説明

光走査装置および画像形成装置

【課題】複数本の光ビームを偏向器で偏向して、画像形成装置の像担持体を同時に走査する構成において、環境変動に起因するビームピッチの粗密による画質劣化を抑制可能な光走査装置を提供すること。
【解決手段】コリメータレンズ62aを保持する水平部63aと、半導体レーザー61を保持する垂直部63bとからなる第1ホルダー63が、装置筐体の基底部50a上に、コリメータレンズ62aの光軸AYの周りに回転可能に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光ビームを偏向器により偏向して、画像形成装置の像担持体上を走査する光走査装置およびこれを備える画像形成装置に関し、特に環境変動による複数の光ビームの副走査方向におけるビームピッチの変動を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの半導体レーザーのn(複数)個の発光点から発せられるn本のレーザービームを、回転するポリゴンミラーの反射面で偏向して、走査レンズ等を介して同一の感光体ドラムなどの像担持体上を同時にn本のレーザービームで走査して、像担持体上に静電潜像を形成する光走査装置を備える画像形成装置が開発されている。
このような光走査装置は、ポリゴンミラーの1つの反射面でn本のレーザービームを同時に偏向するので、1本のレーザービームを用いる構成に比べて、n倍の速さで像担持体上に静電潜像を形成することができ、画像形成に要する時間を短縮して、画像形成の生産性を大幅に向上することができる。
【0003】
特許文献1には、光走査装置として、鏡筒の一方端に半導体レーザーが取り付けられ、鏡筒の他方端にコリメータレンズが取り付けられてなる光源ユニットを、装置筐体の側壁に設けられた円形の孔に、コリメータレンズの光軸回りに回転可能な状態で嵌合させてなる構成が開示されている。
鏡筒をコリメータレンズの光軸周りに回転させることにより、半導体レーザーも光軸周りに一緒に回転して、半導体レーザーから発せられる2本のレーザービームの像担持体上における副走査方向の間隔(ビームピッチ)を所定の間隔、例えば解像度が600dpiの場合、約42ミクロンに調整することができる。調整後には、鏡筒の回転方向の位置がずれないように鏡筒が装置筐体の側壁にネジで固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−98285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように光源ユニットを装置筐体の側壁部の孔に嵌合する構成をとると、装置周辺の環境変動によってビームピッチが変動し易いという問題がある。
すなわち、装置周辺の環境変動、具体的に温湿度が変動すると、樹脂や金属等からなる装置筐体に微小とはいえ変形が生じ、特に装置筐体の側壁は、基底部から垂直に立っている垂直姿勢から倒れる傾倒姿勢に変化し易い。側壁が傾倒姿勢になると、鏡筒も側壁と一緒に倒れる姿勢になり、光源ユニットから発せられる2本のレーザービームの光路が変動前の光路に対してずれることになる。
【0006】
2本のレーザービームの光路がずれると、光路のずれ量に応じた分、像担持体上における2本のレーザービームのビームピッチが本来の値(上記の例では、約42ミクロン)に対して変動してしまう。
例えば、2本のレーザービームのビームピッチが本来の値よりも狭くなった場合、ポリゴンミラーの第1の反射面で偏向されて像担持体上を同時に走査される2本のレーザービームの走査ラインL1とL2のビームピッチは本来の値よりも狭くなる。同様に、次の第2の反射面で偏向されて像担持体上を同時に走査される2本のレーザービームの走査ラインL3とL4のビームピッチも同様に本来の値よりも狭くなる。
【0007】
ところが、ポリゴンミラーの回転速度は一定なので、走査ラインL2とL3のビームピッチは、本来の値よりも広くなり、L1とL2間、L2とL3間、L3とL4間でビームピッチに粗密が生じることになる。ビームピッチが本来の値よりも広くなった場合も同様に走査ライン間でビームピッチに粗密が生じてしまう。
ビームピッチに粗密が生じると、像担持体上における静電潜像の走査位置が設計値に対して走査ライン毎に変化して、再現画像の画質劣化に繋がることになる。
【0008】
本発明の課題は、発光素子から発せられる複数本の光ビームを偏向器で偏向して、画像形成装置の像担持体を走査する構成において、環境変動に起因するビームピッチの粗密による画質劣化を抑制することが可能な光走査装置およびこれを備える画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る光走査装置は、複数の光ビームを発する発光素子とコリメータレンズと偏向器とが装置筐体に収容されており、前記発光素子から発せられた複数の光ビームを前記コリメータレンズを通過させて平行光にして、平行光にされた後の複数の光ビームを前記偏向器で偏向し、偏向後の複数の光ビームで同時に、画像形成装置の同一の像担持体を走査する光走査装置であって、前記発光素子を保持するホルダーを備え、前記ホルダーは、前記装置筐体の基底部に、前記コリメータレンズの光軸周りに回転自在に支持されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記ホルダーは、前記発光素子に加えて、前記コリメータレンズも保持することを特徴とする。
さらに、前記発光素子から前記偏向器までの光ビームの光路途中において、前記コリメータレンズから前記偏向器までの間にのみ、前記複数の光ビームを通過させてそれぞれを副走査方向に集光するシリンドリカルレンズが配置され、前記シリンドリカルレンズが前記ホルダーとは別の支持部材を介して前記装置筐体に支持されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記装置筐体の側壁には、透孔が設けられており、前記ホルダーは、光軸方向を長手方向に第1保持部で前記コリメータレンズを保持し、第1保持部よりも光ビーム進行方向上流側の第2保持部で前記発光素子を保持し、前記側壁の透孔を前記側壁とは非接触の状態で前記光軸方向に沿って貫通しており、前記側壁に対して、前記コリメータレンズを保持する第1保持部が装置筐体の内側に位置すると共に前記発光素子を保持する第2保持部が装置筐体の外側に位置し、前記発光素子からの複数の光ビームが前記側壁の透孔を通過して前記コリメータレンズに至るように構成されていることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記ホルダーは、前記光軸方向に沿って長尺状であり、前記側壁の透孔を貫通した状態で前記基底部に保持される第1部分と、前記第1部分の、前記側壁に対して装置筐体の外側に存する部分から前記基底部とは反対方向に前記側壁に沿って延伸されている第2部分と、を有し、前記第1部分のうち、前記側壁に対して装置筐体の内側の位置に前記第1保持部が設けられ、前記第2部分に前記第2保持部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
ここで、前記側壁の外側の面における前記透孔の周囲の部分と、前記第2の部分との間に、これら両方の部分の隙間を埋めるためのシール部材が介在されていることを特徴とする。
ここで、前記側壁の外側の面には、前記側壁の透孔を中心にその回りを取り囲むように筒状の壁部が設けられており、前記第2部分は、前記筒状の壁部に覆われるように前記筒状の壁部の内側に位置しており、前記筒状の壁部の内面と、前記第2部分の、前記筒状の壁部の内面と対向する面との間に、これら両方の面の隙間を埋めるためのシール部材が介在されていることを特徴とする。
【0014】
また、前記第2保持部は、前記発光素子が前記光軸に直交する方向に移動自在になるように、前記第2部分に支持されていることを特徴とする。
