説明

入力装置

【課題】 画像表示装置に複数の項目が表示された場合でも所望の項目を容易に選択できる入力装置を得る。
【解決手段】 本入力装置では、画像表示装置に表示されている画面の種類(特に、画面上の複数の項目の相対位置関係並びに数)を判別し、当該判別した画面の種類に応じて、所定の処理プログラム上でタッチパネルの分解能を変更する。例えば、画像表示装置に複数の項目がマトリックス状に配列された50音画面が表示された場合には、変更手段がタッチパネル16の分解能を50音画面上に配列された複数の項目の相対位置関係並びに数に基づいて導出した値に変更する。これにより、タッチパネル16には、複数の項目の相対位置関係並びに数に対応して、マトリックス状に配列された複数の検出領域が分類される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に係り、特に、自動車に搭載されるナビゲーションシステム等のコントローラとして用いられる入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車に搭載されるナビゲーションシステム等のように、タッチパネル付きの画像表示装置(ディスプレイ装置)を備えたものが知られている。
【0003】
また、タッチパネルが組み込まれた入力装置を、画像表示装置とは分離して構成し、この入力装置を操作し易い場所に配置するものもある(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献に示された入力装置では、タッチパネルを操作することによって、画像表示装置の画面上に表示された選択項目(表示スイッチ)を選択できる構成とされている。
【0004】
このような入力装置は、タッチパネル一体型の画像表示装置のような直感的な操作が可能であり、ノート型のパーソナルコンピュータに適用される所謂「トラックパッド」と同様の操作方法であるため、アフォーダンス性も高い遠隔操作デバイスである。
【0005】
しかしながら、上述の如き入力装置では、タッチパネルの面積が画像表示装置の表示画面の面積に比べて小さいため、例えば、画像表示装置に多数の選択項目が配置された50音画面が表示された場合には、所望の項目を選択するための微妙な調整が難しいという問題がある。
【特許文献1】特開2001−325072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、画像表示装置に複数の項目が表示された場合でも所望の項目を容易に選択できる入力装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の入力装置は、案内情報を読み出すための複数の項目を位置並びに数を適宜変更して表示すると共に、前記項目が特定されたときに当該項目に該当する案内情報を表示する画像表示装置に付属して設けられ、前記項目を特定するためのタッチパネルを備えた入力装置であって、前記画像表示装置に表示される前記複数の項目の相対位置関係並びに数に対応して前記タッチパネルの分解能を変更する変更手段を備えた、ことを特徴としている。
【0008】
請求項1記載の入力装置では、画像表示装置に案内情報を読み出すための複数の項目が表示された際には、変更手段が前記複数の項目の相対位置関係並びに数に対応してタッチパネルの分解能を変更する。これにより、タッチパネルには前記複数の項目の相対位置関係並びに数に対応する複数の検出領域が分類されるので、タッチパネル上のタッチ操作位置は、画像表示装置に表示される複数の項目のうちの何れか1つにピンポイントに対応する。これにより、タッチパネルのタッチ操作により所望の項目を容易に特定することが可能となる。項目が特定されると画像表示装置が当該項目に該当する案内情報を表示する。
【0009】
このように、請求項1記載の入力装置では、画像表示装置に複数の項目が表示された場合でも所望の項目を容易に選択できる。
【0010】
請求項2に係る発明の入力装置は、請求項1記載の入力装置において、前記複数の項目は、マトリックス状に配列される、ことを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の入力装置では、画像表示装置にはマトリックス状に配列された複数の項目が表示され、変更手段は当該マトリックス状に配列された複数の項目の相対位置関係並びに数に対応してタッチパネルの分解能を変更する。これにより、タッチパネルには複数の項目の相対位置関係並びに数に対応してマトリックス状に配列された複数の検出領域が分類される。したがって、例えば、50音の項目がマトリックス状に配列された50音画面が画像表示装置に表示される場合などに有効であり、操作性に優れる。
【0012】
