説明

伝熱制御装置およびこれを備えた電源装置

【課題】放熱部材と電源との間での伝熱を、適切かつ柔軟に制御することのできる技術を提供する。
【解決手段】電源501からの熱を伝熱する伝熱部材503と、伝熱部材503と放熱部材505の間において、伝熱部材503および放熱部材の内の少なくともいずれか一方から離間するように設けられ、磁性粒子を含有する磁性ゲル507と、伝熱部材503および放熱部材の内、磁性ゲル507と当接していない少なくともいずれかの部材を介して、磁性ゲル507と対向配置される電磁石508と、電磁石508に電圧を印加させて磁性ゲル507を伝熱部材503および放熱部材505に当接させる第1のモードと、電磁石508への電圧印加を行わない第2のモードとを切り替える制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、放熱部材と電源との間での伝熱を制御する伝熱制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車の駆動用又は補助電源として使用される二次電池や燃料電池は、低温化すると端子電圧や電気容量が低下し、高温化すると電解液が分解して、ガス放出による内圧上昇が起こり電池寿命の低下を招くという難点がある。
【0003】
電源を適正な温度環境下に維持する方法として、以下の方法が開示されている。
【0004】
実開平02−33492号公報(特許文献1)には、電池駆動型電子装置の放熱器が開示されている。この電池駆動型電子装置の放熱器は、発熱部から放熱された熱を電池に伝達する伝熱部と、この伝熱部及び電池の間に配置される形状記憶部材とを有しており、この形状記憶部材は、所定の変態温度以上において電池を伝熱部から隔離させ、変態温度未満において電池と伝熱部とを接触させるよう変位する。
【0005】
これにより、変態温度未満の低温状態において、発熱部から伝達される熱によって電池を活性化することができる。また、変態温度以上の高温状態において、発熱部からの熱伝達が絶たれて、過熱による電池の特性劣化を防止することができる。
【0006】
また、別の従来例として、特開2002−124224号公報(特許文献2)には、金属放熱体を有する電池パックが開示されている。この電池パックは、電池ケースの側面に感熱変形体が固定配置され、電池の温度が上昇して所定の温度を超えたときには、感熱変形体が変形して金属放熱体と接触するように構成されている。
【0007】
これにより、所定の温度以下において感熱変形体と金属放熱体とを非接触とすることができるため、過熱された金属放熱体の熱が電池に伝熱されるのを防止できる。
【特許文献1】実開平02−33492号公報
【特許文献2】特開2002−124244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、形状記憶部材、感熱変形体(以下、「形状記憶部材等」という)が熱変形するときの変態温度は形状記憶部材等の材料によって異なる。
【0009】
また、適切な環境温度は電源の種類によって異なり、例えば、リチウムイオン二次電池では、適正温度が10〜60℃であり、電解質として固体高分子質を使用した燃料電池では、適正温度が常温〜約100℃である(東京ガス:なるほど!燃料電池/作動温度による特徴の違い[平成18年9月27日検索]、インターネット<URL:http://www.tokyo−gas.co.jp/pefc/what−fc_32.html>参照)。
【0010】
したがって、従来技術では、電源の種類に応じて感熱変形体の材料を変更しなければならないため、材料選択に手間がかかり、コストが増大するおそれがある。
【0011】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、放熱部材と電源との間での伝熱を、適切かつ柔軟に制御することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係る伝熱制御装置は、電源からの熱を伝熱する伝熱部材と、前記伝熱部材と放熱部材の間において、前記伝熱部材および放熱部材の内の少なくともいずれか一方から離間するように設けられ、磁性粒子を含有する磁性ゲルと、前記伝熱部材および放熱部材の内、前記磁性ゲルと当接していない少なくともいずれかの部材を介して、前記磁性ゲルと対向配置される電磁石と、前記電磁石に電圧を印加させて前記磁性ゲルを前記伝熱部材および前記放熱部材に当接させる第1のモードと、前記電磁石への電圧印加を行わない第2のモードとを切り替える制御部と、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0013】
このような構成によれば、感熱変形体のように変形状態が温度に依存する構成とは異なり、磁性ゲルを介した加熱または放熱を任意のタイミングで行うことができ、電源の温度制御をより柔軟に行うことができる。また、放熱部材や伝熱部材の熱伝導率や接触面積等が異なる他の車両に設置した場合でも、同様の効果を奏することができる。
【0014】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記磁性ゲルは、前記放熱部材における該放熱部材と対向する面と略平行な方向において、仕切り部材によって複数区画に分割されていることを特徴とすることができる。このように、磁性ゲルを放熱部材と伝熱部材との間で仕切り部材によって分割する構成としたことにより、電磁石によって各区画の磁性ゲルを均一な高さで吸引することができ、結果として各区画の磁性ゲルの放熱部材等への当接面積も均一にすることができる。これにより、放熱部材および伝熱部材の全面における均一な熱伝導を行わせることが可能となる。
