説明

光ファイバ化学物質感知装置、システム及び方法

【課題】ファイバ格子に基づくが、ファイバクラッディングをエッチングすること又はファイバ格子の形状を機械的に変形することを必要としない融通性に優れた化学物質感知技術を提供する。
【解決手段】化学物質感知装置(10)は、ファイバコア(12)及びファイバクラッディング(14)を具備する。ファイバコアは、ファイバクラッディング内への光(18)の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域(16)を具備し、化学物質感知装置のファイバクラッディングは、偏向光の少なくとも一部をファイバコアに向かって逆反射するように構成される。感知装置は、化学物質を感知する方法及びシステムにおいて適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、化学物質感知に関し、特に、ファイバ格子を利用する化学物質感知装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ感知方法は、融通性に優れ、小型で非常に軽量であり、不動態であり、電磁妨害を受けにくいなど、種々の利点を有する。それらの特徴を有するため、光ファイバセンサは、環境の変化と関連する動的化学処理及び動的物理処理を監視するのに最適である。光ファイバ感知は、カスケード能力を有するので、油タンク、パイプライン及び配電網設備などの大規模基幹施設の分散形感知の目的に適用可能である。そのような施設においては、光ファイバ化学物質感知装置は、人が侵入できない場所を含めて複数の場所に埋設される。
【0003】
種々の感知装置が使用されている。例えば、いくつかの化学物質感知の実施形態は、ある特定の波長の光を吸収し且つその後すぐにより長い波長で光を再放出する染料分子に基づく。他の感知装置は、工業処理システムにおけるpH値又は腐食、有毒化学物質、有機悪臭、無機悪臭及び金属イオンなどの化学パラメータを検出するために採用される。そのような化学物質感知装置は、通常、電気化学センサ、表面プラズマ共振センサ及び減衰全反射センサを含む。それらのセンサのうち大半は、センサが採用される動作条件に関して限定される。例えば、従来の光学感知装置及び電気化学感知装置は、多くの場合、相対的に過酷ではないpH条件に限定され、そのため、動作温度範囲も限定される。特に、従来の装置は、通常、約5〜約11のpH範囲及び約100℃未満の温度に限定される。
【0004】
光ファイバ系のいくつかの化学物質感知装置は、化学的に活性であるテーパ形ファイバ先端部、化学的に活性であるファイバ束末端部及び化学的に活性であるファイバクラッディングの実施形態を伴って使用されている。そのような化学物質感知装置は、通常、蛍光染料固定化不純物添加、化学物質感知薄膜被覆膜又はそれらの組み合わせを含む。それらのファイバ装置を使用する化学物質感知は、反射率の高さ又は蛍光の強さのいずれかに基づく。しかし、光源及び環境感知蛍光染料ルミネセンスの変動によって、測定精度が制限されてしまうため、それらの光ファイバセンサをリアルタイム監視感知装置として使用することは困難である。
【0005】
水交換器、パイプライン、油貯蔵タンク、気体貯蔵タンク又は工業処理システムのような環境の中で異なる化学物質を識別することは困難である。更に、大規模システムの場合、構造異状の有無、pH値、金属イオン濃度、又は無機物の悪臭及びスケーリングなどの特性をマッピングするために、相対的に多数の別個の化学物質センサが必要になる。システム状態を正確にマッピングするのに有益である所望の空間分解能に適合するように、別個の光学センサ、電気化学センサ及び光ファイバセンサをスケーリングすることは不可能である。
【0006】
屈折率測定、pH値感知及び化学物質識別には、短周期ファイバブラッグ格子(FBG)感知装置が使用されてきた。それらの感知装置は、通常、D型ファイバ、クラッディングをエッチングしたファイバ又は側面研磨ファイバに基づく。照明源を経て格子を照明したときに発生されるブラッグ波長偏移に基づいてパラメータを測定するために、そのようなセンサは、センサのコア内部の波長符号化を利用する。従って、格子の周期性に対する環境の影響により、反射される光の波長が変化し、その結果、例えばpH、塩分又は温度などの環境影響の標識が得られる。
【0007】
従来の遠隔通信型FBG感知装置は、化学物質に対して非常に低い感度しか示さない。これは、エバネッセント波フィールドがファイバコアの内側に(ファイバコアとクラッディングとの境界面から約1波長の距離に)拘束されるためである。そのようなFBG感知装置を化学的に活性化するために、ファイバは、D形などの非対称の形状となるように機械的に修正されるか、又は片面で研磨されるか、あるいは、例えば、フッ化水素酸エッチング処理によりクラッディングが肉薄にされる。そのような処理において、ファイバ格子は、従来のファイバを化学物質感知装置に変換するために、研磨、クリービング、化学エッチング、あるいは形状制御製造処理又は分極制御製造処理により慎重に製造される。ファイバクラッディングの厚さ又はファイバの形状のいずれかを変えるための処理は、ファイバコアモードのエバネッセント波フィールドを外部媒体にさらすことを意図する。
