光ファイバ増幅器およびその作成方法
【課題】光ファイバ増幅器を形成する方法を提供すること。
【解決手段】光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することとを包含する、方法。
【解決手段】光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することとを包含する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、光学素子に関し、より詳細には光ファイバ増幅器およびその作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
誘導ブリュアン散乱(SBS)は、高出力ファイバにおける非線形の効果をいい、この効果の下で、光学出力は、意図せずに非弾性的に後ろ向きの方向に散乱される。後ろ向きの方向の散乱は、光子および音響または振動フォノンの相互作用によって引き起こされる。ファイバ内の音響効果は、ファイバ内のビームまたは光によって生成される電場に起因する電気歪みによって引き起こされる。ファイバ内の音響エネルギは、光を後ろ向きの方向に反射させ、光の前方への伝搬を同時に妨害する。このことは、有用な出力信号の低下をもたらす。後方散乱ビームの周波数は、オリジナルビームの周波数よりもわずかに小さい。
【0003】
周波数シフトは、ストークスプロセスに起因して放出されたフォノンの周波数に対応する。このシフト(ブリュアンシフトとして公知)は、伝搬レーザ信号によって励起されたフォノンのエネルギに等しい。ブリュアンシフトは、一般的に、光学スペクトル分析器の使用によって測定されるか、または、高分解能測定のためのファブリペロー干渉計に基づく。ファイバの前方方向における十分な高出力において、信号の一部は、ブリュアンシフトした周波数において後方散乱される。SBSは、非線形光学利得が後方散乱光の増幅を生成するプロセスである。すなわち、前方方向に伝搬された光との干渉は、光学出力とは線形的に相関しない。代わりに、光学出力のSBS閾値が適合されるまで、SBS効果は受けない。その後すぐに、SBS後方散乱光学出力は、前方方向の光学出力を圧倒する。それゆえ、SBS閾値が高くなればなるほど、光学システムを介してより多くの電力が良好に送信され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明の一局面において、光ファイバ増幅器を形成する方法が提供される。この方法は、利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することとを包含し得る。
【0005】
本発明の別の局面において、光ファイバ増幅器を形成する方法が提供される。この方法は、複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の利得材料層に対して可変音速効果を提供し、該複数の利得材料層に実質的に均一の屈折率を提供するために、可変ドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、長手方向に変化する音速のプロファイルおよび実質的に均一の屈折率を有する利得材料コアを提供するために、該複数の利得材料層の少なくとも1つの横断面を除去することとを含み得る。この方法は、複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォームに挿入することと、該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することとを含み得る。
【0006】
本発明のさらに別の局面において、光ファイバ増幅器が提供される。この増幅器は、該光ファイバ増幅器の長さに沿って軸方向に延びる利得材料コアであって、該利得材料コアは、長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該利得材料コアの長さに沿って様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントを含み、SBS閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、利得材料コアと、該光ファイバコアを囲み、該光ファイバのデバイスの長さに沿って軸方向に延びる光ファイバクラッディングとを備えている。
【0007】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、
利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、
該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することと
を包含する、方法。
(項目2)
上記利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することは、
複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の層において可変の音速効果を提供するために、可変ドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、
該利得材料コアに上記長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該複数の利得材料層のうちの少なくとも1つの横断面を除去することと、
該複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォーム内に長手方向に挿入することと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3)
上記複数の利得材料層を形成することは、
可変のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを用いて、複数の区画の利得材料ガラスを形成することであって、該複数の区画の各区画は、火炎堆積を用いて平坦な基板上に調整される、ことと、
該複数の区画のガラスを、該複数の利得材料層に結合することと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記複数の利得材料層を形成することは、
所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コアファイバを提供することと、
ゾルゲルスラリーを用いて、該利得材料コアファイバの外側表面上に半径方向にコーティングの層を繰り返し堆積させ、シリンダを熱源に曝露して、該複数の層の各々に対して所与の層を形成することであって、各層は事前に堆積したコーティングの層とは異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記複数の利得材料層を形成することは、
反応チャンバにおいて、サセプタ上にシリカウエハを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを、入り口ポートを通して該反応チャンバに繰り返し提供し、該ガスが分解するときに、該サセプタを加熱し、回転させることであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされ、このような層は、必要に応じて、ドーパント濃度の連続的な変化を近似するために、可能性として非常に薄い、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記複数の利得材料層を形成することは、
中空のガラスシリンダを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、外側または内側化学蒸着法のうちの1つを用いて、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを繰り返し提供することであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされ、このような層は、必要に応じて、ドーパント濃度の連続的な変化を近似するために、可能性として非常に薄い、ことと
該シリンダの濃度が実質的に均一になるように、該シリンダを該複数の利得材料層で崩壊させることと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記複数の利得材料層を形成することは、
基板を提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを該基板上に繰り返し堆積させ、該ドーピングされた溶液を該基板上で拡散するために高速で該基板を回転させ、該基板が乾燥することを可能にすることであって、該シリカベースのゾルゲルは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
上記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
上記1以上の音速変化ドーパントは、上記利得材料コアに対して実質的に均一な屈折率を提供するように適切な混合比で選択され、配置される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
上記利得材料コアは、上記光ファイバ増幅器に増幅器増幅を提供するために、希土類ドーパントでドーピングされる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
上記光ファイバ増幅器は、約2〜約100メートルの長さを有する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、
複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の利得材料層に対して可変音速効果を提供し、該複数の利得材料層に実質的に均一の屈折率を提供するために、可変ドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、
長手方向に変化する音速のプロファイルおよび実質的に均一の屈折率を有する利得材料コアを提供するために、該複数の利得材料層の少なくとも1つの横断面を除去することと、
複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォームに挿入することと、
該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することと
を包含する、方法。
(項目13)
上記複数の利得材料層を形成することは、
可変ドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料ガラスの複数の区画を形成することであって、該複数の区画の各区画は、火炎堆積を用いて平坦な基板上で調整される、ことと、
該複数の区画のガラスを結合して、該複数の利得材料層を形成することと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
上記複数の利得材料層を形成することは、
所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コアファイバを提供することと、
ゾルゲルスラリーを用いて、該利得材料コアファイバの外側表面上に半径方向にコーティングの層を繰り返し堆積させ、シリンダを熱源に曝露して、該複数の層の各々に対して所与の層を形成することであって、各層は事前に堆積したコーティングの層とは異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
上記複数の利得材料層を形成することは、
反応チャンバにおいて、サセプタ上にシリカウエハを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを、入り口ポートを通して該反応チャンバに繰り返し提供し、該ガスが分解するときに、該サセプタを加熱し、回転させることであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
上記複数の利得材料層を形成することは、
中空のガラスシリンダを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、外側または内側化学蒸着法のうちの1つを用いて、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを繰り返し提供することであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
該シリンダの濃度が実質的に均一になるように、該シリンダを該複数の利得材料層で崩壊させることと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記複数の利得材料層を形成することは、
基板を提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを該基板上に繰り返し堆積させ、該ドーピングされた溶液を該基板上で拡散するために高速で該基板を回転させ、該基板が乾燥することを可能にすることであって、該シリカベースのゾルゲルは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記複数の利得材料層は、上記光ファイバ増幅器に増幅器増幅を提供するために、希土類ドーパントでドーピングされる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
光ファイバ増幅器であって、
該光ファイバ増幅器の長さに沿って軸方向に延びる利得材料コアであって、該利得材料コアは、長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該利得材料コアの長さに沿って様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、利得材料コアと、
該光ファイバコアを囲み、該光ファイバのデバイスの長さに沿って軸方向に延びる光ファイバクラッディングと
を備えている、光ファイバ増幅器。
(項目21)
上記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、上記項目のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
(項目22)
上記利得材料コアの長さに沿う様々な濃度の1以上の音速変化ドーパント様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントは、上記利得材料コアに実質的に均一な屈折率を提供する、上記項目のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
(項目23)
上記光ファイバ増幅器は、約2〜約100メートルの長さを有する、上記項目のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
【0008】
(摘要)
光ファイバ増幅器を形成する方法が提供される。この方法は、利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することとを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成する複合プレフォームの例を示す。
【図2】図2は、本発明の一局面に従う、後方散乱光周波数シフト対増幅器ファイバの長さをプロットするブリュアン周波数偏差ランプを描くグラフを示す。
【図3】図3は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成するシステムの例を示す。
【図4】図4は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成する方法のフロー図を示す。
