作業機の操縦部
【課題】 操縦部の多様化によるコストの上昇。
【構成】 左右一対のクローラにより走行装置2を構成し、該走行装置2は、機体の操縦部6に設けた操向操作具15により旋回するように構成すると共に、該操向操作具15は、油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れかにより前記走行装置2に操作情報を伝達して操向操作しうるように構成すると共に、前記操縦部6に設けた共通のケース16に、油圧機構Yまたはセンサー機構Sのどちらでも内蔵しうるように構成した作業機の操縦部。
【構成】 左右一対のクローラにより走行装置2を構成し、該走行装置2は、機体の操縦部6に設けた操向操作具15により旋回するように構成すると共に、該操向操作具15は、油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れかにより前記走行装置2に操作情報を伝達して操向操作しうるように構成すると共に、前記操縦部6に設けた共通のケース16に、油圧機構Yまたはセンサー機構Sのどちらでも内蔵しうるように構成した作業機の操縦部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右一対のクローラにより構成した走行装置を操向操作する作業機の操縦部に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クローラにより構成した走行装置の走行方向の操作を、機体の操縦部に設けた操向操作レバーの傾倒操作により行うが、操向操作レバーの傾倒操作により油圧機構を作動させて、走行方向の操作するようにした構成は公知である(特許文献1参照)。
また、従来、クローラにより構成した走行装置を、機体の操縦部に設けた操向操作レバーによりセンサー機構を介して走行方向の操作するようにした構成は公知である(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−24071号公報
【特許文献2】特開2002−362403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、いずれも、操向操作レバーの傾倒操作を、油圧機構またはセンサー機構の何れかを介して走行装置を操向操作するようにしているため、操向操作レバーを設けた前側操作パネルのケースは専用構造としていたという課題がある。
即ち、機種により種々用意しなければならないため、コストが上昇する。
本願は、油圧機構またはセンサー機構の何れの構成を採用した機種でも、操向操作レバーを装着する前側操作パネルのケースを共用化使用としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、左右一対のクローラにより走行装置2を構成し、該走行装置2は、機体の操縦部6に設けた操向操作具15により旋回するように構成すると共に、該操向操作具15は、油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れかにより前記走行装置2に操作情報を伝達して操向操作しうるように構成すると共に、前記操縦部6に設けた共通のケース16に、油圧機構Yまたはセンサー機構Sのどちらでも内蔵しうるように構成した作業機の操縦部としたものであり、ケース16内に油圧機構Yを設けた場合は、操向操作具15を左右方向に傾倒させると、リリーフバルブ25により油圧を変更して、旋回を開始し、操向操作具15を中立にすると、これによりリリーフバルブ25は旋回を停止させて走行装置を直進させる。
また、ケース16内にセンサー機構Sを設けた場合は、操向操作具15を左右方向に傾倒させると、ポテンショメータ30が操向操作具15の傾倒角を検出して旋回を開始し、操向操作具15を中立にすると、これによりリリーフバルブ25は旋回を停止させて走行装置を直進させる。
本発明は、前記ケース16には、前記操向操作具15の傾倒操作角度に対する旋回半径を任意に変更調節しうる旋回半径変更手段32を設けた作業機の操縦部としたものであり、旋回半径変更手段32を操作すると、操向操作具15の傾倒角度に対応する機体の旋回半径を変更する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れの操作系統の場合でもケース16を共用し、これにより前側操作パネル14を共用できる。
請求項2の発明では、操向操作具15により油圧機構Yを操作するタイプでありながら、旋回圧力の調節を可能とし、しかも、旋回半径変更手段32を前側操作パネル14の外周面に露出させていないので、無意識あるいは不用意な旋回半径変更手段32の操作を回避できる。
【実施例1】
【0006】
本発明の一実施例をコンバインの例にて図により説明すると、1は機体フレーム1、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は刈取部、5はグレンタンク、6はグレンタンク5の前方に設けた操縦部である。
