説明

内燃機関に燃料特にLPGを供給する装置

内燃機関に燃料特にLPGの形態の燃料を供給する装置が、燃料を蓄えるタンク(1)と、タンクからエンジンへ燃料を輸送する手段(11)と、を備える。輸送手段(11)が作動位置に係合しているときに該輸送手段へ燃料が流れることを可能にするとともに、輸送手段(11)が離脱して作動位置から離脱されているときに該輸送手段(11)への燃料の流れを遮断する手段(26)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に燃料特にLPGを供給する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関からの排出ガスによって生じる汚染を低減することや、ガソリンおよびディーゼル以外の燃料を見出すことの必要性から、多くの自動車メーカーが「代替」燃料として知られている燃料を使って動力を与えるエンジンないし乗物を開発している。汚染排出ガスが少なく、世界的に容易に入手可能で、費用対効果が高いものと評価されている、最もよく知られた乗物用の代替燃料の一つは、通常プロパンとブタンの混合物からなるLPG(液化石油ガス)である。乗物への利用が大きく増えている他の代替燃料としては、LNG(液化天然ガス)、メタノール、およびエタノールがある。
【0003】
これらの燃料を乗物に使用する場合、特別なタンク/容器が必要とされる。LPGについては、LPGを加圧して液体の状態に保ち、気化することを防ぐタンク/容器を使うことが必要であり、LNGについては、LNGを加圧するだけでなく、断熱状態(燃料は、−163℃)に保つタンク/容器を使うことが必要であり、メタノールとエタノールについては、有毒ガスの漏れを防ぐ気密タンクを使用することが必要不可欠である。
【0004】
上記のように、LPGは、ガスであるが、輸送されるためおよび乗物で使用されるために、加圧タンク(通常、シリンダまたはボトルとして知られている)内で加圧されて液体の状態で貯蔵されていなければならない。このタンク/シリンダ内のLPGの圧力は、温度に依存して、0.5〜22バールの間で変化し得る。タンクの最大動作圧力は、国際基準により、27バールに設定されている。圧力がこの値を超えると、適切な逃がし弁装置が起動する。
【0005】
乗物での使用については、これまで長年使われているLPGタンクには、燃料の導入や充填の目的で使用されるとともに、安全基準を保証するために、全タンク容量の80%の充填リミットの範囲に維持するように、タンク内のLPG液面レベルを検出する、様々な形式のバルブないしマルチバルブ(周知のように様々な機能を1つに組み合わせた弁である)が取り付けられている。
【0006】
ほとんどの場合、燃料の注入や吸引の目的で使用されるこれらのバルブないしマルチバルブは、タンク/シリンダ内へ燃料を充填するための、逆止弁付き導入パイプと、乗物エンジンの停止時に自動的に遮断するソレノイド弁付きの、タンクから液体のLPGを引き出すための吸入パイプと、を備える。タンク/シリンダからのLPGの供給は、LPGが沸騰することによって生じるタンク/シリンダ内における圧力によって、液相中に没したマルチバルブ吸入パイプ内へLPGが流れることでなされる(内部の加圧された気相が、液相のLPGを吸入パイプの出口へ追い出す)。液相のLPGは、気相のLPGによって、「自然に」加圧され、さらに通常は、エンジンクーラントによって加熱されている減圧器/気化器に供給され、ここで液相から気相に変化し、適当な装置(電気的に制御可能な混合器あるいはソレノイド弁)を介してエンジンに供給される。
【0007】
近年ようやく、高機能同期シーケンシャルマルチポイント噴射システムを備えた最新世代のエンジンを提供するために、および最新のガソリン直噴エンジンを提供することを目的として、液相のLPGを噴射するシステムが開発されている。これらの新しいシステムは、気相のLPGを噴射しないので、減圧器/気化器を必要としないが、タンク/シリンダ内に電動ポンプが取り付けられている。この電動ポンプは、LPGを加圧して液相にするとともに、適切なマルチバルブおよびパイプシステムを介して、エンジンに設けられたコモンレールへ圧送する。このコモンレールは、各シリンダの吸気管内へシーケンシャル同期形式でLPGを供給する、液相LPG用の特別なインジェクタを備えている。
【0008】
簡単に言えば、液相LPG噴射システムは、ガソリン噴射システムと類似しているが、環境温度あるいは噴射システムから戻る高温燃料から強く影響を受けて常に圧力が変化している、全気密タンク/シリンダ内の燃料を制御しなければならないという大きな相違および複雑性を有する。この液体燃料(すなわちLPG)は、ある条件の下では極めて揮発性となり、沸騰/蒸発する危険がある。
【0009】
気相のLPGではなく液相のLPGを噴射できれば、エンジン性能や環境保護の観点で非常に有利である。加圧された液相の燃料は、高精度かつ高速度で噴射でき、かつ非常に低温の液化ガスが噴射されるときに急速に膨張してエンジンシリンダに良好に供給されるので、通常のガソリンシステムと比較して、エンジン効率が高まるだけでなく、大きな動力とトルクが得られ、しかもエンジンからの排出エミッションが大幅に減る。
【0010】
また、液相のLPGを噴射するシステムの制御では、エンジンの元のガソリン噴射システムとの電気/電子インタフェースが著しく簡単なものになる。液相のLPGを噴射することは、電気/電子インタフェースを非干渉的なものにできることを意味し、基本的に元のガソリン噴射システムの制御装置を使用して、現代の乗物が備えている、エンジンコントローラ、ABS、自動変速、ESP、トラクションコントローラ、空調、および特に車載型診断システムなどの多くのシステムとの「電子的衝突」の危険をなくすことができる。このことは、複雑な電気/電子インタフェースの調整が必要な、気相のLPGを噴射する現在のシステムと比較して、非常に有利であり、現在のシステムにおいては、通常、元のシステムに干渉してしまう接続と、乗物ごとにプログラムされる必要がある個別的なエンジンコンピュータ制御システムと、が必要とされ、常に存在する干渉の危険性が故障を招いてしまい、大きな問題にもなり得る。
