説明

乗客コンベア、情報通信システム、携帯通信端末、情報取得方法

【課題】 非接触ICカードリーダライタが設置されている特定の場所へわざわざユーザを出向かせることなく、ユーザに種々の情報等を提供可能とする。
【解決手段】
乗客コンベア40は、移動手摺41と複数の連結された踏板とが同期して駆動され、踏板上に乗った乗客を所定方向に移動させる。乗客コンベア40の移動手摺41の下方には、当該移動手摺41の移動方向を規制するためのレール部42が設けられている。そして、そのレール部42内には非接触ICカードリーダライタ30が設置されている。ここで、非接触ICカードを搭載した携帯電話端末20を乗客コンベア40の移動手摺41の上に置けば、その移動手摺41の移動に伴って、携帯電話端末20は非接触ICカードリーダライタ30に自動的に近づくことになる。これにより、非接触ICカードリーダライタ30と携帯電話端末20の非接触ICカードは通信を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば非接触ICカードリーダライタのような非接触通信装置を搭載した乗客コンベアと、その乗客コンベアと非接触通信機能を搭載した携帯通信端末とからなる情報通信システム、その携帯通信端末、及び、情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる非接触ICカードは、利用者の使い勝手が良いこと、耐久性が優れていること、複数カードへの同時アクセスが可能であること、メンテナンス性が良いこと、などの利点を活かし、例えば電車の乗車券やプリペイドカード、いわゆる電子財布として普及しつつある。
【0003】
これらの非接触ICカードは、ネットワークに接続された専用のリーダライタ(非接触ICカードリーダライタ)に近接した際に、内部に格納している種々のデータの書き込みや消去、更新等が当該リーダライタにより行われる。
【0004】
また最近は、携帯通信端末の一例である携帯電話端末に非接触ICカード機能を搭載することが実用化され始めており、当該非接触ICカード機能を携帯電話端末に搭載することにより、電子決済や情報提供等の新しいサービスを提供することが検討されている。
【0005】
なお、特開2001−273528の公開特許公報(特許文献1)には、乗車券類データや電子財布のデータを格納すると共に、自動改札機との間で近距離無線通信を行う近距離通信手段を有するICモジュールが組み込まれた携帯端末が開示されている。この公報記載の技術において、携帯端末の使用者が駅構内から自動改札機を通って外に出る場合、携帯端末と自動改札機との間で上記近距離通信が行われ、その自動改札機による自動改札が行われる。このとき、携帯端末が格納している乗車券類データから運賃相当のデータが引き出されるか若しくは電子財布から運賃相当の金額が差し引かれる。そして、当該携帯端末の表示手段には、残りの乗車券類データ若しくは電子財布残額が表示される。
【0006】
【特許文献1】特開2001−273528公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したような携帯通信端末に非接触ICカード機能を搭載し、その非接触ICカード機能を利用して各種の情報を取得するようなことを考えた場合、ユーザは、非接触ICカードリーダライタが備え付けられている特定の場所へ足を運び、その非接触ICカードリーダライタに自己の携帯通信端末を近接(つまり非接触ICカードを近接)させなければならない。すなわち、ユーザは、上記非接触ICカードリーダライタから情報の提供や配信を受けるためには、その非接触ICカードリーダライタが設置されている特定の場所へ出向かなければならない。
【0008】
また例えば、或る特定の場所に情報提供用の非接触ICカードリーダライタが設置されているような場合において、ユーザは、その非接触ICカードリーダライタにより提供される情報がどのようなものであるかを必ずしも知っているとは限らない。このように、非接触ICカードリーダライタにより提供される情報が、ユーザにとってその内容が明確でない情報である場合、ユーザは、その非接触ICカードリーダライタが設置されている特定の場所にわざわざ足を運ぶことは必ずしも多くないと思われる。特に、その情報提供用の非接触ICカードリーダライタの設置場所が、ユーザにとって立ち寄り難い場所や混雑した場所であるような場合、ユーザは、よほど興味を持たない限り、その場所にまで行って非接触ICカードリーダライタから情報を取得しようとは思わない。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、非接触ICカードリーダライタが設置されている特定の場所へわざわざユーザを出向かせることなく、ユーザに種々の情報等を提供可能とする、乗客コンベアと、その乗客コンベアと非接触通信機能を搭載した携帯通信端末とからなる情報通信システム、その携帯通信端末、及び、情報取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の乗客コンベアは、ベルト状の移動手摺と複数の連結された踏板とが同期して駆動される乗客コンベアであり、移動手摺の近傍に、非接触通信により少なくとも情報を送信可能な非接触通信装置を配してなることにより、上述した課題を解決する。
【0011】
また、本発明の情報通信システムは、ベルト状の移動手摺と複数の連結された踏板とが同期して駆動される乗客コンベアと、乗客コンベアの移動手摺近傍に配され、非接触通信により少なくとも情報を送信可能な非接触通信装置と、非接触通信装置との間で非接触通信が可能な非接触通信機能を備えた携帯通信端末とを有し、乗客コンベアの移動手摺と踏板の移動に伴って非接触通信装置に携帯通信端末が近接したとき、非接触通信装置と携帯通信端末の非接触通信機能との間で情報通信を行うことにより、上述した課題を解決する。
【0012】
また、本発明の携帯通信端末は、非接触通信により少なくとも情報の受信を行うための非接触通信手段と、所定の通信網を使用した通信を行うための網通信手段と、非接触通信手段が受信した情報に基づき、所定の通信網を介して所定の情報提供装置へ接続させ、その情報提供装置から所望の情報を取得する制御手段と、その取得した情報を利用者に提示する情報提示手段とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0013】