請求項3に係る発明の入力装置は、請求項1記載又は請求項2記載の入力装置において、前記変更手段は、前記分解能の変更により前記各項目に対応して分類される前記タッチパネルの各検出領域の一部のみをアクティブとする、ことを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の入力装置では、変更手段は、分解能の変更により画像表示装置の各項目に対応して分類されるタッチパネルの各検出領域の一部(例えば、中心部)のみをアクティブとする。したがって、タッチパネルの隣り合う検出領域において、それぞれアクティブにされた部分の間にタッチ操作を検出しない部分を設けることができるため、指ブレによる誤入力を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明した如く、本発明の入力装置では、画像表示装置に複数の項目が表示された場合でも所望の項目を容易に選択できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図10には、本発明の実施の形態に係る入力装置としてのタッチトレーサ14が適用されて構成された車両用のディスプレイシステム10の全体構成が示されている。
【0016】
ディスプレイシステム10は、エアコン、オーディオ、ナビゲーションシステム等の自動車に付帯する付帯装備の操作を行うものであり、画像表示装置としてのディスプレイ装置12及びタッチトレーサ14とによって主に構成されている。
【0017】
ディスプレイ装置12は、運転者及び同乗者が容易に視認することができるインスツルメントパネルの中央部に配置され、様々な案内情報(エアコン、オーディオの操作状況やナビゲーションシステムのメニュー画面、地図画面、及び50音画面等)を表示するものであり、タッチトレーサ14からの操作入力情報に応じて所定の案内情報(画面)を表示するようになっている。
【0018】
タッチトレーサ14は、運転者が容易に操作することができる場所、例えば、運転席ドアの肘掛部やセンターコンソール等に配置することができ、タッチ操作入力によって上述のエアコン、オーディオ、ナビゲーションシステム等の付帯装備の操作を行うものである。なお、タッチトレーサ14は、手に持って操作することも可能である。
【0019】
タッチトレーサ14は、図9のタッチトレーサ正面図に示すように、中央部にタッチパネル16が配置され、タッチパネル16の周囲となる位置には、各種モード等を選択する選択ボタン18が配置されている。これらの選択ボタン18としては、現在地ボタン18A、戻るボタン18B、詳細ボタン18C、及び広域ボタン18D、NV/TV(ナビゲーション、テレビ切換)ボタン18E、及び電源ボタン18Fが設けられている。
【0020】
タッチパネル16は、ディスプレイ装置12の画像表示部と相似形に形成されており、その面積はディスプレイ装置12の画像表示部の面積よりも十分に小さく形成されている。また、タッチパネル16には、本実施の形態では、静電容量式の位置検出センサが組み込まれている。この位置検出センサは、所謂「ITO(IndiumTin Oxide)」等の透明導電膜を設けた透明なフィルムを二枚重ね、タッチパネル16を指でタッチした位置の電気抵抗の変化から位置を読み取ったり、指でタッチしたとき、重ねた透明導電フィルムの間隔が変化するので、それを静電容量の変化として位置を読み取ったり、あるいは、指で触れたとき、人体の静電容量が結合されるので、それを検知して位置を読み取ったりするものである。このタッチパネル16(位置検出センサ)は、所定の分解能(例えば、200dpi)を有している。
【0021】
さらに、タッチパネル16の裏面側には、操作決定スイッチ22が配置されており、タッチパネル16上の所望の位置をタッチ操作した後にタッチパネル16毎押圧操作することにより、操作決定スイッチ22がオンされる構成となっている。
【0022】
一方、図8は、ディスプレイシステム10の電気的構成を示すブロック図である。ディスプレイシステム10は、タッチトレーサ14に設けられたタッチパネル16及び操作決定スイッチ22がタッチトレーサコントローラ44(変更手段)に接続されており、更にタッチトレーサコントローラ44には、エアコン、オーディオ、ナビゲーションシステム等の付帯装備を制御する制御部46及びディスプレイ装置12が接続されている。なお、図示は省略するが、タッチトレーサコントローラ44には、前述した複数の選択ボタン18に対応する図示しないスイッチも接続されている。
【0023】
タッチトレーサコントローラ44は、CPU48、ROM50及びRAM52等の周辺装置を含むマイクロコンピュータで構成されており、タッチパネル16から入力される信号に基づいて、タッチパネル16上のタッチ操作の位置座標を算出する。
【0024】
