説明

位置決め機構付ステージおよびその動作方法ならびに半導体装置の製造方法

【課題】半導体ウェハをステージ上に配置する際、確実に位置決め精度を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】本発明における位置決めガイドPAGがリング形状をしているため、半導体ウェハの外縁部全体にわたって位置決めガイドPAGで保持することができる。このことから、たとえ、半導体ウェハの外縁部の一部に割れやカケが存在していても、本発明における位置決めガイドPAGによれば、半導体ウェハを確実に保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決め機構付ステージおよびその動作方法ならびに半導体装置の製造技術に関し、特に、可動アームにより搬送されてきた半導体ウェハをステージ上に搭載する際に使用される位置決め機構付ステージに適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、第1従来技術におけるステージの構成を示す斜視図である。図18に示すように、第1従来技術におけるステージSTは、ステージSTからピン形状をした複数の支持体SBが突き出るように構成されており、この複数の支持体SBによって半導体ウェハWFを支持するようになっている。つまり、第1従来技術では、例えば、可動アームにより搬送されてきた半導体ウェハWFを、ピン形状の支持体SBで支持し、その後、支持体SBを下降させることにより、半導体ウェハWFをステージST上に配置するものである。
【0003】
また、図19は、第2従来技術(特開平05−343506号公報)におけるステージの構成を示す斜視図である。図19に示すように、第2従来技術におけるステージSTは、ステージSTの外縁部に等間隔で離間して、3つの支持体SBが配置されている。そして、この3つの支持体SBの先端部には、半導体ウェハWFを支持した際、半導体ウェハWFの位置が調整可能なようにすべり面SPが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−343506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した第1従来技術では、半導体ウェハWFの下面を、ピン形状をした支持体SBで保持する構成をしているため、支持体SBを下降させる際の振動などによって、半導体ウェハWFが支持体SBからずれやすくなる。この結果、半導体ウェハWFをステージST上に配置したとき、半導体ウェハWFがステージSTの中心からずれて、半導体ウェハWFの正確な位置決めができなくなる問題点が生じる。
【0006】
また、上述した第2従来技術では、3つの支持体SBで半導体ウェハWFを保持する構成をしているため、例えば、支持体SBで支持する半導体ウェハWFの位置に割れやカケがある場合には、支持体SBで半導体ウェハWFを確実に保持することができない問題点がある。このように、第2従来技術におけるステージSTを使用する場合、割れやカケがある半導体ウェハWFの支持が困難になる。特に、半導体装置の製造工程では、その製造工程中で、半導体ウェハWFに割れやカケが生じる場合があるが、割れやカケが発生した半導体ウェハWFをそのまま廃棄したのでは、半導体装置の歩留まり低下を招くことになる。このことから、たとえ、割れやカケがある半導体ウェハWFであってもチップ領域が正常である半導体ウェハWFは、半導体装置の製造工程中で使用することが、半導体装置の歩留まり向上の観点から望ましい。したがって、半導体装置の製造工程中には、割れやカケが生じた半導体ウェハWFが流れることになるが、上述した第2従来技術では、割れたカケが生じた半導体ウェハWFの取り扱いが困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
(1)代表的な実施の形態における位置決め機構付ステージは、ステージ内に設けられ、昇降可能でリング形状をした位置決めガイドであって、リング形状の先端部の外周側が先端部の内周側よりも高くなるように傾斜したすべり面を有する位置決めガイドと、位置決めガイドの内側に設けられ、昇降可能な複数の支持体と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
(2)また、代表的な実施の形態における位置決め機構付ステージの動作方法は、複数の支持体で半導体ウェハを支持した後、位置決めガイドを上昇させて、ステージから位置決めガイドを突き出す。続いて、半導体ウェハを支持している複数の支持体を下降させて、半導体ウェハの外縁部を位置決めガイドのすべり面で保持することにより、半導体ウェハの位置を調整する。その後、半導体ウェハを保持している位置決めガイドを下降させて、半導体ウェハをステージ上に配置することを特徴とするものである。
【0010】
