説明

内燃機関の制御装置

【課題】内燃機関におけるクランク角速度を好適に検出する。
【解決手段】内燃機関の制御装置(100)は、内燃機関(200)のクランク軸(204)の角速度を、複数の気筒(201)の各々について夫々検出する角速度検出手段(110)と、検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における特定サンプリング位置の値との乖離量を算出する乖離量算出手段(120)と、他の気筒における特定サンプリング位置の値から、算出された乖離量を減算する減算手段(130)と、減算された出力値に対してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段(140)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば軽油を燃料として運転される内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の内燃機関に使用される軽油は、例えば製造工程や仕向等によって、セタン価にばらつきや低下が生じてしまう場合がある。内燃機関の燃料噴射制御は、例えば各国でのセタン価の基準値に基づいているため、セタン価がばらついたり低下したりすると、適正な燃料噴射制御が実施できず、結果として失火が発生してしまうおそれがある。
【0003】
上述したような背景を踏まえ、例えば特許文献1では、クランク角速度を用いて抽出された0.5次振動の値によって失火判定を行うという技術が開示されている。但し、このような技術では、例えば内燃機関の過渡時において、好適に0.5次振動を抽出することができなくなる場合がある。このため、例えば特許文献2では、内燃機関の過渡時においては失火の検出を禁止するという技術が開示されている。また特許文献3では、内燃機関の過渡時には失火判定値を補正して失火判定を行うという技術が開示されている。特許文献4では更に、n番目の燃焼気筒とn−1番目の燃料気筒との回転変動量の差に応じて、失火判定を行うか否かを決定するという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−074652号公報
【特許文献2】特開平03−194154号公報
【特許文献3】特開平07−063112号公報
【特許文献4】特開平10−148153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献2から4に記載されているような技術では、各種条件に基づいて失火判定が中止されてしまうため、失火判定の機会が減少してしまう。失火判定の機会が減少してしまうと、失火の発生を速やかに検出することが困難となり、結果として内燃機関の運転を好適に制御できなくなってしまうおそれがある。このように、各特許文献に記載の技術は、失火判定の機会が減少してしまうことに起因して、様々な不都合を生じさせてしまうおそれがあるという技術的問題点を有している。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、内燃機関におけるクランク角速度を好適に検出することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の内燃機関の制御装置は上記課題を解決するために、内燃機関のクランク軸の角速度を、複数の気筒の各々について夫々検出する角速度検出手段と、前記検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における前記特定サンプリング位置の値との乖離量を算出する乖離量算出手段と、前記他の気筒における前記特定サンプリング位置の値から、前記算出された乖離量を減算する減算手段と、前記減算された出力値に対してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段とを備える。
【0008】
本発明の第1の内燃機関の制御装置は、例えば車両に搭載されたディーゼルエンジン等の内燃機関を制御する制御装置であって、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
【0009】
本発明の第1の内燃機関の制御装置の動作時には、角速度検出手段によって、内燃機関のクランク軸の角速度(以下、適宜「クランク角速度」又は「角速度」と称する)が検出される。クランク角速度は、例えばクランクポジションセンサ等によって検出されるクランク角信号に基づいて検出できる。角速度検出手段は、クランク角速度を定期的或いは不定期的に検出するようにしてもよいし、検出するよう指示があった場合に検出するようにしてもよい。
【0010】
角速度が検出されると、乖離量算出手段によって、検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における特定サンプリング位置の値との乖離量が算出される。尚、ここでの「一の気筒」及び「他の気筒」は、乖離量を算出するために複数の気筒から選択された2つの気筒であり、予め特定の気筒が設定されていてもよいし、乖離量を算出する際に適宜選択されてもよい。
【0011】
