説明

偏長ナノ構造を成長させるための触媒ナノ粒子の形成方法

【課題】基板上の3次元構造の少なくとも1つの側壁に、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を設けるための良好な方法および、こうした触媒ナノ粒子を触媒として用いて、偏長ナノ構造を形成するための良好な方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの触媒ナノ粒子(8)を、基板(1a,1b)の主面(15)上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁(10)に設けるための方法であって、該主面(15)は面内にあり、3次元構造の側壁(10)は基板(1a,1b)の主面の面に対してほぼ垂直な面内にあり、主面(15)上に、非触媒マトリクス(5)に埋め込まれた触媒ナノ粒子(7)を含む3次元構造を得ること、3次元構造の側壁(10)において非触媒マトリクス(5)の少なくとも一部を選択的に除去して、少なくとも1つの触媒ナノ粒子(8)を露出させること、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒ナノ粒子の形成に関する。特に、本発明は、3次元構造の少なくとも1つの側壁に、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を設けるための方法を提供する。本発明はまた、こうした触媒ナノ粒子を触媒として用いて、3次元構造の少なくとも1つの側壁に、少なくとも1つの偏長(elongated)ナノ構造を形成するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ナノワイヤ(NW)やカーボンナノチューブ(CNT)などのナノ構造は、マイクロエレクトロニクス製造プロセスで現在使用されている材料を拡張して置換する、最も期待された候補の1つとして認められている。例えば、金属性CNTは、高い電流伝送能力に起因して、ナノエレクトロニクス相互接続として提案されており、一方、半導体性CNTは、広範囲のバンドギャップに起因して、ナノスケールのトランジスタ素子として提案されている。これらおよび類似の応用は、ナノ構造の製作が未だ、一応用から他の応用まで変化し、ある面では類似である様々な未解決問題に直面しているため、完全には達成できていない。
【0003】
第1の課題は、基板の主面にほぼ平行な方向、即ち、基板の主面が面内にある場合、メイン基板の面にほぼ平行な方向へのナノ構造の成長に関係する。
【0004】
ビア及び/又は溝及び/又は何れか所望の3次元構造の側壁に触媒ナノ粒子を形成し、これらの触媒ナノ粒子からナノ構造を直接成長させ、そして、例えば、CNT「相互接続」を所定の位置に置くことは、別々の工程でこれらを所望の位置に配置するという困難なタスクを行うことと比べて、好都合であろう。
【0005】
先行技術の方法において、物理的気相成長法や化学的気相成長法(PVDやCVD)を用いて3次元構造の側壁に触媒ナノ粒子を配置することは記載されている。CNTを成長させるサンプルは、CNTがウエハ表面に対して平行に成長するような反応器内に置かれる。
【0006】
文献(Advanced Materials, Vol. 15, No. 13, page 1105, 2003, Cao et al.)は、化学的気相成長法を用いて、予めパターン化した電極間での方向選択性のCNT面内成長を記載している。しかしながら、この技術は、シャドーイング効果に基づいており、堆積は、全てが同じ方向に面した側壁上でのみ生ずる。よって、この方法では、CNTは1つの予め定めた方向にのみ成長することができる。従って、この技術は、例えば、接続が基板主面にほぼ平行な面内において全ての可能性ある方向に進む必要がある相互接続応用には適していない。
【0007】
文献(Applied Physics Letters, 89, 083105, 2006, Shi et al.)は、レーザ支援化学的気相成長法(LCVD)によって金属電極をブリッジさせることによって単層(single-walled)CNTの直接合成を記載している。しかしながら、この合成は極めて局所的であり、使用するレーザスポットのサイズによって制限される。この技術を用いて、ほんの幾つかのCNTが電極と交差するように作成されるだけである(文献の図2は、基板上に形成された2個のCNTだけを示している)。
【0008】
より多くのCNTを形成すること、換言すると、より高密度のCNTを基板上に設けることは、多くのコストおよび時間を要するであろう。この目的のためにレーザスポットを基板の表面全体に移動させる必要があるからである。この技術は、高密度、例えば、相互接続応用に必要とされる1012cm−2より高い密度のCNTまたはNWを得るにはあまり適していない。よって、この技術はCNTの量産に使用するには適していない。
【0009】
他の課題は、上記ナノ構造を製造する既存の方法が、標準的な既存の半導体プロセス技術と特に互換性がないことである。
【0010】
文献(Advanced Materials, Vol. 12, No. 12, page 890, 2000, Franklin et al.)は、指向性を持つ広いナノチューブ網のための拡張CVD法を記載している。指向性とは、ここでは、所定の方向に長手軸を有するナノチューブを成長させることを意味する。しかしながら、この手法では、10μm高さのシリコンタワーを使用しており、最新技術の半導体プロセスと互換性を付与したり、そこに組み込むことは困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現在まで改良が達成されているが、触媒ナノ粒子を3次元構造の側壁に配置することは、基板と平行に配向し得るナノ構造の後続の成長を得るには厳しいままである。現在までは、経済的かつ魅力的で現実的な方法で、拡張可能であって既存の半導体プロセス技術と完全に互換性のあるような方法が存在していない。
【0012】
本発明の目的は、基板上の3次元構造の少なくとも1つの側壁に、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を設けるための良好な方法および、こうした触媒ナノ粒子を触媒として用いて、偏長ナノ構造を形成するための良好な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は、本発明に係る方法および装置によって達成される。
【0014】
本発明の実施形態に係る方法は、拡張可能であって既存の半導体プロセスと完全に互換性がある。
【0015】
さらに、本発明の実施形態に係る方法は、偏長ナノ構造の直径、数、密度、長さに関する制御を用いて、CNTなどの偏長ナノ構造の成長を可能にする。
【0016】
本発明の実施形態に係る方法は、触媒ナノ粒子を3次元構造の側壁に配置する方法を提供し、そして、例えば、狭い相互接続構造では難しい、ナノ粒子を既存の3次元構造の側壁にスパッタするなどの最新技術についての代替技術を提供する。
【0017】
本発明の第1態様では、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を、基板主面上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁に設けるための方法が提供され、該主面は面内にあり、3次元構造の側壁は基板主面の面に対してほぼ垂直な面内にある。
【0018】
該方法は、下記ステップを含む。
・基板の主面上に、非触媒マトリクスに埋め込まれた触媒ナノ粒子を含む3次元構造を得ること、
・3次元構造の側壁において非触媒マトリクスの少なくとも一部を選択的に除去して、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を露出させること、
【0019】
