保護テープの剥離方法
【課題】ウェハの割れを抑制することが可能な保護テープの剥離方法を提供する。
【解決方法】ウェハ10の表面に貼着されている保護テープ11を、ウェハ10から剥離する方法は、保護テープ11が貼着されている面と反対側の面がステージに当接するように、ステージにウェハ10を固定する工程を備える。また、弾性を有し一定の幅を有する剥離テープ40を、保護テープ11の表面に貼り付ける工程を備える。また、ウェハ10に対して剥離テープ40を引っ張ることで保護テープ11をウェハ10から剥離する工程を備える。そして、保護テープ11を剥離する工程において、剥離テープ40を引っ張る方向が、ウェハ10の表面に垂直なへき開面に対して、垂直となる方向から±15°の範囲内とされる。
【解決方法】ウェハ10の表面に貼着されている保護テープ11を、ウェハ10から剥離する方法は、保護テープ11が貼着されている面と反対側の面がステージに当接するように、ステージにウェハ10を固定する工程を備える。また、弾性を有し一定の幅を有する剥離テープ40を、保護テープ11の表面に貼り付ける工程を備える。また、ウェハ10に対して剥離テープ40を引っ張ることで保護テープ11をウェハ10から剥離する工程を備える。そして、保護テープ11を剥離する工程において、剥離テープ40を引っ張る方向が、ウェハ10の表面に垂直なへき開面に対して、垂直となる方向から±15°の範囲内とされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体ウェハの表面に貼着されている保護テープを剥離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する工程のひとつに、表面に素子構造が形成された半導体ウェハの裏面を研磨して薄板化する工程や、裏面拡散層を形成する工程がある。これらの工程の際に素子構造を保護するために、ウェハの表面に保護テープが貼着される。ウェハ表面に貼着した保護テープは、これらの工程の終了後にウェハの表面から剥がす必要がある。保護テープをウェハから剥がすために、保護テープの除去装置が用いられる。例えば特許文献1に開示された除去装置では、半導体ウェハがテーブルに吸着固定される。そしてウェハの表面に貼着された保護テープの上面に剥離テープを貼着し、剥離テープを引っ張ることによって、剥離テープと一緒に保護テープをウェハから引き剥がす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−124146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体ウェハから保護テープを剥離する際に、テーブルに半導体ウェハを固定する力よりも保護テープから半導体ウェハに働く力が大きくなると、半導体ウェハがテーブルから上方へ浮き、2つ折りに半導体ウェハを折り曲げる作用が働く。すると、半導体ウェハが割れてしまうことがある。
【0005】
本願の技術は、上記の問題を解決するために創案された。すなわち本願は、半導体ウェハの表面に貼着されている保護テープを剥離する際に、半導体ウェハを割れにくくすることを可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される保護テープの剥離方法では、半導体ウェハの表面に貼着されている保護テープを、半導体ウェハから剥離する方法において、保護テープが貼着されている面と反対側の面がステージに当接するように、ステージに半導体ウェハを固定する工程と、弾性を有し一定の幅を有する剥離テープを保護テープの表面に貼り付ける工程と、半導体ウェハに対して剥離テープを引っ張ることで保護テープを半導体ウェハから剥離する工程と、を有している。そして、保護テープを剥離する工程において剥離テープを引っ張る方向が、半導体ウェハを平面視したときに、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となる方向から±15°の範囲内であることを特徴とする。
【0007】
半導体ウェハの材料である各種の単結晶は、へき開する性質を有している。例えば、シリコン単結晶では、原子間力が弱い{110}面および{111}面でへき開することが知られている。よって半導体ウェハでは、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面では、割れが進展しやすくなる。
【0008】
剥離テープを半導体ウェハに対して引っ張ると、剥離テープを引っ張る力が、剥離テープを介して、保護テープに働く。保護テープに働く力が半導体ウェハに伝達されることで、保護テープが半導体ウェハ表面から剥離される。半導体ウェハに伝達される力が、半導体ウェハをステージに固定する力よりも大きくなると、半導体ウェハがステージから上方へ浮き、折り曲げ線を軸として2つ折りに半導体ウェハを折り曲げる作用が働く。また折り曲げ線は、半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内方向に対して、垂直な方向に発生する。そして、折り曲げ線の方向と、へき開面の割れが進展する方向とが一致すると、半導体ウェハが割れやすくなる。以上より、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して、半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内での方向が直交すると、折り曲げ線の方向とへき界面の割れが進展する方向とが一致し、半導体ウェハが割れやすくなることが分かる。
【0009】
本願では、剥離テープは弾性を有するため、引っ張り時に剥離テープが伸びる。剥離テープが伸びると、剥離テープの幅が縮む作用が発生する。この影響によって、剥離テープを介して保護テープに働く力の方向は、剥離テープを引っ張る方向に対して、剥離テープの中心線へ向かう方向へずれる。すると、保護テープから半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内方向も、剥離テープを引っ張る方向に対して、剥離テープの中心線へ向かう方向へずれることになる。そして本願では、剥離テープを引っ張る方向が、半導体ウェハを平面視したときに、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となる方向から±15°の範囲内とされている。よって、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して、半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内での方向が、直交方向からずれる確率が高くなる。すなわち、半導体ウェハに伝達される力によって発生する折り曲げ線の方向が、へき界面の割れが進展する方向からずれる確率が高くなる。以上より、半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内方向を、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して直交しにくくすることができるため、半導体ウェハを割れにくくすることができる。
【0010】
