説明

乾燥処理方法と装置

【課題】小型で安価な装置により生ゴミや使用済みおむつ類を十分な消臭、殺菌を伴い、減容効果大きく乾燥処理できるようにする。
【解決手段】被処理物1を収容する処理室3内に、被処理物1に直近から輻射熱5を及ぼすように配管した内部電熱管4を通電により発熱させて輻射熱5を発生させるのに併せ、内部電熱管4内に加熱媒体6を通して加熱し処理室3内に放出、充満させて被処理物1に曝しながら処理室3外へ排出することを所定時間行い、殺菌、消臭を伴い被処理物1を乾燥させることにより、上記の目的を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミや使用済みのおしめ類などを、消臭、殺菌を伴い乾燥処理する乾燥処理方法と装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生ゴミは含水状態であるので、通常は乾燥処理して廃棄されるか、酵素や微生物で処理して堆肥などとして再利用される。おしめ類は合成繊維よりなる不織布が一般的であるが、使用済みのものは含水状態にあるので、これも乾燥処理して廃棄される。いずれの場合も廃棄するには、細菌と臭気とが大きな問題になる。
【0003】
従来、生ゴミの乾燥処理として真空乾燥することが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。特許文献1に記載のものは、醗酵処理したものを水切りし、さらに真空乾燥するようにしている。特許文献2に記載のものは真空乾燥と同時にヒータで加熱している。特許文献3に記載のものは真空処理室の外回りに200℃〜300℃の高温空気を供給して加熱するようにしている。
【0004】
一方、遠赤外線輻射セラミック層を内面に設けた炭化槽内にカッターを組み込み、炭化槽の中心に向け遠赤外線セラミックヒータを外付けして設けると共に、炭化槽を外回りから加熱するヒータを設け、投入した生ゴミのカッターによる粉砕と、その後の炭化槽からの加熱とセラミックヒータからの輻射熱効果により、乾燥、熱分解、炭化を行い、蒸発成分は消煙、消臭器で処理後大気に放出するようにした業務用に好適な生ゴミ処理方法と装置も知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【0005】
また、燻煙から分離された凝縮物と生ゴミとを混合した上、乾燥器において乾燥用ガスとの間接熱交換によって消臭、減容を図る生ゴミの処理方法と装置も知られている(例えば、特許文献5参照。)。
【特許文献1】特開平6−64704号公報
【特許文献2】特開平7−180955号公報
【特許文献3】特開2005−221158号公報
【特許文献4】特開平10−259908号公報
【特許文献5】特開2005−81224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のものは、醗酵処理と真空乾燥処理とによって生ゴミを堆肥として再利用はできる。しかし、廃棄処理するのには向かない。従って、使用済みのおむつ類を廃棄できるように乾燥処理することはできない。特許文献2に記載のものは真空乾燥と同時にヒータで加熱しているが、加熱が上方のヒータからの熱輻射だけによるもので、加熱効率は低く灰分化はもとより、炭化物程度にするにも時間が長く掛かりすぎ廃棄できる状態は得にくい。特許文献3に記載のものは真空処理室の外回りに200℃〜300℃の高温空気を供給して加熱するようにしているが、これも加熱効率は低く、特許文献2に記載のもの同様に、灰分化はもとより、炭化物程度にするにも時間が長く掛かりすぎ廃棄できる状態は得にくい。しかも、引用文献1〜3に記載のもののように真空乾燥方式であると、密閉するためバッチ処理しかできないし、真空排気手段が必要な上処理容器が圧力容器となる上、真空引きするのに水分も同時に吸引してしまうので水の分離装置も必要になる。さらに臭気を十分に除去するにはそれに見合う装置も必要になる。これらのため装置は複雑で取り扱いにくく高価なものになる。従って、家庭や小売店での小規模処理には向かない。
【0007】
