説明

低分子共役窒素化合物並びにこれを用いた有機薄膜トランジスタ、有機太陽光電池および有機電界発光素子

【課題】素子に適用する際に常温スピンコーティング工程が可能で安定的であるうえ、電気伝導性に優れた低分子共役窒素化合物を提供する。
【解決手段】低分子共役窒素化合物は、下記式(1)で表される。
【化27】


(Lは単結合又はビニレン基、ArはC〜C30のアリール又はヘテロアリール基、R及びRは独立して水素、直鎖又は分岐状C〜C10のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル及びアルコキシアルキル基から選ばれ、mは1〜5の整数、nは1〜3の整数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低分子共役窒素化合物並びにこれを用いた有機薄膜トランジスタ、有機太陽光電池および有機電界発光素子に関し、より詳しくは、線形共役鎖(linear conjugated chains)を有する低分子共役窒素化合物およびこれを有機半導体材料、正孔輸送物質または発光材料として用いた素子に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、有機半導体材料として、ペンタセンなどの低分子有機材料の研究が加速化する一方で、ポリチオフェンを中心とした高分子有機材料に注目する研究もまた行われている。
【0003】
ペンタセンなどの低分子有機材料の場合、優れた電荷移動度および電流点滅比(ION/IOFF比)を有すると報告されているが、高価の真空蒸着装置を必要とし、微細パターンの形成が困難であるため、コスト、大面積化という観点からみて大きな利点はない。
【0004】
これに対し、ポリチオフェン系高分子有機材料の場合、低分子材料とは異なり、溶液として調製し易く、スクリーン印刷技術やインクジェット技術、ロールプリンティング技術などを用いて薄膜の形成が可能なので、コスト、大面積化の観点から有利であると報告されている。
【0005】
ところが、前記した高分子有機材料は、分子量分布の差異に応じて、互いに異なる酸化電位(oxidation potential)を持つため、安定性を低下させる原因となって素子への適用が難しく、これに対し、前記した低分子有機材料は、同一の酸化電位を持つため、安定性面からみて有利であることが明らかになっている。
【0006】
一方、従来の発光材料としては、例えば、Alq(トリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)などの低分子材料と、例えば、PPV(ポリフェニレンビニレン)、PAT(ポリアルキルチオフェン)などの高分子材料が知られているが、前記有機半導体材料と同様に、低分子材料は、常温スピンコーティング工程が不可能であり、高分子材料は、常温スピンコーティング工程は可能であるが不安定であるというおそれがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、線形共役鎖を有する低分子共役窒素化合物を用いることで、素子に適用する際に常温スピンコーティング工程が可能で安定的であるうえ、電気伝導性に優れた低分子有機材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかる化合物は、下記式(1)で表される低分子共役窒素化合物であることを特徴とする。
【0009】
【化7】

【0010】
前記式(1)において、Lは単結合またはビニレン基であり、Arはそれぞれ独立して炭素数3〜30のアリール基またはヘテロアリール基であり、RおよびRはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシ基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状ヒドロキシアルキル基、および炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシアルキル基よりなる群から選択され、mは1〜5の整数であり、nは1〜3の整数である。
【0011】
前記Arは、下記式(2)で表される化合物よりなる群から選択されることが好ましい。
【化8】

【0012】
上記課題を解決するために、本発明はまた、下記式(3)〜(6)で表される化合物よりなる群から選択されることを特徴とする。
【0013】
【化9】

【0014】
【化10】

【0015】
【化11】

【0016】
【化12】

(前記式(3)〜(6)において、
Rは水素、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシ基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状ヒドロキシアルキル基、および炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシアルキル基よりなる群から選択される。)
【0017】
本発明はまた、上記課題を解決した共役窒素化合物を含有するチャネル層を含む有機薄膜トランジスタを提供する。
【0018】
前記チャネル層は、スクリーン印刷法、プリンティング法、スピンコーティング法、回転成形法、ディッピング法またはインクジェット法によって薄膜化してもよい。
【0019】
本発明はまた、上記課題を解決した共役窒素化合物を含有する正孔輸送物質を含む有機太陽光電池を提供する。
【0020】
前記正孔輸送物質は、スクリーン印刷法、プリンティング法、スピンコーティング法、回転成形法、ディッピング法またはインクジェット法によって薄膜化してもよい。
【0021】
本発明はまた、上記課題を解決した共役窒素化合物を含有する発光物質または正孔輸送物質を含む有機電界発光素子を提供する。
【0022】
前記発光物質または前記正孔輸送物質は、スクリーン印刷法、プリンティング法、スピンコーティング法、回転成形法、ディッピング法またはインクジェット法によって薄膜化してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の低分子共役窒素化合物は、新しい構造の低分子有機半導体であって、有機半導体材料、正孔輸送物質(hole conducting material)または発光材料として用いて常温スピンコーティング工程が可能で安定的であるうえ、電気伝導性および発光効率に優れており、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機太陽光電池(Organic Solar Photovoltaic Cell)および有機発光素子(OLED)に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の低分子共役窒素化合物は、下記式(1)で表される。
【0025】
【化13】

