説明

人間に概日効果をもたらす表示システム

本発明は照射部を備える表示システムに関する。表示システムでは、照射部を用いて所定の光スペクトルを作り出すことができる。420nmから500nmまでの波長範囲よりも長い範囲及び短い範囲の平均光強度に対して、前記波長範囲における平均光強度を、減少又は増加させることができる。結果として、所定の光スペクトルは、この減少又は増加なしに作り出された光スペクトルよりも大きくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の概日リズムに影響を与えるように設計され、テキスト情報及び/又は画像情報を光学的に表示する表示システム、特にモニター、スクリーン又はプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在における仕事の機構では人間の生理機能に悪影響を与える状態を頻繁に引き起こす。電球の発明以前に、人々を日中の光のリズムに順応させていたなら、他の仕様によって労働リズムを確立するために人工光を導入する可能性がある。それゆえ、早朝又は深夜の時間帯における労働は、特に冬場に、一定の問題を示す可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/252580号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、集中力増加の効果、及び/又は、疲労減少の効果があるため、労働リズムに良い影響をもたらすことができる表示システムを提供することにある。また、本発明の目的は、表示を見る際に、仮にあったとしても、かすかに着色され、及び/又は、かすかな色の変化が見える、とりわけ、可能な限り白色の認知を変えない表示システムを提供することにある。更に、本発明の目的は、対応する表示方法を提供することにある。
【0005】
本目的は、特許請求の範囲における請求項1及び請求項2に係る表示システム、及び、請求項23及び請求項24に係る表示方法によって達成される。デバイス及び方法の有効な実施の形態を、従属請求項から夫々推定することができる。請求項26は本発明に係る使用方法を表す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
まず初めに、実施の形態を参照しながら、本発明を一般的に説明する。特定の実施の形態で作り出される特徴の組み合わせを、(添付された特許請求の範囲によって専ら定義される)本発明の範囲内で、示された特徴の組み合わせで正確に作り出す必要はなく、特徴の他の組み合わせで、特定の実施の形態で作り出される特徴の組み合わせを作り出すこともできる。特に、示された特徴の中の個々の特徴を、単独で、即ち、実施の形態における特徴を合わせて作り出されるその他の個々の特徴なしに、作り出すこともできる。
【0007】
本発明の基本的な考え方は、新しいディスプレイ、特にLED照明を有するLCディスプレイ(液晶スクリーン)、又は、OLEDディスプレイが、非常にエネルギー効率が良く、優れた色再現を可能にし、従来のCCFL照射ディスプレイ(ブラウン管)とは対照的に、概日光受容体によって目に吸収されるスペクトルに非常に類似したスペクトル(図1参照)を有する青い光を照射するという所見に基づいている。
【0008】
これにより、このようなディスプレイによって、観察者の疲労を減少させることができる、又は、観察者の集中力を増加させることができると推定するのは合理的である。
【0009】
光が影響する生物分野は視覚効果から著しく異なる。即ち、光は、日周リズム、週間リズム及び年間リズムに係る人間の体内時計を始動させる。光による固有の体のリズム(例えば、概日リズム)の影響は皮膚及び目を介してもたらされる。様々な体内組織との伝達は、血液循環へのホルモンメラトニンの分泌に基づく(リー エム.(Rea M.)著:「視覚を超える光」(“Light much more than vision”)、光と人間の健康(Light and Human Health)、第5回国際光研究シンポジウム(5th International Lighting Research Symposium)、パロアルト(Palo Alto)、電力研究所の光研究事務所(the Lighting Research Office of the Electric Power Research Institute)、2002年、1−15頁)。
【0010】
目の中には、光受容体として、明所視(昼間視力)中に視覚過程を開始する3種類の錐体がある。加えて、暗所視(夜間視力、色の無知覚)を可能にするロッドがある。小群の網膜神経節細胞はタンパク性のメラノプシンを含む。即ち、これらの感光性の概日光受容体は、視力に使用されないが、代わりに松果腺によって作り出されるメラトニンを制御する(バウミラー ディ.(Baumeier D.)著:「光の精神への影響」(“Der Einfluss von Licht auf die Psyche”)、ライプチヒ大学、学位論文、2000年)。
【0011】
波長に応じたこの概日光受容体の感度は図2に示されている。ここでは、波長にわたる相対感度がナノメートル単位でプロットされている。これは、464nm、即ち、青い光に相当する460nm近傍の波長で、メラトニン抑制の極大値、つまり、概日活性化の極大値を表示する(ブレナード ジー.他(Brainard G. et al.)著:「人間におけるメラトニン規則の作用スペクトル:新規の概日光受容体の証拠」(“Action spectrum for melatonin regulation in humans: Evidence for a novel circadian photoreceptor.”)、神経科学ジャーナル(Journal of Neuroscience)21(2001年)、No.16、6405−6412頁、サパン ケー.(Thapan K.)著:「メラトニン抑制の作用スペクトル:人間における、ロッドがなく、錐体のない新規の光受容体システムの証拠」“An action spectrum for melatonin suppression: Evidence for a novel non-rod, non-cone photoreceptor system in humans.”、生理学ジャーナル(Journal of Physiology)、535(2001年)、No.1、261−267頁)。