さらに、前記ホルダーは、前記装置筐体の基底部に2点支持されていることを特徴とする。
ここで、前記ホルダーの、前記基底部に対向する側には、前記光軸に直交する横断面が円弧状の底部が形成されており、前記基底部の、前記ホルダーに対向する側には、横断面がV字状の溝が前記光軸方向に形成されており、前記ホルダーの円弧状の底部が前記基底部のV字状の溝に嵌り込むことにより、前記二点支持が行われることを特徴とする。
【0015】
また、前記ホルダーが前記基底部に対して前記光軸方向に移動するのを規制する規制手段を備えることを特徴とする。
ここで、前記規制手段は、前記ホルダーと前記基底部のうち、一方に設けられたピンと、他方に設けられ、前記ピンが嵌り込む長孔または切り欠きからなり、前記長孔または切り欠きが前記光軸に直交する方向に延伸されており、前記ピンが前記長孔または切り欠きに嵌り込んだ状態で前記ホルダーの前記光軸方向への移動が規制されると共に、前記ホルダーの前記光軸周りの回転が許容されるように前記ピンと、長孔または切り欠きの大きさが設定されていることを特徴とする。
【0016】
さらに、前記コリメータレンズを保持する鏡筒を備え、前記コリメータレンズは、前記鏡筒を介して前記ホルダーに前記光軸方向に沿って移動自在に支持されることを特徴とする。
ここで、前記ホルダーの、前記鏡筒を支持する部分には、前記光軸に直交する断面がV字形状の溝が前記光軸方向に沿って形成されており、前記鏡筒が前記V字形状の溝に嵌り込むことにより、前記鏡筒が前記V字形状の溝に二点支持されていることを特徴とする。
【0017】
また、前記装置筐体の外側に配され、前記発光素子に駆動電力を供給し、発光タイミングおよび光量を制御する駆動基板と、前記駆動基板を前記装置筐体に支持する1以上の支持部材と、を備え、前記支持部材の少なくとも1つが前記装置筐体の基底部に取り付けられていることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記の光走査装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
このように発光素子を保持するホルダーを装置筐体の基底部で支持しており、環境変動による装置筐体の側壁の倒れの影響を受けずに済み、側壁に保持する従来の構成に比べて複数本の光ビームにおける像担持体上でのビームピッチの変動による画質劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】プリンタの構成を説明するための模式図である。
【図2】プリンタに備えられる光走査装置における主要部の構成を説明するための上面図である、
【図3】図2におけるA−A線に沿った矢視断面図である。
【図4】図2におけるB−B線に沿った矢視概略断面図である。
【図5】光走査装置の下面図である。
【図6】光走査装置の側面図である。
【図7】光走査装置に備えられる光源ユニットの構成を示す斜視図である。
【図8】光源ユニットの構成を示す別の斜視図である。
【図9】光源ユニットの構成を示す平面図である。
【図10】図9における矢印Cで示す方向から光源ユニットを見たときの図である。
【図11】図9におけるD−D線に沿った矢視断面図である。
【図12】図9におけるE−E線に沿った矢視断面図である。
【図13】図9における矢印Fで示す方向から光源ユニットを見たときの図である。
【図14】図9における矢印Gで示す方向から光源ユニットを見たときの斜視図である。
【図15】光源ユニットの第1ホルダーの平面図である。
【図16】変形例に係る光源ユニットの構成例を示す平面図である。
【図17】(a)は、図16の矢印Fで示す方向から光源ユニットを見たときの図であり、(b)は、図16の矢印Gで示す方向から光源ユニットを見たときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る光走査装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)を例にして説明する。
<プリンタの概略構成>
図1は、プリンタ1の構成を説明するための模式図である。
プリンタ1は、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置等から入力される画像データ等に基づいて、周知の電子写真方式により、フルカラー画像を記録用紙等の記録シートに形成する。
【0021】
プリンタ1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによるトナー像を記録シート上に形成する画像形成部10と、画像形成部10の下側に配置された給紙部20とを備えている。
給紙部20は、記録シートSが内部に収容された給紙カセット30を備えており、給紙カセット30内の記録シートSが画像形成部10に供給される
画像形成部10は、プリンタ1のほぼ中央部において一対のベルト周回ローラ22および23に水平状態で巻き掛けられて周回移動可能になった中間転写ベルト21を備えている。中間転写ベルト21は、図示しないモータによって、矢印Hで示す方向に周回移動するようになっている。中間転写ベルト21の下方には、プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kが設けられている。
【0022】
プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kは、中間転写ベルト21の周回移動方向(画像形成装置の正面側(前面側)から見て左側から右側方向)に沿ってその順番に配置されている。プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれには、中間転写ベルト21に対向する感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kが設けられており、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの周面上に、対応する色のトナーによるトナー像が形成されるようになっている。
【0023】
感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kは、それぞれの軸方向が、中間転写ベルト21の幅方向(周回移動方向とは直交する方向)に沿って相互に平行になるように配置されている。
プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kの下側には、光走査装置18が設けられている。光走査装置18は、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kに対して、それぞれ2本のレーザービーム(以下、「レーザービーム群」という。)LY、LM、LC、LKを発し、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kを主走査方向(紙面垂直方向)に走査して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上に静電潜像を形成する。光走査装置18の構成については、後述する。なお、同図および後述する別の図においても、2本のレーザービームを1本の直線で示している。
【0024】
プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上にトナー像を形成するトナーの色のみがそれぞれ異なっていること以外は、同様の機能を有していることから、以下においては、プロセスユニット10Yの構成のみを説明して、他のプロセスユニット10M〜10Kの構成について説明を省略する。
プロセスユニット10Yに設けられた感光体ドラム11Yは、同図に示す矢印の方向に回転されるようになっており、光走査装置18から発せられるレーザービーム群LY(図3等参照)が下方から照射されることによって露光される。感光体ドラム11Yにおけるレーザービーム群LYの露光位置よりも感光体ドラム11Yの回転方向上流側には、感光体ドラム11Yの表面を、レーザービーム群LYにより照射される前に一様に帯電する帯電器12Yが、感光体ドラム11Yに対向して配置されている。