(3)さらに、代表的な実施の形態における半導体装置の製造方法は、(a)半導体ウェハに半導体素子を形成する工程と、(b)前記半導体素子の上方に配線層を形成する工程と、(c)前記配線層を覆うように表面保護膜を形成する工程と、を備える。そして、(d)前記表面保護膜に開口部を設けて、前記配線層の一部を露出することにより、パッドを形成する工程と、(e)前記パッドに探針(プローブ)を押し当てて、前記半導体素子および前記配線層を含む集積回路の電気的特性検査を実施する工程と、を備える。ここで、前記(e)工程では、複数の支持体で半導体ウェハを支持した後、位置決めガイドを上昇させて、ステージから位置決めガイドを突き出す。続いて、半導体ウェハを支持している複数の支持体を下降させて、半導体ウェハの外縁部を位置決めガイドのすべり面で保持することにより、半導体ウェハの位置を調整する。その後、半導体ウェハを保持している位置決めガイドを下降させて、半導体ウェハをステージ上に配置する。そして、ステージ上に配置されている半導体ウェハのパッドに探針(プローブ)を押し当てるものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
半導体ウェハをステージ上に配置する際、確実に位置決め精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1におけるステージの模式的な構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1におけるステージの一断面を示す断面図である。
【図3】位置決めガイドの先端部近傍を示す断面図である。
【図4】実施の形態1における位置決め機構付ステージの動作方法を説明する断面図である。
【図5】図4に続く位置決め機構付ステージの動作方法を説明する断面図である。
【図6】図5に続く位置決め機構付ステージの動作方法を説明する断面図である。
【図7】図6に続く位置決め機構付ステージの動作方法を説明する断面図である。
【図8】図7に続く位置決め機構付ステージの動作方法を説明する断面図である。
【図9】図8に続く位置決め機構付ステージの動作方法を説明する断面図である。
【図10】図9に続く位置決め機構付ステージの動作方法を説明する断面図である。
【図11】実施の形態2におけるステージの模式的な構成示す斜視図である。
【図12】径の小さな位置決めガイドで半導体ウェハを保持している状態を示す断面図である。
【図13】径の大きな位置決めガイドで半導体ウェハを保持している状態を示す断面図である。
【図14】実施の形態3における半導体装置の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図15】電気的特性検査を実施するための検査装置の模式的な構成を示す図である。
【図16】ステージ上に搭載されている半導体ウェハのパッドに探針を押し当てる様子を示す断面図である。
【図17】露光装置の一例を示す模式図である。
【図18】第1従来技術におけるステージの構成を示す斜視図である。
【図19】第2従来技術におけるステージの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0015】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0016】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0017】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0018】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0019】
(実施の形態1)
<実施の形態1における位置決め機構付ステージの構成>
図1は、本実施の形態1におけるステージSTの模式的な構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態1におけるステージSTは、例えば、円柱形状をしており、このステージST上に半導体ウェハが配置される。このとき、ステージST上に配置される半導体ウェハの位置がずれると、その後の半導体ウェハの処理や検査に支障をきたすため、ステージST上の所定位置に正確に位置合わせした状態で、半導体ウェハをステージST上に配置する必要がある。このことから、本実施の形態1における技術的思想では、半導体ウェハを正確に位置合わせした状態でステージST上に配置できるように、ステージSTの構成に工夫を施している。
【0020】
以下に、この工夫を施した本実施の形態1におけるステージSTの構成について説明する。図1において、本実施の形態1におけるステージSTには、まず、リング形状をした位置決めガイドPAGが設けられている。この位置決めガイドPAGは、半導体ウェハの位置を調整する機能を有しており、本実施の形態1の特徴的構成に相当する。この位置決めガイドPAGは、平常時においては、ステージSTの内部に埋めこまれており、半導体ウェハをステージST上に配置する状態になると、ステージSTから突き出るように構成される。つまり、位置決めガイドPAGは、昇降可能なように構成されており、ステージST内に埋め込まれることができるようになっている一方、ステージSTの表面から突き出ることもできるように構成されている。
【0021】
続いて、リング形状をした位置決めガイドPAGの内側には、複数の支持体SBが設けられている。この複数の支持体SBのそれぞれは、例えば、ピン形状をしている(支持ピン)。そして、これらの複数の支持体SBは、可動アームによってステージST上に搬送されてきた半導体ウェハを支持する機能を有する。この支持体SBも、平常時においては、ステージSTの内部に埋めこまれており、半導体ウェハをステージST上に配置する状態になると、ステージSTから突き出るように構成される。つまり、複数の支持体SBのそれぞれは、昇降可能なように構成されており、ステージST内に埋め込まれることができるようになっている一方、ステージSTの表面から突き出ることもできるように構成されている。
