説明

冷却装置

【課題】受熱部を熱源と熱接続する際の受熱部の変形を防止して、良好な熱伝導性を維持することができる冷却装置を得る。
【解決手段】本発明の冷却装置は、対象物である熱源92付きの基板96に固定されるねじ97と、ねじ97に装着されるコイルばね98と、コイルばね98により熱源92付きの基板96に向けて付勢される取付板95と、取付板95と分離して設けられ、熱源92付きの基板96に当接する受熱板91とを備えている。これにより、熱源92付きの基板96に当接する受熱板91と、コイルばね98により前記熱源92付きの基板96に向けて付勢される取付板95が別部材で構成されるので、コイルばね98の付勢力は取付板95に作用するものの、直接的には受熱板91に及ばなくなって、受熱板91の変形を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばノート型パソコンなどの薄型電子機器内において、発熱部品であるMPU(マイクロプロセッサユニット)などの冷却に用いられる冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン(パーソナルコンピュータ)の性能向上と共に、このパソコンに搭載さ
れるMPUの発熱電力も増加傾向にある。その一方で、パソコンの小型化も進み、内蔵す
るMPUの冷却を主目的とした冷却装置の高性能化が求められている。
【0003】
こうした状況において、冷却装置を構成する送風部のファンも多彩な送風方向が必要と
なっており、例えば2方向などの複数方向への排気口を持つ冷却装置が増加している。例
えば特許文献1では、送風部であるファンモータの側部に、異なる方向で開口した排気口
としての吹出し部を各々設け、一方または両方の吹出し部に放熱体としての放熱フィンを
設けた送風装置が開示されている。
【0004】
図42はこうした送風装置の一例を示したものであるが、送風部501は送風装置の外郭
をなすケーシング502の内部にあって、遠心型のファン503が回転可能に設けられている。
ケーシング502の底面には吸気孔504が設けられていると共に、この吸気孔504と直交する
ケーシング502の側面に、異なる方向で2つの排気口506,507が設けられる。そして、第
1の排気口506と第2の排気口507には、熱伝導性の良い金属等の部材で構成された第1の
放熱フィン508と第2の放熱フィン509がそれぞれ配置されている。
【0005】
ここで、送風部501を構成するファン503が矢印R方向に回転すると、ケーシング502の
外部周辺にある空気が吸気孔504から送風部501内に取込まれる。当該空気は、ファン503
の羽根部であるファンブレード510の外周放射方向に送り出され、排気口506,507にある
放熱フィン508,509を通過して、冷却装置の外部に排出される。なお図42において、矢
印F501,F502はファン503から放熱フィン509に向かう空気の流れを示している。この図
に示すように、遠心型のファン503である場合、ファンブレード510が回転する向きで、フ
ァンブレード510の最外周の接線方向に風が送り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−140061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図43は熱伝導性の良好な薄板522単体を折り曲げて形成した放熱フィン524を示している。ここにある放熱フィン524は、一枚の薄板522で形成されるため熱伝達の点では有利である反面、放熱フィン524の上下にダクトを形成できない部分が生じ、そこから風F511が抜けてしまって放熱特性が悪い。そのため、入口から出口に向かって風が途中で抜け出さないダクトを形成するには、この上下に開放した部分を覆う別な部材が必要になる。
【0008】
一方、図44に示す放熱フィン534は、金属板材を折曲げ形成したフィン材530を複数枚
積層し、このフィン材530に形成した爪532を隣り合うフィン材530の係合部(図示せず)に係合して、各フィン材530を接続固定しているが、フィン材530間の係合が外れると分解し易く、強度が弱い上に、フィン材530どうしで分離しているために熱伝達の点で不利である。さらに、爪532の機械的な締結構造によって、所望の形状の放熱フィン534を得るようにしているので、高さH511の低い形状にするには製造的に難しいという問題もある。
【0009】
図45は、上記図42に示すような冷却装置の外郭部材をあらわしたものである。同図において、冷却装置の外郭は、樹脂製のケース540に金属製のカバー542を例えば超音波溶着により固定して構成される。ここでは、ケース540の上端面に突起としての円筒状のボス544を複数個設け、これらのボス544に対応して、複数の円形の孔546を設けている。なお、548は図示しない送風部に臨んで設けた吸気孔である。
【0010】
図46に示すように、前記孔546の径はボス544の外径よりも0.3mm〜0.5mm程度大きく、孔546にボス544が若干の隙間550を有して挿入されるようになっている。そしてこの場合は、各ボス544にそれぞれの孔546が適合するように、ケース540の上面に板状のカバー542を載せると、孔546からボス544の上部が突出し、この突出部を超音波溶接機(図示せず)により潰してフランジ部548を形成することで、ケース540にカバー542が固定されるようになっている。
【0011】
しかし、ケース540のボス544とカバー542の孔546との間には、若干の隙間550があるので、カバー542に水平方向のがたつきを生じ、特に送風部のモータを駆動する際に、2つの部材であるケース540とカバー542との間で、不快な振動音が発生する問題があった。
【0012】
筺体内において冷却装置は、例えば基板などの対象物にねじ止めで固定されているが、近年は性能の向上に伴って基板に搭載される電子部品の発熱量が上がり、基板は高密度化してきている。こうなると、冷却装置の取付が制限され、前記ねじと基板に配置された電子部品との絶縁距離を十分確保できない。また、冷却装置を対象物に固定する際に、ねじ止めでは作業性が悪いという問題があった。さらに冷却を必要とする部品も多くなり、固定手段についても制限される問題があった。
【0013】
また、冷却装置を構成する受熱部と固定対象物との取り付けに関し、例えば図47および図48に示すような、略矩形状の受熱板560の四隅に設けた孔561に挿通するねじ562と、このねじ562の頭部563と受熱板560の一側面との間に設けられたコイルばね564と、たとえばEリングのような脱落防止用のストッパ566とからなるフローティング部568を設けるのが主流になっている。この場合、対象物である熱源を搭載した基板(図示せず)は、受熱板560の他側に配置され、ねじ562を図示しないねじ孔に捩じ込んでいくと、コイルばね564の反発力が受熱板560から発熱部品の表面に作用し、受熱板560の他側面と発熱部品の表面が密着した状態で、受熱板560を含む冷却装置が基板に取り付けられるようになっている。
【0014】
しかし、フローティング部568による取付の際には、受熱板560に直接荷重が加わって、受熱板560が変形しやすく、受熱板560は僅か0.1mm程度変形しただけで、熱抵抗が大きくなって性能が著しく悪化する。
【0015】
また、例えば熱源であるCPUにある程度の高さがある場合、基板への取付け時にねじ562の先端にある雄ねじ部567を締め過ぎると、受熱板560はコイルばね564を押し潰してそれ以上に動かなくなり、雄ねじ部567の全締付け力が熱源付きの基板に作用する。そのため、熱源付きの基板が破壊しないように、雄ねじ部567の締め付け具合をその都度制限する必要があった。
【0016】
別な問題として、図47や図48に示すコイルばね564を利用したフローティング機構を採用すると、数箇所(例えば3〜5箇所)のコイルばね564によって、受熱板560から熱源側に荷重を加えるため、受熱板560と熱源との密着性はある程度良好に維持されるが、複数のコイルばね564があってコスト的に高価なものとなる上に、受熱板560への荷重をさらに多く加えようとすると、コイルばね564の取付部分が変形してしまい、強度的な制限がある。
【0017】
こうした問題に対し、例えば図49に示すように、コイルばね564に代わって板状弾性体すなわち板ばね570を採用したものも従来から知られている。同図において、582は冷却装置580の外郭をなすヒートシンク、586はヒートシンク582の一側に形成した凹部584の上面を塞ぐカバーで、回動可能なファン588を備えた送風部590が凹部584内に設けられる。また、ヒートシンク582の他側には受熱体に相当する受熱部592が形成され、この受熱部592の下面側に形成した凹状の受部594に、例えばパソコン筺体(図示せず)に取付けられるCPUなどの熱源596が配設される。
【0018】
600は受熱部592の例えば四隅にそれぞれ配置されるフローティング部で、このフローティング部600の下端に形成した雄ねじ部602を利用して、冷却装置580がパソコン筺体に取付けられる。また、フローティング部600は受熱部592に取付けられるフランジ604付きの筒状体606を有し、この筒状体606に板ばね570の周囲に形成した孔(図示せず)が挿通するようになっている。
【0019】
板ばね570は、図49の点線で示すように、単体の状態では中央部が凸状に湾曲しており、フローティング部600の筒状体606に孔を挿通すると、フランジ604に当接した周囲部が中央部を支点として弾性変形する。これにより、板ばね570の中央部が受熱部592を熱源596側に押し付けて、受熱部592と熱源596との密着性を高めるようにしている。
【0020】
しかし、図49に示すものでは、板ばね570による受熱部592への荷重が、点または線の接触に過ぎないものとなるため、発熱部である熱源596と受熱部592との密着性が悪くなり、熱源596からの熱が冷却装置570側に十分流れなくなって、パソコンとして動作異常を起こしやすくなる。
【0021】
