説明

共振反射装置、それを用いる光学式ガス分析装置、画像スキャナ、及び、共振反射装置の制御方法

【課題】より安定して可動部を振動させることができる共振反射装置、それを用いる光学式ガス分析装置、画像スキャナ、及び、共振反射装置の制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】固定部、一方の端部が固定部と連結したトーションバー、トーションバーの他方の端部と連結し、トーションバーとの連結部分を回転軸として固定部に対して回動する板状部材であり、少なくとも一方の面で光を反射する可動部、及び、交流電流が供給されることで可動部を回動させる駆動部を備える反射手段と、反射手段の可動部の温度を非接触で検出する温度検出手段と、温度検出手段で検出した可動部の温度に基づいて、駆動部に供給する交流電流に付加するバイアス電流の大きさを調整する制御手段と、を有することで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射した光を反射させる反射部を振動させて、反射光を振動させる共振反射装置、それを用いる光学式ガス分析装置、画像スキャナ、及び、共振反射装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
入射した光を反射させる反射部を振動させて、反射光を振動させる共振反射装置としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いた装置がある。この共振反射装置は、反射面を有する可動部と、固定部とをトーションバーで連結し、トーションバーを回転軸として可動部を回動させることで、反射面を振動させる(特許文献1、特許文献2参照)。また、共振反射装置は、固定部に磁石を配置し、可動部にコイルを配置し、当該コイルに供給する電流を制御することで、可動部を振動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−331679号公報
【特許文献2】特開2004−334966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、共振反射装置は、可動部を安定して、つまり、所定の周期で振動させるために、効率よく振動させるために、可動部の共振周波数で振動させる。そのため、共振反射装置は、可動部の振動状態を検出し、その検出結果に基づいて、コイルに供給する電流を制御している。
【0005】
しかしながら、可動部の振動状態は、駆動する条件によって変化する。ここで、駆動する条件が変化すると、共振状態で振動させても、振動角が微小に変化する。そのため、共振状態を維持しても、可動部の振幅角を高い精度で制御することが困難となる。また、可動部の振動状態の変化を検出し、その変化に基づいて、駆動を制御していると、時間遅れが生じる。このように可動部の振動状態が変化すると、その反射光を一定条件で用いることが困難となる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より安定して可動部を振動させることができる共振反射装置、それを用いる光学式ガス分析装置、画像スキャナ、及び、共振反射装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、固定部、一方の端部が前記固定部と連結したトーションバー、前記トーションバーの他方の端部と連結し、前記トーションバーとの連結部分を回転軸として前記固定部に対して回動する板状部材であり、少なくとも一方の面で光を反射する可動部、及び、交流電流が供給されることで前記可動部を回動させる駆動部を備える反射手段と、前記反射手段の前記可動部の温度を非接触で検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出した前記可動部の温度に基づいて、前記駆動部に供給する交流電流に付加するバイアス電流の大きさを調整する制御手段と、を有することを特徴とする。これにより、より安定して可動部を振動させることができ、可動部の振幅が増減することを抑制できる。
【0008】
ここで、前記駆動部は、前記固定部に配置された磁石と、前記可動部に配置されたコイルとで構成され、前記コイルに交流電流が供給され、前記コイルと前記磁石との間にローレンツ力が発生されることで、前記固定部に対して前記可動部を回動させることが好ましい。これにより、可動部をより適切に回動させることができる。
【0009】
また、前記制御手段は、前記駆動部から供給される逆起電力を検出し、検出した逆起電力と、交流電流と位相のズレを検出し、検出した結果に基づいて、検出した逆起電力と、交流電流との位相のズレをより小さくする交流電流を算出し、前記駆動部から算出した交流電流を供給させることが好ましい。これにより、より安定して可動部を振動させることができ、可動部の振幅が増減することを抑制できる。さらに、共振状態でより安定して振動させることができる。
【0010】
また、前記制御手段は、前記温度検出手段で検出した前記可動部の温度と予め設定した設定温度とに基づいて、PID制御を行い、前記バイアス電流を調整することが好ましい。これにより、より安定して可動部を振動させることができ、可動部の振幅が増減することを抑制できる。