【図5】図5は、本発明の一局面に従う光学システムの例を示す。
【図6】図6は、本発明の一局面に従う、複合プレート技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の例を示す。
【図7】図7は、本発明の一局面に従う、長手方向の関数として音速および屈折率を描くグラフを示す。
【図8】図8は、本発明の一局面に従う、「キャンドルウィック」技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。
【図9】図9は、本発明の一局面に従う、半径方向に変化する音速のプレフォームと、破線で示された半径方向に変化する音速のプレフォームの断面部分との前面図を示す。
【図10】図10は、本発明の一局面に従う、図9の例の1以上の音速変化ドーパントのドーパント濃度対半径方向に変化する音速のプレフォームの半径をプロットするドーパント濃度プロファイルの例を示す。
【図11】図11は、本発明の一局面に従う、気相リアクタ技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。
【図12】図12は、本発明の一局面に従う、化学蒸着技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。
【図13】図13は、本発明の一局面に従う、スピンコーティング技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。
【図14】図14は、本発明の一局面に従う、利得材料コアを形成する方法の別の例を示すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、光ファイバ増幅器のためのファイバコアの組成物に関し、この組成物は、ファイバ増幅器の光学特性(例えば、屈折率)がほぼ一定のままであるが、音響特性は伝搬方向に沿って周期的にまたは非周期的に変化するように、長手方向に変化する。結果として、平均誘導ブリュアン散乱(SBS)利得は、広い周波数範囲に広がり得、特定の所与の周波数におけるピーク利得は、相応に低減される。性能上の効果は、歪みまたは温度の空間変調によって達成される効果に類似しているが、より有意な程度で、かつこのようなハードウェアの実装なしに達成される。レーザ信号の光学スペクトルを広くすることは、有効SBS利得を低減する。例えば、ローレンツレーザスペクトルを仮定すると、有効ブリュアン利得係数は、以下の式
【0011】
【数1】
に従い、信号帯域幅にあわせられる。
【0012】
ここで、Δνlは、レーザライン幅であり、ΔνBは、ブリュアンライン幅であり、gBは、狭信号スペクトルに対するブリュアン利得である。それゆえ、光学スペクトルが広くなり、信号の有効ライン幅が、ブリュアン利得スペクトルのライン幅よりも大きくなる場合、総SBS利得は低減する。従って、Δνl>>ΔνBの場合には、SBSが効果的に抑制され、他の非線形の効果が出力制限を設定する。しかしながら、Δνlは、特定の程度までしか広くされ得ない。レーザライン幅が任意に広くなることができない場合には、異なるストラテジが、SBSプロセスの有効利得を低減するために使用されなければならない。このような状況の例は、共通のマスタオシレータ(MO)によって駆動される光ファイバ増幅器のコヒーレントフェイズドアレイを構成する場合であり、このために、コヒーレントな結合機構が信号の実際のライン幅を制限する。なぜならば、ファイバ増幅器のライン長は、Lcoh=c/(nΔνl)によって与えられる信号コヒーレンス長よりも有意に小さくなるように適合されなければならない。
【0013】
ブリュアン周波数νBは、νB=2nvA/λlにより与えられ、ここで、nは、コア屈折率であり、vAは音速であり、λlはレーザ波長である。音速は、温度および歪みと共に変化し、ファイバ増幅器内の総有効ブリュアン利得を低減させる1つの良好な方法は、ファイバコアを特異的に拡張すること、またはその長さに沿って温度勾配を適用することによる。このようにして、ブリュアン利得は、ファイバの小部分からブリュアン散乱および周波数シフトされた光に対してのみ高く、これを超えると、散乱周波数は、ブリュアン利得プロセスの共振利得幅ΔνB内に存在する。SBS閾値における改善は、音響周波数における空間勾配がどの程度大きいかに依存する。音響周波数が典型的な高出力ファイバ増幅器の長さに対応する軸方向距離において大きく変化するように、ファイバコアの組成を変更することは、同一の理由でSBS閾値を改善する。本発明は、ブリュアン利得を低下させ、結果としてSBS閾値を上昇させるように、ファイバコアの組成を修正することに焦点が置かれている。
【0014】
ファイバコアの組成は、屈折率を維持するが、ファイバに沿って音速を変更するように特別に選択された1以上の音速変化ドーパント濃度と共に長手方向に変化し、それによって、SBS閾値を上昇させる。なぜならば、共鳴ブリュアン周波数νBは、ここで、ファイバに沿った長さの関数として変化するからである。ファイバコアにおいて、少量(例えば、10%未満)の1以上の音速変化ドーパントは、ファイバコアの光学特性および音響特性の両方において変化をもたらし得る。例えば、ゲルマニウム、リンおよびチタンは、光学指数を増加させ得、結果としてファイバコア内の光の速度は減少する。ゲルマニウム、リンおよびチタンは、また、音響指数を増加させ、それにより、同様に、ファイバコア内の音速を減少させる。他のドーパント(例えば、ホウ素およびフッ素)は、反対の効果を有し、光学速度を増加させるが音速を減少させる。このことは、以下の表で説明される。
【0015】
【表1】
それゆえ、ドーパントの組み合わせは、音速に効果があるが、光学指数における効果は無視できるほどの量であるように、選ばれ得る。ドーパントの組み合わせは、最終的には、用途に依存する。なぜならば、ドーパントの組み合わせは、特定の用途に基づいてカスタム化され得るからである。
【0016】
図1は、本発明の一局面に従って光ファイバ増幅器を形成する複合プレフォーム10の例を示す。複合プレフォーム10は、利得材料コア12と、クラッディング材料プレフォーム14とを含む。複合プレフォームは延伸され得、光ファイバ増幅器を形成する。利得材料コアは、光ファイバ増幅器に増幅を提供するために、利得ドーパント(例えば、1以上の希土類ドーパント)でドーピングされた種々のコア材料(例えば、シリカ)のうちの任意の材料で形成され得る。利得材料コア12は、利得材料コア12中の音速が影響されるが、光学特性(例えば、屈折率)に対するその効果は無視できるように、長手方向で変化する1以上の音速変化ドーパントのドーパント濃度を有するように、製造される。このことは、ドーパントの音響効果および光学効果に基づいて、1以上の音速変化ドーパントを組み合わせることにより達成され得る。ドーパント(例えば、ゲルマニウム、リン、アルミニウム、ホウ素、フッ素およびチタン)は、利得材料コア12をドーピングするために可変濃度で使用され得る。1以上の音速変化ドーパントの可変濃度は、利得材料コアに沿った破線で示されるように長手方向に変化する音速のプロファイル16を提供し、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する。
【0017】
多くの技術(例えば、複合プレート技術、「キャンドルウィック」技術、化学気相リアクタ技術)が、利得材料コア12を形成するために使用され得る。さらに、外側化学蒸着技術および内側化学蒸着技術が、長手方向に変化するドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コア12を形成するために使用され得る。スピンコーティングゾルゲル技術は、また、長手方向に変化するドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コア12を形成するために使用され得る。当業者は、これは、長手方向に変化するドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コア12を製造する方法および技術の徹底的なリストではなく、代替の方法および技術が使用され得ることを認識する。
【0018】
クラッディング材料プレフォーム14は、種々のガラス材料のうちの任意の物であり得る。例えば、クラッディング材料プレフォーム14は、酸化物ガラス(例えば、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ゲルマニウムガラスなど)を含み得る。別の例として、クラッディング材料プレフォーム14は、ハロゲン化物ガラス(例えば、フッ化物ガラス)を含み得る。さらに別の例として、クラッディング材料プレフォーム14は、カルコゲニド(例えば、硫化物ガラス、セレン化物ガラス、テルル化物ガラスなど)を含み得る。例として、シリカガラス、ホウケイ酸塩ガラスなどが、クラッディング材料プレフォーム14を形成するために利用され得る。さらに、クラッディング材料プレフォーム14は、同様に、所望の屈折率を達成するために種々のドーパントのうちの任意のものでドーピングされ得る。
【0019】
複合プレフォーム10は、最初にクラッディング材料プレフォーム14を形成することによって形成され得る。図1の例において、クラッディング材料プレフォーム14は、実質的に円筒形であるように説明される。しかしながら、クラッディング材料プレフォーム14は、任意の種々の断面形状(例えば、長方形、楕円形または「D」形状)を有し得ることが理解されるべきである。孔がクラッディング材料プレフォーム14内の、例えば、実質的に中心軸またはクラッディング材料プレフォーム14の断面の重心において、穿孔される。したがって、利得材料コア12は、クラッディング材料プレフォーム14に穿孔された孔の中に挿入されるか、または「捩られ」て、加熱され、一緒に複合プレフォームに融解する。結果生じる複合プレフォーム10は、次いで、例えば、ファイバ延伸タワーを介して、結果生じるファイバ増幅器に延伸される。
【0020】
結果生じるファイバ増幅器は、利得材料コア12および結果生じるファイバからの半径の大きな減少を除けば、利得材料コア12の特性を維持する。それゆえ、利得材料コア12がドーピングされ、光学特性または音響特性(例えば、屈折率または音速)が変更される場合、結果生じるファイバ増幅器は、変更した光学特性または音響特性を有する。従って、結果生じるファイバ増幅器は、利得材料コア12をドーピングすることによって、特定の用途のためにカスタム化され得る。
【0021】
図2は、本発明の一局面に従う、後方散乱光の周波数シフト対増幅器ファイバ長に沿った位置をプロットする周波数偏差ランプ18を描くグラフを示す。周波数偏差ランプ18は、5メートルのファイバ長、10ワットの光学入力電力および825.5ワットの光学出力電力を有する例示的なファイバ増幅器に対するものである。例示的なファイバ増幅器は、1.5重量%の第1のドーパント濃度で、二酸化チタンおよびフッ素でドーピングされる。二酸化チタンおよびフッ素は、ファイバの長さに沿って可変の比率で混合され、その結果、光学指数は、ファイバの長さに沿って実質的に一定に維持されるが、可変の音速プロファイルを有する。
【0022】
ドーパント混合比は、ファイバの長さに沿って変更されるので、共鳴ブリュアン周波数νBは、また、ファイバの長さに沿って大きく変更される。それゆえ、後方散乱光は、例示的なファイバの長手方向区画にわたり周波数においてシフトされ、その結果、有効利得は、低下する。なぜならば、これらの区画は、長手方向区画における周波数シフトに起因して、もはや、同一の中心周波数において存在しないからである。従って、区画は、任意の所与の長手方向区画からの強い後方散乱波長を生み出さず、それにより、所与の周波数の増幅に対する有効な相互作用の長さを制限することにより、周波数に対するブリュアン利得を拡大する。結果として、例示的なファイバ内のSBSは、26.8dBだけ抑制される。この結果は、高出力ファイバ増幅器内のSBSに対する高忠実度モデルを用いて得られた。
【0023】
図3は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成するシステム20の例を示す。システム20は、複合プレフォーム22を示し、複合プレフォーム22は、クラッディング材料プレフォーム24と、利得材料コア2とを含み、図1の複合プレフォーム10と類似している。そのようなものとして、クラッディング材料プレフォーム24は、融解シリカから形成され得、利得材料コア26は、利得材料コアに沿った長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、希土類ドーピングされたシリカ材料をさらに1以上の音速変化ドーパントでドーピングされた材料から形成され得る。図3の例において、複合プレフォーム22は、光ファイバ増幅器28を形成するために延伸される。光ファイバ増幅器は、約2メートル〜約100メートルの長さを有し得る。
【0024】
システム20は、ホットゾーン30(例えば、ファイバ延伸タワーの炉において含まれ得る)を含む。例として、ホットゾーン30は、クラッディング材料プレフォーム24(例えば、シリカ)をやわらかくするため、そして、コア材料ロッド26を融解するために十分な熱を適用し得る。従って、複合プレフォーム22は、第一の端32から光ファイバ28までに拡大される。光ファイバ28は、ホットゾーン30を離れるとき、ポリマーバス(図示せず)を通るように進み、その結果、外被材料が光ファイバ28上にコーティングされ得、続いて、巻き取りリール34に巻かれる。
【0025】
図3の例においてシステム20は簡略化されて示されることと、ファイバ形成技術の任意の組み合わせが結果として生じる光ファイバ増幅器28を形成する際に実装され得ることとが理解されるべきである。それゆえ、システム20は、図3の例に限定されるように意図されない。
【0026】
上記された前述の構造的および機能的特徴に関して、本発明の様々な局面に従う、方法論は、図4を参照するとより良く認識される。説明の簡略化のために、図4の方法論は、逐次的に実行されるように示され、説明されているが、本発明は、一部の局面が、本発明に従って、異なる順序で、そして/または本明細書に示され、説明されている局面とは異なる局面と同時に起こり得るので、示されている順序に限定されないことが理解されるべきである。さらに、示されている特徴の全てが本発明に従う方法論を実装するために必要とされ得るわけではない。
【0027】
図4は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成する方法50のフロー図を示す。52において、長手方向に可変の音響プロファイルを有する利得材料コアが形成される。論じられるように、このことは、複合プレート技術、「キャンドルウィック」技術、化学気相リアクタ技術、外側または内側化学蒸着技術、あるいはスピンコーティングゾルゲル技術によって達成され得、複数の利得材料層にわたる可変音速効果を有する複数の利得材料層を有するプレフォームを形成する。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。横断面は、プレフォームからくり抜かれ得、長手方向に可変の音響プロファイルを有する利得材料コアを作製する。
【0028】
54において、クラッディング材料プレフォームが提供される。図1を参照して上記されるように、クラッディング材料プレフォーム14は、種々のガラス材料のうちの任意の物であり得る。同様に、クラッディング材料は、特定の屈折率を達成するようにドーピングされ得る。56において、孔がクラッディング材料プレフォーム内に穿孔される。クラッディング材料プレフォームは、任意の種々の断面形状(例えば、長方形、楕円形または「D」形状)を有し得る。同様に、クラッディング材料に穿孔される孔は、円形の断面を有し得るか、または長方形、楕円形もしくは他の形状の断面を有し得るが、コアが複合プレフォームの組み込みを容易にするように適合された形状であるように制約され得る。
【0029】