また、特許文献4に記載のものは、遠赤外線輻射セラミック層を内面に設けた炭化槽が必要な上に、カッターを組み込み、触媒と触媒ヒータとを組み合わせた酸化触媒により酸化分解を図る消煙、消臭器を設けるもので、装置が複雑で高価なものになる。しかも、生ゴミを炭化させるための遠赤外線セラミックヒータは生ゴミに対し遠い一箇所からの輻射加熱となるし、ヒータによる加熱も炭化槽の底部外からの間接加熱となるので、カッターによる粉砕、攪拌効果があるにしても処理能力を向上させにくいし、炭化以上の処理はできず減容効果はまだ低い。
【0008】
特許文献5に記載のものは、燻煙の凝縮物が生ゴミの表面に付着し、また内部に浸透することによって消臭ができ、その効果は長期に持続される特徴があっても、燻煙を発生させる装置と材料とが必要となり、残留物もあるので処理が必要となる。しかも、消臭された生ゴミは乾燥器において乾燥用ガスとの間接熱交換によってさらに消臭、減容が図られるが、乾燥器外の装置、例えば燻煙装置の排熱を利用して加熱した乾燥用ガスを外部から供給するだけであるので、加熱効率が低く処理に時間が掛かるし減容効果はまだ十分とはいえない。
【0009】
本発明の目的は、小型で安価な装置により生ゴミや使用済みおむつ類を十分な消臭、殺菌を伴い、減容効果大きく乾燥処理できる乾燥処理方法と装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の乾燥処理方法は、被処理物を収容する処理室内に、被処理物に直近から輻射熱を及ぼすように配管した内部電熱管を通電により発熱させて前記輻射熱を発生させるのに併せ、内部電熱管内に加熱媒体を通して加熱し処理室内に放出、充満させて被処理物に曝しながら処理室外へ排気することを所定時間行い、殺菌、消臭を伴い被処理物を乾燥させることを1つの特徴としている。
【0011】
このような構成の乾燥処理方法は、電熱管の発熱による直近からの輻射加熱と、電熱管を通って効率よく加熱され処理室内に放出されて充満し被処理物間にも進入し接触しながら排気される加熱媒体による更新しながらの加熱と、によって被処理物を効率よく加熱し、短時間で熱分解を伴い乾燥させ、消臭、殺菌が十分に達成されるし、加熱温度によっては炭化を超えて灰分化するまで乾燥処理させられ、これに必要な装置は簡単かつ小型なものとなる。
【0012】
つまり、被処理物を収容する処理室と、通電により発熱し被処理物に直近から輻射熱を及ぼすように処理室内に配管した内部電熱管と、この内部電熱管に加熱媒体を供給して処理室内に放出、充満させて被処理物に曝しながら外部に排出させる加熱媒体供給手段と、を備え、被処理物を輻射熱と加熱媒体とにより加熱して消臭、殺菌を伴い乾燥させるようにしたことを特徴とする乾燥処理装置によって達成できる。
【0013】
また、本発明の乾燥処理方法は、被処理物を収容する処理室内に、被処理物に直近から輻射熱を及ぼすように配管した内部電熱管を通電により発熱させて前記輻射熱を発生させるのに併せ、内部電熱管内に加熱媒体を通して加熱し処理室内に放出、充満させて被処理物に曝しながら処理室外へ排気することを所定時間行い、殺菌、消臭を伴い被処理物を乾燥させ、処理室から排気する加熱媒体は通電して発熱させている外部電熱管に導入して再度加熱し消臭、殺菌を伴い外部に排気することを別の特徴としている。
【0014】
このような構成の乾燥処理方法は、1つの特徴の構成の場合に加え、さらに、処理室から排気される加熱媒体に被処理物の種類によって発散物質、特に臭気成分が随伴していることがあっても、外部電熱管を通して効率良く再加熱して熱分解を図り排気することによって十分な消臭を伴い外部に排気することができる。
【0015】
それには、上記の乾燥処理装置において、さらに、処理室の排気口に、通電により発熱される外部電熱管を接続し、処理室から排気される加熱媒体を導入して再度加熱によるさらなる消臭、殺菌を伴い外部に排気するようにした構成として達成できる。
【0016】
処理室から排気する加熱媒体の外部電熱管への導入は、外部電熱管に吹き込み外部に排気させる空気の流れによる吸引力にて行う、さらなる構成では、
