説明

会議システム

【課題】複数の会議室間で行われる通信会議で、会議室内で出力される議事に関する情報が当該会議室の周辺にいる人に漏洩することを防止できる会議システムを提供する。
【解決手段】遠隔地の会議室間で行われる通信会議(テレビ会議など)の議事に関する情報を通信し、会議室内に表示や音声で出力する会議システム10に、第1の会議室の周辺にいる人(不審者)を検知する検知装置(周辺監視カメラ60など)と、第2の会議室内の会議参加者に警告通知を行う通知装置(テレビ会議装置20のディスプレイやスピーカなど)と、検知装置によって人を検知した場合に通知装置に警告通知を行わせる管理装置(監視管理装置50)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議システムに係り、特に、遠隔地の会議室間で通信会議を行うための会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
議事に関する情報を表示したり音声で出力したりする各種の出力装置(表示装置/音声出力装置)を備えた会議システムにおいては、会議のセキュリティを確保するため、表示や音声で出力した情報が会議室の周辺にいる部外者に見られたり聞かれたりすることを防止する技術が考案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、オープンスペースの会議室で会議を行う際に、アクセス権が制限されている秘匿性の高い文書をディスプレイに表示する場合は、間仕切り、ブラインド、カーテンなどの遮蔽装置で会議室を周囲と遮蔽してその表示文書が外部から見られないようにしたり、秘匿性の高い文書の再生音声をスピーカ出力からヘッドフォン出力に切り替えてその再生音声が外部から聞かれないようにしたりして、会議のセキュリティを確保する(秘匿性を保つ)技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−106890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
議事に関する情報を表示や音声で出力する会議システムには、上記のような単独の会議室で行われる会議のほかにも、離れた場所にある複数の会議室間で行われる通信会議(遠隔会議)用のシステム、たとえば、互いの会議室内の映像と音声を相互に通信して出力するテレビ会議用のシステムや、音声のみを相互に通信して出力する電話会議用のシステムなどがある。
【0006】
なお、テレビ会議では、議事対象の物品や画像(文書、図、写真など)などを映して通信相手に見せながら(相手側のディスプレイに表示しながら)説明するようなことがある。また、テレビ会議の映像通話や電話会議の音声通話では、スピーカから出力される通話相手(通信相手)の音声を会議室内の全員が聞き取れるようにするために、出力音量を大きくしたりするようなことがある。
【0007】
上記のように、遠隔地の会議室間で議事に関する表示や音声を通信して行う通信会議においても、ガラス窓を通じて外部から室内が見える会議室などの場合には、その会議室内のディスプレイに表示された通信相手の映像に含まれている議事に関する情報が室外にいる部外者に見られてしまうおそれがある。また、外部から室内が見えない会議室においても、その会議室のスピーカから出力された通信相手の音声(大音量の音声)が外部に漏れて、室外にいる部外者に聞かれてしまうおそれがある。そして、これらの表示や音声で出力された通信相手からの情報が機密性(秘匿性)の高いものである場合には、当該会議室の周辺にいる部外者への情報漏洩となり問題である。
【0008】
また、この通信相手から送られてきて当該会議室内に出力される機密性の高い情報に対し、当該会議室内の会議参加者が応答して発言しているような場合には、その機密性の高い情報に応答した発言が室外にいる部外者に聞かれてしまうおそれがあり、やはり当該会議室の周辺にいる部外者への情報漏洩が問題となる。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、複数の会議室間で行われる通信会議で、会議室内で出力される議事に関する情報が当該会議室の周辺にいる人に漏洩することを防止できる会議システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]第1の会議室と第2の会議室の間で行われる通信会議の議事に関する情報を通信し各々の会議室内に出力する会議システムであって、
前記第1の会議室側に設けられ、第1の会議室の周辺にいる不審者を検知する検知装置と、
前記第2の会議室側に設けられ、第2の会議室内の会議参加者に警告通知を行う外部通知装置と、
前記検知装置によって不審者を検知した場合に、前記外部通知装置に前記警告通知を行わせる管理装置と、
を備えたことを特徴とする会議システム。
【0012】
上記発明では、会議システムは、第1の会議室と第2の会議室の間で行われる通信会議の議事に関する情報を通信し、各々の会議室内に出力する。この出力は、表示や音声などで行う。
【0013】
会議システムの管理装置は、第1の会議室側に設けられている検知装置によって、第1の会議室の周辺にいる不審者を検知すると、第2の会議室側に設けられている外部通知装置に、第2の会議室内の会議参加者に対して警告通知を行わせる。この警告通知は、単なる注意喚起の通知でもよいし、議事に関する情報の発信に対して注意を促す(機密性の高い情報などの発信を控えるように注意を促す)通知でもよいし、第1の会議室(第2の会議室から見ると通信会議を行っている相手側の会議室)の周辺に不審者がいる旨の通知などでもよい。
【0014】
第2の会議室内の会議参加者は、この警告通知を受けて、第1の会議室内の会議参加者と現在行っている通信会議に、注意が必要であることを認識し、機密性の高い情報を発信しないようにするなどの対応が可能となる。
【0015】
たとえば、機密性の高い情報を発信しようとしていた場合には、その情報の発信を事前に取りやめることができる。既に機密性の高い情報を発信している場合には(発信中)、その情報の発信を直ちに停止することができる。具体的には、第1の会議室側へ機密性の高い画像や映像、音声情報などを送信しようとしていた場合には、その送信を事前に取りやめることができる。第1の会議室側へ既に機密性の高い画像や映像、音声情報などを送信している場合には、その送信を直ちに停止したり、機密性の高い情報に関する発言をしていた場合には、その発言を直ちに控えたりするなどが可能である。
【0016】
これにより、複数の会議室間で行われる通信会議で、会議室内に表示や音声で出力される通信相手からの議事に関する情報(機密性の高い情報)が当該会議室の周辺にいる人に漏洩することを防止できる。
【0017】
また、第2の会議室側で機密性の高い情報を発信しないようにした場合には、その情報が第1の会議室内に出力されず、それに伴い、第1の会議室内の会議参加者はその機密性の高い情報に応答する発言を控えるようになる。これにより、当該会議室(第1の会議室)から通信会議の相手の会議室(第2の会議室)へ向けて発信される議事に関する情報(機密性の高い情報)が当該会議室の周辺にいる人に漏洩することも防止できる。
【0018】
また、たとえば当該会議室にスピーカ出力される機密性の高い情報の音声を、急にヘッドフォン出力に切り替えて、その音声が外部から聞かれないようにした場合には、当該会議室内が静寂し、当該会議室の周辺にいる人は自分が原因でそのように警戒されたものと感じ、その人に不快感を与える可能性がある。