また「特定サンプリング位置」とは、クランク角速度の気筒間の乖離量を検出するために設定される位置(言い換えれば、タイミング)であり、予め特定の位置として設定されていてもよいし、乖離量を算出する場合に適宜設定されてもよい。尚、特定サンプリング位置は、各気筒に対して複数設定されていてもよい。
【0012】
ここで、一の気筒における特定サンプリング位置と、他の気筒における特定サンプリング位置とは、互いに対応するように設定されており、定常時には、特定サンプリング位置における出力値が各気筒で概ね等しくなる。よって、算出される乖離量は、定常時においてゼロ或いはゼロに近い値となる。一方で、例えば内燃機関の過渡時等においては、乖離量が比較的大きい値として算出される傾向にある。
【0013】
乖離量が算出されると、減算手段によって、検出された角速度の出力値のうち他の気筒における特定サンプリング位置の値から、算出された乖離量が減算される。これにより、一の気筒における特定サンプリング位置の値、及び他の気筒における特定サンプリング位置の値が互いに等しくなるよう調整される。従って、検出された角速度の出力値は、例えば過渡時等においても定常時と同様の値となる。
【0014】
クランク角速度の出力値が減算されると、フィルタ処理手段によって、減算された出力値に対するフィルタ処理が行われる。ここでのフィルタ処理は、例えば内燃機関の運転を制御するための各種パラメータ(例えば、セタン価等)を好適に検出するための処理であり、具体的には燃焼不安定性の指標となる内燃機関の回転0.5次振動の抽出処理等が挙げられる。
【0015】
ここで本発明の第1の内燃機関の制御装置では特に、上述したように、クランク角速度の出力値が特定サンプリング位置における乖離量を用いて減算されている。このため、例えば過渡時等におけるクランク角速度の変動に起因して、適切なフィルタ処理が行えなくなるという事態を防止できる。即ち、定常時以外の様々な状況下においても、定常時に行われるフィルタ処理で適切な結果を得ることができる。従って、フィルタ処理後の出力値を用いて行われる各種処理を、極めて好適に実行することが可能となる。
【0016】
本発明の第1の内燃機関の制御装置の一態様では、前記フィルタ処理が行われた出力値を用いて、前記内燃機関における燃料のセタン価を検出するセタン価検出手段と、前記検出されたセタン価に基づいて、前記内燃機関の運転制御を行う制御手段とを備える。
【0017】
この態様によれば、クランク角速度の出力値にフィルタ処理が行われると、セタン価検出手段によって、フィルタ処理後の出力値から内燃機関に使用されている燃料のセタン価が検出される。セタン価検出手段は、例えば予め記憶されているフィルタ処理後の出力値及びセタン価の相関を示すマップ等に基づいてセタン価を検出する。尚、セタン価検出手段によって検出されるセタン価は、具体的な数値であってもよいし、所定の基準値より高いか又は低いかを示す程度のものであってもよい。
【0018】
セタン価が検出されると、制御手段によって、セタン価に基づく内燃機関の運転制御が行われる。具体的には、例えばセタン価に基づいて燃料の噴射間隔や噴射量が調整される。或いは、排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)システムにおける循環排気量や、過給器における過給圧等が制御されてもよい。このようにすれば、例えばセタン価の低下に伴う着火性の悪化に起因する失火等が抑制され、好適な内燃機関の運転を実現することが可能となる。
【0019】
本発明の第2の内燃機関の制御装置は上記課題を解決するために、内燃機関のクランク軸の角速度を、複数の気筒の各々について夫々検出する角速度検出手段と、前記検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における前記特定サンプリング位置の値との乖離量を算出する乖離量算出手段と、前記他の気筒における前記特定サンプリング位置の値から、前記算出された乖離量を減算する減算手段と、前記減算された出力値に基づいて、前記内燃機関における失火の発生を判定する失火判定手段とを備える。
【0020】
本発明の第2の内燃機関の制御装置は、例えば車両に搭載されたディーゼルエンジン等の内燃機関を制御する制御装置であって、上述した本発明の第1の内燃機関の制御装置と同様に、単体の或いは複数のECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
【0021】
本発明の第2の内燃機関の制御装置の動作時には、角速度検出手段によって、内燃機関のクランク軸の角速度が検出される。クランク角速度は、例えばクランクポジションセンサ等によって検出されるクランク角信号に基づいて検出できる。角速度検出手段は、クランク角速度を定期的或いは不定期的に検出するようにしてもよいし、検出するよう指示があった場合に検出するようにしてもよい。
【0022】
角速度が検出されると、乖離量算出手段によって、検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における特定サンプリング位置の値との乖離量が算出される。
【0023】
ここで、一の気筒における特定サンプリング位置と、他の気筒における特定サンプリング位置とは、互いに対応するように設定されており、定常時には、特定サンプリング位置における出力値が各気筒で概ね等しくなる。よって、算出される乖離量は、定常時においてゼロ或いはゼロに近い値となる。一方で、例えば内燃機関の過渡時等においては、乖離量が比較的大きい値として算出される傾向にある。