【0011】
簡単には、液相のLPGを噴射するコモンレールシステムは、設置が非常に容易であり、複雑化している現代の乗物の電子制御システムとのインタフェースの問題を生むことなく、車載型診断システムとのすべての電子的衝突をなくし、エンジンの性能および排出を向上させ、さらには設置に必要な時間が短いので、交換コストを著しく抑える。
【0012】
しかし、液相のLPGを噴射することで得られる上記の明白な利点は、システムの信頼性が低いことによって、大きく相殺されてしまう。システムの信頼性が低いのは、LPG内に存在する種々の汚染物質によって実質的に生じる電動噴射ポンプの故障率が高いことによる。周知のように、電動LPG噴射ポンプ(ここで、燃料は、ロータや、電気モータの接点を通流し、クーラントとして機能する)にとって最も有害な汚染物質の一つは、しばしばLPG内に大量に存在する鉄の微粒子である。これらの鉄の微粒子は、LPGが生成されたとき(蒸留塔ないし天然ガス分離器)から、船、列車またはトラックによって輸送されて終点の貯蔵所やガソリンスタンドに到達するときまでに接触する様々なタンク、パイプおよび容器のすべてからの酸化物ダストおよび他の鉄/スチール破片微粒子からなり、その多くが10ミクロンより小さい。鉄の微粒子は、電動ポンプの接触部に大きな損傷を与え、短絡を生じさせる原因となり、さらには、インジェクタを詰まらせる原因にもなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6743365号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
加圧タンク/シリンダ内に配置されている電動LPGポンプを交換する必要があることは、重大な問題である。その理由は、乗物からタンク/シリンダを取り外してこのタンク/シリンダ内を空にし(極めて複雑な作業)、マルチバルブを取り外してからポンプを取り出し(通常、難しい作業)、ポンプケーシングアセンブリを分解して、欠点部品を交換すること(ほとんどの場合、フィルタの交換も含む)を必要とするからである。全体の作業は、入手が困難で非常に高価な設備を使って熟練者が長時間かけて行う必要があるので、間違いなくコストが高いものとなる。そのうえ、加圧された高可燃性燃料の移送などの、危険な関連作業が含まれている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、本発明は、添付の請求項1に記載の通りであって、燃料を供給する装置、特には内燃機関にLPGの形態の燃料(この方法は、LNGおよび他の燃料にも適するが)を供給する装置を提供する。この装置は、タンクからエンジンへ燃料を送る輸送エレメント(燃料ポンプを含むエレメント)を備え、この輸送エレメントは、バルブ(この場合、詳しくは、マルチバルブ)本体内にしかし燃料タンクの外側に取り付けられる。また、輸送エレメントがマルチバルブ内に置かれるまでは燃料が輸送されないようにするとともに、輸送エレメントがマルチバルブから離脱しているときは流出する燃料の流れを遮断する方法を含む。
【0016】
本発明が提示する方法によって、タンクを空にする必要なく、メンテナンスや修理のための燃料輸送エレメントの取外しを全体的に安全に行うことができ、これによって、作業が著しく容易になるとともに多くの時間が節約される。
【0017】
好ましくは、本発明のLPG供給システムは、充填ポイントとタンクとの間に配置された燃料濾過エレメントと、燃料輸送エレメントなどのエレメントと、を備える単一のデバイスに組み込まれ、これらのエレメントが、マルチバルブ本体の内側かつタンクの外側に配置されることによって、タンク内のフィルタの、清掃、メンテナンスおよび交換のために、タンクを空にすることなく、全体の取り外しが安全に行われ、これによって、作業が著しく容易になるとともに、多くの時間が節約されることを特徴とする。
【0018】
他の有利な態様によると、加圧された燃料(特にはLPG)のタンク用のマルチバルブ(多目的燃料導入・吸入弁)に組み込まれた内燃機関燃料供給システムが、別個の分離可能なケーシング内にフィードポンプおよび濾過エレメントを備えていることによって、タンクを減圧して空にすることなくメンテナンスや交換を行うことができる。この装置は、IMMISS(気密タンク噴射システム用一体型多目的マルチバルブ)と呼ばれる。
【0019】
本発明の供給システムの主な性能の特徴は、本発明の供給システムがマルチバルブに組み込まれ、これによって、加圧された、および/または揮発性の、および/または危険な液体を含む、乗物用のLPGタンクなどの容器(タンク)を空にするという長時間を要する複雑な作業を必要とせずに、マルチバルブの外側かつタンクの外側に設置されている電気燃料ポンプを、メンテナンスや交換の目的で取り外すことができる。
【0020】
本供給装置の燃料システムのさらなる利点は、同じくマルチバルブの内側かつタンクの外側に、鉄の微粒子材料を全体的に除去することができる特別の濾過システムを組み込んでいることであり、これによって、鉄の微粒子が燃料ポンプおよびインジェクタを破損させる問題や詰まらせてしまう問題を回避する。この濾過システムもまた、メンテナンスの際に、タンクを空にする必要なく容易に取り外せるものであり、2種類のフィルタが嵌め込まれている。一つは、機械的分離を行う従来のフィルタであり、もう一つは、LPG内に非常に多く存在する鉄の微粒子材料による汚染の痕跡をすべて除くことができる超強力永久磁石が嵌め込まれた高効率の磁気的分離器である。
【0021】
燃料ポンプに極めて有害な鉄の微粒子を全体的に除去することによって、ブラシ付き電動ポンプの信頼性が著しく向上するが、さらに重要なことは、新世代のブラシレスポンプの使用を可能にすることである。ブラシレスポンプは、磁界に敏感な汚染物質が存在する場合に、使用が困難となり得る。ブラシレスポンプを使用することができれば、供給燃料の圧力および流量を制御して急速な変化をさせることができる、単純かつ経済的な手段が得られるので、エンジン噴射システムにとって大きなブレークスルーとなる。上記の性能は、タンク内で急速な圧力変化を受けて非常に高圧にもなるLPGのような燃料が使用される場合、基本的に必要な性能である。ブラシレスポンプの他の重要な特徴としては、LPG内にしばしば存在するナトリウムなどの高腐食性の流体が存在する場合にも、問題なく機能することである。
