個人認証装置及びそれに用いられる個人認証プログラム
【課題】認証対象となる個人に対しより簡便で精度の高い個人認証装置及びそれに用いられる個人認証プログラムを提供すること
【解決手段】光源が内蔵されたハンドル部と、光源から放出される光を受光する受光部と、受光部が受光した光に基づき個人認証を行う情報処理部と、を有する個人認証装置とする。
【解決手段】光源が内蔵されたハンドル部と、光源から放出される光を受光する受光部と、受光部が受光した光に基づき個人認証を行う情報処理部と、を有する個人認証装置とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人認証技術に関し、より具体的には個人認証装置及びそれに用いられる個人認証プログラムに関し、特に、人間の手の静脈の血管パターンに基づき個人認証を行なうための装置及びそれに用いられるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本人の認証には、パスワード、PIN(Personal Identification Number)といった記憶に頼る知識やカードや印鑑といった本人の所有する物品が利用されてきた。しかし、これらには忘却、類推、紛失、盗用などの危険性がある。そこで、これらの危険性がない本人そのものの情報として生体情報に基づく本人認証、いわゆるバイオメトリクス認証の研究開発、製品化が進んでいる。バイオメトリクス認証に用いられる生体情報としては、指紋、虹彩、顔、静脈などが例えば下記非特許文献1乃至9に記載されている。
【0003】
これら生体情報の中でも、体の中にあって他人に知られにくい安全な情報の一つが静脈の血管パターンである。静脈の血管パターンを用いるバイオメトリクス認証(以下「静脈認証」という。)は、原理的に非接触認証が実現でき、また肉眼では確認しにくい体内の情報を用いているため偽造が困難であるという利点がある。より具体的には、静脈の血管パターンは双子の間でも異なると言われており、皮膚の下、表皮、真皮、脂肪層の奥に存在する体中の情報であるため、顔や指紋、虹彩のように外部から容易に観察したり、撮影、接触などの簡単な手段では他人に盗まれたりしないため、より安全な情報であるといわれている。なおここで「静脈の血管パターン」とは、静脈の血管が織りなす網目のような複雑な模様を意味する。
【0004】
静脈認証では、毛細血管など不安定な細い血管を使わず、模様の安定した太い血管のパターンを用いることが一般的である。静脈の血管パターンの撮影には、2種類の近赤外線照射方法がある。一つは近赤外線を認証対象となる部位に照射し、反射光を撮影する「反射型」であり(下記非特許文献3乃至5参照)、もう一つは、認証対象となる部位を通り抜けた光を撮影する「透過型」(下記非特許文献6参照)である。
【0005】
一方、認証の際に静脈の血管パターンの撮影をしやすい部位として、手のひら(下記非特許文献5参照)、手の甲(下記非特許文献3、4参照)、指の静脈(下記非特許文献6参照)が考えられている。手のひらを採用する静脈認証は、装置に全く触れない状態で個人識別が可能となるといった利点がある(完全非接触型)。この認証操作は、センサの上方に手をかざすだけで済み、反射型撮影方式の良さを生かした便利性の高いものである。また、指の静脈を採用する静脈認証は、主として指の第二関節部分に近赤外線を透過させて、指の静脈の血管パターンを撮影し、認証するものである。また手の甲の部分の静脈パターンを採用する静脈認証は、限定されるわけではないが、主に入退出管理向けの製品に好適である。手握り冶金やセンサ口を甲でふさぎ、手の甲サイズに開けたセンサ口に手の甲を押し当てて認証する。センサ口にマイクロスイッチが付いており、甲でセンサ口をふさぐと、撮影される仕組みとなっているのが一般的である。
【0006】
【非特許文献1】X.Yuan,J.M.Lu,T.Yahagi,“A Method of Face Recognition Based on Contour Maps”,IEEJ Trans. EIS,vol.125,no.3,426−434,March 2005
【非特許文献2】J.M.Lu,X.Yuan,T.Yahagi,“A Method of Face Recognition Based on Fuzzy Clustering and Parallel Neural Networks”,Signal Processing,vol.86,no.8,2026−2039,Aug.2006.
【非特許文献3】S.K.Im,H.M.Park,Y.W.Kim,S.C.Han,S.W.Kim and C.H.Hang,“An Biometric Identification System by Extracting Hand Vein Patterns”,Journal of the Korean Physical Society,vol.38,268−272,March 2001
【非特許文献4】C.L.Lin and K.C.Fan,“Biometric Verification Using Thermal Images of Palmーdorsa Veinーpatterns”,IEEE Trans. on circuits and systems for video technology,vol.14,no.2,199−213,Feb.2004
【非特許文献5】佐々木繁,川合裕昭,若林晃,“手のひら静脈認証技術の製品展”,FUJITSU,vol.56,no.4,346−357,2005
【非特許文献6】三浦直人,長坂晃朗,宮武孝文,“線追跡の反複試行に基づく指静脈パターンの抽出と個人認証への応用”,電子情報通信学会論文誌,vol.J86ーDーII,no.5,678−687,2003
【非特許文献7】C.L.Lin,T.C.Chuang and K.C.Fan,“Palmprint Verification Using Hierarchical Decomposition”,Pattern Recognition,vol.38,2639−2652,2005
【非特許文献8】小畑秀文,モルフォロジー,コロナ社,1996
【非特許文献9】M.Niemeijer,B.V.Ginneken and J. Staal,“Automatic Detection of Red Lesions in Digital Color Fundus Photographs”,IEEE Trans. on medical imaging,vol.24,no.5,584−592,May 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記文献においても、センサ口に手の甲を押し当てて認証するなど認証対象となる個人に対して特別の手間が必要となるため煩雑になってしまうといった課題がある。従って、新たな認証方法及びそれに必要とされる新たな認証処理が必要となる。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、認証対象となる個人に対しより簡便で精度の高い個人認証装置及びそれに用いられる個人認証プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための一手段として、本発明に係る個人認証装置は、光源が内蔵されたハンドル部と、光源から放出される光を受光する受光部と、受光部が受光した光に基づき個人認証を行う情報処理部と、を有することを特徴とする。
【0010】
なお、本手段において、限定されるわけではないが、ハンドル部と受光部との間に設けられる可視光カットフィルタを有することが好ましい。
【0011】
