説明

共重合体フィルムを使用した包装体及び共重合体フィルムを用いた接着切断方法

【課題】生分解性プラスチックフィルムを用いた包装において、包装物の美観と耐久性を向上させることを目的とする。
【解決手段】生分解性を有する1,4−ブタンジオールとコハク酸とアジペートと乳酸との共重合体からなる(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用した包装体において、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着することにより、前記包装体の焦げの発生と接着後の前記包装体同士の剥がれの発生とをなくし、また、前記包装体同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて溶着切断することにより、前記刃の熱による溶着切断部以外の包装体部分の溶解の発生と溶着切断後の包装体同士の溶着切断部の剥がれの発生をなくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性を有し、1,4−ブタンジオールとコハク酸とアジペートと乳酸との共重合体からなる(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用した包装体及び(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いた接着切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生分解性を有しないプラスチックフィルムは、軽くて強く、耐久性があり、加工しやすい等の利点から、広く包装材として使用されている。しかし最近では、その廃棄や焼却が、地球温暖化や廃棄物増加につながる等といった、環境問題が指摘されている。そこで、近年、生分解性を有するプラスチックフィルムが、注目されてきている。生分解性プラスチックフィルムとは、使用時には従来のプラスチックフィルムと似た特徴を有し、使用後は自然界の土や水中に生息する微生物の働きによって、水や二酸化炭素に分解されるという、環境に優しいプラスチックフィルムである。この生分解性プラスチックフィルムを包装材として用いる技術がある。
【特許文献1】特開2003−154607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
生分解性プラスチックフィルムは、その耐熱性の問題から、包装時にホットメルト型接着剤を使用した接着を行うと、ホットメルト型接着剤の熱によりフィルムに焦げが生じる場合がある。また、フィルムに焦げが生じないように低温のホットメルト型接着剤での接着を行うと、フィルムの剥がれが生じてしまう等の課題がある。また、クロスカッターの刃を高温にして熱によりフィルムを溶解させながら切断する溶着切断においては、フィルムの溶着切断部周辺が溶解してしまい、包装の美観を損ねたり、溶着せずに剥がれが生じてしまう等の課題がある。
【0004】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ホットメルト型接着剤の熱やクロスカッターの刃の熱による、包装材の焦げや剥がれ、あるいは溶解等が生じないような接着方法、溶着切断方法を行うことにより、生分解性プラスチックフィルムを用いた包装物の、接着強度の向上、耐久性の向上、美観の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用した包装体は、
生分解性を有し、1,4−ブタンジオールとコハク酸とアジペートと乳酸との共重合体からなる(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用した包装体であって、
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着して、前記熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤の熱による前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムの焦げの発生と接着後の前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の剥がれの発生とをなくし、
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて、刃の熱により溶着しながら切断して、溶着しながら切断した前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムの溶着切断部以外の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム部分の溶解の発生と溶着切断後の前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の溶着切断部の剥がれの発生とをなくしたことを特徴とする。
【0006】
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムに、アクリル樹脂系エマルジョン糊を用いて、ラベルを貼付して、貼付後のラベルと(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムとの剥がれの発生をなくしたことを特徴とする。
【0007】
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムは、コロナ放電処理を行った(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムであることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いた接着切断方法は、