また、タッチトレーサコントローラ44は、上述の算出された指でタッチした位置座標をディスプレイ装置12の表示に対応した位置座標に変換してディスプレイ装置12へ出力する。ディスプレイ装置12は、タッチトレーサコントローラ44から出力された位置座標を基に指でタッチしている画面上の位置を画面に表示する。この画面上の位置表示は、画面上に表示された複数の項目(表示スイッチ)のうちの何れかが色反転することによって表示されるようになっている。
【0025】
さらに、タッチパネル16で項目が選択された状態で操作決定スイッチ22が押圧操作されるとタッチトレーサコントローラ44に操作決定スイッチ22の信号が出力され、タッチトレーサコントローラ44は、ディスプレイ装置12の選択された項目を表示するための信号を制御部46へ出力する(選択された項目が特定される)。
【0026】
制御部46では、特定された項目に従った画面(案内情報)に切り換えるための情報をディスプレイ装置12に出力することによってディスプレイ装置12に表示された画面が選択された項目の画面(案内情報)へと切り換わる。
【0027】
ここで、本実施の形態に係るタッチトレーサ14では、タッチトレーサコントローラ44は、ディスプレイ装置12に表示された画面上の複数の項目(表示スイッチ)の相対位置関係並びに数に対応して、ROM50に記憶された所定の処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を変更する構成となっている。
【0028】
具体的には、例えば、ディスプレイ装置12に図7に示されるようなメニュー画面60が表示された場合には、タッチトレーサコントローラ44は、所定の処理プログラム上でタッチパネル16の分解能をメニュー画面60上に表示された複数の項目の相対位置関係並びに数に基づいて導出した値(例えば、5〜20dpi)に変更する。
【0029】
すなわち、本実施の形態では、メニュー画面60上には、タッチパネル16のタッチ操作により選択入力可能な6個の項目60Aが3行2列のマトリックス状に配列されているため、タッチトレーサコントローラ44は、処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を3×2dpiに変更する。このため、タッチパネル16には、メニュー画面60上の6個の項目の相対位置関係並びに数に対応する6個の検出領域が分類される(図6参照)。なお、図6では、説明の都合上、処理プログラム上で変更されたタッチパネル16の分解能に対応して、タッチパネル16上を実線で3行2列のマトリックス状に区分して示してある。
【0030】
これにより、タッチパネル16上のタッチ操作位置と、メニュー画面60上の6個の項目60Aとが1対1で対応するようになっている。すなわち、例えば、図6において「MEI」の符号が付与されたタッチパネル16上の検出領域がタッチ操作されると、タッチトレーサコントローラ44は、図7に示すメニュー画面60上の「地名検索」の項目60Aを色反転させるための信号をディスプレイ装置12へ出力する。また、例えば、図6において「ROU」の符号が付与されたタッチパネル16上の検出領域がタッチ操作されると、タッチトレーサコントローラ44は、図7に示すメニュー画面60上の「ルート情報」の項目60Aを色反転させるための信号をディスプレイ装置12へ出力する。なお、図6において「ZEN」、「MEMO」、「SOU」、「TEN」の符号が付与されたタッチパネル16上の検出領域は、それぞれメニュー画面60上の「全国図」、「メモリ地点」、「走行軌跡」、「地点登録」の項目60Aに対応している。
【0031】
一方、例えば、ディスプレイ装置12に、図5に示されるような50音画面70が表示された場合には、タッチトレーサコントローラ44は、所定の処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を50音画面70上に配置された複数の項目の相対位置関係並びに数に基づいて導出した値(例えば、30〜100dpi)に変更する。
【0032】
すなわち、本実施の形態では、50音画面70上には、タッチパネル16上のタッチ操作により選択入力可能な50音の項目70A、修正の項目70B、70C及び検索の項目70Dが表示されており、50音の項目70Aが5行11列のマトリックス状に配置され、その下方に修正の項目70B、70C及び検索の項目70Dが横方向に3個並んだ状態で配置されている(複数のスイッチが、おおまかに6行11列のマトリックス状に配列されている)。このため、タッチトレーサコントローラ44は、処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を6×11dpiに変更する。このため、タッチパネル16上には、50音画面70上の複数の項目の相対位置関係並びに数に対応する複数(本実施の形態では、66個)の検出領域が分類される(図4参照)。なお、図4では、説明の都合上、処理プログラム上で変更されたタッチパネル16の分解能に対応して、タッチパネル16上を実線で6行11列のマトリックス状に区分して示してある。