【0022】
図2は、本実施の形態1におけるステージSTの一断面を示す断面図である。図2に示すように、ステージSTの表面側には、例えば、位置決めガイドPAGや支持体SBを埋め込む溝が形成されており、この溝の内部に位置決めガイドPAGや支持体SBが埋め込まれている。そして、溝の内部に配置されている位置決めガイドPAGや支持体SBは、昇降可能なように構成されており、ステージSTの表面から突き出すことができるようになっている。特に、本実施の形態1では、位置決めガイドPAGよりも支持体SBの方がステージSTの表面から大きく突き出すことができるように構成されている。
【0023】
図3は、位置決めガイドPAGの先端部近傍を示す断面図である。図3においては、ステージSTから位置決めガイドPAGが突き出ており、この位置決めガイドPAGによって半導体ウェハWFが支持されている。特に、本実施の形態1における位置決めガイドPAGでは、先端部にすべり面SPが形成されており、このすべり面SPによって、半導体ウェハWFの位置が微調整されるようになっている。具体的に、すべり面SPとは、位置決めガイドPAGの先端部の外周側が先端部の内周側よりも高くなるように傾斜した面として定義することができる。このすべり面SPによって、半導体ウェハWFの位置が強制的に調整されるようになっている。つまり、本実施の形態1における位置決めガイドPAGは、先端部にすべり面SPを有することにより、半導体ウェハWFの位置合わせが可能なように構成されているのである。
【0024】
本実施の形態1におけるステージSTは上記のように構成されており、その特徴的構成は、ステージSTに位置決めガイドPAGが設けられている点である。この位置決めガイドPAGには、以下に示す特徴点がある。
【0025】
(特徴A)位置決めガイドPAGがステージST上に埋め込まれることができるようになっており、半導体ウェハWFが搬送されてきた段階で、ステージSTから突き出るように構成されている。つまり、本実施の形態1における位置決めガイドPAGは、昇降可能となっており、半導体ウェハWFをステージST上に搭載する段階で位置決めガイドPAGがステージSTから突き出るように構成されている。これにより、位置決めガイドPAGをステージST上から突き出して半導体ウェハWFの位置調整を行なうことができる。その後、位置決めガイドPAGを下降させて、位置決めガイドPAGをステージST内に埋め込むことにより、位置決めガイドPAGで半導体ウェハWFを保持した状態から、速やかに半導体ウェハWFをステージST上に搭載することができる。
【0026】
(特徴B)本実施の形態1における位置決めガイドPAGがリング形状をしているため、半導体ウェハWFの外縁部全体にわたって位置決めガイドPAGで保持することができる。このことから、たとえ、半導体ウェハWFの外縁部の一部に割れやカケが存在していても、本実施の形態1における位置決めガイドPAGによれば、半導体ウェハWFを確実に保持することができる。
【0027】
(特徴C)本実施の形態1における位置決めガイドPAGは、先端部にすべり面SPを有しているので、このすべり面SPで半導体ウェハWFの位置ずれを容易に低減する方向へ半導体ウェハWFをガイド(調整)することができる。このように本実施の形態1における位置決めガイドPAGは、上述した特徴点を有することから、半導体ウェハWFをステージST上に配置する際、確実に半導体ウェハWFの位置決め精度を向上させることができる。以下では、具体的に、本実施の形態1におけるステージSTの動作方法について説明し、これによって、本発明の技術的思想の有用性について説明する。
【0028】
<実施の形態1における位置決め機構付ステージの動作方法>
まず、例えば、ウェハ供給用ローダにセットされた半導体ウェハを可動アームによって取り出し、この可動アームで半導体ウェハをステージの上方に搬送する。このとき、図4に示すように、ステージSTに形成されている溝に、位置決めガイドPAGと支持体SBが埋め込まれた状態となっている。その後、図5に示すように、昇降可能な支持体SBを上昇させることにより、ステージSTから支持体SBを突き出す。続いて、図6に示すように、可動アーム(図示せず)によって搬送されてきた半導体ウェハWFを、ステージSTから突き出した複数の支持体SBで支持する。具体的に、可動アームによって、半導体ウェハWFをステージSTの上方に搬送してきた後、可動アームを下降させて、半導体ウェハWFを、ステージSTから突き出した支持体SBに当接させる。そして、可動アームをステージST上から後退させる。これにより、半導体ウェハWFが複数の支持体SBで支持されることになる。このとき、搬送されてきた半導体ウェハWFには、例えば、半導体素子や配線層を含む集積回路が形成されており、半導体ウェハWFの表面にパッドPDが形成されている。
【0029】