生分解性を有し、1,4−ブタンジオールとコハク酸とアジペートと乳酸との共重合体からなる(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いた接着切断方法であって、
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着し、
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて溶着切断することを特徴とする。
【0009】
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムにコロナ放電処理を行い、
コロナ放電処理を行った前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムにアクリル樹脂系エマルジョン糊を用いてラベルを貼付する
ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る生分解性を有する共重合体である生分解性共重合体フィルムを使用した包装体は、
前記生分解性共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着して、前記熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤の熱による前記生分解性共重合体フィルムの焦げの発生と接着後の前記生分解性共重合体フィルム同士の剥がれの発生とをなくし、
前記生分解性共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて、刃の熱により溶着しながら切断して、溶着しながら切断した前記生分解性共重合体フィルムの溶着切断部以外の生分解性共重合体フィルム部分の溶解の発生と溶着切断後の前記生分解性共重合体フィルム同士の溶着切断部の剥がれの発生とをなくしたことを特徴とする。
【0011】
前記生分解性共重合体フィルムに、アクリル樹脂系エマルジョン糊を用いて、ラベルを貼付して、貼付後のラベルと生分解性共重合体フィルムとの剥がれの発生をなくしたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る生分解性を有する共重合体である生分解性共重合体フィルムを用いた接着切断方法は、
前記生分解性共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着し、
前記生分解性共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて溶着切断する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、生分解性を有する1,4−ブタンジオールとコハク酸とアジペートと乳酸との共重合体からなる(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用した包装体において、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着することにより、前記包装体の焦げの発生と接着後の前記包装体同士の剥がれの発生とをなくし、また、前記包装体同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて溶着切断することにより、前記刃の熱による溶着切断部以外の包装体部分の溶解の発生と溶着切断後の包装体同士の溶着切断部の剥がれの発生をなくしたことにより、美観と耐久性にすぐれた包装体を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態について以下に説明する。以下の実施の形態1〜3では、生分解性プラスチックフィルムとして、1,4−ブタンジオールとコハク酸とアジペートと乳酸との共重合体からなる(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用する。
【0015】
以下の実施の形態1〜3では、例えば、雑誌等の包装対象物が生分解性プラスチックフィルムからなる封筒の中に封入され略密封されるように包装し、さらに宛先・宛名等を記したラベルを貼付して封筒を完成するまでの一連の包装方法について説明する。図1は、一連の包装方法を模式化したものである。この一連の包装方法は、例えば、以下の工程を有する。
(1)<接着工程>
雑誌2を生分解性プラスチックフィルム1で筒状に包み、筒状にしたフィルムの長手方向の辺と辺とを(上辺と下辺とを)、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を用いて接着する(図1(a)参照)。接着の詳細な態様については後述する。
(2)<溶着切断工程>
(1)<接着工程>により両サイドが開放した状態の筒状の封筒において、雑誌2の幅に合わせて封筒の両サイド(図1(b)の点線Aと点線B)を溶着切断する。溶着切断とは、クロスカッターの刃を200度以上の高温にして、生分解性プラスチックフィルム1をカットする際に、刃の熱で生分解性プラスチックフィルム1を融解して溶着させながら切断する方法である(圧着カットともいう)。また、刃の受け側(切断する筒状の封筒の下面側)の台には、テフロン(登録商標)テープを貼り、溶着切断時に融解した生分解性プラスチックフィルム1等が刃の受け側の台に付着するのを防ぐ。すなわち、溶着切断部4は、接着剤を使用せずに熱と圧力で溶着(接着あるいは圧着)され、切断(カット)される。溶着切断工程の詳細な態様については後述する。
(3)<ラベル貼付工程>
(2)<溶着切断工程>により雑誌2を封入した生分解性プラスチックフィルム1からなる封筒の表面に、宛先・宛名等を記載したラベル5をアクリル樹脂系エマルジョン糊6を用いて貼付する。ラベル5の材質は紙(上質紙)であり、ラベル5の裏面にアクリル樹脂系エマルジョン糊6を塗布してから、ラベル5の裏面を生分解性プラスチックフィルム1に糊付けする。ラベル貼付工程の詳細な態様については後述する。
【0016】
実施の形態1.