【0019】
これに対し、本発明の構成では、そのようなヘッドフォン出力に切り替えなくとも、通信相手から送られてきて当該会議室内にスピーカ出力される音声情報には、機密性の高い情報は含まれていないようになり、その機密性の高い情報に当該会議室内の会議参加者が応答して発言することも控えられるようになるが、議事事態は進行されるため、当該会議室の周辺にいる人に、上記のように自分が警戒されているとの不快感を与えることもない。
【0020】
[2]前記第1の会議室側に設けられ、前記第1の会議室内の会議参加者に警告通知を行う内部通知装置を備え、
前記管理装置は、前記検知装置によって不審者を検知した場合に、前記内部通知装置に前記警告通知を行わせる
ことを特徴とする[1]に記載の会議システム。
【0021】
上記発明では、会議システムの管理装置は、検知装置によって第1の会議室の周辺にいる不審者を検知すると、第1の会議室側に設けられている内部通知装置に、第1の会議室内の会議参加者に対して警告通知を行わせる。この警告通知は、単なる注意喚起の通知でもよいし、議事に関する情報の発信に対して注意を促す(機密性の高い情報などの発信を控えるように注意を促す)通知でもよいし、第1の会議室(当該会議室)の周辺に不審者がいる旨の通知などでもよい。
【0022】
第1の会議室内の会議参加者は、この警告通知を受けて、第2の会議室内の会議参加者と現在行っている通信会議に、注意が必要であることを認識し、機密性の高い情報を発信しないようにするなどの対応が可能となる。
【0023】
たとえば、機密性の高い情報を発信しようとしていた場合には、その情報の発信を事前に取りやめることができる。既に機密性の高い情報を発信している場合には(発信中)、その情報の発信を直ちに停止することができる。具体的には、第2の会議室側へ送信している画像や映像、音声情報などのモニタ表示やモニタ音声が第1の会議室内に出力される場合、第2の会議室側へ機密性の高い画像や映像、音声情報などを送信しようとしていた場合には、その送信を事前に取りやめることができる。第2の会議室側へ既に機密性の高い画像や映像、音声情報などを送信している場合には、その送信を直ちに停止したり、機密性の高い情報に関する発言をしていた場合には、その発言を直ちに控えたりするなどが可能である。
【0024】
これにより、当該会議室(第1の会議室)から通信会議の相手の会議室(第2の会議室)へ向けて発信される議事に関する情報(機密性の高い情報)が当該会議室の周辺にいる人に漏洩することを防止できる。
【0025】
[3]前記管理装置は、前記検知装置によって不審者を検知した場合に、その不審者に関する情報を前記第1の会議室内の会議参加者に通知し、その会議参加者から前記外部通知装置による前記警告通知の要否の入力指示を受け付け、その入力指示に基づいて前記外部通知装置に行わせる前記警告通知を制御する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の会議システム。
【0026】
上記発明では、会議システムの管理装置は、検知装置によって第1の会議室の周辺にいる不審者を検知すると、その不審者に関する情報を第1の会議室内の会議参加者に通知する。不審者に関する情報は、不審者がいることを示す情報(不審者検知情報)のほかに、たとえば、不審者を識別するための識別情報(映像など)、不審者がいる場所(通路や隣の部屋など)を示す場所情報、不審者が第1の会議室の周辺にいる時間(時刻)を示す時間情報などを含むようにしてもよい。
【0027】
第1の会議室内の会議参加者は、当該会議室の周辺にいる不審者に関する情報の通知を受けて、その不審者が、議事に関する情報を知られると問題のある部外者なのか、議事に関する情報を知られても問題のない関係者(知人)なのかを推測したり判断したりすることができ、その結果で、外部通知装置による警告通知(第2の会議室内の会議参加者への警告通知)の要否の入力指示を行う。管理装置は、その入力指示に基づいて、外部通知装置に行わせる警告通知を制御する。この警告通知の制御は、警告通知の実行/非実行、実行中の警告通知の停止、などの制御を含む。
【0028】
これにより、第1の会議室の周辺にいる不審者が関係者であると推測または判断された場合に、第2の会議室内の会議参加者に通知する必要のない警告通知が実行されたり、長時間実行されたりすることで、議事進行が不要に妨げられてしまうことを回避できる。さらにこの場合は、第1の会議室内の会議参加者は、第2の会議室側へ発信する議事に関する情報(機密性の高い情報)を抑制せずに議事を進行することもできる(議事進行の円滑化)。
【0029】
[4]前記管理装置は、前記外部通知装置に行わせた前記警告通知に対する確認を前記第2の会議室内の会議参加者から受けた場合は、その確認の旨を前記第1の会議室内の会議参加者に通知する
ことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の会議システム。
【0030】
上記発明では、第1の会議室内の会議参加者は、第2の会議室内の会議参加者が警告通知を受けてそれを確認したことを、その確認の旨の通知から把握することができる。
【0031】
[5]前記通知は、表示による通知を含む
ことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の会議システム。
【0032】
上記発明では、第2の会議室内の会議参加者に対して行う警告通知は、表示による通知を含む。また、第1の会議室内の会議参加者に対して行う警告通知([2])、不審者に関する情報の通知([3])、確認の旨の通知([4])も、表示による通知を含む。
【0033】
たとえば、第1の会議室内の会議参加者に対して行う警告通知や不審者に関する情報の通知などを音声で行うと、その音声が外部に漏れて第1の会議室の周辺にいる不審者に聞かれるおそれがあり、不審者がただの通行人や関係者などであった場合には、その人に不快感を与えかねない。
【0034】
ここでは、たとえば第1の会議室が外部から室内の見えない会議室であれば、少なくとも第1の会議室内の会議参加者に対する通知は表示で行うことにより、その通知を音声で行った場合にその音声が外部に漏れて不審者に聞かれることなく(通知事態や通知内容を知られることなく)、第1の会議室内の会議参加者に対して通知を行うことができる。第1の会議室の周辺にいる不審者が通行人や関係者であった場合には、その人に音声による警告通知などを聞かれて不快感を与えることを回避できる。また、第2の会議室内の会議参加者に対する警告通知を表示で行う場合には、第2の会議室内の会議参加者は、表示による警告通知を目視によって把握し、機密性の高い情報を発信しないようにするなどの対応が取れる(発信する情報の抑制)。
【0035】
また、第1の会議室の周辺にいる不審者に分からないようにして、第2の会議室内の会議参加者が第1の会議室側へ発信する(第1の会議室内に表示や音声で出力される)議事に関する情報(機密性の高い情報)を抑制したり、第1の会議室内の会議参加者が第2の会議室側へ発信する議事に関する情報(機密性の高い情報)を抑制したりすることもできる。
【0036】
[6]前記管理装置は、前記検知装置によって検知された人が前記第1の会議室の周辺に所定時間以上いると判断した場合に、その人を前記不審者として検知する
ことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の会議システム。