本発明の第1の目的は、受熱部を熱源と熱接続する際の受熱部の変形を防止して、良好な熱伝導性を維持することができる冷却装置を得ることにある。
【0022】
本発明の第2の目的は、部品点数を増加させることなく、対象物に過度の力を与えないようにする冷却装置を得ることにある。
【0023】
本発明の第3の目的は、熱源と受熱部との密着性を簡単に改善することができる冷却装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1の発明の冷却装置では、対象物に当接する受熱部と、付勢される取付部が別部材で構成されるので、弾性体の付勢力は取付板に作用するものの、直接的には受熱部に及ばなくなって、受熱部の変形を抑制できる。
【0025】
請求項2の発明の冷却装置では、固着部材を例えばねじ締めなどにより対象物に固定する際に、対象物にストッパが突き当たると、それ以上は弾性体の付勢に抗して固着部材を受熱部側に移動させることができなくなる。したがって、受熱部が弾性体を押し潰す前に、ストッパが対象物に突き当たるように、ストッパの寸法を予め決めておけば、対象物に過度の力が与えられず、対象物の破壊が回避される。また、このストッパは、本来受熱部から固着部材が抜け出すのを防止するのに設けられているものであるから、部品点数は全く増加しない。
【0026】
請求項3の発明の冷却装置では、板状弾性体に設けたそれぞれの凸部が、受熱体に対して均等に荷重を加えることになるので、熱源に対して受熱部が傾きにくくなり、熱源と受熱部との密着性を改善することができる。
【発明の効果】
【0027】
請求項1記載の発明によれば、受熱部を熱源と熱接続する際の受熱部の変形を防止して、良好な熱伝導性を維持することができる。
【0028】
請求項2記載の発明によれば、部品点数を増加させることなく、対象物に過度の力を与えないようにする冷却装置を得ることができる。
【0029】
請求項3記載の発明によれば、板状弾性体に複数の凸部を設けるだけで、熱源と受熱部との密着性を簡単に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1参考例における冷却装置のカバーを外した状態の平面図である。
【図2】本発明の第2参考例における冷却装置のカバーを外した状態の平面図である。
【図3】本発明の第3参考例における冷却装置のカバーを外した状態の平面図である。
【図4】同上、各放熱フィンのフィン材の枚数を変えたときの、流量−風圧の特性を示すグラフである。
【図5】同上、各放熱フィンのフィン材の枚数を変えたときの、ファン速度−騒音レベルの特性を示すグラフである。
【図6】本発明の第4参考例における冷却装置のカバーを外した状態の平面図である。
【図7】本発明の第5参考例における冷却装置の要部斜視図である。
【図8】同上、ヒートパイプを利用した変形例を示す冷却装置の要部斜視図である。
【図9】本発明の第6参考例における放熱フィンの全体斜視図である。
【図10】同上、図9の放熱フィンを組み込んだ冷却装置の平面図である。
【図11】同上、図9の放熱フィンを組み込んだ冷却装置の正面図である。
【図12】同上、図9の放熱フィンを組み込んだ冷却装置の左側面図である。
【図13】本発明の第7参考例における冷却装置の溶着後の要部斜視図である。
【図14】同上、カバー単体の平面図である。
【図15】同上、超音波溶着を行った後のボスとその周辺の要部平面図と、そのI−I線断面図である。
【図16】同上、受部の様々な変形例を示す要部平面図である。
【図17】本発明の第8参考例における冷却装置の一部切欠き断面図である。
【図18】同上、固定部の断面図である。
【図19】同上、図18のI−I線断面図である。
【図20】同上、固定対象物である基板単独の平面図である。
【図21】同上、基板上に冷却装置を取付けた状態の平面図である。
【図22】同上、基板上に冷却装置を取付けた状態の正面図である。
【図23】本発明の第1実施例における受熱板とその周辺の平面図である。
【図24】同上、受熱板とその周辺の一側面図である。
【図25】同上、図23のI−I線断面図である。
【図26】本発明の第2実施例における要部の断面図である。
【図27】本発明の第3実施例における冷却装置の部分断面図である。
【図28】同上、冷却装置の部分平面図である。
【図29】同上、板ばねの平面図である。
【図30】本発明の第9参考例における冷却装置の要部分解斜視図である。
【図31】同上、図30のA方向矢視図である。
【図32】本発明の第10参考例における冷却装置としてのターボファンの風速特性を示した説明図である。
【図33】同上、改良した冷却装置の説明図である。
【図34】同上、別な改良した冷却装置の説明図である。
【図35】本発明の第11参考例における冷却装置の平面図である。
【図36】同上、要部斜視図である。
【図37】同上、図35のI−I線断面図である。
【図38】本発明の第12参考例における冷却装置の平面図である。
【図39】同上、図38のI−I線断面図である本発明の第12参考例における冷却装置の平面図である。
【図40】同上、冷却装置の一側面図である。
【図41】同上、別な変形例を示す冷却装置の背面図である。
【図42】従来例における冷却装置のカバーを外した状態の平面図である。
【図43】従来例における薄板単体を折り曲げて形成した放熱フィンの斜視図である。
【図44】従来例における金属板材を複数枚積層した放熱フィンの斜視図である。
【図45】従来例における冷却装置の外郭をあらわした分解斜視図である。
【図46】従来例における超音波溶着を行った前後のボスとその周辺の要部平面図である。
【図47】従来例における受熱板とフローティング部の平面図である。
【図48】図47のI−I線断面図である。
【図49】従来例における別な冷却装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る冷却装置の各実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、各実施例において同一の箇所には同一の符号を付し、共通する部分の説明は極力省略する。各実施例に示す冷却装置は、例えばノート型パソコンなどの発熱部品を内蔵した薄型電子機器内に収容されるが、どのような機器に使用しても構わない。
【参考例1】
【0032】
図1は、本発明の第1参考例を示すもので、冷却装置の外郭部材は有底状のケーシング1と、このケーシング1の上面開口を覆うカバー(図示せず)とにより薄型扁平状に構成される。当該ケーシング1およびカバーにより囲まれた送風装置の内部には、遠心型のファン2を備えた送風部3が設けられる。ファン2は周知のように、カップ状をなすロータ4の周囲に複数枚のファンブレード5を備えて構成され、ロータ4の内周面に取付けられたマグネット(図示せず)と、ロータ4に取り囲まれたモータ部(図示せず)との電磁作用により、図1に示す矢印Rの方向にファン2が回転するようになっている。
【0033】
前記ファン2の下面に対向して、ケーシング1の底面には吸気口7が形成される。同様に、ここでは図示していないが、ファン2の上面に対向してカバーにも別な吸気口が形成され、ファン2の両面より送風部3に空気を取込む構成となっている。また、吸気口7と直交するケーシング1の側面には、異なる方向に2つの排気口8,9がそれぞれ設けられる。この排気口8,9は、ファン2から送り出された空気を送風装置の外部に排出する流路を形成するが、送風部3の側部3方向以上に設けられてもよい。本参考例では、送風部3の周囲側面の隣り合う2辺に排気口8,9が各々設けられ、他の2辺はR状の曲面部10で繋がれているが、排気口8,9を対向する2辺に設けてもよい。
【0034】
前記第1の排気口8には、金属板を折曲げ形成したフィン材11Aと、このフィン材11Aとは別な形状で、同じく金属板を折曲げ形成したフィン材11Bとを、それぞれ複数並設して連結した放熱フィン13が設けられる。また、別な第2の排気口9にも、金属板を折曲げ形成したフィン材11Cを複数並設してなる放熱フィン14が設けられる。それぞれのフィン材11A〜11Cは、送風部3の側面から排出される空気の流れを極力妨げない方向、すなわち排気口8,9の幅方向に並んで配置される。
【0035】
この参考例では、少なくとも第1の排気口8に配置された放熱フィン13について、風が流れる方向に沿った長さがそれぞれ異なるフィン材11A,11Bで形成されている。より具体的には、空気が排出される放熱フィン13の出口面は、各フィン材11A,11B共に直線状に揃っているものの、空気が入り込む放熱フィン13の入口面は、長さの違うフィン材11A,11Bによって段差が生じている。すなわちここでは、ファンブレード5の外周から放熱フィン13の入口面に至る距離が、放熱フィン13の幅方向にわたってできるだけ一定となるように、長さの異なる2種類のフィン材11A,11Bが配置されている。一方、第2の排気口9に配置された放熱フィン14は、1種類のフィン材11Cだけで形成されており、その入口面および出口面とも直線状に揃っている。
【0036】
好ましくは、複数のフィン材11Aを並べて繋ぎ合わせたフィン部16Aと、複数のフィン材11Cを並べて繋ぎ合わせたフィン部16Cは、風が流れる方向に沿った長さが同じに形成される。こうすると、フィン材11A,11Cを同じ部材とすることができ、部品の共通化が図られる。勿論、フィン部16Aの代わりに、複数のフィン材11Bを並べて繋ぎ合わせたフィン部16Bを、前記フィン部16Cと同じ長さになるように形成してもよい。
【0037】
次に、上記構成についてその作用を説明する。送風部3を構成するファン2がその回転軸を中心として矢印R方向に回転すると、冷却装置の外部周辺にある空気が吸気口7から送風部3内に取込まれる。当該空気は、ファン2の羽根部であるファンブレード5の外周放射方向に送り出され、排気口8,9にそれぞれ設けられた放熱フィン13,14のフィン材11A〜11C間を通過して、冷却装置の外部に排出される。なお図1において、矢印F1,F2,F3はファン2から各放熱フィン13,14に向かう空気の流れを示している。同図に示すように、遠心型のファン2である場合、ファンブレード5が回転する向きで、このファンブレード5の最外周の接線方向に風が送り出される。
