説明

保管庫、保管庫セット及び保管庫付き搬送システム

【課題】半導体素子製造用の各種基板を収容する荷を一時的に保管する保管庫において、簡単な構成により効率良く荷を出入庫或いは保管庫内搬送する。
【解決手段】搬送車2との間で荷3の出入庫が行われる保管庫10は、荷を搬送車から又は搬送車へ移載可能であるポートと、荷を収容又は載置可能な複数の棚部分15と、荷を、複数の棚部分及びポート間並びに複数の棚部分の相互間で移動可能な駆動手段と、複数の棚部分からポートへ荷を移動させる場合、先ず、複数の棚部分のうちの一つである仮出庫用棚部分へ移動させ、仮出庫用棚部分に一旦収容又は載置した後に、仮出庫用棚部分から荷をポートへ移動させるように駆動手段を制御する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体素子製造用の各種基板を収容するFOUP(Front Open Unified Pod)等の荷を、軌道上で搬送する搬送システムにおいて、軌道に隣接した位置で荷を一時的に保管するストッカ(或いはスタッカ)等の保管庫、このような保管庫を複数組み合わせてなる保管庫セット、及び前記保管庫を具備してなる保管庫付き搬送システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の保管庫は、例えばビークル等の搬送車が走行する軌道に隣接して敷設され、保管庫内には、搬送車により搬送される荷を多数個保管するように多数の棚部分が設けられる。更に、このような保管庫内と搬送車との間における荷の受け渡し或いは出し入れ(即ち、出入庫)を行うための“ポート”と指定の棚部分との間における荷の搬送(即ち、保管庫内搬送)を行うための、ストッカロボット、ストッカクレーン等と称される保管庫内搬送装置が設けられる。特にストッカロボット等により、縦横無尽に広がる多数の棚部分を含む保管庫内における搬送が可能とされており、例えば数十個から数百個といった多数個の荷の出入庫及び保管が可能とされており、数トンから十数トン級の重さの大型保管庫も実用化されている(特許文献1及び2参照)。
【0003】
他方、この種の保管庫には、鉛直方向に多数段並べられた棚部分の脇に沿って昇降可能な昇降台上に直接、天井吊り下げ型の搬送車から荷が移載される比較的小型の保管庫もある。この保管庫では、出庫の際には、昇降台上から直接、荷が搬送車へと移載される(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−049454号公報
【特許文献2】特開2003−182815号公報
【特許文献3】特開2004−238191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1及び2記載の保管庫によれば、空荷の搬送車がポートに到着してから、出庫すべき荷を保管されていた棚部分からポートへ保管庫内搬送すると、特に、棚部分の位置によっては、保管庫内搬送に時間がかかってしまう。かといって、予め出庫すべき荷をポートに予め載置しておく場合、到着する搬送車が空荷であればよいが、荷を搬送している可能性がある。すると、出庫すべき荷がポートに置かれていることが、搬送車からポートへ荷を移載する際の邪魔になってしまう。仮に、このような不都合を避けるために搬送車の荷の移載について詳細なスケジュールを組んで、全体制御することも理論上は可能であるものの、複雑に入り組んだ軌道上を高速走行する多数の搬送車、多数の荷、軌道やポート或いはストッカロボットにおける使用状態(特に、混雑状態や渋滞)等がパラメータとして深く関係するので、実際上の制御は困難を極めるという技術的課題がある。
【0006】
他方、上述した特許文献3記載の保管庫によれば、昇降台そのものが出入庫用のポートとなり、入庫の際に搬送車から吊り下げて昇降台上まで位置決めしつつ荷を下ろす或いは出庫の際に搬送車により昇降台上から吊り上げるのに時間がかかる。特に、昇降台が上方にある受け渡し位置になければ、昇降台をその位置まで移動させる時間がかかり、下方にある昇降台で受け渡しするのも困難である。そして特に、このように時間のかかる出入庫作業中により昇降台は独占使用されるので、昇降台を使って他の荷を保管庫内搬送することは不可能であるという技術的問題点がある。
【0007】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、簡単な構成により効率良く荷を出入庫すること或いは効率良く保管庫内搬送することを可能ならしめる保管庫、このような保管庫を複数組み合わせてなる保管庫セット、及び前記保管庫を備える保管庫付き搬送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の保管庫は上記課題を解決するために、搬送車との間で荷の出入庫が行われる保管庫であって、前記荷を前記搬送車から又は前記搬送車へ移載可能であるポートと、前記荷を収容又は載置可能な複数の棚部分と、前記荷を、前記複数の棚部分及び前記ポート間並びに前記複数の棚部分の相互間で移動可能な駆動手段と、前記複数の棚部分から前記ポートへ前記荷を移動させる場合には、先ず、前記複数の棚部分のうちの一つである仮出庫用棚部分へ移動させ、該仮出庫用棚部分に一旦収容又は載置した後に、前記仮出庫用棚部分から前記荷を前記ポートへ移動させるように前記駆動手段を制御する制御手段とを備える。
【0009】