操縦部6は、作業者の運転座席10の前側に作業者が乗り込むステップ11を設け、ステップ11の一方側(右側)は開口して乗降口12に形成し、ステップ11の他方側側部(左側)には側部操作パネル13を、ステップ11の前側には前側操作パネル14を夫々設けている。
【0007】
前記前側操作パネル14の一方側には、走行方向の操作および刈取部4の昇降操作を行う操向操作レバー(パワステレバー)15を設ける。操向操作具15は、前記前側操作パネル14に設けたケース16に取付ける。ケース16には、前記操向操作具15により操作する油圧機構Yまたはセンサー機構Sのどちらでも内蔵しうるように形成すると共に、何れかを内蔵する。
即ち、前側操作パネル14は上面および前面および後面並びに側面を有した箱型形状に形成され、前記上面および前面および後面並びに側面は連続した面形状に形成することにより、統一感を醸し出し、デザイン面を向上させているが、前記ケース16の形状を油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れの場合も各構成品を内蔵しうるように構成することで、油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れの操作系統の場合でもケース16を共用し、これにより前側操作パネル14を共用できる。
したがって、機構が相違する走行装置や刈取部4を設けた機種の相違する作業機でも、前側操作パネル14を共用できる。
【0008】
図3、図4は油圧機構Yのケース16を示し、操向操作具15の基部は第一横軸20に取付け、第一横軸20はプレート21に回転自在に取付けて操向操作具15を左右に傾倒可能にし、プレート21はブラケット22に固定し、ブラケット22はケース16に固定のステイ23に第二横軸24により前後回動自在に取付け、前記ブラケット22にはリリーフバルブ25の作動子26を当接させる。ブラケット22は、操向操作具15の操作により第一横軸20または第二横軸24中心に回動して、リリーフバルブ25の作動子26の押圧力を変更し、これによりリリーフバルブ25の内部のバルブを開閉させる。27は刈取上下のスイッチである。
【0009】
図5、図6はセンサー機構Sのケース16を示し、操向操作具15の基部はポテンショメータ30に取付け、ポテンショメータ30は第一横軸20Bに取付け、第一横軸20Bはブラケット22Bに回転自在に取付けて操向操作具15を左右に傾倒可能にし、ブラケット22Bはケース16に固定のステイ23Bに第二横軸24Bにより前後回動自在に取付けている。27Bは、刈取上下のスイッチである。
【0010】
しかして、図7、図8は、前記ケース16に、旋回圧力を任意に調節しうる旋回半径変更手段32を設けたものであり、従来油圧機構Yのタイプでは旋回圧力を調節できなかったが、これを可能にする。
また、旋回半径変更手段32は前側操作パネル14に露出させると、無意識に操作してしまうことがあり、そのため、操向操作具15の操作間隔が狂って操作性が低下する場合があるが、本願では、油圧機構Yのタイプで旋回圧力可変としながら、ケース16内に旋回半径変更手段32を設けることで、不用意な旋回半径変更手段32の操作を回避する。
【0011】
また、前記旋回半径変更手段32により調節した旋回圧力の圧力ラインLを前側操作パネル14に設けたモニタ33に表示するように構成する。
そのため、目視により旋回圧力の圧力ラインLを認識でき、操作性を向上させ、誤操作が防止できる。
35はモニタ33のウインカ表示部、36は前進・後進表示部、37はハイビーム表示部、38はロービーム表示部、39はホーン表示部、40はアラームランプ、41は液晶表示部である。
【0012】
しかして、操向操作具15による旋回操作では、傾倒角度により旋回半径を変更させ、倒す角度が急になると旋回半径が小になり、この場合、操向操作具15の傾倒角度は同じでも例えば路上走行と湿田圃場の走行とでは、旋回半径が相違するように予め設定してあるが、このように湿田モードを設けて旋回半径を設定した場合でも、圃場の軟弱程度に程度差がある。
そこで、湿田圃場の走行を想定した湿田モードの場合であっても、更に、操向操作具15の操作による旋回圧力を3段階に変更可能に構成している(図11)。
【0013】
即ち、操向操作具15を最大に傾倒させた旋回半径が小の場合の湿田モードの「強」と、旋回半径が中の場合の「中」と、旋回半径が大の場合の「弱」の三段の旋回力の中から、選択する選択式に構成している。
そのため、湿田の軟弱レベルの把握が容易になり、操作性を向上させる。
また、前記旋回力の切替スイッチ45は前記操向操作具15に設けると、リニヤに走行中でも切替操作が可能となり、操作性を向上させ、好適である。
【0014】