【0037】
上記発明では、第1の会議室の周辺に所定時間以上いない人は不審者として検知されず、第1の会議室の周辺に所定時間以上いる人が不審者として検知される。これにより、第1の会議室の周辺を通行する人などを不審者として検知し、第2の会議室内の会議参加者に通知する必要性の低い警告通知を行ってしまって、議事進行を不要に妨げてしまうようなことを回避できる(議事進行の円滑化)。
【0038】
[7]前記会議室内に出力される前記議事に関する情報は、音声によって出力される音声情報を含む
ことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の会議システム。
【0039】
上記発明では、第1の会議室の周辺にいる不審者を検知した場合に、第2の会議室側から発信されて第1の会議室内に音声で出力される議事に関する情報(機密性の高い情報)が外部に漏れて、その不審者に聞かれることを防止できる。
【0040】
[8]前記外部通知装置は、前記警告通知を音声出力によって行い、
前記管理装置は、少なくとも前記外部通知装置に前記警告通知を音声出力によって行わせている間は、前記通信により前記第1の会議室内に出力される前記第2の会議室内の音声を停止する
ことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の会議システム。
【0041】
上記発明では、少なくとも外部通知装置が第2の会議室内の会議参加者に対して警告通知を音声出力によって行っている間は、通信会議を行うための通信(議事に関する情報の通信)によって第1の会議室内に出力される第2の会議室内の音声は、停止される。この第1の会議室内に出力される第2の会議室内の音声の停止は、第2の会議室側で音声の入力を停止してもよいし、音声の通信を停止(遮断)してもよいし、第1の会議室側で音声の出力を停止してもよい。
【0042】
これにより、第2の会議室内の会議参加者に対して音声出力によって行われる警告通知のその音声が、第1の会議室内に出力されることはなく、第1の会議室の周辺にいる不審者が通行人や関係者などであった場合に、その人に警告通知を聞かれて不快感を与えることを回避できる。
【0043】
[9]前記管理装置は、前記外部通知装置に行わせた音声出力による前記警告通知に対する確認を前記第2の会議室内の会議参加者から受けると、前記停止を解除する
ことを特徴とする[8]に記載の会議システム。
【0044】
上記発明では、第2の会議室内の会議参加者に対する音声出力の警告通知に伴い、第1の会議室内に出力される第2の会議室内の音声が停止されると、第1の会議室内の会議参加者は、その警告通知(通知事態や通知の意図)が第2の会議室内の会議参加者に伝わったか分かりにくくなる可能性があるのに対し、第2の会議室内の会議参加者からその警告通知に対する確認を受けて上記の音声停止を解除することで、第1の会議室内の会議参加者はその音声停止が解除されたこと(第1の会議室内への第2の会議室内の音声の出力再開)を受けて、第2の会議室内の会議参加者に警告通知が伝わったことを把握することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の会議システムによれば、複数の会議室間で行われる通信会議で、会議室内で出力される議事に関する情報が当該会議室の周辺にいる人に漏洩することを防止できる。したがって、通信会議のセキュリティを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る会議システムの設置構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る会議システムの基本構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るテレビ会議装置の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る監視管理装置の概略構成を示す図である。
【図5】テレビ会議装置の画面表示の一例を示す図である。
【図6】通知側のテレビ会議装置の画面表示の一例を示す図である。
【図7】被通知側のテレビ会議装置の画面表示の一例を示す図である。
【図8】監視管理装置の動作を示す流れ図である。
【図9】図8の通知処理(S103)のサブルーチンを示す流れ図である。
【図10】図8の通知表示切替処理(S105)のサブルーチンを示す流れ図である。
【図11】図8の被通知処理(S107)のサブルーチンを示す流れ図である。
【図12】会議システムにおける通知処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
【0048】
図1は、本発明の一実施形態に係る会議システム10の設置構成例を示している。会議システム10は、離れた場所にある複数の会議室間で通信会議(遠隔会議)を行うための通信会議装置を備えたシステムである。図1の例では、この会議システム10が、東京にあるオフィスの会議室(Ra)と大阪にあるオフィスの会議室(Rb)の間で通信会議を行うために使用される場合の設置構成例を示している。図2は、図1に対応する会議システム10の基本構成(基本的なシステム構成)を示している。まず、図2によって会議システム10の基本的なシステム構成を説明する。
【0049】
図2に示すように、会議システム10は、テレビ会議装置20と、電話会議装置40と、監視管理装置50、周辺監視カメラ60、入退室管理装置70とを備えており、各装置が通信回線2に接続されている。通信回線(通信網)2は、LAN(Local Area Network)などの構内通信網と、電気事業者が提供する広域通信回線(WAN(Wide Area Network))などを含んで構成されている。
【0050】
テレビ会議装置20と電話会議装置40は、遠隔地の会議室間で通信会議を行うための通信会議装置である。これらの装置は各会議室に設置され、会議室内の人(会議参加者)の映像や音声を相互に通信し(双方向通信)、出力する機能を備えている。
【0051】
詳細には、テレビ会議装置20は、当該テレビ会議装置20が設置された会議室内の撮影映像と入力音声を、通信相手のテレビ会議装置20へ送信し、通信相手のテレビ会議装置20から受信した撮影映像と入力音声(通信相手のテレビ会議装置20が設置された会議室内の撮影映像と入力音声)を出力する機能を備えている。電話会議装置40は、当該電話会議装置40が設置された会議室内の入力音声を、通信相手の電話会議装置40へ送信し、通信相手の電話会議装置40から受信した入力音声(通信相手の電話会議装置40が設置された会議室内の入力音声)を出力する機能を備えている。
【0052】
周辺監視カメラ60は、監視対象となる会議室の周辺に設置され、その会議室周辺の映像を撮影し、そのカメラ映像を通信回線2を通じて監視管理装置50に送信する機能を果たす。
【0053】
入退室管理装置70は、管理対象となる会議室の出入口外側に設置され、その会議室への入室者に対する個人認証を行って入室者を制限するセキュリティ機能と、入室者の履歴情報(入室者情報)などを管理する履歴管理機能を備えている。会議室の出入口の扉には、ロック機構が設けられ、このロック機構は入退室管理装置70による入室者の個人認証に連動してロック/解除する。扉は、通常は閉じられ、ロック機構によってロック状態とされている。
【0054】
