説明

乾燥機を備えた熱処理システム及びその運転方法

【課題】運転停止時に乾燥機の損傷及び発火を防止し、さらには乾燥機後段に設けられた熱交換器などの他の機器にも不具合を発生させることなく安全に停止工程を行うことができる乾燥機を備えた熱処理システム及びその運転方法を提供する。
【解決手段】乾燥機1の乾燥排ガス出口側と乾燥排ガス排出ライン32を介して熱交換器4が接続され、該乾燥排ガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼炉3と燃焼ガス供給ライン35を介して前記乾燥機入口側が接続され、熱交換器4では、低温側の乾燥排ガスと高温側の燃焼ガスとの間で熱交換するようにした乾燥機1を備えた熱処理システムにおいて、乾燥排ガス排出ライン32上に、乾燥機1の停止時に閉止される遮断ダンパ41を設けるとともに、燃焼ガス供給ライン35上に、乾燥機1の停止時に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を設けた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥機を備えたシステムにて、運転停止時における乾燥機内の高温化による損傷及び発火を防止し、さらには後段に設置された熱交換器等の他の機器の損傷及び発火も防止することができる乾燥機を備えた熱処理システム及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥機を備えたシステムでは、被処理物を乾燥させるための高温の燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスを乾燥機内に導入して被処理物を直接加熱若しくは間接加熱することにより被処理物を乾燥させている。このようなシステムでは、通常停止時や異常が発生した際の非常停止時にはまず被処理物の供給が停止されるが、被処理物が乾燥機内に供給されない状態で燃焼ガスが流入すると、乾燥機内が高温雰囲気となり乾燥機本体が損傷したり、機内に残る乾燥処理物が燃焼ガスに晒されることで過乾燥となり可燃性のガスが発生し、乾燥機後段で爆発する危険性がある。また、過乾燥となった処理物自身も発火し、周辺機器に重大な損傷を与える危険がある。
【0003】
このような問題を避けるため、従来は乾燥機内に燃焼ガスを供給する循環ファンの吸込みダンパを停止し、乾燥機内に流入する燃焼ガスを遮断するようにしていた。
同様の構成として特許文献1(特開2005−195278号公報)には、運転立下時において、燃焼ガスを生成する熱風炉のバーナ火炎が消えた場合に、熱風を乾燥機内に導入するための燃焼ファンの作動を停止する構成が開示されている。
【0004】
しかし近年、熱効率向上のために乾燥機の後段に熱交換器が設置されることがあり、特許文献1に記載されるように、熱交換器に導入される高温側ガスとして脱臭炉の燃焼ガスを、低温側ガスとして乾燥機からの乾燥排ガスを利用したシステムの場合、乾燥機が停止して低温側の乾燥排ガスが供給されなくなると、熱交換器が急激に温度上昇し、該熱交換器が損傷若しくは発火する惧れがあった。従って、このようなシステムの場合は、低温側の乾燥排ガスを遮断することは危険である。
【0005】
また、乾燥機の発火を防止するようにした技術として、特許文献2(特開平9−138069号公報)に記載される方法が提案されている。図4に示すようにこの乾燥設備は、熱風炉201にて生成した燃焼ガスを乾燥ファン203により乾燥機202に供給し、燃焼ガスによりごみを乾燥させる。乾燥機202から排出された乾燥排ガスは熱交換器204にて昇温した後脱臭炉205にて燃焼脱臭させる。脱臭炉205からの燃焼ガスは熱交換器204にて乾燥排ガスと熱交換して冷却した後、熱風炉201に循環させるようになっている。この設備では、熱風炉201と乾燥機202の間にダンパ210を備え、また熱風炉201を介さないで乾燥ファン203と乾燥機202の熱風吹込口とを接続するバイパス211を備えた構成とし、圧力や温度が急激に変化する不安定運転時には、ダンパ210を閉鎖してダンパ212を開放し、熱風炉201を介さず且つ外気の進入しない循環経路を形成することにより酸素濃度の低い状態で乾燥機を冷却する構成としている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−195278号公報
【特許文献2】特開平9−138069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、乾燥機を備えたシステムの問題点として、乾燥機の停止時に機内が高温となり乾燥機本体の損傷や被処理物の過乾燥による発火、さらには可燃性ガスの発生による爆発などの危険性があった。