また、切替スイッチ45により選択した旋回圧力の圧力ラインLをモニタ33の液晶表示部41に表示すると、一層、操作性を向上させて、好適である(図12)。
実施例では、切替スイッチ45を押すごとに「強」、「中」、「弱」に切り替わるようにしている。
【0015】
しかして、図13〜図18は前記操向操作具15にナローガイド50の張出・格納させるスイッチ51を設けた実施例である。
そのため、操向操作具15から手を離さずにスイッチ51を操作でき、特に、圃場の出入りに際して斜面走行中に、ナローガイド50の張出・格納操作をすることができ、操作性を極めて向上させられる。
即ち、圃場に入る直前にナローガイド50を張り出すことができ、刈取を円滑に行える。
【0016】
また、操向操作具15に設けることで、前側操作パネル14にスイッチ51を設けるより回線(ハーネス)を省略できる。
図15、図16は、前記ナローガイド50の張出・格納させる作動手段52の一例を示し、ナローガイド50に作動杆53の一端を接続し、作動杆53の他端は台形オス螺子54に取付ける。55は台形メス螺子、56〜58は平ギヤ、59はピニオン、60はジャバラである。
【0017】
しかして、図19〜図21は刈取部4に設けた引起装置の引起ラグの搬送(引起)速度を変速させる引起変速スイッチ61を前記操向操作具15に設けた実施例である。
そのため、操向操作具15から手を離さずに引起変速スイッチ61を操作でき、特に、圃場の出入りに際して斜面走行中に、引起装置の引起ラグの変速操作することができ、操作性を極めて向上させられる。
また、他の扱き深さスイッチ等と操向操作具15内でアース線をジョイントすることで、メインハーネス側のアース端子を個別に設けることを省略できる。
【0018】
しかして、図22〜図26の前側操作パネル14は、前側操作パネル14の上部をえぐって空間部65を形成したものである。
前側操作パネル14に空間部65を形成しているので、前方視界が広くなり、特に、汎用コンバインではリールがよく見える。また、空間部65より手を差し出し、注油コックや引起装置のカバーの詰まり藁屑の除去などを行え、作業性を向上させられる。
【0019】
しかして、前記空間部65は、前側操作パネル14の上部に左右方向の棒形状のパネル部66の下方に形成する。パネル部66の主として下面側の一部はアルミ鋳物等の金属カバー67により外周を被覆し、パネル部46の主として上面側は合成樹脂68により形成している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】操縦部の平面図。
【図3】操向操作レバーのケースの正面図。
【図4】同側面図。
【図5】操向操作レバーのケースの正面図。
【図6】同側面図。
【図7】操向操作レバーのケースにボリュームスイッチを設けた実施例のの正面図。
【図8】ボリュームスイッチを設けた部分の側面図。
【図9】モニタの正面図。
【図10】操向操作レバーの斜視図。
【図11】ブレーキ圧力と操向操作レバーの操作量を示す説明図。
【図12】モニタの他の実施例の正面図。
【図13】操向操作レバーの他の実施例の正面図。
【図14】同側面図。
【図15】ナローガイドの作動機構の断面図。
【図16】ナローガイドの作動機構の格納状態断面図。
【図17】ナローガイドの張出状態平面図。
【図18】ナローガイドの格納状態平面図。
【図19】他の実施例の操縦部の平面図。
【図20】主変速レバーの正面図。
【図21】同側面図。
【図22】他の実施例の操縦部の側面図。
【図23】同正面図。
【図24】同正面図。
【図25】同側面図。
【図26】同平面図。
【符号の説明】
【0021】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部、5…グレンタンク、6…操縦部、10…運転座席、11…ステップ、12…乗降口、14…前側操作パネル、13…側部操作パネル、15…操向操作具、16…ケース、20…第一横軸、21…プレート、22…ブラケット、23…ステイ、24…第二横軸、25…リリーフバルブ、27…スイッチ、30…ポテンショメータ、32…旋回半径変更手段、33…モニタ、35…ウインカ表示部、36…前進・後進表示部、37…ハイビーム表示部、38…ロービーム表示部、39…ホーン表示部、40…アラームランプ、41…液晶表示部、45…切替スイッチ、50…ナローガイド、51…スイッチ、52…作動手段、53…作動杆、54…台形オス螺子、61…引起変速スイッチ、65…空間部、66…パネル部、67…金属カバー、68…合成樹脂カバー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右一対のクローラにより構成した走行装置を操向操作する作業機の操縦部に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クローラにより構成した走行装置の走行方向の操作を、機体の操縦部に設けた操向操作レバーの傾倒操作により行うが、操向操作レバーの傾倒操作により油圧機構を作動させて、走行方向の操作するようにした構成は公知である(特許文献1参照)。
