全ファイバ合成高出力コヒーレントビーム結合
【課題】改善されたフィルファクタを備えたビームを結合するためにファイバ増幅器の端部を先細のファイバ束へと結合する高出力ファイバレーザ増幅器を提供する。
【解決手段】信号ビームを生成する主発振器を含むファイバレーザ増幅器システム。スプリッタは信号ビームを複数のファイバビームへと分割し、別個のファイバビームがファイバビームの増幅のためにファイバ増幅器に送られる。先細のファイバ束は、すべてのファイバ増幅器のすべての出力端部を、結合した出力ビームを提供する組み合わされたファイバへ結合する。端部キャップは、出力ビームを拡張するために先細のファイバ束の出力端部に光学的に結合される。
【解決手段】信号ビームを生成する主発振器を含むファイバレーザ増幅器システム。スプリッタは信号ビームを複数のファイバビームへと分割し、別個のファイバビームがファイバビームの増幅のためにファイバ増幅器に送られる。先細のファイバ束は、すべてのファイバ増幅器のすべての出力端部を、結合した出力ビームを提供する組み合わされたファイバへ結合する。端部キャップは、出力ビームを拡張するために先細のファイバ束の出力端部に光学的に結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に高出力ファイバレーザ増幅器に関し、より具体的には、改善された曲線因子(フィルファクタ、fill factor)を備えたビームを結合するためにファイバ増幅器の端部を先細の(tapered)ファイバ束へと結合する高出力ファイバレーザ増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]高出力レーザ増幅器には、産業用、商用、軍事用などを含む多くの応用がある。レーザ増幅器の設計者は、これらの応用のためにレーザ増幅器の出力を高めるための方法を継続的に調査している。1つの既知の種類のレーザ増幅器は、レーザビームを生成するためにドープファイバとポンプビーム(pump beam)を使用するファイバレーザ増幅器である。通常、高出力ファイバレーザ増幅器は、約10−20μm又はより大きな直径の活性コアを有するファイバを使用する。現在のファイバレーザ増幅器設計は、5kWまでの単一ファイバ出力レベルを達成している。いくつかのファイバレーザシステムは複数のファイバレーザ増幅器を使用し、何らかの方法でより高出力のものへとそれらを結合する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]ファイバレーザ増幅器の設計の課題は、ビームを小さな焦点へ集中することができるようビーム直径にわたって均一の位相を有する単一ビーム出力をビームが提供するように、コヒーレントな(可干渉性の)方法で各ファイバからのビームを結合することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
結合されたビームを長距離(遠距離場)において小さなスポットへ集中させることにより、ビームのビーム品質が規定され、個々のファイバビームがよりコヒーレントになるほど、結合された位相はより均一になり、ビーム品質はより良いものとなる。ファイバレーザ増幅器設計における改善により、レーザシステムの理論的出力限界及び理論的ビーム品質限界に近付くようにファイバビームの出力パワー及び可干渉性(コヒーレンシー、coherency)が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】[0004]ファイバレンズアレイを含む既知のファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図2】[0005]図1に示されるファイバ増幅器において使用されるファイバレンズアレイの断面図である。
【図3】[0006]DOE結合器を含む既知のファイバレーザ増幅器の概略平面図である、
【図4】[0007]先細のファイバ束(tapered fiber bundle)及びビーム位相検出器を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図5】[0008]先細のファイバ束及び端部キャップ(end cap)の図である。
【図6】[0009]図5に示される先細のファイバ束の入力端部の断面図である。
【図7】[0010]図5に示される先細のファイバ束の出力端部の断面図である。
【図8】[0011]図5に示される先細のファイバ束からの出力ビームの近接場ビーム強度のプロファイルである。
【図9】[0012]ステップインデックスファイバのモードの有効径を示す水平軸上のコア径及び垂直軸上の有効モード径を備えたグラフである。
【図10】[0013]先細りとなる前の密接にパックされた7つのファイバ束の近接場ビーム強度分布のプロファイルである。
【図11】[0014]先細りとなった後の図10に示される7つのファイバ束の近接場ビーム強度分布のプロファイルである。
【図12】[0015]密接にパックされた19のファイバ束の近接場ビーム強度分布のプロファイルである。
【図13】[0016]低屈折率ガラスクラッドを含む先細のファイバ束の入力端部の断面図である。
【図14】[0017]低屈折率ガラスクラッドを含む図13に示される先細のファイバ束の出力端部の断面図である。
【図15】[0018]負のGRINレンズを含む先細のファイバ束のための端部キャップの斜視図である。
【図16】[0019]先細のファイバ束のためのセグメント化された端部キャップの斜視図である。
【図17】[0020]先細のファイバ束のための先細の端部キャップの斜視図である。
【図18】[0021]正のGRINレンズを含む先細のファイバ束のためのセグメント化された端部キャップの斜視図である。
【図19】[0022]先細のファイバ束、位相検出器及びファイバ偏波制御部を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図20】[0023]マルチコアファイバの断面図である。
【図21】[0024]図20に示されるマルチコアファイバの実例である。
【図22】[0025]複数の主発振器、先細のファイバ束及び位相検出器を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図23】[0026]複数の主発振器、SBCグレーティング(grating)及び複数の位相検出器を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図24】[0027]複数の主発振器、SBCグレーティング、位相検出器及びファイバ偏波制御部を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図25】[0028]複数の主発振器、複数の前分散(pre-dispersion)グレーティング及びSBCグレーティングを含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図26】[0029]複数の主発振器、SBCグレーティング及び階段ミラー(staircase mirror)を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図27】[0030]フィードバックシングルモードファイバ及び前置増幅器を含む既知のファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図28】[0031]先細のファイバ束、フィードバックシングルモードファイバ、前置増幅器及びビームサンプラ(beam sampler)を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図29】[0032]先細のファイバ束、フィードバックシングルモードファイバ、前置増幅器及びファイバ偏波制御部を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図30】[0033]先細のファイバ束、フィードバックシングルモードファイバ、前置増幅器及びサンプリンググレーティングを含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0034]先細のファイバ束を含むファイバレーザ増幅器を対象とする本開示の実施例についての以下の説明は、本来例示的なものにすぎず、本発明又はその応用もしくは使用を限定するように意図されない。
【0007】
[0035]図1は、光ファイバ14上に信号ビームを生成する主発振器(MO)12を含む、既知のファイバレーザ増幅器システム10の概略平面図である。図1に示される種類のファイバレーザ増幅器システムは、正確な位相及び振幅制御を利用する光エネルギー伝送システムなるタイトルの、2004年3月16日にWickhamらに対して発行され本出願の譲受人に譲渡された米国特許6,708,003号に見ることができ、参照により本明細書に組込まれる。信号ビームはスプリッタ及び位相変調器16によってある数のスプリットビーム(分割されたビーム)へと分割され、別個の位相変調器16が各分割されたビームに提供される。スプリッタ及び位相変調器は実際には2つの別個のデバイスであるが、単一チップ上でそれらを実施することができるので、ここに示すのは単一の物体である。さらに詳細に以下に議論されるように、すべてのビームが結合された出力ビーム26において互いに同相であるように、位相変調器16は、各分割されたビームの位相を調節する。その後、位相変調器16からの分割されたビームはファイバ増幅器18に送られ、増幅器20は、光ポンプビーム(図示せず)を受け取るファイバ増幅器18のドープされた増幅部を表す。その後、ファイバ増幅器18からの増幅されたファイバビームは、各ファイバ増幅器18の円筒状のファイバレンズ24を含むファイバレンズアレイ22に送られ、すべてのファイバビームが結合された出力ビーム26としてともに結合されるよう、レンズ24の各々がアレイ22としてともに結合される。ファイバレンズアレイ22は、平行ビーム(collimated beams)のタイル状アレイ(tiled array)を形成するためにファイバビームの各々を平行にし(コリメートし)、正確に相互に整列させる。結合された出力ビーム26はビーム26を分割するビームサンプラ28に送られ、ビーム強度の大部分はシステム10の出力ビームとして提供される。
【0008】
[0036]ΜO12はまた、ファイバ増幅器32によって増幅されレンズ34によって平行にされるファイバ30上の参照ビームを提供する。レンズ34からの平行にされた参照ビームはビームサンプラ28に送られ、参照ビームは結合されたビーム26におけるファイバビームの各々と干渉して、参照ビームと各々の別個のファイバビームとの間の干渉パターンをもたらす。干渉ビームは位相検出器のアレイ38へレンズ36によって導かれ、別個の位相検出器38が各々の別個のファイバビームに提供される。検出器38からのビーム間の干渉パターンを規定する電気信号は、位相プロセッサと、位相変調器16の各々に位相訂正信号を提供する制御部40とへ送られて、分割されたビームがすべて互いと同相であり且つ出力ビーム26が遠距離場でしっかりと集中されることができる1つの可干渉性ビームであるように、MO12からの分割されたビームの位相を調節する。
【0009】
[0037]図2は、個々のレンズ24を含むレンズアレイ22の断面図である。この構成から明らかなように、円筒形状のレンズ24は、レンズ24間のデッドスペース42を作成し、これは高パワービームによって占められる結合ビーム領域の断片として規定される、低減されたフィルファクタに帰着する。本明細書にて使用されるように、改善されたフィルファクタはより小さな回折限界スポットに対してより大きなフィルファクタ及びよりよいビーム品質又は集中可能性(focusability)を意味する。ビームを互いに同相にし且つ連続的にすることによって、出力ビーム26のビーム品質は改善され、小さなスポットへ集中することができる。したがって、できる限りしっかりと一緒にパックされるようにレンズ24を作ることが望ましい。さらに、各ファイバにおいてコアを通じて伝播する実際のビームは、より高い中心強度及び低減された周辺強度を備えたベル形状のビームプロファイルを有するガウシアンビームである。ガウシアンビームの密接なパックされたアレイが集中すると、中心の焦点のローブ(lobe)は、通常、ガウス形状及びビーム間に介在するデッドスペースの結果として、結合されたビーム出力のわずか約60%しか含んでいない。したがって、結合されたビームアレイの低減されたフィルファクタは、個々のビームのガウシアン形状及び介在するデッドスペース42の両方の組み合わせに起因し、中心の遠距離場の焦点のローブに集中している結合した出力パワーはフィルファクタによって与えられ、それは全ビームパワーの約60%である。
【0010】
[0038]図3は、上述のフィルファクタを排除する既知のファイバレーザ増幅器システム50の概略平面図であり、システム10と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。この種類のファイバ増幅器は、Riceらに対して2008年10月21日に発行され、本出願の譲受人に譲渡された、可干渉性のファイバ回折光要素ビーム結合器なるタイトルの米国特許7,440,174号に見ることができ、参照によって本明細書に組込まれる。この実施例では、密接して間隔を置かれた出力ビーム54のアレイを生成するために、ファイバ増幅器18は単一ファイバアレイ52へ接合(スプライス)される。出力ビーム54は光学系56により平行にされ、次に、ビームが正確に整列され調整される場合、ビームを結合する回折光学要素(DOE)58に送られる。同じ角度で提供されるDOE58からの回折ビームはビームを分割するビームサンプラ60に導かれ、結合されたビームの大部分がシステム50からの出力ビームである。
【0011】
[0039]DOE58からの結合されたビームの分割された部分は、集束光学系52により集められ、位相検出器64へ送られる。位相検出器64は、結合されたビームの位相を測定し、同期位相プロセッサ66へ測定信号を送る。このように結合されたビームの位相を検出することによって、参照ビームを除去することができ、単一の位相検出器を使用することができる。構成ビーム(constituent beam)の位相は、周波数変調(FM)又は振幅変調(AM)用の異なる周波数、符号分割多元接続(CDMA)又は時分割多元接続(TDΜMA)用の異なる符号など、構成ファイバビームを位相又は振幅について独自にディザリング又は符号化することにより、単一の出力位相検出器64において区別することができ、その結果、同期検出器スキームは、結合されたビーム中の各ファイバビームについて構成する位相信号(constituent phase signals)を区別することができる。そのような技術は、2008年3月18日にRothenbergらに発行され本出願の譲受人に譲渡された、コヒーレント回折ビーム結合のための多段方法及びシステムなるタイトルの米国特許7,346,085号に開示され、参照によって本明細書に組み込まれる。同期位相プロセッサ66は、位相検出器64からの測定信号中の異なる構成位相をデコードし、ファイバ増幅器18中の個々のファイバビームの位相に対する調節により出力ビーム中の構成ファイバビームのすべてが同位相にロックされるように、対応する位相変調器16に送られる各ファイバビームについての位相エラー訂正信号を生成する。ファイバビームのアレイ52は単一の出力ビームへ結合されるので、フィルファクタの問題は排除され、出力ビームはほぼ回折限界のスポットに集中することができて、ビームの全結合パワーによって提供される輝度の理論限界にほぼ達する。
【0012】
[0040]結合した出力ビーム以外のDOE58からの回折ビーム68は、角度の分離を制限しており、したがって、回折された出力ビームを十分に分離するためにかなり大きな経路長を必要とし、したがって、システム50をそれほどコンパクトでないものとする。さらに、出力ファイバのアレイは、高いビーム結合効率を達成するために、互いに及びシステム50の出力光学系に対して非常に高精度に整列しなければならない。そのような正確な整列は、マルチkWレーザビームの存在を伴う不可避の熱散逸の存在下ではより一層困難である。したがって、優れたビーム品質を有するファイバ増幅器システムを提供することが望ましいが、ファイバアレイが大きな自由空間光学要素に対して正確に整列される必要性を回避する。さらに、全ファイバ・フォーマットでビームを結合する手法は、単一ファイバ開口内の高出力でのパワースケーリングのための理想的なパッケージング解決策を提供することができ、それはその後望遠鏡に直接注入することができ、又はさらなるビーム結合のための構成要素として使用することができる。
【0013】
[0041]図4は、ファイバ材料自体においてより高いフィルファクタ及びビーム品質を備えたビーム結合の提供により上述のシステム10及び50に対する改良を提供するファイバレーザ増幅器システム70の概略平面図である。システム70において、システム10及び50と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。この実施例では、ファイバ増幅器18の端部は、単一ファイバマス(fiber mass)へとファイバ増幅器18を結合する、先細のファイバ束72の入力端部につながれる。その後、端部キャップ74は先細のファイバ束72の出力端部に取り付けられる。端部キャップ74からの出力ビームは、受信光学系78及び平行光学系80を含む望遠鏡76によって集められ集中される。望遠鏡76からのビームはビームサンプラ82によってサンプリングされ、大部分のビームが出力ビームとしてシステム70から導かれる。上述のような方法において、ビームサンプラ82からの結合されたビームのサンプリングされた部分は、結合されたビームの位相を測定し同期N−ビーム位相プロセッサ88へ位相測定の電気信号を送る位相検出器86上に光学系84を集中させることにより集中される。その後、結合した出力ビーム中のすべての構成ファイバビームが上述のような方法で同じ位相で一緒にロックされるように、ファイバ増幅器18においてビームの位相を制御するために、プロセッサ88は、位相変調器16に位相エラー訂正信号を送る。レーザシステム50において述べられた方法と同様に、スプリッタ16によって分割される個々のビームについて適切な位相制御信号を決定することができるように、位相変調器16は、システム70の出力における結合されたビームに存在する各分割されたビームにおいて、FMもしくはAMのための異なるディザリング周波数又はCDMAもしくはTDMAのための異なる符号を適用する。位相検出器86は異なるディザリング周波数又はコードを検出することができ、プロセッサ88は、各分割されたビームの位相エラーを決定するためにその情報を使用し、それぞれの分割されたビームの各々について対応する位相変調器16へ誤り訂正信号を提供して、結合された出力においてすべての構成ビームを適切に位相ロックすることができる。