【0024】
乖離量が算出されると、減算手段によって、検出された角速度の出力値のうち他の気筒における特定サンプリング位置の値から、算出された乖離量が減算される。これにより、一の気筒における特定サンプリング位置の値、及び他の気筒における特定サンプリング位置の値が互いに等しくなるよう調整される。従って、検出された角速度の出力値は、例えば過渡時等においても定常時と同様の値となる。
【0025】
クランク角速度の出力値が減算されると、失火判定手段によって、減算された出力値に基づき内燃機関における失火の発生が判定される。失火判定は、例えば失火が発生していない場合に出力されるべき角速度の出力値と、減算された出力値とを比較することで行われる。尚、上述した本発明の第1の内燃機関の制御装置のように、減算された出力値にフィルタ処理を行い、フィルタ処理毎の出力値に基づいて失火を判定するようにしてもよい。
【0026】
ここで本発明の第2の内燃機関の制御装置では特に、上述したように、クランク角速度の出力値が特定サンプリング位置における乖離量を用いて減算されている。このため、このため、例えば過渡時等におけるクランク角速度の変動に起因して、正確に失火を判定できなくなるという事態を防止できる。即ち、定常時以外の様々な状況下においても、正確に失火を判定することができる。
【0027】
本発明の第2の内燃機関の制御装置の一態様では、前記内燃機関における失火が発生しているか否かに応じて、前記内燃機関の運転制御を行う制御手段を備える。
【0028】
この態様によれば、失火判定が行われると、制御手段によって、失火が発生しているか否かに応じて内燃機関の運転が制御される。具体的には、失火が発生していると判定された場合にのみ、失火を抑制するよう燃料の噴射間隔や噴射量が調整される。或いは、排気再循環システムにおける循環排気量や、過給器における過給圧等が制御されてもよい。このようにすれば、例えばセタン価の低下に伴う着火性の悪化に起因する失火等が抑制され、好適な内燃機関の運転を実現することが可能となる。
【0029】
本発明の第1及び第2の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記特定サンプリング位置は、複数の気筒の各々に対して複数設定されており、前記乖離量算出手段は、前記検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における一の特定サンプリング位置の値と、他の気筒における前記一の特定サンプリング位置の値との乖離量を算出し、前記減算手段は、他の気筒における前記複数の特定サンプリング位置の値の各々から、前記一の特定サンプリング位置の値から算出された乖離量を夫々減算する。
【0030】
この態様によれば、複数の気筒の各々について複数の特定サンプリング位置が設定されている。具体的には、一の気筒には、第1の特定サンプリング位置、第2の特定サンプリング位置、第3の特定サンプリング位置、・・・のように複数の特定サンプリング位置が設定されている。また、他の気筒にも一の気筒と同様に、第1の特定サンプリング位置、第2の特定サンプリング位置、第3の特定サンプリング位置、・・・と複数の特定サンプリング一が設定されている。
【0031】
ここで、内燃機関の過渡時等におけるクランク角速度の変動は気筒単位で発生する。よって、各気筒について複数の特定サンプリング位置が設定されている場合、複数の特定サンプリング位置での出力値は、気筒単位で夫々所定値ぶんだけスライドするように変動する。よって、複数の特定サンプリング位置の各々について乖離量を算出したとしても、乖離量は殆ど同じ値として算出される。
【0032】
本態様では、上述した特性を利用して、複数の特定サンプリング位置について、一の特定サンプリング位置で算出された乖離量を夫々適用して減算を行う。具体的には、一の特定サンプリング位置について乖離量を算出し、該一の特定サンプリング位置の乖離量を用いて、他の特定サンプリング位置の値に対する減算を行う。このようにすれば、複数の特定サンプリング位置の各々で乖離量を算出せずに済む。よって、装置が行う処理を簡単化することができる。
【0033】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】エンジンシステムの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係るECUの構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】定常時のクランク角速度の一例を示すグラフである。
【図5】過渡時のクランク角速度の一例を示すグラフである。
【図6】乖離量減算後のクランク角速度の一例を示すグラフである。
【図7】エンジン回転次数と振動強度との相関を示すグラフである。
【図8】フィルタ処理に用いられるフィルタの一例を示すグラフである。
【図9】エンジンの0.5次振動及びセタン価の相関を示すグラフである。
【図10】第2実施形態に係るECUの構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0036】