【0015】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記電磁石は、前記放熱部材表面と平行な方向における、前記仕切り部材間の略中央位置に位置することを特徴とすることができる。これによれば、電磁石に電圧が印加された場合に、磁性ゲルが仕切り部材により囲まれる区画の中央近傍から盛り上がるように電磁石側に吸引される。よって、隣接する区画への磁性ゲルの浸入や隣接する区画それぞれで吸引された磁性ゲルの接触等の事態を回避することができる。
【0016】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記伝熱制御装置は、車両に備えられるものであり、前記仕切り部材は、少なくとも、前記車両の進行方向と直交する方向に延びるように形成されていることを特徴とすることができる。これによれば、例えば上記伝熱制御装置を搭載した車両が急な坂道を移動するような場合においても、磁性ゲルが無用に放熱部材に当接してしまうことを回避し易い。なお、例え上記のような車両の傾斜に伴う磁性ゲルの偏りによって、磁性ゲルの上面の一部が放熱部材に当接してしまった場合でも、そのような当接によって伝達される熱量は微量であり、空気層による断熱性能を大きく損なうことはない。
【0017】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記電源から独立した他の電源を備え、前記制御部は、前記他の電源により前記電磁石に電圧を印加させることを特徴とすることができる。このように、電池とは個別に設けられた電源によって電磁石への電圧印加を行わせる構成としたことにより、電池の電力を使用することなく、電池と放熱部材との間での伝熱制御が可能であり、電池の劣化を極力抑えることができる。
【0018】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記電源の温度を示す情報を取得する温度情報取得部をさらに備え、前記制御部は、前記温度情報取得部にて取得される情報に基づいて、前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替えることを特徴とすることができる。このように、電源の温度に基づいて、第1のモードと第2のモードとの間での切り替えを可能とすることにより、伝熱制御の主な対象とすべき電源の温度状態に基づく適切なモード切替を実現することができる。
【0019】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記制御部は、前記電源の温度が所定値を上回るときに、前記第1のモードに切り替えることを特徴とすることができる。これにより、電源の熱を伝熱部材、磁性ゲルおよび放熱部材を介して外部に放熱し、電源の温度を下げることで、電源の寿命の延長を図ることができる。
【0020】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記伝熱制御装置は、車両に備えられるものであり、前記車両の車体温度を示す情報を取得する車体温度情報取得部をさらに備え、前記制御部は、前記車体温度が前記電源の温度を上回るときは、前記電源の温度が前記所定値を上回っている場合でも、前記第2のモードに設定することを特徴とすることができる。これにより、車体温度が電源温度を上回っているにも拘わらず、電源の温度が所定値を上回っているという理由で、伝熱部材と放熱部材との間で伝熱可能な状態とした場合に、車体からの熱により却って電源の温度が上昇してしまうといった事態を回避することができる。
【0021】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記伝熱部材は、絶縁フィラーを含むことを特徴とすることができる。
【0022】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記伝熱制御装置は、車両に備えられるものであり、前記放熱部材は、前記車両の車体であることを特徴とすることができる。
【0023】
また、本発明の一実施態様によれば、上述のような構成において、前記磁性粒子は、マグネタイト、酸化鉄、酸化クロム、コバルトおよびフェライトの内の少なくともいずれかであることを特徴とすることができる。
【0024】
また、本発明の一態様に係る電源装置は、上述のような構成の伝熱制御装置と、前記伝熱制御装置における前記伝熱部材に伝熱可能に配置される電源と、を備えてなることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上に詳述したように本発明によれば、放熱部材と電源との間での伝熱を、適切かつ柔軟に制御することのできる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態による伝熱制御装置およびこれを備えた電源装置について説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5aの車両内での配置例を示す概略斜視図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態による電源装置の内部構成について説明するための概略断面斜視図であり、図3は、本発明の第1の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5aの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【0029】
