光書込装置及び画像形成装置
【課題】シャッタ部材を設けた光書込装置において、光射出窓の開閉を迅速に行えるようにする。
【解決手段】光学ハウジング25が、光ビーム発生手段によって発生した光ビームを射出させる光射出窓25y,25c,25m,25kを有し、その光射出窓を透過して射出する光ビームによって像担持体上に光書込みを行う光書込装置であり、光射出窓25y等を開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能なシャッタ板30を設け、それを回転カム部材であるウォームホイール64及びカムコロ66を有するシャッタ駆動機構で移動させ、ウォームホイール64の周囲に間隔を置いて設けた周方向の長さが異なる複数の遮光部材6の通過を、シャッタセンサ7で検知し、そのシャッタセンサ7が予め複数の遮光部材6のうちの特定の遮光部材の通過を検知することで、シャッタ板30の初期位置を認識して記憶し、以後はその記憶した初期位置の情報とシャッタセンサ7による実際の遮光部材6の検知情報とによって、シャッタ板30による光射出窓25y等の開閉を制御する。
【解決手段】光学ハウジング25が、光ビーム発生手段によって発生した光ビームを射出させる光射出窓25y,25c,25m,25kを有し、その光射出窓を透過して射出する光ビームによって像担持体上に光書込みを行う光書込装置であり、光射出窓25y等を開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能なシャッタ板30を設け、それを回転カム部材であるウォームホイール64及びカムコロ66を有するシャッタ駆動機構で移動させ、ウォームホイール64の周囲に間隔を置いて設けた周方向の長さが異なる複数の遮光部材6の通過を、シャッタセンサ7で検知し、そのシャッタセンサ7が予め複数の遮光部材6のうちの特定の遮光部材の通過を検知することで、シャッタ板30の初期位置を認識して記憶し、以後はその記憶した初期位置の情報とシャッタセンサ7による実際の遮光部材6の検知情報とによって、シャッタ板30による光射出窓25y等の開閉を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、印刷機、デジタル複合機(MFP)等の電子写真方式の画像形成に装置に搭載され、光ビームを走査して出射し、感光体を露光する光書込装置(光走査装置)と、それを備えたモノクロ及びカラーの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような電子写真方式の画像形成装置は、一般に感光体の表面を帯電した後、その表面を光書込装置(光走査装置)から出射される光ビームによって画像データに応じて露光して静電潜像を形成し、その潜像を現像装置でトナーによって可視像化し、そのトナー像を記録紙に転写して画像を形成する。このような画像形成装置において、光書込装置によって感光体にレーザビームを走査して静電潜像を形成する際に、走査光学系の光学素子を光学ハウジング内に納めて配置し、走査光学系の光学特性を維持するためにその光学ハウジングを密閉し、光学系を画像形成装置の作像系と隔離することが行われている。
【0003】
このようにした場合、光学ハウジングからの走査用のレーザ光は、光学ハウジングの出射窓を通して感光体を照射することになる。そのため、出射窓が飛散トナー等の粉塵により汚れてしまうと、静電潜像が正しく作像されず、形成画像に悪影響を及ぼし、画質が低下してしまう。
そこで、従来から光学ハウジングの出射窓の汚れを防止するために、出射窓の外側に開閉可能なシャッタ等の被覆部材を設けて、画像形成時以外のときは、その被覆部材によって出射窓を覆って飛散トナー等による汚れを防止することが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の光書込装置は、光学ハウジングの防塵ガラスを設けた光射出窓を形成した部材上に、シャッタ板を一体とするシャッタ部材を所定範囲スライド可能に取り付け、通常使用時(画像形成時)にはそのシャッタ板が光射出窓を開く位置にあり、その光射出窓を通してレ−ザ光を照射して感光体表面を露光することができる。一方、非使用時又はメンテナンス時には、そのシャッタ部材を光射出窓を閉じる(覆う)位置に移動させて、飛散トナー等の粉塵が防塵ガラスに付着するのを防止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなシャッタ部材を備えた光書込装置において、シャッタ部材を光射出窓を開閉するように移動させる手段として、モータとその回転をシャッタ板に伝達するギア機構とカムやリンク機構等が使用されている。
しかしながら、シャッタ部材を画像形成装置の状況に応じて、常に正しく光射出窓を開閉するように制御するためには、現在のシャッタ板の位置を正確に知らなければならない。そこで、従来の装置ではシャッタ制御を行う度にシャッタ部材の位置を定義していた。そのため、制御処理に時間がかかり、光射出窓の開閉が遅くなるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、一旦シャッタ部材の位置を定義した後は、それ以降のシャッタ制御においてはシャッタ部材の位置を定義しなくて済むようにし、制御処理時間の短縮を図り、光射出窓の開閉を迅速に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による光書込装置は、内部に光ビーム発生手段を備えた光学ハウジングにその光ビーム発生手段によって発生した光ビームを射出させる光射出窓を有し、その光射出窓を透過して射出する光ビームによって像担持体上に光書込みを行う光書込装置において、上記の目的を達成するため、上記光学ハウジングに対して、上記光射出窓を開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能なシャッタ部材を設けるとともに、そのシャッタ部材を移動させる回転カム部材を有するシャッタ駆動手段と、上記回転カム部材の周囲に沿って間隔を置いて設けた周方向の長さが異なる複数の遮光部材と、上記回転カム部材の回転時に上記各遮光部材の通過を検知するフォトセンサと、上記フォトセンサが予め上記複数の遮光部材のうちの特定の遮光部材の通過を検知することによって、上記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶し、以後はその記憶した初期位置の情報と上記フォトセンサによる実際の上記遮光部材の検知情報とによって上記シャッタ駆動手段を制御して、上記シャッタ部材による上記光射出窓の開閉を制御するシャッタ制御手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
上記光書込装置において、光ビーム発生手段が複数の各作像色毎の光ビームを発生する手段であり、上記光学ハウジングが、上記光ビーム発生手段によって発生した各作像色毎の光ビームをそれぞれ射出させる複数の光射出窓を有し、その各光射出窓を透過して射出する各光ビームによって各作像色毎の像担持体上にそれぞれ光書込みを行う光書込装置である場合には、上記シャッタ部材を、上記光学ハウジングの複数の各光射出窓をそれぞれ開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能に複数設けるとともに、上記複数の各シャッタ部材に対して、上記回転カム部材を有するシャッタ駆動手段と上記複数の遮光部材と上記フォトセンサとをそれぞれ設け、上記シャッタ制御手段は、上記複数の各作像色毎に上記各シャッタ駆動手段を制御して、上記複数の各シャッタ部材により複数の各光射出窓の開閉を制御するようにするとよい。
【0009】
それによって、上記シャッタ制御手段は、上記複数の各作像色のうちの一部の作像色による光書込みが選択された場合には、使用しない作像色の光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を、その光射出窓を常時遮蔽させるように制御することができる。
また、上記シャッタ制御手段は、モノクロの光書込みが選択された場合には、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を、その光射出窓を常時遮蔽させるように制御することもできる。
【0010】
上記シャッタ制御手段は、上記フォトセンサが予め上記複数の遮光部材のうちの特定の遮光部材の通過を検知したか否かを、上記フォトセンサが上記遮光部材の通過を継続して検知した時間が予め設定した時間以上であるか否かによって判断する手段を有するとよい。
【0011】
上記シャッタ制御手段はまた、上記シャッタ部材に上記光射出窓を開放させる開放動作又は遮蔽させる遮蔽動作を行った際に、上記シャッタ駆動手段の停止時における上記フォトセンサの検知状態を判断し、その判断の結果が所要の状態でなかった場合には、所要の状態になるかあるいは所要の状態でない判断結果が予め定めた一定回数になるまで、上記開放動作又は遮蔽動作を繰り返し実行する手段を有するのが望ましい。
上記シャッタ制御手段はさらに、上記予め定めた一定回数だけ上記開放動作又は遮蔽動作を行っても上記判断の結果が所要の状態でなかった場合には異常を通知する手段を有するとよい。
これらにおいて、上記一定回数をユーザに指定させて記憶する手段を有することができる。
【0012】
また、上記シャッタ制御手段は、上記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を行った際に、上記特定の遮光部材の通過を検知できなかった場合には、その特定の遮光部材の通過を検知できるか、検知できないことが予め定めた一定回数になるまで、上記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を繰り返し実行する手段を有するのが望ましい。
【0013】
上記シャッタ制御手段はさらに、上記予め定めた一定回数だけ上記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を行っても上記特定の遮光部材の通過を検知できなかった場合には異常を通知する手段を有するとよい。
これらにおいても、上記一定回数をユーザに指定させて記憶する手段を有することができる。
【0014】
この発明による画像形成装置は、上記いずれかの光書込装置を備えたことを特徴とする。その画像形成装置が、開閉可能なドア又はカバーのいずれかが開いたときにインタロックを解除して、制御に必要な電源以外の電源を遮断するインタロック手段を備えている場合には、上記光書込装置の上記シャッタ制御手段は、上記インタロック手段がインタロックを解除している場合には、上記シャッタ部材に上記光射出窓を開放させる開放動作又は遮蔽させる遮蔽動作を実行しないのが望ましい。
上記光書込装置のシャッタ制御手段は、上記インタロック手段がインタロックを解除したときには、上記シャッタ部材の初期位置の記憶情報を初期化する手段を有するのが望ましい。
【0015】
前述した複数の作像色による書き込みが可能な光書込装置と自動カラー選択手段とを備えた画像形成装置であって、上記シャッタ制御手段は、カラー印刷を行う場合には、上記複数の各シャッタ部材により上記複数の各光射出窓を画像形成時にのみ開放するように制御し、モノクロ印刷を行う場合には、モノクロの光書込みに使用する光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材により、該光射出窓を画像形成時にのみ開放するように制御し、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材を、その各光射出窓を常時遮蔽させるように制御する光書込装置も提供する。
【発明の効果】
【0016】
この発明による光書込装置は、光学ハウジングの光射出窓を開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能なシャッタ部材によるシャッタ開閉制御を、従来よりも少ない時間で行うことができる。また、シャッタ部材の位置を検知するためのセンサが1個で済む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明による画像形成装置の一実施例におけるエンジン部の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の制御系のこの発明に係わる部分を示すブロック図である。
【図3】オペレーションパネルを簡略化して示すレイアウト図である。
【0018】
【図4】この発明による光書込装置の第1実施例の内部構成を示す概略縦断面図である。
【図5】同じくその光書込装置の光学ハウジングとシャッタ板及びその駆動機構部を分離して示す斜視図である。
【図6】そのシャッタ駆動機構の要部を拡大して模式的に示す斜視図である。
【図7】図6におけるウオームホイールに設けたセンサ遮蔽部材とカムコロとの位置関係を模式的に示す下面図である。
【0019】
【図8】この発明による光書込装置の第1実施例に対する書込み制御のメインルーチンのフロー図である。
【図9】ジャム発生またはドア開時の処理を示すフロー図である。
【図10】インタロック解除時の処理を示すフロー図である。
【図11】図8におけるシャッタ開放動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図12】図8におけるシャッタ遮蔽動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図13】図11及び図12におけるイニシャライズ動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図14】この発明による光書込装置の第1実施例におけるポリゴンモータとシャッタモータとシャッタセンサの関連動作を示すタイミング図である。
【0020】
【図15】この発明による光書込装置の第2実施例のシャッタ板及びその駆動機構部を含む斜視図である。
【図16】この発明による光書込装置の第2実施例に対する書込み制御のメインルーチンのフロー図である。
【図17】図15におけるシャッタ開放動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図18】図15におけるシャッタ遮蔽動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図19】図18及び図19におけるイニシャライズ動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔画像形成装置の実施例〕
まず、この発明による画像形成装置の実施例を図1から図3によって説明する。この画像形成装置はこの発明による光書込装置を搭載している。
図1は、その画像形成装置であるカラープリンタのエンジン部の概略構成を示す図である。
【0022】
このカラープリンタは、エンジン部を構成するための各機構と、その各機構による印刷(画像形成)プロセス処理に関する制御を行う制御部(後述する)とによって構成されている。
エンジン部は、図1に示すように、複数の作像色であるイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナー画像を生成するための像担持体である4個の感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kが、中間転写体である中間転写ベルト11に沿って所定の間隔を置いて列設されている。中間転写ベルト11はブラック用の感光体ドラム1Kには常時当接し、他の色用の感光体ドラム1Y,1C,1Mに対しては離接する
【0023】
各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの周囲には、それぞれ帯電器、現像装置、及びクリーニング装置等がケース内に設けられ、それぞれ装置本体に対して着脱可能なカートリッジ状の作像プロセス部10Y,10C,10M,10Kを構成している。しかし、ブラック用の作像プロセス部10Kのみはそれらを図示はしているが、スペースの関係上符号は付していない。それ以外の作像プロセス部10Y,10C,10Mは、感光体ドラム1Y,1C,1Mのみを示し、その周囲の各部とケースは図示を省略しており、これらの詳細な説明は省略する。
【0024】
中間転写ベルト11は中間転写ユニット16に設けられ、2次転写バックアップローラを兼ねた駆動ローラ19と、クリーニングバックアップローラを兼ねた従動ローラ20と、テンションローラ21とによって張架されており、駆動ローラ19によって駆動されて図1で反時計回りに無端移動する。その中間転写ベルト11を挟んで、各1Y,1C,1M,1Kと対向して、1次転写バイアスローラ17Y,17C,17M,17Kが配設されている。また、従動ローラ20と対向するようにクリーニング装置18が設けられている。
【0025】