【0012】
メラトニンの製造は光の効果によって抑制される。即ち、メラトニンは疲労を引き起こし(従って、メラトニンの増加は睡眠を促進する)、寝起きのリズム及び他の概日リズムを制御する(ワーツ−ジャスティス A.他(Wirtz-Justice A. et al.)著:「概日リズムと季節リズム」(“Circadiane und saisonale Rhythmen”)、Zentrum fur Chronobiologie、Psychiatrische Universitatsklinik Basel、Zentrum fur Chronobiologie、Institut fur Medizinische Psychologie、ミュンヘン、2004年)。光の強度、及び、光の色の日周リズムによって、人間内での生産性又は再生期も支援される。所謂、内生の発振器における時間供給光の影響もまた時刻に依存する。仮に、時刻が日中の期間にある場合、内生の発振器は光の刺激にほとんど反応しない。リズムは夜の初めに光の効果によって後退し、夜の終りに前進する。(夜の数時間の間にモルモットに露光している間)白色光を伴うほんの少しの照射でさえ、それに続く単色光による照射と共にメラトニン抑制の著しい減少を示す。
【0013】
人間の色知覚は本発明の更なる本質的な基礎をなす。明所視(明るい光)については、人間の色知覚は、主として、目の網膜において、入射光に対する錐体の反応である。明るい光は、目の中にある3種類の錐体(所謂、K錐体、M錐体及びL錐体)を刺激する。3種類の錐体夫々の3つの吸収曲線は、青色範囲、緑色範囲及び赤色範囲にある(図3は、波長についてナノメートル単位でプロットされた個々の種類の錐体の吸収度を示す)。3つの特定信号は夫々の知覚色に関係する。3種類全ての錐体が等しく刺激された場合、人間は白色光として知覚する。この考察から、青色範囲、緑色範囲及び赤色範囲における強度夫々がK錐体、M錐体及びL錐体の同じ刺激を確保する限り、異なる赤色値、緑色値及び青色値(RGB値)から白色光を作り出すことができることが推論される。各種の錐体は異なる度合に敏感であるので(例えば、錐体の最も高い感度は555nmにある)、3つの範囲、赤(R)、緑(G)及び青(B)の実際の身体への照射量は同じ量でないことを考慮しなければならない。
【0014】
可視範囲(即ち、約380nmから750nm)における各分光組成が異なるけれども、異なる光の混成(即ち異なるスペクトル)が人間の目に同じに映ることが本質である。この事実、又は、所定種類の光に対して異なる光スペクトルが人に同じ色の印象を作り出す事は条件等色と呼ばれる。このことは、本発明の範囲内での条件等色の光スペクトル、即ち、人間の観察者には同じに映るが異なる光スペクトル、言い換えると同じ色刺激を引き起こすが異なる光スペクトル(前述の波長範囲に渡って、分光組成、又は、個々の波長の強度が異なる光スペクトル)によって理解される。従って、このことは、可視光の身体への照射のため(即ち、照射された光スペクトルのため)、色刺激、即ち、目の網膜への直接的な刺激によって引き起こされる色感度によって理解される。続いて、当業者によく知られているRGB色空間、構成及び性質(例えば、CIE標準表を参照)の例を用いて本発明を説明する。しかしながら、もちろん、他の(加法的な)色空間に基づいて本発明を作り出すこともできる。例えば、CIE色空間のより大きな領域をカバーする色合成に、3つ以上基本色を使用することができる。減法カラーモデルに基づく(例えば、表示領域の前段に追加的な狭帯域464nmバンドパスフィルタを用いることによる)製造も可能である。
【0015】
本発明に係る表示システムは、表示部(例えば、LCスクリーン又はLCD)と、所定の光スペクトル(例えば、青色範囲、緑色範囲及び赤色範囲に異なるスペクトルを有する複数の光ダイオード又はLEDの配列)を用いて、加法色合成(例えば、RGB色合成)に基づいて前記表示部を照射する照射部とを備える。しかしながら、代わりに、照射部は(自発光部として)表示部そのものを(例えば、有機光ダイオード、所謂OLEDに基づく2次元配列の形式で)構成することもできる。
【0016】
第1の場合(表示部が自発光しない場合)、照射部を用いて、所定の光スペクトルを作り出すことができ、概日効果に極めて重要な約420nmから500nmまでの波長範囲よりも長い範囲及び短い範囲における光強度に対して(又は、前記波長範囲よりも長い範囲若しくは短い範囲における光強度に対して)、前記波長範囲(波長範囲もまた、対応してより狭い範囲に選ぶことができる。図2参照)における光スペクトルの光強度を減少させる。これにより、所定の光スペクトルは、この減少なしに作り出された光スペクトルに条件等色になる。代わりに、又は、累積的に、前記波長範囲における光強度に対して、概日効果に極めて重要な前記波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光強度を増加させることももちろん可能である。これにより、この増加なしに、(身体的に対応する光源を用いて)作り出された光スペクトルに対して条件等色を作り出す。光強度は波長間隔で平均される強度となり得る。
【0017】
照射部が自発光する表示部(例えばOLEDスクリーン)として構成される第2の場合、本発明の範囲内で照射サブユニットと呼ばれる個々の素子(個々のOLEDピクセルの発光層)は、夫々が前述した所定の光スペクトルを作り出すように構成される。
【0018】