実施の形態1では、上記(1)<接着工程>について、詳細に説明する。
【0017】
本実施の形態の(1)<接着工程>では、生分解性プラスチックフィルムとして(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いる。
【0018】
また、生分解性プラスチックフィルム1は、表面にコロナ放電処理を施した(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムであってもよい。コロナ放電処理とは、高周波高電圧装置により発生させた電子を素材の表面に衝突させ、この結果、素材の表面にカルボニ基等の極性の強い官能基を生成し、接着力を改善する処理である。
【0019】
コロナ放電処理は、生分解性プラスチックフィルム1の片面のみ(例えば包装の表面のみ)に施してもよい。この場合は、雑誌2等の封入物に生分解性プラスチックフィルム1を巻き付けて、上辺と下辺との表面同士を熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3で接着するようにすればよい。図5は、生分解性プラスチックフィルム1による包装の表面同士を熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3により接着する場合の一例を図示したものである。
【0020】
まず、図5(a)に示すように、雑誌2に生分解性プラスチックフィルム1を巻き付けて、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を塗布していない方の辺をA部で折り返すことにより表面折り返し部10を設ける。次に、図5(b)に示すように、表面折り返し部10を設けた辺をB部で折り返して、表面折り返し部10を設けた辺と熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を塗布した辺とを接着する。図6(a)は、図5(a)のC−C断面図である。また、図6(b)は、図5(b)のD−D断面図である。図6に示すように、表面折り返し部10を設けることにより、生分解性プラスチックフィルム1の表面同士を熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3によって接着することができる。
【0021】
これにより、コロナ放電処理を生分解性プラスチックフィルム1の片面(例えば、表面)のみに施した場合であっても、十分にコロナ放電処理による接着力強化の効果が期待できる。フィルムの片面のみにコロナ放電処理を行えばよいので、コストの削減を図ることができる。また、表面のみにコロナ放電処理を施した生分解性プラスチックフィルム1で、表面と裏面とを熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3によって接着する場合であってもコロナ放電処理による接着力強化の効果が期待できる。生分解性プラスチックフィルム1の表面と裏面とを熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3によって接着する方法については後述する。
【0022】
また、フィルムの両面にコロナ放電処理を施しても構わない。この場合は、雑誌2等の封入物に生分解性プラスチックフィルム1を巻き付けて、上辺と下辺とを熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3で接着するときに、表面同士の接着、裏面同士の接着、表面と裏面との接着のいずれの接着でもコロナ放電処理による接着力強化の効果が期待できる。
【0023】
図1は、生分解性プラスチックフィルム1による包装の表面と裏面とを熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3により接着する場合の一例を図示したものである。
【0024】
図1(a)において、生分解性プラスチックフィルム1は、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムである。雑誌2を生分解性プラスチックフィルム1で筒状に包み、筒状にしたフィルムの長手方向の辺と辺とを(上辺と下辺とを)、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を用いて接着する。
【0025】
熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3は、140℃〜160℃の温度で溶解して使用する。熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3の塗布量は、1平方cmあたり2mg〜8mgの塗布量が好ましい。特に、1平方cmあたり4mg〜5mgが好適である。
【0026】
図1(a)に示すように、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を塗布した生分解性プラスチックフィルム1の表面に、折り返し部9を折り返すことにより生分解性プラスチックフィルム1の裏面を接着する。図7は、図1(a)に示す接着工程を断面で示した図である。ここで、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を塗布した生分解性プラスチックフィルム1の表面に折り返し部9である生分解性プラスチックフィルム1の裏面を接着した部分をフィルムの接着部と呼ぶ。
【0027】
次に、プレッシャーベルトの圧力によりフィルムの接着部を圧着する。フィルムの接着部がプレッシャーベルトを通過するときの圧力は概ね5kg、時間は0.5〜1.0秒で圧着するのが好適である。
【0028】
図8は、接着工程の一例を断面で示した図である。図8で示すように、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を、生分解性プラスチックフィルム1の折り返し部9の裏面11に塗布してから折り返し、生分解性プラスチックフィルム1の表面に接着させる方法でもよい。
【0029】