【0014】
[0042]図5は、各々が、外部クラッド層102と、ビームが伝播する内部コア104とを有し、上で言及した種類の先細のファイバ束106に結合された7つのファイバ100の例を示す。図6は、束106の内側部分において7つのファイバ100を備えた先細のファイバ束106の入力端部及びファイバ100の束の周りに形成された複数のクラッドファイバ108の断面図を示す。図7は、ファイバ100及びクラッドファイバ108の組み合わせが単一ファイバマス110へと形成されたことを示す、先細のファイバ束106の出力端部の断面図であり、点112はファイバ100のコア104を表す。図8は、端部キャップ114から出力されるビームの近接場のビームプロファイル116の断面図である。
【0015】
[0043]先細のファイバ束106は、先細のファイバ束を製造するための任意の周知の技術によって作ることができ、ファイバ100及び108は束へ集められ、束は注意深く制御された高温溶融プロセスで径を減少しつつ引き出される。最終的な結果は最初の密接にパックされたファイバ増幅器の束の縮小版であり、最終的なコア径2a及び間隔bは結合されたビームの最終的な出力フィルファクタを決定する。これらのビームは非常に高強度であるので、先細のファイバ束106の出口表面における損傷を回避するために、先細のファイバ束106の出力端部へ端部キャップ114を接合する必要がある。結合されたビームは、表面の損傷が回避されるように、ピーク強度が十分に減少するまで、端部キャップ114において回折によって拡大する。負の焦点距離を備えた屈折率分布型(gradient index、GRIN)レンズは、以下に述べるように、出力ビームの発散を増加させるために端部キャップ114に組み入れることができる。
【0016】
[0044]一旦出力ビームが端部キャップ114を出ると、出力ビームは、単一のレンズ又は曲面鏡によって、望遠鏡76による所望のビームサイズ及びコリメーション(視準、collimation)に対して平行にされ及び/又は画像化される(imaged)。レンズアレイ又は他の正確なファイバ対ファイバの整列の必要はない。外部光学系は所望のサイズへビームを拡大するのに使用されるコリメーション及び/又は望遠鏡光学系にすぎず、それは多くの高出力レーザシステム及びビーム導波器(beam directors)において通常使用される。これは、個々のファイバの各々の外部自由空間光学系に対する非常に正確な整列を双方ともが要求するシステム10及び50とは対照的である。最終的な望遠鏡における全単一ビームについての通常の整列要求を超えるような必要性はシステム70にはない。さらに、先細のファイバ束72内でのファイバコアの正確な間隔空けについては、それらをできる限り密接に間隔を空けて配置すること以外に要求はなく、各々の個々のファイバの発散は10数mrad(10’s of mrad)であるので、コアの共同整列(co-alignment)はかなり緩和される。したがって、この手法は結合した出力ビームに単一ファイバ開口及び最低限の自由空間光学系からN倍のビームパワーを結合した出力ビームに提供し、ここでNは結合したファイバビームの数である。レーザシステム70は、それによって、システム10及び50と比較して集積化、簡潔さ及び耐久性において飛躍的進歩を提供する。
【0017】
[0045]先細のファイバ束106は、個々のファイバモードが重なり合う(オーバーラップする)ように、ファイバコアをともに接近させることにより、フィルファクタを最大化する。一旦モードが重なり合えば、ファイバモード間のクロスカップリング及び干渉が存在する。ファイバの位相を一緒にロックすることによって、上述のように、同相スーパーモード(in-phase super-mode)の形成を保証することができ、それはすべてのファイバ間の強め合う干渉を示し、ビーム間のギャップの強度を大きく向上させる。このように、連続的な強度プロファイルを備え且つ介在するデッドスペースがほとんど又は全くない結合されたビームを得ることができる。課題は、束内の損失が無視できることを保証するように先細のファイバ束を作ることである。したがって、パワーがクラッド表面においてほとんど現れないように、先細のファイバ束106への入力ファイバは十分に大きな直径のクラッドを有していなければならない。一般に、これは、クラッド径bがコア径2aの約2−3倍であることを要求し、関心のある大きなモード領域のファイバについて、クラッド表面におけるパワーを合計で1PPMに制限する。コアがクラッド径bによって分離されるので、この比率はあらかじめ先細にされたフィルファクタを主に決定する。フィルファクタはb/2a=3の比率に対してかなり低くなり得、パワーのわずか約20%が25μmのコアを備え且つNA=0.06である中心ローブへ集中し、ここでNAは開口数である。束は先細になっていくので、コア径に対するクラッド径のこの比率がテーパーによってほぼ維持されるように、コアとクラッドの両方の直径は一般にファイバが一緒に溶融するときに比例して減少し、従って、フィルファクタは不変であるように見える。さらに、コア径を先細りにすることは、ピーク強度が増加するようにモード径を縮小するように見え、それは非常に高出力の増幅器に制限してもよい。しかし、驚くべき結果は、コア径がテーパー中に減少するとき、モード領域の減少が最小値に制限され且つモードフィールド分布のテール(tails)が著しく広がるようにモードの形状が変化することである。この振る舞いは、先細のファイバ束72内のピーク強度を限定すること及びモードのよりよいオーバーラップを保証することに役立ち、したがって、テーパーによって一定のままであるためになおさら、フィルファクタは著しく増加することがあり得る。
【0018】
[0046]図9は、コア径の機能としてNA=0.06を備えたステップインデックスファイバのモードの有効径を示す、水平軸上のコア径及び垂直軸上の有効モード径を備えたグラフである。このプロットにおける有効径は、ファイバモードと同じピーク強度を有するガウシアンの1/e2強度直径として定義される。コア径が減少するとともに、モード径が最小のおよそ13μmに達し、その後急速に増加することが理解される。コア径が約14μm未満である(λ=1080nmに対してV#=NA×2πa/λ<2.4)場合、ファイバが厳密に単一モードであることが注目されるべきである。より小さなコアについてのモード径のこの急激な増加は、モードのテールの増加の結果である。初期の25μmのコア径から始まって、モードはおよそ2.5倍のコア径を超えて無視できるパワー内によく制限されるが、コア径及びしたがってV#が減少するにつれて、モードのテールの減少した制限は有効モード径を増加させ、したがって、先細のファイバ束72におけるモードのオーバーラップを増加させることが示される。コア径のさらなる減少により、V#がおよそ1に接近するので、テールは非常に限定された制限に接近し、したがって、任意に大きなモード・オーバーラップを可能にするが、クラッド層からの増加した損失に対してもそのようになる。個々のビームの位相がスーパーモードの形成における同相(強め合う)干渉を保証するためにロックされる場合、フィルファクタのペナルティーは大幅に低減することができる。先細のファイバ束72の出力においてコアサイズを最適化することによって、400μm径など合理的な大きさにされた束の今のより大きなクラッド内での優れた制限をなお可能にする一方、よいオーバーラップを達成することができる。
【0019】
[0047]プロセスは、コアサイズ及び間隔の両方が釣り合って減少する単純な先細(テーパ−)プロセスを越えて改善できることに注目すべきである。先細プロセスにおいて注意深く適合させた温度を使用することは、コアの周りのドーパントの改善された拡散につながり、したがって、有効なコアサイズは、コア対コアの間隔の比例した変化に対する拡散によって増加することができる。このプロセスの効果は、さらに、先細のファイバ束出力モードフィルファクタを向上させることができる。
【0020】
[0048]端部キャップ74から得られる結合した出力ビームの例として、入力として25μm/62.5μmのコア/クラッド径を備えた7つのファイバをとる六角形状に密接にパックされた先細のファイバ束を考える。ここで、初期のコア対コアの間隔もまた約62.5μmである。入力は約3.6倍の6.9μmへと先細りにされ、V#は約1.2、コア対コアの間隔は17.2μmまで減少する。入力ファイバモードは、先細りでないクラッドインターフェースにおいてファイバ出力の無視できる一部分(近似信号1PPΜM)を有するが、一旦それらがともに融合され先細りにされると、モードは隣接するコアとの大きな重なり合いを有する。伝播シミュレーションは、コアの適切な断熱の先細り(adiabatic tapering)が各コアにおいて最低次のモードからの外部結合(out-coupling)を10数PPMに制限することを示す。すべてのモードフィールドはそれらがコヒーレントに加わり、したがってフィルファクタを十分に最大化するように位相化されると仮定される。
【0021】
[0049]先細にされる前の25μm/62.5μmのコア/クラッド径を備えた密接にパックされた7つのファイバ束の近接場強度分布120が図10に示され、リング122は約190μmの仮定された参照開口径Drefであり、遠距離場の回折限界の半径λ/Drefを定義するために使用される。LMAモードがよく制限され且つ重ならないことを示すことができ、入力コア間の大きな間隔のために、フィルファクタはかなり低い。この配置(geometry)に基づいた結合されたビームの計算されたバケツ中のパワー(power in the bucket、PIB)が角半径1.2λ/Drefの回折限界の遠視野(far-view)内のわずか約17%であることがさらに示され得る。それに比べて、完全に参照開口を満たす回折限界のフラットトップ・ビームは、この回折限界の角度のバケツ中の約84%を達成する。
【0022】
[0050]この7つのファイバ入力束を、17.2μmのコア対コア間隔において想定される6.9μmのコア径まで先細りにすることで、図11における近接場強度分布124によって示されるような非常に異なる結合した出力ビームが生まれ、ここでリング126は想定する参照径である。この場合の近接場の参照開口径は69μmであるように選ばれ、結合したパワーの99%より多くを含む。大幅に増加したモード・オーバーラップ及びフィルファクタのため、結合した先細のファイバ束出力は、ここで、回折限界の遠距離場のバケツの中への非常に高効率の集中を有する。7つの理想的に位相化されたビームのPIBが回折限界の角半径1.2λ/Drefへの約92%であることが示されてもよい。このPIBが、回折限界であり且つ十分に満たされたフラットトップ・ビームによって達成された84%を超えることに注目されたい。1.5λ/Drefの半径内の約95%まで7つの結合されたビームのFIBが増加する。したがって、先細のファイバ束72の効果が入力ファイバ束と比較してフィルファクタ及びPIBを劇的に増加させることであることが示されてもよい。
【0023】
[0051]所与のコア形状について、結合されたビームの実効面積はピーク強度に基づいて定義することができ、強度により引き起こされる損失が問題になる前の最大パワーを定義するために使用することができ、ここでパワーPの結合されたビームのピーク強度はIpeak=P/Aeffとして定義される。上述の先細のファイバ束を備えた7つのビーム結合について、Aeff=630μm2であり、先細のファイバ束出力における単一の構成ビームは80μm2の実効面積を有し、従って、実効面積は単一ビームに対して7.8倍増加される。
【0024】
[0052]より高い出力のために、より多くの数の入力ファイバを使用することができる。六角形の密接なパッキングについて、追加のファイバのリングを備えた次のマジック数は19であり、上記の間隔のコア径に基づいて、約1860μm2の実効面積を生み、したがって、入力ビーム当たり約3kWと仮定すれば、単一の先細のファイバ束出力において60kWより多くを可能にする。リング開口132を備えた先細のファイバ束の出力の近接場強度分布130は図12に示され、ここで開口参照径は96μmである。
【0025】
[0053]上述のように、単に個々のファイバモードの可干渉性の同相の重ね合わせにおいてスーパーモードが生じたと仮定された。対称性から、6つの外部ビームがロックされた同一の位相を有する場合、2つの関心のあるモードのみが存在し、中央ビームは同相又は位相がずれており、これはそれぞれ同相I+>及び位相ずれI−>スーパーモードと表される。したがって、上記の結果は入力ビームの適切な位相整合による位相ずれI−>スーパーモードの抑制に依存する。位相ロッキングシステムの使用により、出力における中央ビームが外部ビームに関して適切な相対位相を有することを確かに保証することができる。しかし、構成ファイバ間の大きなモード重なりと先細のファイバ束72とのために、コア間で相当なパワーの交換がある。シミュレーションにより、テーパーの端部における上記の例のコア径については、中央コアにおいて開始されたパワーが中央ビームから外部ビームまで約2.5mmの伝播距離において結合することが示される。したがって、入力フィールドの適切な位相整合に加えて、ビームの所望の均一なパワーを保証するために、先細ファイバ束72の長さ及びテーパーを調整しなければならない。実際、想定する出力ビーム中の中心ピークはビームの外部のピークより約30%高いパワーを有する。従って、コア間のパワー結合が中央コアパワーをいくらか低減するように先細のファイバ束72の長さを設計することによって、ピークは均等にすることができ、所与の合計のアレイ出力についてのピーク強度の低減をもたらすことができ、それによって、所与の損傷したしきい値についての合計パワー制限を増加させることができる。数パーセントのパワーバランスのための必要な設計精度は、シミュレートされた2.5mmのカップリング距離に基づいて、数百ミクロンであり、容易に達成されるものである。
【0026】
[0054]現在の商用の高出力の先細ファイバ束パッケージは約100Wの散逸能力を有し、これはこれらのデバイスの開発が進むにつれて成長するであろう。1kWを超えるパワーを結合するファイバ増幅器に使用されるマルチモード・ポンプ・カプラについての報告は、98%より大きな値で達成されたポンプ・スループットにとって当然のものである。これらの商用デバイスは、一般に、入力の有効な累積的受け取りよりほんのわずかに大きな角度の受け取りによって出力ファイバに先細のファイバ束を結合することにより、ポンプ輝度を最大化することを試みる。したがって、これらのデバイスは、一般に、かなりの、すなわち、1%より大きな結合損失を有する。本願において提案される種類の先細のファイバ束においては、端部キャップのみが使用されるので、出力ファイバに結合されることによる損失はない。先細のファイバ束において使用される高品質の伝送ファイバの固有の吸収損失は非常に低く、すなわち10PPΜM/cm未満であり、したがって制限要因になるとは考えられない。
【0027】
[0055]残りの損失は、伝播中に又は先細のファイバ束のテーパーの端部の近くで、大きな角度モード変換及び散乱から生じる。これはもちろん先細のファイバ束の製造の設計及び品質に依存する。しかし、関心のあるLΜA入力ファイバは、かなり低い、すなわちほぼ0.06のNAを有し、この入力光の角度の発散はモード翼(mode wings)における残余パワーを含めても制限される。例えば、25μm/0.06NAのLMAファイバモードは、±10mradよりも大きな角度で伝播する100PPM未満の残余パワーを有する。上述の先細のファイバ束の端部における小さな6.9μmのコアモードでさえ、±0.2radの角度の外に100PPM未満の残余パワーを有する。先細のファイバ束パッケージ内での加熱は、先細のファイバ束クラッド材料によって吸収される大きな角度の外部結合された光によって支配される可能性が高い。したがって、先細のファイバ束における適度なNAガラスクラッド材料の使用は、事実上吸収性でなく、先細のファイバ束内に分散した非常に大きな角度以外のすべてからの加熱を大きく緩和するであろう。例えば、フッ素ドープしたガラスは、およそ0.3のNA制限を備えたクラッド材料として使用することができ、したがって、先細のファイバ束パッケージへの吸収を防ぎ且つ端部キャップによる回避を可能にするために任意のより低い角度散乱光を制限することができる。
【0028】
[0056]図13は、外部の低屈折率の屈折ガラス管142を含む、先細のファイバ束140の入力端部の断面図であり、上述のように、図14は、ガラス管142を示す先細のファイバ束140の出力端部の断面図である。
【0029】
[0057]上述のように、端部キャップ74はビーム品質の損傷又は低下のないガラスから結合した高出力ビームを得るために使用される。説明されるように、端部キャップ74の目的は、出口表面における強度が損傷したしきい値を下回るように、ビームが十分に拡大することを可能にすることである。第2に、その表面から反射されたパワーがファイバ増幅器性能に悪影響を及ぼさないことが保証されなければならない。したがって、反射を最小化するために端部キャップ74の出力面上に反射防止(AR)コーティングを提供することが通常は望ましい。ここに述べられている小さなビームについては、約1MW/cm2より大きな損傷しきい値が達成可能であることが報告された。20kWの出力ビームについては、これは、ビームが約2mm2の実効面積へ拡大しなければならないことを示唆する。上述の7つのビーム結合については、結合されたビームの有効な1/e2直径は、それが端部キャップ74に入るとき約45μmであり、総計の発散角度はしたがってかなり小さい、すなわち、当該角度はガラスの1/e2においてほぼ±0.01であり、その結果、ピーク強度を低減するために長い伝播距離が要求される。計算により、ビームがほぼ1.3mmのFWHMを備えたおおよそのガウシアンであるような約11cmの伝播の後、20kWの7つのビーム出力についてピーク強度が約1MW/cm2に低減されることが示される。したがって、以下に述べるように、出力ファセットにおける拡大するビームを提供するために、レンズキャップ径は、先細の方法又はセグメントのいずれかにおいて約5mmまで増加する必要がある。