58において、長手方向に可変の音響プロファイルを有するコアは、複合プレフォームを形成するために、クラッディング材料プレフォーム内に挿入される。クラッディング材料プレフォーム内に適切に適合するように、コアが形作られ得、研磨され得る。60において、複合プレフォームは、光ファイバ増幅器を形成するために、第一の端部から延伸される。このことは、ファイバ延伸タワーまたは図3に示されるプロセスと類似のプロセスを用いて、達成され得る。
【0030】
図5は、本発明の一局面に従う、光学システム100の例を示す。光学システム100は、種々の光学用途(例えば、光学ネットワーク通信、工業用材料プロセス、または光学画像化システム)において実装され得る。光学システム100は、光ファイバ増幅器102(例えば、図3の例における結果生じる光ファイバ増幅器28)を含む。それゆえ、光ファイバ増幅器102は、クラッディング104(融解シリカで形成され得る)を含み、利得材料コア106は、1以上の音速変化ドーパントでドーピングされた希土類ドーピングシリカから形成され得る。
【0031】
レーザダイオードポンプアレイ108は、高輝度ポンプ放射を収束光学素子110に提供する。結果として、収束光学素子110は、ポンプ放射を収束して、そのポンプ放射を、高反射率ミラー112を介して光ファイバ増幅器102に発射する。部分伝送出力ミラー114は、高反射率ミラー112から、光ファイバ増幅器102の反対側の端部において、光ファイバ102に連結される。結果として、高輝度ポンプ放射は、高反射率ミラー112と部分伝送出力ミラー114との間のファイバの長手方向で、ファイバコアにおいて吸収される。従って、吸収されたポンプ電力は、コアにおいて希土類ドーパントを励起し、光学利得およびレーザ動作を生成し、このレーザ動作は、部分伝送出力ミラー114を介したポンプ電力から出力ビーム116への高効率変換をもたらす。
【0032】
光学システム110は図5の例に限定されないことが意図される。例として、光学システム100が図5の例において示されている。そのようなものとして、追加の光学コンポーネント(例えば、追加のレンズおよび/またはミラー)が、光学システム100に含まれ得る。それゆえ、光学システム100は、種々の方法の任意の方法において構成され得、種々の高電力光ファイバ用途のうちの任意の用途において実装され得る。
【0033】
図6は、本発明の一局面に従う複合プレート技術を用いる利得材料コアを形成する方法130の例を示す。垂直方向に変化する可変音速プレフォーム132を作製するための複合プレート技術を用いた長手方向に変化する音速のプロファイルを有する利得材料コア136が製造される。利得材料コア136は、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コア130の形成前、利得材料コア130の形成中、または利得材料コア130の形成後に増幅を提供する。利得材料ガラスの複数の区画138、140、142、144および146は、可変の濃度の1以上の音速変化ドーパントに曝露され、複数の区画の各々に対する可変のドーパント濃度を用いた火炎堆積を用いた平坦な基板上で調整される。ガラスの区画は、可変の濃度の1以上の音速変化ドーパント(例えば、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ素およびアルミニウム)でドーピングされる。区画138、140、142、144および146は、スタックされた配列で結合され、垂直方向に変化する音速のプレフォーム132を提供する。それゆえ、垂直方向に変化する音速のプレフォーム132のドーパント濃度は、周期的に変更し得るか、または非周期的に変更し得るか、1以上の可変音速区画を備えている。種々の音速プロファイルが特定のSBS増幅器設計の要件を満たすように達成され得ることが認識されるべきである。
【0034】
横断面134は、プレフォーム132から長手方向にくり抜かれる。区画134は、それゆえ、長手方向に変化する音速のプロファイルを有する利得材料コア136である。垂直方向に変化する音速のプレフォーム132が周期的または非周期的に変化するので、利得材料コア136は、長手方向に変化する音速のプロファイルを有する。それゆえ、利得材料コア136の周期的または非周期的変化は、長手方向に音速が変化する区画に分割される。
【0035】
図7は、本発明の一局面に従って、長手方向の関数として、音速および屈折率を描くグラフを示す。長手方向に変化するドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する光ファイバ増幅器において、ドーパント濃度の分散は、音速の分散に対応する。それゆえ、ドーパント濃度が図6に示されるように周期的に変化する場合には、音速プロファイル152は周期的に変化する。音速プロファイル152の各垂直区画は、138、140、142、144および146を有する図6に示されるような区画に対応する。音速プロファイルが、図6に示されるような層化構造132の各層において、1以上の音速変化ドーパントのドーパント濃度を修正することによってカスタム化され得ることを当業者は認識する。
【0036】
ドーパント濃度は、ファイバ増幅器の音速プロファイル152における効果に対して選択されるが、同様に、屈折率プロファイル154が実質的に一定のままであるように選択される。それゆえ、長手方向の音速変化は、SBS利得を低減させ、SBS閾値を上昇させるが、屈折率プロファイルは、前方方向への動く光が妨げられないように変更されない。
【0037】
図8は、本発明の一局面に従って、「キャンドルウィック」技術を用いた利得材料を形成する方法の別の例を示す。具体的には、長手方向に変化する音速のプロファイルを有する利得材料コアは、「キャンドルウィック」技術を用いて製造される。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。高ドーピング濃度の1以上の音速変化ドーパントを有するコアファイバ202は、「ウィック」として提供される。204において、所定のドーパント濃度の1以上の音読変化ドーパントによるコーティングが、ウィックに適用される。ドーパント濃度は、典型的には、ウィックのドーピング濃度未満である。ゾルゲルスラリーは、コーティングを適用する有効な方法である。なぜなら、ゾルゲルスラリーは湿潤化学技術であるからである。湿潤化学技術は、ガス技術よりもより容易に制御され得る。コーティングは、206において熱源をウィックに適用することによって、ウィックに融解される。
【0038】
ステップ204および206は、所望の数の層がウィック上に堆積するまで繰り返される。各層は、直前に堆積した層および直後に堆積する層とは異なるドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する。それゆえ、ウィックに適用される各コーティングは、直前に適用されたコーティングおよび直後に適用されるコーティングとは異なってドーピングされる。典型的には、最高のドーピング濃度は、利得材料コアファイバ202における濃度であり、コアファイバ202から半径方向外側に層において減少する。
【0039】
208において、半径方向に変化する音速のプレフォームが製造される。横断面は、半径方向に変化する音速のプレフォームからくり抜かれ、利得材料コアに長手方向に変化する音速プロファイルを提供する。横断面は、研磨され、長手方向にクラッディングに挿入され、その結果、ドーパント濃度は長手方向に変化する。さらに、複数の横断面は、形作られ得、研磨され得、長手方向にクラッディングに挿入され得る。スペーサは、複数の横断面の各々の間に配置され得、複数の横断面が、延伸プロセスの間に互いに妨害することを防ぐ。典型的には、単一の横断面は、延伸プロセスの間に単一のファイバ増幅器に変換され、従って、有用な長さの多くの有用なSBS抑制ファイバ増幅器が単一の延伸から生成され、それにより、増幅器ごとのコストを低減し、コア材料を保存する。
【0040】
図9は、本発明の一局面に従う、半径方向に変化する音速のプレフォーム250および破線で示される半径方向に変化する音速のプレフォームの断面部分の前面図である。半径方向に変化する音速のプレフォーム250は、図8を参照して上記されたようなキャンドルウィック方法を用いて製造され得るように、ドーパント濃度を半径方向に変化させる。プレフォーム250は、コアの間輪地に同軸上に中心を合わせられた複数の層を含む。4つの層のみが、例示の容易さのために図9に示されているが、当業者は、プレフォーム250が、所望に応じて、より多い層またはより少ない層で製造され得ることを認識する。
【0041】
252、254、256および258の各層は、直前に堆積した層および直後に堆積する層のドーパント濃度とは異なるドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する。例えば、層252は、層254より高いドーパント濃度を有するように形成される。同様に、層254は、層256よりも高いドーパント濃度を有するように形成され、層256は、層258より高いドーパント濃度を有するように形成される。プレフォーム250において変化するドーパント濃度は、音速に影響するが、ファイバの光学特性には実質的に影響しないように、特別に調整される。このことは、光学特性(例えば、屈折率)における効果が無視できるように、特別に選ばれたドーパントの組み合わせによって達成され得る。
【0042】
横断面260の断面図はプレフォーム250の層化した内部を示す。それゆえ、横断面260において、ドーパントは、半径方向には変化しないが、横断面の長さを横切るように変化する。例えば、プレフォーム250の横断面260は、層262および274において、同一のドーパント濃度を有する。層264および272は、同一のドーパント濃度であり、この濃度は、層262および274のドーパント濃度よりも高い。同様に、層266および270は、同一のドーパント濃度であり、この濃度は、層264および272のドーパント濃度よりも高い。層268は最高のドーパント濃度を有する。図8を参照して上記されたように、横断面260は、形作られ、研磨され、クラッディングプレフォームに挿入される。
【0043】
図10は、本発明の一局面に従う、図9の例の半径方向に変化する音速のプレフォーム250の半径に対する1以上の音速変化ドーパントのドーパント濃度をプロットするドーパント濃度プロファイル80の例を示す。半径方向に変化する音速のプレフォーム250の例は、最も内側の層252と、最も内側の層252から半径方向に拡大する複数の層とを有する。図10は、ドーパント濃度は、最も内側の層252から半径方向外側に減少し、その結果、最高のドーパント濃度は層302において存在することを示している。それゆえ、ドーパント濃度は、一般的に、軸方向中心において実質的に中心を合わせられた最大値まで上昇し、それぞれ引き続く層において低下している。結果として、プレフォーム250内の音響エネルギは分散され、SBS閾値を上昇させる。
【0044】
図11は、本発明の一局面に従う化学気相蒸着技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に増幅器増幅を提供する。具体的には、垂直方向に変化する音速のプレフォームは、従来の設計の化学気相リアクタ装置内で実装される化学気相蒸着技術を用いて製造される。1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスは、入口ポート352を通過し、反応チャンバ354に入る。反応チャンバ354において、ガスは分解し、複数のドーピングされたガラス層360をシリカウエハ358上に形成する。
【0045】
複数のドーピングされたガラス層360、およびドーピングされたガラス層360が成長するシリカウエハ358は、回転サセプタ356上に配置され、複数のドーピングされたガラス層360の均一性を確実にする。サセプタ356は加熱され、ガスが分解するとき、サセプタ356は回転する。加熱された回転は、遠心力に起因して均一性を促進する。反応チャンバ内の任意の余分なガスは、出口ポート362を通って排出される。その後、異なるドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスは、入口ポート352を通過して、反応チャンバ354内に入り得、複数のドーピングされたガラス層のうちの1層をもたらす。このプロセスは、所望の数の層が成長するまで、または実際には音速ドーピングにおける変化がこのような装置内で本質的に連続的になされ得るまで、必要な回数、繰り返され得る。
【0046】
半径方向に変化するプレフォームを成長させるよりも、化学気相リアクタ技術は、ドーピングされたガラス層360によって示されるように垂直に層を成長させる。横断面は、利得材料コアに沿って、長手方向に変化する音速プロファイルを形成するために、ドーピングされたガラス層360から、くり抜かれ得る。利得材料コアは、形作られ得、研磨され得、そしてクラッディング材料プレフォームに挿入され得、複合プレフォームを形成する。
【0047】
図12は、本発明の一局面に従って、化学気相蒸着技術を用いて利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。利得材料コア136は、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。具体的には、半径方向に変化する音速のプレフォームは、外側化学蒸着(OCVPD)または内側化学蒸着(IVPO)のような技術を用いて製造され得る。半径方向に変化する音速のプレフォームは、中空の光ファイバ材料(例えば、シリカ)のシリンダとして開始する。シリンダ402は、プレフォーム旋盤上に配置され、前駆体ガス(例えば、シラン、ゲルマン、金属有機希土類ドーパント、および気相において1以上の音速変化ドーパントでドーピングされた酸素)で充填される。次いで、シリンダは、約1000Kの熱源(例えば、水素火炎)に曝露され、前駆体ガスが分解され、酸化され、それにより、完全には密度化されていない化学蒸着材料は、「煤」といわれる状態のままである。層の特性(例えば、厚さおよびドーパント濃度)は、シリンダ402が熱源に曝露されたときに、前駆体ガスの流速およびドーパント比を変更することによって決定される。
【0048】
可変濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する煤の層を堆積させるこのプロセスは、所望の数の層が、煤層化シリンダ404の内側または外側に堆積するまで繰り返される。結果として、煤層化シリンダ404は、複数の煤層を有し、各層は、図8を参照して論じられたように、直前に堆積した層および直後に堆積する層とは異なるドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する。一部の希土類ドーピングプロセスにおいて、煤の材料は、さらなる高密度化の前に、希土類ドーパントイオンを含有する溶液で処置される。いったん所望の数の煤層が堆積すると、希土類溶液が適切にドーピングされると、煤層化シリンダ404は、406において示されるように崩壊する。煤層化シリンダ404は、熱源が煤層化シリンダ404の長さに沿って移動するとき、煤層化シリンダ404を真空に曝露することによって崩壊する。複数の層間の空間関係が、層堆積プロセスにあるときに維持される。結果として、崩壊したシリンダは、半径方向に変化する音速のプレフォーム406である。
【0049】
横断面408は、半径方向に変化する音速のプレフォーム406からくり抜かれ、長手方向に変化する音速プロファイルを有する利得材料コア410を提供する。利得材料コア410は、形作られ得、研磨され得、クラッディング材料プレフォームに挿入され得、複合プレフォームを形成する。例として、横断面408は、長さが約3〜4ミリメートルで、直径が約1ミリメートルである。横断面408は、実質的に一定の屈折率を有するが、長手方向に変化する音速プロファイルを有する。結果として、長手方向に変化する音速プロファイルおよび実質的に一定の屈折率を有する利得材料コアが製造される。利得材料コア410の層のドーパント濃度の長手方向における変化は、利得材料コア410の側部に沿った矢印によって強調される。