【0011】
また、前記温度検出手段は、前記可動部の回転軸上の温度を検出することが好ましい。これにより、より安定して可動部を振動させることができ、可動部の振幅が増減することを抑制できる。
【0012】
または、本発明は、測定対象のガスを含有するまたは測定対象のガスが内部を流通する計測セルと、広波長帯域の光を射出する発光部と、前記発光部から射出された光を前記計測セルに案内する光学系と、前記光学系から入射され、前記計測セルを通過した光を受光する受光部と、前記受光部で取得した情報に基づいて、前記計測セルを流れるガスを分析する分析部と、を有し、前記光学系は、上記のいずれかに記載の共振反射装置、及び、前記共振反射装置で反射させた光を回折する回折格子を備え、前記共振反射装置の可動部を振動させて、前記発光部から射出された光を反射させる角度を変化させ、前記回折格子に到達する光の角度を変化させることで、前記回折格子で回折し、前記計測セルに入射させる光の波長を変化させることを特徴とする。これにより、より高い精度でガスを分析することができる。
【0013】
また、本発明は、被写体の読み取り位置を走査させつつ、前記被写体の画像を取得する画像スキャナであって、上記のいずれかに記載の共振反射装置と、入射した光を信号に変換する光電変換部と、前記共振反射装置の可動部を振動させ、前記共振反射装置の可動部で反射し、前記光電変換部に入射する前記被写体の読取位置を走査させて、前記被写体の画像情報を取得する制御部と、を有することを特徴とする。これにより、より高い精度で画像を読み取ることができる。
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、固定部、一方の端部が前記固定部と連結したトーションバー、前記トーションバーの他方の端部と連結し、前記トーションバーとの連結部分を回転軸として前記固定部に対して回動する板状部材であり、少なくとも一方の面で光を反射する可動部、及び、交流電流が供給されることで前記可動部を回動させる駆動部を備える反射手段を有し、前記可動部を回動させることで、光を反射させる共振反射装置の制御方法であって、前記反射手段の前記可動部の温度を非接触で検出する温度検出ステップと、前記温度検出ステップで検出した前記可動部の温度に基づいて、前記駆動部に供給する交流電流に付加するバイアス電流の大きさを調整するステップと、を有することを特徴とする。これにより、より安定して可動部を振動させることができ、可動部の振幅が増減することを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる共振反射装置、それを用いる光学式ガス分析装置、画像スキャナ、及び、共振反射装置の制御方法は、より安定して可動部を振動させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、共振反射装置の一実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す反射手段の概略構成を示す正面図である。
【図3】図3は、図1に示す反射手段の概略構成を示す断面図である。
【図4】図4は、図1に示す共振反射装置の反射手段ドライバから供給する電流の一例を示すグラフである。
【図5】図5は、温度変化と可動部の共振時の振幅との関係を示すグラフである。
【図6】図6は、フィードバック制御部の動作を示すフロー図である。
【図7】図7は、共振と、逆起電力との関係を示す説明図である。
【図8】図8は、共振反射装置を有するガス分析装置の一実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図9】図9は、図8に示す回折部の概略構成を示す模式図である。
【図10】図10は、出射光波長と時間との関係を示す説明図である。
【図11】図11は、共振反射装置を有する画像スキャナの一実施形態の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0018】
(実施形態1)
図1は、共振反射装置の一実施形態の概略構成を示す模式図である。図1に示す共振反射装置10は、回動する反射面で光を反射させる反射手段12と、反射手段12の温度を非接触で検出する温度検出手段14と、温度検出手段14で検出した温度及びその他制御条件に基づいて反射手段12の動作を制御する制御手段16と、を有する。
【0019】
以下、図2及び図3を用いて、反射手段12について説明する。図2は、図1に示す反射手段の概略構成を示す正面図であり、図3は、図1に示す反射手段の概略構成を示す断面図である。反射手段12は、図2及び図3に示すように、固定部30と、可動部32と、トーションバー34と、磁石36、磁石38と、コイル40とを有する。
【0020】