概日の影響領域における光強度のこの(相対的)増加は、説明した動作メカニズムによってメラトニンレベルを減少させる効果がある。メラトニンレベルの減少は、覚醒状態である期間の増加をもたらす。
【0019】
しかしながら、この代わりに、周辺の範囲に対して、概日効果に極めて重要な波長範囲内の光強度を減少させることも可能である。これは、極めて重要な波長範囲内での前述の強度増加と対照的に、メラトニンレベルを増加させる効果があり、これにより、覚醒状態の期間の減少をもたらす。
【0020】
第1の有効な変形例では、420nmから500nmまでの(又はこれより狭い)極めて重要な波長範囲における相対強度の増加又は相対強度の減少は、少なくとも10%、少なくとも30%、少なくとも70%又は少なくとも90%である(この値が高いほど、前述の効果がより効果的に発生する)。
【0021】
特定の好みで、照射部は、夫々が異なる光スペクトルを持つ複数の光源(例えば、LED照射型LCDスクリーンについては、自発光しない表示部に照射する光ダイオード、又は、OLEDスクリーンについては、各画像ピクセルの発光層)を有する。前記異なる光スペクトルは、光スペクトルの極大値に対して、少なくとも数十nm異なる。(これにより、これらの光源の個々の光スペクトルを用いて加法的に重ね合わせることによって、所定の光スペクトルを作り出すことができる。)
【0022】
緑色範囲(約490nmから575nmの範囲)で発光する光源、及び、赤色範囲(約650nmから750nmの範囲)で発光する光源に加えて、380nmより長い範囲(即ち、青色範囲)に発光極大を有する更なる光源を使用することによって本発明に係るスペクトルを特に有効に作り出すことができる。本発明では、概日効果に極めて重要である(420nmから500nmまでの又はそれより狭い)波長範囲内で光源が照射した光の相対強度成分ができるだけ小さくなるように構成されている。特定の好みで、青色範囲内で発光する別の光源を、青色範囲で発光する前記更なる光源に加える。別の光源は概日効果が極めて重要である範囲よりも長い範囲に発光極大を有し、(全体で照射した光に対して)、概日効果に極めて重要な範囲内の別の光源の相対強度成分はできるだけ小さい。
【0023】
本発明の範囲内で、個々のスペクトルを適切に選択することによって、これらの光源、例えば前述の4つの光源(例えばLCDスクリーン照明用の光ダイオード、又は、自発光スクリーンにおけるOLED層)を構成して配置することができる。結果として、(加法的な重ね合わせによって)これらの光源を用いて作り出される全体のスペクトル(即ち、所定の光スペクトル)は、光源(例えば、赤色範囲、緑色範囲及び青色範囲夫々で発光し、青色範囲における支配的な強度が概日効果に極めて重要である範囲で正確に発光される3つのLED又はOLED層)に対応し、通常使用されるスペクトルの加法的な重ね合わせによって作り出される光スペクトルに条件等色になる。
【0024】
特に、光源、例えば前述の4つの光源を、本発明の範囲内で、個々の発光スペクトルを適切に選択することで構成することもできる。結果として、白色光を、個々のスペクトルの加法的な重ね合わせによって作り出すことができる。
【0025】
本発明の具体的な実施(例えば、LED照射型LCDは、カラーフィルタ接続を必要とせずに時系列に制御された液晶スクリーン、又は、このようなカラーフィルタ接続によって構成されるLCスクリーンを使用することができる)によって、条件等色が、作り出した光スペクトル(例えば、カラーフィルタ接続がないLCD)に対して直接的に、又は、対応する光学素子若しくはフィルタ(例えば、カラーフィルタ接続を有するLCD)にスペクトルを通過させた後に、適用するように個々の光源の発光スペクトルを選択するべきである。対応する光学素子又はフィルタの吸収スペクトルは知られているので、個々の光源の発光スペクトルを簡単に選択することができる。
【0026】
本発明の更なる有効な実施の形態では、強度範囲の対応する減少又は増加なしに作り出される光スペクトルに夫々条件等色である複数の異なる所定の光スペクトルを作り出すことができるように、照射部を構成する。所定の光スペクトルを、確定した光源の成分の異なる混成によって、又は、例えば、LCDについては4つのLED光源夫々(これら夫々はほんの少し異なるスペクトルを有している)の複数の異なる組み合わせによって作り出すことができる。知覚されたR/G成分は、赤色LED及び緑色LED以外の組み合わせによって作り出すこともできる。錐体のスペクトル感度特性は、LEDの発光スペクトルに対して、比較的に広く、複数の異なった色のLEDは錐体の感度特性に「適合」する。
【0027】
本発明によると、色刺激が同じ(条件等色の光スペクトル)であるので、所定の時間間隔を置いた後で、観察者が知覚することなく、発光される光スペクトルを変更することが可能となる。特に、スペクトルを時刻に応じて変更することができる。
【0028】
本発明は、表示システム、特に、できるだけ幅広く色再現を保ちながら、人間の概日リズムに影響を与える可変の光スペクトルを有するモニター又はモニター照明に関する。例えば、別のRGBスペクトルを供給するように、LED照射型ディスプレイを修正することができる。例えば、概日に効果的な青色の範囲(即ち、460nm近傍)に発光極大を有する光ダイオードを、例えば、420nm近傍と500nm近傍とに発光極大を有する別の2つの青色光ダイオードに置き換えるという事実の結果として、LED照射型ディスプレイの修正を達成することができる。(直近で述べた2つ光ダイオードは、概日に効果的な460nm近傍のメイン波長の範囲内でのスペクトル成分ができるだけ小さくなるように構成されるべきである。)
【0029】
しかしながら、このようなLEDの代わりとして、本発明の範囲内に表されたスペクトル関係を作り出すことができる他の光手段(例えば、「白色」の放電ランプ、即ち、異なる発光スペクトル、又は、異なる464nm成分を有する蛍光ランプ)を用いることができる。
【0030】
