説明

内ローター式放熱ファン

【課題】 ローターとインペラーの回動の作動を安定化にし、フレームによってインペラーから生じる気流を有効に導引して集中させ、磁束漏洩の現象が生じるのを避け、全体の放熱の効果を高めることができる内ローター式放熱ファンを提供する。
【解決手段】 フレーム1、シールケーシング2、内ローター式モーター3、インペラー4および回路板5を有する。フレーム1には框体11と固定座12が形成される。シールケーシング2は磁気導引の材料により作成される中空框体からなり、シールケーシング2の一端には結合部21が形成され、結合部21はフレーム1の固定座12に結合される。内ローター式モーター3はシールケーシング2の内部に設置される。インペラー4は回動軸311と結合してシールケーシング2の外部に位置するように形成される。回路板5はステータ32と電気的に接続するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱ファンに関するもので、特に内ローター式モーターを利用して駆動する内ローター式放熱ファンに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放熱ファンの一般な構造として、外ローター式モーターを利用して回動するように駆動を行うものがある。この外ローター式モーターとしては、例えば中華民国新型公告第488497号「ファンの増圧導流装置」(特許文献1を参照)があり、そこにおいて、概略、ステータ組を利用してローターが回動して作動するのを駆動することができるようにとしている。
【0003】
また、従来の放熱ファンの構造として、例えば図8を参照すると、外ローター式モーターを利用して従来の放熱ファン70を駆動する構造が掲示されている。放熱ファン70にはフレーム71、ステータ72、回路板73およびローター74が含まれる。フレーム71の内側には軸管711が設けられ、軸管711の内に少なくとも一個の軸受け712が設けられる。ステータ72と回路板73は軸管711の外側の周面に嵌設され、回路板73はステータ72と電気的に接続される。ローター74には回動軸741とインペラー742が形成され、回動軸741の一端は軸管711の内まで伸び入れられて軸受け712と枢接するように形成される。インペラー742は回動軸741の他端に結合され、インペラー742にはステータ72に対応するように永久磁石743が設けられる。これにより、回路板73によってステータ72と永久磁石743との間に磁束鎖交の作用が生じるのを制御することにより、インペラー742が回動して作動するのを連動することができるため、一定の放熱の効果を達成することができるようにとしたものがある。
【0004】
上述した従来の放熱ファン70は主に外ローター式モーターを採用して駆動を行うものである。しかし、一般的に、外ローター式モーターは内ローター式モーターと比べて、回動の安定性が比較的劣るとともに、回転速度が比較的低いなどの問題点を有し、また現在では電子製品に関しては普遍的に高速度、功能の整合性と微小化などの方向に研究開発を行っているため、電子製品に要求される放熱の効能性も段々と高まる。そのため、上述した外ローター式モーターを利用して駆動を行う従来の放熱ファン70では一部分の電子製品における放熱の要求を充分に満足することができなかった。
【0005】
上述した従来の放熱ファン70を放熱の需要が高い電子製品に適用させるべく、関係業者においては例えば中華民国公開第200744290号「ファンおよびその内ローター式モーター」(特許文献2を参照)が研究開発されている。例えば図9を参照すると、内ローター式モーターで駆動を行う従来の放熱ファン80が掲示されており、放熱ファン80には框体81、ステータ構造82、ローター構造83、駆動装置84およびインペラー85が含まれる。框体81は第一框体811と第二框体812により組成される。ステータ構造82には磁気導引部材821が形成される。ローター83には回動軸831と磁性部材832が形成され、回動軸831は框体81の内部まで貫穿されることにより、磁性部材832は回動軸831に嵌設されるとともに、磁気導引部材821に対応するように形成される。駆動装置84は磁気導引部材821に電気的に接続される。インペラー85は回動軸831と連結するとともに、框体81の外部に位置するように形成される。これにより、駆動装置84によって磁気導引部材821の電流の方向を制御することができるため、磁性部材832と磁束鎖交の作用が生じてローター構造83とインペラー85が回動して作動するのを駆動することができるようにとしたものがある。
【0006】
しかし、上述した従来の放熱ファン80は各種の電子製品に対して放熱を行おうとする時、放熱ファン80にはフレームの設計を有しないため、運転時においてインペラー85から生じる気流を上記電子製品に予定される発熱の部位まで有効に導引して集中させることができず、そのため、従来の放熱ファン80においては相変わらず放熱の効果がよくないなどの問題点があった。