固定部30は、板状の部材であり、中心に開口が形成されている。また、固定部30は、任意の支持部材(図示省略)に対して固定されている。なお、支持部材は、共振反射装置を設ける装置の筺体や、基板等である。可動部32は、固定部30の開口に配置された板状の部材であり、一方の面(表面、面積が最も大きい面)が反射面33となっている。ここで、可動部32は、基本的に、面積が最も大きい2つの面のうち、温度検出手段14と対面していない面が反射面33となる。また、可動部32は、固定部30の開口よりも小さく、固定部30との間には、空間が形成されている。2つのトーションバー34は、それぞれ、可動部32の側面の中間点に配置されており、固定部30と可動部32とを連結している。なお、2つのトーションバー34は、可動部32の側面の4面のうち、平行な2つの面に配置されており、それぞれが、可動部32と可動部32に対面する固定部30とを連結している。トーションバー34は、ねじれ方向に変形する部材であり、本実施形態では、2つのトーションバー34を結んだ方向を軸として、軸回りに変形する。
【0021】
固定部30と、可動部32と、トーションバー34とは、以上のような関係で配置されており、可動部32は、固定部30の開口内に配置されており、2つのトーションバー34により固定部30に対して固定されている。また、2つのトーションバー34は、2つのトーションバー34を結んだ軸に対して回転方向に変形可能であるため、可動部32は、固定部30に対して、2つのトーションバー34を結んだ線を軸として回動可能となる。つまり、図3に示すように、可動部32は、矢印42方向に回動可能である。これにより可動部32は、例えば、可動部32aの位置から可動部32bの位置まで往復運動させ、回動(振動)させることができる。また、可動部32の反射面33は、入射した光Lを反射させる。
【0022】
次に、磁石36と磁石38は、可動部32の4つの側面のうち、トーションバー34と接続していない2つの側面と対面している固定部30の面の近傍に配置されている。また、コイル40は、可動部32の側面に沿って、つまり外周に沿って配置されている。またコイル40は、制御手段16と接続されており、制御手段16から電流が供給される。
【0023】
反射手段12は、制御手段16から電流が供給されることで、コイル40と磁石36との間、またはコイル40と磁石38との間にローレンツ力が発生する。これにより、固定部30と可動部32との間、特に4つの側面のうち、磁石36、38が配置されている2つの面に磁界及び電流の方向と直交する方向の力が発生し、磁石36、38が配置されている面の固定部30と可動部32とに矢印42の方向の力が生まれる。また、制御手段16から供給する電流を交流電流とすることで、発生するローレンツ力を周期的に変化させ、可動部32を固定部30に対してトーションバー34を軸として回動させることができる。
【0024】
図1及び図2を用い、共振反射装置10の説明を続ける。温度検出手段14は、非接触で温度を検出する温度検出機構であり、可動部32の温度、具体的には、可動部32の反射面24とは反対側の面のうち、回転軸となる(2つのトーションバー34を結んだ線上の)部分の温度を検出する。なお、温度検出手段14としては、非接触で温度を検出する各種温度計を用いることができ、例えば、赤外線放射温度計を用いることができる。
【0025】
制御手段16は、温度設定部20と、フィードバック制御部22と、反射手段ドライバ24とを有し、温度設定部20の設定温度と温度検出手段14の検出結果に基づいて、フィードバック制御部22で制御条件を決定し、その後、決定した制御条件を加味して反射手段ドライバ24により反射手段12の動作を制御する。温度設定部20は、可動部32の設定温度(基準温度)を設定する設定部である。なお、温度設定部20は、ユーザの入力や、予め設定された条件に基づいて設定温度を設定する。本実施形態の温度設定部20は、設定温度を一定の温度範囲として設定しており、設定温度の上限値と下限値が設定されている。
【0026】
フィードバック制御部22は、温度設定部20の設定温度と温度検出手段14の検出結果とに基づいて、制御条件を決定する。具体的には、反射手段12のコイル40に供給する後述するバイアス電流の大きさ(または、バイアス電流を決定するための条件)を決定する。フィードバック制御部22は、演算結果を反射手段ドライバ24に送る。なお、フィードバック制御部22は、温度検出手段14の検出結果が温度設定部20の設定温度よりも低い場合は、可動部32の温度を上昇させるバイアス電流の大きさ(電流値)とし、温度検出手段14の検出結果が温度設定部20の設定温度よりも高い場合は、可動部32の温度を低下させる(または、上昇させない)バイアス電流の大きさ(電流値)とする。
【0027】
反射手段ドライバ24は、反射手段12の駆動を制御する制御機構であり、反射手段12のコイル40に供給する電流を制御する。反射手段ドライバ24は、反射手段12のコイル40に、反射手段12の可動部32が共振で振動する周波数の交流電流を供給する。また、反射手段ドライバ24は、交流電流にバイアス電流を重畳して供給する。つまり、反射手段ドライバ24は、図4に示すように、電流値が変化する一定の周期で交流電流に、電流値が一定のバイアス電流を重畳した電流をコイル40に供給する。ここで、図4は、図1に示す共振反射装置の反射手段ドライバから供給する電流の一例を示すグラフである。なお、バイアス電流は上述したようにフィードバック制御部22によって決定された値である。また、反射手段ドライバ24は、コイル40で発生する逆起電力に基づいて、共振周期を算出し、交流電流の周波数を調整する。
【0028】