また、本発明の情報取得方法は、非接触通信により少なくとも情報の受信をする非接触通信ステップと、所定の通信網を使用した通信を行うための通信ステップと、非接触通信ステップにて受信した情報に基づき、所定の通信網を介して所定の情報提供装置と接続する接続ステップと、接続ステップにて接続した情報提供装置から所望の情報を取得する情報取得ステップとを有することにより、上述した課題を解決する。
【0014】
すなわち、本発明によれば、乗客コンベアの移動手摺近傍に非接触通信装置が配されており、また、携帯通信端末は非接触通信機能を有している。したがって、その携帯通信端末を乗客コンベアの移動手摺近傍に置けば、その乗客コンベアの移動に伴って、携帯通信端末が自動的に非接触通信装置の近傍に来ることになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、乗客コンベアの移動手摺近傍に非接触通信装置を配し、非接触通信機能を有する携帯通信端末を乗客コンベアの移動手摺近傍に置くようなことにより、例えば、非接触ICカードリーダライタが設置されている特定の場所へわざわざユーザを出向かせることなく、ユーザに種々の情報等を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明の一例として、非接触ICカードリーダライタ機能を搭載した乗客コンベアと非接触ICカード機能を搭載した携帯電話端末、及びそれらからなるシステムを挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0017】
〔第1の実施形態〕
図1〜図3には、本発明実施形態の非接触ICカードを備えた携帯電話端末20が、本発明実施形態の非接触ICカードリーダライタ30を搭載した乗客コンベア40から情報の提供を受ける際の概略図を示す。なお、図1〜図3は、乗客コンベア40の移動手摺41の一部とその周辺部分のみを示しており、図1にはそれらの概略的な外観斜視図を、図2には概略的な側面図を、図3には移動手摺41とその上に置かれた携帯電話端末20の一例を示している。
【0018】
本実施形態の乗客コンベア40は、いわゆるエスカレータや動く歩道等であり、一般的なエスカレータや動く歩道と同様に、図示しない複数の連結された踏板と、ベルト状の移動手摺41が同期して駆動されるものである。なお、エスカレータの場合は各踏板が段差を持った状態で連結されており、一方、動く歩道の場合は各踏板が略々水平に連結されている。移動手摺41は、レール部42に沿ってベルトが移動するようになされており、また、当該レール部42の所定の場所の内部には、本実施形態の非接触ICカードリーダライタ30が固定されて設置されている。
【0019】
本実施形態の携帯電話端末20は、非接触ICカードを搭載した携帯電話機であり、一般的な携帯電話機と同様に、操作部23や表示部24等を備えている。また、本実施形態の携帯電話端末20は、非接触ICカードの制御、非接触ICカードに書き込まれている情報や非接触ICカードリーダライタ30からの情報を当該非接触ICカードが受信した情報等を表示部23上に表示することなどの各種動作を実行するためのアプリケーションプログラムを有している。なお、当該アプリケーションプログラムには、非接触ICカードにアクセス及び連動するネイティブアプリケーションやその他のアプリケーションが含まれている。
【0020】
ここで、図1〜図3に示すように、乗客コンベア40の移動手摺41上に、本実施形態の携帯電話端末20が例えば置かれた状態で、当該移動手摺41がレール部42上を移動すると、上記携帯電話端末20は、その移動手摺41の移動に伴って動いていくことになり、やがては上記非接触ICカードリーダライタ30の設置場所の上を通過することになる。そして、上記非接触ICカードリーダライタ30の上を携帯電話端末20が通過する時、本実施形態の非接触ICカードリーダライタ30は、必要に応じて、上記携帯電話端末20に搭載されている非接触ICカードと非接触通信を行い、当該非接触ICカードに対する情報の書き込みや読み出し等を行う。
【0021】
このように、本実施形態によれば、携帯電話端末20は、乗客コンベア40の移動手摺41の移動に伴って、非接触ICカードが非接触ICカードリーダライタ30と通信した情報を自動的に取得、つまり非接触ICカードリーダライタ30から提供された情報を自動的に取得することができる。
【0022】
また、本実施形態においては、移動手摺41のレール部42内に非接触ICカードリーダライタ30を配置しているため、移動手摺41上に置かれた携帯電話端末20の非接触ICカードと上記非接触ICカードリーダライタ30との間の距離や、移動手摺41上に置かれた携帯電話端末20の非接触ICカードが非接触ICカードリーダライタ30に近接する際の速度が略々一定に保たれることになる。したがって、本実施形態によれば、非接触ICカードリーダライタ30が非接触ICカードと通信する際の感度調整が容易であると共に、通信自体も良好に行えることになる。
【0023】
なお、図3に示したように、表示部23が見える状態で携帯電話端末20を移動手摺41の上に置き、上記非接触ICカードリーダライタ30から取得した情報を表示部23に表示させることにした場合、ユーザは、当該非接触ICカードリーダライタ30から取得した情報を直ちに見ることができることになる。
【0024】
〔情報取得時の動作〕
以下、本実施形態の携帯電話端末20が、上記乗客コンベア40に設置されている非接触ICカードリーダライタ30から情報を取得するまでの概略的な動作の流れについて説明する。
【0025】
先ず、ユーザは、乗客コンベア40に乗る際に、携帯電話端末20が有する各種のアプリケーションプログラムのうち、上記非接触ICカードにアクセス及び連動するアプリケーションプログラムを起動させることで、非接触ICカードが非接触ICカードリーダライタ30からの情報を受信可能な状態にしておく。なお、非接触ICカードにアクセス及び連動するアプリケーションプログラムは、乗客コンベア40に乗る時だけでなく、常に動作状態になされていても良い。また、ユーザは、乗客コンベア40に乗ったとき、上記携帯電話端末20を、図3に示すように移動手摺41上に載せるように置くか、若しくは、移動手摺41の近くで手に持つようにする。