この対策として、特許文献1に記載されるように乾燥に用いられる燃焼ガスを遮断する方法が挙げられるが、乾燥機の後段側に熱交換器を備え、低温側ガスとして乾燥排ガスを利用している場合には、乾燥排ガスの循環停止により熱交換器が高温化し、熱交換器の損傷や発火の惧れがある。
【0008】
これに対して特許文献2に記載される方法では、バイパス211を設けることにより熱交換器204に供給されるガス流れは確保できる。しかし、熱風炉201の直後に設けたダンパ210により熱風炉201から乾燥機202への燃焼ガスの流入を防止する構成としており、ダンパ210が燃焼ガス雰囲気に晒されているため損傷しやすく、また歪みが生じやすいため信頼性の低いものとなり、確実に燃焼ガスを遮断することは困難である。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、運転停止時に乾燥機の損傷及び発火を確実に防止し、さらには乾燥機後段に設けられた熱交換器などの他の機器にも不具合を発生させることなく安全に停止工程を行うことができる乾燥機を備えた熱処理システム及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、乾燥機の乾燥排ガス出口側と熱交換器とが乾燥排ガス排出ラインを介して接続され、該熱交換器にて昇温された乾燥排ガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼炉と前記乾燥機の燃焼ガス入口側とが燃焼ガス供給ラインを介して接続され、前記熱交換器は、前記乾燥排ガスと前記燃焼ガスの少なくとも一部が導入されこれらの間で熱交換を行うようにした乾燥機を備えた熱処理システムにおいて、
前記乾燥排ガス排出ライン上に、定常運転時は開の状態に維持され前記乾燥機の停止時に閉に切り替えられる遮断ダンパを設けるとともに、前記燃焼ガス供給ライン上に、前記乾燥機の停止時に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、乾燥機出口側の乾燥排ガス排出ライン上に遮断ダンパを設け、停止時に遮断ダンパを閉じることで高温の過熱ガスが乾燥機内に供給されることを防止する。これにより、乾燥機が高温化することを防止でき、乾燥機本体の損傷や乾燥機内に残留した乾燥処理物の発火を防止できる。さらに、過乾燥による可燃性ガスの大量発生を防止し、後段での爆発の危険性を防ぐことができる。さらにまた、遮断ダンパを低温の乾燥排ガス排出ラインに設置したため、高温雰囲気での使用を避けることができ、信頼性が高くかつ材料コストの安いダンパとすることができる。また、停止時に乾燥機入口側に不活性ガスを供給するようにしたため、リーク酸素により乾燥機内の酸素濃度が上昇することを防止できる。尚、システムの停止条件によっては遮断ダンパを閉じるインターロックを設けるようにしてもよい。
【0011】
また、前記熱交換器にて冷却された燃焼ガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置を含む排ガス処理ラインを備え、
前記排ガス処理ラインの前記酸性ガス除去装置より下流側から前記乾燥ガス排出ラインに接続される燃焼ガス返送ラインと、前記燃焼ガス返送ライン上に設けられ、定常運転時には閉の状態に維持され前記乾燥機の停止時に開に切り替えられる遮断ダンパとを設け、前記乾燥機の停止時に低温で且つ低酸素濃度の燃焼ガスを前記熱交換器に供給するようにしたことを特徴とする。
【0012】
このように、乾燥機の停止時に酸性ガス除去装置より下流側の燃焼ガスを熱交換器に導入することにより、低温で且つ低酸素濃度の燃焼ガスを熱交換器に供給することができ、熱交換器の過加熱を防止できる。熱交換器の過加熱を防止することにより、機器の損傷や発火、粉塵爆発の危険性のない安全性の高いシステムとすることができる。さらに、この燃焼ガスは酸性ガス除去後のクリーンなガスであるため、熱交換器を含む系内の腐食を防止することが可能である。本構成によれば、乾燥機循環ファンを停止することなくシステムの運転を継続し、他の機器に影響を与えることなく安全にシステムの停止工程を行うことが可能となる。
【0013】
また、前記乾燥排ガス排出ライン上に設けられた前記遮断ダンパの入口側と出口側に不活性ガスを供給する第2の不活性ガス供給手段を設けたことを特徴とする。
このように、遮断ダンパを閉じた後、該遮断ダンパの入口側及び出口側に不活性ガスを封入することで、リーク酸素による可燃性微粒子の発火防止及び乾燥機の蓄熱にて発生する蒸気のパージを行うことができる。