入退室管理装置70は、会議室に入室しようとする者から認証情報を取得して個人認証を行う。認証失敗の場合は、扉をロック状態のままとし、認証成功の場合は、扉をロック解除して開放できる状態にする。認証情報は、たとえば、各人が所持する身分証明書(IDカード)に記憶されている個人識別情報(個人ID)、あるいは、指紋や指静脈パターンなどの生体情報などを用いる。また、入退室管理装置70は、入室者の履歴情報(入室者の個人識別情報、入室時刻など)を記憶・管理すると共に、通信回線2を通じて監視管理装置50にも送信する。
【0055】
なお、テレビ会議装置20、電話会議装置40、周辺監視カメラ60、および入退室管理装置70は、汎用の装置を使用するようにしてもよい。
【0056】
監視管理装置50は、サーバ装置などで構成される。監視管理装置50は、周辺監視カメラ60から受信したカメラ映像や、入退室管理装置70から受信した入室者の履歴情報(入室者の個人識別情報など)に基づいて、会議室の周辺に人(不審者)がいるか否かを検知する機能、会議室の周辺に人がいることを検知した場合に、その会議室内の会議参加者、および、その会議室内の会議参加者と通信会議を行っている通信相手の会議室内の会議参加者に対して、警告通知を行う機能を備えている。
【0057】
図1は、図2に基本構成を示した会議システム10が、東京の会議室Raと大阪の会議室Rbに設置されて使用される場合を例示したものである。ここでは、テレビ会議用のシステムを例に、会議室の構成と会議システム10の各装置の設置構成などを説明する。
【0058】
東京のオフィスには、隣接する2つの会議室Ra、Rcが設けられている。これらの会議室Ra、Rcには、通路Paから各出入口を通じて入室する。
【0059】
一方の会議室Ra内には、テレビ会議装置20aが設置されており、会議室Raの出入口外側には、入退室管理装置70aが設置されている。他方の会議室Rcの出入口外側にも、入退室管理装置70cが設置されている。通路Paには、その通路Paの監視エリア(会議室周辺)を撮影する向きに周辺監視カメラ60aが設置されている。そして、これらのテレビ会議装置20a、入退室管理装置70a、70c、および周辺監視カメラ60aは、通信回線2を通じて、東京用に設けられた監視管理装置50aに接続されている(図1参照)。
【0060】
大阪のオフィスにおける会議室と通路の構成、および各装置の設置構成は、東京側と同様である。すなわち、東京のオフィスと同様に大阪のオフィスにも、隣接する2つの会議室Rb、Rdが設けられている。これらの会議室Rb、Rdには、通路Pbから各出入口を通じて入室する。
【0061】
一方の会議室Rb内には、テレビ会議装置20bが設置されており、会議室Rbの出入口外側には、入退室管理装置70bが設置されている。他方の会議室Rdの出入口外側にも、入退室管理装置70dが設置されている。通路Pbには、その通路Pbの監視エリア(会議室周辺)を撮影する向きに周辺監視カメラ60bが設置されている。そして、これらのテレビ会議装置20b、入退室管理装置70b、70d、および周辺監視カメラ60bは、通信回線2を通じて、大阪用に設けられた監視管理装置50bに接続されている(図1参照)。
【0062】
本例の会議システム10では、東京のテレビ会議装置20bと大阪のテレビ会議装置20bは、通信回線2を通じて相互に通信し、東京の会議室Raと大阪の会議室Rbによるテレビ会議を可能にする。また、電源オン(起動)、電源オフ(停止)、通信状態(他のテレビ会議装置20との通信確立)などの情報を管理元の監視管理装置50(50a、50b)に通知する。
【0063】
東京の監視管理装置50aと大阪の監視管理装置50bは、通信回線2を通じて通信を行う。詳細には、監視管理装置50は、管理下のテレビ会議装置20から上記の電源オン、電源オフ、通信状態などの情報の通知を受けて、そのテレビ会議装置20がテレビ会議中(テレビ会議に係る通信中)か否かを判断する。テレビ会議中であると判断した場合は、周辺監視カメラ60から受信したカメラ映像や、入退室管理装置70から受信した入室者の履歴情報(入室者の個人識別情報など)に基づいて、会議室の周辺に人(不審者)がいることを検知すると、管理下のテレビ会議装置20の通信相手となっているテレビ会議装置20を管理している監視管理装置50と、テレビ会議における警告通知に係る通信を行う。
【0064】
図3は、テレビ会議装置20の概略構成を示している。テレビ会議装置20は、当該テレビ会議装置20の動作を制御する制御部としてのCPU(Central Processing Unit)21と、主記憶装置22と、補助記憶装置23と、表示装置24と、入力装置25と、撮影装置26と、音声入出力装置27と、通信装置28とをバス29に接続して構成される。
【0065】
主記憶装置22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。CPU21は、主記憶装置22(ROM)に格納されているプログラムに基づいてテレビ会議装置20の動作を制御する。補助記憶装置23は、不揮発メモリやハードディスク装置などで構成され、各種の保存データを格納する。
【0066】
表示装置24は、大画面のディスプレイ装置などで構成される。入力装置25は、入力操作を受け付ける各種のボタンなどで構成される。撮影装置26は、小型カメラなどで構成される。音声入出力装置27は、音声入力部を構成するマイクと、音声出力部を構成するスピーカを備えている。通信装置28は、通信回線2を通じて、他のテレビ会議装置20や監視管理装置50などと通信する機能を果たす。
【0067】
なお、入力装置25と音声入出力装置27は、テレビ会議装置20の装置本体と分離した構成にしてもよい。分離構成の場合には、装置本体とケーブルもしくは無線通信(赤外線通信)などで接続される。
【0068】
図4は、監視管理装置50の概略構成を示している。監視管理装置50は、当該監視管理装置50の動作を制御する制御部としてのCPU51と、主記憶装置52と、補助記憶装置53と、表示装置54と、入力装置55と、通信装置56とをバス57に接続して構成される。
【0069】
主記憶装置52は、ROM、RAMなどを含んで構成される。CPU51は、主記憶装置52(ROM)に格納されているプログラムに基づいて監視管理装置50の動作を制御する。補助記憶装置53は、不揮発メモリやハードディスク装置などで構成され、CPU51によって実行される通知判断プログラム58や、各種の保存データを格納する。
【0070】
表示装置54は、液晶ディスプレイ装置などで構成される。入力装置55は、入力操作を受け付けるキーボードやマウスなどで構成される。通信装置56は、通信回線2を通じて、他の監視管理装置50、テレビ会議装置20、周辺監視カメラ60、入退室管理装置70などと通信する機能を果たす。
【0071】
次に、会議システム10の動作について説明する。
【0072】
図5〜図7は、テレビ会議装置20の表示装置24に表示される画面の一例を示している。これらの図と図1を参照して、まず会議システム10の動作の概要を説明する。
【0073】
図1では、東京の会議室Raにいる複数人の会議参加者80aと、大阪の会議室Rbにいる複数人の会議参加者80bとが、会議システム10のテレビ会議装置20(20a、20b)を利用してテレビ会議を行う場合を示している。ここでは、東京の会議室Raの周辺に人90(不審者)がいて、東京側から大阪側に警告通知を指示する場合を例に挙げている。以下の説明における「通知側」は、本例の東京側を指しており、「被通知側」は、本例の大阪側を指している。