【0026】
前記式(1)において、Lは単結合またはビニレン基である。
Arはそれぞれ独立して炭素数3〜30のアリール基またはヘテロアリール基である。
およびRはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシ基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状ヒドロキシアルキル基、および炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシアルキル基よりなる群から選択される。
mは1〜5の整数である。
nは1〜3の整数である。
【0027】
本発明の低分子共役窒素化合物は、分子の中心にNが位置し、側鎖として線形共役鎖を含む。本発明の低分子共役窒素化合物は、低分子であって、同一の酸化電位を持つことにより安定的であるうえ、有機溶媒への溶解性に優れるため、常温で従来の公知のコーティング方法でコートすることができ、低い酸化準位を持つため低電圧で電気伝導性に優れる効果を提供することができる。
【0028】
前記式(1)で表される本発明の低分子共役窒素化合物において、Arの代表的な例は、下記式(2)で表されるアリーレンまたはヘテロアリーレンから選択され、より好ましくはチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)、またはフェニルである。
【0029】
【化14】

【0030】
より具体的には、前記式(1)で表される低分子共役窒素化合物は、下記式(3)〜(6)で表される群から選択されることが好ましい。
【0031】
【化15】

【0032】
【化16】

【0033】
【化17】

【0034】
【化18】

【0035】
前記式(3)〜(6)において、Rは水素、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシ基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状ヒドロキシアルキル基、および炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシアルキル基よりなる群から選択される。
【0036】
本発明の低分子共役窒素化合物の合成法としては、へテロ芳香族化合物の代表的な重合方法である化学的または電気化学的酸化合成法、例えばニッケルやパラジウムなどの有機遷移金属化合物を用いる縮合合成法のいずれも使用することができる。
【0037】
より好ましくは、下記式(7)で表されるパラジウム(0)化合物または式(8)および(9)で表されるパラジウム(II)化合物を使用することができ、具体的に前記式(3)で表される化合物は、下記反応式(10)で表される反応経路に沿って合成される。
【0038】
PdL ・・・(7)
PdL ・・・(8)
PdL ・・・(9)
【0039】
前記式(7)〜式(9)において、Lはトリフェニルホスフィン(PPh)、トリフェニルアルシン(AsPh)、トリフェニルホスファイト(P(OPh))、ジフェニルホスフィノフェロセン(dppf)、ジフェニルホスフィノブタン(dppb)、アセテート(OAc)、ジベンジリデンアセトン(dba)よりなる群から選択されたリガンドであり、XはI、BrまたはClである。
【0040】
【化19】

【0041】
この他にも、前記式(4)〜(6)で表される化合物は、それぞれ下記反応式(11)〜(13)で表わされる反応経路に沿って合成される。
【0042】
【化20】

【0043】
【化21】

【0044】
【化22】

【0045】
前記のような反応式によって合成される本発明の低分子共役窒素化合物は、置換基を調節することにより、溶液工程がより容易に行われるようにすることができる。したがって、常温で従来の公知のコーティング方法でコーティングすることができ、具体的にはスクリーン印刷法、プリンティング法、スピンコーティング法、回転成形法、ディッピング(dipping)法、またはインクジェット法によって薄膜に形成できる。
【0046】
また本発明は、前記した低分子共役窒素化合物を有機半導体、正孔輸送物質または発光材料として用いた素子を提供する。具体的に、前記した素子としては、OTFT、OFET、有機太陽光電池、またはOLEDを例示することができる。
【0047】
本発明の低分子共役窒素化合物は、OTFTおよびOFETの場合は有機半導体層に含有させ、有機太陽光電池の場合は正孔輸送層に含有させ、OLEDの場合は発光層または正孔輸送層に含有させることができる。これらの素子は当分野で公知の通常の工程によって製造することができ、したがって本発明の低分子共役窒素化合物を含む層以外の構成要素の製造条件、寸法等は、当分野で通常用いられるものを用いることができる。本発明の低分子共役窒素化合物を含む層の厚さについては、それぞれの素子の機能を発揮するものであれば特に限定されない。
【0048】
このような素子においては、前記した層の製造を従来技術により常温で容易に行うことができ、かつ得られる素子において本発明の化合物の優れた電気伝導性を発揮することができる。
【0049】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は本発明を説明するためのもので、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0050】
製造例1:低分子共役窒素化合物1の製造
【0051】
【化23】