【0050】
図13は、本発明の一局面に従う、スピンコーティング技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。具体的には、垂直方向に変化する音速のプレフォームが、技術を用いて(例えば、ゾルゲル層450をスピンコーティングすることによって)製造される。ゾルゲル層をスピンコーティングすることは、薄いコーティングをフォトレジストに適用するために半導体業界で用いられるプロセスである。このプロセスは、利得材料ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを用いて使用され得、増幅器増幅および1以上の音速変化ドーパント(例えば、フッ素、ゲルマニウム、チタン、リン、ホウ素およびアルミニウム)を提供し、様々なドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する層を堆積させる。
【0051】
452において、1以上の音速変化ドーパントでドーピングされた過度の量の溶液が基板上に配置される。この基板は、遠心力によって流体を拡散させるために、スピンコータによって高速で回転される。所望の厚さの層が達成されるまで、回転は続き、流体は基板の縁から振り落とされる。この後に、典型的には、層をさらに固化させるために、乾燥プロセスおよび熱処置が続く。452におけるプロセスは、所望の数の垂直層が堆積するまで、異なる濃度の1以上の音速変化ドーパントを用いて繰り返される。
【0052】
図11の気相リアクタ技術に関連して上記したように、ゾルゲルをスピンコーティングすることは、図8および12において示されるような半径方向の成長ではなく、層化構造454によって示されるように垂直方向に成長する。横断面は、ドーピングされたガラス層360からくり抜かれ得、利得材料コアに沿って、長手方向に変化する音速プロファイルを有する利得材料コアを形成する。利得材料コアは、形作られ得、研磨され得、クラッディング材料プレフォームに挿入され得、複合プレフォームを形成する。
【0053】
上記の前述の構造的および機能的特徴に関して、本発明の様々な局面に従う、方法論は、図14を参照してより良く認識される。説明の簡略化の目的のために、図14の方法論は、逐次的に実行されるように示され、説明されているが、本発明は、一部の局面が、本発明に従って、異なる順序で、そして/または本明細書に示され、説明されている局面とは異なる局面と同時に起こり得るので、示されている順序に限定されないことが理解されるべきである。さらに、示されている特徴の全てが本発明に従う方法論を実装するために必要とされ得るわけではない。
【0054】
図14は、本発明の一局面に従う、光ファイバ増幅器を形成する方法の別の例のフロー図を示す。502において、可変のドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する複数の利得材料層が形成され、複数の層にわたり異なる音速効果を提供する。利得材料層は、外側化学蒸着、内側化学蒸着、化学気相リアクタ、ゾルゲルスピンコーティングまたはキャンドルウィック技術などの方法を用いて形成され得る。各技術は、異なる方法を用いるが、それぞれ、複数の層にわたり異なる音速効果を有する複数の層を有するプレフォームをもたらす。
【0055】
504において、複数の層の少なくとも1つの横断面が除去され、利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速プロファイルを有する利得材料コアを提供し、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。506において、利得材料コアは形作られ得、研磨され得、クラッディングプレフォームに挿入され得、複合プレフォームを形成する。クラッディングプレフォームは、任意の種々の断面形状(例えば、長方形、楕円形、または「D」形状)を有し得る。複合プレフォームは、加熱され得、利得材料コアをクラッディングプレフォームに結合する。いったん複合プレフォームが形成されると、複合プレフォームは、508において、例えば、延伸タワーを用いて延伸され、光ファイバ増幅器を形成する。
【0056】
上記で説明されてきたことは、本発明の例示的な実装を含む。当然ながら、本発明を説明する目的で、構成要素または方法論の全ての考えられる組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、本発明の多くのさらなる組み合わせおよび順列が実行可能であることを認識する。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内である、このような変更、修正および変形を包含するように意図されている。
【符号の説明】
【0057】
10 複合プレフォーム
12 利得材料コア
14 クラッディング材料プレフォーム
16 長手方向に変化する音速のプロファイル
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、光学素子に関し、より詳細には光ファイバ増幅器およびその作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
誘導ブリュアン散乱(SBS)は、高出力ファイバにおける非線形の効果をいい、この効果の下で、光学出力は、意図せずに非弾性的に後ろ向きの方向に散乱される。後ろ向きの方向の散乱は、光子および音響または振動フォノンの相互作用によって引き起こされる。ファイバ内の音響効果は、ファイバ内のビームまたは光によって生成される電場に起因する電気歪みによって引き起こされる。ファイバ内の音響エネルギは、光を後ろ向きの方向に反射させ、光の前方への伝搬を同時に妨害する。このことは、有用な出力信号の低下をもたらす。後方散乱ビームの周波数は、オリジナルビームの周波数よりもわずかに小さい。
【0003】
周波数シフトは、ストークスプロセスに起因して放出されたフォノンの周波数に対応する。このシフト(ブリュアンシフトとして公知)は、伝搬レーザ信号によって励起されたフォノンのエネルギに等しい。ブリュアンシフトは、一般的に、光学スペクトル分析器の使用によって測定されるか、または、高分解能測定のためのファブリペロー干渉計に基づく。ファイバの前方方向における十分な高出力において、信号の一部は、ブリュアンシフトした周波数において後方散乱される。SBSは、非線形光学利得が後方散乱光の増幅を生成するプロセスである。すなわち、前方方向に伝搬された光との干渉は、光学出力とは線形的に相関しない。代わりに、光学出力のSBS閾値が適合されるまで、SBS効果は受けない。その後すぐに、SBS後方散乱光学出力は、前方方向の光学出力を圧倒する。それゆえ、SBS閾値が高くなればなるほど、光学システムを介してより多くの電力が良好に送信され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明の一局面において、光ファイバ増幅器を形成する方法が提供される。この方法は、利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することとを包含し得る。
【0005】
本発明の別の局面において、光ファイバ増幅器を形成する方法が提供される。この方法は、複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の利得材料層に対して可変音速効果を提供し、該複数の利得材料層に実質的に均一の屈折率を提供するために、可変ドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、長手方向に変化する音速のプロファイルおよび実質的に均一の屈折率を有する利得材料コアを提供するために、該複数の利得材料層の少なくとも1つの横断面を除去することとを含み得る。この方法は、複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォームに挿入することと、該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することとを含み得る。
【0006】
本発明のさらに別の局面において、光ファイバ増幅器が提供される。この増幅器は、該光ファイバ増幅器の長さに沿って軸方向に延びる利得材料コアであって、該利得材料コアは、長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該利得材料コアの長さに沿って様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントを含み、SBS閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、利得材料コアと、該光ファイバコアを囲み、該光ファイバのデバイスの長さに沿って軸方向に延びる光ファイバクラッディングとを備えている。
【0007】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、
利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、
該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することと
を包含する、方法。
(項目2)
上記利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することは、
複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の層において可変の音速効果を提供するために、可変ドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、
該利得材料コアに上記長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該複数の利得材料層のうちの少なくとも1つの横断面を除去することと、
該複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォーム内に長手方向に挿入することと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3)
上記複数の利得材料層を形成することは、
可変のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを用いて、複数の区画の利得材料ガラスを形成することであって、該複数の区画の各区画は、火炎堆積を用いて平坦な基板上に調整される、ことと、
該複数の区画のガラスを、該複数の利得材料層に結合することと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記複数の利得材料層を形成することは、
所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コアファイバを提供することと、
ゾルゲルスラリーを用いて、該利得材料コアファイバの外側表面上に半径方向にコーティングの層を繰り返し堆積させ、シリンダを熱源に曝露して、該複数の層の各々に対して所与の層を形成することであって、各層は事前に堆積したコーティングの層とは異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記複数の利得材料層を形成することは、
反応チャンバにおいて、サセプタ上にシリカウエハを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを、入り口ポートを通して該反応チャンバに繰り返し提供し、該ガスが分解するときに、該サセプタを加熱し、回転させることであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされ、このような層は、必要に応じて、ドーパント濃度の連続的な変化を近似するために、可能性として非常に薄い、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記複数の利得材料層を形成することは、
中空のガラスシリンダを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、外側または内側化学蒸着法のうちの1つを用いて、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを繰り返し提供することであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされ、このような層は、必要に応じて、ドーパント濃度の連続的な変化を近似するために、可能性として非常に薄い、ことと
該シリンダの濃度が実質的に均一になるように、該シリンダを該複数の利得材料層で崩壊させることと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記複数の利得材料層を形成することは、
基板を提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを該基板上に繰り返し堆積させ、該ドーピングされた溶液を該基板上で拡散するために高速で該基板を回転させ、該基板が乾燥することを可能にすることであって、該シリカベースのゾルゲルは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
上記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
上記1以上の音速変化ドーパントは、上記利得材料コアに対して実質的に均一な屈折率を提供するように適切な混合比で選択され、配置される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
上記利得材料コアは、上記光ファイバ増幅器に増幅器増幅を提供するために、希土類ドーパントでドーピングされる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
上記光ファイバ増幅器は、約2〜約100メートルの長さを有する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、
複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の利得材料層に対して可変音速効果を提供し、該複数の利得材料層に実質的に均一の屈折率を提供するために、可変ドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、
長手方向に変化する音速のプロファイルおよび実質的に均一の屈折率を有する利得材料コアを提供するために、該複数の利得材料層の少なくとも1つの横断面を除去することと、
複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォームに挿入することと、
該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することと
を包含する、方法。
(項目13)
上記複数の利得材料層を形成することは、
可変ドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料ガラスの複数の区画を形成することであって、該複数の区画の各区画は、火炎堆積を用いて平坦な基板上で調整される、ことと、
該複数の区画のガラスを結合して、該複数の利得材料層を形成することと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
上記複数の利得材料層を形成することは、
所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コアファイバを提供することと、
