説明

内燃機関に用いられる排ガス浄化装置および該排ガス浄化装置を運転するための方法

本発明は、内燃機関に用いられる排ガス浄化装置および該排ガス浄化装置を運転するための方法に関する。このような形式の公知の排ガス浄化装置は、内燃機関(200)の排ガスから煤粒子をフィルタリング除去するためのパーティキュレートフィルタ(110)と、排ガスの温度を検出するための少なくとも1つの温度センサ(120)とを有している。公知の排ガス浄化装置はさらに、検出された温度を、特にパーティキュレートフィルタ(110)の再生運転の間に燃焼された煤質量に関して評価するための評価装置(130)を有している。パーティキュレートフィルタ(110)の内部での排ガスの温度特性をできるだけ正確に検出できるようにするために、本発明によれば、温度センサ(120−1)を、パーティキュレートフィルタ(110)の内部に配置することが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に用いられる排ガス浄化装置および該排ガス浄化装置を運転するための方法に関する。さらに本発明は、該方法を実施するためのコンピュータプログラムに関する。
【0002】
背景技術
公知先行技術では、特にディーゼル内燃機関に用いられる排ガス浄化装置が基本的に知られている。これら公知の排ガス浄化装置はディーゼル内燃機関の排ガス流に配置されていて、典型的にはディーゼル酸化触媒と、このディーゼル酸化触媒に後置された煤粒子用の「パーティキュレートフィルタ(Russpartikelfilter)」とを有している。種々の種類の煤粒子(粒子状物質)が知られている。ディーゼル車両の場合、通常、モノリス構造を有するセラミック製のハニカムフィルタが量産的に使用される。しかし、さらにハニカムフィルタとは全く異なる構造を有するポケットフィルタ(袋型フィルタ)も知られている。ポケットフィルタは毛細管を有しておらず、有利には燒結金属から成るフィルタポケットを有している。これらのフィルタポケットの表面を通って排ガスが通流する。通流時に、排ガス中に存在する粒子は有利にはポケットフィルタの表面に沈積する。
【0003】
全てのパーティキュレートフィルタにとって共通しているのは、フィルタ内部に、ディーゼル内燃機関の運転中に排ガスからフィルタ除去される煤粒子が溜まることである。それゆえに、ディーゼル内燃機関の極めて長時間の運転時では、パーティキュレートフィルタの内部に過度に大きな煤質量が溜まってしまい、溜まった煤質量が時々除去されないと、この煤質量が排ガス経路の閉塞を招き、ひいてはディーゼル内燃機関の故障を招いてしまう恐れがある。
【0004】
溜まった煤質量の周期的な除去は通常、パーティキュレートフィルタを「再生運転状態」にもたらすことにより行われる。ディーゼル内燃機関が、予め規定された走行距離に到達する毎に、たとえば1000kmに到達する毎に、またはパーティキュレートフィルタの内部に規定の煤質量が溜まる毎に、パーティキュレートフィルタは規則的にこの状態にもたらされる。パーティキュレートフィルタはディーゼル内燃機関の標準運転中に、パーティキュレートフィルタの作動温度がエンジンによる適当な手段によって約600℃にまで高められることにより、このような再生運転状態へ移される。エンジンによる適当な手段とは、排ガスの温度を上記温度値にまで少なくとも一時的に上昇させるような手段である。このことは、たとえば新空気を減少させるか、または前置された触媒において燃料を燃焼させることにより得ることができる。両手段は、パーティキュレートフィルタを通流する排ガスの所望の温度上昇をもたらし、ひいてはパーティキュレートフィルタの作動温度の所望の上昇をも生ぜしめる。再生運転におけるこのように高められた作動温度では、パーティキュレートフィルタ内に溜まった煤の燃焼除去が行われる。この燃焼除去は発熱により行われ、それゆえにたとえば例示した600℃を超える、一層の際立った温度増大を生ぜしめる。再生により、パーティキュレートフィルタ内部に溜まった煤質量は削減され、この場合、煤は主として二酸化炭素へ変換される。パーティキュレートフィルタはこうして再び良好に通流可能となり、これによりほぼ初期の状態を取り戻す。上で説明した再生過程の間のパーティキュレートフィルタ内部での温度特性を知ることは、再生の間に燃焼された煤質量、つまり分解された煤質量に関する情報および煤燃焼除去が行われる際の速度、つまり「燃焼除去速度」に関する情報を可能にする。
【0005】