また、本願に開示される保護テープの剥離方法では、半導体ウェハは、シリコン単結晶で、かつ、面方位が{100}面であり、保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハの結晶方位の<011>方向へ剥離テープを引っ張ることが好ましい。面方位が{100}面のシリコンウェハでは、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面の割れは、結晶方位の<011>方向に進展する。<011>方向は等価な方向の総称であるため、ウェハ表面上において、2つの方向を含んでいる。よって、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面の割れの進展方向は、2つ存在する。また、2つのへき開面の割れの進展方向は、互いに直交している。よって、剥離テープを<011>方向へ引っ張ることによって、一方のへき開面の割れ進展方向へ剥離テープを引っ張ると同時に、他方のへき開面の割れ進展方向に対して垂直な方向へ剥離テープを引っ張ることになる。これにより、剥離テープを引っ張る方向を、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となる方向とすることができる。
【0011】
また、本願に開示される保護テープの剥離方法では、剥離テープを保護テープの表面に貼り付ける工程では、剥離テープが半導体ウェハを横切るとともに、剥離テープの長手方向が半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となるように貼り付け、保護テープを剥離する工程では、剥離テープの長手方向へ引っ張ることが好ましい。これにより、剥離テープを貼り付ける方向によって、剥離テープを引っ張る方向を決めることができる。よって、剥離テープを引っ張る方向を精度よく決定することができる。
【0012】
また、本願に開示される保護テープの剥離方法では、保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハのノッチ位置を検出し、検出したノッチ位置を基準として半導体ウェハの表面に垂直なへき開面を決定することが好ましい。ノッチ位置は、半導体ウェハ表面の面方位に対して、予め定められた特定の結晶方位に位置するように形成されている。よって、ノッチの結晶方位が判明すれば、ノッチ位置を基準として、半導体ウェハ上でのへき開面を特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本願に開示される保護テープの剥離方法によれば、ウェハの割れを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ウェハの平面図である。
【図2】保護テープ剥離装置の概略構成図である。
【図3】ウェハの結晶方位を示す概念図である。
【図4】へき開面を示す図(その1)である。
【図5】へき開面を示す図(その2)である。
【図6】剥離テープが保護テープに貼着された状態を示す図である。
【図7】保護テープのはがれ始めの状態を示す図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線との関係を示す図(その1)である。
【図10】へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線との関係を示す図(その2)である。
【図11】SiCの結晶方位を示す概念図である。
【図12】ウェハの結晶方位を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。
(特徴1)半導体ウェハは、シリコン単結晶で、かつ、面方位が{100}面であり、保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハの結晶方位の<011>方向へ剥離テープを引っ張る。
(特徴2)半導体ウェハは、4HのポリタイプのSiCで、かつ、面方位が{0001}面であり、保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハの結晶方位の<110>または<1−10>方向へ剥離テープを引っ張る。
【実施例1】
【0016】
以下、実施例1を図1ないし図8を参照しながら説明する。図1に、本願に係る保護テープの剥離方法が適用されるウェハ10の平面図を示す。ウェハ10の表面には回路パターンが形成されているとともに、保護テープ11が貼着されている。またウェハ10の裏面が研磨されることで、ウェハ10は薄化されている。またウェハ10には、所定の結晶方位を表すノッチ12が形成されている。
【0017】
図2に、保護テープ剥離装置30の概略構成図を示す。保護テープ剥離装置30は、ウェハ10に貼着された保護テープ11を剥離するための装置である。保護テープ剥離装置30は、基台31、ステージ32、剥離テープ供給部33、ガイドローラ34、ガイド部35、剥離テープ巻取り部36、円筒軸37を備える。
【0018】
ステージ32の表面には多数のバキューム孔(不図示)が形成されている。ステージ32上に載置されたウェハ10の裏面側が、バキューム孔を介して吸着されることで、ウェハ10がステージ32上に固定される。また、ステージ32は円筒軸37を介して基台31に取り付けられている。円筒軸37には、モータ(不図示)が取り付けられている。ステージ32は、モータによって、ウェハ10の中心を通りウェハ10の表面に垂直な回転軸の周りに回転駆動する。
【0019】
ステージ32の上方には、光学センサ38が配置されている。光学センサ38は、ステージ32に載置されたウェハ10を撮影するカメラ(不図示)を備えている。光学センサ38は、載置されたウェハ10のノッチ12の位置を検出する。光学センサ38によってノッチ12の位置を検出することにより、ノッチ12が所定の向きとなるようにステージ32を回転させることができる。
【0020】
ガイドローラ34は、剥離テープ40をガイドする。またガイドローラ34は、位置P1から位置P2の範囲で、ウェハ10上を転がることが可能に構成されている。
【0021】
剥離テープ供給部33には、剥離テープ40が巻き取られた状態で保持されている。剥離テープ40は弾性を有しており、引っ張ることで伸びる性質を有している。また剥離テープ40は、一定の幅を有している。剥離テープ40は、ガイドローラ34、ガイド部35を経由して、剥離テープ巻取り部36で巻き取られる。剥離テープ40は、ステージ32と対向する側(図2のS1側)が接着面となっている。剥離テープ40の保護テープ11への接着強度は、保護テープ11のウェハ10への接着強度よりも高くされている。
【0022】
ウェハ10のへき開面について、図3ないし図5を用いて説明する。例として、ウェハ10がシリコン単結晶であり、面方位が(100)面である場合を説明する。また、ノッチ方位が[0−11]である場合を説明する。図3は、面方位が(100)面であるウェハ10の結晶方位を示す概念図である。ウェハ10のノッチ方位が[0−11]の場合には、ノッチ12の位置は、図3に示す位置になる。
【0023】
ウェハ10は、へき開面に沿ってウェハ割れが進展しやすい。またシリコン単結晶のウェハでは、原子間力が弱い{110}面および{111}面でへき開することが知られている。ここで{ }の括弧は、等価な方向をまとめて表現している。よって{110}面は、(110)、(101)、(011)、(−110)、(−101)、(0−11)、(1−10)、(10−1)、(01−1)、(−1−10)、(−10−1)、(0−1−1)、の等価な面を有している。
【0024】
ここで、ウェハ10の表面に垂直なへき開面に着目する。ウェハ10では、面方位が(100)面であるため、ウェハ10表面に垂直なへき開面は、図4に示す基本単位格子における第1へき開面CP1((011)面)と、図5に示す基本単位格子における第2へき開面CP2((0−11)面)の2つが挙げられる。すると図3に示すように、ウェハ10の表面では、第1へき開面CP1は、第1進展方向C1(結晶方位の[0−11]方向)に進展する。また第2へき開面CP2は、第2進展方向C2(結晶方位の[011]方向)に進展する。そして、第1へき開面CP1と第2へき開面CP2とは直交している。なお、結晶方位の[0−11]方向および[011]方向を総称して、<011>方向と表記することも可能である。