側壁において非触媒マトリクスの少なくとも一部を選択的に除去することは、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングの技術を用いて行ってもよい。
【0020】
3次元構造を得ることは、下記のステップで行ってもよい。
・基板主面に、少なくとも1つの開口を含む犠牲パターンを設けること、
・少なくとも1つの開口を、触媒ナノ粒子が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む材料で充填すること、
・犠牲パターンを除去して、3次元構造を形成すること、
【0021】
犠牲パターンを除去することは、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングの技術を用いて行ってもよい。
【0022】
少なくとも1つの開口を、触媒ナノ粒子が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む材料で充填することは、下記のステップを含んでもよい。
・少なくとも1つの開口を、触媒材料が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む材料で充填すること、
・アニール工程を行って、触媒ナノ粒子を形成すること、
【0023】
非触媒導電性マトリクスに埋め込まれる触媒材料は、合金(alloy)でもよく、例えば、銅(Cu)マトリクスに埋め込まれたコバルト(Co)の合金でもよい。
【0024】
アニール工程は、高速熱アニール(Rapid Thermal Anneal)によって350℃〜900℃の温度で行ってもよい。
【0025】
犠牲パターンでの少なくとも1つの開口を、触媒材料が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む材料で充填することは、共堆積(co-deposition)技術によって行ってもよい。
【0026】
本発明の実施形態によれば、共堆積技術は、触媒材料、例えば、金属、と非触媒マトリクス、例えば、金属との両方が電解質中の溶解金属イオンから堆積できるようにした合金共堆積を含んでもよい。
【0027】
本発明の他の実施形態によれば、共堆積技術は、触媒ナノ粒子が金属粒子として溶液中に分散し、マトリクスが溶液中の溶解金属イオンから堆積するようにした粒子共堆積を含んでもよい。例えば、適切な溶液は、硫酸銅溶液中のCoナノ粒子を含んでもよい。
【0028】
少なくとも1つの開口を、触媒材料が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む材料で充填することは、電気化学堆積または無電解堆積によって同じ電解槽から行ってもよい。
【0029】
犠牲パターンを設けることは、下記のステップで行ってもよい。
・犠牲材料層、例えば、有機材料層を基板の主面上に設けること、
・所定のパターンに従って、犠牲材料層に少なくとも1つの開口を形成し、基板の主面の一部を露出させること、
【0030】
少なくとも1つの開口を形成することは、フォトリソグラフィおよび異方性ドライエッチングプロセスを用いて、犠牲層をパターン加工することによって、所定のパターンを犠牲層に転写するように行ってもよい。
【0031】
本発明の実施形態によれば、該方法は、3次元構造の側壁において非触媒マトリクスの少なくとも一部を選択的に除去する前に、キャッピング層を非触媒マトリクスの上部に設けることを含んでもよい。キャッピング層は、偏長ナノ構造が3次元構造の上に成長するのを防止するためのものでもよい。
【0032】
本発明の実施形態によれば、基板は、例えば、半導体ウエハであってもよいキャリアと、電気化学堆積または無電解堆積を開始するためのシード層とを含んでもよい。シード層は、例えば、WCNまたはCuを含む連続層または不連続層でもよく、他の実施形態によれば、Pd,Pt及び/又はRuの粒子を含む連続層または不連続層でもよい。
【0033】
本発明の実施形態によれば、該方法は、犠牲パターンを除去した後、シード層の露出部分を除去することをさらに含んでもよい。
【0034】
本発明の更なる態様では、少なくとも1つの偏長ナノ構造を、基板主面上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁に形成するための方法が提供され、該主面は面内にあり、3次元構造の側壁は基板主面の面に対してほぼ垂直な面内にある。
【0035】
該方法は、下記ステップを含む。
・基板の主面上に、非触媒マトリクスに埋め込まれた触媒ナノ粒子を含む3次元構造を得ること、
・3次元構造の側壁において非触媒マトリクスの少なくとも一部を選択的に除去して、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を露出させること、
・少なくとも1つの露出した触媒ナノ粒子を触媒として用いて、少なくとも1つの偏長ナノ構造を成長させること、
【0036】
少なくとも1つの偏長ナノ構造を成長させることは、少なくとも1つの偏長ナノ構造が基板主面の面に対してほぼ平行な面内にあるように行ってもよい。
【0037】
少なくとも1つの偏長ナノ構造を成長させることは、化学的気相成長法、気相−液相−固相(Vapour Liquid Solid)法、または気相−固相−固相(Vapour Solid Solid)法によって行ってもよい。
【0038】
本発明の実施形態によれば、偏長ナノ構造はカーボンナノチューブ(CNT)であってもよく、CNTの成長は、カーボン源を用いて化学的気相成長法によって行ってもよい。
【0039】
本発明の実施形態によれば、該方法は、3次元構造の側壁において非触媒マトリクスの少なくとも一部を選択的に除去する前に、キャッピング層を非触媒マトリクスの上部に設けることを含んでもよい。キャッピング層は、偏長ナノ構造が3次元構造の上に成長するのを防止するためのものでもよい。
【0040】
更なる態様では、基板主面上にある3次元構造が提供され、該3次元構造は、少なくとも1つの偏長ナノ構造を少なくとも1つの側壁に含み、該3次元構造は、本発明の実施形態に係る方法によって得られるものである。
【0041】
本発明は、更なる態様において、半導体デバイスの製造プロセスにおいて本発明の実施形態に係る方法の使用を提供する。
【0042】
本発明はまた、半導体デバイスでの相互接続の形成において本発明の実施形態に係る方法の使用を提供する。
【0043】
更なる態様では、本発明は、主面が面内にある基板主面上に、少なくとも1つの3次元構造を備える半導体デバイスを提供する。
【0044】
半導体デバイスは、半導体デバイスの少なくとも1つの側壁に形成された、少なくとも1つの偏長ナノ構造をさらに備える。少なくとも1つの偏長ナノ構造は、基板主面の面に対してほぼ平行な面内にあり、本発明の実施形態に係る方法によって形成される。
【0045】
本発明の実施形態によれば、触媒ナノ粒子(触媒)を、垂直(3D)構造の側壁の少なくとも1つに形成するための方法が提供される。この実施形態に係る方法は、下記ステップを少なくとも含む。
・最初に、基板の上に犠牲層を設けること、
・開口を有する犠牲パターンを前記基板に設けて、前記開口の下部において基板の上面を露出させること、
・前記開口を非触媒マトリクスに埋め込まれた触媒材料で、少なくとも部分的に充填すること、
・キャッピング層を、触媒材料を含む非触媒マトリクスの上に設けること、
・犠牲層を除去して、非触媒マトリクスの側壁を露出させ、垂直(3D)構造を形成すること、
・任意には、触媒材料が触媒ナノ粒子へ変換するように、基板をアニールすること、
・垂直(3D)構造の側壁において非触媒マトリクスを選択的にエッチング(部分的に除去)して、ナノ粒子を露出させること、
【0046】
本発明の特定かつ好ましい態様は、添付した独立および従属の請求項に記述されている。従属請求項からの特徴は、適切かつ請求項で明示されたものとしてだけではなく、独立請求項の特徴および他の従属請求項の特徴と組み合わせてもよい。
【0047】