【0052】
トリス(4−ブロモフェニル)アミン(Aldrich社製)(1g、2mmol)を100mlのトルエンに溶解し、これに2.9ml(4.5当量)の2−トリブチルスタンニルチオフェン(2-tributylstannylthiophene)および27mg(1.1%)のPd(PPhを加えた。前記の混合物を窒素雰囲気の下で12時間還流した。常温に冷却し、塩水(brine)で2回洗浄した後、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物を石油エーテル(PE)で洗浄した後、乾燥し、淡黄色の固体であるトリス[4−(2−チエニル)フェニル]アミン(0.87g(収率85%))を得た。
【0053】
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.50(d,2H)、7.20(m,2H)、7.10(d,2H)、7.08(dd,1H)
【0054】
前記のトリス[4−(2−チエニル)フェニル]アミン(500mg、1mmol)を30mlの1,2−ジクロロエタンおよびDMF(0.37g)に溶解し、これにPOCl(0.78g、5当量)を加えた。前記の混合物を窒素雰囲気の下で15時間還流した。これに50mlの塩化メチレンおよび100mlの酢酸ナトリウム飽和水溶液を加え、この混合物を2時間攪拌した。有機相を分離し、水で洗浄した後、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、オレンジ色の固体であるトリス[4−(5−ホルミル−2−チエニル)フェニル]アミン(0.53g(収率90%))を得た。
【0055】
H−NMR(CDCl)δ(ppm):9.90(s,1H,CHO)、7.70(d,1H)、7.60(d,1H)、7.30(d,2H)、7.20(d,2H)
【0056】
前記のトリス[4−(5−ホルミル−2−チエニル)フェニル]アミン(140mg、0.2mmol)およびジエチル{5−[(3,4−ジヘキシル−2−チエニル)−エテン−2−イル]−3,4−ジヘキシル−2−チエニル}メチルホスホネート(0.66g、5当量)を30mlの無水THFに溶解した。これに120mgのカリウムt−チオブチレート(potassium tertiobutylate)を窒素雰囲気の下で加えた。1.5時間攪拌した後、これに120mlの塩化メチレンを加え、有機相を水洗した後、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して赤色のオイル(0.38g、収率76%)を得た。
【0057】
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.50(d,2H)、7.15(d,1H)、7.15(d,2H)、7.05(d,1H)、7.00(d,1H)、6.95(m,3H)、6.75(s,1H)、2.50(m,8H)、1.40(m,32H)、0.90(m,12H)
【0058】
このように合成された最終化合物のUV−VIS吸光度およびサイクリックボルタモグラム(cyclic voltammogram)(溶媒:0.10M BuNPF−CHCl、走査速度:100mVs−1)を測定し、その結果をそれぞれ図1および図2に示した。図1および図2から分かるように、本発明の共役窒素化合物は、広い波長範囲でUV−VISを吸収し、非常に安定した酸化還元反応性を示した。
【0059】
製造例2:低分子共役窒素化合物2の製造
【0060】
【化24】

【0061】
トリス(4−ブロモフェニル)アミン(Aldrich社製)(120mg、0.25mmol)を12mlのトルエンに溶解し、これに5”−ヘキシル−2−トリブチルスタンニル−5,2’:5,2”−ターチオフェン(5"-hexyl-2-tributylstannyl-5,2':5,2"-terthiophene)(7.25当量)および20mg(5%)のPd(PPhを加えた。前記の混合物を窒素雰囲気の下で16時間還流した。常温に冷却した後、トルエンを蒸発させ、残留物を塩化メチレンに溶解した。有機相を塩水で2回洗浄した後、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をPEで洗浄した後、乾燥してオレンジ色の固体(0.19g、収率65%)を得た。
【0062】
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.48(d,2H)、7.14(d,2H)、7.13(d,1H)、7.08(d,1H)、7.03(d,1H)、6.96(d,1H)、6.94(d,1H)、6.66(d,1H)、2.81(t,2H)、1.69(qt,2H)、1.35(m,6H)、0.93(t,3H)
【0063】
製造例3:低分子共役窒素化合物3の製造
【0064】
【化25】

【0065】
トリス[4−(5−ホルミル−2−チエニル)フェニル]アミン300mgとチエニル−2−メチル−ジエチルホスホネート549mgを使用すること以外は、製造例1と同様にしてオレンジ色の固体(300mg、収率70%)を得た。
【0066】
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.50(d,2H)、7.10(d,1H)、7.00(d,2H)、6.95(d,1H)、6.90(d,1H)、6.73(d,1H)、6.70(d,1H)、6.65(m,2H)
【0067】
製造例4:低分子共役窒素化合物4の製造
【0068】
【化26】