【0022】
特には(本発明の供給装置の範囲を限定するものではないが)、本発明の内燃機関噴射装置は、加圧タンクおよび/または気密タンクを用いる、液体燃料および/または毒性燃料用のマルチバルブに組み込まれ、該マルチバルブの内側かつタンクの外側に燃料ポンプおよびフィルタを備えることによって、タンクから該マルチバルブを取り外す必要なく、従ってタンクを空にするという複雑で危険な作業を行う必要なく、メンテナンスや交換の目的で、これらの燃料ポンプおよびフィルタを取り外すことができる。
【0023】
簡単には、以下の詳細な説明は、本発明の噴射装置をLPGタンクに適用した場合で説明するが、本発明の性能の特徴は、LNG用の低温タンクや、メタノール、エタノールまたは他の毒性の液体燃料を貯蔵する気密タンクにも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】バイフューエルエンジン(液相LPGとガソリンのいずれかによって動力が与えられる)として知られる型式の内燃機関に燃料を供給するシステムを、本発明の好ましい実施例を用いて示す図(この方法は、ガソリン供給装置を除いて、LPGのみを供給する内燃機関つまりモノフューエル内燃機関にも使用することができる)。
【図2】本発明の装置の好ましい実施例を示す断面拡大図であり、LPGタンクに取り付けられたマルチバルブ本体が、燃料輸送エレメントのケーシングおよび濾過エレメントのケーシングを収容している。
【図3】内燃機関に燃料を供給する本発明の装置の好ましい実施例を示す断面図であり、LPGタンクに取り付けられたマルチバルブの内側のハウジング内に、燃料輸送エレメントのケーシングと濾過エレメントのケーシングが固定されている。
【図4】本発明の装置の好ましい実施例における燃料輸送エレメントがマルチバルブの内側のハウジング内に固定されているときの断面図。
【図5】本発明の装置の好ましい実施例における濾過エレメントがマルチバルブの内側のハウジング内に固定されているときの断面図。
【図6】本発明の装置の好ましい実施例におけるアセンブリの概略図であり、マルチバルブ内のハウジングから取り出されているときの燃料輸送エレメントのケーシング、濾過エレメントのケーシング、および燃料タンクの出口遮断弁が閉じているときを詳細に示す図。
【図7】本発明の装置の好ましい実施例におけるアセンブリの断面図であり、燃料輸送エレメントおよび/または濾過エレメントが取り外された後に挿入される燃料タンク安全装置を示す図。
【図8】本発明の装置の好ましい実施例におけるアセンブリの概略図であり、燃料輸送エレメントおよび濾過エレメントの代わりにハウジング内に位置する燃料タンク安全装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、内燃機関に用いる典型的なバイフューエルシステム(この場合、ガソリンと液相のLPG)を示す図であり、燃焼室、ピストン、バルブおよびスパークプラグとともにエンジンのシリンダブロック44を概略的に示している。
【0026】
液相のLPGを供給するシステムは、タンク1と、輸送エレメントおよび輸送パイプ19用のハウジング14を有するマルチバルブ2と、を備えている。LPGが、この輸送エレメントおよび輸送パイプ19を通って、複数のインジェクタ33(電子コントロールユニット(ECU)43に適切に接続されている)を有するコモンレール32へ圧送され、この複数のインジェクタ33は、燃焼室44内へ延びている吸気管内へ燃料を供給する。コモンレール32に送られた過剰なLPGは、リターンパイプ34を通ってLPGタンク1へ戻るように再循環され、(タンクへ向かう)一方通行の通常の逆止弁を介して、タンク1内へ戻される。
【0027】
図に示すように、このエンジンは、また、同様に燃焼室44へ延びている吸気管内に位置するインジェクタ45を介して供給されるガソリンによって動力が与えられる。このインジェクタ45には、タンク48内でガソリン中に没しているポンプ47に接続されたガソリンパイプ46を通してガソリンが供給される。
【0028】
ECU43は、複数のデバイス(センサ)が検出したデータを、自動車メーカーが提供した制御・診断ソフトウェアに従って処理し、液相のLPGあるいはガソリンのいずれかの燃料の量を決め、これを燃焼室44内へ噴射させる。燃料の選択は、ECU43がインジェクタ45あるいはLPGインジェクタ33を起動させるための特定のスイッチ35を使って行われる。
【0029】
ECU43は、また、バー20に設けられた燃料レベルセンサから受けた信号を処理し、これを使ってタンク1が80%まで一杯になったときに充填を停止し、さらにバイフューエルシステムの場合、LPGが最低液面レベルに達したときにガソリン噴射に自動的に切換える。
【0030】
符号10は、充填コネクタからタンク1へ延びているLPG充填パイプを示す。
【0031】
図2に示す本発明の好ましい実施例においては、LPGタンク1にマルチバルブが取り付けられている。このマルチバルブは、LPGタンク自体に溶接されてこれとの一体化部分を形成している適切なフランジ1aを介して、LPGタンク1に固定されており、輸送エレメント11および濾過エレメント4の両方が、このフランジに着脱可能に接続する。
【0032】
図2に示すように、このマルチバルブの新しい特徴は、このマルチバルブが2つの円筒形ハウジング7,14を備え、これらのハウジング7,14が、2つのシリンジ型の濾過エレメント4および輸送エレメント11を収容することである。
【0033】
輸送エレメント11および濾過エレメント4に関してマルチバルブ2の実施例を以下に説明するが、この説明は、本発明を実施し得る多くの技術的方法のうちの1つであり、これ以外の技術的方法を用いて本発明を実施することもできる。
【0034】