本発明にあっては、異なる光混成が条件等色、即ち、スペクトル成分は異なるけれども目には同じに映すことができる効果を用いる。画像の着色されていない成分(特に白色成分)は、知覚色を変更せずに、より正確には知覚することなしに、特定の分光組成によって概日光受容体を刺激することができ、観察者の概日リズムに影響を与えることができる。K錐体、M錐体及びL錐体の吸収スペクトル(図3参照)の知識を用いることで、対応する着色されていない成分(特に白色成分)を、スクリーンの緑色発光及び赤色発光の、対応する適応によって作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明を2つの実施の形態に関連して以下に説明する。
【図1】本発明が基づく基本的な考慮事項を示す図である。
【図2】本発明が基づく基本的な考慮事項を示す図である。
【図3】本発明が基づく基本的な考慮事項を示す図である。
【図4】本発明に係る修正された第1液晶フラットディスプレイ(RGBフィルタを有するフラットディスプレイ)を示す図である。
【図5】本発明に係る修正された更なる液晶フラットディスプレイ(RGBフィルタを有さない時系列のフラットディスプレイ)を示す図である。
【図6】本発明の更なる態様を示す図である。
【図7】本発明の更なる態様を示す図である。
【図8】本発明の更なる態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図4は、夫々が異なる発光スペクトルを有する全体で4つの個々の光ダイオード3a,3b,3c,3dを含む照射部2を示す。ここでは、発光極大が560nm(緑光ダイオード3c)、700nm(赤光ダイオード3d)、420nm(第1青光ダイオード3a)及び500nm(第2青光ダイオード3b)となる4つの光ダイオード3a,3b,3c,3dを選択している。460nmから470nmまでの波長範囲で発光される相対光強度が5%未満になるように、2つの光ダイオード3a,3bを選択している。
【0033】
発光極大が420nmと500nmとにある2つのLEDの選択は、最大概日効果を有する波長(460nm近傍)については、実際には、発光スペクトルに強度成分が存在しないことを保証する。これは、最小のメラトニン抑制にもかかわらず、実際に従来の照射結果(条件等色スペクトル)との色知覚の違いがないように、青色刺激が人間の目に存在する効果がある。
【0034】
4つの光ダイオードの個々の強度又はスペクトルの重ね合わせ(RGB色合成)によって、表示部1が照射される。当然ながら、夫々が異なる発光スペクトルを有する4つ以上の光ダイオードを使用することもできる。
【0035】
ここで、表示部1は、照射部2又は光ダイオード3a,3b,3c,3dに方向を合わせられた拡散素子を有する。拡散素子によって、(LCセルの2次元マトリックスで構成される)LCパネル6のLCセルの均一照射を保証する。光源3a,3b,3c,3d、拡散素子及びLCセル配列6の後方の光路には、RGBカラーフィルタ7が配置されている。これにより、表示部1に、対応して表示されるべき、テキスト情報及び/又は画像情報の着色された表示を可能にする。拡散素子、LCセル配列及びRGBカラーフィルタの動作の正確な手法は、当業者によって知られている。表示部1の液晶フラットディスプレイ又は実際の表示素子はここでは修正されていない。従って、これは従来の液晶フラットディスプレイを使用することができる。特に、基本色の赤/緑/青用のフラットディスプレイに一体化されたカラーフィルタ(フィルタ7)は除去されない。これは、一般的に、パネルを破壊せずにできないからである。
【0036】
本発明によれば、パネルの標準的な背面照明を、後述する制御可能な照明に置き換える。制御可能な照明は、照射部2、照射部2のLED用の制御部5及び画像信号適応部4を備える。照射部2のLEDは特定のスペクトル範囲に及ぶ。好ましくは、4つのLEDグループの配列を有する強度極大値は、K/M/L感度極大値、即ち420nm、534nm及び564nmにあり、概日光受容体の感度極大値については464nmにある。
【0037】
(拡散素子を介して)セル配列6の均一照射を達成するために、拡散素子の表面領域に渡って空間的に分布されている複数の光源3a,3b,3c,3dは、スペクトル範囲3a,3b,3c,3d(ここでは図示しない)夫々用に存在する。光ダイオードの代わりに、光源以外の種類の光手段を用いることもできる。
【0038】
前述のスペクトル関係を達成することができる全ての種類の光手段(例えば、「白色」放電ランプ(蛍光ランプ、具体的には、2つの異なる蛍光ランプで、2つの蛍光ランプのうち1つは464nm以上の成分を有する)を用いることができる。
【0039】
LCパネル又はフラットディスプレイ用の制御部(制御部8)は、変更なしに採用されている。画像信号適応部4はこの制御部の前段に配置される。画像信号適応部4は、色ずれを最小にするために、光源3a,3b,3c,3dの発光スペクトルの分光組成に応じた画像信号のRGB成分の適応を実行する。適応を以下のように実施することができる。
【0040】
RGB成分は、補正因子と、光源の特性によって引き起こされる非線形性と、対応する特性線を適用することによって補償される目の感度とによって夫々増幅される。これを、制御部5及び画像信号適応部4の両方内で達成することができる。
【0041】
更に、本発明に係る表示システムは光源又はLED用の制御部5を有する。制御部5には、光源のスペクトル特性及びカラーフィルタ7のフィルタ特性が記憶されている。この情報を用いて、460nm範囲内で、(より正確には、概日効果に極めて重要な波長範囲内(前述参照)で、)夫々が要求され、単に「460nm参照値」と呼ばれている強度に対する光混成、又は、(加法的に構成され、)望まれる所定の光スペクトルを計算することができる。(本発明に係る概日効果がある波長範囲、該波長範囲よりも長い範囲及び/又は該波長範囲よりも短い範囲(前述参照)における減少及び/又は増加を決定する。)個々の光源3a,3b,3c,3dを、(選択された増加及び/又は減少の程度に応じて)作動させることができる。