【0025】
帯電器12Yによって一様に帯電された感光体ドラム11Yの表面には、レーザービーム群LYを構成する2本のレーザービームにより同時に走査されることによって、静電潜像が形成される。プロセスユニット10Yには、レーザービーム群LYの露光位置よりも感光体ドラム11Yの回転方向下流側に、現像器13Yが設けられている。現像器13Yは、感光体ドラム11Yの表面に形成された静電潜像をY色のトナーによって現像する。
【0026】
プロセスユニット10Yの上方には、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム11Yに対向する1次転写ローラ14Yが設けられている。1次転写ローラ14Yは、画像形成部10に取り付けられている。1次転写ローラ14Yは、転写バイアス電圧が印加されることによって、感光体ドラム11Yとの間に電界を形成するようになっており、この電界の作用によって、感光体ドラム11Y上のY色のトナー像が中間転写ベルト21上に1次転写される。
【0027】
他のプロセスユニット10M、10C、10Kの上方にも、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム11M、11C、11Kに対向する1次転写ローラ14M、14C、14Kがそれぞれ設けられており、感光体ドラム11M、11C、11K上に形成されたそれぞれのトナー像は、1次転写ローラ14M、14C、14Kと、感光体ドラム11M、11C、11Kとの間にそれぞれ形成される電界の作用によって、中間転写ベルト21上に1次転写される。
【0028】
各色のトナー像の形成動作は、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上に形成されたそれぞれのトナー像が中間転写ベルト21上の同じ領域に多重転写されるように、プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれの画像形成動作タイミングがずらして実行される。
なお、トナー像が1次転写された後の感光体ドラム11Yの表面は、プロセスユニット10Yに設けられたクリーニング部材15Yによってクリーニングされる。他のプロセスユニット10M、10C、10Kにおいても同様である。
【0029】
トナー像が形成された中間転写ベルト21の周回方向下流側の端部(画像形成装置における正面側から見て右側の端部)には、2次転写ローラ35が圧接されており、中間転写ベルト21と2次転写ローラ35との間に転写ニップが形成されている。2次転写ローラ35には転写バイアス電圧が印加されるようになっており、これにより、中間転写ベルト21との間に電界が形成される。
【0030】
2次転写ローラ35と中間転写ベルト21によって形成される転写ニップには、給紙部20の給紙カセット30から繰り出されて、搬送路31上を搬送される記録シートSが供給される。
中間転写ベルト21上に転写された各色のトナー像は、2次転写ローラ35と中間転写ベルト21との間の電界の作用により、記録シートSが転写ニップを通過する際に記録シートSに2次転写される。
【0031】
転写ニップを通過した記録シートSは、2次転写ローラ35の上方に配置された定着装置40に搬送される。定着装置40では、記録シートS上の未定着のトナー画像が加熱および加圧されることによって定着される。トナー像が定着された記録シートSは、排紙ローラ38によって、排紙トレイ39上に排出される。
<光走査装置の構成>
図2は、光走査装置18における主要部の構成を説明するための上面図であり、図3は、図2におけるA−A線に沿った矢視断面図であり、図3は、図2におけるB−B線に沿った矢視概略断面図であり、図5は、下面図であり、図6は、側面図である。
【0032】
なお、図2では、下側が画像形成装置の正面側(前面側)であり、上側が画像形成装置の背面側(奥側)になり、図4では右側が正面側であり、左側が背面側になる。図2のB−B線は、主走査方向に平行であり、ポリゴンミラー54aの回転軸に直交する直線に相当する。図3では光走査装置18の上方に位置するプロセスユニット10Y、10M、10C、10Kにおける感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kとの位置関係も示している。また、図6では、後述する駆動基板が省略されている。
【0033】
図2〜図6に示すように光走査装置18は、光源部51と、反射ミラー52Y、52Kと、ビーム合成器52M、52Cと、シリンドリカルレンズ53a、53bと、偏向器54と、走査レンズ55a、55bと、折り返しミラー群56と、第2fθレンズ群57(57a〜57d)が装置筐体50に収容されてなる。
装置筐体50は、平板状であり平面視で略矩形状をした基底部50aと、基底部50aの端辺から垂直方向に上方に向かって立てられるように設けられた側壁(外周壁)50bとを有する樹脂または金属製の部材であり、上方が開放されてなる。
【0034】
上方を開放するのは、製造工程において、装置筐体50内に配される偏向器54や走査レンズ55aなどの光学素子を上方から開口を介して装置筐体50の基底部50aに向かって差し入れて、基底部50a上の所定位置に配置させる操作を行い易いからである。
なお、装置筐体50が開放状態のままであれば、外部から埃や塵などが装置筐体50内部に侵入し、侵入した埃などが光学素子に付着して、付着した埃などで光路が乱されて画質が低下するおそれが生じるので、埃などの侵入を防止するために、薄板状の蓋181(図1)が開口を被うように側壁50bに取り付けられるようになっている。
【0035】
この蓋181には、後述のレーザービーム群の光路に相当する部分にレーザービームを通過させるための孔(不図示)が設けられており、その孔に透明ガラス(不図示)が嵌め込まれる構成になっている。
基底部50aは、装置本体フレーム(不図示)に固定支持されており、図4に示すように第1底部50cと、第1底部50cと連続しており、第1底部50cよりも段差により高くなった第2底部50dとを有する。
【0036】
第1底部50cの上面に、シリンドリカルレンズ53a、53b(図2)、偏向器54、走査レンズ55a、55bなどが配置され、第2底部50dの下面に、光源部51(図5)、反射ミラー52Y、52K、ビーム合成器52M、52Cなどが配置される構成になっている。
光源部51は、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kを走査するためのレーザービーム群LY、LM、LC、LKを発する光源ユニット51Y、51M、51C、51Kを備える。光源ユニット51Y、51M、51C、51Kの近傍には、光源ユニットに駆動用の電力を供給し、発光タイミングおよび光量を制御するための駆動基板65Y、65M、65C、65Kが取り付けられている。光源ユニット51Y〜51Kの構成については、後述する。なお、第2底部50dは、それぞれ光源ユニット51Y、51M、51C、51K毎に異なる高さ位置になっている。ここで、各光源ユニット51Y、51M、51C、51K毎に高さ位置が異なるように第2底部50dに段差を設けても良く、後述するV字状の溝50g(図10)の深さを変えても良い。
【0037】
反射ミラー52Yは、光源ユニット51Yから発せられたレーザービーム群LYを反射して、ビーム合成器52Mに導く。
ビーム合成器52Mは、例えば二つの研磨したプリズムを貼り合わせてなるビームスプリッターからなり、反射ミラー52Yにより反射された後のレーザービーム群LYを90°偏向させると共に、光源ユニット51Mから発せられたレーザービーム群LMをそのまま通過させて、レーザービーム群LYとLMの進行方向を揃える。