【0038】
ここで放熱フィン13に着目すると、ファン2の外周からフィン部16Aの一端部に向かう風F1が、別なフィン部16Bによって邪魔されないように、フィン材11A,11Bの入口側段差が考慮される。従って、ファンブレード5の外周と放熱フィン13の入口面との距離を一定に保つことで、放熱フィン13の入口面における局部的な騒音の増加を抑えつつ、段差部近傍のフィン部16Aの一端部にも風F1を十分に届ける流路を確保することで、風量の損失を抑制できる。また本参考例では、別な放熱フィン14のフィン部16Cに向かう風F2が、フィン部16Aの他端部によって邪魔されないように、フィン部16Aの入口面の位置ひいてはフィン部16Aの長さが考慮される。そのため、ここでもフィン部16Cの端部に風F2を十分に届ける流路を確保することができる。
【0039】
以上のように本参考例では、複数方向に排気部としての排気口8,9を設けた送風部3を具備し、これらの排気口8,9に放熱体としての放熱フィン13,14が各々配置される冷却装置において、少なくとも一つの放熱フィン13が2種類以上の長さで形成されると共に、一つの放熱フィン13と別な放熱フィン14に、同じ長さを有するフィン部16A,16Cを設けている。
【0040】
このように、少なくとも一つの放熱フィン13の長さを2種類以上に異ならせることで、送風部3内のファンブレード5外周から放熱フィン13の入口面に至る距離を適切に保つことができるので、ファンブレード5外周と放熱フィン13,14との距離が近くなることに起因する騒音性能の悪化を回避でき、低騒音を実現できる。また、ファンブレード5の外周形状に合せて放熱フィン13,14を部分的に長く形成するので、その分放熱面積が増加し、放熱効率を高めることができる。
【0041】
さらに、送風部3が本参考例のように遠心型のファン2を備えている場合、ファンブレード5が回転する向きで、且つ当該ファンブレード5の最外周の接線方向に風が送り出される(図1の風F1,F2参照)。そのため、少なくとも一つの放熱フィン13の長さを2種類以上に変えることによって、ファン2から送り出される送風部3からの風が、途中で別の放熱フィン13に当たって、所望の放熱フィン14に届かなくなることを回避できる。つまり、送風部3から排気口8,9に配置した放熱フィン13,14の方向へ、流路を予想して空気の流れを妨げないようにすることが可能になり、風量の損失を最小限に抑制し、各放熱フィン13,14の全体に効率よく空気を送り出すことができる。これにより、より多くの風量が得られ、放熱効率もさらに向上する。
【0042】
さらに、一つの放熱フィン13と別な放熱フィン14に、同じ長さを有するフィン部16A,16Cがあることから、数種類の長さを持つ放熱フィン13,14の一組を、フィン部16A,16Cとして共通の部品(フィン材11A,11C)で構成することができ、放熱フィン13,14を製造する際の金型費用を効果的に抑制できる。その結果、より高性能で安価な冷却装置を提供できることとなる。
【参考例2】
【0043】
図2は、本発明の第2参考例を示すもので、ここでは第2の排気口9に、金属板を折曲げ形成したフィン材11Cと、このフィン材11Cとは別な形状で、同じく金属板を折曲げ形成したフィン材11Dとを、それぞれ複数並設して連結した放熱フィン14が設けられている。当該フィン材11C,11Dは、第1の排気口8に配置された放熱フィン13のフィン材11A,11Bと同様に、風が流れる方向に沿った長さがそれぞれ異なっていて、空気が排出される放熱フィン14の出口面は、各フィン材11C,11D共に直線状に揃っているものの、空気が入り込む放熱フィン14の入口面は、長さの違うフィン材11C,11Dによって段差が生じている。すなわち、ファンブレード5の外周から放熱フィン14の入口面に至る距離が、放熱フィン14の幅方向にわたってできるだけ一定となるように、長さの異なる2種類のフィン材11C,11Dが配置されている。
【0044】
放熱フィン14は、複数のフィン材11Cを並べて繋ぎ合わせたフィン部16Cと、複数のフィン材11Dを並べて繋ぎ合わせたフィン部16Dとにより構成される。またここでは、一方の放熱フィン13の一部をなすフィン部16Bと、別な放熱フィン14の一部をなすフィン部16Cの、風が流れる方向に沿った長さが同じに形成される。こうすると、フィン材11B,11Cを同じ部材とすることができ、部品の共通化が図られる。
【0045】
さらに本参考例では、ファンブレード5の外周から送風部3の排気口8,9を設けていない周囲側面に流れる風F3を、放熱フィン14の流路方向に向かわせる壁部としての凸部18が、送風部3の周囲側面(内面)に形成される。この凸部18は別な部位に設けてもよく、また例えば凹状に形成してもよい。要するに、ファンブレード5の外周から流れる風を当てて、放熱フィン13,14の流路方向に向かわせることができれば、どのような形状であっても構わない。なお、それ以外の構成は、第1参考例のものと共通している。
【0046】
そして本参考例では、送風部3を構成するファン2が矢印R方向に回転すると、冷却装置の外部周辺にある空気が吸気口7から送風部3内に取込まれる。当該空気は、ファン2の羽根部であるファンブレード5の外周放射方向に送り出され、排気口8,9にそれぞれ設けられた放熱フィン13,14のフィン材11A〜11D間を通過して、冷却装置の外部に排出される。
【0047】
ここで放熱フィン14に着目すると、フィン部16Cに向かう風F2が、別な放熱フィン13の一部をなすフィン部16Aの他端部によって邪魔されないように、フィン部16A,16Cの入口面の位置ひいてはフィン部16A,16Cの各長さが考慮される。そのため、放熱フィン14のフィン部16Cにも風F2を十分に届ける流路が確保され、風量の損失を抑制できる。また、ファンブレード5の外周から放熱フィン13,14の入口面に至る距離が略一定に保たれており、一方の放熱フィン13のみならず、別な放熱フィン14の入口面における局部的な騒音の増加を抑制できる。さらに本参考例では、ファンブレード5の外周接線方向から流れる風F3が、凸部18に直接当たって、放熱フィン14の流路方向に向かうようになっている。そのため、凸部18を設けただけで、放熱フィン14を設けた排気口9の排気風量を簡単に増加させることができる。
【0048】
以上のように本参考例では、複数方向に排気口8,9を設けた送風部3を具備し、これらの排気口8,9に放熱フィン13,14が各々配置される冷却装置において、少なくとも一つの放熱フィン13のみならず、排気口8,9に配置した各々の放熱フィン13,14が2種類以上の長さで形成される。
【0049】
この場合、第1参考例で説明したような作用効果を奏することは勿論、それぞれの排気口8,9に配置した放熱フィン13,14が、いずれも2種類以上の長さで形成されるので、放熱フィン13,14周辺の各部で、より低騒音,高風量になり、放熱効果を一層高めることができる。
【0050】
また本参考例では、放熱フィン14の流路方向に風を向ける壁部としての凸部18を、送風部3の内面に設けている。こうすると、送風部3からの風が凸部18に当たって、放熱フィン14の流路方向に風を向けることができるので、当該放熱フィン14に効率よく風が通過することとなり、さらなる高風量化を達成できる。
【参考例3】
【0051】
図3は、本発明の第3参考例を示すもので、放熱フィン14を構成するフィン材11C,11D間のピッチが、放熱フィン14を構成するフィン材11C,11D間のピッチよりも狭くなっていて、各放熱フィン13,14毎に空気が通過する隙間のピッチ(距離)が異なる点以外は、第2参考例と共通している。
【0052】
この場合の放熱フィン13は、ピッチが広い分だけ空気抵抗が少ないので、送風部3からの空気が通過しやすく、より大きな排気風量を得ることができる。逆にピッチの狭い放熱フィン14は、放熱フィン13よりも空気抵抗が若干大きくなるものの、フィン部16C,16Dの配置数が多く放熱面積も広くなるので、例えば熱輸送手段であるヒートパイプ(図示せず)の端部を放熱フィン14に熱接続した場合でも、このヒートパイプから効率よく熱を奪うことができる。また、この放熱フィン14に風F3を向ける凸部18を設けることにより、ピッチの狭い放熱フィン14に対しても、十分な排気風量を得ることができる。
【0053】
以上のように、本参考例における冷却装置は、各放熱フィン13,14毎に空気が通過する隙間のピッチを変化させている。こうすると、上記第1参考例や第2参考例における作用効果を発揮することは勿論、放熱フィン13,14のピッチを各々変化させることで、当該放熱フィン13,14を通過する排気量と放熱面積を任意にコントロールできる。例えばヒートパイプのような熱輸送手段と接する放熱フィン14は、そのピッチを意図的に短かくすれば、放熱面積が増加して放熱効率が高まるので、当該放熱フィン14を通過する空気が、熱輸送手段により運ばれた熱を効率よく奪うことができる。
【0054】
ここで、図3に示す各放熱フィン13,14のフィン材11A〜11Dの枚数を変えたときの、流量−風圧の特性と、ファン速度−騒音レベルの特性を、図4および図5にそれぞれ示す。図中、点線は放熱フィン13を構成するフィン材11A,11Bの合計枚数が12枚で、放熱フィン14を構成するフィン材11C,11Dの合計枚数が8枚の場合(最適前)の測定結果を示し、また実線はフィン材11A,11Bの合計枚数が9枚で、フィン材11C,11Dの合計枚数が6枚の場合(最適後)の測定結果を示している。
【0055】
図4に示すように、各放熱フィン13,14のピッチを広げることで、同一風圧における流量(若しくは、同一流量における風圧)が増加する。なお、ここでのファン2の速度は3500rpmで一定となっている。また図5に示すように、各放熱フィン13,14のピッチが広がると、特に低速域での騒音が低下する。こうした測定結果から、各放熱フィン13,14のピッチを適宜変えることで、最適な排気風量と騒音特性を得ることが可能になる。
【参考例4】
【0056】