【0025】
次に、保護テープ剥離装置30の動作について説明する。まず、ステージ32にウェハ10を固定する工程を説明する。保護テープ11が貼付されたウェハ10が、手動または自動搬送装置により、ステージ32上に載置される。保護テープ11が貼着されている面と反対側の面がステージ32に当接するように載置される。次にウェハ10がステージ32に吸着固定される。モータが駆動されてステージ32が回転し、光学センサ38によりノッチ12が検出される。ノッチ12が検出されると、ノッチ12の位置を基準にしてステージ32を回転させることで、ウェハ10の回転角度が決定される。回転角度の決定方法の詳細内容については、後述する。
【0026】
次に、剥離テープ40を保護テープ11の表面に貼り付ける工程を説明する。剥離テープ40が、ガイドローラ34によって、剥離テープ供給部33から引き出される。そして、ガイドローラ34が位置P1から位置P2へ移動することで、剥離テープ40が、保護テープ11の表面に貼着される。剥離テープ40が保護テープ11に貼着された状態を、図2の矢印Y2の向きで観測した図を、図6に示す。図6に示すように、剥離テープ40が、ウェハ10を横切るように貼着される。
【0027】
ここで、剥離テープ40を保護テープ11に貼着する際の、ウェハ10の回転角度の決め方を説明する。剥離テープ40を剥離テープ巻取り部36で巻き取るため、引っ張り方向D1は、長手方向D2と一致する。よって、剥離テープ40を貼り付ける際の長手方向D2によって、剥離テープ40の引っ張り方向D1を決めることができる。
【0028】
そして本実施例では、引っ張り方向D1が、前述した第2へき開面CP2に対して、垂直となる方向から±15°の範囲内となるように、長手方向D2を決定する場合を説明する。ここで、ノッチ12の位置が判明すれば、図3の結晶方位の関係を用いて、第2へき開面CP2が判明する。よって図6に示すように、ノッチ方位[0−11]と長手方向D2とが一致するようにウェハ10を回転させることで、第2へき開面CP2に対して引っ張り方向D1を垂直にすることができる。
【0029】
なお、ウェハ10の回転角度は、図6に示す角度に限られない。図6の状態から180°回転させた場合においても、第2へき開面CP2に対して引っ張り方向D1を垂直にすることができる。また、図6の状態から90°または270°回転させた場合には、第1へき開面CP1に対して引っ張り方向D1を垂直にすることができる。
【0030】
次に、保護テープ11をウェハ10から剥離する工程を説明する。剥離テープ40が、剥離テープ巻取り部36によって巻き取られる。同時に、剥離テープ40の巻き取り量に応じて、ガイドローラ34が位置P2から位置P1へ向かって移動する。これにより、剥離テープ40を、図2に示す引っ張り方向D1へ引っ張ることができる。よって、保護テープ11をウェハ10から剥離することができる。
【0031】
保護テープ11の剥離時に、ウェハ10に割れが発生する作用を説明する。まず、ウェハ10に伝達される力の向きについて説明する。保護テープ11のはがれ始めの状態を、図2の矢印Y1の向きで観測した部分拡大図を、図7に示す。また図7でのVIII−VIII断面図を、図8に示す。図7において、剥離線L1を太線で示す。剥離線L1は、保護テープ11がウェハ10表面に貼着している部分と貼着していない部分との境界線である。剥離線L1では、剥離テープ40の端部40aと剥離線L1の交点である点P11aと、剥離テープ40の端部40bと剥離線L1の交点である点P11bが、剥離線L1の中心部40cよりも、ウェハ10の中心側に位置する。そして剥離線L1は、ウェハ10の外周側へ膨らむように、弧を描いた状態となる。これは、剥離テープ40が弾性を有するため、引っ張り時に剥離テープ40が伸びる影響により、主に剥離テープ40の端部40aおよび40bにより、保護テープ11を引っ張ることになるためである。よって、点P11aおよび点P11bの保護テープ11が、中心部40cよりも先に剥がれる。そして、剥離テープ40の弾性によって点P11aおよび点P11bに引っ張られるようにして、中心部40cの保護テープ11が剥がされる。
【0032】
ここで、保護テープ11からウェハ10に伝達される力に着目すると、点P11aに働く伝達力F1a、および、点P11bに働く伝達力F1bが、主な伝達力となる。また、伝達力F1aのウェハ10面内方向は、点P11aにおける剥離線L1の接線に対して、垂直な方向となる。同様に、伝達力F1bのウェハ10面内方向は、点P11bにおける剥離線L1の接線に対して、垂直な方向となる。よって図7に示すように、伝達力F1aおよびF1bのウェハ10面内方向は、剥離テープ40の引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線40Lに向かう方向へずれる。また図8に示すように、VIII−VIII断面での伝達力F1bの方向は、ウェハ10の上方へ向かう向きとなる。
【0033】
また、剥離テープ40が伸びると、剥離テープ40の幅W1が縮む作用が発生する。この影響によって、図7における伝達力F1aおよびF1bのウェハ10面内方向は、剥離テープ40の引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線40Lへ向かう方向へさらにずれる。
【0034】
以上より、伝達力F1aおよびF1bのウェハ10面内方向は、引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線40L方向へ大きく傾くことになる。本実施例では、伝達力F1aおよびF1bの方向は、引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線40L方向へ約45°程度傾いている。
【0035】
次に、ウェハ10に割れが発生する作用について説明する。ウェハ10に伝達される伝達力F1aおよびF1bが、ウェハ10をステージ32に吸着する力よりも大きくなると、図8の領域R1に示すように、ウェハ10がステージ32から上方へ浮く。そして、浮いた所と吸着している所との境目に折り曲げ線が形成され、この折り曲げ線を軸として、2つ折りにウェハ10を折り曲げる作用が働く。また折り曲げ線は、図7において、伝達力F1aおよびF1bに対して垂直な方向に発生する。
【0036】
比較例として、ノッチ方位が[001]のウェハ10aにおける、へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線との関係を、図9を用いて説明する。図9に示す剥離方法では、剥離テープ40の引っ張り方向D1が、へき開面CP2の垂直方向から45°ずれていると共に、へき開面CP1の垂直方向から45°ずれている方向とされている。また前述した通り、伝達力F1aおよびF1bは、引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線へ向かう方向へずれる。そして、伝達力F1aの垂直方向に折り曲げ線BLaが形成され、伝達力F1bの垂直方向に折り曲げ線BLbが形成される。すると、折り曲げ線BLaとへき開面の第1進展方向C1とが、平行に近づいている状態となる。また、折り曲げ線BLbとへき開面の第2進展方向C2とが、平行に近づいている状態となる。よって、ウェハ10aが割れやすい状態となる。
【0037】