【0007】
上述した従来の放熱ファン80におけるフレームを有しないことから生じる問題点を改善するべく、例えば図10を参照すると、内ローター式モーターを利用し、かつフレームを有する放熱ファン90を駆動する構造が掲示されている。放熱ファン90にはフレーム91、内ローター式モーター92、インペラー93および回路板94が含まれる。フレーム91にはプラスチック材料を利用して射出成形によってフレーム部911とモーターフレーム92が形成され、モーターフレーム912はフレーム部911の内側に位置するように形成される。内ローター式モーター92はモーターフレーム912の内部に結合され、内ローター式モーター92には回動軸921、磁性部材922とステータ923が含まれる。回動軸921の一端はモーターフレーム912の外部まで伸出するように形成され、磁性部材922は回動軸921に結合されてステータ923に位置合わせるように形成される。インペラー93は回動軸921の一端に結合されてモーターフレーム912の外部に位置するように形成される。回路板94はステータ923に電気的に接続される。これにより、内ローター式モーター92を利用してインペラー93が回動して作動するのを駆動することができるため、予定される放熱の作用を提供できるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中華民国新型公告第488497号公報
【特許文献2】中華民国公開第200744290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような従来の放熱ファン70においては、回動の安定性が比較的劣るとともに、回転速度が比較的低いなどの問題点があった。また、上記のような従来の放熱ファン80においては、フレームの設計を有しないため、運転時においてインペラー85から生じる気流を電子製品に予定される発熱の部位まで有効に導引して集中させることができないため、放熱の効果がよくないなどの問題点があった。
【0010】
さらに、上記のような従来の放熱ファン90においては、放熱ファン90は主に射出成形の方式によってフレーム91を形成するため、フレーム91の設計を利用してインペラー93が運転時において生じる気流を導引して集中させることはできる。しかし、フレーム91のモーターフレーム912はプラスチックの材料を利用して射出成形によって作成されるため、回路板94によりステータ923と磁性部材922との間に磁束鎖交の作用が生じるのを制御する過程において、モーターフレーム912そのものは磁気封止の作用を提供することができず、そのため、磁束漏洩の現象が生じ易くなるとともに、電磁妨害の問題も生じ易くなるため、インペラー93の運転時の功能に影響を及ぼし、ひいては従来の放熱ファン90の放熱効果が低くなるという問題点があった。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みて発明されたものであって、その主な目的とするところは、内ローター式モーターを利用して駆動を行うことにより、磁束漏洩の現象が生じるのを有効に防止することができるとともに、電磁妨害の問題が生じるのを抑えることができる内ローター式放熱ファンを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明による内ローター式放熱ファンは、フレーム、シールケーシング、内ローター式モーター、インペラーおよび回路板を有する。フレームには框体と固定座が形成され、框体の両端にはそれぞれ風入口と風出口が形成される。風入口と風出口との間には気流通路が形成され、固定座と框体との間は複数個の連接部材によって互いに連接するように形成される。シールケーシングは磁気導引性材料により作成される中空框体からなり、シールケーシングの一端には結合部が形成され、結合部はフレームの固定座に結合される。内ローター式モーターはシールケーシングの内部に設置され、内ローター式モーターにはローターとステータが含まれる。ローターは回動自在にステータの内に収容され、ローターには回動軸と磁性部材が形成され、磁性部材は回動軸と結合してステータに位置合わせるように形成される。インペラーは回動軸と結合してシールケーシングの外部に位置するように形成される。回路板はステータと電気的に接続するように形成される。
【0013】
