説明

内視鏡挿入支援装置

【課題】挿入支援時に注意を要する仮想内視鏡画像の位置情報を容易かつ確実に予め挿入支援画像上に展開する。
【解決手段】画像処理部17は、ルート設定部14が設定したルートにおけるVBS画像のフレーム画像を再生表示するフレーム画像再生表示機能17aと、気管支の分岐点でのVBS画像のフレーム画像を抽出しこの分岐点のフレーム画像のサムネイルを生成するサムネイル生成機能17bと、サムネイルにサムネイル情報を付加する情報付加機能17dと、サムネイル情報に基づいてサムネイルの重要度を設定する重要度設定機能17fと、画像表示制御部18を制御し挿入支援画面のサムネイルに設定された重要度を反映させて表示させる重要度反映機能17gとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡挿入支援装置に関し、特に例えば気管支等のような体内の管路への内視鏡挿入をナビゲーションする内視鏡挿入支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像による診断が広く行われるようになっており、例えばX線CT(Computed Tomography)装置等により被検体の断層像を撮像することにより被検体内に3次元画像データを得て、該3次元画像データを用いて患部の診断が行われるようになってきた。
【0003】
CT装置では、X線照射・検出を連続的に回転させつつ被検体を体軸方向に連続送りすることにより、被検体の3次元領域について螺旋状の連続スキャン(ヘリカルスキャン:helical scan)を行い、3次元領域の連続するスライスの断層像から、3次元画像を作成することが行われる。
【0004】
そのような3次元画像の1つに、肺の気管支の3次元像がある。気管支の3次元像は、例えば肺癌等が疑われる異常部の位置を3次元的に把握するのに利用される。そして、異常部を生検によって確認するために、気管支内視鏡を挿入し、生検鉗子等で組織のサンプル(sample)を採取することが行われる。
【0005】
気管支のような多段階の分岐を有する体内の管路では、異常部の所在が分支の末端に近いとき、内視鏡の先端を短時間で正しく目的部位に到達させることが難しいために、例えば特開2000−135215号公報等では、被検体の3次元領域の画像データに基づいて前記被検体内の管路の3次元像を作成し、前記3次元像上で前記管路に沿って目的点までの経路を求め、前記経路に沿った前記管路の仮想内視鏡画像を前記画像データに基づいて作成し、前記仮想内視鏡画像を表示することで、気管支内視鏡を目的部位にナビゲーションする装置が提案されている。
【特許文献1】特開2000−135215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ナビゲーション時に挿入操作に注意を要する場合、該当する仮想内視鏡画像に種々のコメントを重畳表示することがあるが、このようなコメントを有する仮想内視鏡画像がいつ表示されるかが分からないために、コメントを見のがしたり、あるいはコメント内容の把握に時間を要したりして効果的な挿入支援が妨げられる虞れがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、挿入支援時に注意を要する仮想内視鏡画像の位置情報を容易かつ確実に予め挿入支援画像上に展開することのできる内視鏡挿入支援装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡挿入支援装置は、
被検体の3次元領域の画像データに基づき前記被検体内の体腔路の仮想内視鏡画像を生成する仮想内視鏡画像生成手段と、
前記仮想内視鏡画像生成手段で生成した前記仮想内視鏡画像より、前記被検体内の体腔路が分岐する分岐点での分岐点画像を抽出する分岐画像抽出手段と、
前記分岐点画像の縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、
前記縮小画像に所望の付与情報を付加する情報付加手段と、
前記付与情報に基づいて前記縮小画像の重要度を設定する重要度設定手段と、
前記仮想内視鏡画像及び前記縮小画像を有する挿入支援画像を生成する挿入支援画像生成手段と、
前記挿入支援画像の前記縮小画像に前記重要度設定手段が設定した前記重要度を反映させる重要度反映手段と
を備えて構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、挿入支援時に注意を要する仮想内視鏡画像の位置情報を容易かつ確実に予め挿入支援画像上に展開することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について述べる。
【実施例1】
【0011】