本願の保護テープ11の剥離方法によって、ウェハの割れが防止できる効果について説明する。本願の剥離方法において、ノッチ方位が[0−11]のウェハ10を用いた場合における、へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線との関係を、図10を用いて説明する。本願の剥離方法では、剥離テープ40の引っ張り方向D1が、へき開面CP2に対して垂直となる方向とされている。また前述した通り、伝達力F1aおよびF1bは、引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線へ向かう方向へずれる。すると、折り曲げ線BLaに対して、へき開面の第1進展方向C1および第2進展方向C2の何れもが、平行に近づいていない状態となる。また、折り曲げ線BLbに対しても、へき開面の第1進展方向C1および第2進展方向C2の何れもが、平行に近づいていない状態となる。これにより、ウェハ10を割れにくい状態にすることができる。
【0038】
また、裏面研磨など、機械的方法でウェハ10を薄くする場合には、研削面やウェハ外周端部に、破砕層と呼ばれる微小な割れが形成される。破砕層が存在すると、破砕層を起点にウェハ10が割れやすくなる。よって、フッ硝酸によるエッチング、または、フッ素を含むガスプラズマによるエッチングを行うことで、研削面から破砕層を除去する処理が行われる。しかしながら、ウェハ10の外周端部では、破砕層を除去しきれずに破砕層が残留する場合がある。また、ステージ32に備えられるバキューム孔は、吸着時にエア漏れが発生しないように、ウェハ10の外周端部近傍の位置には配置されない。するとウェハ10外周端部での吸着力が弱くなるため、ウェハ10の外周端部の保護テープ11を剥離する際に、ウェハ端部が浮きやすくなる。以上より、ウェハ10の外周端部の保護テープ11を剥す場合である、保護テープ11の剥し始めにおいて、ウェハ10に割れが発生しやすい。よって、ウェハ10外周端部での割れの発生を防止するために、本願の保護テープ11の剥離方法は効果を発揮する。
【0039】
本願の保護テープ11の剥離方法を用いた実験例を説明する。表面側に半導体デバイスを形成したシリコンウェハを185(μm)まで裏面研磨した。その後、フッ硝酸で20(μm)エッチングして破砕層を除去し、ウェハ厚を165(μm)まで薄化した。そして、条件Aおよび条件Bで、それぞれ960枚のウェハの保護テープ剥離を行った。
【0040】
条件Aは、図10に示すように、ノッチ方位が[0−11]のウェハ10において、引っ張り方向D1をノッチ方位と同一とした条件である。図10に示すように、条件Aでは、第2へき開面CP2に対して引っ張り方向D1が垂直になる。すなわち、条件Aは、へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線とを平行になりにくくすることができるため、ウェハを割れにくくすることができる条件である。
【0041】
一方、条件Bは、図9に示すように、ノッチ方位が[001]のウェハ10aにおいて、引っ張り方向D1をノッチ方位と同一とした条件である。図9に示すように、条件Bでは、剥離テープ40の引っ張り方向D1が、へき開面CP1およびCP2の垂直方向から45°ずれている。すなわち、条件Bは、へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線とが平行に近づくため、ウェハが割れやすい条件である。
【0042】
実験の結果、条件Aではウェハ10の割れが発生しなかった(不良率0(%))。一方、条件Bでは、ウェハ10に6枚の割れが発生した(不良率0.6(%))。割れたウェハ10は、何れも、へき開面で割れていた。以上より、へき開面に対して引っ張り方向D1を垂直とすることで、効果的にウェハ10の割れを防止できることが分かる。
【実施例2】
【0043】
実施例2を図11および図12を参照しながら説明する。実施例2は、SiC(炭化ケイ素)ウェハを用いる場合における、保護テープの剥離方法である。SiCは、Siに比して、大きなバンドギャップ、高い電子移動度、高い破壊電圧を有している。よって、大電力、高速、高温のパワーデバイスの材料として用いられている。また、SiCには、3C、4H、6Hのポリタイプ(結晶多形:一次元的な積層構造の異なる多数の結晶構造)が存在する。パワー半導体には、4Hのポリタイプが使用される。
【0044】
SiCウェハ10bのへき開面について、図11および図12を用いて説明する。例として、4HのポリタイプのSiCであり、面方位が(0001)面である場合を説明する。図11は、4HのポリタイプのSiCの結晶方位を示す概念図である。図11に示すように、4HのポリタイプのSiCは、六方格子を有している。そして、第1へき開面CP1b((11−20)面)、および、第2へき開面CP2b((1−100)面)が存在する。
【0045】
図12に、面方位が(0001)面を有するウェハ10bの結晶方位を示す概念図を示す。ウェハ10bは、c軸に垂直な面を有している。また、図12に示すように、ウェハ10b表面では、第1へき開面CP1bは、第1進展方向C1b(結晶方位の[1−10]方向)に進展する。また第2へき開面CP2bは、第2進展方向C2b(結晶方位の[110]方向)に進展する。そして、第1へき開面CP1bと第2へき開面CP2bとは直交している。
【0046】
そして、本願の保護テープ11の剥離方法によって、ウェハ10bの割れが防止できるようにするには、剥離テープ40の引っ張り方向D1を、へき開面CP1bまたはCP2bに対して垂直となる方向とすればよい。すなわち、図12において、引っ張り方向D1を、[110]方向または[1−10]方向とすればよい。これにより、前述したように、第1進展方向C1bまたは第2進展方向C2bと、折り曲げ線とを平行になりにくくすることができるため、ウェハ10bを割れにくくすることができる。
【0047】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず特許請求の範囲を限定するものではない。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0048】
実施例1では、面方位が(100)面のシリコンウェハについて説明したが、この形態に限られない。例えば、面方位が(111)面や、(110)面のシリコンウェハにおいても、本願の保護テープの剥離方法を適用することが可能である。なお、面方位が(100)面のシリコンウェハは、面方位が(111)面や(110)面のシリコンウェハに比して、デバイスのSiO2−Si界面電荷密度が最小になり、最も安定した界面状態が得られる。よって、面方位が(100)面のシリコンウェハが、一般的に使用される場合が多い。
【符号の説明】
【0049】
10:ウェハ、11:保護テープ、30:保護テープ剥離装置、32:ステージ、40:剥離テープ、CP1およびCP2:へき開面、D1:引っ張り方向
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体ウェハの表面に貼着されている保護テープを剥離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する工程のひとつに、表面に素子構造が形成された半導体ウェハの裏面を研磨して薄板化する工程や、裏面拡散層を形成する工程がある。これらの工程の際に素子構造を保護するために、ウェハの表面に保護テープが貼着される。ウェハ表面に貼着した保護テープは、これらの工程の終了後にウェハの表面から剥がす必要がある。保護テープをウェハから剥がすために、保護テープの除去装置が用いられる。例えば特許文献1に開示された除去装置では、半導体ウェハがテーブルに吸着固定される。そしてウェハの表面に貼着された保護テープの上面に剥離テープを貼着し、剥離テープを引っ張ることによって、剥離テープと一緒に保護テープをウェハから引き剥がす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−124146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体ウェハから保護テープを剥離する際に、テーブルに半導体ウェハを固定する力よりも保護テープから半導体ウェハに働く力が大きくなると、半導体ウェハがテーブルから上方へ浮き、2つ折りに半導体ウェハを折り曲げる作用が働く。すると、半導体ウェハが割れてしまうことがある。