【0026】
そして、上述のように移動手摺41上に携帯電話端末20が置かれた状態で移動手摺41の移動するか、若しくは、携帯電話端末20を手に持ったユーザが乗客コンベア40の踏板の移動に伴って移動することにより、携帯電話端末20に搭載されている非接触ICカードが上記非接触ICカードリーダライタ30に近接すると、当該非接触ICカードリーダライタ30からは非接触ICカードへ情報が送信されることになる。これにより、携帯電話端末20は、当該非接触ICカードが受信した情報を取得する。
【0027】
その後、当該情報を取得した携帯電話端末20は、上記起動しているアプリケーションプログラムにより、当該情報の内容に応じた処理を行う。
【0028】
〔取得した情報の内容に応じた処理の具体例〕
ここで、上記携帯電話端末20のアプリケーションプログラムが実行する処理としては、例えば、上記非接触ICカードリーダライタ30から取得した情報に基づいて、当該携帯電話端末20を携帯電話ネットワーク等に接続させ、その携帯電話ネットワークを介して別の情報を取得するような処理が考えられる。
【0029】
以下、図4に示すシステム構成を参照しつつ、本実施形態の携帯電話端末20が非接触ICカードリーダライタ30から取得する情報32と、その取得した情報32の内容に応じて本実施形態の携帯電話端末20のアプリケーションプログラムが実行する処理の具体例について説明する。
【0030】
〔情報提供の具体例〕
〔第1の具体例〕
先ず、第1の具体例として、本実施形態の非接触ICカードリーダライタ30を備えた乗客コンベア40が、例えば駅に設置されているような場合、本実施形態の乗客コンベア40に設けられている非接触ICカードリーダライタ30が本実施形態の携帯電話端末20へ提供する情報としては、例えばその駅に関連する情報32を挙げることができる。ここで、当該駅に関連する情報32としては、例えばその駅の駅名情報を挙げることができる。すなわち、この第1の具体例の場合、乗客コンベア40に設けられている非接触ICカードリーダライタ30に携帯電話端末20が近接したとき、当該非接触ICカードリーダライタ30からは、非接触通信31により、上記駅名情報32が携帯電話端末20の非接触ICカード22へ送信される。
【0031】
乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から駅名情報32を取得した本実施形態の携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、携帯電話ネットワーク11に接続し、当該携帯電話ネットワーク11上に設けられているサーバ(情報提供装置)10から、上記駅名情報32に関連した別の情報12を取得する。ここで、上記駅名情報32に関連した別の情報12としては、例えばその駅から目的駅までの乗り換え案内情報や、電車遅延などのトラブル関連の情報、駅周辺の地図情報、駅周辺のお勧め店舗情報、駅周辺でのイベント情報などを挙げることができる。なお、目的駅の情報は、アプリケーションプログラム21により予め登録されていても良いし、その都度ユーザが入力しても良い。また、携帯電話端末20がサーバ10へ接続するためのサーバアドレス情報は、アプリケーションプログラム21により予め登録れていても良いし、非接触ICカードリーダライタ30から取得した情報32内に含まれていても良い。
【0032】
上述のように、サーバ10から上記乗り換え案内等の情報12を取得したアプリケーションプログラム21は、その情報12を例えば表示部24に表示させる。
【0033】
この第1の具体例によれば、ユーザは、駅の乗客コンベア40近傍に携帯電話端末20を置くだけで、その駅から目的駅までの乗り換え案内情報や、電車遅延等のトラブル関連情報、駅周辺の地図情報、駅周辺のお勧め店舗情報、駅周辺でのイベント情報などを、より簡単に取得することが可能となる。
【0034】
なお、第1の具体例では、乗り換え案内やトラブル関連等の情報12がサーバ10から携帯電話端末20へ配信される例を挙げているが、それら乗り換え案内やトラブル関連等の情報12は、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から直接携帯電話端末20へ配信されても良い。
【0035】
〔第2の具体例〕
また、第2の具体例として、非接触ICカードリーダライタ30を備えた乗客コンベア40が、例えばデパートやショッピングモール等に設置されているような場合、本実施形態の乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30が携帯電話端末20へ提供する情報としては、例えばそのデパートやショッピングモールに関連する情報32を挙げることができる。ここで、デパートやショッピングモールに関連する情報32としては、例えばデパートやショッピングモールの売り場やフロアを示す情報を挙げることができる。すなわち、この第2の具体例の場合、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30に携帯電話端末20が近接したとき、当該非接触ICカードリーダライタ30から携帯電話端末20の非接触ICカード22へは、上記売り場やフロアを示す情報32が送信されることになる。
【0036】
非接触ICカードリーダライタ30から当該情報32を取得した携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、携帯電話ネットワーク11上のサーバ10から、当該情報32に関連した別の情報12を取得する。この第2の具体例において、上記別の情報12としては、例えば売り場やフロア内での特売情報やお勧め品情報、各売り場等の広告情報、売り場やフロア内の店舗やその配置情報などを挙げることができる。
【0037】
上述のように、サーバ10から情報12を取得したアプリケーションプログラム21は、その情報12を例えば表示部24に表示させる。