図1ないし図29は本発明の実施例1に係わり、図1は気管支挿入支援システムの構成を示す構成図、図2は図1の画像処理部の機能構成を示すブロック図、図3は図1の気管支鏡ナビゲーション装置によるナビゲーションデータの生成処理の流れを示すフローチャート、図4は図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図、図5は図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図、図6は図3のルート設定処理の流れを示すフローチャート、図7は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図、図8は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図、図9は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第3の図、図10は図3の処理で生成されたナビゲーションデータであるVBS画像のサムネイルを登録/削除するためのサムネイル登録/削除画面を示す図、図11は図10のサムネイル登録/削除画面で遷移可能な各種遷移モードを示す図、図12は図11の表示変更モードでの処理の流れを示すフローチャート、図13は図11のサムネイル登録モードでの処理の流れを示すフローチャート、図14は図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第1の図、図15は図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第2の図、図16は図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第3の図、図17は図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第4の図、図18は図17のコメント入力ウインドウの重要度指定項を説明する図、図19は図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第5の図、図20は図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第6の図、図21は図13の重要度判定処理の処理の流れを示すフローチャート、図22は図21の処理に用いられるキーワードD.B.を示す図、図23は図13の処理により構築されるサムネイルD.B.を示す図、図24は図11のサムネイル削除モードでの処理の流れを示すフローチャート、図25は図23のサムネイルD.B.のデータを反映させた挿入支援画面を示す第1の図、図26は図23のサムネイルD.B.のデータを反映させた挿入支援画面を示す第2の図、図27は図25の挿入支援画面の第1の変形例を示す図、図28は図25の挿入支援画面の第2の変形例を示す図、図29は図25の挿入支援画面の第3の変形例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡装置1は、患者体内の気管支に挿入し気管支内を撮像し気管支末端の患部組織を生検する気管支鏡2と、気管支鏡2の挿入部の患者体内への挿入量を検出する、例えばエンコーダ等から構成される挿入量検出装置3と、気管支鏡2の手元側に設けられた複数のスイッチからなる入力部4と、CT画像データに基づき気管支内部の仮想内視鏡画像(以下、VBS画像と記す)を生成すると共に入力部4からの入力信号に基づき、VBS画像をモニタ5に表示し気管支鏡2の気管支へのナビゲーションを行う気管支鏡ナビゲーション装置6とを備えて構成される。
【0013】
なお、前記入力部4は、気管支鏡2の手元側に設けられるとしたが、フットスイッチにより構成してもよい。また気管支鏡2による内視鏡画像はモニタ7に表示される。
【0014】
気管支鏡ナビゲーション装置6は、患者のX線断層像を撮像する図示しない公知のCT装置で生成された3次元画像データを、例えばMO(Magnetic Optical disk)装置やDVD(Digital Versatile Disk)装置等、可搬型の記憶媒体を介して取り込むCT画像データ取り込み部11と、CT画像データ取り込み部11によって取り込まれた3次元画像データを格納するCT画像データ格納部12と、CT画像データ格納部12に格納されている3次元画像データに基づきMPR画像を生成するMPR画像生成部13と、MPR画像生成部が生成したMPR画像を有する後述するルート設定画面を生成し気管支鏡2の気管支へのナビゲーションルート(以下、単にルートと記す)を設定するルート設定部14と、CT画像データ格納部12に格納されている3次元画像データに基づきルート設定部14によって設定されたルートの連続したVBS画像をフレーム単位で生成するVBS画像生成部15と、VBS画像生成部15が生成したVBS画像を格納するVBS画像格納部16と、挿入量検出装置3からの検出信号及び入力部4からの入力信号を入力し、VBS画像及び複数のサムネイルVBS画像からなる後述する挿入支援画面を生成する画像処理部17と、ルート設定部14が生成したルート設定画面及び画像処理部17が生成した挿入支援画面をモニタ5に表示させる画像表示制御部18と、ルート設定部14に対して設定情報を入力するキーボード及びポインティングデバイスからなる設定情報入力部19とから構成される。