【0005】
本願の技術は、上記の問題を解決するために創案された。すなわち本願は、半導体ウェハの表面に貼着されている保護テープを剥離する際に、半導体ウェハを割れにくくすることを可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される保護テープの剥離方法では、半導体ウェハの表面に貼着されている保護テープを、半導体ウェハから剥離する方法において、保護テープが貼着されている面と反対側の面がステージに当接するように、ステージに半導体ウェハを固定する工程と、弾性を有し一定の幅を有する剥離テープを保護テープの表面に貼り付ける工程と、半導体ウェハに対して剥離テープを引っ張ることで保護テープを半導体ウェハから剥離する工程と、を有している。そして、保護テープを剥離する工程において剥離テープを引っ張る方向が、半導体ウェハを平面視したときに、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となる方向から±15°の範囲内であることを特徴とする。
【0007】
半導体ウェハの材料である各種の単結晶は、へき開する性質を有している。例えば、シリコン単結晶では、原子間力が弱い{110}面および{111}面でへき開することが知られている。よって半導体ウェハでは、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面では、割れが進展しやすくなる。
【0008】
剥離テープを半導体ウェハに対して引っ張ると、剥離テープを引っ張る力が、剥離テープを介して、保護テープに働く。保護テープに働く力が半導体ウェハに伝達されることで、保護テープが半導体ウェハ表面から剥離される。半導体ウェハに伝達される力が、半導体ウェハをステージに固定する力よりも大きくなると、半導体ウェハがステージから上方へ浮き、折り曲げ線を軸として2つ折りに半導体ウェハを折り曲げる作用が働く。また折り曲げ線は、半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内方向に対して、垂直な方向に発生する。そして、折り曲げ線の方向と、へき開面の割れが進展する方向とが一致すると、半導体ウェハが割れやすくなる。以上より、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して、半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内での方向が直交すると、折り曲げ線の方向とへき界面の割れが進展する方向とが一致し、半導体ウェハが割れやすくなることが分かる。
【0009】
本願では、剥離テープは弾性を有するため、引っ張り時に剥離テープが伸びる。剥離テープが伸びると、剥離テープの幅が縮む作用が発生する。この影響によって、剥離テープを介して保護テープに働く力の方向は、剥離テープを引っ張る方向に対して、剥離テープの中心線へ向かう方向へずれる。すると、保護テープから半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内方向も、剥離テープを引っ張る方向に対して、剥離テープの中心線へ向かう方向へずれることになる。そして本願では、剥離テープを引っ張る方向が、半導体ウェハを平面視したときに、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となる方向から±15°の範囲内とされている。よって、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して、半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内での方向が、直交方向からずれる確率が高くなる。すなわち、半導体ウェハに伝達される力によって発生する折り曲げ線の方向が、へき界面の割れが進展する方向からずれる確率が高くなる。以上より、半導体ウェハに伝達される力のウェハ面内方向を、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して直交しにくくすることができるため、半導体ウェハを割れにくくすることができる。
【0010】
また、本願に開示される保護テープの剥離方法では、半導体ウェハは、シリコン単結晶で、かつ、面方位が{100}面であり、保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハの結晶方位の<011>方向へ剥離テープを引っ張ることが好ましい。面方位が{100}面のシリコンウェハでは、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面の割れは、結晶方位の<011>方向に進展する。<011>方向は等価な方向の総称であるため、ウェハ表面上において、2つの方向を含んでいる。よって、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面の割れの進展方向は、2つ存在する。また、2つのへき開面の割れの進展方向は、互いに直交している。よって、剥離テープを<011>方向へ引っ張ることによって、一方のへき開面の割れ進展方向へ剥離テープを引っ張ると同時に、他方のへき開面の割れ進展方向に対して垂直な方向へ剥離テープを引っ張ることになる。これにより、剥離テープを引っ張る方向を、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となる方向とすることができる。
【0011】
また、本願に開示される保護テープの剥離方法では、剥離テープを保護テープの表面に貼り付ける工程では、剥離テープが半導体ウェハを横切るとともに、剥離テープの長手方向が半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となるように貼り付け、保護テープを剥離する工程では、剥離テープの長手方向へ引っ張ることが好ましい。これにより、剥離テープを貼り付ける方向によって、剥離テープを引っ張る方向を決めることができる。よって、剥離テープを引っ張る方向を精度よく決定することができる。
【0012】
また、本願に開示される保護テープの剥離方法では、保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハのノッチ位置を検出し、検出したノッチ位置を基準として半導体ウェハの表面に垂直なへき開面を決定することが好ましい。ノッチ位置は、半導体ウェハ表面の面方位に対して、予め定められた特定の結晶方位に位置するように形成されている。よって、ノッチの結晶方位が判明すれば、ノッチ位置を基準として、半導体ウェハ上でのへき開面を特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本願に開示される保護テープの剥離方法によれば、ウェハの割れを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ウェハの平面図である。
【図2】保護テープ剥離装置の概略構成図である。
【図3】ウェハの結晶方位を示す概念図である。
【図4】へき開面を示す図(その1)である。
【図5】へき開面を示す図(その2)である。
【図6】剥離テープが保護テープに貼着された状態を示す図である。
【図7】保護テープのはがれ始めの状態を示す図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線との関係を示す図(その1)である。