同図に示すように、助手席11は、座部12及び背もたれ部13を有している。背もたれ部13の上端には、ヘッドレスト14が着脱可能に取付けられている。
【0030】
座部12の下側には、車幅方向に対向する一対のシートレール15が、車両の前後方向に延びるように設けられている。
【0031】
このシートレール15は、車体パネル16上に固定されるロワーレール15aと、座部12の下面に固定されるアッパーレール15bとから構成されている。
【0032】
アッパーレール15bは、ロワーレール15aに対してその長手方向に案内されて摺動可能となっている。このような構成のシートレール15により、助手席11の、車両の前後方向における位置調整が可能となっている。
【0033】
上記一対のシートレール15の間には、車体パネル16上に電源装置5が配置されている。電源装置5は、例えば、固定具600を用いて放熱部材505を介して車体パネル16上に固定されている。
【0034】
なお、本実施の形態では、伝熱制御装置単体での可搬性等を考慮し、必要に応じて放熱部材505を伝熱制御装置と一体的に搬送可能な構成としているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、磁性ゲル507の下方に放熱部材505を設けず、磁性ゲル507を車体パネル16に直接当接させるようにすることもできる。この場合、車体パネル16が放熱部材に相当する。
【0035】
また、ここでは、電源装置5が座席下に配置されている構成を例示しているが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、座席間の空いたスペースや、その他車体内で放熱を考慮して配置可能なスペースに配置することもできることは言うまでもない。
【0036】
本発明の第1の実施の形態による伝熱制御装置は、温度情報取得部101、制御部102、電源部103、伝熱部材503、ケーシング504、仕切り部材506、磁性ゲル507および電磁石508を備えてなる構成となっている。
【0037】
電源501は、温度調整を必要とする電源であればよく、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、その他の二次電池、燃料電池、電気二重層キャパシタなどを採用可能である。以下、各実施の形態では、一例として、電源501がリチウムイオン電池であり、複数の電池セルがケーシング内で直列接続されている構成を採用しているものとする。
【0038】
本実施の形態による電源装置5aは、伝熱制御装置と、当該伝熱制御装置における伝熱部材503に伝熱可能に配置される電源501とを備えている。
【0039】
伝熱部材503は、例えば、アルミ、ステンレス、鉄等から形成されており、電源501からの熱を伝熱する役割を有している。また、伝熱部材503は、絶縁フィラー(例えば、窒化アルミ、酸化アルミ)を含むものとする。この絶縁フィラーにより伝熱部材503の熱伝達特性を向上させることができる。ここでは、放熱部材505も、伝熱部材503と同様な材料から形成されているものとする。電源501から伝熱部材503まで熱が伝熱されるメカニズムの詳細については後述する。
【0040】
磁性ゲル507は、例えば、鉄粒子のような熱伝導率の高い粒子をゲル材料に含有させることにより生成される。なお、ここでは一例として、磁性粒子が、鉄粒子である場合を例に挙げたが、これに限られるものではなく、例えば、マグネタイト粒子、酸化鉄粒子、酸化クロム粒子、コバルト粒子およびフェライト粒子などを磁性粒子として採用することも可能である。また、磁性ゲル507の素材となるゲル材料は、熱伝導率の高いものであることが好ましいが、必ずしも導電性を有している必要はない。磁性ゲル507の素材となるゲル材料としては、例えば、種類が豊富で安価であるという観点から「アルキルナフタレン」、低蒸気圧性、化学的安定性および耐熱性といった観点から「パーフルオロポリエーテル」などを選択することができる。
【0041】
このような磁性ゲル507は、伝熱部材503と放熱部材505の間において、伝熱部材503および放熱部材505の内の少なくともいずれか一方の表面から離間するように設けられている。
【0042】
仕切り部材506は、例えば、アルミ、ステンレス、鉄等から形成されており、磁性ゲル507を、放熱部材505における当該放熱部材505と対向する面(例えば、図2におけるX−Y平面に相当)と略平行な方向において複数区画に分割している。
【0043】
このように、磁性ゲル507を放熱部材505と伝熱部材503との間で仕切り部材によって分割する構成としたことにより、電磁石508によって各区画の磁性ゲル507を均一な高さで吸引することができ、結果として各区画の磁性ゲル507の放熱部材505等への当接面積も均一にすることができる。これにより、放熱部材505および伝熱部材503の全面における均一な熱伝導を行わせることが可能となる。また、仕切り部材506をアルミやステンレス等の熱伝導率の高い材料により形成することにより、伝熱部材503から磁性ゲル507に伝達された熱の放熱部材505への放熱や、放熱部材505から磁性ゲル507への伝熱において、仕切り部材506が伝熱時の伝熱媒体としても機能し、より効率的な伝熱を実現することができる。
【0044】
