説明

仕切り壁用基礎ブロック及びそれを用いた基礎ブロックユニット

【課題】植栽や水路を設置する場合にも、部材点数の増加及び設置作業の煩雑化を抑制することが可能な仕切り壁用基礎ブロック及びそれを用いた基礎ブロックユニットを提供する。
【解決手段】この仕切り壁用基礎ブロック1は、底部2と、底部2の両端部から上方に延設されるとともに所定間隔を隔てて設けられた一対の側壁部3及び4とを一体に有している。そして、一対の側壁部3及び4のいずれか一方の上部には、所定の領域の境界線に沿って延びるとともにその所定の領域の内外を仕切る仕切り壁100が設置され、底部2の上面と一対の側壁部3及び4の互いに対向する面とによって所定の空間Sが構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の領域の境界線に沿って設置され、その所定の領域の内外を仕切る仕切り壁の基礎となる仕切り壁用基礎ブロック及びそれを用いた基礎ブロックユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の領域の内外を仕切る仕切り壁の基礎となる仕切り壁用基礎ブロックが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された従来の仕切り壁用基礎ブロックは、所定の方向に延びるとともに断面T字状に形成されている。この仕切り壁用基礎ブロックは、平板状に形成された底部とその底部の長手方向と直交する幅方向の中央部から上方に延設された立ち上げ部とを一体に有しており、底部とこの立ち上げ部の下側の所定領域とが地中に埋設されている。そして、地上から突出した立ち上げ部の上面の上に補強用の鉄筋等を有する仕切り壁が設置される。
【特許文献1】特開2005−120816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された従来の仕切り壁用基礎ブロックでは、例えば、所定の領域の境界線に沿って植栽や水路を設置する場合には、植栽のためのプランタや水路を構成するU字溝を別途仕切り壁用基礎ブロックに沿って設置する必要がある。この場合には、プランタやU字溝が仕切り壁用基礎ブロックとは別に必要になるとともに、それらを設置する作業を別途行う必要があるので、部材点数が増加するとともに設置作業が煩雑になるという問題点がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、植栽や水路を設置する場合にも、部材点数の増加及び設置作業の煩雑化を抑制することが可能な仕切り壁用基礎ブロック及びそれを用いた基礎ブロックユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の仕切り壁用基礎ブロックは、底部と、底部の両端部から上方に延設されるとともに所定間隔を隔てて設けられた一対の側壁部とを一体に有し、一対の側壁部のいずれか一方の上部には、所定の領域の境界線に沿って延びるとともにその所定の領域の内外を仕切る仕切り壁が設置され、底部の上面と一対の側壁部の互いに対向する面とによって所定の空間が構成されている。
【0007】
この仕切り壁用基礎ブロックでは、上記のように、底部の上面と一対の側壁部の互いに対向する面とによって所定の空間が構成されているので、この所定の空間に土を入れて植栽のためのプランタとして利用したり、所定の空間に水を流して水路として利用することができる。すなわち、この仕切り壁用基礎ブロックは、仕切り壁を支持する基礎ブロックとしての機能に加えて、植栽のためのプランタや水路を構成するU字溝としての機能も有している。これにより、所定の領域の境界線に沿って植栽や水路を設置する場合にも、植栽のためのプランタや水路を構成するU字溝を別途設置する必要がなく、仕切り壁用基礎ブロックのみを設置するだけでよいので、部材点数の増加及び設置作業の煩雑化を抑制することができる。また、この仕切り壁用基礎ブロックでは、上記所定の空間に植栽のための土を入れたり、水路として用いる場合に所定の空間に水を満たすことによって、土や水の重量を付加することができるので、転倒に対する安定性を向上させることができる。
【0008】
上記仕切り壁用基礎ブロックにおいて、底部と一対の側壁部の少なくとも一部分とが地中に埋設され、一対の側壁部の少なくとも一方の地中に埋設された部分から外側へ突出するように突出部が設けられているのが好ましい。このように構成すれば、突出部により仕切り壁用基礎ブロックの地中に埋設された領域を増加させることができるので、仕切り壁用基礎ブロックの転倒に対する安定性をより向上させることができる。
【0009】
上記仕切り壁用基礎ブロックの具体的な構成例として、所定の空間には、土が入れられるとともに植栽が行われる構成とすることができる。
【0010】