制御手段16は、以上のようにして、温度検出手段14で検出した温度と温度設定部20で設定した値とに基づいて、バイアス電流の大きさを調整し、可動部32の温度を調整しつつ、交流電流を供給することで、反射手段12の可動部32を振動させる。つまり、制御手段16は、可動部32にバイアス電流を流すことで、可動部32を加熱することができ、この加熱量を調整することで、可動部32の温度を調整することができる。なお、調整により発生するバイアス電流による傾きの変化は、共振している場合の振幅に比べて微小である。そのため、バイアス電流の変化が振幅に与える影響は無視することが出来る程度である。このため、バイアス電流は、反射手段12の駆動(振動動作)には、影響を与えない。
【0029】
共振反射装置10は、温度検出手段14で検出した可動部32の温度に基づいて、制御手段16から反射手段12に交流電流に加えバイアス電流を供給することで、可動部32の温度を設定温度の範囲に維持しつつ、可動部32を振動させることができる。なお、可動部32の温度を設定温度の範囲に維持することで、可動部32の周辺の温度状態を一定の範囲とすることができ、可動部32と連結しているトーションバー34、さらにトーションバー34と連結している固定部30の温度も一定の温度範囲にすることができる。これにより、可動部32を振動させる各部の相対関係の変化を抑制することができ、つまり、熱による膨張、収縮や、弾性の変化を抑制することができ、可動部32を振動させるバネ定数及び反射部の回転軸回りの慣性モーメントの変化を抑制することができる。
【0030】
ここで、図5は、温度変化と可動部の共振時の振幅との関係を示すグラフである。なお、図5は、縦軸を振幅とし、横軸をドライブ周波数とした。なお、振幅とは、可動部32の振幅である。なお、ドライブ周波数とは、反射手段ドライバ24からコイル40に供給する交流電流の周波数である。つまり、図5は、任意のドライブ周波数を供給した場合の可動部32の振幅を測定した結果を示すグラフである。また、実線44は、可動部32の温度をt1(℃)としたときのドライブ周波数と振幅との関係の測定結果であり、実線46は、可動部32の温度をt2(℃)としたときのドライブ周波数と振幅との関係の測定結果である。なお、温度t1と温度t2との関係は、t1<t2となる。
【0031】
実線44に示すように、可動部32の温度をt1(℃)としたときの可動部32の共振周波数は、振幅が最も大きいドライブ周波数であり、周波数F1となる。また、実線46に示すように、可動部32の温度をt2(℃)としたときの可動部32の共振周波数は、振幅が最も大きいドライブ周波数であり、周波数F2となる。実線44や、実線46に示すように、共振周波数以外のドライブ周波数で反射手段12を駆動すると、振幅が大幅に減少する。また、温度t1、温度t2と同様に各温度における共振周波数と振幅との関係を結ぶと実線48となる。図5に示すように、共振周波数は、温度によって変化し、さらに、温度によって共振周波数における振幅の大きさも変化する。
【0032】
ここで、反射手段12は、温度変化によって、ドライブ周波数を変化させることで、共振状態は、維持することができるが、共振周波数での振動時の振幅が変化してしまう。これに対して、共振反射装置10は、温度検出手段14により温度を検出して、その温度に応じて、バイアス電流を調整することで、温度変化を抑制しつつ、可動部32を共振させることができる。これにより、共振周波数や、振幅の変化を抑制しつつ、可動部32を共振させることができ、安定して駆動させることができる。つまり、振動の周期及び振動幅の変化を抑制することができ、より均一の振動で可動部32を振動させることができる。
【0033】
また、共振周波数の変化を抑制できるため、共振周波数のズレを追従する動作、つまり、ドライブ周波数の調整動作を少なく、また、なくすことができる。また、調整時間を短くまたはなくすことができるため、より長い時間共振状態で駆動することができ、調整状態で駆動することを抑制できる。
【0034】
また、共振反射装置10は、温度検出手段14により非接触で可動部32の温度を検出することで、反射手段12の振動動作、つまり、可動部32の振動動作に影響を与えることなく、可動部32の温度を検出することができる。ここで、温度検出手段14は、本実施形態のように、可動部32の反射面33とは反対側の面の温度を検出することが好ましく、さらに、回転軸上の温度を検出することが好ましい。反射面33とは反対側の面の温度を検出することで、入射光、反射光に影響を与えることを抑制することができる。また、回転軸上の温度を検出することで、可動部32の振動時に測定位置の位置ずれが生じることを抑制できる。つまり同じ位置の温度を計測することができる。なお、温度検出手段14は、上記効果を得ることが出来るため、可動部32の本実施形態と同様の位置を計測することが好ましいが、これには限定されない。例えば、可動部32の反射面33の温度を計測しても、トーションバー34の温度を計測してもよい。また、複数点の温度を計測してもよい。
【0035】