【0015】
なお、CT画像データ格納部12及びVBS画像格納部16は、1つのハードディスクによって構成してもよく、また、MPR画像生成部13、ルート設定部14、VBS画像生成部15及び画像処理部17は1つの演算処理回路で構成することができる。また、CT画像データ取り込み部11はMOあるいはDVD等の可搬型の記憶媒体を介してCT画像データを取り込みとしたが、CT装置あるいはCT画像データを保存している院内サーバが院内LANに接続されている場合には、CT画像データ取り込み部11を該院内LANに接続可能なインターフェイス回路により構成し、院内LANを介してCT画像データを取り込むようにしてもよい。
【0016】
画像処理部17は、図2に示すように、ルート設定部14が設定したルートにおけるVBS画像のフレーム画像を再生表示するフレーム画像再生表示機能17aと、気管支の分岐点でのVBS画像のフレーム画像を抽出しこの分岐点のフレーム画像のサムネイルVBS画像(以下、単にサムネイルと記す)を生成するサムネイル生成機能17bと、サムネイルを追加登録するサムネイル追加登録機能17cと、サムネイルに後述するサムネイル情報を付加する情報付加機能17dと、付加されたサムネイル情報をVBS画像のフレーム画像に重畳する情報重畳機能17eと、付加されたサムネイル情報に基づいてサムネイルの重要度を設定する重要度設定機能17fと、画像表示制御部18を制御し挿入支援画面のサムネイルに設定された重要度を反映させて表示させる重要度反映機能17gとを有している。
【0017】
このように構成された本実施例の作用について説明する。
【0018】
図3に示すように、気管支内視鏡装置3による観察・処置に先立ち、挿入支援装置5は、ステップS1でCT画像データ取り込み部11によりCT装置で生成された患者のCT画像データを取り込み、ステップS2で取り込んだCT画像データをCT画像データ格納部12に格納する。
【0019】
ステップS3でルート設定部14により、図4に示すようなルート設定画面21をモニタ5に表示させ、ルート設定画面21上の患者情報タグ画面22で患者情報を選択する。この選択により、ステップS4で選択された患者の例えば3つの異なる多断面像からなるMPR画像が生成され、ステップS5でこのMPR画像23がルート設定画面21に表示される。
【0020】
なお、患者情報タグ画面22での患者情報の選択は、入力装置19により患者を識別する患者IDを入力することで行われる。
【0021】
次に、ステップS6でルート設定画面21上のルート設定タグ24(図4参照)を設定情報入力部19により選択すると、図5に示すようなルート設定タグ画面25がルート設定画面21に表示され、後述するルート設定処理を行い、気管支での気管支内視鏡の挿入支援のルートを設定する。
【0022】
挿入支援のルートが設定されると、ステップS7でVBS画像生成部15により設定した全ルートの連続したVBS画像をフレーム単位で生成し、ステップS8で生成したVBS画像をVBS画像格納部16に格納する。そして、ステップS9で後述するナビ用のサムネイルムの追加/削除処理を実行する。
【0023】
上記のステップS1〜S9の処理により、気管支内視鏡による観察・処置時の挿入支援装置5による挿入支援の第1の準備が完了する。
【0024】
ここで、上記ステップS6のルート設定処理を図6を用いて説明する。
【0025】
図6に示すように、ステップS6のルート設定処理では、入力装置19を操作することで、図5に示したルート設定タグ画面25上のルート探索ボタンをクリックすると、ステップS11で図7に示すようなルートの始点の入力を促す始点入力指示ウインドウ31がルート設定画面21上に表示され、ルート設定画面21上にカーソル30を用いてMPR画像23のうちの1つの断層像上で始点を設定する。始点を設定すると他のMPR画像23の2つの断層像上にも対応する位置に始点が設定されると共に、図8に示すようなルートの終点の入力を促す終点入力指示ウインドウ32がルート設定画面21上に表示さる。
【0026】
そこで、ステップS12で始点の設定と同様に、ルート設定画面21上にカーソル30を用いてMPR画像23のうちの1つの断層像上で終点を設定する。終点を設定すると他のMPR画像23の2つの断層像上にも対応する位置に終点が設定される。