外部電熱管での加熱処理に空気を供給することで臭気成分の酸化分解を促進して消臭効果を高めるのに併せ、処理室内の加熱媒体を吸引して排出させることで、一部開放状態にしながら正圧を保つように加熱媒体を充満させれば、加熱媒体の外部電熱管を通じた再加熱処理を優先して一部開放部からの加熱媒体の漏れと減圧を抑えて、被処理物に接触し効率よく加熱することを保証でき、被処理物の連続処理に好適となる。
【0017】
これには、外部電熱管に、空気を吹き込んで処理室から排出される加熱媒体を吸引して導入し外部に排出させる空気供給手段を設けることで対応できる。
【0018】
加熱媒体は、蒸気、空気、窒素ガスの少なくとも1つを用いることができ、蒸気でも電熱管により高温の過熱蒸気として供給することができ、熱分解、消臭性能を高められるし、加熱媒体の種類によって消臭効果をさらに高められる。
【0019】
被処理物としては、生ゴミはもとより、使用済みのおむつ類などの汚物が付着した不織布であっても乾燥させ、消臭、殺菌することができるし、加熱温度によっては炭化を超えて灰分化するまで乾燥処理させられる。
【0020】
処理室内へ一端側から被処理物を投入する投入手段と、処理室内に投入される被処理物を回転させながら処理室の他端側へ搬送して処理室外へ排出するように横設した通気性のドラムと、を備え、内部電熱管は処理室の壁とドラムとの間にスパイラルに配管してドラムまわりから被処理物を加熱しながら加熱媒体を放出するようにし、処理室内は少なくとも加熱媒体による正圧に設定した、さらなる構成では、
回転するドラムに被処理物を受け入れてまわりの長尺な電熱管からの輻射熱および長尺な電熱管を通じ十分に加熱された加熱媒体に曝して効率よく加熱し、乾燥処理し排出することを連続して行いながら、投入口、排出口からの流出を上回る加熱媒体の供給にて正圧を保つことで加熱媒体の被処理物との更新しながらの十分な接触を確保して乾燥処理能力を高められる。
【0021】
ところで、おむつ類は、カッティングして乾燥処理に供するのが処理効率を高める上で好適である。
【0022】
それには、投入手段または処理室は、被処理物をカッティングするカッティング手段を備えればよく、被処理物が使用済みのおむつ類のように大きく、ボリュームのあるような場合でも、それを自動的に細分化したものを乾燥処理に供し、処理能率を高められる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の乾燥処理方法と装置の1つの特徴にれば、簡単かつ小型で安価な装置によって、直近からの輻射加熱と、十分に加熱されて被処理物間にも及ぶ加熱媒体の更新しながら接触した加熱とにより、被処理物を熱分解を伴い、消臭、殺菌が十分に達成でき、加熱炭化を超えて灰分化するまで短時間に乾燥処理でき、家庭や小売店などでの小規模処理に好適である。また、熱効率がよく省エネ性に優れる。
【0024】
本発明の乾燥処理方法と装置の別の特徴によれば、1つの特徴の場合に加え、さらに、被処理物の種類によって発散物質、特に臭気成分が随伴して処理室から排気されても、外部電熱管を通した再加熱による熱分解により十分に消臭して排気することができる。
【0025】
この場合、外部電熱管に空気を供給して臭気成分の酸化分解を促進し、また、加熱媒体の吸引による積極的な排気を図って処理室が密閉していなくても弊害とならず連続処理に好適なものとすることができる。
【0026】
加熱媒体は、蒸気、空気、窒素ガスの少なくとも1つを用いることができ、蒸気でも電熱管により高温の過熱蒸気として供給することができ、熱分解、消臭性能を高められるし、加熱媒体の種類によって酸化分解なども伴い消臭効果をさらに高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の乾燥処理方法と装置の実施の形態につき、図1、図2を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0028】
本実施の形態の乾燥処理方法と装置は、図1に示すような生ゴミ1や図2に示すような使用済みのおむつ類2などを乾燥処理し、必要に応じ例えば灰分化する程度にまで乾燥処理し、減容かつ消臭、殺菌する場合の一例である。しかし、本発明はこれに限られることはなく、減容、消臭、殺菌の少なくとも1つを目的にした各種の被処理物の乾燥処理に適用して有効である。