【0008】
機械的又は化学的に変形された単一のブラッグ格子感知装置を介してpH、塩分、腐食及び温度などの複数のパラメータを同時に検出することは困難である。更に、感知された複数のパラメータの効果を互いに分離するためには、異なる波長の複数のスペクトル信号が必要になる。感知パラメータをそのように分離するのは困難であり、長い時間を要する。また、ブラッグ格子構造を銘刻したファイバを化学エッチングする場合、単一のファイバケーブルに多数のセンサを製造することは特に困難である。原理上、そのような光ファイバセンサは、潜在的には分散能力を有するが、実際問題として、複数の壊れやすいセンサを取り扱うことは容易な作業ではない。更に、ファイバ格子クラッディングを肉薄にしたことにより機械強度が低下するため、故障モードが発生する可能性がある。
【0009】
ファイバ長周期格子(LPG)センサは、前方向クラッディングモードとコアモードとの結合効率がよいために、周囲媒体の屈折率変化に対して高い感度を示した。LPGを利用する化学物質センサの場合、ファイバコア中の光は、ファイバクラッディング領域の中へ偏向される。その結果発生する透過損失は、周囲媒体の屈折率によって大きく左右される。クラッディングをエッチングする必要がなくなったにもかかわらず、クラッディングモードのクロスオーバがあるため、多数のLPGを共通の化学物質感知システムの中で分散することは困難である。通常、例えば、100ナノメートル(nm)の帯域幅の中で、各LPGからの複数の透過ピークが存在するため、LPGセンサの数は制限される。温度などの他の環境因子が変化している間に、化学物質を検出するには、実際に更に困難な問題がある。透過ピークの異なる温度感度及び化学物質感度によって、化学物質を表す信号を環境の影響から識別することは困難になる。
【0010】
LPGセンサにおいては、LPG系感知装置の化学エッチングにより、クラッディングモードの数又はクロスオーバを減少できるが、機械的処理の際、短周期LPGを機械的に変形することに関連する問題と同一の困難な問題が起こる。
【非特許文献1】US PATENT APPLICATION ENTITLED "FIBER OPTIC SENSING DEVICE AND METHOD OF MAKING AND OPERATING THE SAME", BY KEVIN T. MCCARTHY, ET AL., SERIAL NO. 11/086,055 FILED 3/22/05, ATTORNEY DOCKET NO. 156001-1.
【非特許文献2】SHIQUAN TAO, ET AL., "POROUS SOLGEL FIBER AS A TRANSDUCER FOR HIGHLY SENSITIVE CHEMICAL SENSING", OPTICS LETTERS, VOL. 27, NO. 16, PP. 1382-1384, AUGUST 15, 2002.
【非特許文献3】MASARU MITSUSHIO, ET AL., "SIMPLIFICATION AND EVALUATION OF A GOLD−DEPOSITED SPR OPTICAL FIBER SENSOR", ANALYTICAL SCIENCES, VOL. 20., PP. 689−694, APRIL 2004.
【非特許文献4】JEFFREY T. REMILLARD, ET AL., "DEMONSTRATION OF A HIGH-TEMPERATURE FIBER−OPTIC GAS SENSOR MADE WITH A SOL-GEL PROCESS TO INCORPORATE A FLUORESCENT INDICATOR", APPLIED OPTICS, VOL. 38, NO. 25, PP. 5306-5309, SEPTEMBER 1, 1999.
【非特許文献5】ISTVAN SZENDRO, "ART AND PRACTICE TO EMBOSS GRATINGS INTO SOL-GEL WAVEGUIDES", PROCEEDINGS OF SPIE., VOL. 4284, PP. 80-87, 2001.
【非特許文献6】HEATHER J. PATRICK, ET AL., "ANALYSIS OF THE RESPONSE OF LONG PERIOD FIBER GRATINGS TO EXTERNAL INDEX OF REFRACTION", JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL. 16, NO. 9, PP. 1606-1612, SEPTEMBER 1998.