【0027】
始点と終点が設定されると、ステップS13でルート設定部14は始点から終点に至る気管支内のルートを探索する。気管支は複雑な経路を有しているので、始点から終点に至る気管支内のルートが一意的に決まるとは限らないので、ルート設定部14ではステップS13では、始点から終点に至る気管支内のルートの第1候補を探索する。
【0028】
そして、ルート設定部14はルート設定画面21上において、図9に示すように、ステップS14で探索されたルートをMPR画像23に重畳して表示すると共に、ルートの確定等の入力を促すルート確定ウインドウ33を表示する。
【0029】
ルート確定ウインドウ33には、探索したルートの確定を指示するルート確定ボタン41と、次候補のルートの探索を指示する次候補探索ボタン42と、始点及び終点を再設定し直すルート再設定ボタン43と、ルート探索処理をキャンセルするキャンセルボタン44とを備えている。
【0030】
ステップS15で次候補探索ボタン42がクリックされたかどうか判断し、クリックされたならばステップS16で次候補のルートを自動探索してステップS17に進み、クリックされない場合にはステップS18に進む。ステップS17では次候補を探索した結果、次候補が存在するかどうかを判断し、存在しない場合には図示はしないが次候補ルートが存在しない旨の警告を表示しステップS13に戻り、存在する場合にはステップS14に戻る。
【0031】
ステップS18では、ルート再設定ボタン43がクリックされたかどうか判断し、クリックされたならばステップS11に戻り、クリックされない場合にはステップS19に進む。
【0032】
ステップS19では、ルート確定ボタン41がクリックされたかどうか判断し、クリックされない場合にはステップS15に戻り、クリックされたならばステップS20に進み、ステップS20でルート及びルート内の各分岐点の位置情報を決定して図3のステップS7に戻る。
【0033】
このようにしてルートが設定されると、図10に示すサムネイル登録/削除画面100がモニタ5に表示される。
【0034】
サムネイル登録/削除画面100は、VBS画像53を表示するメイン画面表示エリア101と、ルート上の全分岐点の複数のサムネイル103を表示するサムネイル表示エリア102と、サムネイル103にサムネイル情報を付加登録したり分岐点間のフレームをサムネイル103として追加する処理する登録ボタン104と、サムネイル103の削除処理を行う削除ボタン105と、VBS画像53をフレーム移動させる前ボタン107及び次ボタン108と、VBS画像53を任意のフレームに移動させるスライドバー113と、サムネイル登録/削除を確定する確定ボタン112とを有し、これら各ボタン及びスライドバーはポインタ114により選択できるようになっている。
【0035】
なお、VBS画像53がサムネイル103と一致する場合は、対応するサムネイル103の枠が、例えば太枠あるいはカラー表示され、この太枠あるいはカラー表示は、VBS画像53が他のサムネイル103と一致するまで保持される。これによりVBS画像53とサムネイル103との対応、すなわちVBS画像53の気管支での位置を容易に視認することが可能となっている。
【0036】
そして、このサムネイル登録/削除画面100によりステップS9でのナビ用のサムネイルムの追加/削除処理が実行される。
【0037】
ナビ用のサムネイルムの追加/削除処理において、図10の状態のサムネイル登録/削除画面100は、図11に示す待機モードであって、サムネイル登録/削除画面100の各ボタン及びスライドバーをポインタ114により選択することで、サムネイル登録モード、サムネイル削除モード及び表示変更モードに遷移可能となっている。
【0038】
まず、ナビ用のサムネイルムの追加/削除処理における表示変更モードを図12のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
図10の待機モードで前ボタン107、次ボタン108あるいはスライドバー113が操作されると表示変更モードに遷移し、図12に示すように、表示変更モードでは、ステップS51にて前ボタン107、次ボタン108あるいはスライドバー113の操作に対応してメイン画面表示エリア101に表示するVBS画像53のフレームFeを求め、ステップS52にてメイン画面表示エリア101にフレームFeが表示されているかどうか判断する。
【0040】
メイン画面表示エリア101にフレームFeが表示されている場合は処理を終了し、イン画面表示エリア101にフレームFeが表示されていない場合は、ステップS53にてメイン画面表示エリア101にフレームFeを表示し、ステップS54にてフレームFeがサムネイル登録されているかどうか判断する。