先ず、本実施形態に係るエンジンシステムの構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、エンジンシステムの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
【0037】
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU100及びエンジン200を備える。
【0038】
ECU100は、CPU、ROM及びRAM等を備えたエンジン200の動作全体を制御する電子制御ユニットであり、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例である。ECU100は、例えばROM等に格納された制御プログラムに従って各種制御を実行可能に構成されている。ECU100の具体的な構成については、後に詳述する。
【0039】
エンジン200は、軽油を燃料とするディーゼルエンジンであり、本発明に係る「内燃機関」の一例である。エンジン200は、シリンダ201内において燃料を含む混合気が圧縮自着火した際に生じる爆発力に応じたピストン202の往復運動を、コネクションロッド203を介してクランクシャフト204の回転運動に変換することが可能に構成されている。
【0040】
クランクシャフトは、本発明の「クランク軸」の一例であり、クランクシャフト204近傍には、クランクシャフト204の回転位置を検出するクランクポジションセンサ205が設置されている。クランクポジションセンサ205は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100は、クランクポジションセンサ205によって検出されたクランクシャフト204の回転位置に基づいて、エンジン200の機関回転数NEを算出することが可能に構成されている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
【0041】
シリンダ201内における燃料の燃焼に際し、外部から吸入された空気は、図示せぬエアクリーナで浄化された後、吸気管206を通過し、吸気ポート209を介して吸気バルブ210の開弁時にシリンダ201内に吸入される。この際、シリンダ201内に吸入される吸入空気に係る吸入空気量は、図示せぬエアフローメータにより検出され、ECU100に電気信号として一定又は不定の出力タイミングで出力される構成となっている。
【0042】
吸気管206には、吸入空気量を調節可能なスロットルバルブ207が配設されている。このスロットルバルブ207は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ208により、例えば、図示せぬアクセルペダルの操作量等に応じて電気的且つ機械的に駆動される構成となっている。尚、スロットルバルブ207の開閉状態を表すスロットル開度は、ECU100と電気的に接続された図示せぬスロットルポジションセンサにより検出され、ECU100に一定又は不定のタイミングで出力される構成となっている。
【0043】
ここで特に、燃料は、燃料タンク212に貯留されている。この燃料タンク212には、燃料タンク212に貯留される燃料の量を表す燃料残量を検出可能なフロート式の燃料量センサ217が設置されている。燃料量センサ217は、ECU100と電気的に接続されており、検出された燃料量は、ECU100により、一定又は不定のタイミングで把握される構成となっている。
【0044】
一方、燃料タンク212に貯留される燃料は、インジェクタ211によって、シリンダ201内の燃焼室に直接噴射される。インジェクタ211を介した燃料の噴射に際しては、先ず燃料タンク212に貯留された燃料が、フィードポンプ214の作用によりデリバリパイプ213を介して燃料タンク212から汲み出され、高圧ポンプ215へ供給される。
【0045】
コモンレール216は、ECU100と電気的に接続され、上流側(即ち、高圧ポンプ215側)から供給される高圧燃料をECU100により設定される目標レール圧まで蓄積することが可能に構成された、高圧貯留手段である。尚、コモンレール216には、レール圧を検出することが可能なレール圧センサ及びレール圧が上限値を超えないように蓄積される燃料量を制限するプレッシャリミッタ等が配設されるが、ここではその図示を省略することとする。
【0046】
エンジン200における上述したインジェクタ211は、シリンダ201毎に搭載されており、夫々が高圧デリバリを介してコモンレール216に接続されている。ここで、インジェクタ211の構成について補足すると、インジェクタ211は、ECU100の指令に基づいて作動する電磁弁と、この電磁弁への通電時に燃料を噴射するノズル(いずれも不図示)とを備える。当該電磁弁は、コモンレール216の高圧燃料が印加される圧力室と、当該圧力室に接続された低圧側の低圧通路との間の連通状態を制御することが可能に構成されており、通電時に当該加圧室と低圧通路とを連通させると共に、通電停止時に当該加圧室と低圧通路とを相互に遮断する。
【0047】