この場合において、一対の側壁部の少なくとも一方に所定の空間からその側壁部の外部へ貫通する孔部が設けられているのが好ましい。このように構成すれば、植栽に水をやるときや大雨のときに、過剰に与えられた水を孔部を通じて外部へ排水することができるので、過剰に水が与えられることに起因して植栽の根が腐るのを抑止することができる。
【0011】
上記仕切り壁用基礎ブロックの具体的な構成例として、所定の空間が水路として用いられる構成とすることができる。
【0012】
上記仕切り壁用基礎ブロックにおいて、仕切り壁が設置される側壁部の上面には、その長手方向に所定間隔で複数の鉄筋が設置されるとともに、その鉄筋が挿通される貫通孔を有するブロックが積み上げられ、鉄筋と各ブロックとがコンクリートで相互に結合されることによって仕切り壁が構成されていてもよい。
【0013】
この場合において、仕切り壁が設置される側壁部の上面には、鉄筋が挿入される取付穴が設けられており、取付穴の内部には、鉄筋と結合することにより鉄筋を固定するための固定部材が設けられているのが好ましい。このように構成すれば、仕切り壁が設置される側壁部の上面に鉄筋を設置する際に、鉄筋を固定部材に結合させるだけで鉄筋を固定することができるので、取付穴に鉄筋をコンクリートで埋め込む作業等を行うことなく鉄筋を設置することができる。これにより、鉄筋の側壁部への設置作業を簡略化することができる。
【0014】
上記いずれかの仕切り壁用基礎ブロックを複数備えた基礎ブロックユニットであることを前提として、この発明の基礎ブロックユニットでは、所定の空間は仕切り壁用基礎ブロックの長手方向に沿って延びている。そして、この基礎ブロックユニットは、複数の仕切り壁用基礎ブロックがその長手方向において所定の領域の境界線に沿うように配列されるとともに、隣り合う仕切り壁用基礎ブロックの長手方向の端部同士が相互に連結されることによって構成されている。
【0015】
この基礎ブロックユニットでは、所定の領域の境界線に沿うように配列された複数の仕切り壁用基礎ブロックが連結されることによって構成されているので、所定の領域の境界線が広範囲に延びている場合にその境界線に沿って設置される仕切り壁の長手方向の長さが大きくなる場合でも、多数の仕切り壁用基礎ブロックを長手方向に連結してそのような長さの大きい仕切り壁を支持可能な仕切り壁用基礎ブロックを構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明による仕切り壁用基礎ブロックでは、植栽や水路を設置する場合にも、部材点数の増加及び設置作業の煩雑化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による基礎ブロックユニット11及びそれを用いた仕切り壁100の構成を示した斜視図、図2は、図1に示した基礎ブロックユニット11及び仕切り壁100の設置状態を示した縦断面図である。まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態による仕切り壁用基礎ブロック1及び基礎ブロックユニット11の構成について説明する。
【0019】
第1実施形態による仕切り壁用基礎ブロック1(以下、基礎ブロック1という)は、図1及び図2に示すように、所定の方向へ延びるとともに断面U字状に形成されている。この基礎ブロック1は、コンクリートを用いた一体成形品である。そして、基礎ブロック1が複数連結されることによって基礎ブロックユニット11が構成されている。具体的には、基礎ブロックユニット11は、複数の基礎ブロック1がその長手方向に沿って配列されるとともに、隣り合う基礎ブロック1の長手方向の端部同士がコンクリートまたはボルト・ナット等により相互に結合されることによって構成されている。
【0020】
そして、この複数の基礎ブロック1からなる基礎ブロックユニット11は、例えば宅地境界等の所定の領域の境界線に沿って設置され、この所定の領域の境界線に沿って延びるとともにその所定の領域の内外を仕切る仕切り壁100を支持する基礎として用いられる。基礎ブロックユニット11は、上記のように連結された複数の基礎ブロック1からなるので、上記所定の領域の境界線が広範囲にわたって延びている場合に仕切り壁100の長さが大きくなる場合でも、その長さの大きい仕切り壁100を支持可能な長さに基礎ブロックユニット11を構成することが可能である。
【0021】
基礎ブロック1は、底部2と一対の側壁部3及び4とを一体に備えている。底部2は、平板状に構成されているとともに、基礎ブロック1の長手方向に沿って延びている。一対の側壁部3及び4は、底部2の長手方向と直交する幅方向の両端部から上方へ延設されるとともに所定間隔を隔てて設けられている。この一対の側壁部3及び4は、共に平板状に構成されており、基礎ブロック1の長手方向に沿って互いに平行に延びている。そして、このように構成された底部2と一対の側壁部3及び4とによって基礎ブロック1は断面U字状に構成されている。