【0038】
ビーム合成器52Mで偏向されたレーザービーム群LYと、ビーム合成器52Mを通過したレーザービーム群LMは、基底部50aの段差部に設けられた透孔50e(図5)を通過後、シリンドリカルレンズ53a(図2)に導かれる。
シリンドリカルレンズ53aは、レーザービーム群LY、LMを副走査方向に集光して偏向器54に導くレンズであり、支持部材59aにより基底部50aに支持される。
【0039】
反射ミラー52K(図5)は、光源ユニット51Kから発せられたレーザービーム群LKを反射させて、ビーム合成器52Cに導く。
ビーム合成器52Cは、ビーム合成器52Mと同じ構成のものであり、反射ミラー52Kにより反射された後のレーザービーム群LKを90°偏向させると共に、光源ユニット51Cから発せられたレーザービーム群LCをそのまま通過させて、レーザービーム群LCとLKの進行方向を揃える。
【0040】
ビーム合成器52Cで偏向されたレーザービーム群LKと、ビーム合成器52Cを通過したレーザービーム群LCは、基底部50aの段差部に設けられた透孔50f(図5)を通過した後、シリンドリカルレンズ53b(図2)に導かれる。
シリンドリカルレンズ53bは、レーザービーム群LC、LKを副走査方向に集光して偏向器54に導くレンズであり、支持部材59bにより基底部50aに支持される。
【0041】
偏向器54は、6つの反射面を有するポリゴンミラー54aをその回転軸を中心にモータで等速回転させ、入射されるレーザービーム群LY〜LKを偏向する。
本実施の形態では、ポリゴンミラー54aの回転軸を含み、かつB−B線(主走査方向に平行な直線)を含む仮想平面を挟んで一方の側にレーザービーム群LY、LMが入射される第1入射位置が設けられ、他方の側にレーザービーム群LC、LKが入射される第2入射位置が設けられている。
【0042】
第1入射位置で偏向された後のレーザービーム群LY、LMは、走査レンズ55aに導かれ、第2入射位置で偏向された後のレーザービーム群LC、LKは、走査レンズ55bに導かれる。
走査レンズ55aと55bは、ポリゴンミラー54aを挟んで対向配置されており、それぞれが第1fθレンズ群からなり、レーザービーム群LC〜LKを折り返しミラー群56、第2fθレンズ群57を介して感光体ドラム11Y〜11Kに導く。
【0043】
具体的には、レーザービーム群LY(図3)は、走査レンズ55aを通過した後、折り返しミラー56aで反射され、第2fθレンズ57aを通過する際に副走査方向に集光されて、感光体ドラム11Y上に結像される。
レーザービーム群LMは、走査レンズ55aを通過した後、折り返しミラー56bで反射され、第2fθレンズ57bを通過する際に副走査方向に集光され、折り返しミラー56cで反射された後、感光体ドラム11M上に結像される。
【0044】
レーザービーム群LCは、走査レンズ55bを通過した後、折り返しミラー56eで反射され、第2fθレンズ57cを通過する際に副走査方向に集光され、折り返しミラー56dで反射された後、感光体ドラム11C上に結像される。
レーザービーム群LKは、走査レンズ55bを通過した後、折り返しミラー56fで反射され、第2fθレンズ57dを通過する際に副走査方向に集光されて、感光体ドラム11K上に結像される。
【0045】
<光源ユニットの構成>
図7と図8は、光源ユニット51Yの構成を示す斜視図であり、図9は、光源ユニット51Yの構成を示す平面図である。図10は、図9における矢印Cで示す方向から光源ユニット51Yを見たときの図であり、図11は、図9におけるD−D線に沿った矢視断面図であり、図12は、図9におけるE−E線に沿った矢視断面図である。また、図13は、図9における矢印Fで示す方向から光源ユニット51Yを見たときの図であり、図14は、図9における矢印Gで示す方向から光源ユニット51Yを見たときの斜視図である。図15は、光源ユニット51Yの第1ホルダー63の平面図である。
【0046】
なお、光源ユニット51Yは、上記のように基底部50aの第2底部50dの下面に装着されているが、図7以降の各図では、説明を判り易くするために上下を逆転させて上方から見たように視点を変えて示している。
また、相互に直交するX、Y、Z軸を矢印で示しており、矢印Xに沿う方向がレーザービームの進行方向に相当する。以下、レーザービームの進行方向を特定する場合に、矢印Xに沿う方向をビーム進行方向という場合がある。
【0047】
図7〜図14に示すように、光源ユニット51Yは、半導体レーザー61と、コリメータレンズ部62と、第1ホルダー63と、第2ホルダー64を備える。
第1ホルダー63は、例えば樹脂製の部材であり、X軸方向を長手方向とする水平部63a(第1部分)と、水平部63aのビーム進行方向上流側の端部から第2底部50dとは反対方向にZ軸に沿って延伸された垂直部63b(第2部分)とを有する(図15)。
【0048】
水平部63aは、X軸に直交する断面形状が円弧状の本体部63pと、本体部63pのX軸方向に略中央の位置であり、本体部63pの周方向両端部からY軸方向に沿って外側に突出された突出片63q、63rを有する。
本体部63pの内周面側がコリメータレンズ部62を保持する側になり、外周面側(基底部50aに対向する側)が装置筐体50の第2底部50dに保持される側になっている。本体部63pの外周面は、X軸に直交する断面形状が円弧状になっている。
【0049】
第2底部50dには、X軸に直交する断面形状がV字状の溝50g(図10)がX軸に沿って形成されている。このV字状の溝50gに、第1ホルダー63における本体部63pの円弧状の外周面が周方向に間隔をおいた2箇所の位置で支持(二点支持)されるように、第1ホルダー63の本体部63pが嵌められる。
突出片63q、63rのそれぞれには、Y方向に長い長孔63f、63gが設けられており、長孔63f、63gには、第2底部50dにZ方向に立てられたピン81、82が嵌め込まれている。長孔63f、63gのY方向長さは、ピン81、82の径よりも長く、長孔63f、63gの幅は、ピン81、82の径よりもやや小さくなっている。
【0050】
第2底部50dに設けられたピン81、82が、第1ホルダー63に設けられた長孔63f、63gに嵌り込むことにより、第1ホルダー63は、X方向への移動を規制されると共に、図7に示す矢印方向(後述するコリメータレンズ62aの光軸AYの周りを回る方向:光軸周り)への回転が、ピン81、82の径と長孔63f、63gの長さとの関係で回転方向への遊びの分だけ、自在になる。第1ホルダー63が第2底部50dに対して光軸周りへの回転を自在に支持されているのは、半導体レーザー61から出射されるレーザービーム群LYを構成する2本のレーザービームによる感光体ドラム11Y上におけるビームピッチの大きさを調整するビームピッチ調整を行うためである。ビームピッチ調整については、後述する。
【0051】
本体部63pの底部には、X方向に沿って長孔63h(図15)が形成されると共に、内周面側には、長孔63hを挟んで周方向の両側に、コリメータレンズ部62を保持するレンズ保持部63d、63e(第1保持部)が設けられている。
コリメータレンズ部62は、コリメータレンズ62a(図12)と、コリメータレンズ62aを保持する鏡筒62bを備える。
【0052】
コリメータレンズ62aは、半導体レーザー61から出射される2本のレーザービーム(拡散光)のそれぞれを平行光にするレンズであり、光軸AYがX軸に平行になるように鏡筒62bに保持されている。
鏡筒62bは、X軸方向に長く、横断面が円筒状である。鏡筒62bの、レーザービームの進行方向上流側の端部にコリメータレンズ62aが保持され、レーザービームの進行方向下流側の端部は、Y方向に長い長孔62cが設けられた蓋で閉じられている。
【0053】