次に、共振反射装置10による温度維持動作(温度調整動作)について説明する。ここで、図6は、フィードバック制御部の動作を示すフロー図である。まず、フィードバック制御部22は、ステップS12として、温度検出手段14で検出した温度情報を取得する。なお、フィードバック制御部22は、温度設定部20で設定された設定温度の情報を取得している。フィードバック制御部22は、ステップS12で温度情報を取得したら、ステップS14として、ステップS12で検出した温度が基準温度の上限値よりも高いかを判定する。フィードバック制御部22は、ステップS14で検出した温度が基準温度の上限値よりも高い(Yes)と判定したら、ステップS16として、バイアス電流を低減させる。具体的には、バイアス電流の設定値を直前の値よりも小さくする。フィードバック制御部22は、ステップS16でバイアス電流を低減させたら、処理を終了する。
【0036】
また、フィードバック制御部22は、ステップS14で検出した温度が基準温度の上限値よりも高くない(No)、つまり基準温度の上限値以下であると判定したら、ステップS18として、基準温度の下限値よりも低いかを判定する。フィードバック制御部22は、ステップS18で検出した温度が基準温度の下限値よりも低い(Yes)と判定したら、ステップS20として、バイアス電流を増加させる。具体的には、バイアス電流の設定値を直前の値よりも大きくする。フィードバック制御部22は、ステップS20でバイアス電流を増加させたら、処理を終了する。また、フィードバック制御部22は、ステップS18で検出した温度が基準値の下限よりも低くない(No)、つまり、基準値の下限以上であると判定したら、処理を終了する。フィードバック制御部22は、温度検出手段14から温度情報が送られてくる毎に、または、一定時間毎に、本処理を繰り返すことで、バイアス電流の値を調整する。
【0037】
なお、本実施形態では、設定温度に対するオン/オフの制御で温度を制御したが、これには限定されない。フィードバック制御部22は、PID制御により、バイアス電流の大きさを調整してもよい。この場合、フィードバック制御部22は、検出した温度と設定温度とに基づいて、供給するバイアス電流を調整する。具体的には、フィードバック制御部22は、検出した温度と設定温度とを用いて、PID制御で設定されている演算を行い、供給するバイアス電流を決定し、決定したバイアス電流を供給する。フィードバック制御部22は、PID制御により、バイアス電流を調整することで、より高い精度で可動部の温度を調整することができ、可動部の温度変化をより適切に抑制することができる。
【0038】
次に、図7を用いて、反射手段ドライバ24によるドライブ周波数の制御方法の一例について説明する。ここで、図7は、共振と、逆起電力との関係を示す説明図である。図7の1番上のグラフに示すように、可動部32に交流の電流を供給し、可動部32を振動させる。なお、本実施形態では、交流電流(駆動電圧)として、デューティー比が33%より小さい、方形波を供給している。可動部32は交流電流が供給されると、振動し、図7の上から2番目のグラフに示すように、可動部32の振動により、逆起電力が発生する。この逆起電力は、可動部32の振動を一周期として、電圧値が変化する。
【0039】
これにより、コイル40には、逆起電力と駆動電圧とが重畳した状態となる。このとき、可動部32の共振周波数と、ドライブ周波数とが一致すると、図7の上から3番目のグラフに示すように、駆動電圧の方形波の中心と起電力のピークが時間的に一致する。これに対して、可動部32の共振周波数と、ドライブ周波数とが一致していないと、図7の上から4番目(1番下)のグラフに示すように、逆起電力と駆動電圧(方形波)の位相との間にずれが生じる。
【0040】
反射手段ドライバ24は、このようにして、コイル40に流れる電圧を検出し、電圧変化に基づいて、逆起電力と駆動電圧との位相が一致しているかを検出し、検出結果に基づいて、駆動電圧の周波数を調整することで、可動部32を共振周波数で振動させることができる。つまり、反射手段ドライバ24は、このコイル40に流れる電圧から、逆起電力と駆動電圧との位相のずれを検出し、位相のずれが0に近づくように、つまり、逆起電力と交流電流との位相のズレを小さくするように、駆動周波数(交流電流、駆動電圧の周波数)を変化させることで、可動部32を共振周波数で振動させることができる。
【0041】
なお、共振反射装置10は、上述したように、共振周波数が変化しないように可動部32の温度を調整しているため、ドライブ周波数の調整を行わなくても共振状態で駆動することが可能となるが、上記実施形態のように、駆動周波数を調整することで、より確実に共振状態とすることができ、より適切なドライブ周波数で駆動することができる。
【0042】
(実施形態2)
次に、図8から図10を用いて、共振反射装置10を用いる光学式ガス分析装置100について説明する。ここで、図8は、共振反射装置を有するガス分析装置の一実施形態の概略構成を示す模式図であり、図9は、図8に示す回折部の概略構成を示す模式図である。また、図10は、出射光波長と時間との関係を示す説明図である。
【0043】
光学式ガス分析装置100は、測定対象のガスに含まれる総炭化水素(THC:Total Hydro-Carbon)を検出する分析装置であり、測定部101と、光源102と、分光器104と、受光部106と、分析制御部130とを有する。
【0044】
測定部101は、測定対象のガスを保持する容器であり、光を入射させる入光部110と、容器内部を通過した光を出射させる出光部112とを有する。なお、測定部101は、測定対象のガスを閉じ込める容器に限定されず、測定対象のガスを流通させる配管としてもよい。また、大気を測定対象とする場合は、測定部101として箱や、管路を設けなくてもよい。