ゾルゲルスラリーを用いて、該利得材料コアファイバの外側表面上に半径方向にコーティングの層を繰り返し堆積させ、シリンダを熱源に曝露して、該複数の層の各々に対して所与の層を形成することであって、各層は事前に堆積したコーティングの層とは異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
上記複数の利得材料層を形成することは、
反応チャンバにおいて、サセプタ上にシリカウエハを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを、入り口ポートを通して該反応チャンバに繰り返し提供し、該ガスが分解するときに、該サセプタを加熱し、回転させることであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
上記複数の利得材料層を形成することは、
中空のガラスシリンダを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、外側または内側化学蒸着法のうちの1つを用いて、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを繰り返し提供することであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
該シリンダの濃度が実質的に均一になるように、該シリンダを該複数の利得材料層で崩壊させることと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記複数の利得材料層を形成することは、
基板を提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の上記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを該基板上に繰り返し堆積させ、該ドーピングされた溶液を該基板上で拡散するために高速で該基板を回転させ、該基板が乾燥することを可能にすることであって、該シリカベースのゾルゲルは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記複数の利得材料層は、上記光ファイバ増幅器に増幅器増幅を提供するために、希土類ドーパントでドーピングされる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
光ファイバ増幅器であって、
該光ファイバ増幅器の長さに沿って軸方向に延びる利得材料コアであって、該利得材料コアは、長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該利得材料コアの長さに沿って様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、利得材料コアと、
該光ファイバコアを囲み、該光ファイバのデバイスの長さに沿って軸方向に延びる光ファイバクラッディングと
を備えている、光ファイバ増幅器。
(項目21)
上記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、上記項目のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
(項目22)
上記利得材料コアの長さに沿う様々な濃度の1以上の音速変化ドーパント様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントは、上記利得材料コアに実質的に均一な屈折率を提供する、上記項目のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
(項目23)
上記光ファイバ増幅器は、約2〜約100メートルの長さを有する、上記項目のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
【0008】
(摘要)
光ファイバ増幅器を形成する方法が提供される。この方法は、利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することとを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成する複合プレフォームの例を示す。
【図2】図2は、本発明の一局面に従う、後方散乱光周波数シフト対増幅器ファイバの長さをプロットするブリュアン周波数偏差ランプを描くグラフを示す。
【図3】図3は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成するシステムの例を示す。
【図4】図4は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成する方法のフロー図を示す。
【図5】図5は、本発明の一局面に従う光学システムの例を示す。
【図6】図6は、本発明の一局面に従う、複合プレート技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の例を示す。
【図7】図7は、本発明の一局面に従う、長手方向の関数として音速および屈折率を描くグラフを示す。
【図8】図8は、本発明の一局面に従う、「キャンドルウィック」技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。
【図9】図9は、本発明の一局面に従う、半径方向に変化する音速のプレフォームと、破線で示された半径方向に変化する音速のプレフォームの断面部分との前面図を示す。
【図10】図10は、本発明の一局面に従う、図9の例の1以上の音速変化ドーパントのドーパント濃度対半径方向に変化する音速のプレフォームの半径をプロットするドーパント濃度プロファイルの例を示す。
【図11】図11は、本発明の一局面に従う、気相リアクタ技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。
【図12】図12は、本発明の一局面に従う、化学蒸着技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。
【図13】図13は、本発明の一局面に従う、スピンコーティング技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。
【図14】図14は、本発明の一局面に従う、利得材料コアを形成する方法の別の例を示すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、光ファイバ増幅器のためのファイバコアの組成物に関し、この組成物は、ファイバ増幅器の光学特性(例えば、屈折率)がほぼ一定のままであるが、音響特性は伝搬方向に沿って周期的にまたは非周期的に変化するように、長手方向に変化する。結果として、平均誘導ブリュアン散乱(SBS)利得は、広い周波数範囲に広がり得、特定の所与の周波数におけるピーク利得は、相応に低減される。性能上の効果は、歪みまたは温度の空間変調によって達成される効果に類似しているが、より有意な程度で、かつこのようなハードウェアの実装なしに達成される。レーザ信号の光学スペクトルを広くすることは、有効SBS利得を低減する。例えば、ローレンツレーザスペクトルを仮定すると、有効ブリュアン利得係数は、以下の式
【0011】
【数1】
に従い、信号帯域幅にあわせられる。
【0012】
ここで、Δνlは、レーザライン幅であり、ΔνBは、ブリュアンライン幅であり、gBは、狭信号スペクトルに対するブリュアン利得である。それゆえ、光学スペクトルが広くなり、信号の有効ライン幅が、ブリュアン利得スペクトルのライン幅よりも大きくなる場合、総SBS利得は低減する。従って、Δνl>>ΔνBの場合には、SBSが効果的に抑制され、他の非線形の効果が出力制限を設定する。しかしながら、Δνlは、特定の程度までしか広くされ得ない。レーザライン幅が任意に広くなることができない場合には、異なるストラテジが、SBSプロセスの有効利得を低減するために使用されなければならない。このような状況の例は、共通のマスタオシレータ(MO)によって駆動される光ファイバ増幅器のコヒーレントフェイズドアレイを構成する場合であり、このために、コヒーレントな結合機構が信号の実際のライン幅を制限する。なぜならば、ファイバ増幅器のライン長は、Lcoh=c/(nΔνl)によって与えられる信号コヒーレンス長よりも有意に小さくなるように適合されなければならない。
【0013】
ブリュアン周波数νBは、νB=2nvA/λlにより与えられ、ここで、nは、コア屈折率であり、vAは音速であり、λlはレーザ波長である。音速は、温度および歪みと共に変化し、ファイバ増幅器内の総有効ブリュアン利得を低減させる1つの良好な方法は、ファイバコアを特異的に拡張すること、またはその長さに沿って温度勾配を適用することによる。このようにして、ブリュアン利得は、ファイバの小部分からブリュアン散乱および周波数シフトされた光に対してのみ高く、これを超えると、散乱周波数は、ブリュアン利得プロセスの共振利得幅ΔνB内に存在する。SBS閾値における改善は、音響周波数における空間勾配がどの程度大きいかに依存する。音響周波数が典型的な高出力ファイバ増幅器の長さに対応する軸方向距離において大きく変化するように、ファイバコアの組成を変更することは、同一の理由でSBS閾値を改善する。本発明は、ブリュアン利得を低下させ、結果としてSBS閾値を上昇させるように、ファイバコアの組成を修正することに焦点が置かれている。
【0014】
ファイバコアの組成は、屈折率を維持するが、ファイバに沿って音速を変更するように特別に選択された1以上の音速変化ドーパント濃度と共に長手方向に変化し、それによって、SBS閾値を上昇させる。なぜならば、共鳴ブリュアン周波数νBは、ここで、ファイバに沿った長さの関数として変化するからである。ファイバコアにおいて、少量(例えば、10%未満)の1以上の音速変化ドーパントは、ファイバコアの光学特性および音響特性の両方において変化をもたらし得る。例えば、ゲルマニウム、リンおよびチタンは、光学指数を増加させ得、結果としてファイバコア内の光の速度は減少する。ゲルマニウム、リンおよびチタンは、また、音響指数を増加させ、それにより、同様に、ファイバコア内の音速を減少させる。他のドーパント(例えば、ホウ素およびフッ素)は、反対の効果を有し、光学速度を増加させるが音速を減少させる。このことは、以下の表で説明される。
【0015】
【表1】
それゆえ、ドーパントの組み合わせは、音速に効果があるが、光学指数における効果は無視できるほどの量であるように、選ばれ得る。ドーパントの組み合わせは、最終的には、用途に依存する。なぜならば、ドーパントの組み合わせは、特定の用途に基づいてカスタム化され得るからである。
【0016】
図1は、本発明の一局面に従って光ファイバ増幅器を形成する複合プレフォーム10の例を示す。複合プレフォーム10は、利得材料コア12と、クラッディング材料プレフォーム14とを含む。複合プレフォームは延伸され得、光ファイバ増幅器を形成する。利得材料コアは、光ファイバ増幅器に増幅を提供するために、利得ドーパント(例えば、1以上の希土類ドーパント)でドーピングされた種々のコア材料(例えば、シリカ)のうちの任意の材料で形成され得る。利得材料コア12は、利得材料コア12中の音速が影響されるが、光学特性(例えば、屈折率)に対するその効果は無視できるように、長手方向で変化する1以上の音速変化ドーパントのドーパント濃度を有するように、製造される。このことは、ドーパントの音響効果および光学効果に基づいて、1以上の音速変化ドーパントを組み合わせることにより達成され得る。ドーパント(例えば、ゲルマニウム、リン、アルミニウム、ホウ素、フッ素およびチタン)は、利得材料コア12をドーピングするために可変濃度で使用され得る。1以上の音速変化ドーパントの可変濃度は、利得材料コアに沿った破線で示されるように長手方向に変化する音速のプロファイル16を提供し、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する。
【0017】
多くの技術(例えば、複合プレート技術、「キャンドルウィック」技術、化学気相リアクタ技術)が、利得材料コア12を形成するために使用され得る。さらに、外側化学蒸着技術および内側化学蒸着技術が、長手方向に変化するドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コア12を形成するために使用され得る。スピンコーティングゾルゲル技術は、また、長手方向に変化するドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コア12を形成するために使用され得る。当業者は、これは、長手方向に変化するドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コア12を製造する方法および技術の徹底的なリストではなく、代替の方法および技術が使用され得ることを認識する。
【0018】
クラッディング材料プレフォーム14は、種々のガラス材料のうちの任意の物であり得る。例えば、クラッディング材料プレフォーム14は、酸化物ガラス(例えば、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ゲルマニウムガラスなど)を含み得る。別の例として、クラッディング材料プレフォーム14は、ハロゲン化物ガラス(例えば、フッ化物ガラス)を含み得る。さらに別の例として、クラッディング材料プレフォーム14は、カルコゲニド(例えば、硫化物ガラス、セレン化物ガラス、テルル化物ガラスなど)を含み得る。例として、シリカガラス、ホウケイ酸塩ガラスなどが、クラッディング材料プレフォーム14を形成するために利用され得る。さらに、クラッディング材料プレフォーム14は、同様に、所望の屈折率を達成するために種々のドーパントのうちの任意のものでドーピングされ得る。
【0019】
複合プレフォーム10は、最初にクラッディング材料プレフォーム14を形成することによって形成され得る。図1の例において、クラッディング材料プレフォーム14は、実質的に円筒形であるように説明される。しかしながら、クラッディング材料プレフォーム14は、任意の種々の断面形状(例えば、長方形、楕円形または「D」形状)を有し得ることが理解されるべきである。孔がクラッディング材料プレフォーム14内の、例えば、実質的に中心軸またはクラッディング材料プレフォーム14の断面の重心において、穿孔される。したがって、利得材料コア12は、クラッディング材料プレフォーム14に穿孔された孔の中に挿入されるか、または「捩られ」て、加熱され、一緒に複合プレフォームに融解する。結果生じる複合プレフォーム10は、次いで、例えば、ファイバ延伸タワーを介して、結果生じるファイバ増幅器に延伸される。
【0020】
結果生じるファイバ増幅器は、利得材料コア12および結果生じるファイバからの半径の大きな減少を除けば、利得材料コア12の特性を維持する。それゆえ、利得材料コア12がドーピングされ、光学特性または音響特性(例えば、屈折率または音速)が変更される場合、結果生じるファイバ増幅器は、変更した光学特性または音響特性を有する。従って、結果生じるファイバ増幅器は、利得材料コア12をドーピングすることによって、特定の用途のためにカスタム化され得る。
【0021】
図2は、本発明の一局面に従う、後方散乱光の周波数シフト対増幅器ファイバ長に沿った位置をプロットする周波数偏差ランプ18を描くグラフを示す。周波数偏差ランプ18は、5メートルのファイバ長、10ワットの光学入力電力および825.5ワットの光学出力電力を有する例示的なファイバ増幅器に対するものである。例示的なファイバ増幅器は、1.5重量%の第1のドーパント濃度で、二酸化チタンおよびフッ素でドーピングされる。二酸化チタンおよびフッ素は、ファイバの長さに沿って可変の比率で混合され、その結果、光学指数は、ファイバの長さに沿って実質的に一定に維持されるが、可変の音速プロファイルを有する。
【0022】