【0030】
[0058]吸収の非常に低い端部キャップを備えた場合でさえ、ガラス中の長い伝播距離は、蓄積された熱的光学パス歪み(OPD)からの困難を引き起こす。しかし、ビームは約1mmにおいて最大となるので、これは端部キャップ74の高アスペクト比によって緩和される。端部キャップ74の表面冷却は適切にすべきであるが、端部キャップ74における固有の吸収のために、不可避の二次の温度変化がなお存在する。ビームの範囲にわたって熱堆積(heat deposition)が均一であると見積もると、ビーム幅にわたる吸収によって引き起こされる温度差はほぼΔT=Pα/4πk=Pα/180℃であり、ここでPはkW単位の全ビーム出力であり、αはPPM/cm単位の固有のガラス吸収であり、ガラス導電率はκ=1.4W/m−℃である。ガラス中のOPDは、長さcm及び温度差℃当たり約1.3個の波であり、したがって、20kWのビーム及び10cmの経路長については、最大のOPDは約α/7波である。極めて低い吸収の溶融シリカはα<1PPM/cmであると報告され、したがって、OPDは圧倒的なものではなく、ほとんど球状であるが、しかし、この問題は、この方法を備えたパワースケーリングにとって重大な制限を提示し得る。これは、10+kWのパワーレベルで動作するファイバ・スキームのための端部キャップ74の熱管理がOPDを最小化するためにかなり重要であることを示す。
【0031】
[0059]ビームの数が拡大するにつれて、結合されたビームがより大きな有効径、すなわち約70μmを有し、したがってさらに小さな発散を有するので、この問題は深刻になる。上述の19のビーム結合については、1/e2において計算された発散角度はガラスにおいて約±7.2mradであり、より大きな60kWの全パワーと結合して、出口強度を約lMW/cm2に低減するために約27cmの長さの端部キャップを要するだろう。支配的な問題は結合されたビームの非常に小さな発散である。
【0032】
[0060]この問題を緩和する1つの手法は、先細のファイバ束接合に近い負の屈折率分布型(GRIN)レンズを含む端部キャップを製造することである。図15は、先細のファイバ束に結合される負のGRINレンズ152を含む端部キャップ150の斜視図である。端部キャップ150の残りの部分は均一のガラスロッド154であり、GRINレンズ152及びガラスロッド154は適切な接合156によって光学的に結合される。負の焦点距離レンズは結合されたビームの発散を著しく増加させる場合があり、したがって、必要な端部キャップ長を数cmに低減し、それによって、端部キャップ150における蓄積されたOPDを大幅に低減することができる。例えば、−0.8mmの焦点距離を備えたGRINレンズは、7つのビームの先細のファイバ束出力の発散をおおよそ3倍に増加させ、したがって、20kWの出力ビームに対してOPDを比例して約α/20波へと低減する。そのような手法により、100kWにせまる単一開口パワーに対するこのスキームのスケーリングを手の届くものとすることができる。
【0033】
[0061]端部キャップ74の直径は拡大するビームを提供するために、セグメントの中で又はテーパーによって増加され得る。図16は、段のあるセグメントを含む端部キャップ160の斜視図であり、負のGRINレンズ162は、接合168によって、先細のファイバ束及びほぼ同じ直径の均一のガラスロッド164に結合される。ガラスロッド164の対向する端部はより大きな径のガラスロッド166に接合され、それは今度はビーム拡大のためにセグメントを供給するためにさらにより大きな径のガラスロッド170に接合される。反射防止コーティング172は、GRINレンズ162の反対のガラスロッド170の出力表面上で提供することができる。
【0034】
[0062]図17は、一端において先細のファイバ束に結合され且つ対向する端部において接合186によってほぼ同じ直径の均一なガラスロッド184に結合される、負のGRINレンズ182を含む端部キャップ180の斜視図である。その後、先細のガラスロッド188は均一のガラスロッド184に結合され、先細のガラスロッド188の広い端部は反射防止コーティング190を含む。
【0035】
[0063]0.2%の標準的なARコーティング反射率によれば、20kWの反射パワーは拡張されたビームにおいては40Wにすぎず、したがって、小さな先細のファイバ束出力ファイバに再び入るこの反射の一部は、小さく安全なパワーに容易に制限されるべきである。
【0036】
[0064]大きな開口ビーム導波器にとって、先細のファイバ束の近接場の拡大された画像(image)がビーム導波器の開口に中継されることは望ましい。これは望遠鏡76によって達成され、レンズ78は焦点距離f1を有し、レンズ80は焦点距離f2を有し、レンズ78及び80はf1+f2によって分離され、長さf2/f1によって画像を拡大する。
【0037】
[0065]端部キャップ74上で球状の出口表面を使用することにより、又は端部キャップ出力において集束GRINレンズを接合することにより、端部キャップ74へレンズ78を統合することは可能である。図18は端部キャップ160に類似の端部キャップ192の斜視図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。端部キャップ192は、レンズ78として動作する反射防止コーティング172に取り付けられた正のGRINレンズ194を含む。そのような光学的配置は、同様にビーム導波器望遠鏡へ直接的に統合することができる。正及び負のレンズの両方を使用する高倍率のための標準設計のよりコンパクトな望遠鏡もまた、拡大光学系の設置面積(フットプリント、footprint)を最適化するために実施することができる。
【0038】
[0066]適切なビーム品質を維持するために、ファイバ増幅器18の各々におけるファイバビームの偏波が同じ方向を有することが必要である。システム70については、すべてのファイバ中のすべてのビームが同じ偏波方向を有するように、ファイバ増幅器18において使用されるファイバは偏波保持ファイバである。高出力用途などのある応用においては、偏波保持ファイバを使用することは適していないかもしれず、したがって、ファイバ増幅器18中のファイバビームの各々の偏波を整列させることが必要になる。
【0039】
[0067]図19は、偏波保持ファイバを使用しないファイバレーザ増幅器システム200の概略平面図であり、システム70と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム200は、サンプラ82からのサンプリングされたビーム中のファイバビームの偏波を決定するのに偏光子202を使用する。ファイバ中の偏波は互いに対して変化するので、偏光子202は多かれ少なかれ光を偏波検出器204へと向けさせる。出力ビーム中の各ビームの偏波を決定するために、偏波検出器204は個々のビームにおいて異なる周波数ディザリング又はタグを使用する。偏波の測定は、ビーム中の偏波の相対的な方向を決定する同期N−ビーム偏波プロセッサ206に提供される。プロセッサ206は、すべての測定された偏波の変化についてファイバを識別するために異なるディザリング周波数又はタグを使用し、各ファイバ中の偏波方向を制御するために、それらが同じであるように、対応するファイバ増幅器18について偏波制御部208に信号を提供する。そのような偏波制御システムは、2001年11月13日にUptonらに発行され本出願の譲受人に譲渡された、偏波ロック光学出力のための技術なるタイトルの米国特許6,317,257号において提案されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0040】
[0068]ファイバ増幅器18を先細のファイバ束72へと形成することは多くの課題を提供する。ファイバ径に対するファイバコアのある比率を提供し、ファイバコアをできるだけ密接に間隔を置かれるように提供することが望ましい。さらに、本明細書に述べられている直径のファイバについては、ファイバの柔軟性はファイバの取り扱い能力を制限する。当技術分野において、共通のクラッド層に囲まれた束に一緒に結合された複数のコアを含むマルチコアファイバが知られている。そのようなマルチコアファイバは、取り扱うこと及び上述のように先細のファイバ束へと形成することがより簡単である。しかし、その際マルチファイバコア内で個々のコアにファイバビームを入れることが必要である。さらに、各コアの周りのクラッド内で高いNA制限のポンプ光を提供するためにマルチコアファイバ中の個々のコアの周りに外側の空気クラッド(air cladding)を提供することは当技術分野において知られている。
【0041】
[0069]図20は上述の種類のマルチコアファイバ210の断面図である。マルチコアファイバ210は、コア214及び内側クラッド層216を各々が含む複数の個々のファイバ212を有効に含む。さらに、各々の個々のコア214及び内側クラッド層216は、当業者によく理解される方法で空気クラッドを有効にすべて空気にする多くの小さなガラス・エア・ブリッジ226によって形成される外側の空気クラッド222により囲まれる。個々のコア214の周りに空気クラッド222を提供することによって、個々のファイバ212は、マルチコアファイバ本体224において空気クラッド222及びガラス内でエアブリッジ226を化学的にエッチングすることにより、マルチコアファイバ本体224から分離することができる。
【0042】
[0070]図21はマルチコアファイバ210の平面図であり、個々のファイバ212は、マルチコアファイバ部分218から延在するピグテールを形成するために分離されたものである。1つの実施例において、マルチコアファイバ本体224及び空気クラッド222は、フッ化水素酸、又は別の適切な化学剤を使用してエッチングされ、ここで、個々のファイバ212をファイバ増幅器18に結合することができるように、部分218から個々のファイバ212を分離する。マルチコアファイバ部分218は個々のファイバ212より著しく大きな径を有するので、上述の種類の先細のファイバ束を形成するためにより容易に扱うことができる。テーパープロセスでは、ファイバクラッド層216がコアとマルチコアファイバ本体224との間で連続的であるように空気クラッド222中のブリッジが崩壊するよう、適切に高い温度とおそらくは真空が適用されなければならないことが注目される。これにより、各コア214における制限されたモードが広がり、マルチコアファイバ210の先細の領域において他のモードと重なり合うことが可能になる。
【0043】
[0071]上述の実施例は、システムの出力パワーをさらに高めるために他の種類のファイバレーザ増幅器システムへ拡張することができる。図22は、ビームパワーを高めるためにスペクトルビーム結合(SBC)を使用して複数のビームを組み合わせるファイバレーザ増幅器システム230の概略平面図である。システム230において、複数のN個の主発振器232は、異なる波長(λ1、λ2、・・・λN)にあるファイバ234上のビームを個々に提供する。その後、各主発振器波長は上述のような方法でΜ個のスプリッタ及び位相変調器236によってM個のファイバへ分割される。各スプリッタ及び位相変調器236からの別個のファイバはその後増幅器240によって表されるファイバ増幅器238に結合される。その後、ファイバ増幅器238は先細のファイバ束242に結合され、それは上述のような方法で端部キャップ244に結合される。先細のファイバ束242及び端部キャップ244は、上述の先細のファイバ束及び/又は端部キャップのうち任意のものであってもよい。
【0044】
[0072]N個の先細のファイバ束は線形アレイに配置され、線形アレイは共通の平行光学系248の後焦点面(back focal plane)に配置される。各端部キャップ244からの出力は望遠鏡レンズ246によって集中され、すべての主発振器波長についての結合されたビームは平行光学系248によって平行にされる。その後、平行光学系248からの平行ビームはビームサンプラ250によってサンプリングされ、ほとんどのビームがSBCグレーティング252に送られる。SBCグレーティング252は平行光学系248の反対側の焦点面に配置され、主発振器波長に伴うその分散、隣接した先細のファイバ束間の間隔及び平行光学系の焦点距離は、各ビームがSBCグレーティング252による回折の後にすべての他のビームとともに正確にともに伝播しているように選択される。したがって、各主発振器波長のビームはすべて、他の主発振器ビーム波長のすべてと同じスポットへ集中される。
【0045】
[0073]ビームサンプラ250は、グレーティング252に入射する一群のN個のビームの小標本(small sample)を提供し、その各々はわずかに異なる角度で伝播している。集束光学系254は結合されたビームをN個の別個の位相検出器上に集中させ、各検出器256は各々の別個の主発振器波長におけるM個のビーム間の位相関係を測定する。上記のように、周波数タグは、検出器256からの測定信号が上述のように各波長群において位相変調器236を調節する同期位相プロセッサ258によって受信されるように、各々の別個の主発振器波長について各々の個々のファイバビームに配置される。したがって、N個の位相検出器256の各々からの信号は、N個のそれぞれの波長の各々において先細のファイバ束242によって結合されるM個のビームの各グループを位相ロックするのに使用される。位相信号は、グループ内のM個のファイバのどれが位相エラーを起こすかを識別するために同期的に処理され、各波長群内のビームが最適に位相ロックされるように、適切な変調器236へ訂正信号を提供する。この実施例では、ファイバ増幅器238は、可干渉性であり偏光した出力ビームを確保するための偏波保持ファイバであり、したがって、SBCグレーティング252からの最大の回折を効率的に得ることができ、これは、通常、1つの偏波状態にとって他方よりはるかに効率的である。
【0046】
[0074]図23はシステム230と同様のファイバレーザ増幅器システム260の概略平面図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム260は、SBCグレーティング252からのゼロ次反射を利用するシステム230に関する単純化された設計である。SBCグレーティング252からの一次反射は所望の場所へ集中される主ビームであり、ビームの部分的な部分はゼロ次としてSBCグレーティング252から反射される。各々の別個の波長群についてSBCグレーティング252からのゼロ次の反射がわずかに異なるので、上述のように、集束光学系254は特定の検出器256上に別個のビームを集中させることができる。したがって、システム260はビームサンプラ250を必要としない。
【0047】
[0075]図24はシステム260に類似したファイバレーザ増幅器システム270の概略平面図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム260は偏波保持ファイバを使用しており、これは高出力において実現可能かもしれず、実現可能ではないかもしれないものである。システム270はファイバ増幅器256において偏波保持ファイバを使用せず、したがって、各々の別個の主発振器波長群中のファイバビーム間で偏波方向を提供するための技術を使用する必要がある。これを行うために、システム270は、集束光学系254と、各々の別個の波長群の偏波を測定するN個の偏波検出器274にビームの一部を向ける検出器256との間に偏光子272を使用する。サンプリングされたビームは、システム270に示されるゼロ次グレーティング反射によって提供されてもよいし、又はシステム230に示されるように別個のサンプリング光学系によって提供されてもよい。検出器274からの測定された信号は、N個の波長群の各々におけるM個のファイバビーム間の相対的な偏波方向を決定するN個の偏波プロセッサ276に提供され、M個のファイバ増幅器238の各々の低パワー側においてM個の偏波制御部278に適切な信号を提供する。
【0048】
[0076]主発振器232からのビームが非常に狭いビーム帯域幅を有する場合、SBCグレーティング252はよりよいビーム品質及びより少ない発散をもたらす。しかし、主発振器232から狭いビーム帯域幅を提供することによって、様々なファイバ及び他の光学コンポーネント内の音響の影響は、光学コンポーネントを損傷する傾向がある誘導ブリユアン散乱(SBS)を引き起こす。したがって、述べたような低いビーム品質に帰着するSBSを防ぐために主発振器信号のビーム帯域幅を増加させることが望ましい。
【0049】
[0077]図25は、より広いビーム帯域幅の主発振器を可能にするがSBCグレーティング25においてより狭いビーム帯域幅を提供する、ファイバレーザ増幅器システム280の概略平面図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。この特徴を提供するために、システム280はN個の前分散(pre-dispersion)グレーティング282を各波長群について1つ含んでいる。分散グレーティング282は、SBCグレーティング252と実質的に同じ分散を有するが各波長群ビームの正味の分散を相殺するように反対に方向付けられた分散補償を提供する。ビームがSBCグレーティング252上で重なり、回折ビームの共同伝播を提供するために正確な角度で入射するように、分散グレーティング282は方向付けられる。分散グレーティング282からのビームが画像中継望遠鏡(image relay telescope)284を使用してSBCグレーティング252上に画像化される場合、ビーム品質は最適化される。中継望遠鏡光学系は、グレーティング表面上の強度が光損傷しきい値未満に維持されるように、分散方向に対して直角の方向において大きなビーム幅を可能にするために円筒状であってもよい。
【0050】