これまで量産的に使用されてきたハニカムフィルタの場合では、このパーティキュレートフィルタの内部における温度の正確な検出が不可能である。なぜならば、通流方向に対して直角にこのパーティキュレートフィルタの内部へ温度センサを側方から組み込むことは、フィルタ機能の破壊を招いてしまうからである。より正確に言えば、温度センサの組込みにより、毛管状のハニカム構造が破壊され、排ガスは少なくとも部分的に未濾過の状態のままハニカム構造から流出して、周辺環境へ放出されてしまうことになる。この理由から、これまではパーティキュレートフィルタの出口における排ガスの温度および場合によってはパーティキュレートフィルタの入口における排ガスの温度しか測定されておらず、そして、こうして検出された温度値の評価に基づいてパーティキュレートフィルタ内部での実際の温度経過が推量されていた。しかし、上記方法は、求められたパーティキュレートフィルタ内部の温度の不正確な算定をもたらし、その結果、再生時の煤質量の分解に関して、上で示唆した不正確な計算結果しか得られなくなる。
【0006】
このような公知先行技術から出発して、本発明の課題は、公知の排ガス浄化装置を改良して、特に再生運転中でのパーティキュレートフィルタの内部における排ガスの温度の、より正確な検出が可能となるような排ガス浄化装置を提供することである。さらに本発明の課題は、このような排ガス浄化装置を運転するための方法および相応するコンピュータプログラムを提供することである。
【0007】
この課題は、請求項1の対象により解決される。すなわち、本発明による排ガス浄化装置は、パーティキュレートフィルタの内部の排ガスの温度を検出するためにパーティキュレートフィルタの内部に温度センサが配置されていることを特徴としている。
【0008】
発明の利点
煤粒子はディーゼル内燃機関の排ガス中にも、オットーエンジン、つまりガソリンエンジンの排ガス中にも含まれている。それゆえに、本発明はディーゼル内燃機関に用いられる排ガス浄化装置に限定されるものではない。
【0009】
パーティキュレートフィルタの内部に温度センサを設けることにより、特にパーティキュレートフィルタが再生運転状態で運転される間、一層正確な所望の温度検出が可能となる。これにより再生の間のフィルタ内での温度経過を、より正確に知ることができるようになることに基づき、再生の開始および終了もしくは煤質量の完全な分解を、より正確に推量することが可能となる。それと同時に、これらの、より正確な温度値に基づき、煤質量の分解の時間的な経過に関する、より正確な情報報知、すなわち第1に再生の間の特定の時点でまだパーティキュレートフィルタ内に存在している煤質量に関する、より正確な情報報知または実際の燃焼除去速度、つまりある特定の時点で煤が分解される際の速度に関する、より正確な情報報知が可能となる。
【0010】
パーティキュレートフィルタの内部に温度センサを組み込むためには、「ポケットフィルタ(袋型フィルタ)」が特に好適である。ポケットフィルタとは、内部に多数のフィルタポケットを有するパーティキュレートフィルタである。排ガスはこれらのフィルタポケットを通って通流しなければならず、これによってフィルタポケットの表面には、排ガス中に含まれている煤粒子が沈積する。公知のハニカムフィルタとは異なり、固有のフィルタ構造、つまり特にフィルタポケットが破壊されたり、ひいては濾過作用が制限されたりすることなしに、前記ポケットフィルタ内に温度センサを導入することができる。すなわち、温度センサはこのようなポケットフィルタにおいてはポケットの周辺でポケットの表面と接触して配置されているか、またはポケットの内部に配置されていてよい。フィルタポケットを通る実際の体積流はフィルタ内での温度検出に基づき、より正確に検出され得るので、これにより相関関係「煤質量−圧力損失」の改善が得られる。
【0011】
特に再生の間にパーティキュレートフィルタの内部に生じる温度が、より正確に検出されることに基づき、当該パーティキュレートフィルタが見通しではいつ再び再生されなければならないのか、つまり当該パーティキュレートフィルタに溜まった煤がいつ除去されなければならないのか、という今後の時期を、より正確に算出するか、もしくは予想することが可能となる。
【0012】