【0042】
ここで示すように、光混成の種々の分光組成、又は、高度に着色されていない成分を有する画像コンテンツ(即ち、テキスト原稿)用の種々の所定の光スペクトルを選択することによって、光混成過程に画像信号を光学的に取り入れることができる。画像信号の取り入れは、全体画像表面領域に対して着色されていない画像成分と、閾値を超えた場合における他の分光組成の選択とを決定するために、(1/(画像繰り返し周波数)オーダのできるだけ短い潜時による)最新の画像コンテンツの絶え間ない統計的評価を介して、制御部5によって達成することができる。また、着色されていない成分の空間的分布を取り入れることができる(例えば、画像の中心で大きく着色されていない表面は、着色されていないフレームよりも高い重みがある)。
【0043】
他の分光組成は白色を正確に描くように選ばれる(しかしながら、これは着色されたディスプレイについては色誤差をもたらす。)
【0044】
RGB画像信号は、LED3a,3b,3c,3d用の制御部5及び画像信号適応部4の両方に供給される(また、画像信号適応部4を介してLCパネル用の制御部8にも供給される)。制御部5は、画像信号のRGB成分が変調された因子を表すRGBベクトルを配布する。この情報は、画像信号の前述の統計解析の結果として、絶え間なく更新される。
【0045】
図示された表示システムのキャリブレーションを実施するため(これは一般的に試運転中に一度必要とされる)、個々の光源3a,3b,3c,3dが発光した光スペクトルの正確な分光組成を測定することができるスペクトロメータを備えることができる。測定したスペクトルによって、強度合成の正確な決定、又は、所定の光スペクトルの調整を可能にし、前述の条件等色が生じる。
【0046】
図5は、RGBフィルタがない時系列液晶フラットディスプレイで構成されているという事実によって図4に示される表示システムと異なる、本発明に係る更なる表示システムを示す。以下に、図4に示す例と異なる特徴のみを説明する。
【0047】
図5に示される図については、カラーフィルタは、もはやLCパネルに一体化されておらず、画像表示が、画像の赤成分、緑成分及び青成分の時系列表示、並びに、それらに同期して、対応するスペクトルカラーでの背面照射(対応方法は単一チップDLPプロジェクタによって適用され、結果として、これらに対応して本発明を作り出す)によって達成される。
【0048】
LCパネルは、この目的のために十分に短い切替時間を有していなければならない。切替時間は非常に短いので、所定の画像繰り返し周波数については、LCパネルは、画像の各色成分(赤、緑、青)を、先行した色成分によって影響されることなく表示することができる。60Hzの画像繰り返し周波数については、これは、液晶が黒、白、黒の完全なサイクルを1/180秒内で実施しなければならないことを意味する。
【0049】
光源用の制御部5は、個々のスペクトル成分の正確な時系列の動作を保証するために、LCパネル用の制御部8と同期している。
【0050】
十分に高速なLCパネルもまた赤、緑又は青以外の基本色に対する時系列表示を可能にする。ここで述べた本発明に係る構成については、特に、最初の実施の形態で説明したように、光源用の制御部5による画像信号の評価期間に、この時系列表示を、色空間を拡張するために使用することができる一方で、この時系列表示は分光組成のより柔軟な順応性ももたらす。
【0051】
色空間の拡張
色混成に使用される基本色はCIE色球体において多角形に広がる。利用できる基本色が飽和している程、この多角形の形状をCIE色空間のエッジ曲線により良く適応することができる。例では、5つの成分を有する適切な画像信号によって作動する、5つの基本色(420nm、500nm、520nm、550nm及び620nmに極大値がある)を有するLCパネルが示されている。これを、例えば、コンピュータグラフィック方法によって生成することができる。
【0052】
2つの説明された実施の形態の代わりとして、本発明を投射系(特に、LED背面照射を有するプロジェクタ)を用いて作り出すこともできる。
【0053】
本発明によれば、人体におけるメラトニン製造量は照射部によって照射されたスペクトルの特定制御によって増加又は減少する。本発明に係る表示システムによって、集中力、疲労及び不眠症に影響を与えることができる。
【0054】
特に、メラトニン抑制の増加又は減少を、460nm近傍での光強度を変更することによって達成することができる。観察者の早過ぎる疲労を和らげるため、照射部の制御、又は、所定の光スペクトルの特定の原動力を作り出すことができる。
【0055】
例えば、平均的なクロノタイプに対して、時刻8時から19時までのメラトニン減少と、特に時刻19時以降のメラトニン増加は、睡眠期間前の都合の良い時間にくつろぎをもたらす。
【0056】
このような原動力によって、毎日の職業生活における労働リズムを更に改善することができる。
【0057】
本発明に係る提示した表示システムの重要な利点は実際に見えないが、表示システムの発光スペクトルで生理学的に効果的な変化を与えることである。
【0058】
本発明をOLEDに基づく表示システム(又は、自発光型の表示部)によっても達成することができる。この場合、伝達可能なLCDモジュールについては絶対に必要な背面照射なしで済む。OLEDディスプレイを有する1つの利点は、実際に作動したピクセルのみが照射されて背景は黒のままであることである。OLEDディスプレイにおける個々のピクセルの発光カラー層(又は照射サブユニット)の特定の調節によって、ほとんど見えない色の変化、又は、かすかに変化した白色を取り込む、異なる概日効果のRGBスペクトルを提供することができる。
【0059】
図6から8は本発明の更なる態様を示す。