電磁石508は、伝熱部材503および放熱部材505の内、磁性ゲル507と当接していない少なくともいずれかの部材を介して、磁性ゲル507と対向配置されている。具体的に、図2に示す例では、磁性ゲル507は放熱部材505の上面に当接しているため、電磁石508は伝熱部材503の上面に配置される。ここでの電磁石508は、図2に示すように、車両の進行方向と直交する方向に延びるように設けられている。
【0045】
また、電磁石508は、放熱部材505表面と平行な方向において、仕切り部材506の間の略中央に位置している。これによれば、電磁石に電圧が印加された場合に、磁性ゲル507が仕切り部材506により囲まれる区画の中央近傍から盛り上がるように電磁石側に吸引される。よって、隣接する区画への磁性ゲル507の浸入や隣接する区画それぞれで吸引された磁性ゲル507同士の接触等の事態を回避することができる。
【0046】
電源501および電磁石508は、下面が開口している箱型のケーシング502および伝熱部材503によって密閉されており、この密閉空間内には電源501と伝熱部材503との間での伝熱を効率的に行うためのオイル509が満たされている。電源501はケーシング502の内壁の上部に固定され、電磁石508は伝熱部材503の上面に固定されている。
【0047】
温度情報取得部101は、電源501の温度検知を行う温度センサ701から、電源501の温度を示す情報を取得する。また、温度情報取得部101は、車体パネル16の温度検知を行う温度センサ702から、車両の車体温度を示す情報を取得する車体温度情報取得部としての機能も有している。
【0048】
制御部102は、電源部103により電磁石508に電圧を印加させて、磁性ゲル507を伝熱部材503および放熱部材505に当接させる第1のモード(伝熱部材503と放熱部材505との間で伝熱可能な状態)と、電磁石508への電圧印加を行わない第2のモード(伝熱部材503と放熱部材505とが空気層によって隔てられ、伝熱されない状態)とを切り替える。制御部102は、温度情報取得部101にて取得される情報に基づいて、第1のモードと第2のモードとを切り替えることにより、電源501および車体パネル16の温度状態に基づく適切な伝熱制御を実現することができる。
【0049】
このような構成によれば、感熱変形体のように変形状態が温度に依存する構成とは異なり、磁性ゲル507を介した加熱または放熱を任意のタイミングで行うことができ、電源501の温度制御をより柔軟に行うことができる。また、放熱部材505や伝熱部材503の熱伝導率や接触面積等が異なる他の車両に設置した場合でも、本発明と同様の効果を奏することができる。
【0050】
また、仕切り部材506は、少なくとも、車両の進行方向(図1および図2におけるX方向)と直交する方向(図1および図2におけるY方向)に延びるように形成されている。また、磁性ゲル507は、仕切り部材506によって分割されている各区画内に、車両が急角度(例えば、設計上の許容傾斜角度)に傾斜しても当該磁性ゲル507が伝熱部材503に当接しない程度の量(伝熱部材下面から距離Lだけ間隙が確保されている。)だけ充填されている。図4は、車両が傾斜していない状態における磁性ゲル507の状態を示す図である。同図では、説明の便宜上、1対の仕切り部材506に挟まれている磁性ゲル507の近傍のみを抜き出して図示している。図5は、車両が設計上許容される角度までX−Z平面内で傾斜した状態(例えば、急な坂道を下っている状態)における磁性ゲル507の状態を示す図である。
【0051】
これによれば、例えば上記伝熱制御装置を搭載した車両が急な坂道を移動するような場合においても、磁性ゲル507が無用に放熱部材に当接してしまうことを回避し易い。なお、例え上記のような車両の傾斜に伴う磁性ゲル507の偏りによって、磁性ゲル507の上面の一部が放熱部材に当接してしまった場合でも、そのような当接によって伝達される熱量は微量であり、大きな問題はない。
【0052】
電源部103は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、その他の二次電池、燃料電池、電気二重層キャパシタ等であり、電源501とは独立して設けられている。制御部は、他の電源により電磁石に電圧を印加させることを特徴とすることができる。このように、電源501とは個別に設けられた電源部103によって電磁石508への電圧印加を行わせる構成としたことにより、電源501の電力を使用することなく、電源501と放熱部材との間での伝熱制御が可能であり、電源501の劣化を極力抑えることができる。もちろん、電源501の充放電等による劣化を抑制するだけでなく、電源501の充電状態に拘わらず、あるいは車両が走行しているか否かに拘わらず、完全に独立した磁性ゲル507の制御が可能である。また、一般に、車両に用いられる電源装置の電源は高電圧であるため、本実施の形態のように専用電源によって電磁石への電圧印加を行う構成とすることで、大幅な電圧変換等を行う必要がないという効果も奏する。
【0053】
続いて、本実施の形態による伝熱制御装置の動作の詳細について説明する。
【0054】
まず、本実施の形態における温度制御の対象となる電源501の温度特性について説明する。図6は、電源501としてのリチウムイオン電池の、電池出力および電池劣化率と、電池温度との関係を示す図である。
【0055】
図6に示すように、リチウムイオン電池は、その温度が60℃を上回ると、60℃までは温度上昇に伴って上昇していた電池出力の上昇率が下がり、電池劣化率も急激に悪化する。
【0056】