また、従来、クローラにより構成した走行装置を、機体の操縦部に設けた操向操作レバーによりセンサー機構を介して走行方向の操作するようにした構成は公知である(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−24071号公報
【特許文献2】特開2002−362403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、いずれも、操向操作レバーの傾倒操作を、油圧機構またはセンサー機構の何れかを介して走行装置を操向操作するようにしているため、操向操作レバーを設けた前側操作パネルのケースは専用構造としていたという課題がある。
即ち、機種により種々用意しなければならないため、コストが上昇する。
本願は、油圧機構またはセンサー機構の何れの構成を採用した機種でも、操向操作レバーを装着する前側操作パネルのケースを共用化使用としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、左右一対のクローラにより走行装置2を構成し、該走行装置2は、機体の操縦部6に設けた操向操作具15により旋回するように構成すると共に、該操向操作具15は、油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れかにより前記走行装置2に操作情報を伝達して操向操作しうるように構成すると共に、前記操縦部6に設けた共通のケース16に、油圧機構Yまたはセンサー機構Sのどちらでも内蔵しうるように構成した作業機の操縦部としたものであり、ケース16内に油圧機構Yを設けた場合は、操向操作具15を左右方向に傾倒させると、リリーフバルブ25により油圧を変更して、旋回を開始し、操向操作具15を中立にすると、これによりリリーフバルブ25は旋回を停止させて走行装置を直進させる。
また、ケース16内にセンサー機構Sを設けた場合は、操向操作具15を左右方向に傾倒させると、ポテンショメータ30が操向操作具15の傾倒角を検出して旋回を開始し、操向操作具15を中立にすると、これによりリリーフバルブ25は旋回を停止させて走行装置を直進させる。
本発明は、前記ケース16には、前記操向操作具15の傾倒操作角度に対する旋回半径を任意に変更調節しうる旋回半径変更手段32を設けた作業機の操縦部としたものであり、旋回半径変更手段32を操作すると、操向操作具15の傾倒角度に対応する機体の旋回半径を変更する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れの操作系統の場合でもケース16を共用し、これにより前側操作パネル14を共用できる。
請求項2の発明では、操向操作具15により油圧機構Yを操作するタイプでありながら、旋回圧力の調節を可能とし、しかも、旋回半径変更手段32を前側操作パネル14の外周面に露出させていないので、無意識あるいは不用意な旋回半径変更手段32の操作を回避できる。
【実施例1】
【0006】
本発明の一実施例をコンバインの例にて図により説明すると、1は機体フレーム1、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は刈取部、5はグレンタンク、6はグレンタンク5の前方に設けた操縦部である。
操縦部6は、作業者の運転座席10の前側に作業者が乗り込むステップ11を設け、ステップ11の一方側(右側)は開口して乗降口12に形成し、ステップ11の他方側側部(左側)には側部操作パネル13を、ステップ11の前側には前側操作パネル14を夫々設けている。
【0007】
前記前側操作パネル14の一方側には、走行方向の操作および刈取部4の昇降操作を行う操向操作レバー(パワステレバー)15を設ける。操向操作具15は、前記前側操作パネル14に設けたケース16に取付ける。ケース16には、前記操向操作具15により操作する油圧機構Yまたはセンサー機構Sのどちらでも内蔵しうるように形成すると共に、何れかを内蔵する。
即ち、前側操作パネル14は上面および前面および後面並びに側面を有した箱型形状に形成され、前記上面および前面および後面並びに側面は連続した面形状に形成することにより、統一感を醸し出し、デザイン面を向上させているが、前記ケース16の形状を油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れの場合も各構成品を内蔵しうるように構成することで、油圧機構Yまたはセンサー機構Sの何れの操作系統の場合でもケース16を共用し、これにより前側操作パネル14を共用できる。
したがって、機構が相違する走行装置や刈取部4を設けた機種の相違する作業機でも、前側操作パネル14を共用できる。
【0008】