中間転写ベルト11の上方には、各作像プロセス部10Y,10C,10M,10Kの現像装置にそれぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)のトナーを供給するトナーボトル26Y,26C,26M,26Kが配置されている。
また、中間転写ベルト11と駆動ローラ19を挟んで対向するように2次転写ローラ22が設けられている。
【0026】
作像プロセス部10Y,10C,10M,10Kの下方には、この発明による光書込装置(ユニット)2が配設されている。この光書込装置2についてはより詳細に後述するが、光学ハウジング25内に設けた各色用の光源である図示していない4個のレーザダイオードの各発光により生成される各光ビームであるレーザビームを、回転多面鏡である2段のポリゴンミラー12a,12bの各両側面でそれぞれ反射して所定角度範囲を走査し、その各レーザビームを折り返しミラーで偏向させ、光学ハウジング25の上面に形成した各光射出窓25y,25c等から上方へ射出して、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを主走査方向(紙面に垂直な方向)に露光する。
【0027】
光学ハウジング25の各光射出窓は25y,25c等はそれぞれ防塵ガラスで密閉されている。その光学ハウジング25の各光射出窓25y,25c等を形成した面上には、シャッタ部材であるシャッタ板30が図1で斜め左右方向に所定範囲スライド可能に取り付けられており、画像形成時には図示のように各光射出窓25y,25c等を開く位置にある。非画像形成時及びメンテナンス時等には、シャッタ板30が矢示方向へ移動して、各光射出窓25y,25c等を閉じる。図1においてはシャッタ板30を移動させるためのシャッタ駆動手段は図示を省略しており、そのシャッタ駆動手段については後で詳述する。
【0028】
光書込装置2の下側には、記録紙である転写紙を収納した給紙カセット(給紙トレイともいう)13が配設されるとともに、その転写紙を給紙して搬送する給紙ローラ14、搬送ローラ対8、及びレジストローラ対15などからなる用紙搬送装置が設けられている。
その用紙搬送方向下流側(図1では上方)には定着装置23及び排紙ローラ対24が設けられ、プリンタ本体の上面には、スタック部27が形成されている。
【0029】
このカラープリンタでフルカラー画像を形成する場合には、各作像プロセス部10Y,10C,10M,10Kで、それぞれ図1で時計方向に回転する感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面を帯電器で均一に帯電させ、光書込装置2からのレーザビームによってそれぞれ所定のタイミングで露光を開始して、感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面にそれぞれ各色の画像データに応じた静電潜像を形成する。それを現像装置によって、それぞれY,C,M,Kの各色のトナーで現像して、各色のトナー像を形成する。
その各色のトナー像が、1次転写バイアスローラ17Y,17C,17M,17Kと対向する一次転写位置で、Y,C,M,Kの順に中間転写ベルト11の表面に重ねて転写され、フルカラーのトナー像が形成される。
【0030】
一方、給紙カセット13内の最上位の転写紙を給紙ローラ14によって給紙して、搬送ローラ対8によってその転写紙を先端がレジストローラ対15に当接するまで搬送して待機する。そして、レジストローラ対15が所定のタイミングで回転して転写紙を中間転写ベルト11と2次転写ローラ22とのニップ部に搬送し、そこで中間転写ベルト11上のフルカラーのトナー像を転写紙に一括転写する。
その転写紙を定着装置23を通過させて熱と圧力とによってトナー像を定着させた後、フルカラー画像が印刷された転写紙を排紙ローラ対24によって、スタック部27へ排出する。
【0031】
ここで、この実施例の画像形成装置(カラープリンタ)の制御系におけるこの発明に係わる部分の構成を図2と図3によって説明する。
この画像形成装置は、図2のブロック図に示すようにコントローラ部4とエンジン部5とからなる。コントローラ部4は、コントロール部40とそれに接続された操作部41とパネル表示部42とから構成されている。コントロール部40は、図していないホスト装置から画像データを受信して一時記憶し、それを印刷データに変換して順次エンジン部5へ送出するなどの画像データ処理の他に、操作部41からの入力情報に応じて各種パラメータ等を変更あるいは選択したりし、パネル表示部42に後述する「異常」を含む各種の表示を行わせる等の制御も実行する。
【0032】
このコントロール部40は、CPUとROM及びRAM等からなるマイクロコンピュータを有しており、エンジン部5の各部を制御するエンジン制御部を兼ねることができる。
図3はオペレーションパネルを簡略化して示しており、複数の操作キーを備えた操作部41と液晶表示パネル等によるパネル表示部42がレイアウトされている。
【0033】
エンジン部5には、書込み制御部50と、それに接続されたNVRAM制御部51、モータ制御部52、センサ検知部53、及びインタロックスイッチ54とが設けられている。
書込み制御部50は図1に示した光書込装置2を制御して各作像プロセス部の感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kをそれぞれ所要のタイミングで主走査露光するための制御を実行する他に、図示の各部と連携して、この発明に係わるシャッタ開閉等の動作を、後述するようにソフトウエアで制御するシャッタ制御手段の機能も果す。エンジン部5のその他の制御に関する部分は図示を省略しているが、エンジン部5の全体を制御するマイクロコンピュータを有するエンジン制御部を設けてもよいし、コントローラ部4のコントロール部40がそれを兼ねてもよい。
【0034】
NVRAM制御部51は不揮発性メモリであるNVRAMへの情報の記憶と読み出しを行う制御部であり、後述するシャッタ開閉制御に使用する各時間情報や位置情報等をNVRAMに記憶させる。モータ制御部52は、シャッタ板30を移動させるためのシャッタモータを駆動制御する。センサ検知部53は、シャッタ板30を移動させる後述するカムコロと一体に回動するセンサ遮蔽部材を検知するシャッタセンサを動作させる。
【0035】
インタロックスイッチ54はインタロック手段のスイッチであり、画像形成装置本体の前カバーや左右ドアなどの開閉可能なカバー又は壁部に対して個々にあるいは兼用して設けられ、それらの開閉によってオン・オフ動作し、カバー又は壁部のいずれか一つでも開放されるとインタロックが解除されて、制御に必要な電源を除く装置の電源をオフにするスイッチである。これは、一般の複写機やプリンタなどの画像形成装置に従来から設けられている安全用のスイッチであるから、詳細な説明は省略する。
【0036】
〔光書込装置の第1実施例の構造〕
次に、この発明による光書込装置の第1実施例の構造について詳細に説明する。まず、図4から図7によってその光書込装置の構造を説明する。
図4はその光書込装置の内部構成を示す概略縦断面図であり、図1に示した光書込装置2と同様な図である。図5はその光書込装置の光学ハウジングとシャッタ板及びその駆動機構部を分離して示す斜視図である。
【0037】
図4に示す光書込装置2は、図1においても簡単に説明したが、光学ハウジング25内の中央部にポリゴンモータ12によって回転される2段のポリゴンミラー12a,12bが設置され、その左右両側にそれぞれ2段にfθレンズ28が配置され、その奥側の重複する位置にあるため図示を省略しているが、各色用の光源であるレーザダイオード(図示されていない)が左右両側に2個ずつ配置されている。これらによって、光ビーム発生手段を構成している。
【0038】
そして、その各レーザダイオードの各発光により生成される光ビームであるレーザビームを、2段のポリゴンミラー12a,12bの各両側面でそれぞれ反射して所定角度範囲を走査し、その各作像色毎のレーザビームLy,Lc,Lm,Lkをfθレンズ28を通して集光させた後、それぞれ折り返しミラーM1〜M8によって1回又は2回反射させ、光学ハウジング25の上面板25aに形成された各光射出窓25y,25c,25m,25kから上方へ射出させて、各作像色毎の感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面を主走査方向(紙面に垂直な方向)に露光する。
【0039】
この上面板25aが光射出窓形成部材であり、図5に示すようにそれぞれ主走査方向に沿って細長い光射出窓25y,25c,25m,25kが、上面板25aの長手方向に一定の間隔を置いて平行に形成されており、その各光射出窓の外周に沿ってその周囲を囲むように塵の侵入を防ぐための突条25bが形成されている。各光射出窓25y,25c,25m,25kには防塵ガラスを嵌め込んで密封しており、光学ハウジング25内へのトナー粉及びその他の塵埃類の侵入を防止している。
この上面板25aの長手方向の両端部寄りの両側部に、係合片25dが1対ずつ対向して突設され、その各上端部が内側に折曲している。
【0040】
この光学ハウジング25の上面板25a上に、シャッタ部材であるシャッタ板30が重なるように配置され、上面板25aの各突条25bと各係合片25dとの間に図5の矢示A,B方向にスライド自在に挟持されている。このシャッタ板30には、各光射出窓25y,25c,25m,25kに対応する位置に、その光射出窓より大きい開口部31と、それに隣接した閉鎖部32とがそれぞれ形成されている。そして、シャッタ板30が矢示A方向に移動したときには、各開口部31が各光射出窓25y,25c,25m,25k上の位置(光射出窓を開放する位置)になってシャッタが開いた状態となり、矢示B方向に移動したときには、各閉鎖部32が各光射出窓25y,25c,25m,25kと重なる位置(光射出窓を遮蔽する位置)になってシャッタが閉じた状態となる。
【0041】
このシャッタ板30の両側部には、上面板25aの各係合片25dと対応する位置に、それぞれ長手方向に沿って外方へ膨出した被係止部33を形成し、そこにそれぞれ係合片25dの長手方向の寸法より充分長い所定長さのスロット33aを形成している。その各スロット33aに光学ハウジング25の上面板25aの各係合片25dを嵌入させることによって、シャッタ板30を矢示A,B方向に所定のストロークでスライド可能に支持させると共に、その係合片25dとシャッタ板30との間に図示していないスプリングを係着して、常時図5の矢示B方向(シャッタを閉じる方向)に付勢している。
さらに、このシャッタ板30の矢示B方向の端部の中央部に円弧状の凹曲面を形成したカムフォロワ34を延設している。
【0042】
このシャッタ板30を移動させるシャッタ駆動機構がシャッタ駆動手段であり、図4及び図5に示すように、シャッタモータ61の回転軸に固設したウオームギア62とそれに噛み合って軸63を中心に回転するウオームホイール64と、そのウオームホイール64上の偏心位置に立設したピン65に回転自在に支持されたカムコロ66とによって構成され、そのカムコロ66がシャッタ板30のカムフォロワ34に形成された凹曲面に当接している。このウオームホイール64とカムコロ66とによって回転カム部材を構成している。シャッタ板30の矢示B方向への付勢力によって、カムフォロワ34とカムコロ66は常に当接している。シャッタモータ61としてはDCモータを使用するとよい。
【0043】
シャッタモータ61を駆動させることにより、ウオームギア62の回転によりウオームホイール64が回転する。そのウオームホイール64の回転によりその上部に回転自在に支持されているカムコロ66の位置が変わる。カムコロ66の位置がウオームギア62側に移動すると、図示していないスプリングの付勢力によってカムフォロワ34がそれに追従移動し、シャッタ板30が矢示B方向にスライド移動する。それによって、各閉鎖部32が各光射出窓25y,25c,25m,25kを遮蔽する位置になり、シャッタを閉じる。
【0044】
カムコロ66の位置がウオームギア62と反対側(光学ハウジング25に近い側)に移動すると、カムコロ66によってカムフォロワ34が付勢力に抗して押し戻され、シャッタ板30が矢示A方向にスライド移動する。それによって、各開口部31が各光射出窓25y,25c,25m,25kを開放する位置になり、シャッタを開く。
【0045】
また、回転カム部材の位置、すなわちカムコロ66の位置(シャッタ板30の位置に対応する)を把握するために、図6及び図7に明示するように、ウオームホイール64の外周に沿って、周方向の長さが異なる薄板状の複数のセンサ遮蔽部材6A,6C,6Eを垂下して設けており、それを1個のシャッタセンサ7を用いて検出し、その遮蔽状況をモニタリングする。そのシャッタセンサ7としては、例えば発光素子と受光素子を対向配置した透過型のフォトセンサを使用する。遮蔽部材6A,6C,6Eが反射部材であれば、反射型のフォトセンサを使用してもよい。
【0046】
図7に示すA〜Eの各位置は、以下に説明する制御処理に使用する。センサ遮蔽部材6A,6C,6Eの長さは、センサ遮蔽部材6Eが最も短く、センサ遮蔽部材6Aはその約2倍、センサ遮蔽部材6Cはセンサ遮蔽部材6Aの約3倍である。これらを総称する場合はセンサ遮蔽部材6と称す。
なお、図6はシャッタ駆動機構の要部を拡大して模式的に示す斜視図であり、図7はそのウォームホイール64に設けたセンサ遮蔽部材6A,6C,6Eとカムコロ66との位置との関係を模式的に示す下面図である。図7におけるA位置、C位置、E位置は、シャッタセンサ7がそれぞれセンサ遮蔽部材6A、センサ遮蔽部材6C、センサ遮蔽部材6Eによって遮蔽されてONになる位置である。これらの図において、ウォームホイール64は簡略化して円板状に図示している。
【0047】
〔第1実施例の書込み制御とシャッタ制御動作〕
次に、この発明による画像形成装置において上述した第1実施例の光書込装置2に対して、図2に示したエンジン部5の書込み制御部50が他の各部と連携して実行する書き込み制御とシャッタ制御動作(シャッタ制御手段の機能)について、図8〜図13のフローチャートによって説明する。
まず図8によって、この発明による光書込装置2に対する書込み制御のメインルーチンの処理を説明する。図2に示したエンジン部5の書込み制御部50がコントローラ部4のコントロール部40から印刷開始を指示されると、この書込み制御の処理を開始して、ステップS1からS5を順次実行する。
【0048】
図1及び図2に示した画像形成装置の印刷制御開始又は印刷調整開始時に、図8の処理を開始し、まずステップS1で書込み装置準備のためにポリゴンモータ12をONにして駆動させる。次いで、ステッププS2でシャッタ開放動作を行ってから、ステップS3で書込み処理を実行する。その書込み処理の終了後、ステップS4でポリゴンモータ12をOFFにして停止させ、ステップS5でシャッタ遮蔽動作を行って処理を終了する。
シャッタ開放動作のサブルーチンについては図11によって、シャッタ遮蔽動作のサブルーチンについては図12によって、それぞれ詳しく説明する。
書込み処理は、図1によって説明したように電子写真プロセスによって記録紙に画像を形成する処理である。
【0049】
この書込み制御部50はこのメインルーチンの処理中も、ジャムセンサと前述したインタロックスイッチ54を監視している。ジャムセンサについては説明していなかったが、書込み処理中に記録紙が搬送できなくなってジャムを起こしたときにそれを検出する公知のセンサであり、搬送路の要所ごとに設けられている。
そして、ジャムが発生するかインタロックが接続されたドアやカバーが開けられる(インタロック解除と称す)と、ジャムセンサ又はインタロックスイッチからの信号によってそれを知り、図9に示すジャム・ドア開時処理を開始して、シャッタ遮蔽動作(図12によって説明する)のサブルーチンを実行する。
【0050】
また、インタロックが解除されると、図10に示すインタロック解除時処理を開始して、NVRAMに記憶していたセンサ位置情報を初期化する。
この処理は、インタロックの解除によりシャッタモータ61に電流が流れなくなり、その励磁が切られてしまうため、シャッタ位置が把握できなくなって、保持しているシャッタ位置情報と実際のシャッタ位置に差が生じることがあるためである。そのため、インタロックが解除された場合は、NVRAMに保持しているシャッタ位置情報を初期化して、シャッタ位置情報を不明にさせるのである。その後、インタロックが未解除になった後のシャッタ開放又は遮蔽動作時にイニシャライズ動作を実施し、シャッタ位置を再定義する。
【0051】
図11に示すシャッタ開放動作のサブルーチンの処理は、ポリゴンモータ12はONになると同時に開始し、まずステップS11でインタロック解除か否かをチェックする。開閉可能なドアやカバーのいずれかが開放されているとインタロック解除状態になっており、その場合はシャッタ開放動作を行わずに処理を終了する。インタロックが未解除(全てのドアやカバーは閉じている)であった場合は、ステップS12でシャッタモータ61をONにしてウォームホイール64を回転させる。