(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を用いて接着すると、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3の熱による(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムの焦げの発生がない。また、接着後の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の剥がれの発生もない。特に、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を150℃で溶解して使用した場合には、フィルム同士の接着部分の美観及び接着強度が特に良好である。
【0030】
以下に(1)<接着工程>について行った実験結果について説明する。この実験では、(1)<接着工程>で用いる生分解性プラスチックフィルム1として、実施例の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム、比較例1のポリ乳酸フィルムをベースとした多層フィルム、比較例2の無延伸ポリ乳酸フィルムの3種類のフィルムを用いて実験を行った。ここで、ポリ乳酸とは乳酸の重合体である。
【0031】
図2は、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を用いた接着テストの結果を示す表である。熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を安定して溶解するためには130度以上の温度が必要である。
【0032】
実施例の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いた接着テストでは、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3の温度が120℃の場合は、フィルム同士が接着せず、封筒としては使用できない。次に、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3の温度が130℃の場合は、フィルム同士が接着はしたが接着強度が弱く封筒としては不適であるという不具合があった。熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3の温度が140℃〜160℃の場合は、接着強度が良好であった。また、フィルムの焦げもなく接着部分の美観も良好であった。特に、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3の温度が150℃の場合は、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を完全に溶解できて安定して塗布することができ、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の接着強度も最良であった。
【0033】
比較例1の生分解性プラスチックフィルムにはポリ乳酸フィルムをベースとした多層フィルムを使用した。比較例1の生分解性プラスチックフィルムでは、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3の温度が120℃〜130℃では、接着強度が非常に弱くフィルム同士の剥がれが生じ、封筒としては利用できない。また、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤の温度が140℃〜160℃では、フィルム同士の剥がれは生じなかったものの、フィルム同士の接着強度が弱く、封筒として使用するには適さなかった。
【0034】
比較例2の生分解性プラスチックフィルムには無延伸ポリ乳酸フィルムを使用した。比較例2の生分解性プラスチックフィルムでは、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤の温度が120℃、130℃では、接着強度が非常に弱くフィルム同士の剥がれが生じ、封筒として使用できなかった。また、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤の温度が140℃〜160℃では、フィルムの焦げが生じ、フィルム同士の接着強度も弱く剥がれが生じ、封筒として使用するには不適であった。
【0035】
以上の実験結果から、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて生分解性プラスチックフィルム同士を接着する場合は、実施例の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いて、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤は140℃〜160℃の温度で溶解したものを使用すると、好適であることがわかる。すなわち、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤の熱による(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムの焦げの発生がなく、また、接着後の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の剥がれの発生もない。特に、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を150℃で溶解して使用した場合には、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の接着部分の美観及び接着度の具合が特に良好である。
【0036】
実施の形態2.
実施の形態2では、上記(2)<溶着切断工程>について、詳細に説明する。
【0037】
本実施の形態の(2)<溶着切断工程>では、生分解性プラスチックフィルムとして(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いる。また、表面あるいは両面(表面と裏面)にコロナ放電処理を施した(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムであってもよい。
【0038】