次に、図7に示すように、支持体SBの外側に配置されているリング形状をした位置決めガイドPAGを上昇させて、ステージSTの表面から位置決めガイドPAGを突き出す。ここで、位置決めガイドPAGの突き出し量は、支持体SBの突き出し量よりも小さくなるように設定される。この位置決めガイドPAGの先端部には、すべり面SPが形成されている。すべり面SPとは、位置決めガイドPAGの先端部の外周側が先端部の内周側よりも高くなるように傾斜した面のことである。リング形状をした位置決めガイドPAGの径は、半導体ウェハWFを支持できる大きさとなっている。このため、例えば、図8に示すように、半導体ウェハWFを支持している支持体SBを下降させると、ステージSTから突き出ている位置決めガイドPAGに半導体ウェハWFが当接することになる。なお、下降した支持体SBは、ステージSTの内部に埋め込まれる。
【0030】
このとき、図8に示すように、半導体ウェハWFの位置がずれている場合であっても、半導体ウェハWFが位置決めガイドPAGに当接すると、図9に示すように、位置決めガイドPAGの先端部に形成されているすべり面SPにより、半導体ウェハWFのずれは小さくなるように調整される。具体的に、図8では、図の右側にずれている半導体ウェハWFが示されているが、この右側にずれている半導体ウェハWFが位置決めガイドPAGのすべり面SPに接触することにより、図9に示すように、図の左側にガイドされて、半導体ウェハWFのずれが調整される。
【0031】
特に、本実施の形態1における位置決めガイドPAGは、リング形状をしており、半導体ウェハWFの外縁部の大部分の領域が、リング形状をした位置決めガイドPAGのすべり面に接触するため、確実に、半導体ウェハWFのずれを調整することができる。つまり、半導体ウェハWFの外縁部に割れやカケが存在する場合であっても、本実施の形態1によれば、位置決めガイドPAGがリング形状をしているため、割れやカケの存在しない半導体ウェハWFの大部分の外縁部を保持することができる。この結果、本実施の形態1によれば、割れやカケのある半導体ウェハWFであっても、リング形状をした位置決めガイドPAGで確実に保持することができ、かつ、半導体ウェハWFの位置ずれを調整することができる。
【0032】
例えば、離散的に配置された支持体で半導体ウェハの外縁部を保持する構成を採用する場合、支持体で支持する半導体ウェハの位置に割れやカケがある場合には、支持体で半導体ウェハを確実に保持することができなくなってしまう。この場合、割れやカケがある半導体ウェハの支持が困難になる。特に、半導体装置の製造工程では、その製造工程中で、半導体ウェハに割れやカケが生じる場合があるが、割れやカケが発生した半導体ウェハをそのまま廃棄したのでは、半導体装置の歩留まり低下を招くことになる。このことから、たとえ、割れやカケがある半導体ウェハであってもチップ領域が正常である半導体ウェハは、半導体装置の製造工程中で使用することが、半導体装置の歩留まり向上の観点から望ましい。したがって、半導体装置の製造工程中には、割れやカケが生じた半導体ウェハが流れることになるが、離散的に配置された支持体で半導体ウェハの外縁部を保持する構成では、割れたカケが生じた半導体ウェハの取り扱いが困難になる。
【0033】
これに対し、本実施の形態1によれば、離散的な配置された支持体ではなく、リング形状をした位置決めガイドPAGによって、半導体ウェハWFの外縁部の大部分を保持する構成となっている。このことから、たとえ、半導体ウェハWFの外縁部の一部に割れやカケがある場合であっても、その他の大部分の正常な外縁部を、リング形状をした位置決めガイドPAGのすべり面SPで保持することができるため、リング形状をした位置決めガイドPAGで確実に保持することができ、かつ、半導体ウェハWFの位置ずれを調整することができる。特に、割れやカケが存在する半導体ウェハWFの取り扱いも容易に可能となり、割れやカケの存在する半導体ウェハWFを有効利用することができるので、半導体装置の歩留まり向上も図ることができる。
【0034】
以上のようにして、リング形状をし、かつ、すべり面SPを有する位置決めガイドPAGで、半導体ウェハWFの位置ずれを調整した後、図10に示すように、位置決めガイドPAGを下降させる。そして、位置決めガイドPAGがステージSTの内部に埋め込まれるまで下降させることにより、半導体ウェハWFがステージST上に搭載される。そして、例えば、半導体ウェハWFは、ステージSTに真空吸着される。このとき、位置決めガイドPAGによって、半導体ウェハWFの位置ずれが補正されているため、ステージST上に配置される半導体ウェハWFの位置決め精度を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施の形態1では、半導体素子や配線層を含む集積回路が形成され、かつ、表面にパッドPDが形成されている半導体ウェハWFをステージST上に搭載する例について説明した。もちろん、本実施の形態1の技術的思想はこれに限らず、例えば、半導体素子や配線層あるいはパッドPDを製造する前段階の半導体ウェハWFや、半導体素子や配線層の一部を形成した状態の半導体ウェハWFをステージST上に搭載する場合にも適用することができる。
【0036】
<本実施の形態1における効果>
以上のように構成されている本実施の形態1における位置決め機構付ステージによれば、以下に示すような効果が得られる。
【0037】