さらに、パーティキュレートフィルタの内部の温度が規定の第2の上側の閾値、つまり上限値を超えた場合には、パーティキュレートフィルタの内部における正確な温度特性に関する認識に基づいて、エラー報知が発動され得ると有利である。なぜならば、その場合パーティキュレートフィルタが破壊しかけているからである。このように運転されるパーティキュレートフィルタの寿命および耐久性が確保され得るか、または少なくとも改善され得る。さらに、このようなパーティキュレートフィルタを用いると、車両の燃料消費量も低減され得る。なぜならば、負荷インターバルが場合によっては延長され得るようになるので、より多くの燃料消費量を招く原因となる再生運転への切換がそれほど頻繁には必要とならなくなるからである。
【0013】
上に挙げた課題はさらに、パーティキュレートフィルタを備えた排ガス浄化装置を運転するための方法および該方法を実施するためのコンピュータプログラムによっても解決される。これらの解決手段の利点は、上で前記排ガス浄化装置に関して挙げた利点にほぼ相当する。
【0014】
本発明による装置および方法の別の実施態様は、請求項2〜請求項9もしくは請求項11〜請求項13に記載されている。
【0015】
図面
実施例の説明には、合計3つの図面が添付されている。
【0016】
図1は、本発明による排ガス浄化装置の構造を示す概略図であり;
図2は、本発明によるパーティキュレートフィルタ、特に燒結金属フィルタの構造を示す概略図であり;
図3は、再生運転状態における排ガス浄化装置および特にパーティキュレートフィルタを運転するための方法を示すフローチャートである。
【0017】
実施例の説明
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0018】
図1には、ディーゼル内燃機関200に用いられる本発明による排ガス浄化装置100の構造が示されている。この排ガス浄化装置100は運転の間、ディーゼル内燃機関200の排ガスから煤粒子をフィルタリング除去するためのパーティキュレートフィルタ110を有している。このパーティキュレートフィルタ110の内部には、パーティキュレートフィルタ110の内部の温度を検出するための温度センサ120−1が配置されている。この温度センサ120−1により検出された温度値は評価装置130に供給される。
【0019】
パーティキュレートフィルタ110は図2に示した袋型フィルタもしくはポケットフィルタとして形成されていると有利である。このパーティキュレートフィルタ110の内部は多数のフィルタポケット112を有している。ディーゼル内燃機関200の運転中にこれらのフィルタポケット112を通って排ガスが通流すると、フィルタポケット112の表面には排ガスから煤粒子が分離される。フィルタポケット112の表面は焼結金属またはセラミック材料から形成されていると有利である。温度センサ120−1は、本発明によればパーティキュレートフィルタ110のハウジングの内部に配置されている。温度センサ120−1はこの場合、ポケット周辺でポケットの表面と直接に接触して配置されているか、またはポケットの内部に配置されていてよい。
【0020】
パーティキュレートフィルタ110の内部に第1の温度センサ120−1を配置することによって、パーティキュレートフィルタ110の内部の温度を、公知先行技術において可能となるよりも正確に検出することが可能となる。このように検出された一層正確な温度を用いて評価装置130は、検出された温度から引き出された物理的量を、より正確に算出することができる。このような物理的量とは、特にパーティキュレートフィルタの再生運転中に燃焼された煤質量およびこの燃焼が行われる際の速度、つまり「燃焼除去速度」である。さらに、パーティキュレートフィルタ110の内部における、より正確な温度特性を用いて、再生プロセスの終了、つまりパーティキュレートフィルタにおいて再生プロセスの枠内でこれまで溜められた全ての煤質量が燃焼される時点を、一層精密に算出することができる。付加的に、より正確な温度検出およびこのことから引き出された実際の体積流に基づいて、差圧Δpから煤質量を算出するための相関性も改善される。圧力センサ121はその信号を評価装置130に供給する。
【0021】
