148】
実施例19
2−へキシルスルファニル−4−メチル−6−ピペリジン−1−イルメチル−ピリミジン
ピペリジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=308(M+H)。
【0149】
実施例20
8−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン
1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ(4.5)デカンを使用した同様の方法による。MS:m/z=366(M+H)。
【0150】
実施例21
1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−ピペリジン−3−カルボン酸アミド
ニペコトアミドを使用した同様の方法による。MS:m/z=351(M+H)。
【0151】
実施例22
4−(3,5−ジメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン
3,5−ジメチル−ピペリジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=336(M+H)。
【0152】
実施例23
1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−ピペリジン−4−オール
4−ヒドロキシピペリジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=324(M+H)。
【0153】
実施例24
2−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−デカヒドロ−イソキノリン
デカヒドロイソキノリンを使用した同様の方法による。MS:m/z=362(M+H)。
【0154】
実施例25
1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−4−メチル−〔1,4〕ジアゼパン
N−メチルホモピペラジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=337(M+H)。
【0155】
実施例26
2−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを使用した同様の方法による。MS:m/z=356(M+H)。
【0156】
実施例27
1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−アゼパン
ヘキサメチレンイミンを使用した同様の方法による。MS:m/z=322(M+H)。
【0157】
実施例28
(2S,6R)−4−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−2,6−ジメチル−モルホリン
シス−2,6−ジメチルモルホリンを使用した同様の方法による。MS:m/z=338(M+H)。
【0158】
実施例29
1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−ピペリジン3−オール
3−ヒドロキシピペリジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=324(M+H)。
【0159】
実施例30
4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン
N−エチルピペラジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=337(M+H)。
【0160】
実施例31
2−へキシルスルファニル−4−メチル−6−(2−メチル−ピペリジン−1−イルメチル)−ピリミジン
2−メチルピペリジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=322(M+H)。
【0161】
実施例32
1−〔4−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−〔1,4〕ジアゼパン−1−イル〕−エタノン
N−アセチルホモピペラジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=365(M+H)。
【0162】
実施例33
4−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−〔1,4〕オキサゼパン
ホモモルホリン塩酸塩を使用した同様の方法による。MS:m/z=323(M+H)。
【0163】
実施例34
4−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン
2,6−ジメチルピペラジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=337(M+H)。
【0164】
実施例35
(1S,5S)−3−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1,5−メタノ−ピリド〔1,2−α〕〔1,5〕ジアゾシン−8−オン
(−)−シチシンを使用した同様の方法による。MS:m/z=413(M+H)。
【0165】
実施例36
1−ベンジル−4−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−〔1,4〕ジアゼパン
1−ベンジル−ヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピンを使用した同様の方法による。MS:m/z=413(M+H)。
【0166】
実施例37
4−(2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン
2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−カルボアルデヒド(0.2g、1mmol)及び2,6−ジメチルピペリジン(0.23mL、2mmol)をオルトチタン酸テトライソプロピル(0.5mL)に溶解し、20℃で1時間撹拌した。溶液を2−プロパノール(5mL)で希釈し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(105mg、2mmol)により20℃で20時間処理した。水(1mL)を加え、得られた沈殿物を濾取し、蒸発させた。生成物をAcOEt、飽和NH4Cl溶液で抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣を、アセトニトリル−水勾配を用いるYMC combiprep ODS-AQ カラム(75×20mm iD、S−5μM、12nm)の分取HPLCクロマトグラフィーにより精製した。無色の液体37mg(36%)を得た。MS:m/z=336(M+H)。
【0167】
実施例38
4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン
シス−2,6−ジメチルピペリジンを使用した同様の方法による。MS:m/z=336(M+H)。
【0168】
実施例39
4−(2−ヘキシルスルファニル−6−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
2−ヘキシルスルファニル−6−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−カルボアルデヒド(0.5g、1.7mmol)及びモルホリン(0.16mL、1.9mmol)をエタノール(5mL)及び酢酸(0.5mL)に溶解し、ボラン−ピリジン錯体(0.19mL、1.9mmol)により20℃で4時間処理した。反応混合物を蒸発乾固した。抽出:2×AcOEt、1×10%Na2CO3水溶液。目的生成物と、より極性のある還元アルデヒドとの混合物を得た。この混合物を、ヘプタン/酢酸エチル10:1〜1:1までの勾配を用いるSilicycleからのSi−アミンのクロマトグラフィーにより分離した。無色の油状物220mg(35%)を得た。MS:m/z=364(M+H)。
【0169】
実施例40
4−(6−シクロプロピル−2−へキシルスルファニル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
6−シクロプロピル−2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン−4−カルボアルデヒドから同様の方法による。無色の油状物342mg(54%)を得た。MS:m/z=336(M+H)。
【0170】
実施例41
4−(2−へキシルスルファニル−6−エチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
6−エチル−2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン−4−カルボアルデヒドから同様の方法による。無色の油状物を得た。MS:m/z=324(M+H)。
【0171】
実施例42
4−(2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン
2−ヘキシルスルファニル−ピリミジン−4−カルボアルデヒドから同様の方法による。無色の油状物62mg(36%)を得た。MS:m/z=296(M+H)。
【0172】
工程C1:
5−ヒドロキシ−ヘキサ−3−イン−2−オン
アセトン(50mL)中の3−ヘキシン−2,5−ジオール(5mL、45mmol)の溶液を窒素下、氷中で冷却した。ジョーンズ試薬(22ml、45mmol、4M H2SO4中の2M CrO3)を2時間かけて5℃でゆっくりと加えた。得られた緑色の溶液をクロム塩からデカントし、AcOEt及び飽和NaCl溶液で抽出した。粗生成物を、ヘプタン/AcOEt勾配を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物2.2g(45%)を得た。
【0173】
工程C2:
1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エタノール
5−ヒドロキシ−ヘキサ−3−イン−2−オン(2g、18mmol)及び2−ヘキシル−イソチオ尿素臭化水素酸塩(5.2g、21mmol)をTHF(10mL)に溶解した。次にトリエチルアミン(5.5mL、40mmol)を加え、撹拌を3時間続けた。反応は僅かに発熱性であった。混合物をAcOEt及び飽和HN4Cl溶液で抽出した。粗生成物を、ヘプタン/AcOEt勾配を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。明黄色の油状物2.8g(61%)を得た。MS:m/z=254(M)。
【0174】
工程C3:
1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エタノン
1−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エタノール(2.2g、8.65mmol)を窒素下でアセトン(20mL)に溶解した。次に4M H2SO4 100mL中のCrO3 20gから調製された2Mジョーンズ試薬(6.5mL、13mmol)を滴加した。20℃で2時間撹拌した後、得られた緑色の溶液をクロム塩からデカントし、AcOEt及び飽和NaCl溶液で抽出した。粗生成物を、ヘプタン/AcOEt勾配を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。白色の結晶960mg(44%)を得た。MS:m/z=252(M)。
【0175】
工程C4:
実施例43
4−〔1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エチル〕−モルホリン
1−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エタノン(200mg、0.79mmol)及びモルホリン(138μL、1.58mol)をオルトチタン酸テトライソプロピル(0.5mL)に溶解し、80℃で16時間加熱した。褐色の溶液を2−プロパノール(5mL)で希釈し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(32mg、0.5mmol)により20℃で6時間処理した。抽出:2×AcOEt、2×飽和NH4Cl溶液。クロマトグラフィー:Si−アミン、ヘプタン/酢酸エチル85:15。黄色の油状物86mg(34%)を得た。MS:m/z=324(M+H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】