図2に示すように、マルチバルブ2本体に、濾過エレメント4用の円筒形ハウジング7と、輸送エレメント11用の円筒形ハウジング14と、の両方が固定されている。これらの円筒形ハウジング7,14は共に、各々に取り付けられたシールフランジ8,15を有し、これらのシールフランジ8,15の内側には、濾過エレメント4あるいは輸送エレメント11とのインタフェース手段が形成されている。以下にさらに詳しく説明するように、このインタフェース手段と、シールフランジ8,15の機能および円筒形ハウジング7,14の機能と、を一緒に用いることにより、タンク1内の液体を外部環境から隔離して貯蔵することができる。
【0035】
濾過エレメント4は、フランジ6によって底部が閉塞された円筒形容器からなり、この円筒形容器の下部においては、ハウジング7とのインタフェースを行い、これの上部は、マルチバルブ2本体に挿入されてシールヘッド5で固定されるように構成され、さらには、充填パイプ10との接続部を有している。
【0036】
図5に詳しく示すように、濾過エレメントのシールヘッド5は、マルチバルブ2の内側に形成された保持ハウジング3a内に着座した状態では、O−リング31と協働して、マルチバルブ本体自体との気密シールを提供する。シールヘッド5は、マルチバルブ2本体に対して、保持ハウジング3a内に部分的に形成されたねじ山の手段によって、あるいは同じ安全レベルを与え得るロックリングなどの手段によって、固定することができる。
【0037】
また、輸送エレメント11は、フランジ13によって底部が閉塞された円筒形容器からなり、この円筒形容器の下部においては、輸送エレメントハウジング14とのインタフェースを行い、これの上部は、上側シールヘッド12でマルチバルブ2本体に固定されるように構成され、さらには、LPGの輸送を遮断するソレノイド弁17と、LPGの輸送を遮断する手動弁18と、LPG輸送パイプ19との接続部と、を備えている。
【0038】
図4にさらに詳しく示すように、輸送エレメントのシールヘッド12は、マルチバルブ2の内側に形成された保持ハウジング3b内に着座した状態では、O−リングと協働して、マルチバルブ本体自体との気密シールを与える。シールヘッド12は、マルチバルブ2本体に対して、保持ハウジング3b内に部分的に形成されたねじ山の手段によって、あるいは同じ安全レベルを与え得るロックリングなどの手段によって、固定することができる。
【0039】
図3は、対応するハウジング7内に着座して固定されている濾過エレメント4と、対応するハウジング14内に着座して固定されている輸送エレメント11と、を備えるマルチバルブを示す。濾過エレメント4は、LPG充填パイプ10と接続しており、輸送エレメント11は、コモンレール32に供給するLPG輸送パイプ19と接続している。
【0040】
特に有利な態様においては、図4および図6を参照して以下に詳しく説明するように、輸送エレメント11がハウジング14内に位置しているときにタンク1から輸送エレメント11へ燃料が流れることを可能にするとともに、輸送エレメント11がハウジング14から離脱しているときに燃料の流れを遮断するように設計された手段を備えている。
【0041】
特に有利な態様においては、図5および図6を参照して以下に詳しく説明するように、濾過エレメント4がハウジング7内に位置して燃料が補給されているときに充填パイプ10から濾過エレメント4を介してタンク1内へ燃料が流れることを可能にするとともに、濾過エレメント4がハウジング7から離脱しているときにタンクから外部へ流れる燃料の流れを遮断するように設計された手段を備えている。
【0042】
図3は、本発明の装置の他の特徴も示しており、吸入パイプ16によって、輸送エレメント11とタンク1とが接続され、この吸入パイプの長さは、タンクからできるだけ多くの燃料を引き出すことができるように長くする必要がある。この吸入パイプで燃料を引き出せなくなるほどタンク内の液面レベルが低下する前に、低い燃料液面レベルを常に示すことができるように、赤外線式の最低液面レベルセンサ20bは、この吸入パイプの入口位置よりも高い位置となるように、吸入パイプ16の入口に対して適切に配置されていなければならない。このように、吸入パイプ16の長さおよびレベルセンサ20bの位置は、輸送エレメント11内のポンプ27の乾燥状態での運転、ひいては、燃料のない状態で作動することによって生じ得る故障や早期の破損を回避することに関連する。
【0043】
図3は、さらに、本装置の好ましい実施例における他の有利な面を示す。これは、燃料の補給中に燃料の輸送を遮断する80%フルレベルセンサ21とソレノイド弁9によって実施される。LPGタンクが80%フルレベルよりも少ないことをレベルセンサ21が示しているときにのみ、ECU43がソレノイド弁9を開いている。燃料の補給中に、LPGがセンサ21の液面レベルに達してタンク1が容量の80%まで一杯になったことを示すと、ECU43がソレノイド弁9を遮断し、タンク内へLPGがさらに注入されないようにする。
【0044】
図4は、ポンプ27が、輸送エレメント11内にどのように配置され、ヘッド12とどのように接続されるかを詳しく示すものであり、燃料出口パイプ29は、ヘッド12の内側に形成されたハウジング内へ挿入され、さらに、マルチバルブ本体2の一部を形成している円筒形ハウジング14内に固定された輸送エレメント11内へ挿入されている。
【0045】
特に有利な態様においては、タンク1から流出してポンプ27内へ流入する燃料についての濾過部材28は、ポンプ27の上流において輸送エレメント11内に配置されている。
【0046】
有利には、タンク1から流出する燃料についての濾過部材28は、燃料ポンプ27の上流かつ逆止弁26の下流に配置されている。
【0047】
有利には、この濾過部材28は、特に鉄の微粒子などの強磁性体捕集エレメントの形式である。
【0048】
有利には、この濾過部材28は、高効率の永久磁石が設けられた磁気的捕集エレメントの形式である。
【0049】
この目的に対して、例えば、特許文献1が開示している濾過システムのような、種々の磁気的分離器28を使用することができる。簡潔のために、フィルタ28は、詳細には記していない。
【0050】