【0038】
この第2の具体例によれば、ユーザは、デパートやショッピングモールの乗客コンベア40近傍に携帯電話端末20を置くだけで、そのデパートやショッピングモールの各売り場やフロアの特売情報、店舗情報等を、簡単に取得することが可能となる。また、この第2の具体例によれば、デパートやショッピングモール等の情報配信サービス提供者は、特売情報やお勧め品情報等を、多数のユーザにタイミング良く配信、つまりそれら各売り場やフロアへ向かっているユーザに効果的に配信することが可能となる。
【0039】
なお、第2の具体例では、特売や店舗等の情報12がサーバ10から携帯電話端末20へ配信される例を挙げているが、それらの情報12は、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から直接携帯電話端末20へ配信されても良い。また、携帯電話端末20がサーバ10へ接続するためのサーバアドレス情報は、アプリケーションプログラム21により予め登録れていても良いし、非接触ICカードリーダライタ30から取得した情報32内に含まれていても良い。
【0040】
〔電子財布機能〕
上述の第1,第2の具体例では、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から、携帯電話端末20の非接触ICカード22へ種々の情報提供がなされる例を挙げたが、以下の具体例で説明するように、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30と、携帯電話端末20の非接触ICカード22との間でやり取りされる情報32は、課金や残高、購入時に使用可能なポイントの情報であっても良い。すなわち以下の具体例で説明する携帯電話端末20の非接触ICカード22は、電子財布としての機能を有している。
【0041】
〔第3の具体例〕
第3の具体例として、本実施形態の非接触ICカードリーダライタ30を備えた乗客コンベア40が、例えば駅に設置されているような場合、当該乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30と携帯電話端末20の非接触ICカード22との間でやり取りされる情報32としては、運賃の精算情報や、残高の確認情報、電子財布への金額チャージ情報などを挙げることができる。
【0042】
すなわち、本実施形態の非接触ICカードリーダライタ30を備えた乗客コンベア40が、例えば駅構内に設置されているような場合、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30に携帯電話端末20が近接したとき、非接触ICカードリーダライタ30は、携帯電話端末の非接触ICカード22(つまり電子財布)から、例えば乗車駅からの運賃に相当する金額情報を取り出す。これにより、運賃の精算がなされる。
【0043】
また、この第3の具体例において、電子財布による実際の運賃精算については駅の自動改札機にて行うようにし、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30と携帯電話端末20の非接触ICカード22との間では、予め電子財布の残高不足をチェックするための情報32のやり取りを行うようにしても良い。つまりこの場合、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から携帯電話端末20の非接触ICカード22へは、例えば、実際の運賃精算が行われる前の運賃情報32が送られる。
【0044】
実際の運賃精算が行われる前の運賃情報32を受け取った携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、上記運賃情報32と非接触ICカード22内の残高情報(電子財布の残高情報)とを比較する残高チェックを行う。そして、これから精算しなければならない運賃分よりも電子財布の残高が例えば少ない場合、携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、予めアドレス登録がなされている携帯電話ネットワーク11上のサーバ10に接続し、そのサーバ10から上記所望の額の金額情報12(少なくとも運賃分に相当する金額情報)を取得する。なお、この第3の具体例の場合、サーバ11は、携帯電話端末20のユーザの銀行口座の実際の残高に基づいて、当該携帯電話端末20の電子財布へ金額情報をチャージする機能を備えている。また、この例の場合、アプリケーションプログラム21は、サーバ10から金額情報12を取得する前に、その金額情報12を電子財布へチャージすることの要否をユーザへ問うためのアラートを、表示部24上に表示させても良い。
【0045】
この第3の具体例によれば、ユーザは、駅の乗客コンベア40近傍に携帯電話端末20を置くだけで運賃を精算したり、実際に電子財布から運賃を精算する前に残高不足を補うことが出来るようになる。
【0046】
なお、第3の具体例では、電子財布への金額情報のチャージは、サーバ10からの金額情報12によりなされる例を挙げているが、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から直接、携帯電話端末20の電子財布への金額情報のチャージを行うようにしても良い。この場合、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30は、携帯電話端末20のユーザの銀行口座の実際の残高に基づいて、当該携帯電話端末20の電子財布へ金額情報をチャージする機能を備えたものとなる。
【0047】
〔第4の具体例〕
また、第4の具体例として、電子財布への金額情報のチャージは、デパートやショッピングモールに設けられている乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30にて行うことも可能である。
【0048】
すなわち、本実施形態の非接触ICカードリーダライタ30を備えた乗客コンベア40が、例えばデパートやショッピングモールに設置されている場合において、非接触ICカードリーダライタ30に携帯電話端末20が近接したとき、当該非接触ICカードリーダライタ30は、そのデパートやショッピングモールへの例えば入店情報32を、携帯電話端末20へ送る。