図6は、本発明の第4参考例を示すもので、ここでは前記排気口8,9とは別に、放熱フィンを全く配置していない別な排気口19が設けられ、ここからさらに風を送り出せようになっている。また、排気口9にある放熱フィン14も、当該排気口9に部分的にしか配置されておらず、放熱フィン14を通過せずにそのまま外部に排出される孔20が形成される。この孔20を通過する空気は、抵抗を受けずにそのまま排出されるので、排気口19から排出される空気と同様に、冷却装置としての排気風量を増加させることが可能になる。それ以外の構成は、第3参考例に示す冷却装置と共通している。
【0057】
本参考例では、放熱フィン14が一部存在しない排気口9や、放熱フィンが全く存在しない排気口19をさらに具備している。この場合、放熱フィン14が一部または全く存在しない排気口9,19の箇所があるので、その部分では放熱フィン14による空気抵抗が生じることはなく、空気がスムースに通過する。したがって、冷却装置としての排気風量を増加させることができる。
【参考例5】
【0058】
図7は本発明の第5参考例を示す冷却装置の要部斜視図である。同図において、21はファン(図示せず)を内蔵する送風部で、この送風部21の送風方向に放熱フィン22を配設している。なお、本参考例の放熱フィン22は送風部21の排気方向に設けているが、吸気方向に設けてもよい。放熱フィン22は軽量化を図るために、ダイカスト一体成形の構造体ではなく、平行に配置された複数枚のフィン材23を積層して構成される。個々のフィン材23はいずれも同一形状をなし、放熱部24の上端および下端に形成された折曲げ部25A,25Bと、放熱フィン22の出口側に折曲げ形成された傾斜部26とを有する。折曲げ部25Bと傾斜部26は絞り加工により折曲げ形成してもよいし、折曲げ部25Bと傾斜部26との間に割り溝(図示せず)を入れて折曲げ形成してもよい。そして、これらの折曲げ部25A,25Bおよび傾斜部26の先端が、隣接するフィン材23の背面に突き当てて接続固定される。フィン材23,23間の接続固定は、例えば接着,溶接,半田付けの他に、カシメなどでも実現できる。
【0059】
放熱フィン22は、送風部21の排気口(図示せず)に対向して空気を取入れる入口27が形成されると共に、この入口27と直交する方向に、空気を排出する出口28が形成される。そして、前記フィン材23の一部をなす傾斜部26は、放熱フィン22を通過する風の流れ(送風方向)を変える風向部として機能する。本参考例における風向部は、放熱フィン22の下端から斜め直線状に立上がっているが、例えば緩やかなカーブで立上げても良いし、その形状は特に限定されない。
【0060】
29は例えばMPUのような熱源Sに接する受熱部としての受熱板で、図7に示す例では、放熱フィン22の底面をなす折曲げ部25Bに受熱板29が直接接続固定される。この受熱板29は熱伝導性に優れた部材で構成されるが、例えば図8に示すように、熱伝達手段であるヒートパイプ30を介して、放熱フィン22の折曲げ部25Bに連結してもよい。ヒートパイプ30は、熱伝導性に優れた銅などの管体内部に微小量の作動液を注入し、この作動液を管体内部で還流させるもので、音速で移動する作動液により極めて優れた熱応答性が得られる。図8に示す変形例では、ヒートパイプ30の一端に受熱板29が熱接続されると共に、ヒートパイプ30の他端に放熱フィン22が熱接続される構成となっている。
【0061】
そして図7に示す例では、熱源Sから発生する熱が、受熱板29から直接放熱フィン21に伝導し、図8に示す例では、熱源Sから発生する熱が、受熱板29からヒートパイプ30を介して放熱フィン22に伝導する。それと共に、送風部21から放熱フィン22の入口27に向けて送風を行なうと、入口27から進入した空気が、前記放熱フィン22に達した熱を奪いつつ、各フィン材23,23間を通過して傾斜部26に達し、そこで風の流れを水平から垂直方向に変えて、放熱フィン22の後方上端にある出口28からスムースに排出される。特に冷却装置が薄型電子機器の筺体中央にあって、筐体の上面や底面に排気孔を設けざるを得ない場合でも、この排気孔に放熱フィン22の出口28を直接対向させることができる。また、複数のフィン材23を積層した放熱フィン22の一部として傾斜部26が形成されるため、放熱フィン22としての冷却効果が損なわれず、結果的に熱源Sの冷却を効率よく行なうことができる。
【0062】
このように、放熱フィン22を構成するフィン材23の一部として、このフィン材23と共に送風方向を変える傾斜部26が一つずつ積層されているので、スペースの限られた筺体内に冷却装置を設けた場合でも、放熱フィン22としての軽量化を保ちつつ、熱源Sの冷却を効率よく行なうことができる。また、フィン材23を個々にカシメなどで連結することで、傾斜部26を有する放熱フィン22を組立てることができるので、放熱フィン22としての製造性や組立性も従来のものと何等変わりなく、悪化することはない。
【0063】
以上のように本参考例によれば、熱源Sと接する受熱部としての受熱板29と、送風部21と、この送風部21の送風方向にあって、受熱板29からの熱を奪う放熱部であって積層フィンとしての放熱フィン22とを備えた冷却装置において、放熱フィン22に送風方向を変える風向部としての傾斜部26を形成している。
【0064】
この場合、送風部21から放熱フィン22を通過する風によって受熱板29から放熱フィン22に伝達した熱が奪われるが、この熱を奪った風の方向は、傾斜部26によって別な向きに変えることができるので、所望の方向である例えば冷却装置を収容する筐体の排気孔などに、そのまま排気風を向けることができる。しかも、傾斜部26は複数のフィン材23を積層した放熱フィン22に形成されるものであるため、重量の増加は殆どなく、わざわざ別部品で風向を変化させる必要もない。さらに、放熱フィン22としての冷却効果や、組立性および製造性が損なわれることもない。
【0065】
また、特に図8に示す例では、受熱板29と放熱フィン22との間を熱の伝達手段であるヒートパイプ30で連結している。こうすると、受熱板29と放熱フィン22との間が離れていても、ヒートパイプ30により効率よく熱を放熱フィン22に導くことが可能になる。
【0066】
なお、別な参考例として、図7や図8に示す傾斜部26を、フィン材23の全てにではなく部分的に設け、残りのフィン材23には傾斜部26を設けない構成としてもよい。こうすると、放熱フィン22からの空気の出口を、垂直方向と水平方向の2つに分けることができ、より細かな筺体内部の部品配置に対応することが可能になる。
【参考例6】
【0067】
図9〜図12は、本発明の第6参考例を示すものである。図9は、本参考例における放熱フィン31の斜視図であるが、当該放熱フィン31は、例えば金属などの熱伝導性に優れた矩形状の薄板を折り曲げて形成される。薄板の材料や材厚は、熱伝導性,強度,曲げやすさなどを総合的に考慮して、好ましいものを選択すればよい。
【0068】
本参考例では、三角形状の断面を有し、空気の入口32と出口33以外を閉ざしたダクト34が一乃至複数形成されるように薄板が折り返される。それと共に、各ダクト34の一辺が、放熱フィン31の上部および下部に連続する略平坦な部分(平坦面)35を形成している。
【0069】
こうして単独の薄板で形成された放熱フィン31は、図10〜図12に示すように、好ましくは遠心型のファンを有する送風部36を備えた冷却装置に配設される。これらの各図において、送風部36は板状のヒートシンク37上に配置され、このヒートシンク37の一側に形成した受熱部たる受熱板38上に、前記図9に示す構造の放熱フィン31が配置される。39は、受熱板38を含むヒートシンク37の上部を覆うダクト部品としてのカバーで、これらのヒートシンク37およびカバー39によって、一側に排気孔40を有する冷却装置の外郭部材が構成される。前記放熱フィン31は、その入口32がファンモータとしての送風部36の側面に対向していると共に、出口33が冷却装置の排気孔40に対向している。
【0070】
前記ヒートシンク37とカバー39は、送風部36を構成するファンの回転軸方向に位置して、それぞれ吸気孔41を備えている。また、送風部36から排気孔40に至るダクト(空気の流路)の一部を放熱フィン31が形成するために、平坦面35の外形に概ね一致する切欠き42を、カバー39の一部に形成している。これにより、放熱フィン31の上部にある平坦面35が、冷却装置のカバー39から露出して、平坦面35とカバー39の上面が、略面一に形成される。
【0071】
前記受熱板38は放熱フィン31の下部にある別な平坦面35と直接的に接続される。この場合、受熱板38の上面も略平坦なので、受熱板38と放熱フィン31との熱接続性は極めてよい。勿論、ヒートシンク37と受熱板38は別部材で構成してもよく、例えば受熱板38と放熱フィン31とを、図示しないヒートパイプで連結してもよい。この場合も、例えばヒートパイプの端部に潰し加工を施して、部分的に扁平部を形成すれば、放熱フィン31との良好な熱接続を実現できる。
【0072】
次に、上記構成についてその作用を説明すると、送風部36を構成するファンがその回転軸を中心として一方向に回転すると、冷却装置の外部周辺両側(上側および下側)にある空気が、ヒートシンク37とカバー39のそれぞれに設けた吸気孔41から送風部36内に取込まれる。当該空気は、送風部36の外周放射方向に送り出され、放熱フィン31とカバー39およびヒートシンク37によって形成されたダクト内を通過して、吸気孔41と直交する方向にある排気孔40に排出される。
【0073】
この一連の過程で、受熱板38に接続した熱源Sが発熱すると、当該熱が受熱板38から直接的に放熱フィン31に到達する。このとき、放熱部36の側部から放熱フィン31の入口32に達した水平方向に移動する空気は、それぞれのダクト34を通過しながら、放熱フィン31に伝わった熱を奪い、途中で抜け出すことなく出口33に至る。したがって、単独の薄板からなる放熱フィン31によって、熱源Sを速やかに且つ効率よく冷却することができる。
【0074】