【非特許文献7】ROSANE FALATE, ET AL., "PETROLEUM HYDROCARBON DETECTION WITH LONG PERIOD GRATINGS", PROCEEDINGS OF SBMO/IEEE MTT-S IMOC, PP. 907-910, 2003.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ファイバ格子に基づくが、ファイバクラッディングをエッチングすること又はファイバ格子の形状を機械的に変形することを必要としない融通性に優れた化学物質感知技術を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
簡単に言うと、一実施形態によれば、化学物質感知装置は、ファイバコア及びファイバクラッディングを具備する。ファイバコアは、ファイバクラッディング内への光の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域を具備する。化学物質感知装置のファイバクラッディングは、偏向光の少なくとも一部をファイバコアに向かって逆反射するように構成される。
【0013】
別の実施形態によれば、化学物質感知方法は、(a)ファイバコアがファイバクラッディング内への光の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域を具備し、ファイバクラッディングが偏向光の少なくとも一部をファイバコアに向かって逆反射するように構成されるようなファイバコア及びファイバクラッディングを提供することと;(b)格子領域を通して光を透過させることと;(c)格子領域からの光の反射又は格子領域を通る光の透過を表す信号を収集することと;(d)時間の経過に伴う信号の振幅偏移及び波長偏移の変化を監視することと;(e)監視された偏移の変化を利用して、化学物質の有無を検出することとから成る。
【0014】
別の実施形態によれば、化学物質感知システムは、(a)ファイバコア及びファイバクラッディングを具備する化学物質感知装置であって、ファイバコアは、ファイバクラッディング内への光の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域を具備し、ファイバクラッディングは、偏向光の少なくとも一部をファイバコアに向かって逆反射するように構成される化学物質感知装置と;(b)ファイバコアを照明するように構成された光源と;(c)格子領域を通る光の透過又は格子領域からの光の反射を表す信号を測定するように構成された検出器とを具備する。
【0015】
別の実施形態によれば、化学物質感知プローブは、(a)ファイバコア及びファイバクラッディングを具備する化学物質感知装置であって、ファイバコアは、ファイバクラッディング内への光の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域を具備し、ファイバクラッディングは、偏向光の少なくとも一部をファイバコアに向かって逆反射するように構成されるような化学物質感知装置と;(b)光学基準感知装置であって、基準感知装置からの光の反射又は基準感知装置を通る光の透過を表す基準信号を収集するように構成された光学基準感知装置とを具備する。
【0016】
本発明の上記の特徴、面及び利点、並びにその他の特徴、面及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、更によく理解されるであろう。図中、同一の図中符号は、一貫して同一の部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
より多くの光エネルギーをファイバコアからファイバクラッディングの中へ有効に偏向するようにファイバ格子装置が構成された場合、クラッディングのエッチングを実行する必要なく、ファイバ格子装置を使用して、化学物質の溶媒、溶液及び蒸気を感知できる。ファイバブラッグ格子(FBG)などの通常のファイバ格子を非常に感度の高い化学物質感知装置に変換するために、例えば、二乗余弦プロファイル又はガウスプロファイルを使用してファイバ軸に沿って屈折率変調をアポダイズすることは有効な技術である。そのような変調FBGの化学物質感知能力は、主に、高次クラッディングモードのエバネッセント波フィールドと外部媒体又は化学物質との相互作用に起因するものと考えられる。その結果、クラッディングモードと基本モードとが結合することにより、そのようなFBGは、周囲の媒体の変化に対して高い感度を有することが可能になる。
【0018】
図1は、ファイバコア12及びファイバクラッディング14を具備する化学物質感知装置10を製造するシステムを示した斜視図である。ファイバコアは、ファイバクラッディング内への光18の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域16を具備し、ファイバクラッディングは、偏向光の少なくとも一部をファイバコアに向かって逆反射するように構成される。ここで使用される用語「アポダイズプロファイル」は、屈折率がファイバ軸に沿って空間変調されることを意味する。通常、ファイバクラッディングは、材料の種類の選択(材料に不純物が添加されるか否か及び添加されるのであれば、その不純物の種類を含む)、コアとクラッディングとの境界面の構造、感知面の構造又はそれらの組み合わせによって、反射を生じるように構成される。ファイバコア12に向かって偏向されて戻る光(スネルの法則により規定される)のうち少なくとも一部は、その後、信号(すなわち、偏向することなくコアを通って進む光)と組み合わされる。化学物質感知装置の内部に封じ込まれるべき化学物質の種類は、例えば、化学ガス、生物ガス、化学液体及び生物液体を含む。