図1(b)において、生分解性プラスチックフィルム1は、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムである。(2)<溶着切断工程>では、両サイドが開放した状態で内部に雑誌2が包まれている筒状の封筒(図1(b)参照)において、雑誌2の幅に合わせて封筒の両サイド(図1(b)の点線Aと点線B)を溶着切断する。溶着切断とは、クロスカッターの刃を200度以上の高温にして、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムをカットする際に、刃の熱で(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを溶着しながら切断することである。すなわち、溶着と同時に切断することである。
【0039】
フィルムの溶着とは、フィルムが溶ける(溶解する)ことによって互いに着き合い(接着し)、接着した部分が冷えることにより溶解したフィルムが固まってフィルム同士が接着安定し封緘することである。溶着切断時のクロスカッターの刃の圧力は概ね1kgで溶着切断の時間は0.5〜1.0秒が好適である。
【0040】
また、融解して圧着しながら引き離すことにより切断する方法でもよい。すなわち、溶着切断部4は、接着剤を使用せずに熱と圧力で溶着され、切断されている。
【0041】
このとき、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて溶着切断すると、刃の熱による溶着切断部4以外の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム部分の溶解が発生しない。また、溶着切断後の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の溶着切断部の剥がれが発生しない。溶着切断部以外のフィルムの部分まで必要以上に溶解してしまうと、フィルムが収縮し過ぎて引きつれたり、溶解が進み過ぎることにより封緘ができないおそれがある。
【0042】
したがって、本実施の形態によれば、溶着切断部4断面のケバだちや引きつれや焦げ付きもなく美観が良好であり、溶着切断部が強い力で開いてしまうなどの不具合もなく確実に封緘され、溶着(圧着)強度も良好でな到着切断が可能となる。
【0043】
以下に(2)<溶着切断工程>について行った実験結果について説明する。この実験では、(2)<溶着切断工程>において、生分解性プラスチックフィルム1として、実施例の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム、比較例1のポリ乳酸フィルムをベースとした多層フィルム、比較例2の無延伸ポリ乳酸フィルムの3種類のフィルムを用いて、溶着切断する刃の温度を変えた場合のそれぞれのフィルムの溶着強度について比較を行った。
【0044】
図3は、刃を熱したクロスカッターを用いて生分解性プラスチックフィルム1からなる封筒の両サイドを溶着切断した場合の溶着切断テストの結果を示す表である。
【0045】
実施例の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いた溶着切断テストでは、クロスカッターの刃の温度が210℃の場合は、フィルムの溶着切断部の溶着強度は、人の手による強い力で剥がした場合はフィルムの溶着(圧着)口が開いてしまう程度の強度であり、封筒の両サイドの封緘としては不適である。クロスカッターの刃の温度が220℃〜230℃では、フィルムの溶着切断部4断面のケバだちや焦げ付きもなく、また、溶着切断部4以外の溶着切断部周辺部分のフィルムの溶解もなく、安定してきれいに溶着口が閉じている。この場合のフィルムの溶着切断部の溶着強度は、人の手による強い力でも開かないほどの強度を有し、封筒としても好適である。
【0046】
比較例1の生分解性プラスチックフィルムにはポリ乳酸フィルムをベースとした多層フィルムを使用した。比較例1の生分解性プラスチックフィルムを用いた溶着切断テストでは、クロスカッターの刃の温度が210℃〜220℃では、フィルム同士の溶着切断部の溶着強度が弱く、人の手による力で簡単に溶着口が開いてしまうなどの不具合が生じ、封筒としては不適であった。また、クロスカッターの刃の温度が230℃では、フィルムの溶着切断部4断面のケバだち等により、美観に問題があり、フィルムの溶着切断部の溶着強度は、人の手による強い力では溶着口が開いてしまう程度の強度である。封筒として使用するには、溶着切断部の溶着強度に不足がある。
【0047】
比較例2の生分解性プラスチックフィルムには無延伸ポリ乳酸フィルムを使用した。比較例2の生分解性プラスチックフィルムを用いた溶着切断テストでは、クロスカッターの刃の温度が210℃では、フィルムの溶着切断部の溶着強度は、人の手による強い力により溶着口が開いてしまう程度の強度であり、封筒としては溶着強度に不足がある。また、クロスカッターの刃の温度が220℃〜230℃では、フィルムの溶着切断部は、フィルムが過剰に溶解してしまって溶着しないという不具合が生じ、封筒としては利用できない。
【0048】
以上の実験結果から、刃を熱したクロスカッターを用いて生分解性プラスチックフィルムを溶着切断する場合は、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いて、クロスカッターの刃の温度を220℃〜230℃の温度で熱して溶着切断するのが最適である。この場合は、刃の熱による溶着切断部以外の溶着切断部周辺の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム部分が溶解することがなく、溶着切断部が適度に溶解してフィルム同士が溶着する。また、溶着切断後の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の溶着切断部が剥がれる(溶着切断部(圧着カット部)の溶着口(圧着口)が開いてしまう)ことがない。したがって、溶着切断部断面のケバだちや引きつれや焦げ付きもなく美観が良好であり、溶着切断部が強い力で開いてしまうなどの不具合もなく、溶着(圧着)強度の強い封筒が得られる。
【0049】
溶着切断工程では、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3もフィルムと同時に溶着切断することになるが、クロスカッターの刃の温度220℃〜230℃で再び溶けるので、熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3も切断できる。
【0050】
実施の形態3.