【0029】
本実施の形態の乾燥処理方法は、図1に示す乾燥処理装置を参照して、被処理物である生ゴミ1を収容する処理室3内に、生ゴミ1に直近から輻射熱5を及ぼすように配管した内部電熱管4を通電により発熱させて前記輻射熱5を発生させるのに併せ、内部電熱管4内に加熱媒体6を通して加熱し処理室3内に放出、充満させて生ゴミ1に曝しながら処理室3外へ排気することを所定時間行い、殺菌、消臭を伴い被処理物を乾燥させるようにしている。これにより、内部電熱管4の発熱による直近からの輻射熱5と、内部電熱管4を通って十分に加熱され処理室3内に放出されて充満し生ゴミ1間にも及んで更新しながら接触し排気される加熱媒体6による加熱とにより、生ゴミ1を効率よく加熱し、熱分解を伴い、消臭、殺菌が十分に達成され、これに必要な装置は簡単かつ小型なものとなる。また、内部電熱管4に蒸気を通して加熱媒体6を600℃を超える温度の過熱蒸気とすることもでき、400℃以上での加熱によれば加熱炭化を超えて灰分化するまで短時間に乾燥処理させられる。この結果、簡単かつ小型で安価な装置によって、直近からの輻射加熱と、十分に加熱されて生ゴミ1間にも及んで更新しながら接触する加熱媒体6による加熱とで、生ゴミ1を短時間に炭化を超えて灰分化するまで乾燥させて、消臭、殺菌が十分に達成でき、家庭や小売店などでの小規模処理にも好適である。また、熱効率がよく省エネ性に優れる。
【0030】
これを達成するのに図1に示す乾燥処理装置は、生ゴミ1を収容する処理室3と、通電により発熱し生ゴミ1に直近から輻射熱5を及ぼすように処理室3内に配管した内部電熱管4と、この内部電熱管4に加熱媒体6を供給して処理室3内に放出、充満させて生ゴミ1に曝しながら外部に排気させる加熱媒体供給手段7と、を備え、生ゴミ1を輻射熱5と加熱媒体6とにより加熱して消臭、殺菌を伴い乾燥させるようにしている。加熱媒体供給手段7はポンプ8によって水10をヒータ9により加熱する加熱器11を経て電磁弁12を介し内部電熱管4に供給するようにしている。このために、ポンプ8、ヒータ9、内部電熱管4はマイクロコンピュータなどの制御装置13により動作を制御するようにしてある。水を加熱器11で加熱すると飽和蒸気とすることができるが、これを通電している内部電熱管4に通すことで既述した過熱蒸気とすることができる。600℃を超える温度の加熱媒体6とするにも内部電熱管4への通電容量や内部電熱管4の長さによって容易に実現する。生ゴミ1の乾燥処理には120℃の過熱蒸気にて30分程度で達成でき、省エネ性に優れ消臭効果も十分である。また、高温での加熱処理により残る灰分量は生ゴミの処理前の容量に対し重量比で1/8程度と極く少量になり、排気も残存物も環境を汚染しない。また、乾燥処理装置は洗浄が自由にでき、水分が残っても乾燥処理時の初期に発散してしまい問題はない。もっとも、加熱器11は飽和蒸気を生成して供給できればよく、ボイラー一般を適用することができ、これから開発される各種のものを含んでよい。
【0031】
また、生ゴミ1が例えば魚など悪臭物が多いといったことや汚物が付着した使用済みのおむつ類2といった被処理物によっては臭気のきついものもあり、処理室3から排気する加熱媒体6に臭気成分が随伴することがある。しかし、図1に示すように、処理室3から排気する加熱媒体6を通電して発熱させている外部電熱管21に導入して再度加熱してさらに熱分解を図り消臭、殺菌を伴い外部に排気することにより、処理室3から排気される加熱媒体6に生ゴミ1など被処理物の種類によって発散物質、特に臭気成分が随伴することがあっても、外部電熱管21を通した再加熱により十分に熱分解、消臭して排気することができる。しかも、外部電熱管21は処理室3の排気口22に接続して空気23を吹き込んで排出する加熱媒体6に混合させることで、臭気の酸化分解を促進することができ消臭効果をさらに高められる。この外部電熱管21に空気23をコンプレッサ24から圧送して吹き込み排気させるときの流れによって、処理室3内の加熱媒体6を外部電熱管21に吸引力して導入するインジェクター機能を発揮させることができる。このような加熱媒体6の外部電熱管21への吸引導入により、加熱媒体6の処理室3からの積極的な排気を図って処理室3が密閉していなくても弊害とならないようにすることができ、被処理物の連続投入と連続排出による連続処理に好適となる。ここに、外部電熱管21、コンプレッサ24も制御装置13により動作を制御される。