また、本手段において、限定されるわけではないが、情報処理部は、受光部が受光した光に基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部と、手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部と、手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部と、回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部と、抽出したROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部と、認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部と、静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと、個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する相関計算部と、を有することも好ましい。
【0012】
また、上記課題を解決する他の一手段として、本発明に係る個人認証プログラムは、コンピュータに、人間の手を透過した光の強度データに基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部、手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部、手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部、回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部、抽出した前記ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部、認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部、静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと、個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する判定部、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明により、認証対象となる個人に対しより簡便で精度の高い個人認証装置及びそれに用いられる個人認証プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本実施形態に係る個人識別プログラムについて説明する。図1は、本実施形態に係る個人認証装置の概略を示す図である。本実施形態に係る個人認証装置は、図1で示されるとおり、光源11が内蔵されたハンドル部1と、ハンドル部1の光源11から放出される光を受光する受光部2と、ハンドル部1と受光部2との間に設けられる可視光カットフィルタ3と、受光部が受光した光に基づき個人識別を行う情報処理部4と、を有する。
【0015】
ハンドル部1は、図1で示されるとおり、認証対象となる人が把持するための部である。またハンドル部1には光源11が内蔵されており、認証対象となる人がこのハンドル部を握った場合に、光源11から光を放出すれば光は手の甲を透過し、受光部2により受光できる。本実施形態では、人にハンドルを握らせることで手の甲側に適度の張りを生じさせ、手の甲側に明瞭な血管パターンを生じさせることができるようになり、しかも手が光源11の近傍となるため、より明瞭な血管パターンを得ることができるようになる。ハンドル部1の形状としては、限定されることなく様々な形態を採用することができ、限定されるわけではないが、例えばドアのハンドルに光源を組み込んだ形態とすることができる。この場合、ドアを開けようとする動作と個人認証動作とを一連の流れで行なうことができ、人は特段の動作を必要としなくなるためより容易に個人認証を行なうことができるという利点がある。なお、図2にハンドル部1の他の形態の例を示しておく。
【0016】
またハンドル部1に内蔵される光源11としては、限定されることなく種々のものを採用することができるが、放出される光の波長としては、近赤外領域であることが好ましく、より具体的には700nm以上800nm以下の波長を多く含む光源であることが好ましい。これは還元ヘモグロビンを多く含む静脈中の血液が近赤外光を吸収する性質を利用するためである。
【0017】
受光部2は、光源11から放出される光を受光し、情報処理部4に出力するものである。受光部2の構成としては、限定されるわけではないが、例えばCCDカメラを採用することができる。
【0018】
またハンドル部1と受光部2との間には可視光カットフィルタ3が設けられている。可視光カットフィルタ3を設けることで、証明条件の変化や、手の甲にある傷跡などの影響を削減することが可能となる。なお、カットする可視光の領域としては、限定されるわけではないが、750nm以下の可視光をカットする性能を有することが好ましい。また、可視光カットフィルタ3の配置は、ハンドル部1と受光部2の間であることが好ましいが、受光部2の近傍、個人認証の際に認証対象となる人の手と受光部2の間となるよう配置されることがより効果的で好ましい。
【0019】
情報処理部4は、光部が受光した光に基づき個人認識を行う部である。図3に、本実施形態に係る情報処理部4(以下「本情報処理部4」ともいう。)の機能ブロック図を示す。
【0020】
図3で示すとおり、本情報処理部4は、受光部が受光した光に基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部41と、手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部42と、手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部43と、回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部44と、抽出した前記ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部45と、認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部46と、静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する判定部47とを有する。
【0021】
本情報処理部4は、上記の処理を用いて個人認識を行なうことができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば、上記各部として機能するためのプログラムをコンピュータのハードディスクなどの記録媒体に格納し、実行することで実現させても良い。
【0022】
手の甲画像データ作成部41は、受光部2が受光した光強度のデータに基づき手の甲画像データを作成する。なお、手の甲画像データを画像として表現した場合における手の甲画像の例を図4に示す。図4で示すとおり、この図には、人の手及び静脈パターンが現れている。
【0023】
次に、本情報処理部4は、指ウェブデータ作成部42により、手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する。ここで「指ウェブ」とは、各指の骨の間の最も窪んだ部分を意味する。この指ウェブデータを用いることで、本情報処理部4は、手の甲の向いている方向や手の甲の位置などの補正を行ない、認証の精度を高めることができるようになる。
【0024】
なお、指ウェブデータの作成開始に先立ち、手の甲画像データに対しコントラスト調整を行なっておくことはより好ましい。このようにすることで指ウェブデータ作成の精度をより高めることができる。コントラスト調整を行った例を図5に示す。
【0025】
ここで、指ウェブデータの作成についてより具体的に説明する。まず、指ウェブデータ作成部42は手の輪郭線データを作成する。手の輪郭線データは、限定されるわけではないが、手の輪郭線を構成する複数の点の位置データの集合であることが好ましく、この手の輪郭線データを画像として表現した例について図6に示しておく。
【0026】