ドーパント混合比は、ファイバの長さに沿って変更されるので、共鳴ブリュアン周波数νBは、また、ファイバの長さに沿って大きく変更される。それゆえ、後方散乱光は、例示的なファイバの長手方向区画にわたり周波数においてシフトされ、その結果、有効利得は、低下する。なぜならば、これらの区画は、長手方向区画における周波数シフトに起因して、もはや、同一の中心周波数において存在しないからである。従って、区画は、任意の所与の長手方向区画からの強い後方散乱波長を生み出さず、それにより、所与の周波数の増幅に対する有効な相互作用の長さを制限することにより、周波数に対するブリュアン利得を拡大する。結果として、例示的なファイバ内のSBSは、26.8dBだけ抑制される。この結果は、高出力ファイバ増幅器内のSBSに対する高忠実度モデルを用いて得られた。
【0023】
図3は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成するシステム20の例を示す。システム20は、複合プレフォーム22を示し、複合プレフォーム22は、クラッディング材料プレフォーム24と、利得材料コア2とを含み、図1の複合プレフォーム10と類似している。そのようなものとして、クラッディング材料プレフォーム24は、融解シリカから形成され得、利得材料コア26は、利得材料コアに沿った長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、希土類ドーピングされたシリカ材料をさらに1以上の音速変化ドーパントでドーピングされた材料から形成され得る。図3の例において、複合プレフォーム22は、光ファイバ増幅器28を形成するために延伸される。光ファイバ増幅器は、約2メートル〜約100メートルの長さを有し得る。
【0024】
システム20は、ホットゾーン30(例えば、ファイバ延伸タワーの炉において含まれ得る)を含む。例として、ホットゾーン30は、クラッディング材料プレフォーム24(例えば、シリカ)をやわらかくするため、そして、コア材料ロッド26を融解するために十分な熱を適用し得る。従って、複合プレフォーム22は、第一の端32から光ファイバ28までに拡大される。光ファイバ28は、ホットゾーン30を離れるとき、ポリマーバス(図示せず)を通るように進み、その結果、外被材料が光ファイバ28上にコーティングされ得、続いて、巻き取りリール34に巻かれる。
【0025】
図3の例においてシステム20は簡略化されて示されることと、ファイバ形成技術の任意の組み合わせが結果として生じる光ファイバ増幅器28を形成する際に実装され得ることとが理解されるべきである。それゆえ、システム20は、図3の例に限定されるように意図されない。
【0026】
上記された前述の構造的および機能的特徴に関して、本発明の様々な局面に従う、方法論は、図4を参照するとより良く認識される。説明の簡略化のために、図4の方法論は、逐次的に実行されるように示され、説明されているが、本発明は、一部の局面が、本発明に従って、異なる順序で、そして/または本明細書に示され、説明されている局面とは異なる局面と同時に起こり得るので、示されている順序に限定されないことが理解されるべきである。さらに、示されている特徴の全てが本発明に従う方法論を実装するために必要とされ得るわけではない。
【0027】
図4は、本発明の一局面に従う光ファイバ増幅器を形成する方法50のフロー図を示す。52において、長手方向に可変の音響プロファイルを有する利得材料コアが形成される。論じられるように、このことは、複合プレート技術、「キャンドルウィック」技術、化学気相リアクタ技術、外側または内側化学蒸着技術、あるいはスピンコーティングゾルゲル技術によって達成され得、複数の利得材料層にわたる可変音速効果を有する複数の利得材料層を有するプレフォームを形成する。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。横断面は、プレフォームからくり抜かれ得、長手方向に可変の音響プロファイルを有する利得材料コアを作製する。
【0028】
54において、クラッディング材料プレフォームが提供される。図1を参照して上記されるように、クラッディング材料プレフォーム14は、種々のガラス材料のうちの任意の物であり得る。同様に、クラッディング材料は、特定の屈折率を達成するようにドーピングされ得る。56において、孔がクラッディング材料プレフォーム内に穿孔される。クラッディング材料プレフォームは、任意の種々の断面形状(例えば、長方形、楕円形または「D」形状)を有し得る。同様に、クラッディング材料に穿孔される孔は、円形の断面を有し得るか、または長方形、楕円形もしくは他の形状の断面を有し得るが、コアが複合プレフォームの組み込みを容易にするように適合された形状であるように制約され得る。
【0029】
58において、長手方向に可変の音響プロファイルを有するコアは、複合プレフォームを形成するために、クラッディング材料プレフォーム内に挿入される。クラッディング材料プレフォーム内に適切に適合するように、コアが形作られ得、研磨され得る。60において、複合プレフォームは、光ファイバ増幅器を形成するために、第一の端部から延伸される。このことは、ファイバ延伸タワーまたは図3に示されるプロセスと類似のプロセスを用いて、達成され得る。
【0030】
図5は、本発明の一局面に従う、光学システム100の例を示す。光学システム100は、種々の光学用途(例えば、光学ネットワーク通信、工業用材料プロセス、または光学画像化システム)において実装され得る。光学システム100は、光ファイバ増幅器102(例えば、図3の例における結果生じる光ファイバ増幅器28)を含む。それゆえ、光ファイバ増幅器102は、クラッディング104(融解シリカで形成され得る)を含み、利得材料コア106は、1以上の音速変化ドーパントでドーピングされた希土類ドーピングシリカから形成され得る。
【0031】
レーザダイオードポンプアレイ108は、高輝度ポンプ放射を収束光学素子110に提供する。結果として、収束光学素子110は、ポンプ放射を収束して、そのポンプ放射を、高反射率ミラー112を介して光ファイバ増幅器102に発射する。部分伝送出力ミラー114は、高反射率ミラー112から、光ファイバ増幅器102の反対側の端部において、光ファイバ102に連結される。結果として、高輝度ポンプ放射は、高反射率ミラー112と部分伝送出力ミラー114との間のファイバの長手方向で、ファイバコアにおいて吸収される。従って、吸収されたポンプ電力は、コアにおいて希土類ドーパントを励起し、光学利得およびレーザ動作を生成し、このレーザ動作は、部分伝送出力ミラー114を介したポンプ電力から出力ビーム116への高効率変換をもたらす。
【0032】
光学システム110は図5の例に限定されないことが意図される。例として、光学システム100が図5の例において示されている。そのようなものとして、追加の光学コンポーネント(例えば、追加のレンズおよび/またはミラー)が、光学システム100に含まれ得る。それゆえ、光学システム100は、種々の方法の任意の方法において構成され得、種々の高電力光ファイバ用途のうちの任意の用途において実装され得る。
【0033】
図6は、本発明の一局面に従う複合プレート技術を用いる利得材料コアを形成する方法130の例を示す。垂直方向に変化する可変音速プレフォーム132を作製するための複合プレート技術を用いた長手方向に変化する音速のプロファイルを有する利得材料コア136が製造される。利得材料コア136は、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コア130の形成前、利得材料コア130の形成中、または利得材料コア130の形成後に増幅を提供する。利得材料ガラスの複数の区画138、140、142、144および146は、可変の濃度の1以上の音速変化ドーパントに曝露され、複数の区画の各々に対する可変のドーパント濃度を用いた火炎堆積を用いた平坦な基板上で調整される。ガラスの区画は、可変の濃度の1以上の音速変化ドーパント(例えば、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ素およびアルミニウム)でドーピングされる。区画138、140、142、144および146は、スタックされた配列で結合され、垂直方向に変化する音速のプレフォーム132を提供する。それゆえ、垂直方向に変化する音速のプレフォーム132のドーパント濃度は、周期的に変更し得るか、または非周期的に変更し得るか、1以上の可変音速区画を備えている。種々の音速プロファイルが特定のSBS増幅器設計の要件を満たすように達成され得ることが認識されるべきである。
【0034】
横断面134は、プレフォーム132から長手方向にくり抜かれる。区画134は、それゆえ、長手方向に変化する音速のプロファイルを有する利得材料コア136である。垂直方向に変化する音速のプレフォーム132が周期的または非周期的に変化するので、利得材料コア136は、長手方向に変化する音速のプロファイルを有する。それゆえ、利得材料コア136の周期的または非周期的変化は、長手方向に音速が変化する区画に分割される。
【0035】
図7は、本発明の一局面に従って、長手方向の関数として、音速および屈折率を描くグラフを示す。長手方向に変化するドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する光ファイバ増幅器において、ドーパント濃度の分散は、音速の分散に対応する。それゆえ、ドーパント濃度が図6に示されるように周期的に変化する場合には、音速プロファイル152は周期的に変化する。音速プロファイル152の各垂直区画は、138、140、142、144および146を有する図6に示されるような区画に対応する。音速プロファイルが、図6に示されるような層化構造132の各層において、1以上の音速変化ドーパントのドーパント濃度を修正することによってカスタム化され得ることを当業者は認識する。
【0036】
ドーパント濃度は、ファイバ増幅器の音速プロファイル152における効果に対して選択されるが、同様に、屈折率プロファイル154が実質的に一定のままであるように選択される。それゆえ、長手方向の音速変化は、SBS利得を低減させ、SBS閾値を上昇させるが、屈折率プロファイルは、前方方向への動く光が妨げられないように変更されない。
【0037】
図8は、本発明の一局面に従って、「キャンドルウィック」技術を用いた利得材料を形成する方法の別の例を示す。具体的には、長手方向に変化する音速のプロファイルを有する利得材料コアは、「キャンドルウィック」技術を用いて製造される。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。高ドーピング濃度の1以上の音速変化ドーパントを有するコアファイバ202は、「ウィック」として提供される。204において、所定のドーパント濃度の1以上の音読変化ドーパントによるコーティングが、ウィックに適用される。ドーパント濃度は、典型的には、ウィックのドーピング濃度未満である。ゾルゲルスラリーは、コーティングを適用する有効な方法である。なぜなら、ゾルゲルスラリーは湿潤化学技術であるからである。湿潤化学技術は、ガス技術よりもより容易に制御され得る。コーティングは、206において熱源をウィックに適用することによって、ウィックに融解される。
【0038】
ステップ204および206は、所望の数の層がウィック上に堆積するまで繰り返される。各層は、直前に堆積した層および直後に堆積する層とは異なるドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する。それゆえ、ウィックに適用される各コーティングは、直前に適用されたコーティングおよび直後に適用されるコーティングとは異なってドーピングされる。典型的には、最高のドーピング濃度は、利得材料コアファイバ202における濃度であり、コアファイバ202から半径方向外側に層において減少する。
【0039】
208において、半径方向に変化する音速のプレフォームが製造される。横断面は、半径方向に変化する音速のプレフォームからくり抜かれ、利得材料コアに長手方向に変化する音速プロファイルを提供する。横断面は、研磨され、長手方向にクラッディングに挿入され、その結果、ドーパント濃度は長手方向に変化する。さらに、複数の横断面は、形作られ得、研磨され得、長手方向にクラッディングに挿入され得る。スペーサは、複数の横断面の各々の間に配置され得、複数の横断面が、延伸プロセスの間に互いに妨害することを防ぐ。典型的には、単一の横断面は、延伸プロセスの間に単一のファイバ増幅器に変換され、従って、有用な長さの多くの有用なSBS抑制ファイバ増幅器が単一の延伸から生成され、それにより、増幅器ごとのコストを低減し、コア材料を保存する。
【0040】
図9は、本発明の一局面に従う、半径方向に変化する音速のプレフォーム250および破線で示される半径方向に変化する音速のプレフォームの断面部分の前面図である。半径方向に変化する音速のプレフォーム250は、図8を参照して上記されたようなキャンドルウィック方法を用いて製造され得るように、ドーパント濃度を半径方向に変化させる。プレフォーム250は、コアの間輪地に同軸上に中心を合わせられた複数の層を含む。4つの層のみが、例示の容易さのために図9に示されているが、当業者は、プレフォーム250が、所望に応じて、より多い層またはより少ない層で製造され得ることを認識する。
【0041】
252、254、256および258の各層は、直前に堆積した層および直後に堆積する層のドーパント濃度とは異なるドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する。例えば、層252は、層254より高いドーパント濃度を有するように形成される。同様に、層254は、層256よりも高いドーパント濃度を有するように形成され、層256は、層258より高いドーパント濃度を有するように形成される。プレフォーム250において変化するドーパント濃度は、音速に影響するが、ファイバの光学特性には実質的に影響しないように、特別に調整される。このことは、光学特性(例えば、屈折率)における効果が無視できるように、特別に選ばれたドーパントの組み合わせによって達成され得る。
【0042】
横断面260の断面図はプレフォーム250の層化した内部を示す。それゆえ、横断面260において、ドーパントは、半径方向には変化しないが、横断面の長さを横切るように変化する。例えば、プレフォーム250の横断面260は、層262および274において、同一のドーパント濃度を有する。層264および272は、同一のドーパント濃度であり、この濃度は、層262および274のドーパント濃度よりも高い。同様に、層266および270は、同一のドーパント濃度であり、この濃度は、層264および272のドーパント濃度よりも高い。層268は最高のドーパント濃度を有する。図8を参照して上記されたように、横断面260は、形作られ、研磨され、クラッディングプレフォームに挿入される。
【0043】
図10は、本発明の一局面に従う、図9の例の半径方向に変化する音速のプレフォーム250の半径に対する1以上の音速変化ドーパントのドーパント濃度をプロットするドーパント濃度プロファイル80の例を示す。半径方向に変化する音速のプレフォーム250の例は、最も内側の層252と、最も内側の層252から半径方向に拡大する複数の層とを有する。図10は、ドーパント濃度は、最も内側の層252から半径方向外側に減少し、その結果、最高のドーパント濃度は層302において存在することを示している。それゆえ、ドーパント濃度は、一般的に、軸方向中心において実質的に中心を合わせられた最大値まで上昇し、それぞれ引き続く層において低下している。結果として、プレフォーム250内の音響エネルギは分散され、SBS閾値を上昇させる。
【0044】
図11は、本発明の一局面に従う化学気相蒸着技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に増幅器増幅を提供する。具体的には、垂直方向に変化する音速のプレフォームは、従来の設計の化学気相リアクタ装置内で実装される化学気相蒸着技術を用いて製造される。1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスは、入口ポート352を通過し、反応チャンバ354に入る。反応チャンバ354において、ガスは分解し、複数のドーピングされたガラス層360をシリカウエハ358上に形成する。