本発明の保管庫によれば、入庫時には、荷は、例えば軌道上を走行する搬送車によりポートまで搬送される。そこで、荷は、停止した搬送車から、保管庫のポートへ移載される。すると、荷は、ポートから、例えば鉛直駆動部及び水平駆動部を備える駆動手段によって所望の棚部分へと移動される。即ち、保管庫内搬送される。
【0010】
出庫時には、出庫すべき荷が、複数或いは多数の棚部分のうち所望の棚部分から、駆動手段によって保管庫内搬送される。
【0011】
ここで伝統的なストッカによれば、荷が棚からストッカロボット等によりポートまで保管庫内搬送された直後に、空荷の搬送車が呼び込まれ、呼び込まれた空荷の搬送車に対して、荷がポートにて移載される。或いは、ポートに到着した空荷の搬送車を待たせておき、荷は、保管庫内搬送されて直ぐにポートにて移載される。前者の場合、ポートに荷が置かれた後に、このポートへ荷を移載しようとする搬送車が到来してしまうと、搬送計画の変更を余儀なくされる。後者の場合、保管庫内搬送の時間中、搬送車はポートで待つこととなり、特に、大型のストッカであって保管庫内搬送の距離が長い場合には、搬送車に移載するまでの時間が顕著に長くなってしまう。他方、保管庫内搬送を行う昇降台がそのままポートとされる簡易構成のストッカの場合には、移載期間中に保管庫内搬送は不可能となってしまう。
【0012】
しかるに本発明によれば、棚部分からポートへ荷を保管庫内搬送する場合には、先ず、制御手段による制御下で、駆動手段によって、この荷は、複数の棚部分のうちの一つである仮出庫用棚部分へ移動させられ、仮出庫用棚部分に一旦収容又は載置される。従って、この時点では、仮出庫用棚部分へ移動された荷によりポートが占有されることはない。即ち、この時点では、ポートは空であり入庫可能な状態にある可能性も高い。続いて、典型的には空のポートに空荷の搬送車が到着した場合、又は、搬送車からポートへの移載及び駆動手段によるその保管庫内搬送が行われたことでポートが空となると共に移載により空荷となった搬送車がポートにて待機している場合、駆動手段によって、仮出庫用棚部分に一旦収容又は保管されていた荷は、仮出庫用棚部分からポートへ移動させられる。すると、ポートにて当該保管庫から荷の搬送車への移載が行われる。
【0013】
このようにポートと仮出庫用棚部分とは別物であるので、ポートにおける移載作業と駆動手段による仮出庫用棚部分への保管庫内搬送作業とは並行に実行可能となるので、移載作業と保管庫内搬送作業とを総合した作業効率が顕著に向上する。勿論、例えば昇降台をポートとして利用する場合と異なり、本発明では、ポートと駆動手段とも別物であるので、ポートにおける移載作業中に、駆動手段による仮出庫用棚部分と無関係の保管庫内搬送作業(例えば、移載作業中に、保管庫内における任意の棚部分間での保管庫内搬送など)を実行可能である。
【0014】
尚、このようなポートにおける搬送車への移載に先立っての仮出庫用棚部分への保管庫内搬送は、全ての荷について或いは全ての状況において実行されてもよい。この場合、ポートへの搬送及び仮出庫用棚部分への保管庫内搬送の制御が簡単で済む。或いは、仮出庫用棚部分への保管庫内搬送は、一部の荷(例えば、保管庫内においてポートから相対的に遠方にある棚部分)について或いは条件付で(例えば、ポートが他の荷の入庫用に使用される見込みがないという条件付などで)、実行されてもよい。この場合、制御が多少複雑化するものの、移載作業及び保管庫内搬送作業の総合的な効率をより高めることも可能である。
【0015】
以上のように、本発明の保管庫によれば、簡単な構成により効率良く荷を出入庫すること或いは効率良く保管庫内搬送することが可能となる。
【0016】
本発明の保管庫の一態様では、前記仮出庫用棚部分は、前記複数の棚部分のうち前記ポートまで前記荷を移動させる時間が相対的に短時間であるものとして設定されている。
【0017】
この態様によれば、仮出庫用棚部分からポートへの保管庫内搬送にかかる時間を短縮でき、移載作業及び保管庫内搬送作業の全体の効率を一層高められる。ここに「相対的に短時間」とは、少なくともポートへの保管庫内搬送に先立って当該仮出庫用棚部分への保管庫内搬送が行われる対象となっている棚部分と比べて短時間という意味である。理想的には、荷をポートまで移動させるのにかかる時間が最も短時間のものであるが、このような最も短時間のものの付近であってもよい趣旨である。全棚部分についての仮出庫用棚部分への移動にかかる平均時間よりも短時間であれば、本発明による相応の効果は得られる。
【0018】
本発明の保管庫の他の態様では、前記制御手段は、前記搬送車が前記荷を搬送しない状態で前記ポートに到着した若しくは到着する場合又は前記搬送車が前記荷を搬送しない状態で前記ポートで待機している場合に、前記仮出庫用棚部分から前記荷を前記ポートへ移動させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の保管庫。
【0019】