リンを含む白色のLEDで作られている背面照射を備える液晶ディスプレイのスペクトルを示す図1と対照的に、図6はRGBのLEDで作られている背面照射のスペクトルを示す。(リンでコーティングされた)白色のLEDに対して、RGBのLEDは異なるスペクトルを有する。LEDの3つの基本色をスペクトル(図6参照)で明確に検出することができる。これとは対照的に、白色のLED(図1参照)のスペクトルは、波長領域全体においてより均一である。
【0060】
CIE1931色度図において図6に係るLEDのRGBスペクトルの表示を図7で見ることができる(一方で、図8は、リンを含む白色のLEDの背面照射又はバックライトを有するLCDのCIE1931色度図を示している)。3つの基本色を異ならせて混成することによって、中央に位置する白点の位置を変えることができる。表示可能な色空間は、広げられた三角形の端点によって定義され、表示可能な色空間をこれらの端点を動かすことによって(異なる飽和状態を有する他の基本色、即ち、より大きな又はより小さな狭帯域スペクトルによって)達成することができるが、既存の基本色を単に混成するだけでは達成することができない。
【0061】
個々の色の特定の制御によって、より多くの又はより少ない青色成分を有する白色を作り出すことができる。これは色温度の変化をもたらす。CIE1931色度図では、全ての色温度の所謂「白色曲線」を検出することができる。
【0062】
拡大して表示することができる制御可能なスペクトル及び色空間の拡張は、付加的な色を用いることによって達成される。それゆえ、一方では、実際のR範囲、B範囲又はG範囲間の個々のLED、即ち、例えば、450nm以下、505nm近傍、590nm近傍又は630nm近傍(例:フィリップス ルゼオン レベル ファミリー(Philips Luxeon Rebel Family)で発光極大を有するLEDの多数の異なるスペクトルがある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部(1)と、
テキスト情報及び/又は画像情報を表示するために、加法色合成又は減法色合成、特にRGB色合成に基づき、所定の光スペクトルで、特に背景照射を用いて、前記表示部(1)に光を照射する照射部(2)と
を備えるか、又は、
加法色合成又は減法色合成、特にRGB色合成に基づき、テキスト情報及び/又は画像情報の表示を作り出す自発光の表示部として構成され、所定の光スペクトルを有する照射部
を備え、存在しているテキスト情報及び/又は画像情報をアナログ形式又はデジタル形式で光学的に表示する表示システムにおいて、
照射部を用いて所定の光スペクトルを作り出すことができ、
420nmから500nmまで、440nmから490nmまで、450nmから480nmまで、及び/又は、460nmから470nmまでの波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光強度に対して、前記波長範囲における光スペクトルの光強度を減少させ、及び/又は、
前記波長範囲における光強度に対して、前記波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光スペクトルの光強度を増加させ、
前記所定の光スペクトルは、光強度の減少及び/又は増加なしに作り出される光スペクトルに条件等色であるように構成してあること
を特徴とする表示システム。
【請求項2】
表示部(1)と、
テキスト情報及び/又は画像情報を表示するために、加法色合成又は減法色合成、特にRGB色合成に基づき、所定の光スペクトルで、特に背景照射を用いて、前記表示部(1)に光を照射する照射部(2)と
を備えるか、又は、
加法色合成又は減法色合成、特にRGB色合成に基づき、テキスト情報及び/又は画像情報の表示を作り出す自発光の表示部として構成され、所定の光スペクトルを有する照射部
を備え、存在しているテキスト情報及び/又は画像情報をアナログ形式又はデジタル形式で光学的に表示する表示システムにおいて、
照射部を用いて所定の光スペクトルを作り出すことができ、
420nmから500nmまで、440nmから490nmまで、450nmから480nmまで、及び/又は、460nmから470nmまでの波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光強度に対して、前記波長範囲における光スペクトルの光強度を増加させ、及び/又は、
前記波長範囲における光強度に対して、前記波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光スペクトルの光強度を減少させ、
前記所定の光スペクトルは、光強度の減少及び/又は増加なしに作り出される光スペクトルに条件等色であるように構成してあること
を特徴とする表示システム。
【請求項3】
420nmから500nmまで、440nmから490nmまで、450nmから480nmまで、及び/又は、460nmから470nmまでの波長範囲における平均強度を、
前記波長範囲の上限に隣接され、幅が同じ波長範囲における平均強度、及び/又は
前記波長範囲の下限に隣接され、幅が同じ波長範囲における平均強度に対して、
少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、又は、好ましくは少なくとも90%だけ減少又は増加すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
照射部(2)は、夫々が異なる光スペクトル、特に極大値が少なくとも10nm、好ましくは少なくとも30nm、好ましくは少なくとも50nm又は好ましくは少なくとも70nm異なる光スペクトルを有する複数の光源(3a,3b,・・・)を有し、
前記所定の光スペクトルを前記複数の光源の光スペクトルの加法的な重ね合わせによって作り出すことができるように構成してあること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項5】
