説明

乗降口開閉装置を備えた車両

【課題】よりシンプルな構成にて、安全性をより向上させることができる、乗降口開閉装置を備えた車両を提供する。
【解決手段】ロック機構は車内手動ハンドルまたは車外手動ハンドルを操作することでドアを閉ロック状態からロック解除状態にするように構成されている。また乗降口開閉装置は、駆動力の伝達経路を接続または開放するクラッチを介してドアを動作させる駆動手段と、クラッチ及び駆動手段を制御する制御手段を有している。そして閉ロック状態とロック解除状態とを検出可能なロック状態検出手段と、車両の走行状態と非走行状態とを検出可能な走行状態検出手段とを備え、制御手段は、ロック状態検出手段からの検出信号に基づいてロック解除状態を検出している場合、且つ走行状態検出手段からの検出信号に基づいて車両の走行状態を検出している場合、駆動手段を動作させることなくクラッチを接続状態にしてドアを動作させることを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バス等の乗降口開閉装置を備えた車両に関し、特に乗降口のドアの安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バス等の車両は乗降口開閉装置を備えており、停車時において運転席から乗降口開閉スイッチを操作することで、乗降口開閉装置を介して乗降口のドアを動作させて乗降口を開閉動作させることができる。
また乗降口のドアには、非常時等に備えて、車両の内側から手動でドアを動作させるための車内手動ハンドルと、車両の外側から手動でドアを動作させるための車外手動ハンドルとが設けられている。
そして乗降口のドアは、車両の走行中に誤って動作しないように、乗降口が閉状態で機械的にロックされるロック機構(メカニカルロック機構)を有しているとともに、走行中では乗降口開閉スイッチで乗降口のドアが誤って動作しないように乗降口開閉装置にて制御されている。
なお、乗員が車内手動ハンドルまたは車外手動ハンドルを操作すると、ロック機構をロック状態からロック解除状態にして乗降口のドアを動作させることができるようになる。
車内手動ハンドルは乗員(または乗客)の手の届きにくい位置に設けてあり、且つ触れただけで操作できるものではないため、偶然、乗員の体の一部が当たって操作されてしまうようなことはないが、誤って走行中に操作されると、安全上、好ましいものではない。
【0003】
そこで、特許文献1に記載された従来技術では、対象となるドアの開閉時にユーザが操作するドア開扉操作手段(車内手動ハンドルと車外手動ハンドル)と、当該ドアの施錠と解錠を行う施解錠制御手段と、を備えている。そして車両が走行状態では、施解錠制御手段は、ドア開扉操作手段からの操作を無効としてドアが開かないように動作し、車両が停止状態では、ドア開扉操作手段からの操作を有効としてドアを開くことができる電子ロック機構を備えた、自動車用ドアロックの操作装置が開示されている。
また、特許文献2に記載された従来技術では、車両が走行中の場合、ドアをチャイルドロック状態として、走行中では車内からドアを開けることができないようにした電子ロック機構を備えた、チャイルドロック装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−129149号公報
【特許文献2】特開2005−273173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の乗降口開閉装置を備えた車両に、特許文献1に記載された従来技術や特許文献2に記載された従来技術を適用して、車両の走行中に乗員が誤って車内手動ハンドルを操作しても乗降口が開かないように構成した場合、ドアのロック機構の施錠と開錠を行うモータや、チャイルドロック装置等が必要となり、多数の構成部品の追加が必要であり、制御も複雑化する。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、よりシンプルな構成にて、安全性をより向上させることができる、乗降口開閉装置を備えた車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る乗降口開閉装置を備えた車両は次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、車両の乗降口に設けられたドアと、前記ドアによる前記乗降口の開閉を指示する乗降口開閉スイッチと、車両の走行状態と非走行状態とを検出可能な走行状態検出手段と、前記乗降口開閉スイッチの操作状態と車両の走行状態とに基づいて前記ドアを動作させる乗降口開閉装置と、前記ドアを車両の内側から手動にて動作させる際に操作する車内手動ハンドルと、前記ドアを車両の外側から手動にて動作させる際に操作する車外手動ハンドルと、を備えた、乗降口開閉装置を備えた車両である。