この態様によれば、制御手段による制御下で、駆動手段によって、仮出庫用棚部分に一旦収容又は保管されていた荷は、搬送車が荷を搬送しない状態でポートに到着した若しくは到着する場合に、ポートへと移動させられる。ここに「到着した」とは、到着が検出された後にという意味であり、「到着する」とは、事前に到着が予測若しくは推定される又は計画されているという意味である。或いは、仮出庫用棚部分に一旦収容又は保管されていた荷は、搬送車が荷を搬送しない状態でポートで待機している場合に、ポートへと移動させられる。ここに「搬送車が荷を搬送しない状態」とは、空荷のまま到着した状態の他ほか、荷をポートへ移載したことによって空荷になった状態も含む意味である。このように、仮出庫用棚部分から、ポートまで荷を搬送すれば、即時に搬送車への移載が可能となるタイミングにて、仮出庫用棚部分からポートへの保管庫搬送が実行される。よって、ポートが、仮出庫用棚部分から保管庫搬送された荷によって占有される時間或いは時間比率を、極力抑えることができる。
【0020】
本発明の保管庫又は他の保管庫の他の態様では、前記駆動手段は、前記荷をその底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、前記載置部を水平一方向に往復移動可能な水平駆動部と、前記載置部を鉛直方向に往復移動可能な鉛直駆動部とを備え、前記複数の棚部分は、前記鉛直方向に複数段に渡って段毎に、前記水平駆動部により到達可能な水平位置に一又は複数設けられると共に、前記第1載置面との間で前記荷を相互に移載可能に構成されている第2載置面を夫々有し、前記複数の棚部分の少なくとも一つが、前記ポートとして機能し、前記仮出庫用棚部分は、前記ポートと同じ段にある棚部分である。
【0021】
この態様によれば、棚は、棚部分を、鉛直方向に複数段に渡って段毎に水平一方向に一又は複数有し、駆動手段は、このような棚に対応して、荷を水平一方向に往復移動可能であると共に鉛直方向に往復移動可能である。従って、鉛直方向及び水平一方向という二軸運動によって、出入庫用のポート(又は他の棚部分)から、複数存在する棚部分のうち所望の棚部分へと、荷を保管庫内搬送可能となる。或いは、鉛直方向及び水平一方向という二軸運動によって、複数存在する棚部分のうち所望の棚部分から出入庫用のポート(又は他の棚部分)へと、荷を保管庫内搬送可能となる。
【0022】
個々の保管庫について言えば、例えば、棚は、鉛直方向にm(但し、mは2以上の自然数)段、水平一方向にn(但し、nは1以上の自然数)列、且つこれに垂直である残る水平一方向(以下、単に「厚み方向」と称する)には1列のみといった具合に、薄い平板形状となるように、全体の骨格が構成される。
【0023】
入庫時には、例えば、搬送車から出入庫用のポートとして機能する第2載置面上に荷が移載される。続いて、ポートとして機能する第2載置面上に移載された荷は、2軸方向に移動可能な載置部の第1載置面に載置される。例えば、第1及び第2載置面は、荷の底面における相異なる部分(典型的には、中央寄り部分と周辺寄り部分)を支持するように構成されており、どちらか一方で荷を支持することが可能である。載置部が、ポートとして機能する第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動された際に、ポートとして機能する第2載置面に代わって、第1載置面で支持することで、第2載置面から第1載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より高くなるまで移動されることで、荷は、第1載置面によって支持されることとなる。これにより、入庫時における保管庫内搬送が開始される。ここでは、鉛直駆動部及び水平駆動部による簡単な2軸動作によって、棚におけるいずれの第2載置面にも迅速に保管庫内搬送が可能である。
【0024】
続いて、載置部が、保管に使用しようとする第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動された際には、第1載置面に代わって、第2載置面で支持することで、第1載置面から第2載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より低くなるまで移動されることで、荷は、第2載置面によって支持されることとなる。これにより、入庫時における保管庫内搬送が終了され、棚での保管が開始される。
【0025】
以上の入庫時の動作は、ポートから仮出庫用棚部分を含む全ての棚部分への保管庫内搬送の場合にも、同様に実行される。
【0026】
他方、出庫時には、載置部が、出庫しようとする荷が載置されている第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動される。続いて、第2載置面に代わって、第1載置面で支持することで、第2載置面から第1載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より高くなるまで移動されることで、荷は、第1載置面によって支持されることとなる。これにより、出庫時における保管庫内搬送が開始される。続いて、載置部が、ポートとして機能する第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動される。ここでは、鉛直駆動部及び水平駆動部による簡単な2軸動作によって、いずれの第2載置面からでも迅速に保管庫内搬送が可能である。
【0027】
続いて、第1載置面に代わってポートとして機能する第2載置面で支持することで、第1載置面からポートとして機能する第2載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より低くなるまで移動されることで、荷は、第2載置面によって支持されることとなる。これにより出庫時における保管庫内搬送が終了され、ポートから搬送車への移載が可能な状態となる。