実施の形態3では、上記(3)<ラベル貼付工程>について、詳細に説明する。
【0051】
本実施の形態の(3)<ラベル貼付工程>では、生分解性プラスチックフィルムとして(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いる。また、表面にコロナ放電処理を施した(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムであると好適である。それは、フィルムの表面にコロナ放電処理を行うことにより、親水性、濡れ性を向上させ、宛名貼付の際の接着強度を高めることができるからである。
【0052】
図1(c)において、生分解性プラスチックフィルム1は、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムである。(3)<ラベル貼付工程>では、内部に雑誌2が封入された(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムからなる封筒に、宛先・宛名等を記載したラベル5をアクリル樹脂系エマルジョン糊6を用いて貼付する。
【0053】
アクリル樹脂系エマルジョン糊6をラベル5に塗布する方法は、ラベリングホイールを用いてラベル5の裏面にライン状に糊を塗布する方法である。回転するラベリングホイールにラベル5の裏面を接触させながら移動させることで、ラベル5の裏面にアクリル樹脂系エマルジョン糊6が5筋の筋状に塗布される。次に、アクリル樹脂系エマルジョン糊6を塗布したラベル5の裏面を封筒の表面に貼付する。このとき、ラベリングパット回転による糊貼付圧着が行われる。この圧着の時間は、概ね0.5〜1.0秒である。また、ラベル5の裏面への糊の塗布方法は、上記の方法に限られるわけではなく、他の方法(例えば、全体に塗布する等)でも構わない。
【0054】
このとき、アクリル樹脂系エマルジョン糊6を用いて、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムに、ラベルを貼付すると、貼付後のラベルと(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムとの剥がれの発生がない。
【0055】
以下に(3)<ラベル貼付工程>について行った実験結果について説明する。
【0056】
図4は、3種類の糊を用いて行ったラベル貼付テストの結果を示す表である。
【0057】
実施例の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いたラベル貼付テストでは、糊1(アクリル樹脂系エマルジョン糊)を用いた場合は、貼付後のラベルとフィルムの剥がれもなく、接着強度も最良であった。次に、酢酸ビニル・アクリル酸アルキルエステル・アクリロニトリルとブタジエン共同合体ラテックス・ダンマルゴムとからなる糊2を用いてラベルを貼付した場合は、貼付後のラベルとフィルムの剥がれはなかったものの、接着強度は糊1の場合より弱かった。次に、エチレン・酢酸ビニル共重合体水性エマルジョンからなる糊3を用いてラベルを貼付した場合は、貼付後のラベルとフィルムの剥がれが生じた。したがって、糊3は、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムからなる封筒のラベル貼付には適さなかった。
【0058】
比較例1の生分解性プラスチックフィルムにはポリ乳酸フィルムをベースとした多層フィルムを使用した。比較例1の生分解性プラスチックフィルムを用いたラベル貼付テストでは、ラベル貼付用の糊に、糊1(アクリル樹脂系エマルジョン糊)を用いた場合、酢酸ビニル・アクリル酸アルキルエステル・アクリロニトリルとブタジエン共同合体ラテックス・ダンマルゴムとからなる糊2を用いた場合及びエチレン・酢酸ビニル共重合体水性エマルジョンからなる糊3を用いた場合のいずれも、貼付後のラベルとフィルムの剥がれが生じた。したがって、比較例1のポリ乳酸フィルムをベースとした多層フィルムからなる封筒のラベル貼付には、糊1、糊2及び糊3のどれも適さなかった。
【0059】
比較例2の生分解性プラスチックフィルムには無延伸ポリ乳酸フィルムを使用した。比較例2の生分解性プラスチックフィルムでは、ラベル貼付用の糊に、糊1(アクリル樹脂系エマルジョン糊)を用いた場合、酢酸ビニル・アクリル酸アルキルエステル・アクリロニトリルとブタジエン共同合体ラテックス・ダンマルゴムとからなる糊2を用いた場合及びエチレン・酢酸ビニル共重合体水性エマルジョンからなる糊3を用いた場合のいずれも、貼付後のラベルとフィルムの剥がれが生じた。したがって、比較例2の無延伸ポリ乳酸フィルムからなる封筒のラベル貼付には、糊1、糊2及び糊3のどれも適さなかった。
【0060】
以上の実験結果から、(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムからなる封筒に、アクリル樹脂系エマルジョン糊を用いてラベルを貼付すると、貼付後のラベルとフィルムの剥がれもなく、接着強度も最良であることがわかる。
【0061】
実施の形態1〜3によれば、生分解性プラスチックフィルムである(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いた包装方法により、包装対象物が封入された封筒を得る場合に、封筒の接着剤による接着部の接着強度及び封筒の両サイドの溶着切断部の溶着強度が充分であり、美観も良好であり、ラベルの貼付強度も充分である(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムからなる封筒を得ることができる。
【0062】
また、上記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムからなる封筒にミシン目12を入れてもよい(図1(c)参照)。封筒のミシン目は、封筒の開封時にミシン目の切れ目から開封しやすくするためであると同時に、内部の空気が抜けるようにして、包装時あるいは移送時における封筒の破裂を防止するために設けるものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】生分解性プラスチックフィルム1の表面と裏面とを熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3により接着する場合の一例を示した図である。