また、図43に示す例では、放熱フィン524の上側開放部を塞いでダクトを形成するために、放熱フィン524の上側をカバー39若しくは他の部品で覆う必要があったが、本参考例では放熱フィン31自体が、入口32から出口33に至る空気の流路を、ダクト34として形成していることから、放熱フィン31の上部や下部にある平坦面35を覆う必要がない。そのため、図10に示すように、切欠き42によって放熱フィン31の上部側にある平坦面35を露出させ、放熱フィン31の高さ方向を拡大することが可能になる。また、放熱フィン31に伝わった熱を、この露出した平坦面35から自然放熱H1(図12参照)させることができ、この点でも放熱特性を向上させることができる。
【0075】
以上のように本参考例では、熱伝導性の良い板状体すなわち薄板を連続的に折返して形成される放熱フィン31において、この薄板の折返しにより断面が三角形状となるダクト34を形成すると共に、放熱フィン31の上下部に平坦部である平坦面35を形成している。
【0076】
このように、薄板を折返して断面が三角形状となるダクト34を放熱フィン31自身で形成すれば、別部材をわざわざ用いなくても、ダクト34の途中で空気が逃げ出すことはなく、放熱特性が著しく向上する。また、薄板単体でダクト34付きの放熱フィン31を形成できるため、十分な強度を確保でき、且つ爪などの締結部が不要なため、高さの低い形状にも簡単に対応できる。さらに、放熱フィン31の上下に平坦面35が形成されるので、例えば熱源からの熱を受ける受熱部などを、この平坦面にロスなく熱接続でき、熱伝導特性を向上できる。
【0077】
なお、この参考例では冷却装置に組み込んだ放熱フィン31について説明したが、冷却装置とは別個であってもよく、さらに冷却装置以外のものに適用することも可能である。
【参考例7】
【0078】
図13〜図16は、本発明の第7参考例を示すものである。これらの各図において、冷却装置の外郭は、好ましくは樹脂製のケース45に、好ましくは金属製のカバー46を例えば超音波溶着により固定して構成される。ここでは、第1の部材であるケース45の上端面に突起としての円筒状のボス48を複数個設け、これらのボス48に対応して、複数の円形の孔49を設けている。なお、50は図示しない送風部に臨んで設けた吸気孔である。
【0079】
本参考例では、ケース45またはカバー46の水平方向の移動を規制する受部51が、前記孔49のそれぞれに異なる方向で形成される。またこの受部51に対応して、ケース45に設けられたボス48には、超音波溶着に伴う凸状または凹状の係合部52(図15(A)参照)が形成される。例えば図14に示す例では、受部51がいずれも孔49に連通する凸状孔51Aとして形成されるが、ここに示すように、凸状孔51Aの一部または全てをカバー46の端面にまで延長して、溝状に形成してもよい。また、受部51は各孔49毎に異なる形状であってもよい。
【0080】
図16は、受部51の様々な変形例を示している。図16(A)のように、孔49の一側に連通する凸状孔51Aを受部51としてもよいし、図16(B)のように、この凸状孔51Aを同一の孔49から2つの異なる方向に設けてもよい。図16(C)や図16(D)では、矩形状の凸状孔51Aに代わって、三角状孔51Bや丸孔51Cを設けている。つまり、受部51としての孔形状は特に限定されない。さらに図16(E)では、孔49側への凹部51Dを受部51としている。この凹部51Dも、孔49の一側だけではなく、2つの異なる方向に設けてもよい。
【0081】
そして本参考例では、冷却装置の例えば外郭を組立てるのに際し、各ボス48にそれぞれの孔49が適合するように、ケース45の上面に板状のカバー46を載せると、孔49からボス48の上部が突出し、この突出部を超音波溶接機(図示せず)により潰してフランジ部53を形成することで、ケース45にカバー46が固定される。この場合、前記孔49の径はボス48の外径よりも0.3mm〜0.5mm程度大きく、孔49にボス48が若干の隙間54を有して挿入されるようになっているが、孔49に切欠いた受部51に超音波溶着によるケース材料(樹脂)が入り込み、この受部51に係合する凸状の係合部52が形成される。図15は、超音波溶着を行った後のボス48とその周辺の状態を示している。
【0082】
そして、ケース45に対してカバー46を水平方向に動かそうとすると、その方向とは別な向きに設けられた受部51に係合部52の側面が突き当たる。しかも各孔49に設けられた受部51は、それぞれ別な方向を向いているので、カバー46をどのような方向に動かしても、結局はいずれか一つの受部51に係合部52が突き当たって、それ以上の動きが規制される。
【0083】
以上のように本参考例では、複数の突起であるボス48と、これらのボス48に挿入する孔部としての各孔49とにより、例えば外郭をなす複数の部材(ケース45およびカバー46)を固定する冷却装置において、前記ボス48に形成した係合部52が係合可能な異なる方向に向いた受部51を各孔49に設けている。
【0084】
こうすると、複数の孔49のそれぞれに、異なる方向で受部51が設けられ、各孔49の受部51に対応してボス48が各々係合するようになっているので、一方の部材である例えばカバー46をある方向に動かそうとしても、ボス48の係合部52が孔49の受部51に直ぐに突き当たって、それ以上の動きが規制される。その結果、外郭をなす2つの部材の間のがたつきが大幅に減少する。
【参考例8】
【0085】
図17〜図22は、本発明の第8参考例を示すものである。先ず、冷却装置61の構成を図17〜図19に基づき説明すると、冷却装置61の外郭は、送風部62を取付けたファンベース63と、このファンベース63の上面を覆う例えば樹脂製のファンカバー64とにより構成される。送風部62は周知のように、固定子を含むモータ部65と、このモータ部65からの駆動力により回転するファン66とにより構成され、送風部62の上側および下側に位置して、ファンベース63とファンカバー64のそれぞれに設けた吸気孔67,68から空気を取込んで、吸気孔67,68と直交する方向にある排気孔69に空気を送り出すようになっている。
【0086】
71は、前記ファンカバー64から冷却装置61の下方に突出する脚部たる固定部である。この固定部71は、冷却装置61の例えば四隅に設けられており、樹脂製のピンすなわちロックピン72を挿通する孔73を有している。また、固定部71とは別に、その下端が後述する基板74の表面に突き当たる一乃至複数の部品押え部75が、ファンカバー64から冷却装置61の下方に突出して設けられる。ここでの固定部71および部品押え部75は、何れもファンベース63と一体的に形成されているが、別体であってもよい。
【0087】
ロックピン72は電気的に絶縁された樹脂で形成され、棒状の軸部72Aと、この軸部72Aの基端にある笠状の頭部72Bと、軸部72Aの基端にある鉤部72Cとにより構成される。またロックピン72の軸部72Aには、コイル状のスプリング77が伸縮可能な状態で挿通される。一方、前記固定部71に形成した孔73は、ロックピン72の軸部72Aだけが挿通可能な径小部73Aと、この径小部73Aよりは大径で、スプリング77付きのロックピン72全体が挿通可能な径大部73Bとにより構成され、径小部73Aと径大部73Bとの間には、スプリング77の一端が当接する段部78が形成される。また、特に径大部73Bの下側は、径小部73Aひいては段部78に向けて、徐々に孔径が小さくなるテーパー部79を形成している。このテーパー部79は、スプリング77付きのロックピン72を孔73の径大部73B側から挿入する際に、ロックピン72先端にある鉤部72Cが、自然に径小部73Aへと案内されるようにするためのものである。
【0088】
固定部71の下端部には、必要に応じて切欠き部80が形成される(図19参照)。この切欠き部80は、基板74に搭載される部品81が固定部71に干渉するのを避けるために設けられている。従って、切欠き部80の形状は部品81の外形を考慮して適宜決めればよい。なお、本参考例における固定部71は脚状に延び出しているが、扁平状の外郭(ファンベース63またはファンカバー64)の一部に孔73を設け、この孔73を含む外郭部分を固定部として完結させてもよい。
【0089】
次に、冷却装置61を取り付ける基板74の構成を図20に基づき説明する。固定対象物としての基板74は、周知のようにガラスエポキシなどの絶縁基材の片面若しくは両面に、銅箔などの導電パターンをエッチング形成して構成される。図20には、発熱部品である第1の半導体82と、この第1の半導体82よりもやや小さい同じく発熱部品としての第2の半導体83と、貫通孔84の近傍にある一乃至複数の電子部品85を基板74上に搭載した状態が示されているが、実際は基板74の表面全体に各種部品が高密度実装されている。また貫通孔84は、前記ロックピン72の鉤部72Cが弾性に抗して挿入される形状を有している。さらに、前記複数の第2の半導体83の上面を覆うように、熱伝導性の良好な部材からなる例えば金属の放熱板86が設けられる。
【0090】
次に、冷却装置61を基板74に組立てた状態を示す図21や図22も併せて参照しながら、本参考例における作用を説明する。冷却装置61を基板74の表面に取り付ける場合は、先ずファンカバー64と一体に形成した各固定部71の孔73に、予めスプリング77を装着したロックピン72を、径大部73Bの上端側から鉤部72Cを先にして挿入する。この挿入の過程で、孔73は上方の径大部73Bから下方の径小部73Aに向かうに従って、テーパー部79により次第に径が小さくなっているので、ロックピン72の先端にある鉤部72Cは容易に径小部73Aへと案内され、そこで一旦突き当たる。ここで径大部73Bの上端から突出したロックピン72の頭部72Bを押し込むと、鉤部72Cが弾性変形して径小部73A内に入り込み、当該径小部73Aの下端から鉤部72Cが突出するようになる。そして、ロックピン72の頭部72Bをさらに押し込み、鉤部72C全体が径小部73Aを抜け出して弾性復帰すると、鉤部72Cを外力で押し潰さない限り、ロックピン72の鉤部72Cが固定部71の底面に突き当たって、ロックピン72を抜き出すことが不可能になる。また、この状態では、ロックピン72の頭部72Bと、固定部71の孔73内周に形成した段部78との間に挟まれたスプリング77によって、鉤部72Cが固定部71の底面に突き当たる方向(上方向)にロックピン72が常時付勢される。