そして指ウェブデータ作成部42は、ある点、例えば手の輪郭線のうち、手首から腕側に伸びている部分と画像の下端との交点2つの中間点(Wm、図6参照)と、輪郭線の各点とのユークリッド距離をそれぞれ求め、その分布を求める。この分布グラフの例を図7に示す。そしてこの分布から局所曲率の最小値を求め、複数の指ウェブ位置データを抽出する。なお指ウェブデータは、限定されるわけではないが、人差し指と中指の間の指ウェブ(Fw1)、中指と薬指の間の指ウェブ(Fw2)、薬指と小指の間の指ウェブ(Fw3)の3つの指ウェブデータを求めることが認証精度向上の観点から好ましい(図6参照)。なお、上記輪郭線の中間点Wmと輪郭線の各点とのユークリッド距離は、以下の式で求められる。なお下記式中、DE(i)はユークリッド距離を、XWmは上記中間点のx座標における位置データを、Xb(i)は、輪郭線の点iにおけるX座標の位置データを、Ywmは上記中間点におけるY座標の位置データを、Yb(i)は、輪郭線の点iにおけるY座標の位置データをそれぞれ示している。
【数1】
【0027】
このようにすることで、本実施形態係る指ウェブデータ作成部42は指ウェブの位置を確定させることが可能となり後述の様々な処理が可能となるだけでなく、個人認証の制度をより高くすることができる。
【0028】
次に、本実施形態に係る回転・移動処理部43は、上記で求めた指ウェブFw1、Fw2を通過する直線を求め、この直線と画像データにおけるX軸又はY軸との回転角を求め、上記の直線がX軸又はY軸と並行になるように回転処理を行う。なお、限定されるわけではないが、例えば指ウェブFw1、Fw2を通過する直線とX軸との角度は以下の式で求めることができる。なお下記式中、αは直線の傾き角を、YFw3は指ウェブFw3におけるY座標の位置データを、YFw1は指ウェブFw1におけるY座標の位置データを、XFw3は指ウェブFw3におけるX座標の位置データを、XFw1は指ウェブFw1におけるX座標の位置データをそれぞれ表す。なお、例えば図4の例で示される画像に対し回転処理を行った結果を図8に示す。
【数2】
【0029】
次にROI領域データ抽出部44は、回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出する。ここでROI領域とは、手の甲画像の一部の領域であって、静脈の血管パターンを用いて個人認証するために特に注目する領域をいう。ROI領域は、上記機能を奏する領域であれば限定されるわけではないが、例えばFw1とFw3を通る上記直線と所定距離をおき、かつ中間点が指ウェブFw2のX座標と同じである平行な一辺を有する四角形の領域であることが好ましい。このROI領域の例を図8、図9に示しておく。
【0030】
また、静脈パターンデータ抽出部45は、ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する。具体的な処理について以下説明する。
【0031】
本実施形態に係る個人認証装置は、手の甲の透過画像を用いている。この場合において透過光は手が厚いほど透過しにくくなるが人間の手の厚みは一様ではないため輝度むらが生じ、ノイズとなる。そのため、本実施形態に係る静脈パターン抽出部45は、限定されるわけではないがモルフォロジーによる手法を採用する。モルフォロジーによる手法は、限定されるわけではないが、対象画素を中心に一定の直径を有する円板のmin処理、max処理を行い、最初のmin処理により、当該直径より少ない縦、横の両方向の線分を消失させる。この結果、静脈部分を隠し、輝度村の分布を示す背景画像を求める。そしてこの背景画像を上記図9で示すROI領域の画像から差し引くことで輝度むらを除去する。なお、上記得た背景画像を図10に、図9で示す画像から輝度むらを除去した結果の画像を図11に示す。また、min処理、maxsy処理、opening処理の式を下記にそれぞれ示しておく。
【数3】
【数4】
【数5】
【0032】
ここでXBは集合Xの構造要素Bによるopeningを表す。またBSは構造要素Bの対象集合を表す。
【0033】
また、本実施形態に係る静脈パターンデータ抽出部45は、複数の方向に対し、所定の幅の直線を線形構造要素としてopening処理を行う(複数の方向の例については図12参照)。なお直線の所定の幅は血管の幅により定められる。図12の例は、0°、30°、60°、90°、120°、150°の例であり、それぞれに沿った線形の構造要素でopening処理を行った画像の例を図13乃至図18に示しておく。このopening処理は対象画素を中心にそれぞれ所定のmin処理、max処理を行うものであるため、最初のmin処理で、それぞれの方向において所定の画素より少ない線分長を消失させる一方、次のmax処理で所定の長さの線分を元の状態に戻す。なお、上記各方向に対するopening処理の結果得られる画像はそれぞれの画像方向性を有するため、異なる方向の線形構造要素を用いて画像強調が施されている。そこで、本実施形態に係る静脈パターンデータ抽出部45は強調画像の各点に上記複数の方向に対するopening処理の結果得られた画像における最大濃淡値を与え、新しい強調画像を作成する。この画像の例を図19に示す。
【0034】
次に、静脈パターンデータ抽出部45は、ここで求めた輝度画像から二値画像を作成する。この二値画像を作成する処理としては、二値化処理を挙げることができ、画像をオブジェクト領域(1の値)と背景領域(0の値)に分離する。この二値化処理としては、限定されるわけではないが、画像におけるヒストグラムを2つに分割した場合のクラス間分散が最大にある点を閾値とし、これを基準に分けることが好ましい。なおこの結果得られる二値画像を図20に示す。
【0035】
そして、静脈パターンデータ抽出部45は、更に、求めた二値画像から幅1画素の線画像に変換する。この結果を図21に示す。
【0036】
なお、上記抽出した静脈パターンデータは、それだけでは個人を認証することができず、認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部46が必要である。個人静脈パターンデータベース部46は、限定されるわけではないが、個人を特定するためのデータ(例えば氏名データやIDデータ等)と、この個人を特定するためのデータに対応させた静脈パターンデータとを一又は二以上格納して構成されていることが好ましい。なお、図22に、格納される静脈パターンの細線画像の例を示す。
【0037】
判定部47は、静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算することで同一人であるか否かを判定する。判定する方法としては、実現できる限りにおいて限定されるわけではないが、指紋隆線の端点又は分岐点(マニューシャ)のマッチングを用いる方法が好適である。マッチングとしては、限定されるわけではないが、マニューシャの出現位置や角度の一致度だけでなく、マニューシャ間の全ての点の出現位置や角度の一致度(精細照合)も調べることが好適である。なお図23に、図21から抽出したマニューシャの例を示しておく。なお、静脈パターンデータベース部46には、上記の静脈パターンの細線画像だけでなく、このマニューシャについても登録しておくことは非常に有用である。登録されるマニューシャの例を図24に示す。
【0038】
判定部47は、マニューシャのマッチングにおいて、まずマニューシャの抽出を行なう。マニューシャは以下の式により抽出する。なお、下記式において、R(k)は、ある点Aの8近傍の濃淡値を示し、Cn=6の場合、Aは分岐点であり、Cn=2の場合、Aは端点を意味する。
【数6】
【0039】
次に、判定部47では、上述の処理において発生するノイズにより生じる偽の特徴点を除去し、残った特徴点に対しマッチングを行なう。
【0040】
なお、本判定部47では、各マニューシャにおいて、方向コードも付与する。方向コードは、当該マニューシャにおいて右下の画素(i0+1,j0+1)を1、右の画素(i0+1,j0)を2、…、下の画素(i0,j0+1)を8と左回りに順番に番号をつけ、X座標、Y座標、端点、分岐点の種別と方向コードとを合わせて認識する。即ち、個人静脈パターンデータベース部46に格納される登録マニューシャP及びここで求められる入力マニューシャQは、以下の式で表される。
【数7】
【0041】
ここでXi及びXjはX座標、Yi及びYjはY座標、SDi及びSDjは方向コード、Ki及びKjは端点、分岐点の種別を表す。