【0045】
光源102は、広波長帯域の光を射出する発光素子である。なお、広波長帯域の光とは、測定対象のガスを検出可能な波長成分を含む光である。光としては、赤外域、可視光域、紫外域等、種々の波長域の光を用いることができる。また光源102としては、種々の発光素子を用いることができ、後述する分光器104で分光し、必要な波長域の光のみを使用することができるため、測定対象となる波長域以外の波長も含む光を出力する発光素子を用いることができる。
【0046】
次に、分光器104は、図8及び図9に示すように、共振反射装置10と、回折部120と、光学系122とを有する。なお、共振反射装置10の各部の構成は、上述した共振反射装置10と同様の構成である。そこで、共振反射装置10の詳細な説明は省略する。共振反射装置10は、光源102から出力される光を反射手段12で反射させる。なお、反射手段12は、光を反射する回動部が振動(回動)しているため、光源102から出力される光を反射させる反射角は、周期的に変化する。また、光源102から出力される光は、反射手段12に到達時には、平行光となっている。
【0047】
回折部120は、入射した光を回折して反射させる格子であり、共振反射装置10で反射された光の通過経路上に配置されている。回折部120は、共振反射装置10の反射手段12の反射角が変化すると、共振反射装置10で反射された光の入射角が変化する。回折部120は、光の入射角によって反射させる光の波長を選択する。つまり、回折部120は、光の入射角に応じて、異なる波長の光を反射させる。
【0048】
光学系122は、回折部120で回折され、反射された光の通過経路上に配置されており、2つのコリメータレンズと、ピンホールとで構成されている。光学系122は、回折部120で回折され、反射された光を一方のコリメータレンズで集光し、ピンホールを通過させた後、他方のコリメータレンズで平行光とする。光学系122は、これにより、回折部120で回折され、反射された光のうち、所定の成分の光のみを出力することができる。つまり、回折部120で回折されずに光学系122に到達した光、乱反射して光学系122に到達した光は、ピンホールを通過できない。または、コリメータレンズで平行光とならないため、光学系122からは、選択した光(共振反射装置10で反射させ、回折部120で回折した光)のみを出力することができる。光学系122から射出された光は、測定部101に入射される。
【0049】
分光器104は、以上のような構成であり、共振反射装置10により回折部120に到達する光の角度を周期的に変化させることで、光学系122を通過して外部に出力される光を、波長が周期的に変化する光とすることができる。つまり、波長が選択された光を一定周期で波長掃引しながら出力することができる。
【0050】
受光部106は、光電変換器であり、分光器104を射出され、測定部101を通過した光、つまり、出光部112から出力された光(測定光)が到達する位置に配置されている。受光部106は、出光部112から出力された光(測定光)を受光し、受光した光を電気信号に変換して、分析制御部130に送る。
【0051】
分析制御部130は、光源102と、分光器104と、受光部106との動作を制御する制御部である。また、分析制御部130は、受光部106から送られる受光信号と、光源102を駆動させている条件、分光器104の条件(共振反射装置10の駆動条件、測定タイミングと反射角との関係)とに基づいて、解析を行い、測定対象のガスを分析する。例えば、分析制御部130は、測定ガスに含まれる炭化水素の濃度を算出する。具体的には、分析制御部130は、各種条件に基づいて測定部101に入射した光の波長と強度を算出し、算出した光の強度と、受光部106で受光した光の強度と比較し、測定対象のガスにより、入射した光の波長の減衰(光の吸収)を算出する。分析制御部130は、このような分析を、分光器104により入射した光の波長を連続的に変化させつつ、各波長について繰り返すことにより、一定の波長範囲における、測定対象のガスの吸収率の分布について算出する。さらに、分析制御部130は、波長毎の吸収率を解析することで、ガス中に含まれる総炭化水素量を算出する。なお、分析制御部130は、物質毎に、吸収する波長と、その吸収の強度についての情報が記憶されており、当該関係と、波長毎の吸収率とを用いることで、ガスの成分を分析することができる。
【0052】
光学式ガス分析装置100は、測定光の波長を一定周期で波長掃引しながら、各波長における測定対象のガスの吸収率を検出し、検出結果を分析することで、測定ガスの成分を分析することができる。本実施形態では、総炭化水素量を算出することができる。
【0053】