この分野では、デバイスについて一定の改良、変化および進化があるが、本概念は、先の実践からの出発を含み、より効率的で安定し信頼されるこの種のデバイスの提供をもたらす実質的に新しい新規の改良を意味するものと思われる。
【0048】
本発明の上記および他の特性、特徴および利点は、本発明の原理を例として示す添付図面に関連して、下記の詳細な説明から明らかになろう。この説明は、例示のためだけであり、本発明の範囲を制限するものでない。下記で引用した参照図面は、添付図面を参照している。
【0049】
全ての図面は、本発明の幾つかの態様および実施形態を示すことを意図している。全ての代替品およびオプシヨンを示しているものでなく、よって本発明は添付図面の内容に限定されるものではない、同様な符号は、異なる図面で同様な部品を参照するために用いている。
【0050】
異なる図面において、同じ参照符号は、同じまたは類似の要素を参照している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明は、特定の実施形態に関して一定の図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されず、請求項によってのみ限定される。記載した図面は、概略的かつ非限定的なものである。図面において、幾つかの要素のサイズは、説明目的のために誇張したり、縮尺どおり描写していないことがある。寸法および相対寸法は、本発明の実際の具体化に対応していない。
【0052】
さらに、明細書および請求項での用語「上部」「下部」等は、説明目的のためであり、必ずしも相対的な位置を記述するために用いてはいない。そのように使用した用語は適切な状況下で交換可能であり、ここで説明した本発明の実施形態は、ここで説明し図示したものとは別の配向で動作可能であると理解すべきである。
【0053】
請求項で使用した用語「備える、含む(comprising)」は、それ以降に列挙された手段に限定されるものと解釈すきべきでなく、他の要素またはステップを除外していないことに留意すべきである。参照したように、記述した特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を特定するものと解釈され、1つ又はそれ以上の他の特徴、整数、ステップまたは構成要素、あるいはこれらのグループの存在や追加を排除するものでない。そして「手段A,Bを備えるデバイス」という表現の範囲は、構成要素A,Bだけからなる素子に限定すべきでない。本発明に関して、デバイスの関連した構成要素だけがA,Bであることを意味する。
【0054】
本明細書を通じて「一実施形態」または「実施形態」の言及とは、該実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。
【0055】
こうして本明細書を通じて種々の箇所での「一実施形態では」または「実施形態では」の文言の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を参照していないが、そうであってもよい。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つ又はそれ以上の実施形態でのこの開示から当業者にとって明らかなように、何れか適切な方法で組み合わせてもよい。
【0056】
同様に、本発明の例示の実施形態の説明において、本発明の種々の特徴は、種々の発明態様の1つ又はそれ以上の開示を簡素化し、その理解を支援する目的で、単一の実施形態、図面または説明においてときどき一緒にグループ化されていると理解すべきである。しかしながら、この開示方法は、請求項の発明が、各請求項で明白に記載されたものより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈するものでない。むしろ下記請求項を見た場合、発明態様は、単一の先に開示した実施形態の全ての特徴より少ない。こうして詳細な説明に続く請求項は、この詳細な説明に明白に組み込まれており、各請求項は、本発明の別々の実施形態としてそれ自体を基礎としている。
【0057】
さらに、ここで説明した幾つかの実施形態は、他の実施形態に含まれる幾つかの他の特徴を含むとともに、異なる実施形態の特徴の組合せは、本発明の範囲内にあり、当業者によって理解されるものとして異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、下記の請求項において、請求項の実施形態の何れかは何れの組合せで使用できる。
【0058】
ここで提示した説明では、数多くの具体的な詳細が記述されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実用化してもよい。他の例では、周知の方法、構造および技術は、この説明の理解を不明確にしないため、詳細には示していない。
【0059】
本発明は、本発明の幾つかの実施形態の詳細な説明によって記載されている。本発明の他の実施形態は、本発明の真の精神または技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成可能であるこは明らかであり、本発明は、添付した請求項の用語によってのみ限定される。
【0060】
本発明は、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を、基板主面上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁に設けるための方法に関する。さらに本発明は、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を触媒として用いて、少なくとも1つの偏長ナノ構造を形成するための方法を提供する。
【0061】
本発明の一態様では、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を、基板主面上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁に設けるための方法が提供され、該主面は面内にあり、3次元構造の側壁は基板主面の面に対してほぼ垂直な面内にある。
【0062】
該方法は、下記ステップを含む。
・基板の主面上に、非触媒マトリクスに埋め込まれた触媒ナノ粒子を含む3次元構造を得ること、
・3次元構造の側壁において非触媒マトリクスの少なくとも一部を選択的に除去して、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を露出させること、
【0063】
本発明の実施形態に係る方法で形成した触媒ナノ粒子は、好都合には、3次元構造の少なくとも1つの側壁において、ほぼ平行なナノ構造を成長させるための触媒として使用してもよい。これらの触媒ナノ粒子は、所定の場所、例えば、側壁に配置可能であり、例えば、化学的気相成長法(CVD)、気相−液相−固相(VLS)法、または気相−固相−固相(VSS)法などの成長技術を用いて、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)やナノワイヤ(NW)等の偏長ナノ構造の核生成および成長を触媒することができる。
【0064】
所定の場所とは、必要な場合には、偏長ナノ構造9は3次元構造の側壁10の上だけに形成可能であり、3次元構造の他の場所ではないことを意味する。
【0065】
本発明の実施形態に係る、少なくとも1つの触媒ナノ粒子を、基板上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁に設けるための該方法、および基板上にほぼ平行な偏長ナノ構造を形成するための該方法は、何れのサイズの基板でも使用可能であり、半導体プロセス技術と完全に互換性がある。
【0066】