【0091】
次に、ロックピン72の鉤部72Cが基板74の貫通孔84に一致するように、冷却装置61を基板74の表面側に仮載置する。この状態から、スプリング77の付勢に抗して、それぞれのロックピン72の頭部72Bを基板74側に押し込むと、鉤部72Cが弾性変形して貫通孔84内に入り込み、さらに当該貫通孔84から鉤部72C全体が突き抜けて弾性復帰すると、鉤部72Cを外力で押し潰さない限り、ロックピン72の鉤部72Cが基板74の底面に突き当たって、ロックピン72を抜き出すことが不可能になる。それと共に、スプリング77の弾性力が作用して、固定部71とロックピン72の鉤部72Cとの間に基板74が挟まれ、冷却装置61が基板74上に固定される。
【0092】
図21および図22は、全てのロックピン72が基板74に係合した状態を示している。基板74の実装密度を上げるために、貫通孔84の近傍には電子部品81が配置されているが、ロックピン72やファンカバー64の固定部71は樹脂製であるため、冷却装置61との絶縁が確保されており、さらに部品81に対応して設けた切欠き部80により、固定部71が部品81を避けた位置で、ロックピン72による基板74との固定を実現することができる。
【0093】
またこの状態では、ファンカバー64に設けられた部品押え部75が、第2の半導体83から熱を奪って冷却する放熱板86を上面から押える構造となっている。そのため、放熱板86の浮きを抑えて第2の半導体83との密着性を高めることができ、放熱板86による放熱効果が向上する。
【0094】
そして、冷却装置61を基板74に取付けた状態でファン66を回転させると、冷却装置61の上部周辺にある比較的冷たい空気が吸気孔67から取込まれる一方で、第1の半導体82から発生する熱や、第2の半導体83から放熱板86に効率よく伝わった熱により、冷却装置61の上部周辺で比較的温められた空気が、別な吸気孔68から取込まれる。これらの空気は送風部62内で一体となって、冷却装置61の一側にある排気孔69から排出され、第1の半導体82や第2の半導体83の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0095】
以上のように、本参考例における冷却装置61は、孔部である孔73を有する固定部71と、孔73に挿通可能であって、その先端に抜止め用の鉤部72Cを備えた樹脂製のピンすなわちロックピン72と、孔73から抜け出す方向にロックピン72を付勢し、固定部71と鉤部72Cとの間に固定する対象物である基板64を挟持する弾性体としてのスプリング77とを備えている。
【0096】
このように、基板64への固定に際して樹脂製のロックピン72を利用することにより、ロックピン72の近傍に電子部品81などを配置した場合でも、十分な絶縁距離を確保できる。しかも、スプリング77の付勢力によって、固定部71と鉤部72Cとの間に基板64を挟持するだけで、従来のねじを回すような手間を省いて、簡単に冷却装置61を基板74に固定することができる。
【0097】
またここでは、孔73の内周に段部78を設け、この段部78とロックピン72の端部にある頭部72Bとの間にスプリング77を介在させると共に、所定部分である段部78に向かって孔73の径を徐々に小さく変化させる変化部としてのテーパー部79を設けている。
【0098】
こうすると、ロックピン72を孔73に挿入する際に、孔73の内部にある段部78に向かうに従って、その径が小さく変化しているので、ロックピン72の動きが規制されて、段部78の先にある孔73の部分にロックピン72を簡単に挿入することが可能になる。
【0099】
さらに本参考例では、固定部71などに対象物である部品81との干渉を避ける切欠き部80を設けている。すなわち、固定部71やロックピン72の近傍に部品81などが配置される場合でも、切欠き部80により固定部71が部品81を避けた位置で、ロックピン72による基板74との固定を実現することができる。
【実施例1】
【0100】
図23〜図25は、本発明の第1実施例を示すものである。これらの各図において、91は例えばCPUなどの熱源92からの熱を受ける冷却装置の受熱部としての受熱板であり、この実施例ではフローティング部94を具備する取付板95と分離して設けられている。なお、96は熱源92を実装する基板で、当該熱源92を含む基板96が冷却装置を固定する対象物となっている。
【0101】
受熱板91,フローティング部94および取付板95の構成をより詳しく説明すると、受熱板91は熱伝導性の良好な部材で構成され、熱源92の当接部91Aと、この当接部91Aから両側に延びる舌片91Bとからなる。一方、枠状の取付板95は、フローティング部94のねじ97を挿通する孔(図示せず)がその四隅に設けられ、前記受熱板91の舌片91Bが取付板95に当接する。すなわちここでは、枠状に囲んだ取付板95が受熱板91に乗るようになっているが、取付板95は受熱板91よりも変形しにくい材料が選択される。
【0102】
フローティング部94は、軸部97Aの基端にフランジ状の頭部97Bを有し、先端に雄ねじ部97Cを有するねじ97と、このねじ97の頭部97Bと取付板95の一側面との間に設けられ、取付板95を熱源92付きの基板96に向けて付勢する弾性体としてのコイルばね98と、ねじ97の軸部97Aに取付けられ、取付板95がねじ97から脱落するのを防止する例えばEリングのようなストッパ99とからなる。そして本実施例では、受熱板91にフローティング部94が取付けられておらず、コイルばね98による荷重が直接受熱板91に作用しない構成となっている。
【0103】
上記構成において、受熱板91を熱源92付きの基板96に固定する際には、取付板95と熱源92との間に受熱板91を介在させた状態で、基板96の適所に設けた貫通孔96Aに、基板96の一側からねじ97の雄ねじ部97Cを挿通し、この基板96の他側から突出した雄ねじ部97Cの先端部分に、例えばナットなどの止着部材を螺着する。これにより、基板96はねじ97の軸部97A底面とナットとの間に挟持固定される。またこのときには、受熱板91が基板96の表面側にある熱源92に当接するので、取付板95がコイルばね98の付勢に抗してストッパ99より浮き上がるが、コイルばね98の弾性力は取付板95に作用して、直接的には受熱板91に及ばないので、当該受熱板91の変形を抑制することができる。したがって、受熱板91と熱源92との熱抵抗も小さくなり、熱源92から受熱板91への熱伝導性能も悪化しない。
【0104】
以上のように本実施例では、対象物である熱源92付きの基板96に固定される固着部材としてのねじ97と、ねじ97に装着される弾性体としてのコイルばね98と、コイルばね98により前記熱源92付きの基板96に向けて付勢される取付部たる取付板95と、取付板95と分離して設けられ、熱源92付きの基板96に当接する受熱部たる受熱板91とを備えている。
【0105】
こうすると、熱源92付きの基板96に当接する受熱板91と、コイルばね98により前記熱源92付きの基板96に向けて付勢される取付板95が別部材で構成されるので、コイルばね98の付勢力は取付板95に作用するものの、直接的には受熱板91に及ばなくなって、受熱板91の変形を抑制できる。
【実施例2】
【0106】
図26は、本発明の第2実施例を示すものである。なお、この実施例は第1実施例と共通部品が多いので、同一箇所には同一符号を付して説明する。
【0107】
本実施例では、図24に示すリング状の固定したストッパ99に代わり、基板96の表面に当接する筒状のストッパ101を、ねじ97の軸方向に対し移動可能に設けた点が注目される。また、インサートとしてのねじ97は、第1の軸部97Aと雄ねじ部97Cとの間に、第1の軸部97Aよりも若干径小な第2の軸部97Dを有し、移動したストッパ101の上面が第1の軸部97Aの底面に当接できるようになっている。
【0108】
ストッパ101は、第2の軸部97Dに挿通可能な第1の孔101Aと、この第1の孔101Aおよび基板96に形成した貫通孔96Aよりも径大な第2の孔101Bを、その上部と下部にそれぞれ有しており、ストッパ101の底面101Cが基板96の表面(上面)に当接載置するようになっている。また、第2の軸部97Dの下部には、ストッパ101および後述する受熱板103がねじ97から脱落するのを防止するために、第1の孔101Aよりも径大な膨出部97Eが形成される。これにより、抜け止め用の膨出部97Eと、第1の軸部97Aの底面との間で、ストッパ101が移動できるようになる。なお変形例として、ストッパ101がねじ97に固定される構造であってもよい。
【0109】
102は、基板96の裏面側に突出した雄ねじ部97Cに螺合する蝶ナットである。なお、蝶ナット102以外の別な止着部材を利用してもよい。また本実施例では、熱源92に当接する受熱板103が、コイルばね98により熱源92付きの基板96に直接付勢されているが、第4実施例のような受熱板91と取付板95とを分離した構成を、受熱体として採用してもよい。
【0110】
次に、上記構成についてその作用を説明すると、受熱板91を熱源92付きの基板96に固定する際には、基板96の適所に設けた貫通孔96Aに、基板96の一側からねじ97の雄ねじ部97Cを挿通し、この基板96の他側から突出した雄ねじ部97Cの先端部分に蝶ナット102を螺着する。ねじ97の雄ねじ部97Cを蝶ナット102にねじ込むに従って、熱源92と共に基板96が受熱板103側に近づき、やがて熱源92の上面(受熱面)が受熱板103の下面に当接すると、コイルばね98の付勢に抗して熱源92付きの基板および受熱板103を押上げるようになる。
【0111】
ここで、Eリングのような従来のストッパであれば、コイルばね98が完全に押し潰された状態になるまで、ねじ97をねじ込むことができるので、基板96が破壊する虞れを生じるが、本実施例では、筒状のストッパ101の両端がねじ97における第1の軸部97Aの底面と基板96の表面にそれぞれ当接すると、受熱板103側への熱源92および基板96の移動が規制され、ねじ97をそれ以上に締め付けることができなくなる。従って、コイルばね98が完全に押し潰される前に、ねじ97が締め付けできなくなるように、ストッパ101の寸法を予め規定しておけば、過度のねじ97の締め付けを確実に防止することができる。