【0052】
そして、ステップS13で、C位置認識済みか否かをチェックする。これは、図7に示したC位置の情報をNVRAMに記憶しているか否かの確認であり、C位置認識済みの場合には、ステップS14のイニシャライズの処理は行わずにステップ15へ進む。
C位置認識済みでなかった(C位置の情報をNVRAMに記憶していない)場合は、ステップS14のイニシャライズの処理(図13によって説明する)を行ってからステップS15へ進む。
【0053】
ステップS15では、シャッタセンサ7の検知信号をチェックして、図7に示したセンサ遮蔽部材6Aを検知することによるA位置の検知を待ち、A位置を検知するとステップS16へ進んで開放処理遅延時間であるXt時間だけウェイト(待機)した後、ステップS17でシャッタモータ61をOFFにする。すなわち、A位置を検知してから開放処理遅延時間後にシャッタモータ61を停止させる。
【0054】
そして、ステップS18で反応確定時間であるWt時間ウェイト(待機)した後、ステップS19でシャッタセンサ7の検知状態を確認し、遮蔽されている(発光素子と受光素子の間にセンサ遮蔽部材6が介在している:所要の状態である)と判断した場合は、カムコロ66がウォームギア62側に来ていてシャッタ開放位置になっているので、処理を終了する。
【0055】
しかし、シャッタセンサ7が露出している(発光素子と受光素子の間にセンサ遮蔽部材6が介在していない:所要の状態でない)と判断した場合は、ステップS20へ進んで、一定回数以上このステップを通過したか否かをチェックし、一定回数以上通過していなければ、通過回数をカウントしてステップS21でC位置を通過しているか否か判断する。C位置を通過していた場合は、ステップS22でXt時間から開放調整時間であるXa時間を引いた時間を新たなXt時間として、ステップS12からの処理を繰り返す。一方、C位置を通過していない場合は、ステップS23でXt時間にXa時間を加えた時間を新たなXt時間として、ステップS12からの処理を繰り返す。
【0056】
なお、Xa時間についてはユーザが任意に指定できるものとする。図3に示したオペレーションパネルの操作部41からユーザがこの時間Xaを設定した際に、その時間Xaをパネル表示部42から図2の書込み制御部50を経てNVRAM制御部51によってNVRAMに保存する。
【0057】
上述したシャッタ開放動作を一定回数(シャッタ開放動作リトライ回数)以上実施しても、ステップS19でのシャッタセンサ7の検知結果が露出していると判断した場合は、シャッタ板駆動機構等のハードウェア異常と判断し、ステップS20からステップS24へ進んで、図3に示したパネル表示部42に異常を通知し、それを表示させる。なお、このシャッタ開放動作リトライ回数も、図3に示したオペレーションパネルの操作部41からユーザにより設定することができる。
このようにして、シャッタ板30を各光射出窓25y,25c,25m,25kを確実に開放する位置に移動させることができる。
【0058】
印刷制御終了又は印刷調整終了時に書込み処理を終了させるため、図2に示した書込み制御部がポリゴンモータ12をOFFにする。そのポリゴンモータ12の停止と同時に、図12に示すシャタ遮蔽動作のサブルーチンの処理を開始する。
そのステップS31〜35では図11で説明したシャッタ開放動作と同じ処理を行う。
そして、ステップS35で、シャッタセンサ7の検知信号をチェックして、図7に示したセンサ遮蔽部材6Cを検知することによるC位置の検知を待ち、C位置を検知するとステップS36へ進んで遮蔽処理遅延時間であるYt時間だけウェイト(待機)した後、ステップS37でシャッタモータ61をOFFにする。すなわち、C位置の検知トリガとして遮蔽処理遅延時間後にシャッタモータ61を停止させる。
【0059】
そして、ステップS38で反応確定時間であるWt時間ウェイト(待機)した後、ステップS39でシャッタセンサ7の検知状態を確認し、露出している(発光素子と受光素子の間にセンサ遮蔽部材6が介在していない:所要の状態である)と判断した場合は、カムコロ66がウォームギア62と反対側(光学ハウジング25に近い側)に来ていてシャッタ遮蔽位置になっているので、処理を終了する。
【0060】
しかし、シャッタセンサ7が遮蔽している(発光素子と受光素子の間にセンサ遮蔽部材6が介在している:所要の状態でない)と判断した場合は、ステップS40へ進んで、一定回数以上このステップを通過したか否かをチェックし、一定回数以上通過していなければ、通過回数をカウントしてステップS41でC位置を通過したか否か判断する。C位置を通過していた場合は、ステップS42でYt時間から遮蔽調整時間であるYa時間を引いた時間を新たなYt時間として、ステップS32からの処理を繰り返す。一方、F位置を通過していない場合は、ステップS43でYt時間にYa時間を加えた時間を新たなYt時間として、ステップS32からの処理を繰り返す。
【0061】
なお、Ya時間についてもユーザが任意に指定できるものとする。図3に示したオペレーションパネルの操作部41からユーザがこの時間Yaを設定した際に、その時間Yaをパネル表示部42から図2の書込み制御部50を経てNVRAM制御部51によってNVRAMに保存する。
【0062】
上述したシャッタ遮蔽動作を一定回数(シャッタ遮蔽動作リトライ回数)以上実施しても、ステップS39でのシャッタセンサ7の検知結果が遮蔽していると判断した場合は、シャッタ板駆動機構等のハードウェア異常と判断し、ステップS40からステップS44へ進んで、図3に示したパネル表示部42に異常を通知し、それを表示させる。なお、このシャッタ遮蔽動作リトライ回数も、図3に示したオペレーションパネルの操作部41からユーザにより設定することができる。
このようにして、シャッタ板30を各光射出窓25y,25c,25m,25kを確実に遮蔽する位置に移動させることができる。
【0063】
次に、図11のステップS14及び図13のステップS34で実施するイニシャライズ動作のサブルーチンの処理を、図14によって説明する。
光書込装置の電源をONした際には、カムコロ66の位置が不明であるため、このイニシャライズ動作によって、カムコロ66の初期位置の把握及び初期位置への移動を行う。
【0064】
この図13のイニシャライズを開始するときには、図11のステップS12又は図12のステップS32でシャッタモータ61をONにしているので、シャッタモータ61が偏心位置にカムコロ66を設けたギアであるウオームホイール64を回転させている。
そこで、ステップS51でシャッタセンサ7がセンサ遮光部材6によって遮蔽されてONになるのを待ち、ONになるとステップS52でセンサON時間のカウントを開始する。その後、ステップS53でシャッタセンサ7が露出されてOFFになるまでセンサON(遮蔽)時間のカウントを継続し、ステップS53でシャッタセンサ7がOFFになると、ステップS54でセンサON時間のカウントを終了する。
【0065】
そして、ステップS55でそのカウントした時間が120ms以上か否かを判断し、120ms以上であれば、そのカウント中にシャッタセンサ7を遮光していたセンサ遮光部が、特定の遮光部材である図7に示したC位置のセンサ遮光部材6Cであると認識する。このC位置というのは、カムコロ66が図4及び図5に示すように光学ハウジング25に近い側に位置している状態、つまりシャッタ板30が各光射出窓25y,25c,25m,25kを開放している位置関係と定義する。そこで、ステップS56でそのときの時間のカウント値からC位置を認識してC位置情報をNVRAMに保存し、処理を終了する。
【0066】
その120msは、特定の遮光部材であるセンサ遮光部材6Cがシャッタセンサ7を通過するのに要する時間に相当する時間を、予め計算又は実測によって求めてNVRAM等のメモリに記憶している時間である。
したがって、シャッタセンサ7がセンサ遮光部材6によって遮光されてONになってから、センサ遮光部材6が通過してOFFになるまでの時間をカウントし、それがシャッタセンサ7をセンサ遮光部6Cが通過するのに要する時間(この例では120ms)以上であった場合は、それをセンサ遮光部材6Cと認識し、そのC位置時間とC位置情報を保存する。
【0067】
しかし、ステップS55で、カウントした時間が120ms以上でなかった場合は、ステップS57で、このステップを一定回数以上通過したかを判断し、一定回数以上通過していなければステップS51へ戻って、一定回数まで上述の処理を繰り返す。もし一定回数以上上述の処理を繰り返しても、ステップS55でカウントした時間がC位置を示す120ms以上でなかった場合は、ステップS57でシャッタ板駆動機構等のハードウェア異常と認識し、ステップS58へ進んで図3に示したパネル表示部42に異常を通知し、それを表示させる。なお、上記一定回数はイニシャライズ動作のリトライ回数であり、ユーザにより設定することができる。
【0068】
図14は、上述した実施例の制御によるポリゴンモータ12とシャッタモータ61とシャッタセンサ7の関連動作を示すタイミング図である。
このように光書込装置のシャッタを制御することにより、従来複数のセンサを用いて制御していたのを、1個のセンサを用いてより速い制御を実現できる。
【0069】
上述した実施例によれば、インタロック手段がインタロックを解除し、制御に必要な電源以外の電源が遮断され、シャッタモータへの電流が断たれた際には、シャッタ開放動作及びシャッタ遮蔽動作を行わないので、インタロック解除時にシャッタが不完全な開閉状態になってしまうことを防止できる。
また、インタロック解除時に、シャッタ部材の初期位置の記憶情報を初期化することによって、記憶している初期位置の情報と実際のシャッタ部材の初期位置とが食い違った状態でシャッタの制御が行われないようにすることができる。
【0070】
シャッタ開放動作、シャッタ遮蔽動作、又はシャッタ部材の初期位置検知操作を一定回数行っても所望の結果が得られなかった時には異常を通知するので、それを表示パネルに表示してユーザに知らせることができる。上記一定回数(トライ回数)をユーザが任意に設定することができるので、待ち時間をユーザの希望に対応させることができる。
【0071】
〔光書込装置の第2実施例〕
次にこの発明による光書込装置の第2実施例を説明する。図15はその光書込装置の外観を示す斜視図であり、図4及び図5と同等な部分には同一の符号を付している。
この第2実施例の光書込装置2′において、光学ハウジング25側の構成は、図4及び図5によって説明した第1実施例の光書込装置2の光学ハウジング25側の構成と同じである。すなわち、光学ハウジング25の上面板25aに設けられた4個の主走査方向に細長い光射出窓25y,25c,25m,25kから各作像色毎の光ビームを射出し、図4に示した各作像色毎の像担持体1Y,1C,1M,1K上にそれぞれ光書込みを行う。
【0072】
そして、この光学ハウジング25の上面板25a上に、各光射出窓25y,25c,25m,25kを個別に開放及び遮蔽する4枚の長さが異なるシャッタ板(シャッタ部材)
30y,30c,30m,30kが順次重なって矢示A,B方向に所定のストロークでスライド可能に設けられている。上面板25aと各シャッタ板30y,30c,30m,30kとの間には、図5に示した係合片25dとスリット33のように矢示A,B方向への移動をガイドする手段が設けられているが、図示を省略している。
【0073】
この各シャッタ板30y,30c,30m,30kには、各光射出窓25y,25c,25m,25kに対応する位置に、それぞれその各光射出窓より大きい開口部31と、それに隣接した閉鎖部32とがそれぞれ形成されている。そして、各シャッタ板30y,30c,30m,30kがそれぞれ矢示A方向に移動したときには、各開口部31が各光射出窓25y,25c,25m,25k上の位置(光射出窓を開放する位置)になってシャッタが開いた図示の状態となり、矢示B方向に移動したときには、各閉鎖部32が各光射出窓25y,25c,25m,25kと重なる位置(光射出窓を遮蔽する位置)になってシャッタが閉じた状態となる。
【0074】
シャッタ板30y,30c,30mの上側に他のシャッタ板が重なる部分には、図15では見えないが、各光射出窓25c,25m,25kを常に開放する開口部が設けられている。
また、各シャッタ板30y,30c,30m,30kの幅方向の両端部と上面板25aとの間にそれぞれ引張りスプリング35を係着して、各シャッタ板30y,30c,30m,30kを常時矢示B方向(シャッタを閉じる方向)に付勢している。
【0075】
さらに、各シャッタ板30y,30c,30m,30kの矢示B方向の端部に円弧状の凹曲面を形成したカムフォロワ34y,34c,34m,34kを、幅方向の位置を順次ずらして延設している。
そして、各作像色毎にそれぞれ各シャッタ板30y,30c,30m,30kを駆動するシャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kを設けている。
【0076】
各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kは、いずれもシャッタモータ61と、その回転軸に固設したピニオンギア72とそれに噛み合って軸73を中心に回転する平歯車74と、その平歯車74上の偏心位置に立設したピンに回転自在に支持されたカムコロ66とによって構成されている。そして、その各カムコロ66が、各シャッタ板30y,30c,30m,30kのカムフォロワ34y,34c,34m,34kに形成された凹曲面にそれぞれ当接している。各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kは同じ構成であるから、図15ではスペースの関係で一部の符号は省略している。
【0077】
この平歯車74とカムコロ66とによって回転カム部材を構成している。シャッタ板30y,30c,30m,30kの矢示B方向への付勢力によって、カムフォロワ34y,34c,34m,34kと各カムコロ66は常に当接している。シャッタモータ61としてはDCモータを使用するとよい。
【0078】
各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kは、いずれもシャッタモータ61を駆動させることにより、ピニオンギア72の回転により平歯車74が回転する。その平歯車74の回転によりその上部に回転自在に支持されているカムコロ66の位置が変わる。カムコロ66の位置がピニオンギア72側に移動すると、引張りスプリング35の付勢力によってカムフォロワ34y,34c,34m,34kがそれに追従移動し、シャッタ板30y,30c,30m,30kが矢示B方向にスライド移動する。それによって、各閉鎖部32が各光射出窓25y,25c,25m,25kを遮蔽する位置になり、シャッタを閉じる。
【0079】
カムコロ66の位置がピニオンギア72と反対側(光学ハウジング25に近い側)に移動すると、カムコロ66によってカムフォロワ34y,34c,34m,34kが付勢力に抗して押し戻され、シャッタ板30y,30c,30m,30kが矢示A方向にスライド移動する。それによって、各開口部31が各光射出窓25y,25c,25m,25kを開放する位置になり、シャッタを開く。
【0080】
また、回転カム部材の位置、すなわちカムコロ66の位置(シャッタ板30y,30c,30m,30kの位置に対応する)を把握するために、図6及び図7に示したウォームホイール64に代えて各平歯車74の外周に沿って、周方向の長さが異なる薄板状の複数のセンサ遮蔽部材6A,6C,6E(総称してセンサ遮蔽部材6)を垂下して設けており、それを1個のシャッタセンサ7を用いて検出し、その遮蔽状況をモニタリングする。これらのセンサ遮蔽部材6A,6C,6E及びシャッタセンサ7は前述した第1実施例と同じであるが、各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kの平歯車74に関して設けている。
【0081】
この実施例では、複数(この例では4色)の各作像色毎に各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kを制御して、複数の各シャッタ部材であるシャッタ板30y,30c,30m,30kにより複数の各光射出窓25y,25c,25m,25kの開閉を個別に制御することができる。
なお、スペースが許せば、図15における各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kのピニオンギア72と平歯車74に代えて、第1実施例と同様にウォームギアとそれに噛み合って回転するウォームホイールを用いるとよい。その場合は各シャッタモータ61は横向きになる。
【0082】
図2に示したエンジン部5の書込み制御部50が他の各部と連携して実行する書込み制御とシャッタ制御動作(シャッタ制御手段の機能)について、図16〜図19のフローチャートによって説明する。
