光結合方法
【課題】光デバイス同士又は光デバイスの構成部品同士を容易に且つ高精度に光結合することができる光結合方法を提供する。
【解決手段】光デバイスを構成する第1の構成部品210の凹部の縁部近傍の高台部分に、X軸方向に沿って複数の導電パターン211a,211bを形成する。また、光デバイスを構成する第2の構成部品220の下面のエッジ部に、X軸方向に沿って導電パターン221a,221bを形成する。導電パターン211aと導電パターン221aとが最適な状態で接触して端子212a間に電流が流れるように、第2の構成部品220の角度θzを調整する。更に、導電パターン211bと導電パターン221bとが接触するように第2の構成部品220を移動させ、角度θxを調整する。
【解決手段】光デバイスを構成する第1の構成部品210の凹部の縁部近傍の高台部分に、X軸方向に沿って複数の導電パターン211a,211bを形成する。また、光デバイスを構成する第2の構成部品220の下面のエッジ部に、X軸方向に沿って導電パターン221a,221bを形成する。導電パターン211aと導電パターン221aとが最適な状態で接触して端子212a間に電流が流れるように、第2の構成部品220の角度θzを調整する。更に、導電パターン211bと導電パターン221bとが接触するように第2の構成部品220を移動させ、角度θxを調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイス同士又は光デバイスを構成する構成部品同士を位置合わせして光結合する光結合方法に関し、特にあおり方向の位置合わせを容易に且つ高精度に行うことができる光結合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信は高速且つ大容量の信号伝送に適しており、長距離の基幹通信システムでは既に実用化されている。このような通信システムにおいて、信号の伝送経路を切換える信号切換装置は必須のデバイスである。従来の通信システムでは、光信号を一旦電気信号に変換してから半導体スイッチで信号の伝送経路を切換え、その後再び光信号に変換する方式が広く使用されていた。しかし、近年、光通信のより一層の高速化及び大容量化が進んでいるため、半導体スイッチでは対応できなくなってきている。そこで、光信号のままで伝送経路の切換えができる光スイッチの開発が進められている。
【0003】
本願発明者等は、特許文献1において、電気光学効果を利用して光信号の伝送経路を切換える光スイッチを提案している。図1(a)はその光スイッチを示す平面図、図1(b)は図1(a)のI−I線による断面図である。
【0004】
この光スイッチは、入射側光導波路部101、コリメート部102、入射側光偏向素子部103、共通導波路104、出射側光偏向素子部105、集光部106及び出射側光導波路部107により構成されている。入射側光導波路部101、コリメート部102、共通導波路104、集光部106及び出射側光導波路部107は、基板100上に光学膜を積層することにより形成されている。また、入射側光偏向素子部103及び出射側光偏向素子部105は、電気光学効果を示す材料を用いて形成された後、基板100上に搭載される。
【0005】
入射側光導波路部101は、n本(図1に示す例では、n=4)の光導波路(コア層)101aと、これらの光導波路101aを被覆して屈折率の差により光信号を光導波路101a内に閉じ込めるクラッド層101bとにより構成されている。出射側光導波路部107も、これと同様に、複数本の光導波路(コア層)107aと、これらの光導波路107aを被覆して屈折率の差により光信号を光導波路107a内に閉じ込めるクラッド層107bとにより構成されている。
【0006】
コリメート部102は、n組のコリメートレンズ102aにより構成されている。これらのコリメートレンズ102aは、コア層とそのコア層を上下方向から挟むクラッド層とを所定の形状にパターニングして形成されている。光導波路101aから出射された光は放射状に広がるが、コリメートレンズ102aによってほぼ平行光となる。
【0007】
入射側光偏向素子部103にはn組の光偏向素子103aが設けられている。各光偏向素子103aは光導波路を上下方向から挟む一対の少なくとも一方が楔状の電極を有しており、電気光学効果を利用して光信号の伝搬方向を変更する。この例では、光偏向素子103aに各伝送経路に沿ってn組の楔状電極が向きを交互に変えて配置されている。
【0008】
共通導波路104は、薄膜状のコア層と、そのコア層を上下方向から挟むクラッド層とからなるスラブ(slab)導波路で構成されている。この共通導波路104には入射側光偏向素子部103から出力された複数の光信号が同時に通るが、これらの光信号は共通導波路104内を決められた方向に直進するので、他の光信号と干渉することなく出射側光偏向素子部105に伝達される。
【0009】
出射側光偏向素子部105にはm組(図1に示す例では、m=4)の楔状電極を形成した光偏向素子105aが設けられている。これらの光偏向素子105aは、共通導波路104を通って光偏向素子105aに到達した光を、光導波路107aに平行な方向に偏向する。この出射側光偏向素子部105は、入射側光偏向素子部103と同様の構造を有している。
【0010】
集光部106は、m組の集光レンズ106aにより構成されている。これらの集光レンズ106aも、コリメートレンズ103aと同様に、コア層とそのコア層を上下方向から挟むクラッド層とを所定の形状にパターニングして形成されている。これらの集光レンズ106aは、光偏向素子105aを通過した光を集光して光導波路107に導くという働きがある。
【0011】
このように構成された光スイッチにおいて、光偏向素子103a,105aに電圧が印加されていないときには、i番目(iは1〜nの任意の整数)の光導波路101aに入射された光信号は、コリメートレンズ102aにより平行光に変換された後、光偏向素子103a、共通導波路104及び光偏向素子105aを直進し、集光レンズ106aにより集光されて、i番目の光導波路107aに伝達される。
【0012】
一方、光偏向素子103a,105aに所定の電圧を印加すると、i番目の光導波路101aに入射された光信号は、光偏向素子103aで電圧に応じた角度で進行方向が曲げられる。そして、共通導波路104を直進し、j番目(jは1〜mの任意の整数、但し、i≠j)の光偏向素子105aに伝達される。その後、この光偏向素子105aにより屈折され、j番目の集光レンズ106aを通ってj番目の光導波路107aに伝達される。
【0013】
その他、本発明に関係する従来技術として、特許文献2に記載されたものがある。
【特許文献1】特開2002−318398号公報
【特許文献2】特開2000−241637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
一般的に、光通信システムは、光ファイバ、光スイッチ及びその他の光デバイスを光結合して構成されている。また、図1(a),(b)に示すように、複数の構成部品を光結合して形成された光デバイスも存在する。そのため、光通信システムを構築するためには、光デバイス同士又は構成部品同士を高精度に位置合わせすることが重要である。例えば、図1(a),(b)に示す光スイッチでは、光偏向素子部103,105を、光導波路101a,107a、コリメートレンズ102a及び集光レンズ106aに対し位置合わせしながら基板100上に搭載する必要がある。
【0015】
複数の構成部品を組み合わせて光デバイスを形成する場合に、各構成部品に予め位置合わせマーク(アライメントマーク)を設けておき、それらの位置合わせマークを用いて各構成部品の位置合わせを行うことが考えられる。しかし、この方法では、図2に示す水平方向(X軸方向及びZ軸方向:本願では慣例に従い、Z軸は光の伝搬方向とする)及びY軸を中心とする回転方向(θy方向)の位置合わせは可能であるものの、あおり方向、すなわちX軸を中心とする回転方向(θx方向)及びZ軸を中心とする回転方向(θz方向)の位置合わせを行うことは困難である。
【0016】
前述の特許文献2には、各光デバイス構成部品にそれぞれ位置合わせ用チャネル導波路を形成しておき、それらの位置合わせ用チャネル導波路に光を通して結合損失が最小となるように各構成部品を位置合わせすることが記載されている。しかしながら、特許文献2に記載された方法では、軸方向(X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向)と、回転方向(θx方向、θy方向及びθz方向)とを同時に調整する必要があり、操作が複雑になって位置合わせに要する時間が長くなるという欠点がある。
【0017】
また、図1(a),(b)に示すようにスラブ導波路を用いた光デバイスでは、この方法を採用することは困難である。すなわち、特許文献2に記載された技術では、光デバイスを構成する各構成部品にそれぞれ位置合わせ用チャネル導波路を形成する必要がある。しかし、スラブ導波路中に位置合わせ用チャネル導波路を形成するためには、多くの工程を追加する必要がある。また、電気光学材料を用いた光デバイスでは、チャネル導波路の形成は技術的な難度が極めて高い。
【0018】
更に、以下に示す問題点もある。すなわち、スラブ導波路は横方向の光の閉じ込めがないため、通常は横方向(図2に示すX軸方向)の位置合わせが不要である。しかし、特許文献2に記載された技術では、スラブ導波路を有する構成部品にもチャネル導波路を形成してそのチャネル導波路を他の構成部品のチャネル導波路と高精度に位置合わせする必要があるので、位置合わせが容易であるというスラブ導波路の利点が失われてしまう。
【0019】
以上から、本発明の目的は、光デバイス同士又は光デバイスの構成部品同士を容易に且つ高精度に光結合することができる光結合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一観点によれば、第1の光学部材の上面のエッジ近傍に相互に離隔した複数の第1の導電パターンを形成し、第2の光学部材の下面のエッジ近傍に前記第1の導電パターンに対し相補的な関係を有する第2の導電パターンを形成し、前記第2の光学部材の下面の前記エッジ近傍の部分を前記第1の光学部材の上面の前記エッジ近傍の部分に突き当て、前記第2の導電パターンにより前記複数の第1の導電パターン間が電気的に接続されるように前記第2の光学部材の角度を調整し、前記第2の光学部材の角度を調整した状態で前記第2の光学部材を所定の位置に配置して、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを固定する光結合方法が提供される。
【0021】
第1の光学部材(光デバイス又は光デバイスの構成部品)と第2の光学部材(光デバイス又は光デバイスの構成部品)とを光結合させる場合、第1の光学部材に対する第2の光学部材の角度(あおり角)を調整する必要がある。この場合、例えば、第1の光学部材の平坦面に第2の光学部材の下面全体を突き当てて、第2の光学部材の角度を決定することが考えられる。しかしながら、この方法では、第1及び第2の光学部品に反りや変形が発生していたり、異物による突起などがあると、第2の光学部材の角度にずれが発生し、良好な光結合を得ることができない。