【0014】
さらに、前記乾燥機から排出された乾燥処理物を炭化する炭化炉と、該炭化炉から排出された熱分解ガスを前記燃焼炉に供給する熱分解ガス排出ラインと、を備えたことを特徴とする。
さらにまた、前記乾燥機から排出された乾燥処理物を溶融する溶融炉と、該溶融炉から排出された熱分解ガスを前記燃焼炉に供給する熱分解ガス排出ラインと、を備えたことを特徴とする。
このように、本発明は炭化炉若しくは溶融炉を備えたシステムにおいても好適に適用できるものである。
【0015】
また、運転方法の発明として、燃焼炉にて生成した燃焼ガスを乾燥機の燃焼ガス入口から導入し、該乾燥機の乾燥排ガス出口から排出された乾燥排ガスを熱交換器に導入するとともに、前記燃焼炉にて生成した燃焼ガスの一部を前記熱交換器に導入して、前記乾燥排ガスと前記燃焼ガスとの間で熱交換を行うようにした熱処理システムの運転方法において、
前記乾燥機の乾燥排ガス出口から前記熱交換器へ繋がる乾燥排ガス排出ライン上に遮断ダンパが設けられ、定常運転時には前記遮断ダンパを開の状態に維持し、
前記乾燥機の停止時には、前記遮断ダンパを閉に切り替えて乾燥排ガスを遮断するとともに、前記乾燥機の燃焼ガス入口側に不活性ガスを供給するようにしたことを特徴とする。
【0016】
さらに、前記乾燥機の停止時に、前記熱交換器にて冷却された燃焼ガスから酸性ガスを除去した後の低温で且つ低酸素濃度の燃焼ガスを前記乾燥排ガスの代替として前記熱交換器に導入するようにしたことを特徴とする。
さらにまた、前記乾燥機の停止時に、前記遮断ダンパの入口側と出口側に不活性ガスを供給するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上記載のごとく本発明によれば、乾燥機の乾燥排ガス出口側に遮断ダンパを設けることにより乾燥機の停止時に即座に乾燥機への熱源を遮断することができ、乾燥機が高温化することを防止し、乾燥機本体の損傷や乾燥機内に残留した乾燥処理物の発火を防止できる。さらに、過乾燥による可燃性ガスの大量発生を防止し、後段での爆発の危険性を防ぐことができる。
また、乾燥機入口側、及び遮断ダンパの入口側と出口側に不活性ガス供給手段を設けることにより、乾燥機の停止時にリーク酸素による可燃性微粒子の発火防止及び乾燥機の蓄熱にて発生する蒸気のパージを行うことができる。
さらに、乾燥機の停止時に酸性ガス除去装置より下流側の燃焼ガスを熱交換器に導入することにより、低温で且つ低酸素濃度の燃焼ガスを熱交換器に供給することができ、熱交換器の過加熱を防止し、機器の損傷や発火、粉塵爆発の危険性のない安全性の高いシステムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は実施例1に係る乾燥機を備えた熱処理システムの基本構成図、図2は実施例2に係る乾燥機と炭化炉を備えた熱処理システムの構成図、図3は実施例3に係る乾燥機と溶融炉を備えた熱処理システムの構成図である。
本実施例の熱処理システムは、乾燥機の停止時にも乾燥機内が高温化することなく、乾燥機や熱交換器を含む機器の損傷や発火を防止するようにした安全性の高いシステムである。ここで、停止時とは、定常運転における通常停止時、及び異常時における非常停止時を含むものである。
【実施例1】
【0019】
図1を参照して、本実施例に係るシステムの基本構成につき説明する。
本システムは、被処理物を乾燥させる乾燥機1と、乾燥機1から排出される乾燥排ガスを集塵するサイクロン2と、サイクロン2を経た乾燥排ガスを燃焼して燃焼ガスを生成する乾燥機燃焼炉3と、乾燥機1からの乾燥排ガスと乾燥機燃焼炉3からの燃焼ガスとの間で熱交換を行う循環ガス予熱器4と、該循環ガス予熱器4にて冷却された燃焼ガスを処理する排ガス処理ライン5と、を備えた構成となっている。
【0020】
乾燥機1としては、被処理物を乾燥させる構造であれば何れでもよいが、特に直接加熱式乾燥機が好ましい。一例として、図1に示すようなロータリーキルン式の乾燥機が挙げられる。これは、キルン本体101に回転軸102が偏芯した状態で挿設され、該回転軸102には複数のパドル103が設けられる。キルン本体101の一側には被処理物投入口と、他側には乾燥処理物排出口が形成されるとともに、該キルン本体101には、被処理物の乾燥に用いられる燃焼ガスを導入する燃焼ガス入口と、被処理物の乾燥で生じた乾燥排ガスを排出する乾燥排ガス出口が設けられている。キルン本体内に投入された被処理物は、高速で回転する回転軸102と、該回転軸102に対して逆方向に低速で回転するキルン本体101によりキルン内を移送されながら、燃焼ガスと接触することにより乾燥される。被処理物として下水汚泥を用いる場合には、上記した構成を有するロータリーキルン式乾燥機が適している。これは、下水汚泥の含水率によって粘土が高くなる域があるため、回転軸102を高速で回転することにより汚泥のキルン本体101への固着を防止できるためである。