【0049】
当該入店情報32を受け取った携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、デパートやショッピングモールにて買い物を行うのに足りるだけの残高が電子財布内にあるか否かの残高チェックを行う。そして、電子財布内に充分な残高が無い場合、携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、予めアドレス登録がなされている携帯電話ネットワーク11上のサーバ10に接続し、そのサーバ10から上記所望の額金額情報12を取得する。なお、この第4の具体例においても上述の第3の具体例と同様に、サーバ11は、携帯電話端末20のユーザの銀行口座の実際の残高に基づいて、当該携帯電話端末20の電子財布へ金額情報をチャージする機能を備えている。また、アプリケーションプログラム21は、サーバ10から金額情報12を取得する前に、その金額情報を電子財布へチャージすることの要否をユーザへ問うためのアラートを、表示部24上に表示させても良い。
【0050】
この第4の具体例によれば、ユーザは、デパートやショッピングモールの乗客コンベア40近傍に携帯電話端末20を置くだけで、電子財布のチャージが可能となる。
【0051】
なお、この第4の具体例では、電子財布への金額情報のチャージは、サーバ10からの金額情報によりなされる例を挙げているが、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から直接、携帯電話端末20の非接触ICカード22(電子財布)への金額情報のチャージを行うようにしても良い。この場合、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30は、携帯電話端末20のユーザの銀行口座の実際の残高に基づいて、当該携帯電話端末20の電子財布へ金額情報をチャージする機能を備えたものとなる。
【0052】
〔第5の具体例〕
第5の具体例として、携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、電子財布の金額情報だけでなく、デパートやショッピングモールでの購入時に使用可能なポイント(例えば購入金額に充当可能なポイント)の情報を管理するようにしても良い。
【0053】
この第5の具体例において、本実施形態の非接触ICカードリーダライタ30を備えた乗客コンベア40が、例えばデパートやショッピングモールに設置されている場合において、非接触ICカードリーダライタ30に携帯電話端末20が近接したとき、当該非接触ICカードリーダライタ30は、そのデパートやショッピングモールへの例えば入店情報32を携帯電話端末20へ送る。
【0054】
当該入店情報32を受け取った携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、デパートやショッピングモールにて利用可能なポイントの残高のチェックを行う。そして、アプリケーションプログラム21は、そのポイントの残高の情報を、表示部24上に表示させる。
【0055】
この第5の具体例によれば、ユーザは、デパートやショッピングモールの乗客コンベア40近傍に携帯電話端末20を置くだけで、それらデパートやショッピングモールで使用可能なポイントの残高を確認することができる。
【0056】
〔第6の具体例〕
第6の具体例として、本実施形態の携帯電話端末20がGPS(Global Positioning System)機能を備えている場合、そのGPS機能により得られる測位情報に基づいて、現在地やその周辺に関する情報を携帯電話端末20に配信するようにしても良い。
【0057】
この第6の具体例において、本実施形態の乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30に携帯電話端末20が近接した場合、当該非接触ICカードリーダライタ30は、乗客コンベア40が設置されている建物等の情報32を、携帯電話端末20へ送る。
【0058】
その情報32を受け取った携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、その情報32とGPS機能とにより得られる測位情報を、携帯電話ネットワーク11上のサーバ10に送信し、当該サーバ10から配信された現在地とその周辺に関する情報12を取得する。そして、アプリケーションプログラム21は、当該サーバ10から取得した情報を、表示部24上に表示させる。
【0059】
この第6の具体例によれば、ユーザは、乗客コンベア40近傍に携帯電話端末20を置くだけで、現在地とその周辺に関する情報を容易に取得することができる。
【0060】
なお、携帯電話端末20がサーバ10へ接続するためのサーバアドレス情報は、アプリケーションプログラム21により予め登録れていても良いし、非接触ICカードリーダライタ30から取得した情報32内に含まれていても良い。また、この第6の具体例において、現在地とその周辺に関する情報は、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から直接、携帯電話端末20の非接触ICカード22へ配信されても良い。
【0061】
〔第7の具体例〕
第7の具体例として、本実施形態の携帯電話端末20に配信される情報としては、現在地或いは予め登録してある地区の天気情報やユーザに対する占いなどの生活情報であっても良い。
【0062】
この第7の具体例において、本実施形態の乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30に携帯電話端末20が近接した場合、当該非接触ICカードリーダライタ30は、例えば、現在地或いは予め登録してある地区の天気情報、ユーザに対する占いなどの生活情報を配信するサーバ10のアドレス情報32を、携帯電話端末20へ送る。
【0063】