また、本発明による内ローター式放熱ファンは、シールケーシングの外周面に凹部が形成され、フレームの固定座はシールケーシングの外周面を被覆し、固定座の内周面に係止部が形成され、係止部とシールケーシングの凹部との間は互いに係止して結合するように形成することもできる。また、シールケーシングの内周面に凸部が形成され、ステータの外周面に位置決め溝が形成され、位置決め溝はシールケーシングの凸部を係止するように形成することもできる。また、フレームの固定座は内側の周壁に位置決め部を有するスリーブからなり、固定座の内部に位置決め部材とシールキャップが結合され、位置決め部材とシールキャップは互いに結合して位置決め部に当接するように形成され、回路板は位置決め部材とシールキャップとの間に設置され、位置決め部材により回路板とステータが隔離されるように形成することもできる。また、フレームの固定座は内側の周壁には当接部を有するスリーブからなり、シールケーシングの結合部は当接部に当接するように形成することもできる。また、シールケーシングの結合部には拡径部が形成されることにより、シールケーシングの外周壁には段部が形成され、フレームの固定座の内側の周壁には位置決め部が形成され、段部と位置決め部は互いに係止して結合するように形成することもできる。また、シールケーシングの拡径部の底部の縁端には複数個の突出フックが形成されることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1の内ローター式放熱ファンによれば、内ローター式モーターを利用してローターとインペラーの回動の作動を安定化することができ、またフレームを合わせて利用して上記インペラーから生じる気流を有効に導引して集中させることができ、さらにシールケーシングによって磁気封止の作用を提供して磁束漏洩の現象が生じるのを避けることができるとともに、電磁妨害の問題が生じるのを抑えることができ、全体の放熱の効果をより一層高めることができる。
【0015】
本発明の請求項2の内ローター式放熱ファンによれば、シールケーシングは固定座に対して任意に回動したりまたは脱落したりするのを確保することができるため、上記シールケーシングと上記固定座との間の結合の安定性を高めることができる。
【0016】
本発明の請求項3の内ローター式放熱ファンによれば、ステータがシールケーシングの内部において任意に回動するのを確保することができるため、組立の便利性を高めることができる。
【0017】
本発明の請求項4、5の内ローター式放熱ファンによれば、ステータが作動時において生じる高熱から回路板の放熱効果に影響を及ぼしてしまうのを避けることができるため、上記回路板における各種の電子部材が損壊してしまうのを有効に防止することができる。
【0018】
本発明の請求項6、7、8、9の内ローター式放熱ファンによれば、シールケーシングと固定座との間の結合の安定性をより一層高めることができる。
【0019】
本発明の請求項10の内ローター式放熱ファンによれば、同様にシールケーシングと固定座との間の結合の安定性をより一層高めることができる。
【0020】
本発明の請求項11の内ローター式放熱ファンによれば、回路板などの部材が脱落するのを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態による内ローター式放熱ファンの分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態による内ローター式放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態による内ローター式放熱ファンの分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態による内ローター式放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態による内ローター式放熱ファンの図4のA−A線に沿った断面図である。
【図6】図6は、本発明の第3実施形態による内ローター式放熱ファンの分解斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態による内ローター式放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図8】図8は、従来の外ローター式モーターを用いて駆動する放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図9】図9は、従来の内ローター式モーターを用いて駆動する放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図10】図10は、従来のフレームを有する内ローター式モーターを用いて駆動する放熱ファンによる組み立てられた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の第1実施形態の内ローター式放熱ファンによる分解斜視図、図2は本発明の第1実施形態の内ローター式放熱ファンによる組み立てられた状態の断面図である。図1、2を参照すると、本発明の第1の実施形態による内ローター式放熱ファンが掲示されており、内ローター式放熱ファンには主にフレーム1、シールケーシング2、内ローター式モーター3、インペラー4および回路板5が含まれる。