図16は、この第2実施例の光書込装置2′に対する書込み制御のメインルーチンの処理であり、第1実施例における図8によって説明したメインルーチンの処理に代わる処理である。
【0083】
図2に示したエンジン部5の書込み制御部50がコントローラ部4のコントロール部40から印刷開始を指示されると、この図16に示す書込み制御処理を開始して、ステップS61からS74を順次実行する。
この処理を開始すると、まずステップS61でポリゴンモータ12をONにした後、図15に示したシャッタモータ61を駆動させる前に、書込み制御部50はステップS62で求められている印刷カラーモードを確認する。自動カラー選択による印刷の場合も、自動選択した印刷カラーモードを確認する。
【0084】
そして、フルカラーモード印刷であればステップS63でYCMK全色のシャッタを開放対象に設定し、ステップS65で全ての光射出窓25y,25c,25m,25kに対するシャッタ開放動作を実行する。
【0085】
ステップS62でフルカラーモード印刷でない場合、すなわち、単色(モノクロ)モード印刷もしくは2色モード印刷など全色を使用しない印刷であった場合は、ステップS64でその要求されている作像色に対応するシャッタを開放対象に設定する。そして、ステップS65でその開放対象に設定されたシャッタ(例えば光射出窓25kを開放するシャッタのみ)に対するシャッタ開放動作を実行する。したがって、開放対象に設定されなかったシャッタ(使用しない昨像色のレーザビームを射出する光射出窓を遮蔽するシャッタ板)は開放せず、遮蔽状態のままになる。
なお、シャッタ開放動作のサブルーチンについては、図17によって後述する。
【0086】
シャッタ開放動作が完了するとステップS66で書込み処理を実行し、ステップS67で最終プロセスか否かを判断し、最終プロセスでなければ、ステップS68で次に求められている印刷カラーモードを確認し、今回の印刷要求と次回の印刷要求での作像色は異なるか否かを判断する。
作像色が同じであれば、シャッタ状態はそのままの状態でステップS66に戻って書込み処理からの処理をを繰り返す。作像色が異なる場合は、ステップS69で要求されている作像色以外のシャッタを遮蔽対象に設定し、ステップS70で新たに要求された作像色のシャッタを開放対象に設定する。
【0087】
そして、ステップS71で遮蔽対象に設定されたシャッタに対するシャッタ遮蔽動作を、ステップS72で開放対象に設定されたシャッタに対するシヤッタ開放動作を、それぞれ行った後ステップS66へ戻って、書込み処理からの処理を繰り返す。
ステップS67で最終プロセスであった場合は、ステップS73へ進んでポリゴンモータ12をOFFにし、ステップS74で開放しているシャッタに対してシャッタ遮蔽動作を行って、この書込み制御処理を終了する。
シャッタ遮蔽動作のサブルーチンについても、図18によって後述する。
【0088】
シャッタ開放動作のサブルーチンは図17に示す処理を、開放対象に設定されたシャッタに関する各シャッタ駆動手段(70y,70c,70m,70kの全て又はいずれか設定されたもの)に対して、並列にあるいは順次実行する。この図17に示す処理は、図11に示したシャッタ開放動作のサブルーチンとステッププS24B以外は同じであるから、各ステップに図11と同じステップ番号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0089】
ステップS19でシャッタセンサ7が露出状態(OFF)になり、ステップS20を一定回数以上通過した場合には、対応するシャッタの異常(光射出窓を開放すべきシャッタ板とそのシャッタ駆動手段等のハードウエアの異常)と判断して、ステップS24Bへ進んで、対応するシャッタの異常を図3に示したパネル表示部42に通知し、それを表示させる。
【0090】
シャッタ遮蔽動作のサブルーチンは図18に示す処理を、遮蔽対象に設定されたシャッタに関する各シャッタ駆動手段(70y,70c,70m,70kの全て又はいずれか設定されたもの)に対して、並列にあるいは順次実行する。この図18に示す処理は、図12に示したシャッタ遮蔽動作のサブルーチンとステッププS24B以外は同じであるから、各ステップに図12と同じステップ番号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0091】
ステップS39でシャッタセンサ7が遮蔽状態(ON)になり、ステップS40を一定回数以上通過した場合には、対応するシャッタの異常(光射出窓を遮蔽すべきシャッタ板とそのシャッタ駆動手段等のハードウエアの異常)と判断して、ステップS44Bへ進んで、対応するシャッタの異常を図3に示したパネル表示部42に通知し、それを表示させる。
【0092】
図17におけるステップS14及び図18におけるステップS34のイニシャライズ動作のサブルーチンの処理を図19に示す。このこのフロー図も図13に示したイニシャライズ動作のサブルーチとステッププS58B以外は同じであるから、各ステップに図13と同じステップ番号を付してあり、それらの説明は省略する。
このイニシャライズ動作では、ステップS55ON時間が120ms以上にならないことが一定回数以上になると、シャッタ開閉機構等のハードウエア異常と判断して、ステップS58Bへ進んで、対応するシャッタの異常を図3に示したパネル表示部42に通知し、それを表示させる。
【0093】
なお、このようなシャッタの作像色毎の個別制御については、ユーザが任意に実施要否を設定することができる。ユーザが実施否と設定した場合、フルカラーモードか否かに関わらず全色同時にシャッタ制御を実施する。さらに、前述した各ハードウェア異常が発生した際に、図2に示した書込み制御部50は、ハードウェア異常が発生したシャッタ部材の色情報をは図3のパネル表示部42に通知して表示させる。
【0094】
この実施例によれば、シャッタ制御手段である書込み制御部50は、複数の各作像色毎に各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kを制御して、複数の各シャッタ部材であるシャッタ板30y,30c,30m,30kにより、複数の各光射出窓25c,25m,25kの開閉を制御することができる。
【0095】
そして、複数の各作像色のうちの一部の作像色による光書込み(モノクロモード、単色モード、二色モード等)が選択された場合には、使用しない作像色の光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を、それらの光射出窓を常時遮蔽させるように制御して、その各光射出窓に飛散トナーや粉塵が付着しないようにすることができる。
モノクロの光書込みが選択された場合には、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を、その光射出窓を常時遮蔽させるように制御することもできる。
【0096】
また、モノクロモード又は単色モード印刷時に、それらのモードで使用する作像色に応じたシャッタ部材のみを開くかどうかを、ユーザが図2及び図3に示した操作部41から指定することができる。
色印刷など複数の色を用いるが全ての色を用いない印刷において、使用しない作像色の光射出窓を開閉するシャッタ部材を閉じるかどうかを、ユーザが図2及び図3に示した操作部41から指定することができる。
このような各作像色毎のシャッタ制御動作において、シャッタ制御に失敗した際に、対応する作像色のシャッタに関する異常として表示すれば、ユーザはどの色に関するシャッタ制御に異常が発生したのかを容易に知ることができる。
【0097】
この発明は上述した実施例に限るものではなく、特許請求の範囲で規定する範囲で種々の変更が可能であり、実施例で説明した構成を全て備える必要もないことは言うまでもない。例えば、シャッタ駆動手段の回転カム部材は、上述の実施例で説明したウオームホイール又は平歯車とカムコロに限るものではなく、種々の回転カム部材を使用することができる。作像色が4色の場合の例について説明したが、これに限るものではなく、2色又は3色あるいは5色以上の場合でも実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
この発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、印刷機、デジタル複合機(MFP)等の電子写真方式のモノクロ及びカラーの画像形成装置に利用でき、光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を備えた光書込装置に適用すると有効である。
【符号の説明】
【0099】
1Y,1C,1M,1K:感光体ドラム(像担持体)
2,2′:光書込装置 4:コントローラ部 5:エンジン部
6,6A,6C,6E:センサ遮蔽部材 7:シャッタセンサ
8:搬送ローラ対 10Y,10C,10M,10K:作像プロセス部
11:中間転写ベルト 12a,12b:ポリゴンミラー 13:給紙カセット 14:給紙ローラ 15:レジストローラ対 16:中間転写ユニット
17Y、17C、17M、17K:1次転写バイアスローラ
18:クリーニング装置 19:駆動ローラ(2次転写バックアップローラ)
【0100】
20:従動ローラ(クリーニングバックアップローラ) 21:テンションローラ 22:2次転写ローラ 23:定着装置 24:排紙ローラ対
25:光学ハウジング 25y,25c,25m,25k:光射出窓
25a:上面板 25b:突条 25d:係合片
26Y、26C、26M、26K:トナーボトル
27:スタック部 28:fθレンズ
30,30y,30c,30m,30k:シャッタ板(シャッタ部材)
31:開口部 32:閉鎖部 33:被係止部 33a:スロット
34,34y,34c,34m,34k:カムフォロワ 34a:凹曲面
35:引張りスプリング
【0101】
40:コントロール部 41:操作部 42:パネル表示部
50:書込み制御部 51:NVRAM制御部 52:モータ制御部52
53:センサ検知部, 54:インタロックスイッチ
61:シャッタモータ 62:ウォームギア 63:軸
64:ウォームホイール 65:ピン 66:カムコロ
70y,70c,70m,70k:シャッタ駆動手段 72:ピニオンギア
73:平歯車
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2007−245480号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、印刷機、デジタル複合機(MFP)等の電子写真方式の画像形成に装置に搭載され、光ビームを走査して出射し、感光体を露光する光書込装置(光走査装置)と、それを備えたモノクロ及びカラーの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような電子写真方式の画像形成装置は、一般に感光体の表面を帯電した後、その表面を光書込装置(光走査装置)から出射される光ビームによって画像データに応じて露光して静電潜像を形成し、その潜像を現像装置でトナーによって可視像化し、そのトナー像を記録紙に転写して画像を形成する。このような画像形成装置において、光書込装置によって感光体にレーザビームを走査して静電潜像を形成する際に、走査光学系の光学素子を光学ハウジング内に納めて配置し、走査光学系の光学特性を維持するためにその光学ハウジングを密閉し、光学系を画像形成装置の作像系と隔離することが行われている。
【0003】
このようにした場合、光学ハウジングからの走査用のレーザ光は、光学ハウジングの出射窓を通して感光体を照射することになる。そのため、出射窓が飛散トナー等の粉塵により汚れてしまうと、静電潜像が正しく作像されず、形成画像に悪影響を及ぼし、画質が低下してしまう。
そこで、従来から光学ハウジングの出射窓の汚れを防止するために、出射窓の外側に開閉可能なシャッタ等の被覆部材を設けて、画像形成時以外のときは、その被覆部材によって出射窓を覆って飛散トナー等による汚れを防止することが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の光書込装置は、光学ハウジングの防塵ガラスを設けた光射出窓を形成した部材上に、シャッタ板を一体とするシャッタ部材を所定範囲スライド可能に取り付け、通常使用時(画像形成時)にはそのシャッタ板が光射出窓を開く位置にあり、その光射出窓を通してレ−ザ光を照射して感光体表面を露光することができる。一方、非使用時又はメンテナンス時には、そのシャッタ部材を光射出窓を閉じる(覆う)位置に移動させて、飛散トナー等の粉塵が防塵ガラスに付着するのを防止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなシャッタ部材を備えた光書込装置において、シャッタ部材を光射出窓を開閉するように移動させる手段として、モータとその回転をシャッタ板に伝達するギア機構とカムやリンク機構等が使用されている。
しかしながら、シャッタ部材を画像形成装置の状況に応じて、常に正しく光射出窓を開閉するように制御するためには、現在のシャッタ板の位置を正確に知らなければならない。そこで、従来の装置ではシャッタ制御を行う度にシャッタ部材の位置を定義していた。そのため、制御処理に時間がかかり、光射出窓の開閉が遅くなるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、一旦シャッタ部材の位置を定義した後は、それ以降のシャッタ制御においてはシャッタ部材の位置を定義しなくて済むようにし、制御処理時間の短縮を図り、光射出窓の開閉を迅速に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による光書込装置は、内部に光ビーム発生手段を備えた光学ハウジングにその光ビーム発生手段によって発生した光ビームを射出させる光射出窓を有し、その光射出窓を透過して射出する光ビームによって像担持体上に光書込みを行う光書込装置において、上記の目的を達成するため、上記光学ハウジングに対して、上記光射出窓を開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能なシャッタ部材を設けるとともに、そのシャッタ部材を移動させる回転カム部材を有するシャッタ駆動手段と、上記回転カム部材の周囲に沿って間隔を置いて設けた周方向の長さが異なる複数の遮光部材と、上記回転カム部材の回転時に上記各遮光部材の通過を検知するフォトセンサと、上記フォトセンサが予め上記複数の遮光部材のうちの特定の遮光部材の通過を検知することによって、上記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶し、以後はその記憶した初期位置の情報と上記フォトセンサによる実際の上記遮光部材の検知情報とによって上記シャッタ駆動手段を制御して、上記シャッタ部材による上記光射出窓の開閉を制御するシャッタ制御手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
上記光書込装置において、光ビーム発生手段が複数の各作像色毎の光ビームを発生する手段であり、上記光学ハウジングが、上記光ビーム発生手段によって発生した各作像色毎の光ビームをそれぞれ射出させる複数の光射出窓を有し、その各光射出窓を透過して射出する各光ビームによって各作像色毎の像担持体上にそれぞれ光書込みを行う光書込装置である場合には、上記シャッタ部材を、上記光学ハウジングの複数の各光射出窓をそれぞれ開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能に複数設けるとともに、上記複数の各シャッタ部材に対して、上記回転カム部材を有するシャッタ駆動手段と上記複数の遮光部材と上記フォトセンサとをそれぞれ設け、上記シャッタ制御手段は、上記複数の各作像色毎に上記各シャッタ駆動手段を制御して、上記複数の各シャッタ部材により複数の各光射出窓の開閉を制御するようにするとよい。
【0009】
それによって、上記シャッタ制御手段は、上記複数の各作像色のうちの一部の作像色による光書込みが選択された場合には、使用しない作像色の光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を、その光射出窓を常時遮蔽させるように制御することができる。
また、上記シャッタ制御手段は、モノクロの光書込みが選択された場合には、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を、その光射出窓を常時遮蔽させるように制御することもできる。
【0010】
上記シャッタ制御手段は、上記フォトセンサが予め上記複数の遮光部材のうちの特定の遮光部材の通過を検知したか否かを、上記フォトセンサが上記遮光部材の通過を継続して検知した時間が予め設定した時間以上であるか否かによって判断する手段を有するとよい。
【0011】