一方、ノズルは、噴孔を開閉するニードルを内蔵し、圧力室の燃料圧力がニードルを閉弁方向(噴孔を閉じる方向)に付勢している。従って、電磁弁への通電により加圧室と低圧通路とが連通し、圧力室の燃料圧力が低下すると、ニードルがノズル内を上昇して開弁する(噴孔を開く)ことにより、コモンレール216より供給された高圧燃料を噴孔より噴射することが可能に構成される。また、電磁弁への通電停止により加圧室と低圧通路とが相互に遮断されて圧力室の燃料圧力が上昇すると、ニードルがノズル内を下降して閉弁することにより、噴射が終了する構成となっている。
【0048】
このようにしてシリンダ201内に噴射された燃料は、吸気バルブ210を介して吸入された吸入空気と混合され、上述した混合気となる。この混合気は、圧縮工程において自着火して燃焼し、燃焼済みガスとして、或いは一部未燃の混合気として、吸気バルブ210の開閉に連動して開閉する排気バルブ218の開弁時に排気ポート219を介して排気管220に導かれる構成となっている。
【0049】
また、排気管220には、DPF(Diesel Particulate Filter)221が設置されている。DPF221は、エンジン200から排出されるスート(煤)或いはスモーク、及びPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕集可能且つ浄化可能に構成されている。尚、説明の煩雑化を防ぐ目的から図示を省略するが、エンジン200には、上記したセンサ以外にも各種のセンサが配されており、例えば、エンジン200の冷却水温を検出する水温センサ、エンジン200のノッキングレベルを検出するノックセンサ、吸入空気の温度たる吸気温を検出する吸気温センサ及び吸入空気の圧力たる吸気圧を検出する吸気圧センサ等が夫々検出対象毎に最適な位置に設置されている。
【0050】
次に、本実施形態に係る内燃機関の制御装置について、2種類の実施形態を挙げて説明する。
【0051】
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態に係る内燃機関の制御装置であるECU100の具体的な構成について、図2を参照して説明する。ここに図2は、第1実施形態に係るECUの構成を示すブロック図である。
【0052】
図2において、ECU100は、角速度検出部110と、乖離量算出部120と、減算部130と、フィルタ処理部140と、セタン価検出部150と、制御部160とを備えて構成されている。
【0053】
角速度検出部110は、本発明の「角速度検出手段」の一例であり、クランクポジションセンサ205(図1参照)から出力されるクランク角信号に基づいて、クランクシャフト204の角速度(以下、適宜「クランク角速度」と称する)を検出する。角速度検出部120は、複数の気筒201の各々について角速度を検出する。角速度検出部120において検出されたクランク角速度は、乖離量算出部120及び減算部130に夫々出力される。
【0054】
乖離量算出部140は、本発明の「乖離量算出手段」の一例であり、角速度検出部120において検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における特定サンプリング位置の値との乖離量を算出する。乖離量算出部140において算出された乖離量は、減算部130へと出力される。
【0055】
減算部130は、本発明の「減算手段」の一例であり、他の気筒における特定サンプリング位置の値から、乖離量算出部120において算出された乖離量を減算する。尚、減算部130は、特定サンプリング位置が複数設定されている場合は、他の気筒における複数の特定サンプリング位置の値の各々から、乖離量算出部120において算出された乖離量を夫々減算する。
【0056】
フィルタ処理部140は、本発明の「フィルタ処理手段」の一例であり、減算部130において減算された出力値に対しフィルタ処理を行う。フィルタ処理部120は、例えば燃焼不安定性の指標となるエンジン200の回転0.5次振動の抽出処理等を実行可能とされている。
【0057】
セタン価検出部150は、本発明の「セタン価検出手段」の一例であり、フィルタ処理部140においてフィルタ処理が行われた出力値を用いて、エンジン200に使用されている燃料のセタン価を検出する。セタン価検出部150は、例えばフィルタ処理後の出力値とセタン価との相関を示したマップを用いて燃料のセタン価を検出する。尚、セタン価検出部150において検出されるセタン価は、具体的な数値であってもよいし、所定の基準値より高いか又は低いかを示す程度のものであってもよい。
【0058】
制御部160は、本発明の「制御手段」の一例であり、セタン価検出部150において検出されたセタン価に基づいて、エンジン200の運転を制御する。制御部160は、検出されたセタン価に基づいて、例えばインジェクタ211からの燃料の噴射間隔や噴射量を調整する。このようにすれば、例えばセタン価の低下に伴う着火性の悪化に起因する失火等が抑制され、好適なエンジン200の運転を実現することが可能となる。また制御部160は、排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)システムにおける循環排気量や、過給器における過給圧等を制御するようにしてもよい。
【0059】