【0021】
乾燥機燃焼炉11は、可燃性ガスを含む乾燥排ガスを燃焼させる装置であり、必要に応じて補助燃料を投入するようになっている。
循環ガス予熱器4は、乾燥機1からの乾燥排ガスが低温側ガス入口に導入され、乾燥機燃焼炉3からの燃焼ガスの少なくとも一部が高温側ガス入口に導入され、該乾燥排ガスと燃焼ガスとの間で熱交換を行う装置であり、乾燥排ガスの昇温とともに燃焼ガスの冷却を目的としている。循環ガス予熱器4は、相変化を伴わないガス−ガス熱交換器である。冷却された燃焼ガスは、原則として後段側の排ガス処理ライン5に送給される。
【0022】
排ガス処理ライン5は、少なくとも酸性ガス除去装置501を備えている。酸性ガス除去装置501は、SOやHCl等の酸性ガスを除去する装置であり、スクラバ、バグフィルタ等が挙げられる。
スクラバは、苛性ソーダ等のアルカリ剤を含む洗浄水を噴霧することによって酸性ガスを除去する。このとき排ガス温度も低下させることができる。スクラバは、SOの除去に適しているため、処理対象としては燃焼ガス中にSOが多く含まれる下水汚泥が好ましい。
一方、バグフィルタは、排ガス入口側にて消石灰を噴霧することによりHClを主とする酸性ガスを除去する。バグフィルタを設置する場合、バグフィルタより上流側に減温塔を設置してバグフィルタ入口温度を所定温度まで低下させる必要がある。バグフィルタは、HClの除去に適しているため、処理対象としては燃焼ガス中にHClが多く含まれる一般ごみなどの廃棄物が好ましい。
【0023】
ここで、系内のガス流れを説明する。尚、ここに記載される温度は一実施例であり、これらに限定されるものではない。
乾燥機1から排出された200℃の乾燥排ガスは、乾燥ガス排出ライン31を介してサイクロン2に導かれ、該サイクロン2にて集塵された後乾燥排ガス排出ライン32を通って循環ガス予熱器4に送給される。このとき、乾燥排ガスの少なくとも一部は、循環ガスライン38を介して乾燥機の燃焼ガス入口側へ送給される。循環ガスライン38上にはダンパ46が設置され、循環ガス流量を調整するようになっている。
【0024】
循環ガス予熱器4にて550℃まで昇温された排ガスはガス送給ライン34を介して乾燥機燃焼炉3に供給され、乾燥機燃焼炉3にて燃焼脱臭される。乾燥機燃焼炉3にて生成された950℃の高温の燃焼ガスは、その少なくとも一部を乾燥用に用いる燃焼ガスとして燃焼ガス供給ライン35を通って乾燥機1に供給され、残りはガス送給ライン36を通って循環ガス予熱器4に導かれて冷却される。冷却された燃焼ガスは、循環ガス予熱器4から排出され排ガス処理ライン5へ送給される。
【0025】
乾燥ガス排出ライン32上には循環ファン44が設置され、これにより上記したようなガス流れが形成されるようになっている。このとき原則として、ファン吸込み口側のダンパ43の出力が15〜30%になるように、循環ファン44の電動機回転数をステップ制御する。
また、乾燥排ガス排出ライン32上で且つ循環ファン44より上流側には、ダンパ43が設置されている。そして、乾燥機1の乾燥排ガス出口の排ガス温度、流量に基づいてダンパ43を開度制御し、乾燥排ガスの流量を調整するようになっている。また、同様に、乾燥排ガス出口の排ガス温度、流量に基づいて誘引ファンの回転数を適宜調整するとよい。
【0026】
本実施例のような構成を有するシステムでにおいては、乾燥機1の停止時に高温の燃焼ガスが乾燥機内に供給されると乾燥機本体が損傷する危険が懸念される。また、乾燥機1内に残留した乾燥処理物が高温の加熱ガスに晒されることで過乾燥となり、可燃性のガスが発生し、後段で爆発する危険性がある。さらに、過乾燥となった処理物自身も発火し、周辺機器に重大な損傷を与える危険がある。
【0027】
そこで、本実施例の特徴的な構成として、乾燥機1の後流側で且つ循環ファン44より上流側の乾燥ガス排出ライン32上に、乾燥排ガスを遮断する遮断ダンパ41を設けた構成としている。この遮断ダンパ41は、定常運転時は開の状態に維持されるが、乾燥機1の停止時には閉に切り替えて乾燥排ガスの流れを遮断するようになっている。尚、システムの停止条件によっては遮断ダンパ41を閉じるインターロックを設けるようにしてもよい。
また、燃焼ガス供給ライン35上には不活性ガス供給手段が設けられている。この不活性ガス供給手段は、窒素ガス供給手段であることが好ましい。窒素ガス供給手段は、窒素ガス供給ライン50と、該窒素ガス供給ライン50上に設けられた遮断ダンパ51とから構成される。この遮断ダンパ51は、定常運転時は閉の状態に維持されているが、乾燥機1の停止時には遮断ダンパ51を開に切り替えられて窒素ガスを供給するようになっている。