上記シャッタ制御手段はまた、上記シャッタ部材に上記光射出窓を開放させる開放動作又は遮蔽させる遮蔽動作を行った際に、上記シャッタ駆動手段の停止時における上記フォトセンサの検知状態を判断し、その判断の結果が所要の状態でなかった場合には、所要の状態になるかあるいは所要の状態でない判断結果が予め定めた一定回数になるまで、上記開放動作又は遮蔽動作を繰り返し実行する手段を有するのが望ましい。
上記シャッタ制御手段はさらに、上記予め定めた一定回数だけ上記開放動作又は遮蔽動作を行っても上記判断の結果が所要の状態でなかった場合には異常を通知する手段を有するとよい。
これらにおいて、上記一定回数をユーザに指定させて記憶する手段を有することができる。
【0012】
また、上記シャッタ制御手段は、上記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を行った際に、上記特定の遮光部材の通過を検知できなかった場合には、その特定の遮光部材の通過を検知できるか、検知できないことが予め定めた一定回数になるまで、上記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を繰り返し実行する手段を有するのが望ましい。
【0013】
上記シャッタ制御手段はさらに、上記予め定めた一定回数だけ上記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を行っても上記特定の遮光部材の通過を検知できなかった場合には異常を通知する手段を有するとよい。
これらにおいても、上記一定回数をユーザに指定させて記憶する手段を有することができる。
【0014】
この発明による画像形成装置は、上記いずれかの光書込装置を備えたことを特徴とする。その画像形成装置が、開閉可能なドア又はカバーのいずれかが開いたときにインタロックを解除して、制御に必要な電源以外の電源を遮断するインタロック手段を備えている場合には、上記光書込装置の上記シャッタ制御手段は、上記インタロック手段がインタロックを解除している場合には、上記シャッタ部材に上記光射出窓を開放させる開放動作又は遮蔽させる遮蔽動作を実行しないのが望ましい。
上記光書込装置のシャッタ制御手段は、上記インタロック手段がインタロックを解除したときには、上記シャッタ部材の初期位置の記憶情報を初期化する手段を有するのが望ましい。
【0015】
前述した複数の作像色による書き込みが可能な光書込装置と自動カラー選択手段とを備えた画像形成装置であって、上記シャッタ制御手段は、カラー印刷を行う場合には、上記複数の各シャッタ部材により上記複数の各光射出窓を画像形成時にのみ開放するように制御し、モノクロ印刷を行う場合には、モノクロの光書込みに使用する光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材により、該光射出窓を画像形成時にのみ開放するように制御し、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材を、その各光射出窓を常時遮蔽させるように制御する光書込装置も提供する。
【発明の効果】
【0016】
この発明による光書込装置は、光学ハウジングの光射出窓を開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能なシャッタ部材によるシャッタ開閉制御を、従来よりも少ない時間で行うことができる。また、シャッタ部材の位置を検知するためのセンサが1個で済む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明による画像形成装置の一実施例におけるエンジン部の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の制御系のこの発明に係わる部分を示すブロック図である。
【図3】オペレーションパネルを簡略化して示すレイアウト図である。
【0018】
【図4】この発明による光書込装置の第1実施例の内部構成を示す概略縦断面図である。
【図5】同じくその光書込装置の光学ハウジングとシャッタ板及びその駆動機構部を分離して示す斜視図である。
【図6】そのシャッタ駆動機構の要部を拡大して模式的に示す斜視図である。
【図7】図6におけるウオームホイールに設けたセンサ遮蔽部材とカムコロとの位置関係を模式的に示す下面図である。
【0019】
【図8】この発明による光書込装置の第1実施例に対する書込み制御のメインルーチンのフロー図である。
【図9】ジャム発生またはドア開時の処理を示すフロー図である。
【図10】インタロック解除時の処理を示すフロー図である。
【図11】図8におけるシャッタ開放動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図12】図8におけるシャッタ遮蔽動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図13】図11及び図12におけるイニシャライズ動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図14】この発明による光書込装置の第1実施例におけるポリゴンモータとシャッタモータとシャッタセンサの関連動作を示すタイミング図である。
【0020】
【図15】この発明による光書込装置の第2実施例のシャッタ板及びその駆動機構部を含む斜視図である。
【図16】この発明による光書込装置の第2実施例に対する書込み制御のメインルーチンのフロー図である。
【図17】図15におけるシャッタ開放動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図18】図15におけるシャッタ遮蔽動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図19】図18及び図19におけるイニシャライズ動作のサブルーチンの処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔画像形成装置の実施例〕
まず、この発明による画像形成装置の実施例を図1から図3によって説明する。この画像形成装置はこの発明による光書込装置を搭載している。
図1は、その画像形成装置であるカラープリンタのエンジン部の概略構成を示す図である。
【0022】
このカラープリンタは、エンジン部を構成するための各機構と、その各機構による印刷(画像形成)プロセス処理に関する制御を行う制御部(後述する)とによって構成されている。
エンジン部は、図1に示すように、複数の作像色であるイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナー画像を生成するための像担持体である4個の感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kが、中間転写体である中間転写ベルト11に沿って所定の間隔を置いて列設されている。中間転写ベルト11はブラック用の感光体ドラム1Kには常時当接し、他の色用の感光体ドラム1Y,1C,1Mに対しては離接する
【0023】
各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの周囲には、それぞれ帯電器、現像装置、及びクリーニング装置等がケース内に設けられ、それぞれ装置本体に対して着脱可能なカートリッジ状の作像プロセス部10Y,10C,10M,10Kを構成している。しかし、ブラック用の作像プロセス部10Kのみはそれらを図示はしているが、スペースの関係上符号は付していない。それ以外の作像プロセス部10Y,10C,10Mは、感光体ドラム1Y,1C,1Mのみを示し、その周囲の各部とケースは図示を省略しており、これらの詳細な説明は省略する。
【0024】
中間転写ベルト11は中間転写ユニット16に設けられ、2次転写バックアップローラを兼ねた駆動ローラ19と、クリーニングバックアップローラを兼ねた従動ローラ20と、テンションローラ21とによって張架されており、駆動ローラ19によって駆動されて図1で反時計回りに無端移動する。その中間転写ベルト11を挟んで、各1Y,1C,1M,1Kと対向して、1次転写バイアスローラ17Y,17C,17M,17Kが配設されている。また、従動ローラ20と対向するようにクリーニング装置18が設けられている。
【0025】
中間転写ベルト11の上方には、各作像プロセス部10Y,10C,10M,10Kの現像装置にそれぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)のトナーを供給するトナーボトル26Y,26C,26M,26Kが配置されている。
また、中間転写ベルト11と駆動ローラ19を挟んで対向するように2次転写ローラ22が設けられている。
【0026】
作像プロセス部10Y,10C,10M,10Kの下方には、この発明による光書込装置(ユニット)2が配設されている。この光書込装置2についてはより詳細に後述するが、光学ハウジング25内に設けた各色用の光源である図示していない4個のレーザダイオードの各発光により生成される各光ビームであるレーザビームを、回転多面鏡である2段のポリゴンミラー12a,12bの各両側面でそれぞれ反射して所定角度範囲を走査し、その各レーザビームを折り返しミラーで偏向させ、光学ハウジング25の上面に形成した各光射出窓25y,25c等から上方へ射出して、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを主走査方向(紙面に垂直な方向)に露光する。
【0027】
光学ハウジング25の各光射出窓は25y,25c等はそれぞれ防塵ガラスで密閉されている。その光学ハウジング25の各光射出窓25y,25c等を形成した面上には、シャッタ部材であるシャッタ板30が図1で斜め左右方向に所定範囲スライド可能に取り付けられており、画像形成時には図示のように各光射出窓25y,25c等を開く位置にある。非画像形成時及びメンテナンス時等には、シャッタ板30が矢示方向へ移動して、各光射出窓25y,25c等を閉じる。図1においてはシャッタ板30を移動させるためのシャッタ駆動手段は図示を省略しており、そのシャッタ駆動手段については後で詳述する。
【0028】
光書込装置2の下側には、記録紙である転写紙を収納した給紙カセット(給紙トレイともいう)13が配設されるとともに、その転写紙を給紙して搬送する給紙ローラ14、搬送ローラ対8、及びレジストローラ対15などからなる用紙搬送装置が設けられている。
その用紙搬送方向下流側(図1では上方)には定着装置23及び排紙ローラ対24が設けられ、プリンタ本体の上面には、スタック部27が形成されている。
【0029】
このカラープリンタでフルカラー画像を形成する場合には、各作像プロセス部10Y,10C,10M,10Kで、それぞれ図1で時計方向に回転する感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面を帯電器で均一に帯電させ、光書込装置2からのレーザビームによってそれぞれ所定のタイミングで露光を開始して、感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面にそれぞれ各色の画像データに応じた静電潜像を形成する。それを現像装置によって、それぞれY,C,M,Kの各色のトナーで現像して、各色のトナー像を形成する。
その各色のトナー像が、1次転写バイアスローラ17Y,17C,17M,17Kと対向する一次転写位置で、Y,C,M,Kの順に中間転写ベルト11の表面に重ねて転写され、フルカラーのトナー像が形成される。
【0030】
一方、給紙カセット13内の最上位の転写紙を給紙ローラ14によって給紙して、搬送ローラ対8によってその転写紙を先端がレジストローラ対15に当接するまで搬送して待機する。そして、レジストローラ対15が所定のタイミングで回転して転写紙を中間転写ベルト11と2次転写ローラ22とのニップ部に搬送し、そこで中間転写ベルト11上のフルカラーのトナー像を転写紙に一括転写する。
その転写紙を定着装置23を通過させて熱と圧力とによってトナー像を定着させた後、フルカラー画像が印刷された転写紙を排紙ローラ対24によって、スタック部27へ排出する。
【0031】
ここで、この実施例の画像形成装置(カラープリンタ)の制御系におけるこの発明に係わる部分の構成を図2と図3によって説明する。
この画像形成装置は、図2のブロック図に示すようにコントローラ部4とエンジン部5とからなる。コントローラ部4は、コントロール部40とそれに接続された操作部41とパネル表示部42とから構成されている。コントロール部40は、図していないホスト装置から画像データを受信して一時記憶し、それを印刷データに変換して順次エンジン部5へ送出するなどの画像データ処理の他に、操作部41からの入力情報に応じて各種パラメータ等を変更あるいは選択したりし、パネル表示部42に後述する「異常」を含む各種の表示を行わせる等の制御も実行する。
【0032】
このコントロール部40は、CPUとROM及びRAM等からなるマイクロコンピュータを有しており、エンジン部5の各部を制御するエンジン制御部を兼ねることができる。
図3はオペレーションパネルを簡略化して示しており、複数の操作キーを備えた操作部41と液晶表示パネル等によるパネル表示部42がレイアウトされている。
【0033】
エンジン部5には、書込み制御部50と、それに接続されたNVRAM制御部51、モータ制御部52、センサ検知部53、及びインタロックスイッチ54とが設けられている。
書込み制御部50は図1に示した光書込装置2を制御して各作像プロセス部の感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kをそれぞれ所要のタイミングで主走査露光するための制御を実行する他に、図示の各部と連携して、この発明に係わるシャッタ開閉等の動作を、後述するようにソフトウエアで制御するシャッタ制御手段の機能も果す。エンジン部5のその他の制御に関する部分は図示を省略しているが、エンジン部5の全体を制御するマイクロコンピュータを有するエンジン制御部を設けてもよいし、コントローラ部4のコントロール部40がそれを兼ねてもよい。
【0034】
NVRAM制御部51は不揮発性メモリであるNVRAMへの情報の記憶と読み出しを行う制御部であり、後述するシャッタ開閉制御に使用する各時間情報や位置情報等をNVRAMに記憶させる。モータ制御部52は、シャッタ板30を移動させるためのシャッタモータを駆動制御する。センサ検知部53は、シャッタ板30を移動させる後述するカムコロと一体に回動するセンサ遮蔽部材を検知するシャッタセンサを動作させる。
【0035】
インタロックスイッチ54はインタロック手段のスイッチであり、画像形成装置本体の前カバーや左右ドアなどの開閉可能なカバー又は壁部に対して個々にあるいは兼用して設けられ、それらの開閉によってオン・オフ動作し、カバー又は壁部のいずれか一つでも開放されるとインタロックが解除されて、制御に必要な電源を除く装置の電源をオフにするスイッチである。これは、一般の複写機やプリンタなどの画像形成装置に従来から設けられている安全用のスイッチであるから、詳細な説明は省略する。
【0036】
〔光書込装置の第1実施例の構造〕
次に、この発明による光書込装置の第1実施例の構造について詳細に説明する。まず、図4から図7によってその光書込装置の構造を説明する。
図4はその光書込装置の内部構成を示す概略縦断面図であり、図1に示した光書込装置2と同様な図である。図5はその光書込装置の光学ハウジングとシャッタ板及びその駆動機構部を分離して示す斜視図である。
【0037】
図4に示す光書込装置2は、図1においても簡単に説明したが、光学ハウジング25内の中央部にポリゴンモータ12によって回転される2段のポリゴンミラー12a,12bが設置され、その左右両側にそれぞれ2段にfθレンズ28が配置され、その奥側の重複する位置にあるため図示を省略しているが、各色用の光源であるレーザダイオード(図示されていない)が左右両側に2個ずつ配置されている。これらによって、光ビーム発生手段を構成している。
【0038】
そして、その各レーザダイオードの各発光により生成される光ビームであるレーザビームを、2段のポリゴンミラー12a,12bの各両側面でそれぞれ反射して所定角度範囲を走査し、その各作像色毎のレーザビームLy,Lc,Lm,Lkをfθレンズ28を通して集光させた後、それぞれ折り返しミラーM1〜M8によって1回又は2回反射させ、光学ハウジング25の上面板25aに形成された各光射出窓25y,25c,25m,25kから上方へ射出させて、各作像色毎の感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面を主走査方向(紙面に垂直な方向)に露光する。
【0039】