〔式中、
Xは、−S−又は−NH−であり;
1は、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル又はアリール−O−アルキルであり、ここでアリール基は、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又は低級ハロゲン−アルキルからなる群より選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;
2は、水素、低級アルキル又はシクロアルキルであり;
3/R4は、それらが結合しているN原子と一緒になって、非芳香族の5、6又は7員環を形成してもよく、これは、N原子に加えて、O、S又はNからなる群より選択される1個の追加のヘテロ原子を含有してもよく、ここでこの環は、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、−NR2、−CONR2、−CO−低級アルキル又はベンジルで場合により置換されているか;或いは
それらが結合しているN原子と一緒になって、少なくとも2つの環を含有する複素環系を形成してもよく、これは、N又はOからなる群より選択される1又は2個の追加のヘテロ原子を含有してもよく;
Rは、水素又は低級アルキルであり;
5は、水素又は低級アルキルである〕で示される化合物、並びに
薬学的に適切なその酸付加塩。
【請求項2】
Xが−S−である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1がアルキルであり、そしてR3及びR4が、N原子と一緒になって5又は6員環を形成し、これが、追加のOヘテロ原子を含有してもよく、非置換であるか又は低級アルキルで置換されている、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
3及びR4が、N原子と一緒になってモルホリン環を形成する、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
化合物が、
4−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン、
4−(6−メチル−2−ペンチルスルファニル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン、
4−(2−ヘキシルスルファニル−6−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン、
4−(2−へキシルスルファニル−6−エチル−ピリミジン−4−イルメチル)−モルホリン及び
4−〔1−(2−へキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−エチル〕−モルホリン
である、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
3及びR4が、N原子と一緒になってピロリジン又はピペリジン環を形成し、これが、低級アルキルで場合により置換されている、請求項3記載の化合物。
【請求項7】
化合物が、
2−へキシルスルファニル−4−メチル−6−ピロリジン−1−イルメチル−ピリミジン、
2−へキシルスルファニル−4−メチル−6−(2−メチル−ピペリジン−1−イルメチル)−ピリミジン、
4−(2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン及び
4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン
である、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
1が、低級アルキルで場合により置換されているアラルキルであり、そしてR3及びR4が、N原子と一緒になって5又は6員環を形成し、これが、追加のOヘテロ原子を含有してもよい、請求項2記載の化合物。
【請求項9】
化合物が、4−〔2−(4−tert−ブチル−ベンジルスルファニル)−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル〕−モルホリンである、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
3及びR4が、N原子と一緒になって、少なくとも2つの環を含有する複素環系を形成し、それが、N又はOからなる群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含有してもよい、請求項2記載の化合物。
【請求項11】
化合物が、(1S,5S)−3−(2−ヘキシルスルファニル−6−メチル−ピリミジン−4−イルメチル)−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1,5−メタノ−ピリド〔1,2−α〕〔1,5〕ジアゾシン−8−オンである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
5が水素である、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項13】
5がメチルである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項14】
Xが−NH−である、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項15】
GABABレセプターに関連する疾患の処置のための、1つ以上の、請求項1〜14のいずれか1項記載の式Iの化合物又は薬学的に許容しうるその塩と、不活性担体とを含有する薬剤。
【請求項16】
不安、抑うつ、てんかん、統合失調症、認知障害、痙縮及び骨格筋硬直、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺、神経因性疼痛及びコカインとニコチンに関連する依存症、精神病、パニック障害、心的外傷後ストレス障害又は胃腸障害の処置のための、請求項15記載の薬剤。
【請求項17】
請求項1記載の式Iの化合物の調製方法であって、
a)式V:
【化2】