鏡筒62bの底部には、X軸方向に沿って形成された突条部62dが設けられており、突条部62dは、第1ホルダー63の本体部63pの底部に形成されている長孔63hに嵌合している。突条部62dのX軸方向長さは、長孔63hのX軸方向長さよりも短くなっており、その長さの差分だけ、鏡筒62bの突条部62dが第1ホルダー63の長孔63hに嵌合した状態で、鏡筒62bが第1ホルダー63に対してX軸方向に移動自在に支持されるようになっている。
【0054】
鏡筒62bを第1ホルダー63に対してX軸方向に移動自在に支持する構成をとっているのは、コリメータレンズ62aの光軸方向における焦点合わせ(フォーカス調整)を行うためである。フォーカス調整については、後述する。
なお、突条部62dの幅(Y軸方向の厚み)は、長孔63hの幅よりもやや狭くなっているが、Y軸方向へのがたつきが生じないように両者の幅の大きさが決められている。また、長孔63hは、本体部63pを貫通する貫通孔になっており、突条部62dが長孔63hに嵌合した状態で、突条部62dの突出端が本体部63pを貫通することがないように、突条部62dの高さ(Z軸方向長さ)と長孔63hの深さが決められる。
【0055】
鏡筒62bは、本体部63pとは、鏡筒62bの外周面の、本体部63pのレンズ保持部63d、63eに対向する部分だけで当接することにより、本体部63pに保持される構成になっている。なお、突条部62dは、本体部63pの長孔63hを介して本体部63pに接するが、Z軸方向にはほとんど自由といえるので、本体部63pに保持される部分とまではいえない。
【0056】
レンズ保持部63d、63eは、コリメータレンズ62aの光軸AYの位置を決めるための基準面に相当し、鏡筒62bの外周面が当接した状態で、コリメータレンズ62aの光軸AYの、第1ホルダー63に対するZ軸方向における位置が所定位置になるように、大きさ、形状などが予め決められている。
本実施の形態では、レンズ保持部63d、63eは、図10と図11に示すように、コリメータレンズ62aの光軸AYとZ軸を含む仮想平面を挟んで対称な状態で配置されており、当該仮想平面に対して所定の傾斜角をもって傾斜して、光軸に直交する断面で見るとV字状の溝のような形状になっている。
【0057】
第1ホルダー63の水平部63aは、装置筐体50の側壁50bに設けられた透孔50mを側壁50bとは非接触の状態で光軸方向に沿って貫通して、透孔50mを介して水平方向に沿って横たわるように配置され、側壁50bを挟んで、側壁50bよりもレーザービームの進行方向下流側(装置筐体50の内側)の部分にレンズ保持部63d、63e、突出片63q、63rが設けられ、側壁50bよりもレーザービームの進行方向上流側(装置筐体50の外側)の端部に、垂直部63bが設けられている。
【0058】
垂直部63bは、板状体であり、中央部に透孔63cが設けられている。透孔63cには、半導体レーザー61が嵌め込まれるようになっており、半導体レーザー61から出射される2本のレーザービームが垂直部63bの透孔63c、装置筐体50の側壁50bの透孔50mを通過して、コリメータレンズ62aに入射される構成になっている。
半導体レーザー61は、複数、ここでは2つの発光点を有する発光素子であり、発光部側の面61a(図12)上に間隔をおいて設けられた2つの発光点のそれぞれからレーザービームを発する。この2本のレーザービームがレーザービーム群LYを構成する。
【0059】
半導体レーザー61は、板状の第2ホルダー64(第2保持部)に保持されており、第2ホルダー64は、第1ホルダー63の垂直部63bに支持されている。第2ホルダー64と垂直部63bとが、側壁50bに対して装置筐体50の外側に出ているので、製造時に半導体レーザー61を保持する第2ホルダー64を第1ホルダー63の垂直部63bに取り付ける工程などの操作を外側から行い易くなる。
【0060】
図13と図14に示すように、側面視で略矩形状の第2ホルダー64には、中央に設けられた透孔64zと、透孔64zを挟んでZ軸方向に間隔をおいて設けられた2つの透孔64aと64bと、透孔64zを挟んでY軸方向に間隔をおいて設けられた2つの透孔64cと64dを有する。
半導体レーザー61は、発光部側の面61aがコリメータレンズ62aの方を向く姿勢になるように、第2ホルダー64の中央に設けられた透孔64zに嵌合されている。
【0061】
Y軸方向に沿って並ぶ2つの透孔64c、64dは、第2ホルダー64を第1ホルダー63の垂直部63bに固定するためのネジ169、69が通る孔であり、ネジ169、69が透孔64c、64dを介して、垂直部63bに設けられた台座63m、63nのネジ孔63p、63qにネジ止めされることにより、第2ホルダー64が第1ホルダー63の垂直部63bに固定支持される。
【0062】
この固定支持の前に、半導体レーザー61の、コリメータレンズ62aに対する位置(Y−Z平面における位置)を調整する調芯工程が実行される。調芯工程の方法については、後述する。
第1ホルダー63の垂直部63bと装置筐体50の側壁50bとの間には、図12に示すように、垂直部63bと側壁50bの隙間を埋めるためのシール部材66が介在されている。シール部材66は、装置筐体50の外部から側壁50bの透孔50mを介して装置筐体50の内部に塵や埃などが侵入するのを防止するための防塵用の部材である。
【0063】
本実施の形態ではシール部材66は、スポンジなどの弾性部材が用いられ、側壁50bの外側であり、透孔50mの周囲を取り囲むようにリング状に形成されて、側壁50bと垂直部63bとの間に両者の面と密着する状態になるように挟み込まれることにより、外部から装置筐体内部への塵などの侵入が防止される。
半導体レーザー61とコリメータレンズ62aは、第1ホルダー63に保持されており、第1ホルダー63は、装置筐体50の第2底部50dに支持されている。
【0064】
このように装置筐体50の第2底部50dに第1ホルダー63を介して半導体レーザー61を支持するのは、装置周辺の環境(温湿度)変動に起因するレーザービームの光路の変位が極力生じないようにするためである。
すなわち、装置筐体50は、基底部50aと側壁50bとから構成され、上方が開口されてなり、基底部50aの一部である第2底部50dは、側壁50bと連続しており、自由端になる部分がないが、側壁50bは、基底部50aとは反対側の上端が自由端になる。また、第2底部50d(基底部50a)は、装置本体フレームに固定支持されている。
【0065】
装置周辺の環境(温湿度)変動に起因する熱膨縮などにより、例えば装置筐体50の全体的な歪みなどの原因になる応力が生じた場合、第2底部50dの方が自由端側である側壁50bよりも剛性が高いために変位が生じ難い。このことを理由に、高速回転するポリゴンミラー54aを有する偏向器54も基底部50aに支持する構成をとっている。
このように偏向器54と同様に、半導体レーザー61を基底部50aに支持する構成をとることにより、環境変動によるレーザービームの光路の変位を極力少なくして、2本のレーザービームの光路が本来の位置からずれ難く、感光体ドラム11Y上のビームピッチの変動が生じ難くなり、ビームピッチの粗密による画質劣化を抑制することができる。
【0066】
なお、上記の基底部50aは、偏向器54を支持する第1底部50cと光源ユニット51Yを支持する第2底部50dの間に段差部が介在されてなるが、この段差部があることにより強度が低下することにはならない。なぜなら、第1底部50cも第2底部50dも基底部50aの一部であり、段差部が第1底部50cと第2底部50dに連続しており、自由端になっているわけでもなく、第1底部50cと第2底部50dを一体とみることができ、自由端を有する側壁50bに比べて環境変動の影響を受け難い構成であることに変わりはないからである。また、第1ホルダー63の垂直部63bがシール部材66を介して側壁50bに接しているが、シール部材66はスポンジなどの弾性体であり、側壁50bの変位を吸収するので、変位の影響が第1ホルダー63に及ぼされることは生じない。
【0067】