(1)例えば、本実施の形態1によれば、位置決めガイドPAGがステージST上に埋め込まれることができるようになっており、半導体ウェハWFが搬送されてきた段階で、ステージSTから突き出るように構成されている。つまり、本実施の形態1における位置決めガイドPAGは、昇降可能となっており、半導体ウェハWFをステージST上に搭載する段階で位置決めガイドPAGがステージSTから突き出るように構成されている。これにより、位置決めガイドPAGをステージST上から突き出して半導体ウェハWFの位置調整を行なうことができる。その後、位置決めガイドPAGを下降させて、位置決めガイドPAGをステージST内に埋め込むことにより、位置決めガイドPAGで半導体ウェハWFを保持した状態から、速やかに半導体ウェハWFをステージST上に搭載することができる。
【0038】
(2)本実施の形態1における位置決めガイドPAGがリング形状をしているため、半導体ウェハWFの外縁部全体にわたって位置決めガイドPAGで保持することができる。このことから、たとえ、半導体ウェハWFの外縁部の一部に割れやカケが存在していても、本実施の形態1における位置決めガイドPAGによれば、半導体ウェハWFを確実に保持することができる。つまり、本実施の形態1によれば、半導体ウェハWFの外縁部の一部に割れやカケがある場合であっても、その他の大部分の正常な外縁部を、リング形状をした位置決めガイドPAGのすべり面SPで保持することができる。このため、リング形状をした位置決めガイドPAGで確実に保持することができ、かつ、半導体ウェハWFの位置ずれを調整することができる。特に、割れやカケが存在する半導体ウェハWFの取り扱いも容易に可能となり、割れやカケの存在する半導体ウェハWFを有効利用することができるので、半導体装置の歩留まり向上も図ることができる。
【0039】
(3)さらに、本実施の形態1における位置決めガイドPAGは、先端部にすべり面SPを有しているので、このすべり面SPで半導体ウェハWFの位置ずれを容易に低減する方向へ半導体ウェハWFをガイド(調整)することができる。
【0040】
(実施の形態2)
本実施の形態2では、ステージに、径の異なる複数の位置決めガイドを設ける例について説明する。図11は、本実施の形態2におけるステージSTの模式的な構成を示す斜視図である。図11に示すように、本実施の形態2におけるステージSTは、例えば、円柱形状をしており、このステージSTには、径の小さなリング形状をした位置決めガイドPAG1と、位置決めガイドPAG1の径よりも大きな径のリング形状をした位置決めガイドPAG2が設けられている。そして、径の小さな位置決めガイドPAG1の内側に複数の支持体SBが設けられている。
【0041】
このように構成されている本実施の形態2におけるステージSTの利点は次のようなものである。図12は、径の小さな位置決めガイドPAG1で半導体ウェハWF1を保持している状態を示す断面図である。図12に示すように、例えば、径の小さな半導体ウェハWF1をステージST上に配置する場合には、径の小さな位置決めガイドPAG1で半導体ウェハWF1を支持して位置ずれを調整することができる。一方、図13は、径の大きな位置決めガイドPAG2で半導体ウェハWF2を保持している状態を示す断面図である。図13に示すように、例えば、径の大きな半導体ウェハWF2をステージST上に配置する場合には、径の大きな位置決めガイドPAG2で半導体ウェハWF2を支持して位置ずれを調整することができる。
【0042】
このように本実施の形態2におけるステージSTによれば、ステージST内に径の異なる2種類の位置決めガイドPAG1および位置決めガイドPAG2を設けているので、径の異なる複数の種類の半導体ウェハWF1および半導体ウェハWF2のステージST上での位置決め精度を向上させることができる。つまり、本実施の形態2によれば、ステージST内に径の異なる2種類の位置決めガイドPAG1および位置決めガイドPAG2を設けているので、径の異なる半導体ウェハWF1および半導体ウェハWF2にも対応可能となり、ステージSTの汎用性を向上させることができる。
【0043】
特に、例えば、図12および図13に示すように、本実施の形態2における位置決めガイドPAG1および位置決めガイドPAG2は、半導体ウェハWF1あるいは半導体ウェハWF2を保持している場合以外は、ステージSTの内部に埋め込まれている。したがって、例えば、図13に示すように、ステージSTから突き出した位置決めガイドPAG2で半導体ウェハWF2を保持する場合であっても、径の小さな位置決めガイドPAG1は、ステージST内に埋め込まれているので、位置決めガイドPAG1が、位置決めガイドPAG2による半導体ウェハWF2の保持を邪魔することがなく、スムーズに位置決めガイドPAG2で半導体ウェハWF2を保持することができる。
【0044】
なお、本実施の形態2では、ステージSTに径の異なる2つの位置決めガイドPAG1および位置決めガイドPAG2を設ける例について説明しているが、本発明の技術的思想はこれに限らず、例えば、ステージST上に、径の異なるリング形状の位置決めガイドを3つ以上設けるように構成してもよい。
【0045】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、前記実施の形態1や前記実施の形態2で説明した位置決め機構付ステージを半導体装置の製造工程で使用する具体例について説明する。