【0112】
以上のように本実施例では、対象物である熱源92付きの基板96に固定される固着部材としてのねじ97と、熱源92が当接可能で、ねじ97の第1の軸部97Aや第2の軸部97Dに挿通可能な受熱部としての受熱板103と、熱源92付きの基板96に向けて受熱板103を付勢する弾性体としてのコイルばね98と、基板96とねじ97の第1の軸部97A底面との間に介在して、基板96が受熱板103側に移動するのを規制すると共に、ねじ97が受熱板103から抜け出すのを防止するために、ねじ97の膨出部97Eに当接するストッパ101とを備えている。
【0113】
こうすると、ねじ97を例えばねじ締めなどにより熱源92付きの基板96に固定する際に、基板96にストッパ101が突き当たると、それ以上はコイルばね98の付勢に抗してねじ97を受熱板103側に移動させることができなくなる。したがって、受熱板103がコイルばね98を押し潰す前に、ストッパ101が基板96に突き当たるように、ストッパ101の寸法を予め決めておけば、熱源92付きの基板96に過度の力が与えられず、熱源92付きの基板96の破壊が回避される。また、このストッパ101は、本来受熱板103からねじ97が抜け出すのを防止するのに設けられているので、従来のものと比べて部品点数は全く増加しない。
【0114】
なおこの実施例では、ねじ97と蝶ナット102とのねじ締め以外にも、別な固着手段により基板96を受熱板103に固定してもよい。
【実施例3】
【0115】
図27〜図29は、本発明の第3実施例を示すものである。先ず、冷却装置110としての構成を、図27および図28に基づき説明すると、冷却装置110は熱伝導性の良好な材料を例えばダイカスト成形してなるヒートシンク111と、このヒートシンク111の一側に形成した凹部112の上面を塞ぐ板状のカバー113とにより外郭を形成している。凹部112には、回動可能なファン115を備えた送風部116が収容され、ファン115の回転軸方向に臨んで、ヒートシンク111とカバー113にはそれぞれ吸気孔117,118が開口形成される。また、この吸気孔117,118と直交する凹部112の側面に、図示しない排気孔が開口形成される。
【0116】
121は、ヒートシンク111の他側に一体的に形成された受熱体に相当する受熱部である。受熱部121の下面側には凹状の受部122が形成され、この受部122に例えばパソコン筺体(図示せず)に取付けられるCPUなどの熱源123が配設されるようになっている。なお、ヒートシンク111と別体に受熱部121を設け、ヒートシンク111と受熱部121との間を、熱伝達手段であるヒートパイプ(図示せず)などで連結してもよい。
【0117】
131は受熱部121の例えば四隅にそれぞれ配置されるフローティング部で、このフローティング部131は、受熱部121の下面より突出した雄ねじ部132と、受熱部121に取付けられるフランジ133付きの筒状体134とにより形成される。雄ねじ部132は、例えば前記第5実施例のような蝶ナット102を螺合して、冷却装置110を対象物であるパソコン筺体に取付けできるようにするものであるが、雄ねじ部132以外の固着構造を適用してもよい。
【0118】
135は、受熱部121の上側に配設される板状弾性体としての板ばねである。この板ばね135は、図29にも示すように、受熱部121の熱源123が接続される箇所に対応した中央部136と、この中央部136の周囲から四方に延びた腕部137とを形成してなり、各腕部137の先端には、フローティング部131の筒状体134が挿通可能な孔138がそれぞれ形成される。また本実施例では、中央部136の受熱部121に対向する側に、複数箇所(3〜5箇所)の凸部139を熱源123の中心に対して略均等に配置している。板ばね135は、図27の点線で示すように、単体の状態では中央部136の凸部139を設けた側が凸状に湾曲している。
【0119】
次に上記構成について、その作用を説明すると、本実施例の冷却装置110はフローティング部131の雄ねじ部132によって、対象物である例えばパソコン筺体に固定されると共に、プリント基板などに実装された熱源123が、受熱部121の下面側に形成された受部122に配置される。この状態では、予め板ばね135の周囲部にある孔138にフローティング部131の筒状体134が挿通されており、フローティング部131の上端にあるフランジ133に当接した腕部137が、受熱部121に対向する中央部136を支点として弾性変形する。このとき、板ばね135の中央部136には受熱部121側に突出する複数の凸部139があるので、受熱部121の熱源123が接する箇所に均等に荷重がかかる。したがって、受熱部121に対して熱源123が傾きにくくなり、双方の密着性が改善される。
【0120】
以上のように本実施例では、熱源123を接続する受熱部としての受熱部121と、この受熱部121を熱源123に付勢する板状弾性体たる板ばね135を備えた冷却装置110において、受熱部121に当接する複数の凸部139を板ばね135に設けている。
【0121】
こうすると、板ばね135に設けたそれぞれの凸部139が、受熱部121に対して均等に荷重を加えることになるので、熱源123に対して受熱部121が傾きにくくなり、熱源123と受熱部121との密着性を改善することができる。
【参考例9】
【0122】
図30および図31は、本発明の第9参考例を示すものである。この参考例は、上記第7参考例と同じく、冷却装置の外郭をなすケース141とカバー142との取付け構造に関するもので、これらのケース141およびカバー142は、樹脂製であっても金属製であってもよい。143,144は、ケース141とカバー142のそれぞれに形成された吸気孔で、この吸気孔143,144に対向して、ケース141およびカバー142に囲まれた風洞内には、図示しないファン付きの送風部が設けられる。またこの参考例では、冷却装置の一側に開口した排気孔145が形成される。
【0123】
ケーシングに相当するケース141は、前記吸気孔144を形成した底部151と、この底部151の端縁から垂直に立ち上がる周壁152とにより形成され、周壁152の上端適所には、コ字状に切欠かれた凹部153が複数設けられる。また、カバー142の側面には、凹部153に対応して複数個の凸状の爪155が一体的に設けられる。さらに、凹部153に係合した爪155が容易に抜け出せないように、凹部153ひいては爪155の幅よりも若干幅狭な間隔で、凹部153の上部両側に弾性変形可能な隆起部157が設けられる。この隆起部157の上端は、周壁152の上端と同一の高さか、さもなければ図31に示すように、僅かに高くなる程度に形成する。
【0124】
そしてこの参考例において、ケース141にカバー142を取付ける場合には、カバー142の爪155をケース141の向かい合う隆起部157,157間に載せ、図30に示す矢印Mの方向、すなわちカバー142の上方向から、隆起部157,157の弾性に抗して、それぞれの爪155を凹部153に向けて押し込む。ここで、爪155が隆起部157,157を乗り越えて、凹部153に突き当たるまでカバー142を押し込むと、隆起部157,157が弾性復帰して爪155が抜け出せなくなり、ケース141に対するカバー142の固定が図られる。
【0125】
ケース141にカバー142を組み込んだ状態では、爪155の先端が周壁152の外面から出っ張らず、また冷却装置の最上面となる隆起部157の上端も、周壁152の上端と殆ど同じ高さになっているので、冷却装置の外形をコンパクトにできる。また、ケース141に対してカバー142を押し込む作業だけなので、後で折り曲げたりする加工も不要であり、加工設備が少なく済む上に、溶着のように振動を与えたり、バラツキが生じることもなく、確実にカバー142をケース141に取付けることができる。これは、本参考例におけるカバー142の側面に延設した爪155と、ケース141に形成した隆起部157,157付きの凹部153とにより実現可能である。
【参考例10】
【0126】
図32〜図34は、本発明の第10参考例を示すものである。図32は、一般的なターボファンの送風部170からの風の速度(風速)を図示したもので、172は送風部170に備えたファン、173はファン172の外周を囲むケース174の周壁で、ファン172を矢印Rの方向に回転すると、ケース174の一側にある排気口175から風が排出されるようになっている。排気口175からの風速Fsは、ファン172の外周接線方向に沿った風が多く排出される一側175Aのほうが、他側175Bよりも大きくなる。すなわち、排気口175からの風速Fsは均一ではなく、ファン172の外周接線方向から排出される風の量に応じて異なっている。
【0127】
従来、排気口175に配設される放熱フィンの各フィン片は、例えば上記特許文献1や特開2001−44348号公報にあるように、その配置位置に拘らず同じ長さで、フィン片間の空気が通過するフィンピッチも同一であった。しかし、これでは冷却装置の風速特性とは無関係に、放熱フィンにおける単位面積あたりの風接触面積が一定となってしまうので、十分な冷却性能を発揮することができない。
【0128】
図33は、こうした問題に対処した冷却装置の一例を示しており、同図において、排気口175には複数のフィン片181を並設してなる放熱フィン182が配置され、ここでは風速Fsの小さい排気口175の他側175Bから、風速Fsの大きい排気口175の一側175Aに向けて、個々のフィン片181の長さが次第に長くなるように形成している。すなわち、フィン片181の長さは排気口175からの風速Fsに比例して調整されており、放熱部としての放熱フィン182における単位面積あたりの風接触面積を、配置部位に応じて変化させている。
【0129】