この上面板25aが光射出窓形成部材であり、図5に示すようにそれぞれ主走査方向に沿って細長い光射出窓25y,25c,25m,25kが、上面板25aの長手方向に一定の間隔を置いて平行に形成されており、その各光射出窓の外周に沿ってその周囲を囲むように塵の侵入を防ぐための突条25bが形成されている。各光射出窓25y,25c,25m,25kには防塵ガラスを嵌め込んで密封しており、光学ハウジング25内へのトナー粉及びその他の塵埃類の侵入を防止している。
この上面板25aの長手方向の両端部寄りの両側部に、係合片25dが1対ずつ対向して突設され、その各上端部が内側に折曲している。
【0040】
この光学ハウジング25の上面板25a上に、シャッタ部材であるシャッタ板30が重なるように配置され、上面板25aの各突条25bと各係合片25dとの間に図5の矢示A,B方向にスライド自在に挟持されている。このシャッタ板30には、各光射出窓25y,25c,25m,25kに対応する位置に、その光射出窓より大きい開口部31と、それに隣接した閉鎖部32とがそれぞれ形成されている。そして、シャッタ板30が矢示A方向に移動したときには、各開口部31が各光射出窓25y,25c,25m,25k上の位置(光射出窓を開放する位置)になってシャッタが開いた状態となり、矢示B方向に移動したときには、各閉鎖部32が各光射出窓25y,25c,25m,25kと重なる位置(光射出窓を遮蔽する位置)になってシャッタが閉じた状態となる。
【0041】
このシャッタ板30の両側部には、上面板25aの各係合片25dと対応する位置に、それぞれ長手方向に沿って外方へ膨出した被係止部33を形成し、そこにそれぞれ係合片25dの長手方向の寸法より充分長い所定長さのスロット33aを形成している。その各スロット33aに光学ハウジング25の上面板25aの各係合片25dを嵌入させることによって、シャッタ板30を矢示A,B方向に所定のストロークでスライド可能に支持させると共に、その係合片25dとシャッタ板30との間に図示していないスプリングを係着して、常時図5の矢示B方向(シャッタを閉じる方向)に付勢している。
さらに、このシャッタ板30の矢示B方向の端部の中央部に円弧状の凹曲面を形成したカムフォロワ34を延設している。
【0042】
このシャッタ板30を移動させるシャッタ駆動機構がシャッタ駆動手段であり、図4及び図5に示すように、シャッタモータ61の回転軸に固設したウオームギア62とそれに噛み合って軸63を中心に回転するウオームホイール64と、そのウオームホイール64上の偏心位置に立設したピン65に回転自在に支持されたカムコロ66とによって構成され、そのカムコロ66がシャッタ板30のカムフォロワ34に形成された凹曲面に当接している。このウオームホイール64とカムコロ66とによって回転カム部材を構成している。シャッタ板30の矢示B方向への付勢力によって、カムフォロワ34とカムコロ66は常に当接している。シャッタモータ61としてはDCモータを使用するとよい。
【0043】
シャッタモータ61を駆動させることにより、ウオームギア62の回転によりウオームホイール64が回転する。そのウオームホイール64の回転によりその上部に回転自在に支持されているカムコロ66の位置が変わる。カムコロ66の位置がウオームギア62側に移動すると、図示していないスプリングの付勢力によってカムフォロワ34がそれに追従移動し、シャッタ板30が矢示B方向にスライド移動する。それによって、各閉鎖部32が各光射出窓25y,25c,25m,25kを遮蔽する位置になり、シャッタを閉じる。
【0044】
カムコロ66の位置がウオームギア62と反対側(光学ハウジング25に近い側)に移動すると、カムコロ66によってカムフォロワ34が付勢力に抗して押し戻され、シャッタ板30が矢示A方向にスライド移動する。それによって、各開口部31が各光射出窓25y,25c,25m,25kを開放する位置になり、シャッタを開く。
【0045】
また、回転カム部材の位置、すなわちカムコロ66の位置(シャッタ板30の位置に対応する)を把握するために、図6及び図7に明示するように、ウオームホイール64の外周に沿って、周方向の長さが異なる薄板状の複数のセンサ遮蔽部材6A,6C,6Eを垂下して設けており、それを1個のシャッタセンサ7を用いて検出し、その遮蔽状況をモニタリングする。そのシャッタセンサ7としては、例えば発光素子と受光素子を対向配置した透過型のフォトセンサを使用する。遮蔽部材6A,6C,6Eが反射部材であれば、反射型のフォトセンサを使用してもよい。
【0046】
図7に示すA〜Eの各位置は、以下に説明する制御処理に使用する。センサ遮蔽部材6A,6C,6Eの長さは、センサ遮蔽部材6Eが最も短く、センサ遮蔽部材6Aはその約2倍、センサ遮蔽部材6Cはセンサ遮蔽部材6Aの約3倍である。これらを総称する場合はセンサ遮蔽部材6と称す。
なお、図6はシャッタ駆動機構の要部を拡大して模式的に示す斜視図であり、図7はそのウォームホイール64に設けたセンサ遮蔽部材6A,6C,6Eとカムコロ66との位置との関係を模式的に示す下面図である。図7におけるA位置、C位置、E位置は、シャッタセンサ7がそれぞれセンサ遮蔽部材6A、センサ遮蔽部材6C、センサ遮蔽部材6Eによって遮蔽されてONになる位置である。これらの図において、ウォームホイール64は簡略化して円板状に図示している。
【0047】
〔第1実施例の書込み制御とシャッタ制御動作〕
次に、この発明による画像形成装置において上述した第1実施例の光書込装置2に対して、図2に示したエンジン部5の書込み制御部50が他の各部と連携して実行する書き込み制御とシャッタ制御動作(シャッタ制御手段の機能)について、図8〜図13のフローチャートによって説明する。
まず図8によって、この発明による光書込装置2に対する書込み制御のメインルーチンの処理を説明する。図2に示したエンジン部5の書込み制御部50がコントローラ部4のコントロール部40から印刷開始を指示されると、この書込み制御の処理を開始して、ステップS1からS5を順次実行する。
【0048】
図1及び図2に示した画像形成装置の印刷制御開始又は印刷調整開始時に、図8の処理を開始し、まずステップS1で書込み装置準備のためにポリゴンモータ12をONにして駆動させる。次いで、ステッププS2でシャッタ開放動作を行ってから、ステップS3で書込み処理を実行する。その書込み処理の終了後、ステップS4でポリゴンモータ12をOFFにして停止させ、ステップS5でシャッタ遮蔽動作を行って処理を終了する。
シャッタ開放動作のサブルーチンについては図11によって、シャッタ遮蔽動作のサブルーチンについては図12によって、それぞれ詳しく説明する。
書込み処理は、図1によって説明したように電子写真プロセスによって記録紙に画像を形成する処理である。
【0049】
この書込み制御部50はこのメインルーチンの処理中も、ジャムセンサと前述したインタロックスイッチ54を監視している。ジャムセンサについては説明していなかったが、書込み処理中に記録紙が搬送できなくなってジャムを起こしたときにそれを検出する公知のセンサであり、搬送路の要所ごとに設けられている。
そして、ジャムが発生するかインタロックが接続されたドアやカバーが開けられる(インタロック解除と称す)と、ジャムセンサ又はインタロックスイッチからの信号によってそれを知り、図9に示すジャム・ドア開時処理を開始して、シャッタ遮蔽動作(図12によって説明する)のサブルーチンを実行する。
【0050】
また、インタロックが解除されると、図10に示すインタロック解除時処理を開始して、NVRAMに記憶していたセンサ位置情報を初期化する。
この処理は、インタロックの解除によりシャッタモータ61に電流が流れなくなり、その励磁が切られてしまうため、シャッタ位置が把握できなくなって、保持しているシャッタ位置情報と実際のシャッタ位置に差が生じることがあるためである。そのため、インタロックが解除された場合は、NVRAMに保持しているシャッタ位置情報を初期化して、シャッタ位置情報を不明にさせるのである。その後、インタロックが未解除になった後のシャッタ開放又は遮蔽動作時にイニシャライズ動作を実施し、シャッタ位置を再定義する。
【0051】
図11に示すシャッタ開放動作のサブルーチンの処理は、ポリゴンモータ12はONになると同時に開始し、まずステップS11でインタロック解除か否かをチェックする。開閉可能なドアやカバーのいずれかが開放されているとインタロック解除状態になっており、その場合はシャッタ開放動作を行わずに処理を終了する。インタロックが未解除(全てのドアやカバーは閉じている)であった場合は、ステップS12でシャッタモータ61をONにしてウォームホイール64を回転させる。
【0052】
そして、ステップS13で、C位置認識済みか否かをチェックする。これは、図7に示したC位置の情報をNVRAMに記憶しているか否かの確認であり、C位置認識済みの場合には、ステップS14のイニシャライズの処理は行わずにステップ15へ進む。
C位置認識済みでなかった(C位置の情報をNVRAMに記憶していない)場合は、ステップS14のイニシャライズの処理(図13によって説明する)を行ってからステップS15へ進む。
【0053】
ステップS15では、シャッタセンサ7の検知信号をチェックして、図7に示したセンサ遮蔽部材6Aを検知することによるA位置の検知を待ち、A位置を検知するとステップS16へ進んで開放処理遅延時間であるXt時間だけウェイト(待機)した後、ステップS17でシャッタモータ61をOFFにする。すなわち、A位置を検知してから開放処理遅延時間後にシャッタモータ61を停止させる。
【0054】
そして、ステップS18で反応確定時間であるWt時間ウェイト(待機)した後、ステップS19でシャッタセンサ7の検知状態を確認し、遮蔽されている(発光素子と受光素子の間にセンサ遮蔽部材6が介在している:所要の状態である)と判断した場合は、カムコロ66がウォームギア62側に来ていてシャッタ開放位置になっているので、処理を終了する。
【0055】
しかし、シャッタセンサ7が露出している(発光素子と受光素子の間にセンサ遮蔽部材6が介在していない:所要の状態でない)と判断した場合は、ステップS20へ進んで、一定回数以上このステップを通過したか否かをチェックし、一定回数以上通過していなければ、通過回数をカウントしてステップS21でC位置を通過しているか否か判断する。C位置を通過していた場合は、ステップS22でXt時間から開放調整時間であるXa時間を引いた時間を新たなXt時間として、ステップS12からの処理を繰り返す。一方、C位置を通過していない場合は、ステップS23でXt時間にXa時間を加えた時間を新たなXt時間として、ステップS12からの処理を繰り返す。
【0056】
なお、Xa時間についてはユーザが任意に指定できるものとする。図3に示したオペレーションパネルの操作部41からユーザがこの時間Xaを設定した際に、その時間Xaをパネル表示部42から図2の書込み制御部50を経てNVRAM制御部51によってNVRAMに保存する。
【0057】
上述したシャッタ開放動作を一定回数(シャッタ開放動作リトライ回数)以上実施しても、ステップS19でのシャッタセンサ7の検知結果が露出していると判断した場合は、シャッタ板駆動機構等のハードウェア異常と判断し、ステップS20からステップS24へ進んで、図3に示したパネル表示部42に異常を通知し、それを表示させる。なお、このシャッタ開放動作リトライ回数も、図3に示したオペレーションパネルの操作部41からユーザにより設定することができる。
このようにして、シャッタ板30を各光射出窓25y,25c,25m,25kを確実に開放する位置に移動させることができる。
【0058】
印刷制御終了又は印刷調整終了時に書込み処理を終了させるため、図2に示した書込み制御部がポリゴンモータ12をOFFにする。そのポリゴンモータ12の停止と同時に、図12に示すシャタ遮蔽動作のサブルーチンの処理を開始する。
そのステップS31〜35では図11で説明したシャッタ開放動作と同じ処理を行う。
そして、ステップS35で、シャッタセンサ7の検知信号をチェックして、図7に示したセンサ遮蔽部材6Cを検知することによるC位置の検知を待ち、C位置を検知するとステップS36へ進んで遮蔽処理遅延時間であるYt時間だけウェイト(待機)した後、ステップS37でシャッタモータ61をOFFにする。すなわち、C位置の検知トリガとして遮蔽処理遅延時間後にシャッタモータ61を停止させる。
【0059】
そして、ステップS38で反応確定時間であるWt時間ウェイト(待機)した後、ステップS39でシャッタセンサ7の検知状態を確認し、露出している(発光素子と受光素子の間にセンサ遮蔽部材6が介在していない:所要の状態である)と判断した場合は、カムコロ66がウォームギア62と反対側(光学ハウジング25に近い側)に来ていてシャッタ遮蔽位置になっているので、処理を終了する。
【0060】
しかし、シャッタセンサ7が遮蔽している(発光素子と受光素子の間にセンサ遮蔽部材6が介在している:所要の状態でない)と判断した場合は、ステップS40へ進んで、一定回数以上このステップを通過したか否かをチェックし、一定回数以上通過していなければ、通過回数をカウントしてステップS41でC位置を通過したか否か判断する。C位置を通過していた場合は、ステップS42でYt時間から遮蔽調整時間であるYa時間を引いた時間を新たなYt時間として、ステップS32からの処理を繰り返す。一方、F位置を通過していない場合は、ステップS43でYt時間にYa時間を加えた時間を新たなYt時間として、ステップS32からの処理を繰り返す。
【0061】
なお、Ya時間についてもユーザが任意に指定できるものとする。図3に示したオペレーションパネルの操作部41からユーザがこの時間Yaを設定した際に、その時間Yaをパネル表示部42から図2の書込み制御部50を経てNVRAM制御部51によってNVRAMに保存する。
【0062】
上述したシャッタ遮蔽動作を一定回数(シャッタ遮蔽動作リトライ回数)以上実施しても、ステップS39でのシャッタセンサ7の検知結果が遮蔽していると判断した場合は、シャッタ板駆動機構等のハードウェア異常と判断し、ステップS40からステップS44へ進んで、図3に示したパネル表示部42に異常を通知し、それを表示させる。なお、このシャッタ遮蔽動作リトライ回数も、図3に示したオペレーションパネルの操作部41からユーザにより設定することができる。
このようにして、シャッタ板30を各光射出窓25y,25c,25m,25kを確実に遮蔽する位置に移動させることができる。
【0063】
次に、図11のステップS14及び図13のステップS34で実施するイニシャライズ動作のサブルーチンの処理を、図14によって説明する。
光書込装置の電源をONした際には、カムコロ66の位置が不明であるため、このイニシャライズ動作によって、カムコロ66の初期位置の把握及び初期位置への移動を行う。
【0064】
この図13のイニシャライズを開始するときには、図11のステップS12又は図12のステップS32でシャッタモータ61をONにしているので、シャッタモータ61が偏心位置にカムコロ66を設けたギアであるウオームホイール64を回転させている。
そこで、ステップS51でシャッタセンサ7がセンサ遮光部材6によって遮蔽されてONになるのを待ち、ONになるとステップS52でセンサON時間のカウントを開始する。その後、ステップS53でシャッタセンサ7が露出されてOFFになるまでセンサON(遮蔽)時間のカウントを継続し、ステップS53でシャッタセンサ7がOFFになると、ステップS54でセンサON時間のカウントを終了する。
【0065】
そして、ステップS55でそのカウントした時間が120ms以上か否かを判断し、120ms以上であれば、そのカウント中にシャッタセンサ7を遮光していたセンサ遮光部が、特定の遮光部材である図7に示したC位置のセンサ遮光部材6Cであると認識する。このC位置というのは、カムコロ66が図4及び図5に示すように光学ハウジング25に近い側に位置している状態、つまりシャッタ板30が各光射出窓25y,25c,25m,25kを開放している位置関係と定義する。そこで、ステップS56でそのときの時間のカウント値からC位置を認識してC位置情報をNVRAMに保存し、処理を終了する。
【0066】
その120msは、特定の遮光部材であるセンサ遮光部材6Cがシャッタセンサ7を通過するのに要する時間に相当する時間を、予め計算又は実測によって求めてNVRAM等のメモリに記憶している時間である。
したがって、シャッタセンサ7がセンサ遮光部材6によって遮光されてONになってから、センサ遮光部材6が通過してOFFになるまでの時間をカウントし、それがシャッタセンサ7をセンサ遮光部6Cが通過するのに要する時間(この例では120ms)以上であった場合は、それをセンサ遮光部材6Cと認識し、そのC位置時間とC位置情報を保存する。
【0067】
しかし、ステップS55で、カウントした時間が120ms以上でなかった場合は、ステップS57で、このステップを一定回数以上通過したかを判断し、一定回数以上通過していなければステップS51へ戻って、一定回数まで上述の処理を繰り返す。もし一定回数以上上述の処理を繰り返しても、ステップS55でカウントした時間がC位置を示す120ms以上でなかった場合は、ステップS57でシャッタ板駆動機構等のハードウェア異常と認識し、ステップS58へ進んで図3に示したパネル表示部42に異常を通知し、それを表示させる。なお、上記一定回数はイニシャライズ動作のリトライ回数であり、ユーザにより設定することができる。