で示される化合物を、式VI−a:
【化3】


で示される化合物と反応させて、式Ia:
【化4】


(式中、R1〜R4は請求項1と同義である)で示される化合物とすること、又は
b)下記式:
【化5】


で示される化合物を、下記式:
【化6】


で示されるアミンと反応させて、式Ib:
【化7】


(式中、R1〜R4は請求項1と同義である)で示される化合物とすること、又は
c)式XI:
【化8】


で示される化合物を、式II:
【化9】


で示されるアミンと反応させて、式Ia:
【化10】


(式中、R1〜R4は請求項1と同義である)で示される化合物を得ること、又は
d)下記式:
【化11】


で示される化合物を、式II:
【化12】


で示されるアミンと反応させて、式Ic:
【化13】


(式中、R1〜R4は請求項1と同義である)で示される化合物を得ること、そして
所望であれば、得られる式Iの化合物を薬学的に許容しうる塩に変換すること
を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法又は同等な方法により調製される、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項19】
不安、抑うつ、てんかん、統合失調症、認知障害、痙縮及び骨格筋硬直、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺、神経因性疼痛及びコカインとニコチンに関連する依存症、精神病、パニック障害、心的外傷後ストレス障害又は胃腸障害の処置のための薬剤の製造における、請求項1〜14のいずれか1項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項20】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2007−526266(P2007−526266A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501167(P2007−501167)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001814
【国際公開番号】WO2005/094828
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】