半導体レーザー61の発光部側の面61aとは反対側の面からは、電力受電用および制御信号受信用の複数本のリード61bが延出されており、リード61bの先端部は、駆動基板65Yに半田付けされている。
駆動基板65Yは、プリント基板であり、本実施の形態では、図8や図12に示すように、平面視で矩形状の形状をしている。なお、第1ホルダー63と半導体レーザー61との位置関係を判り易くするため、一部の図面では駆動基板65Yが省略されている。
【0068】
駆動基板65Yは、4本の棒状の支持部材65a〜65dにより装置筐体50に固定支持されている。ここでは、支持部材65c、65dは、一方端が装置筐体50の第2底部50dに固定されており、他方端が駆動基板65Yにおける第2底部50d側の2隅に固定されている。支持部材65a、65bは、一方端が装置筐体50の側壁50bに固定されており、他方端が駆動基板65Yにおける第2底部50dとは反対側の2隅に固定されている。
【0069】
駆動基板65Yは、第2底部50dに固定されている2本の支持部材65c、65dを介して装置筐体50に支持されるので、4本共が側壁50bに支持される構成よりも高強度になる。駆動基板65Yは、装置筐体50の側壁50bの外側に配置されているので、例えば製造時やメンテナンス時などに人の手が当たって外力が加えられる場合があるが、外力が加えられても支持部材65a、65dを介して、強度の高い第2底部50dに伝わって、第2底部50dで受け止められ、光源ユニット51Yに直接加わることがない。
【0070】
従って、外力による衝撃が光源ユニット51Yに作用して、光源ユニット51Yの取り付け位置が機械的にずれるといったことが生じ難く、位置ずれによりビームピッチの変動が生じるなどの画質劣化の発生を抑制することができる。この意味で、支持部材65としては、少なくとも1つが基底部50aに取り付けられる構成とすることが望ましい。
なお、本実施の形態の構成では、製造時において駆動基板65Yの装置筐体50への取り付けが、上記の調芯工程からビームピッチ調整までの全工程の終了後に行われる。
【0071】
以下、調芯工程、フォーカス調整、ビームピッチ調整の方法を順に説明する。
<調芯工程について>
(1)第2ホルダー64(図14)を第1ホルダー63の垂直部63bにネジ69、169で仮締めした状態で、調芯治具98(図14において破線で示す)に設けられた2本の棒状部材99、199の先端部を第2ホルダー64の透孔64a、64bに嵌め込む。当該治具98は、光軸AYに直交する平面、すなわちY−Z平面上を移動可能になっている。なお、コリメータレンズ62aのフォーカス調整は、次の工程で行うが、調芯工程では、フォーカスがある程度、大まかに調整された状態で実行され、フォーカスは、次の工程で微調整されるようになっている。
【0072】
(2)半導体レーザー61の一方の発光点からレーザービームを出射させて、感光体ドラム11Yと同じ光学的位置関係に配置されるCCDなどの光電センサの検出面(被照射面)上にビームスポットを結像させる。なお、この調芯工程では、まだ半導体レーザー61に駆動用の電力を供給するための駆動基板65Y(後述)が取り付けられていないので、半導体レーザー61の、発光部側の面61aとは反対側の面から延出されている受電用の複数本のリード61bに、検査用の電力供給コネクタ(不図示)が接続されて、電力が供給される。
【0073】
(3)ビームスポットの中心が検出面上に予め印刷されている十字の画像の中心位置に来るように、治具98を移動させて半導体レーザー61のY−Z平面上における位置を調整する。ここでは検出面に入射されるレーザービームのビーム強度分布からビームスポットの中心(強度分布のピーク)の位置を検出することにより、ビームスポットの中心が検出面上における十字の画像の中心位置に対してどの位置にあるのかが検出される。
【0074】
なお、検出面上における十字の画像の中心位置は、コリメータレンズ62aの光軸の位置を示すようにコリメータレンズ62aと検出面との位置関係が予め決められている。また、ここでは一方の発光点からのレーザービームによるビームスポットの中心とコリメータレンズ62aの光軸とが一致することを調芯としているが、例えば一方の発光点と他方の発光点の中間位置とコリメータレンズ62aの光軸とが一致することを調芯としても良い。この場合、一方の発光点からのレーザービームのビームスポットの中心から検出面上における十字の画像の中心位置までの距離と、他方の発光点からのレーザービームのビームスポットの中心から検出面上における十字の画像の中心位置までの距離とが同じになるように、各発光点から交互にレーザービームを出射させて、治具98の移動による半導体レーザー61のY−Z平面上における位置が調整される。
【0075】
(4)ビームスポットの中心が十字の画像の中心位置に来たことが検出されると、治具98を停止させ、仮締め状態のネジ69、169を締め込んで固定する。これにより、コリメータレンズ62aに対する半導体レーザー61の位置の調整(調芯)が終了する。
<フォーカス調整について>
フォーカス調整は、調芯工程が終了した後、次の手順で実行される。
【0076】
(1)半導体レーザー61の一方の発光点からレーザービームを出射させて、上記の光電センサの検出面上にビームスポットを結像させる。
(2)結像しているビームスポットの焦点が合っているか否かを光電センサにより検出されるビーム強度分布から算出されるビーム径から判断する。
(3)ビームスポットの焦点が合っていないことが検出されると、焦点が合っていることが検出されるまで、鏡筒62bを第1ホルダー63の水平部63aに対して光軸AYの方向に沿って少しずつ移動させる。
【0077】
(4)焦点が合っていることが検出されると、鏡筒62bの移動を停止させて、焦点が合った位置で鏡筒62bを第1ホルダー63の水平部63aに固定する。本実施の形態では、鏡筒62bの外周面と、第1ホルダー63の水平部63aのレンズ保持部63d、63eとが当接する部位に接着剤を流し込んで接着により固定する。
<ビームピッチ調整について>
ビームピッチ調整は、フォーカス調整が終了した後に、次の手順で実行される。
【0078】
(1)半導体レーザー61から2本のレーザービームを同時に出射させて、上記の光電センサの検出面上に2つのビームスポットを結像させる。
(2)結像している2つのビームスポットの、検出面上における副走査方向に相当する方向のビームピッチ(間隔)を、2つのビームスポットのビーム強度分布から求める。
(3)ビームピッチが所定の値になっていないことが検出されると、ビームピッチが所定値になったことが検出されるまで、第1ホルダー63の水平部63aを装置筐体50の第2底部50dに対して光軸周りに少しずつ回転させる。
【0079】
(4)ビームピッチが所定値になったことが検出されると、第1ホルダー63の回転を停止させて、第1ホルダー63の水平部63aを装置筐体50の第2底部50dに固定する。本実施の形態では、第1ホルダー63の水平部63aの底面と、装置筐体50の第2底部50dの溝50gとの当接部位に接着剤を流し込んで接着により固定する。
なお、第1ホルダー63の、装置筐体50の第2底部50dに対する光軸周りの回転量が、ビームピッチ調整を行うのに十分な量になるように、第2底部50dに設けられたピン81、82の、第1ホルダー63に設けられた長孔63f、63gに対する遊びの量が予め決められている。
【0080】
このように半導体レーザー61のコリメータレンズ62aに対する位置をY−Z平面(X軸に直交する平面)に沿って調整する調芯工程と、半導体レーザー61を光軸(X軸)周りに回転させるビームピッチ調整を別々に分けて実行することができるので、例えば半導体レーザー61をY−Z平面に沿って移動させながら、これに直交するX軸周りに回転する操作を同時に行う、いわゆる3軸調整の方法をとるよりも調整が容易になる。
【0081】