このような構成では、排気口175の風速Fsの大きい一側175A周辺で、放熱フィン182の風が接触する面積が多くなっているので、空気(風)との熱交換性能が、従来の一定の長さのフィン片からなる放熱フィンよりも向上し、冷却装置として冷却性能の向上に貢献できる。また、ファン172の外周から放熱フィン182の入口面に至る距離が、放熱フィン182の一側175Aから他側175Bにかけて略一定となるように、各フィン片181が配置されているので、放熱フィン182の入口面における局部的な騒音の増加を抑えることができる。
【0130】
また別な変形例として、図34に示すように、排気口175における風速Fsの分布に合せて、風速Fsの小さい排気口175の他側175Bから、風速Fsの大きい排気口175の一側175Aに向けて、各フィン片181の長さを変化させるだけでなく、空気が通過するフィンピッチを次第に狭くする構成としてもよい。すなわち、各フィン片181間のフィンピッチは排気口175からの風速Fsに反比例して調整されており、放熱部としての放熱フィン182における単位面積あたりの風接触面積を、配置部位に応じて変化させている。
【0131】
このように、フィン片181の長さとフィンピッチとを共に調整することで、放熱フィン182における熱交換性能をさらに向上させることができる。なお、図34において、各フィン片181の長さは一定とし、フィン片181間のフィンピッチのみを、配置位置に応じて変化させる構成としてよい。その場合も、排気口175の風速Fsの大きい一側175A周辺で、放熱フィン182の風が接触する面積が多くなるように、フィン片181間のフィンピッチを適宜調整すればよい。
【参考例11】
【0132】
図35〜図37は、本発明の第11参考例を示すものである。同図において、191は熱伝導性の良好な材料からなるヒートシンク、192は送風部193を取付けたヒートシンク191の裏側(下側)を覆うカバーで、この参考例においても、送風部193の軸方向両面にある吸気孔194,195から空気を吸い込んで、当該吸気孔194,195と直交する方向にある排気口196から空気を送り出す構造となっている。また、197は排気口196に配設された複数のフィン片198を並設してなる放熱フィンである。
【0133】
201は、ヒートシンク191に一体形成された略平板状の取付部であり、この取付部201の略中央に形成した窓孔202に、板状の受熱部たる受熱板203が係合している。受熱板203の裏側には、図示しないCPUなどの熱源が密着接続される一方で、受熱板203の表側(上側)には、熱輸送手段である例えばヒートパイプ205の一端部205Aが溶着などにより熱的および機械的に接続される。また、ヒートパイプ205の他端部205Bは、放熱フィン197の長手方向に沿って配置され、そこで放熱フィン197と例えば溶接などにより熱的および機械的に接続されている。
【0134】
前記取付部201には、窓孔202に配置された受熱板203の表側面が部分的に当接可能な片すなわち突当て片206が形成される。また、取付部201の表側面には、ヒートパイプ205の一端部205Aの基端および先端がそれぞれ当接可能な当接部208,209が形成される。受熱板203とヒートパイプ205とを接続した連結体211と、ヒートシンク191の一部である取付部201との機械的な接続は行なわれていないが、突当て片206を形成したことによって、取付部201の裏側面が受熱板203に当接できるようになっており、また当接部208,209を形成したことによって、取付部201の表側面がヒートパイプ205に当接できるようになっていて、受熱板203とヒートパイプ205とを接続した連結体211が、取付部201の両側を挟んでいるため、当該連結体211はヒートシンク191から外れないようになっている。また、突当て片206に受熱板203が当接したときには、ヒートパイプ205と当接部208,209との間に隙間が形成され、逆に当接部208,209にヒートパイプ205が当接したときには、突当て片206と受熱板203との間に隙間が形成される。すなわち、図37の矢印Bに示すように、受熱板203と熱源との密着性を考慮して、連結体211は取付部201の上下方向にある程度移動できるようになっている。
【0135】
なお本参考例では、受熱部としての受熱板203が1箇所にだけ設けられているが、複数箇所の受熱部があってもよい。また、複数本のヒートパイプ205を使用してもよい。
【0136】
本参考例では、冷却装置の組立に際し、ヒートシンク191と一体的に形成された取付部201の窓孔202に受熱板203を係合させ、この受熱板203の上側にヒートパイプ205の一端部205Aを載せる。ここで、突当て片206と当接部209には、ヒートパイプ205の位置決めとなる一対の壁部213,214が、取付部201の表面側に立ち上がるようにそれぞれ形成されているので、取付部201の当接部208,209に、その一端部205Aの基端および先端が位置するように、ヒートパイプ205が自ずと配置される。そしてこの状態で、ヒートパイプ205の一端部205Aと受熱板203とを、例えば溶着などにより接合すると、ヒートパイプ205と受熱板203とからなる連結体211が形成され、且つこの連結体211が取付部201の両面側を挟持する。
【0137】
以上のように、本参考例では熱伝達手段であるヒートパイプ205と、受熱部である受熱板203とを固定してなる連結体211と、この連結体211により挟持されるヒートシンク191の取付部201とからなる冷却装置を提案している。この場合、受熱板203とヒートシンク191との機械的な連結はなく、ヒートパイプ205と受熱板203との間でのみ機械的な固定が図られると共に、受熱板203はヒートシンク205に対し若干の隙間があって移動できるようになっているので、受熱板203の熱源への追従性能が向上する。
【0138】
すなわち、従来のように受熱板がヒートシンクに固定されていると、受熱板と熱源との間に僅かな隙間が生じたときに、ヒートシンクから受熱板を分離して動かせないので、冷却性能の悪化が避けられないが、本参考例では受熱板203をヒートシンク191の取付部201から分離して動かすことができるので、冷却装置としての冷却性能の悪化を簡単に回避することができる。
【参考例12】
【0139】
図38〜図41は、本発明の第12参考例を示すものである。同図において、231は熱伝導性の良好な材料からなるヒートシンク、232は送風部233を取付けたヒートシンク231を部分的に覆うカバーで、この参考例においても、送風部233の軸方向両面にある吸気孔234,235から空気を吸い込んで、当該吸気孔234,235と直交する方向にある排気口236から空気を送り出す構造となっている。また、31は排気口236に対向して設けられた第6参考例と同一構造の放熱フィンであり、ここでは、ヒートシンク231の一部をなす受熱板240上に載置固定されている。そしてこの参考例では、受熱板240の下面に接続した熱源241からの熱が、受熱板240から放熱フィン31に速やかに伝達され、そこで排気口236から送り出された風が、放熱フィン31のダクト34を通過することで、放熱フィン31に達した熱を効率よく奪う構成になっている。
【0140】
本参考例におけるヒートシンク231を含む受熱板240と、放熱器としての放熱フィン31と、カバー232は、いずれも厚さtが1.0mm以下の塑性加工品にて構成される。このように、冷却装置の外郭をなすヒートシンク231やカバー232、さらには受熱部としての受熱板240が、全て1.0mm以下の厚さtを有する塑性加工品であれば、薄型で軽量な冷却装置とすることができると共に、同じ外形寸法であっても送風部233をより大きくすることができ、高風量化を達成できる。さらには、ダイカスト成形などよりも設備投資が少なく済み、安価な送風装置を提供できる。
【0141】
なお変形例として、上記構成に加えて、図41に示すように、受熱板240に達した熱を送風部233の周辺に導く熱輸送手段としてのヒートパイプ251を、ヒートシンク231に沿って配設してもよい。
【0142】
なお、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、それぞれの実施例に示す特徴を複数組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0143】
91 受熱板(受熱部)
92 熱源(対象物)
95 取付板(取付部)
96 基板(対象物)
97 ねじ(固着部材)
98 コイルばね(弾性体)
101 ストッパ
103 受熱板(受熱部)
121 受熱部
123 熱源
135 板ばね(板状弾性体)
139 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に固定される固着部材と、前記固着部材に装着される弾性体と、前記弾性体により付勢される取付部と、前記取付部と分離して設けられ、前記対象物に当接する受熱部とを備えたことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
対象物に固定される固着部材と、前記対象物が当接し、前記固着部材に挿通する受熱部と、前記受熱部を付勢する弾性体と、前記対象物と前記固着部材との間に介在すると共に、前記固着部材が前記受熱部から抜け出すのを防止するストッパとを備えたことを特徴とする冷却装置。
【請求項3】
熱源を接続する受熱部と、板状弾性体とを備えた冷却装置において、凸部を前記板状弾性体に設けたことを特徴とする冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公開番号】特開2011−142345(P2011−142345A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83663(P2011−83663)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【分割の表示】特願2008−118502(P2008−118502)の分割
【原出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】