【0024】
フレーム1は射出成形によって作成することができる。シールケーシング2はフレーム1の内側に結合される。内ローター式モーター3はシールケーシング2の内部に設置される。インペラー4は内ローター式モーター3と連結するように形成される。回路板5は内ローター式モーター3に電気的に接続される。これにより、回路板5を利用して内ローター式モーター3がインペラー4を連動して回動するように作動するのを制御することができ、またフレーム1によってインペラー4が回動時に生じる気流を導引して集中させることができ、さらにシールケーシング2を利用して磁気封止の作用を提供し、磁束漏洩の現象が生じるのを避けることができるとともに、電磁妨害の問題が生じるのを抑えることができる。
【0025】
本発明の第1の実施形態におけるフレーム1には框体11と固定座12が形成される。框体11の両端にはそれぞれ風入口111と風出口112が形成され、風入口111と風出口112との間には気流通路113が形成される。固定座12は気流通路113内に形成され、かつ固定座12と框体11との間は複数個の連接部材13を利用して互いに連接することができる。それぞれの連接部材13は好ましくは框体11の風出口112に隣接するように形成され、そしてそれぞれの連接部材13は選択的にリブまたは静的羽根などの構造からなることができる。
【0026】
再び図1を参照すると、固定座12は好ましくは両端においてそれぞれ開口を有するスリーブからなり、上記スリーブの内側の周壁にはそれぞれ当接部121と位置決め部122が形成され、当接部121または位置決め部122はそれぞれ環状フランジまたは複数個の突出体などの構造設計からなることができる。また、固定座12の内部には好ましくは位置決め部材14とシールキャップ15が結合され、その中に位置決め部材14は第一軸受け16が結合するのに用いられ、そして位置決め部材14とシールキャップ15は互いに係止して結合することができるとともに、位置決め部122に当接して安定した結合の作用を獲得することができる。
【0027】
本発明の第1実施形態におけるシールケーシング2は磁気導引性の材料により作成される中空框体からなり、シールケーシング2の一端には結合部21が形成され、結合部21はフレーム1の固定座12と結合して当接部121に当接するように形成される。その他に、シールケーシング2において風入口111と風出口112に向いている両端にはそれぞれ第一開口22と第二開口23が形成され、それにより、内ローター式モーター3の組立作業を行うのに便利になる。その中に、第一開口22にはさらに収容室221が形成され、収容室221は第二軸受け222と結合するのに用いられる。
【0028】
本発明の第1実施形態における内ローター式モーター3はシールケーシング2の内部に組み立てられ、さらに内ローター式モーター3にはローター31とステータ32が含まれる。ローター31は回動自在にステータ32の内に収容され、さらにローター31には回動軸311と磁性部材312が形成される。回動軸311の一端は第一開口22を経由してシールケーシング2の内部まで貫穿して通過するように形成され、さらに回動軸311の他端は第二開口23を経由して位置決め部材14の内まで伸び入れるように形成される。これにより、回動軸311はそれぞれ第一軸受け16および第二軸受け222と互いに結合することができるため、第一軸受け16と第二軸受け222によってスムースに回動することができる。磁性部材312は回動軸311の外側の周面に直接固定されることにより、磁性部材312はステータ32と位置合わせるように形成される。
【0029】
本発明の第1実施形態におけるインペラー4は回動軸311の一端に結合され、そしてインペラー4はシールケーシング2の外部に位置するように形成される。その他に、回路板5は位置決め部材14とシールキャップ15との間に設置され、回路板5はステータ32に電気的に接続される。その中に、位置決め部材14は回路板5を固定するのに用いられ、そして回路板5の取り付け位置とステータ32の取り付け位置は位置決め部材14によって分離されることにより、ステータ32の作動時に生じる高熱が回路板5の放熱効果に悪影響を及ぼしてしまうのを避けることができ、さらにシールキャップ15を利用して回路板5が脱落するのを有効に防止することができる。
【0030】