【0019】
通常、ファイバコア12は、シングルモードファイバコアである。一例においては、ファイバコア12は、フッ素(F)を不純物として添加された酸化ゲルマニウムから形成される。ゲルマニウムは、光感度を向上すると考えられ、不純物添加は、ファイバコア欠陥及び光出力損失を最小限に抑えるのを助けると考えられる。フッ素に加えて又はフッ素の代わりに使用される他の添加不純物材料の例には、塩素(Cl)、ホウ素(B)、リン酸塩(P)、エルビウム(Er)及びそれらの組み合わせがある。使用可能な別のコア材料は、例えばガラスである。ファイバクラッディング14は、通常、不純物を添加されたシリカ又は純二酸化ケイ素(すなわち、不純物が添加されていない二酸化ケイ素)であり、これは、通常、コアより低い屈折率を有する材料である。通常、ファイバクラッディング14は、ファイバコア12と物理的に接触している。
【0020】
格子領域16は、通常、ファイバブラッグ格子から構成される。適切な屈折率プロファイルであれば、どのようなプロファイルが含まれてもよい。アポダイズプロファイルのいくつかの例として、二乗余弦アポダイズプロファイル及びガウスアポダイズプロファイルがあるが、これらのアポダイズプロファイルに限定されない。感知装置は、ファイバ軸に沿って、複数のアポダイズプロファイルを含んでもよい。
【0021】
実施例1:製造方法の一例においては、変調FBGを利用する化学物質感知装置は、レンズ32及び周期変調位相マスク34により、強力な244nm波長の紫外線(UV)光34の銘刻を実行することによって製造された。格子の銘刻前に、水素装填処理がファイバコア12の光感度を向上するために使用された。ファイバコア12は、直径が約9μmであり、約5%〜約7%モルのGeO及び約10ppm〜約100ppmのフッ素が不純物として添加されたシングルモードコアであった。ファイバクラッディング14及びファイバコア12を組み合わせたとき、不純物添加要素を含まずに、直径は約125μmであった。ファイバ軸に沿って、二乗余弦パターンによって、屈折率変調プロファイルをアポダイズした。
【0022】
格子領域16の長さが約5mmを超える場合、多重アポダイゼーション処理を使用できる。例えば、通常、36mmの長さのファイバ格子に対して、いくつかの順次アポダイゼーションプロファイルが適用される。
【0023】
使用方法の一実施形態においては、化学物質感知装置は、格子領域を通して光を透過させることと;格子領域からの光の反射20又は格子領域を通る光の透過22を表す信号を収集することと;時間の経過に伴なう振幅偏移及び波長偏移の変化を監視することと;監視された偏移の変化を利用して、化学物質の有無を検出することとから成る化学物質感知方法で使用される。本明細書において、反射又は透過に関して使用される用語「又は」は、「いずれか一方のみ又は双方」ということを意味する。光信号の一部24は、格子領域16から反射され、光の残る部分は、格子領域16を透過する。格子がブラッグ格子から構成される場合、波長の出力損失は、コヒーレントブラッグ共振に対応する。
【0024】
実施例2:実施例1に関して説明された感知装置を同調自在のレーザーダイオードからの近赤外広帯域光により照明した。反射率及び透過率の双方を監視する中で、問い合わせシステムからの時間従属波長偏移を観測することにより、化学物質を検出した。目標化学物質の吸収処理は、ファイバ格子の光学特性を変調し、それにより、クラッディングモードと基本モードとの間の結合特性を変調する。このアポダイズFBGに基づく化学物質感知は、アセトン、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール及びフッ化水素酸から、20〜200ppmのダウンシフト及び崩壊に似た応答特性を伴う認知可能なブラッグ共振波長偏移を実験的に示した。
【0025】
より特定された方法の実施形態においては、光は試験光から成り、試験光を透過させる前に、トレーニング光が格子領域16に通され、化学物質(すなわち、少なくとも1つの化学物質)がファイバコア12の周囲環境の中へ導入され、格子領域16からのトレーニング光の反射又は格子領域16を通るトレーニング光の透過を表す訓練用信号が収集される。時間の経過に伴う振幅偏移及び波長偏移の変化が監視され、信号中の監視された偏移の変化を利用して、試験光を透過するときに使用すべきルックアップテーブルが作成される。更に、化学物質感知装置10は、透過スペクトル(図1)における反射ピーク位置又は弛み位置のいずれかにより、自己校正されてもよい。
【0026】
図2は、別の実施形態による化学物質感知装置の製造処理を示した流れ図である。工程210において、GeOなどの不純物添加感光ファイバが提供される。感知信号の問い合わせを簡略にするために、通常、シングルモードファイバが使用される。