【0022】
これに対し、本発明においては、前記第1の光学部材のエッジ近傍の面に第2の光学部材のエッジ近傍の面を突き当てて前記第1の光学部材に対する前記第2の光学部材の傾きを補正するので、反りや変形、及び異物による突起などの影響を受けるおそれが少なく、高精度な位置合わせ(光結合)が可能になる。
【0023】
そして、本発明においては、第1の光学部材の上面のエッジ近傍に形成された第1の導電パターンと、第2の光学部材の下面のエッジ近傍に形成された第2の導電パターンとを接触させる。これにより、第1の光学部材の上面のエッジ近傍の面と第2の光学部材の下面のエッジ近傍の面とが良好な状態で接触しているか否かを電気的に検出することができる。その結果、第1の光学部材に対する第2の光学部材の角度を容易に且つ高精度に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。ここでは、図3に示すように、光デバイスを構成する2つの構成部品210,220のあおり方向(θx方向及びθz方向)の位置合わせ(光結合)を行う場合について説明する。第1の構成部品210には凹部が設けられており、この凹部内に第2の構成部品220が適正に配置されると、第1の構成部品210の導波路(図示せず)と第2の構成部品220の導波路(図示せず)とが光結合するようになっている。
【0026】
図3に示すように、第1の構成部品210の凹部近傍の高台縁部には、予め幅方向(X方向)に沿って2組の導電パターン211a,211bが形成されている。この図3に示すように、一方の組の導電パターン211aは凹部の右側の縁部(エッジ)に沿って相互に離隔して配置され、他方の組の導電パターン211bは凹部の左側の縁部(エッジ)に沿って相互に離隔して配置されている。導電パターン211aのうち幅方向(X軸方向)の最も外側に配置された導電パターン211aには端子212aが接続されている。これと同様に、導電パターン211bのうち幅方向(X軸方向)の最も外側に配置された導電パターン211bには、端子212bが接続されている。
【0027】
また、第2の構成部品220の裏面側の縁部(Z軸方向の両端部)にも、幅方向(X軸方向)に沿って複数の導電パターン221a,221bが形成されている。図3に示すように、導電パターン221aは導電パターン211aに対向する側に配置され、導電パターン221bは導電パターン211bに対向する側に配置されている。
【0028】
第1の構成部品210の導電パターン211aと第2の構成部品220の導電パターン221aとは相補的な関係を有している。すなわち、これらの導電パターン211a,221aが最適な状態で重なり合うと、幅方向(X軸方向)につながって1本の配線を構成し、2つの端子212a間に電気が通るようになっている。これと同様に、第1の構成部品210の導電パターン211bと第2の構成部品220の導電パターン221bとは相補的な関係を有している。これらの導電パターン211b,221bが最適な状態で重なり合うと、幅方向(X軸方向)につながって1本の配線を構成し、2つの端子212b間に電気が通るようになっている。
【0029】
図4〜図7は、あおり角θx、θzの調整方法を示す図である。まず、図4に示すように、第1の構成部品210を固定ステージ230上に載置し、2つの端子212aの間に導通メータ233を接続する。また、第2の構成部品220を、制御部231により制御される電動の精密移動ステージ232の下に保持する。この移動ステージ232は、制御部231からの信号に応じて第2の構成部品220をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させることが可能であるとともに、θx方向、θy方向及びθz方向に一定の角度だけ回転させることができる。
【0030】
移動ステージ232には、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置(座標)を検出することができる位置検出機能(エンコーダ又はパルスモータ駆動回路のパルスカウンタ等:図示せず)と、θx、θy,θz方向の角度を検出する角度検出機能(エンコーダ又はパルスモータ駆動回路のパルスカウンタ等:図示せず)とが設けられている。これらの位置検出機能及び角度検出機能から出力される信号は、制御部231に入力される。
【0031】
上述した精密移動ステージ232に第2の構成部品220を保持した後、制御部231を介して精密移動ステージ232を制御し、第2の構成部品220の長さ方向(Z軸方向)の端面のエッジと第1の構成部品210の凹部のエッジとを向かい合わせ、両者が平行となるようにθy方向の角度を調整する。その後、図5に示すように、移動ステージ232を制御して、第1の構成部品210の導電パターン211aの上方に第2の構成部品220の導電パターン221aが位置するように、第2の構成部品220を水平方向(X軸方向及びZ軸方向)に移動させる。
【0032】
次いで、図6に示すように、高さ方向(Y軸方向)の位置とθz方向の角度とを調整して、第1の構成部品210の導電パターン211aと第2の構成部品220の導電パターン221aとを重ね合わせる。なお、図6は図5に矢印Aで示す方向から見たときの側面図を示している。
【0033】
導電パターン211aと導電パターン221aとが隙間なく重なると、導通メータ233の値が変化する。これにより、導電パターン211aと導電パターン221aとが接触したことがわかる。導電パターン211aと導電パターン221aとが隙間なく重なったときは、第1の構成部品210のあおり角θzと第2の構成部品220のあおり角θzとが一致したことを意味している。このときのY軸方向の位置(座標)を、制御部231に記憶させておく。また、精密移動ステージ232のあおり角θzを固定する。
【0034】
なお、第1の構成部品210と第2の構成部品220とが接触しても導通メータ233の値が変化しないときは、θzの角度が適正でないので、θzの角度を変更して再度第2の構成部品220を第1の構成部品210に接触させる。
【0035】
このようにして角度θzを調整した後、次に2つの端子212b間に導通メータ233を接続する。そして、図7に示すように、第1の構成部品210の導電パターン211bの上方に第2の構成部品220の導電パターン221bが位置するように、精密移動ステージ232により第2の構成部品220を移動させる。その後、上記と同様にして、第1の構成部品210の導電パターン211bと第2の構成部品220の導電パターン221bとが重なり合うように、移動ステージ232のY軸方向(高さ方向)の位置を調整する。導電パターン211bと導電パターン221bとが重なり合うと、2つの端子212b間に電流が流れ、導通メータ233の値が変化する。このときのY軸方向の位置(座標)を制御部231に記憶させる。
【0036】
このようにして、導電パターン211aと導電パターン221aとを接触させたときのY軸方向の座標と、導電パターン221bと導電パターン221bとを接触させたときのY軸方向の座標を測定すると、それらの差から第2の構成部品220がX軸を中心にどれだけ回転しているか、すなわち第1の構成部品210に対する第2の構成部品220のあおり角θxを演算することができる。その演算結果を基に、第2の構成部品220のあおり角θxを調整する。
【0037】
上述したようにして第2の構成部品220のあおり角θx及びθzを調整した後、第2の構成部品220を第1の構成部品210の凹部内に移動させて、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びθy方向を調整する。X軸方向、Z軸方向及びθy方向は、例えば予め第1の構成部品210及び第2の構成部品220にそれぞれ位置合わせ用マークを設けておき、それらの位置合わせマークが一致するように第2の構成部品220を移動させることにより行う。また、Y軸方向の調整は、例えば第1の構成部品210の一方の面側から導波路内に光を入射し、第2の構成部品220の導波路を通過して第1の構成部品210の他方の面から出射する光の光量を測定し、その光量が最大となるように第2の構成部品220をY軸方向に移動させることにより行う。
【0038】
このようにして第1の構成部品210に対する第2の構成部品220の最適位置が決定したら、第1の構成部品210と第2の構成部品220との隙間に光学接着剤を注入して両者を接合する。これにより、第1の構成部品210と第2の構成部品220との位置合わせ(光結合)が完了する。
【0039】
このように、本実施形態では、第1及び第2の構成部品210,220に相補的に設けられた導電パターン211a,211b,221a,221bを使用し、導電メータ233により導通を調べて第2の構成部品220のあおり角θz,θxを調整するので、あおり角θz,θxの調整を容易に且つ高精度に行うことができる。
【0040】
なお、第2の構成部品220全体を第1の構成部品210の平滑な面に突き当てて第2の構成部品220のあおり角θz,θxを調整することも考えられる。しかし、その場合は構成部品210,220の反りや変形、及び異物による突起などが障害となって、第1の構成部品210と第2の構成部品220とを高精度に光結合できないことがある。
【0041】
一方、本実施形態では、エッジ近傍のみを使用して第1の構成部品210と第2の構成部品220との位置合わせを行うので、構成部品210,220の反りや変形、及び異物による突起などの影響を受けるおそれが少なく、高精度な位置合わせ(光結合)が可能になる。
【0042】
なお、構成部品に反りや変形、及び異物による突起などがあっても高精度な位置合わせを行うために、配線パターン211a,211b,221a,221bの少なくとも一部を導電性ペースト等の軟質な材料により形成することが好ましい。
【0043】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【0044】
第1の実施形態では第1及び第2の構成部品にそれぞれ幅方向(X軸方向)に延びる導電パターンを形成したが、本実施形態では長さ方向(Z軸方向)に延びる導電パターンを形成し、それらの導電パターンを用いてあおり角θx,θzを調整する。
【0045】
すなわち、図8に示すように、第1の構成部品250には凹部が設けられており、この凹部内に第2の構成部品260が適正に配置されると、第1の構成部品250の導波路(図示せず)と第2の構成部品260の導波路(図示せず)とが光結合するようになっている。
【0046】
第1の構成部品250の幅(X軸方向の長さ)は、第2の構成部品260の幅(X軸方向の長さ)よりも広くなっており、第1の構成部品250の幅方向(X軸方向)の両端部では、凹部の幅(Z軸方向の長さ)が第2の構成部品260を配置する部分の幅(Z軸方向の長さ)よりも狭くなっている。また、第1の構成部品250の幅方向(X軸方向)の端部の高台部分には、凹部を挟んで配置された2組の導電パターン251a,251bが形成されている。ここで、図8に示すように、導電パターン251aは一方の端部側(手前側)に凹部を挟んで配置された一対のパターンであり、導電パターン251bは他方の端部側(奥側)に凹部を挟んで配置された一対のパターンである。