本発明の内ローター式放熱ファンを作成する時、フレーム1は好ましくは選択的にプラスチック材料により作成され、そして射出成形を利用して框体11と固定座12を形成し、さらに射出成形の過程においてシールケーシング2を合わせて射出成形作業に使用される金型の中に直接置き入れることにより、固定座12が成形した後、固定座12はシールケーシング2の結合部21を直接被覆するように形成されるため、シールケーシング2と固定座12との両者の間は固定するように形成される。或いは、事前に射出成形の方式によってフレーム1を形成した後、再びシールケーシング2の結合部21をしまりばめによる結合方式で固定座12の内側に固定して当接部121に当接させることができる。そして、フレーム1とシールケーシング2との組立の作業を完成した後、直ちに内ローター式モーター3関係の部材をシールケーシング2の内部に組み立てることができ、それから合わせてインペラー4と回路板5などの部材を組み立てることにより、本発明の内ローター式放熱ファンを構成することができる。
【実施例2】
【0031】
図3は本発明の第2実施形態による内ローター式放熱ファンの分解斜視図で、図4は本発明の第2実施形態による内ローター式放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。図3、4を参照すると、本発明の第2実施形態の内ローター式放熱ファンが掲示されており、内ローター式放熱ファンには同様にフレーム1’、シールケーシング2’、内ローター式モーター3、インペラー4および回路板5が含まれる。そして、フレーム1’、シールケーシング2’、内ローター式モーター3、インペラー4および回路板5は上述した第1実施形態に掲示されている構造と大体同じであるが、その主な差異は以下のとおりである。
【0032】
シールケーシング2’において、パンチングの方式を利用してシールケーシング2’の外周面に凹部24を形成し、またシールケーシング2’の内周面において相対するように凸部25を形成し、さらにステータ32’の外周面において位置決め溝321を形成することができる。図5は本発明の第2実施形態による内ローター式放熱ファンの図7のA−A線に沿った断面図である。図5を参照すると、射出成形の方式を利用してフレーム1’を形成することにより、固定座12が成形された後、固定座12が直接シールケーシング2’の外周面に被覆される時、上述したシールケーシング2’の構造の設計によって固定座12の内周面にはさらに係止部123が形成される。係止部123とシールケーシング2’の凹部24との間は互いに係止した結合状態が形成されることにより、シールケーシング2’が不用意に脱落したり回動したりするのを回避することができる。その他に、ステータ32’がシールケーシング2’の内部に取り付けられる時、ステータ32’の位置決め溝321を合わせてシールケーシング2’の凸部25を係止することにより、ステータ32’がシールケーシング2’の内部において不用意に回動するのを防止することができるため、よりよい組立の便利性を提供することができる。
【実施例3】
【0033】
図6は本発明の第3実施形態による内ローター式放熱ファンの分解斜視図で、図7は本発明の第3実施形態による内ローター式放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。図6、7を参照すると、本発明の第3実施形態の内ローター式放熱ファンが掲示されており、内ローター式放熱ファンには同様にフレーム1”、シールケーシング2”、内ローター式モーター3、インペラー4および回路板5が含まれる。その中に、フレーム1”、シールケーシング2”、内ローター式モーター3、インペラー4および回路板5は上述した第1実施形態に掲示されている構造とは大体同じであり、その主な差異は下記のとおりである。
【0034】
シールケーシング2”の結合部21にはさらに拡径部211が形成され、拡径部211の底部の縁端には複数個の突出フック212が形成されることにより、シールケーシング2”の外周壁には段部213が形成される。また、フレーム1”において上述した第1実施形態に掲示されている当接部121が省かれた。射出成形の方式によってフレーム1”を形成することにより、固定座12が成形された後、固定座12がシールケーシング2’の外周面を直接被覆するように形成される時、固定座12の位置決め部122はシールケーシング2”の段部213と互いに係止した結合状態が形成されることにより、シールケーシング2”が任意に脱落したり回動したりしないのを確保することができる。その他に、回路板5、位置決め部材14とシールキャップ15がシールケーシング2”の内部に取り付けられる時、シールケーシング2”のそれぞれの突出フック212を折り曲げることにより、それぞれの突出フック212によって回路板5、位置決め部材14とシールキャップ15などの部材が脱落するのを有効に防止することができ、ひいてはよりよい結合の作用を提供することができる。或いは、シールケーシング2”は直接鋲着の方式によって回路板5、位置決め部材14とシールキャップ15などの部材を固定することができるため、組立の便利性を高めることができる。