以下、本発明について幾つかの実施形態の詳細な説明を用いて説明する。他の実施形態は、本発明の真の精神または技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成可能であるこは明らかであり、本発明は、添付した請求項の用語によってのみ限定される。
【0067】
下記の用語は、本発明の理解を支援するためだけ提供される。
【0068】
用語「偏長ナノ構造」とは、ワイヤ(ナノワイヤ)、チューブ(ナノチューブ)、ロッド(ナノロッド)および同様な細長くてほぼ円柱状または多角形で長手軸を有するナノ構造の形状であって、何れか2次元的に限定された固体材料ピースを意味する。偏長ナノ構造の横断寸法は、1〜500ナノメータの範囲にある。
【0069】
本発明の実施形態によれば、有機偏長ナノ構造、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、または無機偏長ナノ構造、例えば、半導体のナノワイヤ(例えば、シリコンナノワイヤ)が使用できる。
【0070】
本発明によれば、例えば、CNTやNWなどの偏長ナノ構造についての用語「ベース(base)成長」は、本願で使用しているように、基板に付着した触媒ナノ粒子を有する成長を参照している。用語「先端(tip)成長」は、本願で使用しているように、基板に付着した、例えば、CNTやNWなどの偏長ナノ構造を有する成長を参照しており、ナノ粒子は、例えば、CNTやNWなどの偏長ナノ構造の上部にある。
【0071】
用語「触媒ナノ粒子」は、例えば、CNTやNWなどの偏長ナノ構造の成長のための触媒として使用するのに適した「活性」触媒ナノ粒子を参照している。換言すると、「活性」は、例えば、CNTやNWなどの偏長ナノ構造の成長/合成/作成を開始できるものとして理解される。説明において、用語、触媒ナノ粒子または触媒性ナノ粒子を使用している場合でも、同じもの、即ち、CNTやNWなどの偏長ナノ構造の成長を開始する性質を有するナノ粒子であることを意味すると理解すべきである。
【0072】
本発明によれば、用語「共堆積(co-deposition)」とは、2つ又はそれ以上の元素または粒子が、同じ時間で、例えば、同じ浴槽から堆積して、合金または複合物をそれぞれ形成することを意味する。異なる態様または種類の「共堆積」は、最新技術において知られており、例えば、文献(Brenner et al. in "Electrodeposition of Alloys", Academic Press, New York, 1963)に記載されている。
【0073】
本発明の実施形態において、用語「基板」は、何れか下地材料、あるいは、使用したり、デバイス、回路またはエピタキシャル層がその上に形成可能である「キャリア」を含んでもよい。本発明の実施形態によれば、「基板」は、例えば、WCN層などのシード層が上に設けられたキャリアを含んでもよい。このシード層は、次の電気化学堆積(ECD)または無電解堆積(それぞれ電気化学メッキまたは無電解メッキとも称される、後述)のための電極として機能する。
【0074】
「電気化学堆積」または「メッキ(plating)」とは、電流や電圧などの外部電気信号が金属イオンの減少のために印加される電気化学プロセスを意味する。「無電解堆積」または「無電解メッキ」とは、化学還元剤が金属イオンの減少のために用いられる電気化学プロセス(電流や電圧などの外部電気信号は印加されない)を意味する。
【0075】
シード層材料が堆積可能な適切なキャリア材料の例は、例えば、シリコン、ドープしたシリコン、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、インジウムリン(InP)、ゲルマニウム(Ge)、またはシリコンゲルマニウム(SiGe)である。
【0076】
代替の実施形態によれば、「キャリア」は、シード層の下に、例えば、SiO層またはSi層などの絶縁層をさらに含んでもよい。更なる実施形態によれば、基板は、それ自体がECDまたは無電解堆積を開始するシード層の性質を有する基板でもよい。
【0077】
本発明の実施形態に係る方法での続く工程は、図1A〜図1Fに概略的に示している。これは、説明の簡素化のためだけであり、本発明を限定することは意図していないと理解すべきである。該方法はまた、より多いまたはより少ない工程を含んでもよく、あるいは別の一連の工程を含んでもよい。
【0078】
第1工程において、基板1が用意される。本発明の実施形態によれば、基板1は、ECDまたは無電解堆積を開始するシード層として機能するようなものにすべきである。従って、本発明の実施形態によれば、基板1は、少なくとも1つのシード層1bを備えたキャリア1aを含んでもよい(図1Aを参照)。少なくとも1つのシード層1bは、連続層または不連続層とすることができる。
【0079】
例えば、ECD堆積の場合、基板1は、基板1の主面がECDを開始できるように、少なくとも1つのシード層1b、例えば、WCN層、Co層または銅層が上に設けられたキャリア1aで形成してもよい。ECD堆積の場合、少なくとも1つのシード層1bのうちの少なくとも1つは、連続的なものとすべきである。例えば、特定の例によれば、2つのシード層1bをキャリア1aの上に設けてもよい。従って、例えば、最初に連続的なWCN層を堆積し、続いて不連続のCo層の堆積を行ってもよい。
【0080】
他の実施形態によれば、無電解堆積の場合、基板1は、例えば、無電解メッキを開始する、例えば、Pd、PtまたはRuなどの粒子を含む不連続の堆積したシード層1bを含んでもよい。両方の場合、即ち、ECD堆積および無電解堆積の場合、キャリア1aは、例えば、SiウエハまたはSi/SiOウエハであってもよい。
【0081】
代替として、基板1は、それ自体がECDまたは無電解堆積を開始するシード層の性質を有するバルク材料で形成してもよい。この場合、シード層1bの追加設置は必要ではないが、幾つかの実施形態では設けている。
【0082】
基板1の上には、3次元構造が形成される。これは、最初に犠牲パターンを基板1上に設けることによって達成できる。犠牲パターン3は、少なくとも1つの開口または孔2を備えてもよい。本発明の実施形態によれば、犠牲パターン3を設けるステップは、最初に犠牲層を堆積し、次に、少なくとも1つの開口2を犠牲層にパターン形成して、犠牲パターン3を形成することによって実施できる(図1A参照)。
【0083】
犠牲層での開口2は、例えば、リソグラフィとドライエッチング、例えば、異方性ドライエッチングとの組合せなどの標準的な半導体プロセスを用いて形成できる。標準的なリソグラフプロセスは、少なくとも1つの感光層、例えば、フォトレジスト層を堆積し、必要に応じて反射防止コーティングを犠牲層の上部または下部に堆積し、少なくとも1つの感光層を現像して、フォトリソグラフパターンを作成することを少なくとも含んでもよい。反射防止コーティングを犠牲層の上部に設ける場合、このコーティングは、フォトリソグラフプロセス中に容易に除去できるようにしてもよい。
【0084】
そして、フォトリソグラフパターンは、例えば、反応性イオンエッチングのマスクとして使用可能であり、開口2を犠牲層に形成して、これにより基板1の主面15の一部を露出させる。
【0085】
本発明の実施形態によれば、犠牲層は、例えば、化学的気相成長法(CVD)によって形成できるSiO層とすることができる。本発明の他の実施形態によれば、犠牲層は、有機スピンオン(spin-on)材料、例えば、一般に用いられるリソグラフィ用のポリマーレジスト材料(例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル))、または有機低誘電率(low-k)誘電体材料、例えば、SiLK(登録商標)とすることができる。犠牲層の厚さは、用途および、形成する3次元構造のサイズ、特に、高さに依存しており、例えば、10nm〜10μmの範囲であってもよい。
【0086】
開口2を犠牲層に形成した後、基板1を電解漕に浸漬して、触媒材料および非触媒材料の電気化学共堆積(co-deposition)を行ってもよい。これは、例えば、ECDまたは無電解堆積によって行ってもよい。共堆積プロセス中、開口2は、触媒材料が埋め込まれたマトリクスとして機能する非触媒材料5で充填される。