図7は、車体パネル16の温度と電源501の温度を考慮した場合に、電源501からの放熱が必要となる温度領域Hと、電源501を車体パネル16から断熱する必要がある温度領域Dとを示すグラフである。同図に示すように、基本的には電源501の温度が許容温度以上になると放熱部材505を介して電源501の熱を車体パネル16側に放熱する必要がある。しかし、車体パネル16の温度が電源501よりも高い場合には、車体パネル16側の熱により電源501の温度が上昇してしまうのを防ぐため、電源501と車体パネル16との間で断熱する必要がある。
【0057】
図8は、本実施の形態による伝熱制御装置の動作の流れ(伝熱制御方法)を示すフローチャートである。
【0058】
まず、温度情報取得部101は、温度センサ702から車体パネル16の温度を取得する(S101)。ここで取得された車体パネル16の温度をAとする。
【0059】
続いて、温度情報取得部101は、温度センサ701から電源501の温度を取得する(S102)。ここで取得された電源501の温度をBとする。
【0060】
制御部102は、電源501の温度が車体パネル16の温度よりも低く(S103,Yes)、かつ電源501の温度が40℃未満である場合には(S104,Yes)、電源部103による電磁石508への電圧印加を行わせ、車体パネル16の熱を放熱部材505、磁性ゲル507および伝熱部材503を介して電源501に伝達させる(S105)。このようにして、車体パネル16からの熱を電源501に伝えて昇温させることにより、電源501の出力を向上させることができる。図9は、電磁石508に電圧が印加され、磁性ゲル507が放熱部材505および伝熱部材503の両方に当接し、電源501と車体パネル16との間で伝熱可能な状態(第1のモード)を示す図である。
【0061】
一方、制御部102は、電源501の温度が車体パネル16の温度よりも低く(S103,Yes)、かつ電源501の温度が40℃以上である場合には(S104,No)、電源部103による電磁石508への電圧印加を停止し、磁性ゲル507を伝熱部材503から離間した状態に復帰させ、車体パネル16と電源501との間を断熱する(S106)。すなわち、制御部102は、車体パネル16の温度が電源501の温度を上回るときは、電源501の温度が所定値を上回っている場合でも、第2のモードに設定する。これにより、車体パネル16の温度が電源501の温度を上回っているにも拘わらず、電源501の温度が所定値を上回っているという理由で、伝熱部材503と放熱部材505との間で伝熱可能な状態とした場合に、車体からの熱により却って電源501の温度が上昇してしまうといった事態を回避し、電池寿命の延長に寄与することができる。図10は、電磁石508に電圧を印加せず、車体パネル16と電源501との間を空気層により断熱させている状態を示す図である。
【0062】
また、制御部102は、電源501の温度が車体パネル16の温度以上であり(S103,No)、かつ電源501の温度が40℃以上である場合には(S107,No)、電源部103による電磁石508への電圧印加を行わせ、車体パネル16の熱を放熱部材505、磁性ゲル507および伝熱部材503を介して電源501に伝達させる(S108)。これにより、電源501の熱を、磁性ゲル507および放熱部材505を介して車体パネル16側に放熱し、電池の温度を下げ、電源501の寿命の延長を図ることができる。
【0063】
一方、制御部102は、電源501の温度が車体パネル16の温度以上であり(S103,No)、かつ電源501の温度が40℃未満である場合には(S107,Yes)、電源部103による電磁石508への電圧印加を行わせず、車体パネル16と電源501との間を空気層により断熱させる(S109)。このようにすることで、電源501を温めやすくすることができ、電池出力を短時間で上昇させることができる。
【0064】
このように、制御部102により初期状態では第2のモード(車体パネル16と電源501とが断熱されている状態)に設定されるようにすることにより、以下のような効果を奏する。例えば、寒冷地に車両を停止して、車体パネル16の温度が冷気等により低温化(例えば、−10℃)した場合には、磁性ゲル507と伝熱部材503との間に形成される空気層により、車体パネル16から電源501に冷気が伝熱されるのを抑制することができる。
【0065】
これにより、充放電の際に電源501にて発生した熱が磁性ゲル507および放熱部材505を介して車体パネル16に伝熱されるのを抑制することができ、電源501の温度を速やかに最適な温度(例えば30℃)に昇温させることができる。
【0066】
なお、上述のフローチャートでは、閾値(所定値)として40℃を用いたが、この閾値は、電源501の種類に応じて、適宜変更することができる。例えば、電源501として電解質材料に固体高分子質を用いた燃料電池を使用した場合には、閾値を約100℃に設定することが望ましい。
【0067】
このように、本実施の形態による伝熱制御装置によれば、閾値を変えるという簡単な方法で、適正温度が異なる複数種類の電源を適正な環境温度下で使用することができる。すなわち、電源の適正温度に応じて伝熱体(感熱変形体)の材料を変更する必要がなくなるため、材料選択の手間やコストを削減することができる。
【0068】
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0069】