380nmよりも長く、420nm、440nm、450nm及び/又は460nmの上限よりも短い範囲に発光極大を有し、好ましくは、発光した光の中で該上限よりも長い範囲で発光した光の相対強度成分が全体で20%未満、好ましくは10%未満、又は、好ましくは5%未満である第1光源(3a)、及び/又は、
550nmよりも短く、500nm、490nm、480nm及び/又は470nmの下限よりも長い範囲に発光極大を有し、好ましくは、発光した光の中で該下限よりも短い範囲で発光した光の相対強度成分が全体で20%未満、好ましくは10%未満、又は、好ましくは5%未満である第2光源(3b)と、
490nm及び575nm間の緑色範囲、及び/又は、650nm及び750nm間の赤色範囲に発光極大を有する更なる光源(第3光源(3c)及び/又は第4光源(3d))のうち、少なくとも1つの光源、好ましくは少なくとも2つの光源と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記第1光源及び/又は第2光源と、前記更なる光源のうち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも前記第3光源及び第4光源とは、
前記第1光源及び/又は第2光源と、前記更なる光源のうち少なくとも1つとを用いて、加法的な重ね合わせによって作り出す、及び/又は、作り出すことができる前記所定の光スペクトルが
420nmから500nmまで、440nmから490nmまで、450nmから480nmまで、及び/又は、460nmから470nmの範囲で発光極大を有する少なくとも1つの光源と、
490nm及び575nm間の緑色範囲に発光極大を有する光源と、
650nm及び750nm間の赤色範囲に発光極大を有する光源とが作り出すことが可能な光スペクトルに条件等色であるように構成してあること
を特徴とする請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記第1光源、及び/又は、第2光源と、前記更なる光源のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも第3光源及び第4光源とは、
前記第1光源、及び/又は、第2光源と、前記更なる光源のうちの少なくとも1つとを用いて、白色光を、加法的な重ね合わせによって作り出すことができるように構成してあること
を特徴とする請求項5又は請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
夫々が異なる少なくとも1つ、好ましくは2以上、又は、好ましくは全ての光スペクトルを有する複数の光源を有する照射部(2)は、互いに間隔をとって空間的に配置されて各光スペクトルを作り出す、スペクトル毎の複数の光源を有することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項9】
光源(3a,3b,・・・)のうち、少なくとも1つ、好ましくは2以上、又は、好ましくは全て光ダイオードであること
を特徴とする請求項4から請求項8のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項10】
前記表示部(1)は、LCD素子(6)の2次元配列であり、又は、該2次元配列を備え、
照射部(2)は、好ましくは、夫々が異なる光スペクトルを有する複数の光源(3a,3b,・・・)を有する背景照明であること
を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項11】
前記自発光の表示部として構成される照射部は、多数の照射サブユニットの2次元配列であり、又は、該2次元配列を備え、
前記照射サブユニットは、有機光ダイオード(OLED)の形式で互いに電気的に独立して作動することができ、
前記照射サブユニットのうち、好ましくは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2以上、好ましくは全ては、所定の光スペクトルを、請求項1から請求項9のいずれか1つにおける照射部(2)で説明されているように、作り出すことができるように構成してあること
を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項12】
前記照射サブユニットは、請求項4から請求項7のいずれか1つに記載の光源に対応する発光特性を有する複数の発光層
を備えることを特徴とする請求項11に記載の表示システム。
【請求項13】
2つの光スペクトルの条件等色は、作り出し可能な及び/又は作り出された光スペクトル、即ち、分光組成において光学素子によって修正されない光スペクトルに対して直接的に適用されること
を特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項14】
2つの光スペクトルの条件等色は、少なくとも1つの光学素子によって、分光組成において修正された光スペクトル、特に表示部(1)、及び/又は、例えばRGBフィルタ(7)のような少なくとも1つの光フィルタ素子によって修正された光スペクトルに適用されること
を特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項15】
スクリーン、特に液晶スクリーン(LCD)、具体的には時系列的に制御され、若しくは、カラーフィルタ接続によって構成され、及び/又は、LED照射型であるカラーLCD、若しくはOLEDスクリーン、及び/又は、
携帯用コンピュータ、携帯用無線デバイス若しくはPDAのスクリーン、若しくは、プロジェクタ(特にLED照射型のプロジェクタ)
を備えるか、又は、
このようなデバイスとして構成されること
を特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項16】
表示部に供給可能な、及び/又は、供給する画像信号の色合成の追加する又は減ずる個々の信号成分、特にRGBカラー合成のR成分、G成分及びB成分を、作り出す所定の光スペクトルに応じて修正することができる画像信号適応部(4)