【図10】へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線との関係を示す図(その2)である。
【図11】SiCの結晶方位を示す概念図である。
【図12】ウェハの結晶方位を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。
(特徴1)半導体ウェハは、シリコン単結晶で、かつ、面方位が{100}面であり、保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハの結晶方位の<011>方向へ剥離テープを引っ張る。
(特徴2)半導体ウェハは、4HのポリタイプのSiCで、かつ、面方位が{0001}面であり、保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハの結晶方位の<110>または<1−10>方向へ剥離テープを引っ張る。
【実施例1】
【0016】
以下、実施例1を図1ないし図8を参照しながら説明する。図1に、本願に係る保護テープの剥離方法が適用されるウェハ10の平面図を示す。ウェハ10の表面には回路パターンが形成されているとともに、保護テープ11が貼着されている。またウェハ10の裏面が研磨されることで、ウェハ10は薄化されている。またウェハ10には、所定の結晶方位を表すノッチ12が形成されている。
【0017】
図2に、保護テープ剥離装置30の概略構成図を示す。保護テープ剥離装置30は、ウェハ10に貼着された保護テープ11を剥離するための装置である。保護テープ剥離装置30は、基台31、ステージ32、剥離テープ供給部33、ガイドローラ34、ガイド部35、剥離テープ巻取り部36、円筒軸37を備える。
【0018】
ステージ32の表面には多数のバキューム孔(不図示)が形成されている。ステージ32上に載置されたウェハ10の裏面側が、バキューム孔を介して吸着されることで、ウェハ10がステージ32上に固定される。また、ステージ32は円筒軸37を介して基台31に取り付けられている。円筒軸37には、モータ(不図示)が取り付けられている。ステージ32は、モータによって、ウェハ10の中心を通りウェハ10の表面に垂直な回転軸の周りに回転駆動する。
【0019】
ステージ32の上方には、光学センサ38が配置されている。光学センサ38は、ステージ32に載置されたウェハ10を撮影するカメラ(不図示)を備えている。光学センサ38は、載置されたウェハ10のノッチ12の位置を検出する。光学センサ38によってノッチ12の位置を検出することにより、ノッチ12が所定の向きとなるようにステージ32を回転させることができる。
【0020】
ガイドローラ34は、剥離テープ40をガイドする。またガイドローラ34は、位置P1から位置P2の範囲で、ウェハ10上を転がることが可能に構成されている。
【0021】
剥離テープ供給部33には、剥離テープ40が巻き取られた状態で保持されている。剥離テープ40は弾性を有しており、引っ張ることで伸びる性質を有している。また剥離テープ40は、一定の幅を有している。剥離テープ40は、ガイドローラ34、ガイド部35を経由して、剥離テープ巻取り部36で巻き取られる。剥離テープ40は、ステージ32と対向する側(図2のS1側)が接着面となっている。剥離テープ40の保護テープ11への接着強度は、保護テープ11のウェハ10への接着強度よりも高くされている。
【0022】
ウェハ10のへき開面について、図3ないし図5を用いて説明する。例として、ウェハ10がシリコン単結晶であり、面方位が(100)面である場合を説明する。また、ノッチ方位が[0−11]である場合を説明する。図3は、面方位が(100)面であるウェハ10の結晶方位を示す概念図である。ウェハ10のノッチ方位が[0−11]の場合には、ノッチ12の位置は、図3に示す位置になる。
【0023】
ウェハ10は、へき開面に沿ってウェハ割れが進展しやすい。またシリコン単結晶のウェハでは、原子間力が弱い{110}面および{111}面でへき開することが知られている。ここで{ }の括弧は、等価な方向をまとめて表現している。よって{110}面は、(110)、(101)、(011)、(−110)、(−101)、(0−11)、(1−10)、(10−1)、(01−1)、(−1−10)、(−10−1)、(0−1−1)、の等価な面を有している。
【0024】
ここで、ウェハ10の表面に垂直なへき開面に着目する。ウェハ10では、面方位が(100)面であるため、ウェハ10表面に垂直なへき開面は、図4に示す基本単位格子における第1へき開面CP1((011)面)と、図5に示す基本単位格子における第2へき開面CP2((0−11)面)の2つが挙げられる。すると図3に示すように、ウェハ10の表面では、第1へき開面CP1は、第1進展方向C1(結晶方位の[0−11]方向)に進展する。また第2へき開面CP2は、第2進展方向C2(結晶方位の[011]方向)に進展する。そして、第1へき開面CP1と第2へき開面CP2とは直交している。なお、結晶方位の[0−11]方向および[011]方向を総称して、<011>方向と表記することも可能である。
【0025】
次に、保護テープ剥離装置30の動作について説明する。まず、ステージ32にウェハ10を固定する工程を説明する。保護テープ11が貼付されたウェハ10が、手動または自動搬送装置により、ステージ32上に載置される。保護テープ11が貼着されている面と反対側の面がステージ32に当接するように載置される。次にウェハ10がステージ32に吸着固定される。モータが駆動されてステージ32が回転し、光学センサ38によりノッチ12が検出される。ノッチ12が検出されると、ノッチ12の位置を基準にしてステージ32を回転させることで、ウェハ10の回転角度が決定される。回転角度の決定方法の詳細内容については、後述する。
【0026】
次に、剥離テープ40を保護テープ11の表面に貼り付ける工程を説明する。剥離テープ40が、ガイドローラ34によって、剥離テープ供給部33から引き出される。そして、ガイドローラ34が位置P1から位置P2へ移動することで、剥離テープ40が、保護テープ11の表面に貼着される。剥離テープ40が保護テープ11に貼着された状態を、図2の矢印Y2の向きで観測した図を、図6に示す。図6に示すように、剥離テープ40が、ウェハ10を横切るように貼着される。
【0027】
ここで、剥離テープ40を保護テープ11に貼着する際の、ウェハ10の回転角度の決め方を説明する。剥離テープ40を剥離テープ巻取り部36で巻き取るため、引っ張り方向D1は、長手方向D2と一致する。よって、剥離テープ40を貼り付ける際の長手方向D2によって、剥離テープ40の引っ張り方向D1を決めることができる。
【0028】
そして本実施例では、引っ張り方向D1が、前述した第2へき開面CP2に対して、垂直となる方向から±15°の範囲内となるように、長手方向D2を決定する場合を説明する。ここで、ノッチ12の位置が判明すれば、図3の結晶方位の関係を用いて、第2へき開面CP2が判明する。よって図6に示すように、ノッチ方位[0−11]と長手方向D2とが一致するようにウェハ10を回転させることで、第2へき開面CP2に対して引っ張り方向D1を垂直にすることができる。
【0029】
なお、ウェハ10の回転角度は、図6に示す角度に限られない。図6の状態から180°回転させた場合においても、第2へき開面CP2に対して引っ張り方向D1を垂直にすることができる。また、図6の状態から90°または270°回転させた場合には、第1へき開面CP1に対して引っ張り方向D1を垂直にすることができる。
【0030】
次に、保護テープ11をウェハ10から剥離する工程を説明する。剥離テープ40が、剥離テープ巻取り部36によって巻き取られる。同時に、剥離テープ40の巻き取り量に応じて、ガイドローラ34が位置P2から位置P1へ向かって移動する。これにより、剥離テープ40を、図2に示す引っ張り方向D1へ引っ張ることができる。よって、保護テープ11をウェハ10から剥離することができる。