【0074】
東京−大阪間でテレビ会議を行うために、東京のテレビ会議装置20aと大阪のテレビ会議装置20bをそれぞれ電源オンにして通信状態にすると、両装置には、たとえば図5に示すような画面が表示される。
【0075】
詳細には、東京側では図5(A)に示すように、テレビ会議装置20aの表示装置24に、大阪の会議室Rb内を撮影した映像(テレビ会議装置20bの撮影装置26によって撮影された映像)がリアルタイムで表示される。また、テレビ会議装置20aの音声入出力装置27(スピーカ)からは、大阪の会議室Rb内の音声(テレビ会議装置20bの音声入出力装置27(マイク)に入力された音声)がリアルタイムで出力される。
【0076】
大阪側では図5(B)に示すように、テレビ会議装置20bの表示装置24に、東京の会議室Ra内を撮影した映像(テレビ会議装置20aの撮影装置26によって撮影された映像)がリアルタイムで表示される。また、テレビ会議装置20bの音声入出力装置27(スピーカ)からは、東京の会議室Ra内の音声(テレビ会議装置20aの音声入出力装置27(マイク)に入力された音声)がリアルタイムで出力される。
【0077】
これにより、東京の会議室Raにいる会議参加者80aと、大阪の会議室Rbにいる会議参加者80bは、相手の映像と音声を見聞きしながらテレビ会議を行うことができる。
【0078】
監視管理装置50(50a、50b)は、少なくともテレビ会議が行われている間は(管理下のテレビ会議装置20のテレビ会議に係る通信中は)、周辺監視カメラ60(60a、60b)のカメラ映像を受信する。周辺監視カメラ60は、常時動作させるようにしてもよく、必要時のみ動作させるようにしてもよい。必要時のみ動作させる場合は、たとえば、監視管理装置50は管理下のテレビ会議装置20から電源オン(起動完了)の通知を受けると、もしくは、管理下のテレビ会議装置20が通信相手のテレビ会議装置20と通信を確立したことの通知を受けると(テレビ会議可能状態)、周辺監視カメラ60を起動する。周辺監視カメラ60は、起動すると撮影を開始し、そのカメラ映像を監視管理装置50に送信する、などの動作としてもよい。
【0079】
監視管理装置50は、周辺監視カメラ60から受信したカメラ映像を解析し、そのカメラ映像に人が映っているか否か(人の有無)を判定する。このカメラ映像に基づく人の有無の判定には、周知のアルゴリズムを使用する。
【0080】
図1に示すように、東京の会議室Ra前の通路Pa(会議室Raの出入口付近)に人90が立っている場合には、東京の周辺監視カメラ60aは、その人90を撮影したカメラ映像を東京の監視管理装置50aに送信する。監視管理装置50aは、周辺監視カメラ60aから受信したカメラ映像を周知のアルゴリズムによって解析し、カメラ映像に人が映っていると判定する。この判定結果により、東京の会議室Raの周辺に人がいることを検知する。
【0081】
監視管理装置50(50a、50b)は、人を検知した場合には、更にそのカメラ映像から、その検知した人が立ち止まっているか否か(その場所に留まっているか否か)を判断する。このカメラ映像に基づく人の停留/非停留の判断には、周知のアルゴリズムを使用する。また、カメラ映像の人影に動きが有るか否かに基づいて判断するようにしてもよい。
【0082】
ここでは、検知した人が所定時間以上立ち止まっている(もしくは撮影範囲内(監視エリア内)にいてカメラ映像から消えない)ことを確認した場合には、警告通知を行う決定を下す。この場合は、検知した人を不審者と判断する(不審者の検知)。なお、この不審者には、会議室内にいる会議参加者と関係のある関係者(知人)や関係のない非関係者(部外者)が含まれる。
【0083】
また、検知した人が所定時間までの間にその場所から移動した(もしくは撮影範囲外(監視エリア外)へ移動してカメラ映像から消えた)ことを確認した場合には、警告通知を行わない決定を下す。この場合は、検知した人を通行人と判断する。
【0084】
図1の例では、東京の監視管理装置50aは、周辺監視カメラ60aから受信したカメラ映像に基づいて検知した、東京の会議室Raの周辺にいる人90が、所定時間以上立ち止まっていると判断した場合には、現在テレビ会議が行われている東京側(会議室Ra内の会議参加者80a)と大阪側(会議室Rb内の会議参加者80b)への警告通知を決定する。
【0085】
また、会議室の周辺にいる人の検知には、入退室管理装置70による個人認証を利用してもよい。図1では、たとえば、東京側でテレビ会議を行っている会議室Raの隣の会議室Rcに、その会議室Rcの入退室管理装置70cによって個人認証を行い人が入室した場合には、入退室管理装置70cはその人(入室者)の個人識別情報と入室時刻などの履歴情報(入室者情報)を監視管理装置50aに送信する。監視管理装置50aは、その履歴情報を受信すると、現在テレビ会議が行われている会議室Raの隣の会議室Rcに、人が入室したことを検知する。すなわち、会議室Raの周辺に人がいることを検知する。この場合は、会議室Raの隣の会議室Rcに人が入室したことを検知したときに、上記の警告通知を行う決定を下す。
【0086】
警告通知は、単なる注意喚起の通知でもよいし、議事に関する情報の発信に対して注意を促す(機密性の高い情報などの発信を控えるように注意を促す)通知でもよいし、会議室の周辺に不審者がいる旨の通知などでもよい。
【0087】
本実施形態では、東京の監視管理装置50aは、自装置の管理下にある東京のテレビ会議装置20aと、このテレビ会議装置20aとの通信相手(テレビ会議の通信相手)である大阪のテレビ会議装置20bを管理している大阪の監視管理装置50bとに、警告通知表示を指示する。また、この警告通知表示の指示と共に、東京のテレビ会議装置20aに対しては、通知する文字メッセージと周辺監視カメラ60aのカメラ映像を送信する。大阪の監視管理装置50bに対しては、通知する文字メッセージを送信する。
【0088】
たとえば、東京側に通知する文字メッセージは、「会議室の外に人がいます」や「機密情報の発信を控えてください」などにする。大阪側に通知する文字メッセージは、「会議室A周辺に人がいます」や「機密情報の発信を控えてください」などにする。
【0089】
東京のテレビ会議装置20aは、監視管理装置50aから警告通知表示の指示を受けると、その指示と共に受信した文字メッセージとカメラ映像を表示装置24に表示する。たとえば、図6(A)に示すように、テレビ会議相手(大阪の会議室Rb内)のリアルタイム映像を表示している画面上(画面内の右上隅など)に、周辺監視カメラ60aによって現在撮影されている会議室Ra周辺(通路Pa)のカメラ映像31と、文字メッセージ32(“会議室の外に人がいます”)を表示する。
【0090】
また、会議室Raの隣の会議室Rcに人が入室した場合は、周辺監視カメラ60aが撮影しているカメラ映像にはその人は映っていない。ただし、監視管理装置50aは入退室管理装置70cからその人の個人識別情報を受信しており、その個人識別情報(氏名など)をカメラ映像に替えてテレビ会議装置20aに送信し、文字メッセージと共に表示させる。さらに、会議室名(隣接する会議室が複数ある場合などに有効)や入室時刻などの情報を加えて表示するようにしてもよい。
【0091】
大阪の監視管理装置50bは、東京の監視管理装置50aから警告通知表示の指示を受けると、自装置の管理下にある大阪のテレビ会議装置20bに対して、警告通知表示を指示すると共に、東京の監視管理装置50aから受信した文字メッセージと、そのメッセージに対する返答を求めるメッセージ(たとえば“*返答を入力して下さい”など)を送信する。