上述した各部位を含んで構成されたECU100は、一体的に構成された電子制御ユニットであり、上記各部位に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係る上記部位の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各部位は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
【0060】
次に、第1実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作について、図3を参照して説明する。ここに図3は、第1実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0061】
図3において、第1実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作時には、先ず角速度検出部110によって、クランクシャフト204の角速度が検出される(ステップS101)。クランク角速度が検出されると、乖離量算出部120によって、検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における特定サンプリング位置の値との乖離量が算出される(ステップS102)。乖離量が算出されると、減算部130によって、検出された角速度の出力値のうち他の気筒における特定サンプリング位置の値から、算出された乖離量が減算される(ステップS103)。
【0062】
以下では、乖離量の算出及び減算処理について、図4から図6を参照して詳細に説明する。ここに図4は、定常時のクランク角速度の一例を示すグラフであり、図5は、過渡時のクランク角速度の一例を示すグラフである。また図6は、乖離量減算後のクランク角速度の一例を示すグラフである。
【0063】
図4において、エンジン200の定常時には、クランク角速度は各気筒201同士で概ね同様に変動する。このため、各特定サンプリング位置の値(a1〜f1、a2〜f2、a3〜f3、a4〜f4)は、複数の気筒201間で同じ値となる。具体的には、各特定サンプリング位置の値は、a1=a2=a3=a4、b1=b2=b3=b4、c1=c2=c3=c4、・・・といった関係になる。よって、例えば特定サンプリング位置a1及びa3から乖離量を算出使用とした場合、乖離量は、a3−a1=0となる。即ち、定常時における乖離量は“0”となる。
【0064】
図5において、一方エンジン200の過渡時には、例えばクランク角速度が気筒単位で徐々に増加するように変動する。このため、各特定サンプリング位置の値は、複数の気筒201間で互いに異なる値となる。具体的には、各特定サンプリング位置の値は、a1<a2<a3<a4、b1<b2<b3<b4、c1<c2<c3<c4、・・・といった関係になる。よって、例えば特定サンプリング位置a1及びa3から乖離量を算出しようとした場合、乖離量は定常時のように“0”とはならない。以下では、このように算出される乖離量が“Δne”であるとして説明を進める。
【0065】
図6に示すように、乖離量が減算された出力値は、各特定サンプリング位置の値が、複数の気筒201間で同じ値となる。即ち、各特定サンプリング位置の値は、a1=a2=a3=a4、b1=b2=b3=b4、c1=c2=c3=c4、・・・といった定常時と同様の関係になる。
【0066】
図3に戻り、クランク角速度の出力値が減算されると、フィルタ処理部140によって、減算された出力値に対するフィルタ処理が行われる(ステップS104)。フィルタ処理部140は、減算された出力値から、燃焼不安定性の指標となる内燃機関の回転0.5次振動の抽出する処理を行う。
【0067】
以下では、フィルタ処理部140が行うフィルタ処理について、図7及び図8を参照して詳細に説明する。ここに図7は、エンジン回転次数と振動強度との相関を示すグラフである。また図8は、フィルタ処理に用いられるフィルタの一例を示すグラフである。
【0068】
図7において、エンジン200は、定常時において図中の実線で示される回転2次振動を基調とする。一方で、例えばセタン価の低下等に起因して燃焼が不安定となった場合には、図中の破線で示される回転0.5次振動が発生する。よって、エンジン200における回転0.5次振動を抽出できれば、その値を燃焼不安定性の指標として利用することができる。
【0069】
図8において、0.5次振動を抽出する場合は、検出された角速度の出力値に対して、図に示すようなフィルタゲインを適用すればよい。しかしながら、このようなフィルタゲインは、図4で示すような定常時におけるクランク角速度に対しては適切に効果を発揮できるものの、図5で示すような過渡時におけるクランク角速度に対しては適切に効果を発揮することができない。即ち、過渡時におけるクランク角速度は気筒201単位で変動しているため、仮に図8に示すフィルタゲインを適用したとしても、0.5次振動を正確に抽出することができない。
【0070】
ここで本実施形態に係る内燃機関の制御装置では特に、上述したように、クランク角速度の出力値が特定サンプリング位置における乖離量を用いて減算されている。具体的には、図5で示すような値であった出力値は、図6で示すような定常時と同様の値へと変更されている。従って、図8に示すフィルタゲインを適用すれば、適切に0.5次振動を抽出することができる。
【0071】