【0041】
サムネイル登録がなされている場合は、サムネイル情報データベース(以下、サムネイルD.B.と記す:詳細は後述する)にサムネイル情報を付加することが可能であるため、ステップS55にて登録されているサムネイル情報を取り出しフレームFeに重畳表示してステップS52に戻り、サムネイル登録がなされていない場合はステップS54からそのままステップS52に戻る。
【0042】
次に、ナビ用のサムネイルムの追加/削除処理におけるサムネイル登録モードを図13のフローチャートを用いて説明する。
【0043】
図10の待機モードで登録ボタン104が操作されるとサムネイル登録モードに遷移し、図13に示すように、サムネイル登録モードでは、ステップS61にてメイン画面表示エリア101に表示されているVBS画像53の表示フレームがサムネイルD.B.に登録済みかどうか判断する。サムネイルD.B.に登録済みの場合はステップS66に進み、サムネイルD.B.に未登録の場合は、ステップS62にて表示フレームに近接しているサムネイルの登録番号をサムネイルD.B.で検索し、ステップS63にて表示フレーム以降のフレームがサムネイルD.B.に登録済みかどうか判断する。サムネイルD.B.に登録済みの場合は、ステップS64にて表示フレーム以降の登録済みのフレームのサムネイルの登録番号をインクリメントして、ステップS65にて表示フレームのフレーム番号をサムネイルD.B.に登録しステップS66に進む。
【0044】
上記のステップS62〜S65の処理により、登録済みのサムネイル間に新規に表示フレームのサムネイルの登録が可能となる。
【0045】
ステップS66以降の処理では、サムネイルD.B.にサムネイル情報を登録する処理であって、ここでは、例えば表示変更モードの処理により、図10のサムネイル登録/削除画面100を例えば図14のサムネイル登録/削除画面100の表示状態に移行させ、3番目のサムネイル103にサムネイル情報を登録する例を説明する。
【0046】
図14のサムネイル登録/削除画面100での3番目のサムネイル103はサムネイルD.B.に登録済みであるので、登録ボタン104が操作されるとステップS61からステップS66に処理が移行し、ステップS66にてサムネイル登録/削除画面100に図15に示すような挿入マーカ設定ウインドウ120を表示し、挿入マーカの表示座標をサムネイルD.B.に登録する。
【0047】
具体的には、挿入マーク設定ウインドウ120が表示された状態で、ポインタ114にてメイン画面表示エリア101のVBS画像53上で挿入先を設定すると、該挿入先に挿入マーク121が表示される。そして、挿入マーク設定ウインドウ120の追加ボタンをポインタ114で選択することで挿入マーク121のVBS画像53上での表示座標がサムネイルD.B.に登録され、ステップS67に処理が移行する。
【0048】
ステップS67では、サムネイル登録/削除画面100に図16に示すような分岐名入力ウインドウ130を表示し、分岐名の入力及び分岐名の表示位置の設定を行う。
【0049】
具体的には、分岐名入力ウインドウ130入力欄に分岐名を入力すると共に、ポインタ114にてメイン画面表示エリア101のVBS画像53上で分岐名表示位置指定枠131にて分岐名を表示する位置を設定し、分岐名入力ウインドウ130の追加ボタンをポインタ114で選択することでステップS68に処理が移行する。
【0050】
そして、ステップS68にて入力された分岐名及び分岐名表示位置指定枠131で指定された表示位置の位置座標からなる分岐名情報をサムネイルD.B.に登録する。
【0051】
続いて、ステップS69では、サムネイル登録/削除画面100に図17に示すようなコメント入力ウインドウ140を表示し、コメントの入力及びコメントの表示位置の設定を行う。なお、図17では、分岐名131aが分岐名表示位置指定枠131で指定された表示位置に表示されている。
【0052】
具体的には、コメント入力ウインドウ140入力欄にコメントを入力すると共に、ポインタ114にてメイン画面表示エリア101のVBS画像53上でコメント表示位置指定枠141にて分岐名を表示する位置を設定し、コメント入力ウインドウ140の追加ボタンをポインタ114で選択することでステップS70に処理が移行する。コメント入力ウインドウ140には、サムネイルの重要度を指定する重要度指定項が設けられており、この重要度指定項は、図18に示すように、ポップアップウインドウにより重要度を指定することができるようになっている。なお、重要度指定項のデフォルト指定は無設定となっている。
【0053】
そして、ステップS70にて入力されたコメント及びコメント表示位置指定枠141で指定された表示位置の位置座標からなる分岐名情報をサムネイルD.B.に登録する。この処理が終了すると、図19に示すように、コメント141aがコメント表示位置指定枠141で指定された表示位置に表示される。