[0078]システム280において、分散グレーティング282は、上述の方法でSBCグレーティング252と個々に正確に整列させなければならず、これは面倒で複雑となりうる。図26はこの問題に役立つファイバレーザ増幅器システム290の代替的な実施例を示し、システム280と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム290において、個々の分散グレーティング282は、同じ方法で動作する単一の前分散グレーティング292で置き換えられる。個々のビーム波長群は異なる角度で前分散グレーティング292から反射され、それらは、SBCグレーティング252に衝突する前に、すべてのビームがビームスポットに向けられるように、修正される必要がある。階段ミラー294は各ビーム波長群の個々の段ステップを有するように提供され、すべてのビームがSBCグレーティング252からの回折の後にともに整列されるように、ビームが適切な角度を持つことを可能にするためのステップ高さ及び幅を有するようにステップは適切に選択される。高出力の応用のため、円筒状の光学系296及び298は、ピーク強度を光学系損傷しきい値未満に制限するために階段ミラー294の異なるステップにおいて線焦点又は短焦点へビームの各々のパワー密度を拡大するために、前分散グレーティング292とSBCグレーティング252との間のビームパスにおいて提供される。前分散グレーティングの特性及び入射角はSBCグレーティング252の分散を相殺するように選択される。実質的に正味の分散を持たない1つの設計は、反対の方向を備えた同一のグレーティングを前分散グレーティングとSBCグレーティングとに使用することである。
【0051】
[0079]図27は、2006年10月31日にShakirらに発行され本出願の譲受人に譲渡された、ファイバ増幅器の受動的調整なるタイトルの米国特許第7,130,113号に開示され参照により本明細書に組み込まれる種類などの既知のファイバレーザ増幅器システム300の概略平面図である。システム300は、主発振器を使用せず、代わりに光フィードバックループを使用するので、上述の増幅器システム10及びその他のものとは異なる。増幅器システム300は、光増幅を生成するためにポンプビーム(図示せず)によってポンプされる増幅器304によって表されるファイバ増幅器302を含む。その後、ファイバ増幅器302からの増幅信号は、ファイバビームを平行にする上述の種類のレンズアレイ306に送られる。すべてのファイバビームが同じ方向でともに伝播しているようにするために、レンズアレイ306中の個々のレンズは正確に整列されなければならない。レンズアレイ306からの共同伝播するビームはビームサンプラ308によってサンプリングされ、ほとんどのビームはシステム出力ビームとしてビームサンプラ308を通過する。ビームサンプラ308からのビームのサンプリングされた部分は、ビームフィードバックを提供するシングルモードファイバ314を介して送られるために、結合レンズ310によって集中され且つ収集器(collector)312によって集められる。ファイバ314は単一モードであるので、上述の位相変調器への電気的フィードバックによって提供されるアクティブ制御とは対照的に、ファイバ増幅器302中のファイバビームの位相整列を受動的に提供する。光が単にフィードバック方向に伝播するように、光アイソレータ16がシングルモードファイバ314において提供される。フィードバックビームは前置増幅器318により増幅され、いくつかのファイバ増幅器302にファイバビームを提供するためにビームスプリッタによって分割される。この技術はファイバ増幅器302の位相を受動的にロックする際に有効であることが示されたが、システム10に関して上述のフィルファクタ問題になお悩まされる。
【0052】
[0080]システム300はまた、設計においてよりコンパクトであり、且つ、上述のものと同じ方法で先細のファイバ束を使用することにより整列を要求する光学コンポーネントを低減するように改善することができる。図28はこの実施例を示すファイバレーザ増幅器システム330の概略平面図であり、システム300と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム330は、先細のファイバ束332の出力においてビーム重なりを提供するために上述の方法でファイバ増幅器302を結合する先細のファイバ束332を含む。端部キャップ334は先細のファイバ束332に結合され、上述の様々な端部キャップの実施例のうち任意のものであってよい。端部キャップ334からの出力ビームは、集束光学系338及び平行光学系340を含む、平行にし拡大する望遠鏡(collimating and magnifying telescope)336によって集められる。したがって、システム330は、コンパクトな設計でシステム300のフィルファクタ問題を解決する。上記のように、集束光学系338は、正のGRINレンズなどの端部キャップ334の一部であってもよい。
【0053】
[0081]システム300及び330が受動的に自己偏波している(self-polarizing)ことは可能であり、これは、すべてのファイバビームが同じ偏波状態を有することを意味し、可干渉性ビーム結合に必要である。これは受動的にシングルモードファイバ314を使用して行うことができ、又は、ファイバ増幅器302の偏波を、偏波保持ファイバを含むことによりすべてが同じ偏波を有するように強制することができる。代替的に、偏波制御部は上述のような方法でファイバ増幅器302において偏波方向を維持するためにシステムにおいて提供することができる。図29は偏波制御を提供するファイバレーザ増幅器システム350の概略平面図であり、システム300及び330と同様の要素が同じ参照番号によって識別される。この実施例において、偏光子352は、結合レンズ310と、先細のファイバ束332の出力ビームからの結合されたビームにおける偏波の差を測定する偏波検出器354にビームの一部を向ける収集器312との間に提供される。同期するN個のビーム偏波プロセッサ356は、偏波検出器354から測定された偏波信号を受信し、各ファイバ増幅器302における偏波方向が維持されるように、各ファイバ増幅器302において偏波制御部358を制御する。N個のビームのうちのどれが訂正を要するかを偏波プロセッサ356が識別するために、偏波制御部358の各々は、以前の実施例において位相制御について述べた方法と同様に、独自のディザリング周波数又は符号を提供しなければならない。
【0054】
[0082]図30はシステム300、330及び350に類似するファイバレーザ増幅器システム360の概略平面図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。この実施例において、平行にし拡大する望遠鏡は、組み合わされたレンズ並びにレンズ364及びサンプリンググレーティング366を含むサンプリンググレーティングアセンブリ362を含む。レンズ364は端部キャップ334からの出力ビームを平行にし、サンプリンググレーティング366は、結合レンズ310上に出力ビームの小さな部分をリダイレクトする。サンプリンググレーティング366は、追加の別個の光学系を導入することなく出力の任意の小標本を提供することができる。拡大する望遠鏡はまた、レンズの代わりにミラーを使用することができる。
【0055】
[0083]上記の議論は例示的な実施例を開示し説明するにすぎない。当業者であれば、そのような議論から、及び添付の図面及び特許請求の範囲から、以下の特許請求の範囲において規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更、修正及び変化を行うことができることを容易に認識するであろう。
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に高出力ファイバレーザ増幅器に関し、より具体的には、改善された曲線因子(フィルファクタ、fill factor)を備えたビームを結合するためにファイバ増幅器の端部を先細の(tapered)ファイバ束へと結合する高出力ファイバレーザ増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]高出力レーザ増幅器には、産業用、商用、軍事用などを含む多くの応用がある。レーザ増幅器の設計者は、これらの応用のためにレーザ増幅器の出力を高めるための方法を継続的に調査している。1つの既知の種類のレーザ増幅器は、レーザビームを生成するためにドープファイバとポンプビーム(pump beam)を使用するファイバレーザ増幅器である。通常、高出力ファイバレーザ増幅器は、約10−20μm又はより大きな直径の活性コアを有するファイバを使用する。現在のファイバレーザ増幅器設計は、5kWまでの単一ファイバ出力レベルを達成している。いくつかのファイバレーザシステムは複数のファイバレーザ増幅器を使用し、何らかの方法でより高出力のものへとそれらを結合する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]ファイバレーザ増幅器の設計の課題は、ビームを小さな焦点へ集中することができるようビーム直径にわたって均一の位相を有する単一ビーム出力をビームが提供するように、コヒーレントな(可干渉性の)方法で各ファイバからのビームを結合することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
結合されたビームを長距離(遠距離場)において小さなスポットへ集中させることにより、ビームのビーム品質が規定され、個々のファイバビームがよりコヒーレントになるほど、結合された位相はより均一になり、ビーム品質はより良いものとなる。ファイバレーザ増幅器設計における改善により、レーザシステムの理論的出力限界及び理論的ビーム品質限界に近付くようにファイバビームの出力パワー及び可干渉性(コヒーレンシー、coherency)が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】[0004]ファイバレンズアレイを含む既知のファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図2】[0005]図1に示されるファイバ増幅器において使用されるファイバレンズアレイの断面図である。
【図3】[0006]DOE結合器を含む既知のファイバレーザ増幅器の概略平面図である、
【図4】[0007]先細のファイバ束(tapered fiber bundle)及びビーム位相検出器を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図5】[0008]先細のファイバ束及び端部キャップ(end cap)の図である。
【図6】[0009]図5に示される先細のファイバ束の入力端部の断面図である。
【図7】[0010]図5に示される先細のファイバ束の出力端部の断面図である。
【図8】[0011]図5に示される先細のファイバ束からの出力ビームの近接場ビーム強度のプロファイルである。
【図9】[0012]ステップインデックスファイバのモードの有効径を示す水平軸上のコア径及び垂直軸上の有効モード径を備えたグラフである。
【図10】[0013]先細りとなる前の密接にパックされた7つのファイバ束の近接場ビーム強度分布のプロファイルである。
【図11】[0014]先細りとなった後の図10に示される7つのファイバ束の近接場ビーム強度分布のプロファイルである。
【図12】[0015]密接にパックされた19のファイバ束の近接場ビーム強度分布のプロファイルである。
【図13】[0016]低屈折率ガラスクラッドを含む先細のファイバ束の入力端部の断面図である。
【図14】[0017]低屈折率ガラスクラッドを含む図13に示される先細のファイバ束の出力端部の断面図である。
【図15】[0018]負のGRINレンズを含む先細のファイバ束のための端部キャップの斜視図である。
【図16】[0019]先細のファイバ束のためのセグメント化された端部キャップの斜視図である。
【図17】[0020]先細のファイバ束のための先細の端部キャップの斜視図である。
【図18】[0021]正のGRINレンズを含む先細のファイバ束のためのセグメント化された端部キャップの斜視図である。
【図19】[0022]先細のファイバ束、位相検出器及びファイバ偏波制御部を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図20】[0023]マルチコアファイバの断面図である。
【図21】[0024]図20に示されるマルチコアファイバの実例である。
【図22】[0025]複数の主発振器、先細のファイバ束及び位相検出器を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図23】[0026]複数の主発振器、SBCグレーティング(grating)及び複数の位相検出器を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図24】[0027]複数の主発振器、SBCグレーティング、位相検出器及びファイバ偏波制御部を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図25】[0028]複数の主発振器、複数の前分散(pre-dispersion)グレーティング及びSBCグレーティングを含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図26】[0029]複数の主発振器、SBCグレーティング及び階段ミラー(staircase mirror)を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図27】[0030]フィードバックシングルモードファイバ及び前置増幅器を含む既知のファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図28】[0031]先細のファイバ束、フィードバックシングルモードファイバ、前置増幅器及びビームサンプラ(beam sampler)を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図29】[0032]先細のファイバ束、フィードバックシングルモードファイバ、前置増幅器及びファイバ偏波制御部を含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【図30】[0033]先細のファイバ束、フィードバックシングルモードファイバ、前置増幅器及びサンプリンググレーティングを含むファイバレーザ増幅器の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0034]先細のファイバ束を含むファイバレーザ増幅器を対象とする本開示の実施例についての以下の説明は、本来例示的なものにすぎず、本発明又はその応用もしくは使用を限定するように意図されない。
【0007】
[0035]図1は、光ファイバ14上に信号ビームを生成する主発振器(MO)12を含む、既知のファイバレーザ増幅器システム10の概略平面図である。図1に示される種類のファイバレーザ増幅器システムは、正確な位相及び振幅制御を利用する光エネルギー伝送システムなるタイトルの、2004年3月16日にWickhamらに対して発行され本出願の譲受人に譲渡された米国特許6,708,003号に見ることができ、参照により本明細書に組込まれる。信号ビームはスプリッタ及び位相変調器16によってある数のスプリットビーム(分割されたビーム)へと分割され、別個の位相変調器16が各分割されたビームに提供される。スプリッタ及び位相変調器は実際には2つの別個のデバイスであるが、単一チップ上でそれらを実施することができるので、ここに示すのは単一の物体である。さらに詳細に以下に議論されるように、すべてのビームが結合された出力ビーム26において互いに同相であるように、位相変調器16は、各分割されたビームの位相を調節する。その後、位相変調器16からの分割されたビームはファイバ増幅器18に送られ、増幅器20は、光ポンプビーム(図示せず)を受け取るファイバ増幅器18のドープされた増幅部を表す。その後、ファイバ増幅器18からの増幅されたファイバビームは、各ファイバ増幅器18の円筒状のファイバレンズ24を含むファイバレンズアレイ22に送られ、すべてのファイバビームが結合された出力ビーム26としてともに結合されるよう、レンズ24の各々がアレイ22としてともに結合される。ファイバレンズアレイ22は、平行ビーム(collimated beams)のタイル状アレイ(tiled array)を形成するためにファイバビームの各々を平行にし(コリメートし)、正確に相互に整列させる。結合された出力ビーム26はビーム26を分割するビームサンプラ28に送られ、ビーム強度の大部分はシステム10の出力ビームとして提供される。
【0008】
[0036]ΜO12はまた、ファイバ増幅器32によって増幅されレンズ34によって平行にされるファイバ30上の参照ビームを提供する。レンズ34からの平行にされた参照ビームはビームサンプラ28に送られ、参照ビームは結合されたビーム26におけるファイバビームの各々と干渉して、参照ビームと各々の別個のファイバビームとの間の干渉パターンをもたらす。干渉ビームは位相検出器のアレイ38へレンズ36によって導かれ、別個の位相検出器38が各々の別個のファイバビームに提供される。検出器38からのビーム間の干渉パターンを規定する電気信号は、位相プロセッサと、位相変調器16の各々に位相訂正信号を提供する制御部40とへ送られて、分割されたビームがすべて互いと同相であり且つ出力ビーム26が遠距離場でしっかりと集中されることができる1つの可干渉性ビームであるように、MO12からの分割されたビームの位相を調節する。
【0009】
[0037]図2は、個々のレンズ24を含むレンズアレイ22の断面図である。この構成から明らかなように、円筒形状のレンズ24は、レンズ24間のデッドスペース42を作成し、これは高パワービームによって占められる結合ビーム領域の断片として規定される、低減されたフィルファクタに帰着する。本明細書にて使用されるように、改善されたフィルファクタはより小さな回折限界スポットに対してより大きなフィルファクタ及びよりよいビーム品質又は集中可能性(focusability)を意味する。ビームを互いに同相にし且つ連続的にすることによって、出力ビーム26のビーム品質は改善され、小さなスポットへ集中することができる。したがって、できる限りしっかりと一緒にパックされるようにレンズ24を作ることが望ましい。さらに、各ファイバにおいてコアを通じて伝播する実際のビームは、より高い中心強度及び低減された周辺強度を備えたベル形状のビームプロファイルを有するガウシアンビームである。ガウシアンビームの密接なパックされたアレイが集中すると、中心の焦点のローブ(lobe)は、通常、ガウス形状及びビーム間に介在するデッドスペースの結果として、結合されたビーム出力のわずか約60%しか含んでいない。したがって、結合されたビームアレイの低減されたフィルファクタは、個々のビームのガウシアン形状及び介在するデッドスペース42の両方の組み合わせに起因し、中心の遠距離場の焦点のローブに集中している結合した出力パワーはフィルファクタによって与えられ、それは全ビームパワーの約60%である。