【0022】
また、底部2の上面と一対の側壁部3及び4の互いに対向する面とによって所定の空間Sが構成されている。第1実施形態では、図2に示すように、この空間Sに土が入れられるとともに植栽が行われている。したがって、この基礎ブロック1は、仕切り壁100を支持する基礎としての機能に加えて、植栽のためのプランタとしての機能も有している。これにより、上記所定の領域の境界線に沿って仕切り壁100を設置するとともに植栽を設けることが可能となっている。
【0023】
一対の側壁部3及び4のうち一方の側壁部3の上面に上記仕切り壁100が設置される。この側壁部3の上面には、その長手方向に所定間隔で複数の取付穴3aが設けられている。この複数の取付穴3aは、側壁部3の上面から所定の深さまでの領域に形成されており、その内部にはインサートナット3b(固定部材)が埋設されている。そして、各取付穴3aには、周面にねじ切りされた鉄筋101が挿入されるとともに、この鉄筋101と取付穴3a内のインサートナット3bとが螺合されることによって、鉄筋101が側壁部3に固定される。これにより、側壁部3の上面には、その長手方向に所定間隔で複数の鉄筋101が上方へ直線的に延びるように設置される。
【0024】
そして、図1に示すように、側壁部3の上面に貫通孔102aを有するコンクリートブロック102(ブロック)がその貫通孔102aに上記鉄筋101が挿通されるように積み上げられる。また、基礎ブロックユニット11の長手方向に沿って同様にコンクリートブロック102が側壁部3の上面上に積まれる。そして、このように積まれた各コンクリートブロック102と各鉄筋101とがコンクリートで相互に結合されることによって上記仕切り壁100が構成される。また、最下段のコンクリートブロック102と基礎ブロック1の側壁部3の上面との間もコンクリートによって相互に結合され、仕切り壁100と基礎ブロックユニット11とが一体化される。
【0025】
また、側壁部3の下部には、上記所定の空間Sから側壁部3の外部へ貫通する孔部3cが設けられている。所定の空間S内の植栽に水をやるときや大雨のときに、過剰に与えられた水がこの孔部3cを通じて外部へ排出されるようになっている。
【0026】
また、一対の側壁部3及び4のうち他方の側壁部4の上面及び外側面にはレンガ模様の意匠が施されている。これにより、上記所定の領域の境界部における景観が良好に保持される。なお、この側壁部4に施される意匠は、このようなレンガ模様に限らずこれ以外の種々の模様であってもよい。
【0027】
また、上記基礎ブロックユニット11は、プレキャスト工法によって作製されるものである。すなわち、上記構成の基礎ブロック1が予めコンクリートを用いて一体成形されるとともに、作製された複数の基礎ブロック1が設置場所にて連結されることにより上記の基礎ブロックユニット11が作製される。そして、基礎ブロックユニット11を上記所定の領域の境界部に設置する際には、図2に示すように、地面を所定深さまで掘った後、地中に敷石105を設置し、その敷石105上に複数の基礎ブロック1を長手方向に並べるとともに各基礎ブロック1を相互に連結して基礎ブロックユニット11を作製する。そして、基礎ブロック1の底部2と一対の側壁部3及び4の孔部3cよりも下側の部分が地中に埋まるように基礎ブロックユニット11が設置される。
【0028】
以上のように、第1実施形態では、基礎ブロック1の底部2の上面と一対の側壁部3及び4の互いに対向する面とによって所定の空間Sが構成されているので、この所定の空間Sに土を入れて植栽のためのプランタとして利用することができる。すなわち、この基礎ブロック1は、仕切り壁100を支持する基礎としての機能に加えて、植栽のためのプランタとしての機能も有している。これにより、所定の領域の境界線に沿って植栽を設ける場合にも、植栽のためのプランタを別途設置する必要がなく、基礎ブロック1(基礎ブロックユニット11)のみを設置するだけでよいので、部材点数の増加及び設置作業の煩雑化を抑制することができる。また、この基礎ブロック1では、上記所定の空間Sに植栽のための土を入れることによって、土の重量を付加することができるので、転倒に対する安定性を向上させることができる。
【0029】
また、第1実施形態では、基礎ブロック1の側壁部3に所定の空間Sからその側壁部3の外部へ貫通する孔部3cが設けられているので、植栽に水をやるときや大雨のときに、過剰に与えられた水を孔部3cを通じて外部へ排水することができる。これにより、過剰に水が与えられることに起因して植栽の根が腐るのを抑止することができる。
【0030】