【0042】
判定部47は、限定されるわけではないが、マニューシャのマッチングを段階的に行なう。まず、登録マニューシャと入力マニューシャとの間で以下の条件を満たすか否かを判定し、合致するものについてより詳細なマッチングを行なう。
(1)マニューシャの間の距離がしきい値Thdt以下
(2)マニューシャの間の方向差がしきい値Thθt以下
(3)マニューシャの間の種別が一致
(4)マニューシャの間の距離の総和が最小
(5)1対1の対応
【0043】
詳細なマッチングは、まず、各分岐点の位置と方向に基づいて位置ずれを微調整する(位置ずれを調整した後の画像の例を図25に示す。)。そしてその後各分岐点から静脈の連結領域毎に追跡してX、Y座標と方向コードを抽出して点を表す。各点間の方向差の総和θsumと各点間の距離の総和Dsumを以下の式に従い認証を行なう。
【数8】
【0044】
ここでnum=M+N、M,Nは分岐点と端点の数を示す。またcount葉出発点から次の分岐点又は端点までの点数を示す。angle1は登録画像の各点における方向コードを示し、angle2は入力画像の各点における方向コードを示す。またX1、X2は登録画像における各点のX座標を、Y1、Y2は登録画像における各点のY座標を、をそれぞれ示す。
【0045】
また、照合率は次のように示される。
【数9】
【0046】
即ち、同一人であるか否かの判定は、以下の式で表現される。
【数10】
【0047】
なお、Thd2とThθ2を増加すると、本人は認証されやすくなる一方で同時に、他人が誤って認証される率も高くなる。そのため、しきい値Thd2とThθ2は本人拒否率と他人認証率のバランスを配慮し、運用時に適切な動作点を設定する必要がある。
【0048】
よって、以上の通り、本実施形態に係る個人認証装置により、より簡便、確実に個人認証を行なうことができる。特に、本個人認証装置を用いると、ドアなどを開けようとハンドルを握るだけで個人認証を行なうことができ、特別な操作が不要となり、カードなどのキーの形態が不要になり、盗難や偽造の防止が可能となる等利便性が高くなる。更に、手の回転や位置ずれにロバストなシステムを構成することができ、ハンドルを握る方法であってもより精度が高いものとなっている。
【実施例】
【0049】
ここで、実際に上記の個人認識装置を作成し、実際の認識処理を行った。実験は、30名の登録者が自然にドアハンドルを握る状態で行い、各人全ての画像を2回撮り、それを片手10枚ずつ、30人で合計600枚の静脈パターンを学習させ、上記登録者30名に5名の未登録者を加えて同様に800枚(登録者600枚、未登録者200枚)の静脈パターンを取得し、これについて、登録者であるか未登録者であるかの認証の是非を確認した。この結果を表1に示す。
【0050】
表1の結果によると、登録者に対しては98%以上の認識率(600枚中、誤認識は4枚、拒否された枚数は4枚)、未登録者に対しては99%以上の拒否率(200枚中誤認識された枚数2枚)を得ることができ、本発明の有用性について確認することができた。なお、図26に、本実施例において取得された静脈パターンの細線画像の例を示しておく。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態に係る個人認証装置の概略図である。
【図2】ハンドル部の他の例を示す図である。
【図3】情報処理部の機能ブロック図である。
【図4】手の甲画像の例を示す図である。
【図5】コントラスト調整を行った手の甲画像の例を示す図である。
【図6】手の甲の輪郭線を示す図である。
【図7】ユークリッド距離の分布を示す図である。
【図8】回転処理を行い、ROI領域を抽出した例の図である。
【図9】ROI領域の例を示す図である。
【図10】ROI領域における背景画像の例を示す図である。
【図11】図9から図10を用いて照明補正を行った画像の例を示す図である。
【図12】構造要素の例を示す図である。
【図13】0度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図14】30度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図15】60度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図16】90度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図17】120度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図18】150度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図19】強調画像の例を示す図である。
【図20】二値画像の例を示す図である。
【図21】細線画像の例を示す図である。
【図22】静脈パターンデータベース部に格納される細線画像の例を示す図である。
【図23】マニューシャの例を示す図である。
【図24】静脈パターンデータベース部に格納されるマニューシャの例を示す図である。
【図25】位置ずれを補正したマニューシャの例を示す図である。
【図26】実施例において取得した静脈パターンの細線画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1…ハンドル部、2…受光部、3…可視光カットフィルタ、4…情報処理部、11…光源
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人認証技術に関し、より具体的には個人認証装置及びそれに用いられる個人認証プログラムに関し、特に、人間の手の静脈の血管パターンに基づき個人認証を行なうための装置及びそれに用いられるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本人の認証には、パスワード、PIN(Personal Identification Number)といった記憶に頼る知識やカードや印鑑といった本人の所有する物品が利用されてきた。しかし、これらには忘却、類推、紛失、盗用などの危険性がある。そこで、これらの危険性がない本人そのものの情報として生体情報に基づく本人認証、いわゆるバイオメトリクス認証の研究開発、製品化が進んでいる。バイオメトリクス認証に用いられる生体情報としては、指紋、虹彩、顔、静脈などが例えば下記非特許文献1乃至9に記載されている。
【0003】
これら生体情報の中でも、体の中にあって他人に知られにくい安全な情報の一つが静脈の血管パターンである。静脈の血管パターンを用いるバイオメトリクス認証(以下「静脈認証」という。)は、原理的に非接触認証が実現でき、また肉眼では確認しにくい体内の情報を用いているため偽造が困難であるという利点がある。より具体的には、静脈の血管パターンは双子の間でも異なると言われており、皮膚の下、表皮、真皮、脂肪層の奥に存在する体中の情報であるため、顔や指紋、虹彩のように外部から容易に観察したり、撮影、接触などの簡単な手段では他人に盗まれたりしないため、より安全な情報であるといわれている。なおここで「静脈の血管パターン」とは、静脈の血管が織りなす網目のような複雑な模様を意味する。
【0004】
静脈認証では、毛細血管など不安定な細い血管を使わず、模様の安定した太い血管のパターンを用いることが一般的である。静脈の血管パターンの撮影には、2種類の近赤外線照射方法がある。一つは近赤外線を認証対象となる部位に照射し、反射光を撮影する「反射型」であり(下記非特許文献3乃至5参照)、もう一つは、認証対象となる部位を通り抜けた光を撮影する「透過型」(下記非特許文献6参照)である。
【0005】