【0028】
また本実施例では、乾燥排ガス排出ライン32上の遮断ダンパ41の入口側と出口側に不活性ガスを供給する第2の不活性ガス供給手段を設けることが好ましい。この第2の不活性ガス供給手段も窒素ガス供給手段であることが好ましく、この場合窒素ガス供給ライン53と、該窒素ガス供給ライン上に設けられた遮断ダンパ54とから構成する。この遮断ダンパ54は、定常運転時は閉の状態に維持されているが、乾燥機1の停止時には遮断ダンパ54を開に切り替えて窒素ガスを供給する。
【0029】
本実施例によれば、乾燥排ガス排出ライン32に遮断ダンパ41を設置することで、乾燥機1の停止時に即座に乾燥機1への熱源を遮断することができる。また上記の動作によって乾燥機1の損傷、乾燥処理物の過乾燥による可燃性ガスの発生及び処理物の発火を防止できる。
また、循環ファン44より上流側の乾燥ガス排出ライン32上に遮断ダンパ41を設置することで、乾燥機1の停止時に循環ファン44を停止することなく乾燥機1のみを停止することができる。
さらに、乾燥機1を停止させ、循環ファン44のみ運転継続することで他の機器への影響を少なくし、システム全体を安全に停止することができる。
さらにまた、乾燥機後流側の遮断ダンパ41を閉じた後、遮断ダンパ41の入口側と出口側に窒素ガスを封入することでリーク酸素による可燃性微粒子の発火防止及び乾燥機1の蓄熱にて発生する蒸気のパージを行うことができる。
【0030】
さらに、本実施例では、乾燥機の停止時に酸性ガス除去装置501より下流側の燃焼ガスを循環ガス予熱器4に導入する燃焼ガス返送ライン37と、該燃焼ガス返送ライン37上に位置する遮断ダンパ42とを設けることが好ましい。そして、定常運転時には遮断ダンパ42を閉の状態に維持し、乾燥機の停止時には遮断ダンパ42を開に切り替えて、こ低温で且つ低酸素濃度の燃焼ガスを循環ガス予熱器4に供給する。これにより循環ガス予熱器4の過加熱を防止できる。循環ガス予熱器4の過加熱を防止することにより、機器の損傷や発火、粉塵爆発の危険性のない安全性の高いシステムとすることができる。さらに、この燃焼ガスは酸性ガス除去後のクリーンなガスであるため、循環ガス予熱器4を含む系内の腐食を防止することが可能である。本構成によれば、循環ファン44を停止することなくシステムの運転を継続し、他の機器に影響を与えることなく安全にシステムの停止工程を行うことが可能となる。
【実施例2】
【0031】
図2を参照して、熱交換器と炭化炉とを備えた熱処理システムの全体構成につき説明する。本実施例では、一例として下水汚泥を被処理物とした場合につき説明する。尚、以下の実施例2及び実施例3において、上記実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
図2において、本システムの構成は、脱水汚泥を乾燥する直接加熱式乾燥機1と、乾燥機1から排出される乾燥汚泥を炭化する炭化炉6と、該炭化炉6にて発生した熱分解ガスを燃焼させる乾燥機燃焼炉3と、前記炭化炉6に供給する燃焼ガスを生成する炭化炉燃焼炉10と、からなる各種炉を備えるとともに、炭化炉6の加熱に用いられた排ガスから熱回収を行う空気予熱器7と、乾燥機燃焼炉3にて生成した燃焼ガスから熱回収を行う循環ガス予熱器4、及び白煙防止器12と、からなる各種熱交換器を備えている。また、系内にて発生した排ガスを処理する排ガス処理ライン5を備え、該排ガス処理ライン5は排煙処理塔502と、湿式電気集塵機503とを有している。
【0032】
本システムのフローを、各装置の具体的構成とともに説明する。尚、ここに記載される温度、圧力、含水率は一実施例であり、これらに限定されるものではない。
直接加熱式乾燥機1には、下水汚泥を脱水した脱水汚泥が供給される。脱水汚泥は80%程度の含水率である。同時に、該乾燥機1には850℃の燃焼ガスが導入される。この燃焼ガスは、乾燥機燃焼炉3にて生成された950℃の燃焼ガスに、該乾燥機1から排出される乾燥排ガスが混合されて生成されたものである。
乾燥機1にて脱水汚泥は25%の含水率になるまで乾燥され、排出される。乾燥機1にて発生した乾燥排ガスは粉塵を含む乾燥排ガスである。乾燥排ガスはサイクロン2にて集塵された後、その一部が分岐されて循環ガスライン38を通って乾燥機1に導入する燃焼ガス側へ送られ、他の乾燥排ガスはガス供給ライン32を介して循環ガス予熱器4に導かれる。
【0033】