【0031】
保護テープ11の剥離時に、ウェハ10に割れが発生する作用を説明する。まず、ウェハ10に伝達される力の向きについて説明する。保護テープ11のはがれ始めの状態を、図2の矢印Y1の向きで観測した部分拡大図を、図7に示す。また図7でのVIII−VIII断面図を、図8に示す。図7において、剥離線L1を太線で示す。剥離線L1は、保護テープ11がウェハ10表面に貼着している部分と貼着していない部分との境界線である。剥離線L1では、剥離テープ40の端部40aと剥離線L1の交点である点P11aと、剥離テープ40の端部40bと剥離線L1の交点である点P11bが、剥離線L1の中心部40cよりも、ウェハ10の中心側に位置する。そして剥離線L1は、ウェハ10の外周側へ膨らむように、弧を描いた状態となる。これは、剥離テープ40が弾性を有するため、引っ張り時に剥離テープ40が伸びる影響により、主に剥離テープ40の端部40aおよび40bにより、保護テープ11を引っ張ることになるためである。よって、点P11aおよび点P11bの保護テープ11が、中心部40cよりも先に剥がれる。そして、剥離テープ40の弾性によって点P11aおよび点P11bに引っ張られるようにして、中心部40cの保護テープ11が剥がされる。
【0032】
ここで、保護テープ11からウェハ10に伝達される力に着目すると、点P11aに働く伝達力F1a、および、点P11bに働く伝達力F1bが、主な伝達力となる。また、伝達力F1aのウェハ10面内方向は、点P11aにおける剥離線L1の接線に対して、垂直な方向となる。同様に、伝達力F1bのウェハ10面内方向は、点P11bにおける剥離線L1の接線に対して、垂直な方向となる。よって図7に示すように、伝達力F1aおよびF1bのウェハ10面内方向は、剥離テープ40の引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線40Lに向かう方向へずれる。また図8に示すように、VIII−VIII断面での伝達力F1bの方向は、ウェハ10の上方へ向かう向きとなる。
【0033】
また、剥離テープ40が伸びると、剥離テープ40の幅W1が縮む作用が発生する。この影響によって、図7における伝達力F1aおよびF1bのウェハ10面内方向は、剥離テープ40の引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線40Lへ向かう方向へさらにずれる。
【0034】
以上より、伝達力F1aおよびF1bのウェハ10面内方向は、引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線40L方向へ大きく傾くことになる。本実施例では、伝達力F1aおよびF1bの方向は、引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線40L方向へ約45°程度傾いている。
【0035】
次に、ウェハ10に割れが発生する作用について説明する。ウェハ10に伝達される伝達力F1aおよびF1bが、ウェハ10をステージ32に吸着する力よりも大きくなると、図8の領域R1に示すように、ウェハ10がステージ32から上方へ浮く。そして、浮いた所と吸着している所との境目に折り曲げ線が形成され、この折り曲げ線を軸として、2つ折りにウェハ10を折り曲げる作用が働く。また折り曲げ線は、図7において、伝達力F1aおよびF1bに対して垂直な方向に発生する。
【0036】
比較例として、ノッチ方位が[001]のウェハ10aにおける、へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線との関係を、図9を用いて説明する。図9に示す剥離方法では、剥離テープ40の引っ張り方向D1が、へき開面CP2の垂直方向から45°ずれていると共に、へき開面CP1の垂直方向から45°ずれている方向とされている。また前述した通り、伝達力F1aおよびF1bは、引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線へ向かう方向へずれる。そして、伝達力F1aの垂直方向に折り曲げ線BLaが形成され、伝達力F1bの垂直方向に折り曲げ線BLbが形成される。すると、折り曲げ線BLaとへき開面の第1進展方向C1とが、平行に近づいている状態となる。また、折り曲げ線BLbとへき開面の第2進展方向C2とが、平行に近づいている状態となる。よって、ウェハ10aが割れやすい状態となる。
【0037】
本願の保護テープ11の剥離方法によって、ウェハの割れが防止できる効果について説明する。本願の剥離方法において、ノッチ方位が[0−11]のウェハ10を用いた場合における、へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線との関係を、図10を用いて説明する。本願の剥離方法では、剥離テープ40の引っ張り方向D1が、へき開面CP2に対して垂直となる方向とされている。また前述した通り、伝達力F1aおよびF1bは、引っ張り方向D1に対して、剥離テープ40の中心線へ向かう方向へずれる。すると、折り曲げ線BLaに対して、へき開面の第1進展方向C1および第2進展方向C2の何れもが、平行に近づいていない状態となる。また、折り曲げ線BLbに対しても、へき開面の第1進展方向C1および第2進展方向C2の何れもが、平行に近づいていない状態となる。これにより、ウェハ10を割れにくい状態にすることができる。
【0038】
また、裏面研磨など、機械的方法でウェハ10を薄くする場合には、研削面やウェハ外周端部に、破砕層と呼ばれる微小な割れが形成される。破砕層が存在すると、破砕層を起点にウェハ10が割れやすくなる。よって、フッ硝酸によるエッチング、または、フッ素を含むガスプラズマによるエッチングを行うことで、研削面から破砕層を除去する処理が行われる。しかしながら、ウェハ10の外周端部では、破砕層を除去しきれずに破砕層が残留する場合がある。また、ステージ32に備えられるバキューム孔は、吸着時にエア漏れが発生しないように、ウェハ10の外周端部近傍の位置には配置されない。するとウェハ10外周端部での吸着力が弱くなるため、ウェハ10の外周端部の保護テープ11を剥離する際に、ウェハ端部が浮きやすくなる。以上より、ウェハ10の外周端部の保護テープ11を剥す場合である、保護テープ11の剥し始めにおいて、ウェハ10に割れが発生しやすい。よって、ウェハ10外周端部での割れの発生を防止するために、本願の保護テープ11の剥離方法は効果を発揮する。
【0039】
本願の保護テープ11の剥離方法を用いた実験例を説明する。表面側に半導体デバイスを形成したシリコンウェハを185(μm)まで裏面研磨した。その後、フッ硝酸で20(μm)エッチングして破砕層を除去し、ウェハ厚を165(μm)まで薄化した。そして、条件Aおよび条件Bで、それぞれ960枚のウェハの保護テープ剥離を行った。
【0040】
条件Aは、図10に示すように、ノッチ方位が[0−11]のウェハ10において、引っ張り方向D1をノッチ方位と同一とした条件である。図10に示すように、条件Aでは、第2へき開面CP2に対して引っ張り方向D1が垂直になる。すなわち、条件Aは、へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線とを平行になりにくくすることができるため、ウェハを割れにくくすることができる条件である。
【0041】
一方、条件Bは、図9に示すように、ノッチ方位が[001]のウェハ10aにおいて、引っ張り方向D1をノッチ方位と同一とした条件である。図9に示すように、条件Bでは、剥離テープ40の引っ張り方向D1が、へき開面CP1およびCP2の垂直方向から45°ずれている。すなわち、条件Bは、へき開面の割れ進展方向と折り曲げ線とが平行に近づくため、ウェハが割れやすい条件である。