本発明の第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第1の実施の形態にてすでに説明した部分と同様の機能を備える部分には、同一符号を付し、説明は割愛する。本実施の形態と第1の実施の形態との相違点は、伝熱制御のトリガとして用いる温度情報の取得元が異なる点にある。
【0070】
図11は、本発明の第2の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5bの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【0071】
本実施の形態における温度情報取得部101aは、電源501の温度を検知する温度センサ701からのみ温度情報を取得する。
【0072】
制御部102は、温度情報取得部101aにて取得される情報に基づいて、電磁石508に電圧を印加する第1のモードと、電磁石に電圧を印加しない第2のモードとの間でのモード切り替えを行う。
【0073】
例えば、屋内専用の車両など、車体パネルの温度変化が発生しにくい状況下で使用される車両については、車体パネルの温度をさほど気にせずともよく、電源501の温度変化のみに着目すればよいことになる。このような場合に、簡単な構成で電源501の温度調整を実現することのできる本実施の形態の構成は有効である。
【0074】
(第3の実施の形態)
続いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0075】
本発明の第3の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第1の実施の形態にてすでに説明した部分と同様の機能を備える部分には、同一符号を付し、説明は割愛する。本実施の形態と第1の実施の形態との相違点は、伝熱制御のトリガとして用いる温度情報の取得元が異なる点にある。
【0076】
図12は、本発明の第3の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5cの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【0077】
本実施の形態における温度情報取得部101bは、車体パネル16の温度を検知する温度センサ702からのみ温度情報を取得する。
【0078】
制御部102は、温度情報取得部101bにて取得される情報に基づいて、電磁石508に電圧を印加する第1のモードと、電磁石に電圧を印加しない第2のモードとの間でのモード切り替えを行う。
【0079】
例えば、電源501として、充放電による温度変化が比較的少ない電源を採用し、車体パネルの温度変化が大きい状況下で使用される車両については、電源501自体に起因する温度変化はさほど気にせずともよく、むしろ車体パネル16の温度変化に着目する必要がある。このような場合に、簡単な構成で電源501の温度調整を実現することのできる本実施の形態の構成は有効である。
【0080】
(第4の実施の形態)
続いて、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0081】
本発明の第4の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第1の実施の形態にてすでに説明した部分と同様の機能を備える部分には、同一符号を付し、説明は割愛する。本実施の形態は、伝熱制御のトリガとして、温度情報を用いず、エアコン起動等の所定のイベントの実行タイミングを採用している点で、上述の各実施の形態とは相違する。
【0082】
図13は、本発明の第4の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5dの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【0083】
本実施の形態における制御部102は、タイミング判定部104から、モード切り替えに適切なタイミングである旨の指示があったときは、電磁石508に電圧を印加する第1のモードと、電磁石に電圧を印加しない第2のモードとの間でのモード切り替えを行う。
【0084】
具体的に、タイミング判定部104は、冷房機能が起動された場合に、電源部103による電磁石508への電圧の印加を停止させ、車体パネル16と電源501との間を空気層により断熱する(第2のモード)。これにより、車体パネル16の熱により電源501が過熱されることを回避することができる。さらに、第2のモードに設定後、所定時間経過後に電磁石508への電圧印加(第1のモード)を開始させてもよい。
【0085】
冷房機能が起動される場合、一般に外気温は高く、車体パネル16の温度も高くなっていると推定できる。よって、本実施の形態では、直接車体パネル16の温度を検出することなく、エアコンの冷房機能の起動をトリガとして、第2のモードの設定を行っている。
【0086】
同様に、タイミング判定部104は、暖房機能が起動された場合に、電源部103による電磁石508への電圧の印加を停止させ、車体パネル16と電源501との間を空気層により断熱するようにしてもよい(第2のモード)。これにより、車体パネル16側に熱を奪われることによる電源501の性能低下を抑制することができる。さらに、第2のモードに設定後、所定時間経過後に電磁石508への電圧印加(第1のモード)を開始させてもよい。
【0087】
暖房機能が起動される場合、一般に外気温は低く、車体パネル16の温度も低くなっていると推定できる。よって、本実施の形態では、直接車体パネル16の温度を検出することなく、冷房機能の起動をトリガとして、第2のモードの設定を行っている。