【0046】
<半導体装置の製造工程>
まず、半導体装置の製造工程の概要について図面を参照しながら説明する。図14は、本実施の形態3における半導体装置の製造工程の流れを示すフローチャートである。図14に示すように、半導体ウェハを準備する(S101)。そして、半導体ウェハ上に半導体素子を形成する(S102)。半導体素子を形成する工程は、例えば、成膜技術、エッチング技術、熱処理技術、イオン注入技術、あるいは、フォトリソグラフィ技術などの製造技術を使用することにより形成される。例えば、半導体素子としては、シリコン基板上に形成されたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタを挙げることができる。また、半導体素子として、化合物半導体基板上に形成された電界効果トランジスタ、HEMT(High Electron Mobility Transistor)、HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)などに代表される能動素子や、抵抗素子、容量素子あるいはインダクタ素子に代表される受動素子などを挙げることができる。
【0047】
続いて、半導体素子を形成した半導体ウェハ上に配線層を形成する(S103)。配線層は、層間絶縁膜上に形成された金属膜をパターニングすることにより形成される。通常、配線層は、多層配線構造とすることが多いが単層の配線層としてもよい。配線層を構成する配線は、例えば、アルミニウム膜を使用した配線や、銅膜を使用した配線(ダマシン配線)から構成される。その後、最上層配線層上に表面保護膜を形成する(S104)。表面保護膜は、半導体素子や配線層を機械的応力や不純物の侵入から保護するために設けられる膜であり、例えば、窒化シリコン膜から形成される。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、表面保護膜に開口部を形成し、この開口部から最上層配線の一部を露出することによりパッドを形成する(S105)。
【0048】
このようにして半導体ウェハの各チップ領域に半導体素子および配線層を含む集積回路を形成することができる。この後、良品チップだけをパッケージ工程(組立工程)に送るために、半導体ウェハの状態で各チップ領域に形成されている集積回路の電気的特性検査が実施される(S106)。これにより、半導体ウェハの各チップ領域に形成されている集積回路の良否判定が行なわれる。
【0049】
次に、半導体ウェハの裏面研削を実施した後、半導体ウェハの各チップ領域をダイシングすることにより、半導体ウェハを複数の半導体チップに分割する(S107)。そして、分割された半導体チップを、例えば、リードフレームや配線基板上に搭載する(S108)。続いて、リードフレームや配線基板上に搭載した半導体チップの表面に形成されているパッドと、リードフレームのリード端子や配線基板の接続端子とを、例えば、金線などからなるワイヤで電気的に接続する(S109)。その後、リードフレームや配線基板に搭載した半導体チップやワイヤを樹脂で封止する(S110)。この樹脂による封止は、例えば、半導体チップを外部環境から保護したり、取り扱いを容易にするといった目的で実施される。続いて、樹脂封止することにより形成されたパッケージの外部端子を形成する(S111)。具体的に、リードフレームタイプのパッケージでは、アウターリードに半田めっきを施した後、アウターリードを所定形状に加工する。一方、配線基板タイプ(BGA(Ball Grid Array)タイプ)のパッケージでは、配線基板の裏面に半田ボールを取り付ける。このようにして、パッケージ工程(組立工程)が終了すると、パッケージ製品の信頼性を確保する工程(バーンイン工程)と、電気的に良品・不良品を判別する工程とを実施する(S112)。その後、パッケージ製品は包装されて出荷される(S113)。以上のようにして、半導体装置を製造することができる。
【0050】
<電気的特性検査工程>
ここで、本実施の形態3では、電気的特性検査工程(S106)に着目する。半導体ウェハの各チップ領域には、半導体素子や配線層を含む集積回路が形成されるが、上述した半導体装置の製造工程においては、様々な原因でゴミ、キズ、汚れが発生する。このゴミや汚れが半導体ウェハ上に付着したり、レジスト膜、絶縁膜あるいは金属膜などに取り込まれたりすると、部分的にパターニングが正常に行われずにパターン欠陥が発生する。また、イオン注入技術では、ゴミ、キズ、汚れの混入部分には、不純物が正常に注入されず、拡散異常が生じる。したがって、半導体ウェハのチップ領域に作りこまれた集積回路の中には、上述したパターン欠陥、拡散異常、あるいは、半導体製造装置の異常が原因となって、正常に動作しないものができることがある。
【0051】
そこで、半導体装置の製造工程においては、上述した不良の集積回路が形成されたチップ領域を特定するため、半導体ウェハの各チップ領域の電気回路特性を検査する電気的特性検査工程が実施される。この電気的特性検査工程によって、電気的特性が不良となる集積回路が形成されているチップ領域には、不良品としてマークが付けられ、正常な集積回路が形成されているチップ領域と区別される。
【0052】