【0027】
工程212においては、水素装填が実行される。そのような水素装填は、変調を増加し、光感度を向上させる。一例では、水素装填は、7日〜10日の範囲の期間にわたり実行される。
【0028】
工程214においては、UVレーザー銘刻処理が実行される。通常、ファイバコアに格子領域を銘刻するために、位相マスクを利用するUV光干渉が使用される。
【0029】
工程216においては、ファイバアニーリングが実行される。アニーリングは、水素分子の外方拡散を促進するのに有用である。一例では、アニーリングは、約24時間の期間にわたり、約250℃の温度で実行される。
【0030】
次に、工程218において、熱安定化されたファイバは接続され、実装される。通常、この工程は、アルミニウム、金、銅、ポリイミド又はアクリレートなどの金属又はポリマー材料によって、ジャケットケーブル又は被覆膜のいずれかを装着することを含む。工程220において、反射ピークの線幅、ブラッグ共振波長、並びに透過弛み及び出力損失の面を検査するために、最終スペクトル特性を規定することができる。
【0031】
図3は、本発明の別の実施形態に従った複数の化学物質感知装置110、112及び114を示した概略図である。このような実施形態は、複数の異なる場所で同一のパラメータを感知するため、あるいは同様の場所又は異なる場所で複数のパラメータを感知するために使用できる。例えば、観測される波長偏移及び応答時間は、温度変化及び他の偽事象とは関係なく、異なる化学物質種を識別するための2つのパラメータである。図3の感知装置は、共通のファイバコアに基づいて構成されてもよく、あるいは直列に結合された別個のファイバコアを使用してもよい。更に別の実施形態(図示せず)は、感知装置のうちいくつか又は各々の感知装置を異なるファイバに添って並列に配列した構成を有する。
【0032】
図4は、アポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域を有する化学物質感知装置420の両側におけるエバネッセント波フィールドプロファイルの一例を示した図である。格子領域を通過する前、波パケットプロファイルは、基本モードの拘束エバネッセント波フィールド410である。格子領域を通過した後、波パケットプロファイルは、拡張高次モード波パケット412である。ここで説明される実施形態の化学物質感知効果は、高次クラッディングモードのエバネッセント波フィールドと外部の媒体又は化学物質との相互作用によるものであると考えられる。外部の媒体又は化学物質の屈折率は、固体(ファイバクラッディング)と液体(化学物質)との境界状態416を変化させる。この変化は、反射される高次クラッディングモードと基本モードとの結合が化学物質の親和力、界面自由エネルギー及びその弛緩処理によって大きく左右されるような形で起こる。感知面から屈折した高次クラッディングモードの部分(領域414により示される)は、スネルの法則により規定される。更に、励起された高次クラッディングモードは、部分的に感知面下へ反射される(コアに向かって戻る)。図4は、化学物質感知装置420の格子領域以外のファイバの領域を包囲する被覆膜418を更に示す。
【0033】
図5及び図6は、2つの化学物質感知プローブを概略的に示した図であり、図5は斜視図、図6は平面図である。図5の単一装置プローブ502は、図1に関して説明した種類の化学物質感知装置500を具備する。感知装置500は、ファイバコア、ファイバクラッディング及びアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域を含む(図1に示される)。図5は、格子領域を包囲するファイバクラッディングの少なくとも一部分の上に配置された自由感知空間514と、ポリマー又は金属などの材料から形成された被覆層516と、構体全体を収納するファイバ感知装置パッケージ518とを更に示す。
【0034】
図6の2装置プローブ530は、プローブ502の要素に加えて、基準格子534を含む基準感知装置600を具備する。基準感知装置600の金属又はポリマーなどの被覆膜516は、ファイバを保護し、環境因子測定の精度を向上すると考えられる。
【0035】
図7は、感知装置500及び600に基づく構造を更に示す。図7の例においては、2つの感知装置からの化学物質関連波長偏移と基準関連波長偏移とが逆方向であり、2つの格子領域の間隔が100mm未満である一方で、2つの格子領域の間の干渉と共にピーク重複が回避されるように、化学物質感知装置500は、基準感知装置600のブラッグ共振波長より約2nm〜約5nm低いブラッグ共振波長を有する。この構成によれば、感知装置の格子領域における反射率又は透過率の変化を比較することにより、温度、腐食、pH、圧力及び/又はひずみの環境影響(1つ以上の基準信号を経て検出される)を化学物質感知から容易に分離できる。
【0036】