【0088】
本実施の形態によれば、車体パネル16や電源501の温度を検知するためのセンサを必要としないため、製造コストの低減や構成の簡単化に寄与することができる。
【0089】
(第5の実施の形態)
続いて、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0090】
本発明の第5の実施の形態は、上述した各実施の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、上述の実施の形態にてすでに説明した部分と同様の機能を備える部分には、同一符号を付し、説明は割愛する。本実施の形態は、伝熱部材503、磁性ゲル507、仕切り部材506、放熱部材505および電磁石508を、電源501よりも上側に配置している点で、上述の各実施の形態とは相違する。
【0091】
図14は、本発明の第5の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5eの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【0092】
本実施の形態の構成によれば、例えば電源501が過熱状態となった場合に、熱を電源501上方に放熱することができるため、放熱の効率が良いという効果を奏する。
【0093】
なお、上述の実施の形態では、電磁石への電圧印加を、温度センサにより検知した車体パネルの温度、温度センサにより検知した電源の温度、冷暖房等の起動など車体パネルの温度状態を推定可能な情報に基づいて制御する例を挙げたが、必ずしもこれらに限られるものではない。
【0094】
例えば、エンジンを冷却する冷却水の温度を検出する温度検出センサ(不図示)からの温度情報や、エンジンが始動されてからの経過時間、カーナビゲーションシステムや通信インターフェースを介して外部から取得される情報等に基づいて、電磁石への電圧印加を制御することもできる。
【0095】
また、上述の各実施の形態では、伝熱部材503の下面全域に対して磁性ゲル507が均等に配置されるような構成を例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、車体パネル16に接している放熱部材505上における放熱特性の分布や、伝熱部材503にて電源501から受ける熱量の分布等に応じて、必要な箇所にのみ磁性ゲル507を配置するようにしてもよい。これにより、磁性ゲル507の配置に必要な資材の量を減らすことが可能となり、コストを削減できる。
【0096】
また、上述の各実施の形態では、伝熱部材503、磁性ゲル507、仕切り部材506、放熱部材505および電磁石508が、電源501の上側もしくは下側に配置されている構成を例示したが、これに限られるものではない。例えば、上下方向における配置スペースの制約が大きい場合には、伝熱部材503、磁性ゲル507、仕切り部材506、放熱部材505および電磁石508を、電源501の側方に配置するようにしてもよい。
【0097】
また、上述の各実施の形態では、伝熱部材もしくは放熱部材上に電磁石を配列する構成を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、電磁石を伝熱部材もしくは放熱部材の内部に埋め込むようにしてもよい。これによれば、第1の実施の形態にて示したような構成において、ケーシング502内に充填されたオイル509の対流を妨げることがないため、オイル509をよりスムーズに対流させることができ、電源501からオイル509への伝熱を効率的に行うことができる。
【0098】
また、上述の実施の形態では、磁性ゲル507が常時放熱部材505に当接しており、電磁石508への電圧印加で発生する磁力によって磁性ゲル507を伝熱部材503側に吸引する構成を例示したが、磁性ゲル507は必ずしも伝熱部材および放熱部材の内のいずれか一方に常時当接している必要はない。例えば、ある程度弾性を有する磁性ゲルを採用する場合には、電磁石が磁力を発生していない状態において、磁性ゲルが双方から離間しているような構成とすることもできる。この場合、磁性ゲルは、伝熱部材および放熱部材双方から離間しているため、伝熱部材および放熱部材それぞれを介して磁性ゲルと対向する位置に電磁石を配置する必要がある。
【0099】
なお、伝熱部材そのものを板状の電磁石によって構成することも考えられるが、この場合においても、伝熱部材全体の内で磁力を発生する部分は限定されるものであり、この磁力を発生させる部分を覆う材料が伝熱部材に相当すると捉えることができる。
【0100】
また、上述の各実施の形態では、電磁石508への電圧の印加を電源部103によって行う構成を例示したが、例えば、電源501の消耗抑制よりも省スペース化等を優先する場合には、電磁石508への電圧の印加を電源501によって行うようにすることもできる。
【0101】
以上のように、本発明を特定の態様により詳細に例示したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5aの車両内での配置例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による電源装置の内部構成について説明するための概略断面斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5aの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【図4】車両が傾斜していない状態における磁性ゲル507の状態を示す図である。