なお、バルブスプリングの力の大きさを上回ったとき、逆止弁26のシャッタが開き、タンク1からポンプ27へ燃料が流れることが可能になることに留意されたい。これは、コネクタ嵌合部内へ挿入され、輸送エレメント11のシールフランジ13の一部を形成するプッシュ式オープンエレメント25によって、シャッタ26が直接的に動かされることによる。直接的にねじ込むか或いはロックリングの締め付けにより、輸送エレメント11の上部シールヘッド12をマルチバルブ2の保持ハウジング3b内へ締結させることによって、対応するハウジング14に輸送エレメント11が固定されているときにのみ、逆止弁26のシャッタが開かれている。
【0051】
対応するハウジング14内に輸送エレメント11が固定されると、タンク1に蓄えられているLPGは、吸入パイプ16内へ自由に流れ込むことができ、ここから、シャッタ25が開いている逆止弁26へ流れ、さらに磁気的フィルタ分離器28を通ってポンプ27に到達し、このポンプ27において加圧され、パイプ29を通り、LPG輸送パイプ19へ圧送され、さらに、LPGインジェクタレール32へ圧送される(この流れは、ECU43がソレノイド弁17を開かせているときに可能となる)。この方法によると、本システムの本質的な安全性は、乗物のダイナミックセンサ(慣性スイッチを含む)のすべてに接続しているECU43の作動に依存して保証されている。ECU43は、事故の発生時に、インジェクタ、燃料ポンプ27およびLPG輸送遮断弁17(通常は閉じている)へ燃料が供給されないようにし、従って、輸送パイプ19へLPGが供給されないようにする。他の安全部品としての手動弁18は、ECU43を無効にしつつ、タンク1から輸送パイプ19ないしインジェクタレール32へ供給される燃料を手動で遮断するために使用することができ、これによって、輸送パイプ19,34のメンテナンスを行うことができる。
【0052】
図5は、濾過デバイス22,23が円筒形の濾過エレメント4内にどのように配置され、この円筒形の濾過エレメント4が、マルチバルブ2本体の一部を形成している円筒形ハウジング7内にどのように固定されているかを詳しく示している。この図に示す通り、特に有利な逆止弁24は常閉型のシャッタを備えており、このシャッタは、逆止弁自体のスプリングのみでなく、タンク1内の圧力によって閉められることに留意されたい。逆止弁の下流に位置するソレノイド弁9も通常は閉じているが、80%フルレベルセンサ21がECU43に信号を与え、このECU43が、タンク内へ燃料が充填されることを許可すると、充填パイプ10からタンク1内へ独占的に燃料が流れることが可能になる。ECU43は、レベルセンサ21から許可信号を受けると、ソレノイド弁9を開かせ、その結果、図5に示すように、充填ポンプ10からの高圧によって逆止弁24のシャッタが開き、タンク1内へLPGが流れることが可能となる。燃料は80%フルレベルに達するまでタンク内へ注入され続け、80%に達したことをセンサ21が検出すると、このセンサ21は、ECU43へ信号を送り、このECU43は、ソレノイド弁9を閉じ、タンク1内へ燃料が注入され続けることを止める。マルチバルブ2本体から濾過エレメント4を取り出す必要があるとき、充填弁、および濾過エレメント4のヘッド5を介して充填パイプ10および濾過エレメント4内に存在する少量のLPGが放出されるが、逆止弁24のシャッタはスプリングのみでなく、タンク1内の圧力で閉じ、この逆止弁24のシャッタによってタンクが封止されるので、タンクからLPGを漏らすことの危険なく、濾過エレメント4のヘッド5を、マルチバルブ2本体から簡単に取り外すことができる。
【0053】
本発明の特徴は、タンク1内へ注入される燃料についての二重濾過システムを備えていることである。充填パイプ10を流れる燃料が通過する第1のフィルタシステムは、6〜3ミクロンまでの固体粒子の通過を防ぐガラス繊維濾過エレメントを有するカートリッジ22からなる、周知な形式のメカニカルフィルタである。流入する燃料を濾過する手段は、さらに、第1のメカニカルカートリッジフィルタ22の下流に、第2の濾過部材23を有利に備え、タンク1内へ注入される燃料についてのこの第2の濾過部材23は、1ミクロンよりも小さい金属粒子を分離するように設計された磁気的捕集手段の形式である。これは、図4を参照して説明した濾過手段の一部を形成しているものとほぼ同じ型式のものであるので、ここで再び詳しく説明しない。
【0054】
図6は、輸送エレメント11のケーシングおよび濾過エレメント4のケーシングが、対応するハウジング14,7から、素早く、簡単に、かつ安全に取り外せる形式のものであることを示す。LPG輸送パイプ19とLPG充填パイプ10とを取り外すと、(ネジあるいはロックリングのいずれかの締結システムによって所定の位置に保持されている)輸送エレメント11および濾過エレメント4は、取り出せる状態となり、種々のメンテナンスあるいは修理のために、燃料タンク1からこれらのデバイスの両方を容易に取り出すことができる。
【0055】
この状態では、逆止弁26,24は閉じていて、タンク1内の燃料は密閉されている。
【0056】
輸送エレメント11がハウジング14から取り出されるとき、逆止弁26のシャッタは、輸送エレメント11の一部を形成しているプッシュ式オープンエレメント25との係合が外れると、逆止弁26自体のスプリングの圧力と、タンク内の圧力とによって、閉位置に保たれる。すなわち、逆止弁26のシャッタは、逆止弁26自体のスプリングの圧力と、タンク内の圧力とによって、通常、閉位置に保たれている。
【0057】
実際には、輸送エレメント11について必要な仕事は、ヘッド12と輸送パイプ19とを分離し、ハウジング14から輸送エレメント11を取り出すだけである。
【0058】
他方で、濾過エレメント4について必要な仕事は、ヘッド5とLPG充填パイプ10とを分離し、ハウジング7から濾過エレメント4を取り出すだけである。
【0059】
有利には、輸送エレメントの保持ハウジング3bは、ハウジング14から輸送エレメント11を取り外すときに逆止弁26からのハウジング14内のLPGを放出させるための圧力逃がし孔30を有する。この逃がし孔30は、輸送エレメント11の取り外しが安全に行われるように、システムから少しずつ安全にLPGが解放されるように設計されている。
【0060】