必要に応じて、温度及び湿度が可変である環境の中の複数の化学物質識別ポイントに対して、そのような装置の複数の対を組み合わせて、分散形感知システムを構成できる。化学物質感知システムは、例えば、数マイルにもわたるファイバケーブルに沿って配置された複数の感知装置を含んでもよい。その場合、各化学物質感知プローブは、1対のファイバ格子感知装置を具備し、一方の感知装置は、化学物質との最大限の相互作用を得るために露出された格子領域面を有し、他方の感知装置は、露出感知装置より高い共振波長を持つ被覆膜を有する。
【0037】
図8は、本発明の別の実施形態に従った化学物質感知システム700を示したブロック図である。感知システム700において、先に図6に関して説明した種類の化学物質感知装置500及び基準感知装置600を具備するプローブ710は、ファイバコア12(図1)を照明するように構成された光源714及びプローブを通る光の透過又はプローブからの光の反射を表す信号を測定するように構成された光学スペクトル分析器718を組み合わせて使用される。一例では、光源は広帯域光源である。別の例においては、光源は、約1,450nm〜約1,600nmの波長を有する同調自在のレーザー光源である。通常、システムは、時間の経過に伴う振幅偏移及び波長偏移の変化を監視し、監視された偏移の変化を利用して、化学物質の有無を検出するように構成されたプロセッサ720を更に含む。各感知装置から絶対波長読み取り値を得るために、NIST標準気体セル716が同時に使用されてもよい。レーザー光は、通常、光結合器712により、ファイバコア及び感知装置に結合される。
【0038】
光結合及び信号ピックアップは、光結合器により実現されるか、あるいは光源からの光を感知装置へ送り出し、反射信号又は透過信号を逆に光学スペクトル分析器718などの信号問い合わせ器に結合するために使用される光学サーキュレータにより実現される。信号問い合わせは、同調自在ファブリ‐ペローフィルタと、ファイバ格子領域を通る光の透過又はファイバ格子領域からの光の反射を表す信号を測定するように構成されたヒ化インジウムガリウム系近赤外光検出器とに基づいてもよい。
【0039】
そのような結合は、任意に、共通のファイバコア12(図1)に対して実行されてもよい。例えば、一実施形態においては、光学基準感知装置600は、感知されるべき化学物質との間の相互作用が最小限に抑えられ、主に温度変化によって偏移(Δλ)が現れる波長ピークを有するように設計された温度感知装置を具備する。これに対し、化学物質感知装置500における波長ピークの偏移(Δλ)は、温度変化及び化学物質変化の双方に起因する。例えば、訓練モード中に、複数の異なる化学物質濃度で2つのピーク偏移の差(Δλ−Δλ)を実験的に判定し、動作モード中に比較のために使用できるように、ルックアップテーブル(先に説明した)にそのデータを格納することができる。
【0040】
実施例3:検証のために、感知システムを製造した。感知システムは、化学物質感知装置500と、リアルタイム温度感知装置600としてのポリイミド被覆ファイバブラッグ格子と、4チャネル問い合わせシステム718とを含む。光ファイバ結合器712を介して、1mW同調自在ダイオードレーザー714を感知ファイバに接続した。気体セル及び掃引メータ716によって、毎秒80nmの速度を有する走査波長を校正した。システム分解能は、化学物質感知装置500の感知に対して0.4pmであった。透過弛み及び反射ピークに関するプロセッサ720における追跡アルゴリズムを使用して、時間従属化学物質感知を記録した。測定中、安定した支持構造又はパッケージ518(図6)によって感知プローブ710を維持することにより、格子を適正な引張り応力状態に維持するように注意を払った。
【0041】
実施例1に関して先に説明したような水素装填処理により、化学物質感知プローブ710の一部として、酸化ゲルマニウムを不純物として添加した感光シリカシングルモードファイバに2つのファイバブラッグ格子を形成した。周囲媒体に対する化学物質感知プローブ710の感度を向上するため、又は光が更に高い割合でファイバクラッディング中を伝播するように、ファイバコア中を伝播される光の拘束を更にゆるやかにするために、UV光の強さは、格子銘刻処理の間に変調され、ファイバ軸に沿って偏移された。ファイバ軸に沿ってアポダイズプロファイルを有するこのような変調ブラッグ格子構造は、前方へ伝播する基本モードと逆方向に伝播するコア中のモードとの結合から発生することが明らかである著しく大きな透過弛みをもたらした。更に、コアモードから結合される光がファイバコアから漏れ出すために、ブラッグ共振波長より短い波長の範囲におけるクラッディングモード共振によって、いくつかの透過弛みが残された。それらの共振の回数及び振幅は、UV光出力レベル及びファイバの光感度、並びにファイバコア/クラッディング境界面の光学特性によって決まることが判明している。
【0042】
極めて周期的な屈折率変調に関する理論分析が実行された。その分析においては、観測された化学物質感知結果を説明するために、高次伝播モードからの変調への寄与が使用された。化学物質感知は、屈折率整合効果ではなく、高次クラッディングモードと基本モードとのモード結合特性を大幅に変化させる格子面の周囲の化学物質原子吸収による処理であると考えられる。理論上、この認知できる波長偏移は、吸収された化学物質の原子又は分子により結合特性が変化される高次モード寄与に起因するものである。理論分析によれば、ブラッグ共振条件は、例えば、次の式で表される。