パーティキュレートフィルタ110の他に、排ガス浄化装置100は典型的には付加的になおディーゼル酸化触媒140を有している。このディーゼル酸化触媒140は管部分150を介してパーティキュレートフィルタ110に接続されていて、排ガスの流れ方向で見てパーティキュレートフィルタ110に前置されている、つまりパーティキュレートフィルタ110の上流側に配置されている。ディーゼル酸化触媒140とパーティキュレートフィルタ110とは、中間管(プジョーシステムの場合)なしに互いに直接に取り付けられていてもよい(「パッケージ化」)。排ガスの流れ方向で見てディーゼル酸化触媒140の手前(上流側)には、第2の温度センサ120−2が、ディーゼル酸化触媒140の背後(下流側)には第3の温度センサ120−3がそれぞれ設けられていてよい。これら両温度センサ120−2,120−3は、ディーゼル酸化触媒140の入口および出口における排ガスの温度を検出するために働く。差圧センサ121はパーティキュレートフィルタ110の負荷状態を求めるために働く。しかし、このような形式の煤質量検出はある程度の誤差範囲内で行われるので、フィルタ内での煤質量の精密な検出は不可能である。これに相応して、相関された煤質量が実際の煤質量よりも小さくなるようなフィルタの状態も生じ得る。したがって、再生運転の間、フィルタ内には予想されたよりも高い温度が生じる恐れがある。
【0022】
基本的にパーティキュレートフィルタ110は、ディーゼル内燃機関200の先行した運転の間にパーティキュレートフィルタ110に溜まった煤質量が所定の煤質量閾値mMaxを超過した場合に再生運転状態へ移行される。パーティキュレートフィルタ110の内部における、本発明により一層精密に検出された温度を用いて、この煤質量閾値を規則的に適応させることができるので有利である。このことはパーティキュレートフィルタ110の所要の再生運転状態を導入するための時間インターバルの最適化をもたらす。
【0023】
以下に、図3につき、その都度必要となる再生運転状態を導入するための時間インターバルのアダプティブな最適化(適応型最適化)について詳しく説明する。
【0024】
図3から判るように、ディーゼル内燃機関200の運転の間、パーティキュレートフィルタ110内に溜まる煤質量mは連続的に監視される(方法ステップS1参照)。このことは、煤質量mが所定の最大煤質量閾値mMaxと比較されることにより行われる。この条件が満たされていない場合には、パーティキュレートフィルタ110は引き続きその標準の運転状態で運転される(方法ステップS2)。しかし溜められた煤質量が煤質量閾値mMaxを超過した場合には、方法ステップS3によりパーティキュレートフィルタ110は「再生運転状態」へもたらされる。この再生運転状態では、この時点までパーティキュレートフィルタ110内に溜まった煤質量が酸化により二酸化炭素へ有利には完全に分解される。この発熱反応はパーティキュレートフィルタ110の内部における温度の特徴的な上昇を生ぜしめる。このときに生じた最大温度Tmaxはパーティキュレートフィルタ110の先行して行われた再生運転時に検出され、そして図3に示した方法を実施するために方法ステップS4で準備される。次いで後続の方法ステップS5において、パーティキュレートフィルタ110の先行した再生運転時に検出された最大温度Tmaxから、先行した再生運転時に全体的に燃焼された煤質量mvorが推量される。この推量は最大温度と、燃焼された煤質量との間の既知の関係に基づき可能となる。次いで後続の方法ステップS6aにおいて、方法ステップS4で求められた最大温度Tmaxが規定の下限温度TuGと比較される。このときに、先行した再生運転時に求められた最大温度Tmaxが下限温度TuGよりも小さいことが確認されると、これまで方法ステップS1で使用されてきた煤質量閾値mMaxが、後続の再生運転状態を導入するために新たに設定し直される。より正確に言えば、煤質量閾値mMaxは、この場合には方法ステップS7において、先行した再生運転時に燃焼されかつ実質的にこれまで有効だった煤質量閾値を成していた、方法ステップS5で求められた煤質量mvorに、規定の補正質量値Δmlを加算した総和として設定し直される(閾値の増大)。煤質量閾値のこの新たな設定の後に、方法ステップS1によりパーティキュレートフィルタ110内に溜まった煤質量mの監視が継続される。
【0025】
上記事例とは異なり、方法ステップS6aにおいて、前で検出された最大温度Tmaxが下限温度TuGよりも大きいことが確認された場合には、方法ステップS6bにおいて、最大温度が上限温度ToGよりも大きいかどうかがチェックされる。このチェックが肯定されると、これまで使用されてきた煤質量閾値mMaxが減じられる。この場合、煤質量閾値mMaxは、方法ステップS5で算出された質量mvorから第2の規定の質量補正値Δm2を差し引いた差分から得られる量に設定される(閾値の低下)。第1の質量補正値Δm1と第2の質量補正値Δm2とは同一であってもよい。質量閾値mMaxのこのような新たな設定は、方法ステップS8で行われる。