【0028】
以上の出庫時の動作は、仮出庫用棚部分からポートへの保管庫内搬送の場合でも、仮出庫用棚部分でない普通の棚部分からポートへの保管庫内搬送の場合でも、仮出庫用棚部分でない普通の棚部分から仮出庫用棚部分への保管庫内搬送の場合でも、同様に実行される。
【0029】
その後、既に出入庫用のポートに対面する軌道上位置にて待機していた又は次にこの位置に到着する搬送車によって、このポートから搬送車への移載が行われる。
【0030】
ここで特に、仮出庫用棚部分は、ポートと同じ段にある棚部分であるので、仮出庫用棚部分からポートへの荷の移動は、水平駆動部による水平一方向の移動によって、単純且つ迅速に実行可能となる。従って、2軸方向に動く載置部により、仮出庫の作業が、極めて効率的に行われることとなる。
【0031】
以上の結果、駆動手段により2軸方向に動く載置部という比較的簡単な構成及び簡単な制御によって、仮出庫用棚部分からポートへの保管庫内搬送(即ち、仮出庫或いは仮出庫作業)及びポートから全ての棚部分への保管庫内搬送を極めて効率的に実行できる。しかも、搬送車及びポート間で移載を行っている最中に、駆動手段による保管庫内搬送も可能となるので、保管庫内における搬送効率についても飛躍的に向上される。
【0032】
尚、典型的には、同じ段に二つある棚部分の一方がポートとされ、他方が仮出庫用棚部分とされる。或いは、同じ段に三つある棚部分の一つがポートとされ、残りの二つが仮出庫用棚部分とされてもよい。すると、水平駆動部の単純且つ迅速なる水平一方向の移動によって、仮出庫用棚部分とポートとの間の移動が可能となる。
【0033】
本発明の保管庫セットは上記課題を解決するために、上述した本発明に係る保管庫又は他の保管庫(但し、それらの各種態様を含む)の複数が組み合わされてなり、前記複数の保管庫は、前記ポートが一列に並ぶように配列されている。
【0034】
本発明の保管庫セットによれば、上述した本発明に係る保管庫又は他の保管庫(但し、それらの各種態様を含む)を有するので、簡単な構成により効率良く荷を出入庫すること或いは効率良く保管庫内搬送することが可能となる。
【0035】
しかも、工場内に敷設された軌道に沿った方向における各種装置等間の隙間に合わせた数だけ保管庫を組み合わせることが可能となり、実用上極めて便利である。言い換えれば、軌道に沿って敷設される装置等間の隙間が大きい設計でも、小さい設計でも、本発明の保管庫セットを利用すれば、十二分に許容範囲となり得る。しかも、個々の保管庫内における保管庫内搬送は、上述の如く厚み方向には薄く広がる、即ち複数段に渡って且つ各段に複数ある棚部分を有する棚に対する、二軸方向の運動によって、極めて効率的に行われる。
【0036】
本発明の保管庫付き搬送システムは上記課題を解決するために、上述した本発明に係る保管庫又は他の保管庫(但し、それらの各種態様を含む)と、前記搬送車と、前記搬送車が走行する軌道とを備える。
【0037】
本発明の保管庫付き搬送システムによれば、上述した本発明に係る保管庫を有するので、簡単な構成により効率良く荷を出入庫すること或いは効率良く保管庫内搬送することが可能となる。
【0038】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0040】
<第1実施形態>
【0041】
先ず、第1実施形態に係る保管庫の構成について図1から図3を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る保管庫を備える搬送システムの外観を示す斜視図であり、図2は、図1の保管庫の内部構造を模式的に示す断面図であり、図3は、第1実施形態に係る第1及び第2載置面の、荷に対する係合状態を示す断面図である。
【0042】
図1において、搬送システム100は、レール1、搬送車2、ストッカ10、及びコントローラ20を備える。搬送システム100は、搬送車2を駆動して、レール1上でFOUP3の搬送を行う。レール1は、本発明に係る「軌道」の一例として、搬送車2が走行するための軌道の役割を果たす。
【0043】
搬送車2は、例えばリニアモータにより駆動されるOHT(Overhead Hoist Transport)(天井走行車)であり、ストッカ10や図示しない製造装置、OHTバッファ、大型ストッカ等に、FOUP3を搬送する。搬送車2は、内部に、鉛直方向に移動するホイスト2aを有している。
【0044】
ホイスト2aは、搬送時に、搬送されるFOUP3のフランジ4を、例えば挟持機構により保持する。ホイスト2aは、搬送車2の本体に備えられた、例えば巻き取りベルト及び巻き出しベルト等の昇降機構により、レール1の下方にて鉛直方向に昇降可能に構成されている。ホイスト2aは、ストッカ10との間でFOUP3の出庫又は入庫を行う際に、ストッカ10の出入庫用のポートの上方位置まで移動し、更にポートまで下降した位置にて、フランジ4を保持又は解放する。この下降した位置では、FOUP3の底面が後述の第2載置面(即ちポートの床面)に接触する。
【0045】
図1及び図2に示すように、FOUP3は、本発明に係る「荷」の一例として、ストッカ10内で、搬送車2に対する出入庫、及び保管位置の調整等のために搬送(即ち保管内搬送)される。
【0046】