再び図3に戻り、フィルタ処理が行われると、セタン価検出部150によって、現在使用されている燃料のセタン価が検出される(ステップS105)。セタン価検出部150は、フィルタ処理が行われた出力値(即ち、エンジン200の回転0.5次振動の抽出値)からセタン価を検出する。
【0072】
以下では、セタン価検出部110における燃料のセタン価検出方法について、図9を参照して具体的に説明する。ここに図9は、エンジンの回転0.5次振動及びセタン価の相関を示すグラフである。
【0073】
図9において、セタン価検出部150には、図に示すようなエンジン200の回転0.5次振動と、セタン価との相関を示すマップが予め記憶されている。このようなマップを用いることで、セタン価検出部110は、フィルタ処理によって抽出されたエンジン200の回転0.5次振動の値から、容易且つ的確にセタン価を検出することができる。また本実施形態では特に、上述したように特定サンプリング位置において算出された乖離量を用いてクランク角速度の出力値が調整されているため、過渡時等のクランク角速度が変動してしまう期間においても、フィルタ処理が適切に行える。よって、定常時以外においても正確にセタン価を検出することができる。
【0074】
再び図3に戻り、セタン価が検出されると、制御部160によって、検出されたセタン価に基づくエンジン200の運転制御が行われる(ステップS106)。制御部160は、例えばセタン価別にエンジン200の制御用マップを有しており、検出されたセタン価に応じて制御マップを切替えてエンジン200を制御する。具体的には、制御部160は、インジェクタ211からの燃料噴射量や噴射時期、EGRシステムにおける排気循環量や過給器における過給圧等を、検出されたセタン価に応じて変更する。これにより、セタン価の低下等に起因する失火等の発生を効果的に抑制することができる。
【0075】
以上説明したように、第1実施形態に係る内燃機関の制御装置によれば、特定サンプリング位置における乖離量を用いて、クランク角速度の出力値を適切な値へと調整することができる。よって、クランクの角速度を用いた各種制御を適切に行うことが可能となる。
【0076】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。尚、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の構成が異なるのみで、その他の構成については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については、適宜説明を省略するものとする。
【0077】
先ず、第2実施形態に係る内燃機関の制御装置であるECU100の具体的な構成について、図10を参照して説明する。ここに図10は、第2実施形態に係るECUの構成を示すブロック図である。尚、図10では、図2に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付している。
【0078】
図10において、第2実施形態に係るECU100では、第1実施形態におけるセタン価検出部150に代えて、失火判定部170が備えられている。失火判定部170は、本発明の「失火判定手段」の一例であり、フィルタ処理が行われた出力値を用いて、エンジン200における失火の発生を判定する。
【0079】
失火判定部170における判定結果は、制御部160へと出力され、制御部160によるエンジン200の制御に利用される。
【0080】
次に、第2実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作について、図11を参照して説明する。ここに図11は、第2実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0081】
図11において、第2実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作時には、先ず角速度検出部110によって、クランクシャフト204の角速度が検出される(ステップS201)。クランク角速度が検出されると、乖離量算出部120によって、検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における特定サンプリング位置の値との乖離量が算出される(ステップS202)。乖離量が算出されると、減算部130によって、検出された角速度の出力値のうち他の気筒における特定サンプリング位置の値から、算出された乖離量が減算される(ステップS203)。乖離量が減算された出力値は、第1実施形態と同様に、各特定サンプリング位置の値が複数の気筒201間で同じ値となる。
【0082】
クランク角速度の出力値が減算されると、フィルタ処理部140によって、減算された出力値に対するフィルタ処理が行われる(ステップS204)。フィルタ処理部140は、減算された出力値から、燃焼不安定性の指標となる内燃機関の回転0.5次振動の抽出する処理を行う。フィルタ処理が行われるクランク角速度の出力値は、特定サンプリング位置における乖離量を用いて減算されている。具体的には、図5で示すような値であった出力値は、図6で示すような定常時と同様の値へと変更されている。従って、図8に示すフィルタゲインを適用すれば、適切に0.5次振動を抽出することができる。