また、半導体レーザー61が第1ホルダー63により装置筐体50に支持され、シリンドリカルレンズ53aが第1ホルダー63とは別の支持部材59aにより装置筐体50に支持されているので、ビームピッチ調整において第1ホルダー63を光軸周りに回転させても、シリンドリカルレンズ53aが一緒に回転することが生じない。
例えば、シリンドリカルレンズも第1ホルダー63に支持する構成をとった場合、第1ホルダー63を光軸周りに回転させると、シリンドリカルレンズも一緒に同方向に同じ量だけ回転する。シリンドリカルレンズが回転すると、シリンドリカルレンズにより直線状に集光された後のレーザービームのその直線の、ポリゴンミラー54aの回転軸に対する傾斜角が正規の角度に対して変動することになる。この傾斜角が正規の角度から変動すると、偏向後のレーザービームによる感光体ドラム11Y上での走査ビームにねじれが発生して、画質劣化に繋がる。従って、ビームピッチ調整の際に、ビームピッチと同時にシリンドリカルレンズ53aの回転方向の位置合わせも行う必要があり、調整に手間がかかる場合が生じる。
【0082】
これに対して、本実施の形態のように第1ホルダー63とシリンドリカルレンズ53aを別の支持部材で支持する構成をとれば、ビームピッチとレーザービームのねじれを別々に調整することができ、調整の容易化を図ることができる。
なお、上記では第1ホルダー63の垂直部63bと側壁50bの隙間をシール部材66で塞ぎ、外部から塵などが装置筐体50の内部に入るのを防止する構成をとったが、この構成に限られない。例えば、図16と図17に示す構成をとることもできる。
【0083】
図16は、変形例に係る光源ユニット51Yの構成例を示す平面図であり、図17(a)は、図16の矢印Fで示す方向から光源ユニット51Yを見たときの図であり、図17(b)は、図16の矢印Gで示す方向から光源ユニット51Yを見たときの図である。なお、図16においては、構成を判り易くするため、壁部201とシール部材202を光軸AYを通りZ軸に直交する面で切断した断面で示している。
【0084】
図16と図17に示すように、側壁50bの装置外側の面には、筒状の壁部(リブ)201が側壁50bに設けられた透孔50mを中心に、その周囲を取り囲むように1周に亘って設けられている。筒状の壁部201の内側に壁部201に覆われるように第1ホルダー63の垂直部63bが位置する関係になっている。
この筒状の壁部201の内周面と、垂直部63bの外周面(壁部201の内周面と対向する面)との間に、両方の面に密着するようにシール部材202が介在され、壁部201と垂直部63bとの隙間を埋めるようになっている。垂直部63bと側壁50bの間には、上記のシール部材66が設けられていない。
【0085】
側壁50bに設けられた壁部201が光軸周りに環状に1周に亘って設けられ、この壁部201に取り囲まれるように第1ホルダー63の垂直部63bがシール部材202を介して配置されるので、側壁50bに設けられた透孔50mを介して外部の塵などが装置筐体50の内部に入り込むことが防止される。なお、装置筐体50内部に塵などが侵入することがほとんど生じない場合や、塵などが侵入しても画質劣化にまでは至らないような場合などには、シール部材を設けない構成をとることも可能である。
【0086】
上記では、光源ユニット51Yについて説明したが、光源ユニットの構成は、他の光源ユニット51M〜51Kについても同じなので、光源ユニット51M〜51Kの構成については説明を省略する。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
【0087】
(1)上記実施の形態では、基底部50aが第1底部50cと第2底部50dの間に段差部が介在されてなる構成例を説明したが、この構成に限られることはない。例えば、基底部50aを段差部のない平坦な形状にしたものを用いて、平坦状の基底部50aの同一平面上に光源ユニット、偏向器、走査レンズなどの光学素子を配置するとしても良い。
また、上記では、装置筐体の基底部50aに保持される第1ホルダー63を介して半導体レーザー61とコリメータレンズ62aを保持する構成としたが、これに限られず、例えばコリメータレンズを第1ホルダー63とは別の部材で装置筐体に保持する構成をとることもできる。さらに、上記では第1ホルダー63と第2ホルダー64が別体であり、ネジ止め固定するとしたが、これらを一体にして、1つのホルダーで構成し、この1つのホルダーが少なくとも半導体レーザー(発光素子)を保持した状態で、基底部50aに保持される構成をとるとしても良い。1つのホルダーに半導体レーザーを保持する保持部を設け、その保持部において調芯を可能な構成をとることができる。
【0088】
なお、装置構成によって調芯とフォーカス調整が不要であれば、上記のように半導体レーザー61を光軸に直交する方向に移動自在にしたり、コリメータレンズ62aを光軸方向に沿って移動自在にしたりする構成をとらないとしても良い。
(2)上記実施の形態では、第1ホルダー63の水平部63aの外周面を断面円弧状に形成し、第2底部50dの、第1ホルダー63の水平部63aに対向する面に断面V字状の溝を形成するとしたが、水平部63aにV字状の溝を、第2底部50dを円弧状に形成するとしても良い。鏡筒62bと第1ホルダー63の支持構成についても同様である。
【0089】
また、第1ホルダー63の水平部63aを第2底部50dに対して、およびコリメータレンズ62aの鏡筒62bを水平部63aに対して、それぞれ二点支持する構成をとったが、二点支持に限られない。
第1ホルダー63を第2底部50dに対して光軸周りに回転自在に保持し、鏡筒62bを第1ホルダー63に対して光軸に沿って移動自在に保持する構成であれば良い。
【0090】
例えば、第1ホルダー63の外周面と第2底部50dの溝50gの横断面形状を両方共、略同じ曲率の円弧状にして、第1ホルダー63の外周面と第2底部50dの溝50gの内周面を面接触する構成をとることもできる。鏡筒62bと第1ホルダー63の支持構成についても同様である。
(3)上記実施の形態では、第1ホルダー63の装置筐体50に対する光軸方向への移動を規制し、光軸周りの回転を許容する構成として、第1ホルダー63の突出片63q、63rのそれぞれに、光軸に直交する方向に沿って長い長孔63f、63gを設け、第2底部50dには、垂直に立てられたピン81、82を設け、ピン81、82を長孔63f、63gに嵌め込む構成をとったが、これに限られることはない。例えば、規制手段としては長孔63f、63gの外側の縁部を開口(開放)して平面視で、U字形状などの切り欠きを設ける構成をとるとしても良い。また、ピンを第1ホルダー側に、長孔を基底部側に設けるとしても良い。
【0091】
(4)上記実施の形態では、第1ホルダー63の水平部63aを側壁50bに設けられた透孔50mに貫通させた状態にして、半導体レーザー61を側壁50bに対して装置筐体50の外側に位置させる構成をとることにより、半導体レーザー61の取り付けや調整などを行い易くするとしたが、これに限られない。装置構成によっては、光源ユニット51Y〜51Kを装置筐体50の内部に収容する構成をとるとしても構わない。この構成の場合、側壁50bに透孔50mを設ける必要がなく、光源ユニット51Y〜51Kを含む光学素子の全部が装置筐体50の内部に配されて側壁50bに取り囲まれるようになり、シール部材66、202、壁部201が不要になる。
【0092】
(5)上記実施の形態では、本発明に係る光走査装置をタンデム型カラーデジタルプリンタに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、また1つの半導体レーザーから出射されるレーザービームの数が2本に限られることもなく、2以上であっても良い。さらに、発光素子は半導体レーザーに限られず、感光体ドラムなどの像担持体を露光するのに適した光ビームを出射可能な別の種類の発光素子を用いるとしても構わない。
【0093】