【0032】
もっとも、このような空気23の吹き込みは内部電熱管4に対しても行って、処理室3にて酸化分解作用を促進し消臭機能を高めることができるし、加熱媒体6自体を空気のみとして内部電熱管4を通じ供給しても消臭、殺菌を伴なった十分な乾燥処理ができる。また、空気23に代えて、あるいは空気23と共に窒素ガスを混入し、また単独の加熱媒体6として用いることもできる。
【0033】
ここで、処理室3はバッチ処理用にしても、連続処理用にしてもよいが、図1に示す乾燥処理装置は、特に、連続処理するために、処理室3内へその一端側の常時開放した投入口34を通じ生ゴミ1などの被処理物を投入する投入手段31と、処理室3内に投入される生ゴミ1などを羽根32などで処理室3の他端側へ搬送して常時開放の排出口35を通じ処理室3外へ排出するように横設した金網などよりなる通気性の回転ドラム33と、を備え、内部電熱管4は処理室3の外壁とモータ33aにより回転駆動する回転ドラム33との間にスパイラルに配管して回転ドラム33内にその終端部から加熱媒体6を放出し正圧状態を保って充満させ、かつ投入口34や排出口35から漏れ出るにしても排気口22からの排気が優先されるようにしている。これにより、回転ドラム33に生ゴミ1などを受け入れてまわりの内部電熱管4からの輻射熱5および加熱媒体6に曝して効率よく加熱し、乾燥処理し排出することを連続して行いながら、投入口34、排出口35からの流出を上回る加熱媒体6の供給にて正圧を保つことで加熱媒体6の生ゴミ1などとの更新しながらの接触を確保して乾燥処理能力を高められる。なお、排出口35にはフラップ蓋35aを設け、残量物がこれを押し開けながら排出されることで、開放度を抑え加熱媒体6が漏れ出るのを最小に抑えられるようにしている。なお、投入手段31は蓋31aを有して臭気が外部に発散しないようにしてあるほか、ホッパー部31bからモータ31dで駆動するスクリュー31cを内蔵するなどした強制搬送部31bに落とし込み、確実に投入できるようにしている。この場合、モータ31d、33aを関連付けて速度制御することによって定量ずつ過不足なく乾燥処理することができる。
【0034】
被処理物が図2に示す使用済みのおむつ類2などの不織布であっても既述したように灰分化し、消臭、殺菌することができるが、カッティングして乾燥処理に供するのが処理効率を高める上で好適である。それには、図2に示すように乾燥処理装置の投入手段31に、被処理物をカッティングするカッティング手段41を備えればよく、被処理物が使用済みおむつ類2のように大きく、ボリュームのあるような場合でも、それを自動的に細分化したものを乾燥処理に供し、処理能率を高められる。もっとも、使用済みのおむつ類2は汚物が付着していてカッティングに際し悪臭を放つことを考えると、蓋31aを設けるなどして開放部のない状態にするのが好適であるし、処理室3に繋がった加熱媒体6の充満域にして乾燥処理が行われるようにすることもできる。このような意味で処理室3内にカッティング手段41を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は生ゴミや使用済みのおむつ類の乾燥処理に実用して、十分な減容、消臭、殺菌ができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の、1つの実施の形態に係る乾燥処理装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】図1の装置における使用済みのおしめ類に対応した投入装置例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 生ゴミ