【0092】
大阪のテレビ会議装置20bは、監視管理装置50bから警告通知表示の指示を受けると、その指示と共に受信した文字メッセージと、返答を求めるメッセージを表示装置24に表示する。たとえば、図7に示すように、テレビ会議相手(東京の会議室Ra内)のリアルタイム映像を表示している画面上(画面内の上部など)に、文字メッセージ35(“「会議室A周辺に人がいます」”)と、返答を求めるメッセージ36(“*返答を入力して下さい”)を表示する。
【0093】
なお、警告通知は、上記のようにテレビ会議の画面上に文字メッセージ(字幕)を表示して行うほかに、警告灯、警告音、音声などを用いて行うようにしてもよい。
【0094】
たとえば、周辺に人がいる方の会議室(図1の例では東京の会議室Ra)では、会議室周辺に人がいることを示す警告灯を点灯させる。この会議室に対しては、警告音や音声で警告通知(たとえば“会議室周辺に人がいます”などの音声通知)を行うと、その警告音や音声が会議室周辺にいる人に聞かれて、その人に不快感や警戒心を与えるおそれがあるため、警告音や音声ではなく警告灯を用いることが好ましい。
【0095】
相手側の会議室(図1の例では大阪の会議室Rb)では、その会議室から見てテレビ会議の相手となる会議室(図1の例では東京側の会議室Ra)の周辺に人がいることを示す警告通知を、警告灯の点灯、警告音の発生、音声(たとえば“相手の会議室周辺に人がいます”など)の出力によって行う。
【0096】
また、警告音や音声による警告通知中は、監視管理装置50がテレビ会議装置20に指示を出して、テレビ会議装置20がテレビ会議相手との音声通話を遮断する。監視管理装置50は、警告通知後にその通知内容に対して返答の入力を求め、返答の入力確認後に、テレビ会議装置20に指示を出して、テレビ会議装置20が音声通話を再開するようにしてもよい。この場合の返答は、入力装置25による操作入力(音声通話装置に設けられている通知返答ボタンの押下など)でもよいし、音声入出力装置27による音声入力(たとえば、“分かりました”や“了解しました”など)でもよい。また、音声入力の場合は、音声入出力装置27から入力された音声をテレビ会議装置20が監視管理装置50へ送信し、監視管理装置50が周知のアルゴリズムによって音声認識を行いテキストデータに変換して、相手先の監視管理装置50に送信するようにしてもよい。
【0097】
上記の警告音や音声による警告通知中に、テレビ会議相手との音声通話を遮断する場合は、その音声通話自体の遮断に替えて、被通知側のテレビ会議装置20で音声入力を停止するようにしてもよく(マイク入力オフ)、通知側のテレビ会議装置20で音声出力を停止するようにしてもよい(スピーカ出力オフ)。
【0098】
周辺に人がいる会議室のテレビ会議相手となる会議室(会議参加者)に、警告音や音声で警告通知を行う場合は、その被通知側となる会議室内のテレビ会議装置20(図1の例では大阪側のテレビ会議装置20b)に設けられたスピーカから出力された警告音や音声による警告通知が、そのテレビ会議装置20に設けられたマイクに入力され、通知側となる会議室内のテレビ会議装置20(図1の例では東京側のテレビ会議装置20a)に設けられたスピーカから出力されるおそれがある。この場合も、そのフィードバックされた警告音や音声が会議室周辺にいる人に聞かれて、その人に不快感や警戒心を与える可能性があるが、上記のように音声通話を遮断することで、被通知側の会議室内に出力された警告音や音声による警告通知が、通知側の会議室にフィードバックされて出力されない(会議室周辺にいる人に聞かれない)ようになる。
【0099】
また、音声通話が遮断されると、通知側の会議室にいる会議参加者は、被通知側の会議室にいる会議参加者に警告通知(通知事態や通知の意図)が伝わったか分かりにくくなる可能性があるが、被通知側の会議室にいる会議参加者に警告通知に対する返答を求め、返答の入力確認後に、音声通話を再開することで、その警告通知が被通知側の会議室にいる会議参加者に伝わったことを容易に把握することができる。
【0100】
図1の例では、大阪側の会議参加者80bは、警告通知への返答を求めるメッセージに対して(図7参照)、テレビ会議装置20bの入力装置25による入力操作(テレビ会議装置20bに取り付けられている通知返答ボタンの押下操作など)により、警告通知に対する返答を行う。すなわち、警告通知を受けてそれを確認(了解)したことの意思表示を行う。
【0101】
また、音声で返答し、確認(了解)したことの意思表示を行う場合は、「分かりました」や「了解しました」などの言葉を発してテレビ会議装置20bのマイクに入力することにより、警告通知に対する音声入力での返答を行う。テレビ会議装置20bは、入力された返答(通知了解応答)を監視管理装置50bに送信し、監視管理装置50bはその返答(通知了解応答)を東京の監視管理装置50aに送信する。
【0102】
東京の監視管理装置50aは、大阪の監視管理装置50bから返答(通知了解応答)を受信すると、東京のテレビ会議装置20aに対して、通知完了(確認の旨の通知)の追加表示を指示する。この指示では、通知が完了したことを文字で示す通知完了メッセージ(たとえば“大阪に通知完了”など)も送信する。
【0103】
東京のテレビ会議装置20aは、監視管理装置50aから通知完了の追加表示の指示を受けると、その指示と共に受信した通知完了メッセージ(確認の旨の通知)を表示装置24に追加表示する。たとえば、図6(B)に示すように、既に表示していたカメラ映像31や文字メッセージ32の下に、通知完了メッセージ33(“大阪に通知完了”)を表示する。
【0104】
東京側の会議参加者80aは、この通知完了メッセージ33を見て、自分達のいる会議室Raの周辺に人90(不審者)がいることを、大阪側の会議参加者80bが把握できたと認識する。そして、双方の会議参加者が機密事項に関する発言を控えるなどの対応を取ることにより、東京側の会議室Raの周辺にいる人90に機密事項を聞かれて情報漏洩が起こることを防止できる。
【0105】
また、東京のテレビ会議装置20aには、文字メッセージによる警告通知と共に、不審者が映っているカメラ映像や、隣の会議室に入室した人の個人識別情報(氏名など)も併せて表示される。東京側の会議参加者80aはこれらの不審者に関する情報から、その不審者が関係者であるか否かを判断できる。そこで、この東京側の会議参加者80aから、大阪側の会議参加者80bへの警告通知の要否の入力指示を受け付け、その入力指示に基づいて大阪側の会議参加者80bへの警告通知を制御するようにしてもよい。また、この入力指示はテレビ会議装置20の入力装置25から行うようにしてもよい。
【0106】
これにより、東京の会議室Raの周辺にいる不審者が関係者であると判断された場合に、大阪側の会議参加者80bに通知する必要のない警告通知が実行されたり、長時間実行されたりすることで、議事進行が不要に妨げられてしまうことを回避できる。さらにこの場合は、東京側の会議参加者80aは、大阪側へ発信する議事に関する情報(機密性の高い情報)を抑制せずに議事を進行することもできる(議事進行の円滑化)。
【0107】
図8〜図11は、監視管理装置50の動作を示す流れ図である。この動作は、監視管理装置50のCPU51が通知判断プログラム58を実行することによって行われる。図12は、会議システム10の警告通知に係る処理を示すシーケンス図である。会議システム10の具体的な動作は、これらの図を参照して説明する。なお、本例では会議室の周辺にいる人を、周辺監視カメラ60のカメラ映像に基づいて検知する場合を例に説明する。