このアドレス情報32を受け取った携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、そのアドレス情報32に対応したサーバ10へ携帯電話ネットワーク11を介して接続し、当該サーバ10から配信される現在地或いは予め登録してある地区の天気情報、ユーザに対する占いなどの生活情報を取得する。そして、アプリケーションプログラム21は、当該サーバ10から取得した情報を、表示部24上に表示させる。
【0064】
この第7の具体例によれば、ユーザは、乗客コンベア40近傍に携帯電話端末20を置くだけで、それら現在地或いは予め登録してある地区の天気情報、ユーザに対する占いなどの生活情報を取得することができる。また、この第7の具体例によれば、情報配信サービスの提供者は、それら情報を多数のユーザに配信することが可能となる。
【0065】
なお、この第7の具体例において、現在地或いは予め登録してある地区の天気情報、ユーザに対する占いなどの生活情報は、乗客コンベア40の非接触ICカードリーダライタ30から直接、携帯電話端末20の非接触ICカード22へ配信されても良い。
【0066】
〔第2の実施形態〕
上述した第1の実施形態では、乗客コンベア40の移動手摺41のレール部42内に非接触ICカードリーダライタ30を配置した例を挙げたが、本発明の第2の実施形態として、例えば図5に示すように、移動手摺41の近傍の所定位置43に非接触ICカードリーダライタ30を配置しても良い。この場合、ユーザは、本実施形態の携帯電話端末20を手に持って、図5のように非接触ICカードリーダライタ30に近接させることになる。
【0067】
この第2の実施形態においても第1の実施形態の場合と同様に、上述した第1〜第7の具体例が適用可能である。
【0068】
〔第3の実施形態〕
上述した第1の実施形態では、乗客コンベア40の移動手摺41のレール部42内に非接触ICカードリーダライタ30を1台のみ配置した例を挙げたが、本発明の第3の実施形態として、例えば図6に示すように、移動手摺41のレール部42内に複数の非接触ICカードリーダライタ30a,30b,30c,・・・を配置しても良い。
【0069】
この第3の実施形態のように、乗客コンベア40に複数の非接触ICカードリーダライタ30a,30b,30c,・・・を配置した場合、携帯電話端末20が移動手摺41の移動に伴って移動する際に、複数の情報を各非接触ICカードリーダライタ30a,30b,30c,・・・により次々と携帯電話端末20の非接触ICカードへ送信するようなことが可能となる。そして、携帯電話端末20のアプリケーションプログラム21は、それら次々に受信された情報を処理する。
【0070】
ここで、例えば、各非接触ICカードリーダライタ30a,30b,30c,・・・により送信される複数の情報が漫画等の複数のコマ画像の情報であるとすると、携帯電話端末20の表示部24上には、それら複数のコマ画像が順次表示されることになる。また、例えば、各非接触ICカードリーダライタ30a,30b,30c,・・・により送信される複数の情報が複数の音情報や携帯電話端末20が備えるバイブレーション機能を動作させるためのバイブレーション情報であるとすると、携帯電話端末20は、次々に音が発せられたり、振動したりすることになる。
【0071】
なお、この第3の実施形態においても第1の実施形態の場合と同様に、上述した第1〜第7の具体例も適用可能である。
【0072】
この第3の実施形態によれば、乗客コンベア40に複数の非接触ICカードリーダライタ30a,30b,30c,・・・を設置することにより、連続したデータのやり取りが可能となり、或る程度纏まった量のデータ通信が可能になる。勿論言うまでもないが、複数の非接触ICカードリーダライタ30a,30b,30c,・・・により携帯電話端末20に提供される情報は、連続したデータでなくても良く、それぞれが全く別の情報であっても良い。
【0073】
〔携帯電話端末の内部構成〕
次に、図7には、本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示す。
【0074】
アンテナ51は、例えば内蔵アンテナであり通話やパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路52は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。なお、パケット通信により送受信されるデータは、画像データや電子メール、プログラムデータ、前述したサーバ10から配信されるデータ、その他の各種データである。
【0075】
受信された通話音声のデータは、データラインを介して制御部50へ送られる。制御部50は、CPU(中央処理装置)からなり、通話音声データを復号化し、その復号化後の音声データをデータラインを介してスピーカ56へ送る。
【0076】
スピーカ56は、受話用のスピーカやリンガ用のスピーカに相当し、ディジタル/アナログ変換器と増幅器を含み、通話音声やリンガ音のデータをディジタル/アナログ変換及び増幅した後、出力する。これにより、通話音声やリンガ音が得られることになる。
【0077】
マイクロホン57は、送話用のマイクロホンであり、アナログ/ディジタル変換器と増幅器を含む。このマイクロホン57を介して入力された通話音声信号は、増幅器により所定のレベルに増幅された後、アナログ/ディジタル変換器によりディジタル音声データに変換され、データラインを介して制御部50へ送られて符号化された後、通信回路52へ送られる。
【0078】
表示部53は、前述した表示部24に相当し、例えば液晶ディスプレイとその駆動回路からなる。
【0079】
操作部54は、携帯電話端末の操作部23等を含み、テンキーやジョグダイアル部、それらの操作に応じた操作信号を発生する操作信号発生部を有している。
【0080】
振動部58は、バイブレーション機能を実現するためのデバイスであり、回転軸に偏芯した錘を備えたモータとその駆動回路とからなる。
【0081】
GPS部59は、携帯電話端末の現在位置を検出するための測位デバイスであるGPS通信部とそのアンテナなどを備えている。
【0082】