【0010】
[0038]図3は、上述のフィルファクタを排除する既知のファイバレーザ増幅器システム50の概略平面図であり、システム10と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。この種類のファイバ増幅器は、Riceらに対して2008年10月21日に発行され、本出願の譲受人に譲渡された、可干渉性のファイバ回折光要素ビーム結合器なるタイトルの米国特許7,440,174号に見ることができ、参照によって本明細書に組込まれる。この実施例では、密接して間隔を置かれた出力ビーム54のアレイを生成するために、ファイバ増幅器18は単一ファイバアレイ52へ接合(スプライス)される。出力ビーム54は光学系56により平行にされ、次に、ビームが正確に整列され調整される場合、ビームを結合する回折光学要素(DOE)58に送られる。同じ角度で提供されるDOE58からの回折ビームはビームを分割するビームサンプラ60に導かれ、結合されたビームの大部分がシステム50からの出力ビームである。
【0011】
[0039]DOE58からの結合されたビームの分割された部分は、集束光学系52により集められ、位相検出器64へ送られる。位相検出器64は、結合されたビームの位相を測定し、同期位相プロセッサ66へ測定信号を送る。このように結合されたビームの位相を検出することによって、参照ビームを除去することができ、単一の位相検出器を使用することができる。構成ビーム(constituent beam)の位相は、周波数変調(FM)又は振幅変調(AM)用の異なる周波数、符号分割多元接続(CDMA)又は時分割多元接続(TDΜMA)用の異なる符号など、構成ファイバビームを位相又は振幅について独自にディザリング又は符号化することにより、単一の出力位相検出器64において区別することができ、その結果、同期検出器スキームは、結合されたビーム中の各ファイバビームについて構成する位相信号(constituent phase signals)を区別することができる。そのような技術は、2008年3月18日にRothenbergらに発行され本出願の譲受人に譲渡された、コヒーレント回折ビーム結合のための多段方法及びシステムなるタイトルの米国特許7,346,085号に開示され、参照によって本明細書に組み込まれる。同期位相プロセッサ66は、位相検出器64からの測定信号中の異なる構成位相をデコードし、ファイバ増幅器18中の個々のファイバビームの位相に対する調節により出力ビーム中の構成ファイバビームのすべてが同位相にロックされるように、対応する位相変調器16に送られる各ファイバビームについての位相エラー訂正信号を生成する。ファイバビームのアレイ52は単一の出力ビームへ結合されるので、フィルファクタの問題は排除され、出力ビームはほぼ回折限界のスポットに集中することができて、ビームの全結合パワーによって提供される輝度の理論限界にほぼ達する。
【0012】
[0040]結合した出力ビーム以外のDOE58からの回折ビーム68は、角度の分離を制限しており、したがって、回折された出力ビームを十分に分離するためにかなり大きな経路長を必要とし、したがって、システム50をそれほどコンパクトでないものとする。さらに、出力ファイバのアレイは、高いビーム結合効率を達成するために、互いに及びシステム50の出力光学系に対して非常に高精度に整列しなければならない。そのような正確な整列は、マルチkWレーザビームの存在を伴う不可避の熱散逸の存在下ではより一層困難である。したがって、優れたビーム品質を有するファイバ増幅器システムを提供することが望ましいが、ファイバアレイが大きな自由空間光学要素に対して正確に整列される必要性を回避する。さらに、全ファイバ・フォーマットでビームを結合する手法は、単一ファイバ開口内の高出力でのパワースケーリングのための理想的なパッケージング解決策を提供することができ、それはその後望遠鏡に直接注入することができ、又はさらなるビーム結合のための構成要素として使用することができる。
【0013】
[0041]図4は、ファイバ材料自体においてより高いフィルファクタ及びビーム品質を備えたビーム結合の提供により上述のシステム10及び50に対する改良を提供するファイバレーザ増幅器システム70の概略平面図である。システム70において、システム10及び50と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。この実施例では、ファイバ増幅器18の端部は、単一ファイバマス(fiber mass)へとファイバ増幅器18を結合する、先細のファイバ束72の入力端部につながれる。その後、端部キャップ74は先細のファイバ束72の出力端部に取り付けられる。端部キャップ74からの出力ビームは、受信光学系78及び平行光学系80を含む望遠鏡76によって集められ集中される。望遠鏡76からのビームはビームサンプラ82によってサンプリングされ、大部分のビームが出力ビームとしてシステム70から導かれる。上述のような方法において、ビームサンプラ82からの結合されたビームのサンプリングされた部分は、結合されたビームの位相を測定し同期N−ビーム位相プロセッサ88へ位相測定の電気信号を送る位相検出器86上に光学系84を集中させることにより集中される。その後、結合した出力ビーム中のすべての構成ファイバビームが上述のような方法で同じ位相で一緒にロックされるように、ファイバ増幅器18においてビームの位相を制御するために、プロセッサ88は、位相変調器16に位相エラー訂正信号を送る。レーザシステム50において述べられた方法と同様に、スプリッタ16によって分割される個々のビームについて適切な位相制御信号を決定することができるように、位相変調器16は、システム70の出力における結合されたビームに存在する各分割されたビームにおいて、FMもしくはAMのための異なるディザリング周波数又はCDMAもしくはTDMAのための異なる符号を適用する。位相検出器86は異なるディザリング周波数又はコードを検出することができ、プロセッサ88は、各分割されたビームの位相エラーを決定するためにその情報を使用し、それぞれの分割されたビームの各々について対応する位相変調器16へ誤り訂正信号を提供して、結合された出力においてすべての構成ビームを適切に位相ロックすることができる。
【0014】
[0042]図5は、各々が、外部クラッド層102と、ビームが伝播する内部コア104とを有し、上で言及した種類の先細のファイバ束106に結合された7つのファイバ100の例を示す。図6は、束106の内側部分において7つのファイバ100を備えた先細のファイバ束106の入力端部及びファイバ100の束の周りに形成された複数のクラッドファイバ108の断面図を示す。図7は、ファイバ100及びクラッドファイバ108の組み合わせが単一ファイバマス110へと形成されたことを示す、先細のファイバ束106の出力端部の断面図であり、点112はファイバ100のコア104を表す。図8は、端部キャップ114から出力されるビームの近接場のビームプロファイル116の断面図である。
【0015】
[0043]先細のファイバ束106は、先細のファイバ束を製造するための任意の周知の技術によって作ることができ、ファイバ100及び108は束へ集められ、束は注意深く制御された高温溶融プロセスで径を減少しつつ引き出される。最終的な結果は最初の密接にパックされたファイバ増幅器の束の縮小版であり、最終的なコア径2a及び間隔bは結合されたビームの最終的な出力フィルファクタを決定する。これらのビームは非常に高強度であるので、先細のファイバ束106の出口表面における損傷を回避するために、先細のファイバ束106の出力端部へ端部キャップ114を接合する必要がある。結合されたビームは、表面の損傷が回避されるように、ピーク強度が十分に減少するまで、端部キャップ114において回折によって拡大する。負の焦点距離を備えた屈折率分布型(gradient index、GRIN)レンズは、以下に述べるように、出力ビームの発散を増加させるために端部キャップ114に組み入れることができる。
【0016】
[0044]一旦出力ビームが端部キャップ114を出ると、出力ビームは、単一のレンズ又は曲面鏡によって、望遠鏡76による所望のビームサイズ及びコリメーション(視準、collimation)に対して平行にされ及び/又は画像化される(imaged)。レンズアレイ又は他の正確なファイバ対ファイバの整列の必要はない。外部光学系は所望のサイズへビームを拡大するのに使用されるコリメーション及び/又は望遠鏡光学系にすぎず、それは多くの高出力レーザシステム及びビーム導波器(beam directors)において通常使用される。これは、個々のファイバの各々の外部自由空間光学系に対する非常に正確な整列を双方ともが要求するシステム10及び50とは対照的である。最終的な望遠鏡における全単一ビームについての通常の整列要求を超えるような必要性はシステム70にはない。さらに、先細のファイバ束72内でのファイバコアの正確な間隔空けについては、それらをできる限り密接に間隔を空けて配置すること以外に要求はなく、各々の個々のファイバの発散は10数mrad(10’s of mrad)であるので、コアの共同整列(co-alignment)はかなり緩和される。したがって、この手法は結合した出力ビームに単一ファイバ開口及び最低限の自由空間光学系からN倍のビームパワーを結合した出力ビームに提供し、ここでNは結合したファイバビームの数である。レーザシステム70は、それによって、システム10及び50と比較して集積化、簡潔さ及び耐久性において飛躍的進歩を提供する。
【0017】
[0045]先細のファイバ束106は、個々のファイバモードが重なり合う(オーバーラップする)ように、ファイバコアをともに接近させることにより、フィルファクタを最大化する。一旦モードが重なり合えば、ファイバモード間のクロスカップリング及び干渉が存在する。ファイバの位相を一緒にロックすることによって、上述のように、同相スーパーモード(in-phase super-mode)の形成を保証することができ、それはすべてのファイバ間の強め合う干渉を示し、ビーム間のギャップの強度を大きく向上させる。このように、連続的な強度プロファイルを備え且つ介在するデッドスペースがほとんど又は全くない結合されたビームを得ることができる。課題は、束内の損失が無視できることを保証するように先細のファイバ束を作ることである。したがって、パワーがクラッド表面においてほとんど現れないように、先細のファイバ束106への入力ファイバは十分に大きな直径のクラッドを有していなければならない。一般に、これは、クラッド径bがコア径2aの約2−3倍であることを要求し、関心のある大きなモード領域のファイバについて、クラッド表面におけるパワーを合計で1PPMに制限する。コアがクラッド径bによって分離されるので、この比率はあらかじめ先細にされたフィルファクタを主に決定する。フィルファクタはb/2a=3の比率に対してかなり低くなり得、パワーのわずか約20%が25μmのコアを備え且つNA=0.06である中心ローブへ集中し、ここでNAは開口数である。束は先細になっていくので、コア径に対するクラッド径のこの比率がテーパーによってほぼ維持されるように、コアとクラッドの両方の直径は一般にファイバが一緒に溶融するときに比例して減少し、従って、フィルファクタは不変であるように見える。さらに、コア径を先細りにすることは、ピーク強度が増加するようにモード径を縮小するように見え、それは非常に高出力の増幅器に制限してもよい。しかし、驚くべき結果は、コア径がテーパー中に減少するとき、モード領域の減少が最小値に制限され且つモードフィールド分布のテール(tails)が著しく広がるようにモードの形状が変化することである。この振る舞いは、先細のファイバ束72内のピーク強度を限定すること及びモードのよりよいオーバーラップを保証することに役立ち、したがって、テーパーによって一定のままであるためになおさら、フィルファクタは著しく増加することがあり得る。
【0018】
[0046]図9は、コア径の機能としてNA=0.06を備えたステップインデックスファイバのモードの有効径を示す、水平軸上のコア径及び垂直軸上の有効モード径を備えたグラフである。このプロットにおける有効径は、ファイバモードと同じピーク強度を有するガウシアンの1/e2強度直径として定義される。コア径が減少するとともに、モード径が最小のおよそ13μmに達し、その後急速に増加することが理解される。コア径が約14μm未満である(λ=1080nmに対してV#=NA×2πa/λ<2.4)場合、ファイバが厳密に単一モードであることが注目されるべきである。より小さなコアについてのモード径のこの急激な増加は、モードのテールの増加の結果である。初期の25μmのコア径から始まって、モードはおよそ2.5倍のコア径を超えて無視できるパワー内によく制限されるが、コア径及びしたがってV#が減少するにつれて、モードのテールの減少した制限は有効モード径を増加させ、したがって、先細のファイバ束72におけるモードのオーバーラップを増加させることが示される。コア径のさらなる減少により、V#がおよそ1に接近するので、テールは非常に限定された制限に接近し、したがって、任意に大きなモード・オーバーラップを可能にするが、クラッド層からの増加した損失に対してもそのようになる。個々のビームの位相がスーパーモードの形成における同相(強め合う)干渉を保証するためにロックされる場合、フィルファクタのペナルティーは大幅に低減することができる。先細のファイバ束72の出力においてコアサイズを最適化することによって、400μm径など合理的な大きさにされた束の今のより大きなクラッド内での優れた制限をなお可能にする一方、よいオーバーラップを達成することができる。
【0019】
[0047]プロセスは、コアサイズ及び間隔の両方が釣り合って減少する単純な先細(テーパ−)プロセスを越えて改善できることに注目すべきである。先細プロセスにおいて注意深く適合させた温度を使用することは、コアの周りのドーパントの改善された拡散につながり、したがって、有効なコアサイズは、コア対コアの間隔の比例した変化に対する拡散によって増加することができる。このプロセスの効果は、さらに、先細のファイバ束出力モードフィルファクタを向上させることができる。
【0020】
[0048]端部キャップ74から得られる結合した出力ビームの例として、入力として25μm/62.5μmのコア/クラッド径を備えた7つのファイバをとる六角形状に密接にパックされた先細のファイバ束を考える。ここで、初期のコア対コアの間隔もまた約62.5μmである。入力は約3.6倍の6.9μmへと先細りにされ、V#は約1.2、コア対コアの間隔は17.2μmまで減少する。入力ファイバモードは、先細りでないクラッドインターフェースにおいてファイバ出力の無視できる一部分(近似信号1PPΜM)を有するが、一旦それらがともに融合され先細りにされると、モードは隣接するコアとの大きな重なり合いを有する。伝播シミュレーションは、コアの適切な断熱の先細り(adiabatic tapering)が各コアにおいて最低次のモードからの外部結合(out-coupling)を10数PPMに制限することを示す。すべてのモードフィールドはそれらがコヒーレントに加わり、したがってフィルファクタを十分に最大化するように位相化されると仮定される。
【0021】
[0049]先細にされる前の25μm/62.5μmのコア/クラッド径を備えた密接にパックされた7つのファイバ束の近接場強度分布120が図10に示され、リング122は約190μmの仮定された参照開口径Drefであり、遠距離場の回折限界の半径λ/Drefを定義するために使用される。LMAモードがよく制限され且つ重ならないことを示すことができ、入力コア間の大きな間隔のために、フィルファクタはかなり低い。この配置(geometry)に基づいた結合されたビームの計算されたバケツ中のパワー(power in the bucket、PIB)が角半径1.2λ/Drefの回折限界の遠視野(far-view)内のわずか約17%であることがさらに示され得る。それに比べて、完全に参照開口を満たす回折限界のフラットトップ・ビームは、この回折限界の角度のバケツ中の約84%を達成する。
【0022】
[0050]この7つのファイバ入力束を、17.2μmのコア対コア間隔において想定される6.9μmのコア径まで先細りにすることで、図11における近接場強度分布124によって示されるような非常に異なる結合した出力ビームが生まれ、ここでリング126は想定する参照径である。この場合の近接場の参照開口径は69μmであるように選ばれ、結合したパワーの99%より多くを含む。大幅に増加したモード・オーバーラップ及びフィルファクタのため、結合した先細のファイバ束出力は、ここで、回折限界の遠距離場のバケツの中への非常に高効率の集中を有する。7つの理想的に位相化されたビームのPIBが回折限界の角半径1.2λ/Drefへの約92%であることが示されてもよい。このPIBが、回折限界であり且つ十分に満たされたフラットトップ・ビームによって達成された84%を超えることに注目されたい。1.5λ/Drefの半径内の約95%まで7つの結合されたビームのFIBが増加する。したがって、先細のファイバ束72の効果が入力ファイバ束と比較してフィルファクタ及びPIBを劇的に増加させることであることが示されてもよい。
【0023】
[0051]所与のコア形状について、結合されたビームの実効面積はピーク強度に基づいて定義することができ、強度により引き起こされる損失が問題になる前の最大パワーを定義するために使用することができ、ここでパワーPの結合されたビームのピーク強度はIpeak=P/Aeffとして定義される。上述の先細のファイバ束を備えた7つのビーム結合について、Aeff=630μm2であり、先細のファイバ束出力における単一の構成ビームは80μm2の実効面積を有し、従って、実効面積は単一ビームに対して7.8倍増加される。