一方、認証の際に静脈の血管パターンの撮影をしやすい部位として、手のひら(下記非特許文献5参照)、手の甲(下記非特許文献3、4参照)、指の静脈(下記非特許文献6参照)が考えられている。手のひらを採用する静脈認証は、装置に全く触れない状態で個人識別が可能となるといった利点がある(完全非接触型)。この認証操作は、センサの上方に手をかざすだけで済み、反射型撮影方式の良さを生かした便利性の高いものである。また、指の静脈を採用する静脈認証は、主として指の第二関節部分に近赤外線を透過させて、指の静脈の血管パターンを撮影し、認証するものである。また手の甲の部分の静脈パターンを採用する静脈認証は、限定されるわけではないが、主に入退出管理向けの製品に好適である。手握り冶金やセンサ口を甲でふさぎ、手の甲サイズに開けたセンサ口に手の甲を押し当てて認証する。センサ口にマイクロスイッチが付いており、甲でセンサ口をふさぐと、撮影される仕組みとなっているのが一般的である。
【0006】
【非特許文献1】X.Yuan,J.M.Lu,T.Yahagi,“A Method of Face Recognition Based on Contour Maps”,IEEJ Trans. EIS,vol.125,no.3,426−434,March 2005
【非特許文献2】J.M.Lu,X.Yuan,T.Yahagi,“A Method of Face Recognition Based on Fuzzy Clustering and Parallel Neural Networks”,Signal Processing,vol.86,no.8,2026−2039,Aug.2006.
【非特許文献3】S.K.Im,H.M.Park,Y.W.Kim,S.C.Han,S.W.Kim and C.H.Hang,“An Biometric Identification System by Extracting Hand Vein Patterns”,Journal of the Korean Physical Society,vol.38,268−272,March 2001
【非特許文献4】C.L.Lin and K.C.Fan,“Biometric Verification Using Thermal Images of Palmーdorsa Veinーpatterns”,IEEE Trans. on circuits and systems for video technology,vol.14,no.2,199−213,Feb.2004
【非特許文献5】佐々木繁,川合裕昭,若林晃,“手のひら静脈認証技術の製品展”,FUJITSU,vol.56,no.4,346−357,2005
【非特許文献6】三浦直人,長坂晃朗,宮武孝文,“線追跡の反複試行に基づく指静脈パターンの抽出と個人認証への応用”,電子情報通信学会論文誌,vol.J86ーDーII,no.5,678−687,2003
【非特許文献7】C.L.Lin,T.C.Chuang and K.C.Fan,“Palmprint Verification Using Hierarchical Decomposition”,Pattern Recognition,vol.38,2639−2652,2005
【非特許文献8】小畑秀文,モルフォロジー,コロナ社,1996
【非特許文献9】M.Niemeijer,B.V.Ginneken and J. Staal,“Automatic Detection of Red Lesions in Digital Color Fundus Photographs”,IEEE Trans. on medical imaging,vol.24,no.5,584−592,May 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記文献においても、センサ口に手の甲を押し当てて認証するなど認証対象となる個人に対して特別の手間が必要となるため煩雑になってしまうといった課題がある。従って、新たな認証方法及びそれに必要とされる新たな認証処理が必要となる。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、認証対象となる個人に対しより簡便で精度の高い個人認証装置及びそれに用いられる個人認証プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための一手段として、本発明に係る個人認証装置は、光源が内蔵されたハンドル部と、光源から放出される光を受光する受光部と、受光部が受光した光に基づき個人認証を行う情報処理部と、を有することを特徴とする。
【0010】
なお、本手段において、限定されるわけではないが、ハンドル部と受光部との間に設けられる可視光カットフィルタを有することが好ましい。
【0011】
また、本手段において、限定されるわけではないが、情報処理部は、受光部が受光した光に基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部と、手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部と、手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部と、回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部と、抽出したROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部と、認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部と、静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと、個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する相関計算部と、を有することも好ましい。
【0012】
また、上記課題を解決する他の一手段として、本発明に係る個人認証プログラムは、コンピュータに、人間の手を透過した光の強度データに基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部、手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部、手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部、回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部、抽出した前記ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部、認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部、静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと、個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する判定部、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明により、認証対象となる個人に対しより簡便で精度の高い個人認証装置及びそれに用いられる個人認証プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本実施形態に係る個人識別プログラムについて説明する。図1は、本実施形態に係る個人認証装置の概略を示す図である。本実施形態に係る個人認証装置は、図1で示されるとおり、光源11が内蔵されたハンドル部1と、ハンドル部1の光源11から放出される光を受光する受光部2と、ハンドル部1と受光部2との間に設けられる可視光カットフィルタ3と、受光部が受光した光に基づき個人識別を行う情報処理部4と、を有する。
【0015】
ハンドル部1は、図1で示されるとおり、認証対象となる人が把持するための部である。またハンドル部1には光源11が内蔵されており、認証対象となる人がこのハンドル部を握った場合に、光源11から光を放出すれば光は手の甲を透過し、受光部2により受光できる。本実施形態では、人にハンドルを握らせることで手の甲側に適度の張りを生じさせ、手の甲側に明瞭な血管パターンを生じさせることができるようになり、しかも手が光源11の近傍となるため、より明瞭な血管パターンを得ることができるようになる。ハンドル部1の形状としては、限定されることなく様々な形態を採用することができ、限定されるわけではないが、例えばドアのハンドルに光源を組み込んだ形態とすることができる。この場合、ドアを開けようとする動作と個人認証動作とを一連の流れで行なうことができ、人は特段の動作を必要としなくなるためより容易に個人認証を行なうことができるという利点がある。なお、図2にハンドル部1の他の形態の例を示しておく。