圧力逃がし孔30は、輸送エレメント11のヘッド12が保持ハウジング3bから離脱するとき、ねじ切り加工部あるいはロックリングによる締結システムから完全に離れる前に機能し、ヘッド12内の保持ハウジング3b内にORシール31が残っている間、LPGの圧力をゆっくりと安全に解放させることができる。
【0061】
図7には、装置のメンテナンスのために濾過エレメント4ないし輸送エレメント11あるいは双方が取り外されたときの2つの燃料タンク安全装置36,37を示しており、弁シャッタの接触面に不純物あるいは破片が挟まっていてタンク1から燃料が漏れるような場合に、タンク1から逆止弁24,26を通ってガスが漏れることを防ぐ。
【0062】
図8から推察されるように、安全装置36,37は、濾過エレメント4あるいは輸送エレメント11の代わりに素早く配置され、このとき、ヘッド39は、マルチバルブ2本体内の保持ハウジング3a,3b(図7参照)内に位置している。また、閉鎖手段に適合するシールエレメントすなわちシール38が配置され、このシール38は、一方では、逆止弁24のシャッタと連通するパイプを封止しており、他方では、逆止弁26のシャッタと連通するパイプを封止している。これらの安全装置36,37は、手動逃がし弁40を備え、この手動逃がし弁40は、マルチバルブ2本体から取り外す前に開けられて、ハウジング内に残存する種々のガスを放出させることが必要である(残存ガスは、少量であっても、逃がし孔42および出口41を介して放出させることができる)。
【0063】
これらの安全装置36,37は、装置のメンテナンスや修理の間に使われる必要がある。
【0064】
上述した本発明は、工業的な用途に応じて、本発明の趣旨の範囲から逸脱することなく、さまざまな変形および構成がなされる。さらに、本発明の詳細のすべては、技術的に等価なエレメントで置き換えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を貯蔵するタンク(1)を有し、
内燃機関(44)に燃料特にLPGまたはLNGの形態の燃料を供給する装置であって、
タンク(1)からエンジン(44)へ燃料を送る輸送手段(11)と、
輸送手段(11)が作動位置に係合しているときに燃料の流出を可能にし、輸送手段(11)が作動位置から離脱して外れているときに燃料の流れを遮断する手段と、
を備える装置。
【請求項2】
タンク(1)から燃料が流出することを可能にする輸送手段(11)は、対応する弁手段(26)を介して接続されることを特徴とする請求項1または請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項3】
輸送手段(11)への燃料の通路を開閉する手段(25)を備えることを特徴とする請求項1および2のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項4】
弁手段(26)は、逆止遮断弁(26)の形式であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
輸送手段(11)への燃料の通路を開閉する手段(25)は、弁手段(26)に直接的に作用することを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
輸送手段(11)への燃料の通路を開く手段は、逆止弁(26)を押して開く手段(25)の形式であることを特徴とする請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
輸送手段(11)への燃料の通路を開く手段は、該輸送手段(11)と一体化していることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
輸送手段(11)は、タンク(1)の格納壁の間に挿入されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項9】
輸送手段(11)は、タンク(1)に係合および離脱可能に接続されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項10】
輸送手段(11)は、燃料の推進手段(27)を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
輸送手段(11)は、タンク(1)から流出する燃料についての濾過手段(28)を、磁気的捕集手段の形式で備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項12】
タンク(1)から流出する燃料についての濾過手段(28)は、輸送ポンプ(27)の上流に配置されることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
タンク(1)から流出する燃料についての濾過手段(28)は、タンクから燃料が流出することを可能にする弁(26)の下流に配置されることを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
タンク(1)から流出する燃料についての濾過手段(28)は、金属粒子を捕集する手段の形式であることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
輸送手段は、ケーシング(11)に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
ケーシング(11)は、タンク(1)に係合および離脱可能に接続されることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
ケーシングは、タンク(1)の格納壁の間に挿入されることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
ケーシング(14)は、輸送手段(11)を収容する中空の円筒形ケーシング(14)の形態であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
ポンプ(27)への燃料の通路を開く手段は、ケーシング(11)の一端部(25)で画定されていることを特徴とする請求項3〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