乾燥機1から排出された乾燥汚泥は炭化炉6に供給される。同図において炭化炉6は、間接加熱式のロータリーキルンを示しているが、他の構成を有するものであってもよい。間接加熱式炭化炉6のジャケットには、1100℃の燃焼ガスが導入される。この燃焼ガスは、乾燥機燃焼炉3で生成された950℃の燃焼ガスの一部を空気とともに炭化炉燃焼炉10に供給し、これらを補助燃料を用いて燃焼させて生成されたものである。
燃焼ガスにより還元雰囲気で加熱された乾燥汚泥は炭化し、生成した炭化物は炭化物冷却コンベヤ8、加湿機9を経て炭化物ホッパへ送給される。
また、炭化に用いられた燃焼ガスは、炭化炉のジャケットから670℃で排出され、空気予熱器7に供給される。空気予熱器7では、炭化炉6から排出された燃焼ガスと、常温の燃焼用空気とを熱交換し、燃焼ガスの冷却及び燃焼用空気の加熱が行われる。加熱された燃焼用空気は、乾燥機燃焼炉3に導入され(不図示)、冷却された燃焼ガスは排ガス処理ライン5に送られる。
【0034】
一方、炭化炉6にて発生した熱分解ガスは、熱分解ガス排出ライン25を通って乾燥機燃焼炉3に導かれ、循環ガス予熱器4にて昇温された乾燥排ガスとともに該乾燥機燃焼炉3にて補助燃料を用いて燃焼され、950℃の燃焼ガスを生成する。ここで生成された燃焼ガスは3系統に分岐され、一系統は乾燥機1に導かれて乾燥用熱源として用いられ、別の一系統は炭化炉燃焼炉10に導かれてさらに高温化して炭化炉用熱源として用いられ、残りの一系統は後段の排ガス処理ライン5に送られる。
【0035】
乾燥機燃焼炉3にて生成された燃焼ガスのうち、排ガス処理ライン5に送られる系統は、まず循環ガス予熱器4に導入される。循環ガス予熱器4は、上記した実施例1と同様の構成を有するもので、乾燥機燃焼炉3からの燃焼ガスと、乾燥機1からの乾燥排ガスとが導入され、これらの間で熱交換が行われる。熱交換により昇温された乾燥排ガスは乾燥機燃焼炉3に供給される。
循環ガス予熱器4により冷却された燃焼ガスは、白煙防止器12にて白煙防止用空気と熱交換されてさらに冷却された後、排煙処理塔502にて酸性ガスの除去が行われ、湿式電気集塵機503にて集塵された後に煙突から大気放出される。白煙防止器12にて昇温された白煙防止用空気は、煙突の直前に導入され排ガスを昇温するために用いられる。
【0036】
排煙処理塔502と電気集塵機503の間の排ガス処理ライン5上と、乾燥機1から循環ガス予熱器4の間の乾燥排ガス循環ライン32上には、夫々誘引ファン46、循環ファン44が設置されており、これらの誘引ファン46、循環ファン44により上記したようなガス流れを形成している。これらの誘引ファン46、循環ファン44により、乾燥機燃焼炉3を基点とし該乾燥機燃焼炉3が−50Pa、サイクロン2出口が−2000Pa、循環ファン44入口側が−2500Pa、誘引ファン46出口が1000Paとなっている。即ち、乾燥機燃焼炉3から乾燥機1、循環ファン44までは負圧系ラインとなり、同様に乾燥機燃焼炉3から循環ガス予熱器4、誘引ファン46までは負圧系ラインとなる。これに対して、誘引ファン46から煙突までは正圧系ラインとなっている。
【0037】
さらに本実施例の特徴的構成として、実施例1と同様に、乾燥機1から循環ガス予熱器4に接続される乾燥ガス排出ライン32上に、乾燥排ガスを遮断する遮断ダンパ41が設けられている。遮断ダンパ41は、定常運転時は開の状態に維持されるが、乾燥機1の停止時には閉に切り替えられて乾燥排ガスの流れを遮断するようになっている。
また、乾燥機燃焼炉3から乾燥機1に接続される燃焼ガス供給ライン35には、窒素ガス供給ライン50と、遮断ダンパ51とから構成される不活性ガス供給手段が設けられている。この遮断ダンパ51は、定常運転時は閉の状態に維持され、乾燥機1の停止時には開に切り替えられて窒素ガスを供給するようになっている。
さらに、乾燥排ガス排出ライン32上の遮断ダンパ41の入口側と出口側に不活性ガスを供給する第2の不活性ガス供給手段が設けられ、該第2の不活性ガス供給手段は、窒素ガス供給ライン53と、遮断ダンパ54とから構成される。この遮断ダンパ54は、定常運転時は閉の状態に維持され、乾燥機1の停止時には遮断ダンパ54を開に切り替えて窒素ガスを供給するようになっている。
【0038】
さらにまた、排煙処理塔502より下流側で且つ誘引ファン46より下流側の燃焼ガスの少なくとも一部を分岐させ、前記乾燥排ガス排出ライン32に接続する燃焼ガス返送ライン37を設けている。燃焼ガス返送ライン37上にはダンパ42が設けられており、定常運転時には閉に維持されている。また、乾燥排ガス排出ライン32上にはダンパ43が設けられており、定常運転時には開に維持されている。これにより定常運転時には乾燥排ガスが循環ガス予熱器4に供給されるようになっている。