【0016】
またハンドル部1に内蔵される光源11としては、限定されることなく種々のものを採用することができるが、放出される光の波長としては、近赤外領域であることが好ましく、より具体的には700nm以上800nm以下の波長を多く含む光源であることが好ましい。これは還元ヘモグロビンを多く含む静脈中の血液が近赤外光を吸収する性質を利用するためである。
【0017】
受光部2は、光源11から放出される光を受光し、情報処理部4に出力するものである。受光部2の構成としては、限定されるわけではないが、例えばCCDカメラを採用することができる。
【0018】
またハンドル部1と受光部2との間には可視光カットフィルタ3が設けられている。可視光カットフィルタ3を設けることで、証明条件の変化や、手の甲にある傷跡などの影響を削減することが可能となる。なお、カットする可視光の領域としては、限定されるわけではないが、750nm以下の可視光をカットする性能を有することが好ましい。また、可視光カットフィルタ3の配置は、ハンドル部1と受光部2の間であることが好ましいが、受光部2の近傍、個人認証の際に認証対象となる人の手と受光部2の間となるよう配置されることがより効果的で好ましい。
【0019】
情報処理部4は、光部が受光した光に基づき個人認識を行う部である。図3に、本実施形態に係る情報処理部4(以下「本情報処理部4」ともいう。)の機能ブロック図を示す。
【0020】
図3で示すとおり、本情報処理部4は、受光部が受光した光に基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部41と、手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部42と、手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部43と、回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部44と、抽出した前記ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部45と、認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部46と、静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する判定部47とを有する。
【0021】
本情報処理部4は、上記の処理を用いて個人認識を行なうことができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば、上記各部として機能するためのプログラムをコンピュータのハードディスクなどの記録媒体に格納し、実行することで実現させても良い。
【0022】
手の甲画像データ作成部41は、受光部2が受光した光強度のデータに基づき手の甲画像データを作成する。なお、手の甲画像データを画像として表現した場合における手の甲画像の例を図4に示す。図4で示すとおり、この図には、人の手及び静脈パターンが現れている。
【0023】
次に、本情報処理部4は、指ウェブデータ作成部42により、手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する。ここで「指ウェブ」とは、各指の骨の間の最も窪んだ部分を意味する。この指ウェブデータを用いることで、本情報処理部4は、手の甲の向いている方向や手の甲の位置などの補正を行ない、認証の精度を高めることができるようになる。
【0024】
なお、指ウェブデータの作成開始に先立ち、手の甲画像データに対しコントラスト調整を行なっておくことはより好ましい。このようにすることで指ウェブデータ作成の精度をより高めることができる。コントラスト調整を行った例を図5に示す。
【0025】
ここで、指ウェブデータの作成についてより具体的に説明する。まず、指ウェブデータ作成部42は手の輪郭線データを作成する。手の輪郭線データは、限定されるわけではないが、手の輪郭線を構成する複数の点の位置データの集合であることが好ましく、この手の輪郭線データを画像として表現した例について図6に示しておく。
【0026】
そして指ウェブデータ作成部42は、ある点、例えば手の輪郭線のうち、手首から腕側に伸びている部分と画像の下端との交点2つの中間点(Wm、図6参照)と、輪郭線の各点とのユークリッド距離をそれぞれ求め、その分布を求める。この分布グラフの例を図7に示す。そしてこの分布から局所曲率の最小値を求め、複数の指ウェブ位置データを抽出する。なお指ウェブデータは、限定されるわけではないが、人差し指と中指の間の指ウェブ(Fw1)、中指と薬指の間の指ウェブ(Fw2)、薬指と小指の間の指ウェブ(Fw3)の3つの指ウェブデータを求めることが認証精度向上の観点から好ましい(図6参照)。なお、上記輪郭線の中間点Wmと輪郭線の各点とのユークリッド距離は、以下の式で求められる。なお下記式中、DE(i)はユークリッド距離を、XWmは上記中間点のx座標における位置データを、Xb(i)は、輪郭線の点iにおけるX座標の位置データを、Ywmは上記中間点におけるY座標の位置データを、Yb(i)は、輪郭線の点iにおけるY座標の位置データをそれぞれ示している。
【数1】
【0027】
このようにすることで、本実施形態係る指ウェブデータ作成部42は指ウェブの位置を確定させることが可能となり後述の様々な処理が可能となるだけでなく、個人認証の制度をより高くすることができる。
【0028】
次に、本実施形態に係る回転・移動処理部43は、上記で求めた指ウェブFw1、Fw2を通過する直線を求め、この直線と画像データにおけるX軸又はY軸との回転角を求め、上記の直線がX軸又はY軸と並行になるように回転処理を行う。なお、限定されるわけではないが、例えば指ウェブFw1、Fw2を通過する直線とX軸との角度は以下の式で求めることができる。なお下記式中、αは直線の傾き角を、YFw3は指ウェブFw3におけるY座標の位置データを、YFw1は指ウェブFw1におけるY座標の位置データを、XFw3は指ウェブFw3におけるX座標の位置データを、XFw1は指ウェブFw1におけるX座標の位置データをそれぞれ表す。なお、例えば図4の例で示される画像に対し回転処理を行った結果を図8に示す。
【数2】
【0029】
次にROI領域データ抽出部44は、回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出する。ここでROI領域とは、手の甲画像の一部の領域であって、静脈の血管パターンを用いて個人認証するために特に注目する領域をいう。ROI領域は、上記機能を奏する領域であれば限定されるわけではないが、例えばFw1とFw3を通る上記直線と所定距離をおき、かつ中間点が指ウェブFw2のX座標と同じである平行な一辺を有する四角形の領域であることが好ましい。このROI領域の例を図8、図9に示しておく。
【0030】
また、静脈パターンデータ抽出部45は、ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する。具体的な処理について以下説明する。
【0031】
本実施形態に係る個人認証装置は、手の甲の透過画像を用いている。この場合において透過光は手が厚いほど透過しにくくなるが人間の手の厚みは一様ではないため輝度むらが生じ、ノイズとなる。そのため、本実施形態に係る静脈パターン抽出部45は、限定されるわけではないがモルフォロジーによる手法を採用する。モルフォロジーによる手法は、限定されるわけではないが、対象画素を中心に一定の直径を有する円板のmin処理、max処理を行い、最初のmin処理により、当該直径より少ない縦、横の両方向の線分を消失させる。この結果、静脈部分を隠し、輝度村の分布を示す背景画像を求める。そしてこの背景画像を上記図9で示すROI領域の画像から差し引くことで輝度むらを除去する。なお、上記得た背景画像を図10に、図9で示す画像から輝度むらを除去した結果の画像を図11に示す。また、min処理、maxsy処理、opening処理の式を下記にそれぞれ示しておく。