【0035】
本発明の内ローター式放熱ファンを実際に使用する時、内ローター式放熱ファンを各種の電子製品の予定される発熱の部位に取り付けることができ、そしてフレーム1の風出口112は上記予定される発熱の部位に向くように配置できる。さらに回路板5を利用して内ローター式モーター3のステータ32とローター31の磁性部材312が磁束鎖交の作用を生じさせるのを制御することにより、ローター31の回動軸311は回動して作動するように形成されるため、さらに回動軸311を経由してインペラー4が回動して作動するのを連動することができる。これにより、インペラー4が回転する時、気流を導引してフレーム1の風入口111を経由して気流通路113に進入し、それから再び気流通路113を経由して気流を集中して集中風出口112から導出されることにより、上記電子製品に対して放熱の作用を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上述の如く、本発明の内ローター式放熱ファンによれば、内ローター式モーター3の特性を利用することによってローター31とインペラー4の回動の作動を有効的に安定化にし、そしてその回転速度を高めることができ、さらにフレーム1を利用してインペラー4から生じる気流を有効に導引して集中させることにより、放熱ファンの全体の放熱効果を高めることができる。さらに最も重要なのは、内ローター式モーター3はシールケーシング2、2’の内部に取り付けられているため、回路板5の制御によってステータ32、32’と磁性部材312との間に磁束鎖交の作用が生じられる過程において、シールケーシング2、2’そのものは磁気封止の作用を提供することにより、磁束漏洩の現象が生じるのを有効に避けることができるため、インペラー4の運転の功能には影響を受けることなく、さらに電磁妨害が生じるのを防止することができるため、全体の放熱の効果を高めることができる。
【0037】
本発明は、その精神とび必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は例示的なものであり、限定的なものではない。
【符号の説明】
【0038】
1、1’、1” フレーム
11 框体
111 風入口
112 風出口
113 気流通路
12 固定座
121 当接部
122 位置決め部
123 係止部
13 連接部材
14 位置決め部材
15 シールキャップ
16 第一軸受け
2、2’、2” シールケーシング
21 結合部
211 拡径部
212 突出フック
213 段部
22 第一開口
221 収容室
222 第二軸受け
23 第二開口
24 凹部
25 凸部
3 内ローター式モーター
31 ローター
311 回動軸
312 磁性部材
32、32’ ステータ
321 位置決め溝
4 インペラー
5 回路板
70 放熱ファン
71 フレーム
711 軸管
712 軸受け
72 ステータ
73 回路板
74 ローター
741 回動軸
742 インペラー
743 永久磁石
80 放熱ファン
81 框体
811 第一框体
812 第二框体
82 ステータ構造
821 磁気導引部材
83 ローター構造
84 駆動装置
85 インペラー
90 放熱ファン
91 フレーム
911 フレーム部
912 モーターフレーム
92 内ローター式モーター
921 回動軸
922 磁性部材
923 ステータ
93 インペラー
94 回路板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(1)、シールケーシング(2)、内ローター式モーター(3)、インペラー(4)および回路板(5)を有する内ローター式放熱ファンにおいて、フレーム(1)には框体(11)と固定座(12)が形成され、框体(11)の両端にはそれぞれ風入口(111)と風出口(112)が形成され、風入口(111)と風出口(112)との間には気流通路(113)が形成され、固定座(12)と框体(11)との間は複数個の連接部材(13)によって互いに連接するように形成され、シールケーシング(2)は磁気導引の材料により作成される中空框体からなり、シールケーシング(2)の一端には結合部(21)が形成され、結合部(21)はフレーム(1)の固定座(12)に結合され、内ローター式モーター(3)はシールケーシング(2)の内部に設置され、内ローター式モーター(3)にはローター(31)とステータ(32)が含まれ、ローター(31)は回動自在にステータ(32)内に収容され、ローター(31)には回動軸(311)と磁性部材(312)が形成され、磁性部材(312)は回動軸(311)と結合してステータ(32)に位置合わせるように形成され、インペラー(4)は回動軸(311)と結合してシールケーシング(2)の外部に位置するように形成され、回路板(5)はステータ(32)と電気的に接続するように形成されることを特徴とする内ローター式放熱ファン。