【0043】
【数1】

(1)
式中、d1(d2)は、ファイバのUV露光(非露光)幅であり、Λは、ピッチサイズであり、波ベクトルは、m = 0,1,2…のとき、km = 2πm/Λである。式(1)の第1項は、FBGの位相整合条件に対応し、
【0044】
【数2】

は、ファイバ格子の有効屈折率である。通常のファイバブラッグ格子の場合、これは、ファイバコアの有効屈折率であり、
【0045】
【数3】

= fA n(UV + GeF: SiO2) + fB n (Gef: SiO2)により表される。式中、fA + fB = 1であり、fA(fB)は、UV露光(非露光)ファイバコア幅d1(d2)とピッチサイズLとの比である。高次モード結合の寄与が非常に小さい場合、一次近似の中で、外部媒体屈折率の変化を認知することはできない。大きく変調されたFBGの場合には、βclad,i + β01 = 2π/Λの位相整合条件を使用して、共振波長を判定できる。式中、βclad,iは、波ベクトルβ01を有する基本LP01モードとは逆方向のi番目のクラッディングの伝播定数、すなわちλ = (nco + nclad,i)Λである。
【0046】
式(1)における高次モード結合効果は、特に化学物質感知に関連して、これまで実現も研究もされてこなかった。それらの高次モードを逆方向に伝播する基本モードに小さな摂動として結合することは、0.4pmの分解能及び1pmの精度を有する既存の問い合わせシステムにより化学物質及び揮発性蒸気を感知するために利用できる認知可能な効果であると期待される。
【0047】
任意に選択された被覆膜を使用することで、感知装置の特性を更に変更できると予測される。例えば、図9に示されるような一実施形態においては、化学感度被覆膜818が、ファイバコア812の格子領域816を包囲する化学物質感知装置810のファイバクラッディング814の少なくとも一部分に配置される。更に特定された実施形態では、被覆膜は、ポリイミド又はアクリレートなどのポリマーから形成される。
【0048】
図10に示されるように、別の実施形態においては、機械感度被覆膜916が、ファイバコア912の格子領域918を包囲するファイバクラッディング914の少なくとも一部分に配置される。更に特定された変形例では、機械感度被覆膜は、ファイバクラッディングの熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有する材料から形成される。ファイバクラッディングがシリカから製造される一例においては、被覆膜は、銅、アルミニウム又は金から形成される。例えば、アルミニウムの熱膨張係数は、シリカの熱膨張係数の約40倍である。
【0049】
ファイバクラッディング材料自体及び任意の被覆膜の材料をどのように選択するかは、光学特性及び所期の環境から要求される条件(例えば、感知装置がある特定の気体環境又は液体環境の中で使用されるべき場合には、不透過性又は親水性)によって決まる。保護を目的として、金被覆材料を使用できる。金は、約600℃までの温度に耐えることができる。アクリレート被覆ファイバは、通常、約−40℃〜約85℃の温度に適し、ポリイミド被覆ファイバは、一般に、約−190℃〜約350℃の温度に適する。基準感知装置の被覆膜の材料を慎重に選択することも有用である。例えば、ポリイミド被覆膜は、湿度変化を感知するのを助け、銅で被覆された感知装置は、酸化に関連する腐食を感知するのを助ける。
【0050】
本発明のいくつかの特徴のみを図示し、説明したが、多くの変形及び変更が当業者には着想されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨の範囲内に入るそのような全ての変形及び変更を含むことが意図されると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】化学物質感知装置製造の一実施形態を示した斜視図である。
【図2】別の実施形態による化学物質感知装置製造処理を示した概略図である。
【図3】別の実施形態に従ってファイバ軸に沿って二乗余弦変調プロファイルを有する複数の化学物質感知装置を示した概略図である。
【図4】アポダイズプロファイルを有する屈折率格子の両側におけるエバネッセント波フィールドプロファイルを示した概略図である。
【図5】単一の装置を使用する感知プローブを示した概略図である。
【図6】複数の装置を使用する感知プローブを示した概略図である。
【図7】光学基準感知装置が化学物質感知装置のブラッグ共振波長より長いブラッグ共振波長を有するような化学物質感知の実施形態を示した概略図である。
【図8】反射モード又は透過モードのいずれかで動作される化学物質を識別する光ファイバ化学物質感知システムを示した概略図である。
【図9】被覆ファイバ格子の一実施形態を示した図である。
【図10】被覆ファイバ格子の別の実施形態を示した図である。
【符号の説明】
【0052】