を備えること特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項17】
照射部が発光した強度を制御するように構成してある制御部、特に、前記照射部の複数の光源の、加法的に重ね合わされるべき個々の強度を制御するように構成してある制御部(5)
を備えることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項18】
光源のスペクトル特性、及び/又は、
例えばRGBフィルタ(7)のような、前記表示部において、又は、該表示部と共に、使用される光学フィルタ素子のフィルタ特性を
前記制御部(5)にプログラムしてあること
を特徴とする請求項17に記載の表示システム。
【請求項19】
前記制御部(5)は、画像コンテンツに応じて、特に前記表示部によって表示されるべき該画像コンテンツの着色していない成分に応じて、照射部の発光強度を制御するように構成してあること
を特徴とする請求項17又は請求項18に記載の表示システム。
【請求項20】
夫々が光強度の減少及び/又は増加なしに作り出される光スペクトルに条件等色である複数の所定の光スペクトルを、照射部を用いて作り出すことができること
を特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項21】
複数種の所定の光スペクトル夫々は所定の時間間隔ごとに変わること
並びに/又は
光強度の増加及び/若しくは減少の度合が時刻に依存して変わること
を特徴とする請求項20に記載の表示システム。
【請求項22】
照射部(2)は表示部(1)に固定的に又は取外し可能に接続されること
を特徴とする請求項1から請求項21のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項23】
表示部(1)に照射してテキスト情報及び/又は画像情報を表示するために、加法色合成又は減法色合成、特にRGB色合成に基づき、照射部(2)、特に背景照射を用いて、所定の光スペクトルを作り出す、又は、
加法色合成又は減法色合成、特にRGB色合成に基づき、自発光の表示部として構成される照射部を用いて、所定の光スペクトルを作り出してテキスト情報及び/又は画像情報を表示する表示システムに、
存在しているテキスト情報及び/又は画像情報をアナログ形式又はデジタル形式で表示する表示方法において
照射部を用いて所定の光スペクトルを作り出し、
前記所定の光スペクトルが、光強度の減少及び/又は増加なしに作り出される光スペクトルに条件等色であるように、
420nmから500nmまで、440nmから490nmまで、450nmから480nmまで、及び/又は、460nmから470nmまでの波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光強度に対して、前記波長範囲における光スペクトルの光強度を減少させ、及び/又は、
前記波長範囲における光強度に対して、前記波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光スペクトルの光強度を増加させること
を特徴とする表示方法。
【請求項24】
表示部(1)に照射してテキスト情報及び/又は画像情報を表示するために、加法色合成又は減法色合成、特にRGB色合成に基づき、照射部(2)、特に背景照射を用いて、所定の光スペクトルを作り出す、又は、
加法色合成又は減法色合成、特にRGB色合成に基づき、自発光の表示部として構成される照射部を用いて、所定の光スペクトルを作り出してテキスト情報及び/又は画像情報を表示する表示システムに、
存在しているテキスト情報及び/又は画像情報をアナログ形式又はデジタル形式で表示する表示方法において
照射部を用いて所定の光スペクトルを作り出し、
該所定の光スペクトルが、光強度の減少及び/又は増加なしに作り出される光スペクトルに条件等色であるように、
420nmから500nmまで、440nmから490nmまで、450nmから480nmまで、及び/又は、460nmから470nmまでの波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光強度に対して、前記波長範囲における光スペクトルの光強度を増加させ、及び/又は、
前記波長範囲における光強度に対して、前記波長範囲よりも長い範囲及び/又は短い範囲における光スペクトルの光強度を減少させこと
を特徴とする表示方法。
【請求項25】
請求項2から請求項22のいずれか1つに記載の表示システムを用いて表示を作り出すこと
を特徴とする請求項23又は請求項24に記載の表示方法。
【請求項26】
人体におけるメラトニン製造を、特に時刻に応じて、増加及び/又は減少させ、及び/又は、集中力を増加させ、及び/又は、人体における疲労を減少させること
を特徴とする請求項1から請求項22のいずれか1つに記載の表示システム、又は、請求項23から請求項25のいずれか1つに記載の表示方法の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−513616(P2012−513616A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542719(P2011−542719)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009259
【国際公開番号】WO2010/072415
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(504415913)フラウンホーファー−ゲゼルシャフト ツア フォルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ (2)
【Fターム(参考)】