【0042】
実験の結果、条件Aではウェハ10の割れが発生しなかった(不良率0(%))。一方、条件Bでは、ウェハ10に6枚の割れが発生した(不良率0.6(%))。割れたウェハ10は、何れも、へき開面で割れていた。以上より、へき開面に対して引っ張り方向D1を垂直とすることで、効果的にウェハ10の割れを防止できることが分かる。
【実施例2】
【0043】
実施例2を図11および図12を参照しながら説明する。実施例2は、SiC(炭化ケイ素)ウェハを用いる場合における、保護テープの剥離方法である。SiCは、Siに比して、大きなバンドギャップ、高い電子移動度、高い破壊電圧を有している。よって、大電力、高速、高温のパワーデバイスの材料として用いられている。また、SiCには、3C、4H、6Hのポリタイプ(結晶多形:一次元的な積層構造の異なる多数の結晶構造)が存在する。パワー半導体には、4Hのポリタイプが使用される。
【0044】
SiCウェハ10bのへき開面について、図11および図12を用いて説明する。例として、4HのポリタイプのSiCであり、面方位が(0001)面である場合を説明する。図11は、4HのポリタイプのSiCの結晶方位を示す概念図である。図11に示すように、4HのポリタイプのSiCは、六方格子を有している。そして、第1へき開面CP1b((11−20)面)、および、第2へき開面CP2b((1−100)面)が存在する。
【0045】
図12に、面方位が(0001)面を有するウェハ10bの結晶方位を示す概念図を示す。ウェハ10bは、c軸に垂直な面を有している。また、図12に示すように、ウェハ10b表面では、第1へき開面CP1bは、第1進展方向C1b(結晶方位の[1−10]方向)に進展する。また第2へき開面CP2bは、第2進展方向C2b(結晶方位の[110]方向)に進展する。そして、第1へき開面CP1bと第2へき開面CP2bとは直交している。
【0046】
そして、本願の保護テープ11の剥離方法によって、ウェハ10bの割れが防止できるようにするには、剥離テープ40の引っ張り方向D1を、へき開面CP1bまたはCP2bに対して垂直となる方向とすればよい。すなわち、図12において、引っ張り方向D1を、[110]方向または[1−10]方向とすればよい。これにより、前述したように、第1進展方向C1bまたは第2進展方向C2bと、折り曲げ線とを平行になりにくくすることができるため、ウェハ10bを割れにくくすることができる。
【0047】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず特許請求の範囲を限定するものではない。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0048】
実施例1では、面方位が(100)面のシリコンウェハについて説明したが、この形態に限られない。例えば、面方位が(111)面や、(110)面のシリコンウェハにおいても、本願の保護テープの剥離方法を適用することが可能である。なお、面方位が(100)面のシリコンウェハは、面方位が(111)面や(110)面のシリコンウェハに比して、デバイスのSiO2−Si界面電荷密度が最小になり、最も安定した界面状態が得られる。よって、面方位が(100)面のシリコンウェハが、一般的に使用される場合が多い。
【符号の説明】
【0049】
10:ウェハ、11:保護テープ、30:保護テープ剥離装置、32:ステージ、40:剥離テープ、CP1およびCP2:へき開面、D1:引っ張り方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハの表面に貼着されている保護テープを、半導体ウェハから剥離する方法において、
保護テープが貼着されている面と反対側の面がステージに当接するように、ステージに半導体ウェハを固定する工程と、
弾性を有し一定の幅を有する剥離テープを保護テープの表面に貼り付ける工程と、
半導体ウェハに対して剥離テープを引っ張ることで保護テープを半導体ウェハから剥離する工程と、を有しており、
保護テープを剥離する工程において剥離テープを引っ張る方向が、半導体ウェハを平面視したときに、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となる方向から±15°の範囲内であることを特徴とする保護テープの剥離方法。
【請求項2】
半導体ウェハは、シリコン単結晶で、かつ、面方位が{100}面であり、
保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハの結晶方位の<011>方向へ剥離テープを引っ張ることを特徴とする請求項1に記載の保護テープの剥離方法。
【請求項3】
剥離テープを保護テープの表面に貼り付ける工程では、剥離テープが半導体ウェハを横切るとともに、剥離テープの長手方向が半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となるように貼り付け、
保護テープを剥離する工程では、剥離テープの長手方向へ引っ張ることを特徴とする請求項1または2に記載の保護テープの剥離方法。
【請求項4】
保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハのノッチ位置を検出し、検出したノッチ位置を基準として半導体ウェハの表面に垂直なへき開面を決定することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の保護テープの剥離方法。
【請求項1】
半導体ウェハの表面に貼着されている保護テープを、半導体ウェハから剥離する方法において、
保護テープが貼着されている面と反対側の面がステージに当接するように、ステージに半導体ウェハを固定する工程と、
弾性を有し一定の幅を有する剥離テープを保護テープの表面に貼り付ける工程と、
半導体ウェハに対して剥離テープを引っ張ることで保護テープを半導体ウェハから剥離する工程と、を有しており、
保護テープを剥離する工程において剥離テープを引っ張る方向が、半導体ウェハを平面視したときに、半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となる方向から±15°の範囲内であることを特徴とする保護テープの剥離方法。
【請求項2】
半導体ウェハは、シリコン単結晶で、かつ、面方位が{100}面であり、
保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハの結晶方位の<011>方向へ剥離テープを引っ張ることを特徴とする請求項1に記載の保護テープの剥離方法。
【請求項3】
剥離テープを保護テープの表面に貼り付ける工程では、剥離テープが半導体ウェハを横切るとともに、剥離テープの長手方向が半導体ウェハの表面に垂直なへき開面に対して垂直となるように貼り付け、
保護テープを剥離する工程では、剥離テープの長手方向へ引っ張ることを特徴とする請求項1または2に記載の保護テープの剥離方法。
【請求項4】
保護テープを剥離する工程では、半導体ウェハのノッチ位置を検出し、検出したノッチ位置を基準として半導体ウェハの表面に垂直なへき開面を決定することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の保護テープの剥離方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−33671(P2012−33671A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171425(P2010−171425)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]