前記乗降口開閉装置は、前記ドアを動作可能な駆動手段と、前記駆動手段から前記ドアへの駆動力の伝達経路を接続または開放するクラッチと、前記駆動手段と前記クラッチを制御する制御手段と、を有しており、前記ドアは、前記乗降口を閉状態に保持する閉ロック状態と、前記乗降口を開状態または閉状態のいずれにも動作させることが可能なロック解除状態と、のいずれかにすることが可能なロック機構を有しており、前記ロック機構は、前記車内手動ハンドルまたは前記車外手動ハンドルを操作することで前記閉ロック状態から前記ロック解除状態になるように構成されている。
更に、前記閉ロック状態と前記ロック解除状態とを検出可能なロック状態検出手段を備え、前記制御手段は、前記ロック状態検出手段からの検出信号に基づいて前記ロック解除状態を検出している場合、且つ前記走行状態検出手段からの検出信号に基づいて車両の走行状態を検出している場合、前記駆動手段を動作させることなく前記クラッチを接続状態にして前記ドアを動作させることを禁止する。
【0008】
この第1の発明によれば、ロック状態検出手段を追加するという非常にシンプルな構成にて、走行中に誤ってロック機構がロック解除状態になった場合であっても、クラッチを接続して駆動手段を制動装置として利用し、ドアが動作して乗降口が開くことを禁止することができるので、安全性をより向上させることができる。
【0009】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る乗降口開閉装置を備えた車両であって、前記ドアは、略矩形の複数のドア片が隣り合わせて連結されて構成されており、複数のドア片を折り畳むことで前記乗降口を開き、複数のドア片を広げることで前記乗降口を閉じる折戸ドアである。
【0010】
この第2の発明によれば、乗降口に折戸ドアを備えた車両において、非常にシンプルな構成にて、安全性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】乗降口開閉装置を備えた車両3の一実施の形態の外観を説明する図である。
【図2】乗降口50に折戸ドアを設けた場合の例であり、折戸ドア10の外観(車外側(A)、B−B断面(B)、車内側(C))の例を説明する図である。
【図3】車内手動ハンドル60、車外手動ハンドル70、及びその周囲の構造を説明する図である。
【図4】乗降口開閉装置20にて折戸ドア10を動作させて乗降口50を閉状態(A)から開状態(C)へと動作させる様子を説明する図である。
【図5】制御手段80の入出力を説明する図である。
【図6】制御手段80の処理手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の乗降口開閉装置を備えた車両3の外観の一実施の形態を示している。
なお、本実施の形態の説明において、各図中における前後左右及び上下は、バスの前後左右及び上下に対応している。
また本実施の形態の説明では、乗降口50を開閉するドアとして折戸ドアを用いた例を説明する。
【0013】
●[車両3の外観(図1)]
図1に示すように、車両3の車体4には、左側の中央前寄りの位置に乗客が乗り降りするための乗降口50が形成されており、折戸ドア10を構成している矩形の前側ドア片12と後側ドア片14とを動作させて、折戸ドア10を折り畳むことで乗降口50を開き、折戸ドア10を広げることで乗降口50を閉じるように構成されている。
【0014】
●[折戸ドア10の外観(図2)と、ロック機構の構造(図3)]
次に図2(A)〜(C)を用いて、折戸ドア10の外観について説明し、図3(A)及び(B)を用いてロック機構(メカニカルロック機構)の構造について説明する。
図2(A)は折戸ドア10を車外側から見た図であり、図2(C)は折戸ドア10を車内側から見た図である。また図2(B)は図2(C)におけるB−B断面図である。また図3(A)は図2(B)における車内手動ハンドル60の周囲の詳細を示しており、図3(B)は図2(B)における車外手動ハンドル70の周囲の詳細を示している。
なお図2(A)〜(C)は、乗降口50が閉状態でロックされた閉ロック状態を示している。
【0015】