【0108】
監視管理装置50は、管理下のテレビ会議装置20から電源オン(起動完了)の通知を受けると、もしくは、管理下のテレビ会議装置20が通信相手のテレビ会議装置20と通信を確立したことの通知を受けると(テレビ会議可能状態)、図8に示す動作を開始する(Start)。
【0109】
監視管理装置50のCPU51は、周辺監視カメラ60から受信したカメラ映像に基づいて、会議室の周辺に人がいるか否かの検知(監視)を行う(ステップS101/図12のP1)。人を検知しない場合は(ステップS101;No)、ステップS106へ移行する。人を検知した場合は(ステップS101;Yes)、検知した人が所定時間以上立ち止まっているか否かを判断する(ステップS102)。
【0110】
検知した人が所定時間以上立ち止まっていないと判断した場合は(ステップS102;No)、ステップS106へ移行する。検知した人が所定時間以上立ち止まっていると判断した場合は(ステップS102;Yes)、通知処理を行う(ステップS103(図9のサブルーチン)/図12のP2)
【0111】
図9に示す通知処理では、CPU51は、当該監視管理装置50の管理下(自装置側/通知側)のテレビ会議装置20に、この会議室の周辺に人がいることの警告通知表示を指示する(ステップS201/図12のP3)。この指示を受けたテレビ会議装置20は、画面上に、この会議室の周辺に人がいることを示す情報(文字メッセージ、カメラ映像)を表示して警告通知を行う(図12のP4/図6(A)参照)。
【0112】
またCPU51は、当該監視管理装置50の通信相手(相手側/被通知側)の監視管理装置50に、こちらの会議室の周辺に人がいることの警告通知表示を指示する(ステップS202〜Return/図12のP5)。この指示を受けた相手側の監視管理装置50は、管理下(被通知側)のテレビ会議装置20に警告通知表示を指示する(図12のP6)。この指示を受けた相手側のテレビ会議装置20は、画面上に、通信相手の会議室の周辺に人がいることを示す情報(文字メッセージ)を表示して警告通知を行う(図12のP7/図7参照)。そして、相手側の会議室にいる会議参加者は、警告通知に対する返答を操作入力(または音声入力)で行う(図12のP8(通知了解応答))。
【0113】
相手側のテレビ会議装置20は、警告通知に対する返答の入力を受けると、通知了解応答を管理元の監視管理装置50に送信する(図12のP9)。この監視管理装置50(被通知側)は、通知了解応答を通知側の監視管理装置50に送信する(図12のP10)。
【0114】
図8では、ステップS103の通知処理後に、相手側(被通知側)の監視管理装置50から通知了解応答を受信しない場合は(ステップS104;No)、ステップS106へ移行する。相手側の監視管理装置50から通知了解応答を受信した場合は(ステップS104;Yes)、通知表示切替処理を行う(ステップS105(図10のサブルーチン))。
【0115】
図10に示す通知表示切替処理では、CPU51は、当該監視管理装置50の管理下(自装置側/通知側)のテレビ会議装置20に、通知完了メッセージの表示切り替え(追加表示)を指示する(ステップS301〜Return/図12のP11)。この指示を受けたテレビ会議装置20は、画面上に、相手側への警告通知が完了したこと(相手が警告通知を確認したこと)を示す通知完了メッセージを表示する(図12のP12/図6(B)参照)。
【0116】
図8では、ステップS105の通知表示切替処理後に、被通知側の動作を行う。CPU51は、当該監視管理装置50の通信相手(通知側)の監視管理装置50から、相手側の会議室の周辺に人がいることの警告通知表示の指示を受けるか否かを確認する(ステップS106)。相手側の監視管理装置50から警告通知表示の指示を受けない場合は(ステップS106;No)、ステップS101へ戻り、ステップS101以降を同様に行う。
【0117】
相手側の監視管理装置50から警告通知表示の指示を受けた場合は(ステップS106;Yes)、被通知処理を行い(ステップS107(図11のサブルーチン))、被通知処理後はステップS101へ戻り、ステップS101以降を同様に行う。
【0118】
図11に示す被通知処理では、CPU51は、当該監視管理装置50の管理下(自装置側/被通知側)のテレビ会議装置20に、相手側の会議室の周辺に人がいることの警告通知表示を指示する(ステップS401/図12のP6)。この指示を受けた被通知側のテレビ会議装置20は、画面上に、通信相手の会議室の周辺に人がいることを示す情報(文字メッセージ)を表示して警告通知を行う(図12のP7/図7参照)。そして、被通知側の会議室にいる会議参加者は、通知に対する返答を操作入力(または音声入力)で行う(図12のP8(通知了解応答))。
【0119】
被通知側のテレビ会議装置20は、警告通知に対する返答の入力を受けると、通知了解応答を管理元(自装置側/被通知側)の監視管理装置50に送信する(図12のP9)。
【0120】
CPU51は、当該監視管理装置50の管理下(自装置側/被通知側)のテレビ会議装置20から通知了解応答を受信すると(ステップS402)、当該監視管理装置50の通信相手(通知側)の監視管理装置50に通知了解応答を送信する(ステップS403〜Return/図12のP10)。
【0121】
なお、ここではテレビ会議を例に会議システム10の動作を説明したが、警告通知を警告灯、または警告音や音声などで行うことにより、電話会議においても同様の動作を実行できる。詳細には、監視管理装置50は、周辺監視カメラ60から受信したカメラ映像や、入退室管理装置70から受信した入室者の個人識別情報などに基づいて、会議室の周辺に人がいることを検知した場合には、その会議室内の会議参加者に対して電話会議装置40を通じて警告灯などで警告通知を行い、その会議室内の会議参加者と電話会議を行っている通信相手の会議室内の会議参加者に対して、相手先の監視管理装置50および電話会議装置40を通じて警告灯などで警告通知を行う。
【0122】
また、図1の例では遠隔地の2つの会議室で通信会議(テレビ会議)を行う例を説明したが、通信会議は3つ以上の会議室で行うことも可能である。
【0123】
このように、本実施形態に係る会議システム10は、遠隔地の会議室間で行われるテレビ会議などで議事に関する情報を通信し、会議室内に表示や音声で出力する。この通信による会議中に、監視管理装置50は、周辺監視カメラ60や入退室管理装置70から受信した情報(カメラ映像/入室者情報など)に基づいて、監視対象の会議室の周辺にいる人(不審者)を検知すると、テレビ会議装置20を通じてその会議室にいる会議参加者にその旨の警告通知を行い、相手側の監視管理装置50およびテレビ会議装置20を通じて相手側の会議室にいる会議参加者にも同様の警告通知を行う。
【0124】
相手側の会議室にいる会議参加者は、この警告通知を受けて、機密性の高い情報を発信しないといった対応が可能となる。たとえば、機密性の高い情報に関する発言をしていた場合はその発言を控えたりするなどが可能である。これにより、遠隔地の会議室間で行われる通信会議で、会議室内に音声で出力される通信相手からの議事に関する情報(機密性の高い情報)が当該会議室の周辺にいる人に漏洩することを防止できる。
【0125】