【0087】
図1Bは、共堆積され埋め込まれた触媒材料を有する非触媒材料マトリクスの共堆積物4で充填された開口2を示している。本発明の実施形態によれば、図1Bに示すように、犠牲層での開口2は部分的に充填してもよい。本発明の他の実施形態によれば、開口2は完全に充填してもよい。
【0088】
非触媒材料及び/又は触媒材料は、導電性材料を含んでもよい。好ましくは、非触媒材料及び/又は触媒材料は金属を含む。当業者に知られているように、第1の非触媒材料、例えば、金属と、第2の触媒材料、例えば、金属との電気化学共堆積は、大きく離れた標準電位を有する場合、2つの材料、例えば、金属の堆積レートは大きく異なることになる。等軸晶系(regular system)の場合、触媒材料と非触媒材料は金属であり、これは、より貴の金属が低い過電圧で優先的に堆積することを意味する。
【0089】
共堆積プロセスは、マトリクス用の非触媒材料、例えば、金属を堆積するのに適した電位で実施してもよい。第2の触媒材料、例えば、金属の標準電位が、堆積を実施するときの電位からかなり離れていると、堆積条件は、第2の触媒材料、例えば、金属の堆積に好ましいことではなく、ごく少量の触媒材料、例えば、金属が、第1の非触媒材料、例えば、金属と共に堆積するだけである。共堆積プロセスの詳細は、文献("Electrochemical and Materials Science Aspects of Alloy Deposition", D. Landolt, Electrochimica Acta, Vol. 39, 1075-1090, 1994)と文献(A. Brenner, "Electrodeposition of alloys", Academic Press, new York, 1963)に記載されている。
【0090】
浴組成などの共堆積プロセスのパラメータ及び/又は堆積電位は、単層カーボンナノチューブを5nm〜30nmの直径で形成する必要がある場合、多層カーボンナノチューブを30nmより大きい直径で形成する必要がある場合、ナノワイヤを形成する必要がある場合、マトリクスとともに堆積する第2の触媒材料の量が、例えば、5nmより小さく、例えば、4〜5nmの直径を持つ粒子を形成するように調整できる。これは、例えば、偏長ナノ構造を成長できる触媒ナノ粒子として使用するの適切にする。
【0091】
金属イオンとして存在するマトリクスおよび触媒の両方を備えた電解液からの共堆積によって作られた、触媒材料が埋め込まれた非触媒材料マトリクスは、合金(alloy)と称することができる。合金組成は、浴組成を調整したり(例えば、金属イオン濃度を変化させる)、錯化剤を添加して標準電位を接近させたり、及び/又は、異なる堆積パラメータ(電位または電流)を用いることによって制御可能である。例えば、標準電位を接近させることによって、堆積プロセス、即ち、堆積レートのより良い制御が可能になり、堆積する合金の組成のより良い制御が可能になる。
【0092】
代替として、触媒材料が埋め込まれた非触媒材料マトリクスは、金属イオンとしてのマトリクスと、ナノ粒子としての触媒材料とを含有する溶液からの粒子共堆積によって作ってもよい。よって、これらの実施形態によれば、触媒粒子は、金属ナノ粒子として溶液中に分散可能であり、マトリクスは、溶液中に溶けた金属イオンから堆積可能である。例えば、本実施形態で使用する適切な溶液は、硫酸銅溶液中のCoナノ粒子でもよい。この場合、得られる共堆積物は、複合物と称される。複合物の組成または充填は、共堆積物が堆積する浴組成を調整することによって、例えば、金属イオン濃度、触媒ナノ粒子の体積分率、及び/又は初期ナノ粒子サイズを変化させることによって制御可能である。粒複合物を形成する子共堆積プロセスの詳細は、文献("Kinetics of particle co-deposition of nanocomposites", I. Shao et al., J. Electrochem. Soc. 149, C610, 2002.)で見つけられる。
【0093】
図2は、二元合金および三元合金を形成するのに適した材料の組合せの幾つかを示す。これらの合金は、電気的堆積を用いて非触媒マトリクスに埋め込まれた触媒材料の共堆積を行うことが考慮できる(文献 D. Landolt et al. "Electrochemical and Materials Science Aspects of Alloy Deposition", Electrochimica Acta, Vol. 39, No. 8/9, 1075-1090, 1994)。黒エリアは、特に重要な合金を示す。×は、他の適切な合金を示す。化学成分は、三元合金を形成するために添加された第3の合金元素を示す。三元合金は、本発明の実施形態によれば、2つの触媒材料と1つの非触媒材料を含んでもよく、あるいは、本発明の他の実施形態によれば、1つの触媒材料と2つの非触媒材料を含んでもよい。
【0094】
本発明の実施形態によれば、マトリクスを形成する非触媒材料は、例えば、銅でもよく、触媒材料は、コバルト、ニッケル、鉄または、偏長ナノ構造、例えば、ナノワイヤの成長を開始できる他の適切な材料でもよい。本発明の実施形態に係る方法で使用できる適切な組合せは、例えば、コバルトナノ粒子が埋め込まれた銅マトリクスでもよい。
【0095】
本発明の実施形態に係る方法の次のステップにおいて、図1Cに示すように、キャッピング層6を設けて、例えば、共堆積した材料4の上部に堆積してもよい。キャッピング層6は、本発明の実施形態によれば、3次元構造の上部での偏長ナノ構造の成長を防止するためでもよい。しかしながら、本発明の他の実施形態によれば、キャッピング層6を設けずに、3次元構造の上部での偏長ナノ構造の成長も望ましい。
【0096】
特定の実施形態では、キャッピング層6の厚さは、数ナノメートルから数十ナノメートルの範囲でもよい。キャッピング層6は、電気化学堆積(ECD)を用いて、あるいは、無電解堆積を用いて、堆積してもよい。キャッピング層6の堆積は、犠牲層での開口2を充填するために共堆積物4(触媒材料+非触媒材料)の設置のために用いられる浴槽と同じ電解漕から、例えば、堆積電位を調整することによって行ってもよく、あるいは、別個の電解漕から堆積してもよい。
【0097】
代替として、キャッピング層6は、物理的気相成長法(PVD)などのスパッタ技術、または原子層堆積法(ALD)や化学的気相成長法(CVD)などの他の堆積技術を用いて堆積される。この場合、キャッピング層6の材料は、犠牲パターンの上など、何れの場所に堆積してもよく、例えば、リフトオフ技術によって、キャッピング層6が犠牲パターン3の開口2において共堆積物4の上部だけに残留するように選択的に除去する必要がある。キャッピング層6は、1つの材料層を含んでもよく、あるいは複数の層を含んでもよい。
【0098】
本発明の実施形態によれば、キャッピング層6は、3次元構造の上部での偏長ナノ構造の成長を防止するものであれば、ECDまたは無電解メッキを用いて堆積可能な何れか適切な非触媒材料を含んでもよい。さらに、キャッピング層6の材料は、非触媒マトリクスからキャッピング層6への触媒材料の容易な拡散を許容しないようなものでもよい。
【0099】
本発明の実施形態によれば、キャッピング層6は、非触媒マトリクスを形成するために用いた材料と同じ非触媒材料で形成してもよい。本発明の他の実施形態によれば、キャッピング層6は、非触媒マトリクスを形成するために用いた材料と異なる非触媒材料で形成してもよい。例えば、キャッピング層6の非触媒材料は、モリブデンでもよく、非触媒マトリクスの材料は、銅でもよい。本発明の他の実施形態によれば、キャッピング層6は、銅を含む層で形成してもよい。非触媒マトリクスも銅を含んでもよい。
【0100】