メモリ部55は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、制御部50が各部を制御するための制御プログラムや各種の初期設定値、フォントデータ、辞書データ、本実施形態における前述したアプリケーションプログラム21、電子メールの作成や編集等を行うためのアプリケーション用のプログラム、画像に対して様々な処理を行うためのアプリケーションプログラム、その他、携帯電話端末に搭載される各種のアプリケーションログラム、当該携帯電話端末の識別情報(ID)などを記憶している。このROMは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能なROMを含み、電子メールデータ、ユーザにより設定される電話帳や電子メールアドレス、着信音データ、文字データや予測変換の候補単語の登録データや予測変換の学習データ、本実施形態にてサーバ10や非接触ICカードリーダライタ30から取得した情報、その他、各種のユーザ設定値等を保存することも可能となされている。RAMは、制御部50が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
【0083】
非接触ICカード部60は、前述した非接触ICカードリーダライタ30により通信が行われるデバイスであり、上記非接触ICカードリーダライタ30との間で信号の送受を行うためのアンテナ61と、情報を蓄積するメモリ63と、そのメモリ63への情報書き込みや読み出し、携帯電話端末の制御部50との間で情報のやり取り等を管理するためのICカード制御回路62等を備えている。
【0084】
制御部50は、上述した通話音声データの符号化や復号化の他、制御ラインを介して当該携帯電話端末の各構成要素の制御等、各種の演算処理を行う。また、本実施形態の場合、制御部50は、前述したアプリケーションプログラム21に基づく各種の処理を行う。
【0085】
その他、図7には図示を省略しているが、本実施形態の携帯電話端末は、各部に電力を供給する電源回路や、音楽や画像の記録再生を行うための記録再生部、ブラウザ機能、外部ケーブル用コネクタ、外部リモートコントローラの接続コネクタ、レンズ系及びそのレンズ系のフォーカス合わせを自動的に行うためのオートフォーカス機構と撮像素子等などを備えたカメラ部等を備えている。
【0086】
〔非接触ICカード対応乗客コンベアの標識〕
なお、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアは既存のものが多数存在しており、上述した非接触ICカードリーダライタ30が設置された乗客コンベア40かどうかは、ユーザにとって分かり難い。したがって、本発明にかかる乗客コンベア40を他の乗客コンベアと区別するためには、例えば図8に示すような標識を付けたり、移動手摺41の色を例えばオレンジ色や黄緑色など、特別な色に統一することが望ましい。これにより、本発明にかかる乗客コンベア40へのユーザの認識、定着を高めることが可能となる。
【0087】
〔まとめ〕
以上のように、本発明の各実施形態によれば、乗客コンベア40はユーザが例えば所望の目的地に行く際の通り道等に設けられているものであり、このため、ユーザは、情報を取得するためだけにわざわざ非接触ICカードリーダライタが設置されている特定の場所に出向く必要がない。
【0088】
また、本発明の各実施形態によれば、乗客コンベア40の移動に伴って、携帯電話端末20の非接触ICカードが非接触ICカードリーダライタ30に近接するようになされているため、ユーザは、携帯電話端末20を移動手摺41の上に載せるか若しくは手に持った携帯電話端末20を移動手摺41に添えるだけで、情報を取得することができることになる。
【0089】
すなわち、本発明実施形態によれば、非接触通信機能の特徴である、かざすという行為によるデータ取得を、より生活の中で自然の行うことを可能にしている。
【0090】
また、本発明の各実施形態によれば、ユーザがエレベータや動く歩道等の乗客コンベア40に乗っている時の固定位置での拘束時間を、有効に利用することが可能であり、その乗客コンベア40の設置場所に応じた情報提供が可能である。
【0091】
これらのことから、本発明の各実施形態によれば、新しい情報配信サービスを根付かせる一つの手法として効果が期待できる。
【0092】
なお、上述した各実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0093】
例えば、本発明は、携帯電話端末だけでなく、非接触通信機能を備えたPDA装置(PDA:Personal Digital Assistants)等の各種携帯通信端末にも搭載可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施形態の乗客コンベアの一部の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の乗客コンベアの一部の概略的な外観構成を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の乗客コンベアの移動手摺とその上に置かれた携帯電話端末の一例を示す外観斜視図である。
【図4】本発明実施形態の乗客コンベア側非接触ICカードリーダライタと携帯電話端末とサーバとからなるシステム構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の乗客コンベアの一部の概略的な外観構成を示す側面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の乗客コンベアの一部の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の各実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明にかかる乗客コンベアとその他の乗客コンベアとを区別可能にするための標識例を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