【0024】
[0052]より高い出力のために、より多くの数の入力ファイバを使用することができる。六角形の密接なパッキングについて、追加のファイバのリングを備えた次のマジック数は19であり、上記の間隔のコア径に基づいて、約1860μm2の実効面積を生み、したがって、入力ビーム当たり約3kWと仮定すれば、単一の先細のファイバ束出力において60kWより多くを可能にする。リング開口132を備えた先細のファイバ束の出力の近接場強度分布130は図12に示され、ここで開口参照径は96μmである。
【0025】
[0053]上述のように、単に個々のファイバモードの可干渉性の同相の重ね合わせにおいてスーパーモードが生じたと仮定された。対称性から、6つの外部ビームがロックされた同一の位相を有する場合、2つの関心のあるモードのみが存在し、中央ビームは同相又は位相がずれており、これはそれぞれ同相I+>及び位相ずれI−>スーパーモードと表される。したがって、上記の結果は入力ビームの適切な位相整合による位相ずれI−>スーパーモードの抑制に依存する。位相ロッキングシステムの使用により、出力における中央ビームが外部ビームに関して適切な相対位相を有することを確かに保証することができる。しかし、構成ファイバ間の大きなモード重なりと先細のファイバ束72とのために、コア間で相当なパワーの交換がある。シミュレーションにより、テーパーの端部における上記の例のコア径については、中央コアにおいて開始されたパワーが中央ビームから外部ビームまで約2.5mmの伝播距離において結合することが示される。したがって、入力フィールドの適切な位相整合に加えて、ビームの所望の均一なパワーを保証するために、先細ファイバ束72の長さ及びテーパーを調整しなければならない。実際、想定する出力ビーム中の中心ピークはビームの外部のピークより約30%高いパワーを有する。従って、コア間のパワー結合が中央コアパワーをいくらか低減するように先細のファイバ束72の長さを設計することによって、ピークは均等にすることができ、所与の合計のアレイ出力についてのピーク強度の低減をもたらすことができ、それによって、所与の損傷したしきい値についての合計パワー制限を増加させることができる。数パーセントのパワーバランスのための必要な設計精度は、シミュレートされた2.5mmのカップリング距離に基づいて、数百ミクロンであり、容易に達成されるものである。
【0026】
[0054]現在の商用の高出力の先細ファイバ束パッケージは約100Wの散逸能力を有し、これはこれらのデバイスの開発が進むにつれて成長するであろう。1kWを超えるパワーを結合するファイバ増幅器に使用されるマルチモード・ポンプ・カプラについての報告は、98%より大きな値で達成されたポンプ・スループットにとって当然のものである。これらの商用デバイスは、一般に、入力の有効な累積的受け取りよりほんのわずかに大きな角度の受け取りによって出力ファイバに先細のファイバ束を結合することにより、ポンプ輝度を最大化することを試みる。したがって、これらのデバイスは、一般に、かなりの、すなわち、1%より大きな結合損失を有する。本願において提案される種類の先細のファイバ束においては、端部キャップのみが使用されるので、出力ファイバに結合されることによる損失はない。先細のファイバ束において使用される高品質の伝送ファイバの固有の吸収損失は非常に低く、すなわち10PPΜM/cm未満であり、したがって制限要因になるとは考えられない。
【0027】
[0055]残りの損失は、伝播中に又は先細のファイバ束のテーパーの端部の近くで、大きな角度モード変換及び散乱から生じる。これはもちろん先細のファイバ束の製造の設計及び品質に依存する。しかし、関心のあるLΜA入力ファイバは、かなり低い、すなわちほぼ0.06のNAを有し、この入力光の角度の発散はモード翼(mode wings)における残余パワーを含めても制限される。例えば、25μm/0.06NAのLMAファイバモードは、±10mradよりも大きな角度で伝播する100PPM未満の残余パワーを有する。上述の先細のファイバ束の端部における小さな6.9μmのコアモードでさえ、±0.2radの角度の外に100PPM未満の残余パワーを有する。先細のファイバ束パッケージ内での加熱は、先細のファイバ束クラッド材料によって吸収される大きな角度の外部結合された光によって支配される可能性が高い。したがって、先細のファイバ束における適度なNAガラスクラッド材料の使用は、事実上吸収性でなく、先細のファイバ束内に分散した非常に大きな角度以外のすべてからの加熱を大きく緩和するであろう。例えば、フッ素ドープしたガラスは、およそ0.3のNA制限を備えたクラッド材料として使用することができ、したがって、先細のファイバ束パッケージへの吸収を防ぎ且つ端部キャップによる回避を可能にするために任意のより低い角度散乱光を制限することができる。
【0028】
[0056]図13は、外部の低屈折率の屈折ガラス管142を含む、先細のファイバ束140の入力端部の断面図であり、上述のように、図14は、ガラス管142を示す先細のファイバ束140の出力端部の断面図である。
【0029】
[0057]上述のように、端部キャップ74はビーム品質の損傷又は低下のないガラスから結合した高出力ビームを得るために使用される。説明されるように、端部キャップ74の目的は、出口表面における強度が損傷したしきい値を下回るように、ビームが十分に拡大することを可能にすることである。第2に、その表面から反射されたパワーがファイバ増幅器性能に悪影響を及ぼさないことが保証されなければならない。したがって、反射を最小化するために端部キャップ74の出力面上に反射防止(AR)コーティングを提供することが通常は望ましい。ここに述べられている小さなビームについては、約1MW/cm2より大きな損傷しきい値が達成可能であることが報告された。20kWの出力ビームについては、これは、ビームが約2mm2の実効面積へ拡大しなければならないことを示唆する。上述の7つのビーム結合については、結合されたビームの有効な1/e2直径は、それが端部キャップ74に入るとき約45μmであり、総計の発散角度はしたがってかなり小さい、すなわち、当該角度はガラスの1/e2においてほぼ±0.01であり、その結果、ピーク強度を低減するために長い伝播距離が要求される。計算により、ビームがほぼ1.3mmのFWHMを備えたおおよそのガウシアンであるような約11cmの伝播の後、20kWの7つのビーム出力についてピーク強度が約1MW/cm2に低減されることが示される。したがって、以下に述べるように、出力ファセットにおける拡大するビームを提供するために、レンズキャップ径は、先細の方法又はセグメントのいずれかにおいて約5mmまで増加する必要がある。
【0030】
[0058]吸収の非常に低い端部キャップを備えた場合でさえ、ガラス中の長い伝播距離は、蓄積された熱的光学パス歪み(OPD)からの困難を引き起こす。しかし、ビームは約1mmにおいて最大となるので、これは端部キャップ74の高アスペクト比によって緩和される。端部キャップ74の表面冷却は適切にすべきであるが、端部キャップ74における固有の吸収のために、不可避の二次の温度変化がなお存在する。ビームの範囲にわたって熱堆積(heat deposition)が均一であると見積もると、ビーム幅にわたる吸収によって引き起こされる温度差はほぼΔT=Pα/4πk=Pα/180℃であり、ここでPはkW単位の全ビーム出力であり、αはPPM/cm単位の固有のガラス吸収であり、ガラス導電率はκ=1.4W/m−℃である。ガラス中のOPDは、長さcm及び温度差℃当たり約1.3個の波であり、したがって、20kWのビーム及び10cmの経路長については、最大のOPDは約α/7波である。極めて低い吸収の溶融シリカはα<1PPM/cmであると報告され、したがって、OPDは圧倒的なものではなく、ほとんど球状であるが、しかし、この問題は、この方法を備えたパワースケーリングにとって重大な制限を提示し得る。これは、10+kWのパワーレベルで動作するファイバ・スキームのための端部キャップ74の熱管理がOPDを最小化するためにかなり重要であることを示す。
【0031】
[0059]ビームの数が拡大するにつれて、結合されたビームがより大きな有効径、すなわち約70μmを有し、したがってさらに小さな発散を有するので、この問題は深刻になる。上述の19のビーム結合については、1/e2において計算された発散角度はガラスにおいて約±7.2mradであり、より大きな60kWの全パワーと結合して、出口強度を約lMW/cm2に低減するために約27cmの長さの端部キャップを要するだろう。支配的な問題は結合されたビームの非常に小さな発散である。
【0032】
[0060]この問題を緩和する1つの手法は、先細のファイバ束接合に近い負の屈折率分布型(GRIN)レンズを含む端部キャップを製造することである。図15は、先細のファイバ束に結合される負のGRINレンズ152を含む端部キャップ150の斜視図である。端部キャップ150の残りの部分は均一のガラスロッド154であり、GRINレンズ152及びガラスロッド154は適切な接合156によって光学的に結合される。負の焦点距離レンズは結合されたビームの発散を著しく増加させる場合があり、したがって、必要な端部キャップ長を数cmに低減し、それによって、端部キャップ150における蓄積されたOPDを大幅に低減することができる。例えば、−0.8mmの焦点距離を備えたGRINレンズは、7つのビームの先細のファイバ束出力の発散をおおよそ3倍に増加させ、したがって、20kWの出力ビームに対してOPDを比例して約α/20波へと低減する。そのような手法により、100kWにせまる単一開口パワーに対するこのスキームのスケーリングを手の届くものとすることができる。
【0033】
[0061]端部キャップ74の直径は拡大するビームを提供するために、セグメントの中で又はテーパーによって増加され得る。図16は、段のあるセグメントを含む端部キャップ160の斜視図であり、負のGRINレンズ162は、接合168によって、先細のファイバ束及びほぼ同じ直径の均一のガラスロッド164に結合される。ガラスロッド164の対向する端部はより大きな径のガラスロッド166に接合され、それは今度はビーム拡大のためにセグメントを供給するためにさらにより大きな径のガラスロッド170に接合される。反射防止コーティング172は、GRINレンズ162の反対のガラスロッド170の出力表面上で提供することができる。
【0034】
[0062]図17は、一端において先細のファイバ束に結合され且つ対向する端部において接合186によってほぼ同じ直径の均一なガラスロッド184に結合される、負のGRINレンズ182を含む端部キャップ180の斜視図である。その後、先細のガラスロッド188は均一のガラスロッド184に結合され、先細のガラスロッド188の広い端部は反射防止コーティング190を含む。
【0035】
[0063]0.2%の標準的なARコーティング反射率によれば、20kWの反射パワーは拡張されたビームにおいては40Wにすぎず、したがって、小さな先細のファイバ束出力ファイバに再び入るこの反射の一部は、小さく安全なパワーに容易に制限されるべきである。
【0036】
[0064]大きな開口ビーム導波器にとって、先細のファイバ束の近接場の拡大された画像(image)がビーム導波器の開口に中継されることは望ましい。これは望遠鏡76によって達成され、レンズ78は焦点距離f1を有し、レンズ80は焦点距離f2を有し、レンズ78及び80はf1+f2によって分離され、長さf2/f1によって画像を拡大する。
【0037】
[0065]端部キャップ74上で球状の出口表面を使用することにより、又は端部キャップ出力において集束GRINレンズを接合することにより、端部キャップ74へレンズ78を統合することは可能である。図18は端部キャップ160に類似の端部キャップ192の斜視図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。端部キャップ192は、レンズ78として動作する反射防止コーティング172に取り付けられた正のGRINレンズ194を含む。そのような光学的配置は、同様にビーム導波器望遠鏡へ直接的に統合することができる。正及び負のレンズの両方を使用する高倍率のための標準設計のよりコンパクトな望遠鏡もまた、拡大光学系の設置面積(フットプリント、footprint)を最適化するために実施することができる。
【0038】
[0066]適切なビーム品質を維持するために、ファイバ増幅器18の各々におけるファイバビームの偏波が同じ方向を有することが必要である。システム70については、すべてのファイバ中のすべてのビームが同じ偏波方向を有するように、ファイバ増幅器18において使用されるファイバは偏波保持ファイバである。高出力用途などのある応用においては、偏波保持ファイバを使用することは適していないかもしれず、したがって、ファイバ増幅器18中のファイバビームの各々の偏波を整列させることが必要になる。
【0039】
[0067]図19は、偏波保持ファイバを使用しないファイバレーザ増幅器システム200の概略平面図であり、システム70と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム200は、サンプラ82からのサンプリングされたビーム中のファイバビームの偏波を決定するのに偏光子202を使用する。ファイバ中の偏波は互いに対して変化するので、偏光子202は多かれ少なかれ光を偏波検出器204へと向けさせる。出力ビーム中の各ビームの偏波を決定するために、偏波検出器204は個々のビームにおいて異なる周波数ディザリング又はタグを使用する。偏波の測定は、ビーム中の偏波の相対的な方向を決定する同期N−ビーム偏波プロセッサ206に提供される。プロセッサ206は、すべての測定された偏波の変化についてファイバを識別するために異なるディザリング周波数又はタグを使用し、各ファイバ中の偏波方向を制御するために、それらが同じであるように、対応するファイバ増幅器18について偏波制御部208に信号を提供する。そのような偏波制御システムは、2001年11月13日にUptonらに発行され本出願の譲受人に譲渡された、偏波ロック光学出力のための技術なるタイトルの米国特許6,317,257号において提案されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0040】
[0068]ファイバ増幅器18を先細のファイバ束72へと形成することは多くの課題を提供する。ファイバ径に対するファイバコアのある比率を提供し、ファイバコアをできるだけ密接に間隔を置かれるように提供することが望ましい。さらに、本明細書に述べられている直径のファイバについては、ファイバの柔軟性はファイバの取り扱い能力を制限する。当技術分野において、共通のクラッド層に囲まれた束に一緒に結合された複数のコアを含むマルチコアファイバが知られている。そのようなマルチコアファイバは、取り扱うこと及び上述のように先細のファイバ束へと形成することがより簡単である。しかし、その際マルチファイバコア内で個々のコアにファイバビームを入れることが必要である。さらに、各コアの周りのクラッド内で高いNA制限のポンプ光を提供するためにマルチコアファイバ中の個々のコアの周りに外側の空気クラッド(air cladding)を提供することは当技術分野において知られている。
【0041】
[0069]図20は上述の種類のマルチコアファイバ210の断面図である。マルチコアファイバ210は、コア214及び内側クラッド層216を各々が含む複数の個々のファイバ212を有効に含む。さらに、各々の個々のコア214及び内側クラッド層216は、当業者によく理解される方法で空気クラッドを有効にすべて空気にする多くの小さなガラス・エア・ブリッジ226によって形成される外側の空気クラッド222により囲まれる。個々のコア214の周りに空気クラッド222を提供することによって、個々のファイバ212は、マルチコアファイバ本体224において空気クラッド222及びガラス内でエアブリッジ226を化学的にエッチングすることにより、マルチコアファイバ本体224から分離することができる。
【0042】
[0070]図21はマルチコアファイバ210の平面図であり、個々のファイバ212は、マルチコアファイバ部分218から延在するピグテールを形成するために分離されたものである。1つの実施例において、マルチコアファイバ本体224及び空気クラッド222は、フッ化水素酸、又は別の適切な化学剤を使用してエッチングされ、ここで、個々のファイバ212をファイバ増幅器18に結合することができるように、部分218から個々のファイバ212を分離する。マルチコアファイバ部分218は個々のファイバ212より著しく大きな径を有するので、上述の種類の先細のファイバ束を形成するためにより容易に扱うことができる。テーパープロセスでは、ファイバクラッド層216がコアとマルチコアファイバ本体224との間で連続的であるように空気クラッド222中のブリッジが崩壊するよう、適切に高い温度とおそらくは真空が適用されなければならないことが注目される。これにより、各コア214における制限されたモードが広がり、マルチコアファイバ210の先細の領域において他のモードと重なり合うことが可能になる。
【0043】
[0071]上述の実施例は、システムの出力パワーをさらに高めるために他の種類のファイバレーザ増幅器システムへ拡張することができる。図22は、ビームパワーを高めるためにスペクトルビーム結合(SBC)を使用して複数のビームを組み合わせるファイバレーザ増幅器システム230の概略平面図である。システム230において、複数のN個の主発振器232は、異なる波長(λ1、λ2、・・・λN)にあるファイバ234上のビームを個々に提供する。その後、各主発振器波長は上述のような方法でΜ個のスプリッタ及び位相変調器236によってM個のファイバへ分割される。各スプリッタ及び位相変調器236からの別個のファイバはその後増幅器240によって表されるファイバ増幅器238に結合される。その後、ファイバ増幅器238は先細のファイバ束242に結合され、それは上述のような方法で端部キャップ244に結合される。先細のファイバ束242及び端部キャップ244は、上述の先細のファイバ束及び/又は端部キャップのうち任意のものであってもよい。
【0044】