【0047】
第2の構成部品260の下面の幅方向(X軸方向)の端部には、長さ方向(Z軸方向)に延びる導電パターン261a,261bが設けられている。図8に示すように、導電パターン261aは一方の端部側(手前側)に配置されており、導電パターン261bは他方の端部側(奥側)に配置されている。導電パターン261aの長さは第1の構成部品250の2つの導電パターン251a間の間隔よりも長く設定され、導電パターン261bの長さは第1の構成部品250の2つの導電パターン251b間の間隔よりも長く設定されている。
【0048】
導電パターン251aと導電パターン561aとは相補的な関係を有しており、これらの導電パターン251a,261aが最適な状態で重なり合うと、2つの導電パターン251a間が電気的に接続される。これと同様に、導電パターン251bと導電パターン261bとは相補的な関係を有しており、これらの導電パターン251b,261bが最適な状態で重なり合うと、2つの導電パターン251b間が電気的に接続される。
【0049】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様にして第2の構成部品260のあおり角θx,θzを調整するので、ここではその詳細な説明を省略する。但し、本実施形態では、導電パターン252a,251b及び導電パターン261a,261bが幅方向(X軸方向)の両端部に配置されているので、図9に示すようにあおり角θxを調整してからあおり角θzを調整する点が第1の実施形態と異なる。なお、図9は、図8の矢印Bで示す方向から見たときの側面図を示している。
【0050】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【0052】
第1の構成部品310には凹部が設けられており、この凹部内に第2の構成部品320が適正に配置されると、第1の構成部品310の導波路(図示せず)と第2の構成部品320の導波路(図示せず)とが光結合するようになっている。
【0053】
第1の構成部品310の幅(X方向の長さ)は、第2の構成部品320の幅よりも長くなっている。また、第1の構成部品310の幅方向の一方の端部側(図10では手前側)では、凹部の幅(X軸方向の長さ)が第2の構成部品320を配置する部分よりも狭くなっている。そして、第1の構成部品310の高台部分には、この狭くなった凹部を挟んで、一対の導電パターン311aが形成されている。更に、第1の構成部品310の凹部の一方のエッジ(図10では右側のエッジ)の縁部近傍の高台部分には、幅方向(X軸方向)に沿って複数の導電パターン311bが形成されている。
【0054】
第2の構成部品320の下面の幅方向(X軸方向)の一方の端部(図10では手前側)には、長さ方向(Z軸方向)に延びる導電パターン321aが形成されている。また、第2の構成部品320の長さ方向(Z軸方向)の一方の端部(図10では右側)には、幅方向(X軸方向)に沿って複数の導電パターン321bが形成されている。
【0055】
第1の構成部品310の導電パターン311aと第2の構成部品320の導電パターン321aとは相補的な関係を有しており、これらの導電パターン311a,321aが最適な状態で重なり合うと、長さ方向(Z軸方向)につながって1本の配線を構成するようになっている。また、第1の構成部品310の導電パターン311bと第2の構成部品320の導電パターン321bとは相補的な関係を有しており、これらの導電パターン311b,321bが最適な状態で重なり合うと、幅方向(X軸方向)につながって1本の配線を構成するようになっている。
【0056】
本実施形態においては、第1の実施形態と同様にして、第1の構成部品310を固定ステージ上に載置し、第2の構成部品320を精密移動ステージの下に保持する(図4参照)。そして、精密ステージにより、導電パターン311a,321aに電気が通じるように、第2の構成部品320の位置を調整する。導電パターン311aと導電パターン321aとが隙間なく重なると、導通メータの値が変化する。このように導電パターン311aと導電パターン321aとが隙間なく重なったときは、第1の構成部品310のあおり角θxと第2の構成部品320のあおり角θxとが一致したことを意味する。この状態で、第2の構成部品320のあおり角θxを固定する。
【0057】
次に、精密ステージにより、導電パターン311b,321bに電気が通じるように、第2の構成部品320の位置を調整する。導電パターン311bと導電パターン321bとが隙間なく重なると、導通メータの値が変化する。このように導電パターン311bと導電パターン321bとが隙間なく重なったときは、第1の構成部品310のあおり角θzと第2の構成部品320のあおり角θzとが一致したことを意味する。この状態で、第2の構成部品のあおり角θzを固定する。
【0058】
このようにして、本実施形態においては、第2の構成部品320のあおり角θx,θzを調整する。なお、本実施形態ではあおり角θxを調整した後にあおり角θzを調整するものとしたが、あおり角θzを調整した後にあおり角θxを調整してもよい。
【0059】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
(光デバイスの製造方法)
以下、本発明を応用した光デバイス(光スイッチ)の製造方法について説明する。
【0061】
図11(a)は光スイッチを示す平面図であり、図11(b)は図11(a)のII−II線による断面図である。
【0062】
この光スイッチは、入射側光導波路部401、コリメート部402、入射側光偏向素子部403、共通導波路404、出射側光偏向素子部405、集光部406及び出射側光導波路部407により構成されている。入射側光導波路部401、コリメート部402、共通導波路404、集光部406及び出射側光導波路部407は、基板400上に光学膜を積層することにより形成されている。また、入射側光偏向素子部403及び出射側光偏向素子部405は、電気光学効果を示す材料を用いて形成された後、基板400上に搭載される。
【0063】
入射側光導波路部401は、n本(図11に示す例では、n=4)の光導波路(コア層)401aと、これらの光導波路401aを被覆して屈折率の差により光信号を光導波路401a内に閉じ込めるクラッド層401bとにより構成されている。出射側光導波路部407も、これと同様に、複数本の光導波路(コア層)407aと、これらの光導波路407aを被覆して屈折率の差により光信号を光導波路407a内に閉じ込めるクラッド層407bとにより構成されている。
【0064】
コリメート部402は、n組のコリメートレンズ402aにより構成されている。これらのコリメートレンズ402aは、コア層とそのコア層を上下方向から挟むクラッド層とを所定の形状にパターニングして形成されている。光導波路401aから出射された光は放射状に広がるが、コリメートレンズ402aによって平行光となる。
【0065】
入射側光偏向素子部403にはn組の光偏向素子403aが設けられている。各光偏向素子403aの下側には楔状の下部電極が形成されており、上側には各光偏向素子403aに共通の上部電極が形成されている。これらの下部電極と上部電極との間に電圧を印加すると、電気光学効果により光信号の伝搬方向が変更される。この例では、各伝送経路毎に4個の光偏向素子403aが伝送経路に沿って楔状電極の向きを交互に変えて配置されている。
【0066】
共通導波路404は、薄膜状のコア層と、そのコア層を上下方向から挟むクラッド層とからなるスラブ(slab)導波路で構成されている。この共通導波路404には入射側光偏向素子部403から出力された複数の光信号が同時に通るが、これらの光信号は共通導波路404内を決められた方向に直進するので、他の光信号と干渉することなく出射側光偏向素子部405に伝達される。
【0067】
出射側光偏向素子部405にはm組(図11に示す例ではm=4)の光偏向素子405aが設けられている。これらの光偏向素子405aは、共通導波路404を通って光偏向素子405aに到達した光を、光導波路407aに平行な方向に偏向する。この出射側光偏向素子部405は、入射側光偏向素子部403と同様の構造を有している。
【0068】
集光部406は、m組の集光レンズ406aにより構成されている。これらの集光レンズ406aも、コリメートレンズ403aと同様に、コア層とそのコア層を上下方向から挟むクラッド層とを所定の形状にパターニングして形成されている。これらの集光レンズ406aは、光偏向素子405aを通過した光を集光して光導波路407に導くという働きがある。
【0069】
図11(a)に示すように、入射側光偏向素子部403及び出射側光偏向素子部405が配置される凹部の両側には、偏向素子部403,405を配置する部分よりも狭くなった凹部を挟んでそれぞれ導電パターン408a,408b,408c,408dが形成されている。また、入射側光偏向素子部403及び出射側光偏向素子部405の下面側の幅方向の縁部には、それぞれ長さ方向に延びる導電パターン409a,409b,409c,409dが形成されている。導電パターン408aと導電パターン409aとは第2の実施形態で説明したような相補的な関係を有している。これと同様に導電パターン408bと導電パターン409bとは相補的な関係を有し、導電パターン408cと導電パターン409cとは相補的な関係を有し、導電パターン408dと導電パターン409dとは相補的な関係を有している。
【0070】
以下、図12,図13を参照して、図11(a),(b)に示す光スイッチの製造方法を説明する。
【0071】
まず、図12(a)〜(c)を参照して、入射側光偏向素子部403の形成方法について説明する。なお、出射側光偏向素子部405も入射側光偏向素子部403と同様の方法で形成するので、ここでは出射側光偏向素子部405の形成方法の説明は省略する。また、光偏向素子部405は楔状の下部電極が形成された面を下側にして基板400の上に搭載されるが、図12(a)〜(c)では便宜上、下部電極を形成する面を上側にしている。
【0072】
図12(a)に示すように、Nb(ニオブ)をドープして導電性を付与したSrTiO3基板411を用意し、そのSrTiO3基板411の上に、第1のクラッド層(上部クラッド層)412として例えばPLZT(PbxLa1-x(ZryTi1-yO3):但し、0<x<1,0<y<1))膜を、ゾルゲル法、PLD(パルスレーザ堆積)法又はMOCVD(有機金属気相成長)法等により形成する。なお、SrTiO3基板411は、各光偏向素子403aに共通の上部電極となる。
【0073】
次に、図12(b)に示すように、第1のクラッド層412の上にコア層413として、クラッド層412よりも屈折率が高く且つ電気光学効果を示す膜、例えばPZT(Pb(ZryTi1-yO3)、但し、0<y<1)をゾルゲル法、PLD法又はMOCVD法等により例えば3〜5μmの厚さに形成する。なお、コア層413は、第1のクラッド層412よりも屈折率が高いPLZTにより形成してもよい。