【0054】
続いて、ステップS71にて後述する重要度判定処理がなされ、ステップS72にて判定された重要度をサムネイルD.B.に登録して処理を終了する。
【0055】
そして、図20に示すように、図13のサムネイルムの追加/削除処理を最後のサムネイルに至るまで実行した後、確定ボタン112を操作することで、全ルートにおけるサムネイル情報が設定される。
【0056】
次に、ステップS71の重要度判定処理を図21のフローチャートを用いて説明する。
【0057】
図21に示すように、ステップS81にてコメント入力ウインドウ140の重要度指定項で重要度の入力があったかどうか判定する。重要度の入力があると、ステップS82にて重要度をサムネイルD.B.に登録して処理を終了し、重要度の入力がないと、ステップS83に進む。
【0058】
ステップS83では、コメント入力ウインドウ140でコメント入力があったかどうか判定する。コメントの入力がないとステップS84に重要度を最低レベルにしてステップS82に進み、コメントの入力があるとステップS85に進む。
【0059】
ステップS85では、コメントのテキスト(単語)を、図22に示すキーワードデータベース(以下、キーワードD.B.と記す)で検索する。そして、ステップS86にて、テキスト(単語)がキーワードD.B.に登録されているかどうか判断する。
【0060】
テキスト(単語)がキーワードD.B.に登録されていないとステップS87に重要度を最高レベルにしてステップS82に進み、テキスト(単語)がキーワードD.B.に登録されているとステップS88に進む。
【0061】
そして、ステップS88にてキーワードD.B.に登録しているテキスト(単語)に対応した重要度をサムネイルD.B.に登録して処理を終了する。
【0062】
このようにナビ用のサムネイルムの追加/削除処理におけるサムネイル登録モードが実行されることで、図23に示すようなサムネイルD.B.にサムネイル毎に、サムネイルNo.,フレームNo.,挿入マークの表示座標,コメントの表示座標,コメント内容,重要度,分岐名の表示座標,分岐名等が登録される。
【0063】
なお、サムネイルD.B.及びキーワードD.B.は、例えばVBS画像格納部16内に構築される。
【0064】
次に、ナビ用のサムネイルムの追加/削除処理におけるサムネイル削除モードを図24のフローチャートを用いて説明する。
【0065】
図10の待機モードで削除ボタン105が操作されるとサムネイル削除モードに遷移し、図24に示すように、サムネイル削除モードでは、ステップS101にてメイン画面表示エリア101に表示されているVBS画像53の表示フレームがサムネイルD.B.に登録済みかどうか判断する。表示フレームがサムネイルD.B.に登録されていると、ステップS102にて表示フレームのサムネイルをサムネイルD.B.から削除する。
【0066】
このようにしてルート設定がなされた挿入支援装置5による気管支内視鏡観察手技時の挿入支援について説明する。なお、以下では、ルートの分岐点が10カ所の場合を例に説明する。
【0067】
挿入支援装置5による気管支内視鏡観察手技時の挿入支援を開始すると、モニタ5に図25に示すような挿入支援画面200を表示する。
【0068】
この挿入支援画面200は、VBS画像像53を表示するメイン画面表示エリア101と、サムネイルD.B.に登録したサムネイル103を表示するサムネイル表示エリア102と、VBS画像像53を回転操作する回転操作エリア203と、VBS画像像53のフレームを進退させるフレーム移動操作エリア207とからなり、入力部4からの入力信号に基づき気管支鏡2のライブ画像が位置に対応した仮想画像であるVBS画像像53がメイン画面表示エリア102に表示される。
【0069】
なお、VBS画像53がサムネイル103と一致する場合は、対応するサムネイル103の枠が、例えば太枠あるいはカラー表示され、この太枠あるいはカラー表示は、挿入量検出装置3からの検出信号に基づきVBS画像53が他のサムネイル103と一致するまで保持される。これによりVBS画像53とサムネイル103との対応、すなわちき気管支鏡2の実際の挿入に対してVBS画像53の気管支での位置を容易に視認することが可能となっている。
【0070】
また、サムネイル表示エリア102に表示されるサムネイル103の重要度が、例えば「高」レベルあるいは「中」レベルに設定・登録さている場合は、該当するサムネイル103の下部に重要度が「高」レベルであることを示す高レベル重要度マーク150aあるいは重要度が「中」レベルであることを示す中レベル重要度マーク150bが表示される。
【0071】