共堆積プロセスのパラメータは、単層カーボンナノチューブを5nm〜30nmの直径で形成する必要がある場合、多層のカーボンナノチューブまたはナノワイヤを30nmより大きい直径で形成する必要がある場合、カーボンナノファイバーまたはナノワイヤを形成する必要がある場合、触媒材料が、非触媒マトリクス中に、例えば、5nmより小さく、例えば、1〜5nmの直径を持つ触媒粒子7を形成するように調整できる。
【0101】
しかしながら、本発明の実施形態によれば、図1Cと図1Dに示すように、例えば、偏長ナノ構造を成長させるための適切な触媒ナノ粒子7を含まない共堆積物4を形成してもよい(図1C参照)。例えば、粒子は、小さ過ぎたり、大き過ぎる直径を有してもよい。この場合、共堆積物4に存在する触媒材料が、非触媒マトリクス5の中に埋め込まれた適切な触媒ナノ粒子7に変換されるように、アニール工程を必要としてもよい(図1D参照)。アニール工程は、キャッピング層6の設置の前または後に行ってもよい。
【0102】
本発明の実施形態によれば、アニールは、例えば、高速熱アニール(RTA)によって350℃〜900℃、好ましくは、600℃未満の温度で行ってもよい。実施形態によれば、アニールは、キャッピング層6を設ける前に行ってもよい。この場合、アニールを行う温度は、共堆積物4の厚さd(図1Dに示す)に依存するであろう。厚さd、アニール工程の温度や時間は、形成される触媒ナノ粒子7のサイズ、特に、直径に影響を有するであろう。
【0103】
さらに、触媒材料の濃度および非触媒マトリクス自体の性質は、得られるナノ粒子のサイズに影響を有するであろう。アニールは、少なくとも10秒から数分間までの時間で行ってもよい。アニールは、不活性雰囲気(NやAr)または還元雰囲気(HやNHを含む)で行ってもよい。
【0104】
本発明の実施形態によれば、キャッピング層6の性質に依存して、アニール工程は、キャッピング層6を堆積するステップの後にも行ってもよい。この場合、構造(共堆積物4+キャッピング層6)の厚さd(図1Dに示す)、アニール工程の温度や時間は、ナノ粒子7のサイズ、特に、直径を制御するに影響を有するであろう。
【0105】
次にステップでは、犠牲パターン3を除去して、非触媒マトリクス5の側壁10を露出させて、3次元構造を形成する。3次元構造の側壁10は、基板1の主面15が面内にある場合、基板1の主面15の面に対してほぼ垂直な面内にある。犠牲パターン3を除去することによって、シード層1bを形成する例では、基板1の主面15の一部が露出するようになる。従って、本発明の実施形態によれば、該方法は、シード層1bの露出部分、換言すると、3次元構造によって被覆されていないシード層1bの一部を除去することをさらに含んでもよい。これは、例えば、当業者に知られている選択的エッチングによって行ってもよい。例えば、シード層1bがWCN層を含む(マトリクスはCu)場合、選択的エッチングは、3M NaOH(またはKOH)と1g/lのBTA(ベンゾトリアゾール)を含んでもよいエッチング液を用いたウェットエッチングでもよい。
【0106】
本発明の代替の実施形態によれば、犠牲パターン3を除去するステップは、共堆積物4中に存在する触媒材料を非触媒マトリクス5に埋め込まれた触媒ナノ粒子7へ変換するアニール工程を行うステップの前に行ってもよい。
【0107】
キャッピング層6を堆積し、アニール工程を行って、犠牲パターン3を除去するステップ(何れの順序で行ってもよい)の後、3次元構造の側壁10での非触媒材料5の一部が、例えば、選択的ウェットまたはドライエッチングによって選択的に除去され、少なくとも1つの触媒ナノ粒子7の少なくとも一部を露出させる。例えば、非触媒材料マトリクス5が銅を含み、マトリクス5に埋め込まれた触媒ナノ粒子7がコバルトを含む場合、3次元構造の側壁10における銅は、NHOH/Hエッチャントを含むエッチャント液を用いて除去され、例えば、25mLのNHOH、25mLのHO、50mLの30%Hを含む溶液を用いて行ってもよい。3次元構造の側壁11から銅を除去するのに適切な他のエッチャントは、2体積%HNOの水溶液でもよい。図1Eは、側壁10で露出した触媒ナノ粒子8を有する3次元構造を示す。
【0108】
任意には、追加のクリーニング工程、例えば、ウェットクリーニング工程を、露出した触媒ナノ粒子8に存在し得る不純物を除去するために行ってもよい。これらの不純物は、例えば、犠牲層を除去したり、非触媒材料の一部を除去するために使用したプロセスからの残留物であってもよい。こうして、ほぼ不純物無しの触媒ナノ粒子8が3次元構造の側壁10において得られ、これは、例えば、側壁10における偏長ナノ構造の成長のための触媒として用いるのに好都合であろう。
【0109】
形成される触媒ナノ粒子8の必要な直径は、用途に依存するであろう。本発明の実施形態に係る方法によって形成された触媒ナノ粒子8は、100nmより小さい直径を有するであろう。例えば、単層CNTが触媒ナノ粒子8を用いて形成される特定の実施形態によれば、これらの触媒ナノ粒子8は、5nmより小さい、例えば、1nm〜5nmの範囲の直径を有してもよい。多層CNTが触媒ナノ粒子8を用いて形成される他の特定の実施形態によれば、これらの触媒ナノ粒子8は、5nmより大きい、好ましくは、5nm〜30nmの範囲の直径を有してもよい。
【0110】
代替の実施形態によれば、シード層1bの露出部分を除去することは、3次元構造の側壁10における非触媒材料5の一部を除去した後に行って、触媒ナノ粒子8を露出させてもよい。代替として、シード層1bの露出部分を除去し、側壁10における非触媒材料5の一部を除去するステップは、例えば、同じエッチング現象、即ち、同じエッチング液を用いて、同時に行ってもよい。
【0111】
本発明の実施形態によれば、3次元構造の側壁10に形成され露出した触媒ナノ粒子8は、例えば、図1Fに示すように、基板1の主面15の面に対してほぼ平行な面内に、CNTやNWなどの偏長ナノ構造9を成長させるために使用するのが好都合であろう。
【0112】
従って、本発明はまた、3次元構造の側壁10にある露出した触媒ナノ粒子8を触媒として用いることによって偏長ナノ構造9を形成するための方法を提供する。該方法は、本発明の実施形態で上述したように、基板1の上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁10に触媒ナノ粒子8を設けて、続いて、以下に説明するように、露出した触媒ナノ粒子8を触媒として用いることによって偏長ナノ構造9を成長させることを含む。
【0113】
本発明の実施形態に係る偏長ナノ構造9を形成するための方法の利点は、何れのサイズの基板上にも実施できる点である。さらに、例えば、ナノデバイスを製造するための既存の半導体プロセスと完全に互換性がある点である。
【0114】
さらに、本発明の実施形態に係る偏長ナノ構造9を形成するための方法は、所定の直径および長さで所定の密度を持つ偏長ナノ構造9を形成することが可能である。形成される偏長ナノ構造9の密度は、共堆積物4に存在する触媒材料の量または濃度に依存するであろう。
【0115】
本発明の実施形態に係る偏長ナノ構造9を形成するための方法の更なる利点は、偏長ナノ構造9を、所定の場所、例えば、3次元構造の側壁10に設けることが可能である点である。所定の場所とは、必要な場合に、偏長ナノ構造9を3次元構造の側壁10だけに形成可能であり、3次元構造の他の場所には形成しないことを意味する。
【0116】
本発明の実施形態によれば、形成される偏長ナノ構造9は、ほぼ平行な偏長ナノ構造9でもよい。ほぼ平行な偏長ナノ構造9とは、偏長ナノ構造9が長手軸を有する場合、偏長ナノ構造9の長手軸がほぼ平行な面内にあることを意味する。さらに、形成される偏長ナノ構造9の長手軸は、3次元構造が形成される基板1の主面15の面に対してほぼ平行な面内にあってもよい。
【0117】
図1Fは、触媒として、本発明の実施形態に従って3次元構造の側壁10に形成され露出した触媒ナノ粒子8を用いた、平行な偏長ナノ構造9の成長を示す。これは、化学的気相成長法(CVD)、気相−液相−固相(VLS)法、または気相−固相−固相(VSS)法など、当業者に知られた適切な技術を用いて、ナノ粒子8を適当な合成条件に曝すことによって行ってもよい。