[0072]N個の先細のファイバ束は線形アレイに配置され、線形アレイは共通の平行光学系248の後焦点面(back focal plane)に配置される。各端部キャップ244からの出力は望遠鏡レンズ246によって集中され、すべての主発振器波長についての結合されたビームは平行光学系248によって平行にされる。その後、平行光学系248からの平行ビームはビームサンプラ250によってサンプリングされ、ほとんどのビームがSBCグレーティング252に送られる。SBCグレーティング252は平行光学系248の反対側の焦点面に配置され、主発振器波長に伴うその分散、隣接した先細のファイバ束間の間隔及び平行光学系の焦点距離は、各ビームがSBCグレーティング252による回折の後にすべての他のビームとともに正確にともに伝播しているように選択される。したがって、各主発振器波長のビームはすべて、他の主発振器ビーム波長のすべてと同じスポットへ集中される。
【0045】
[0073]ビームサンプラ250は、グレーティング252に入射する一群のN個のビームの小標本(small sample)を提供し、その各々はわずかに異なる角度で伝播している。集束光学系254は結合されたビームをN個の別個の位相検出器上に集中させ、各検出器256は各々の別個の主発振器波長におけるM個のビーム間の位相関係を測定する。上記のように、周波数タグは、検出器256からの測定信号が上述のように各波長群において位相変調器236を調節する同期位相プロセッサ258によって受信されるように、各々の別個の主発振器波長について各々の個々のファイバビームに配置される。したがって、N個の位相検出器256の各々からの信号は、N個のそれぞれの波長の各々において先細のファイバ束242によって結合されるM個のビームの各グループを位相ロックするのに使用される。位相信号は、グループ内のM個のファイバのどれが位相エラーを起こすかを識別するために同期的に処理され、各波長群内のビームが最適に位相ロックされるように、適切な変調器236へ訂正信号を提供する。この実施例では、ファイバ増幅器238は、可干渉性であり偏光した出力ビームを確保するための偏波保持ファイバであり、したがって、SBCグレーティング252からの最大の回折を効率的に得ることができ、これは、通常、1つの偏波状態にとって他方よりはるかに効率的である。
【0046】
[0074]図23はシステム230と同様のファイバレーザ増幅器システム260の概略平面図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム260は、SBCグレーティング252からのゼロ次反射を利用するシステム230に関する単純化された設計である。SBCグレーティング252からの一次反射は所望の場所へ集中される主ビームであり、ビームの部分的な部分はゼロ次としてSBCグレーティング252から反射される。各々の別個の波長群についてSBCグレーティング252からのゼロ次の反射がわずかに異なるので、上述のように、集束光学系254は特定の検出器256上に別個のビームを集中させることができる。したがって、システム260はビームサンプラ250を必要としない。
【0047】
[0075]図24はシステム260に類似したファイバレーザ増幅器システム270の概略平面図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム260は偏波保持ファイバを使用しており、これは高出力において実現可能かもしれず、実現可能ではないかもしれないものである。システム270はファイバ増幅器256において偏波保持ファイバを使用せず、したがって、各々の別個の主発振器波長群中のファイバビーム間で偏波方向を提供するための技術を使用する必要がある。これを行うために、システム270は、集束光学系254と、各々の別個の波長群の偏波を測定するN個の偏波検出器274にビームの一部を向ける検出器256との間に偏光子272を使用する。サンプリングされたビームは、システム270に示されるゼロ次グレーティング反射によって提供されてもよいし、又はシステム230に示されるように別個のサンプリング光学系によって提供されてもよい。検出器274からの測定された信号は、N個の波長群の各々におけるM個のファイバビーム間の相対的な偏波方向を決定するN個の偏波プロセッサ276に提供され、M個のファイバ増幅器238の各々の低パワー側においてM個の偏波制御部278に適切な信号を提供する。
【0048】
[0076]主発振器232からのビームが非常に狭いビーム帯域幅を有する場合、SBCグレーティング252はよりよいビーム品質及びより少ない発散をもたらす。しかし、主発振器232から狭いビーム帯域幅を提供することによって、様々なファイバ及び他の光学コンポーネント内の音響の影響は、光学コンポーネントを損傷する傾向がある誘導ブリユアン散乱(SBS)を引き起こす。したがって、述べたような低いビーム品質に帰着するSBSを防ぐために主発振器信号のビーム帯域幅を増加させることが望ましい。
【0049】
[0077]図25は、より広いビーム帯域幅の主発振器を可能にするがSBCグレーティング25においてより狭いビーム帯域幅を提供する、ファイバレーザ増幅器システム280の概略平面図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。この特徴を提供するために、システム280はN個の前分散(pre-dispersion)グレーティング282を各波長群について1つ含んでいる。分散グレーティング282は、SBCグレーティング252と実質的に同じ分散を有するが各波長群ビームの正味の分散を相殺するように反対に方向付けられた分散補償を提供する。ビームがSBCグレーティング252上で重なり、回折ビームの共同伝播を提供するために正確な角度で入射するように、分散グレーティング282は方向付けられる。分散グレーティング282からのビームが画像中継望遠鏡(image relay telescope)284を使用してSBCグレーティング252上に画像化される場合、ビーム品質は最適化される。中継望遠鏡光学系は、グレーティング表面上の強度が光損傷しきい値未満に維持されるように、分散方向に対して直角の方向において大きなビーム幅を可能にするために円筒状であってもよい。
【0050】
[0078]システム280において、分散グレーティング282は、上述の方法でSBCグレーティング252と個々に正確に整列させなければならず、これは面倒で複雑となりうる。図26はこの問題に役立つファイバレーザ増幅器システム290の代替的な実施例を示し、システム280と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム290において、個々の分散グレーティング282は、同じ方法で動作する単一の前分散グレーティング292で置き換えられる。個々のビーム波長群は異なる角度で前分散グレーティング292から反射され、それらは、SBCグレーティング252に衝突する前に、すべてのビームがビームスポットに向けられるように、修正される必要がある。階段ミラー294は各ビーム波長群の個々の段ステップを有するように提供され、すべてのビームがSBCグレーティング252からの回折の後にともに整列されるように、ビームが適切な角度を持つことを可能にするためのステップ高さ及び幅を有するようにステップは適切に選択される。高出力の応用のため、円筒状の光学系296及び298は、ピーク強度を光学系損傷しきい値未満に制限するために階段ミラー294の異なるステップにおいて線焦点又は短焦点へビームの各々のパワー密度を拡大するために、前分散グレーティング292とSBCグレーティング252との間のビームパスにおいて提供される。前分散グレーティングの特性及び入射角はSBCグレーティング252の分散を相殺するように選択される。実質的に正味の分散を持たない1つの設計は、反対の方向を備えた同一のグレーティングを前分散グレーティングとSBCグレーティングとに使用することである。
【0051】
[0079]図27は、2006年10月31日にShakirらに発行され本出願の譲受人に譲渡された、ファイバ増幅器の受動的調整なるタイトルの米国特許第7,130,113号に開示され参照により本明細書に組み込まれる種類などの既知のファイバレーザ増幅器システム300の概略平面図である。システム300は、主発振器を使用せず、代わりに光フィードバックループを使用するので、上述の増幅器システム10及びその他のものとは異なる。増幅器システム300は、光増幅を生成するためにポンプビーム(図示せず)によってポンプされる増幅器304によって表されるファイバ増幅器302を含む。その後、ファイバ増幅器302からの増幅信号は、ファイバビームを平行にする上述の種類のレンズアレイ306に送られる。すべてのファイバビームが同じ方向でともに伝播しているようにするために、レンズアレイ306中の個々のレンズは正確に整列されなければならない。レンズアレイ306からの共同伝播するビームはビームサンプラ308によってサンプリングされ、ほとんどのビームはシステム出力ビームとしてビームサンプラ308を通過する。ビームサンプラ308からのビームのサンプリングされた部分は、ビームフィードバックを提供するシングルモードファイバ314を介して送られるために、結合レンズ310によって集中され且つ収集器(collector)312によって集められる。ファイバ314は単一モードであるので、上述の位相変調器への電気的フィードバックによって提供されるアクティブ制御とは対照的に、ファイバ増幅器302中のファイバビームの位相整列を受動的に提供する。光が単にフィードバック方向に伝播するように、光アイソレータ16がシングルモードファイバ314において提供される。フィードバックビームは前置増幅器318により増幅され、いくつかのファイバ増幅器302にファイバビームを提供するためにビームスプリッタによって分割される。この技術はファイバ増幅器302の位相を受動的にロックする際に有効であることが示されたが、システム10に関して上述のフィルファクタ問題になお悩まされる。
【0052】
[0080]システム300はまた、設計においてよりコンパクトであり、且つ、上述のものと同じ方法で先細のファイバ束を使用することにより整列を要求する光学コンポーネントを低減するように改善することができる。図28はこの実施例を示すファイバレーザ増幅器システム330の概略平面図であり、システム300と同様の要素は同じ参照番号によって識別される。システム330は、先細のファイバ束332の出力においてビーム重なりを提供するために上述の方法でファイバ増幅器302を結合する先細のファイバ束332を含む。端部キャップ334は先細のファイバ束332に結合され、上述の様々な端部キャップの実施例のうち任意のものであってよい。端部キャップ334からの出力ビームは、集束光学系338及び平行光学系340を含む、平行にし拡大する望遠鏡(collimating and magnifying telescope)336によって集められる。したがって、システム330は、コンパクトな設計でシステム300のフィルファクタ問題を解決する。上記のように、集束光学系338は、正のGRINレンズなどの端部キャップ334の一部であってもよい。
【0053】
[0081]システム300及び330が受動的に自己偏波している(self-polarizing)ことは可能であり、これは、すべてのファイバビームが同じ偏波状態を有することを意味し、可干渉性ビーム結合に必要である。これは受動的にシングルモードファイバ314を使用して行うことができ、又は、ファイバ増幅器302の偏波を、偏波保持ファイバを含むことによりすべてが同じ偏波を有するように強制することができる。代替的に、偏波制御部は上述のような方法でファイバ増幅器302において偏波方向を維持するためにシステムにおいて提供することができる。図29は偏波制御を提供するファイバレーザ増幅器システム350の概略平面図であり、システム300及び330と同様の要素が同じ参照番号によって識別される。この実施例において、偏光子352は、結合レンズ310と、先細のファイバ束332の出力ビームからの結合されたビームにおける偏波の差を測定する偏波検出器354にビームの一部を向ける収集器312との間に提供される。同期するN個のビーム偏波プロセッサ356は、偏波検出器354から測定された偏波信号を受信し、各ファイバ増幅器302における偏波方向が維持されるように、各ファイバ増幅器302において偏波制御部358を制御する。N個のビームのうちのどれが訂正を要するかを偏波プロセッサ356が識別するために、偏波制御部358の各々は、以前の実施例において位相制御について述べた方法と同様に、独自のディザリング周波数又は符号を提供しなければならない。
【0054】
[0082]図30はシステム300、330及び350に類似するファイバレーザ増幅器システム360の概略平面図であり、同様の要素は同じ参照番号によって識別される。この実施例において、平行にし拡大する望遠鏡は、組み合わされたレンズ並びにレンズ364及びサンプリンググレーティング366を含むサンプリンググレーティングアセンブリ362を含む。レンズ364は端部キャップ334からの出力ビームを平行にし、サンプリンググレーティング366は、結合レンズ310上に出力ビームの小さな部分をリダイレクトする。サンプリンググレーティング366は、追加の別個の光学系を導入することなく出力の任意の小標本を提供することができる。拡大する望遠鏡はまた、レンズの代わりにミラーを使用することができる。
【0055】
[0083]上記の議論は例示的な実施例を開示し説明するにすぎない。当業者であれば、そのような議論から、及び添付の図面及び特許請求の範囲から、以下の特許請求の範囲において規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更、修正及び変化を行うことができることを容易に認識するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号ビームを生成する主発振器と、
前記信号ビームを複数のファイバビームへと分割するスプリッタと、
前記ファイバビームのうちの1つを各々が受け取り、位相変調を提供する、複数の位相変調器と、
前記位相変調器のうちの1つからのファイバビームを各々が受け取る複数のファイバ増幅器であって、前記ファイバビームを増幅し、各々が出力端部を含む、複数のファイバ増幅器と、
入力端部及び出力端部を含む先細のファイバ束であって、前記入力端部はすべての前記ファイバ増幅器の前記出力端部に結合され、前記先細のファイバ束の前記出力端部は単一のファイバマスにおいてファイバコアを備えたすべてのファイバ増幅器の部分を含む組み合わされたファイバであり、前記先細のファイバ束は結合された出力ビームを出力する、先細のファイバ束と、
前記先細のファイバ束の前記出力端部に光学的に結合され、前記先細のファイバ束からの前記出力ビームを拡張する端部キャップと、
前記端部キャップからの前記出力ビームの一部をサンプリングし、サンプルビームを提供するビームサンプラと
を具備するファイバ増幅器システム。
【請求項2】
位相検出器及び同期位相プロセッサをさらに具備し、前記位相検出器は前記サンプルビーム中の前記ファイバビームの位相を検出し且つ位相測定信号を前記位相プロセッサに提供し、前記位相プロセッサは前記位相測定信号に応答して前記ファイバ増幅器中の前記ファイバビームの光位相を制御するために前記位相変調器を制御する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記位相検出器は、周波数変調もしくは振幅変調のための異なる周波数又は符号分割多元接続もしくは時分割多元接続のための異なる符号を使用して前記ファイバビームについて位相又は振幅における独自のディザリング又は振幅を検出することにより、前記ファイバビームの位相を検出する請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
偏波検出器、同期偏波プロセッサ、及び各々が前記ファイバビームのうちの1つを受け取る複数の偏波制御部をさらに具備し、前記偏波検出器は前記サンプルビーム中の前記ファイバビームの偏波を検出して偏波測定エラー信号を前記偏波プロセッサに提供し、前記偏波プロセッサは前記偏波測定エラー信号に応答して前記ファイバ増幅器中の前記ファイバビームの偏波を制御するように前記偏波制御部を制御して前記ファイバビームの偏波の方向を同一にする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記偏波検出器は、周波数変調もしくは振幅変調のための異なる周波数又は符号分割多元接続もしくは時分割多元接続のための異なる符号を使用して前記ファイバビームについて位相又は振幅における独自のディザリングを検出することにより、前記ファイバビームの偏波を検出する請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ビームサンプラの前に前記端部キャップからの前記出力ビームを受け取り、前記出力ビームを拡張し平行にする、平行にし拡大する望遠鏡をさらに具備する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記先細のファイバ束は前記ファイバ増幅器の周りに配置された複数のコアのないクラッドファイバを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記先細のファイバ束は前記ファイバ増幅器の周りに提供される低屈折率の屈折ガラス管を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ファイバ増幅器はマルチコアファイバへと一緒に結合され、前記マルチコアファイバ中の各ファイバは空気クラッド層を含み、前記マルチコアファイバは別個の構成ファイバに1つの端部において化学的にエッチングされ、前記個々のファイバ増幅器は前記構成ファイバへの接合によって前記マルチコアファイバに結合され、前記マルチコアファイバの他方の端部は前記先細のファイバ束を形成するために先細りにされる請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記端部キャップは一緒に光学的に結合された負の屈折率分布型レンズ及び均一のガラスロッドを含み、前記負の屈折率分布型レンズは前記先細のファイバ束の前記出力端部に結合される請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記端部キャップは、前記端部キャップの出力端部において提供される反射防止コーティングと、前記端部キャップの出力端部に結合されたつながれた正の屈折率分布型レンズ又は前記端部キャップの出力端部において湾曲面によって形成された正のレンズとを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記正のレンズは平行にし拡大する望遠鏡の一部である請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記端部キャップの面は表面レンズを形成するために湾曲される請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