【0074】
次に、図12(c)に示すように、コア層413の上に、第2のクラッド層(下部クラッド層)414として、例えば第1のクラッド層412と同一組成のPLZT膜を形成する。その後、第2のクラッド層414の上に例えばAu(金)等をスパッタリングして、厚さが約200nmの導電体膜を形成する。そして、この導電体膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、楔状の下部電極415と、導電パターン408a,408b(図11(a)参照)と、位置合わせマーク(図示せず)とを形成する。
【0075】
このようにして、基板411上に第1のクラッド層412、コア層413及び第2のクラッド層414、下部電極415及び導電パターン408a,408b等を形成した後、研磨により所定の大きさに加工する。これにより、入射側光偏向素子部403が完成する。また、同様の方法により、出射側光偏向素子部405を形成する。
【0076】
次に、図13(a)〜(e)を参照して、入射側光導波路部401、コリメート部402、共通導波路部404、集光部406及び出射側光導波路部406の形成方法を説明する。
【0077】
まず、図13(a)に示すように、基板400を用意する。本実施形態では、基板400としてシリコン基板を使用する。
【0078】
次に、図13(b)に示すように、基板400の上に石英(シリカ)系の材料をMOCVD法により堆積させて、下部クラッド層421及びコア層422を形成する。そして、RIE(反応性イオンエッチング)法により入力側光導波路部401及び出力側光導波路部407のコア層422をパターニングして、光導波路401a,407aを形成する(図11(a)参照)。
【0079】
次に、図13(c)に示すように、基板400の上に石英系の材料をMOCVD法により堆積させて、上部クラッド層423を形成する。なお、下部クラッド層421、コア層422及び上部クラッド層423は、ポリマー系の材料により形成してもよい。
【0080】
次に、図13(d)に示すように、RIE法により、上部クラッド層423、コア層422及び下部クラッド層421をエッチングして、光偏向素子部403,405を搭載するための凹部424と、コリメータレンズ部402のコリメータレンズ402aと、集光部306の集光レンズ306aとを形成する。なお、凹部424は、前述したようにX方向の両端部の幅(Z軸方向の長さ)を、光偏向素子部403,405の長さ(Z軸方向の長さ)よりも狭くしておくことが必要である。
【0081】
その後、スパッタリング法によりAu膜を約200nmの厚さに形成した後、このAu膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、更にめっき法により厚さを3〜5μmとすることで、入射側光偏向素子403及び出射側光偏向素子405の下部電極に給電する配線パターン(図示せず)と、導電パターン408a,408b,408c,408d(図11(a)参照)と、位置合わせマーク(図示せず)とを形成する。
【0082】
このようにして、入力側光導波路部401、コリメート部402、共通導波路部404、集光部406及び出射側光導波路部407を有する基板400と光偏向素子部403,405とをそれぞれ個別に形成した後、第2の実施形態で説明した方法により位置合わせを行って、光偏向素子部403,405を基板400上に搭載する。これにより、図11(a),(b)に示す光スイッチが完成する。
【0083】
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
【0084】
(付記1)第1の光学部材と第2の光学部材とを光結合する光結合方法において、
前記第1の光学部材のエッジ近傍の面に第2の光学部材のエッジ近傍の面を突き当てて、前記第1の光学部材に対する前記第2の光学部材の傾きを補正することを特徴とする光結合方法。
【0085】
(付記2)第1の光学部材の上面のエッジ近傍に相互に離隔した複数の第1の導電パターンを形成し、
第2の光学部材の下面のエッジ近傍に前記第1の導電パターンに対し相補的な関係を有する第2の導電パターンを形成し、
前記第2の光学部材の下面の前記エッジ近傍の部分を前記第1の光学部材の上面の前記エッジ近傍の部分に突き当て、前記第2の導電パターンにより前記複数の第1の導電パターン間が電気的に接続されるように前記第2の光学部材の角度を調整し、
前記第2の光学部材の角度を調整した状態で前記第2の光学部材を所定の位置に配置して、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを固定することを特徴とする光結合方法。
【0086】
(付記3)前記第1の導電パターン及び前記第2の導電パターンの少なくとも一部が軟質な材料により形成されていることを特徴とする付記2に記載の光結合方法。
【0087】
(付記4)前記第1の光学部材には前記第2の光学部材を配置する凹部が設けられ、前記第1の導電パターンは前記凹部の相互に対向する2つのエッジの近傍にそれぞれ形成され、
前記第2の光学部材の下面には相互に対向する2つのエッジの近傍にそれぞれ前記第2の導電パターンが形成されていることを特徴とする付記2に記載の光結合方法。
【0088】
(付記5)前記第2の光学部材の下面の一方のエッジの近傍に形成された前記第2の導電パターンを前記第1の光学部材の前記凹部の一方のエッジの近傍に形成された前記第1の導電パターンに電気的に接続するように前記第2の光学部材の第1の角度を調整し、
前記第2の光学部材の下面の他方のエッジの近傍に形成された前記第2の導電パターンを前記第1の光学部材の前記凹部の他方のエッジの近傍に形成された前記第1の導電パターンに電気的に接続するように前記第2の光学部材を移動させて前記第2の光学部材の第2の角度を調整することを特徴とする付記4に記載の光結合方法。
【0089】
(付記6)前記第1の光学部材には前記第2の光学部材を配置する凹部が設けられ、前記第1の導電パターンは前記凹部の相互に隣り合う2つのエッジの近傍にそれぞれ形成され、
前記第2の光学部材の下面には相互に隣り合う2つのエッジの近傍にそれぞれ前記第2の導電パターンが形成されていることを特徴とする付記2に記載の光結合方法。
【0090】
(付記7)前記第2の光学部材の下面の一方のエッジの近傍に形成された前記第2の導電パターンを前記第1の光学部材の前記凹部の一方のエッジの近傍に形成された前記第1の導電パターンに電気的に接続するように前記第2の光学部材の第1の角度を調整し、
前記第2の光学部材の下面の他方のエッジの近傍に形成された前記第2の導電パターンを前記第1の光学部材の前記凹部の他方のエッジの近傍に形成された前記第1の導電パターンに電気的に接続するように前記第2の光学部材を移動させて前記第2の光学部材の第2の角度を調整することを特徴とする付記6に記載の光結合方法。
【0091】
(付記8)前記第1の光学部材にはスラブ導波路が形成されていることを特徴とする付記2に記載の光結合方法。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1(a)は光スイッチを示す平面図、図1(b)は図1(a)のI−I線による断面図である。
【図2】図2は、水平方向(X軸方向及びZ軸方向)及び回転方向(θx方向、θy方向及びθz)を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【図4】図4は、同じくそのあおり角θx、θzの調整方法を示す図(その1)である。
【図5】図5は、同じくそのあおり角θx、θzの調整方法を示す図(その2)である。
【図6】図6は、同じくそのあおり角θx、θzの調整方法を示す図(その3)である。
【図7】図7は、同じくそのあおり角θx、θzの調整方法を示す図(その4)である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【図9】図9は、図8の矢印Bで示す方向から見たときの側面図を示している。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【図11】図11(a),(b)は本発明を応用した光デバイス(光スイッチ)の製造方法を示す図であり、図11(a)は光スイッチを示す平面図、図11(b)は図11(a)のII−II線による断面図である。
【図12】図12(a)〜(c)は、入射側光偏向素子部の形成方法を示す断面図である。
【図13】図13(a)〜(e)は、入射側光導波路部、コリメート部、共通導波路部、集光部及び出射側光導波路部の形成方法を説明する。
【符号の説明】
【0093】
100,400…基板、
101,107,401,407…光導波路部、
101a,107a,401a,407a…光導波路、
101b,107b,401b,407b…クラッド層、
102,402…コリメート部、
102a,402a…コリメートレンズ、
103,105,403,405…光偏向素子部、
103a,105a,403a,405a…光偏向素子、
104,404…共通導波路、
106,406…集光部、
106a,407a…集光レンズ、
210,250,310…第1の構成部品、
211a,211b,221a,221b,251a,251b,261a,261b,311a,311b,321a,321b,408a,408b,408c,408d,409a,409b,409c,409d…導電パターン、
220,260,320…第2の構成部品、
230…固定ステージ、
231…制御部、
232…移動ステージ、
233…導通メータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイス同士又は光デバイスを構成する構成部品同士を位置合わせして光結合する光結合方法に関し、特にあおり方向の位置合わせを容易に且つ高精度に行うことができる光結合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信は高速且つ大容量の信号伝送に適しており、長距離の基幹通信システムでは既に実用化されている。このような通信システムにおいて、信号の伝送経路を切換える信号切換装置は必須のデバイスである。従来の通信システムでは、光信号を一旦電気信号に変換してから半導体スイッチで信号の伝送経路を切換え、その後再び光信号に変換する方式が広く使用されていた。しかし、近年、光通信のより一層の高速化及び大容量化が進んでいるため、半導体スイッチでは対応できなくなってきている。そこで、光信号のままで伝送経路の切換えができる光スイッチの開発が進められている。
【0003】
本願発明者等は、特許文献1において、電気光学効果を利用して光信号の伝送経路を切換える光スイッチを提案している。図1(a)はその光スイッチを示す平面図、図1(b)は図1(a)のI−I線による断面図である。
【0004】