ケーシング(11)は、シールフランジ(13)に組み込まれかつ通路開通手段(25)を画定している端部延長スリーブを有することを特徴とする請求項3〜19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
マルチバルブ(2)本体内に組み込まれ、かつ別の締結エレメントと協働して輸送手段のケーシング(11)を取り付ける手段(3b)を備えることを特徴とする請求項15〜20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
輸送手段(11)を収容する手段(14)を備えることを特徴とする請求項1〜21のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項23】
輸送手段(11)を収容する手段(14)は、タンク(1)内へ延びていることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
輸送手段(11)を収容する手段(14)は、タンク(1)から輸送手段(11)を分離する手段を構成していることを特徴とする請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
輸送手段(11)を収容する手段(14)は、タンク(1)から燃料が流出することを可能にする弁手段(26)を備えることを特徴とする請求項22〜24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
輸送手段(11)を収容する手段(14)は、マルチバルブ(2)本体と一体化していることを特徴とする請求項22〜25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
輸送手段(11)を収容する手段(14)は、中空の円筒形ケーシングの形態であることを特徴とする請求項22〜26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
輸送手段(11)を収容する手段(14)は、輸送手段(11)を挿入することができる開口端を有することを特徴とする請求項22〜27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
収容手段(14)は、輸送手段が離脱されるときに、収容手段(14)内で加圧されて存在し得る燃料の放出手段(30)を備えることを特徴とする請求項22〜28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
輸送手段が離脱されるときに加圧されて存在し得る燃料の放出手段(30)は、ポンプヘッド(12)を収容するハウジング(3b)の中へ延びて、マルチバルブ(2)本体内に形成されていることを特徴とする請求項22〜29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
タンク(1)から流出する燃料の流れを制御する弁手段を備え、この弁手段は、輸送手段(11)と一体化したソレノイド弁(17)を含むことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
タンクから流出する燃料の流れを制御する弁手段は、手動で操作できる、輸送手段(11)と一体化した弁(18)を含むことを特徴とする請求項1〜31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
タンク内へ流入する燃料についての濾過エレメント(4)と、濾過エレメント(4)が作動位置に係合しているときにタンク(1)内への燃料の流れを制御するとともに、濾過エレメント(4)が離脱して作動位置から外れているときにタンク(1)から流出する燃料の流れを遮断するように設計された手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜32のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項34】
タンク(1)内へ流入する燃料を濾過するエレメント(4)は、対応する弁手段(24)を介して接続されることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
弁手段(24)は、逆止遮断弁(24)の形式であることを特徴とする請求項33または34に記載の装置。
【請求項36】
濾過エレメント(4)は、充填パイプ(10)と弁手段(24)のシャッタとを直接的に接続することによって、タンク(1)内への燃料の通路を開閉可能にすることを特徴とする請求項33〜35のいずれかに記載の装置。
【請求項37】
タンク(1)内への燃料の通路を開く手段(4)は、燃料の流れが逆止弁(24)を押して開ける形式であることを特徴とする請求項33〜36のいずれかに記載の装置。
【請求項38】
濾過エレメント(4)は、タンク(1)内への燃料の通路を開く手段として機能することを特徴とする請求項33〜37のいずれかに記載の装置。
【請求項39】
流入する燃料を濾過するエレメント(4)を備え、この濾過エレメント(4)は、タンク(1)の格納壁の間に挿入されることを特徴とする請求項1〜38のいずれかまたは請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項40】
流入する燃料を濾過するエレメント(4)を備え、この濾過エレメント(4)は、タンク(1)に係合および離脱可能に接続されることを特徴とする請求項1〜39のいずれか又は請求1の前提部に記載の装置。
【請求項41】
供給される燃料を濾過する手段(4)は、第1の濾過手段(22)を含むことを特徴とする請求項33〜40のいずれかに記載の装置。
【請求項42】
第1の濾過手段(22)は、メカニカルフィルタの形式であることを特徴とする請求項39〜41のいずれかに記載の装置。
【請求項43】
流入する燃料を濾過する手段は、第2の燃料濾過手段(23)を含むことを特徴とする請求項33〜42のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項44】