【数3】
【数4】
【数5】
【0032】
ここでXBは集合Xの構造要素Bによるopeningを表す。またBSは構造要素Bの対象集合を表す。
【0033】
また、本実施形態に係る静脈パターンデータ抽出部45は、複数の方向に対し、所定の幅の直線を線形構造要素としてopening処理を行う(複数の方向の例については図12参照)。なお直線の所定の幅は血管の幅により定められる。図12の例は、0°、30°、60°、90°、120°、150°の例であり、それぞれに沿った線形の構造要素でopening処理を行った画像の例を図13乃至図18に示しておく。このopening処理は対象画素を中心にそれぞれ所定のmin処理、max処理を行うものであるため、最初のmin処理で、それぞれの方向において所定の画素より少ない線分長を消失させる一方、次のmax処理で所定の長さの線分を元の状態に戻す。なお、上記各方向に対するopening処理の結果得られる画像はそれぞれの画像方向性を有するため、異なる方向の線形構造要素を用いて画像強調が施されている。そこで、本実施形態に係る静脈パターンデータ抽出部45は強調画像の各点に上記複数の方向に対するopening処理の結果得られた画像における最大濃淡値を与え、新しい強調画像を作成する。この画像の例を図19に示す。
【0034】
次に、静脈パターンデータ抽出部45は、ここで求めた輝度画像から二値画像を作成する。この二値画像を作成する処理としては、二値化処理を挙げることができ、画像をオブジェクト領域(1の値)と背景領域(0の値)に分離する。この二値化処理としては、限定されるわけではないが、画像におけるヒストグラムを2つに分割した場合のクラス間分散が最大にある点を閾値とし、これを基準に分けることが好ましい。なおこの結果得られる二値画像を図20に示す。
【0035】
そして、静脈パターンデータ抽出部45は、更に、求めた二値画像から幅1画素の線画像に変換する。この結果を図21に示す。
【0036】
なお、上記抽出した静脈パターンデータは、それだけでは個人を認証することができず、認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部46が必要である。個人静脈パターンデータベース部46は、限定されるわけではないが、個人を特定するためのデータ(例えば氏名データやIDデータ等)と、この個人を特定するためのデータに対応させた静脈パターンデータとを一又は二以上格納して構成されていることが好ましい。なお、図22に、格納される静脈パターンの細線画像の例を示す。
【0037】
判定部47は、静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算することで同一人であるか否かを判定する。判定する方法としては、実現できる限りにおいて限定されるわけではないが、指紋隆線の端点又は分岐点(マニューシャ)のマッチングを用いる方法が好適である。マッチングとしては、限定されるわけではないが、マニューシャの出現位置や角度の一致度だけでなく、マニューシャ間の全ての点の出現位置や角度の一致度(精細照合)も調べることが好適である。なお図23に、図21から抽出したマニューシャの例を示しておく。なお、静脈パターンデータベース部46には、上記の静脈パターンの細線画像だけでなく、このマニューシャについても登録しておくことは非常に有用である。登録されるマニューシャの例を図24に示す。
【0038】
判定部47は、マニューシャのマッチングにおいて、まずマニューシャの抽出を行なう。マニューシャは以下の式により抽出する。なお、下記式において、R(k)は、ある点Aの8近傍の濃淡値を示し、Cn=6の場合、Aは分岐点であり、Cn=2の場合、Aは端点を意味する。
【数6】
【0039】
次に、判定部47では、上述の処理において発生するノイズにより生じる偽の特徴点を除去し、残った特徴点に対しマッチングを行なう。
【0040】
なお、本判定部47では、各マニューシャにおいて、方向コードも付与する。方向コードは、当該マニューシャにおいて右下の画素(i0+1,j0+1)を1、右の画素(i0+1,j0)を2、…、下の画素(i0,j0+1)を8と左回りに順番に番号をつけ、X座標、Y座標、端点、分岐点の種別と方向コードとを合わせて認識する。即ち、個人静脈パターンデータベース部46に格納される登録マニューシャP及びここで求められる入力マニューシャQは、以下の式で表される。
【数7】
【0041】
ここでXi及びXjはX座標、Yi及びYjはY座標、SDi及びSDjは方向コード、Ki及びKjは端点、分岐点の種別を表す。
【0042】
判定部47は、限定されるわけではないが、マニューシャのマッチングを段階的に行なう。まず、登録マニューシャと入力マニューシャとの間で以下の条件を満たすか否かを判定し、合致するものについてより詳細なマッチングを行なう。
(1)マニューシャの間の距離がしきい値Thdt以下
(2)マニューシャの間の方向差がしきい値Thθt以下
(3)マニューシャの間の種別が一致
(4)マニューシャの間の距離の総和が最小
(5)1対1の対応
【0043】
詳細なマッチングは、まず、各分岐点の位置と方向に基づいて位置ずれを微調整する(位置ずれを調整した後の画像の例を図25に示す。)。そしてその後各分岐点から静脈の連結領域毎に追跡してX、Y座標と方向コードを抽出して点を表す。各点間の方向差の総和θsumと各点間の距離の総和Dsumを以下の式に従い認証を行なう。
【数8】
【0044】
ここでnum=M+N、M,Nは分岐点と端点の数を示す。またcount葉出発点から次の分岐点又は端点までの点数を示す。angle1は登録画像の各点における方向コードを示し、angle2は入力画像の各点における方向コードを示す。またX1、X2は登録画像における各点のX座標を、Y1、Y2は登録画像における各点のY座標を、をそれぞれ示す。
【0045】
また、照合率は次のように示される。
【数9】
【0046】
即ち、同一人であるか否かの判定は、以下の式で表現される。
【数10】
【0047】
なお、Thd2とThθ2を増加すると、本人は認証されやすくなる一方で同時に、他人が誤って認証される率も高くなる。そのため、しきい値Thd2とThθ2は本人拒否率と他人認証率のバランスを配慮し、運用時に適切な動作点を設定する必要がある。
【0048】
よって、以上の通り、本実施形態に係る個人認証装置により、より簡便、確実に個人認証を行なうことができる。特に、本個人認証装置を用いると、ドアなどを開けようとハンドルを握るだけで個人認証を行なうことができ、特別な操作が不要となり、カードなどのキーの形態が不要になり、盗難や偽造の防止が可能となる等利便性が高くなる。更に、手の回転や位置ずれにロバストなシステムを構成することができ、ハンドルを握る方法であってもより精度が高いものとなっている。
【実施例】
【0049】
ここで、実際に上記の個人認識装置を作成し、実際の認識処理を行った。実験は、30名の登録者が自然にドアハンドルを握る状態で行い、各人全ての画像を2回撮り、それを片手10枚ずつ、30人で合計600枚の静脈パターンを学習させ、上記登録者30名に5名の未登録者を加えて同様に800枚(登録者600枚、未登録者200枚)の静脈パターンを取得し、これについて、登録者であるか未登録者であるかの認証の是非を確認した。この結果を表1に示す。
【0050】
表1の結果によると、登録者に対しては98%以上の認識率(600枚中、誤認識は4枚、拒否された枚数は4枚)、未登録者に対しては99%以上の拒否率(200枚中誤認識された枚数2枚)を得ることができ、本発明の有用性について確認することができた。なお、図26に、本実施例において取得された静脈パターンの細線画像の例を示しておく。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態に係る個人認証装置の概略図である。