この光スイッチは、入射側光導波路部101、コリメート部102、入射側光偏向素子部103、共通導波路104、出射側光偏向素子部105、集光部106及び出射側光導波路部107により構成されている。入射側光導波路部101、コリメート部102、共通導波路104、集光部106及び出射側光導波路部107は、基板100上に光学膜を積層することにより形成されている。また、入射側光偏向素子部103及び出射側光偏向素子部105は、電気光学効果を示す材料を用いて形成された後、基板100上に搭載される。
【0005】
入射側光導波路部101は、n本(図1に示す例では、n=4)の光導波路(コア層)101aと、これらの光導波路101aを被覆して屈折率の差により光信号を光導波路101a内に閉じ込めるクラッド層101bとにより構成されている。出射側光導波路部107も、これと同様に、複数本の光導波路(コア層)107aと、これらの光導波路107aを被覆して屈折率の差により光信号を光導波路107a内に閉じ込めるクラッド層107bとにより構成されている。
【0006】
コリメート部102は、n組のコリメートレンズ102aにより構成されている。これらのコリメートレンズ102aは、コア層とそのコア層を上下方向から挟むクラッド層とを所定の形状にパターニングして形成されている。光導波路101aから出射された光は放射状に広がるが、コリメートレンズ102aによってほぼ平行光となる。
【0007】
入射側光偏向素子部103にはn組の光偏向素子103aが設けられている。各光偏向素子103aは光導波路を上下方向から挟む一対の少なくとも一方が楔状の電極を有しており、電気光学効果を利用して光信号の伝搬方向を変更する。この例では、光偏向素子103aに各伝送経路に沿ってn組の楔状電極が向きを交互に変えて配置されている。
【0008】
共通導波路104は、薄膜状のコア層と、そのコア層を上下方向から挟むクラッド層とからなるスラブ(slab)導波路で構成されている。この共通導波路104には入射側光偏向素子部103から出力された複数の光信号が同時に通るが、これらの光信号は共通導波路104内を決められた方向に直進するので、他の光信号と干渉することなく出射側光偏向素子部105に伝達される。
【0009】
出射側光偏向素子部105にはm組(図1に示す例では、m=4)の楔状電極を形成した光偏向素子105aが設けられている。これらの光偏向素子105aは、共通導波路104を通って光偏向素子105aに到達した光を、光導波路107aに平行な方向に偏向する。この出射側光偏向素子部105は、入射側光偏向素子部103と同様の構造を有している。
【0010】
集光部106は、m組の集光レンズ106aにより構成されている。これらの集光レンズ106aも、コリメートレンズ103aと同様に、コア層とそのコア層を上下方向から挟むクラッド層とを所定の形状にパターニングして形成されている。これらの集光レンズ106aは、光偏向素子105aを通過した光を集光して光導波路107に導くという働きがある。
【0011】
このように構成された光スイッチにおいて、光偏向素子103a,105aに電圧が印加されていないときには、i番目(iは1〜nの任意の整数)の光導波路101aに入射された光信号は、コリメートレンズ102aにより平行光に変換された後、光偏向素子103a、共通導波路104及び光偏向素子105aを直進し、集光レンズ106aにより集光されて、i番目の光導波路107aに伝達される。
【0012】
一方、光偏向素子103a,105aに所定の電圧を印加すると、i番目の光導波路101aに入射された光信号は、光偏向素子103aで電圧に応じた角度で進行方向が曲げられる。そして、共通導波路104を直進し、j番目(jは1〜mの任意の整数、但し、i≠j)の光偏向素子105aに伝達される。その後、この光偏向素子105aにより屈折され、j番目の集光レンズ106aを通ってj番目の光導波路107aに伝達される。
【0013】
その他、本発明に関係する従来技術として、特許文献2に記載されたものがある。
【特許文献1】特開2002−318398号公報
【特許文献2】特開2000−241637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
一般的に、光通信システムは、光ファイバ、光スイッチ及びその他の光デバイスを光結合して構成されている。また、図1(a),(b)に示すように、複数の構成部品を光結合して形成された光デバイスも存在する。そのため、光通信システムを構築するためには、光デバイス同士又は構成部品同士を高精度に位置合わせすることが重要である。例えば、図1(a),(b)に示す光スイッチでは、光偏向素子部103,105を、光導波路101a,107a、コリメートレンズ102a及び集光レンズ106aに対し位置合わせしながら基板100上に搭載する必要がある。
【0015】
複数の構成部品を組み合わせて光デバイスを形成する場合に、各構成部品に予め位置合わせマーク(アライメントマーク)を設けておき、それらの位置合わせマークを用いて各構成部品の位置合わせを行うことが考えられる。しかし、この方法では、図2に示す水平方向(X軸方向及びZ軸方向:本願では慣例に従い、Z軸は光の伝搬方向とする)及びY軸を中心とする回転方向(θy方向)の位置合わせは可能であるものの、あおり方向、すなわちX軸を中心とする回転方向(θx方向)及びZ軸を中心とする回転方向(θz方向)の位置合わせを行うことは困難である。
【0016】
前述の特許文献2には、各光デバイス構成部品にそれぞれ位置合わせ用チャネル導波路を形成しておき、それらの位置合わせ用チャネル導波路に光を通して結合損失が最小となるように各構成部品を位置合わせすることが記載されている。しかしながら、特許文献2に記載された方法では、軸方向(X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向)と、回転方向(θx方向、θy方向及びθz方向)とを同時に調整する必要があり、操作が複雑になって位置合わせに要する時間が長くなるという欠点がある。
【0017】
また、図1(a),(b)に示すようにスラブ導波路を用いた光デバイスでは、この方法を採用することは困難である。すなわち、特許文献2に記載された技術では、光デバイスを構成する各構成部品にそれぞれ位置合わせ用チャネル導波路を形成する必要がある。しかし、スラブ導波路中に位置合わせ用チャネル導波路を形成するためには、多くの工程を追加する必要がある。また、電気光学材料を用いた光デバイスでは、チャネル導波路の形成は技術的な難度が極めて高い。
【0018】
更に、以下に示す問題点もある。すなわち、スラブ導波路は横方向の光の閉じ込めがないため、通常は横方向(図2に示すX軸方向)の位置合わせが不要である。しかし、特許文献2に記載された技術では、スラブ導波路を有する構成部品にもチャネル導波路を形成してそのチャネル導波路を他の構成部品のチャネル導波路と高精度に位置合わせする必要があるので、位置合わせが容易であるというスラブ導波路の利点が失われてしまう。
【0019】
以上から、本発明の目的は、光デバイス同士又は光デバイスの構成部品同士を容易に且つ高精度に光結合することができる光結合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一観点によれば、第1の光学部材の上面のエッジ近傍に相互に離隔した複数の第1の導電パターンを形成し、第2の光学部材の下面のエッジ近傍に前記第1の導電パターンに対し相補的な関係を有する第2の導電パターンを形成し、前記第2の光学部材の下面の前記エッジ近傍の部分を前記第1の光学部材の上面の前記エッジ近傍の部分に突き当て、前記第2の導電パターンにより前記複数の第1の導電パターン間が電気的に接続されるように前記第2の光学部材の角度を調整し、前記第2の光学部材の角度を調整した状態で前記第2の光学部材を所定の位置に配置して、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを固定する光結合方法が提供される。
【0021】
第1の光学部材(光デバイス又は光デバイスの構成部品)と第2の光学部材(光デバイス又は光デバイスの構成部品)とを光結合させる場合、第1の光学部材に対する第2の光学部材の角度(あおり角)を調整する必要がある。この場合、例えば、第1の光学部材の平坦面に第2の光学部材の下面全体を突き当てて、第2の光学部材の角度を決定することが考えられる。しかしながら、この方法では、第1及び第2の光学部品に反りや変形が発生していたり、異物による突起などがあると、第2の光学部材の角度にずれが発生し、良好な光結合を得ることができない。
【0022】
これに対し、本発明においては、前記第1の光学部材のエッジ近傍の面に第2の光学部材のエッジ近傍の面を突き当てて前記第1の光学部材に対する前記第2の光学部材の傾きを補正するので、反りや変形、及び異物による突起などの影響を受けるおそれが少なく、高精度な位置合わせ(光結合)が可能になる。
【0023】
そして、本発明においては、第1の光学部材の上面のエッジ近傍に形成された第1の導電パターンと、第2の光学部材の下面のエッジ近傍に形成された第2の導電パターンとを接触させる。これにより、第1の光学部材の上面のエッジ近傍の面と第2の光学部材の下面のエッジ近傍の面とが良好な状態で接触しているか否かを電気的に検出することができる。その結果、第1の光学部材に対する第2の光学部材の角度を容易に且つ高精度に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。ここでは、図3に示すように、光デバイスを構成する2つの構成部品210,220のあおり方向(θx方向及びθz方向)の位置合わせ(光結合)を行う場合について説明する。第1の構成部品210には凹部が設けられており、この凹部内に第2の構成部品220が適正に配置されると、第1の構成部品210の導波路(図示せず)と第2の構成部品220の導波路(図示せず)とが光結合するようになっている。
【0026】
図3に示すように、第1の構成部品210の凹部近傍の高台縁部には、予め幅方向(X方向)に沿って2組の導電パターン211a,211bが形成されている。この図3に示すように、一方の組の導電パターン211aは凹部の右側の縁部(エッジ)に沿って相互に離隔して配置され、他方の組の導電パターン211bは凹部の左側の縁部(エッジ)に沿って相互に離隔して配置されている。導電パターン211aのうち幅方向(X軸方向)の最も外側に配置された導電パターン211aには端子212aが接続されている。これと同様に、導電パターン211bのうち幅方向(X軸方向)の最も外側に配置された導電パターン211bには、端子212bが接続されている。
【0027】
また、第2の構成部品220の裏面側の縁部(Z軸方向の両端部)にも、幅方向(X軸方向)に沿って複数の導電パターン221a,221bが形成されている。図3に示すように、導電パターン221aは導電パターン211aに対向する側に配置され、導電パターン221bは導電パターン211bに対向する側に配置されている。
【0028】