図2(A)及び(C)に示すように、折戸ドア10は、縦に長い長方形状に形成された前側ドア片12と後側ドア片14とを備えており、その前側ドア片12の後端部と後側ドア片14の前端部とが上部ヒンジ機構15u、中央ヒンジ機構15m、及び下部ヒンジ機構15dによって水平回動可能な状態で、隣り合わせて連結されている。また、前側ドア片12の前端上下には、その前側ドア片12を水平回動可能な状態で乗降口50の前端位置に連結する主ヒンジ機構11のヒンジピン11pが上下に一定寸法だけ突出した状態で取付けられている。さらに、乗降口50の天井部分及び床部分には前後方向に延びるガイド溝(図示省略)が設けられており、そのガイド溝に後側ドア片14の後端上部及び後端下部に設けられたガイドピン14pが前記ガイド溝に沿って移動可能なように係合している。
【0016】
図2(A)及び(B)に示すように、折戸ドア10の前側ドア片12における車外側には、その前側ドア片12の窓部12wの下側後部に、折戸ドア10を車両3の外側から手動にて動作させる際に操作する車外手動ハンドル70が設けられている。
また、図2(B)及び(C)に示すように、折戸ドア10の前側ドア片12における車内側には、その前側ドア片12の窓部12wの上側後部に、折戸ドア10を車両3の内側から手動にて動作させる際に操作する車内手動ハンドル60が設けられている。
また、図2(B)及び(C)に示すように、折戸ドア10の前側ドア片12における車内側には、その前側ドア片12の窓部12wの下側部に設けられた連結部材18に接続されたドア側アームA2を介して折戸ドア10を動作させる駆動手段21を備えた乗降口開閉装置20が設けられている。なお、図2(A)では乗降口開閉装置20の記載を省略している。
【0017】
図2(B)及び(C)に示すように、折戸ドア10を用いて乗降口50を閉状態でロックするロック機構は、ロックシャフト63、支持部材61、71、ロックピン62にて構成されている。
支持部材61、71は前側ドア片12に固定されており、ロックシャフト63は当該支持部材61、71にて両端部が支持され、支持部材61内にて上方に付勢されている。そしてロックシャフト63の上端部にはロックピン62が設けられており、乗降口50が全閉状態になると、上方に付勢されたロックピン62が車両3のロック嵌合部(図示省略)に嵌合して閉ロック状態となり、乗降口50が全閉状態となる位置で折戸ドア10を固定する(ロックする)。
【0018】
図3(A)に示すように、車内手動ハンドル60は、支持部材61に取り付けられて回動軸60aを中心として回動可能である。
車内の乗客が、車内手動ハンドル60を握って車内手動ハンドル60を手前側(車内側)に引くと、車内手動ハンドル60の先端部60bがロックシャフト63を下方に押し下げ、ロックピン62がロック嵌合部から抜けてロック解除状態となり、折戸ドア10を手動で動作させることができる。
なお図3(A)に示すように、ロックピン62が嵌合する個所には、ロックピン62が嵌合しているか否か(すなわち、閉ロック状態であるか否か)を検出するロック状態検出手段Ssが設けられている。
また図3(B)に示すように、車外手動ハンドル70は、前側ドア片12に取り付けられ、車外手動ハンドル70の上端部にはロック解除ボタン72が設けられている。
車外の乗客が、車外手動ハンドル70を握ってロック解除ボタン72を押し込むと、支持部材71内に設けられた回動部材73が回動軸73aを中心として回動し、先端部73bに接続されたロックシャフト63を下方に引っ張り、ロックピン62がロック嵌合部から抜けてロック解除状態となり、折戸ドア10を手動で動作させることができる。
【0019】
上記構成により、車内の乗客が車内手動ハンドル60を握り、車内手動ハンドル60を手前に引いて折戸ドア10の閉ロック状態を解除して、前側ドア片12を車内側に引っ張るように水平回動させることで、折戸ドア10を開くことができる。この場合、図2(C)において前側ドア片12が左回動することで、後側ドア片14が前側ドア片12によって乗降口50の内側前方に引っ張られ、その後側ドア片14が上部、中央、下部ヒンジ機構15u,15m,15dを中心にして右回動する。そして後側ドア片14の後端上部に設けられたガイドピン14pが乗降口50の天井部分の前記ガイド溝に沿って前方に移動し、後側ドア片14が前側ドア片12に重ねられて(折戸ドア10が折り畳まれて)乗降口50が開く。
【0020】
●[乗降口開閉装置20にて乗降口50を閉状態から開状態へと動作させる様子(図4)と、乗降口開閉装置20の入出力(図5)]
次に図4を用いて、乗降口開閉装置20にて乗降口50を開閉動作させる様子を説明する。