さらに、共振反射装置10を用いることで、温度変化により、可動部32の振幅が変化することを抑制することができ、回折部120に入射する光の角度の変化幅を安定させることができる。これにより、図10に示すように温度変化により出射光波長(測定部101に入射する光の波長)の範囲が変化することを抑制することができる。つまり、温度変化により可動部32の振幅が変化すると、回折部120に入射する光の角度の幅も増減する。回折部120に入射する光の角度の幅が増減すると、回折部120で回折されて、光学系122に到達する光の波長幅も増減する。このように掃引する波長の幅が温度変化により変化すると、検出結果の波長分布の算出結果と実際の結果との間に誤差が生じる。これに対して、光学式ガス分析装置100は、温度変化により、可動部32の振幅が変化することを抑制することができるため、掃引する波長の幅が変化することを抑制することができ、検出結果の波長分布の算出結果と実際の結果との間で発生する誤差を抑制することができる。つまり計測誤差をより小さくすることができる。
【0054】
また、光学式ガス分析装置100は、測定対象として種々の物質を用いることができ、炭化水素に限定されず、窒素酸化物、硫化酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア等の濃度も測定することができる。また、光学式ガス分析装置100は、ディーゼルエンジンに取付、ディーゼルエンジンに供給する燃料経路を流れる炭化水素を計測することができる。また、光学式ガス分析装置100は、ディーゼルエンジンから排出される排ガスに含まれる物質を計測してもよい。なお、排ガスを排出する機関、つまり測定対象のガスを排出(供給)する装置は、これに限定されず、ガソリンエンジンや、ガスタービン等種々の内燃機関に用いることができる。また、内燃機関を有する装置としては、車両、船舶、発電機等種々の装置が例示される。さらに、ゴミ焼却炉から排出される排ガスに含まれる所定物質の濃度を計測することもできる。
【0055】
(実施形態3)
次に、図11を用いて、共振反射装置10を用いる画像スキャナ200について説明する。ここで、図11は、共振反射装置を有する画像スキャナの一実施形態の概略構成を示す模式図である。画像スキャナ200は、被写体230の画像を読み取る画像読み取り装置であり、共振反射装置10と、受光部210と、アンプ212と、データ統合部214と、画像情報処理部216と、スキャナ制御部220と、を有する。なお、画像スキャナ200は、さらに、被写体230を照明する光源や、被写体230または読取部を走査させる相対移動機構や、操作指示を入力する操作部、検出結果等を表示させる表示部等、画像スキャナ200に必要な各部を有する。
【0056】
共振反射装置10は、可動部32を振動させることで、被写体230から反射された光のうち、受光部210が受光する被写体230の位置を走査させる。つまり、共振反射装置10は、可動部32を振動させることで、受光部210が画像を読み取る位置を走査させる。なお、共振反射装置10の各部の構成は、上述した共振反射装置10と同様の構成である。
【0057】
受光部210は、光電変換器であり、被写体230から共振反射装置10に到達し、共振反射装置10で反射された光を受光し、受光した光を電気信号に変換して、アンプ212に送る。
【0058】
アンプ212は、受光部210から出力された電気信号を増幅してデータ統合部214に送る。データ統合部214は、アンプ212から受光した電子信号から画像の色、明度の情報を取得し、さらに、共振反射装置10の反射手段ドライバ24から可動部32の角度(振幅位相)の情報を取得する。データ統合部214は、画像の色、明度の情報と、可動部32の角度(振幅位相)の情報に基づいた位置情報とを対応付けて、画像情報処理部216に送る。画像情報処理部216は、データ統合部214で対応付けられた位置と画像の色の情報、明度の情報とを順次保存する。
【0059】
スキャナ制御部220は、共振反射装置10と、受光部210と、アンプ212と、データ統合部214と、画像情報処理部216の各部の動作を制御する。スキャナ制御部220は、共振反射装置10の可動部を振動させ、受光部210により各位置の画像を読み取り、アンプ212と、データ統合部214と、画像情報処理部216とで順次処理を行い、被写体230の各位置における画像情報を読み取ることで、被写体230の画像を読み取ることができる。なお、本実施形態では、共振反射装置10は、一方向(1つのライン上)を振動する構成であるが、共振反射装置10(反射手段12)の角度を変化させたり、反射手段12と被写体230とを相対的に移動させたりすることで、被写体230の全面の画像情報を取得することができる。
【0060】
ここで、画像スキャナ200は、共振反射装置10を用いることで、温度変化により、可動部32の振幅が変化することを抑制することができる。可動部32の振幅の変化を抑制することで、受光部210が読み取る画像幅を一定にすることができる。また、一周期における読み取り位置の変化も抑制することができる。このように、読み取る画像幅を一定にできることで、データ統合部の算出結果と実際の結果との間で発生する誤差をより小さくすることができる。これにより、読み取り画像が実際の画像よりも伸びた画像となったり、縮んだ画像となったりすることを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明にかかる、共振反射装置、それを用いる光学式ガス分析装置、画像スキャナ及び共振反射装置の制御方法は、入射された光を一定周期で反射角を変化させつつ反射させるのに有用である。
【符号の説明】
【0062】
10 共振反射装置
12 反射手段