図3、図4は油圧機構Yのケース16を示し、操向操作具15の基部は第一横軸20に取付け、第一横軸20はプレート21に回転自在に取付けて操向操作具15を左右に傾倒可能にし、プレート21はブラケット22に固定し、ブラケット22はケース16に固定のステイ23に第二横軸24により前後回動自在に取付け、前記ブラケット22にはリリーフバルブ25の作動子26を当接させる。ブラケット22は、操向操作具15の操作により第一横軸20または第二横軸24中心に回動して、リリーフバルブ25の作動子26の押圧力を変更し、これによりリリーフバルブ25の内部のバルブを開閉させる。27は刈取上下のスイッチである。
【0009】
図5、図6はセンサー機構Sのケース16を示し、操向操作具15の基部はポテンショメータ30に取付け、ポテンショメータ30は第一横軸20Bに取付け、第一横軸20Bはブラケット22Bに回転自在に取付けて操向操作具15を左右に傾倒可能にし、ブラケット22Bはケース16に固定のステイ23Bに第二横軸24Bにより前後回動自在に取付けている。27Bは、刈取上下のスイッチである。
【0010】
しかして、図7、図8は、前記ケース16に、旋回圧力を任意に調節しうる旋回半径変更手段32を設けたものであり、従来油圧機構Yのタイプでは旋回圧力を調節できなかったが、これを可能にする。
また、旋回半径変更手段32は前側操作パネル14に露出させると、無意識に操作してしまうことがあり、そのため、操向操作具15の操作間隔が狂って操作性が低下する場合があるが、本願では、油圧機構Yのタイプで旋回圧力可変としながら、ケース16内に旋回半径変更手段32を設けることで、不用意な旋回半径変更手段32の操作を回避する。
【0011】
また、前記旋回半径変更手段32により調節した旋回圧力の圧力ラインLを前側操作パネル14に設けたモニタ33に表示するように構成する。
そのため、目視により旋回圧力の圧力ラインLを認識でき、操作性を向上させ、誤操作が防止できる。
35はモニタ33のウインカ表示部、36は前進・後進表示部、37はハイビーム表示部、38はロービーム表示部、39はホーン表示部、40はアラームランプ、41は液晶表示部である。
【0012】
しかして、操向操作具15による旋回操作では、傾倒角度により旋回半径を変更させ、倒す角度が急になると旋回半径が小になり、この場合、操向操作具15の傾倒角度は同じでも例えば路上走行と湿田圃場の走行とでは、旋回半径が相違するように予め設定してあるが、このように湿田モードを設けて旋回半径を設定した場合でも、圃場の軟弱程度に程度差がある。
そこで、湿田圃場の走行を想定した湿田モードの場合であっても、更に、操向操作具15の操作による旋回圧力を3段階に変更可能に構成している(図11)。
【0013】
即ち、操向操作具15を最大に傾倒させた旋回半径が小の場合の湿田モードの「強」と、旋回半径が中の場合の「中」と、旋回半径が大の場合の「弱」の三段の旋回力の中から、選択する選択式に構成している。
そのため、湿田の軟弱レベルの把握が容易になり、操作性を向上させる。
また、前記旋回力の切替スイッチ45は前記操向操作具15に設けると、リニヤに走行中でも切替操作が可能となり、操作性を向上させ、好適である。
【0014】
また、切替スイッチ45により選択した旋回圧力の圧力ラインLをモニタ33の液晶表示部41に表示すると、一層、操作性を向上させて、好適である(図12)。
実施例では、切替スイッチ45を押すごとに「強」、「中」、「弱」に切り替わるようにしている。
【0015】
しかして、図13〜図18は前記操向操作具15にナローガイド50の張出・格納させるスイッチ51を設けた実施例である。
そのため、操向操作具15から手を離さずにスイッチ51を操作でき、特に、圃場の出入りに際して斜面走行中に、ナローガイド50の張出・格納操作をすることができ、操作性を極めて向上させられる。
即ち、圃場に入る直前にナローガイド50を張り出すことができ、刈取を円滑に行える。
【0016】
また、操向操作具15に設けることで、前側操作パネル14にスイッチ51を設けるより回線(ハーネス)を省略できる。
図15、図16は、前記ナローガイド50の張出・格納させる作動手段52の一例を示し、ナローガイド50に作動杆53の一端を接続し、作動杆53の他端は台形オス螺子54に取付ける。55は台形メス螺子、56〜58は平ギヤ、59はピニオン、60はジャバラである。
【0017】
しかして、図19〜図21は刈取部4に設けた引起装置の引起ラグの搬送(引起)速度を変速させる引起変速スイッチ61を前記操向操作具15に設けた実施例である。
そのため、操向操作具15から手を離さずに引起変速スイッチ61を操作でき、特に、圃場の出入りに際して斜面走行中に、引起装置の引起ラグの変速操作することができ、操作性を極めて向上させられる。
また、他の扱き深さスイッチ等と操向操作具15内でアース線をジョイントすることで、メインハーネス側のアース端子を個別に設けることを省略できる。
【0018】