【0083】
フィルタ処理が行われると、失火判定部170によって、エンジン200における失火の発生が判定される(ステップS205)。失火判定部170は、フィルタ処理が行われた出力値を用いて失火を判定する。失火判定は、例えば失火が発生していない場合に出力されるべきフィルタ処理後の出力値と、実際に出力されているフィルタ処理後の出力値とを比較することで行われる。
【0084】
ここで第2実施形態では特に、上述したように、特定サンプリング位置において算出された乖離量を用いてクランク角速度の出力値が調整されているため、過渡時等のクランク角速度が変動してしまう期間においても、フィルタ処理が適切に行える。よって、定常時以外においても正確に失火の発生を判定することができる。
【0085】
失火判定部170において失火が発生していると判定されると(ステップS205:YES)、制御部160によって、エンジン200の運転制御が変更される(ステップS206)。制御部160は、例えば複数のエンジン200制御用マップを有しており、失火が発生していると判定された場合には、失火の抑制力がより高い制御マップ(例えば、より低いセタン価に対応する制御マップ)へと切替えてエンジン200を制御する。具体的には、制御部160は、インジェクタ211からの燃料噴射量や噴射時期、EGRシステムにおける排気循環量や過給器における過給圧等を、失火の発生に応じて変更する。これにより、速やかに失火を抑制することができる。
【0086】
尚、失火判定部170において失火が発生していないと判定された場合(ステップS205:NO)、上述したエンジン200の運転制御の変更は省略される。即ち、それまで行われていた制御と同様の条件で、運転制御が続行される。
【0087】
以上説明したように、第2実施形態に係る内燃機関の制御装置によれば、特定サンプリング位置における乖離量を用いて、クランク角速度の出力値を適切な値へと調整することができる。よって、クランクの角速度を用いた各種制御を適切に行うことが可能となる。
【0088】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0089】
100…ECU、110…角速度検出部、120…乖離量算出部、130…減算部、140…フィルタ処理部、150…セタン価検出部、160…制御部、170…失火判定部、200…エンジン、204…クランクシャフト、205…クランクポジションセンサ、211…インジェクタ、212…燃料タンク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のクランク軸の角速度を、複数の気筒の各々について夫々検出する角速度検出手段と、
前記検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における前記特定サンプリング位置の値との乖離量を算出する乖離量算出手段と、
前記他の気筒における前記特定サンプリング位置の値から、前記算出された乖離量を減算する減算手段と、
前記減算された出力値に対してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記フィルタ処理が行われた出力値を用いて、前記内燃機関における燃料のセタン価を検出するセタン価検出手段と、
前記検出されたセタン価に基づいて、前記内燃機関の運転制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
内燃機関のクランク軸の角速度を、複数の気筒の各々について夫々検出する角速度検出手段と、
前記検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における特定サンプリング位置の値と、他の気筒における前記特定サンプリング位置の値との乖離量を算出する乖離量算出手段と、
前記他の気筒における前記特定サンプリング位置の値から、前記算出された乖離量を減算する減算手段と、
前記減算された出力値に基づいて、前記内燃機関における失火の発生を判定する失火判定手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記内燃機関における失火が発生しているか否かに応じて、前記内燃機関の運転制御を行う制御手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記特定サンプリング位置は、複数の気筒の各々に対して複数設定されており、
前記乖離量算出手段は、前記検出された角速度の出力値のうち、一の気筒における一の特定サンプリング位置の値と、他の気筒における前記一の特定サンプリング位置の値との乖離量を算出し、
前記減算手段は、他の気筒における前記複数の特定サンプリング位置の値の各々から、前記一の特定サンプリング位置の値から算出された乖離量を夫々減算する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−7302(P2013−7302A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139464(P2011−139464)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】