14 温度検出手段
16 制御手段
20 温度設定部
22 フィードバック制御部
24 反射手段ドライバ
30 固定部
32 可動部
34 トーションバー
36、38 磁石
40 コイル
42 矢印
44、46、48 実線
100 光学式ガス分析装置
101 測定部
102 光源
104 分光器
106 受光部
110 入光部
112 出光部
120 回折部
122 光学系
130 分析制御部
200 画像スキャナ
210 受光部
212 アンプ
214 データ統合部
216 画像情報処理部
220 スキャナ制御部
230 被写体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部、一方の端部が前記固定部と連結したトーションバー、前記トーションバーの他方の端部と連結し、前記トーションバーとの連結部分を回転軸として前記固定部に対して回動する板状部材であり、少なくとも一方の面で光を反射する可動部、及び、交流電流が供給されることで前記可動部を回動させる駆動部を備える反射手段と、
前記反射手段の前記可動部の温度を非接触で検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出した前記可動部の温度に基づいて、前記駆動部に供給する交流電流に付加するバイアス電流の大きさを調整する制御手段と、を有することを特徴とする共振反射装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記固定部に配置された磁石と、前記可動部に配置されたコイルとで構成され、前記コイルに交流電流が供給され、前記コイルと前記磁石との間にローレンツ力が発生されることで、前記固定部に対して前記可動部を回動させることを特徴とする請求項1に記載の共振反射装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記駆動部から供給される逆起電力を検出し、検出した逆起電力と、交流電流と位相のズレを検出し、検出した結果に基づいて、検出した逆起電力と、交流電流との位相のズレをより小さくする交流電流を算出し、前記駆動部から算出した交流電流を供給させることを特徴とする請求項1または2に記載の共振反射装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記温度検出手段で検出した前記可動部の温度と予め設定した設定温度とに基づいて、PID制御を行い、前記バイアス電流を調整することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の共振反射装置。
【請求項5】
前記温度検出手段は、前記可動部の回転軸上の温度を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の共振反射装置。
【請求項6】
測定対象のガスを含有する計測セルと、
広波長帯域の光を射出する発光部と、
前記発光部から射出された光を前記計測セルに案内する光学系と、
前記光学系から入射され、前記計測セルを通過した光を受光する受光部と、
前記受光部で取得した情報に基づいて、前記計測セルを流れるガスを分析する分析部と、を有し、
前記光学系は、請求項1から5のいずれか1項に記載の共振反射装置、及び、前記共振反射装置で反射させた光を回折する回折格子を備え、前記共振反射装置の可動部を振動させて、前記発光部から射出された光を反射させる角度を変化させ、前記回折格子に到達する光の角度を変化させることで、前記回折格子で回折し、前記計測セルに入射させる光の波長を変化させることを特徴とする光学式ガス分析装置。
【請求項7】
被写体の読み取り位置を走査させつつ、前記被写体の画像を取得する画像スキャナであって、
請求項1から5のいずれか1項に記載の共振反射装置と、
入射した光を信号に変換する光電変換部と、
前記共振反射装置の可動部を振動させ、前記共振反射装置の可動部で反射し、前記光電変換部に入射する前記被写体の読取位置を走査させて、前記被写体の画像情報を取得する制御部と、を有することを特徴とする画像スキャナ。
【請求項8】
固定部、一方の端部が前記固定部と連結したトーションバー、前記トーションバーの他方の端部と連結し、前記トーションバーとの連結部分を回転軸として前記固定部に対して回動する板状部材であり、少なくとも一方の面で光を反射する可動部、及び、交流電流が供給されることで前記可動部を回動させる駆動部を備える反射手段を有し、前記可動部を回動させることで、光を反射させる共振反射装置の制御方法であって、
前記反射手段の前記可動部の温度を非接触で検出する温度検出ステップと、
前記温度検出ステップで検出した前記可動部の温度に基づいて、前記駆動部に供給する交流電流に付加するバイアス電流の大きさを調整するステップと、を有することを特徴とする共振反射装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−78515(P2012−78515A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222831(P2010−222831)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】