10…化学物質感知装置、12…ファイバコア、14…ファイバクラッディング、16…格子領域、20…反射光、22…透過光、24…光源、110、112、114…化学物質感知装置、420…化学物質感知装置、500…感知装置、502…プローブ、510・・・格子領域、511…ファイバコア、512…ファイバクラッディング、530…プローブ、600…基準感知装置、700…化学物質感知システム、710…プローブ、712…光学結合器、714…光源、718…スペクトル分析器、720…プロセッサ、810…感知装置、812…ファイバコア、814…ファイバクラッディング、816…格子領域、818…化学感度被覆膜、912…ファイバコア、914…ファイバクラッディング、916…機械感度被覆膜、918…格子領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学物質感知装置(10)において、
ファイバコア(12)と;
ファイバクラッディング(14)とを具備し、
前記ファイバコアは、前記ファイバクラッディング内への光(18)の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域(16)を具備し;
前記化学物質感知装置の前記ファイバクラッディングは、前記偏向光の少なくとも一部を前記ファイバコアに向かって逆反射するように構成される感知装置。
【請求項2】
前記ファイバコアは、シングルモードファイバコアであり、前記ファイバコアは、二酸化ゲルマニウムが不純物として添加された材料を含み、前記ファイバコアは、フッ素、塩素、ホウ素、エルビウム又はそれらの組み合わせが同時に不純物として添加された材料を更に含む請求項1記載の感知装置。
【請求項3】
前記ファイバクラッディングは、前記ファイバコアと物理的に接触している請求項1記載の感知装置。
【請求項4】
前記格子領域のプロファイルは、周期アポダイズ屈折率プロファイルから構成される請求項1記載の感知装置。
【請求項5】
前記格子領域のプロファイルは、前記ファイバコアの軸に沿って少なくとも1つの二乗余弦プロファイル又は少なくとも1つのガウスプロファイルを含む請求項4記載の感知装置。
【請求項6】
前記ファイバコアの前記格子領域を包囲する前記ファイバクラッディングの少なくとも一部分に沿って配置された化学感度被覆膜(818)又は機械感度被覆膜(916)を更に具備する請求項1記載の感知装置。
【請求項7】
化学物質感知方法において、
ファイバコア(12)がファイバクラッディング(14)内への光(18)の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域(16)を具備し、前記ファイバクラッディングが前記偏向光の少なくとも一部を前記ファイバコアに向かって逆反射するように構成されるようなファイバコア(12)及びファイバクラッディング(14)を提供することと;
前記格子領域を通して光を透過させることと;
前記格子領域からの光の反射(20)又は前記格子領域を通る光の透過(22)を表す信号を収集することと;
時間の経過に伴う前記信号の振幅偏移及び波長偏移の変化を監視することと;
監視された偏移の変化を利用して、化学物質の有無を検出することとから成る方法。
【請求項8】
化学物質感知システム(700)において、
ファイバコア(12)及びファイバクラッディング(14)を具備する化学物質感知装置であって、前記ファイバコアは、前記ファイバクラッディング内への光(18)の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域(16)を具備し、前記化学物質感知装置の前記ファイバクラッディングは、前記偏向光の少なくとも一部を前記ファイバコアに向かって逆反射するように構成される化学物質感知装置と;
前記ファイバコアを照明するように構成された光源(24)と;
前記格子領域を通る光の透過又は前記格子領域からの光の反射を表す信号を測定するように構成された検出器(718)とを具備するシステム。
【請求項9】
光学基準感知装置を更に具備し、前記光学基準感知装置は、前記光学基準感知装置からの光の反射又は前記光学基準感知装置を通る光の透過を表す基準信号を収集するように構成され、前記光学基準感知装置は、前記化学物質感知装置と並列して結合されたファイバ格子温度センサを具備する請求項8記載のシステム。
【請求項10】
化学物質感知プローブ(530)において、
ファイバコア(12)及びファイバクラッディング(14)を具備する化学物質感知装置(500)であって、前記ファイバコアは、前記ファイバクラッディング内への光(18)の偏向を増加するように構成されたアポダイズプロファイルを有する屈折率変調格子領域(16)を具備し、前記ファイバクラッディングは、前記偏向光の少なくとも一部を前記ファイバコアに向かって逆反射するように構成される化学物質感知装置と;
光学基準感知装置(600)であって、前記光学基準感知装置からの光の反射又は前記光学基準感知装置を通る光の透過を表す基準信号を収集するように構成された光学基準感知装置とを具備するプローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−101547(P2007−101547A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268085(P2006−268085)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】