駆動手段21の旋回部材23には、駆動側アームA1の一方端が固定されており、駆動側アームA1の他方端は、ドア側アームA2の一方端に接続されている。そしてドア側アームA2の他方端は、前側ドア片12に設けられた連結部材18に接続されている。また、図2(B)及び(C)、図5に示すように、駆動手段21と旋回部材23の間にはクラッチ22が設けられており、駆動手段21の駆動力の伝達経路の接続と開放をすることができるように構成されている。
【0021】
また、図5に示すように、制御手段80には、運転席等に設けられた乗降口開閉スイッチSk、車両3が走行状態であるか否かを検出する走行状態検出手段Sv、折戸ドア10が閉ロック状態であるか否かを検出するロック状態検出手段Ssが入力される。なお、走行状態検出手段Svは、車両3が走行中であるか否かを検出するものであり、本実施の形態では車速センサを用いたが、他のセンサを用いて検出してもよい。
また制御手段80は、乗降口開閉装置20のクラッチ22を接続または開放するクラッチ駆動手段27と、クラッチ22が接続されている場合に旋回部材23を旋回させる駆動手段21に駆動信号を出力する。
なお本実施の形態にて説明するクラッチ22は、例えば電磁クラッチであり、クラッチ駆動手段27にて通電状態にされた場合に動力伝達経路を接続し、非通電状態にされた場合に動力伝達経路を開放する、いわゆるノーマルオープンタイプのものを用いている。
【0022】
閉ロック状態(図4(A)の状態)の折戸ドア10を、駆動手段21にて動作させる場合、制御手段80は、クラッチ22を接続して駆動手段21を駆動する。すると旋回部材23に固定された駆動側アームA1が旋回し、駆動側アームA1に接続されたドア側アームA2が前側ドア片12を開方向に引っ張り、図4(B)の状態を経由して、図4(C)に示すように、ステップS内にて乗降口50が全開状態に達する。なお、図4(A)に示す乗降口50の全閉状態からドア側アームA2が折戸ドア10の引っ張りを開始すると、図2(B)及び(C)に示すケーブル26が引っ張られてロックシャフト63を下方に引っ張り、ロックピン62が嵌合部から抜けてロック解除状態となるように構成されている。
【0023】
●[制御手段の処理手順(図6)]
次に図6に示すフローチャートを用いて、制御手段80の処理手順について説明する。
例えば制御手段80は、一定時間毎に図6に示す処理を実行する。
制御手段80は、ステップS10にて、走行状態検出手段Svからの検出信号に基づいて車両3が停車中であるか否かを判定する。停車中である(Yes)と判定した場合はステップS20に進み、停車中でない(No(走行中である))と判定した場合はステップS50に進む。
ステップS20に進んだ場合、制御手段80は、乗降口開閉スイッチSkが操作されているか否かを判定する。操作されている(Yes)と判定した場合はステップS30に進み、操作されていない(No)と判定した場合はステップS80に進む。
ステップS30に進んだ場合、制御手段80は、クラッチ駆動手段27に駆動信号を出力してクラッチ22を接続し、ステップS40に進む。
ステップS40では、制御手段80は、乗降口開閉スイッチSkの操作状態に応じて、駆動手段21を乗降口50が開く方向または乗降口50が閉じる方向に駆動し、処理を終了する。
【0024】
ステップS50に進んだ場合、制御手段80は、ロック状態検出手段Ssの検出信号に基づいて折戸ドア10がロック解除状態であるか否かを判定する。ロック解除状態である(Yes)と判定した場合はステップS60に進み、ロック解除状態でない(No)と判定した場合はステップS80に進む。
ステップS60に進んだ場合、制御手段80は、クラッチ駆動手段27に駆動信号を出力してクラッチ22を接続し、ステップS70に進む。
ステップS70では、制御手段80は、駆動手段21に駆動信号を出力することなく停止させて処理を終了する。
【0025】
ステップS80に進んだ場合、制御手段80は、クラッチ駆動手段27に駆動信号を出力することなくクラッチ22を開放し、ステップS90に進む。
ステップS90では、制御手段80は、駆動手段21に駆動信号を出力することなく停止させて処理を終了する。
【0026】
以上の処理にて、車両3が停車している場合は、運転席等に設けられた乗降口開閉スイッチSkを操作することで、ステップS10−ステップS20−ステップS30−ステップS40の流れにて、折戸ドア10を動作させて乗降口50の開閉動作を行うことができる。