図3に示すように、FOUP3は、底面に、凹部5及び凹部6を有している。凹部5は、後述の棚15に設けられた凸部16に対応するサイズに形成されている。一方、凹部6は、後述の載置部11に設けられた凸部12に対応するサイズに形成されている。
【0047】
再び図1において、コントローラ20は、例えば半導体素子製造の工程スケジュールに基づいて、搬送車2及びストッカ10に対して、FOUP3の搬送及び出入庫(保管庫内搬送を含む)を指示する。この指示に応答して、搬送車2及びストッカ10が駆動され、搬送車2に搬送されるFOUP3に各種処理が施されることで、半導体素子が製造される。
【0048】
(保管庫単体)
【0049】
ストッカ10は、本発明に係る「保管庫」の一例として、レール1に隣接して敷設され、FOUP3を複数保管する。
【0050】
図2において、ストッカ10は、載置部11、水平駆動部13、及び鉛直駆動部14から構成される保管庫内搬送装置、並びに複数の棚15を備える。保管庫内搬送装置は、複数の棚15の間でFOUP3を移載する。この移載により、FOUP3が複数の棚15のうち特定の棚(即ち、保管用棚)に載置されることで、FOUP3がストッカ10内に保管される。或いは、後に詳述するように、出入庫用のポートとして機能する棚15まで移載される。
【0051】
載置部11は、本発明に係る「駆動手段」の一例として、複数の棚15の間でFOUP3を移載するために、水平駆動部13により水平一方向に、且つ鉛直駆動部14により鉛直方向に移動される。載置部11は、上面に第1載置面11aを有している。第1載置面11aは、移載時に、FOUP3の底面に接触し、FOUP3をその底側から支持する。第1載置面11aには、支持部材として、凸部12が形成されている。図3(b)に示すように、凸部12は、FOUP3の凹部6に対応するサイズに形成されており、移載時に、この凹部6に係合される。
【0052】
再び図2において、水平駆動部13は、本発明に係る「駆動手段」の一例として、例えば図示しないモータにより、水平一方向に延びる水平ガイド17上で、駆動される。水平駆動部13は、載置部11と連結されており、載置部11を水平ガイド17に沿って、水平一方向D1に往復移動させる。
【0053】
鉛直駆動部14は、本発明に係る「駆動手段」の一例として、例えば図示しないモータにより、鉛直方向に延びる鉛直ガイド18上で、駆動される。鉛直駆動部14には、水平ガイド17の中央部が固定されている。鉛直駆動部14は、この水平ガイド17を鉛直ガイド18に沿って、鉛直方向D2に往復移動させる。この往復移動時に、載置部11は、水平ガイド17の中央部に位置する。このように、載置部11は、水平駆動部13及び鉛直駆動部14により、鉛直方向及び水平一方向の2軸方向に移動される。
【0054】
複数の棚15は、鉛直方向に7段、水平一方向に2列、且つ厚み方向に1列として、合計14個の棚から構成されており、これら14個の棚15の間を載置部11が移動することで、FOUP3の移載が行われる。各棚15は、上面に第2載置面15aを有しており、この第2載置面15aに、FOUP3が載置される。第2載置面15aには、支持部材として、凸部16が形成されている。図3(a)に示すように、凸部16は、FOUP3の凹部5に対応するサイズに形成されており、載置(保管)時に、この凹部5に係合される。
【0055】
再び図2において、14個の棚15のうち1つの棚(言い換えれば、これが有する第2載置面15a)は、搬送車2との間でFOUP3を受け渡しするための、出入庫用のポートとして機能する。ポートに設定される棚15は、最上段に存在する2つの棚のうち一方の棚(図2では、二点鎖線で示されるエリアP1に位置する棚)であり、この上方及び側方に位置するストッカ本体10aは、FOUP3が出入庫可能に開放されている。
【0056】
尚、ポートに設定される棚15だけでなく、この棚15に加えて、エリアP1に移動される載置部11を、ポートとして機能させてもよいし、この載置部11のみを、ポートとして機能させてもよい。この場合、エリアP1に棚15を設置せずに、FOUP3を載置していない載置部11がエリアP1に配置されると、FOUP3が搬送車2から直接入庫される。又は、FOUP3を載置している載置部11がエリアP1に配置されると、FOUP3が搬送車2に直接出庫される。
【0057】
ストッカ10の配置について、ポートに設定される棚15が、レール1の下方に配置される。具体的に、載置部11が移動される水平一方向の方位が、レール1の方位に対して直角に交わる。
【0058】
次に、本実施形態に係る第1及び第2載置面の形体について図4(a)を参照して説明する。ここに図4(a)は、本実施形態に係る載置部の水平一方向への動作状態を示す、平面図である。図4(a)は、具体的には、図2におけるA1−A1断面に相当しており、ストッカ10の最上段に設置される、2列の棚15(第2載置面15a)を示している。
【0059】
図4(a)に示すように、ストッカ10の上面側から視て、第2載置面15aは、馬蹄のようにU字形に形成され、第1載置面11aは、そのU字形の中央を埋める島のように四角形に形成されている。従って、第1及び第2載置面11a,15aは、相互に相補の平面形状を有している。このような第1及び第2載置面11a,15aの間で、FOUP3の移載が行われる。
【0060】