また、第1実施形態では、基礎ブロック1の側壁部3の上面の取付穴3aの内部に仕切り壁100を構成する鉄筋101と螺合することにより鉄筋101を固定するインサートナット3bが設けられているので、側壁部3の上面に鉄筋101を設置する際に、鉄筋101をインサートナット3bに螺合させるだけで鉄筋101を固定することができる。これにより、取付穴3aに鉄筋101をコンクリートで埋め込む作業等を行うことなく鉄筋101を設置することができるので、鉄筋101の側壁部3への設置作業を簡略化することができる。
【0031】
また、第1実施形態では、基礎ブロックユニット11が所定の領域の境界線に沿うように配列された複数の基礎ブロック1が連結されることによって構成されているので、所定の領域の境界線が広範囲に延びている場合にその境界線に沿って設置される仕切り壁100の長手方向の長さが大きくなる場合でも、多数の基礎ブロック1を長手方向に連結してそのような長さの大きい仕切り壁100を支持可能な基礎ブロックユニット11を構成することができる。
【0032】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態による基礎ブロックユニット11及び仕切り壁100の設置状態を示した縦断面図である。次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態による基礎ブロック1及び基礎ブロックユニット11の構成について説明する。
【0033】
この第2実施形態による基礎ブロック1では、上記第1実施形態と異なり、底部2の上面と一対の側壁部3及び4の互いに対向する面とによって構成された所定の空間Sが水Wの流れる水路として用いられている。すなわち、この第2実施形態による複数の基礎ブロック1からなる基礎ブロックユニット11は、宅地境界近傍に排水路を設ける場合や道路脇に流雪溝を設ける場合等に適用される。そして、この基礎ブロックユニット11は、一対の側壁部3及び4の上面が地面と面一になる深さまで地中に埋設される。
【0034】
また、この第2実施形態による基礎ブロック1では、地中に埋設された側壁部4の外側面から外側へ突出するように突出部4aが設けられている。なお、この第2実施形態による基礎ブロック1では、上記第1実施形態と異なり、一方の側壁部3に孔部3cが設けられていないとともに、他方の側壁部4の外側面及び上面にレンガ模様等の意匠が施されていない。第2実施形態による基礎ブロック1及び基礎ブロックユニット11の上記以外の構成は、上記第1実施形態による基礎ブロック1及び基礎ブロックユニット11の構成と同様である。
【0035】
以上のように、第2実施形態では、基礎ブロック1の底部2の上面と一対の側壁部3及び4の互いに対向する面とによって所定の空間Sが構成されているので、この所定の空間Sに水Wを流して水路として利用することができる。すなわち、この基礎ブロック1は、仕切り壁100を支持する基礎としての機能に加えて、水路を構成するU字溝としての機能も有している。これにより、所定の領域の境界線に沿って水路を設置する場合にも、水路を構成するU字溝を別途設置する必要がなく、基礎ブロック1(基礎ブロックユニット11)のみを設置するだけでよいので、部材点数の増加及び設置作業の煩雑化を抑制することができる。また、この基礎ブロック1では、上記所定の空間Sに水Wを満たすことによって、水の重量を付加することができるので、転倒に対する安定性を向上させることができる。
【0036】
また、第2実施形態では、基礎ブロック1の側壁部4の地中に埋設された部分から外側へ突出するように突出部4aが設けられているので、この突出部4aにより基礎ブロック1の地中に埋設された領域を増加させることができる。これにより、基礎ブロック1(基礎ブロックユニット11)の転倒に対する安定性をより向上させることができる。
【0037】
第2実施形態による上記以外の効果は、上記第1実施形態による効果と同様である。
【0038】
なお、本発明の範囲は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更例を含む。
【0039】
例えば、上記第1実施形態において、基礎ブロック1及び基礎ブロックユニット11を宅地境界等の所定の領域の内外を仕切る仕切り壁100の基礎として用いたが、本発明はこれに限らず、上記以外の種類の仕切り壁の基礎として用いてもよい。例えば、図4及び図5に示すように、高速道路の内外を仕切る遮音壁110(仕切り壁)の基礎として用いてもよい。この場合、図4に示すように、基礎ブロック1の一方の側壁部3の上面には、上記第1実施形態の場合よりも大きな径の取付穴3aを形成するとともに、図5に示すように、この取付穴3aに遮音壁110の支柱111を挿入して固定することにより遮音壁110を基礎ブロック1(基礎ブロックユニット11)の側壁部3上に設置する。
【0040】