また車両3が停車している場合に乗降口開閉スイッチSkの操作がない場合は、ステップS10−ステップS20−ステップS80−ステップS90の流れにて、クラッチ22がOFF(開放状態)となるので、車内手動ハンドル60、車外手動ハンドル70のいずれを操作しても、折戸ドア10をロック解除状態にして折戸ドア10を動作させて乗降口50を開くことができる。
また、車両3が走行中に、誤って車内手動ハンドル60が操作されて折戸ドア10が閉ロック状態からロック解除状態になった場合であっても、ステップS10−ステップS50−ステップS60−ステップS70の流れにて、クラッチ22をON(接続状態)且つ駆動手段21を停止状態として、折戸ドア10を動作させようとした場合に駆動手段21を制動装置として利用するので、乗降口50が開くことを禁止することができる。
なお、ブザーやインジケータ等の報知手段を備え、走行中にロック解除状態を検出した場合、制御手段80を用いて報知手段から警報を出力させるようにしてもよい。
【0027】
本発明の乗降口開閉装置を備えた車両3は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造、処理等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
なお本実施の形態では、乗降口に設けるドアとして、2枚のドア片を隣り合わせて連結した折戸ドア10の例を用いたが、3枚以上の複数のドア片を連結した折戸ドアや、1枚のドアとしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
3 車両
10 折戸ドア
12 前側ドア片
14 後側ドア片
18 連結部材
20 乗降口開閉装置
21 駆動手段
22 クラッチ
23 旋回部材
A1 駆動側アーム
A2 ドア側アーム
26 ケーブル
27 クラッチ駆動手段
60 車内手動ハンドル
61、71 支持部材
62 ロックピン
63 ロックシャフト
70 車外手動ハンドル
72 ロック解除ボタン
73 回動部材
80 制御手段
Sk 乗降口開閉スイッチ
Sv 走行状態検出手段
Ss ロック状態検出手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗降口に設けられたドアと、
前記ドアによる前記乗降口の開閉を指示する乗降口開閉スイッチと、
車両の走行状態と非走行状態とを検出可能な走行状態検出手段と、
前記乗降口開閉スイッチの操作状態と車両の走行状態とに基づいて前記ドアを動作させる乗降口開閉装置と、
前記ドアを車両の内側から手動にて動作させる際に操作する車内手動ハンドルと、
前記ドアを車両の外側から手動にて動作させる際に操作する車外手動ハンドルと、を備えた、乗降口開閉装置を備えた車両において、
前記乗降口開閉装置は、前記ドアを動作可能な駆動手段と、前記駆動手段から前記ドアへの駆動力の伝達経路を接続または開放するクラッチと、前記駆動手段と前記クラッチを制御する制御手段と、を有しており、
前記ドアは、前記乗降口を閉状態に保持する閉ロック状態と、前記乗降口を開状態または閉状態のいずれにも動作させることが可能なロック解除状態と、のいずれかにすることが可能なロック機構を有しており、
前記ロック機構は、前記車内手動ハンドルまたは前記車外手動ハンドルを操作することで前記閉ロック状態から前記ロック解除状態になるように構成されており、
更に、前記閉ロック状態と前記ロック解除状態とを検出可能なロック状態検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記ロック状態検出手段からの検出信号に基づいて前記ロック解除状態を検出している場合、且つ前記走行状態検出手段からの検出信号に基づいて車両の走行状態を検出している場合、前記駆動手段を動作させることなく前記クラッチを接続状態にして前記ドアを動作させることを禁止する、
乗降口開閉装置を備えた車両。
【請求項2】
請求項1に記載の乗降口開閉装置を備えた車両であって、
前記ドアは、略矩形の複数のドア片が隣り合わせて連結されて構成されており、複数のドア片を折り畳むことで前記乗降口を開き、複数のドア片を広げることで前記乗降口を閉じる折戸ドアである、
乗降口開閉装置を備えた車両。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−67480(P2012−67480A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211783(P2010−211783)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】