【0068】
図14は、上述した実施例の制御によるポリゴンモータ12とシャッタモータ61とシャッタセンサ7の関連動作を示すタイミング図である。
このように光書込装置のシャッタを制御することにより、従来複数のセンサを用いて制御していたのを、1個のセンサを用いてより速い制御を実現できる。
【0069】
上述した実施例によれば、インタロック手段がインタロックを解除し、制御に必要な電源以外の電源が遮断され、シャッタモータへの電流が断たれた際には、シャッタ開放動作及びシャッタ遮蔽動作を行わないので、インタロック解除時にシャッタが不完全な開閉状態になってしまうことを防止できる。
また、インタロック解除時に、シャッタ部材の初期位置の記憶情報を初期化することによって、記憶している初期位置の情報と実際のシャッタ部材の初期位置とが食い違った状態でシャッタの制御が行われないようにすることができる。
【0070】
シャッタ開放動作、シャッタ遮蔽動作、又はシャッタ部材の初期位置検知操作を一定回数行っても所望の結果が得られなかった時には異常を通知するので、それを表示パネルに表示してユーザに知らせることができる。上記一定回数(トライ回数)をユーザが任意に設定することができるので、待ち時間をユーザの希望に対応させることができる。
【0071】
〔光書込装置の第2実施例〕
次にこの発明による光書込装置の第2実施例を説明する。図15はその光書込装置の外観を示す斜視図であり、図4及び図5と同等な部分には同一の符号を付している。
この第2実施例の光書込装置2′において、光学ハウジング25側の構成は、図4及び図5によって説明した第1実施例の光書込装置2の光学ハウジング25側の構成と同じである。すなわち、光学ハウジング25の上面板25aに設けられた4個の主走査方向に細長い光射出窓25y,25c,25m,25kから各作像色毎の光ビームを射出し、図4に示した各作像色毎の像担持体1Y,1C,1M,1K上にそれぞれ光書込みを行う。
【0072】
そして、この光学ハウジング25の上面板25a上に、各光射出窓25y,25c,25m,25kを個別に開放及び遮蔽する4枚の長さが異なるシャッタ板(シャッタ部材)
30y,30c,30m,30kが順次重なって矢示A,B方向に所定のストロークでスライド可能に設けられている。上面板25aと各シャッタ板30y,30c,30m,30kとの間には、図5に示した係合片25dとスリット33のように矢示A,B方向への移動をガイドする手段が設けられているが、図示を省略している。
【0073】
この各シャッタ板30y,30c,30m,30kには、各光射出窓25y,25c,25m,25kに対応する位置に、それぞれその各光射出窓より大きい開口部31と、それに隣接した閉鎖部32とがそれぞれ形成されている。そして、各シャッタ板30y,30c,30m,30kがそれぞれ矢示A方向に移動したときには、各開口部31が各光射出窓25y,25c,25m,25k上の位置(光射出窓を開放する位置)になってシャッタが開いた図示の状態となり、矢示B方向に移動したときには、各閉鎖部32が各光射出窓25y,25c,25m,25kと重なる位置(光射出窓を遮蔽する位置)になってシャッタが閉じた状態となる。
【0074】
シャッタ板30y,30c,30mの上側に他のシャッタ板が重なる部分には、図15では見えないが、各光射出窓25c,25m,25kを常に開放する開口部が設けられている。
また、各シャッタ板30y,30c,30m,30kの幅方向の両端部と上面板25aとの間にそれぞれ引張りスプリング35を係着して、各シャッタ板30y,30c,30m,30kを常時矢示B方向(シャッタを閉じる方向)に付勢している。
【0075】
さらに、各シャッタ板30y,30c,30m,30kの矢示B方向の端部に円弧状の凹曲面を形成したカムフォロワ34y,34c,34m,34kを、幅方向の位置を順次ずらして延設している。
そして、各作像色毎にそれぞれ各シャッタ板30y,30c,30m,30kを駆動するシャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kを設けている。
【0076】
各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kは、いずれもシャッタモータ61と、その回転軸に固設したピニオンギア72とそれに噛み合って軸73を中心に回転する平歯車74と、その平歯車74上の偏心位置に立設したピンに回転自在に支持されたカムコロ66とによって構成されている。そして、その各カムコロ66が、各シャッタ板30y,30c,30m,30kのカムフォロワ34y,34c,34m,34kに形成された凹曲面にそれぞれ当接している。各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kは同じ構成であるから、図15ではスペースの関係で一部の符号は省略している。
【0077】
この平歯車74とカムコロ66とによって回転カム部材を構成している。シャッタ板30y,30c,30m,30kの矢示B方向への付勢力によって、カムフォロワ34y,34c,34m,34kと各カムコロ66は常に当接している。シャッタモータ61としてはDCモータを使用するとよい。
【0078】
各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kは、いずれもシャッタモータ61を駆動させることにより、ピニオンギア72の回転により平歯車74が回転する。その平歯車74の回転によりその上部に回転自在に支持されているカムコロ66の位置が変わる。カムコロ66の位置がピニオンギア72側に移動すると、引張りスプリング35の付勢力によってカムフォロワ34y,34c,34m,34kがそれに追従移動し、シャッタ板30y,30c,30m,30kが矢示B方向にスライド移動する。それによって、各閉鎖部32が各光射出窓25y,25c,25m,25kを遮蔽する位置になり、シャッタを閉じる。
【0079】
カムコロ66の位置がピニオンギア72と反対側(光学ハウジング25に近い側)に移動すると、カムコロ66によってカムフォロワ34y,34c,34m,34kが付勢力に抗して押し戻され、シャッタ板30y,30c,30m,30kが矢示A方向にスライド移動する。それによって、各開口部31が各光射出窓25y,25c,25m,25kを開放する位置になり、シャッタを開く。
【0080】
また、回転カム部材の位置、すなわちカムコロ66の位置(シャッタ板30y,30c,30m,30kの位置に対応する)を把握するために、図6及び図7に示したウォームホイール64に代えて各平歯車74の外周に沿って、周方向の長さが異なる薄板状の複数のセンサ遮蔽部材6A,6C,6E(総称してセンサ遮蔽部材6)を垂下して設けており、それを1個のシャッタセンサ7を用いて検出し、その遮蔽状況をモニタリングする。これらのセンサ遮蔽部材6A,6C,6E及びシャッタセンサ7は前述した第1実施例と同じであるが、各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kの平歯車74に関して設けている。
【0081】
この実施例では、複数(この例では4色)の各作像色毎に各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kを制御して、複数の各シャッタ部材であるシャッタ板30y,30c,30m,30kにより複数の各光射出窓25y,25c,25m,25kの開閉を個別に制御することができる。
なお、スペースが許せば、図15における各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kのピニオンギア72と平歯車74に代えて、第1実施例と同様にウォームギアとそれに噛み合って回転するウォームホイールを用いるとよい。その場合は各シャッタモータ61は横向きになる。
【0082】
図2に示したエンジン部5の書込み制御部50が他の各部と連携して実行する書込み制御とシャッタ制御動作(シャッタ制御手段の機能)について、図16〜図19のフローチャートによって説明する。
図16は、この第2実施例の光書込装置2′に対する書込み制御のメインルーチンの処理であり、第1実施例における図8によって説明したメインルーチンの処理に代わる処理である。
【0083】
図2に示したエンジン部5の書込み制御部50がコントローラ部4のコントロール部40から印刷開始を指示されると、この図16に示す書込み制御処理を開始して、ステップS61からS74を順次実行する。
この処理を開始すると、まずステップS61でポリゴンモータ12をONにした後、図15に示したシャッタモータ61を駆動させる前に、書込み制御部50はステップS62で求められている印刷カラーモードを確認する。自動カラー選択による印刷の場合も、自動選択した印刷カラーモードを確認する。
【0084】
そして、フルカラーモード印刷であればステップS63でYCMK全色のシャッタを開放対象に設定し、ステップS65で全ての光射出窓25y,25c,25m,25kに対するシャッタ開放動作を実行する。
【0085】
ステップS62でフルカラーモード印刷でない場合、すなわち、単色(モノクロ)モード印刷もしくは2色モード印刷など全色を使用しない印刷であった場合は、ステップS64でその要求されている作像色に対応するシャッタを開放対象に設定する。そして、ステップS65でその開放対象に設定されたシャッタ(例えば光射出窓25kを開放するシャッタのみ)に対するシャッタ開放動作を実行する。したがって、開放対象に設定されなかったシャッタ(使用しない昨像色のレーザビームを射出する光射出窓を遮蔽するシャッタ板)は開放せず、遮蔽状態のままになる。
なお、シャッタ開放動作のサブルーチンについては、図17によって後述する。
【0086】
シャッタ開放動作が完了するとステップS66で書込み処理を実行し、ステップS67で最終プロセスか否かを判断し、最終プロセスでなければ、ステップS68で次に求められている印刷カラーモードを確認し、今回の印刷要求と次回の印刷要求での作像色は異なるか否かを判断する。
作像色が同じであれば、シャッタ状態はそのままの状態でステップS66に戻って書込み処理からの処理をを繰り返す。作像色が異なる場合は、ステップS69で要求されている作像色以外のシャッタを遮蔽対象に設定し、ステップS70で新たに要求された作像色のシャッタを開放対象に設定する。
【0087】
そして、ステップS71で遮蔽対象に設定されたシャッタに対するシャッタ遮蔽動作を、ステップS72で開放対象に設定されたシャッタに対するシヤッタ開放動作を、それぞれ行った後ステップS66へ戻って、書込み処理からの処理を繰り返す。
ステップS67で最終プロセスであった場合は、ステップS73へ進んでポリゴンモータ12をOFFにし、ステップS74で開放しているシャッタに対してシャッタ遮蔽動作を行って、この書込み制御処理を終了する。
シャッタ遮蔽動作のサブルーチンについても、図18によって後述する。
【0088】
シャッタ開放動作のサブルーチンは図17に示す処理を、開放対象に設定されたシャッタに関する各シャッタ駆動手段(70y,70c,70m,70kの全て又はいずれか設定されたもの)に対して、並列にあるいは順次実行する。この図17に示す処理は、図11に示したシャッタ開放動作のサブルーチンとステッププS24B以外は同じであるから、各ステップに図11と同じステップ番号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0089】
ステップS19でシャッタセンサ7が露出状態(OFF)になり、ステップS20を一定回数以上通過した場合には、対応するシャッタの異常(光射出窓を開放すべきシャッタ板とそのシャッタ駆動手段等のハードウエアの異常)と判断して、ステップS24Bへ進んで、対応するシャッタの異常を図3に示したパネル表示部42に通知し、それを表示させる。
【0090】
シャッタ遮蔽動作のサブルーチンは図18に示す処理を、遮蔽対象に設定されたシャッタに関する各シャッタ駆動手段(70y,70c,70m,70kの全て又はいずれか設定されたもの)に対して、並列にあるいは順次実行する。この図18に示す処理は、図12に示したシャッタ遮蔽動作のサブルーチンとステッププS24B以外は同じであるから、各ステップに図12と同じステップ番号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0091】
ステップS39でシャッタセンサ7が遮蔽状態(ON)になり、ステップS40を一定回数以上通過した場合には、対応するシャッタの異常(光射出窓を遮蔽すべきシャッタ板とそのシャッタ駆動手段等のハードウエアの異常)と判断して、ステップS44Bへ進んで、対応するシャッタの異常を図3に示したパネル表示部42に通知し、それを表示させる。
【0092】
図17におけるステップS14及び図18におけるステップS34のイニシャライズ動作のサブルーチンの処理を図19に示す。このこのフロー図も図13に示したイニシャライズ動作のサブルーチとステッププS58B以外は同じであるから、各ステップに図13と同じステップ番号を付してあり、それらの説明は省略する。
このイニシャライズ動作では、ステップS55ON時間が120ms以上にならないことが一定回数以上になると、シャッタ開閉機構等のハードウエア異常と判断して、ステップS58Bへ進んで、対応するシャッタの異常を図3に示したパネル表示部42に通知し、それを表示させる。
【0093】
なお、このようなシャッタの作像色毎の個別制御については、ユーザが任意に実施要否を設定することができる。ユーザが実施否と設定した場合、フルカラーモードか否かに関わらず全色同時にシャッタ制御を実施する。さらに、前述した各ハードウェア異常が発生した際に、図2に示した書込み制御部50は、ハードウェア異常が発生したシャッタ部材の色情報をは図3のパネル表示部42に通知して表示させる。
【0094】
この実施例によれば、シャッタ制御手段である書込み制御部50は、複数の各作像色毎に各シャッタ駆動手段70y,70c,70m,70kを制御して、複数の各シャッタ部材であるシャッタ板30y,30c,30m,30kにより、複数の各光射出窓25c,25m,25kの開閉を制御することができる。
【0095】
そして、複数の各作像色のうちの一部の作像色による光書込み(モノクロモード、単色モード、二色モード等)が選択された場合には、使用しない作像色の光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を、それらの光射出窓を常時遮蔽させるように制御して、その各光射出窓に飛散トナーや粉塵が付着しないようにすることができる。
モノクロの光書込みが選択された場合には、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を、その光射出窓を常時遮蔽させるように制御することもできる。
【0096】
また、モノクロモード又は単色モード印刷時に、それらのモードで使用する作像色に応じたシャッタ部材のみを開くかどうかを、ユーザが図2及び図3に示した操作部41から指定することができる。
色印刷など複数の色を用いるが全ての色を用いない印刷において、使用しない作像色の光射出窓を開閉するシャッタ部材を閉じるかどうかを、ユーザが図2及び図3に示した操作部41から指定することができる。
このような各作像色毎のシャッタ制御動作において、シャッタ制御に失敗した際に、対応する作像色のシャッタに関する異常として表示すれば、ユーザはどの色に関するシャッタ制御に異常が発生したのかを容易に知ることができる。
【0097】
この発明は上述した実施例に限るものではなく、特許請求の範囲で規定する範囲で種々の変更が可能であり、実施例で説明した構成を全て備える必要もないことは言うまでもない。例えば、シャッタ駆動手段の回転カム部材は、上述の実施例で説明したウオームホイール又は平歯車とカムコロに限るものではなく、種々の回転カム部材を使用することができる。作像色が4色の場合の例について説明したが、これに限るものではなく、2色又は3色あるいは5色以上の場合でも実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
この発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、印刷機、デジタル複合機(MFP)等の電子写真方式のモノクロ及びカラーの画像形成装置に利用でき、光ビームを射出する光射出窓を開放及び遮蔽するシャッタ部材を備えた光書込装置に適用すると有効である。
【符号の説明】
【0099】
1Y,1C,1M,1K:感光体ドラム(像担持体)