【0033】
これにより、タッチパネル16上のタッチ操作位置と、50音画面70上の複数の項目とがほぼ1対1で対応するようになっている。すなわち、例えば、図6において「A」の符号が付与されたタッチパネル16上の検出領域がタッチ操作されると、タッチトレーサコントローラ44は、図4に示す50音画面70上の「あ」の項目70Aを色反転させるための信号をディスプレイ装置12へ出力する。また、例えば、図6において「TI」で示されたタッチパネル16上の検出領域がタッチ操作されると、タッチトレーサコントローラ44は、図4に示す50音画面70上の「ち」の項目70Aを色反転させるための信号をディスプレイ装置12へ出力する。さらに、例えば、図6において「RE」で示されたタッチパネル16上の検出領域がタッチ操作されると、タッチトレーサコントローラ44は、図4に示す50音画面70上の「れ」の項目70Aを色反転させるための信号をディスプレイ装置12へ出力する。
【0034】
但し、修正の項目70B、70Cは、それぞれ図4において「SHU1」及び「SHU2」の符号を付与した各4つずつの検出領域に対応するようになっており、検索の項目70Dは、図4において、「KEN」の符号を付与した3つの検出領域に対応するようになっている。
【0035】
さらに、例えば、ディスプレイ装置12に、図3に示されるような地図画面80が表示された場合には、タッチトレーサコントローラ44は、所定の処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を最大値(タッチパネル16の分解能と同じ値、例えば200dpi)にする(図2参照。なお、図2では、説明の都合上、タッチパネル16の分解能に対応して、タッチパネル16上を点線でマトリックス状に区分して示してある)。
【0036】
なお、本実施の形態に係るディスプレイシステム10では、ディスプレイ装置12に地図画面80が表示された状態では、画面スクロールを行うことができる構成となっている。すなわち、例えば、地図画面80上に表示された矢印等をタッチトレーサ14によりタッチ操作することによって、スクロールを行う方向が選択され、タッチパネル16を押圧操作することによって地図画面80がスクロールされる構成となっている。
【0037】
以上構成のディスプレイシステム10では、車両のイグニッションスイッチがオンされることにより電源が投入されると共に、タッチトレーサ14に設けられたタッチパネル16の電源がオン状態となり検出スタンバイ状態となる構成である。
【0038】
次に、本発明の実施の形態の作用について説明する。
【0039】
上記構成のディスプレイシステム10では、電源が投入されてディスプレイ装置12に画面が表示されると、タッチトレーサコントローラ44は、所定の処理プログラムに従って「分解能変更制御」を実施する。すなわち、図1に示す流れ図のように、タッチトレーサコントローラ44は、ディスプレイ装置12に表示されている画面の種類(特に、画面上の複数の項目の相対位置関係並びに数)を判別し(図1のステップ100)、当該判別した画面の種類に応じて、所定の処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を変更する。
【0040】
例えば、ディスプレイ装置12に図7に示すメニュー画面60が表示された場合には、タッチトレーサコントローラ44は、所定の処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を、メニュー画面60上に表示された6個の項目60Aの相対位置関係並びに数に基づいて導出した値(本実施の形態では、3×2dpi)に変更する(ステップ100からステップ102へ移行)。これにより、タッチパネル16には、メニュー画面60上に表示された6個の項目60Aの相対位置関係並びに数に対応する6個の検出領域が分類される(図6参照)。
【0041】
この状態で、例えば、図6に示すタッチパネル16上の「MEI」の検出領域がタッチ操作されると、タッチトレーサコントローラ44が、タッチパネル16から入力される信号に基づいて、タッチパネル16上のタッチ操作位置を算出し、当該算出した位置座標をディスプレイ装置12の表示に対応した位置座標に変換してディスプレイ装置12へ出力する。この場合、ディスプレイ装置12では、メニュー画面60上の「地名検索」の項目60Aが色反転される。
【0042】