【0026】
方法ステップS8の終了後に、当該方法は方法ステップS9へ分岐される。方法ステップS9では、最大温度Tmaxが、上限温度よりも大きな規定の臨界的な限界温度Tkritを超過しているかどうかがチェックされる。このことがそうであると、評価装置130はエラー信号Fを発生させる。このエラー信号Fは直前の再生時に生じた過度に大きな最大温度Tmaxに基づきパーティキュレートフィルタ110が危険にさらされていることを示唆する。しかし方法ステップS9において、求められた最大温度が臨海的な限界温度Tkritよりも大きくないことが判った場合には、評価装置130は方法ステップS7の終業後と同様に制御信号Eを発生させ、この制御信号Eに基づき、引き続き方法ステップS1によりパーティキュレートフィルタ110に溜まった煤質量mの監視が行われる。
【0027】
前記方法は、排ガス浄化装置の評価装置のためのコンピュータプログラムの形で実現されると有利である。このコンピュータプログラムは場合によっては別のコンピュータプログラムと一緒に、コンピュータ読取り可能なデータ担体に記憶されていてよい。データ担体とはフロッピディスク、コンパクトディスク、フラッシュメモリ等である。データ担体に記憶されたコンピュータプログラムはその場合、製品として顧客に販売され得る。しかし、場合によってはこのコンピュータプログラムが排ガス浄化装置のための別のコンピュータプログラムと一緒に、データ担体の補助なしでも電子通信ネットワークを介して製品として顧客に引き渡されかつ販売されることも可能である。電子通信ネットワークとは、特にインターネットであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による排ガス浄化装置の構造を示す概略図である。
【図2】本発明によるパーティキュレートフィルタ、特に燒結金属フィルタの構造を示す概略図である。
【図3】再生運転状態における排ガス浄化装置および特にパーティキュレートフィルタを運転するための方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(200)に用いられる排ガス浄化装置(100)であって、
内燃機関(200)の排ガスから煤粒子をフィルタリング除去するためのパーティキュレートフィルタ(110)と、
排ガスの温度を検出するための少なくとも1つの温度センサ(120−1)と、
検出された温度を評価するための評価装置(130)と
が設けられている形式のものにおいて、
温度センサ(120−1)が、パーティキュレートフィルタ(110)の内部の排ガスの温度を検出するためにパーティキュレートフィルタ(110)の内部に配置されていることを特徴とする、内燃機関に用いられる排ガス浄化装置。
【請求項2】
パーティキュレートフィルタ(110)がポケットフィルタとして形成されていて、フィルタ内部に多数のフィルタポケット(112)を有しており、内燃機関(200)の運転の間に該フィルタポケット(112)を通って排ガスが通流すると、該フィルタポケット(112)の表面で煤粒子が分離されるようになっている、請求項1記載の排ガス浄化装置。
【請求項3】
フィルタポケット(112)の表面が燒結金属またはセラミックスから形成されている、請求項2記載の排ガス浄化装置。
【請求項4】
温度センサ(120−1)がフィルタポケットの周辺でフィルタポケットの表面と接触して配置されているか、またはフィルタポケットの内部に配置されている、請求項2記載の排ガス浄化装置。
【請求項5】
溜まった煤質量が規定の煤質量閾値(mMax)を超過した後に、内燃機関(200)の先行した運転の間にパーティキュレートフィルタ(110)に溜まった煤質量(m)を燃焼除去するために、内燃機関(200)の運転の間にパーティキュレートフィルタ(110)を再生運転状態へもたらすように評価装置(130)が形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の排ガス浄化装置。
【請求項6】
パーティキュレートフィルタ(110)の内部でパーティキュレートフィルタ(110)の先行した再生運転の間に温度センサ(120−1)により検出された最大温度(Tmax)から、先行した再生運転の間に燃焼された煤質量(mvor)を推量するように評価装置(130)が形成されている、請求項5記載の排ガス浄化装置。