【0118】
本発明の特定の実施形態によれば、偏長ナノ構造9の成長は、カーボンナノチューブ(CNT)を成長させることを含んでもよい。この場合、CNTの成長は、カーボン源とキャリアガスを用意することと、基板1を加熱することとを含んでもよい。
【0119】
本発明の実施形態によれば、CNT9は、化学的気相成長法(CVD)やプラズマCVD(PE−CVD)によって成長してもよい。これらの方法は、例えば、CH、C、Cなどのカーボン源と、補助ガスとしてN及び/又はHなどのガスを使用する。例えば、CNT9の成長は、カーボン源としてCH、補助ガスとしてN及び/又はHなどのガスを使用して行ってもよく、900℃より低い成長温度で行ってもよい。
【0120】
他の実施形態によれば、例えば、Cなどの他のカーボン源を使用してもよく、他の成長温度でもよい。例えば、CNTまたは一般には偏長ナノ構造9が成長する基板1の材料へのダメージを回避するために、成長温度は450℃より低くてもよい。例えば、Cなどの他のカーボン源を用いた場合、500℃より低い成長温度でも、CNTまたは一般には偏長ナノ構造9を成長させるのに適しているであろう。
【0121】
一般に、形成されるCNTまたは一般には偏長ナノ構造9の直径は、成長が開始する最初の触媒ナノ粒子8の直径と一致し、または実質的に同じになるであろう。ナノ粒子サイズが減少すると、CNTまたは一般には偏長ナノ構造9の直径も小さくなり、一対一の関係になる。
【0122】
一般に、本発明の実施形態に係る偏長ナノ構造9を成長させる方法によって形成された触媒ナノ粒子8を用いることによって、形成される触媒ナノ粒子8の種類に依存して、成長が、ベース(base)成長または先端(tip)成長により生ずるであろう。
【0123】
本発明の実施形態によれば、偏長ナノ構造9は、隣接する3次元構造の間で成長してもよく、即ち、一方の3次元構造の側壁10から他方の3次元構造の側壁10へ成長してもよい。
【0124】
図3A〜図3Eは、本発明の実施形態に従って、3次元構造の側壁10から隣接する3次元構造の対向側壁へ、基板1の主面に平行な偏長ナノ構造9を成長させるための方法を示す。該方法は、図1A〜図1Fについて説明したものと類似のプロセス工程を含んでもよい。キャリア1aと、ECDまたは無電解堆積を開始するためのシード層1bとを含み得る基板1が用意される。他の実施形態によれば、それ自体がECDまたは無電解堆積を開始するためのシード層の性質を備えた基板1を用意してもよい。そして、犠牲層3を基板1の上に堆積し、続いて、パターン形成により犠牲層3に開口2を形成することによって、犠牲パターン3が基板1の上に形成される(図3A参照)。これは、図1Aについて説明したプロセスと同様に行ってもよい。
【0125】
次に、開口2は、図1Bについて説明したように、触媒材料が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む共堆積物4で充填される。そして、キャッピング層6を共堆積物4の上部に設けてもよい(図3B参照)。次のステップにおいて、パターン形成された犠牲層3を除去して、基板1の主面15の面に対してほぼ平行な面内にあり、側壁10を有する3次元構造を形成できる。必要に応じて、アニール工程を行って、非触媒マトリクス5の中にナノ粒子7を形成してもよい(図3C参照)。アニール工程は、犠牲層3を除去する前または後に行ってもよい。そして、3次元構造の側壁10において非触媒マトリクス5の一部が除去されて、少なくとも1つのナノ粒子8の少なくとも一部を露出させる(図3D参照)。そして、偏長ナノ構造9を、隣接する3次元構造の間で成長させることができる(図3E参照)。偏長ナノ構造9は、上述したように、当業者に知られた何れか適切な方法を用いて成長させることができる。
【0126】
図4Aと図4Bは、本発明の実施形態に係る方法について可能な応用を示す。この応用では、例えば、CNTやNWなどの偏長ナノ構造9が、基板1の主面15の面に対してほぼ平行に、本発明の実施形態に従って得られる触媒ナノ粒子8を含む3次元構造の一方の側壁10から「受け側」ターミナル11,12、例えば、受け側3次元構造の側壁に向けて成長することができ、受け側構造は、偏長ナノ構造9が成長した3次元構造とは異なって、触媒ナノ粒子8を含まない材料で作られる。
【0127】
受け側ターミナル11,12は、他の3次元構造、薄膜、銅などの金属、ラインまたは溝であってもよい。受け側ターミナル11,12と、偏長ナノ構造9が成長した3次元構造との間は、1μm〜10μmまたは1μm〜100μmの距離であってもよい。
【0128】
さらに、本発明の他の実施形態によれば、3次元構造の側壁10に、溝(trench, groove)構造(不図示)を設けて、ナノ粒子8から受け側ターミナル11,12に向けて成長するCNTを「案内」するようにしてもよい。受け側3次元構造11,12の製作の関して1つの可能な手法は、受け側ターミナル11,12のスルーマスク堆積を最初に行うようにした二重リソグラフ工程を適用することである。側壁10に露出した触媒ナノ粒子8を有する3次元構造のプロセスは、上述したように、本発明の実施形態の方法に従って行ってもよい(図4A参照)。
【0129】
そして、偏長ナノ構造9は、上述したように、当業者に知られたような方法によって、3次元構造の側壁10に露出した触媒ナノ粒子8を触媒として用いることにより、3次元構造と受け側ターミナル11,12との間に成長させることができる。
【0130】
本発明の実施形態に従って3次元構造の少なくとも1つの側壁10に少なくとも1つの触媒ナノ粒子8を形成するための方法に基づいて、本発明の実施形態に係る平行なナノ構造9を成長させる方法は、例えば、半導体デバイスの製造プロセスにおいて使用可能である。例えば、本発明の実施形態に係る方法は、半導体デバイスでの相互接続を形成するために使用できる。
【0131】
本発明に係るデバイスについて好ましい実施形態、特定の構造および構成、材料をここで説明したが、添付の請求項によって規定される本発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細について種々の変化や変更が可能であると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1A】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図1B】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図1C】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図1D】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図1E】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図1F】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図2】文献(D. Landolt et al. "Electrochemical and Materials Science Aspects of Alloy Deposition", Electrochimica Acta, Vol. 39, No. 8/9, 1075-1090, 1994)から、電気的堆積(electrodeposition)を用いて非触媒マトリクスに埋め込まれた触媒材料の共堆積を行うことが考慮できる、二元合金および三元合金の適切な組合せを示す。
【図3A】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図3B】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図3C】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図3D】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図3E】本発明の実施形態に係る方法において続く工程を示す。