第2の燃料濾過手段(23)は、第1の燃料濾過手段(22)の下流に配置されることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
タンク(1)内へ流入する燃料についての第2の濾過手段(23)は、タンク内への燃料の流入を可能にする弁(24)の上流に配置されることを特徴とする請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
タンク(1)内へ流入する燃料についての第2の濾過手段(23)は、磁気的捕集手段の形式であることを特徴とする請求項43〜45のいずれかに記載の装置。
【請求項47】
タンク(1)内へ流入する燃料を濾過する手段は、様々な大きさの金属粒子を捕集する手段の形式であることを特徴とする請求項43〜46のいずれかに記載の装置。
【請求項48】
流入する燃料を濾過する手段(22,23)は、対応するケーシング(4)内に設けられていることを特徴とする請求項33〜47のいずれかに記載の装置。
【請求項49】
ケーシング(4)は、タンク(1)に係合および離脱可能に接続されることを特徴とする請求項48に記載の装置。
【請求項50】
ケーシング(4)は、タンク(1)の格納壁の間に挿入されることを特徴とする請求項48または49に記載の装置。
【請求項51】
ケーシング(4)は、流入する燃料を濾過する手段(22,23)を収容する中空の円筒形ケーシング(4)の形態であることを特徴とする請求項48〜50のいずれかに記載の装置。
【請求項52】
濾過エレメントのヘッド(5)における装着によってケーシング(4)を支持する手段(2)を備えることを特徴とする請求項48〜51のいずれかに記載の装置。
【請求項53】
流入燃料濾過手段のケーシング(4)を支持する手段(2)は、設置エレメント(4)を保持するハウジングを形成する面(3a)を有することを特徴とする請求項52に記載の装置。
【請求項54】
濾過エレメント(4)を収容する手段(7)を備えることを特徴とする請求項33〜53のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項55】
流入燃料濾過エレメント(4)を収容する手段(7)は、タンク(1)内へ延びていることを特徴とする請求項54に記載の装置。
【請求項56】
流入燃料濾過エレメント(4)を収容する手段(7)は、該流入燃料濾過手段(4)をタンク(1)から分離する手段を構成していることを特徴とする請求項54または55に記載の装置。
【請求項57】
流入燃料濾過エレメント(4)を収容する手段(7)は、タンク(1)内への燃料の通路を開く弁手段(24)を備えることを特徴とする請求項54〜56のいずれかに記載の装置。
【請求項58】
流入燃料濾過エレメント(4)を収容する手段(7)は、該流入燃料濾過手段(4)を支持する手段(2)と一体化していることを特徴とする請求項54〜57のいずれかに記載の装置。
【請求項59】
流入燃料濾過エレメント(4)を収容する手段(7)は、中空の円筒形ケーシングの形態であることを特徴とする請求項54〜58のいずれかに記載の装置。
【請求項60】
流入燃料濾過エレメント(4)を収容する手段(7)は、該濾過エレメント(4)を挿入することができる開口端を有することを特徴とする請求項54〜59のいずれかに記載の装置。
【請求項61】
タンク(1)内への燃料の流れを制御する弁手段(9)を備え、この弁手段(9)は、流入燃料濾過エレメント(4)を収容する手段(7)と一体化していることを特徴とする請求項1〜60のいずれかに記載の装置。
【請求項62】
タンク(1)内の燃料の液面レベル検出手段(20)を備え、この液面レベル検出手段(20)は、マルチバルブ(2)と一体化していることを特徴とする請求項1〜61のいずれか又は請求項1の前提部に記載の装置。
【請求項63】
濾過エレメント(4)および/または輸送エレメントがハウジング(7,14)から離脱しているときにタンク(1)を安全に保つ安全手段(36,37)を備え、各安全手段(36,37)は、タンクから流出する燃料の通路を遮断する手段(38,38)を備えることを特徴とする請求項1〜62のいずれかに記載の装置。
【請求項64】
安全手段(36,37)は、該安全手段(36,37)をマルチバルブ(2)本体に取り付け可能にするヘッド(39)を有することを特徴とする請求項63に記載の装置。
【請求項65】
支持手段(3a,3b)を備え、この支持手段(3a,3b)の位置において、安全手段(36,37)のヘッド(39)がマルチバルブ(2)本体に取り付けられることを特徴とする請求項63または64に記載の装置。
【請求項66】
安全手段(36,37)のヘッド(39)に手動弁(40)が設けられ、この手動弁(40)は、ハウジング(7,14)内で加圧されているガスが存在するかをチェックし、ハウジング(7,14)内へ漏出して加圧されている燃料を放出させることができることを特徴とする請求項63〜65のいずれかに記載の装置。
【請求項67】
安全手段(36,37)のヘッド(39)に、手動弁(40)が開いているときに逃がし出口(41)からガスを徐々に放出させることを可能にする特別の逃がし通路(42)が形成されていることを特徴とする請求項66に記載の装置。
【請求項68】
燃料の推進手段は、ブラシレスポンプの形式であることを特徴とする請求項10〜67のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−501792(P2011−501792A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526387(P2010−526387)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002489
【国際公開番号】WO2009/040637
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(510084677)エクス‐テック アール アンド ピー ソシエテ アノニム (1)
【Fターム(参考)】