なお、重要度が「低」レベルのサムネイル103の下部には何も表示されない。
【0072】
この高レベル重要度マーク150aあるいは中レベル重要度マーク150bが表示されているサムネイル103と太枠あるいはカラー表示されている現在位置のサムネイル103とを比較することで、ユーザは挿入に注意を要する分岐への到達状況が容易に把握でき、また、図26に示すように太枠あるいはカラー表示されている現在位置のサムネイル103と高レベル重要度マーク150aあるいは中レベル重要度マーク150bが表示されているサムネイル103とが一致すると、挿入マーク121と共にVBS画像53に分岐名131aやコメント141aが表示されるので、コメント141aに従った挿入支援を効果的に行うことができる。
【0073】
なお、サムネイル103の重要度が、例えば「高」レベルあるいは「中」レベルに設定・登録さている場合は、該当するサムネイル103の下部に重要度が「高」レベルであることを示す高レベル重要度マーク150aあるいは重要度が「中」レベルであることを示す中レベル重要度マーク150bが表示されるとしたが、これに限らず、例えば図27に示すように、重要度が「高」レベルであるサムネイル103の大きさと、重要度が「中」レベルであるサムネイル103大きさと、重要度が「低」レベルであるサムネイル103大きさとを変え、例えば、「高」レベルのサムネイル103の大きさ>「中」レベルのサムネイル103の大きさ>「低」レベルのサムネイル103の大きさという関係で、サムネイル103を表示するようにしても同様な効果を得ることができる。
【0074】
また、挿入支援画面200には、メイン画面表示エリア101及びサムネイル表示エリア102を設けるとしたが、これに限らず、図28に示すように、メイン画面表示エリア101及びサムネイル表示エリア102と共に気管支鏡2からの内視鏡ライブ画像を表示するライブ画像表示エリア250をメイン画面表示エリア101に隣接して設けるようにしてもよく、このようなライブ画像表示エリア250を設けることで、実際の気管支鏡2の内視鏡ライブ画像とVBS画像53との比較が容易となり、より効果的に挿入支援を行うことができる。
【0075】
さらに、図29に示すように、メイン画面表示エリア101に近傍にサムネイル103と太枠あるいはカラー表示されている現在位置のサムネイル103から注意を要するサムネイル103までの到達状況を示すメッセージ210を表示させるようにしてもよい。
【0076】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施例1に係る気管支挿入支援システムの構成を示す構成図
【図2】図1の画像処理部の機能構成を示すブロック図
【図3】図1の気管支鏡ナビゲーション装置によるナビゲーションデータの生成処理の流れを示すフローチャート
【図4】図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図
【図5】図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図
【図6】図3のルート設定処理の流れを示すフローチャート
【図7】図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図
【図8】図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図
【図9】図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第3の図
【図10】図3の処理で生成されたナビゲーションデータであるVBS画像のサムネイルを登録/削除するためのサムネイル登録/削除画面を示す図
【図11】図10のサムネイル登録/削除画面で遷移可能な各種遷移モードを示す図
【図12】図11の表示変更モードでの処理の流れを示すフローチャート
【図13】図11のサムネイル登録モードでの処理の流れを示すフローチャート
【図14】図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第1の図
【図15】図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第2の図
【図16】図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第3の図
【図17】図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第4の図
【図18】図13のコメント入力ウインドウの重要度指定項を説明する図
【図19】図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第5の図