また、当該会議室にいる会議参加者も同様に警告通知を受けて、機密性の高い情報を発信しないといった対応が可能となる。たとえば、機密性の高い情報に関する発言をしていた場合はその発言を控えたりするなどが可能である。これにより、当該会議室から相手側の会議室へ向けて発信される議事に関する情報(機密性の高い情報)が当該会議室の周辺にいる人に漏洩することを防止できる。
【0126】
また、たとえば当該会議室にスピーカ出力される機密性の高い情報の音声を、急にヘッドフォン出力に切り替えて、その音声が外部から聞かれないようにした場合には、当該会議室内が静寂し、当該会議室の周辺にいる人は自分が原因でそのように警戒されたものと感じ、その人に不快感を与える可能性がある。
【0127】
これに対し、本実施形態に係る会議システム10では、そのようなヘッドフォン出力に切り替えなくとも、通信相手から送られてきて当該会議室内にスピーカ出力される音声情報には、機密性の高い情報は含まれていないようになり、その機密性の高い情報に当該会議室内の会議参加者が応答して発言することも控えられるようになるが、議事事態は進行されるため、当該会議室の周辺にいる人に、上記のように自分が警戒されているとの不快感を与えることもない。
【0128】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0129】
本発明に係る会議システムが対象とする通信会議は、実施形態で説明したテレビ会議などのほかに、パーソナルコンピュータなどの端末装置を使用し、相手の映像と音声や他の画像などを相互に通信して行うWeb会議なども含まれる。
【0130】
また実施形態では、会議室の外への音声漏れによる情報漏洩を防止する場合を説明したが、ガラス窓を通じて外部から室内が見える会議室などの場合は、その会議室に設置されているディスプレイやプロジェクタなどに表示された通信相手の映像や画像に含まれている議事に関する情報が室外にいる人に見られてしまうおそれがあり、このような会議室の外からも視認可能な表示による情報漏洩を防止することも可能である。
【0131】
また警告通知は、相手側の会議室にいる会議参加者のみに通知するようにしてもよい。また、会議参加者全員に通知するほかに、たとえば、司会者などの特定の者がヘッドフォンを着用している状況であれば、その特定者のみにヘッドフォンへの音声を通じて警告通知を行うようにしてもよい。この場合は、警告通知を受けた特定者が他の会議参加者に対して、機密性の高い情報を発信しないよう指示するといった対応が可能である。
【0132】
会議室の周辺にいる人を検知する検知装置としては、監視カメラなどのほかに人感センサなどを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0133】
2…通信回線
10…会議システム
20(20a、20b)…テレビ会議装置
21…CPU
22…主記憶装置
23…補助記憶装置
24…表示装置
25…入力装置
26…撮影装置
27…音声入出力装置
28…通信装置
29…バス
31…カメラ映像
32…文字メッセージ
33…通知完了メッセージ
35…文字メッセージ
36…返答を求めるメッセージ
40…電話会議装置
50(50a、50b)…監視管理装置
51…CPU
52…主記憶装置
53…補助記憶装置
54…表示装置
55…入力装置
56…通信装置
57…バス
58…通知判断プログラム
60(60a、60b)…周辺監視カメラ
70(70a、70b、70c、70d)…入退室管理装置
80a、80b…会議参加者
90…人
Pa、Pb…通路
Ra、Rb、Rc、Rd…会議室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の会議室と第2の会議室の間で行われる通信会議の議事に関する情報を通信し各々の会議室内に出力する会議システムであって、
前記第1の会議室側に設けられ、第1の会議室の周辺にいる不審者を検知する検知装置と、
前記第2の会議室側に設けられ、第2の会議室内の会議参加者に警告通知を行う外部通知装置と、
前記検知装置によって不審者を検知した場合に、前記外部通知装置に前記警告通知を行わせる管理装置と、
を備えたことを特徴とする会議システム。
【請求項2】
前記第1の会議室側に設けられ、前記第1の会議室内の会議参加者に警告通知を行う内部通知装置を備え、
前記管理装置は、前記検知装置によって不審者を検知した場合に、前記内部通知装置に前記警告通知を行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の会議システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記検知装置によって不審者を検知した場合に、その不審者に関する情報を前記第1の会議室内の会議参加者に通知し、その会議参加者から前記外部通知装置による前記警告通知の要否の入力指示を受け付け、その入力指示に基づいて前記外部通知装置に行わせる前記警告通知を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の会議システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記外部通知装置に行わせた前記警告通知に対する確認を前記第2の会議室内の会議参加者から受けた場合は、その確認の旨を前記第1の会議室内の会議参加者に通知する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の会議システム。
【請求項5】
前記通知は、表示による通知を含む
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の会議システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記検知装置によって検知された人が前記第1の会議室の周辺に所定時間以上いると判断した場合に、その人を前記不審者として検知する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の会議システム。
【請求項7】
前記会議室内に出力される前記議事に関する情報は、音声によって出力される音声情報を含む
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の会議システム。
【請求項8】
前記外部通知装置は、前記警告通知を音声出力によって行い、
前記管理装置は、少なくとも前記外部通知装置に前記警告通知を音声出力によって行わせている間は、前記通信により前記第1の会議室内に出力される前記第2の会議室内の音声を停止する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の会議システム。
【請求項9】
前記管理装置は、前記外部通知装置に行わせた音声出力による前記警告通知に対する確認を前記第2の会議室内の会議参加者から受けると、前記停止を解除する
ことを特徴とする請求項8に記載の会議システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−34020(P2012−34020A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169459(P2010−169459)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】