尚、図3及び図4(a)に示した例では、平面的に見て、第1載置面11aの方が、第2載置面15aの内側に位置しており、外径が小さい。しかしながら、逆に、第1載置面11aの方が、第2載置面15aの外側に位置しており、外径が大きくなるように両者は、構成されてもよい。この場合、図4(a)に示される第1及び第2載置面の形体の変形例として、図4(b)に示すように、例えばストッカ30の上面側から視て、第1載置面31aが馬蹄のようにU字形に形成され、第2載置面35aが、そのU字形の中央を埋める島のように四角形に形成されている。このように、上下左右に移動される第1載置面31aを大きくした方が、FOUP3を載置部31に載せての保管庫内搬送の際における安定性が増し、FOUP3の落下防止やガタツキ防止に役立つ。
【0061】
(保管庫内搬送動作)
【0062】
次に、本実施形態に係る保管庫内の荷の移載、即ち保管庫内搬送の動作について、引き続き図2から図4を参照して説明する。
【0063】
図2及び図4において、搬送車2により入庫され、エリアP1の第2載置面15aに載置されているFOUP3を、同段のもう1つの第2載置面15a(図2及び図4では、エリアP2で示される)に移載する。この場合に、先ず、エリアP3の第2載置面15aへのFOUP3の移載を終えた載置部11(図2では、破線で示される)が、エリアP1の第2載置面15aの直下に移動される。この際、載置部11が、水平駆動部13により水平ガイド17の略中央に移動された後、鉛直駆動部14により鉛直ガイド18に沿って所定の鉛直位置に移動される。この所定の鉛直位置は、エリアP1の第2載置面15aよりも下方である。この後、所定の鉛直位置にある載置部11が、水平駆動部13により水平ガイド17に沿って所定の水平位置(図2では、実線で示される)に移動される。図3(a)に示すように、この所定の水平位置は、FOUP3の凹部6の鉛直下方向に、載置部11の凸部12が存在する位置である。
【0064】
所定の鉛直位置且つ水平位置に移動された載置部11は、鉛直駆動部14により上昇される。この上昇により、第1載置面11aが第2載置部15aの中央を通過して、図3(b)に示すように、第2載置面15aよりも高くなる。この時、エリアP1における凹部5及び凸部16の係合が外れ、第2載置面15aに代わって、第1載置面11aでFOUP3が支持されると共に、載置部11の凸部12及びFOUP3の凹部6が相互に係合されることで、FOUP3が第2載置面15aから第1載置面11aへ移載される。
【0065】
FOUP3が移載された載置部11は、エリアP2の第2載置面15aの直上に移動される。この際、載置部11が、水平駆動部13により水平一方向の所定の水平位置に移動される。この所定の水平位置は、エリアP2の第2載置面15aの凸部16の鉛直上方向に、FOUP3の凹部5が存在する位置である。所定の水平位置に移動された載置部11は、鉛直駆動部14により下降される。この下降により、第1載置面11aがエリアP2の第2載置部15aの中央を通過して、図3(a)に示すように、第2載置面15aよりも低くなる。この時、エリアP2における凸部12及び凹部6の係合が外れ、第1載置面11aに代わって、第2載置面15aでFOUP3が支持されると共に、FOUP3の凹部5及び第2載置面15aの凸部16が相互に係合されることで、FOUP3が第1載置面11aから、エリアP2の第2載置面15aへ移載される。これにより、ポートに設定されるエリアP1から、エリアP2へのFOUP3の移載動作が完了される。尚、この移載工程を逆の順序で行えば、エリアP2からエリアP1への移載動作となる。従って、上述のポートを介する移載動作は、搬送車2及びストッカ10の間でのFOUP3の出入庫動作でもある。
【0066】
このように、本実施形態のストッカ10によれば、鉛直方向及び水平一方向に広がりを持ち、厚み方向については、FOUP3の一個分の厚みに水平駆動部13及び鉛直駆動部14に必要なスペースを含めて、極めて薄く構成される。このため、レール1に沿った比較的小さい隙間にも、配置可能である。また、2軸方向に移動する載置部11が、ポート及び搬送車2の間の出入庫時に不要であり、その出入庫作業の妨げとならないので、簡単な構成により効率良くFOUP3を出入庫すること或いは効率良く保管庫内搬送することが可能である。
【0067】
尚、本実施形態では、複数の棚15について、最上段の1つの棚15が出入庫用のポートに設定されるが、これを除いた複数の棚15のいずれかに、出庫直前のFOUP3を保管するための仮出庫用のポート等を設定してもよい。
【0068】
<第2実施形態>
【0069】
次に、本発明の第2実施形態として、第1実施形態に係る駆動手段を制御する制御手段について図5を参照して説明する。ここに図5は、第2実施形態に係る保管庫内搬送時の棚の設定を示す、図2と同趣旨の断面図であり、具体的に、第1実施形態で設定される出入庫用のポート(以下、「出入庫ポート」と称する)の他に、仮出庫用のポート(以下、「仮出庫ポート」と称する)の設定を示す。尚、図5に示される保管庫において、図2に示される保管庫と同等に構成される要素について、同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0070】
図5において、第1実施形態と同様に、複数の棚15のうち、エリアP1に位置する棚15が、出入庫ポートに設定される。本実施形態では特に、この出入庫ポートに設定される棚15を除いた複数の棚15のうち、1つの棚15が、仮出庫ポートに設定される。