2 使用済みのおむつ類
3 処理室
4 内部電熱管
5 輻射熱
6 加熱媒体
7 加熱媒体供給手段
8、24 ポンプ
9 ヒータ
10 水
11 加熱器
12 電磁弁
13 制御装置
21 外部電熱管
22 排気口
23 空気
31 投入手段
32 羽根
33 回転ドラム
34 投入口
35 排出口
41 カッティング手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を収容する処理室内に、被処理物に直近から輻射熱を及ぼすように配管した内部電熱管を通電により発熱させて前記輻射熱を発生させるのに併せ、内部電熱管内に加熱媒体を通して加熱し処理室内に放出、充満させて被処理物に曝しながら処理室外へ排気することを所定時間行い、殺菌、消臭を伴い被処理物を乾燥させることを特徴とする乾燥処理方法。
【請求項2】
被処理物を収容する処理室内に、被処理物に直近から輻射熱を及ぼすように配管した内部電熱管を通電により発熱させて前記輻射熱を発生させるのに併せ、内部電熱管内に加熱媒体を通して加熱し処理室内に放出、充満させて被処理物に曝しながら処理室外へ排気することを所定時間行って、殺菌、消臭を伴い被処理物を乾燥させ、処理室から排気する加熱媒体は通電して発熱させている外部電熱管に導入して再度加熱し消臭、殺菌を伴い外部に排気することを特徴とする乾燥処理方法。
【請求項3】
処理室から排気する加熱媒体の外部電熱管への導入は、外部電熱管に吹き込み外部に排気させる空気の流れによる吸引力にて行う請求項2に記載の乾燥処理方法。
【請求項4】
加熱媒体は、蒸気、空気、窒素ガスの少なくとも1つを用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
【請求項5】
被処理物は生ゴミまたは使用済みのおむつ類である請求項1〜4のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
【請求項6】
使用済みのおむつ類は、カッティングして乾燥処理に供する請求項5に記載の乾燥処理方法。
【請求項7】
被処理物を収容する処理室と、通電により発熱し被処理物に直近から輻射熱を及ぼすように処理室内に配管した内部電熱管と、この内部電熱管に加熱媒体を供給して処理室内に放出、充満させて被処理物に曝しながら外部に排気させる加熱媒体供給手段と、を備え、被処理物を輻射熱と加熱媒体とにより加熱して消臭、殺菌を伴い乾燥させるようにしたことを特徴とする乾燥処理装置。
【請求項8】
処理室の排気口に、通電により発熱される外部電熱管を接続し、処理室から排出される加熱媒体を再度加熱してさらなる消臭、殺菌を伴い外部に排気するようにした請求項7に記載の乾燥処理装置。
【請求項9】
外部電熱管に空気を吹き込み、この空気が外部電熱管を通じ排気される流れによって処理室から排気される加熱媒体を吸引して混合し共に排気させる空気供給手段を設けた請求項8に記載の乾燥処理装置。
【請求項10】
処理室内へ一端側から被処理物を投入する投入手段と、処理室内に投入される被処理物を回転させながら処理室の他端側へ搬送して処理室外へ排出するように横設した通気性のドラムと、を備え、内部電熱管は処理室の壁とドラムとの間にスパイラルに配管してドラムまわりから被処理物を加熱しながら加熱媒体を放出するようにし、処理室内は少なくとも加熱媒体による正圧に設定した請求項7〜9のいずれか1項に記載の乾燥処理装置。
【請求項11】
投入手段または処理室は、被処理物をカッティングするカッティング手段を備えている請求項10に記載の乾燥処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−20080(P2008−20080A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189530(P2006−189530)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(591130537)株式会社両双 (9)
【出願人】(501005830)
【Fターム(参考)】