しかして、図22〜図26の前側操作パネル14は、前側操作パネル14の上部をえぐって空間部65を形成したものである。
前側操作パネル14に空間部65を形成しているので、前方視界が広くなり、特に、汎用コンバインではリールがよく見える。また、空間部65より手を差し出し、注油コックや引起装置のカバーの詰まり藁屑の除去などを行え、作業性を向上させられる。
【0019】
しかして、前記空間部65は、前側操作パネル14の上部に左右方向の棒形状のパネル部66の下方に形成する。パネル部66の主として下面側の一部はアルミ鋳物等の金属カバー67により外周を被覆し、パネル部46の主として上面側は合成樹脂68により形成している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】操縦部の平面図。
【図3】操向操作レバーのケースの正面図。
【図4】同側面図。
【図5】操向操作レバーのケースの正面図。
【図6】同側面図。
【図7】操向操作レバーのケースにボリュームスイッチを設けた実施例のの正面図。
【図8】ボリュームスイッチを設けた部分の側面図。
【図9】モニタの正面図。
【図10】操向操作レバーの斜視図。
【図11】ブレーキ圧力と操向操作レバーの操作量を示す説明図。
【図12】モニタの他の実施例の正面図。
【図13】操向操作レバーの他の実施例の正面図。
【図14】同側面図。
【図15】ナローガイドの作動機構の断面図。
【図16】ナローガイドの作動機構の格納状態断面図。
【図17】ナローガイドの張出状態平面図。
【図18】ナローガイドの格納状態平面図。
【図19】他の実施例の操縦部の平面図。
【図20】主変速レバーの正面図。
【図21】同側面図。
【図22】他の実施例の操縦部の側面図。
【図23】同正面図。
【図24】同正面図。
【図25】同側面図。
【図26】同平面図。
【符号の説明】
【0021】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部、5…グレンタンク、6…操縦部、10…運転座席、11…ステップ、12…乗降口、14…前側操作パネル、13…側部操作パネル、15…操向操作具、16…ケース、20…第一横軸、21…プレート、22…ブラケット、23…ステイ、24…第二横軸、25…リリーフバルブ、27…スイッチ、30…ポテンショメータ、32…旋回半径変更手段、33…モニタ、35…ウインカ表示部、36…前進・後進表示部、37…ハイビーム表示部、38…ロービーム表示部、39…ホーン表示部、40…アラームランプ、41…液晶表示部、45…切替スイッチ、50…ナローガイド、51…スイッチ、52…作動手段、53…作動杆、54…台形オス螺子、61…引起変速スイッチ、65…空間部、66…パネル部、67…金属カバー、68…合成樹脂カバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のクローラにより走行装置(2)を構成し、該走行装置(2)は、機体の操縦部(6)に設けた操向操作具(15)により旋回するように構成すると共に、該操向操作具(15)は、油圧機構(Y)またはセンサー機構(S)の何れかにより前記走行装置(2)に操作情報を伝達して操向操作しうるように構成すると共に、前記操縦部(6)に設けた共通のケース(16)に、油圧機構(Y)またはセンサー機構(S)のどちらでも内蔵しうるように構成した作業機の操縦部。
【請求項2】
請求項1において、前記ケース(16)には、前記操向操作具(15)の傾倒操作角度に対する旋回半径を任意に変更調節しうる旋回半径変更手段(32)を設けた作業機の操縦部。
【請求項1】
左右一対のクローラにより走行装置(2)を構成し、該走行装置(2)は、機体の操縦部(6)に設けた操向操作具(15)により旋回するように構成すると共に、該操向操作具(15)は、油圧機構(Y)またはセンサー機構(S)の何れかにより前記走行装置(2)に操作情報を伝達して操向操作しうるように構成すると共に、前記操縦部(6)に設けた共通のケース(16)に、油圧機構(Y)またはセンサー機構(S)のどちらでも内蔵しうるように構成した作業機の操縦部。
【請求項2】
請求項1において、前記ケース(16)には、前記操向操作具(15)の傾倒操作角度に対する旋回半径を任意に変更調節しうる旋回半径変更手段(32)を設けた作業機の操縦部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2006−232101(P2006−232101A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−49814(P2005−49814)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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