【0045】
複数のドーピングされたガラス層360、およびドーピングされたガラス層360が成長するシリカウエハ358は、回転サセプタ356上に配置され、複数のドーピングされたガラス層360の均一性を確実にする。サセプタ356は加熱され、ガスが分解するとき、サセプタ356は回転する。加熱された回転は、遠心力に起因して均一性を促進する。反応チャンバ内の任意の余分なガスは、出口ポート362を通って排出される。その後、異なるドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスは、入口ポート352を通過して、反応チャンバ354内に入り得、複数のドーピングされたガラス層のうちの1層をもたらす。このプロセスは、所望の数の層が成長するまで、または実際には音速ドーピングにおける変化がこのような装置内で本質的に連続的になされ得るまで、必要な回数、繰り返され得る。
【0046】
半径方向に変化するプレフォームを成長させるよりも、化学気相リアクタ技術は、ドーピングされたガラス層360によって示されるように垂直に層を成長させる。横断面は、利得材料コアに沿って、長手方向に変化する音速プロファイルを形成するために、ドーピングされたガラス層360から、くり抜かれ得る。利得材料コアは、形作られ得、研磨され得、そしてクラッディング材料プレフォームに挿入され得、複合プレフォームを形成する。
【0047】
図12は、本発明の一局面に従って、化学気相蒸着技術を用いて利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。利得材料コア136は、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。具体的には、半径方向に変化する音速のプレフォームは、外側化学蒸着(OCVPD)または内側化学蒸着(IVPO)のような技術を用いて製造され得る。半径方向に変化する音速のプレフォームは、中空の光ファイバ材料(例えば、シリカ)のシリンダとして開始する。シリンダ402は、プレフォーム旋盤上に配置され、前駆体ガス(例えば、シラン、ゲルマン、金属有機希土類ドーパント、および気相において1以上の音速変化ドーパントでドーピングされた酸素)で充填される。次いで、シリンダは、約1000Kの熱源(例えば、水素火炎)に曝露され、前駆体ガスが分解され、酸化され、それにより、完全には密度化されていない化学蒸着材料は、「煤」といわれる状態のままである。層の特性(例えば、厚さおよびドーパント濃度)は、シリンダ402が熱源に曝露されたときに、前駆体ガスの流速およびドーパント比を変更することによって決定される。
【0048】
可変濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する煤の層を堆積させるこのプロセスは、所望の数の層が、煤層化シリンダ404の内側または外側に堆積するまで繰り返される。結果として、煤層化シリンダ404は、複数の煤層を有し、各層は、図8を参照して論じられたように、直前に堆積した層および直後に堆積する層とは異なるドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する。一部の希土類ドーピングプロセスにおいて、煤の材料は、さらなる高密度化の前に、希土類ドーパントイオンを含有する溶液で処置される。いったん所望の数の煤層が堆積すると、希土類溶液が適切にドーピングされると、煤層化シリンダ404は、406において示されるように崩壊する。煤層化シリンダ404は、熱源が煤層化シリンダ404の長さに沿って移動するとき、煤層化シリンダ404を真空に曝露することによって崩壊する。複数の層間の空間関係が、層堆積プロセスにあるときに維持される。結果として、崩壊したシリンダは、半径方向に変化する音速のプレフォーム406である。
【0049】
横断面408は、半径方向に変化する音速のプレフォーム406からくり抜かれ、長手方向に変化する音速プロファイルを有する利得材料コア410を提供する。利得材料コア410は、形作られ得、研磨され得、クラッディング材料プレフォームに挿入され得、複合プレフォームを形成する。例として、横断面408は、長さが約3〜4ミリメートルで、直径が約1ミリメートルである。横断面408は、実質的に一定の屈折率を有するが、長手方向に変化する音速プロファイルを有する。結果として、長手方向に変化する音速プロファイルおよび実質的に一定の屈折率を有する利得材料コアが製造される。利得材料コア410の層のドーパント濃度の長手方向における変化は、利得材料コア410の側部に沿った矢印によって強調される。
【0050】
図13は、本発明の一局面に従う、スピンコーティング技術を用いて、利得材料コアを形成する方法の別の例を示す。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。具体的には、垂直方向に変化する音速のプレフォームが、技術を用いて(例えば、ゾルゲル層450をスピンコーティングすることによって)製造される。ゾルゲル層をスピンコーティングすることは、薄いコーティングをフォトレジストに適用するために半導体業界で用いられるプロセスである。このプロセスは、利得材料ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを用いて使用され得、増幅器増幅および1以上の音速変化ドーパント(例えば、フッ素、ゲルマニウム、チタン、リン、ホウ素およびアルミニウム)を提供し、様々なドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する層を堆積させる。
【0051】
452において、1以上の音速変化ドーパントでドーピングされた過度の量の溶液が基板上に配置される。この基板は、遠心力によって流体を拡散させるために、スピンコータによって高速で回転される。所望の厚さの層が達成されるまで、回転は続き、流体は基板の縁から振り落とされる。この後に、典型的には、層をさらに固化させるために、乾燥プロセスおよび熱処置が続く。452におけるプロセスは、所望の数の垂直層が堆積するまで、異なる濃度の1以上の音速変化ドーパントを用いて繰り返される。
【0052】
図11の気相リアクタ技術に関連して上記したように、ゾルゲルをスピンコーティングすることは、図8および12において示されるような半径方向の成長ではなく、層化構造454によって示されるように垂直方向に成長する。横断面は、ドーピングされたガラス層360からくり抜かれ得、利得材料コアに沿って、長手方向に変化する音速プロファイルを有する利得材料コアを形成する。利得材料コアは、形作られ得、研磨され得、クラッディング材料プレフォームに挿入され得、複合プレフォームを形成する。
【0053】
上記の前述の構造的および機能的特徴に関して、本発明の様々な局面に従う、方法論は、図14を参照してより良く認識される。説明の簡略化の目的のために、図14の方法論は、逐次的に実行されるように示され、説明されているが、本発明は、一部の局面が、本発明に従って、異なる順序で、そして/または本明細書に示され、説明されている局面とは異なる局面と同時に起こり得るので、示されている順序に限定されないことが理解されるべきである。さらに、示されている特徴の全てが本発明に従う方法論を実装するために必要とされ得るわけではない。
【0054】
図14は、本発明の一局面に従う、光ファイバ増幅器を形成する方法の別の例のフロー図を示す。502において、可変のドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する複数の利得材料層が形成され、複数の層にわたり異なる音速効果を提供する。利得材料層は、外側化学蒸着、内側化学蒸着、化学気相リアクタ、ゾルゲルスピンコーティングまたはキャンドルウィック技術などの方法を用いて形成され得る。各技術は、異なる方法を用いるが、それぞれ、複数の層にわたり異なる音速効果を有する複数の層を有するプレフォームをもたらす。
【0055】
504において、複数の層の少なくとも1つの横断面が除去され、利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速プロファイルを有する利得材料コアを提供し、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する。利得材料コアは、利得ドーパント(例えば、希土類ドーパント)でドーピングされ得、利得材料コアの形成前、利得材料コアの形成中、または利得材料コアの形成後に、増幅器増幅を提供する。506において、利得材料コアは形作られ得、研磨され得、クラッディングプレフォームに挿入され得、複合プレフォームを形成する。クラッディングプレフォームは、任意の種々の断面形状(例えば、長方形、楕円形、または「D」形状)を有し得る。複合プレフォームは、加熱され得、利得材料コアをクラッディングプレフォームに結合する。いったん複合プレフォームが形成されると、複合プレフォームは、508において、例えば、延伸タワーを用いて延伸され、光ファイバ増幅器を形成する。
【0056】
上記で説明されてきたことは、本発明の例示的な実装を含む。当然ながら、本発明を説明する目的で、構成要素または方法論の全ての考えられる組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、本発明の多くのさらなる組み合わせおよび順列が実行可能であることを認識する。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内である、このような変更、修正および変形を包含するように意図されている。
【符号の説明】
【0057】
10 複合プレフォーム
12 利得材料コア
14 クラッディング材料プレフォーム
16 長手方向に変化する音速のプロファイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、
利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、
該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することは、
複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の層において可変の音速効果を提供するために、可変ドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、
該利得材料コアに前記長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該複数の利得材料層のうちの少なくとも1つの横断面を除去することと、
該複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォーム内に長手方向に挿入することと
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の利得材料層を形成することは、
可変のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを用いて、複数の区画の利得材料ガラスを形成することであって、該複数の区画の各区画は、火炎堆積を用いて平坦な基板上に調整される、ことと、
該複数の区画のガラスを、該複数の利得材料層に結合することと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の利得材料層を形成することは、
所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コアファイバを提供することと、
ゾルゲルスラリーを用いて、該利得材料コアファイバの外側表面上に半径方向にコーティングの層を繰り返し堆積させ、シリンダを熱源に曝露して、該複数の層の各々に対して所与の層を形成することであって、各層は事前に堆積したコーティングの層とは異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の利得材料層を形成することは、
反応チャンバにおいて、サセプタ上にシリカウエハを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを、入り口ポートを通して該反応チャンバに繰り返し提供し、該ガスが分解するときに、該サセプタを加熱し、回転させることであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされ、このような層は、必要に応じて、ドーパント濃度の連続的な変化を近似するために、可能性として非常に薄い、ことと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の利得材料層を形成することは、
中空のガラスシリンダを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、外側または内側化学蒸着法のうちの1つを用いて、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを繰り返し提供することであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされ、このような層は、必要に応じて、ドーパント濃度の連続的な変化を近似するために、可能性として非常に薄い、ことと
該シリンダの濃度が実質的に均一になるように、該シリンダを該複数の利得材料層で崩壊させることと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の利得材料層を形成することは、
基板を提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを該基板上に繰り返し堆積させ、該ドーピングされた溶液を該基板上で拡散するために高速で該基板を回転させ、該基板が乾燥することを可能にすることであって、該シリカベースのゾルゲルは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1以上の音速変化ドーパントは、前記利得材料コアに対して実質的に均一な屈折率を提供するように適切な混合比で選択され、配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記利得材料コアは、前記光ファイバ増幅器に増幅器増幅を提供するために、希土類ドーパントでドーピングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記光ファイバ増幅器は、約2〜約100メートルの長さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、
複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の利得材料層に対して可変音速効果を提供し、該複数の利得材料層に実質的に均一の屈折率を提供するために、可変ドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、
長手方向に変化する音速のプロファイルおよび実質的に均一の屈折率を有する利得材料コアを提供するために、該複数の利得材料層の少なくとも1つの横断面を除去することと、
複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォームに挿入することと、
該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することと
を包含する、方法。
【請求項13】
前記複数の利得材料層を形成することは、
可変ドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料ガラスの複数の区画を形成することであって、該複数の区画の各区画は、火炎堆積を用いて平坦な基板上で調整される、ことと、