【0071】
仮出庫ポートは、出庫予定のFOUP3が、出入庫ポート(エリアP1)に移載されるより前に、一旦保管(収容)する役割を果たす。仮出庫ポートには、出入庫ポートと同じ最上段の他方の棚15(図5では、エリアP2に位置する棚)が設定される。エリアP2に位置する仮出庫ポートから、エリアP1に位置する出入庫ポートまでの移載について、載置部11により、FOUP3は水平一方向のみに移動される。このため、その移載時間は、エリアP2より他に位置する棚15からエリアP1の出入庫ポートまでの移載時間と比較して、最短である。
【0072】
水平駆動部13及び鉛直駆動部14は、第1実施形態と同様に、コントローラ20により、制御される。コントローラ20は、出庫又は入庫の状況に応じて、複数の棚15のうち移載すべき棚15を選択し、選択された棚15への移載を行う。コントローラ20は、出庫時に、出入庫ポート及び仮出庫ポートを除いた複数の棚15(以後、「保管用棚」と称する)のいずれかに本保管(本収容)されているFOUP3を、仮出庫ポートの棚15(即ち、“エリアP2”)に移載するように、水平駆動部13及び鉛直駆動部14により載置部11を移動させる。この後、出入庫ポートに、出庫用の搬送車2が到着した場合に、仮出庫ポートの棚15から出入庫ポートに移載するように、載置部11を移動させる。
【0073】
(仮出庫用のポートが使用される保管庫内搬送動作)
【0074】
次に、第2実施形態に係る保管庫内搬送の動作処理のうち、仮出庫用のポートを用いて出庫を行う際の処理について、図6を参照して説明する。図6は、この処理を示すフローチャートである。
【0075】
図6において、先ず、コントローラ20により、ストッカ10に対して、出庫要求があるか否かが判定される(ステップS21)。この判定の結果、出庫要求がない場合に(ステップS21:NO)、出庫予定のFOUP3を、仮出庫ポートの棚15に移載するといった準備は、行われない。一方、出庫要求がある場合に(ステップS21:YES)、保管用棚15に載置されているFOUP3が、載置部11の移動により、第1載置面11aに移載される(ステップS22)。更に、FOUP3が載置された載置部11が、エリアP2に移動され、FOUP3が仮出庫ポートの棚15(即ち“エリアP2”)に移載(収容)される(ステップS23)。
【0076】
この後、出入庫ポートに到着される搬送車2が、入庫用又は出庫用の搬送車2であるかが判定される(ステップS24)。この判定の結果、到着した時点で空荷となっている出庫用の搬送車2である場合に(ステップS24:出庫用搬送車)、仮出庫ポートの棚15(即ち“エリアP2”)に収容されているFOUP3が、載置部11の移動により、第1載置面11aに移載される(ステップS27b)。更に、FOUP3が載置された載置部11が、エリアP1に移動され、FOUP3が出入庫ポート(即ち“本ポート”)に移載される(ステップS28b)。エリアP1に載置されたFOUP3は、出庫用の搬送車2により出庫される(ステップS29b)。
【0077】
一方、ステップS24における判定の結果、到着した時点で荷を積んでいる入庫用の搬送車2である場合に(ステップS24:入庫用搬送車)、入庫用の搬送車2により、FOUP3が入庫され、出入庫ポート(即ち“本ポート”)に載置される(ステップS25)。この直後に、出入庫ポートに載置されているFOUP3が、載置部11のエリアP5への移動により、保管用棚15(即ち“エリアP5”)に移載される(ステップS26)。この後、ステップS27bからS29bと同じ移載、移動及び移載動作が、空荷となった搬送車2に対して行われる(ステップS27a、S28a、S29a)。これらにより、搬送車2には出庫すべきFOUP3が移載される。
【0078】
尚、ステップS25における入庫の後に、空荷となった搬送車2は、仮出庫ポートにあるFOUP3を移載することなく、レール1上を空荷のまま、他の箇所に向けて走行してもよい。この場合、他の空荷の搬送車2が到着するのを又は到着した他の搬送車2が空荷になるのを待てばよい。
【0079】
このように、本実施形態のストッカ10によれば、出入庫ポートの他に、仮出庫ポートを設定するので、出入庫ポートにおける出入庫作業、及び駆動手段による仮出庫ポートに係る保管庫内搬送作業は並行に実行可能となる。従って、出入庫作業と保管庫内搬送作業とを総合した作業効率が顕著に向上する。
【0080】
尚、本実施形態では、最上段に位置する2つのエリアP1及びP2において、エリアP1が出入庫ポートとされ、エリアP2が仮出庫ポートとされるが、エリアP1が出庫用のポートとされ、エリアP2が入庫用のポートとされ、最上段以外のエリアが仮出庫ポートとされてもよい。加えて、本実施形態では、ストッカ10は、載置部11が移動される水平一方向の方位が、レール1の方位に対して直角に交わるように、配置されるが、水平一方向の方位が、レール1の方位と平行になるように、配置されてもよい。
【0081】
次に、保管庫の配置について図7を参照して説明する。ここに図7は、第1実施形態に係る保管庫の実用上の配置状態を示す平面図である。
【0082】