10 サーバ、11 携帯電話ネットワーク、12 サーバから携帯電話へ送信される情報、20 携帯電話端末、21 アプリケーションプログラム、33 非接触ICカード、30 非接触ICカードリーダライタ、31 非接触通信、32 非接触ICカードリーダライタから非接触ICカードへ送信される情報、23,54 操作部、24,53 表示部、40 乗客コンベア、41 移動手摺、42 レール部、50 制御部、51 通信回路用アンテナ、52 通信回路、55 メモリ部、56 スピーカ、57 マイクロホン、58 振動部、59 GPS部、60 非接触ICカード部、61 非接触ICカードのアンテナ、62 ICカード制御回路、63 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト状の移動手摺と複数の連結された踏板とが同期して駆動され、上記踏板上に乗った乗客を所定方向に移動させるための乗客コンベアにおいて、
上記移動手摺の近傍に、非接触通信により少なくとも情報を送信可能な非接触通信装置を配してなる
ことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
請求項1記載の乗客コンベアであって、
上記移動手摺の下方に配されると共に当該移動手摺の移動方向を規制するためのレール部を有し、
上記レール部内に上記非接触通信装置を配してなることを特徴とする乗客コンベア。
【請求項3】
請求項1記載の乗客コンベアであって、
上記移動手摺の移動方向に複数の非接触通信装置を配列してなることを特徴とする乗客コンベア。
【請求項4】
ベルト状の移動手摺と複数の連結された踏板とが同期して駆動され上記踏板上に乗った乗客を所定方向に移動させるための乗客コンベアと、
上記乗客コンベアの移動手摺近傍に配され、非接触通信により少なくとも情報を送信可能な非接触通信装置と、
上記非接触通信装置との間で非接触通信が可能な非接触通信機能を備えた携帯通信端末とを有し、
上記乗客コンベアの上記移動手摺と踏板の移動に伴って上記非接触通信装置に上記携帯通信端末が近接したとき、上記非接触通信装置と上記携帯通信端末の非接触通信機能との間で情報通信を行う
ことを特徴とする情報通信システム。
【請求項5】
請求項4記載の情報通信システムであって、
所定の通信網を介して少なくとも上記携帯通信端末と通信可能な情報提供装置を有し、
上記携帯通信端末は、上記非接触通信装置との間の通信により取得した情報に基づき、上記所定の通信網を介して上記情報提供装置へ接続し、当該情報提供装置から所望の情報を取得することを特徴とする情報通信システム。
【請求項6】
請求項5記載の情報通信システムであって、
上記携帯通信端末は、上記非接触通信機能を使用して金額情報を送受する電子財布の機能を備えていることを特徴とする情報通信システム。
【請求項7】
請求項6記載の情報通信システムであって、
上記携帯通信端末は、上記非接触通信装置との間の通信により取得した情報に基づき、上記所定の通信網を介して上記情報提供装置へ接続し、当該情報提供装置から上記電子財布の金額情報を取得することを特徴とする情報通信システム。
【請求項8】
請求項6記載の情報通信システムであって、
上記携帯通信端末は、上記非接触通信装置との間の通信により取得した情報に基づき、上記非接触通信装置へ上記電子財布の金額情報を送信することを特徴とする情報通信システム。
【請求項9】
請求項4記載の情報通信システムであって、
上記乗客コンベアは、上記移動手摺の下方に配されると共に当該移動手摺の移動方向を規制するためのレール部を有し、当該レール部内に上記非接触通信装置を配してなることを特徴とする情報通信システム。
【請求項10】
請求項4記載の情報通信システムであって、
上記乗客コンベアは、上記移動手摺の移動方向に複数の非接触通信装置を配列してなることを特徴とする情報通信システム。
【請求項11】
外部非接触通信装置との間の非接触通信により少なくとも情報の受信を行う非接触通信手段と、
所定の通信網を使用した通信を行うための網通信手段と、
上記外部非接触通信装置から上記非接触通信手段が受信した情報に基づき、上記所定の通信網を介して所定の情報提供装置へ上記網通信手段を接続させ、上記網通信手段を通じて上記情報提供装置から所望の情報を取得する制御手段と、
上記情報提供装置から取得した情報を利用者に提示するための情報提示手段とを有する
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項12】
請求項11記載の携帯通信端末であって、
上記非接触通信手段は、上記外部非接触通信装置との間で非接触通信により金額情報を送受する電子財布の機能を備えていることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項13】
請求項12記載の携帯通信端末であって、
上記制御手段は、上記非接触通信手段が外部非接触通信装置との間の非接触通信により受信した情報に基づき、上記所定の通信網を介して所定の情報提供装置へ上記網通信手段を接続させ、上記網通信手段を通じて上記情報提供装置から上記電子財布の金額情報を取得することを特徴とする携帯通信端末。
【請求項14】
請求項12記載の携帯通信端末であって、
上記非接触通信手段は、上記外部非接触通信装置との間の通信により受信した情報に基づき、上記外部非接触通信装置へ上記電子財布の金額情報を送信することを特徴とする携帯通信端末。
【請求項15】
外部非接触通信装置との間の非接触通信により少なくとも情報の受信をする非接触通信ステップと、
所定の通信網を使用した通信を行うための通信ステップと、
上記外部非接触通信装置から非接触通信ステップにて受信した情報に基づき、上記所定の通信網を介して所定の情報提供装置と接続する接続ステップと、
上記接続ステップにて接続した上記情報提供装置から所望の情報を取得する情報取得ステップと、
上記情報提供装置から取得した情報を利用者に提示する情報提示ステップとを有する
ことを特徴とする情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−27828(P2006−27828A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209734(P2004−209734)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】