2,2′:光書込装置 4:コントローラ部 5:エンジン部
6,6A,6C,6E:センサ遮蔽部材 7:シャッタセンサ
8:搬送ローラ対 10Y,10C,10M,10K:作像プロセス部
11:中間転写ベルト 12a,12b:ポリゴンミラー 13:給紙カセット 14:給紙ローラ 15:レジストローラ対 16:中間転写ユニット
17Y、17C、17M、17K:1次転写バイアスローラ
18:クリーニング装置 19:駆動ローラ(2次転写バックアップローラ)
【0100】
20:従動ローラ(クリーニングバックアップローラ) 21:テンションローラ 22:2次転写ローラ 23:定着装置 24:排紙ローラ対
25:光学ハウジング 25y,25c,25m,25k:光射出窓
25a:上面板 25b:突条 25d:係合片
26Y、26C、26M、26K:トナーボトル
27:スタック部 28:fθレンズ
30,30y,30c,30m,30k:シャッタ板(シャッタ部材)
31:開口部 32:閉鎖部 33:被係止部 33a:スロット
34,34y,34c,34m,34k:カムフォロワ 34a:凹曲面
35:引張りスプリング
【0101】
40:コントロール部 41:操作部 42:パネル表示部
50:書込み制御部 51:NVRAM制御部 52:モータ制御部52
53:センサ検知部, 54:インタロックスイッチ
61:シャッタモータ 62:ウォームギア 63:軸
64:ウォームホイール 65:ピン 66:カムコロ
70y,70c,70m,70k:シャッタ駆動手段 72:ピニオンギア
73:平歯車
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2007−245480号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光ビーム発生手段を備えた光学ハウジングに該光ビーム発生手段によって発生した光ビームを射出させる光射出窓を有し、該光射出窓を透過して射出する光ビームによって像担持体上に光書込みを行う光書込装置において、
前記光学ハウジングに対して、前記光射出窓を開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能なシャッタ部材を設けるとともに、
該シャッタ部材を移動させる回転カム部材を有するシャッタ駆動手段と、
前記回転カム部材の周囲に沿って間隔を置いて設けた周方向の長さが異なる複数の遮光部材と、
前記回転カム部材の回転時に前記各遮光部材の通過を検知するフォトセンサと、
前記フォトセンサが予め前記複数の遮光部材のうちの特定の遮光部材の通過を検知することによって、前記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶し、以後はその記憶した初期位置の情報と前記フォトセンサによる実際の前記遮光部材の検知情報とによって前記シャッタ駆動手段を制御して、前記シャッタ部材による前記光射出窓の開閉を制御するシャッタ制御手段と
を設けたことを特徴とする光書込装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光書込装置において、
光ビーム発生手段が複数の各作像色毎の光ビームを発生する手段であり、前記光学ハウジングが、前記光ビーム発生手段によって発生した各作像色毎の光ビームをそれぞれ射出させる複数の光射出窓を有し、該各光射出窓を透過して射出する各光ビームによって各作像色毎の像担持体上にそれぞれ光書込みを行う光書込装置であって、
前記シャッタ部材を、前記光学ハウジングの前記複数の各光射出窓をそれぞれ開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能に複数設けるとともに、
前記複数の各シャッタ部材に対して、前記回転カム部材を有するシャッタ駆動手段と前記複数の遮光部材と前記フォトセンサとをそれぞれ設け、
前記シャッタ制御手段は、前記複数の各作像色毎に前記各シャッタ駆動手段を制御して、前記複数の各シャッタ部材により前記複数の各光射出窓の開閉を制御することを特徴とする光書込装置。
【請求項3】
前記シャッタ制御手段は、前記複数の各作像色のうちの一部の作像色による光書込みが選択された場合には、使用しない作像色の光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材を、前記光射出窓を常時遮蔽させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の光書込装置。
【請求項4】
前記シャッタ制御手段は、モノクロの光書込みが選択された場合には、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材を、前記光射出窓を常時遮蔽させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の光書込装置。
【請求項5】
前記シャッタ制御手段は、前記フォトセンサが予め前記複数の遮光部材のうちの特定の遮光部材の通過を検知したか否かを、前記フォトセンサが前記遮光部材の通過を継続して検知した時間が予め設定した時間以上であるか否かによって判断する手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光書込装置。
【請求項6】
前記シャッタ制御手段は、前記シャッタ部材に前記光射出窓を開放させる開放動作又は遮蔽させる遮蔽動作を行った際に、前記シャッタ駆動手段の停止時における前記フォトセンサの検知状態を判断し、その判断の結果が所要の状態でなかった場合には、所要の状態になるかあるいは所要の状態でない判断結果が予め定めた一定回数になるまで、前記開放動作又は遮蔽動作を繰り返し実行する手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光書込装置。
【請求項7】
前記シャッタ制御手段は、前記予め定めた一定回数だけ前記開放動作又は遮蔽動作を行っても前記判断の結果が所要の状態でなかった場合には異常を通知する手段を有することを特徴とする請求項6に記載の光書込装置。
【請求項8】
前記一定回数をユーザに指定させて記憶する手段を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の光書込装置。
【請求項9】
前記シャッタ制御手段は、前記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を行った際に、前記特定の遮光部材の通過を検知できなかった場合には、該特定の遮光部材の通過を検知できるか、検知できないことが予め定めた一定回数になるまで、前記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を繰り返し実行する手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光書込装置。
【請求項10】
前記シャッタ制御手段は、前記予め定めた一定回数だけ前記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を行っても前記特定の遮光部材の通過を検知できなかった場合には異常を通知する手段を有することを特徴とする請求項9に記載の光書込装置。
【請求項11】
前記一定回数をユーザに指定させて記憶する手段を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の光書込装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の光書込装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、開閉可能なドア又はカバーのいずれかが開いたときにインタロックを解除して、制御に必要な電源以外の電源を遮断するインタロック手段を備え、
前記光書込装置の前記シャッタ制御手段は、前記インタロック手段がインタロックを解除している場合には、前記シャッタ部材に前記光射出窓を開放させる開放動作又は遮蔽させる遮蔽動作を実行しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
前記光書込装置のシャッタ制御手段は、前記インタロック手段がインタロックを解除したときには、前記シャッタ部材の初期位置の記憶情報を初期化する手段を有することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
請求項2に記載の光書込装置と自動カラー選択手段とを備えた画像形成装置であって、
前記シャッタ制御手段は、カラー印刷を行う場合には、前記複数の各シャッタ部材により前記複数の各光射出窓を画像形成時にのみ開放するように制御し、モノクロ印刷を行う場合には、モノクロの光書込みに使用する光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材により、該光射出窓を画像形成時にのみ開放するように制御し、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材を、該各光射出窓を常時遮蔽させるように制御することを特徴とする光書込装置。
【請求項1】
内部に光ビーム発生手段を備えた光学ハウジングに該光ビーム発生手段によって発生した光ビームを射出させる光射出窓を有し、該光射出窓を透過して射出する光ビームによって像担持体上に光書込みを行う光書込装置において、
前記光学ハウジングに対して、前記光射出窓を開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能なシャッタ部材を設けるとともに、
該シャッタ部材を移動させる回転カム部材を有するシャッタ駆動手段と、
前記回転カム部材の周囲に沿って間隔を置いて設けた周方向の長さが異なる複数の遮光部材と、
前記回転カム部材の回転時に前記各遮光部材の通過を検知するフォトセンサと、
前記フォトセンサが予め前記複数の遮光部材のうちの特定の遮光部材の通過を検知することによって、前記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶し、以後はその記憶した初期位置の情報と前記フォトセンサによる実際の前記遮光部材の検知情報とによって前記シャッタ駆動手段を制御して、前記シャッタ部材による前記光射出窓の開閉を制御するシャッタ制御手段と
を設けたことを特徴とする光書込装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光書込装置において、
光ビーム発生手段が複数の各作像色毎の光ビームを発生する手段であり、前記光学ハウジングが、前記光ビーム発生手段によって発生した各作像色毎の光ビームをそれぞれ射出させる複数の光射出窓を有し、該各光射出窓を透過して射出する各光ビームによって各作像色毎の像担持体上にそれぞれ光書込みを行う光書込装置であって、
前記シャッタ部材を、前記光学ハウジングの前記複数の各光射出窓をそれぞれ開放する位置と遮蔽する位置とに移動可能に複数設けるとともに、
前記複数の各シャッタ部材に対して、前記回転カム部材を有するシャッタ駆動手段と前記複数の遮光部材と前記フォトセンサとをそれぞれ設け、
前記シャッタ制御手段は、前記複数の各作像色毎に前記各シャッタ駆動手段を制御して、前記複数の各シャッタ部材により前記複数の各光射出窓の開閉を制御することを特徴とする光書込装置。
【請求項3】
前記シャッタ制御手段は、前記複数の各作像色のうちの一部の作像色による光書込みが選択された場合には、使用しない作像色の光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材を、前記光射出窓を常時遮蔽させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の光書込装置。
【請求項4】
前記シャッタ制御手段は、モノクロの光書込みが選択された場合には、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材を、前記光射出窓を常時遮蔽させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の光書込装置。
【請求項5】
前記シャッタ制御手段は、前記フォトセンサが予め前記複数の遮光部材のうちの特定の遮光部材の通過を検知したか否かを、前記フォトセンサが前記遮光部材の通過を継続して検知した時間が予め設定した時間以上であるか否かによって判断する手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光書込装置。
【請求項6】
前記シャッタ制御手段は、前記シャッタ部材に前記光射出窓を開放させる開放動作又は遮蔽させる遮蔽動作を行った際に、前記シャッタ駆動手段の停止時における前記フォトセンサの検知状態を判断し、その判断の結果が所要の状態でなかった場合には、所要の状態になるかあるいは所要の状態でない判断結果が予め定めた一定回数になるまで、前記開放動作又は遮蔽動作を繰り返し実行する手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光書込装置。
【請求項7】
前記シャッタ制御手段は、前記予め定めた一定回数だけ前記開放動作又は遮蔽動作を行っても前記判断の結果が所要の状態でなかった場合には異常を通知する手段を有することを特徴とする請求項6に記載の光書込装置。
【請求項8】
前記一定回数をユーザに指定させて記憶する手段を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の光書込装置。
【請求項9】
前記シャッタ制御手段は、前記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を行った際に、前記特定の遮光部材の通過を検知できなかった場合には、該特定の遮光部材の通過を検知できるか、検知できないことが予め定めた一定回数になるまで、前記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を繰り返し実行する手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光書込装置。
【請求項10】
前記シャッタ制御手段は、前記予め定めた一定回数だけ前記シャッタ部材の初期位置を認識して記憶する処理を行っても前記特定の遮光部材の通過を検知できなかった場合には異常を通知する手段を有することを特徴とする請求項9に記載の光書込装置。
【請求項11】
前記一定回数をユーザに指定させて記憶する手段を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の光書込装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の光書込装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、開閉可能なドア又はカバーのいずれかが開いたときにインタロックを解除して、制御に必要な電源以外の電源を遮断するインタロック手段を備え、
前記光書込装置の前記シャッタ制御手段は、前記インタロック手段がインタロックを解除している場合には、前記シャッタ部材に前記光射出窓を開放させる開放動作又は遮蔽させる遮蔽動作を実行しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
前記光書込装置のシャッタ制御手段は、前記インタロック手段がインタロックを解除したときには、前記シャッタ部材の初期位置の記憶情報を初期化する手段を有することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
請求項2に記載の光書込装置と自動カラー選択手段とを備えた画像形成装置であって、
前記シャッタ制御手段は、カラー印刷を行う場合には、前記複数の各シャッタ部材により前記複数の各光射出窓を画像形成時にのみ開放するように制御し、モノクロ印刷を行う場合には、モノクロの光書込みに使用する光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材により、該光射出窓を画像形成時にのみ開放するように制御し、カラーの光書込みにのみ使用する作像色の光ビームを射出する前記光射出窓を開放及び遮蔽する前記シャッタ部材を、該各光射出窓を常時遮蔽させるように制御することを特徴とする光書込装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−215561(P2011−215561A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135426(P2010−135426)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]