第1の構成部品210の導電パターン211aと第2の構成部品220の導電パターン221aとは相補的な関係を有している。すなわち、これらの導電パターン211a,221aが最適な状態で重なり合うと、幅方向(X軸方向)につながって1本の配線を構成し、2つの端子212a間に電気が通るようになっている。これと同様に、第1の構成部品210の導電パターン211bと第2の構成部品220の導電パターン221bとは相補的な関係を有している。これらの導電パターン211b,221bが最適な状態で重なり合うと、幅方向(X軸方向)につながって1本の配線を構成し、2つの端子212b間に電気が通るようになっている。
【0029】
図4〜図7は、あおり角θx、θzの調整方法を示す図である。まず、図4に示すように、第1の構成部品210を固定ステージ230上に載置し、2つの端子212aの間に導通メータ233を接続する。また、第2の構成部品220を、制御部231により制御される電動の精密移動ステージ232の下に保持する。この移動ステージ232は、制御部231からの信号に応じて第2の構成部品220をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させることが可能であるとともに、θx方向、θy方向及びθz方向に一定の角度だけ回転させることができる。
【0030】
移動ステージ232には、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置(座標)を検出することができる位置検出機能(エンコーダ又はパルスモータ駆動回路のパルスカウンタ等:図示せず)と、θx、θy,θz方向の角度を検出する角度検出機能(エンコーダ又はパルスモータ駆動回路のパルスカウンタ等:図示せず)とが設けられている。これらの位置検出機能及び角度検出機能から出力される信号は、制御部231に入力される。
【0031】
上述した精密移動ステージ232に第2の構成部品220を保持した後、制御部231を介して精密移動ステージ232を制御し、第2の構成部品220の長さ方向(Z軸方向)の端面のエッジと第1の構成部品210の凹部のエッジとを向かい合わせ、両者が平行となるようにθy方向の角度を調整する。その後、図5に示すように、移動ステージ232を制御して、第1の構成部品210の導電パターン211aの上方に第2の構成部品220の導電パターン221aが位置するように、第2の構成部品220を水平方向(X軸方向及びZ軸方向)に移動させる。
【0032】
次いで、図6に示すように、高さ方向(Y軸方向)の位置とθz方向の角度とを調整して、第1の構成部品210の導電パターン211aと第2の構成部品220の導電パターン221aとを重ね合わせる。なお、図6は図5に矢印Aで示す方向から見たときの側面図を示している。
【0033】
導電パターン211aと導電パターン221aとが隙間なく重なると、導通メータ233の値が変化する。これにより、導電パターン211aと導電パターン221aとが接触したことがわかる。導電パターン211aと導電パターン221aとが隙間なく重なったときは、第1の構成部品210のあおり角θzと第2の構成部品220のあおり角θzとが一致したことを意味している。このときのY軸方向の位置(座標)を、制御部231に記憶させておく。また、精密移動ステージ232のあおり角θzを固定する。
【0034】
なお、第1の構成部品210と第2の構成部品220とが接触しても導通メータ233の値が変化しないときは、θzの角度が適正でないので、θzの角度を変更して再度第2の構成部品220を第1の構成部品210に接触させる。
【0035】
このようにして角度θzを調整した後、次に2つの端子212b間に導通メータ233を接続する。そして、図7に示すように、第1の構成部品210の導電パターン211bの上方に第2の構成部品220の導電パターン221bが位置するように、精密移動ステージ232により第2の構成部品220を移動させる。その後、上記と同様にして、第1の構成部品210の導電パターン211bと第2の構成部品220の導電パターン221bとが重なり合うように、移動ステージ232のY軸方向(高さ方向)の位置を調整する。導電パターン211bと導電パターン221bとが重なり合うと、2つの端子212b間に電流が流れ、導通メータ233の値が変化する。このときのY軸方向の位置(座標)を制御部231に記憶させる。
【0036】
このようにして、導電パターン211aと導電パターン221aとを接触させたときのY軸方向の座標と、導電パターン221bと導電パターン221bとを接触させたときのY軸方向の座標を測定すると、それらの差から第2の構成部品220がX軸を中心にどれだけ回転しているか、すなわち第1の構成部品210に対する第2の構成部品220のあおり角θxを演算することができる。その演算結果を基に、第2の構成部品220のあおり角θxを調整する。
【0037】
上述したようにして第2の構成部品220のあおり角θx及びθzを調整した後、第2の構成部品220を第1の構成部品210の凹部内に移動させて、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びθy方向を調整する。X軸方向、Z軸方向及びθy方向は、例えば予め第1の構成部品210及び第2の構成部品220にそれぞれ位置合わせ用マークを設けておき、それらの位置合わせマークが一致するように第2の構成部品220を移動させることにより行う。また、Y軸方向の調整は、例えば第1の構成部品210の一方の面側から導波路内に光を入射し、第2の構成部品220の導波路を通過して第1の構成部品210の他方の面から出射する光の光量を測定し、その光量が最大となるように第2の構成部品220をY軸方向に移動させることにより行う。
【0038】
このようにして第1の構成部品210に対する第2の構成部品220の最適位置が決定したら、第1の構成部品210と第2の構成部品220との隙間に光学接着剤を注入して両者を接合する。これにより、第1の構成部品210と第2の構成部品220との位置合わせ(光結合)が完了する。
【0039】
このように、本実施形態では、第1及び第2の構成部品210,220に相補的に設けられた導電パターン211a,211b,221a,221bを使用し、導電メータ233により導通を調べて第2の構成部品220のあおり角θz,θxを調整するので、あおり角θz,θxの調整を容易に且つ高精度に行うことができる。
【0040】
なお、第2の構成部品220全体を第1の構成部品210の平滑な面に突き当てて第2の構成部品220のあおり角θz,θxを調整することも考えられる。しかし、その場合は構成部品210,220の反りや変形、及び異物による突起などが障害となって、第1の構成部品210と第2の構成部品220とを高精度に光結合できないことがある。
【0041】
一方、本実施形態では、エッジ近傍のみを使用して第1の構成部品210と第2の構成部品220との位置合わせを行うので、構成部品210,220の反りや変形、及び異物による突起などの影響を受けるおそれが少なく、高精度な位置合わせ(光結合)が可能になる。
【0042】
なお、構成部品に反りや変形、及び異物による突起などがあっても高精度な位置合わせを行うために、配線パターン211a,211b,221a,221bの少なくとも一部を導電性ペースト等の軟質な材料により形成することが好ましい。
【0043】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【0044】
第1の実施形態では第1及び第2の構成部品にそれぞれ幅方向(X軸方向)に延びる導電パターンを形成したが、本実施形態では長さ方向(Z軸方向)に延びる導電パターンを形成し、それらの導電パターンを用いてあおり角θx,θzを調整する。
【0045】
すなわち、図8に示すように、第1の構成部品250には凹部が設けられており、この凹部内に第2の構成部品260が適正に配置されると、第1の構成部品250の導波路(図示せず)と第2の構成部品260の導波路(図示せず)とが光結合するようになっている。
【0046】
第1の構成部品250の幅(X軸方向の長さ)は、第2の構成部品260の幅(X軸方向の長さ)よりも広くなっており、第1の構成部品250の幅方向(X軸方向)の両端部では、凹部の幅(Z軸方向の長さ)が第2の構成部品260を配置する部分の幅(Z軸方向の長さ)よりも狭くなっている。また、第1の構成部品250の幅方向(X軸方向)の端部の高台部分には、凹部を挟んで配置された2組の導電パターン251a,251bが形成されている。ここで、図8に示すように、導電パターン251aは一方の端部側(手前側)に凹部を挟んで配置された一対のパターンであり、導電パターン251bは他方の端部側(奥側)に凹部を挟んで配置された一対のパターンである。
【0047】
第2の構成部品260の下面の幅方向(X軸方向)の端部には、長さ方向(Z軸方向)に延びる導電パターン261a,261bが設けられている。図8に示すように、導電パターン261aは一方の端部側(手前側)に配置されており、導電パターン261bは他方の端部側(奥側)に配置されている。導電パターン261aの長さは第1の構成部品250の2つの導電パターン251a間の間隔よりも長く設定され、導電パターン261bの長さは第1の構成部品250の2つの導電パターン251b間の間隔よりも長く設定されている。
【0048】
導電パターン251aと導電パターン561aとは相補的な関係を有しており、これらの導電パターン251a,261aが最適な状態で重なり合うと、2つの導電パターン251a間が電気的に接続される。これと同様に、導電パターン251bと導電パターン261bとは相補的な関係を有しており、これらの導電パターン251b,261bが最適な状態で重なり合うと、2つの導電パターン251b間が電気的に接続される。
【0049】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様にして第2の構成部品260のあおり角θx,θzを調整するので、ここではその詳細な説明を省略する。但し、本実施形態では、導電パターン252a,251b及び導電パターン261a,261bが幅方向(X軸方向)の両端部に配置されているので、図9に示すようにあおり角θxを調整してからあおり角θzを調整する点が第1の実施形態と異なる。なお、図9は、図8の矢印Bで示す方向から見たときの側面図を示している。
【0050】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【0052】
第1の構成部品310には凹部が設けられており、この凹部内に第2の構成部品320が適正に配置されると、第1の構成部品310の導波路(図示せず)と第2の構成部品320の導波路(図示せず)とが光結合するようになっている。
【0053】
第1の構成部品310の幅(X方向の長さ)は、第2の構成部品320の幅よりも長くなっている。また、第1の構成部品310の幅方向の一方の端部側(図10では手前側)では、凹部の幅(X軸方向の長さ)が第2の構成部品320を配置する部分よりも狭くなっている。そして、第1の構成部品310の高台部分には、この狭くなった凹部を挟んで、一対の導電パターン311aが形成されている。更に、第1の構成部品310の凹部の一方のエッジ(図10では右側のエッジ)の縁部近傍の高台部分には、幅方向(X軸方向)に沿って複数の導電パターン311bが形成されている。