システムの停止時には、乾燥排ガス排出ライン32上のダンパ43を閉に切り替え、燃焼ガス返送ライン37上のダンパ42を開に切り替える。これにより、正圧の燃焼ガスが循環ガス予熱器4に円滑に供給されるようになる。
本実施例の構成とすることにより、炭化炉6を備えた熱処理システムにおいても、実施例1と同様の効果を得ることが可能である。
【実施例3】
【0039】
図3を参照して、乾燥排ガス利用の熱交換器と溶融炉とを備えた熱処理システムの全体構成につき説明する。本実施例では、一例としてごみを被処理物とした場合につき説明する。
図3において、本システムの構成は、ごみを乾燥する直接加熱式乾燥機1と、乾燥機1から排出される乾燥ごみを溶融する溶融炉60と、該溶融炉60にて発生した熱分解ガスを燃焼させる乾燥機燃焼炉3と、からなる各種炉を備えるとともに、乾燥機燃焼炉3にて生成した燃焼ガスから熱回収を行う循環ガス予熱器4、及び白煙防止器12と、からなる各種熱交換器を備えている。また、系内にて発生した排ガスを処理する排ガス処理ライン5を備え、該排ガス処理ライン5は排煙処理塔502と、湿式電気集塵機503とを有している。
【0040】
本実施例では、乾燥機1にて乾燥させた乾燥ごみを溶融炉60にて溶融処理し、溶融炉60から排出したスラグをスラグコンベア61を介してスラグホッパへ送給するようになっている。溶融炉60から排出される熱分解ガスは、熱分解ガス排出ライン26を通って乾燥機燃焼炉3に送給される。
乾燥機1にて発生した乾燥排ガスは、サイクロン2により集塵された後に乾燥排ガス排出ライン32を介して循環ガス予熱器4に導かれる。循環ガス予熱器4にて、乾燥機燃焼炉3からの高温側の燃焼ガスと、低温側の乾燥排ガスとの間で熱交換を行った後、乾燥排ガスは乾燥機燃焼炉3に導入され、溶融炉60からの熱分解ガスとともに補助燃料の供給により燃焼される。
乾燥機燃焼炉3から排出される燃焼ガスは3系統に分岐され、一部はガス供給ライン39を通って溶融炉60の燃焼空気として導入され、他の一部は燃焼ガス供給ライン35を通って乾燥機1に導かれて乾燥用熱源として用いられ、残りはガス供給ライン36を通って排ガス処理ライン5に送られる。
【0041】
また、実施例2と同様に、乾燥機1から循環ガス予熱器4に接続される乾燥ガス排出ライン32上に、乾燥排ガスを遮断する遮断ダンパ41が設けられている。遮断ダンパ41は、定常運転時は開の状態に維持されるが、乾燥機1の停止時には閉に切り替えられて乾燥排ガスの流れを遮断するようになっている。
また、乾燥機燃焼炉3から乾燥機1に接続される燃焼ガス供給ライン35には、窒素ガス供給ライン50と、遮断ダンパ51とから構成される不活性ガス供給手段が設けられている。この遮断ダンパ51は、定常運転時は閉の状態に維持され、乾燥機1の停止時には開に切り替えられて窒素ガスを供給するようになっている。
さらに、乾燥排ガス排出ライン32上の遮断ダンパ41の入口側と出口側に不活性ガスを供給する第2の不活性ガス供給手段が設けられ、該第2の不活性ガス供給手段は、窒素ガス供給ライン53と、遮断ダンパ54とから構成される。この遮断ダンパ54は、定常運転時は閉の状態に維持され、乾燥機1の停止時には遮断ダンパ54を開に切り替えて窒素ガスを供給するようになっている。
【0042】
さらに、排煙処理塔502より下流側で且つ誘引ファン46より下流側の燃焼ガスの少なくとも一部を分岐させ、前記乾燥排ガス排出ライン32に接続する燃焼ガス返送ライン37を設けている。燃焼ガス返送ライン37上にはダンパ42が設けられており、定常運転時には閉に維持されている。また、乾燥排ガス排出ライン32上にはダンパ43が設けられており、定常運転時には開に維持されている。これにより定常運転時には乾燥排ガスが循環ガス予熱器4に供給されるようになっている。
システムの停止時には、乾燥排ガス排出ライン32上のダンパ43を閉に切り替え、燃焼ガス返送ライン37上のダンパ42を開に切り替える。これにより、正圧の燃焼ガスが循環ガス予熱器4に円滑に供給されるようになる。
本実施例の構成とすることにより、溶融炉60を備えた熱処理システムにおいても、実施例1と同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施例1に係る乾燥機を備えた熱処理システムの基本構成図である。
【図2】実施例2に係る乾燥機と炭化炉を備えた熱処理システムの構成図である。
【図3】実施例3に係る乾燥機と溶融炉を備えた熱処理システムの構成図である。
【図4】従来のごみ乾燥設備の構成図である。
【符号の説明】
【0044】
1 乾燥機
2 サイクロン
3 乾燥機燃焼炉
4 循環ガス予熱器