【請求項7】
パーティキュレートフィルタ(110)の内部で先行した再生運転の間に検出された最大温度(Tmax)が下限温度(TuG)よりも小さいか、または上限温度(ToG)よりも大きい場合に、規定の煤質量閾値(mMax)、ひいてはパーティキュレートフィルタ(110)の再生運転が今後実施されなければならなくなる頻度を変えるように評価装置(130)が形成されている、請求項6記載の排ガス浄化装置。
【請求項8】
パーティキュレートフィルタ(110)の内部で先行した再生運転の間に温度センサ(120−1)により検出された排ガスの最大温度(Tmax)が、典型的には上限温度(TuG)よりも上にある規定の臨海的な限界温度(Tkrit)を超過した場合に、エラー報知(F)を発生するように評価装置(130)が形成されている、請求項6または7記載の排ガス浄化装置。
【請求項9】
当該排ガス浄化装置(100)が酸化触媒(140)を有しており、該酸化触媒(140)がパーティキュレートフィルタ(110)に場合によっては管部分(150)を介して接続されていて、排ガスの流れ方向で見てパーティキュレートフィルタ(110)に前置されており、
前記酸化触媒(140)の手前に、前記酸化触媒(140)の入口における排ガスの温度を検出するための第2の温度センサ(120−2)が配置されており、
前記酸化触媒(140)とパーティキュレートフィルタ(110)との間に、前記酸化触媒(140)の出口における排ガスの温度を検出するための第3の温度センサ(120−3)が配置されており、かつ/または
パーティキュレートフィルタ(110)の負荷状態を測定するためにパーティキュレートフィルタ(110)前後の差圧を検出するための圧力センサ(121)が設けられている、
請求項1から8までのいずれか1項記載の排ガス浄化装置。
【請求項10】
内燃機関(200)の排ガスから煤粒子をフィルタリング除去するためのパーティキュレートフィルタ(110)、特に燒結金属フィルタを備えた排ガス浄化装置(100)を運転するための方法において、排ガスの温度をパーティキュレートフィルタ(110)の内部で検出することを特徴とする、排ガス浄化装置を運転するための方法。
【請求項11】
内燃機関の運転の間にパーティキュレートフィルタ(110)内に溜まった煤質量が規定の煤質量閾値(mMax)を超過すると、パーティキュレートフィルタ(110)を再生運転状態へもたらす、請求項10記載の方法。
【請求項12】
先行した再生運転の後に、煤質量閾値(mMax)を、ひいてはパーティキュレートフィルタ(110)のための今後の再生運転状態を導入するための頻度を、場合によっては新たに設定するために以下のステップ:
−先行した再生運転の間に発生した最大温度(Tmax)を準備し;
−この検出された最大温度(Tmax)を、下限温度(TuG)および上限温度(ToG)と比較し、
−検出された最大温度(Tmax)が規定の下限温度(TuG)を下回ると、煤質量閾値(mMax)を第1の規定された補正質量値(Δml)だけ増大させ;または
−検出された最大温度(Tmax)が規定の上限温度(ToG)を上回ると、煤質量閾値(mMax)を第2の規定された補正質量値(Δm2)だけ減少させる、
を実施する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
先行した再生運転の間に検出された最大温度(Tmax)が、上限温度(ToG)よりも高い規定の臨界的な限界温度(Tkrit)を上回ると、エラー報知(F)を発動する、請求項12または13記載の方法。
【請求項14】
排ガス浄化装置(100)のためのプログラムコードを備えたコンピュータプログラムにおいて、プログラムコードが、請求項10から13までのいずれか1項記載の方法を実施するために形成されていることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−512537(P2006−512537A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518255(P2005−518255)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/DE2004/001611
【国際公開番号】WO2005/026507
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】