【0054】
第2の構成部品320の下面の幅方向(X軸方向)の一方の端部(図10では手前側)には、長さ方向(Z軸方向)に延びる導電パターン321aが形成されている。また、第2の構成部品320の長さ方向(Z軸方向)の一方の端部(図10では右側)には、幅方向(X軸方向)に沿って複数の導電パターン321bが形成されている。
【0055】
第1の構成部品310の導電パターン311aと第2の構成部品320の導電パターン321aとは相補的な関係を有しており、これらの導電パターン311a,321aが最適な状態で重なり合うと、長さ方向(Z軸方向)につながって1本の配線を構成するようになっている。また、第1の構成部品310の導電パターン311bと第2の構成部品320の導電パターン321bとは相補的な関係を有しており、これらの導電パターン311b,321bが最適な状態で重なり合うと、幅方向(X軸方向)につながって1本の配線を構成するようになっている。
【0056】
本実施形態においては、第1の実施形態と同様にして、第1の構成部品310を固定ステージ上に載置し、第2の構成部品320を精密移動ステージの下に保持する(図4参照)。そして、精密ステージにより、導電パターン311a,321aに電気が通じるように、第2の構成部品320の位置を調整する。導電パターン311aと導電パターン321aとが隙間なく重なると、導通メータの値が変化する。このように導電パターン311aと導電パターン321aとが隙間なく重なったときは、第1の構成部品310のあおり角θxと第2の構成部品320のあおり角θxとが一致したことを意味する。この状態で、第2の構成部品320のあおり角θxを固定する。
【0057】
次に、精密ステージにより、導電パターン311b,321bに電気が通じるように、第2の構成部品320の位置を調整する。導電パターン311bと導電パターン321bとが隙間なく重なると、導通メータの値が変化する。このように導電パターン311bと導電パターン321bとが隙間なく重なったときは、第1の構成部品310のあおり角θzと第2の構成部品320のあおり角θzとが一致したことを意味する。この状態で、第2の構成部品のあおり角θzを固定する。
【0058】
このようにして、本実施形態においては、第2の構成部品320のあおり角θx,θzを調整する。なお、本実施形態ではあおり角θxを調整した後にあおり角θzを調整するものとしたが、あおり角θzを調整した後にあおり角θxを調整してもよい。
【0059】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
(光デバイスの製造方法)
以下、本発明を応用した光デバイス(光スイッチ)の製造方法について説明する。
【0061】
図11(a)は光スイッチを示す平面図であり、図11(b)は図11(a)のII−II線による断面図である。
【0062】
この光スイッチは、入射側光導波路部401、コリメート部402、入射側光偏向素子部403、共通導波路404、出射側光偏向素子部405、集光部406及び出射側光導波路部407により構成されている。入射側光導波路部401、コリメート部402、共通導波路404、集光部406及び出射側光導波路部407は、基板400上に光学膜を積層することにより形成されている。また、入射側光偏向素子部403及び出射側光偏向素子部405は、電気光学効果を示す材料を用いて形成された後、基板400上に搭載される。
【0063】
入射側光導波路部401は、n本(図11に示す例では、n=4)の光導波路(コア層)401aと、これらの光導波路401aを被覆して屈折率の差により光信号を光導波路401a内に閉じ込めるクラッド層401bとにより構成されている。出射側光導波路部407も、これと同様に、複数本の光導波路(コア層)407aと、これらの光導波路407aを被覆して屈折率の差により光信号を光導波路407a内に閉じ込めるクラッド層407bとにより構成されている。
【0064】
コリメート部402は、n組のコリメートレンズ402aにより構成されている。これらのコリメートレンズ402aは、コア層とそのコア層を上下方向から挟むクラッド層とを所定の形状にパターニングして形成されている。光導波路401aから出射された光は放射状に広がるが、コリメートレンズ402aによって平行光となる。
【0065】
入射側光偏向素子部403にはn組の光偏向素子403aが設けられている。各光偏向素子403aの下側には楔状の下部電極が形成されており、上側には各光偏向素子403aに共通の上部電極が形成されている。これらの下部電極と上部電極との間に電圧を印加すると、電気光学効果により光信号の伝搬方向が変更される。この例では、各伝送経路毎に4個の光偏向素子403aが伝送経路に沿って楔状電極の向きを交互に変えて配置されている。
【0066】
共通導波路404は、薄膜状のコア層と、そのコア層を上下方向から挟むクラッド層とからなるスラブ(slab)導波路で構成されている。この共通導波路404には入射側光偏向素子部403から出力された複数の光信号が同時に通るが、これらの光信号は共通導波路404内を決められた方向に直進するので、他の光信号と干渉することなく出射側光偏向素子部405に伝達される。
【0067】
出射側光偏向素子部405にはm組(図11に示す例ではm=4)の光偏向素子405aが設けられている。これらの光偏向素子405aは、共通導波路404を通って光偏向素子405aに到達した光を、光導波路407aに平行な方向に偏向する。この出射側光偏向素子部405は、入射側光偏向素子部403と同様の構造を有している。
【0068】
集光部406は、m組の集光レンズ406aにより構成されている。これらの集光レンズ406aも、コリメートレンズ403aと同様に、コア層とそのコア層を上下方向から挟むクラッド層とを所定の形状にパターニングして形成されている。これらの集光レンズ406aは、光偏向素子405aを通過した光を集光して光導波路407に導くという働きがある。
【0069】
図11(a)に示すように、入射側光偏向素子部403及び出射側光偏向素子部405が配置される凹部の両側には、偏向素子部403,405を配置する部分よりも狭くなった凹部を挟んでそれぞれ導電パターン408a,408b,408c,408dが形成されている。また、入射側光偏向素子部403及び出射側光偏向素子部405の下面側の幅方向の縁部には、それぞれ長さ方向に延びる導電パターン409a,409b,409c,409dが形成されている。導電パターン408aと導電パターン409aとは第2の実施形態で説明したような相補的な関係を有している。これと同様に導電パターン408bと導電パターン409bとは相補的な関係を有し、導電パターン408cと導電パターン409cとは相補的な関係を有し、導電パターン408dと導電パターン409dとは相補的な関係を有している。
【0070】
以下、図12,図13を参照して、図11(a),(b)に示す光スイッチの製造方法を説明する。
【0071】
まず、図12(a)〜(c)を参照して、入射側光偏向素子部403の形成方法について説明する。なお、出射側光偏向素子部405も入射側光偏向素子部403と同様の方法で形成するので、ここでは出射側光偏向素子部405の形成方法の説明は省略する。また、光偏向素子部405は楔状の下部電極が形成された面を下側にして基板400の上に搭載されるが、図12(a)〜(c)では便宜上、下部電極を形成する面を上側にしている。
【0072】
図12(a)に示すように、Nb(ニオブ)をドープして導電性を付与したSrTiO3基板411を用意し、そのSrTiO3基板411の上に、第1のクラッド層(上部クラッド層)412として例えばPLZT(PbxLa1-x(ZryTi1-yO3):但し、0<x<1,0<y<1))膜を、ゾルゲル法、PLD(パルスレーザ堆積)法又はMOCVD(有機金属気相成長)法等により形成する。なお、SrTiO3基板411は、各光偏向素子403aに共通の上部電極となる。
【0073】
次に、図12(b)に示すように、第1のクラッド層412の上にコア層413として、クラッド層412よりも屈折率が高く且つ電気光学効果を示す膜、例えばPZT(Pb(ZryTi1-yO3)、但し、0<y<1)をゾルゲル法、PLD法又はMOCVD法等により例えば3〜5μmの厚さに形成する。なお、コア層413は、第1のクラッド層412よりも屈折率が高いPLZTにより形成してもよい。
【0074】
次に、図12(c)に示すように、コア層413の上に、第2のクラッド層(下部クラッド層)414として、例えば第1のクラッド層412と同一組成のPLZT膜を形成する。その後、第2のクラッド層414の上に例えばAu(金)等をスパッタリングして、厚さが約200nmの導電体膜を形成する。そして、この導電体膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、楔状の下部電極415と、導電パターン408a,408b(図11(a)参照)と、位置合わせマーク(図示せず)とを形成する。
【0075】
このようにして、基板411上に第1のクラッド層412、コア層413及び第2のクラッド層414、下部電極415及び導電パターン408a,408b等を形成した後、研磨により所定の大きさに加工する。これにより、入射側光偏向素子部403が完成する。また、同様の方法により、出射側光偏向素子部405を形成する。
【0076】
次に、図13(a)〜(e)を参照して、入射側光導波路部401、コリメート部402、共通導波路部404、集光部406及び出射側光導波路部406の形成方法を説明する。
【0077】
まず、図13(a)に示すように、基板400を用意する。本実施形態では、基板400としてシリコン基板を使用する。
【0078】
次に、図13(b)に示すように、基板400の上に石英(シリカ)系の材料をMOCVD法により堆積させて、下部クラッド層421及びコア層422を形成する。そして、RIE(反応性イオンエッチング)法により入力側光導波路部401及び出力側光導波路部407のコア層422をパターニングして、光導波路401a,407aを形成する(図11(a)参照)。
【0079】
次に、図13(c)に示すように、基板400の上に石英系の材料をMOCVD法により堆積させて、上部クラッド層423を形成する。なお、下部クラッド層421、コア層422及び上部クラッド層423は、ポリマー系の材料により形成してもよい。
【0080】
次に、図13(d)に示すように、RIE法により、上部クラッド層423、コア層422及び下部クラッド層421をエッチングして、光偏向素子部403,405を搭載するための凹部424と、コリメータレンズ部402のコリメータレンズ402aと、集光部306の集光レンズ306aとを形成する。なお、凹部424は、前述したようにX方向の両端部の幅(Z軸方向の長さ)を、光偏向素子部403,405の長さ(Z軸方向の長さ)よりも狭くしておくことが必要である。
【0081】