図7に示すように、保管庫は、例えば半導体素子製造工場等の工場内で、軌道に沿って設置された製造装置等の装置間の隙間に、配置される。ストッカ10の厚み方向の寸法は、製造装置9間の隙間に対応するように、設計されている。製造装置9間には、メンテナンス用のスペースS1が設けられている。このスペースS1に、ストッカ10を挿入することで、メンテナンス時を除いて無駄なスペースとも呼べるスペースS1を有効活用する。複数の製造装置9、及びこれら製造装置9間に配置されるストッカ10は、レール1に対して、載置部が移動される水平一方向が直角に交わるように、配置される。
【0083】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う保管庫、このような保管庫を複数組み合わせてなる保管庫セット、及び前記保管庫を具備してなる保管庫付き搬送システムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。例えば上述した実施形態において、移載時に、FOUPを底側から支持するような構成を例にとって説明したが、当該保管庫に対して、FOUPの頂部に設けられたフランジを支持又は保持するような構成を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1実施形態に係る保管庫を備える搬送システムの外観を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る保管庫の内部構造を示す断面図である。
【図3】第1実施形態に係る第1及び第2載置面の係合状態を示す断面図である。
【図4】実施形態に係る載置部の水平一方向への動作状態を示す平面図である。
【図5】第2実施形態に係る保管庫内搬送時の棚の設定を示す断面図である。
【図6】第2実施形態に係る保管庫内搬送の動作処理を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る保管庫の実用上の配置状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0085】
1…レール、2…搬送車(天井走行車)、3…FOUP(荷)、10…ストッカ(保管庫)、11…載置部(支持部)、13…水平駆動部、14…鉛直駆動部、15…棚、100…搬送システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送車との間で荷の出入庫が行われる保管庫であって、
前記荷を前記搬送車から又は前記搬送車へ移載可能であるポートと、
前記荷を収容又は載置可能な複数の棚部分と、
前記荷を、前記複数の棚部分及び前記ポート間並びに前記複数の棚部分の相互間で移動可能な駆動手段と、
前記複数の棚部分から前記ポートへ前記荷を移動させる場合、先ず、前記複数の棚部分のうちの一つである仮出庫用棚部分へ移動させ、該仮出庫用棚部分に一旦収容又は載置した後に、前記仮出庫用棚部分から前記荷を前記ポートへ移動させるように前記駆動手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする保管庫。
【請求項2】
前記仮出庫用棚部分は、前記複数の棚部分のうち前記ポートまで前記荷を移動させる時間が相対的に短時間であるものとして設定されていることを特徴とする請求項1に記載の保管庫。
【請求項3】
前記制御手段は、前記搬送車が前記荷を搬送しない状態で前記ポートに到着した若しくは到着する場合又は前記搬送車が前記荷を搬送しない状態で前記ポートで待機している場合に、前記仮出庫用棚部分から前記荷を前記ポートへ移動させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の保管庫。
【請求項4】
前記駆動手段は、
前記荷をその底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、
前記載置部を水平一方向に往復移動可能な水平駆動部と、
前記載置部を鉛直方向に往復移動可能な鉛直駆動部と
を備え、
前記複数の棚部分は、前記鉛直方向に複数段に渡って段毎に、前記水平駆動部により到達可能な水平位置に一又は複数設けられると共に、前記第1載置面との間で前記荷を相互に移載可能に構成されている第2載置面を夫々有し、
前記複数の棚部分の少なくとも一つが、前記ポートとして機能し、
前記仮出庫用棚部分は、前記ポートと同じ段にある棚部分であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の保管庫。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の保管庫の複数が組み合わされてなり、
前記複数の保管庫は、前記ポートが一列に並ぶように配列されている
ことを特徴とする保管庫セット。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の保管庫と、
前記搬送車と、
前記搬送車が走行する軌道と
を備えることを特徴とする保管庫付き搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−96611(P2009−96611A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271382(P2007−271382)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(302059274)アシスト テクノロジーズ ジャパン株式会社 (146)
【Fターム(参考)】