【図2】ハンドル部の他の例を示す図である。
【図3】情報処理部の機能ブロック図である。
【図4】手の甲画像の例を示す図である。
【図5】コントラスト調整を行った手の甲画像の例を示す図である。
【図6】手の甲の輪郭線を示す図である。
【図7】ユークリッド距離の分布を示す図である。
【図8】回転処理を行い、ROI領域を抽出した例の図である。
【図9】ROI領域の例を示す図である。
【図10】ROI領域における背景画像の例を示す図である。
【図11】図9から図10を用いて照明補正を行った画像の例を示す図である。
【図12】構造要素の例を示す図である。
【図13】0度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図14】30度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図15】60度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図16】90度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図17】120度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図18】150度の方向にopening処理を行った結果の例を示す図である。
【図19】強調画像の例を示す図である。
【図20】二値画像の例を示す図である。
【図21】細線画像の例を示す図である。
【図22】静脈パターンデータベース部に格納される細線画像の例を示す図である。
【図23】マニューシャの例を示す図である。
【図24】静脈パターンデータベース部に格納されるマニューシャの例を示す図である。
【図25】位置ずれを補正したマニューシャの例を示す図である。
【図26】実施例において取得した静脈パターンの細線画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1…ハンドル部、2…受光部、3…可視光カットフィルタ、4…情報処理部、11…光源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が内蔵されたハンドル部と、
前記光源から放出される光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光に基づき個人認証を行う情報処理部と、を有する個人認証装置。
【請求項2】
前記ハンドル部と前記受光部との間に設けられる可視光カットフィルタを有する請求項1記載の個人認証装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記受光部が受光した光に基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部と、
前記手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部と、
前記手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部と、
回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部と、
抽出した前記ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部と、
認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部と、
前記静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと、前記個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する相関計算部と、
を有する請求項1記載の個人認証装置。
【請求項4】
コンピュータに、
人間の手を透過した光の強度データに基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部、
前記手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部、
前記手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部、
回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部、
抽出した前記ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部、
認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部、
前記静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと、前記個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する判定部、として機能させるための個人認証プログラム。
【請求項1】
光源が内蔵されたハンドル部と、
前記光源から放出される光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光に基づき個人認証を行う情報処理部と、を有する個人認証装置。
【請求項2】
前記ハンドル部と前記受光部との間に設けられる可視光カットフィルタを有する請求項1記載の個人認証装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記受光部が受光した光に基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部と、
前記手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部と、
前記手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部と、
回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部と、
抽出した前記ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部と、
認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部と、
前記静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと、前記個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する相関計算部と、
を有する請求項1記載の個人認証装置。
【請求項4】
コンピュータに、
人間の手を透過した光の強度データに基づき手の甲画像データを作成する手の甲画像データ作成部、
前記手の甲画像データから複数の指ウェブデータを作成する指ウェブデータ作成部、
前記手の甲画像データに対し回転処理及び移動処理の少なくともいずれかを行う回転・移動処理部、
回転処理又は移動処理の少なくともいずれかが行われた手の甲画像データからROI領域データを抽出するROI領域データ抽出部、
抽出した前記ROI領域データから静脈パターンデータを抽出する静脈パターンデータ抽出部、
認証対象となる個人の静脈パターンデータを予め記憶してなる個人静脈パターンデータベース部、
前記静脈パターンデータ抽出部が抽出した静脈パターンデータと、前記個人静脈パターンデータベース部における個人静脈パターンデータとの相関を計算する判定部、として機能させるための個人認証プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−299678(P2008−299678A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146286(P2007−146286)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]