該複数の区画のガラスを結合して、該複数の利得材料層を形成することと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の利得材料層を形成することは、
所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コアファイバを提供することと、
ゾルゲルスラリーを用いて、該利得材料コアファイバの外側表面上に半径方向にコーティングの層を繰り返し堆積させ、シリンダを熱源に曝露して、該複数の層の各々に対して所与の層を形成することであって、各層は事前に堆積したコーティングの層とは異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の利得材料層を形成することは、
反応チャンバにおいて、サセプタ上にシリカウエハを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを、入り口ポートを通して該反応チャンバに繰り返し提供し、該ガスが分解するときに、該サセプタを加熱し、回転させることであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の利得材料層を形成することは、
中空のガラスシリンダを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、外側または内側化学蒸着法のうちの1つを用いて、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを繰り返し提供することであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
該シリンダの濃度が実質的に均一になるように、該シリンダを該複数の利得材料層で崩壊させることと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の利得材料層を形成することは、
基板を提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを該基板上に繰り返し堆積させ、該ドーピングされた溶液を該基板上で拡散するために高速で該基板を回転させ、該基板が乾燥することを可能にすることであって、該シリカベースのゾルゲルは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の利得材料層は、前記光ファイバ増幅器に増幅器増幅を提供するために、希土類ドーパントでドーピングされる、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
光ファイバ増幅器であって、
該光ファイバ増幅器の長さに沿って軸方向に延びる利得材料コアであって、該利得材料コアは、長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該利得材料コアの長さに沿って様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、利得材料コアと、
該光ファイバコアを囲み、該光ファイバのデバイスの長さに沿って軸方向に延びる光ファイバクラッディングと
を備えている、光ファイバ増幅器。
【請求項21】
前記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、請求項20に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項22】
前記利得材料コアの長さに沿う様々な濃度の1以上の音速変化ドーパント様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントは、前記利得材料コアに実質的に均一な屈折率を提供する、請求項20に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項23】
前記光ファイバ増幅器は、約2〜約100メートルの長さを有する、請求項20に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項1】
光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、
利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することであって、該利得材料コアは、該利得材料コアに沿って長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、ことと、
該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記利得材料コアを有する複合プレフォームを提供することは、
複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の層において可変の音速効果を提供するために、可変ドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、
該利得材料コアに前記長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該複数の利得材料層のうちの少なくとも1つの横断面を除去することと、
該複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォーム内に長手方向に挿入することと
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の利得材料層を形成することは、
可変のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを用いて、複数の区画の利得材料ガラスを形成することであって、該複数の区画の各区画は、火炎堆積を用いて平坦な基板上に調整される、ことと、
該複数の区画のガラスを、該複数の利得材料層に結合することと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の利得材料層を形成することは、
所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コアファイバを提供することと、
ゾルゲルスラリーを用いて、該利得材料コアファイバの外側表面上に半径方向にコーティングの層を繰り返し堆積させ、シリンダを熱源に曝露して、該複数の層の各々に対して所与の層を形成することであって、各層は事前に堆積したコーティングの層とは異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の利得材料層を形成することは、
反応チャンバにおいて、サセプタ上にシリカウエハを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを、入り口ポートを通して該反応チャンバに繰り返し提供し、該ガスが分解するときに、該サセプタを加熱し、回転させることであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされ、このような層は、必要に応じて、ドーパント濃度の連続的な変化を近似するために、可能性として非常に薄い、ことと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の利得材料層を形成することは、
中空のガラスシリンダを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、外側または内側化学蒸着法のうちの1つを用いて、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを繰り返し提供することであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされ、このような層は、必要に応じて、ドーパント濃度の連続的な変化を近似するために、可能性として非常に薄い、ことと
該シリンダの濃度が実質的に均一になるように、該シリンダを該複数の利得材料層で崩壊させることと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の利得材料層を形成することは、
基板を提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを該基板上に繰り返し堆積させ、該ドーピングされた溶液を該基板上で拡散するために高速で該基板を回転させ、該基板が乾燥することを可能にすることであって、該シリカベースのゾルゲルは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1以上の音速変化ドーパントは、前記利得材料コアに対して実質的に均一な屈折率を提供するように適切な混合比で選択され、配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記利得材料コアは、前記光ファイバ増幅器に増幅器増幅を提供するために、希土類ドーパントでドーピングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記光ファイバ増幅器は、約2〜約100メートルの長さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
光ファイバ増幅器を形成する方法であって、該方法は、
複数の利得材料層を形成することであって、該複数の利得材料層は、該複数の利得材料層に対して可変音速効果を提供し、該複数の利得材料層に実質的に均一の屈折率を提供するために、可変ドーパント濃度の1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと、
長手方向に変化する音速のプロファイルおよび実質的に均一の屈折率を有する利得材料コアを提供するために、該複数の利得材料層の少なくとも1つの横断面を除去することと、
複合プレフォームを形成するために、該利得材料コアをクラッディングプレフォームに挿入することと、
該光ファイバ増幅器を形成するために、該複合プレフォームを延伸することと
を包含する、方法。
【請求項13】
前記複数の利得材料層を形成することは、
可変ドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料ガラスの複数の区画を形成することであって、該複数の区画の各区画は、火炎堆積を用いて平坦な基板上で調整される、ことと、
該複数の区画のガラスを結合して、該複数の利得材料層を形成することと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の利得材料層を形成することは、
所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントを有する利得材料コアファイバを提供することと、
ゾルゲルスラリーを用いて、該利得材料コアファイバの外側表面上に半径方向にコーティングの層を繰り返し堆積させ、シリンダを熱源に曝露して、該複数の層の各々に対して所与の層を形成することであって、各層は事前に堆積したコーティングの層とは異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントを有する、ことと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の利得材料層を形成することは、
反応チャンバにおいて、サセプタ上にシリカウエハを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを、入り口ポートを通して該反応チャンバに繰り返し提供し、該ガスが分解するときに、該サセプタを加熱し、回転させることであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の利得材料層を形成することは、
中空のガラスシリンダを提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、外側または内側化学蒸着法のうちの1つを用いて、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたガスを繰り返し提供することであって、該ガスは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
該シリンダの濃度が実質的に均一になるように、該シリンダを該複数の利得材料層で崩壊させることと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の利得材料層を形成することは、
基板を提供することと、
該複数の利得材料層の各々に対する所与の層を形成するために、所与のドーパント濃度の前記1以上の音速変化ドーパントでドーピングされたシリカベースのゾルゲルを該基板上に繰り返し堆積させ、該ドーピングされた溶液を該基板上で拡散するために高速で該基板を回転させ、該基板が乾燥することを可能にすることであって、該シリカベースのゾルゲルは、該複数の利得材料層の各々に対して異なるドーパント濃度の該1以上の音速変化ドーパントでドーピングされる、ことと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の利得材料層は、前記光ファイバ増幅器に増幅器増幅を提供するために、希土類ドーパントでドーピングされる、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
光ファイバ増幅器であって、
該光ファイバ増幅器の長さに沿って軸方向に延びる利得材料コアであって、該利得材料コアは、長手方向に変化する音速のプロファイルを提供するために、該利得材料コアの長さに沿って様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントを含み、誘導ブリュアン散乱(SBS)閾値を上昇させることによって、SBS効果を抑制する、利得材料コアと、
該光ファイバコアを囲み、該光ファイバのデバイスの長さに沿って軸方向に延びる光ファイバクラッディングと
を備えている、光ファイバ増幅器。
【請求項21】
前記1以上の音速変化ドーパントは、ゲルマニウム、リン、チタン、ホウ素、フッ化物およびアルミニウムを含む群から選択される、請求項20に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項22】
前記利得材料コアの長さに沿う様々な濃度の1以上の音速変化ドーパント様々な濃度の1以上の音速変化ドーパントは、前記利得材料コアに実質的に均一な屈折率を提供する、請求項20に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項23】
前記光ファイバ増幅器は、約2〜約100メートルの長さを有する、請求項20に記載の光ファイバ増幅器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図14】
【図5】
【図6】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図14】
【図5】
【図6】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−226107(P2010−226107A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63380(P2010−63380)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(510028280)ノースロップ グルムマン システムズ コーポレイション (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(510028280)ノースロップ グルムマン システムズ コーポレイション (12)
【Fターム(参考)】
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