【図20】図13の処理を説明するサムネイル登録/削除画面を示す第6の図
【図21】図13の重要度判定処理の処理の流れを示すフローチャート
【図22】図21の処理に用いられるキーワードD.B.を示す図
【図23】図13の処理により構築されるサムネイルD.B.を示す図
【図24】図11のサムネイル削除モードでの処理の流れを示すフローチャート
【図25】図23のサムネイルD.B.のデータを反映させた挿入支援画面を示す第1の図
【図26】図23のサムネイルD.B.のデータを反映させた挿入支援画面を示す第2の図
【図27】図25の挿入支援画面の第1の変形例を示す図
【図28】図25の挿入支援画面の第2の変形例を示す図
【図29】図25の挿入支援画面の第3の変形例を示す図
【符号の説明】
【0078】
1…内視鏡装置
2…気管支鏡
4…入力部
5…モニタ
6…気管支鏡ナビゲーション装置
11…CT画像データ取り込み部
12…CT画像データ格納部
13…MPR画像生成部
14…ルート設定部
15…VBS画像生成部
16…VBS画像格納部
17…画像処理部
17a…フレーム画像再生表示機能
17b…サムネイル生成機能
17c…サムネイル追加登録機能
17d…情報付加機能
17e…情報重畳機能
17f…重要度設定機能
17g…重要度反映機能
18…画像表示制御部
19…設定情報入力部
代理人 弁理士 伊藤 進

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の3次元領域の画像データに基づき前記被検体内の体腔路の仮想内視鏡画像を生成する仮想内視鏡画像生成手段と、
前記仮想内視鏡画像生成手段で生成した前記仮想内視鏡画像より、前記被検体内の体腔路が分岐する分岐点での分岐点画像を抽出する分岐画像抽出手段と、
前記分岐点画像の縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、
前記縮小画像に所望の付与情報を付加する情報付加手段と、
前記付与情報に基づいて前記縮小画像の重要度を設定する重要度設定手段と、
前記仮想内視鏡画像及び前記縮小画像を有する挿入支援画像を生成する挿入支援画像生成手段と、
前記挿入支援画像の前記縮小画像に前記重要度設定手段が設定した前記重要度を反映させる重要度反映手段と
を備えたことを特徴とする内視鏡挿入支援装置。
【請求項2】
被検体の3次元領域の画像データに基づき前記被検体内の体腔路の仮想内視鏡画像を生成する仮想内視鏡画像生成手段と、
前記仮想内視鏡画像生成手段で生成した前記仮想内視鏡画像をもとに、前記被検体内の体腔路が分岐する分岐点での分岐点画像を抽出する分岐点画像抽出手段と、
前記分岐点画像の縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、
前記縮小画像の重要度を設定する重要度設定手段と、
前記仮想内視鏡画像及び前記縮小画像を有する挿入支援画像を生成する挿入支援画像生成手段と、
前記挿入支援画像の前記縮小画像に前記重要度設定手段が設定した前記重要度を反映させる重要度反映手段と
を備えたことを特徴とるす内視鏡挿入支援装置。
【請求項3】
前記付与情報は、コメント文字列を含み、
前記重要度設定手段は、前記コメント文字列に基づいて前記縮小画像の重要度を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項4】
前記付与情報は、前記縮小画像の前記重要度のレベル情報を含み、
前記重要度設定手段は、前記レベル情報に基づいて前記縮小画像の重要度を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項5】
前記重要度反映手段は、前記挿入支援画像の前記縮小画像の近傍に前記重要度マーク画像を配置することで、前記挿入支援画像の前記縮小画像に前記重要度設定手段が設定した前記重要度を反映させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項6】
前記重要度反映手段は、前記挿入支援画像の前記縮小画像の大きさを前記重要度に基づいて可変することで、前記挿入支援画像の前記縮小画像に前記重要度設定手段が設定した前記重要度を反映させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡挿入支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−20874(P2006−20874A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202330(P2004−202330)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】