【図4A】本発明の実施形態に係る方法の可能な応用を示す。
【図4B】本発明の実施形態に係る方法の可能な応用を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの触媒ナノ粒子(8)を、基板(1a,1b)の主面(15)上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁(10)に設けるための方法であって、
該主面(15)は面内にあり、3次元構造の側壁(10)は基板(1a,1b)の主面の面に対してほぼ垂直な面内にあり、
・主面(15)上に、非触媒マトリクス(5)に埋め込まれた触媒ナノ粒子(7)を含む3次元構造を得ること、
・3次元構造の側壁(10)において非触媒マトリクス(5)の少なくとも一部を選択的に除去して、少なくとも1つの触媒ナノ粒子(8)を露出させること、を含む方法。
【請求項2】
3次元構造を得ることは、
・基板(1a,1b)の主面(15)に、少なくとも1つの開口(2)を含む犠牲パターン(3)を設けること、
・少なくとも1つの開口(2)を、触媒ナノ粒子(7)が埋め込まれた非触媒マトリクス(5)を含む材料で充填すること、
・犠牲パターン(3)を除去して、3次元構造を形成すること、を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの開口(2)を、触媒ナノ粒子(7)が埋め込まれた非触媒マトリクス(5)を含む材料で充填することは、
・少なくとも1つの開口(2)を、触媒材料が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む材料で充填すること、
・アニール工程を行って、触媒ナノ粒子(7)を形成すること、を含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
アニール工程は、高速熱アニールによって、350℃〜900℃の温度で行うようにした請求項3記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの開口(2)を、触媒材料が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む材料で充填することは、共堆積技術によって行うようにした請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの開口(2)を、触媒材料が埋め込まれた非触媒マトリクスを含む材料で充填することは、電気化学堆積または無電解堆積によって行うようにした請求項5記載の方法。
【請求項7】
犠牲パターン(3)を設けることは、
・犠牲材料層を基板(1a,1b)の主面(15)上に設けること、
・所定のパターンに従って、犠牲材料層に少なくとも1つの開口(2)を形成し、基板(1a,1b)の主面(15)の一部を露出させること、を含む請求項2〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
犠牲材料層を設けることは、有機材料層を設けることによって行うようにした請求項7記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの開口(2)を形成することは、フォトリソグラフィおよび異方性ドライエッチングプロセスを用いて、犠牲層をパターン加工することによって、所定のパターンを犠牲層に転写するようにした請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
3次元構造の側壁(10)において非触媒マトリクス(5)の少なくとも一部を選択的に除去する前に、キャッピング層(6)を非触媒マトリクス(5)の上部に設けることをさらに含む請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
基板は、キャリア(1a)と、電気化学堆積または無電解堆積を開始するためのシード層(1b)とを含む請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
キャリア(1a)は、半導体ウエハである請求項11記載の方法。
【請求項13】
シード層(1b)は、WCNまたはCuを含む連続層または不連続層である請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
シード層(1b)は、Pd,Pt及び/又はRuの粒子を含む連続層または不連続層でる請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
犠牲パターン(3)を除去した後、シード層(1b)の露出部分を除去することをさらに含む請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの偏長ナノ構造(9)を、基板(1a,1b)の主面(15)上にある3次元構造の少なくとも1つの側壁(10)に形成するための方法であって、
該主面(15)は面内にあり、3次元構造の側壁(10)は基板(1a,1b)の主面(15)の面に対してほぼ垂直な面内にあり、
・基板の主面(15)上に、非触媒マトリクス(5)に埋め込まれた触媒ナノ粒子(7)を含む3次元構造を得ること、
・3次元構造の側壁(10)において非触媒マトリクス(5)の少なくとも一部を選択的に除去して、少なくとも1つの触媒ナノ粒子(8)を露出させること、
・少なくとも1つの露出した触媒ナノ粒子(8)を触媒として用いて、少なくとも1つの偏長ナノ構造(9)を成長させること、を含む方法。
【請求項17】
少なくとも1つの偏長ナノ構造(9)を成長させることは、少なくとも1つの偏長ナノ構造(9)が基板(1a,1b)の主面(15)の面に対してほぼ平行な面内にあるように行うようにした請求項16記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの偏長ナノ構造(9)を成長させることは、化学的気相成長法、気相−液相−固相法、または気相−固相−固相法によって行うようにした請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
3次元構造の側壁(10)において非触媒マトリクス(5)の少なくとも一部を選択的に除去する前に、キャッピング層(6)を非触媒マトリクス(5)の上部に設けることをさらに含む請求項16〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
半導体デバイスの製造プロセスにおける、請求項1〜19のいずれかに記載の方法の使用。
【請求項21】
半導体デバイスでの相互接続の形成における、請求項16〜19のいずれかに記載の方法の使用。
【請求項22】
基板(1a,1b)の主面(15)上に、少なくとも1つの3次元構造を備え、該主面(15)は面内にある半導体デバイスであって、
半導体デバイスの少なくとも1つの側壁(10)に形成された、少なくとも1つの偏長ナノ構造(9)をさらに備え、
少なくとも1つの偏長ナノ構造(9)は、基板(1a,1b)の主面(15)の面に対してほぼ平行な面内にあり、請求項16〜19のいずれかに記載の方法によって形成されるようにした半導体デバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2009−255025(P2009−255025A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−173401(P2008−173401)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【Fターム(参考)】