その後、スパッタリング法によりAu膜を約200nmの厚さに形成した後、このAu膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、更にめっき法により厚さを3〜5μmとすることで、入射側光偏向素子403及び出射側光偏向素子405の下部電極に給電する配線パターン(図示せず)と、導電パターン408a,408b,408c,408d(図11(a)参照)と、位置合わせマーク(図示せず)とを形成する。
【0082】
このようにして、入力側光導波路部401、コリメート部402、共通導波路部404、集光部406及び出射側光導波路部407を有する基板400と光偏向素子部403,405とをそれぞれ個別に形成した後、第2の実施形態で説明した方法により位置合わせを行って、光偏向素子部403,405を基板400上に搭載する。これにより、図11(a),(b)に示す光スイッチが完成する。
【0083】
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
【0084】
(付記1)第1の光学部材と第2の光学部材とを光結合する光結合方法において、
前記第1の光学部材のエッジ近傍の面に第2の光学部材のエッジ近傍の面を突き当てて、前記第1の光学部材に対する前記第2の光学部材の傾きを補正することを特徴とする光結合方法。
【0085】
(付記2)第1の光学部材の上面のエッジ近傍に相互に離隔した複数の第1の導電パターンを形成し、
第2の光学部材の下面のエッジ近傍に前記第1の導電パターンに対し相補的な関係を有する第2の導電パターンを形成し、
前記第2の光学部材の下面の前記エッジ近傍の部分を前記第1の光学部材の上面の前記エッジ近傍の部分に突き当て、前記第2の導電パターンにより前記複数の第1の導電パターン間が電気的に接続されるように前記第2の光学部材の角度を調整し、
前記第2の光学部材の角度を調整した状態で前記第2の光学部材を所定の位置に配置して、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを固定することを特徴とする光結合方法。
【0086】
(付記3)前記第1の導電パターン及び前記第2の導電パターンの少なくとも一部が軟質な材料により形成されていることを特徴とする付記2に記載の光結合方法。
【0087】
(付記4)前記第1の光学部材には前記第2の光学部材を配置する凹部が設けられ、前記第1の導電パターンは前記凹部の相互に対向する2つのエッジの近傍にそれぞれ形成され、
前記第2の光学部材の下面には相互に対向する2つのエッジの近傍にそれぞれ前記第2の導電パターンが形成されていることを特徴とする付記2に記載の光結合方法。
【0088】
(付記5)前記第2の光学部材の下面の一方のエッジの近傍に形成された前記第2の導電パターンを前記第1の光学部材の前記凹部の一方のエッジの近傍に形成された前記第1の導電パターンに電気的に接続するように前記第2の光学部材の第1の角度を調整し、
前記第2の光学部材の下面の他方のエッジの近傍に形成された前記第2の導電パターンを前記第1の光学部材の前記凹部の他方のエッジの近傍に形成された前記第1の導電パターンに電気的に接続するように前記第2の光学部材を移動させて前記第2の光学部材の第2の角度を調整することを特徴とする付記4に記載の光結合方法。
【0089】
(付記6)前記第1の光学部材には前記第2の光学部材を配置する凹部が設けられ、前記第1の導電パターンは前記凹部の相互に隣り合う2つのエッジの近傍にそれぞれ形成され、
前記第2の光学部材の下面には相互に隣り合う2つのエッジの近傍にそれぞれ前記第2の導電パターンが形成されていることを特徴とする付記2に記載の光結合方法。
【0090】
(付記7)前記第2の光学部材の下面の一方のエッジの近傍に形成された前記第2の導電パターンを前記第1の光学部材の前記凹部の一方のエッジの近傍に形成された前記第1の導電パターンに電気的に接続するように前記第2の光学部材の第1の角度を調整し、
前記第2の光学部材の下面の他方のエッジの近傍に形成された前記第2の導電パターンを前記第1の光学部材の前記凹部の他方のエッジの近傍に形成された前記第1の導電パターンに電気的に接続するように前記第2の光学部材を移動させて前記第2の光学部材の第2の角度を調整することを特徴とする付記6に記載の光結合方法。
【0091】
(付記8)前記第1の光学部材にはスラブ導波路が形成されていることを特徴とする付記2に記載の光結合方法。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1(a)は光スイッチを示す平面図、図1(b)は図1(a)のI−I線による断面図である。
【図2】図2は、水平方向(X軸方向及びZ軸方向)及び回転方向(θx方向、θy方向及びθz)を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【図4】図4は、同じくそのあおり角θx、θzの調整方法を示す図(その1)である。
【図5】図5は、同じくそのあおり角θx、θzの調整方法を示す図(その2)である。
【図6】図6は、同じくそのあおり角θx、θzの調整方法を示す図(その3)である。
【図7】図7は、同じくそのあおり角θx、θzの調整方法を示す図(その4)である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【図9】図9は、図8の矢印Bで示す方向から見たときの側面図を示している。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態に係る光結合方法を示す斜視図である。
【図11】図11(a),(b)は本発明を応用した光デバイス(光スイッチ)の製造方法を示す図であり、図11(a)は光スイッチを示す平面図、図11(b)は図11(a)のII−II線による断面図である。
【図12】図12(a)〜(c)は、入射側光偏向素子部の形成方法を示す断面図である。
【図13】図13(a)〜(e)は、入射側光導波路部、コリメート部、共通導波路部、集光部及び出射側光導波路部の形成方法を説明する。
【符号の説明】
【0093】
100,400…基板、
101,107,401,407…光導波路部、
101a,107a,401a,407a…光導波路、
101b,107b,401b,407b…クラッド層、
102,402…コリメート部、
102a,402a…コリメートレンズ、
103,105,403,405…光偏向素子部、
103a,105a,403a,405a…光偏向素子、
104,404…共通導波路、
106,406…集光部、
106a,407a…集光レンズ、
210,250,310…第1の構成部品、
211a,211b,221a,221b,251a,251b,261a,261b,311a,311b,321a,321b,408a,408b,408c,408d,409a,409b,409c,409d…導電パターン、
220,260,320…第2の構成部品、
230…固定ステージ、
231…制御部、
232…移動ステージ、
233…導通メータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光学部材の上面のエッジ近傍に相互に離隔した複数の第1の導電パターンを形成し、
第2の光学部材の下面のエッジ近傍に前記第1の導電パターンに対し相補的な関係を有する第2の導電パターンを形成し、
前記第2の光学部材の下面の前記エッジ近傍の部分を前記第1の光学部材の上面の前記エッジ近傍の部分に突き当て、前記第2の導電パターンにより前記複数の第1の導電パターン間が電気的に接続されるように前記第2の光学部材の角度を調整し、
前記第2の光学部材の角度を調整した状態で前記第2の光学部材を所定の位置に配置して、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを固定することを特徴とする光結合方法。
【請求項2】
前記第1の光学部材には前記第2の光学部材を配置する凹部が設けられ、前記第1の導電パターンは前記凹部の相互に対向する2つのエッジの近傍にそれぞれ形成され、
前記第2の光学部材の下面には相互に対向する2つのエッジの近傍にそれぞれ前記第2の導電パターンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光結合方法。
【請求項3】
前記第1の光学部材には前記第2の光学部材を配置する凹部が設けられ、前記第1の導電パターンは前記凹部の相互に隣り合う2つのエッジの近傍にそれぞれ形成され、
前記第2の光学部材の下面には相互に隣り合う2つのエッジの近傍にそれぞれ前記第2の導電パターンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光結合方法。
【請求項1】
第1の光学部材の上面のエッジ近傍に相互に離隔した複数の第1の導電パターンを形成し、
第2の光学部材の下面のエッジ近傍に前記第1の導電パターンに対し相補的な関係を有する第2の導電パターンを形成し、
前記第2の光学部材の下面の前記エッジ近傍の部分を前記第1の光学部材の上面の前記エッジ近傍の部分に突き当て、前記第2の導電パターンにより前記複数の第1の導電パターン間が電気的に接続されるように前記第2の光学部材の角度を調整し、
前記第2の光学部材の角度を調整した状態で前記第2の光学部材を所定の位置に配置して、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを固定することを特徴とする光結合方法。
【請求項2】
前記第1の光学部材には前記第2の光学部材を配置する凹部が設けられ、前記第1の導電パターンは前記凹部の相互に対向する2つのエッジの近傍にそれぞれ形成され、
前記第2の光学部材の下面には相互に対向する2つのエッジの近傍にそれぞれ前記第2の導電パターンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光結合方法。
【請求項3】
前記第1の光学部材には前記第2の光学部材を配置する凹部が設けられ、前記第1の導電パターンは前記凹部の相互に隣り合う2つのエッジの近傍にそれぞれ形成され、
前記第2の光学部材の下面には相互に隣り合う2つのエッジの近傍にそれぞれ前記第2の導電パターンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光結合方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−264441(P2007−264441A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91474(P2006−91474)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「フォトニックネットワーク技術の開発事業」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「フォトニックネットワーク技術の開発事業」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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