【図2】熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3を用いた接着テストの結果を示す表である。
【図3】刃を熱したクロスカッターを用いて封筒の両サイドを溶着切断した場合の溶着切断テストの結果を示す表である。
【図4】3種類の糊を用いて行ったラベル貼付テストの結果を示す表である。
【図5】生分解性プラスチックフィルム1の表面同士を熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤3により接着する場合の一例を示した図である。
【図6】(a)は、図5(a)のC−C断面図であり、また、(b)は、図5(b)のD−D断面図である。
【図7】図1(a)に示す接着工程を断面で示した図である。
【図8】接着工程の一例を断面で示した図である。
【符号の説明】
【0064】
1 生分解性プラスチックフィルム、2 雑誌、3 熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤、4 溶着切断部、5 ラベル、6 アクリル樹脂系エマルジョン糊、9 折り返し部、10 表面折り返し部、11 裏面、12 ミシン目。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性を有し、1,4−ブタンジオールとコハク酸とアジペートと乳酸との共重合体からなる(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用した包装体であって、
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着して、前記熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤の熱による前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムの焦げの発生と接着後の前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の剥がれの発生とをなくし、
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて、刃の熱により溶着しながら切断して、溶着しながら切断した前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムの溶着切断部以外の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム部分の溶解の発生と溶着切断後の前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士の溶着切断部の剥がれの発生とをなくしたことを特徴とする(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用した包装体。
【請求項2】
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムに、アクリル樹脂系エマルジョン糊を用いて、ラベルを貼付して、貼付後のラベルと(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムとの剥がれの発生をなくしたことを特徴とする請求項1記載の(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを使用した包装体。
【請求項3】
生分解性を有し、1,4−ブタンジオールとコハク酸とアジペートと乳酸との共重合体からなる(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いた接着切断方法であって、
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着し、
前記(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて溶着切断する
ことを特徴とする(1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジペート、乳酸)共重合体フィルムを用いた接着切断方法。
【請求項4】
生分解性を有する共重合体である生分解性共重合体フィルムを使用した包装体であって、
前記生分解性共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着して、前記熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤の熱による前記生分解性共重合体フィルムの焦げの発生と接着後の前記生分解性共重合体フィルム同士の剥がれの発生とをなくし、
前記生分解性共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて、刃の熱により溶着しながら切断して、溶着しながら切断した前記生分解性共重合体フィルムの溶着切断部以外の生分解性共重合体フィルム部分の溶解の発生と溶着切断後の前記生分解性共重合体フィルム同士の溶着切断部の剥がれの発生とをなくしたことを特徴とする生分解性共重合体フィルムを使用した包装体。
【請求項5】
前記生分解性共重合体フィルムに、アクリル樹脂系エマルジョン糊を用いて、ラベルを貼付して、貼付後のラベルと生分解性共重合体フィルムとの剥がれの発生をなくしたことを特徴とする請求項4記載の生分解性共重合体フィルムを使用した包装体。
【請求項6】
生分解性を有する共重合体である生分解性共重合体フィルムを用いた接着切断方法であって、
前記生分解性共重合体フィルム同士を、140℃〜160℃の温度で溶解した熱可塑性ゴム系ホットメルト型接着剤を用いて接着し、
前記生分解性共重合体フィルム同士を、220℃〜230℃の温度に熱した刃を有するクロスカッターを用いて溶着切断する
ことを特徴とする生分解性共重合体フィルムを用いた接着切断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−168595(P2008−168595A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6322(P2007−6322)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(507014771)株式会社ディーエムリーディング (2)
【Fターム(参考)】