【0069】
ブロモ(4−ブロモフェニル)アミン(Aldrich社製)(320mg、0.67mmol)、3’,4’−エチレンジオキシ−5”−へキシル−2−トリブチルスタンニル−5,2’:5,2”−ターチオフェン(3’,4’-ethylenedioxy-5”-hexyl-2-tributylstannyl-5,2’:5,2”-terthiophene)(3.17g、7当量)および40mg(5%)のPd(PPhを30mLのトルエンに溶解した。前記の混合物を窒素雰囲気の下で15時間還流した。常温に冷却した後、トルエンを蒸発させ、残留物を塩化メチレンに溶解した。有機相を水洗した後、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残留物をPEで洗浄して塩化メチレンに溶解し、これにPEを加えて沈殿させた後、濾過することにより、茶色の固体(0.42g、収率45%)を得た。
【0070】
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.50(d,2H)、7.16(d,2H)、7.12(d,2H)、7.03(d,1H)、6.69(d,1H)、4.39(d,4H)、2.80(t,2H)、1.68(qt,2H)、1.38(m,2H)、1.32(m,4H)、0.89(t,3H)
【0071】
実施例1:素子製作および光起電力効率の測定
ITO電極がコートされたガラス基板上に厚さ80nmの導電性高分子(Bayer社製、Baytron P)層を形成した。次に、製造例1で合成した低分子共役窒素化合物1を用いて回転成形によって厚さ100nmの有機半導体層を形成した。その後、前記した有機半導体層上にアルミニウムを用いて厚さ60nmの対向電極を形成することにより、光起電力効率測定のための素子を製作した。前記の素子の電流−電圧曲線をAM 1.5イリューミネイションの条件で測定して図3に示した。図3に示したIV曲線から計算された光起電力効率は、100mW/cmの光で0.35%であった。
【0072】
実施例2:素子製作および電界発光スペクトルの測定
製造例4で合成した低分子共役窒素化合物4を使用すること以外は、実施例1と同様にして素子を製作し、同一の条件で電流−電圧曲線を測定して図4に示した。また、電界発光スペクトルを測定して図5に示した。図4および図5より、本発明の共役窒素化合物は、発光特性を示し、低いしきい値電圧を持つことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の製造例1で合成した低分子共役窒素化合物のUV−VIS吸収スペクトルである。
【図2】本発明の製造例1で合成した低分子共役窒素化合物のサイクリックボルタモグラムである。
【図3】本発明の実施例1で製造した素子の電流−電圧特性を示す図である。
【図4】本発明の実施例2で製造した素子の電流−電圧特性を示す図である。
【図5】本発明の実施例2で製造した素子の電界発光スペクトルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される低分子共役窒素化合物。
【化1】

(前記式(1)において、
Lは単結合またはビニレン基であり、
Arはそれぞれ独立して炭素数3〜30のアリール基またはヘテロアリール基であり、
およびRはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシ基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状ヒドロキシアルキル基、および炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシアルキル基よりなる群から選択され、
mは1〜5の整数であり、
nは1〜3の整数である。)
【請求項2】
Arが、下記式(2)で表される化合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の共役窒素化合物。
【化2】

【請求項3】
下記式(3)〜(6)で表される化合物よりなる群から選択されることを特徴とする共役窒素化合物。
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

(前記式(3)〜(6)において、
Rは水素、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシ基、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状ヒドロキシアルキル基、および炭素数1〜10の直鎖状または分岐状アルコキシアルキル基よりなる群から選択される。)
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の共役窒素化合物を含有するチャネル層を含む有機薄膜トランジスタ。
【請求項5】
前記チャネル層は、スクリーン印刷法、プリンティング法、スピンコーティング法、回転成形法、ディッピング法またはインクジェット法によって薄膜化されることを特徴とする請求項4に記載の有機薄膜トランジスタ。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の共役窒素化合物を含有する正孔輸送物質を含む有機太陽光電池。
【請求項7】
前記正孔輸送物質は、スクリーン印刷法、プリンティング法、スピンコーティング法、回転成形法、ディッピング法またはインクジェット法を用いて薄膜化されることを特徴とする請求項6に記載の有機太陽光電池。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の共役窒素化合物を含有する発光物質または正孔輸送物質を含む有機電界発光素子。
【請求項9】
前記発光物質または前記正孔輸送物質は、スクリーン印刷法、プリンティング法、スピンコーティング法、回転成形法、ディッピング法またはインクジェット法を用いて薄膜化されることを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−45817(P2007−45817A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191134(P2006−191134)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】