このように「地名検索」の項目60Aが色反転された状態で、タッチパネル16毎押圧操作が行われて操作決定スイッチ22がオンされると、タッチトレーサコントローラ44に操作決定スイッチ22の信号が出力されると共に、タッチトレーサコントローラ44が「地名検索」の項目60Aに対応する案内情報をディスプレイ装置12に表示するための信号を制御部46へ出力する。制御部46は、「地名検索」の項目60Aに対応する案内情報(本実施の形態では、50音画面70)に切り替えるための情報をディスプレイ装置12へ出力し、これにより、ディスプレイ装置12に図5に示す50音画面70が表示される。
【0043】
ディスプレイ装置12に50音画面70が表示されると、タッチトレーサコントローラ44は、所定の処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を50音画面70上に表示された複数のスイッチの相対位置関係並びに数に基づいて導出した値(本実施の形態では、6×11dpi)に変更する(図1のステップ100からステップ104へ移行)。これにより、タッチパネル16には、50音画面70上に表示された複数の項目の相対位置関係並びに数に対応する66個の検出領域が分類される(図4参照)。
【0044】
この状態で、例えば、図4に示すタッチパネル16上の「TI」の検出領域がタッチ操作されると、タッチトレーサコントローラ44が、タッチパネル16から入力される信号に基づいて、タッチパネル16上のタッチ操作位置を算出し、当該算出した位置座標をディスプレイ装置12の表示に対応した位置座標に変換してディスプレイ装置12へ出力する。この場合、ディスプレイ装置12では、50音画面70上の「ち」の項目70Aが色反転される。
【0045】
このように「ち」の項目70Aが色反転された状態で、タッチパネル16毎押圧操作が行われて操作決定スイッチ22がオンされると、タッチトレーサコントローラ44に操作決定スイッチ22の信号が出力されると共に、タッチトレーサコントローラ44が「ち」の項目70Aに対応する案内情報(ここでは、文字)をディスプレイ装置12に表示するための信号を制御部46へ出力する。制御部46は、50音画面70の第1の表示部70E及び第2の表示部70Fに「ち」の文字を表示させるための情報をディスプレイ装置12へ出力し、これにより、50音画面70の第1の表示部70E及び第2の表示部70Fに「ち」の文字が表示される(図5図示状態)。
【0046】
一方、タッチトレーサ14の現在地ボタン18Aが押圧操作されると、ディスプレイ装置12には地図画面80が表示される。このようにディスプレイ装置12に地図画面80が表示されると、タッチトレーサコントローラ44は、所定の処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を最大値にする(図1のステップ100からステップ106へ移行、並びに、図2参照)。
【0047】
ここで、本発明の実施の形態に係るタッチトレーサ14では、上述の如く、タッチトレーサコントローラ44は、複数の項目70A、70B、70C、70Dなどが配置された50音画面70がディスプレイ装置12に表示された際には、前記複数の項目の相対位置関係並びに数に基づいて処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を変更する。したがって、タッチパネル16上のタッチ操作位置は、ディスプレイ装置12の50音画面70上に表示される複数の項目70A、70B、70C、70Dのうちの何れか1つにピンポイントに対応するので、選択したい項目をピンポイントに選択することが可能になる。またこれにより、指ブレによる誤入力も少なくなる。
【0048】
このように、本発明の実施の形態に係るタッチトレーサ14では、ディスプレイ装置12に複数の項目が表示された場合でも所望の項目を容易に選択できる。
【0049】
しかも、本発明の実施の形態に係るディスプレイシステム10では、上述の如く、タッチトレーサコントローラ44は、タッチパネル16のタッチ操作によりスクロール可能な地図画面80がディスプレイ装置12に表示された際には、処理プログラム上でタッチパネル16の分解能を最大値にする。したがって、タッチパネル16をタッチ操作すると、ディスプレイ装置12の地図画面80上に表示される位置座標の表示は滑らかに移動するので、地図画面80を滑らかにスクロールすることができる。また、タッチパネル16のタッチ操作により、地図画面80上の選択したい位置を高精度に選択できる。
【0050】