すなわち、複数の光ビームを偏向器で偏向して、偏向された後の複数の光ビームで同時に、同一の像担持体を主走査方向に露光走査して、当該同一の像担持体上に静電潜像を形成する光走査装置およびこれを備える画像形成装置であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。また、像担持体としては、感光体ドラムに限られず、ベルト状のものであっても良い。
【0094】
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、複数本の光ビームを偏向して像担持体を走査する光走査装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 プリンタ
11Y、11M、11C、11K 感光体ドラム
18 光走査装置
50 装置筐体
50a 基底部
50b 側壁
50c、50d 基底部の一部
50g V字状の溝
50m 側壁の透孔
51Y、51M、51C、51K 光源ユニット
53a、53b シリンドリカルレンズ
54 偏向器
59a、59b シリンドリカルレンズの支持部材
61 半導体レーザー
62a コリメータレンズ
62b 鏡筒
63 第1ホルダー
63a 水平部(第1部分)
63b 垂直部(第2部分)
63d、63e レンズ保持部(第1保持部)
63f、63g、63h 長孔
63p 断面円弧状の本体部
63q、63r 突出片
64 第2ホルダー(第2保持部)
65Y、65M、65C、65K 駆動基板
65a、65b、65c、65d 駆動基板の支持部材
66、202 シール部材
81、82 ピン
201 筒状の壁部
AY コリメータレンズの光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ビームを発する発光素子とコリメータレンズと偏向器とが装置筐体に収容されており、前記発光素子から発せられた複数の光ビームを前記コリメータレンズを通過させて平行光にして、平行光にされた後の複数の光ビームを前記偏向器で偏向し、偏向後の複数の光ビームで同時に、画像形成装置の同一の像担持体を走査する光走査装置であって、
前記発光素子を保持するホルダーを備え、
前記ホルダーは、前記装置筐体の基底部に、前記コリメータレンズの光軸周りに回転自在に支持されていることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記ホルダーは、前記発光素子に加えて、前記コリメータレンズも保持することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記発光素子から前記偏向器までの光ビームの光路途中において、前記コリメータレンズから前記偏向器までの間にのみ、前記複数の光ビームを通過させてそれぞれを副走査方向に集光するシリンドリカルレンズが配置され、
前記シリンドリカルレンズが前記ホルダーとは別の支持部材を介して前記装置筐体に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記装置筐体の側壁には、透孔が設けられており、
前記ホルダーは、
光軸方向を長手方向に第1保持部で前記コリメータレンズを保持し、第1保持部よりも光ビーム進行方向上流側の第2保持部で前記発光素子を保持し、
前記側壁の透孔を前記側壁とは非接触の状態で前記光軸方向に沿って貫通しており、
前記側壁に対して、前記コリメータレンズを保持する第1保持部が装置筐体の内側に位置すると共に前記発光素子を保持する第2保持部が装置筐体の外側に位置し、
前記発光素子からの複数の光ビームが前記側壁の透孔を通過して前記コリメータレンズに至るように構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記ホルダーは、
前記光軸方向に沿って長尺状であり、前記側壁の透孔を貫通した状態で前記基底部に保持される第1部分と、
前記第1部分の、前記側壁に対して装置筐体の外側に存する部分から前記基底部とは反対方向に前記側壁に沿って延伸されている第2部分と、を有し、
前記第1部分のうち、前記側壁に対して装置筐体の内側の位置に前記第1保持部が設けられ、前記第2部分に前記第2保持部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記側壁の外側の面における前記透孔の周囲の部分と、前記第2の部分との間に、これら両方の部分の隙間を埋めるためのシール部材が介在されていることを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
【請求項7】
前記側壁の外側の面には、
前記側壁の透孔を中心にその回りを取り囲むように筒状の壁部が設けられており、
前記第2部分は、
前記筒状の壁部に覆われるように前記筒状の壁部の内側に位置しており、
前記筒状の壁部の内面と、前記第2部分の、前記筒状の壁部の内面と対向する面との間に、これら両方の面の隙間を埋めるためのシール部材が介在されていることを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記第2保持部は、
前記発光素子が前記光軸に直交する方向に移動自在になるように、前記第2部分に支持されていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項9】
前記ホルダーは、
前記装置筐体の基底部に2点支持されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項10】
前記ホルダーの、前記基底部に対向する側には、
前記光軸に直交する横断面が円弧状の底部が形成されており、
前記基底部の、前記ホルダーに対向する側には、
横断面がV字状の溝が前記光軸方向に形成されており、
前記ホルダーの円弧状の底部が前記基底部のV字状の溝に嵌り込むことにより、前記二点支持が行われることを特徴とする請求項9に記載の光走査装置。
【請求項11】
前記ホルダーが前記基底部に対して前記光軸方向に移動するのを規制する規制手段を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項12】
前記規制手段は、
前記ホルダーと前記基底部のうち、一方に設けられたピンと、他方に設けられ、前記ピンが嵌り込む長孔または切り欠きからなり、
前記長孔または切り欠きが前記光軸に直交する方向に延伸されており、
前記ピンが前記長孔または切り欠きに嵌り込んだ状態で前記ホルダーの前記光軸方向への移動が規制されると共に、前記ホルダーの前記光軸周りの回転が許容されるように前記ピンと、長孔または切り欠きの大きさが設定されていることを特徴とする請求項11に記載の光走査装置。
【請求項13】
前記コリメータレンズを保持する鏡筒を備え、
前記コリメータレンズは、
前記鏡筒を介して前記ホルダーに前記光軸方向に沿って移動自在に支持されることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項14】
前記ホルダーの、前記鏡筒を支持する部分には、
前記光軸に直交する断面がV字形状の溝が前記光軸方向に沿って形成されており、
前記鏡筒が前記V字形状の溝に嵌り込むことにより、前記鏡筒が前記V字形状の溝に二点支持されていることを特徴とする請求項13に記載の光走査装置。
【請求項15】
前記装置筐体の外側に配され、前記発光素子に駆動電力を供給し、発光タイミングおよび光量を制御する駆動基板と、
前記駆動基板を前記装置筐体に支持する1以上の支持部材と、を備え、
前記支持部材の少なくとも1つが前記装置筐体の基底部に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−53266(P2012−53266A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195694(P2010−195694)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】