【請求項2】
シールケーシング(2’)の外周面には凹部(24)が形成され、フレーム(1’)の固定座(12)はシールケーシング(2’)の外周面を被覆し、固定座(12)の内周面には係止部(123)が形成され、係止部(123)とシールケーシング(2’)の凹部(24)との間は互いに係止して結合するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項3】
シールケーシング(2’)の内周面には凸部(25)が形成され、ステータ(32’)の外周面には位置決め溝(321)が形成され、位置決め溝(321)はシールケーシング(2’)の凸部(25)を係止するように形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項4】
フレーム(1)の固定座(12)は内側の周壁に位置決め部(122)を有するスリーブからなり、固定座(12)の内部には位置決め部材(14)とシールキャップ(15)が結合され、位置決め部材(14)とシールキャップ(15)は互いに結合して位置決め部(122)に当接するように形成され、回路板(5)は位置決め部材(14)とシールキャップ(15)との間に設置され、位置決め部材(14)により回路板(5)とステータ(32)が隔離されるように形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項5】
フレーム(1)の固定座(12)は内側の周壁に位置決め部(122)を有するスリーブからなり、固定座(12)の内部には位置決め部材(14)とシールキャップ(15)が結合され、位置決め部材(14)とシールキャップ(15)は互いに結合して位置決め部(122)に当接するように形成され、回路板(5)は位置決め部材(14)とシールキャップ(15)との間に設置され、位置決め部材(14)により回路板(5)とステータ(32’)が隔離されるように形成されることを特徴とする請求項3記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項6】
フレーム(1)の固定座(12)は内側の周壁に当接部(121)を有するスリーブからなり、シールケーシング(2)の結合部(21)は当接部(121)に当接するように形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項7】
フレーム(1)の固定座(12)は内側の周壁に当接部(121)を有するスリーブからなり、シールケーシング(2’)の結合部(21)は当接部(121)に当接するように形成されることを特徴とする請求項3に記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項8】
フレーム(1)の固定座(12)は内側の周壁に当接部(121)を有するスリーブからなり、シールケーシング(2)の結合部(21)は当接部(121)に当接するように形成されることを特徴とする請求項4に記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項9】
フレーム(1)の固定座(12)は内側の周壁に当接部(121)を有するスリーブからなり、シールケーシング(2’)の結合部(21)は当接部(121)に当接するように形成されることを特徴とする請求項5に記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項10】
シールケーシング(2”)の結合部(21)には拡径部(211)が形成されることにより、シールケーシング(2”)の外周壁には段部(213)が形成され、フレーム(1”)の固定座(12)の内側の周壁には位置決め部(122)が形成され、段部(213)と位置決め部(122)は互いに係止して結合するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の内ローター式放熱ファン。
【請求項11】
シールケーシング(2”)の拡径部(211)の底部の縁端には複数個の突出フック(212)が形成されることを特徴とする請求項10に記載の内ローター式放熱ファン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−77963(P2010−77963A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154282(P2009−154282)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(597149629)建準電機工業股▲分▼有限公司 (53)
【Fターム(参考)】