【図5】車両が設計上許容される角度までX−Z平面内で傾斜した状態における磁性ゲル507の状態を示す図である。
【図6】電源501としてのリチウムイオン電池の、電池出力および電池劣化率と、電池温度との関係を示す図である。
【図7】車体パネル16の温度と電源501の温度を考慮した場合に、電源501からの放熱が必要となる温度領域Hと、電源501を車体パネル16から断熱する必要がある温度領域Dとを示すグラフである。
【図8】本実施の形態による伝熱制御装置の動作の流れ(伝熱制御方法)を示すフローチャートである。
【図9】電磁石508に電圧が印加され、磁性ゲル507が放熱部材505および伝熱部材503の両方に当接し、電源501と車体パネル16との間で伝熱可能な状態(第1のモード)を示す図である。
【図10】電磁石508に電圧を印加せず、車体パネル16と電源501との間を空気層により断熱させている状態を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5bの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5cの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5dの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態による伝熱制御装置を備えた電源装置5eの機能ブロックと各機能ブロックのハードウェア構成との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
5a〜5e 電源装置
11 助手席
12 座部
13 背もたれ部
14 ヘッドレスト
15 シートレール
15a ロワーレール
15b アッパーレール
16 車体パネル
101 温度情報取得部
102 制御部
103 電源部
503 伝熱部材
505 放熱部材
506 仕切り部材
507 磁性ゲル
508 電磁石
701,702 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源からの熱を伝熱する伝熱部材と、
前記伝熱部材と放熱部材の間において、前記伝熱部材および放熱部材の内の少なくともいずれか一方から離間するように設けられ、磁性粒子を含有する磁性ゲルと、
前記伝熱部材および放熱部材の内、前記磁性ゲルと当接していない少なくともいずれかの部材を介して、前記磁性ゲルと対向配置される電磁石と、
前記電磁石に電圧を印加させて前記磁性ゲルを前記伝熱部材および前記放熱部材に当接させる第1のモードと、前記電磁石への電圧印加を行わない第2のモードとを切り替える制御部と、
を備えてなることを特徴とする伝熱制御装置。
【請求項2】
前記磁性ゲルは、前記放熱部材における該放熱部材と対向する面と略平行な方向において、仕切り部材によって複数区画に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の伝熱制御装置。
【請求項3】
前記電磁石は、前記放熱部材表面と平行な方向における、前記仕切り部材間の略中央位置に位置することを特徴とする請求項2に記載の伝熱制御装置。
【請求項4】
前記伝熱制御装置は、車両に備えられるものであり、
前記仕切り部材は、少なくとも、前記車両の進行方向と直交する方向に延びるように形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の伝熱制御装置。
【請求項5】
前記電源から独立した他の電源を備え、
前記制御部は、前記他の電源により前記電磁石に電圧を印加させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の内のいずれか1項に記載の伝熱制御装置。
【請求項6】
前記電源の温度を示す情報を取得する温度情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記温度情報取得部にて取得される情報に基づいて、前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替える伝熱制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記電源の温度が所定値を上回るときに、前記第1のモードに切り替える請求項6に記載の伝熱制御装置。
【請求項8】
前記伝熱制御装置は、車両に備えられるものであり、
前記車両の車体温度を示す情報を取得する車体温度情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記車体温度が前記電源の温度を上回るときは、前記電源の温度が前記所定値を上回っている場合でも、前記第2のモードに設定する請求項6に記載の伝熱制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の伝熱制御装置と、
前記伝熱制御装置における前記伝熱部材に伝熱可能に配置される電源と、
を備えてなる電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−283145(P2009−283145A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130928(P2008−130928)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】