以下、具体的な電気的特性検査について説明する。図15は、電気的特性検査を実施するための検査装置の模式的な構成を示す図である。図15に示すように、まず、半導体ウェハWFをステージST上にセットし、半導体ウェハWFの各チップ領域に形成されているパッドと探針(プローブ)PBの先端の位置を正確に合わせる。具体的には、複数のパッドの位置に合わせて多数の探針PBを並べたプローブカードPCを使用して、パッドと探針PBとを確実に電気接続している。プローブカードPCは、テストヘッドHDを介して、測定項目、測定の順番、良・不良判定基準などをプログラムしたテスタTESTと電気的に接続されている。そして、テスタTESTから探針PBを経由してパッドから半導体ウェハに形成されている集積回路に電気信号が送られる。この電気信号が集積回路を経由して、再び、パッドから電気信号としてテスタTESTへ送信され、回路特性が検査される。以上のようにして電気的特性検査が実施されるが、この電気的特性検査で重要な点は、パッドと探針PBとの正確な位置合わせにある。すなわち、パッドと探針PBが正確に位置合わせされていない場合、集積回路とテスタTESTが電気的に接続されず、電気的特性検査が実施されないばかりか、探針PBがパッド以外の領域に接触し、半導体ウェハの不良を招くことになる。
【0053】
そこで、前記実施の形態1や前記実施の形態2で説明した位置合わせ機構付ステージを電気的特性検査を行なう検査装置のステージSTに使用することが有用となる。なぜなら、本発明における位置合わせ機構付ステージによれば、すべり面を有し、かつ、リング形状をした位置決めガイドを備えており、ステージST上の正確な位置に半導体ウェハを配置することが可能となるからである。つまり、本発明における位置合わせ機構付ステージを前記実施の形態1の図4から図10で説明した動作をさせることにより、ステージST上の所定位置に半導体ウェハを正確に位置合わせすることができる。具体的には、複数の支持体SBで半導体ウェハWFを支持した後、位置決めガイドPAGを上昇させて、ステージSTから位置決めガイドPAGを突き出す。続いて、半導体ウェハWFを支持している複数の支持体SBを下降させて、半導体ウェハWFの外縁部を位置決めガイドPAGのすべり面SPで保持することにより、半導体ウェハWFの位置を調整する。その後、半導体ウェハWFを保持している位置決めガイドPAGを下降させて、半導体ウェハWFをステージST上に配置する。次に、図16に示すように、本実施の形態3では、ステージSTの所定位置に半導体ウェハWFを正確に位置合わせすることができるので、半導体ウェハWFに形成されているパッドPDと探針PBとを正確に位置合わせすることができる。この結果、探針PBを確実にパッドPDに接触させることができ、これによって、電気的特性検査の信頼性を向上できるだけでなく、探針PBがパッドPD以外の領域に当接することによる半導体ウェハWFの不良発生も抑制することができる。
【0054】
<他の製造工程への適用例>
本発明の技術的思想は、位置合わせ機構付ステージに関するものであり、この位置合わせ機構付ステージが、すべり面を有し、かつ、リング形状をした位置決めガイドを備えているため、ステージST上の正確な位置に半導体ウェハを配置することが可能となるものである。したがって、ステージST上に半導体ウェハWFを搭載しながら処理を実施する半導体装置の製造工程に幅広く適用することができる。特に、ステージST上の所定位置に正確に半導体ウェハWFを位置合わせする必要がある工程では、本発明の技術的思想が有用となる。
【0055】
例えば、図17は、露光装置STPの一例を示す模式図である。図17に示すように、この露光装置STPは、レーザ光を射出するレーザ光源LSと、照明レンズ系LEN1と、マスクパターンが形成されたレチクルMSKと、投影レンズ系LEN2と、ステージSTとを有し、ステージST上に半導体ウェハWFが搭載されている。そして、このように構成されている露光装置STPでは、レーザ光源LSから射出されたレーザ光が照明レンズ系LEN1を介してレチクルMSKに照射される。その後、レチクルMSKに照射されたレーザ光は、投影レンズ系LEN2を介して半導体ウェハWF上に照射される。これにより、レチクルMSKに形成されているパターンが、半導体ウェハWF上に縮小投影される。したがって、ステージST上に搭載されている半導体ウェハWFの位置が所定位置からずれている場合、半導体ウェハWFの正確な位置にパターンが縮小投影されないことになる。このことから、露光装置STPにおいても、ステージST上に配置される半導体ウェハWFの位置精度が重要となる。
【0056】
そこで、前記実施の形態1や前記実施の形態2で説明した位置合わせ機構付ステージを露光装置STPのステージSTに使用することが有用となる。なぜなら、本発明における位置合わせ機構付ステージによれば、すべり面を有し、かつ、リング形状をした位置決めガイドを備えており、ステージST上の正確な位置に半導体ウェハを配置することが可能となるからである。これにより、露光装置STPにおいて、半導体ウェハWFの正確な位置にパターンを縮小投影することができる。
【0057】