なお、上記実施の形態に係るタッチトレーサ12では、ディスプレイ装置12にメニュー画面60が表示された場合には、前述の如く、タッチトレーサコントローラ44がタッチパネル16の分解能を変更することで、タッチパネル16には、メニュー画面60上に表示された6個の項目60Aの行と列の関係並びに数に対応する6個の検出領域が分類されるが、さらにこの状態で、タッチトレーサコントローラ44が、図11に示すように、タッチパネル16の各検出領域の一部(ここでは中心部)のみをアクティブ(タッチ操作を検出可能な領域)とする構成としてもよい(図11では、塗りつぶされた部分がアクティブな領域として示してある)。このような構成にすれば、タッチパネル16の隣り合う検出領域において、それぞれアクティブにされた部分(図11の塗りつぶされた部分)の間にタッチ操作を検出しない部分(図11の白抜きの部分)が設けられるため、指ブレによる誤入力を一層好適に防止できる。この点は、ディスプレイ装置12に50音画面70が表示された場合にも同様である。
【0051】
また、上記実施の形態では、ディスプレイ装置12にメニュー画面60、50音画面70、及び地図画面80が表示される場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ディスプレイ装置12に他の種類の案内情報が表示される場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る入力装置の変更手段が行う分解能変更制御の制御手順を示す流れ図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る入力装置のタッチパネルを示し、変更手段が処理プログラム上でタッチパネルの分解能を最大値にした状態をイメージした図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像表示装置に表示される地図画面を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る入力装置のタッチパネルを示し、50音画面の複数の項目の相対位置関係並びに数に対応して変更手段が処理プログラム上で分解能を変更した状態をイメージした図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像表示装置に表示される50音画面を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る入力装置のタッチパネルを示し、メニュー画面の複数の項目の相対位置関係並びに数に対応して変更手段が処理プログラム上で分解能を変更した状態をイメージした図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像表示装置に表示されるメニュー画面を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る入力装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る入力装置の構成を示す正面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る入力装置が適用されて構成されたディスプレイシステムの構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る入力装置のタッチパネルを示し、分解能の変更により分類された各検出領域の一部のみがアクティブにされた状態をイメージした図である。
【符号の説明】
【0053】
10 ディスプレイシステム
12 ディスプレイ装置(画像表示装置)
14 タッチトレーサ(入力装置)
16 タッチパネル
44 タッチトレーサコントローラ(変更手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内情報を読み出すための複数の項目を位置並びに数を適宜変更して表示すると共に、前記項目が特定されたときに当該項目に該当する案内情報を表示する画像表示装置に付属して設けられ、前記項目を特定するためのタッチパネルを備えた入力装置であって、
前記画像表示装置に表示される前記複数の項目の相対位置関係並びに数に対応して前記タッチパネルの分解能を変更する変更手段を備えた、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記複数の項目は、マトリックス状に配列される、ことを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記変更手段は、前記分解能の変更により前記各項目に対応して分類される前記タッチパネルの各検出領域の一部のみをアクティブとする、ことを特徴とする請求項1記載又は請求項2記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−58426(P2007−58426A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241331(P2005−241331)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】