5 排ガス処理ライン
6 炭化炉
7 空気予熱器
10 炭化炉燃焼炉
25、26 熱分解ガス排出ライン
31、32 乾燥排ガス排出ライン
35 燃焼ガス供給ライン
37 燃焼ガス返送ライン
38 乾燥排ガス循環ライン
41、42、51、54 遮断ダンパ
44 循環ファン
46 誘引ファン
50、53 窒素ガス供給ライン
60 溶融炉
501 酸性ガス除去装置
502 排煙処理塔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥機の乾燥排ガス出口側と熱交換器とが乾燥排ガス排出ラインを介して接続され、該熱交換器にて昇温された乾燥排ガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼炉と前記乾燥機の燃焼ガス入口側とが燃焼ガス供給ラインを介して接続され、前記熱交換器は、前記乾燥排ガスと前記燃焼ガスの少なくとも一部が導入されこれらの間で熱交換を行うようにした乾燥機を備えた熱処理システムにおいて、
前記乾燥排ガス排出ライン上に、定常運転時は開の状態に維持され前記乾燥機の停止時に閉に切り替えられる遮断ダンパを設けるとともに、前記燃焼ガス供給ライン上に、前記乾燥機の停止時に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を設けたことを特徴とする乾燥機を備えた熱処理システム。
【請求項2】
前記熱交換器にて冷却された燃焼ガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置を含む排ガス処理ラインを備え、
前記排ガス処理ラインの前記酸性ガス除去装置より下流側から前記乾燥ガス排出ラインに接続される燃焼ガス返送ラインと、前記燃焼ガス返送ライン上に設けられ、定常運転時には閉の状態に維持され前記乾燥機の停止時に開に切り替えられる遮断ダンパとを設け、前記乾燥機の停止時に低温で且つ低酸素濃度の燃焼ガスを前記熱交換器に供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の乾燥機を備えた熱処理システム。
【請求項3】
前記乾燥排ガス排出ライン上に設けられた前記遮断ダンパの入口側と出口側に不活性ガスを供給する第2の不活性ガス供給手段を設けたことを特徴とする請求項1若しくは2記載の乾燥機を備えた熱処理システム。
【請求項4】
前記乾燥機から排出された乾燥処理物を炭化する炭化炉と、該炭化炉から排出された熱分解ガスを前記燃焼炉に供給する熱分解ガス排出ラインと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の乾燥機を備えた熱処理システム。
【請求項5】
前記乾燥機から排出された乾燥処理物を溶融する溶融炉と、該溶融炉から排出された熱分解ガスを前記燃焼炉に供給する熱分解ガス排出ラインと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の乾燥機を備えた熱処理システム。
【請求項6】
燃焼炉にて生成した燃焼ガスを乾燥機の燃焼ガス入口から導入し、該乾燥機の乾燥排ガス出口から排出された乾燥排ガスを熱交換器に導入するとともに、前記燃焼炉にて生成した燃焼ガスの一部を前記熱交換器に導入して、前記乾燥排ガスと前記燃焼ガスとの間で熱交換を行うようにした熱処理システムの運転方法において、
前記乾燥機の乾燥排ガス出口から前記熱交換器へ繋がる乾燥排ガス排出ライン上に遮断ダンパが設けられ、定常運転時には前記遮断ダンパを開の状態に維持し、
前記乾燥機の停止時には、前記遮断ダンパを閉に切り替えて乾燥排ガスを遮断するとともに、前記乾燥機の燃焼ガス入口側に不活性ガスを供給するようにしたことを特徴とする熱処理システムの運転方法。
【請求項7】
前記乾燥機の停止時に、前記熱交換器にて冷却された燃焼ガスから酸性ガスを除去した後の低温で且つ低酸素濃度の燃焼ガスを前記乾燥排ガスの代替として前記熱交換器に導入するようにしたことを特徴とする請求項6記載の熱処理システムの運転方法。
【請求項8】
前記乾燥機の停止時に、前記遮断ダンパの入口側と出口側に不活性ガスを供給するようにしたことを特徴とする請求項6記載の熱処理システムの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−138947(P2008−138947A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326254(P2006−326254)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】