なお、本発明の技術的思想は、電気的特性検査を行なう検査装置や露光装置に適用されるだけでなく、半導体装置の製造工程で使用される様々な半導体製造装置のステージとして有効に適用することができる。例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置、スパッタリング装置などに代表される成膜装置や、ドライエッチング装置に代表されるエッチング装置などの幅広く利用することができる。この場合、本発明の技術的思想によって、ステージの上の半導体ウェハの位置が正確に調整することができる結果、それぞれの半導体製造装置における成膜特性の向上やエッチング特性の向上を図ることができる。
【0058】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0060】
HD テストヘッド
LEN1 照明レンズ系
LEN2 投影レンズ系
LS レーザ光源
MSK レチクル
PAG 位置決めガイド
PAG1 位置決めガイド
PAG2 位置決めガイド
PB 探針
PC プローブカード
PD パッド
SB 支持体
SP すべり面
ST ステージ
STP 露光装置
TEST テスタ
WF 半導体ウェハ
WF1 半導体ウェハ
WF2 半導体ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)半導体ウェハを配置するステージと、
(b)前記ステージ内に設けられ、昇降可能でリング形状をした位置決めガイドであって、前記リング形状の先端部の外周側が前記先端部の内周側よりも高くなるように傾斜したすべり面を有する前記位置決めガイドと、
(c)前記位置決めガイドの内側に設けられ、昇降可能な複数の支持体と、を備える位置決め機構付ステージ。
【請求項2】
請求項1に記載の位置決め機構付ステージであって、
前記ステージには、径の異なる複数の前記位置決めガイドが設けられている位置決め機構付ステージ。
【請求項3】
半導体ウェハを配置するステージと、
前記ステージ内に設けられ、昇降可能でリング形状をした位置決めガイドであって、前記リング形状の先端部の外周側が前記先端部の内周側よりも高くなるように傾斜したすべり面を有する前記位置決めガイドと、
前記位置決めガイドの内側に設けられ、昇降可能な複数の支持体と、を備える位置決め機構付ステージの動作方法であって、
(a)前記複数の支持体を上昇させて、前記ステージから前記複数の支持体を突き出す工程と、
(b)前記(a)工程後、前記複数の支持体で前記半導体ウェハを支持する工程と、
(c)前記(b)工程後、前記位置決めガイドを上昇させて、前記ステージから前記位置決めガイドを突き出す工程と、
(d)前記(c)工程後、前記半導体ウェハを支持している前記複数の支持体を下降させて、前記半導体ウェハの外縁部を前記位置決めガイドの前記すべり面で保持することにより、前記半導体ウェハの位置を調整する工程と、
(e)前記(d)工程後、前記半導体ウェハを保持している前記位置決めガイドを下降させて、前記半導体ウェハを前記ステージ上に配置する工程と、を備える位置決め機構付ステージの動作方法。
【請求項4】
(a)半導体ウェハに半導体素子を形成する工程と、
(b)前記半導体素子の上方に配線層を形成する工程と、
(c)前記配線層を覆うように表面保護膜を形成する工程と、
(d)前記表面保護膜に開口部を設けて、前記配線層の一部を露出することにより、パッドを形成する工程と、
(e)前記パッドに探針を押し当てて、前記半導体素子および前記配線層を含む集積回路の電気的特性検査を実施する工程と、を備え、
前記(e)工程は、
(e1)前記半導体ウェハを配置するステージと、前記ステージ内に設けられ、昇降可能でリング形状をした位置決めガイドであって、前記リング形状の先端部の外周側が前記先端部の内周側よりも高くなるように傾斜したすべり面を有する前記位置決めガイドと、前記位置決めガイドの内側に設けられ、昇降可能な複数の支持体と、を有する位置決め機構付ステージの上方へ前記半導体ウェハを搬送する工程と、
(e2)前記(e1)工程後、前記複数の支持体を上昇させて、前記ステージから前記複数の支持体を突き出す工程と、
(e3)前記(e2)工程後、前記複数の支持体で前記半導体ウェハを支持する工程と、
(e4)前記(e3)工程後、前記位置決めガイドを上昇させて、前記ステージから前記位置決めガイドを突き出す工程と、
(e5)前記(e4)工程後、前記半導体ウェハを支持している前記複数の支持体を下降させて、前記半導体ウェハの外縁部を前記位置決めガイドの前記すべり面で保持することにより、前記半導体ウェハの位置を調整する工程と、
(e6)前記(e5)工程後、前記半導体ウェハを保持している前記位置決めガイドを下降させて、前記半導体ウェハを前記ステージ上に配置する工程と、
(e7)前記(e6)工程後、前記ステージ上に配置されている前記半導体ウェハに形成されている前記パッドに前記探針を押し当てる工程と、を有する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記ステージには、径の異なる複数の前記位置決めガイドが設けられている半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−65658(P2013−65658A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202887(P2011−202887)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】