また、上記第2実施形態では、基礎ブロック1の一方の側壁部4のみに突出部4aを設けたが、本発明はこれに限らず、一対の側壁部3及び4の両方に外側へ突出する突出部を設けてもよい。また、上記第2実施形態に限らず、上記第1実施形態による所定の空間Sに植栽を設ける構成の基礎ブロック1及び基礎ブロックユニット11においても上記第2実施形態と同様の突出部を設けてもよい。この場合、側壁部3及び側壁部4の一方または両方の地中に埋設された部分の任意の位置から外側へ突出するように突出部を設ければよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態による基礎ブロックユニット及びそれを用いた仕切り壁の構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した基礎ブロックユニット及び仕切り壁の設置状態を示した縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態による基礎ブロックユニット及び仕切り壁の設置状態を示した縦断面図である。
【図4】第1実施形態の変形例による基礎ブロックユニット及びそれを用いた遮音壁の構成を示した斜視図である。
【図5】図4に示した基礎ブロックユニット及び遮音壁の設置状態を示した縦断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 仕切り壁用基礎ブロック
1c 孔部
2 底部
3、4 側壁部
3a 取付穴
3b インサートナット(固定部材)
4a 突出部
11 基礎ブロックユニット
100 仕切り壁
101 鉄筋
102 コンクリートブロック(ブロック)
102a 貫通孔
110 遮音壁(仕切り壁)
S 所定の空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、前記底部の両端部から上方に延設されるとともに所定間隔を隔てて設けられた一対の側壁部とを一体に有し、
前記一対の側壁部のいずれか一方の上部には、所定の領域の境界線に沿って延びるとともにその所定の領域の内外を仕切る仕切り壁が設置され、
前記底部の上面と前記一対の側壁部の互いに対向する面とによって所定の空間が構成されている、仕切り壁用基礎ブロック。
【請求項2】
前記底部と前記一対の側壁部の少なくとも一部分とが地中に埋設され、
前記一対の側壁部の少なくとも一方の地中に埋設された部分から外側へ突出するように突出部が設けられている、請求項1に記載の仕切り壁用基礎ブロック。
【請求項3】
前記所定の空間には、土が入れられるとともに植栽が行われる、請求項1または2に記載の仕切り壁用基礎ブロック。
【請求項4】
前記一対の側壁部の少なくとも一方に前記所定の空間からその側壁部の外部へ貫通する孔部が設けられている、請求項3に記載の仕切り壁用基礎ブロック。
【請求項5】
前記所定の空間が水路として用いられる、請求項1または2に記載の仕切り壁用基礎ブロック。
【請求項6】
前記仕切り壁が設置される側壁部の上面には、その長手方向に所定間隔で複数の鉄筋が設置されるとともに、その鉄筋が挿通される貫通孔を有するブロックが積み上げられ、前記鉄筋と前記各ブロックとがコンクリートで相互に結合されることによって前記仕切り壁が構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の仕切り壁用基礎ブロック。
【請求項7】
前記仕切り壁が設置される側壁部の上面には、前記鉄筋が挿入される取付穴が設けられており、
前記取付穴の内部には、前記鉄筋と結合することにより前記鉄筋を固定するための固定部材が設けられている、請求項6に記載の仕切り壁用基礎ブロック。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の仕切り壁用基礎ブロックを複数備えた基礎ブロックユニットであって、
前記所定の空間は前記仕切り壁用基礎ブロックの長手方向に沿って延びており、
前記複数の仕切り壁用基礎ブロックがその長手方向において前記所定の領域の境界線に沿うように配列されるとともに、隣り合う前記仕切り壁用基礎ブロックの長手方向の端部同士が相互に連結されることによって構成された、基礎ブロックユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−255162(P2007−255162A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84568(P2006−84568)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(390032104)植平コンクリート工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】