各々が異なる波長で信号ビームを生成する複数の主発振器と、
各々が前記信号ビームのうちの1つを受け取り且つ前記信号ビームを複数のファイバビームへと分割する複数のスプリッタと、
各スプリッタによって分割された各ファイバビームについて別個の位相変調器を含み、各々が前記ファイバビームのうちの1つを受け取って位相変調を提供する、複数の位相変調器と、
複数のファイバ増幅器であって、別個のファイバ増幅器が各ファイバビームに対して提供され、各ファイバ増幅器は前記位相変調器のうちの1つからファイバビームを受け取り、前記ファイバ増幅器は前記ファイバビームを増幅し、前記ファイバ増幅器は各々が出力端部を含む、複数のファイバ増幅器と、
複数の先細のファイバ束であって、別個の先細のファイバ束が各主発振器波長群に提供され、各先細のファイバ束は入力端部及び出力端部を含み、各先細のファイバ束の前記入力端部は同じ波長信号ビームを受け取るすべての前記ファイバ増幅器の前記出力端部に結合され、各先細のファイバ束の前記出力端部は単一のファイバマスにおいてファイバコアと同じ波長信号ビームを受け取るすべての前記ファイバ増幅器の一部を含む組み合わされたファイバであり、各先細のファイバ束は前記ファイバ増幅器によって受け取られた波長で結合されたビームを出力する、複数の先細のファイバ束と、
複数の端部キャップであって、別個の端部キャップは各先細のファイバ束の前記出力端部に光学的に結合され、前記端部キャップは前記先細のファイバ束からの前記結合されたビームを拡張する、複数の端部キャップと、
異なる角度で前記先細のファイバ束から前記結合されたビームをすべて受け取り、すべての前記結合されたビームの出力ビームを同一の方向に向けられた単一のビームとして出力する、スペクトルビーム結合(SBC)グレーティングと
を具備するファイバ増幅器システム。
【請求項15】
複数の位相検出器をさらに具備し、別個の位相検出器が各別個の信号ビーム波長に対して提供され、複数の同期位相プロセッサをさらに具備し、別個の位相プロセッサが各別個の信号ビーム波長に対して提供され、各位相検出器は各信号ビーム波長について前記ファイバビームの位相を検出して位相測定信号を前記位相プロセッサの1つに提供し、前記位相プロセッサは、前記位相測定信号に応答して、前記ファイバ増幅器において各信号ビーム波長に対して前記ファイバビームの光位相を制御するように前記位相変調器を制御する請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
複数の偏波検出器をさらに具備し、別個の偏波検出器が各別個の信号ビーム波長に対して提供され、複数の同期偏波プロセッサをさらに具備し、別個の偏波プロセッサが各別個の信号ビーム波長に対して提供され、複数の偏波制御部をさらに具備し、前記偏波検出器は前記結合されたビームの一部を受け取って偏波測定エラー信号を提供し、前記複数の偏波プロセッサの各々は前記偏波検出器から前記測定エラー信号を受け取り、各偏波プロセッサは1つのファイバビームに対して偏波制御部を制御する請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
複数の前分散グレーティングをさらに具備し、別個の前分散グレーティングは単一の主発振器波長に対して前記結合されたビームのうちの1つを受け取り、前記前分散グレーティングは前記SBCグレーティングに対して分散補償を提供し、前記前分散グレーティングの各々は前記分散補償された結合されたビームを前記SBCグレーティングへ向ける請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記先細のファイバ束からすべての前記結合されたビームを受け取り、前記結合されたビームの分散補償を提供する単一の前分散グレーティングをさらに具備する請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
フィードバックビームを複数のファイバビームへと分割するスプリッタと、
各々がファイバビームを受け取って増幅する複数のファイバ増幅器であって、各々が出力端部を含む、複数のファイバ増幅器と、
入力端部及び出力端部を含む先細のファイバ束であって、前記入力端部はすべての前記ファイバ増幅器の前記出力端部に結合され、前記先細のファイバ束の前記出力端部は単一のファイバマスにおいてファイバコアを備えたすべての前記ファイバ増幅器の一部を含む組み合わされたファイバであり、前記先細のファイバ束は結合された出力ビームを出力する、先細のファイバ束と、
前記先細のファイバ束の前記出力端部に光学的に結合され、前記先細のファイバ束からの前記出力ビームを拡張する端部キャップと、
前記端部キャップからの前記出力ビームの一部をサンプリングし、集中されたサンプルビームを提供するビームサンプラと、
前記ビームサンプラからの前記集中されたサンプルビームを受け取って前記フィードバックビームを提供するシングルモードファイバと
を具備するファイバ増幅器システム。
【請求項20】
偏波検出器、同期偏波プロセッサ及び各々が前記ファイバビームのうちの1つを受け取る複数の偏波制御部をさらに具備し、前記偏波検出器は前記サンプルビーム中の前記ファイバビームの偏波を検出して偏波測定エラー信号を前記偏波プロセッサに提供し、前記偏波プロセッサは前記偏波測定エラー信号に応答して前記ファイバ増幅器中の前記ファイバビームの偏波を制御するよう前記偏波制御部を制御して前記ファイバビームの偏波の方向を同一にする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記シングルモードファイバ中の前記フィードバックビームを受け取り、前記スプリッタに送られる前に前記フィードバックビームを増幅する前置増幅器をさらに具備する請求項19に記載のシステム。
【請求項1】
信号ビームを生成する主発振器と、
前記信号ビームを複数のファイバビームへと分割するスプリッタと、
前記ファイバビームのうちの1つを各々が受け取り、位相変調を提供する、複数の位相変調器と、
前記位相変調器のうちの1つからのファイバビームを各々が受け取る複数のファイバ増幅器であって、前記ファイバビームを増幅し、各々が出力端部を含む、複数のファイバ増幅器と、
入力端部及び出力端部を含む先細のファイバ束であって、前記入力端部はすべての前記ファイバ増幅器の前記出力端部に結合され、前記先細のファイバ束の前記出力端部は単一のファイバマスにおいてファイバコアを備えたすべてのファイバ増幅器の部分を含む組み合わされたファイバであり、前記先細のファイバ束は結合された出力ビームを出力する、先細のファイバ束と、
前記先細のファイバ束の前記出力端部に光学的に結合され、前記先細のファイバ束からの前記出力ビームを拡張する端部キャップと、
前記端部キャップからの前記出力ビームの一部をサンプリングし、サンプルビームを提供するビームサンプラと
を具備するファイバ増幅器システム。
【請求項2】
位相検出器及び同期位相プロセッサをさらに具備し、前記位相検出器は前記サンプルビーム中の前記ファイバビームの位相を検出し且つ位相測定信号を前記位相プロセッサに提供し、前記位相プロセッサは前記位相測定信号に応答して前記ファイバ増幅器中の前記ファイバビームの光位相を制御するために前記位相変調器を制御する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記位相検出器は、周波数変調もしくは振幅変調のための異なる周波数又は符号分割多元接続もしくは時分割多元接続のための異なる符号を使用して前記ファイバビームについて位相又は振幅における独自のディザリング又は振幅を検出することにより、前記ファイバビームの位相を検出する請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
偏波検出器、同期偏波プロセッサ、及び各々が前記ファイバビームのうちの1つを受け取る複数の偏波制御部をさらに具備し、前記偏波検出器は前記サンプルビーム中の前記ファイバビームの偏波を検出して偏波測定エラー信号を前記偏波プロセッサに提供し、前記偏波プロセッサは前記偏波測定エラー信号に応答して前記ファイバ増幅器中の前記ファイバビームの偏波を制御するように前記偏波制御部を制御して前記ファイバビームの偏波の方向を同一にする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記偏波検出器は、周波数変調もしくは振幅変調のための異なる周波数又は符号分割多元接続もしくは時分割多元接続のための異なる符号を使用して前記ファイバビームについて位相又は振幅における独自のディザリングを検出することにより、前記ファイバビームの偏波を検出する請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ビームサンプラの前に前記端部キャップからの前記出力ビームを受け取り、前記出力ビームを拡張し平行にする、平行にし拡大する望遠鏡をさらに具備する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記先細のファイバ束は前記ファイバ増幅器の周りに配置された複数のコアのないクラッドファイバを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記先細のファイバ束は前記ファイバ増幅器の周りに提供される低屈折率の屈折ガラス管を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ファイバ増幅器はマルチコアファイバへと一緒に結合され、前記マルチコアファイバ中の各ファイバは空気クラッド層を含み、前記マルチコアファイバは別個の構成ファイバに1つの端部において化学的にエッチングされ、前記個々のファイバ増幅器は前記構成ファイバへの接合によって前記マルチコアファイバに結合され、前記マルチコアファイバの他方の端部は前記先細のファイバ束を形成するために先細りにされる請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記端部キャップは一緒に光学的に結合された負の屈折率分布型レンズ及び均一のガラスロッドを含み、前記負の屈折率分布型レンズは前記先細のファイバ束の前記出力端部に結合される請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記端部キャップは、前記端部キャップの出力端部において提供される反射防止コーティングと、前記端部キャップの出力端部に結合されたつながれた正の屈折率分布型レンズ又は前記端部キャップの出力端部において湾曲面によって形成された正のレンズとを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記正のレンズは平行にし拡大する望遠鏡の一部である請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記端部キャップの面は表面レンズを形成するために湾曲される請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
各々が異なる波長で信号ビームを生成する複数の主発振器と、
各々が前記信号ビームのうちの1つを受け取り且つ前記信号ビームを複数のファイバビームへと分割する複数のスプリッタと、
各スプリッタによって分割された各ファイバビームについて別個の位相変調器を含み、各々が前記ファイバビームのうちの1つを受け取って位相変調を提供する、複数の位相変調器と、
複数のファイバ増幅器であって、別個のファイバ増幅器が各ファイバビームに対して提供され、各ファイバ増幅器は前記位相変調器のうちの1つからファイバビームを受け取り、前記ファイバ増幅器は前記ファイバビームを増幅し、前記ファイバ増幅器は各々が出力端部を含む、複数のファイバ増幅器と、
複数の先細のファイバ束であって、別個の先細のファイバ束が各主発振器波長群に提供され、各先細のファイバ束は入力端部及び出力端部を含み、各先細のファイバ束の前記入力端部は同じ波長信号ビームを受け取るすべての前記ファイバ増幅器の前記出力端部に結合され、各先細のファイバ束の前記出力端部は単一のファイバマスにおいてファイバコアと同じ波長信号ビームを受け取るすべての前記ファイバ増幅器の一部を含む組み合わされたファイバであり、各先細のファイバ束は前記ファイバ増幅器によって受け取られた波長で結合されたビームを出力する、複数の先細のファイバ束と、
複数の端部キャップであって、別個の端部キャップは各先細のファイバ束の前記出力端部に光学的に結合され、前記端部キャップは前記先細のファイバ束からの前記結合されたビームを拡張する、複数の端部キャップと、
異なる角度で前記先細のファイバ束から前記結合されたビームをすべて受け取り、すべての前記結合されたビームの出力ビームを同一の方向に向けられた単一のビームとして出力する、スペクトルビーム結合(SBC)グレーティングと
を具備するファイバ増幅器システム。
【請求項15】
複数の位相検出器をさらに具備し、別個の位相検出器が各別個の信号ビーム波長に対して提供され、複数の同期位相プロセッサをさらに具備し、別個の位相プロセッサが各別個の信号ビーム波長に対して提供され、各位相検出器は各信号ビーム波長について前記ファイバビームの位相を検出して位相測定信号を前記位相プロセッサの1つに提供し、前記位相プロセッサは、前記位相測定信号に応答して、前記ファイバ増幅器において各信号ビーム波長に対して前記ファイバビームの光位相を制御するように前記位相変調器を制御する請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
複数の偏波検出器をさらに具備し、別個の偏波検出器が各別個の信号ビーム波長に対して提供され、複数の同期偏波プロセッサをさらに具備し、別個の偏波プロセッサが各別個の信号ビーム波長に対して提供され、複数の偏波制御部をさらに具備し、前記偏波検出器は前記結合されたビームの一部を受け取って偏波測定エラー信号を提供し、前記複数の偏波プロセッサの各々は前記偏波検出器から前記測定エラー信号を受け取り、各偏波プロセッサは1つのファイバビームに対して偏波制御部を制御する請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
複数の前分散グレーティングをさらに具備し、別個の前分散グレーティングは単一の主発振器波長に対して前記結合されたビームのうちの1つを受け取り、前記前分散グレーティングは前記SBCグレーティングに対して分散補償を提供し、前記前分散グレーティングの各々は前記分散補償された結合されたビームを前記SBCグレーティングへ向ける請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記先細のファイバ束からすべての前記結合されたビームを受け取り、前記結合されたビームの分散補償を提供する単一の前分散グレーティングをさらに具備する請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
フィードバックビームを複数のファイバビームへと分割するスプリッタと、
各々がファイバビームを受け取って増幅する複数のファイバ増幅器であって、各々が出力端部を含む、複数のファイバ増幅器と、
入力端部及び出力端部を含む先細のファイバ束であって、前記入力端部はすべての前記ファイバ増幅器の前記出力端部に結合され、前記先細のファイバ束の前記出力端部は単一のファイバマスにおいてファイバコアを備えたすべての前記ファイバ増幅器の一部を含む組み合わされたファイバであり、前記先細のファイバ束は結合された出力ビームを出力する、先細のファイバ束と、
前記先細のファイバ束の前記出力端部に光学的に結合され、前記先細のファイバ束からの前記出力ビームを拡張する端部キャップと、
前記端部キャップからの前記出力ビームの一部をサンプリングし、集中されたサンプルビームを提供するビームサンプラと、
前記ビームサンプラからの前記集中されたサンプルビームを受け取って前記フィードバックビームを提供するシングルモードファイバと
を具備するファイバ増幅器システム。
【請求項20】
偏波検出器、同期偏波プロセッサ及び各々が前記ファイバビームのうちの1つを受け取る複数の偏波制御部をさらに具備し、前記偏波検出器は前記サンプルビーム中の前記ファイバビームの偏波を検出して偏波測定エラー信号を前記偏波プロセッサに提供し、前記偏波プロセッサは前記偏波測定エラー信号に応答して前記ファイバ増幅器中の前記ファイバビームの偏波を制御するよう前記偏波制御部を制御して前記ファイバビームの偏波の方向を同一にする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記シングルモードファイバ中の前記フィードバックビームを受け取り、前記スプリッタに送られる前に前記フィードバックビームを増幅する前置増幅器をさらに具備する請求項19に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2011−43808(P2011−43808A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−176329(P2010−176329)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(505363341)ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176329(P2010−176329)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(505363341)ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】
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